電子部品パッケージ
【課題】電子部品の周波数特性を向上させることを目的とする。
【解決手段】この目的を達成するために本発明は、実装基板14上に配置された外部電極15を介して実装された電子部品6をモールド樹脂16で被覆した電子部品パッケージにおいて、電子部品6は、圧電体からなる部品基板7の下面に配置したIDT電極8を部品カバー9で覆った構造であり、部品基板7とモールド樹脂16との間に弾性率が部品基板7より小さく且つモールド樹脂16より大きい中間弾性層17を設けた構造とした。
【解決手段】この目的を達成するために本発明は、実装基板14上に配置された外部電極15を介して実装された電子部品6をモールド樹脂16で被覆した電子部品パッケージにおいて、電子部品6は、圧電体からなる部品基板7の下面に配置したIDT電極8を部品カバー9で覆った構造であり、部品基板7とモールド樹脂16との間に弾性率が部品基板7より小さく且つモールド樹脂16より大きい中間弾性層17を設けた構造とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面弾性波素子をモールド樹脂で覆った電子部品パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13は電子部品としてSAW(表面弾性波)フィルタ1を挙げ、従来の電子部品パッケージを示したものである。
【0003】
このように、従来の電子部品パッケージは、部品基板2と、部品基板2の下面に配置した表面弾性波素子としてのIDT電極3と、部品基板2の下方を覆う部品カバー4とを備え、IDT電極3と部品カバー4との間には、弾性波の振動空間を気密状態で保持するためのキャビティ5が形成されている。
【0004】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開平1−209811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、前述のような従来の電子部品パッケージでは、部品基板2の表面を伝搬しない不要波(以下バルク波という)により、周波数特性が劣化するという問題が発生している。
【0006】
これは主に、IDT電極3が設けられた部品基板2とその周囲部分における音響インピーダンスの差が大きいことに起因している。
【0007】
すなわち、入力側のIDT電極3aからは表面弾性波以外にも、部品基板2の中を伝搬するバルク波も放出され、このバルク波は部品基板2の側面で反射し出力トランスデューサへ到達することで、このバルク波も出力側のIDT電極3bで検出されてしまい、SAWフィルタ1の周波数特性が劣化してしまう。
【0008】
そして、部品基板2の側面におけるバルク波の反射は、部品基板2とこの部品基板2の周囲部分(この図13においては空気となる)とで弾性率が著しく異なり、これに比例して部品基板2から外気に至る音響インピーダンスの差が大きくなりその分反射が大きくなるからである。
【0009】
そして特に近年、電子部品の小型化が進み、IDT電極3と部品基板2の側面との距離が短くなっていることから、バルク波により周波数特性が劣化する問題が顕在化しているのである。
【0010】
そこで本発明は、バルク波による周波数特性の劣化を低減し、電子部品の周波数特性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そして、この目的を達成するために本発明は、実装基板上に配置された外部電極を介して実装された電子部品をモールド樹脂で被覆した電子部品パッケージにおいて、電子部品は、圧電体からなる部品基板の下面に配置したIDT電極を部品カバーで覆った構造であり、部品基板とモールド樹脂との間に弾性率が部品基板より小さく且つモールド樹脂より大きい中間弾性層を設けた構造としたのである。
【発明の効果】
【0012】
このような構成によれば、電子部品の内部から外側に向かって、部品基板、中間弾性層、モールド樹脂の順に弾性率が小さく(軟らかく)なり、この順に滑らかにバルク波の音響インピーダンスを推移させることができる。したがって、部品基板の側面に到達したバルク波を、部品基板から中間弾性層へ、また中間弾性層からモールド樹脂へとスムーズに伝搬させることができ、その結果として、部品基板内部のバルク波を低減し、電子部品の周波数特性を向上させることができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(実施の形態1)
実施の形態1の電子部品パッケージについて、電子部品としてアンテナ共用器用弾性波装置(以下SAWデュプレクサ6という。)を例に挙げて説明する。
【0014】
図1に示すように、このSAWデュプレクサ6は、部品基板7と、この部品基板7の下面に配置した共振素子となるIDT電極8と、部品基板7の下方を覆う部品カバー9とを備えている。そして、この部品カバー9の上面のIDT電極8に対向する部分には、凹部10を有している。なお、この凹部10は、IDT電極8間を伝播する表面弾性波の振動空間となるキャビティ11を形成するものである。また、部品基板7の側面は加工変質層12でありこの部品基板7の上面には保護体13を配置している。なお、加工変質層12とは、図2の拡大図に示すように、部品基板7の表面が切断時の機械的エネルギーを受け、塑性変形して生じた凹凸部分を言う。
【0015】
さらに、このSAWデュプレクサ6は、実装基板14上の外部電極15を介して実装基板14上に実装され、この実装基板14上においてモールド樹脂16で被覆することで電子部品パッケージを形成している。
【0016】
そして上記モールド樹脂16としてはSiO2のフィラを80〜90wt%含有するエポキシ樹脂を用い、保護体13としてはSiO2のフィラを20wt%含有するエポキシ樹脂を用いた。
【0017】
また、本実施の形態では、部品基板7はLiTaO3を用いて形成し、部品カバー9はシリコン、IDT電極8はアルミニウムで形成した。
【0018】
その他、部品基板7の材料としてLiNbO3などの圧電体が挙げられ、またIDT電極8の材料として他の金属材料を用いてもよい。
【0019】
そして、この電子部品パッケージにおいては加工変質層12及び保護体13の弾性率が部品基板7の弾性率より小さく且つモールド樹脂16の弾性率より大きい中間弾性層17を構成しており、部品基板7とモールド樹脂16との間にこの中間弾性層17を介在させることで、バルク波による周波数特性の劣化を低減し、電子部品の周波数特性を向上させることができるのである。
【0020】
すなわち、部品基板7とモールド樹脂16の間に中間弾性層17を介在させることにより、部品基板7からモールド樹脂16に至るバルク波の放出経路における弾性率の変移が順に小さくなるというように、部品基板7からモールド樹脂16にかけて弾性率がなめらかに変移するようになる。
【0021】
そして、この弾性率の変移にともない音響インピーダンスも部品基板7からモールド樹脂16の順に滑らかにバルク波の音響インピーダンスを変移させることができ、結果として、部品基板7の側面に到達したバルク波を、部品基板7から中間弾性層17へ、さらには中間弾性層17からモールド樹脂16へと、電子部品の外側へスムーズに伝搬させることができ、バルク波による周波数特性の劣化を低減し、電子部品の周波数特性を向上させることができるからである。
【0022】
なお、この中間弾性層17を形成するにあたり、部品基板7の側面においては加工変質層12を用いて、また部品基板7の上面においては保護体13を用いたが、これらは電子部品パッケージの生産性を考慮したものであり、以下にその製造方法を説明する。
【0023】
はじめに、ウエハ状の部品基板7を複数の区画に分ける。なお、図3はこの区画の一つを示したものである。そして、ウエハ状の部品基板7の下面全体にアルミニウムを蒸着スパッタし、その後、ドライエッチング加工でIDT電極8等の電極パターンを形成する。なお、IDT電極8の両端部には、短絡電極を平行に配置した反射器を配置するのが一般的であるが、簡略化して示した。
【0024】
次に、図4(a)に示すIDT電極8等の所定の電極パターンを形成したウエハ状態の部品基板7に、図4(b)で示すように部品基板7上全体に感光性樹脂層18を形成し、マスク19を用いてIDT電極8等の所定の電極パターンに相当する部分以外をマスキングし、露光し現像することで図4(c)で示すようにマスキングしていない部分だけ感光性樹脂層18が硬化して残り、マスキングした部分には残らない。
【0025】
その後、図4(d)で示すように、部品基板7の上面全体にSiO2をスパッタし、次にこの部品基板7を、剥離液などに浸漬し、感光性樹脂層18を溶解して部品基板7から脱落させる。そうすると、図4(e)で示すように、感光性樹脂層18のない部分、すなわちIDT電極8と引き出し電極(図示せず)以外の部分にのみSiO2が残り、この残ったSiO2を接着部19とする。
【0026】
一方、部品カバー9は図4(f)に示すように、シリコン板の下面に、前記IDT電極8と向かい合う部分に、ドライエッチング加工あるいはサンドブラスト加工で凹部10を形成し、この部品カバー9と部品基板7とを、接着部19を介して、常温で直接原子間結合することでSAWデュプレクサ6の集合体を形成することができる。なお、本実施の形態では部品カバー9を接着する工程は真空で行った。
【0027】
次に、図5(a)で示すように、上記SAWデュプレクサ6の集合体を反転し、部品基板7の上面に保護体13を配置する。この時、保護体13と前記部品基板7とが密着するように、軽く押圧(2atm〜3atm)して接着するとよい。
【0028】
その後、図5(b)に示すように、回転刃20を用いて、保護体13の上面から部品カバー9の下面までを電子部品毎に切断し、分離する。なお、この回転刃20はダイヤモンド砥粒を付着させたものであり、この回転刃20の砥粒の番手が#1000以上#2000以下であるものを用いた。また、この回転刃20の切断速度は、毎秒約10mm(スピンドルスピード5000〜6000rpm)とした。
【0029】
次に、図6のSAWデュプレクサ6の断面図(図3のB−B断面)に示すように、部品カバー9にドライエッチング加工により貫通孔21を設け、この貫通孔21の内側にTi、Ni、Auを順次蒸着し金属膜を形成し、さらにその金属膜の内部にはんだを印刷して外部端子接続部22を形成する。次に、この外部端子接続部22の下面に実装基板14の外部電極15に接合される図7の受信端子23、アンテナ端子24、送信端子25、グランド端子26を形成する。
【0030】
なお、図7は部品カバー9の下面図であり、外部電極15に接合される受信端子23、アンテナ端子24、送信端子25、グランド端子26の配置位置を示している。
【0031】
そして、図1に示すように、外部電極15を介して前述のSAWデュプレクサ6を実装基板14上に実装し、その後このSAWデュプレクサ6を、金型に入れ、この金型に加熱したモールド樹脂16を樹脂温度175℃、注入圧力50〜100atmで注入し、その後冷却して電子部品パッケージを成形するのである。
【0032】
そして、このような製造過程において、図2に示す部品基板7の側面の中間弾性層17となる加工変質層12は、図5(b)に示す回転刃20を用いてウエハ状のSAWデュプレクサ6を切断・分離する工程において、その回転刃20の砥粒の番手を#1000以上#2000以下とすることによって切断面に細かな凹凸が形成され、この凹凸にモールド樹脂16が入り込み混成構造となることで、この部分での弾性率は部品基板7より小さく且つモールド樹脂16より大きい加工変質層12が形成されるので、特に専用の工程を設けることなく容易に部品基板7の側面に中間弾性層17を設けることができるのである。
【0033】
また、部品基板7の上面の中間弾性層17となる保護体13については、先に延べたようなウエハ状の集合体の表面に配置して軽く押圧するというように、簡単に形成することができるのである。
【0034】
なお、保護体13を部品基板7の上面に配置する際、軽く押圧(2atm〜3atm)するのは、図8に示すように、一般的に部品基板7の表面には研磨加工による細かな凹凸があることから、常圧で保護体13を配置するだけでは、この保護体13と部品基板7が密着せず、凹凸に空気が介在してしまい、この空気の音響インピーダンスが部品基板7と著しく異なることから、バルク波27は部品基板7と保護体13との界面で殆ど反射してしまうが、保護体13の配置の際に押圧することによって、部品基板7の凹凸にも保護体13が入り込み密着度を高めることができ、部品基板7と音響インピーダンスが著しく乖離する空気の介在を低減することができ、部品基板7から保護体13へのバルク波27の透過量を増大させることができる。よってバルク波27の積算減衰量を増大させ、結果として電子部品の周波数特性を向上させることができるのである。
【0035】
さらに、上記保護体13によって、電子部品の薄型化を達成することができる。
【0036】
すなわち、従来は前述のバルク波27を減衰させるため、部品基板7の厚みを増加し、バルク波の伝搬距離を増やす手段をとっていた。しかし、単結晶構造である部品基板7と異なり、保護体13は樹脂製のため、その分子構造は規則性が乏しく、したがって部品基板7よりも保護体13の方がバルク波27の減衰量が増加する。よって、同じバルク波27の減衰率を得ようとすれば、部品基板7だけの場合より、保護体13を設けた方が薄くできるからである。
【0037】
なお、本実施の形態では保護体13として図8に示すようにフィラ28を含有するエポキシ樹脂を用いたが、部品基板7との接着性がよく、部品基板7の撓みを押さえる程度の弾性率を有するものであれば他の物質を用いてもよい。なお、保護体13として樹脂を用いる場合、フィラ28を含まない一般的な樹脂テープの弾性率が3GPa未満であるから、樹脂にフィラ28を含有させ、弾性率を3GPa以上とすることが好ましい。また、フィラ28の含有率は、エポキシ樹脂を用いる場合、フィラ28を過度に増加すると、接着性が悪くなることから、20wt%〜50wt%が望ましい。
【0038】
(実施の形態2)
本実施の形態2の実施の形態1との違いは、図9に示すように、キャビティ11の下方に相当する部分にダミー電極29を配置したことであり、外圧によるSAWデュプレクサ6の損傷を抑制することができる。これは、保護体13を設ける際、押圧する必要があることから、薄型でキャビティ11を有する損傷しやすい電子部品には特に有効である。
【0039】
すなわち、ダミー電極29が、実装基板14とSAWデュプレクサ6との間の支柱となるため、部品カバー9に加わる外部からの圧力を効果的に分散することができる。よってこの結果、電子部品パッケージの外圧に対する強度を向上させ、SAWデュプレクサ6の損傷を防止することができるのである。
【0040】
また、部品基板7上に複数のIDT電極8を形成する場合、全てのIDT電極8を覆うように一つのキャビティ11を設けてもよいが、本実施の形態のように、一つあるいは二つのIDT電極8毎にキャビティ11を形成してもよい。このように、キャビティ11を複数形成することによってSAWデュプレクサ6の損傷を抑制することができる。
【0041】
すなわち、キャビティ11部分に支えとなるものが無い場合、部品基板7や部品カバー9に外圧が印加されると、このキャビティ11の方へ割れたりして損傷してしまうことがある。しかしキャビティ11を複数に分割することによって、このキャビティ11とキャビティ11の間に仕切り壁30が形成され、この仕切り壁30が支柱となって、外部応力を分散することができるのである。そしてこの結果、部品基板7あるいは部品カバー9の割れを抑制することができるのである。なお、この仕切り壁30はキャビティ11内に、別途樹脂等により任意に形成してもよい。
【0042】
また、この複数のキャビティ11は個々完全に分割して形成してもよいが、隣接するキャビティ11間にトンネル状の通路により繋がった連通路(図示せず)により一部連結してもよい。このように連通路を設けることによって、キャビティ11の一部に過剰な外圧が印加された場合、その外圧を、連通路を介して他のキャビティ11へと分散させることができる。そしてその結果、電子部品パッケージの外圧に対する強度を向上させることができるのである。
【0043】
また、本実施の形態のSAWデュプレクサ6は、IDT電極8に対向する部分にダミー電極29を配置し、実装基板14の外部電極15と接合させることにより、キャビティ11の下方では部品カバー9と実装基板14との間の隙間が小さくなり、モールド樹脂16が入り込む量を減らすことができる。したがって、モールド加工時において、部品カバー9の下方からキャビティ11に向かって印加される圧力を低減し、部品カバー9の損傷を抑制することができる。
【0044】
その他の構成、製造方法、動作、効果については実施の形態1と同様であるため省略する。
【0045】
(実施の形態3)
本実施の形態3の実施の形態1との違いは、図10に示すように、図7のグランド端子26を一つにまとめ、受信端子23、アンテナ端子24、送信端子25を除いた略全面に、大きなグランド端子31を設けたことである。
【0046】
このような構造とすることにより、グランド端子31が部品カバー9と実装基板14との間の支柱となり、効果的に外圧を分散させ、SAWデュプレクサ6の損傷を防ぐことができる。
【0047】
これは、保護体13を設ける際、押圧する必要があることから、薄型かつキャビティ11を有するような損傷しやすい電子部品には特に有効である。
【0048】
またグランド端子31があることによって、その体積分だけ部品カバー9と実装基板14との間へ入り込むモールド樹脂16の量が減り、部品カバー9の下方から印加される圧力を抑制することができる。
【0049】
その他の構成、製造方法、動作、効果については実施の形態1と同様であるため省略する。
【0050】
なお、実施の形態1から3において、部品カバー9としてシリコンを用いたが、この部品カバー9はサファイア、水晶、ガラス、フィラを含有するエポキシ樹脂などを用いてもよい。さらに、図11に示すように、部品カバー9として凹部のない平板を用い、部品カバー9と部品基板7との間にアルミニウムなどの金属、あるいはSiO2などの接着部32を設けることによってキャビティ11を形成してもよい。その他、図12に示すように素子(IDT電極8)の下方を覆う素子カバー33を設け、その外周を部品カバー9で被覆してもよい。なお、これらの部品カバー9には、IDT電極8を酸化や湿気による腐食から守る効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明にかかる電子部品パッケージは、電子部品の周波数特性を向上させることができるため、SAWフィルタやBAW等の弾性波を利用した電子部品のパッケージにも応用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施の形態1における電子部品パッケージの断面図
【図2】実施の形態1における電子部品パッケージの拡大断面図
【図3】実施の形態1における部品基板の下面図
【図4】実施の形態1におけるSAWデュプレクサの製造工程図
【図5】実施の形態1におけるSAWデュプレクサの製造工程図
【図6】実施の形態1におけるSAWデュプレクサの断面図
【図7】実施の形態1における部品カバーの下面図
【図8】電子部品内部におけるバルク波の透過と減衰を示す模式図
【図9】実施の形態2における部品カバーの下面図
【図10】実施の形態3における部品カバーの下面図
【図11】他の実施の形態における電子部品パッケージの断面図
【図12】さらに他の実施の形態における電子部品パッケージの断面図
【図13】従来の電子部品パッケージの断面図
【符号の説明】
【0053】
6 電子部品
7 部品基板
8 IDT電極
9 部品カバー
12 加工変質層
13 保護体
14 実装基板
15 外部電極
16 モールド樹脂
17 中間弾性層
【技術分野】
【0001】
本発明は表面弾性波素子をモールド樹脂で覆った電子部品パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13は電子部品としてSAW(表面弾性波)フィルタ1を挙げ、従来の電子部品パッケージを示したものである。
【0003】
このように、従来の電子部品パッケージは、部品基板2と、部品基板2の下面に配置した表面弾性波素子としてのIDT電極3と、部品基板2の下方を覆う部品カバー4とを備え、IDT電極3と部品カバー4との間には、弾性波の振動空間を気密状態で保持するためのキャビティ5が形成されている。
【0004】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開平1−209811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、前述のような従来の電子部品パッケージでは、部品基板2の表面を伝搬しない不要波(以下バルク波という)により、周波数特性が劣化するという問題が発生している。
【0006】
これは主に、IDT電極3が設けられた部品基板2とその周囲部分における音響インピーダンスの差が大きいことに起因している。
【0007】
すなわち、入力側のIDT電極3aからは表面弾性波以外にも、部品基板2の中を伝搬するバルク波も放出され、このバルク波は部品基板2の側面で反射し出力トランスデューサへ到達することで、このバルク波も出力側のIDT電極3bで検出されてしまい、SAWフィルタ1の周波数特性が劣化してしまう。
【0008】
そして、部品基板2の側面におけるバルク波の反射は、部品基板2とこの部品基板2の周囲部分(この図13においては空気となる)とで弾性率が著しく異なり、これに比例して部品基板2から外気に至る音響インピーダンスの差が大きくなりその分反射が大きくなるからである。
【0009】
そして特に近年、電子部品の小型化が進み、IDT電極3と部品基板2の側面との距離が短くなっていることから、バルク波により周波数特性が劣化する問題が顕在化しているのである。
【0010】
そこで本発明は、バルク波による周波数特性の劣化を低減し、電子部品の周波数特性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そして、この目的を達成するために本発明は、実装基板上に配置された外部電極を介して実装された電子部品をモールド樹脂で被覆した電子部品パッケージにおいて、電子部品は、圧電体からなる部品基板の下面に配置したIDT電極を部品カバーで覆った構造であり、部品基板とモールド樹脂との間に弾性率が部品基板より小さく且つモールド樹脂より大きい中間弾性層を設けた構造としたのである。
【発明の効果】
【0012】
このような構成によれば、電子部品の内部から外側に向かって、部品基板、中間弾性層、モールド樹脂の順に弾性率が小さく(軟らかく)なり、この順に滑らかにバルク波の音響インピーダンスを推移させることができる。したがって、部品基板の側面に到達したバルク波を、部品基板から中間弾性層へ、また中間弾性層からモールド樹脂へとスムーズに伝搬させることができ、その結果として、部品基板内部のバルク波を低減し、電子部品の周波数特性を向上させることができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(実施の形態1)
実施の形態1の電子部品パッケージについて、電子部品としてアンテナ共用器用弾性波装置(以下SAWデュプレクサ6という。)を例に挙げて説明する。
【0014】
図1に示すように、このSAWデュプレクサ6は、部品基板7と、この部品基板7の下面に配置した共振素子となるIDT電極8と、部品基板7の下方を覆う部品カバー9とを備えている。そして、この部品カバー9の上面のIDT電極8に対向する部分には、凹部10を有している。なお、この凹部10は、IDT電極8間を伝播する表面弾性波の振動空間となるキャビティ11を形成するものである。また、部品基板7の側面は加工変質層12でありこの部品基板7の上面には保護体13を配置している。なお、加工変質層12とは、図2の拡大図に示すように、部品基板7の表面が切断時の機械的エネルギーを受け、塑性変形して生じた凹凸部分を言う。
【0015】
さらに、このSAWデュプレクサ6は、実装基板14上の外部電極15を介して実装基板14上に実装され、この実装基板14上においてモールド樹脂16で被覆することで電子部品パッケージを形成している。
【0016】
そして上記モールド樹脂16としてはSiO2のフィラを80〜90wt%含有するエポキシ樹脂を用い、保護体13としてはSiO2のフィラを20wt%含有するエポキシ樹脂を用いた。
【0017】
また、本実施の形態では、部品基板7はLiTaO3を用いて形成し、部品カバー9はシリコン、IDT電極8はアルミニウムで形成した。
【0018】
その他、部品基板7の材料としてLiNbO3などの圧電体が挙げられ、またIDT電極8の材料として他の金属材料を用いてもよい。
【0019】
そして、この電子部品パッケージにおいては加工変質層12及び保護体13の弾性率が部品基板7の弾性率より小さく且つモールド樹脂16の弾性率より大きい中間弾性層17を構成しており、部品基板7とモールド樹脂16との間にこの中間弾性層17を介在させることで、バルク波による周波数特性の劣化を低減し、電子部品の周波数特性を向上させることができるのである。
【0020】
すなわち、部品基板7とモールド樹脂16の間に中間弾性層17を介在させることにより、部品基板7からモールド樹脂16に至るバルク波の放出経路における弾性率の変移が順に小さくなるというように、部品基板7からモールド樹脂16にかけて弾性率がなめらかに変移するようになる。
【0021】
そして、この弾性率の変移にともない音響インピーダンスも部品基板7からモールド樹脂16の順に滑らかにバルク波の音響インピーダンスを変移させることができ、結果として、部品基板7の側面に到達したバルク波を、部品基板7から中間弾性層17へ、さらには中間弾性層17からモールド樹脂16へと、電子部品の外側へスムーズに伝搬させることができ、バルク波による周波数特性の劣化を低減し、電子部品の周波数特性を向上させることができるからである。
【0022】
なお、この中間弾性層17を形成するにあたり、部品基板7の側面においては加工変質層12を用いて、また部品基板7の上面においては保護体13を用いたが、これらは電子部品パッケージの生産性を考慮したものであり、以下にその製造方法を説明する。
【0023】
はじめに、ウエハ状の部品基板7を複数の区画に分ける。なお、図3はこの区画の一つを示したものである。そして、ウエハ状の部品基板7の下面全体にアルミニウムを蒸着スパッタし、その後、ドライエッチング加工でIDT電極8等の電極パターンを形成する。なお、IDT電極8の両端部には、短絡電極を平行に配置した反射器を配置するのが一般的であるが、簡略化して示した。
【0024】
次に、図4(a)に示すIDT電極8等の所定の電極パターンを形成したウエハ状態の部品基板7に、図4(b)で示すように部品基板7上全体に感光性樹脂層18を形成し、マスク19を用いてIDT電極8等の所定の電極パターンに相当する部分以外をマスキングし、露光し現像することで図4(c)で示すようにマスキングしていない部分だけ感光性樹脂層18が硬化して残り、マスキングした部分には残らない。
【0025】
その後、図4(d)で示すように、部品基板7の上面全体にSiO2をスパッタし、次にこの部品基板7を、剥離液などに浸漬し、感光性樹脂層18を溶解して部品基板7から脱落させる。そうすると、図4(e)で示すように、感光性樹脂層18のない部分、すなわちIDT電極8と引き出し電極(図示せず)以外の部分にのみSiO2が残り、この残ったSiO2を接着部19とする。
【0026】
一方、部品カバー9は図4(f)に示すように、シリコン板の下面に、前記IDT電極8と向かい合う部分に、ドライエッチング加工あるいはサンドブラスト加工で凹部10を形成し、この部品カバー9と部品基板7とを、接着部19を介して、常温で直接原子間結合することでSAWデュプレクサ6の集合体を形成することができる。なお、本実施の形態では部品カバー9を接着する工程は真空で行った。
【0027】
次に、図5(a)で示すように、上記SAWデュプレクサ6の集合体を反転し、部品基板7の上面に保護体13を配置する。この時、保護体13と前記部品基板7とが密着するように、軽く押圧(2atm〜3atm)して接着するとよい。
【0028】
その後、図5(b)に示すように、回転刃20を用いて、保護体13の上面から部品カバー9の下面までを電子部品毎に切断し、分離する。なお、この回転刃20はダイヤモンド砥粒を付着させたものであり、この回転刃20の砥粒の番手が#1000以上#2000以下であるものを用いた。また、この回転刃20の切断速度は、毎秒約10mm(スピンドルスピード5000〜6000rpm)とした。
【0029】
次に、図6のSAWデュプレクサ6の断面図(図3のB−B断面)に示すように、部品カバー9にドライエッチング加工により貫通孔21を設け、この貫通孔21の内側にTi、Ni、Auを順次蒸着し金属膜を形成し、さらにその金属膜の内部にはんだを印刷して外部端子接続部22を形成する。次に、この外部端子接続部22の下面に実装基板14の外部電極15に接合される図7の受信端子23、アンテナ端子24、送信端子25、グランド端子26を形成する。
【0030】
なお、図7は部品カバー9の下面図であり、外部電極15に接合される受信端子23、アンテナ端子24、送信端子25、グランド端子26の配置位置を示している。
【0031】
そして、図1に示すように、外部電極15を介して前述のSAWデュプレクサ6を実装基板14上に実装し、その後このSAWデュプレクサ6を、金型に入れ、この金型に加熱したモールド樹脂16を樹脂温度175℃、注入圧力50〜100atmで注入し、その後冷却して電子部品パッケージを成形するのである。
【0032】
そして、このような製造過程において、図2に示す部品基板7の側面の中間弾性層17となる加工変質層12は、図5(b)に示す回転刃20を用いてウエハ状のSAWデュプレクサ6を切断・分離する工程において、その回転刃20の砥粒の番手を#1000以上#2000以下とすることによって切断面に細かな凹凸が形成され、この凹凸にモールド樹脂16が入り込み混成構造となることで、この部分での弾性率は部品基板7より小さく且つモールド樹脂16より大きい加工変質層12が形成されるので、特に専用の工程を設けることなく容易に部品基板7の側面に中間弾性層17を設けることができるのである。
【0033】
また、部品基板7の上面の中間弾性層17となる保護体13については、先に延べたようなウエハ状の集合体の表面に配置して軽く押圧するというように、簡単に形成することができるのである。
【0034】
なお、保護体13を部品基板7の上面に配置する際、軽く押圧(2atm〜3atm)するのは、図8に示すように、一般的に部品基板7の表面には研磨加工による細かな凹凸があることから、常圧で保護体13を配置するだけでは、この保護体13と部品基板7が密着せず、凹凸に空気が介在してしまい、この空気の音響インピーダンスが部品基板7と著しく異なることから、バルク波27は部品基板7と保護体13との界面で殆ど反射してしまうが、保護体13の配置の際に押圧することによって、部品基板7の凹凸にも保護体13が入り込み密着度を高めることができ、部品基板7と音響インピーダンスが著しく乖離する空気の介在を低減することができ、部品基板7から保護体13へのバルク波27の透過量を増大させることができる。よってバルク波27の積算減衰量を増大させ、結果として電子部品の周波数特性を向上させることができるのである。
【0035】
さらに、上記保護体13によって、電子部品の薄型化を達成することができる。
【0036】
すなわち、従来は前述のバルク波27を減衰させるため、部品基板7の厚みを増加し、バルク波の伝搬距離を増やす手段をとっていた。しかし、単結晶構造である部品基板7と異なり、保護体13は樹脂製のため、その分子構造は規則性が乏しく、したがって部品基板7よりも保護体13の方がバルク波27の減衰量が増加する。よって、同じバルク波27の減衰率を得ようとすれば、部品基板7だけの場合より、保護体13を設けた方が薄くできるからである。
【0037】
なお、本実施の形態では保護体13として図8に示すようにフィラ28を含有するエポキシ樹脂を用いたが、部品基板7との接着性がよく、部品基板7の撓みを押さえる程度の弾性率を有するものであれば他の物質を用いてもよい。なお、保護体13として樹脂を用いる場合、フィラ28を含まない一般的な樹脂テープの弾性率が3GPa未満であるから、樹脂にフィラ28を含有させ、弾性率を3GPa以上とすることが好ましい。また、フィラ28の含有率は、エポキシ樹脂を用いる場合、フィラ28を過度に増加すると、接着性が悪くなることから、20wt%〜50wt%が望ましい。
【0038】
(実施の形態2)
本実施の形態2の実施の形態1との違いは、図9に示すように、キャビティ11の下方に相当する部分にダミー電極29を配置したことであり、外圧によるSAWデュプレクサ6の損傷を抑制することができる。これは、保護体13を設ける際、押圧する必要があることから、薄型でキャビティ11を有する損傷しやすい電子部品には特に有効である。
【0039】
すなわち、ダミー電極29が、実装基板14とSAWデュプレクサ6との間の支柱となるため、部品カバー9に加わる外部からの圧力を効果的に分散することができる。よってこの結果、電子部品パッケージの外圧に対する強度を向上させ、SAWデュプレクサ6の損傷を防止することができるのである。
【0040】
また、部品基板7上に複数のIDT電極8を形成する場合、全てのIDT電極8を覆うように一つのキャビティ11を設けてもよいが、本実施の形態のように、一つあるいは二つのIDT電極8毎にキャビティ11を形成してもよい。このように、キャビティ11を複数形成することによってSAWデュプレクサ6の損傷を抑制することができる。
【0041】
すなわち、キャビティ11部分に支えとなるものが無い場合、部品基板7や部品カバー9に外圧が印加されると、このキャビティ11の方へ割れたりして損傷してしまうことがある。しかしキャビティ11を複数に分割することによって、このキャビティ11とキャビティ11の間に仕切り壁30が形成され、この仕切り壁30が支柱となって、外部応力を分散することができるのである。そしてこの結果、部品基板7あるいは部品カバー9の割れを抑制することができるのである。なお、この仕切り壁30はキャビティ11内に、別途樹脂等により任意に形成してもよい。
【0042】
また、この複数のキャビティ11は個々完全に分割して形成してもよいが、隣接するキャビティ11間にトンネル状の通路により繋がった連通路(図示せず)により一部連結してもよい。このように連通路を設けることによって、キャビティ11の一部に過剰な外圧が印加された場合、その外圧を、連通路を介して他のキャビティ11へと分散させることができる。そしてその結果、電子部品パッケージの外圧に対する強度を向上させることができるのである。
【0043】
また、本実施の形態のSAWデュプレクサ6は、IDT電極8に対向する部分にダミー電極29を配置し、実装基板14の外部電極15と接合させることにより、キャビティ11の下方では部品カバー9と実装基板14との間の隙間が小さくなり、モールド樹脂16が入り込む量を減らすことができる。したがって、モールド加工時において、部品カバー9の下方からキャビティ11に向かって印加される圧力を低減し、部品カバー9の損傷を抑制することができる。
【0044】
その他の構成、製造方法、動作、効果については実施の形態1と同様であるため省略する。
【0045】
(実施の形態3)
本実施の形態3の実施の形態1との違いは、図10に示すように、図7のグランド端子26を一つにまとめ、受信端子23、アンテナ端子24、送信端子25を除いた略全面に、大きなグランド端子31を設けたことである。
【0046】
このような構造とすることにより、グランド端子31が部品カバー9と実装基板14との間の支柱となり、効果的に外圧を分散させ、SAWデュプレクサ6の損傷を防ぐことができる。
【0047】
これは、保護体13を設ける際、押圧する必要があることから、薄型かつキャビティ11を有するような損傷しやすい電子部品には特に有効である。
【0048】
またグランド端子31があることによって、その体積分だけ部品カバー9と実装基板14との間へ入り込むモールド樹脂16の量が減り、部品カバー9の下方から印加される圧力を抑制することができる。
【0049】
その他の構成、製造方法、動作、効果については実施の形態1と同様であるため省略する。
【0050】
なお、実施の形態1から3において、部品カバー9としてシリコンを用いたが、この部品カバー9はサファイア、水晶、ガラス、フィラを含有するエポキシ樹脂などを用いてもよい。さらに、図11に示すように、部品カバー9として凹部のない平板を用い、部品カバー9と部品基板7との間にアルミニウムなどの金属、あるいはSiO2などの接着部32を設けることによってキャビティ11を形成してもよい。その他、図12に示すように素子(IDT電極8)の下方を覆う素子カバー33を設け、その外周を部品カバー9で被覆してもよい。なお、これらの部品カバー9には、IDT電極8を酸化や湿気による腐食から守る効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明にかかる電子部品パッケージは、電子部品の周波数特性を向上させることができるため、SAWフィルタやBAW等の弾性波を利用した電子部品のパッケージにも応用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施の形態1における電子部品パッケージの断面図
【図2】実施の形態1における電子部品パッケージの拡大断面図
【図3】実施の形態1における部品基板の下面図
【図4】実施の形態1におけるSAWデュプレクサの製造工程図
【図5】実施の形態1におけるSAWデュプレクサの製造工程図
【図6】実施の形態1におけるSAWデュプレクサの断面図
【図7】実施の形態1における部品カバーの下面図
【図8】電子部品内部におけるバルク波の透過と減衰を示す模式図
【図9】実施の形態2における部品カバーの下面図
【図10】実施の形態3における部品カバーの下面図
【図11】他の実施の形態における電子部品パッケージの断面図
【図12】さらに他の実施の形態における電子部品パッケージの断面図
【図13】従来の電子部品パッケージの断面図
【符号の説明】
【0053】
6 電子部品
7 部品基板
8 IDT電極
9 部品カバー
12 加工変質層
13 保護体
14 実装基板
15 外部電極
16 モールド樹脂
17 中間弾性層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装基板と、この実装基板上に配置された外部電極と、この外部電極を介して前記実装基板上に実装された電子部品と、この電子部品を前記実装基板上において被覆したモールド樹脂とを備え、前記電子部品は、圧電体からなる部品基板と、この部品基板の下面に配置したIDT電極と、前記部品基板の下方を覆う部品カバーとを有し、前記部品基板と前記モールド樹脂との間に弾性率が前記部品基板より小さく且つ前記モールド樹脂より大きい中間弾性層を設けたことを特徴とする電子部品パッケージ。
【請求項2】
切断加工により部品基板の側面を塑性変形させて加工変質層を形成し、この加工変質層を中間弾性層としたことを特徴とする請求項1に記載の電子部品パッケージ。
【請求項3】
弾性率が部品基板より小さく且つモールド樹脂より大きい保護体を中間弾性層として部品基板とモールド樹脂との間に配置したことを特徴とする請求項1に記載の電子部品パッケージ。
【請求項1】
実装基板と、この実装基板上に配置された外部電極と、この外部電極を介して前記実装基板上に実装された電子部品と、この電子部品を前記実装基板上において被覆したモールド樹脂とを備え、前記電子部品は、圧電体からなる部品基板と、この部品基板の下面に配置したIDT電極と、前記部品基板の下方を覆う部品カバーとを有し、前記部品基板と前記モールド樹脂との間に弾性率が前記部品基板より小さく且つ前記モールド樹脂より大きい中間弾性層を設けたことを特徴とする電子部品パッケージ。
【請求項2】
切断加工により部品基板の側面を塑性変形させて加工変質層を形成し、この加工変質層を中間弾性層としたことを特徴とする請求項1に記載の電子部品パッケージ。
【請求項3】
弾性率が部品基板より小さく且つモールド樹脂より大きい保護体を中間弾性層として部品基板とモールド樹脂との間に配置したことを特徴とする請求項1に記載の電子部品パッケージ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−259410(P2007−259410A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280053(P2006−280053)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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