説明

電源装置及び照明器具

【課題】
本発明はLEDモジュールへの過電流に対する保護対策も実現できる電源装置及び照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】
一対の出力端54、55と、この出力端間54、55に並列接続した出力コンデンサ26とを有する直流電源に発光素子モジュール56、75が接続される。この発光素子モジュール56、75への過電流を抑制する過電流抑制手段が出力コンデンサ26と出力端54との間又は発光素子モジュール56に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば発光ダイオードなどの発光素子の駆動に最適な電源装置及び照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、発光ダイオードなどの半導体発光素子の電源として、スイッチング手段を用いた直流の電源装置が多く用いられている。
【0003】
そして、この種の電源装置として、特許文献1に開示されるように商用電源などの低周波交流を全波整流回路により全波整流するとともに及び平滑コンデンサで平滑化して直流に変換し、この直流出力をスイッチング素子や負荷に供給するようにしたものがある。この場合、平滑コンデンサは、直流出力に含まれる高次の電流成分、つまり高調波電流成分について高調波電流規格を満足するような容量に設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−313423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、半導体発光素子を光源とする照明器具は、半導体発光素子である複数の発光ダイオード(LED)によりLEDモジュールを構成し、このLEDモジュールを電源装置に接続可能にしたものがある。ところが、このような電源装置において、例えばLEDモジュールを交換するため、LEDモジュールを電源装置から切り離すと、電源装置は通電状態のまま無負荷状態となり発光ダイオードの定格電圧より高い電圧を出力する。このため、この状態からLEDモジュールを電源装置に接続すると、過電流(過渡電流)がLEDモジュールに流入し、この過電流により発光ダイオードなどを破損してしまうことがある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、LEDモジュールへの過電流に対する保護対策も実現できる電源装置及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、一対の出力端と、この出力端間に並列接続した出力コンデンサとを有する直流電源と;直流電源の出力端間に接続される一対の入力端と有し、この入力端子間に発光素子が接続された発光素子モジュールと;出力コンデンサの一方端と、この一方端と接続される出力端子との間に配設される、又は直流電源の一方の出力端に接続される発光モジュールの一方の入力端と発光素子との間に配設された、LEDモジュールへ侵入する過電流を抑制する過電流抑制手段と;を具備することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の電源装置と;電源装置を有する器具本体と;を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、過電流に対するLEDモジュールの保護対策を実現できる電源装置を提供できる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、過電流に対するLEDモジュールの保護対策を実現できる照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態にかかる電源装置が適用される照明器具を示す斜視図。
【図2】本発明の実施の形態にかかる電源装置が適用される照明器具の断面図。
【図3】本発明の参考例の形態にかかる電源装置の概略構成を示す図。
【図4】本発明の第2の参考例の形態にかかる電源装置の概略構成を示す図。
【図5】第2の参考例の形態の変形例の概略構成を示す図。
【図6】本発明の第3の参考例の形態にかかる電源装置の概略構成を示す図。
【図7】本発明の第1の実施の形態の概略構成を示す図。
【図8】本発明の第1の実施の形態の変形例の概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0013】
まず、本発明の電源装置が適用される照明器具について簡単に説明する。図1及び図2において、1は器具本体で、この器具本体1は、アルミニウムのダイカスト製のもので、両端を開口した円筒状をしている。この器具本体1は、内部を仕切り部材1a、1bにより上下方向に3分割され、下方開口と仕切り部材1aの間の空間は、光源部2に形成されている。この光源部2には、半導体発光素子としての複数のLED2aと反射体2bが設けられている。複数のLED2aは、仕切り部材1a下面に設けられた円盤状の配線基板2cの円周方向に沿って等間隔に配置され実装されている。
【0014】
器具本体1の仕切り部材1aと1bの間の空間は電源室3に形成されている。この電源室3は、仕切り部材1a上部に配線基板3aが配置されている。この配線基板3aには、前記複数のLED2aを駆動するための本発明の電源装置を構成する各電子部品が設けられている。この直流電源装置と複数のLED2aは、リード線4により接続されている。
【0015】
器具本体1の仕切り板1bと上方開口の間の空間は、電源端子室5に形成されている。この電源端子室5は、仕切り板1bに電源端子台6が設けられている。この電源端子台6は、電源室3の電源装置に商用電源の交流電力を供給するための端子台で、電絶縁性の合成樹脂で構成されたボックス6aの両面に電源ケーブル用端子部となる差込口6b、送りケーブル用端子部となる差込口6c及び電源線及び送り線を切り離すリリースボタン6dなどを有している。
【0016】
図3は、このように構成された照明器具の電源室3に組み込まれる本発明の参考例の電源装置の概略構成を示している。
【0017】
図3において、11は交流電源で、この交流電源11は、不図示の商用電源からなっている。この交流電源11には、整流手段としての全波整流回路12の入力端子が接続されている。全波整流回路12は、交流電源11からの交流電力を全波整流した直流を発生する。
【0018】
全波整流回路12の正負極の出力端子間には、平滑用コンデンサ13と過電圧吸収手段17が並列に接続されている。平滑用コンデンサ13は、全波整流回路12の出力を平滑化するもので、ここでは、直流出力に含まれる高次の電流成分、つまり高調波電流成分に対応する容量で、高調波電流規格(IEC61000−2−3(有効電力25W以下))を満足させる容量の小さなものが用いられる。過電圧吸収手段17は、全波整流回路12の出力側の一方向の電流を通過させる電流通過回路を構成する図示極性のダイオード14と、充電回路を構成するコンデンサ15の直列回路と、コンデンサ15に並列に接続される放電回路を構成するインピーダンス素子、ここでは抵抗16からなっている。コンデンサ15は、ダイオード14を介して充電されるとともに、交流電源11より全波整流回路12を介して侵入する雷サージの過電圧を吸収する。ここでは過電圧のサージエネルギーを吸収可能な容量の大きなものが用いられる。抵抗16は、コンデンサ15に充電される電荷を常時放電する。
【0019】
平滑用コンデンサ13の両端には、フライバックトランスであるスイッチングトランス23の一次巻線23aとスイッチング手段としてのスイッチングトランジスタ24の直列回路が接続されている。スイッチングトランス23は、一次巻線23aと磁気的結合された二次巻線13bを有している。
【0020】
スイッチングトランス23の一次巻線23a両端には、コンデンサ19と抵抗20の並列回路と図示極性のダイオード21の直並列回路からなるスナバ回路22が接続されている。このスナバ回路22は、スイッチングトランス23の一次巻線23aに発生するフライバック電圧をコンデンサ19による充電と抵抗20の放電により吸収し、スイッチングトランス23のリーケージインダクタンスにより発生するリンギング電圧をコンデンサ19により吸収する。
【0021】
スイッチングトランス23の二次巻線23bには、整流平滑手段として図示極性のダイオード25と平滑コンデンサ26からなる整流平滑回路27が接続されている。この整流平滑回路27は、スイッチングトランジスタ24、スイッチングトランス23とともに直流出力生成手段を構成し、スイッチングトランス23の二次巻線23bより発生する交流出力をダイオード25で整流し、この整流出力を平滑コンデンサ26により平滑して直流出力として発生する。
【0022】
整流平滑回路27の平滑コンデンサ26両端には、負荷として、半導体発光素子である複数個(図示例では4個)直列に接続された発光ダイオード28〜31(図2で述べたLED2aに相当する。)が接続されている。
【0023】
発光ダイオード21〜31の直列回路には、電流検出部32が直列に接続されている。電流検出部32は、発光ダイオード21〜31に流れる電流を検出し、この検出電流に応じた検出信号を出力する。
【0024】
電流検出部32には、制御手段として制御回路33が接続されている。制御回路33は、不図示の電源部により駆動されるもので、その動作によりスイッチングトランジスタ24をオンオフさせてスイッチングトランス23をスイッチング駆動する。この場合、制御回路33は、電流検出部32の検出信号と不図示の基準値とを比較し、この比較結果に基づいてスイッチングトランジスタ24のオンオフ動作を制御し、発光ダイオード28〜31に流れる電流を一定に制御する。
【0025】
制御回路33には、調光手段として調光操作部34が接続されている。調光操作部34は、発光ダイオード28〜31の光量を調整するための調光信号を制御回路33に入力する。制御回路33は、調光操作部34からの調光信号に応じて前記基準値を変更し、この変更した基準値に基づいてスイッチングトランジスタ24をオンオフ動作させることで、発光ダイオード28〜31の光量を、例えば定格の0〜100%の範囲で調整可能にしている。
【0026】
次に、このように構成した参考例の形態の作用を説明する。
【0027】
いま、交流電源11の交流電力が全波整流回路12に印加されると、全波整流回路12で全波整流され、平滑用コンデンサ13、過電圧吸収手段17を介してスイッチングトランス23及びスイッチングトランジスタ24に供給される。
【0028】
この場合、平滑用コンデンサ13は、容量の小さなもので全波整流回路12の高次の電流成分を含んだ出力を平滑化して高調波電流規格を満足させた直流出力をスイッチングトランス23及びスイッチングトランジスタ24に供給する。この場合、過電圧吸収手段17は、平滑用コンデンサ13の出力によりダイオード14を介してコンデンサ15が充電される。このコンデンサ15に充電された電荷は、常時、抵抗16を通して放電されている。
【0029】
この状態で、制御回路33によるスイッチングトランジスタ24のオンオフによりスイッチングトランス23がスイッチング駆動される。この場合、スイッチングトランジスタ24のオンでスイッチングトランス23の一次巻線23aに電流を流してエネルギーを蓄積し、スイッチングトランジスタ24のオフで、一次巻線23aに蓄積したエネルギーを二次巻線23bを通して放出する。これにより整流平滑回路27を介して直流出力が発生し、この直流出力により発光ダイオード28〜31が点灯される。
【0030】
発光ダイオード28〜31に流れる電流は、電流検出部32で検出され、この検出電流に応じた検出信号が制御回路33に出力される。制御回路33は、電流検出部32からの検出信号と不図示の基準値との比較結果に基づいてスイッチングトランジスタ24のオンオフ動作を制御し、発光ダイオード28〜31に流れる電流を一定に制御する。
【0031】
この状態から、交流電源11に雷サージが侵入した場合、過電圧が過電圧吸収手段17のダイオード14を介してコンデンサ15に印加される。この場合、コンデンサ15には、容量の大きなものが用いられるので、過電圧のサージエネルギーは、コンデンサ15に吸収される。これにより、雷サージの過電圧がスイッチングトランジスタ24などの回路要素に影響するのを抑制でき、これらの回路要素を雷サージから確実に保護することができる。
【0032】
したがって、このようにすれば、スイッチングトランジスタ24のオンオフによりスイッチングトランス23の二次巻線23bを通して放出されるエネルギーを整流平滑回路27により直流出力に変換し、この直流出力により発光ダイオード28〜31を点灯させるような電源装置であって、交流電源11の交流電力を整流する全波整流回路12の出力端子に容量の小さな平滑用コンデンサ13と、過電圧のサージエネルギーを吸収可能な容量の大きなコンデンサ15を有する過電圧吸収手段17をそれぞれ設け、容量の小さな平滑用コンデンサ13により全波整流回路12の出力に含まれる高調波電流成分について高調波電流規格を満足させ、容量の大きなコンデンサ15により交流電源11より侵入する過電圧を吸収させるようにした。これにより、全波整流回路12の高次の電流成分を含んだ出力を容量の小さな平滑用コンデンサ13により平滑化して高調波電流規格を満足させた出力をスイッチングトランジスタ24側に供給することができる。また、雷サージの過電圧をコンデンサ15に吸収させることで、過電圧がスイッチングトランジスタ24などの回路要素に影響するのを抑制でき、これらの回路要素を雷サージから確実に保護することができる。
【0033】
また、過電圧吸収手段17は、過電圧発生の有無に関わらず全波整流回路12の出力側に接続され、常に過電圧吸収のためのコンデンサ15が充電される構成であるため、雷サージの過電圧発生時に即座に対応することができ確実な過電圧保護が可能になる。つまり、仮に、過電圧発生時のみ動作する構成のものと比べると、この過電圧発生時のみ動作するものでは、構成する素子のばらつきなどにより動作のタイミングが設定とは異なることがあるが、本発明の構成であれば、素子のばらつきに対する考慮も軽減でき確実な過電圧保護を実現できる。 さらに、過電圧吸収手段17は、ダイオード14、コンデンサ15及び抵抗16から構成され、部品点数が少ない簡単なものなので、電源装置に組み込んでも装置全体の回路構成が複雑になることがなく、電源装置も安価に抑えることができる。
(第2の参考例の形態)
【0034】
図4は、本発明の第2の参考例の形態にかかる電源装置の概略構成を示すもので、図3と同一部分には同符号を付して説明を省略する。
【0035】
この場合、平滑用コンデンサ13に並列接続される過電圧吸収手段36は、平滑用コンデンサ13の両端にツェナーダイオード37とコンデンサ39の直列回路が接続されるとともに、コンデンサ39に抵抗38が並列接続されている。ツェナーダイオード37は、雷サージの過電圧に対し応動するようにツェナー電圧が設定されている。また、ツェナーダイオード37とコンデンサ39の接続点にスイッチング素子であるトランジスタ40のベースが接続されている。トランジスタ40は、コレクタが充電回路を構成するコンデンサ41と放電回路を構成する抵抗42の並列回路を介してツェナーダイオード37と平滑用コンデンサ13の接続点に接続され、エミッタがコンデンサ39と平滑用コンデンサ13の接続点に接続されている。トランジスタ40は、過電圧によりツェナーダイオード37がオンすると、ツェナーダイオード37を流れる電流によりオンする。コンデンサ41は、トランジスタ40のオンにより印加される過電圧を吸収するもので、ここでは過電圧のサージエネルギーを吸収可能な容量の大きなものが用いられる。
その他は、図3と同一である。
【0036】
このような過電圧吸収手段36は、交流電源11に雷サージが侵入すると、雷サージの過電圧にツェナーダイオード37が応動する。そして、このツェナーダイオード37がオンすると、ツェナーダイオード37からコンデンサ39に流れる電流によりトランジスタ40がオンし、過電圧がコンデンサ41に印加される。この場合、コンデンサ41には、容量の大きなものが用いられるので、過電圧はコンデンサ41で吸収される。
【0037】
したがって、このようにしても、雷サージの過電圧がスイッチングトランジスタ24などの回路要素に影響するのを抑制でき、これらの回路要素を雷サージから確実に保護することができる。
(変形例)
【0038】
図5は、第2の参考例の形態に適用される過電圧吸収手段の変形例を示すものである。
【0039】
この場合、過電圧吸収手段43は、平滑用コンデンサ13の両端にツェナーダイオード44とコンデンサ46の直列回路が接続され、また、充電回路を構成するコンデンサ46に放電回路を構成する抵抗49が並列接続されている。ツェナーダイオード44は、雷サージの過電圧に対し応動するようにツェナー電圧が設定されている。また、ツェナーダイオード44とコンデンサ46の接続点にスイッチング素子であるサイリスタ47のゲートが接続されている。サイリスタ47は、アノードにコンデンサ48と抵抗49の並列回路を介してツェナーダイオード44と平滑用コンデンサ13の接続点が接続され、カソードにコンデンサ46と平滑用コンデンサ13の接続点が接続されている。サイリスタ47は、過電圧によりツェナーダイオード44がオンすると、ゲートパルスが与えられてオンする。コンデンサ48は、サイリスタ47のオンにより印加される過電圧を吸収するもので、ここでは過電圧のサージエネルギーを吸収可能な容量の大きなものが用いられる。
【0040】
このような過電圧吸収手段43を用いた場合も、交流電源11に雷サージが侵入すると、雷サージの過電圧にツェナーダイオード44が応動する。そして、ツェナーダイオード44がオンすると、ツェナーダイオード44からコンデンサ46に流れる電流によりサイリスタ47にゲートパルスが与えられてオンし、過電圧がコンデンサ48に印加される。この場合、コンデンサ48には、容量の大きなものが用いられるので、過電圧はコンデンサ48で吸収される。
【0041】
したがって、このようにしても、雷サージの過電圧がスイッチングトランジスタ24などの回路要素に影響するのを抑制でき、これらの回路要素を雷サージから確実に保護することができる。
(第3の参考例の形態)
【0042】
図6は、本発明の第3の参考例の形態にかかる電源装置の概略構成を示すもので、図3と同一部分には同符号を付して説明を省略する。
【0043】
この場合、過電圧吸収手段51は、平滑用コンデンサ13の両端に半導体素子としてMOSFET52を接続している。このMOSFET52は、不図示のツェナーダイオードを内蔵したアバランシェ耐量(サージ耐量)を有するもので、過電圧が印加されると、ツェナーダイオードが動作し、アバランシェ耐量により過電圧のサージエネルギーを吸収する。
その他は、図3と同一である。
【0044】
このような過電圧吸収手段51は、交流電源11に雷サージが侵入すると、過電圧が過電圧吸収手段51のMOSFET52に印加される。この場合、MOSFET52は、ツェナーダイオードによるアバランシェ耐量により、過電圧を吸収する。
【0045】
したがって、このようにすれば雷サージの過電圧のサージエネルギーは、MOSFET52により吸収できるので、スイッチングトランジスタ24などの回路要素に達するサージエネルギーを大幅に抑制でき、これら回路要素を雷サージから確実に保護することができる。
(第1の実施の形態)
【0046】
第1の実施の形態は、LEDモジュールへの過電流を抑制可能にしたものである。
【0047】
図7は、本発明の第1の実施の形態の概略構成を示すもので、図3と同一部分には同符号を付して説明を省略する。
【0048】
この場合、整流平滑回路27の平滑コンデンサ26の一方端には出力端子54、他方端には、電流検出部32を介して出力端子55が接続されている。この出力端子54,55には、LEDモジュール56が、入力端子57,58を介して接続可能になっている。LEDモジュール56は、入力端子57、58の間に、過電流抑制手段59と、半導体発光素子である複数個(図示例では4個)直列に接続された発光ダイオード64〜67が直列に接続されている。過電流抑制手段59は、入力端子57と発光ダイオード64〜67との間に、抵抗62とコンデンサ63の直列回路が接続され、抵抗62とコンデンサ63の接続点にスイッチング素子であるトランジスタ60のベースが接続されている。トランジスタ60は、コレクタが入力端子57に接続され、エミッタが抵抗61を介してコンデンサ63と発光ダイオード64の接続点に接続されている。コンデンサ63は、電源側から流入する過電流を抵抗62を介して充電する。トランジスタ60は、抵抗62とコンデンサ63の接続点の電位が所定の値に達するとオンし、整流平滑回路27の出力を抵抗61を介して発光ダイオード64〜67に供給させる。
その他は、図3と同一である。
【0049】
このような構成において、例えば、LEDモジュール56を交換するためLEDモジュール56を電源側の出力端子54,55から切り離し、その後、別のLEDモジュール56を出力端子54,55に接続する場合を説明する。
【0050】
この場合、LEDモジュール56を出力端子54,55から切り離すと、電源装置は通電状態のままで無負荷状態にあるため、出力端子54,55に発光ダイオード64〜67の定格電圧より高い電圧が出力される。
【0051】
この状態で、新たなLEDモジュール56を出力端子54,55に接続すると、過電流がLEDモジュール56内に流入する。この過電流は、過電流抑制手段59の抵抗62を介してコンデンサ63に入力し、このコンデンサ63で充電される。その後、この充電により抵抗62とコンデンサ63の接続点の電位が所定値に達するとトランジスタ60がオンし、これ以降、整流平滑回路27の出力が抵抗61を介して発光ダイオード64〜67に供給され、発光ダイオード64〜67が点灯される。
【0052】
これにより、LEDモジュール56に過電流が流入することがあっても、この過電流は、コンデンサ63への充電により吸収されるので、発光ダイオード64〜67への過電流が抑制され、これら発光ダイオード64〜67を過電流から確実に保護することができる。
(変形例)
【0053】
図8は、第1の実施の形態の変形例の概略構成を示すものである。
【0054】
この場合、整流平滑回路27の平滑コンデンサ26の一方端には過電流抑制手段68を介して出力端子73、他方端には、電流検出部32を介して出力端子74が接続されている。この出力端子73,74には、LEDモジュール75の入力端子76,77を介して発光ダイオード78〜81が接続されている。過電流抑制手段68は、平滑コンデンサ26の一方端と出力端子73との間に、抵抗71とコンデンサ72の直列回路が接続され、抵抗71とコンデンサ72の接続点にスイッチング素子であるトランジスタ69のベースが接続されている。トランジスタ69は、コレクタが平滑コンデンサ26の一方端に接続され、エミッタが抵抗70を介して出力端子73に接続されている。
【0055】
このようにしても、過電流が発生し過電流抑制手段68に流入すると、この過電流は、抵抗71を介してコンデンサ72に入力し、このコンデンサ72で充電される。その後、この充電により抵抗71とコンデンサ72の接続点の電位が所定の値に達するとトランジスタ69がオンし、これ以降、整流平滑回路27の出力が抵抗70を介して発光ダイオード78〜81に供給され、発光ダイオード78〜81が点灯される。
【0056】
したがって、このようにしても、LEDモジュール75に過電流が流れようとしても、この過電流はコンデンサ72への充電により吸収されるので、発光ダイオード64〜67への過電流が抑制され、これら発光ダイオード64〜67を過電流から確実に保護することができる。
【0057】
なお、本発明は、上記参考例及び実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。例えば、上述した実施の形態では、平滑用コンデンサ13の高調波電流成分に対応する容量は、高調波電流規格を満足するような容量としたが、これに限定されるものでなく、所望の高調波電流成分に対応することができるように設定された要領であれば良い。また、上述した実施の形態では、発光ダイオード24〜27に流れる電流を常に一定にするように制御する定電流制御について述べたが、これに限らず、発光ダイオードに印加する電圧を常に一定にするように制御する定電圧制御を適用したものでもよい。さらに、上述した実施の形態では、半導体発光素子として発光ダイオードの例を述べたが、レーザダイオードなど他の半導体発光素子を用いた場合にも適用できる。さらに、上述した実施の形態では、過電圧の原因を雷サージの場合で述べたが、他の原因により過電圧が発生する場合も適用することができる。また、過電流についても、LEDモジュールの電源装置へ接続する場合に限らず、他の原因により過電流が発生する場合も適用することができる。
【0058】
さらに、上記参考例及び実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【符号の説明】
【0059】
1…器具本体、2…光源部、2a…LED、3…電源室、5…電源端子室、11…交流電源、12…全波整流回路、13…コンデンサ、17、36,43…過電圧吸収手段、23…スイッチングトランス、24…スイッチングトランジスタ、27…整流平滑回路、28〜31、64〜67、78〜81…発光ダイオード、32…電流検出部、33…制御回路、59、68…過電流抑制手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の出力端と、この出力端間に並列接続した出力コンデンサとを有する直流電源と;
直流電源の出力端間に接続される一対の入力端と有し、この入力端子間に発光素子が接続された発光素子モジュールと;
出力コンデンサの一方端と、この一方端と接続される出力端子との間に配設される、又は直流電源の一方の出力端に接続される発光モジュールの一方の入力端と発光素子との間に配設された、発光素子モジュールへ侵入する過電流を抑制する過電流抑制手段と;
を具備することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
請求項1記載の電源装置と;
電源装置を有する器具本体と;
を具備したことを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−165642(P2012−165642A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−75300(P2012−75300)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【分割の表示】特願2008−33643(P2008−33643)の分割
【原出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】