説明

電子部品実装立体配線体

【課題】フラット配線体の折り曲げ構造が簡素化でき、組み付け作業を短縮でき、組み付けコストを低減して、放熱効果を上げることができる電子部品実装立体配線体を提供する。
【解決手段】フラット配線体2に複数の電子部品20が実装され、フラット配線体2が折り曲げられて立体形状に形成されてなるフラット構造体10と、フラット構造体10が配置される複数のベース部材31,32,33とからなる電子部品実装立体配線体1であり、フラット配線体2上に実装される電子部品20が2個以上の複数個単位をグループ単位G1,G2,G3として実装され、電子部品20の各グループ単位G1,G2,G3が、ベース部材31,32,33毎にフラット配線体2の表裏に実装されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等に組み付けられる電子部品実装立体配線体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車のフロント部やリア部のランプとして発光ダイオード(以下LEDと記す)が多数用いられている。これらLEDの配線回路または給電回路として、電線やバスバー、フラット線体等が用いられている。例えば、電線に接続されたLEDを立体的階段状に配置した発光構造体(特許文献1〜2参照)や、フラット配線体に接続されたLEDを立体的階段状に配置した発光構造体(特許文献3〜6参照)等が知られている。
【特許文献1】特開2000−243110号公報
【特許文献2】特開2002−245812号公報
【特許文献3】特開平10−247421号公報
【特許文献4】特開2001−222915号公報
【特許文献5】特開2002−133917号公報
【特許文献6】特開2004−247281号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、各特許文献に記載された技術には、次のような課題がある。すなわち、組み付け時の作業性の観点からの課題であり、特許文献1〜2のような電線、バスバー等の配線回路を用いた発光構造体では、複雑な3次元に一体形成されたベース部にLEDを組み付け配線するため、LEDの配線作業など手間がかかる作業が必要となり、組み付けるためのコストが高くなるという問題がある。
【0004】
特許文献3〜5のようなフラット配線体を用いた発光構造体では、各段のLEDの位置合わせやフラット配線体の固定等手間がかかる作業が必要となり、フラット配線体の加工コストが高く、組み付けるためのコストが高くなるという問題がある。
【0005】
製品のデザインによっては、フラット配線体の折り曲げ構造が複雑になる場合があり、これに対応するために、折り曲げ設備が複雑で高価になる。そして、折り曲げ組み立て作業が複雑になり、加工時間が長くなり、コストアップの要因となっている。フラット配線体の取り扱いが複雑であると、使用している電子部品の品質を確保することも困難となることがあった。
【0006】
また、LEDを立体的階段状に配置した発光構造体の放熱効果を上げる必要がる。
【0007】
そこで、本発明は上記課題を解消するために、フラット配線体の折り曲げ構造が簡素化でき、組み付け作業を短縮でき、組み付けコストを低減して、放熱効果を上げることができる電子部品実装立体配線体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解消するために、本発明の電子部品実装立体配線体は、フラット配線体に複数の電子部品が実装され、前記フラット配線体が折り曲げられて立体形状に形成されてなるフラット構造体と、前記フラット構造体が配置される複数のベース部材とからなる電子部品実装立体配線体であって、
前記フラット配線体上に実装される前記電子部品が2個以上の複数個単位をグループ単位として実装され、
前記電子部品の各前記グループ単位が、前記ベース部材毎に前記フラット配線体の表面または裏面に実装されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の電子部品実装立体配線体は、好ましくは前記電子部品の各前記グループ単位は、前記フラット配線体の前記表面または前記裏面に対して交互に実装されている。
【0010】
本発明の電子部品実装立体配線体は、好ましくは前記電子部品の各前記グループ単位は、並列電気回路を構成していることを特徴とする。
【0011】
本発明の電子部品実装立体配線体は、好ましくは前記電子部品の各前記グループ単位は、各ベース部材毎に前記フラット配線体を折り曲げることで立体状に配置されており、各前記グループ単位の間には間隔が設定されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の電子部品実装立体配線体は、好ましくは前記電子部品の各前記グループ単位は、前記ベース部材と一体化されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の電子部品実装立体配線体は、好ましくは前記ベース部材は、前記フラット配線体を固定するための固定部を有している。
【0014】
本発明の電子部品実装立体配線体は、好ましくは前記フラット配線体は、前記固定部にはめ込むための折り曲げ部を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1の電子部品実装立体配線体によれば、フラット配線体上に実装される電子部品が2個以上の複数個単位をグループ単位として実装され、電子部品の各グループ単位が、ベース部材毎にフラット配線体の表面または裏面に実装されているので、フラット配線体の折り曲げ構造が簡素化でき、組み付け作業を短縮でき、組み付けコストを低減できる。
【0016】
本発明の請求項2の電子部品実装立体配線体によれば、電子部品の各前記グループ単位は、前記フラット配線体の前記表面または前記裏面に対して交互に実装されているので、フラット配線体の折り曲げ構造が簡素化でき、組み付け作業を短縮でき、組み付けコストを低減できる。
【0017】
本発明の請求項3の電子部品実装立体配線体によれば、電子部品の各グループ単位は、並列電気回路を構成しているので、電子部品の各グループ単位毎に電気回路に接続できる。
【0018】
本発明の請求項4の電子部品実装立体配線体によれば、電子部品の各グループ単位は、各ベース部材毎にフラット配線体を折り曲げることで立体状に配置されており、各グループ単位の間には間隔が設定されているので、放熱効果を得ることができる。
【0019】
本発明の請求項5の電子部品実装立体配線体によれば、電子部品の各グループ単位は、ベース部材と一体化されているので、確実に組み付け作業を短縮でき、組み付けコストを低減できる。
【0020】
本発明の請求項6の電子部品実装立体配線体によれば、ベース部材は、フラット配線体を固定するための固定部を有しているので、フラット配線体をベース部材に対して確実に固定できる。
【0021】
本発明の請求項7の電子部品実装立体配線体によれば、フラット配線体は、前記固定部にはめ込むための折り曲げ部を有しているので、フラット配線体をベース部材に対して簡単に差し込んで固定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の電子部品実装立体配線体の好ましい実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示す電子部品実装立体配線体に用いられているフラット配線体とベース部材を示す平面図である。図3は、フラット配線体の構造例を示す平面図である。
【0024】
図1と図2に示す電子部品実装立体配線体1は、例えば自動車のフロント部やリア部に配置される発光器として採用できる。
【0025】
図1に示す電子部品実装立体配線体1は、帯状のフラット配線体2と、複数のベース部材31,32,33とを有している。図示例では、1段目のベース部材31と、2段目のベース部材32と、3段目のベース部材33の合計3枚のベース部材が使用されている。
【0026】
まず、図1〜図3を参照しながら、フラット配線体2の構造例について説明する。
【0027】
フラット配線体2は、図1に例示しているように、折り曲げられて立体形状に形成されて、ベース部材31,32,33に対して配置されることにより、フラット構造体10を構成している。
【0028】
図2は、立体形状に折り曲げられる前の状態のフラット配線体2を示しており、フラット配線体2は、例えば平行配置された複数本のフラット導体3にプラスチックフィルム(例えばポリエチレンテレフタレートフィルムなど)の張り合わせまたは押出被覆等により絶縁被覆4を施したものである。図3に示すように、フラット配線体2は、フラット導体3を電気的に切断する回路切断部(スリットともいう)8を有している。
【0029】
図3に示すように、フラット配線体2は、表面部131の領域に1つの折り曲げ部40を有している。フラット配線体2は、裏面部132の領域に2つの折り曲げ部45,46を有している。フラット配線体2は、表面部133の領域に1つの折り曲げ部40を有している。
【0030】
図3に示す表面部131の領域の折り曲げ部40と表面部133の領域の折り曲げ部40とは同じ形状であり、図3の紙面垂直上方に突出する山折部50を有している。これに対して、裏面部132の領域の折り曲げ部45,46は、図3の紙面垂直下方に突出する山折部55を有している。折り曲げ部40と折り曲げ部45,46の形状は、反対になっており、折り曲げ部40は図3のF方法に向けて先細りに形成され、折り曲げ部45,46は図3のH方向に向けて先細りに形成されている。
【0031】
図2のフラット導体3は、例えば厚さが0.15mm、幅が5.2mmの銅テープである。図1〜図3に示すように、電子部品20は、フラット配線体2上に、2個以上の複数個単位をグループ単位G1,G2,G3として実装されている。図示例は、各グループ単位G1,G2,G3は、それぞれ4個の電子部品20を有している。
【0032】
図3に示すように、電子部材20の第1グループ単位G1は、フラット配線体2の表面部131側に配置され、電子部材20の第2グループ単位G2は、フラット配線体2の裏面部132側に配置され、電子部材20の第3グループ単位G3は、フラット配線体2の表面部133側に配置されている。
【0033】
図4に示すように、電子部品20は、例えばLED等の発光素子21を備えている。この発光素子21は、2本のリード22を有している。リード22は、例えばL字形に屈曲され板状に形成されている。
【0034】
図5に示すように、電子部品20とフラット配線体2は、接続子23によって電気的および機械的に接続されており、接続子23は背板部23aと、この背板部23aの両側面から下側(図4の下方向)に形成された突き刺し片(突き出し片部ともいう)23bとから構成されている。なお、接続子23は、一枚の金属板を打ち抜き、折り曲げ加工するなどして製造される。接続子23の両側の突き刺し片23b,23bの間隔は、その間に電子部品のリード22が入る大きさに設定されている。
【0035】
電子部品20のリード22は、フラット配線体2の被覆絶縁4を剥ぐことなく、フラット導体3の位置の上にそれぞれ載置される。図5に示すように、接続子23の突き刺し片23bが、リード22の両側に位置するように配置され、突き刺し片23bがフラット配線体2のフラット導体3を突き抜け、フラット配線体2の裏側で内側に折り曲げられてかしめられる。これにより、フラット配線体2と電子部品20とが電気的および機械的に接続される。
【0036】
このようにフラット配線体2と電子部品20とを電気的および機械的に接続することで、はんだ付けや溶接等のように接続時に熱が発生しないため、作業性の観点および完成品の品質維持の観点から望ましい。
【0037】
図4の電子部品20のリード22および接続子23の背板部23aがせん断接合により一括で接続されている。せん断接合は、例えば図4に示すように、リード22および接続子23の背板部23aの重ね合わせ部の一部を平行又はほぼ平行にせん断してせん断部23cを形成するとともに、せん断部23cの間をその両側と段違いになるように凹ませることにより形成される。これにより、リード22および接続子23の背板部23aは半田付けなしで強固に接合される。
【0038】
図4に示すように、あらかじめ接続子23の突き刺し片23bをフラット配線体2のフラット導体3に突き刺す前に、リード22および接続子23の背板部23aの重ね合わせ部にせん断部23cの形成を行っても良い。また、図5に示すように、リード22および接続子23の背板部23aとフラット配線体2のフラット導体3の重ね合わせ部に、この3者についてせん断部23cを形成しても良い。
【0039】
前者の場合では、接続子23の突き出し片23bをフラット配線体2のフラット導体3に突き刺す際に、電子部品20のリード22および接続子23の背板部23aが互いにずれるおそれがなくなる。後者の場合には、これによりリード22および接続子23の背板部23aとフラット配線体3とが半田付けなしで強固に接合される。
【0040】
次に、図1と図2を参照しながら、複数のベース部材31,32,33について説明する。
【0041】
図1と図2に示すベース部材31,32,33は、似た同じ形状を有しており、複数本の連結部材35により相互に間隔を開けて平行になるように固定されている。ベース部材31,32,33は、例えばポリエチレンテレフタレート(PBT)等の硬質プラスチック材料又はアルミニウム合金等の金属材料からなる。図1に示すように、ベース部材31,32,33と、複数本の連結部材35は、ベース構造体30を構成している。
【0042】
図2に示すように、各ベース部材31,32,33には、所望の位置に孔34が設けられており、フラット構造体10に実装されている電子部品20が固定されるか、あるいはこの孔34から発光素子21が露出するようなっている。図示例は、各ベース部材31,32,33には、4つの孔34が形成されている。
【0043】
図2と図3に示すように、1段目のベース部材31は、フラット配線体2の表面131部側において電子部材20の第1グループ単位G1に対応して配置されている。2段目のベース部材32は、フラット配線体2の裏面部132側において電子部材20の第2グループ単位G2に対応して配置されている。3段目のベース部材33は、フラット配線体2の表面部131側において電子部材20の第3グループ単位G3に対応して配置されている。
【0044】
図1と図2に示すように、フラット配線体2上に実装される複数の電子部品20が、2個以上の複数個単位をグループ単位G1,G2,G3として実装されており、電子部品20の各グループ単位G1,G2,G3が、ベース部材31、32,33毎にフラット配線体2の表裏に実装されている。しかも、電子部品20の各グループ単位G1,G2,G3は、フラット配線体2の表面側と裏面側に対して、交互に実装されている。これらの電子部品20の各グループ単位G1,G2,G3は、相互に別々に並列電気回路を構成している並列電気回路単位であり、各グループ単位G1,G2,G3の電子部品20は電源部に接続されている
図1と図2に示すように、1段目のベース部材31は、固定部41を有している。2段目のベース部材32は、固定部71,72を有している。3段目のベース部材33は、固定部41を有している。固定部41,71,72,41は、長溝型の貫通孔である。
【0045】
図2に示すように、折り曲げ部40の山折部50が1段目のベース部材31の固定部41に挿入されることで、フラット配線体2の表面部131がベース部材31の表面に固定されている。折り曲げ部45,46の山折部55,55が2段目のベース部材32の固定部71,72にそれぞれ挿入されることで、フラット配線体2の表面部131がベース部材31の裏面に固定されている。折り曲げ部40の山折部50が3段目のベース部材33の固定部41に挿入されることで、フラット配線体2の表面部133がベース部材33の表面に固定されている。
【0046】
図2に示すように、ベース部材31,32,33は、互いに一定間隔Sをおいて離して配置されており、一定間隔Sの部分は、図1に示すようにフラット構造体10の折り曲げ構造部90,91に相当する。
【0047】
次に、図1ないし図3を参照しながら、上述した本発明の実施形態の電子部品実装立体配線体の製造時の組み立て例について説明する。
【0048】
図1に示す電子部品実装立体配線体1は、フラット配線体2に対して3つのベース部材31、32,33を固定して、各ベース部材31、32,33を連結部材35を用いて相互に平行になるように連結することで構成される。
【0049】
このように、ベース部材31、32,33とフラット配線体2とを固定する場合には、図1と図6に示すように、ベース部材31の固定部41に折り曲げ部40の山折部50が挿入されることで、フラット配線体2の表面部131がベース部材31の表面に固定される。図1に示すようにベース部材32の固定部71,72には、折り曲げ部45,46の山折部55,55がそれぞれ挿入されることで、フラット配線体2の表面部131がベース部材31の裏面に固定される。ベース部材33の固定部41には、折り曲げ部40の山折部50が挿入されることで、フラット配線体2の表面部133がベース部材33の表面に固定される。
【0050】
図1に示すように、フラット配線体2は、3つのベース部材31,32,33を用いて、フラット構造体10として立体形状に保持される。
【0051】
1段目のベース部材31の上には、フラット配線体2の表面部131の折り曲げ部40山折部50が、固定部41にはめ込まれることで固定され、複数の電子部品20がベース部材31に配置される。そして、折り曲げ構造部90は、1段目のベース部材31から2段目のベース部材32側にほぼ垂直になるように単純な配置形状で導かれる。
【0052】
2段目のベース部材32の上には、フラット配線体2の裏面部132の折り曲げ部45,46の山折部55が、固定部71,72にはめ込まれることで固定され、複数の電子部品20がベース部材32に配置される。そして、折り曲げ構造部91は、2段目のベース部材32から3段目のベース部材33側にほぼ垂直になるように単純な配置形状で導かれる。
【0053】
3段目のベース部材33の上には、フラット配線体2の表面部133の折り曲げ部40の山折部50が、固定部41にはめ込まれることで固定され、複数の電子部品20がベース部材33に配置される。
【0054】
これにより、図1に示すように、フラット配線体2の開始端(第1端ともいう)141は1段目のベース部材31からは外に出ているが、開始端141に続く表面部131は1段目のベース部材31に沿って配置され、この表面部131に続く折り曲げ構造部90は単純な形状で折り曲げられて、裏面部132は2段目のベース部材32に沿って配置される。そして、裏面部132に続く折り曲げ構造部91は、単純な形状で折り曲げられて、表面部133は3段目のベース部材33に沿って配置される。フラット配線体2の終了端142は3段目のベース部材33の外に導出される。
【0055】
電子部品20が実装されているフラット配線体2の表面部131と、裏面部132および表面部133は、ベース部材31,32,33を用いて相互に間隙をおいて配置されていることから、電子部品20とフラット配線体2との接続部である突き刺し片23bおよびせん断部23cにおいて生じる熱を放熱させることができる。このため、LEDを立体的階段状に配置した発光構造体の放熱効果を上げることができる。
【0056】
本発明の実施形態では、フラット配線体2の折り曲げ部40,45,46は、ベース部材31,32,33の固定部41,71,72にはめ込むだけで、各ベース部材31,32,33に固定して、しかも必要に応じてフラット配線体2の配置角度の変更もできる。固定部41,71,72は、固定窓あるいは固定用の開口部とも呼ぶことができる。
【0057】
従って、製品デザインが複雑であってもフラット配線体の折り曲げ構造が単純化でき、折り曲げ設備が単純化でき設備費のコストダウンが図れる。折り曲げ組み立て作業が簡単になり、加工時間と組み付け作業が短縮でき、製造時のコストダウンが図れる。フラット配線体の取り扱いが単純化でき、使用している電子部品の品質を確保することもできる。
【0058】
フラット配線体2の加工コストを低減でき、フラット配線体2をベース部材31,32,33に対して組み付ける際の信頼性を大幅に向上できる。すわなち、フラット配線体の折り曲げが単純化できるので、加工工数が減り、加工コストを低減できる。
【0059】
図1と図2に示すように、フラット構造体10をベース構造体30に組み付けるコストを低減できる。フラット配線体2の折り曲げ作業を単純化できるので、フラット構造体10をベース構造体30に組み付ける際の作業が容易にできる。
【0060】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形例を採用できる。
【0061】
例えば、図示例は、1段目のベース部材31と、2段目のベース部材32と、3段目のベース部材33の合計3枚のベース部材が使用されているが、これに限らず、2枚のベース部材あるいは4枚以上のベース部材を使用しても良い。
【0062】
フラット配線体2には折り曲げ部40,45,46を設けて、ベース部材31,32,33の固定部41,71,72にはめ込むだけで、各ベース部材31,32,33に固定して、しかも必要に応じてフラット配線体2の配置角度の変更もできるが、この固定方式の他に、フラット配線体2は、ベース部材31,32,33を熱溶着させて固定してもよい。
【0063】
フラット配線体2とベース部材31,32,33の形状は、図示例に限定されず、種々の形状が採用できる。各ベース部材31,32,33における固定部41,71,72の設定数は、任意に選択できる。
【0064】
フラット配線体2のフラット導体3には、図4と図5に示すように、電子部品20が接続子23の突き刺し片23bを用いて電気的にしかも機械的に固定されているが、フラット配線体2のフラット導体3には、ピアス端子が突き刺し片23bと同様な構造の突き刺し片を用いて接続できるようにしても良い。ピアス端子は、給電線の導体に対して電気的かつ機械的に固定されている電気接続端子である。
【0065】
本発明の実施形態の電子部品実装立体配線体1は、例えば自動車の発光器として用いることができるが、これに限らず他の種類の対象物に対して適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の電子部品実装立体配線体の好ましい実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す電子部品実装立体配線体に用いられているフラット配線体とベース部材を示す平面図である。
【図3】フラット配線体を示す平面図である。
【図4】電子部品とその接続子の例を示す図である。
【図5】電子部品が電気的かつ機械的に接続された状態を示す図である。
【図6】ベース部材の固定部にフラット配線体の折り曲げ部がはめ込まれた形状例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
1 電子部品実装立体配線体
10 フラット構造体
20 電子部品
22 リード
23a 背板部
23b 突き刺し片
23c せん断部
30 ベース構造体
31 1段目のベース部材
32 2段目のベース部材
33 3段目のベース部材
34 孔
35 連結部材
40 フラット配線体の折り曲げ部
41 フラット配線体の固定部
45 フラット配線体の折り曲げ部
46 フラット配線体の折り曲げ部
71 フラット配線体の固定部
72 フラット配線体の固定部
90 折り曲げ構造部
91 折り曲げ構造部
131 表面部
132 裏面部
133 表面部
S 一定間隔
G1 電子部品のグループ単位
G2 電子部品のグループ単位
G3 電子部品のグループ単位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラット配線体に複数の電子部品が実装され、前記フラット配線体が折り曲げられて立体形状に形成されてなるフラット構造体と、前記フラット構造体が配置される複数のベース部材とからなる電子部品実装立体配線体であって、
前記フラット配線体上に実装される前記電子部品が2個以上の複数個単位をグループ単位として実装され、
前記電子部品の各前記グループ単位が、前記ベース部材毎に前記フラット配線体の表面または裏面に実装されていることを特徴とする電子部品実装立体配線体。
【請求項2】
前記電子部品の各前記グループ単位は、前記フラット配線体の前記表面または前記裏面に対して交互に実装されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装立体配線体。
【請求項3】
前記電子部品の各前記グループ単位は、並列電気回路を構成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品実装立体配線体。
【請求項4】
前記電子部品の各前記グループ単位は、各ベース部材毎に前記フラット配線体を折り曲げることで立体状に配置されており、各前記グループ単位の間には間隔が設定されていることを特徴とする請求項3に記載の電子部品実装立体配線体。
【請求項5】
前記電子部品の各前記グループ単位は、前記ベース部材と一体化されていることを特徴とする請求項4に記載の電子部品実装立体配線体。
【請求項6】
前記ベース部材は、前記フラット配線体を固定するための固定部を有していることを特徴とする請求項5に記載の電子部品実装立体配線体。
【請求項7】
前記フラット配線体は、前記固定部にはめ込むための折り曲げ部を有していることを特徴とする請求項6に記載の電子部品実装立体配線体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−258431(P2007−258431A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−80625(P2006−80625)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】