説明

電流駆動負荷制御回路および半導体装置

【課題】電流駆動負荷の駆動開始時におけるノイズの発生を抑制すること。
【解決手段】センス側トランジスタに流れる参照電流に対して、ゲート電極が前記センス側トランジスタと接続されたミラー側トランジスタによって出力電流を発生させるカレントミラー回路を含み、出力する電流によって電流駆動負荷を駆動するカレントミラー回路部を有し、前記カレントミラー回路部は、ゲート電極が前記センス側トランジスタと接続された複数のミラー側トランジスタを有する多段出力型カレントミラー回路を含む電流駆動負荷制御回路である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード等の電流駆動負荷を制御する電流駆動負荷制御回路および半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電流駆動負荷を駆動する回路として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
特許文献1に記載された駆動回路は、電流負荷を駆動する際の基準電流を発生させる定電流回路において、オペアンプの出力信号に応じて、基準抵抗に流れる電流量を制御し、電流駆動負荷に出力する電流量を調整するものである。
【特許文献1】特開2003−202830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、電流駆動負荷を駆動する従来の駆動回路においては、電流駆動負荷を駆動する際に、迅速な駆動を図るため、急激に出力電流量を増加させていた。
そのため、電流駆動負荷の制御信号線に隣接する信号線において電磁誘導が発生し、ノイズの原因となる可能性があった。
即ち、従来の電流駆動負荷制御回路においては、電流駆動負荷の駆動開始時にノイズが発生する可能性があった。
本発明の課題は、電流駆動負荷の駆動開始時におけるノイズの発生を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するため、第1の発明に係る電流駆動負荷制御回路は、
センス側トランジスタに流れる参照電流に対して、ゲート電極が前記センス側トランジスタと接続されたミラー側トランジスタによって出力電流を発生させるカレントミラー回路(例えば、図1の第1のカレントミラー回路10aおよび第2のカレントミラー回路10b、図3の第1のカレントミラー回路110aおよび第2のカレントミラー回路110b、図5の第1のカレントミラー回路210aおよび第2のカレントミラー回路210b、図7の第1のカレントミラー回路310aおよび第2のカレントミラー回路310b)を含み、出力する電流によって電流駆動負荷を駆動するカレントミラー回路部を有し、前記カレントミラー回路部は、ゲート電極が前記センス側トランジスタと接続された複数のミラー側トランジスタ(例えば、図1の第1のカレントミラー回路10aにおけるミラー側トランジスタP2a〜P2d、図3の第1のカレントミラー回路110aにおけるミラー側トランジスタN4a〜N4d、図5の第1のカレントミラー回路210aにおけるミラー側トランジスタP6a〜P6d、図7の第1のカレントミラー回路310aにおけるミラー側トランジスタN8a〜N8d)を有する多段出力型カレントミラー回路を含むことを特徴としている。
【0005】
このような構成により、多段出力型カレントミラー回路の出力電流が、各段のミラー側トランジスタが導通する毎に増加し、また、各段のミラー側トランジスタが遮断する毎に減少させることもできるため、電流駆動負荷の駆動信号線の時間当たりの電流変化量を減じることで、電流駆動負荷の駆動信号線に隣接する信号線において電磁誘導が発生し、ノイズの原因となることを抑制できる。
即ち、電流駆動負荷の駆動開始時におけるノイズの発生を抑制することが可能となる。
【0006】
また、第2の発明に係る電流駆動負荷制御回路は、
前記多段出力型カレントミラー回路における複数のミラー側トランジスタは、定常の出力電流となる過程において、立ち上がり初期の電流増加率よりも立ち上がり中期の電流増加率が大きくなるように、異なるタイミングで導通状態となることを特徴としている。
このような構成により、電流駆動負荷の駆動開始時に、出力電流の立ち上がり特性における少なくとも初期から中期にかけて、S字特性に沿う特性とすることができるため、出力電流が急激に増加することを抑制することができる。
【0007】
また、第3の発明に係る電流駆動負荷制御回路は、
前記多段出力型カレントミラー回路における複数のミラー側トランジスタに対応して多段接続された遅延素子を有する遅延回路(例えば、図1の遅延回路20、図3の遅延回路120、図5の遅延回路220、図7の遅延回路320)と、前記多段出力型カレントミラー回路における複数のミラー側トランジスタそれぞれのゲート電極に設置され、各ミラー側トランジスタに対応する前記遅延素子の出力信号によってスイッチングが制御されるスイッチ(例えば、図1におけるスイッチ12a〜12d、図3のスイッチ112a〜112d、図5のスイッチ212a〜212d、図7のスイッチ312a〜312d)とを備え、前記遅延回路における初段の遅延素子には、前記多段出力型カレントミラー回路における複数のミラー側トランジスタを導通状態とするか否かを制御する第1の制御信号(例えば、第1〜第4実施形態における制御信号Va)が外部から入力され、多段接続された前記遅延素子それぞれは、前段の前記遅延素子の出力信号を順次遅延させて、対応する前記ミラー側トランジスタに出力することを特徴としている。
このような構成により、外部から入力された制御信号を順次遅延させて、多段出力型カレントミラー回路における複数のミラー側トランジスタそれぞれを導通状態とすることができるため、遅延素子の遅延時間に応じた立ち上がり特性によって、出力電流を増加させることができる。
【0008】
また、第4の発明に係る電流駆動負荷制御回路は、
前記遅延回路は、前記遅延素子の出力信号を対応する前記ミラー側トランジスタに出力するか否かを制御する論理回路(例えば、図5のAND回路221a〜221d、図7のAND回路321a〜321d)を、前記遅延素子それぞれに対応して備え、前記論理回路には、対応する前記ミラー側トランジスタについて、導通状態とするか否かを示す第2の制御信号(例えば、第3および第4実施形態における制御信号Vb1〜Vb4)が外部から入力され、導通状態とすることが示されている前記第2の制御信号が入力された前記論理回路は、前記遅延素子の出力信号を対応する前記ミラー側トランジスタに出力することを特徴としている。
このような構成により、第2の制御信号によって、多段出力型カレントミラー回路におけるミラー側トランジスタの一部のみを導通状態として出力電流を出力することができるため、電流駆動負荷を駆動する出力電流の最大値を変更することができる。
【0009】
また、第5の発明に係る電流駆動負荷制御回路は、
前記スイッチは、アナログスイッチによって構成されていることを特徴としている。
このような構成により、オン抵抗が小さいスイッチによってミラー側トランジスタの導通を制御することができるため、高速なスイッチングを行うことができる。
また、第6の発明に係る電流駆動負荷制御回路は、
前記スイッチは、P型のトランジスタまたはN型のトランジスタによって構成されていることを特徴としている。
このような構成により、ゲート・ソース電圧がほぼ一定の値に決まっている状況下、簡単な構成によって、スイッチングを行うことが可能となる。
【0010】
また、第7の発明に係る電流駆動負荷制御回路は、
前記多段出力型カレントミラー回路における複数のミラー側トランジスタは、ゲート幅あるいはゲート長の少なくともいずれかを異ならせた構成を有することにより、該多段出力型カレントミラー回路の出力電流の変化量が設定されていることを特徴としている。
このような構成により、多段出力型カレントミラー回路におけるミラー側トランジスタそれぞれの特性の相違によって、多段出力型カレントミラー回路の出力電流の変化量を容易に異ならせることができるため、回路規模を小さいものとしながら、出力電流が急激に増加することを抑制することができる。
【0011】
また、第8の発明に係る電流駆動負荷制御回路は、
前記カレントミラー回路の接続される電源電圧と、前記カレントミラー回路により駆動される電流駆動負荷の電源電圧が異なる電位であることを特徴としている。
このような構成により、カレントミラー回路におけるトランジスタの駆動電圧と異なる電圧で駆動される電流駆動負荷を制御することが可能となる。
【0012】
第9の発明に係る半導体装置は、
センス側トランジスタに流れる参照電流に対して、ゲート電極が前記センス側トランジスタと接続されたミラー側トランジスタによって出力電流を発生させるカレントミラー回路を含み、出力する電流によって電流駆動負荷を駆動するカレントミラー回路部を有し、前記カレントミラー回路部は、ゲート電極が前記センス側トランジスタと接続された複数のミラー側トランジスタを有する多段出力型カレントミラー回路を含む電流駆動負荷制御回路を備えることを特徴としている。
このような構成により、多段出力型カレントミラー回路の出力電流が、各段のミラー側トランジスタが導通する毎に増加し、また、各段のミラー側トランジスタが遮断する毎に減少させることもできるため、電流駆動負荷の駆動信号線の時間当たりの電流変化量を減じることで、電流駆動負荷の駆動信号線に隣接する信号線において電磁誘導が発生し、ノイズの原因となることを抑制できる。
即ち、電流駆動負荷への供給電流の変化開始時におけるノイズの発生を抑制することが可能となる。
【0013】
また、第10の発明に係る半導体装置は、
前記カレントミラー回路の接続される電源電圧と、前記カレントミラー回路により駆動される電流駆動負荷の電源電圧が異なる電位であることを特徴としている。
このような構成により、カレントミラー回路におけるトランジスタの駆動電圧と異なる電圧で駆動される電流駆動負荷を制御することが可能な半導体装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の電流駆動負荷制御回路の幾つかの実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
本実施形態に係る電流駆動負荷制御回路は、基準電流源からの基準電流を参照電流とし、外部から別途供給される制御信号に基づき、参照電流量を制御信号で設定される倍率とした出力電流を発生する第1のカレントミラー回路と、第1のカレントミラー回路の出力電流を参照電流とし、電流駆動負荷(例えばLED(Light Emitting Diode))の駆動電流を出力する第2のカレントミラー回路とを備えており、第1のカレントミラー回路のミラー側トランジスタを多段構成としたものである。また、電流負荷駆動制御回路は、ミラー側トランジスタの駆動信号(例えばハイレベル信号)が入力された場合に、多段構成とされた各ミラー側トランジスタを、所定の遅延時間を付与して順にオンさせる遅延回路を備えている。
【0015】
そのため、電流駆動負荷制御回路が動作する際に、第1のカレントミラー回路の出力電流が徐々に増加すると、その出力電流を参照電流とする第2のカレントミラー回路の出力電流が徐々に増加する。
したがって、電流駆動負荷制御回路は、電流駆動負荷の駆動開始時に、緩やかな立ち上がりとすることで、時間当たりの電流変化量を低減することができ、隣接する信号線への電磁誘導が抑えられるため、隣接する信号線のノイズの発生を抑制することができる。
【0016】
(構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電流駆動負荷制御回路1を示す図である。
図1において、電流駆動負荷制御回路1は、第1のカレントミラー回路10aと、第2のカレントミラー回路10bと、遅延回路20とを具備しており、第2のカレントミラー回路にLED30が接続されている。
第1のカレントミラー回路10aは、P型のMOSトランジスタからなるセンス側トランジスタP1と、定電流源11と、スイッチ12a〜12dと、インバータ13a〜13dと、P型のMOSトランジスタからなるミラー側トランジスタP2a〜P2dとを有している。
【0017】
センス側トランジスタP1は、第1の電源電圧Vddにソース電極が接続され、ゲート電極とドレイン電極が定電流源11に接続されている。
定電流源11は、高電位側の端子がセンス側トランジスタP1のドレイン電極とゲート電極に、低電位側の端子が第2の電源電圧Vssとに接続され、センス側トランジスタP1のドレイン電極から第2の電源電圧Vssに向かう一定の電流(電流I0とする。)を発生させる。
スイッチ12a〜12dは、定電流源11の高電位側の端子と、センス側トランジスタP1のドレイン電極とゲート電極を接続するノードと、ミラー側トランジスタP2a〜P2dそれぞれのゲート電極との間にそれぞれ設置され、遅延回路20を介してハイレベルの制御信号が入力されると、オン状態(導通状態)となる。
【0018】
具体的には、スイッチ12a〜12dは、P型のMOSトランジスタとN型のMOSトランジスタとを有するアナログスイッチによって構成されている。
そして、遅延回路20を介して入力されたハイレベルの制御信号はN型のMOSトランジスタのゲート電極(以下、「非反転制御端子」と言う。)に入力され、ハイレベルの制御信号を後述するインバータ13a〜13dによって反転したローレベルの制御信号がP型のMOSトランジスタのゲート電極(以下、「反転制御端子」と言う。)に入力される。
即ち、遅延回路20からスイッチ12a〜12dをオンとするためのハイレベルの制御信号が入力された場合、アナログスイッチを構成するN型のMOSトランジスタおよびP型のMOSトランジスタの両方がオンとなる。
なお、スイッチ12a〜12dそれぞれに入力される制御信号は、後述する遅延回路20の遅延素子20a〜20dによって、遅延時間Tずつ遅延されている。
【0019】
インバータ13a〜13dは、遅延回路20を介してスイッチ12a〜12dに入力される制御信号を反転し、反転した制御信号をスイッチ12a〜12dの反転制御端子に入力する。
ミラー側トランジスタP2a〜P2dは、第1の電源電圧Vddにソース電極が接続され、ゲート電極がスイッチ12a〜12dを介して定電流源11の高電位側の端子ならびに、センス側トランジスタP1のドレイン電極とゲート電極に接続されている。また、ミラー側トランジスタP2a〜P2dのドレイン電極は、接続点ND1を介して第2のカレントミラー回路10bにおける入力側のN型のMOSトランジスタ(センス側トランジスタN1)のドレイン電極とゲート電極に接続されている。
【0020】
また、ミラー側トランジスタP2aのゲート電極とスイッチ12aとの間には、P型のプルアップ用MOSトランジスタQ1のドレイン電極が接続されている。プルアップ用MOSトランジスタQ1は、ソース電極が第1の電源電圧Vddに接続され、ゲート電極がスイッチ12aの非反転制御端子と接続されている。したがって、スイッチ12aの非反転制御端子にローレベルの信号が入力され、スイッチ12aがオフとなっているとき、プルアップ用MOSトランジスタQ1は導通状態となり、ミラー側トランジスタP2aのゲート電極の電位を第1の電源電圧Vddにプルアップする。これにより、スイッチ12aがオフのとき、ミラー側トランジスタP2aは確実に非導通状態となる。
【0021】
同様の構成で、ミラー側トランジスタP2b〜P2dのゲート電極とスイッチ12b〜12dとの間にも、それぞれプルアップ用MOSトランジスタQ2〜Q4が設置されており、スイッチ12b〜12dの非反転制御端子にローレベルの信号が入力され、スイッチ12b〜12dがオフとなっているとき、プルアップ用MOSトランジスタQ2〜Q4は導通状態となり、ミラー側トランジスタP2b〜P2dのゲート電極の電位を第1の電源電圧Vddにプルアップする。これにより、スイッチ12b〜12dがオフのとき、ミラー側トランジスタP2b〜P2dは確実に非導通状態となる。
なお、ミラー側トランジスタP2aがオンとされた場合、ミラー側トランジスタP2aには駆動電流I1が流れるものとし、同様に、ミラー側トランジスタP2b〜P2dには、駆動電流I2〜I4が流れるものとする。
【0022】
第2のカレントミラー回路10bは、N型のMOSトランジスタからなるセンス側トランジスタN1と、N型のMOSトランジスタからなるミラー側トランジスタN2とを有している。
センス側トランジスタN1は、ドレイン電極とゲート電極がともに接続点ND1を介してミラー側トランジスタP2a〜P2dのドレイン電極に接続され、ゲート電極とドレイン電極とが接続されている。また、センス側トランジスタN1のソース電極は、第2の電源電圧Vssに接続されている。
このセンス側トランジスタN1は、接続点ND1を介して流れる電流とセンス側トランジスタN1のオン抵抗によって発生する電圧によりゲート電極が駆動されるため、ドレイン電極からソース電極に流れる電流量とゲート電圧との関係が平衡する状態で動作する。
【0023】
なお、センス側トランジスタN1に流れる駆動電流をI5とする。
ミラー側トランジスタN2は、ドレイン電極がLED30のカソードに接続され、ゲート電極がセンス側トランジスタN1のゲート電極とドレイン電極に接続されている。また、ミラー側トランジスタN2のソース電極は、第2の電源電圧Vssに接続されている。
なお、ミラー側トランジスタN2に流れる駆動電流をI6とする。
遅延回路20は、入力信号を遅延して出力する第1〜第4の遅延素子20a〜20dを有している。
【0024】
第1の遅延素子20aには、スイッチ12a〜12dをオンとするための制御信号Vaが入力される。制御信号Vaは、外部のコントローラより入力され、スイッチ12a〜12dをオンとする場合にはハイレベルの信号が入力され、スイッチ12a〜12dをオフとする場合にはローレベルの信号が入力される。
そして、第1の遅延素子20aは、外部コントローラからの入力制御信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ12a、インバータ13aおよび第2の遅延素子20bに出力する。
第2の遅延素子20bは、第1の遅延素子20aの出力信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ12b、インバータ13bおよび第3の遅延素子20cに出力する。
【0025】
第3の遅延素子20cは、第2の遅延素子20bの出力信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ12c、インバータ13cおよび第4の遅延素子20dに出力する。
第4の遅延素子20dは、第3の遅延素子20cの出力信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ12dおよびインバータ13dに出力する。
LED30は、アノードが第3の電源電圧Vccに接続され、カソードが第2のカレントミラー回路10bにおけるミラー側トランジスタN2のドレイン電極に接続されている。
【0026】
(動作)
次に、動作を説明する。
図2は、電流駆動負荷制御回路1の動作を示すタイミングチャートである。
図2においては、時間に応じた制御信号Vaおよびミラー側トランジスタN2の駆動電流I6の状態変化を示している。
以下、図2を参照しつつ、電流駆動負荷制御回路1の動作を説明する。
なお、以下では、時刻t=0に至るまでの十分長い時間、外部のコントローラから入力される制御信号Vaはローレベルであったものとする。
【0027】
電流駆動負荷制御回路1において、第1のカレントミラー回路10aのセンス側トランジスタP1およびミラー側トランジスタP2a〜P2dの各ソース電極には第1の電源電圧Vddが印加され、定電流源11の低電位側の端子および第2のカレントミラー回路10bのセンス側トランジスタN1、ミラー側トランジスタN2の各ソース電極には、第2の電源電圧Vssが印加されている。また、LED30のアノードには、第3の電源電圧Vccが印加されている。
さらに、LED30が消灯されている場合、遅延回路20に入力される制御信号Vaは、ローレベルの信号となっている。
ここで、LED30を点灯させるために、時刻t=t0にハイレベルの制御信号Vaが入力されたとする。
すると、まず、制御信号Vaは遅延素子20aに入力され、遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t1に遅延素子20aから出力される。
【0028】
遅延素子20aから制御信号Vaが出力されると、スイッチ12a、インバータ13aおよび遅延素子20bに制御信号Vaが入力され、スイッチ12aがオンとなり、ミラー側トランジスタP2aがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタP2aのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I1が流れる。
即ち、時刻t=t1においては、接続点ND1を介してセンス側トランジスタN1に参照電流I5=I1が流れ、ミラー側トランジスタN2のドレイン電極とソース電極間には、センス側トランジスタN1の電流増幅率とミラー側トランジスタN2の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・I1)が流れる。
したがって、時刻t=t1において、LED30は、電流I6=βr・I1で駆動され、電流I1に対応する輝度で発光する。
【0029】
次に、遅延素子20aから出力された制御信号Vaが遅延素子20bに入力されると、遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t2に遅延素子20bから出力される。
遅延素子20bから制御信号Vaが出力されると、スイッチ12b、インバータ13bおよび遅延素子20cに制御信号Vaが入力され、スイッチ12bがオンとなり、ミラー側トランジスタP2bがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタP2bのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I2が流れる。
なお、このとき、ミラー側トランジスタP2aのソース電極とドレイン電極間には、引き続き駆動電流I1が流れている。
【0030】
即ち、時刻t=t2においては、接続点ND1を介してセンス側トランジスタN1のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1+I2が流れ、ミラー側トランジスタN2のドレイン電極とソース電極間には、センス側トランジスタN1の電流増幅率とミラー側トランジスタN2の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・(I1+I2))が流れる。
したがって、時刻t=t2において、LED30は、電流I6=βr・(I1+I2)で駆動され、電流I1+I2に対応する輝度で発光する。
次に、遅延素子20bから出力された制御信号Vaが遅延素子20cに入力されると、遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t3に遅延素子20cから出力される。
遅延素子20cから制御信号Vaが出力されると、スイッチ12c、インバータ13cおよび遅延素子20dに制御信号Vaが入力され、スイッチ12cがオンとなり、ミラー側トランジスタP2cがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタP2cのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I3が流れる。
【0031】
なお、このとき、ミラー側トランジスタP2aのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I1、ミラー側トランジスタP2bのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I2が引き続き流れている。
即ち、時刻t=t3においては、接続点ND1を介してセンス側トランジスタN1のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1+I2+I3が流れ、ミラー側トランジスタN2のソース電極とドレイン電極間には、センス側トランジスタN1の電流増幅率とミラー側トランジスタN2の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・(I1+I2+I3))が流れる。
したがって、時刻t=t2において、LED30は、電流I6=βr・(I1+I2+I3)で駆動され、電流I1+I2+I3に対応する輝度で発光する。
【0032】
次に、遅延素子20cから出力された制御信号Vaが遅延素子20dに入力されると、遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t4に遅延素子20dから出力される。
遅延素子20dから制御信号Vaが出力されると、スイッチ12dおよびインバータ13dに制御信号Vaが入力され、スイッチ12dがオンとなり、ミラー側トランジスタP2dがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタP2dのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I4が流れる。
なお、このとき、ミラー側トランジスタP2aのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I1、ミラー側トランジスタP2bのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I2、ミラー側トランジスタP2cのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I3が引き続き流れている。
【0033】
即ち、時刻t=t4においては、接続点ND1を介してセンス側トランジスタN1のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1+I2+I3+I4が流れ、ミラー側トランジスタN2のソース電極とドレイン電極間には、センス側トランジスタN1の電流増幅率とミラー側トランジスタN2の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・(I1+I2+I3+I4))が流れる。
したがって、時刻t=t2において、LED30は、電流I6=βr・(I1+I2+I3+I4)で駆動され、電流I1+I2+I3+I4に対応する輝度で発光する。
以上のように、本実施形態に係る電流駆動負荷制御回路1は、第1のカレントミラー回路10aのミラー側トランジスタが多段構成とされており、LED30を点灯させるための制御信号Vaが入力されると、遅延回路20が遅延時間Tずつ遅延させて、制御信号Vaを第1のカレントミラー回路10aのミラー側トランジスタP2a〜P2dに順次出力する。
【0034】
そのため、第1のカレントミラー回路10aのミラー側トランジスタP2a〜P2dが段階的にオンとなり、第1のカレントミラー回路10aの出力電流が段階的に増加する。
すると、第2のカレントミラー回路10bの入力電流が段階的に増加するため、第2のカレントミラー回路10bの出力電流(即ち、LED30の駆動電流)も段階的に増加する。
したがって、LED30に流れる駆動電流の時間当たりの電流変化量を低減することができ、隣接する信号線において電磁誘導が抑えられるため、隣接する信号線のノイズの発生を抑制することができる。
【0035】
なお、図2に示すタイミングチャートにおいて、波線で示した特性は、第1のカレントミラー回路10aのミラー側トランジスタを多段構成としない場合(即ち、一段の構成とした場合)におけるミラー側トランジスタN2の駆動電流I6の状態を示しており、この場合、LED30の駆動電流が急激に増加することとなる。
このように、本実施形態に係る電流駆動負荷制御回路1によれば、LED30の駆動開始/終了時におけるノイズの発生を抑制することが可能となる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る電流駆動負荷制御回路は、第1実施形態における電流駆動負荷制御回路1がLEDをシンク電流(電流駆動負荷制御回路からみてLEDの駆動電流を引き込む形式の電流)によって駆動しているのに対し、LEDをソース電流(電流駆動負荷制御回路からみてLEDに電流を押し込む形式の電流)によって駆動する構成である点が異なっている。
【0037】
(構成)
図3は、本発明の第2実施形態に係る電流駆動負荷制御回路2を示す図である。
図3において、電流駆動負荷制御回路2は、第1のカレントミラー回路110aと、第2のカレントミラー回路110bと、遅延回路120とを具備しており、第2のカレントミラー回路にLED130が接続されている。
第1のカレントミラー回路110aは、N型のMOSトランジスタからなるセンス側トランジスタN3と、定電流源111と、スイッチ112a〜112dと、インバータ113a〜113dと、N型のMOSトランジスタからなるミラー側トランジスタN4a〜N4dとを有している。
【0038】
センス側トランジスタN3は、第4の電源電圧Vssにソース電極が接続され、ゲート電極とドレイン電極が定電流源111に接続されている。
定電流源111は、高電位側の端子が第5の電源電圧Vddに、低電位側の端子がセンス側トランジスタN3のドレイン電極とゲート電極に接続され、第5の電源電圧Vddからセンス側トランジスタN3のドレイン電極に向かう一定の電流(電流I0とする。)を発生させる。
スイッチ112a〜112dは、定電流源111の低電位側の端子と、センス側トランジスタN3のドレイン電極とゲート電極を接続するノードと、ミラー側トランジスタN4a〜N4dそれぞれのゲート電極との間に設置され、遅延回路120を介してハイレベルの制御信号が入力されると、オン状態(導通状態)となる。
【0039】
具体的には、スイッチ112a〜112dは、P型のMOSトランジスタとN型のMOSトランジスタとを有するアナログスイッチによって構成されている。
そして、遅延回路120を介して入力されたハイレベルの制御信号はN型のMOSトランジスタのゲート電極(以下、「非反転制御端子」と言う。)に入力され、ハイレベルの制御信号を後述するインバータ113a〜113dによって反転したローレベルの制御信号がP型のMOSトランジスタのゲート電極(以下、「反転制御端子」と言う。)に入力される。
即ち、遅延回路120からスイッチ112a〜112dをオンとするためのハイレベルの制御信号が入力された場合、アナログスイッチを構成するN型のMOSトランジスタおよびP型のMOSトランジスタの両方がオンとなる。
なお、スイッチ112a〜112dそれぞれに入力される制御信号は、後述する遅延回路120の遅延素子120a〜120dによって、遅延時間Tずつ遅延されている。
【0040】
インバータ113a〜113dは、遅延回路120を介してスイッチ112a〜112dに入力される制御信号を反転し、反転した制御信号をスイッチ112a〜112dの反転制御端子に入力する。
ミラー側トランジスタN4a〜N4dは、第4の電源電圧Vssにソース電極が接続され、ゲート電極がスイッチ112a〜112dを介して定電流源111の低電位側の端子ならびに、センス側トランジスタN3のドレイン電極とゲート電極に接続されている。また、ミラー側トランジスタN4a〜N4dのドレイン電極は、接続点ND2を介して第2のカレントミラー回路110bにおける入力側のP型のMOSトランジスタ(センス側トランジスタP3)のドレイン電極に接続されている。
【0041】
また、ミラー側トランジスタN4aのゲート電極とスイッチ112aとの間には、N型のプルダウン用MOSトランジスタQ5のドレイン電極が接続されている。プルダウン用MOSトランジスタQ5は、ソース電極が第4の電源電圧Vssに接続され、ゲート電極がスイッチ112aの反転制御端子と接続されている。したがって、スイッチ112aの反転制御端子にハイレベルの信号が入力され、スイッチ112aがオフとなっているとき、プルダウン用MOSトランジスタQ5は導通状態となり、ミラー側トランジスタN4aのゲート電極の電位を第4の電源電圧Vssにプルダウンする。
【0042】
同様の構成で、ミラー側トランジスタN4b〜N4dのゲート電極とスイッチ112b〜112dとの間にも、それぞれプルダウン用MOSトランジスタQ6〜Q8が設置されており、スイッチ112b〜112dの反転制御端子にハイレベルの信号が入力され、スイッチ112b〜112dがオフとなっているとき、プルダウン用MOSトランジスタQ5〜Q8は導通状態となり、ミラー側トランジスタN4b〜N4dのゲート電極の電位を第4の電源電圧Vssにプルダウンする。
なお、ミラー側トランジスタN4aがオンとされた場合、ミラー側トランジスタN4aには駆動電流I1が流れるものとし、同様に、ミラー側トランジスタN4b〜N4dには、駆動電流I2〜I4が流れるものとする。
【0043】
第2のカレントミラー回路110bは、P型のMOSトランジスタからなるセンス側トランジスタP3と、P型のMOSトランジスタからなるミラー側トランジスタP4とを有している。
センス側トランジスタP3は、ドレイン電極が接続点ND2を介してミラー側トランジスタN4a〜N4dのドレイン電極に接続され、ゲート電極とドレイン電極とが接続されている。また、センス側トランジスタP3のソース電極は、第5の電源電圧Vddに接続されている。
このセンス側トランジスタP3は、接続点ND2を介して流れる電流とセンス側トランジスタP3のオン抵抗によって発生する電圧によりゲート電極が駆動されるため、ソース電極からドレイン電極に流れる電流量とゲート電圧との関係が平衡する状態で動作する。
【0044】
なお、センス側トランジスタP3に流れる駆動電流をI5とする。
ミラー側トランジスタP4は、ドレイン電極がLED30のアノードに接続され、ゲート電極がセンス側トランジスタP3のゲート電極に接続されている。また、ミラー側トランジスタP4のソース電極は、第5の電源電圧Vddに接続されている。
なお、ミラー側トランジスタP4に流れる駆動電流をI6とする。
遅延回路120は、入力信号を遅延して出力する第1〜第4の遅延素子120a〜120dを有している。
【0045】
第1の遅延素子120aには、スイッチ112a〜112dをオンとするための制御信号Vaが入力される。制御信号Vaは、外部のコントローラにより入力され、スイッチ112a〜112dをオンとする場合には、ハイレベルの信号が入力され、スイッチ112a〜112dをオフとする場合にはローレベルの信号が入力される。
そして、第1の遅延素子120aは、外部コンロトーラからの入力制御信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ112a、インバータ113aおよび第2の遅延素子120bに出力する。
第2の遅延素子120bは、第1の遅延素子120aの出力信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ112b、インバータ113bおよび第3の遅延素子120cに出力する。
【0046】
第3の遅延素子120cは、第2の遅延素子120bの出力信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ112c、インバータ113cおよび第4の遅延素子120dに出力する。
第4の遅延素子120dは、第3の遅延素子120cの出力信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ112dおよびインバータ113dに出力する。
LED130は、アノードが第2のカレントミラー回路110bにおけるミラー側トランジスタP4のドレイン電極に接続され、カソードが第6の電源電圧Vssに接続されている。
【0047】
(動作)
次に、動作を説明する。
図4は、電流駆動負荷制御回路2の動作を示すタイミングチャートである。
図4においては、時間に応じた制御信号Vaおよびミラー側トランジスタP4の駆動電流I6の状態変化を示している。
以下、図4を参照しつつ、電流駆動負荷制御回路2の動作を説明する。
なお、以下では、時刻t=0に至るまでの十分長い時間、外部のコントローラから入力される制御信号Vaはローレベルであったものとする。
【0048】
電流駆動負荷制御回路2において、第1のカレントミラー回路110aのセンス側トランジスタN3およびミラー側トランジスタN4a〜N4dの各ソース電極には第4の電源電圧Vssが印加され、定電流源111の上流側および第2のカレントミラー回路110bのセンス側トランジスタP3、ミラー側トランジスタP4の各ソース電極には、第5の電源電圧Vddが印加されている。また、LED130のカソードには、第6の電源電圧Vssが印加されている。
【0049】
さらに、LED130が消灯されている場合、遅延回路120に入力される制御信号Vaは、ローレベルの信号となっている。
ここで、LED130を点灯させるために、時刻t=t0にハイレベルの制御信号Vaが入力されたとする。
すると、まず、制御信号Vaは遅延素子120aに入力され、遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t1に遅延素子120aから出力される。
【0050】
遅延素子120aから制御信号Vaが出力されると、スイッチ112a、インバータ113aおよび遅延素子120bに制御信号Vaが入力され、スイッチ112aがオンとなり、ミラー側トランジスタN4aがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタN4aのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I1が流れる。
即ち、時刻t=t1においては、接続点ND2を介して、センス側トランジスタP3のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1が流れ、ミラー側トランジスタP4のソース電極とドレイン電極間には、センス側トランジスタP3の電流増幅率とミラー側トランジスタP4の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・I1)が流れる。
【0051】
したがって、時刻t=t1において、LED130は、電流I6=βr・I1で駆動され、電流I1に対応する輝度で発光する。
次に、遅延素子120aから出力された制御信号Vaが遅延素子120bに入力されると、遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t2に遅延素子120bから出力される。
遅延素子120bから制御信号Vaが出力されると、スイッチ112b、インバータ113bおよび遅延素子120cに制御信号Vaが入力され、スイッチ112bがオンとなり、ミラー側トランジスタN4bがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタN4bのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I2が流れる。
【0052】
なお、このとき、ミラー側トランジスタN4aのソース電極とドレイン電極間には、引き続き駆動電流I1が流れている。
即ち、時刻t=t2においては、接続点ND2を介して、センス側トランジスタP3のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1+I2が流れ、ミラー側トランジスタP4のソース電極とドレイン電極間には、センス側トランジスタP3の電流増幅率とミラー側トランジスタP4の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・(I1+I2))が流れる。
したがって、時刻t=t2において、LED130は、電流I6=βr・(I1+I2)で駆動され、電流I1+I2に対応する輝度で発光する。
【0053】
次に、遅延素子120bから出力された制御信号Vaが遅延素子120cに入力されると、遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t3に遅延素子120cから出力される。
遅延素子120cから制御信号Vaが出力されると、スイッチ112c、インバータ113cおよび遅延素子120dに制御信号Vaが入力され、スイッチ112cがオンとなり、ミラー側トランジスタN4cがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタN4cのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I3が流れる。
なお、このとき、ミラー側トランジスタN4aのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I1、ミラー側トランジスタN4bのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I2が引き続き流れている。
【0054】
即ち、時刻t=t3においては、接続点ND2を介して、センス側トランジスタP3のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1+I2+I3が流れ、ミラー側トランジスタP4のソース電極とドレイン電極間には、センス側トランジスタP3の電流増幅率とミラー側トランジスタP4の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・(I1+I2+I3))が流れる。
したがって、時刻t=t2において、LED130は、電流I6=βr・(I1+I2+I3)で駆動され、電流I1+I2+I3に対応する輝度で発光する。
【0055】
次に、遅延素子120cから出力された制御信号Vaが遅延素子120dに入力されると、遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t4に遅延素子120dから出力される。
遅延素子120dから制御信号Vaが出力されると、スイッチ112cおよびインバータ113cに制御信号Vaが入力され、スイッチ112dがオンとなり、ミラー側トランジスタN4dがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタN4dのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I4が流れる。
なお、このとき、ミラー側トランジスタN4aのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I1、ミラー側トランジスタN4bのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I2、ミラー側トランジスタN4cのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I3が引き続き流れている。
【0056】
即ち、時刻t=t4においては、接続点ND2を介して、センス側トランジスタP3のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1+I2+I3+I4が流れ、ミラー側トランジスタP4のソース電極とドレイン電極間には、センス側トランジスタP3の電流増幅率とミラー側トランジスタP4の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・(I1+I2+I3+I4))が流れる。
したがって、時刻t=t2において、LED130は、電流I6=βr・(I1+I2+I3+I4)で駆動され、電流I1+I2+I3+I4に対応する輝度で発光する。
【0057】
以上のように、本実施形態に係る電流駆動負荷制御回路2は、第1のカレントミラー回路110aのミラー側トランジスタが多段構成とされており、LED130を点灯させるための制御信号Vaが入力されると、遅延回路120が遅延時間Tずつ遅延させて、制御信号Vaを第1のカレントミラー回路110aのミラー側トランジスタN4a〜N4dに順次出力する。
そのため、第1のカレントミラー回路110aのミラー側トランジスタN4a〜N4dが段階的にオンとなり、第1のカレントミラー回路110aの出力電流が段階的に増加する。
すると、第2のカレントミラー回路110bの入力電流が段階的に増加するため、第2のカレントミラー回路110bの出力電流(即ち、LED130の駆動電流)も段階的に増加する。
【0058】
したがって、LED130に流れる駆動電流の時間当たりの電流変化量を低減することができ、隣接する信号線において電磁誘導が抑えられるため、隣接する信号線のノイズの発生を抑制することができる。
なお、図4に示すタイミングチャートにおいて、波線で示した特性は、第1のカレントミラー回路110aのミラー側トランジスタを多段構成としない場合(即ち、一段の構成とした場合)におけるミラー側トランジスタN2の駆動電流I6の状態を示しており、この場合、LED130の駆動電流が急激に増加することとなる。
このように、本実施形態に係る電流駆動負荷制御回路1によれば、LED130の駆動開始/終了時におけるノイズの発生を抑制することが可能となる。
【0059】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係る電流駆動負荷制御回路は、第1実施形態における電流駆動負荷制御回路1に対し、第1のカレントミラー回路10aの最大出力電流を変更可能な構成を有する点が異なっている。
【0060】
(構成)
図5は、本発明の第3実施形態に係る電流駆動負荷制御回路3を示す図である。
図5において、電流駆動負荷制御回路3は、第1のカレントミラー回路210aと、第2のカレントミラー回路210bと、遅延回路220とを具備しており、第2のカレントミラー回路にLED230が接続されている。
第1のカレントミラー回路210aは、P型のMOSトランジスタからなるセンス側トランジスタP5と、定電流源211と、スイッチ212a〜212dと、インバータ213a〜213dと、P型のMOSトランジスタからなるミラー側トランジスタP6a〜P6dとを有している。
【0061】
センス側トランジスタP5は、第1の電源電圧Vddにソース電極が接続され、ゲート電極とドレイン電極が定電流源211に接続されている。
定電流源211は、高電位側の端子がセンス側トランジスタP5のドレイン電極とゲート電極に、低電位側の端子が第2の電源電圧Vssとに接続され、センス側トランジスタP5のドレイン電極から第2の電源電圧Vssに向かう一定の電流(電流I0とする。)を発生させる。
スイッチ212a〜212dは、定電流源211の低電位側の端子と、センス側トランジスタP5のドレイン電極とゲート電極を接続するノードと、ミラー側トランジスタP6a〜P6dそれぞれのゲート電極との間に設置され、遅延回路220を介してハイレベルの制御信号が入力されると、オン状態(導通状態)となる。
【0062】
具体的には、スイッチ212a〜212dは、P型のMOSトランジスタとN型のMOSトランジスタとを有するアナログスイッチによって構成されている。
そして、遅延回路220を介して入力されたハイレベルの制御信号はN型のMOSトランジスタのゲート電極(以下、「非反転制御端子」と言う。)に入力され、ハイレベルの制御信号を後述するインバータ213a〜213dによって反転したローレベルの制御信号がP型のMOSトランジスタのゲート電極(以下、「反転制御端子」と言う。)に入力される。
【0063】
即ち、遅延回路220からスイッチ212a〜212dをオンとするためのハイレベルの制御信号が入力された場合、アナログスイッチを構成するN型のMOSトランジスタおよびP型のMOSトランジスタの両方がオンとなる。
なお、スイッチ212a〜212dそれぞれに入力される制御信号は、後述する遅延回路220の遅延素子220a〜220dによって、遅延時間Tずつ遅延されている。
インバータ213a〜213dは、遅延回路220を介してスイッチ212a〜212dに入力される制御信号を反転し、反転した制御信号をスイッチ212a〜212dの反転制御端子に入力する。
【0064】
ミラー側トランジスタP6a〜P6dは、第1の電源電圧Vddにソース電極が接続され、ゲート電極がスイッチ212a〜212dを介して定電流源211の高電位側の端子ならびに、センス側トランジスタP5のソース電極とゲート電極に接続されている。また、ミラー側トランジスタP6a〜P6dのドレイン電極は、接続点ND3を介して第2のカレントミラー回路210bにおける入力側のN型のMOSトランジスタ(センス側トランジスタN5)のドレイン電極とゲート電極に接続されている。
【0065】
また、ミラー側トランジスタP6aのゲート電極とスイッチ212aとの間には、P型のプルアップ用MOSトランジスタQ9のドレイン電極が接続されている。プルアップ用MOSトランジスタQ9は、ソース電極が第1の電源電圧Vddに接続され、ゲート電極がスイッチ212aの非反転制御端子と接続されている。したがって、スイッチ212aの非反転制御端子にローレベルの信号が入力され、スイッチ212aがオフとなっているとき、プルアップ用MOSトランジスタQ9は導通状態となり、ミラー側トランジスタP6aのゲート電極の電位を第1の電源電圧Vddにプルアップする。これにより、スイッチ212aがオフのとき、ミラー側トランジスタP6aは確実に非導通状態となる。
【0066】
同様の構成で、ミラー側トランジスタP6b〜P6dのゲート電極とスイッチ212b〜212dとの間にも、それぞれプルアップ用MOSトランジスタQ10〜Q12が設置されており、スイッチ212b〜212dの非反転制御端子にローレベルの信号が入力され、スイッチ212b〜212dがオフとなっているとき、プルアップ用MOSトランジスタQ10〜Q12は導通状態となり、ミラー側トランジスタP2b〜P2dのゲート電極の電位を第1の電源電圧Vddにプルアップする。これにより、スイッチ212b〜212dがオフのとき、ミラー側トランジスタP6b〜P6dは確実に非導通状態となる。
【0067】
なお、ミラー側トランジスタP6aがオンとされた場合、ミラー側トランジスタP6aには駆動電流I1が流れるものとし、同様に、ミラー側トランジスタP6b〜P6dには、駆動電流I2〜I4が流れるものとする。
第2のカレントミラー回路210bは、N型のMOSトランジスタからなるセンス側トランジスタN5と、N型のMOSトランジスタからなるミラー側トランジスタN6とを有している。
センス側トランジスタN5は、ドレイン電極が接続点ND3を介してミラー側トランジスタP6a〜P6dのドレイン電極に接続され、ゲート電極とドレイン電極とが接続されている。また、センス側トランジスタN5のソース電極は、第2の電源電圧Vssに接続されている。
【0068】
このセンス側トランジスタN5は、接続点ND3を介して流れる電流とセンス側トランジスタN5のオン抵抗によって発生する電圧によりゲート電極が駆動されるため、ドレイン電極からソース電極に流れる電流量とゲート電圧との関係が平衡する状態で動作する。
なお、センス側トランジスタN5に流れる駆動電流をI5とする。
ミラー側トランジスタN6は、ドレイン電極がLED230のカソードに接続され、ゲート電極がセンス側トランジスタN5のゲート電極に接続されている。また、ミラー側トランジスタN6のソース電極は、第2の電源電圧Vssに接続されている。
なお、ミラー側トランジスタN6に流れる駆動電流をI6とする。
【0069】
遅延回路220は、入力信号を遅延して出力する第1〜第4の遅延素子220a〜220dと、第1〜第4のAND回路221a〜221dとを有している。なお、遅延回路220には、外部のコントローラから、スイッチ212a〜212dをオンとするための制御信号Vaと、LED230の駆動電流の最大値を制御するための制御信号Vb(各1ビットの制御信号Vb1〜Vb4からなる制御信号)が入力される。
第1のAND回路221aには、スイッチ212a〜212dをオンとするための制御信号Vaと、LED230の駆動電流の最大値を制御するための制御信号Vb1とが入力される。
【0070】
制御信号Vaは、外部のコントローラにより入力され、スイッチ212a〜212dをオンとする場合にはハイレベルの信号が入力され、スイッチ212a〜212dをオフとする場合にはローレベルの信号が入力される。
制御信号Vb1は、外部のコントローラにより入力され、ミラー側トランジスタP6aのオン/オフを制御するために入力され、制御信号Vb1がハイレベルである場合、制御信号Vaがハイレベルであれば、第1のAND回路221aは、ハイレベルの制御信号を第1の遅延素子220aに出力し、制御信号Vb1がローレベルである場合、制御信号Vaの値によらずローレベルを出力する。
【0071】
第1の遅延素子220aには、第1のAND回路221aの出力信号が入力される。
そして、第1の遅延素子220aは、第1のAND回路221aの出力信号が入力されると、入力された制御信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ212a、インバータ213aおよび第2のAND回路221bに出力する。
第2のAND回路221bには、第1の遅延素子220aの出力信号と、LED230の駆動電流の最大値を制御するための制御信号Vb2とが入力される。
制御信号Vb2は、外部のコントローラにより入力され、ミラー側トランジスタP6bのオン/オフを制御するために入力され、制御信号Vb2がハイレベルである場合、第1の遅延素子220aの出力信号がハイレベルであれば、第2のAND回路221bは、ハイレベルの制御信号を第2の遅延素子220bに出力し、制御信号Vb2がローレベルである場合、第1の遅延素子220aの出力信号の値によらずローレベルを出力する。
【0072】
第2の遅延素子220bには、第2のAND回路221bの出力信号が入力される。
そして、第2の遅延素子220bは、第2のAND回路221bの出力信号が入力されると、入力された制御信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ212b、インバータ213bおよび第3のAND回路221cに出力する。
第3のAND回路221cには、第2の遅延素子220bの出力信号と、LED230の駆動電流の最大値を制御するための制御信号Vb3とが入力される。
制御信号Vb3は、外部のコントローラにより入力され、ミラー側トランジスタP6cのオン/オフを制御するために入力され、制御信号Vb3がハイレベルである場合、第2の遅延素子220bの出力信号がハイレベルであれば、第3のAND回路221cは、ハイレベルの制御信号を第3の遅延素子220cに出力し、制御信号Vb3がローレベルである場合、第2の遅延素子220bの出力信号の値によらずローレベルを出力する。
【0073】
第3の遅延素子220cには、第3のAND回路221cの出力信号が入力される。
そして、第3の遅延素子220cは、第3のAND回路221cの出力信号が入力されると、入力された制御信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ212c、インバータ213cおよび第4のAND回路221dに出力する。
第4のAND回路221dには、第3の遅延素子220cの出力信号と、LED230の駆動電流の最大値を制御するための制御信号Vb4とが入力される。
制御信号Vb4は、外部のコントローラにより入力され、ミラー側トランジスタP6dのオン/オフを制御するために入力され、制御信号Vb4がハイレベルである場合、第3の遅延素子220cの出力信号がハイレベルであれば、第4のAND回路221dは、ハイレベルの制御信号を第4の遅延素子220dに出力し、制御信号Vb4がローレベルである場合、第3の遅延素子220cの出力信号の値によらずローレベルを出力する。
【0074】
第4の遅延素子220dには、第4のAND回路221dの出力信号が入力される。
そして、第4の遅延素子220dは、第4のAND回路221dの出力信号が入力されると、入力された制御信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ212dおよびインバータ213dに出力する。
LED230は、アノードが第3の電源電圧Vccに接続され、カソードが第2のカレントミラー回路210bにおけるミラー側トランジスタN6のドレイン電極に接続されている。
【0075】
(動作)
次に、動作を説明する。
図6は、電流駆動負荷制御回路3の動作を示すタイミングチャートである。
図6においては、4ビットの制御信号Vb、時間に応じた制御信号Vaおよびミラー側トランジスタN6の駆動電流I6の状態変化を示している。
以下、図6を参照しつつ、電流駆動負荷制御回路3の動作を説明する。
なお、以下では、時刻t=0に至るまでの十分長い時間、外部のコントローラから入力される制御信号Vaはローレベルであったものとし、制御信号Vb1〜Vb4はt=0に至るまでの間、さらには本発明の回路の動作が安定するまでの間、変化がないものとする。
【0076】
電流駆動負荷制御回路3において、第1のカレントミラー回路210aのセンス側トランジスタP5およびミラー側トランジスタP6a〜P6dの各ソース電極には第1の電源電圧Vddが印加され、定電流源211の低電位側の端子および第2のカレントミラー回路210bのセンス側トランジスタN5、ミラー側トランジスタN6の各ソース電極には、第2の電源電圧Vssが印加されている。また、LED230のアノードには、第3の電源電圧Vccが印加されている。
【0077】
さらに、LED230が消灯されている場合、遅延回路220に入力される制御信号Vaがローレベルの信号であるか、制御信号Vb1がローレベルとなっている。
外部から入力されるハイレベルの制御信号Vaが第1のAND回路221aに入力され、かつ、外部から入力される制御信号Vb1がハイレベルであれば、第1のAND回路221aからハイレベルの制御信号が第1の遅延素子220aに出力される。すなわち、第1のAND回路221aのハイレベルの出力信号が、第1の遅延素子220aによって遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t1に第1の遅延素子220aから出力される。
【0078】
第1の遅延素子220aからハイレベルの制御信号が出力されると、スイッチ212a、インバータ213aおよび第2のAND回路221bにその制御信号が入力され、スイッチ212aがオンとなり、ミラー側トランジスタP6aがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタP6aのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I1が流れる。
即ち、時刻t=t1においては、接続点ND3を介してセンス側トランジスタN5のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1が流れ、ミラー側トランジスタN6のソース電極とドレイン電極間には、センス側トランジスタN5の電流増幅率とミラー側トランジスタN6の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・I1)が流れる。
【0079】
したがって、時刻t=t1において、LED230は、電流I6=βr・I1で駆動され、電流I1に対応する輝度で発光する。
一方、外部から入力される制御信号Vb1がローレベルであると、第1のAND回路221aの出力信号はローレベルから遷移せず、時刻t=t1になっても第1の遅延素子222aの出力はローレベルを維持し続け、結果、ミラー側トランジスタP6aは遮断状態であり、ソース電極とドレイン電極間に電流は流れず、LED230は駆動されない。
更に、第1のAND回路221aの出力信号がローレベルを維持し続け、第2、第3、第4のAND回路221b〜221dと遅延回路220b〜220dの出力はローレベルのままとなり、結果、ミラー側トランジスタP6b〜P6dは遮断状態を維持するため、それぞれのトランジスタのソース電極とドレイン電極間に電流は流れず、LED230は駆動されない。
【0080】
次に、第1の遅延素子220aのハイレベルの出力信号が第2のAND回路221bに入力され、かつ、外部から入力される制御信号Vb2がハイレベルであれば、第2のAND回路221bからハイレベルの制御信号が第2の遅延素子220bに出力される。すなわち、第2のAND回路221bのハイレベルの出力信号が、第2の遅延素子220bによって遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t2に第2の遅延素子220bから出力される。
第2の遅延素子220bからハイレベルの制御信号が出力されると、スイッチ212b、インバータ213bおよび第3のAND回路221cにその制御信号が入力され、スイッチ212bがオンとなり、ミラー側トランジスタP6bがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタP6bのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I2が流れる。
なお、このとき、ミラー側トランジスタP6aのソース電極とドレイン電極間には、引き続き駆動電流I1が流れている。
【0081】
即ち、時刻t=t2においては、接続点ND3を介してセンス側トランジスタN5のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1+I2が流れ、ミラー側トランジスタN6のソース電極とドレイン電極間には、センス側トランジスタN5の電流増幅率とミラー側トランジスタN6の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・(I1+I2))が流れる。
したがって、時刻t=t2において、LED230は、電流I6=βr・(I1+I2)で駆動され、電流I1+I2に対応する輝度で発光する。
一方、外部から入力される制御信号Vb2がローレベルであると、第2のAND回路221bの出力信号はローレベルから遷移せず、時刻t=t2になっても第2の遅延素子222bの出力はローレベルを維持し続け、結果ミラー側トランジスタP6bは遮断状態であり、ソース電極とドレイン電極間に電流は流れない。
【0082】
更に、第2のAND回路221bの出力信号がローレベルであるため、第3、第4のAND回路221c〜221dと遅延回路220c〜220dの出力はローレベルを維持し続け、結果、ミラー側トランジスタP6c〜P6dは遮断状態を維持するため、それぞれのトランジスタのソース電極とドレイン電極間に電流は流れず、LED230の駆動電流の最大値は電流I6=βr・I1に制御されることとなる。
次に、第2の遅延素子220bのハイレベルの出力信号が第3のAND回路221cに入力され、かつ、外部から入力される制御信号Vb3がハイレベルであれば、第3のAND回路221cからハイレベルの制御信号が第3の遅延素子220cに出力される。すなわち、第3のAND回路221cのハイレベルの出力信号が、第3の遅延素子220cによって遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t3に第3の遅延素子220cから出力される。
【0083】
第3の遅延素子220cからハイレベルの制御信号が出力されると、スイッチ212c、インバータ213cおよび第4のAND回路221dにその制御信号が入力され、スイッチ212cがオンとなり、ミラー側トランジスタP6cがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタP6cのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I2が流れる。
なお、このとき、ミラー側トランジスタP6aのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I1、ミラー側トランジスタP6bのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I2が引き続き流れている。
即ち、時刻t=t3においては、接続点ND3を介してセンス側トランジスタN5のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1+I2+I3が流れ、ミラー側トランジスタN6のソース電極とドレイン電極間には、センス側トランジスタN5の電流増幅率とミラー側トランジスタN6の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・(I1+I2+I3))が流れる。
【0084】
したがって、時刻t=t3において、LED230は、電流I6=βr・(I1+I2+I3)で駆動され、電流I1+I2+I3に対応する輝度で発光する。
一方、外部から入力される制御信号Vb3がローレベルであると、第3のAND回路221cの出力信号はローレベルから遷移せず、時刻t=t3になっても第3の遅延素子222cの出力はローレベルを維持し続け、結果ミラー側トランジスタP6cは遮断状態であり、ソース電極とドレイン電極間に電流は流れない。
更に、第3のAND回路221cの出力信号がローレベルであるため、第4のAND回路221dと遅延回路220dの出力はローレベルを維持し続け、結果、ミラー側トランジスタP6dは遮断状態を維持するため、このトランジスタのソース電極とドレイン電極間に電流は流れず、LED230の駆動電流の最大値は電流I6=βr・(I1+I2)に制御されることとなる。
【0085】
次に、第3の遅延素子220cのハイレベルの出力信号が第4のAND回路221dに入力され、かつ、外部から入力される制御信号Vb4がハイレベルであれば、第4のAND回路221dからハイレベルの制御信号が第4の遅延素子220dに出力される。すなわち、第4のAND回路221dのハイレベルの出力信号が、第4の遅延素子220dによって遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t4に第4の遅延素子220dから出力される。
第4のAND回路221dからハイレベルの制御信号が出力されると、スイッチ212dおよびインバータ213dにその制御信号が入力され、スイッチ212dがオンとなり、ミラー側トランジスタP6dがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタP6dのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I4が流れる。
【0086】
なお、このとき、ミラー側トランジスタP6aのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I1、ミラー側トランジスタP6bのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I2、ミラー側トランジスタP6cのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I3が引き続き流れている。
即ち、時刻t=t4においては、接続点ND3を介してセンス側トランジスタN5のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1+I2+I3+I4が流れ、ミラー側トランジスタN6のソース電極とドレイン電極間には、センス側トランジスタN5の電流増幅率とミラー側トランジスタN6の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・(I1+I2+I3+I4))が流れる。
【0087】
したがって、時刻t=t4において、LED230は、電流I6=βr・(I1+I2+I3+I4)で駆動され、電流I1+I2+I3+I4に対応する輝度で発光する。
一方、外部から入力される制御信号Vb4がローレベルであると、第4のAND回路221dの出力信号はローレベルから遷移せず、時刻t=t4になっても第4の遅延素子222dの出力はローレベルを維持し続け、結果ミラー側トランジスタP6cは遮断状態であり、ソース電極とドレイン電極間に電流は流れず、LED230の駆動電流の最大値は電流I6=βr・(I1+I2+I3)に制御されることとなる。
【0088】
以上のように、本実施形態に係る電流駆動負荷制御回路3は、第1のカレントミラー回路210aのミラー側トランジスタが多段構成とされており、LED230を点灯させるためのハイレベルの制御信号Vaが入力されると、遅延回路220が遅延時間Tずつ遅延させて、ハイレベル制御信号を第1のカレントミラー回路210aのミラー側トランジスタP6a〜P6dに順次出力する。
このとき、遅延回路220のAND回路221a〜221dに入力される制御信号Vb1〜Vb4によって、ミラー側トランジスタP6a〜P6dのいずれまでをオンとするかが制御されることにより、第1のカレントミラー回路210aの出力電流の最大値(最大出力電流)が変更可能とされている。
【0089】
そのため、第1のカレントミラー回路210aにおけるミラー側トランジスタP6a〜P6dのうち、制御信号Vbによってオンとなるように制御されたミラー側トランジスタが段階的にオンとなり、第1のカレントミラー回路210aの出力電流が制御信号Vbによって制御される最大出力電流まで段階的に増加する。
すると、第2のカレントミラー回路210bの入力電流が上記最大出力電流に対応する値まで段階的に増加するため、第2のカレントミラー回路210bの出力電流(即ち、LED230の駆動電流)も上記最大出力電流に対応する値まで段階的に増加する。
したがって、LED230に流れる駆動電流を、最大値を制御可能としつつ、時間当たりの電流変化量を低減することができ、隣接する信号線において電磁誘導が抑えられるため、隣接する信号線のノイズの発生を抑制することができる。
【0090】
なお、図6に示すタイミングチャートにおいて、一点鎖線で示した特性は、第1のカレントミラー回路210aのミラー側トランジスタP6dまでを制御信号Vbによってオンとする場合におけるミラー側トランジスタN6の駆動電流I6の状態を示している。図6において、実線で示すように、例えば、第1のカレントミラー回路210aのミラー側トランジスタP6a〜P6cまでをオンとする(即ち、ミラー側トランジスタP6dをマスクする)ことで、LED230の駆動電流の最大値を一段分、減少させることができる。
【0091】
また、図6に示すタイミングチャートにおいて、波線で示した特性は、第1のカレントミラー回路210aのミラー側トランジスタP6a〜P6cを制御信号Vbによってオンとした場合に、ミラー側トランジスタP6a〜P6cを多段構成としない場合(即ち、一段の構成とした場合)におけるミラー側トランジスタN6の駆動電流I6の状態を示しており、この場合、LED230の駆動電流が最大値まで急激に増加することとなる。
このように、本実施形態に係る電流駆動負荷制御回路3によれば、LED230の駆動開始/終了時におけるノイズの発生を抑制することが可能となる。
【0092】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係る電流駆動負荷制御回路は、第2実施形態における電流駆動負荷制御回路2に対し、第1のカレントミラー回路110aの最大出力電流を変更可能な構成を有する点が異なっている。
【0093】
(構成)
図7は、本発明の第4実施形態に係る電流駆動負荷制御回路4を示す図である。
図7において、電流駆動負荷制御回路4は、第1のカレントミラー回路310aと、第2のカレントミラー回路310bと、遅延回路320とを具備しており、第2のカレントミラー回路にLED330が接続されている。
第1のカレントミラー回路310aは、N型のMOSトランジスタからなるセンス側トランジスタN7と、定電流源311と、スイッチ312a〜312dと、インバータ313a〜313dと、N型のMOSトランジスタからなるミラー側トランジスタN8a〜N8dとを有している。
【0094】
センス側トランジスタN7は、第4の電源電圧Vssにソース電極が接続され、ゲート電極とドレイン電極とが、定電流源311に接続されている。
定電流源311は、高電位側の端子が第5の電源電圧Vddに、低電位側の端子がセンス側トランジスタN7のドレイン電極とゲート電極とに接続され、第5の電源電圧Vddからセンス側トランジスタN7のドレイン電極に向かう一定の電流(電流I0とする。)を発生させる。
スイッチ312a〜312dは、定電流源311の低電位側の端子と、センス側トランジスタN7のドレイン電極とゲート電極とを接続するノードと、ミラー側トランジスタN8a〜N8dそれぞれのゲート電極との間に設置され、遅延回路320を介してハイレベルの制御信号が入力されると、オン状態(導通状態)となる。
【0095】
具体的には、スイッチ312a〜312dは、P型のMOSトランジスタとN型のMOSトランジスタとを有するアナログスイッチによって構成されている。
そして、遅延回路320を介して入力されたハイレベルの制御信号はN型のMOSトランジスタのゲート電極(以下、「非反転制御端子」と言う。)に入力され、ハイレベルの制御信号を後述するインバータ313a〜313dによって反転したローレベルの制御信号がP型のMOSトランジスタのゲート電極(以下、「反転制御端子」と言う。)に入力される。
即ち、遅延回路320からスイッチ312a〜312dをオンとするためのハイレベルの制御信号が入力された場合、アナログスイッチを構成するN型のMOSトランジスタおよびP型のMOSトランジスタの両方がオンとなる。
なお、スイッチ312a〜312dそれぞれに入力される制御信号は、後述する遅延回路320の遅延素子320a〜320dによって、遅延時間Tずつ遅延されている。
【0096】
インバータ313a〜313dは、遅延回路320を介してスイッチ312a〜312dに入力される制御信号を反転し、反転した制御信号をスイッチ312a〜312dの反転制御端子に入力する。
ミラー側トランジスタN8a〜N8dは、第4の電源電圧Vssにソース電極が接続され、ゲート電極がスイッチ312a〜312dを介して定電流源311の低電位側の端子ならびに、センス側トランジスタN7のドレイン電極とゲート電極とに接続されている。また、ミラー側トランジスタN8a〜N8dのドレイン電極は、接続点ND4を介して第2のカレントミラー回路310bにおけるセンス側のP型のMOSトランジスタP7のドレイン電極とゲート電極とに接続されている。
【0097】
また、ミラー側トランジスタN8aのゲート電極とスイッチ312aとの間には、N型のプルダウン用MOSトランジスタQ13のドレイン電極が接続されている。プルアップ用MOSトランジスタQ13は、ソース電極が第4の電源電圧Vssに接続され、ゲート電極がスイッチ312aの反転制御端子と接続されている。したがって、スイッチ312aの反転制御端子にハイレベルの信号が入力され、スイッチ312aがオフとなっているとき、プルアップ用MOSトランジスタQ13は導通状態となり、ミラー側トランジスタN8aのゲート電極の電位を第4の電源電圧Vssにプルダウンする。
【0098】
同様の構成で、ミラー側トランジスタN8b〜N8dのゲート電極とスイッチ312b〜312dとの間にも、それぞれプルダウン用MOSトランジスタQ14〜Q16が設置されており、スイッチ312b〜312dの反転制御端子にハイレベルの信号が入力され、スイッチ312b〜312dがオフとなっているとき、プルダウン用MOSトランジスタQ14〜Q16は導通状態となり、ミラー側トランジスタN4b〜N4dのゲート電極の電位を第4の電源電圧Vssにプルダウンする。
なお、ミラー側トランジスタN8aがオンとされた場合、ミラー側トランジスタN8aには駆動電流I1が流れるものとし、同様に、ミラー側トランジスタN8b〜N8dには、駆動電流I2〜I4が流れるものとする。
【0099】
第2のカレントミラー回路310bは、P型のMOSトランジスタからなるセンス側トランジスタP7と、P型のMOSトランジスタからなるミラー側トランジスタP8とを有している。
センス側トランジスタN7は、ドレイン電極とゲート電極とがともに接続点ND4を介してミラー側トランジスタN8a〜N8dのドレイン電極に接続されている。また、センス側トランジスタP7のソース電極は、第5の電源電圧Vddに接続されている。
このセンス側トランジスタP7は、接続点ND4を介して流れる電流とセンス側トランジスタP7のオン抵抗によって発生する電圧によりゲート電極が駆動されるため、ソース電極からドレイン電極に流れる電流量とゲート電圧との関係が平衡する状態で動作する。
【0100】
なお、センス側トランジスタP7に流れる駆動電流をI5とする。
ミラー側トランジスタP8は、ドレイン電極がLED330のアノードに接続され、ゲート電極がセンス側トランジスタP7のゲート電極に接続されている。また、ミラー側トランジスタP8のソース電極は、第5の電源電圧Vddに接続されている。
なお、ミラー側トランジスタP8に流れる駆動電流をI6とする。
遅延回路320は、入力信号を遅延して出力する第1〜第4の遅延素子320a〜320dと、第1〜第4のAND回路321a〜321dとを有している。なお、遅延回路320には、外部のコントローラから、スイッチ312a〜312dをオンとするための制御信号Vaと、LED330の駆動電流の最大値を制御するための制御信号Vb(各1ビットの制御信号Vb1〜Vb4からなる制御信号)が入力される。
【0101】
第1のAND回路321aには、スイッチ312a〜312dをオンとするための制御信号Vaと、LED330の駆動電流の最大値を制御するための制御信号Vb1とが入力される。
制御信号Vaは、外部のコントローラにより入力され、スイッチ312a〜312dをオンとする場合にはハイレベルの信号が入力され、スイッチ312a〜312dをオフとする場合にはローレベルの信号が入力される。
制御信号Vb1は、外部のコントローラにより入力され、ミラー側トランジスタN8aのオン/オフを制御するために入力され、制御信号Vb1がハイレベルである場合、制御信号Vaがハイレベルであれば、第1のAND回路321aは、ハイレベルの制御信号を第1の遅延素子320aに出力し、制御信号Vb1がローレベルである場合、制御信号Vaの値によらずローレベルを出力する。
【0102】
第1の遅延素子320aには、第1のAND回路321aの出力信号が入力される。
そして、第1の遅延素子320aは、第1のAND回路321aの出力信号が入力されると、入力された制御信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ312a、インバータ313aおよび第2のAND回路321bに出力する。
第2のAND回路321bには、第1の遅延素子320aの出力信号と、LED330の駆動電流の最大値を制御するための制御信号Vb2とが入力される。
制御信号Vb2は、外部のコントローラにより入力され、ミラー側トランジスタN8bのオン/オフを制御するために入力され、制御信号Vb2がハイレベルである場合、第1の遅延素子320aの出力信号がハイレベルであれば、第2のAND回路321bは、ハイレベルの制御信号を第2の遅延素子320bに出力し、制御信号Vb2がローレベルである場合、第1のAND回路321aの出力信号の値によらずローレベルを出力する。
【0103】
第2の遅延素子320bには、第2のAND回路321bの出力信号が入力される。
そして、第2の遅延素子320bは、第2のAND回路321bの出力信号が入力されると、入力された制御信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ312b、インバータ313bおよび第3のAND回路321cに出力する。
第3のAND回路321cには、第2の遅延素子320bの出力信号と、LED330の駆動電流の最大値を制御するための制御信号Vb3とが入力される。
制御信号Vb3は、外部のコントローラにより入力され、ミラー側トランジスタN8cのオン/オフを制御するために入力され、制御信号Vb3がハイレベルである場合、第2の遅延素子320bの出力信号がハイレベルであれば、第3のAND回路321cは、ハイレベルの制御信号を第3の遅延素子320cに出力し、制御信号Vb3がローレベルである場合、第2のAND回路321bの出力信号の値によらずローレベルを出力する。
【0104】
第3の遅延素子320cには、第3のAND回路321cの出力信号が入力される。
そして、第3の遅延素子320cは、第3のAND回路321cの出力信号が入力されると、入力された制御信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ312c、インバータ313cおよび第4のAND回路321dに出力する。
第4のAND回路321dには、第3の遅延素子320cの出力信号と、LED330の駆動電流の最大値を制御するための制御信号Vb4とが入力される。
制御信号Vb4は、外部のコントローラにより入力され、ミラー側トランジスタN8dのオン/オフを制御するために入力され、制御信号Vb4がハイレベルである場合、第3の遅延素子320cの出力信号がハイレベルであれば、第4のAND回路321dは、ハイレベルの制御信号を第4の遅延素子320dに出力し、制御信号Vb4がローレベルである場合、第3のAND回路321cの出力信号の値によらずローレベルを出力する。
【0105】
第4の遅延素子320dには、第4のAND回路321dの出力信号が入力される。
そして、第4の遅延素子320dは、第4のAND回路321dの制御信号が入力されると、入力された制御信号を遅延時間Tだけ遅延して、スイッチ312d、インバータ313dに出力する。
LED330は、アノードが第2のカレントミラー回路310bにおけるミラー側トランジスタP8のドレイン電極に接続され、カソードが第6の電源電圧Vccに接続されている。
【0106】
(動作)
次に、動作を説明する。
図8は、電流駆動負荷制御回路4の動作を示すタイミングチャートである。
図8においては、4ビットの制御信号Vb、時間に応じた制御信号Vaおよびミラー側トランジスタP8の駆動電流I6の状態変化を示している。
以下、図8を参照しつつ、電流駆動負荷制御回路4の動作を説明する。
なお、以下では、時刻t=0に至るまでの十分長い時間、外部のコントローラから入力される制御信号Vaはローレベルであったものとし、制御信号Vb1〜Vb4はt=0に至るまでの間、さらには本発明の回路の動作が安定するまでの間、変化がないものとする。
【0107】
電流駆動負荷制御回路4において、第1のカレントミラー回路310aのセンス側トランジスタN7およびミラー側トランジスタN8a〜N8dの各ソース電極には第4の電源電圧Vssが印加され、定電流源311の低電位側の端子および第2のカレントミラー回路310bのセンス側トランジスタP7、ミラー側トランジスタP8の各ソース電極には、第5の電源電圧Vddが印加されている。また、LED330のカソードには、第6の電源電圧Vccが印加されている。
【0108】
さらに、LED330が消灯されている場合、遅延回路320に入力される制御信号Vaがローレベルの信号であるか、制御信号Vb1がローレベルとなっている。
外部から入力されるハイレベルの制御信号Vaが第1のAND回路321aに入力され、かつ、外部から入力される制御信号Vb1がハイレベルであれば、第1のAND回路321aからハイレベルの制御信号が第1の遅延素子320aに出力される。すなわち、第1のAND回路321aのハイレベルの出力信号が、第1の遅延素子320aによって遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t1に第1の遅延素子220aから出力される。
【0109】
第1の遅延素子320aからハイレベルの制御信号が出力されると、スイッチ312a、インバータ313aおよび第2のAND回路321bにその制御信号が入力され、スイッチ312aがオンとなり、ミラー側トランジスタN8aがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタN8aのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I1が流れる。
即ち、時刻t=t1においては、接続点ND4を介してセンス側トランジスタP7のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1が流れ、ミラー側トランジスタP8のソース電極とドレイン電極間には、センス側トランジスタP7の電流増幅率とミラー側トランジスタP8の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・I1)が流れる。
【0110】
したがって、時刻t=t1において、LED330は、電流I6=βr・I1で駆動され、電流I1に対応する輝度で発光する。
一方、外部から入力される制御信号Vb1がローレベルであると、第1のAND回路321aの出力信号はローレベルから遷移せず、時刻t=t1になっても第1の遅延素子322aの出力はローレベルを維持し続け、結果、ミラー側トランジスタP8aは遮断状態であり、ソース電極とドレイン電極間に電流は流れず、LED330は駆動されない。
更に、第1のAND回路321aの出力信号がローレベルを維持し続け、第2、第3、第4のAND回路321b〜321dと遅延回路320b〜320dの出力はローレベルのままでとなり、結果、ミラー側トランジスタP8b〜P8dは遮断状態を維持するため、それぞれのトランジスタのソース電極とドレイン電極間に電流は流れず、LED330は駆動されない。
【0111】
次に、第1の遅延素子320aのハイレベルの出力信号が第2のAND回路321bに入力され、かつ、外部から入力される制御信号Vb2がハイレベルであれば、第2のAND回路321bからハイレベルの制御信号が第2の遅延素子320bに出力される。すなわち、第2のAND回路321bのハイレベルの出力信号が、第2の遅延素子320bによって遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t2に第2の遅延素子320bから出力される。
第2の遅延素子320bからハイレベルの制御信号が出力されると、スイッチ312b、インバータ313bおよび第3のAND回路321cにその制御信号が入力され、スイッチ312bがオンとなり、ミラー側トランジスタN8bがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタN8bのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I2が流れる。
なお、このとき、ミラー側トランジスタN8aのソース電極とドレイン電極間には、引き続き駆動電流I1が流れている。
【0112】
即ち、時刻t=t2においては、接続点ND4を介してセンス側トランジスタP7のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1+I2が流れ、ミラー側トランジスタP8のソース電極とドレイン電極間には、センス側トランジスタP7の電流増幅率とミラー側トランジスタP8の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・(I1+I2))が流れる。
したがって、時刻t=t2において、LED330は、電流I6=βr・(I1+I2)で駆動され、電流I1+I2に対応する輝度で発光する。
一方、外部から入力される制御信号Vb2がローレベルであると、第2のAND回路321bの出力信号はローレベルから遷移せず、時刻t=t2になっても第2の遅延素子322bの出力はローレベルを維持し続け、結果、ミラー側トランジスタP8bは遮断状態であり、ソース電極とドレイン電極間に電流は流れない。
【0113】
更に、第2のAND回路321bの出力信号がローレベルを維持し続けるため、第3、第4のAND回路321c〜321dと遅延回路320c〜320dの出力はローレベルを維持し続け、結果、ミラー側トランジスタP8c〜P8dは遮断状態を維持するため、それぞれのトランジスタのソース電極とドレイン電極間に電流は流れず、LED330の駆動電流の最大値は電流I6=βr・I1に制御されることとなる。
次に、第2の遅延素子320bのハイレベルの出力信号が第3のAND回路321cに入力され、かつ、外部から入力される制御信号Vb3がハイレベルであれば、第3のAND回路321cからハイレベルの制御信号が第3の遅延素子320cに出力される。すなわち、第3のAND回路321cのハイレベルの出力信号が、第3の遅延素子320cによって遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t3に第3の遅延素子320cから出力される。
【0114】
第3の遅延素子320cからハイレベルの制御信号が出力されると、スイッチ312c、インバータ313cおよび第4のAND回路321dにその制御信号が入力され、スイッチ312cがオンとなり、ミラー側トランジスタN8cがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタN8cのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I2が流れる。
なお、このとき、ミラー側トランジスタN8aには駆動電流I1、ミラー側トランジスタN8bには駆動電流I2が引き続き流れている。
即ち、時刻t=t3においては、接続点ND4を介してセンス側トランジスタP7のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1+I2+I3が流れ、ミラー側トランジスタP8のソース電極とドレイン電極間には、センス側トランジスタP7の電流増幅率とミラー側トランジスタP8の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・(I1+I2+I3))が流れる。
【0115】
したがって、時刻t=t2において、LED330は、電流I6=βr・(I1+I2+I3)で駆動され、電流I1+I2+I3に対応する輝度で発光する。
一方、外部から入力される制御信号Vb3がローレベルであると、第3のAND回路321cの出力信号はローレベルから遷移せず、時刻t=t3になっても第3の遅延素子322cの出力はローレベルを維持し続け、結果、ミラー側トランジスタP8cは遮断状態であり、ソース電極とドレイン電極間に電流は流れない。
更に、第3のAND回路321cの出力信号がローレベルを維持し続けるため、第4のAND回路321dと遅延回路320dの出力はローレベルを維持し続け、結果、ミラー側トランジスタP8dは遮断状態を維持するため、このトランジスタのソース電極とドレイン電極間に電流は流れず、LED330の駆動電流の最大値は電流I6=βr・(I1+I2)に制御されることとなる。
【0116】
次に、第3の遅延素子320cから出力されたハイレベルの制御信号が第4のAND回路321dに入力され、かつ、外部から入力される制御信号Vb4がハイレベルであれば、第4のAND回路321dからハイレベルの制御信号が第4の遅延素子320dに出力される。すなわち、第4のAND回路321dのハイレベルの出力信号が、第4の遅延素子320dによって遅延時間Tだけ遅延された後、時刻t=t4に第4の遅延素子320dから出力される。
AND回路321dからハイレベルの制御信号が出力されると、スイッチ312dおよびインバータ313dにその制御信号が入力され、スイッチ312dがオンとなり、ミラー側トランジスタN8dがオンとなる。このとき、ミラー側トランジスタN8dのソース電極とドレイン電極間には、駆動電流I4が流れる。
【0117】
なお、このとき、ミラー側トランジスタN8aのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I1、ミラー側トランジスタN8bのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I2、ミラー側トランジスタN8cのソース電極とドレイン電極間には駆動電流I3が引き続き流れている。
即ち、時刻t=t4においては、接続点ND4を介してセンス側トランジスタP7のソース電極とドレイン電極間に参照電流I5=I1+I2+I3+I4が流れ、ミラー側トランジスタP8のソース電極とドレイン電極間には、センス側トランジスタP7の電流増幅率とミラー側トランジスタP8の電流増幅率との比(βr)で決まる駆動電流I6=βr・I5(=βr・(I1+I2+I3+I4))が流れる。
【0118】
したがって、時刻t=t2において、LED330は、電流I6=βr・(I1+I2+I3+I4)で駆動され、電流I1+I2+I3+I4に対応する輝度で発光する。
一方、外部から入力される制御信号Vb4がローレベルであると、第4のAND回路321dの出力信号はローレベルを維持し続け、結果、ミラー側トランジスタP8dは遮断状態であり、ソース電極とドレイン電極間に電流は流れず、LED330の駆動電流の最大値は電流I6=βr・(I1+I2+I3)に制御されることとなる。
以上のように、本実施形態に係る電流駆動負荷制御回路4は、第1のカレントミラー回路310aのミラー側トランジスタが多段構成とされており、LED330を点灯させるためのハイレベルの制御信号Vaが入力されると、遅延回路320が遅延時間Tずつ遅延させて、ハイレベル制御信号を第1のカレントミラー回路310aのミラー側トランジスタN8a〜N8dに順次出力する。
【0119】
このとき、遅延回路320のAND回路321a〜321dに入力される制御信号Vb1〜Vb4によって、ミラー側トランジスタN8a〜N8dのいずれまでをオンとするかが制御されることにより、第1のカレントミラー回路310aの出力電流の最大値(最大出力電流)が変更可能とされている。
そのため、第1のカレントミラー回路310aにおけるミラー側トランジスタN8a〜N8dのうち、制御信号Vbによってオンとなるように制御されたミラー側トランジスタが段階的にオンとなり、第1のカレントミラー回路310aの出力電流が制御信号Vbによって制御される最大出力電流まで段階的に増加する。
すると、第2のカレントミラー回路310bの入力電流が上記最大出力電流に対応する値まで段階的に増加するため、第2のカレントミラー回路310bの出力電流(即ち、LED330の駆動電流)も上記最大出力電流に対応する値まで段階的に増加する。
【0120】
したがって、LED330に流れる駆動電流を、最大値を制御可能としつつ、時間当たりの電流変化量を低減することができ、隣接する信号線において電磁誘導が抑えられるため、隣接する信号線のノイズの発生を抑制することができる。
なお、図8に示すタイミングチャートにおいて、一点鎖線で示した特性は、第1のカレントミラー回路310aのミラー側トランジスタN8dまでを制御信号Vbによってオンとする場合におけるミラー側トランジスタP8の駆動電流I6の状態を示している。図8において、実線で示すように、例えば、第1のカレントミラー回路310aのミラー側トランジスタN8a〜N8cまでをオンとする(即ち、ミラー側トランジスタN8dをマスクする)ことで、LED330の駆動電流の最大値を一段分、減少させることができる。
【0121】
また、図8に示すタイミングチャートにおいて、波線で示した特性は、第1のカレントミラー回路310aのミラー側トランジスタN8a〜N8cを制御信号Vbによってオンとした場合に、ミラー側トランジスタN8a〜N8cを多段構成としない場合(即ち、一段の構成とした場合)におけるミラー側トランジスタP8の駆動電流I6の状態を示しており、この場合、LED330の駆動電流が最大値まで急激に増加することとなる。
このように、本実施形態に係る電流駆動負荷制御回路4によれば、LED330の駆動開始/終了時におけるノイズの発生を抑制することが可能となる。
【0122】
なお、上記第1〜第4実施形態において、第1および第2のカレントミラー回路の2段を接続する構成を例に挙げて説明したが、少なくともいずれかのカレントミラー回路におけるミラー側トランジスタを多段構成とすれば、カレントミラー回路を3段以上備える構成とすることができる。
また、上記第1〜第4の実施形態において、第1のカレントミラー回路におけるミラー側トランジスタに備えられるスイッチをアナログスイッチであるものとして説明したが、N型のMOSトランジスタあるいはP型のMOSトランジスタによって構成することも可能である。
【0123】
このとき、第1および第3実施形態においては、アナログスイッチに代えてP型のMOSトランジスタによってスイッチを構成すれば、他のP型MOSトランジスタ(プルアップ用のトランジスタ等)と同じウェル内に構成することができ、より高い集積化を図ることができる。ただし、この場合、スイッチとしてのP型MOSトランジスタのゲート電極に入力する制御信号を反転するために、インバータが必要となる。
一方、N型のMOSトランジスタによってスイッチを構成すれば、他のP型MOSトランジスタと異なるウェル内に構成する必要があるが、この場合、スイッチとしてのP型MOSトランジスタのゲート電極に入力する制御信号を反転することは不要であるため、インバータは必要ない。
【0124】
また、第2および第4実施形態においては、アナログスイッチに代えてN型のMOSトランジスタによってスイッチを構成すれば、他のN型MOSトランジスタ(プルダウン用のトランジスタ等)と同じウェル内に構成することができ、より高い集積化を図ることができる。ただし、この場合、プルダウン用のN型MOSトランジスタのゲート電極に入力する制御信号を反転するために、インバータが必要となる。
一方、P型のMOSトランジスタによってスイッチを構成すると、他のN型MOSトランジスタと異なるウェル内に構成する必要があると共に、スイッチとしてのP型MOSトランジスタのゲート電極に入力する制御信号およびプルダウン用のN型MOSトランジスタのゲート電極に入力する制御信号を反転するために、インバータも必要となる。
【0125】
(応用例1)
第1〜第4の実施形態において、第1のカレントミラー回路のミラー側トランジスタがオンとされた場合の駆動電流はそれぞれ等しいものとして説明したが、これらミラー側トランジスタそれぞれがオンとされた場合の駆動電流を異なるものとすることができる。
例えば、第1のカレントミラー回路のミラー側トランジスタ4つのうち、初めにオンとなるトランジスタおよび最後にオンとなるトランジスタの駆動電流を小さく設定し、2番目および3番目にオンとなるトランジスタの駆動電流を大きく設定することにより、第2のカレントミラー回路の出力電流(即ち、LEDの駆動電流)をS字特性(初期は小さい傾きで立ち上がり、立ち上がりの中期では傾き(電流増加率)が大きくなり、立ち上がりの終期では傾きが小さくなる特性)とすることができる。
【0126】
これにより、LEDの点灯開始時に、駆動電流の立ち上がりを緩やかなものとしてノイズの発生を抑制しつつ、立ち上がりの中央付近では急速に立ち上がらせて一定の点灯速度を確保することができる。
さらに、第1〜第4の実施形態においては、第1カレントミラー回路のミラー側トランジスタを4段の構成としたが、第1カレントミラー回路のミラー側トランジスタとして、より多くの段数を備えることが可能である。
図9は、第1カレントミラー回路のミラー側トランジスタを12段の構成とした場合の駆動電流の状態変化を示す図である。
図9に示すように、第1カレントミラー回路のミラー側トランジスタをより多くの段数とすることで、より高精度に駆動電流のS字特性(図9に波線で示す特性)を実現することが可能となる。
【0127】
(応用例2)
第1〜第4の実施形態において、遅延回路における各遅延素子の遅延時間は同一であるものとして説明したが、これらを異ならせることが可能である。
具体的には、第1〜第4の実施形態における遅延素子の遅延量を異なる素子として、遅延時間を変化させることも可能である。
遅延素子の遅延時間を異ならせることにより、LEDの点灯時における駆動電流をS字特性とし、ノイズの抑制を図ることができる。
また、遅延素子の遅延時間を異ならせてLEDの点灯時における駆動電流のS字特性を実現することにより、外部からタイミングを制御することなく、クロックレスで駆動電流を制御することができる。
【0128】
(応用例3)
LEDの点灯時における駆動電流の特性は、急激な立ち上がりとさせなければノイズを抑制することができるため、LEDの点灯時における駆動電流の特性のうち、前半部分をS字特性に沿うものに制御しても良い。
なお、LEDの点灯時における駆動電流の特性において、後半部分は徐々に飽和して一定の電流となるため、積極的な制御を行わなくても、その飽和特性に沿って、傾きが徐々に小さくなる特性をある程度実現することができる。
【0129】
(応用例4)
第1〜第4の実施形態に係る電流駆動負荷制御回路1〜4を半導体装置として実装する場合、各トランジスタに要求される耐圧条件に適合する回路配置とすることができる。
図10は、電流駆動負荷制御回路が実装される半導体装置5の概略構成を示す図である。
図10に示すように、電流駆動負荷制御回路は、外部とのI/Oセルと、I/Oセルに囲まれたロジックコアとを備える半導体装置として実装されるが、外部とのI/Oセルは、周辺装置と接続されることとなるため、一般に、ロジックコア内部とは異なる高電圧が印加されることが多い。
【0130】
したがって、電流駆動負荷制御回路を構成するトランジスタのうち、I/Oセルに配置する必要があるもの(外部と接続されるもの)は、高耐圧のトランジスタとして構成し、I/Oセルに配置する。一方、I/Oセルに配置する必要のないもの(内部の回路素子とのみ接続されるもの)は、低耐圧のトランジスタとして構成し、ロジックコアに配置する。
このような回路配置とすることにより、必要なトランジスタのみを高耐圧な構成とすることができ、効率的な回路構成とすることができる。
【0131】
上記のように回路配置を行う場合、例えば、第1実施形態の電流駆動負荷制御回路1および第3実施形態の電流駆動負荷制御回路3については、ロジックコアの電源電圧(第1の電源電圧Vdd)が周辺装置の電源電圧(第3の電源電圧Vcc)より低ければ、第2のカレントミラー回路のミラー側トランジスタは、周辺装置の電源電圧に応じた高耐圧の構成とし、I/Oセルに配置する。
また、第2実施形態の電流駆動負荷制御回路2および第4実施形態の電流駆動負荷制御回路4については、第1のカレントミラー回路および第2のカレントミラー回路のセンス側トランジスタとミラー側トランジスタの全てが外部と接続されることとなるため、これらトランジスタの全てを高耐圧の構成とし、I/Oセルに配置する。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】第1実施形態に係る電流駆動負荷制御回路1を示す図である。
【図2】電流駆動負荷制御回路1の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】第2実施形態に係る電流駆動負荷制御回路2を示す図である。
【図4】電流駆動負荷制御回路2の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】第3実施形態に係る電流駆動負荷制御回路3を示す図である。
【図6】電流駆動負荷制御回路3の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】第4実施形態に係る電流駆動負荷制御回路4を示す図である。
【図8】電流駆動負荷制御回路4の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】第1カレントミラー回路のミラー側トランジスタを12段の構成とした場合の駆動電流の状態変化を示す図である。
【図10】電流駆動負荷制御回路が実装される半導体装置5の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0133】
1〜4 電流駆動負荷制御回路、5 半導体装置、10a,110a,210a,310a 第1のカレントミラー回路、10b,110b,210b,310b 第2のカレントミラー回路、11,111,211,311 定電流源、12a〜12d,112a〜112d,212a〜212d,312a〜312d スイッチ、13a〜13d,113a〜113d,213a〜213d,313a〜313d インバータ、20,120,220,320 遅延回路、20a〜20d,120a〜120d,220a〜220d,320a〜320d 遅延素子、221a〜221d,321a〜321d AND回路、N1,N3,N5,N7,P1,P3,P5,P7 センス側トランジスタ、N2,N4a〜N4d,N6,N8a〜N8d,P2a〜P2d,P4,P6a〜P6d,P8 ミラー側トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センス側トランジスタに流れる参照電流に対して、ゲート電極が前記センス側トランジスタと接続されたミラー側トランジスタによって出力電流を発生させるカレントミラー回路を含み、出力する電流によって電流駆動負荷を駆動するカレントミラー回路部を有し、
前記カレントミラー回路部は、ゲート電極が前記センス側トランジスタと接続された複数のミラー側トランジスタを有する多段出力型カレントミラー回路を含むことを特徴とする電流駆動負荷制御回路。
【請求項2】
前記多段出力型カレントミラー回路における複数のミラー側トランジスタは、定常の出力電流となる過程において、立ち上がり初期の電流増加率よりも立ち上がり中期の電流増加率が大きくなるように、異なるタイミングで導通状態となることを特徴とする請求項1記載の電流駆動負荷制御回路。
【請求項3】
前記多段出力型カレントミラー回路における複数のミラー側トランジスタに対応して多段接続された遅延素子を有する遅延回路と、
前記多段出力型カレントミラー回路における複数のミラー側トランジスタそれぞれのゲート電極に設置され、各ミラー側トランジスタに対応する前記遅延素子の出力信号によってスイッチングが制御されるスイッチと、
を備え、
前記遅延回路における初段の遅延素子には、前記多段出力型カレントミラー回路における複数のミラー側トランジスタを導通状態とするか否かを制御する第1の制御信号が外部から入力され、多段接続された前記遅延素子それぞれは、前段の前記遅延素子の出力信号を順次遅延させて、対応する前記ミラー側トランジスタに出力することを特徴とする請求項1または2記載の電流駆動負荷制御回路。
【請求項4】
前記遅延回路は、前記遅延素子の出力信号を対応する前記ミラー側トランジスタに出力するか否かを制御する論理回路を、前記遅延素子それぞれに対応して備え、
前記論理回路には、対応する前記ミラー側トランジスタについて、導通状態とするか否かを示す第2の制御信号が外部から入力され、導通状態とすることが示されている前記第2の制御信号が入力された前記論理回路は、前記遅延素子の出力信号を対応する前記ミラー側トランジスタに出力することを特徴とする請求項3記載の電流駆動負荷制御回路。
【請求項5】
前記スイッチは、アナログスイッチによって構成されていることを特徴とする請求項3または4記載の電流駆動負荷制御回路。
【請求項6】
前記スイッチは、P型のトランジスタまたはN型のトランジスタのいずれかの型によって構成されていることを特徴とする請求項3または4記載の電流駆動負荷制御回路。
【請求項7】
前記多段出力型カレントミラー回路における複数のミラー側トランジスタは、ゲート幅あるいはゲート長の少なくともいずれかを異ならせた構成を有することにより、該多段出力型カレントミラー回路の出力電流の変化量が設定されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電流駆動負荷制御回路。
【請求項8】
前記カレントミラー回路の接続される電源電圧と、前記カレントミラー回路により駆動される電流駆動負荷の電源電圧が異なる電位であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電流駆動負荷制御回路。
【請求項9】
センス側トランジスタに流れる参照電流に対して、ゲート電極が前記センス側トランジスタと接続されたミラー側トランジスタによって出力電流を発生させるカレントミラー回路を含み、出力する電流によって電流駆動負荷を駆動するカレントミラー回路部を有し、
前記カレントミラー回路部は、ゲート電極が前記センス側トランジスタと接続された複数のミラー側トランジスタを有する多段出力型カレントミラー回路を含む電流駆動負荷制御回路を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
前記カレントミラー回路の接続される電源電圧と、前記カレントミラー回路により駆動される電流駆動負荷の電源電圧が異なる電位であることを特徴とする請求項9記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−114315(P2010−114315A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286699(P2008−286699)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】