説明

電子部品モジュールの製造方法

【課題】受動素子と能動素子とが同一のベース配線層に内蔵された構造の電子部品モジュールを簡略な製造プロセスで製造することができる電子部品モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】受動素子としてのCR部品9と能動素子としてのICチップ8とを同一のベース配線層1に装着した構成の電子部品モジュール15の製造に際し、ベース配線層1の回路形成面2aに半田粒子7を含んだ接着剤層5Aを形成し、CR部品9を先に搭載した後にICチップ8をベース配線層1に搭載して接着剤層5Aによってベース配線層1に接着し、その後に封止樹脂層を形成するための熱硬化シート12をCR部品9とICチップ8が接着されたベース配線層1の回路形成面2aに貼り合わせて熱圧着を行って、接着剤層5Aの硬化およびこの接着剤層5Aに含まれた半田粒子7の溶融を同時に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線パターンが形成されたベース配線層に電子部品を装着し、電子部品および配線パターンを封止樹脂層によって封止した構成の電子部品モジュールを製造する電子部品モジュールの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子などの電子部品は、一般に樹脂基板などのベース配線層に実装された電子部品を樹脂封止した電子部品モジュールの形で電子機器に組み込まれる。電子部品モジュールにおける実装密度の高度化が求められる傾向に伴い、電子部品モジュールとして、複数積層された電極パターンの内層に電子部品を実装したいわゆる部品内蔵プリント配線板の形態のものが提案されるようになっている(例えば特許文献1参照)。この特許文献に示す例においては、ICチップなどの能動素子とCR部品などの受動素子とを同一のベース配線層に実装するようにしている。
【特許文献1】特開2007−88009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら能動素子と受動素子とを同一のベース配線層に実装する場合には、これらの部品を配線層に接合するに際して以下のような困難がある。電子部品の実装においては、部品本体を配線層のベースに固着するとともに、部品の端子を配線層のランド部に電気的に接続する必要があるが、能動素子と受動素子では部品形状や特性に応じて最適な接合方法が異なる。このため従来は、部品内蔵に際しては受動素子の実装と能動素子の実装とを個別に行う必要があり、製造プロセスが複雑化して高コスト化することが避けがたいものであった。そして上述の特許文献例においても、能動素子と受動素子とを同時に実装する例が示されているものの、これらの部品を配線層に接合する具体方法については開示されていない。このように、従来の部品内蔵型の電子部品モジュールの製造方法においては、受動素子と能動素子とを同一のベース配線層に実装するに際し、製造プロセスが複雑化してコスト低減が困難であるという問題があった。
【0004】
そこで本発明は、受動素子と能動素子とが同一のベース配線層に装着された構造の電子部品モジュールを簡略な製造プロセスで製造することができる電子部品モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電子部品モジュールの製造方法は、回路形成面に受動素子を接続するための第1のランド部および能動素子を接続するための第2のランド部を有する配線パターンが形成されたベース配線層に、前記受動素子の端子を前記第1のランド部に前記能動素子の端子を前記第2のランド部にそれぞれ電気的に接続した状態で装着し、前記回路形成面に密着して形成された封止樹脂層によって前記受動素子と能動素子とを封止して成る電子部品モジュールを製造する電子部品モジュールの製造方法であって、前記回路形成面であって少なくとも前記第1のランド部と第2のランド部を覆う範囲に半田粒子を含んだ接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、前記受動素子の端子を前記第1のランド部に位置合わせし、この受動素子を前記ベース配線層に搭載して接着する受動素子搭載工程と、前記受動素子搭載工程の後、前記能動素子の端子を前記第2のランド部に位置合わせし、この能動素子を前記ベース配線層に搭載して接着する能動素子搭載工程と、前記封止樹脂層を形成するための熱硬化シートを、前記受動素子と前記能動素子が接着された前記回路形成面に貼り合わせて熱圧着を行うことにより、前記接着剤層の硬化およびこの接着剤層に含まれ
た前記半田粒子の溶融を同時に行うプレス工程とを含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、受動素子と能動素子とを同一のベース配線層に搭載した構成の電子部品モジュールの製造において、ベース配線層の回路形成面に半田粒子を含んだ接着剤層を形成し、受動素子を先に搭載した後に能動素子をベース配線層に搭載して接着剤層によってベース配線層に接着し、その後に封止樹脂層を形成するための熱硬化シートを受動素子と能動素子が接着された回路形成面に貼り合わせて熱圧着を行って接着剤層の硬化およびこの接着剤層に含まれた半田粒子の溶融を同時に行う製造工程を採用することにより、受動素子と能動素子とが同一のベース配線層に装着された構造の電子部品モジュールを簡略な製造プロセスで製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1、図2は本発明の一実施の形態の電子部品モジュールの製造方法を示す工程説明図、図3は本発明の一実施の形態の電子部品モジュールに装着される受動素子および能動素子の構成説明図、図4は本発明の一実施の形態の電子部品モジュールにおける受動素子および能動素子の接合状態の説明図である。
【0008】
まず電子部品モジュールの製造方法について説明する。図1,図2は、回路形成面に配線パターンが形成された同一のベース配線層に、コンデンサや抵抗などのCR部品(図3(b))に代表される受動素子と、バンプ付きのICチップ(図3(a))などの能動素子とを装着して成る電子部品モジュールを製造する方法を工程順に示すものである。
【0009】
図1(a)は、この電子部品モジュールのベース部となるベース配線層1を示しており、ベース配線層1を構成する樹脂基板2の上面側の回路形成面2aには、第1のランド部3および第2のランド部4を有する配線パターンが形成されている。電子部品モジュールは、受動素子の端子を第1のランド部3に、能動素子の端子を第2のランド部4にそれぞれ電気的に接続した状態で装着し、ベース配線層1の上面に密着して形成された封止樹脂層(図2(c)に示す封止樹脂層13A参照)によってこれらの受動素子と能動素子とを封止する構成となっている。
【0010】
次に、樹脂基板2の回路形成面2aに部品接合用の接着剤層が形成される。すなわち図1(b)に示すように、回路形成面2aにおいて第1のランド部3、第2のランド部4を覆う範囲に、液状の樹脂接着剤5がスクリーン印刷やディスペンス塗布などの方法によって配置される。樹脂接着剤5は、半田の酸化膜を除去する活性作用を有する液状の接着剤である熱硬化性樹脂6に半田粒子7を含有させた構成となっている。半田粒子7としては、例えば組成がSnBi58で融点温度が約139℃の半田の粒子が用いられ、熱硬化性樹脂6としては、例えばエポキシ樹脂、アクリレート樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂が用いられる。
【0011】
この後、樹脂接着剤5が配置されたベース配線層1はキュア装置に送られて、所定の加熱条件で加熱される。これにより、回路形成面2aに配置された樹脂接着剤5中の熱硬化性樹脂6の熱硬化反応が進行する。このとき加熱制御により、熱硬化性樹脂6を完全に硬化させることなく熱硬化反応を中途で停止させる。これにより、熱硬化性樹脂6はゲル状態の熱硬化性樹脂6Aとなり、これにより半硬化状態の接着剤層5Aが形成される。熱硬化性樹脂6を半硬化させる目的は、樹脂接着剤5による接着力を増して、後工程の部品搭載工程において受動素子や能動素子などの部品を安定してベース配線層1に保持させることにある。なおここでは回路形成面2aにおいて第1のランド部3、第2のランド部4を覆う範囲のみに接着剤層を形成するようにしている。もちろん、回路形成面2aの全範囲
に接着剤層5Aを形成しても差し支えないが、省資源・コスト低減の観点からは、少なくとも第1のランド部3、第2のランド部4を覆う範囲に限定することが望ましい。
【0012】
すなわち、図1(b)、(c)に示す工程は、ベース配線層1の上面であって少なくとも第1のランド部3と第2のランド部4を覆う範囲に半田粒子7を含んだ接着剤層5Aを形成する接着剤層形成工程となっている。さらに本実施の形態に示す例では、この接着剤層形成工程は、半田粒子7を含んだ液状の接着剤5を少なくとも第1のランド部3と第2のランド部4上に配置する接着剤配置工程(図1(b))と、配置された接着剤5を半硬化させる半硬化工程(図1(c))とを含む形態となっている。
【0013】
なお、接着剤形成工程の態様として、上記実施の形態に示すように液状の樹脂接着剤5を回路形成面2aに配置した後に半硬化させる方法に変えて、半田粒子7を含んだ熱硬化性樹脂6を予め半硬化させてシート状に成形したシート状の接着剤を用いるようにしてもよい。この場合には、図1(c)において形成された接着剤層5Aに対応したサイズのシート状の接着剤を準備し、回路形成面2aに貼り付けて配置することにより、接着剤層5Aと同様の接着剤層が形成される。すなわちこの例では、接着剤層形成工程において、半田粒子を含んだシート状の接着剤を少なくとも第1のランド部3と第2のランド部4上に配置する形態となっている。
【0014】
この後、部品搭載が行われる。この部品搭載においては、図3に示すバンプ付きのICチップ8、コンデンサや抵抗などのCR部品9が樹脂基板2に搭載される。ICチップ8は能動素子であり、下面側には接続用の端子としての金属バンプ8aが複数形成されており、樹脂基板2における第2のランド部4の配列はICチップ8における金属バンプ8aの配列と対応している。金属バンプ8aとしては、半田によって形成されたものや半田以外の金属で形成したものでもよい。いずれの場合であっても、後述するプレス工程での加熱温度よりも融点温度の高いものを使用する。CR部品9は受動素子であり、両端には接続用の端子としての端子電極9aが形成されている。
【0015】
本実施の形態においては、まず受動素子であるCR部品9が先に搭載される。すなわち、図1(d)に示すように、CR部品9を吸着ノズル10によって保持して、CR部品9の端子電極9aを第1のランド部3に位置合わせし、CR部品9をベース配線層1に搭載して接着剤層5Aを介して接着する(受動素子搭載工程)。次いで能動素子であるICチップ8の搭載が行われる。すなわち受動素子搭載工程の後、ICチップ8の金属バンプ8aを第2のランド部4に位置合わせし、このICチップ8をベース配線層1に搭載して接着剤層5Aを介して接着する(能動素子搭載工程)。これによりCR部品9、ICチップ8は、半硬化状態の接着剤層5Aの接着保持力によって、それぞれベース配線層1の第1のランド部3、第2のランド部4に保持された状態となる。
【0016】
また本実施の形態においては、図2(a)に示すように、能動素子搭載工程において熱圧着ツール11を用いるようにしている。すなわち熱圧着ツール11によって保持したICチップ8をベース配線層1へ加圧して、金属バンプ8aを第2のランド部4に押圧するとともに、熱圧着ツール11によるICチップ8の加熱により、金属バンプ8aに接する接着剤層5A中の半田粒子7を溶融させるようにしている。これにより、以下に説明するプレス工程における半田接合に先だって極力多くの半田量の金属バンプ8aに付着させて、接合信頼性を向上させることが可能となる。
【0017】
このとき、接着剤層5Aを構成する熱硬化性樹脂6Aが未だ半硬化の状態であるうちに、熱圧着ツール11による加圧と加熱を解除するように、工程条件を設定する。これにより、後工程のプレス工程において、接着剤層5A中の半田粒子7を溶融させて金属バンプ8aを第2のランド部4に半田接合する際に、熱硬化性樹脂6Aはまだ半硬化の状態を保
っており、半田粒子7が溶融した溶融半田の流動性が熱硬化性樹脂6Aによって阻害されることがない。したがって、溶融半田の流動がすでに硬化した熱硬化性樹脂によって制約されることに起因する半田接合部の形状不良などの不具合を防止することができる。
【0018】
なお本実施の形態に示す例では、能動素子搭載工程において熱圧着ツール11を用いて、プレス工程に先立って熱硬化性樹脂6Aの熱硬化反応の促進および半田粒子7の部分的な溶融を行わせるようにしているが、これらは必ずしも必須のプロセスではない。すなわち能動素子搭載工程において、金属バンプ8aの第2のランド部4への押圧に加えて、半田粒子7を溶融させることなく熱硬化性樹脂6Aの熱硬化反応の促進のための加熱のみを併せて行うようにしてもよい。すなわち、熱圧着ツール11による加熱条件を半田粒子7が溶融しない温度までの加熱に設定し、熱硬化性樹脂6Aの熱硬化反応のみを進行させる。この場合においても前述と同様に、熱硬化性樹脂6Aが未だ半硬化の状態であるうちに、熱圧着ツール11による加圧と加熱を解除するように、工程条件を設定する。さらに能動素子搭載工程において、金属バンプ8aを第2のランド部4に位置あわせして押圧するのみで、ICチップ8の加熱は行わないようにしてもよい。この場合には、後工程のプレス工程における加熱によって、半硬化状態の熱硬化性樹脂6Aの熱硬化反応を完了させるとともに半田粒子7を溶融させて半田接合を行う。
【0019】
この後、ベース配線層1はプレス工程に送られる。このプレス工程においては、図2(b)に示すように、プリプレグ13に銅膜14を貼り合わせた構成の熱硬化シート12をベース配線層1に貼り合わせ、加熱装置を備えたプレス装置によって熱圧着を行う。この熱圧着においては、プレス装置によって30kg/cm2程度の圧力で加圧しながら、150℃〜200℃程度の温度で加熱する。このときの加熱温度は、接着剤層5A中の半田粒子7の融点温度よりも高くなるように設定される。この加熱により、プリプレグ13に含浸された樹脂が一旦軟化して流動し、ICチップ8やCR部品9を周囲から包み込む。この加圧と加熱を所定時間継続することにより、図2(c)に示すように、プリプレグ13が熱硬化して、樹脂基板2の回路形成面2aにおいてICチップ8、CR部品9を封止する封止樹脂層13Aが形成される。
【0020】
これとともに、ICチップ8においては第2のランド部4を覆う接着剤層5A中で溶融した半田粒子7のうち金属バンプ8aの近傍に存在するものが第2のランド部4と金属バンプ8aとを濡らして凝集し、これらの溶融半田が冷却固化することにより、図4(a)に示すように、第2のランド部4と金属バンプ8aとを接合する半田接合部7Aが形成される。また半硬化状態であった接着剤層5Aの熱硬化性樹脂6Aの熱硬化反応が加熱によってさらに進行することにより、金属バンプ8aと第2のランド部4との半田接合部7Aを周囲から包み込んで補強する樹脂補強部5Bが形成される。またCR部品9においては第1のランド部3を覆う接着剤層5A中で溶融した半田粒子7のうち端子電極9aの近傍に存在するものが第1のランド部3と端子電極9aとを濡らしてフィレット形状に凝集し、これらの溶融半田が冷却固化することにより、図4(b)に示すように、第1のランド部3と端子電極9aとを接合する半田接合部7Aが形成される。また半硬化状態であった接着剤層5Aの熱硬化性樹脂6Aの熱硬化反応が加熱によってさらに進行することにより、端子電極9aと第1のランド部3との半田接合部7Aを覆って補強する樹脂補強部5Bが形成される。
【0021】
すなわち上述のプレス工程においては、ベース配線層1を構成する樹脂基板2の回路形成面2aにおいてICチップ8やCR部品9を封止する封止樹脂層を形成するための熱硬化シート12を、ICチップ8とCR部品9が接着されたベース配線層1の回路形成面2aに貼り合わせて熱圧着を行うようにしている。これにより、接着剤層5Aの硬化およびこの接着剤層5Aに含まれた半田粒子7の溶融が同時に行われ、上述の半田接合部7A、樹脂補強部5Bが形成される。
【0022】
これにより、回路形成面2aにCR部品9を接続するための第1のランド部3とICチップ8を接続するための第2のランド部4を有する配線パターンが形成されたベース配線層1に、CR部品9の端子電極9aを第1のランド部3に、ICチップ8の金属バンプ8aを第2のランド部4にそれぞれ電気的に接続した状態で装着し、回路形成面2aに密着して形成された封止樹脂層13AによってICチップ8、CR部品9とを封止して成る電子部品モジュール15が完成する。
【0023】
上記説明したように本実施の形態に示す電子部品モジュール15の製造方法においては、受動素子としてのCR部品9と能動素子としてのICチップ8とを同一のベース配線層1に装着した構成の電子部品モジュール15の製造に際し、ベース配線層1の回路形成面2aに半田粒子7を含んだ接着剤層5Aを形成し、CR部品9を先に搭載した後にICチップ8をベース配線層1に搭載して接着剤層5Aによってベース配線層1に接着し、その後に封止樹脂層を形成するための熱硬化シート12をCR部品9とICチップ8が接着されたベース配線層1の回路形成面2aに貼り合わせて熱圧着を行って、接着剤層5Aの硬化およびこの接着剤層5Aに含まれた半田粒子7の溶融を同時に行う製造工程を採用している。これにより、受動素子と能動素子とが同一のベース配線層に装着された構造の電子部品モジュールを簡略な製造プロセスで製造することができる。
【0024】
なお本実施の形態のように、受動素子と能動素子とを同一のベース配線層1に装着した構成においては、受動素子と能動素子とを装着する際のプロセスや搭載に使用するツールが異なることから、いずれを先に搭載するかを決定しなければならない。本実施の形態においては、前述のように受動素子を能動素子よりも先に搭載する工程順を採用している。これにより、能動素子を先に搭載する場合に発生する不具合を回避することが可能となっている。
【0025】
すなわち、能動素子を先に搭載する場合には、既搭載部品として存在するフリップチップなど薄化されて破損しやすい能動素子が、後から行われる受動素子の搭載動作によって破損したり、位置ずれを生じるなどの不具合が生じる。また、能動素子の搭載時には熱圧着ツールによる加熱を行うことが望ましいが、能動素子を先に搭載するとこの加熱によってすでに供給済みの受動素子のための接着剤層が熱影響によって硬化あるいは流動するという不具合が生じる。これに対し、本実施の形態に示すように受動素子を能動素子より先に搭載することにより、このような不具合を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の電子部品モジュールの製造方法は、受動素子と能動素子とが同一のベース配線層に装着された構造の電子部品モジュールを簡略な製造プロセスで製造することができるという利点を有し、複数の配線層を積層して構成された電子部品モジュールの製造分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品モジュールの製造方法を示す工程説明図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品モジュールの製造方法を示す工程説明図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品モジュールに装着される受動素子および能動素子の構成説明図
【図4】本発明の一実施の形態の電子部品モジュールにおける受動素子および能動素子の接合状態の説明図
【符号の説明】
【0028】
1 ベース配線層
2 樹脂基板
2a 回路形成面
3 第1のランド部
4 第2のランド部
5 樹脂接着剤
5A 接着剤層
5B 樹脂補強部
6,6A 熱硬化性樹脂
7 半田粒子
7A 半田接合部
8 ICチップ
8a 金属バンプ
9 CR部品
9a 端子電極
11 熱圧着ツール
12 熱硬化シート
13A 封止樹脂層
15 電子部品モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路形成面に受動素子を接続するための第1のランド部および能動素子を接続するための第2のランド部を有する配線パターンが形成されたベース配線層に、前記受動素子の端子を前記第1のランド部に前記能動素子の端子を前記第2のランド部にそれぞれ電気的に接続した状態で装着し、前記回路形成面に密着して形成された封止樹脂層によって前記受動素子と能動素子とを封止して成る電子部品モジュールを製造する電子部品モジュールの製造方法であって、
前記回路形成面であって少なくとも前記第1のランド部と第2のランド部を覆う範囲に半田粒子を含んだ接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、
前記受動素子の端子を前記第1のランド部に位置合わせし、この受動素子を前記ベース配線層に搭載して接着する受動素子搭載工程と、
前記受動素子搭載工程の後、前記能動素子の端子を前記第2のランド部に位置合わせし、この能動素子を前記ベース配線層に搭載して接着する能動素子搭載工程と、
前記封止樹脂層を形成するための熱硬化シートを、前記受動素子と前記能動素子が接着された前記回路形成面に貼り合わせて熱圧着を行うことにより、前記接着剤層の硬化およびこの接着剤層に含まれた前記半田粒子の溶融を同時に行うプレス工程とを含むことを特徴とする電子部品モジュールの製造方法。
【請求項2】
前記接着剤層形成工程は、半田粒子を含んだ液状の接着剤を少なくとも前記第1のランド部と第2のランド部上に配置する接着剤配置工程と、配置された前記接着剤を半硬化させる半硬化工程とを含むことを特徴とする請求項1記載の電子部品モジュールの製造方法。
【請求項3】
前記接着剤層形成工程において、半田粒子を含んだシート状の接着剤を少なくとも前記第1のランド部と第2のランド部上に配置することを特徴とする請求項1記載の電子部品モジュールの製造方法。
【請求項4】
前記能動素子搭載工程において、熱圧着ツールによって前記能動素子を前記ベース配線層へ加圧するとともに加熱によりこの能動素子の端子に接する半田粒子を溶融させ、前記接着剤層が半硬化の状態であるうちに前記熱圧着ツールによる加圧と加熱を解除することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子部品モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−259997(P2009−259997A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106495(P2008−106495)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】