説明

電気自動車の車体構造

【課題】 システムの複雑化を招くことなく車両搭載状態及びバッテリを取り外した状態においてバッテリを冷却可能な電気自動車を提供すること。
【解決手段】 電動モータにより走行可能な電動車両と、該電動車両に着脱自在に取り付けられ、前記電動モータに電力を供給するバッテリと、前記電動車両に着脱自在に取り付けられ、前記バッテリを充電する充電器と、前記バッテリに一体に取り付けられ、該バッテリを冷却する冷却ファンと、前記バッテリに一体に取り付けられ、該バッテリの温度に応じて前記冷却ファンの作動状態を制御する管理基板と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気自動車のバッテリの構成に関し、特にバッテリの冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリを冷却する技術として特許文献1が知られている。この公報には、車両にダクトを配策し、車両の走行風を利用してバッテリを冷却している。
【特許文献1】特開2006−15862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願人は、電気自動車を提案するにあたり、インフラ等の整備面が不十分であることから、着脱自在なバッテリを搭載し、車両搭載状態での充電はもちろん、バッテリを家庭内等の家庭用電源で充電できる電動車両システムの提案を検討した。ここで、車両搭載時におけるバッテリの冷却については種々の技術が提案されているものの、取り外したバッテリを充電する際の冷却に対処しておらず、何らかの対策が必要であった。
【0004】
そこで、バッテリの車両搭載時に冷却する従来技術を採用した場合、基本的には車両搭載時に冷却可能であったとしても、バッテリを取り外したときには別途充電時用の冷却システムを備える必要がある。この場合、システム全体としては冷却手段が2つ必要となり、システムが複雑化するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、システムの複雑化を招くことなく車両搭載状態及びバッテリを取り外した状態においてバッテリを冷却可能な電気自動車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明の電動車両では、電動モータにより走行可能な電動車両と、該電動車両に着脱自在に取り付けられ、前記電動モータに電力を供給するバッテリと、前記電動車両に着脱自在に取り付けられ、前記バッテリを充電する充電器と、前記バッテリに一体に取り付けられ、該バッテリを冷却する冷却ファンと、前記バッテリに一体に取り付けられ、該バッテリの温度に応じて前記冷却ファンの作動状態を制御する管理基板と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
よって、本発明にあっては、バッテリの搭載状態にかかわらず、バッテリを冷却することができ、システム全体としても1つの冷却装置で済むことからシステムを簡略化することができる。また、特に車両搭載状態にあっては、バッテリを個別に冷却することが可能となり、必要に応じて冷却することで、エネルギロスを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0009】
まず、構成を説明する。
図1は本発明の電気自動車の車体構造を適用した実施例1の電気自動車の斜視図である。実施例1の電気自動車は、前輪1FL,1FRと後輪1RL,1RRのうち、前輪1FL,1FR側に図示しないモータが装着された前輪駆動車である。
【0010】
左右サイドシル1,1は、車体の左右下部に配置され、それぞれ前後方向に延設されている。左右サイドシル1,1の前端部間は車幅方向に延びるロアフロントクロスメンバ2により連結されている。また、左右サイドシル1,1の後端部間は車幅方向に延びるロアリアクロスメンバ3により連結されている。ロアフロントクロスメンバ2とロアリアクロスメンバ3は、車幅方向中央位置に配置され、車両前後方向に延びるセンタメンバ4により連結されている。
【0011】
左右サイドシル1,1、ロアフロントクロスメンバ2、ロアリアクロスメンバ3およびセンタメンバ4により形成される空間は、モータの駆動源であるバッテリBATが収納される。また、左右サイドシル1,1の内側空間は、車体フロアが設定され、図示しない運転席が設置されている。
【0012】
図2は車体フロア部分の構成を表す斜視図である。この斜視図は車両左後方上方からの視点に基づくものであり、主に車体フロアのバッテリ収容部を表すものである。
【0013】
車体フロアは、各メンバ1,2,3により井桁状に形成されている。ここで、サイドシル1は、バッテリを格納する領域を確保する観点から、車幅方向において車輪と略同じ位置に配置されている。この車体フロアの車幅方向中心には、センタメンバ4がロアフロントクロスメンバ2及びロアリアクロスメンバ3を貫通して配置されている。
【0014】
車体フロア内には、このセンタメンバ4の左右にバッテリBAT(そのうち一つは充電器CHG)が片側3個ずつ、合計6個搭載可能に構成されている。図2には、二つのバッテリBAT1,BAT2及び充電器CHGのみ搭載した例を図示する。このバッテリBATの車両搭載時上面側には、バッテリBATを取り外すための取っ手14が取り付けられている。
【0015】
図3は、バッテリBATの正面図、図4はバッテリBATの左側面図、図5はバッテリBATの右側面図である。バッテリBAT内には、ラミネート電池パックBPが複数積層されている。このラミネート電池パックBPの間には、ラミネート電池パック間に隙間を形成するための隙間形成部材等が介在されている。
【0016】
図3中、バッテリBATの左端には、2個の冷却ファン10が設けられている。また、バッテリBATの右端には、バッテリBATの充電状態や冷却ファン10の作動状態を管理する管理基板11が設けられている。
【0017】
図4に示すように、バッテリBATの左側面には冷却ファン10から送風される空気をバッテリBAT内から排出する排出口12が各ファンに対応する位置に二つ設けられている。また、図5に示すように、バッテリBATの右側面にはバッテリBAT内に空気を導入する吸入口13が設けられている。また、図5中、上面側には充電器CHGとの間で電力や制御信号の通信を行う接続端子14が設けられている。
【0018】
図6はバッテリBAT及び充電器CHGを車両から取り外して充電台20に載置した状態を表す正面図、図7は載置した状態を表す側面図である。充電台20には、一方に充電器CHGが縦置きに載置され、他方にバッテリBATが縦置きに載置される。この状態で、充電器CHGとバッテリBATとは電気的な接続が完了された状態となる。
【0019】
また、充電台20の前側面には空気を導入する通風口21が、それぞれバッテリBAT及び充電器CHGに対応する位置の下方に設けられている。また、図7の側面図に示すように、充電台20の横側面にも空気を導入する通風口22がスリット状に設けられている。
【0020】
充電器CHGに家庭用のAC100V電源30が取り付けられると、バッテリBATの充電状態や温度に応じて充電器CHGからバッテリBATに電力が供給されて充電が行われる。
【0021】
次に、バッテリBATの充電システムについて説明する。図8は車両搭載時におけるバッテリBATと充電器CHGと走行用モータMと車両制御コントロールユニットCUの関係を表すシステム図、図9は車両から取り外したときのバッテリBATと充電器CHGとの関係を表すシステム図である。尚、このシステム図では、バッテリBATとして三つのバッテリを備えた例を示すが、バッテリの数が増えた場合には、更に複数のバッテリが接続される点以外は基本的に同じである。
【0022】
車両搭載時での充電(以下、オンボードチャージと記載する)では、車両制御コントロールユニットCUが、バッテリBATと充電器CHGと走行用モータMとの関係を制御すると共に、各バッテリBATの充電状態を制御する。ただし、バッテリBAT及び充電器CHGの冷却に関しては各バッテリBAT及び充電器CHGに設けられた管理基板11に搭載された制御回路によって制御される。
【0023】
一方、車両から取り外した状態での充電(以下、オフボードチャージと記載する)では、各バッテリBAT及び充電器CHGに設けられた管理基板11に搭載された制御回路によって各バッテリBATの充電状態を制御する。
【0024】
次に、オンボードチャージ及びオフボードチャージにおける冷却制御について説明する。図10〜図13はオンボードチャージにおける冷却制御を表すフローチャート、図14はオフボードチャージにおける冷却制御を表すフローチャートである。
【0025】
(オンボードチャージにおける冷却制御)
【0026】
図10〜図13を用いてオンボードチャージにおける冷却制御を説明する。尚、このオンボードチャージは車両のイグニッション等がオンされたときに開始されるとともに所定周期で実行され、イグニッション等がオフされたときにはそのまま終了するものとする。また、各バッテリBATの管理基板11における制御及び冷却ファン10の駆動は、各バッテリ自身の電力を電源とする。
【0027】
ステップ101では、各制御フラグ等のイニシャライズを行う。
ステップ102では、搭載バッテリの個数Nをセットする。
ステップ103では、搭載バッテリの個数が0か否かを判断し、0のときは制御を行う必要がないためステップ102に戻る。それ以外のときはステップ104へ進む。
ステップ104では、走行中か充電中かを判断し、走行中のときはステップ105へ進み、それ以外のときはステップ109へ進む。
【0028】
ステップ105では、バッテリ♯がバッテリ走行可能温度規定値以下かどうかを判断し、規定値以下のときはステップ106へ進み、それ以外のときはステップ108へ進む。尚、バッテリ♯とは、複数のバッテリBATのうちのいずれかのバッテリを表し、例えば3個のバッテリを備えている場合は♯として1〜3のいずれかの数字が代入される。
【0029】
ステップ106では、バッテリ♯がバッテリ容量規定値以上かどうかを判断し、規定値以上のときはステップ107へ進み、それ以外のときはステップ108へ進む。ここで、バッテリ容量規定値とは、モータを駆動して走行可能か否かを判断する閾値である。よって、このバッテリ容量規定値を下回った場合であっても、冷却ファン10や管理基板11で使用する電力を供給するのに必要な電力は、バッテリ内に十分残っているものである。
【0030】
ステップ107では、バッテリ♯の走行使用許可フラグをセットする。
ステップ108では、バッテリ♯の走行使用許可フラグをリセットする。
【0031】
ステップ109では、バッテリ♯がバッテリ充電温度規定値以下かどうかを判断し、規定値以下のときはステップ110へ進み、それ以外のときはステップ112へ進む。
ステップ110では、バッテリ♯における充電完了フラグの有無を判断し、充電完了フラグが無いときはステップ111へ進み、それ以外のときはステップ112へ進む。
ステップ111では、バッテリ♯の充電許可フラグをセットする。
ステップ112では、バッテリ♯の充電許可フラグをリセットする。
【0032】
ステップ201では、バッテリ♯において外気温が規定値以下かどうかを判断し、規定値以下のときはステップ202に進み、それ以外のときはステップ205へ進む。
ステップ202では、バッテリ♯においてバッテリ温度が規定値以上かどうかを判断し、規定値以上のときはステップ203へ進み、それ以外のときはステップ205へ進む。
【0033】
ステップ203では、予め設定された規定時間が経過したかどうかを判断し、経過しているときはステップ204へ進み、それ以外のときはステップ205へ進む。
ステップ204では、バッテリ♯の冷却ファンをオンとする。
【0034】
ステップ205では、バッテリ♯においてバッテリ温度が規定値以下かどうかを判断し、規定値以下のときはステップ206へ進み、それ以外のときはステップ208へ進む。
ステップ206では、予め設定された規定時間が経過したかどうかを判断し、規定時間を経過したときはステップ207へ進み、それ以外のときはステップ208へ進む。
ステップ207では、バッテリ♯の冷却ファンをオフとする。
【0035】
ステップ208では、バッテリ♯の番号をバッテリ♯+1として次のバッテリとなるようにセットする。
【0036】
ステップ209では、バッテリ個数Nよりもバッテリ♯の番号が大きいかどうかを判断し、大きいときは全てのバッテリで検証が終了したためステップ210へ進み、それ以外のときはバッテリ(♯+1)において同様の検証を行うためにステップ102へ進む。
ステップ210では、バッテリ♯として1にリセットする。
【0037】
ここまでが、バッテリ自体の状態を検証し、使用可能かどうかを判断する処理である。以下、上記処理によって決定されたバッテリ状態に基づいて、走行許可判断及び使用バッテリの決定処理について説明する。
【0038】
ステップ301では、走行中か充電中かを判断し、走行中のときはステップ302へ進み、それ以外のときはステップ401へ進む。
【0039】
ステップ302では、走行許可フラグをセットすると共に、バッテリの温度及び充電状態からバッテリ使用優先順位を決定する。具体的には温度が規定値以下で、バッテリ電圧が確保されている場合を高い優先順位とし、バッテリ電圧は低いが温度が規定値以下のもの順に優先順位が低下するように設定すればよい。
【0040】
ステップ303では、使用中のバッテリが有るかどうかを判断し、使用中のバッテリが有るときはステップ304へ進み、それ以外のときはステップ305へ進む。
【0041】
ステップ304では、使用中バッテリの走行使用許可フラグがセットされているかどうかを判断し、セットされているときはそのまま使用を継続してステップ104へ戻り、走行使用許可フラグがセットされていないときはステップ305へ進む。
【0042】
ステップ305では、走行使用許可フラグがセットされている他のバッテリが有るかどうかを判断し、有るときはステップ306へ進み、ないときはステップ311へ進む。
【0043】
ステップ306では、使用中のバッテリが有るかどうかを判断し、使用中のバッテリが有るときはステップ307へ進み、それ以外のときはステップ309へ進む。
【0044】
ステップ307では、走行惰性走行を指示する。
ステップ308では、使用中バッテリをオフする。
【0045】
ステップ309では、バッテリ使用優先順位の上位から使用バッテリとして選択してオンとする。
【0046】
ステップ310では、走行を許可する。
ステップ311では、走行を停止する。
ステップ312では、全てのバッテリをオフとする。
ステップ401では、充電許可フラグをセットし、バッテリ#からバッテリ充電優先順位を決定する。
【0047】
ステップ402では、充電中のバッテリ#があるか否かを判断し、充電中のバッテリ#がある場合にはステップ403へ移行し、充電中のバッテリ#が無い場合にはステップ404へ移行する。
【0048】
ステップ403では、充電中バッテリ充電許可フラグが設定されているか否かを判断し、充電中バッテリ充電許可フラグが設定されている場合にはCに移行し、充電中バッテリ充電許可フラグが設定されていない場合にはステップ404へ移行する。
【0049】
ステップ404では、充電許可フラグがセットされているバッテリ#が有るか否かを判断し、充電許可フラグがセットされているバッテリ#が有る場合にはステップ405へ移行し、充電許可フラグがセットされているバッテリが無い場合にはステップ408へ移行する。
【0050】
ステップ405では、充電中のバッテリ#が有るか否かを判断し、充電中のバッテリ#がある場合にはステップ406へ移行し、充電中のバッテリ#が無い場合にはステップ407へ移行する。
【0051】
ステップ406では、使用中のバッテリ#をOFFにする。
ステップ407では、バッテリ充電優先順位上位から充電バッテリをONにする。
ステップ408では、充電バッテリがONとなったバッテリ#を充電中とする。
ステップ409では、すべてのバッテリ#をOFFにする。
ステップ410では、バッテリ#を充電待ちとする。
【0052】
以上説明したように、オンボードチャージにあっては、各バッテリBATに冷却ファン10を備えているため、車両の空調や走行風を利用するタイプと異なり、走行終了時にバッテリの温度が上昇している場合であっても、冷却ファンにより冷却することができる。
【0053】
また、電池タイプや容量に違いが出たとしても、バッテリそれぞれが冷却性能を保証すればよいため、車両側において電池にあわせた冷却装置や冷却制御を搭載する必要が無く、システムの簡略化を図ることができる。
【0054】
また、一台の車両に複数個のバッテリBATを搭載可能な車両において、バッテリBATに個別に冷却装置である冷却ファン10を設けることにより、放電または充電時に規定値以上の温度上昇が認められた場合、従来では次のバッテリに切り替えて放電または充電を行っていた。すなわち、温度異常にて放電または充電行為を中断したバッテリBATは自然冷却するまで待つ必要があった。これに対し、個別に冷却可能としたことで再度使用可能になるまでの時間短縮を図ることができる。
【0055】
(オフボードチャージにおける冷却制御)
次に、図14を用いてオンボードチャージにおける冷却制御を説明する。尚、このオフボードチャージは充電台20にバッテリBATと充電器CHGが載置されたときに開始されるとともに所定周期で実行され、バッテリ等が取り外されたときにはそのまま終了するものとする。また、各バッテリBATの管理基板11における制御及び冷却ファン10の駆動は、充電器CHGを介して供給される家庭用電源とし、充電速度を確保する。
【0056】
ステップ501では、イニシャライズを行う。
ステップ502では、外気温が規定値以下であるか否かを判断し、外気温が規定値以下の場合にはステップ503へ進み、外気温が規定値より大きい場合にはステップ507へ進む。
【0057】
ステップ503では、バッテリ温度が規定値以上であるか否かを判断し、バッテリ温度が規定値以上の場合にはステップ504へ進み、バッテリ温度が規定値未満の場合にはステップ507へ進む。
【0058】
ステップ504では、規定時間が経過したが否かを判断し、規定時間が経過した場合にはステップ505へ進み、規定時間が経過していない場合にはステップ507へ進む。
【0059】
ステップ505では、バッテリ#の冷却ファンをONにする。
ステップ506では、バッテリ#を充電待ちとする。
ステップ507では、バッテリ温度が規定値以下であるか否かを判断し、バッテリ温度が規定値以下である場合にはステップ508へ進み、バッテリ温度が規定値より大きい場合にはステップ502へ進む。
【0060】
ステップ508では、規定時間が経過したが否かを判断し、規定時間が経過した場合にはステップ509へ進み、規定時間が経過していない場合にはステップ502へ進む。
ステップ509では、バッテリ#の冷却ファンをOFFにする。
ステップ510では、バッテリ#を充電中とする。
【0061】
このように、オフボードチャージであっても、バッテリ自体に冷却ファンが設けられていることで、バッテリ温度を管理しつつ充電することができる。
【0062】
以上説明したように、実施例1にあっては下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)電動モータにより走行可能な電動車両と、電動車両に着脱自在に取り付けられ、電動モータに電力を供給するバッテリBATと、電動車両に着脱自在に取り付けられ、バッテリBATを充電する充電器と、バッテリBATに一体に取り付けられ、このバッテリBATを冷却する冷却ファン10と、バッテリBATに一体に取り付けられ、このバッテリBATの温度に応じて冷却ファン10の作動状態を制御する管理基板11とを備えた。
【0063】
よって、バッテリの搭載状態にかかわらず、バッテリを冷却することができ、システム全体としても1つの冷却装置で済むことからシステムを簡略化することができる。
【0064】
(2)充電器CHGに一体に取り付けられ、この充電器CHGを冷却する冷却ファン10と、充電器CHGに一体に取り付けられ、この充電器CHGの温度に応じて冷却ファン10の作動状態を制御する管理基板11と、を設けた。
【0065】
充電器CHGを取り外し可能としたことで、オンボードチャージ及びオフボードチャージの両方で使用することが可能となり、システム全体としても1つの冷却装置で済むことからシステムを簡略化することができる。また、充電器CHG自体に冷却ファン10が備えられたことで、充電器CHGの温度を車両側もしくは充電台20側にそれぞれ制御ロジックを搭載する必要が無く、システムを簡略化することができる。
【0066】
(3)バッテリBATは複数個が車両に搭載されるものであり、冷却ファン10は、各バッテリにおいて個別に制御されることとした。よって、特に車両搭載状態にあっては、バッテリを個別に冷却することが可能となり、必要に応じて冷却することで、エネルギロスを低減することができる。
【0067】
(4)冷却ファン10は、電動車両に搭載された状態ではその冷却ファン10が備えられたバッテリ自身の電源を用いて駆動されることとした。基本的にバッテリBATの冷却管理に必要な制御用の電源や冷却ファン10の電源は微小であるため、特に別途電源を備えることなくバッテリ自身により温度管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施例1の電気自動車の車体構造を表す斜視図である。
【図2】実施例1の電気自動車のバッテリ収納箇所を表す斜視図である。
【図3】実施例1のバッテリを表す正面図である。
【図4】実施例1のバッテリの左側面図である。
【図5】実施例1のバッテリの右側面図である。
【図6】実施例1のバッテリと充電器を充電台に載置した状態を表す正面図である。
【図7】実施例1のバッテリと充電器を充電台に載置した状態を表す左側面図である。
【図8】実施例1における車両搭載時におけるバッテリと充電器と走行用モータと車両制御コントロールユニットの関係を表すシステム図である。
【図9】実施例1における車両から取り外したときのバッテリと充電器との関係を表すシステム図である。
【図10】実施例1におけるオンボードチャージを表すフローチャートである。
【図11】実施例1におけるオンボードチャージを表すフローチャートである。
【図12】実施例1におけるオンボードチャージを表すフローチャートである。
【図13】実施例1におけるオンボードチャージを表すフローチャートである。
【図14】実施例1におけるオフボードチャージを表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
10 冷却ファン
11 管理基板
12 排出口
13 吸入口
14 取っ手
14 接続端子
20 充電台
21 通風口
22 通風口
30 電源
BAT バッテリ
BP ラミネート電池パック
CHG 充電器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータにより走行可能な電動車両と、
該電動車両に着脱自在に取り付けられ、前記電動モータに電力を供給するバッテリと、
前記電動車両に着脱自在に取り付けられ、前記バッテリを充電する充電器と、
前記バッテリに一体に取り付けられ、該バッテリを冷却する冷却ファンと、
前記バッテリに一体に取り付けられ、該バッテリの温度に応じて前記冷却ファンの作動状態を制御する管理基板と、
を備えたことを特徴とする電動車両。
【請求項2】
請求項1に記載の電動車両において、
前記充電器に一体に取り付けられ、該充電器を冷却する冷却ファンと、
前記充電器に一体に取り付けられ、該充電器の温度に応じて前記冷却ファンの作動状態を制御する管理基板と、
を設けたことを特徴とする電動車両。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電動車両において、
前記バッテリは複数個が車両に搭載されるものであり、前記冷却ファンは、各バッテリにおいて個別に制御されることを特徴とする電動車両。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか1つに記載の電動車両において、
前記冷却ファンは、前記電動車両に搭載された状態ではその冷却ファンが備えられたバッテリ自身の電源を用いて駆動されることを特徴とする電動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−230361(P2008−230361A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−71189(P2007−71189)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成18年度新エネルギー・産業技術総合開発機構基盤技術研究促進事業(民間基盤技術研究支援制度)「高齢運転者に適応した高度運転支援システム技術開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(000128544)株式会社オーテックジャパン (183)
【Fターム(参考)】