説明

電気錠システム

【課題】 構成の簡素化を図って設置スペースを削減し、汎用性に優れ、且つ、防犯性の向上が図れる電気錠システムを提供する。
【解決手段】 電気錠システム1は、外部から取得した認証情報と照合するための照合情報を予め記憶し、認証情報と照合情報とを照合して認証情報が特定の認証情報であると判別されたときに自身の施解錠機構を施解錠制御する制御手段が錠本体の内部に組み込まれた制御機能付電気錠10と、制御機能付電気錠10を制御するための信号を出力する外部機器30が接続可能とされ、所定の入力操作に基づく制御機能付電気錠10への施錠または解錠信号の出力、制御機能付電気錠10の施解錠状態および/または扉の開閉状態の表示、制御機能付電気錠10からの施解錠状態を示す情報を定期的に蓄積する機能を有する操作表示器20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種扉に具備する施解錠装置を電気的に駆動制御する電気錠システムに係り、外部からの施解錠情報を認証して施解錠装置を施解錠制御する機能を備えた制御機能付電気錠を用いた電気錠システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば商業ビルや公共施設または一般住宅等の扉には、不審者の侵入を回避するため、防犯性に富んだ電気錠システムが設けられている。この種の電気錠システムは、特定の施解錠信号により、例えばモータやソレノイドなどの駆動手段を駆動してデッドボルトを電気的に進退させ、錠の施解錠を行っている。
【0003】
図11はこの種の一般的な電気錠システムの概略構成を示している。図11に示す電気錠システムは、ドア101に設置された電気錠102、電気錠制御部103、壁に設置されて電気的な手段により電気錠102の施錠や解錠を決定して電気錠102を制御するための制御信号を出力する施解錠決定手段104とを備え、ドア101の一側が蝶番105にてドア枠106に連結されている(ドア枠106に開閉自在に取り付けられている)。施解錠決定手段104には、2線式の電線107によって交流電源(AC100VまたはAC200V)が供給されるとともに、宅内に配設される操作表示器108からの遠隔操作によって電気錠制御部103を介して施解錠信号が伝送される。また、上記のような電気錠システムは、例えば特許文献1に開示されるように公知である。
【特許文献1】特開平10−025935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の電気錠システムは、扉に具備された電気錠と、電気錠の施解錠を制御するための電気錠制御盤とが扉の通電金具を介して配線された構成である。このため、電気錠システムを導入する場合、電気錠を扉に設置するだけでなく、電気錠を制御するための電気錠制御盤を扉とは異なる場所、例えば室内の壁面に別途設置しなければならない。従って、電気錠制御盤専用の設置スペースを確保する必要があった。また、実際の運用では、電気錠制御盤が電源や端子台の役割に留まることが多く、電気錠制御盤の設置スペースやコスト面など無駄になることが多く、電気錠システムを構築するにあたっては、配線の取り廻しや電気錠制御盤の設置スペースが限定されるため、汎用性に乏しかった。さらに、電気錠を遠隔操作する場合には、電気錠制御盤に対して操作表示器が接続される構成なので、電気錠システムを構築するに際して、さらに構成を複雑化させていた。
【0005】
また、従来の電気錠システムに使用される電気錠は、錠の施解錠状態と扉の開閉状態を電気的に監視するための接点信号端子と、施解錠機構のモーターやソレノイドの駆動端子とが錠本体から直接外部に引き出されて電気錠制御盤に配線接続される構成なので、電気錠と電気錠制御盤との間を配線する電線が不正行為などにより切断され、その切断された電線に対して外部から所定の信号(電気錠を施解錠駆動するための信号)を入力して電気錠が不正に施解錠される恐れもあった。
【0006】
さらに、認証機能を有する電気錠システムを構築する場合、通常、電気錠制御盤にID読取装置を接続する必要があった。その結果、システムとして非常に高価なものになり、普及の妨げとなっていた。
【0007】
ところで、近年、住宅玄関市場では、1ドア2ロック(複数ロック)で防犯性が高く、かつ様々な運用に柔軟に対応できる意匠性に優れた電気錠が求められているが、現在、1ドア2ロック運用ができる電気錠システムには、一般錠が取り付けられた扉の扉面から駆動ユニットを取り付けて電動でサムターンを駆動し施解錠する電動サムターンが採用されている。しかし、この電動サムターンを採用した構成では、駆動ユニットが扉面に露出してしまい、扉の意匠性を損ねていた。
【0008】
これに対し、彫込式で意匠性に優れた電気錠も知られているが、複数ロック対応の電気錠制御盤がなく、現行製品を組み合わせて使用しても運用や価格、配線に無理があった。しかも、電池運用のみの運用のため、有線が不可能で、電池交換の手間が発生するとともに、解錠手段がリモコンのみに限定され、ノンタッチ式等ができず、さらにはインターホンから解錠などの機器連動ができないため、様々な運用に対応できなかった。さらに、彫込式の電気錠は、電源の駆動用配線が直接錠ケースから引き出されるので、防犯上好ましくなかった。
【0009】
また、従来の電気錠は、錠種毎に通電方法が異なるため、電気錠の制御方法が煩雑となり、不具合時に電気錠側と制御側との責任の切り分けを困難にしていた。
【0010】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、構成の簡素化を図って設置スペースを削減し、汎用性に優れ、且つ、防犯性の向上が図れる電気錠システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の電気錠システムは、外部から取得した認証情報と照合するための照合情報を予め記憶し、前記認証情報と前記照合情報とを照合して前記認証情報が特定の認証情報であると判別されたときに自身の施解錠機構を施解錠制御する制御手段が錠本体の内部に組み込まれた制御機能付電気錠と、
前記制御機能付電気錠を制御するための信号を出力する外部機器が接続可能とされ、所定の入力操作に基づく前記制御機能付電気錠への施錠または解錠信号の出力、前記制御機能付電気錠の施解錠状態および/または扉の開閉状態の表示、前記制御機能付電気錠からの施解錠状態を示す情報を定期的に蓄積する機能を有する操作表示器とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載された電気錠システムは、外部から取得した認証情報と照合するための照合情報を予め記憶し、前記認証情報と前記照合情報とを照合して前記認証情報が特定の認証情報であると判別されたときに自身の施解錠機構を施解錠制御する制御手段が錠本体の内部に組み込まれた制御機能付電気錠と、
前記制御機能付電気錠を制御するための信号を出力する外部機器が接続可能とされ、所定の入力操作に基づく前記制御機能付電気錠への施錠または解錠信号の出力、前記制御機能付電気錠の施解錠状態および/または扉の開閉状態の表示を行う操作表示器と、
前記操作表示器に接続されて前記外部端末との間でネットワーク網を介して通信可能とされ、前記外部端末から送信される前記制御機能付電気錠を制御するための施錠または解錠信号を受信したときに、この受信した施錠または解錠信号を前記操作表示器に転送出力する中継装置とを備え、
前記操作表示器は、前記中継装置から施錠または解錠信号を受信したときに、この施錠または解錠信号を更に前記制御機能付電気錠に転送出力しており、
前記制御機能付電気錠は、前記操作表示器から転送される前記施錠または解錠信号に基づいて自身の施解錠機構を施解錠制御し、そのときの施解錠状態を示す情報を前記外部端末に返信することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載された電気錠システムは、外部から取得した認証情報と照合するための照合情報を予め記憶し、前記認証情報と前記照合情報とを照合して前記認証情報が特定の認証情報であると判別されたときに自身の施解錠機構を施解錠制御する制御手段が錠本体の内部に組み込まれた制御機能付電気錠と、
前記制御機能付電気錠を制御するための信号を出力する外部機器が接続可能とされ、所定の入力操作に基づく前記制御機能付電気錠への施錠または解錠信号の出力、前記制御機能付電気錠の施解錠状態および/または扉の開閉状態の表示を行う操作表示器と、
前記操作表示器に接続されて前記外部端末との間でネットワーク網を介して通信可能とされ、前記外部端末から送信される前記制御機能付電気錠の施解錠状態を確認するための状態確認信号を受信したときに、この受信した状態確認信号を前記操作表示器に転送出力する中継装置とを備え、
前記操作表示器は、前記中継装置から状態確認信号を受信したときに、そのときの前記制御機能付電気錠の施解錠状態を示す情報を含めて前記制御機能付電気錠から定期的に収集蓄積した施解錠状態を示す情報を前記外部端末に返信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、電気錠システムを統括制御するための制御手段が錠本体の内部に組み込まれた構成なので、従来のような配設スペースを要する電気錠制御盤が不要となり、電気錠システムの省スペース化が図れるとともに、部品点数の減少による製造コストが削減でき、簡素化された安価な電気錠システムを構築することができる。しかも、外部からの不正行為による不正な施解錠を回避することができ、高い防犯性を得ることができる。そして、配線や設置スペースの自由度が増すため、設置機器が限定されることなく、多種多様な電気錠システムの構築を実現できる。
【0015】
また、操作表示器は、電気錠を制御するための信号を出力する外部機器が接続可能とされた構成なので、操作表示器からの操作だけでなく、外部機器からの信号によっても電気錠の施解錠を制御することができる。しかも、操作表示器は、電気錠からの施解錠状態を示す情報を定期的に蓄積する機能を有するので、この蓄積された情報を表示することによって電気錠の状態を目視で確認することができる。
【0016】
さらに、例えば携帯電話、PDA、パソコンなどの外部端末との間でネットワーク網を介してデータ通信可能な中継装置を操作表示器に接続すれば、ネットワーク網を介して電気錠の施解錠制御や状態確認(施解錠状態、扉の開閉状態の確認)が容易に行え、さらに防犯性に優れた電気錠システムを構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の最良の形態について、添付する図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明に係る第1形態の電気錠システムの概略構成図、図2は本発明に係る第1形態の電気錠システムの機能ブロック図、図3〜図5は本発明に係る第1形態の電気錠システムの各動作を示すフローチャート図、図6は本発明に係る第2形態の電気錠システムの概略構成図、図7〜図10は本発明に係る第2形態の電気錠システムの各動作を示すフローチャート図である。
【0018】
まず、本例の電気錠システムの第1形態について図1及び図2を参照しながら説明する。図1に示すように、第1形態の電気錠システム1は、外部からの認証情報と予めシステム構築時に記憶される照合情報との照合により錠を施解錠制御する機能を備えた主電気錠11、主電気錠11と連動して錠が施解錠される副電気錠12、各種施解錠キーの操作やテンキーによる入力操作等の特定の施解錠動作から錠を施解錠するための認証情報を取得する認証情報取得部13を備えた制御機能付電気錠10と、制御機能付電気錠10を遠隔で施解錠する際に操作される操作表示器20と、操作表示器20に接続可能な外部機器30と、各部に駆動電源を供給する電源供給部40とを備えて概略構成される。
【0019】
図2に示すように、主電気錠11、副電気錠12、認証情報取得部13、操作表示器20のそれぞれには、入出力手段としての電源用入出力手段41および通信用入出力手段42と、機器情報記憶手段43とが設けられている。図2の例では、電源供給部40に接続された操作表示器20と認証情報取得部13との間、認証情報取得部13と主電気錠11との間、主電気錠11と副電気錠12との間が電源用入出力手段41を介して配線接続される。これにより、電源供給部30から操作表示器20及び外部機器30に駆動電源が供給されるとともに、各電源用入出力手段41を経由して主電気錠11、副電気錠12、認証情報取得部13の各部にも必要な駆動電源が供給される。
【0020】
また、図2に示すように、操作表示器20には、通信用入出力手段42を介して外部機器30が配線接続される。また、認証情報取得部13と主電気錠11との間、主電気錠11と副電気錠12との間、認証情報取得部13と操作表示器20との間が通信用入出力手段42を介して配線接続される。これにより、施解錠に必要な認証情報の入出力などの各種信号を暗号化し、通信用入出力手段42を介して各部間で通信可能とされる。
【0021】
ここで、信号の暗号化処理について説明する。暗号化とは、入出力データや暗証番号を決まった規則に従ってデータを変換して第三者に盗み見られたり改竄されないようにすることである。この暗号化には、暗号表に当たる「鍵」を使うが、対になる2つの鍵を使う公開鍵暗号と、どちらにも同じ鍵を用いる秘密鍵暗号がある。公開鍵暗号としては、例えばRSA(Rivest Shamir Adleman )、ElGamal暗号、楕円曲線暗号などがある。秘密鍵暗号としては、例えばアメリカ政府標準のDES(Data Encryptncryption Standard)や、IDEA(International Data Encryption Algorithm )、FEAL(Fast data Encipherment ALgorihtme)、MISTYなどがある。また、上記公開鍵暗号、秘密鍵暗号を用いた処理の他、スクランブル処理などを用いることができる。
【0022】
なお、上述した暗号化通信する際の通信用入出力手段42には、例えばRS−485、イーサネット(登録商標)などを用いることができる。
【0023】
各部が備える機器情報記憶手段43には、他の機器と識別するために自身の機器を特定するための機器情報(例えば製造メーカーや機種の型番)が各機器ごとに割り当てられて記憶される。この機器情報は、運用当初に個別の情報として登録されるものである。通信時には、それぞれの機器を意味するヘッダーと機器情報とを付加してデータを暗号化して呼出しが行われる。これにより、防犯性を配慮した制御を可能にしている。
【0024】
次に、本例の電気錠システム1の第1形態における各部の構成についてそれぞれ詳細に説明する。図1及び図2に示すように、制御機能付電気錠10は、主電気錠11、副電気錠12、認証情報取得部13を備えて構成される。
【0025】
主電気錠11は、シリンダーとサムターン以外が扉の内部に組み付けられる彫込型の錠前において錠本体の内部に、上述した電源用入出力手段41、通信用入出力手段42、機器情報記憶手段43に加え、施解錠機構を電気的に制御する制御手段11aが設けられる。なお、不図示の施解錠機構は、例えば扉枠の係合穴に対して進退するデッドボルトをモーターやソレノイドで駆動する機構で構成される。
【0026】
制御手段11aは、電気錠システム1の各部を統轄制御するもので、例えばCPUやROM、RAMなどのマイクロコンピュータで構成される。この制御手段11aは、記憶手段11b、駆動手段11c、監視手段11dを備えている。また、制御手段11aは、監視手段11dの監視に基づく錠の施解錠状態を示す状態情報を定期的に操作表示器20に送信することができる。
【0027】
記憶手段11bは、例えばROMやRAMなどの半導体メモリなどの構成され、認証情報の照合時に認証情報取得部13から入力される認証情報が正当な認証情報であるか否かを判別するために用いられる照合情報を記憶している。また、記憶手段11bは、電気錠システム1を構成している各機器の機器情報の他、システム全体の制御に関する各種データを記憶している。
【0028】
駆動手段11cは、認証情報の照合結果に応じて施解錠機構を駆動して錠を電気的に施解錠している。監視手段11dは、例えばマイクロスイッチやリードスイッチなどの検知センサで構成され、錠の施解錠状態、扉15の開閉状態、認証情報取得部13から取得した認証情報などを監視している。
【0029】
そして、制御手段11aは、錠の施解錠時に、監視手段11dからの監視情報に基づいて自身の状態(錠の施解錠状態、扉15の開閉状態)をチェックする他、認証情報取得部13からの認証情報と記憶手段11bに記憶された照合情報との照合判別、認証情報の照合結果に応じて自身の錠と副電気錠12の錠の施解錠制御を行っている。
【0030】
副電気錠12は、上述した電源用入出力手段41、通信用入出力手段42、機器情報記憶手段43に加え、主電気錠11の制御手段11aからの制御信号によって不図示の施解錠機構を電気的に制御する制御手段12aが錠本体の内部に設けられる。なお、不図示の施解錠機構は、例えば扉枠の係合穴に対して進退するデッドボルトをモーターやソレノイドで駆動する機構で構成される。
【0031】
制御手段12aは、例えばCPUやROM、RAMなどのマイクロコンピュータで構成される。制御手段12aは、自身の状態(錠の施解錠状態、扉15の開閉状態)をチェックする他、主電気錠11からの施解錠信号に応じて自身の錠の施解錠機構を制御している。また、制御手段12aは、駆動手段12c、監視手段12dを備えている。
【0032】
駆動手段12cは、監視手段12dの監視情報と主電気錠11の制御手段11aから入力される施解錠信号に応じて自身の錠の施解錠機構を駆動している。監視手段12dは、例えばマイクロスイッチやリードスイッチなどの検知センサで構成され、副電気錠12の錠の施解錠状態や扉15の開閉状態の監視を行う。
【0033】
認証情報取得部13は、例えばテンキー操作による暗証番号入力による認証情報、リモコンなどの無線型キーによる認証情報、ICチップを搭載した非接触型ICカードやカードリーダーによって読み取られる磁気カードなどからの認証情報を読み取ることができる認証情報取得装置で構成され、扉15の所定箇所に設けられる。この認証情報取得部13は、上述した電源用入出力手段41、通信用入出力手段42、機器情報記憶手段43の他、情報認識手段13aを備えている。
【0034】
情報認識手段13aは、上記各形態に応じた認証情報を取得するための読取部で構成され、この取得した認証情報を主電気錠11の制御手段11aが認識できる状態にするためのデータフォーマットを行っている。そして、このデータフォーマットされた認識情報は、暗号化された状態で通信用入出力手段42を経由して主電気錠11の制御手段11aに送信される。
【0035】
操作表示器20は、例えば宅内や管理室などの部屋の室内側に設けられ、制御機能付電気錠10を遠隔操作により動作させる際に用いられる機器であり、例えばボタン式の操作パネルなどで構成される。操作表示器20は、上述した電源用入出力手段41、通信用入出力手段42、機器情報記憶手段43に加え、操作手段21、表示手段22、情報記憶手段23を備えている。
【0036】
操作手段21は、室内側から制御機能付電気錠10の施錠または解錠する際に操作される。表示手段22は、例えばLEDや液晶ディスプレイなどで構成され、制御機能付電気錠10の施錠状態または解錠状態や扉の開閉状態などの各種状態を点灯/点滅または文字表示して状態表示を行っている。情報記憶手段23は、例えばROMやRAMなどの半導体メモリなどで構成され、制御機能付電気錠10を施解錠するための施解錠情報、制御機能付電気機能10の施解錠履歴や扉の開閉履歴などの制御機能付気電気錠10や操作表示器20の使用履歴などの各種情報を記憶している。
【0037】
また、操作表示器20は、主電気錠11から各電気錠の錠の施解錠状態を示す状態情報を定期的に受信し、受信した状態情報を情報記憶手段23に蓄積している。この情報記憶手段23に蓄積された状態情報は、所定の入力操作により最新情報から一覧表示することができる。さらに、外部から操作表示器20を介して制御機能付電気錠10の施解錠状態の確認する場合には、主電気錠11の制御手段11aに現在の錠の状態を示す状態情報を問い合わせをし、問い合わせた現在の錠の状態を示す状態情報と情報記憶手段23に定期的に蓄積された錠の状態情報とを併せて外部に出力することができる。また、情報記憶手段23に記憶された各種情報を外部に出力する場合には、操作表示器20の通信用入出力手段42に例えばデータ収集器を接続し、操作表示器20とデータ収集器との間でデータ通信を行うことにより操作表示器20からの各種情報をデータ収集器に転送することもできる。
【0038】
外部機器30は、通信用入出力手段42を介して操作表示器20に接続される機器である。この外部機器30としては、例えば部屋の各所に分散配置される複数台の操作表示器20の他、インターホン、タイマー、火災報知設備、空調設備、他のシステムなどがある。
【0039】
電源供給部40は、例えば商用電源(AC100V)である外部電源から電源の供給を受け、操作表示器20、制御機能付電気錠10の主電気錠11、副電気錠12、認証情報取得部13の各部に必要な駆動電源を電源用入出力手段11を介して供給している。電源供給部40は、運用に応じた電源方式を採用できるように電源入力用のケーブルを装備し、一般直流電源と電池のどちらにも電源供給を受けられるようになっている。電源供給部40が供給する駆動電源は、一旦操作表示器20に供給された後、通信用入出力手段42を介して外部機器30に供給されるとともに、通電金具14を介して電気錠システム1を構成する各部、すなわち、扉15に設けられる認証情報取得部13、錠本体の内部に設けられる主電気錠11および副電気錠12にも供給される。
【0040】
次に、上述した第1形態の電気錠システム1の各動作について図3〜図5を参照しながら具体的に説明する。以下に説明する第1形態の電気錠システム1では、例えばマンションなどの集合住宅に配設され、外部機器30としての玄関用と宅内用とで一対となるインターホンによる呼出しや認証情報取得部13が取得した認証情報に基づいて主電気錠11や副電気錠12の錠の施解錠が行われる。
【0041】
まず、第1形態の電気錠システム1において、操作表示器20から制御機能付電気錠10の施解錠操作を行うときの動作について図3を参照しながら説明する。
【0042】
例えば客人や集配物の配達人などが玄関先に設けられたインターホン(外部機器30)の呼出ボタンが押されると、家主は宅内用のインターホンで呼出人を確認し、その呼出人が入室を許可して良い人であれば、操作表示器20の解錠キーを操作する。解錠キーが操作されると、主電気錠11の制御手段11aは、自身の状態チェックを行う(ST1)。この状態チェックでは、主電気錠11の錠の施解錠状態、扉15の開閉状態をチェックする。そして、主電気錠11の制御手段11aは、状態チェックが完了すると、操作表示器20に問い合わせを行う(ST2)。
【0043】
操作表示器20は、主電気錠11の制御手段11aから問い合わせがあると、解錠キーの操作による解錠信号などの各種信号を暗号化し、レスポンスデータとして主電気錠11の制御手段11aにレスポンス送信する(ST3)。主電気錠11の制御手段11aは、操作表示器20から送信されたレスポンスデータを受信する(ST4)。そして、主電気錠11の制御手段11aは、操作表示器20から受信したレスポンスデータを解析し、解析したデータ中の解錠信号と、予め記憶手段11bに記憶された照合情報(許可する解錠信号に相当)とを照合し、照合が一致したときに主電気錠11の駆動手段11cに駆動信号を出力して錠を解錠する。そして、この錠の解錠に連動して、後述する副電気錠2の錠の解錠制御を行う。
【0044】
次に、認証情報取得部13が外部から認証情報を取得したときの動作について図4を参照しながら説明する。
【0045】
例えばリモコンキーの操作により外部から錠を解錠(施錠)するための操作がなされると、この解錠操作(施錠操作)による信号を認証情報として認証情報取得部13が取得する。認証情報取得部13が認証情報を取得すると、認証情報を取得した旨の情報が通信用入出力手段42を介して主電気錠11に送信される。主電気錠11は、認証情報取得部13から認証情報を取得した旨の情報を受信すると、自身の状態チェックを行う(ST11)。この状態チェックでは、主電気錠11の錠の施解錠状態、扉15の開閉状態をチェックする。
【0046】
そして、主電気錠11の制御手段11aは、状態チェックが完了すると、認証情報取得部13に認証情報の問い合わせを行う(ST12)。認証情報取得部13は、リモコンキーの操作による外部から認証情報を取得して認証情報を情報認識手段13aが認識する(ST13)。そして、認証情報取得部13は、取得した認証情報が主電気錠11の制御手段11aで認識できる状態にするため、データフォーマットを行う(ST14)。
【0047】
そして、このデータフォーマットされた認証情報を暗号化しレスポンスデータとして主電気錠11の制御手段11aに送信する(ST15)。主電気錠11の制御手段11aは、認証情報取得部13からレスポンスデータを受信すると(ST16)、この暗号化された認証情報を解析し、この解析した認証情報と、予めシステム構築時に記憶手段13に記憶された照合情報とを照合し、特定の認証情報であるか否かを判別する(ST17)。
【0048】
そして、受信した認証情報が特定の認証情報と判別すると(ST17−Yes)、駆動手段1cに錠を解錠(施錠)するための駆動信号を出力して錠を解錠(施錠)する。なお、錠が解錠された後、所定時間以内に開扉されない場合には、錠が施錠される。これに対し、受信した認証情報が特定の認証情報でないと判別すると(ST17−No)、駆動手段1cには解錠(施錠)するための駆動信号が出力されず、錠の解錠(施錠)は行われない。
【0049】
次に、施解錠動作時の主電気錠11と連動して制御される副電気錠12に関する動作について図5を参照しながら説明する。
【0050】
上述した図3または図4のいずれかの動作により主電気錠11の錠が解錠(施錠)されると、主電気錠11は、副電気錠12へ状態の問い合わせをする(ST21)。副電気錠12の制御手段12aは、主電気錠11から状態の問い合わせがあると、自身の状態チェックを行う(ST22)。具体的には、副電気錠12の施解錠状態や扉15の開閉状態をチェックする。そして、副電気錠12の制御手段12aは、状態チェックが完了すると、主電気錠11からの制御信号(解錠信号または施錠信号)と自身の状態結果に基づいて自身の錠を解錠(施錠)制御する(ST23)。
【0051】
そして、副電気錠12の制御手段12aは、自身の錠が解錠(施錠)されると、解錠(施錠)制御された状態を示す情報をレスポンスデータとして主電気錠11に送信する(ST24)。主電気錠11の制御手段11aは、副電気錠2から送信されたレスポンスデータを受信する(ST25)。そして、主電気錠11の制御手段11aは、受信したレスポンスデータにより、現在の副電気錠12の施解錠状態を認識する。
【0052】
次に、本例の電気錠システム1の第2形態における各部の構成について、図6を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する第2形態の電気錠システム1において、第1形態の電気錠システム1と同様の構成要件については同一の番号を付してその説明を省略し、相違する構成要件のみについて説明する。
【0053】
第2形態の電気錠システム1では、例えば携帯電話、PDA、パソコンなどを外部端末60として使用し、外部端末60からインターネットやイーサネット(登録商標)などのネットワーク網を経由して遠隔的に制御機能付電気錠10の施解錠操作や状態監視を行うため、操作表示器20にネットワークアダプタと称する中継装置50が接続されている。この中継装置50には、上述した各構成と同様、電源用入出力手段41、通信用入出力手段42、機器情報記憶手段43が設けられている。
【0054】
中継装置50は、電源用入出力手段11を介して操作表示器20と配線接続されている。これにより、電源供給部40から操作表示器20を介して中継装置50に必要な駆動電源が供給される。また、中継装置50と操作表示器20との間が通信用入出力手段42を介して配線接続されている。これにより、外部端末60と中継装置50との間では、各種信号(例えば施解錠に必要な認証情報や錠の状態確認などの信号)が通信用入出力手段42でコマンド変換(LANコマンドからシリアル通信コマンド、又はシリアル通信コマンドからLANコマンド)された後に暗号化され、インターネット網を介して相互にデータ通信可能とされる。さらに、機器情報記憶手段43には、他の機器と識別するために自身の機器を特定するための機器情報(例えば製造メーカー、機種の型番、予め登録された外部端末60のMACアドレスなど)が各機器毎に割り当てられて記憶される。この機器情報は、運用当初に個別の情報として登録されるものである。通信時には、それぞれの機器を意味するヘッダーと機器情報とを付加してデータを暗号化して呼出しが行われるため、防犯性を配慮した制御を可能にしている。
【0055】
なお、外部端末60と中継装置50との間でインターネット網を介してデータ通信を行うにあたっては、パスワード、部屋IDに対する中継装置50のMACアドレス(DHCP機能により、このMACアドレスに対して中継装置50のIPアドレスを自動的に割り振る)が予め設定されている。また、実際のシステムにおける中継装置50は、ルーターやハブなどを介してサーバー(例えばマンションの電気錠システムであればマンションセキュリティサーバー)や他の中継装置ともにネットワーク接続される。そして、外部端末60から所定の中継装置50をアクセスする場合には、ASP(application service provider)に対してアクセスし、ログイン等の所定の操作を行い、操作画面に従って電気錠の施解錠制御、状態確認を行う。また、ASPは、該当する例えばサーバーに対して要求コマンドを送信し、これを受信したサーバーが該当する中継装置50に対して通信を行う。
【0056】
第2形態の電気錠システム1では、外部端末60と中継装置50との間でデータ通信を行い、制御機能付電気錠10の各種制御を可能としている。そして、外部端末60から制御機能付電気錠10の状態確認をするための状態確認信号が中継装置50に送信された場合には、まず中継装置50が外部端末60から受信した状態確認信号の信号形式を変換(コマンド変換)して操作表示器20に出力する。操作表示器20は、状態確認信号を受信すると、制御機能付電気錠10に錠の状態情報を問い合わせる。そして、制御機能付電気錠10から現在の錠の状態を示す状態情報が入力されると、それまでに蓄積した錠の状態情報と併せて中継装置50に出力し、中継装置50で信号形式を変換した後、外部端末60に状態情報を送信している。
【0057】
また、外部端末60から制御機能付電気錠10を施錠または解錠するための施錠(解錠)信号が中継装置50に送信された場合には、まず中継装置50が外部端末60から受信した施錠(解錠)信号の信号形式を変換(コマンド変換)して操作表示器20に出力する。操作表示器20は、施錠(解錠)号を受信すると、制御機能付電気錠10に施錠(解錠)を出力する。そして、制御機能付電気錠10は、入力される施錠(解錠)信号に基づいた施解錠制御を行い、施錠(解錠)が完了したことを示す施錠(解錠)完了信号を操作表示器20に出力する。操作表示器20は、施錠(解錠)完了信号が入力されると、その信号を中継装置50に出力し、中継装置50で信号形式を変換した後、外部端末60に状態情報を送信している。
【0058】
次に、第2形態の電気錠システム1の動作について図7〜図10を参照しながら説明する。以下に説明する第2形態の電気錠システム1では、例えばマンションなどの集合住宅の宅内に操作表示器20が配設され、例えば携帯電話、PDA、パソコンなどの外部端末60と中継装置50との間でインターネットやイーサネット(登録商標)などのネットワーク網を介してデータ通信可能とされ、住人が外部端末60を操作して制御機能付電気錠10の施解錠操作や状態確認が行われる。
【0059】
なお、以下に説明する第2形態の電気錠システムの動作では、操作表示器20で制御機能付電気錠10の施解錠操作を行うときの動作、認証情報取得部13が外部から認証情報を取得したときの動作、施解錠動作時の主電気錠11と連動して制御される副電気錠12に関する動作については、上述した第1形態の電気錠システムの動作と同様であるため、その説明を省略する。
【0060】
まず、外部端末60を用いて制御機能付電気錠10の状態確認を行うときの動作について図7と図8を参照しながら説明する。
【0061】
住人は、外出先から例えば携帯電話、PDA、パソコンなどの外部端末60で制御機能付電気錠10の状態を問い合わせるため、ネットワーク網を介して中継装置50に状態確認信号を送信する(ST31)。中継装置50は、外部端末60からネットワーク網を介して状態確認信号を受信する(ST32)。そして、受信した状態確認信号をLANコマンドからシリアル通信コマンドに変換し(ST33)、操作表示器20に出力する(ST34)。操作表示器20は、中継装置50から状態確認信号が入力されると(ST35)、主電気錠11に現在の錠の状態情報の問い合わせを行う(ST36)。主電気錠11は、操作表示器20から状態情報の問い合わせがあると、主電気錠の制御手段11aが錠の状態を確認した後(ST37)、現在の錠の状態を示す状態情報を操作表示器20へ出力する(ST38)。
【0062】
そして、図8に示すように、操作表示器20は、ST38において主電気錠11から出力された現在の錠の状態を示す状態情報を入力されると(ST39)、情報記憶手段23に蓄積された状態情報と併せて中継装置50に出力する(ST40)。そして、中継装置50は、操作表示器20から出力された錠の状態情報が入力されると(ST41)、その錠の状態情報をシリアル通信コマンドからLANコマンドに変換し(ST42)、コマンド変換された状態情報を外部端末60へ送信する(ST43)。そして、外部端末60は、中継装置50から送信された状態情報をネットワーク網を介して受信すると(ST44)、受信した状態情報が表示画面上に表示される。これにより、住人は、外部端末60の表示により錠の施解錠状態を確認する。
【0063】
次に、外部端末60を用いて制御機能付電気錠10の施解錠操作を行うときの動作について図9と図10を参照しながら説明する。
【0064】
住人は、外出先から例えば携帯電話、PDA、パソコンなどの外部端末60で錠の施錠(解錠)を行うため、インターネットやイーサネット(登録商標)などのネットワーク網を介して中継装置50に施錠または解錠を指示する施錠(解錠)信号を送信する(ST51)。中継装置50は、外部端末60から施錠(解錠)信号を受信する(ST52)。そして、受信した施錠(解錠)信号をLANコマンドからシリアル通信コマンドに変換し(ST53)、操作表示器20に出力する(ST54)。操作表示器20は、中継装置50から施錠(解錠)信号が入力されると(ST55)、主電気錠11に施錠(解錠)信号を出力する(ST56)。制御機能付電気錠10は、操作表示器20から入力された施錠(解錠)信号に基づいて、上述したST11〜ST18(図4を参照)及びST21〜ST25(図5を参照)の施錠(解錠)制御を行う(ST57)。そして、施錠または解錠制御が終了すると、制御機能付電気錠10は、その旨を示す施錠(解錠)完了信号を操作表示器20に出力する(ST58)。
【0065】
そして、図10に示すように、操作表示器20は、ST58において主電気錠11から出力された施錠(解錠)完了信号が入力されると(ST59)、その施錠(解錠)完了信号を中継装置50に出力する(ST60)。そして、中継装置50は、操作表示器20から施錠(解錠)完了信号が入力されると(ST61)、その施錠(解錠)完了信号をシリアル通信コマンドからLANコマンドに変換し(ST62)、このコマンド変換された状態情報を外部端末60へ送信する(ST63)。そして、外部端末60は、中継装置50から送信された状態情報をネットワーク網を介して受信すると(ST64)、受信した状態情報に基づく表示がなされる。これにより、住人は、外部端末60の表示により錠の施錠(解錠)が完了したことを確認する。
【0066】
このように、本例の制御機能付電気錠10(主電気錠11、副電気錠12を含む)を採用した電気錠システム1では、データを暗号化して各部間の通信を行い、かつ情報の認証に基づいて錠の施解錠制御を行うべく、錠種や錠の個数に依存しない共通のコマンド体系による外部インターフェース(電源用入出力手段41、通信用入出力手段42)を有している。これにより、データの入出力時に主電気錠11の制御手段11aが処理可能なデータに変換することで、従来品を含め、扉15に設置可能な電気錠や認証情報取得装置であれば種類や設置数を問わず幅広い汎用性を有する電気錠システムを構築することができ、従来の電気錠システムと比較して、防犯性の向上を図ることができる。
【0067】
そして、本例の制御機能付電気錠10は、電気錠システム1の各部を統括制御するための制御手段11aが錠本体の内部に組み込まれた構成なので、各機器との配線や別途制御盤を設置するスペースを確保する必要がなく、従来の電気錠制御盤の筐体部分のコストやスペースの削減を図ることができ、外部からの不正行為を防ぐことができる。これにより、配線や設置スペースの自由度が増し、電気錠システムの設置場所の省スペース化が図れるとともに、製造コストが削減でき、防犯性に優れた安価な電気錠システムを構築することができる。
【0068】
本例の制御機能付電気錠10は、外部インターフェースを備えた構成なので、対応したID読取装置(認証情報取得部13)を直接外部インターフェースを介して接続することができ、認証機能付き電気錠システムを安価に構築することができる。しかも、電気錠システム1における制御インターフェースが共通化され、動作確認や責任範囲の切り分けが容易になった。
【0069】
また、本例の電気錠システム1では、扉面に露出する部分がID読取装置(認証情報取得部3)だけなので、従来と比較して扉の意匠性が向上した。しかも、本例の電気錠システム1によれば、主電気錠11の制御によって副電気錠12を連動制御することができるので、1ドア2ロックシステムを簡素なシステム構成によって実現することができる。
【0070】
さらに、操作表示器20は、制御機能付電気錠10を制御するための信号を出力する外部機器30が接続可能なので、操作表示器20からの操作だけでなく、外部機器30からの信号によっても主電気錠11や副電気錠12を施解錠制御することができる。しかも、操作表示器20は、制御機能付電気錠10からの施解錠状態を示す情報を定期的に蓄積する機能を有するので、この蓄積された状態情報を最新情報から順に一覧表示することによって各電気錠毎の状態を目視で容易に確認することができる。
【0071】
また、ネットワーク網を介して外部端末60と相互にデータ通信可能な中継装置50を操作表示器20に接続する構成とすれば、例えば携帯電話、PDA、パソコンなどの外部端末60からインターネットやイーサネット(登録商標)などのネットワーク網を介して電気錠の施解錠制御や状態確認(施解錠状態、扉の開閉状態の確認)が容易に行え、さらに防犯性に優れた電気錠システムを構築することができる。
【0072】
ところで、上述した各形態では、1ドア2ロックシステムとして、主電気錠11と副電気錠12の2つの電気錠を備えた構成を例にとって説明したが、電気錠の数は限定されるものではなく、電気錠として、1つの主電気錠11のみ、1つの主電気錠11と2つ以上の副電気錠12で構成することもできる。
【0073】
以上、本発明を用いて最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に係る第1形態の電気錠システムの概略構成図である。
【図2】本発明に係る第1形態の電気錠システムの機能ブロック図である。
【図3】本発明に係る第1形態の電気錠システムにおいて、操作表示器から主電気錠を施解錠操作するときの動作を示すフローチャート図である。
【図4】本発明に係る第1形態の電気錠システムにおいて、主電気錠から認証情報取得部への問い合わせ時の動作を示すフローチャート図である。
【図5】本発明に係る第1形態の電気錠システムにおいて、主電気錠によって副電気錠を連動制御する時の動作を示すフローチャート図である。
【図6】本発明に係る第2形態の電気錠システムの概略構成である。
【図7】本発明に係る第2形態の電気錠システムにおいて、外部端末から制御機能付電気錠への問い合わせ時の動作を示すフローチャート図である。
【図8】図7における問い合わせ後の制御機能付電気錠の応答に関する動作を示すフローチャート図である。
【図9】本発明に係る第2形態の電気錠システムにおいて、外部端末から制御機能付電気錠を施錠または解錠する時の動作を示すフローチャート図である。
【図10】図9における問い合わせ後の制御機能付電気錠の応答に関する動作を示すフローチャート図である。
【図11】従来の一般的な電気錠システムの概略構成図である。
【符号の説明】
【0075】
1 電気錠システム
10 制御機能付電気錠
11 主電気錠
12 副電気錠
11a,12a 制御手段
11b 記憶手段
11c,12c 駆動手段
11d,12d 監視手段
13 認証情報取得部
13a 情報認識手段
14 通電金具
15 扉
20 操作表示器
30 外部機器
40 電源供給部
41 電源用入出力手段
42 通信用入出力手段
43 機器情報記憶手段
50 中継装置
60 外部端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から取得した認証情報と照合するための照合情報を予め記憶し、前記認証情報と前記照合情報とを照合して前記認証情報が特定の認証情報であると判別されたときに自身の施解錠機構を施解錠制御する制御手段が錠本体の内部に組み込まれた制御機能付電気錠と、
前記制御機能付電気錠を制御するための信号を出力する外部機器が接続可能とされ、所定の入力操作に基づく前記制御機能付電気錠への施錠または解錠信号の出力、前記制御機能付電気錠の施解錠状態および/または扉の開閉状態の表示、前記制御機能付電気錠からの施解錠状態を示す情報を定期的に蓄積する機能を有する操作表示器とを備えたことを特徴とする電気錠システム。
【請求項2】
外部から取得した認証情報と照合するための照合情報を予め記憶し、前記認証情報と前記照合情報とを照合して前記認証情報が特定の認証情報であると判別されたときに自身の施解錠機構を施解錠制御する制御手段が錠本体の内部に組み込まれた制御機能付電気錠と、
前記制御機能付電気錠を制御するための信号を出力する外部機器が接続可能とされ、所定の入力操作に基づく前記制御機能付電気錠への施錠または解錠信号の出力、前記制御機能付電気錠の施解錠状態および/または扉の開閉状態の表示を行う操作表示器と、
前記操作表示器に接続されて前記外部端末との間でネットワーク網を介して通信可能とされ、前記外部端末から送信される前記制御機能付電気錠を制御するための施錠または解錠信号を受信したときに、この受信した施錠または解錠信号を前記操作表示器に転送出力する中継装置とを備え、
前記操作表示器は、前記中継装置から施錠または解錠信号を受信したときに、この施錠または解錠信号を更に前記制御機能付電気錠に転送出力しており、
前記制御機能付電気錠は、前記操作表示器から転送される前記施錠または解錠信号に基づいて自身の施解錠機構を施解錠制御し、そのときの施解錠状態を示す情報を前記外部端末に返信することを特徴とする電気錠システム。
【請求項3】
外部から取得した認証情報と照合するための照合情報を予め記憶し、前記認証情報と前記照合情報とを照合して前記認証情報が特定の認証情報であると判別されたときに自身の施解錠機構を施解錠制御する制御手段が錠本体の内部に組み込まれた制御機能付電気錠と、
前記制御機能付電気錠を制御するための信号を出力する外部機器が接続可能とされ、所定の入力操作に基づく前記制御機能付電気錠への施錠または解錠信号の出力、前記制御機能付電気錠の施解錠状態および/または扉の開閉状態の表示を行う操作表示器と、
前記操作表示器に接続されて前記外部端末との間でネットワーク網を介して通信可能とされ、前記外部端末から送信される前記制御機能付電気錠の施解錠状態を確認するための状態確認信号を受信したときに、この受信した状態確認信号を前記操作表示器に転送出力する中継装置とを備え、
前記操作表示器は、前記中継装置から状態確認信号を受信したときに、そのときの前記制御機能付電気錠の施解錠状態を示す情報を含めて前記制御機能付電気錠から定期的に収集蓄積した施解錠状態を示す情報を前記外部端末に返信することを特徴とする電気錠システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−316542(P2006−316542A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−141311(P2005−141311)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
【Fターム(参考)】