説明

電気光学装置及び電子機器

【課題】 液晶装置等の電気光学装置における基板サイズを縮小する。
【解決手段】
所定間隔で相対向すると共に平面的に見て少なくとも一辺において一方の基板(10)が他方の基板(20)より張り出している一対の基板を備える。一方の基板には、表示用電極を駆動する回路部が設けられ、前記一辺において張り出してなる張り出し部(201)における他方の基板と対向する側の面には、回路部と引出し配線(103a)によって電気的に接続された複数の外部接続端子(102a)が設けられている。外部接続端子は、平面的に見て、引き出し配線と少なくとも部分的に重畳するように設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置、及び、該電気光学装置を備えた、例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置では、表示用電極及びこれを駆動するための回路部が設けられた基板と対向基板とが、液晶等の電気光学物質を挟んで対向配置されている。具体的には、これらの基板を所定間隔で対向させ、その対向面の周縁をシール材で貼り合わせることで形成された内部空間に、電気光学物質が封入されている。
【0003】
表示用電極が設けられた方の基板は、平面的に見て一辺において対向基板より張り出しており、この張り出した部分(以下、張り出し部という)に、外部接続端子が設けられている。外部接続端子は、回路部等から引き出された配線と接続される一方で、信号や電源が外部入力されるように表面が外部に露出するように設けられる。その他、画像信号供給用の外部接続端子と接続される駆動回路もまた、通常はこの張り出し部に設けられる。
【0004】
これに対し、例えば特許文献1に記載されているように、駆動回路を内部空間に配置し、張り出し部には外部接続端子しか設けない装置構成を採れば、張り出し部の幅が短縮され、基板サイズの縮小を図ることができるとされている。
【0005】
【特許文献1】特開平9−113906号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、実際の電気光学装置において、駆動回路を配置し、駆動回路から配線を引き出すだけのスペースを内部空間に設けるのは困難である。また、仮に張り出し部に外部接続端子しか設けない場合であっても、外部接続端子に接続される引出し配線の少なくとも一部は張り出し部に配置されるわけで、張り出し部の幅を縮小するためには、これら外部接続端子と引出し配線とのレイアウトを考慮する余地がある。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、基板サイズの縮小が可能な電気光学装置、及び、そのような電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1電気光学装置は、上記課題を解決するために、所定間隔で相対向すると共に平面的に見て少なくとも一辺において一方の基板が他方の基板より張り出している一対の基板と、前記一方の基板に設けられた表示用電極と、前記表示用電極を駆動するために前記一方の基板に設けられた回路部と、前記回路部及び前記表示用電極を駆動するための配線のうち少なくとも一方から、前記一方の基板のうち前記一辺において張り出してなる張り出し部に夫々引き出された複数の引出し配線と、該複数の引き出し配線に夫々接続され、平面的に見て前記複数の引き出し配線と少なくとも部分的に重畳するように、前記張り出し部における前記他方の基板と対向する側の面に設けられた複数の外部接続端子とを備える。
【0009】
本発明の第1電気光学装置によれば、少なくとも一辺において一方の基板が他方の基板より張り出している一対の基板を所定間隔で相対向している。一対の基板のうち、他方より張り出す基板には、例えば、走査線、データ線等の配線や薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下適宜“TFT”と呼ぶ)等の電子素子、データ線駆動回路や走査線駆動回路等によって表示用電極を駆動する回路部が構成されており、その上層側に表示用電極が形成されている。
【0010】
そして、この基板のうち、上記一辺において他方の基板より張り出してなる張り出し部に、回路部と電気的に接続される外部接続端子が設けられている。外部接続端子は、例えば張り出し部の外縁に沿って複数配列されており、回路部或いは表示用電極から引き出された引出し配線に夫々接続されている。引出し配線は通常、外部接続端子が配列された領域以外の領域に引き回されている。
【0011】
これに対し、本発明に係る張り出し部では、平面的に見て、外部接続端子と引き出し配線とが少なくとも部分的に重なり合うように(即ち、張り出し部において立体的に)配置されている。そのような構成は、例えば、引出し配線及び外部接続端子の少なくとも一部を、コンタクトホール等を介して導通させつつ層間絶縁膜を介して積層させることで実現できる。この場合、配線や端子となる導電膜は、2層或いはそれ以上に積層されてよく、各層の導電膜は単層膜又は多層膜のいずれであってもよい。
【0012】
このようにレイアウトを工夫することで、張り出し部の、張り出した方向における幅を短縮することができる。従って、基板サイズの縮小により、電気光学装置の省スペース化が実現可能である。また特に、基板サイズの縮小により、ウェハ一枚当たりから製造される電気光学装置の個数を増やすことができ、製造コストの低減、及び製造効率の向上に対して多大な効果を発揮する。例えば、一枚についての縮小量が1mm程度の比較的少量であっても、これが数枚から数十枚分或いは数百枚分だけ、同一ウェハ上に配列されるのであれば、同一ウェハ上に一行或いは複数行分だけ余計に電気光学装置を作り込める場合もあり得る。従って、実践上は顕著に有利となる。
【0013】
本発明の第1電気光学装置の一態様では、前記外部接続端子及び前記引出し配線は、層間絶縁膜を介して積層され、前記外部接続端子は、前記回路部を構成する第1導電膜と同一膜を含み、前記引き出し配線は、前記回路部を構成する第2導電膜と同一膜を含む。
【0014】
この態様によれば、外部接続端子と引出し配線とは、層間絶縁膜を介して積層された、相異なる導電膜により形成されることで、平面的に見て互いに重なり合いつつも、コンタクトホール等によって接続される部位以外では電気的に導通しないように構成することができる。
【0015】
また、外部接続端子と引出し配線とは、回路部を構成する導電膜と同一膜として、或いはそのような導電膜の同一膜を含んで形成されることから、外部接続端子及び引出し配線の積層構造を回路部とは別に設けずに済む。よって、基板上の構造が簡素化でき、比較的容易に形成することが可能である。尚、導電膜の材料としては、例えば低抵抗のアルミニウム(Al)が好適に用いられる。
【0016】
本発明の第1電気光学装置の他の態様では、前記複数の外部接続端子は、前記一辺に沿った方向に配列され、前記複数の引出し配線は夫々、前記一辺に沿った方向に延びると共に前記外部接続端子のうち前記一辺に沿った方向と交差する方向における縁部と接続されている。
【0017】
この態様によれば、複数の外部接続端子の配列方向に複数の引出し配線が張り出すことで、外部接続端子と引出し配線とが立体交差している。両者は、外部接続端子のうち上記一辺に沿った方向と交差する方向における縁部(即ち、外部接続端子のうち外縁側ないし内縁側の縁部)において、例えばコンタクトホールを介して接続されている。このようなレイアウトでは、外部接続端子の形成領域内に引出し配線を効率よく配置できる。また、引出し配線は、自身が延在する領域からそれた領域で外部接続端子と接続されることから、例えばコンタクトホールの形成位置の誤差等により、外部接続端子に、接続対象とする配線と隣接する配線が誤って導通することが防止できる。よって、本態様に係る電気光学装置は、信頼性高く製造することができる。
【0018】
或いは、他の態様では、前記複数の外部接続端子は、前記一辺に沿った方向に配列され、前記複数の引出し配線は夫々、前記一辺に沿った方向に延びると共に平面的に見て前記外部接続端子と交差する領域において前記外部接続端子と接続されている。
【0019】
この態様によれば、複数の外部接続端子と複数の引出し配線とは、平面的に見て互いに交差する領域において、例えばコンタクトホールを介して接続されている。このようなレイアウトでは、外部接続端子の形成領域内に引出し配線を効率よく配置できると共に、引出し配線は自身が延在する領域で外部接続端子と接続されることから、コンタクトホールを形成するための領域を別途設けずに済み、引出し配線及び外部接続端子の配置スペースを小さくすることが可能である。よって、本態様に係る電気光学装置は、張り出し部が張り出した方向における幅が更に短縮され、基板サイズを更に縮小することが可能である。
【0020】
本発明の第2電気光学装置は、上記課題を解決するために、所定間隔で相対向すると共に平面的に見て少なくとも一辺において一方の基板が他方の基板より張り出している一対の基板と、前記一方の基板に設けられた表示用電極と、前記表示用電極を駆動するために前記一方の基板に設けられた回路部と、前記回路部及び前記表示用電極を駆動するための配線のうち少なくとも一方から、前記一方の基板のうち前記一辺において張り出してなる張り出し部に夫々引き出された複数の引出し配線と、該複数の引き出し配線に夫々接続され、平面的に見て前記回路部と少なくとも部分的に重畳するように、前記張り出し部における前記他方の基板と対向する側の面に設けられた複数の外部接続端子とを備える。
【0021】
本発明の第2電気光学装置によれば、張り出し部に、回路部と外部接続端子とが、平面的に見て少なくとも部分的に重なり合うように配置されている。このような構成は、例えば、回路部及び外部接続端子の少なくとも一部を、層間絶縁膜を介して積層させることで実現できる。この場合、回路部や端子を構成する導電膜は、2層或いはそれ以上に積層されてよく、各層の導電膜は単層膜又は多層膜のいずれであってもよい。
【0022】
このようにレイアウトを工夫することで、張り出し部の張り出し方向における幅を短縮することができ、基板サイズの縮小により、上記第1電気光学装置と同様の効果を奏する。
【0023】
本発明の第2電気光学装置の一態様では、前記回路部は、前記複数の外部接続端子のうち画像信号を供給する端子と電気的に接続されると共に前記画像信号の供給を受けて駆動される駆動回路を含んでおり、前記外部接続端子は、前記駆動回路と少なくとも部分的に重畳する。
【0024】
この態様によれば、駆動回路、即ち、所謂データ線駆動回路が、平面的に見て外部接続端子と少なくとも部分的に重なり合うように配置されている。データ線駆動回路は一般に、上記一辺に沿って延在するように設けられ、両端において画像信号入力のために多数の外部接続端子と引出し配線を介して接続される。そのため、周辺に多数の引出し配線を引き回すだけの領域が必要とされることから、データ線駆動回路は、外部接続端子と共に、空間的制約の少ない張り出し部に設けられることが多い。その場合、通常は外部接続端子とデータ線駆動回路とは同一平面上に設けられるために、張り出し部の幅は、データ線駆動回路のサイズ形状等に応じて拡張されることになる。
【0025】
これに対し、本態様では、張り出し部に設けられるデータ線駆動回路の全体又は少なくとも一部が外部接続端子と同じスペースに設けられているので、その分だけ張り出し部の幅が短縮され、電気光学装置の省スペース化或いは小型化を効果的に実現可能となる。
【0026】
本発明の第2電気光学装置の他の態様では、前記外部接続端子と前記回路部の一部とは層間絶縁膜を介して積層され、前記外部接続端子は、前記回路部を構成する第1導電膜と同一膜を含む。
【0027】
この態様によれば、外部接続端子と回路部とは夫々、層間絶縁膜を介して積層されることで、平面的に見て互いに重なり合いつつも電気的に導通しないように構成できる。また、外部接続端子は、回路部を構成する導電膜と同一膜として、或いはそのような導電膜の同一膜を含んで形成されることから、基板上の構造が簡素化でき、比較的容易に形成することが可能である。尚、導電膜の材料としては、例えば低抵抗のアルミニウム(Al)が好適に用いられる。
【0028】
本発明の第1及び第2電気光学装置における他の態様では、前記一対の基板間に内部空間を形成するように前記一対の基板における相対向する面の周縁を貼り合わせるシール材と、前記内部空間に収容された電気光学物質とを更に備え、前記表示用電極及び前記回路部の一部は、前記内部空間に面して配置される。
【0029】
この態様によれば、電気光学装置を構成する一対の基板の間には、両基板における相対向する面の周縁をシール材で封止することによって内部空間が構成されており、その周縁から張り出し部が張り出している。内部空間には液晶等の電気光学物質が封入される。表示用電極は、電気光学物質を動作させるために、内部空間に面して配置される。また、回路部の一部、例えば、走査線、データ線及びTFT等の配線や素子、走査線駆動回路等の一部の駆動回路は、表示用電極と共に内部空間に面した領域に設けられている。よって、張り出し部の殆ど全域を、外部接続端子を形成するための領域として利用できる。
【0030】
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様を含む)を備える。
【0031】
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気光学装置を備えるので、省スペース化或いは小型化された、投射型表示装置、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置等も実現可能である。
【0032】
本発明のこのような作用及び他の利得は、次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
<1:電気光学装置の実施形態>
図1から図13を参照して、本発明の電気光学装置に係る実施形態について説明する。尚、以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。
【0035】
<1−1:第1実施形態>
図1から図7を参照して、本発明の第1実施形態に係る液晶装置について説明する。
【0036】
<1−1−1:液晶装置の概略構成>
先ず、図1から図3を参照して、この液晶装置の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る液晶装置の構成を示す平面図であり、図2は、図1のI−I’線断面を示している。図3は、本実施形態に係る液晶装置の比較例を示している。
【0037】
図1及び図2において、液晶装置100では、TFTアレイ基板10に対向基板20を所定間隔で対向させ、両基板の相対向する面の周縁をシール材52aで貼り合わせることによって、内部空間が形成されている。TFTアレイ基板10には、平面的に見て対向基板20より張り出してなる張り出し部201が存在し、シール材52aは、この張り出し部201が延在する辺における所定箇所(ここでは、この辺の両端)に対して、内部空間に通じる開口を規定している。そして、開口から内部空間に注入された液晶によって液晶層50が構成され、開口は、封止モールド材151a及び151bによって夫々、封止されている。シール材52aの内縁に沿って設けられた額縁遮光膜53は、画像が表示される画像表示領域10aを規定している。
【0038】
TFTアレイ基板10の対向面(図2中、上面)のうち、画像表示領域10aには、画素スイッチング用TFTや走査線、データ線等の配線の上層に、本発明の「表示用電極」の一例たる画素電極9aが設けられている。そして、画素電極9aの直上に配向膜が形成されている。対向基板20の対向面(図2中、下面)には、ストライプ状の遮光膜23を介して対向電極21が形成されており、その上層に配向膜が形成されている。また、対向基板20の角部の少なくとも1箇所(ここでは4箇所全部)には、TFTアレイ基板10との間を電気的に導通させる上下導通端子106が設けられている。液晶層50の液晶の配向状態は、画素電極9aと対向電極21との間に印加される電界に応じて変化するが、電界が印加されていない状態では、配向膜によって規定される初期配向をとる。
【0039】
TFTアレイ基板10の対向面のうち、額縁遮光膜53の形成領域には、走査線を駆動する走査線駆動回路104と配線105とが設けられている。図1において、走査線駆動回路104は、額縁遮光膜53の左右の辺に一つずつ設けられ、配線105は、これら2つの走査線駆動回路104の相互間を接続すべく、額縁遮光膜53の上辺に引き回されている。
【0040】
TFTアレイ基板10の張り出し部201には、本発明の「駆動回路」の一具体例として、データ線を駆動するデータ線駆動回路101aが、図1において、シール材52aの下辺に沿って配置されている。但し、平面的に見て、データ線駆動回路101aの上半分は、シール材52aと重なるように設けられている。また、その下半分は、両端に封止モールド材151a及び151bの開口からはみ出した部分が夫々重なっている。
【0041】
尚、本実施形態においては、TFT等の電子素子や走査線、データ線等の配線、走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101aを含むTFTアレイ基板10上の回路全般が、本発明の「回路部」の具体例に対応している。また、張り出し部201には、データ線駆動回路101に加えて、複数のデータ線に画像信号を所定のタイミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の液晶装置100の品質、欠陥等を検査するための検査回路等が形成されていてもよい。
【0042】
更に、本実施形態では、張り出し部201において複数の引出し配線103aの少なくとも一部が、平面的に見て、外部接続端子102aと重畳するように設けられている。具体的には後述するが、この液晶装置100では、外部接続端子102aが形成されている層と引出し配線103aが形成されている層とは、例えば層間絶縁膜を介して積層され、外部接続端子102aの形成領域と引出し配線103aの形成領域とは少なくとも一部が重なり合っている。配線や端子となる導電膜は、2層或いはそれ以上に積層されてよく、各層の導電膜は単層膜又は多層膜のいずれであってもよい。
【0043】
これら外部接続端子102aは、FPC110を介して接続された外部回路から液晶装置100内に電源や信号を供給するために設けられており、夫々、引出し配線103aを介して走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101a等の駆動回路と適宜に接続されている。液晶装置100では、これら外部接続端子102aに外部入力された信号に応じて画素電極9aが駆動され、画像が表示される。ここでデータ線駆動回路101aは、張り出し部201側の両端において、引出し配線103aを介して複数の外部接続端子102aと接続されている。
【0044】
図3に示したように、本実施形態の比較例に係る液晶装置においては、外部接続端子102と引出し配線103とは、平面的に見て互いに重なり合わないように、例えば同一平面上に配置される。外部接続端子102はまた、FPC110と接続されなければならないので、その上に封止モールド材150が重なるのを防ぐために、ある程度、封止モールド材150から離しておく必要がある。結果的に、張り出し部200は所定の幅L0を有し、データ線駆動回路101全体を配置できるだけのスペースが生じる。
【0045】
これに対し、本実施形態の液晶装置100では、以上に説明したように、外部接続端子102aと引出し配線103aの少なくとも一部とを、平面的に見て重畳するように配置したので、省スペース化が実現できる。特に、ここでは、外部接続端子102aが張り出し部201の外縁に沿って配列されていることから、張り出し部201の、張り出し方向における幅L11を、通常より短縮することができる。
【0046】
尚且つ、ここでは、封止モールド材151aと封止モールド材151bとの間の領域に外部接続端子102aを配置するようにしたので、外部接続端子102aは封止モールド材151a及び151bに対して間隔をとらずに済む。更に、図1において、データ線駆動回路101aの上半分をシール材52aが配置される領域に設けることで、外部接続端子102aの位置を上側に押し上げることができる。以上の結果、張り出し部201の幅L11は、比較例における張り出し部200の幅L0よりも短縮できる。
【0047】
従って、本実施形態における液晶装置100は省スペース化が可能であり、これを適用する電子機器に高い設計自由度を与えることができる。また、ウェハ一枚当たりから製造される液晶装置の個数を増やすことができ、製造効率の向上及び製造コスト低減に対して大きな効果を発揮する。即ち、1つの液晶装置100における張り出し部201の縮小幅は、たとえ僅かであっても、ウェハ上には通常、上記TFTアレイ基板10に対応する領域が数百ないし数千単位で形成され、更にそのようなウェハが多数生産されることから、製造上極めて有効である。
【0048】
更に、ここでは、図1におけるシール材52aないし対向基板20の下辺において、開口及び封止モールド材150a及び150bの夫々を両端部に配置し、外部接続端子102aを中央部に配置するようにしたので、引出し配線103aは、中央部から左右に分かれて引き回しても左右で配線長をほぼ等しくすることができ、左右における信号遅延等の不具合が生じずに済む。また、開口が左右両端に規定されていることから、内部空間に液晶を効率よく且つ均一に注入することができる。
【0049】
<1−1−2:張り出し部の構成>
次に、図4から図7を参照して、液晶装置100における張り出し部201の具体的構成について、詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る液晶装置の張り出し部における主要部分を拡大して表しており、図5は、図4のA−A’線断面を表している。図6は、本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域において、画素部が構成する等価回路を表している。図7及び図8は、画素部の構造を表す平面図と断面図である。尚、図8の(a)は、図7のII−II’線断面を表しており、(b)は、図7のIII−III’線断面を表している。また、図8においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材の縮尺比率を適宜に変えてある。
【0050】
図4において、複数の外部接続端子102aは一方向に配列されており、複数の引出し配線103aの夫々は、外部接続端子102aの配列方向に延びると共に、外部接続端子102aとコンタクトホール20aを介して接続されている。コンタクトホール20aは、各外部接続端子102aの外縁に複数設けられている。尚、こうしたコンタクトホールの全部又は一部は、各外部接続端子102aの内縁側に設けられていてもよい。
【0051】
このようなレイアウトでは、引出し配線103aは、自身が延在する領域からそれた領域で外部接続端子102aと接続されることから、例えばコンタクトホール20aの形成位置の誤差等によって、外部接続端子102aと、接続対象の引出し配線103aと隣接して延びる引出し配線103aとが誤って導通することが防止できる。よって、この液晶装置100は、信頼性高く製造することができる。
【0052】
図5において、このような外部接続端子102aと引出し配線103aとは、層間絶縁膜43を介して積層されている。また、コンタクトホール20aは、この層間絶縁膜43を貫通するように形成されている。引出し配線103aは、このように所望の外部接続端子102aとコンタクトホール20aを介して接続されつつも、それ以外の外部接続端子102aとは層間絶縁膜43によって絶縁されることによって、平面的に見て外部接続端子102aと重ね合わせられている。
【0053】
ここで、TFTアレイ基板10上には、下地絶縁膜12、層間絶縁膜41〜44が順に積層されており、層間絶縁膜42上に引出し配線103aが設けられ、その上の層間絶縁膜43上に外部接続端子102aが設けられている。ここで、引出し配線103a及び外部接続端子102aは共にアルミニウム層40A、窒化チタン層40TNの2層からなり、外部接続端子102aの露出面D(図4中、外部接続端子102aの斜線領域)層間絶縁膜44及び窒化チタン層40TNを部分的に除去して形成された開口から外表に対して露出している。このような積層構造は、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aにおける積層構造を準用して構成されている。そこで次に、画像表示領域10aにおける積層構造の構成について説明する。
【0054】
<1−1−3:画像表示領域の構成>
図6において、画像表示領域10aには、複数の走査線11a及び複数のデータ線6aが相交差して配列しており、その線間に、走査線11a,データ線6aの各一によって選択される画素部が構成されている。各画素部は、TFT30、画素電極9a及び蓄積容量70を含む。TFT30は、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを選択画素に印加するために設けられ、ゲートが走査線11aに接続され、ソースがデータ線6aに接続され、ドレインが画素電極9aに接続されている。画素電極9aは、後述の対向電極21との間で液晶容量を形成し、入力される画像信号S1、S2、…、Snを一定期間保持するようになっている。即ち、画素電極9aによって画素部毎の開口領域が画定される。蓄積容量70の一方の電極は、画素電極9aと並列にTFT30のドレインと接続され、他方の電極は、定電位となるように電位固定の容量配線400に接続されている。
【0055】
液晶装置100は、例えばTFTアクティブマトリクス駆動方式を採り、走査線駆動回路104(図1参照)から各走査線11aに走査信号G1、G2、…、Gmが線順次に印加されると共に、それによってTFT30がオン状態となる水平方向の選択画素部の列に対し、データ線駆動回路101(図1参照)からの画像信号S1、S2、…、Snを、データ線6aを通じて印加される。その結果、選択画素に対応する画素電極9aに画像信号が供給される。TFTアレイ基板10は、液晶層50を介して対向基板20と対向配置されているので(図2参照)、こうして画素部毎に液晶層50に電界を印加することにより、両基板間の透過光量が画素毎に制御され、画像が階調表示される。このとき各画素部に保持された画像信号は、蓄積容量70によりリークが防止される。
【0056】
図7及び図8においては、上述した画素部の各回路要素がパターン化され、積層された導電膜としてTFTアレイ基板10上に構築されている。本実施形態のTFTアレイ基板10は、石英基板からなり、ガラス基板や石英基板等からなる対向基板20と対向配置されている。また、各回路要素は、下から順に、走査線11aを含む第1層、ゲート電極3aを含む第2層、蓄積容量70の固定電位側容量電極を含む第3層、データ線6a等を含む第4層、容量配線400等を含む第5層、画素電極9a等を含む第6層からなる。また、第1層−第2層間には下地絶縁膜12、第2層−第3層間には第1層間絶縁膜41、第3層−第4層間には第2層間絶縁膜42、第4層−第5層間には第3層間絶縁膜43、第5層−第6層間には第4層間絶縁膜44が夫々設けられ、前述の各要素間の短絡が防止されている。
【0057】
(第1層の構成―走査線等―)
第1層は、走査線11aで構成される。走査線11aは、図7のX方向に沿って延びる本線部と、データ線6a或いは容量配線400が延在する図7のY方向に延びる突出部とからなる形状にパターニングされている。このような走査線11aは、例えば導電性ポリシリコンからなり、その他にもチタン(Ti)、クロム(Cr)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド又はこれらの積層体等により形成することができる。即ち、本実施形態における走査線11aは、できるだけ開口領域の間の領域を覆うことで、TFT30を下側から遮光する遮光膜としても機能する。
【0058】
(第2層の構成―TFT等―)
第2層は、TFT30及び中継電極719で構成されている。TFT30は、例えばLDD(Lightly Doped Drain)構造とされ、ゲート電極3a、半導体層1a、ゲート電極3aと半導体層1aを絶縁するゲート絶縁膜2を備えている。ゲート絶縁膜2は、例えば、HTO(High Temperature Oxide)や熱酸化されたシリコン酸化膜からなる。ゲート電極3aは、例えば導電性ポリシリコンで形成される。半導体層1aは、例えばポリシリコンからなり、チャネル領域1a’、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eからなる。中継電極719は、例えばゲート電極3aと同一膜として形成される。
【0059】
TFT30のゲート電極3aは、下地絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12cvを介して走査線11aに電気的に接続されている。下地絶縁膜12は、例えば、HTO等のシリコン酸化膜、或いはNSG(ノンシリケートガラス)膜からなり、第1層と第2層との層間を絶縁する他、TFTアレイ基板10の全面に形成されることで、基板表面の研磨による荒れや汚れ等が惹き起こすTFT30の素子特性の変化を防止する機能を有している。
【0060】
(第3層の構成―蓄積容量等―)
第3層は、蓄積容量70で構成されている。蓄積容量70は、容量電極300と下部電極71とが誘電体膜75を介して対向配置された構成となっている。このうち、容量電極300は、コンタクトホール801、803及び容量配線用中継層6a1を介して容量配線400と電気的に接続されている。下部電極71と高濃度ドレイン領域1eとは、第1層間絶縁膜41に開孔されたコンタクトホール83を介して接続されている。また、下部電極71と画素電極9aとは、コンタクトホール881、882、804及び中継電極719、第2中継電極6a2、第3中継電極402により各層を中継し、コンタクトホール89において電気的に接続されている。
【0061】
容量電極300は、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイドからなる単層ないし多層膜、好ましくはタングステンシリサイドからなり、TFT30に図8の上側から入射しようとする光を遮る機能を有している。下部電極71には、例えば導電性のポリシリコンが用いられる。誘電体膜75は、例えば、膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜、或いは窒化シリコン膜等からなる。
【0062】
また、第1層間絶縁膜41は、例えば、NSGによって形成されている。その他、第1層間絶縁膜41には、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)等のシリケートガラス、窒化シリコンや酸化シリコン等を用いることができる。
【0063】
(第4層の構成―データ線等―)
第4層は、データ線6a、容量配線用中継層6a1及び第2中継電極6a2で構成されている。データ線6aは、アルミニウム膜、窒化チタン膜の2層からなり、窒化シリコン膜によって表面を被覆されている。データ線6aは、第1層間絶縁膜41及び第2層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール81を介して、TFT30の高濃度ソース領域1dと電気的に接続されている。更に、データ線6aと同一膜として、容量配線用中継層6a1及び第2中継電極6a2が形成されている。
【0064】
また、第2層間絶縁膜42は、例えばNSGからなり、その他、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス、窒化シリコンや酸化シリコン等によって形成することができる。
【0065】
(第5層の構成―容量配線等―)
第5層は、容量配線400及び第3中継電極402により構成されている。容量配線400は、画像表示領域10aの周囲にまで延設され、周辺駆動回路に供給される電源や上下導通端子を介して対向基板に供給される対向電極電位等の定電位源と電気的に接続されることで、固定電位とされている。また、容量配線400は、第3層間絶縁膜43に開孔されたコンタクトホール803を介して、容量配線用中継層6a1と電気的に接続されている。このような容量配線400は、例えばアルミニウム膜、窒化チタン膜を積層した二層構造となっている。
【0066】
容量配線400は、図7に示すように、X方向、Y方向に延在する格子状に形成され、X方向に延在する部分には、第3中継電極402の形成領域を確保するために切り欠きが設けられている。更に、容量配線400は、遮光膜としても機能し、下層のデータ線6a、走査線11a、TFT30等を覆うように、これらの回路要素よりも幅広に形成され、非開口領域を最終的に規定する形状となっている。更に、第5層には、容量配線400と同一膜として、第3中継電極402が形成されている。
【0067】
第5層の下には、全面に第3層間絶縁膜43が形成されている。第3層間絶縁膜43は、例えばNSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス、窒化シリコンや酸化シリコン等によって形成することができる。また、第3層間絶縁膜43の表面を平坦化するためにCMP(Chemical Mechanical Polishing)等により研磨しても良いし、SOG(Spin On Glass)等により平坦化膜を形成しても良い。平坦化により、配線間の段差等によるクラック発生を防止することができる。
【0068】
(第6層の構成―画素電極等―)
第5層の全面には第4層間絶縁膜44が形成され、更にその上に、第6層として画素電極9aが形成されている。第4層間絶縁膜44には、画素電極9a−第3中継電極402間を電気的に接続するためのコンタクトホール89が開孔されている。このような第4層間絶縁膜44は、例えばNSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス、窒化シリコンや酸化シリコン等によって形成することができる。また、第4層間絶縁膜44の表面を平坦化するためにCMP等により研磨しても良いし、SOG等により平坦化膜を形成しても良い。平坦化により、配線間の段差等によるクラック発生を防止する事ができる。
【0069】
画素電極9a(図7中、破線9a’で輪郭が示されている)は、縦横に区画配列された画素領域の各々と略対応して配置されている。このような画素電極9aは、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜からなる。更に、画素電極9a上には、配向膜16が形成されている。以上が、TFTアレイ基板10側の画素部の構成である。
【0070】
因みに、対向基板20には、その対向面の全面に対向電極21が設けられており、更にその上(図8では対向電極21の下側)に配向膜22が設けられている。対向電極21は、画素電極9aと同様、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。対向基板20と対向電極21の間には、TFT30における光リーク電流の発生等を防止するため、少なくともTFT30と正対する領域を覆うように遮光膜23が設けられている。
【0071】
本実施形態においては、このような画像表示領域10aの積層構造の延長上に、張り出し部201が形成されている。即ち、張り出し部201では、引出し配線103aがデータ線6a等の同一膜として第4層に形成され、外部接続端子102aが容量配線400等と同一膜として第5層に形成されている(図5及び図8を参照)。そのため、図5に示したような引出し配線103aと外部接続端子102aとが層間絶縁膜を介して積層された構造を、画像表示領域10aの積層構造とは別に設けずに済む。よって、TFTアレイ基板10上の構造が簡素化でき、比較的容易に形成することが可能である。
【0072】
また、ここでは、第4層と第5層とが共にアルミニウムを含むことから、データ線6a、容量配線400は勿論のこと、引出し配線103a及び外部接続端子102aもまた、低抵抗に構成される。因みに、第4層及び第5層は、熱処理が必要な蓄積容量70やTFT30の上層に位置することにより、耐熱性の低いアルミニウムを用いることが可能となっている。ここでは、画像表示領域10aにおける積層構造のうち、第4層及び第5層に引出し配線103a及び外部接続端子102aの夫々を設けることで、配線の低抵抗化と、外部接続端子102aの露出面Dを容易に形成することが可能となる。
【0073】
<1−2:変形例>
次に、図9及び図10を参照して、第1実施形態の変形例に係る液晶装置について説明する。図9は、第1実施形態の変形例に係る液晶装置のうち、張り出し部における主要部分を拡大して表しており、図10は、図9のB−B’線断面を表している。
【0074】
本発明に係る外部接続端子及び引出し配線は、平面的に見て、少なくとも部分的に重畳するように配置されていればよく、そのレイアウトは、上記第1実施形態に説明した場合以外にも種々の変形実施が可能である。
【0075】
図9においては、そのような一例として、複数の外部接続端子102bは一方向に配列されており、引出し配線103bとコンタクトホール20bを介して接続されている。コンタクトホール20bは、平面的に見て、複数の引出し配線103bが複数の外部接続端子102bと交差する領域の夫々に設けられている。
【0076】
このようなレイアウトでは、引出し配線103bは、自身が延在する領域で外部接続端子102bと接続されることから、コンタクトホールを形成するための領域を別途設けずに済み、引出し配線及び外部接続端子の配置スペースを、例えば第1実施形態に比べて小さくすることが可能である(図5及び図10を参照)。よって、本変形例では、張り出し部の幅がより短縮され、TFTアレイ基板のサイズを更に縮小することが可能である。
【0077】
<1−3:第2実施形態>
次に、図11から図13を参照して、第2実施形態に係る液晶装置について説明する。ここに、図11は、本実施形態に係る液晶装置の概略構成を表している。図12は、第2実施形態に係る液晶装置のうち、張り出し部における主要部分を拡大して表しており、図13は、図12のC−C’線断面を表している。尚、本実施形態の液晶装置100Aは、張り出し部内のレイアウトが異なることを除けば、液晶装置100と同様に構成されていることから、液晶装置100と同様の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0078】
図11において、液晶装置100Aでは、張り出し部202の外縁に沿って配列された複数の外部接続端子102cに対し、データ線駆動回路101c及び引出し配線103cの夫々が、平面的に見て部分的に重畳された状態で配置されている。このように張り出し部202のレイアウトを工夫することで、張り出し部202の幅L12を短縮することができ、TFTアレイ基板10のサイズの縮小によって上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0079】
図12及び図13には、その様子が拡大表示されている。引出し配線103cは、第1実施形態の変形例と同様、外部接続端子102cと交差する領域に設けられたコンタクトホール20cによって外部接続端子102cと接続されている。その一方、引出し配線103cは、自身が延在する領域に設けられたコンタクトホール21cによってデータ線駆動回路101cと接続されている。
【0080】
ここでは、TFTアレイ基板10上の積層構造のうち、引出し配線103cは第4層に、外部接続端子102cは第5層に設けられており、コンタクトホール20cは層間絶縁膜43を貫通するように設けられている。データ線駆動回路101cは、第1層から第5層の少なくともいずれか(図示した範囲では第2層と第4層)に設けられており、コンタクトホール21cは層間絶縁膜41及び42を貫通するように設けられている。
【0081】
このように本実施形態においては、外部接続端子102cと引出し配線103cの夫々が、データ線駆動回路101cや画像表示領域10aにおける回路部分を構成する導電膜と同一膜として、或いはそのような導電膜の同一膜を含んで形成されることから、TFTアレイ基板10上の構造が簡素化でき、比較的容易に形成することが可能である。その他の作用及び効果は上記第1実施形態と同様であり、第2実施形態に対しても第1実施形態に対する変形と同様の変形実施が可能である。
【0082】
また、上記第2実施形態では、外部接続端子102cと引出し配線103c、外部接続端子102cとデータ線駆動回路101cの夫々が平面的に見て重畳するようにしたが、図14に示したように、外部接続端子に対してデータ線駆動回路のみが重畳されるようなレイアウトにおいても張り出し部の幅が短縮され、本発明の効果を得ることができる。
【0083】
<2:電子機器>
次に、図15を参照して、以上に説明した液晶装置を電子機器に適用する場合について説明する。ここでは、本発明に係る電子機器の一例として、上述の液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図15は、このプロジェクタの構成例を示している。
【0084】
図15において、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶装置100R、100B及び100Gに入射される。液晶装置100R、100B及び100Gの構成は上述した液晶装置と同等であり、夫々において画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号が変調される。液晶装置100R、100B及び100Gによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。これにより各色の画像が合成され、投射レンズ1114を介して、スクリーン1120等にカラー画像が投写される。
【0085】
尚、本発明の電気光学装置は、上述の液晶装置以外に、例えば有機EL装置、電子ペーパ等の電気泳動装置、電子放出素子を利用した表示装置(Field Emission Display及びSurface-Conduction Electron-Emitter Display)等の各種装置として実現可能である。
【0086】
また、このような本発明の電気光学装置は、先に説明したプロジェクタ以外にも、テレビジョン受像機や、ビューファインダ型或いはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等の、各種の電子機器に対して適用可能である。
【0087】
本発明は、上述した実施形態及び実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及びこれを備えた電子機器もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液晶装置の構成を示す平面図である。
【図2】図1に示した液晶装置のI−I’線における断面図である。
【図3】第1実施形態に係る液晶装置の比較例を示す平面図である。
【図4】第1実施形態に係る液晶装置の主要部分の構成を示す平面図である。
【図5】図4に示した張り出し部のA−A’線における断面図である。
【図6】第1実施形態に係る液晶装置の画像表示領域における等価回路を示す模式図である。
【図7】第1実施形態に係る液晶装置の画像表示領域の構成を示す平面図である。
【図8】第1実施形態に係る液晶装置の画像表示領域の構成を示す断面図であり、(a)は図7のII−II’線における断面図、(b)は図7のIII−III’線における断面図である。
【図9】第1実施形態に係る液晶装置の変形例を示す平面図である。
【図10】図9に示した張り出し部のB−B’線における断面図である。
【図11】第2実施形態に係る液晶装置の構成を示す平面図である。
【図12】第2実施形態に係る液晶装置における主要部分の構成を示す平面図である。
【図13】図12に示した張り出し部のC−C’線における断面図である。
【図14】第2実施形態に係る液晶装置の変形例を示す平面図である。
【図15】本発明の電子機器の実施形態に係る液晶プロジェクタの構成を表す断面図である。
【符号の説明】
【0089】
10…TFTアレイ基板、9a…画素電極、10a…画像表示領域、20…対向基板、21…対向電極、50…液晶層、52、52a…シール材、53…額縁遮光膜、101、101a〜101d…データ線駆動回路、102、102a〜102d…外部接続端子、103a〜103d…配線、104…走査線駆動回路、105…配線、106…上下導通端子、110…フレキシブルプリント回路(FPC)、200〜202…張り出し部、150〜153…封止モールド材、L0、L11、L12…(張り出し部の)幅。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔で相対向すると共に平面的に見て少なくとも一辺において一方の基板が他方の基板より張り出している一対の基板と、
前記一方の基板に設けられた表示用電極と、
前記表示用電極を駆動するために前記一方の基板に設けられた回路部と、
前記回路部及び前記表示用電極を駆動するための配線のうち少なくとも一方から、前記一方の基板のうち前記一辺において張り出してなる張り出し部に夫々引き出された複数の引出し配線と、
該複数の引き出し配線に夫々接続され、平面的に見て前記複数の引き出し配線と少なくとも部分的に重畳するように、前記張り出し部における前記他方の基板と対向する側の面に設けられた複数の外部接続端子と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記外部接続端子及び前記引出し配線は、層間絶縁膜を介して積層され、
前記外部接続端子は、前記回路部を構成する第1導電膜と同一膜を含み、
前記引き出し配線は、前記回路部を構成する第2導電膜と同一膜を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記複数の外部接続端子は、前記一辺に沿った方向に配列され、前記複数の引出し配線は夫々、前記一辺に沿った方向に延びると共に前記外部接続端子のうち前記一辺に沿った方向と交差する方向における縁部と接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記複数の外部接続端子は、前記一辺に沿った方向に配列され、前記複数の引出し配線は夫々、前記一辺に沿った方向に延びると共に平面的に見て前記外部接続端子と交差する領域において前記外部接続端子と接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項5】
所定間隔で相対向すると共に平面的に見て少なくとも一辺において一方の基板が他方の基板より張り出している一対の基板と、
前記一方の基板に設けられた表示用電極と、
前記表示用電極を駆動するために前記一方の基板に設けられた回路部と、
前記回路部及び前記表示用電極を駆動するための配線のうち少なくとも一方から、前記一方の基板のうち前記一辺において張り出してなる張り出し部に夫々引き出された複数の引出し配線と、
該複数の引き出し配線に夫々接続され、平面的に見て前記回路部と少なくとも部分的に重畳するように、前記張り出し部における前記他方の基板と対向する側の面に設けられた複数の外部接続端子と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
前記回路部は、前記複数の外部接続端子のうち画像信号を供給する端子と電気的に接続されると共に前記画像信号の供給を受けて駆動される駆動回路を含んでおり、該駆動回路の少なくとも一部は平面的に見て前記外部接続端子と重畳するように設けられていることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記外部接続端子と前記回路部の一部とは層間絶縁膜を介して積層され、前記外部接続端子は、前記回路部を構成する第1導電膜と同一膜を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記一対の基板間に内部空間を形成するように前記一対の基板における相対向する面の周縁を貼り合わせるシール材と、前記内部空間に収容された電気光学物質とを更に備え、前記表示用電極及び前記回路部の一部は、前記内部空間に面して配置されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−139092(P2006−139092A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−328982(P2004−328982)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】