電話交換システム、電話交換装置および着信制御方法
【課題】第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠して、グループ着信を短時間で呼出しを行ない、特定端末と個別通話を行なう。
【解決手段】PBX1は、グループ着信操作を認識すると、PHS基地局4−1〜4−mからグループ着信をSTD−28の規定のUSCCHにて発信者の情報を含めて着信通知を行なう。PHS端末5−1〜5−pは、受信したUSCCHの内容にて着信鳴動および着信表示動作を行なう。また、PHS端末から応答操作を行なうことで、無線制御チャネルを利用して個別通話を行なうことを可能とする。
【解決手段】PBX1は、グループ着信操作を認識すると、PHS基地局4−1〜4−mからグループ着信をSTD−28の規定のUSCCHにて発信者の情報を含めて着信通知を行なう。PHS端末5−1〜5−pは、受信したUSCCHの内容にて着信鳴動および着信表示動作を行なう。また、PHS端末から応答操作を行なうことで、無線制御チャネルを利用して個別通話を行なうことを可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話交換システム、電話交換装置および着信制御方法に係り、特に非特許文献1の規定に従う電話交換システム、電話交換装置および着信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PHS(Personal Handy Phone System)を用いて、発信者からの発信要求によりグループ分けされている複数PHS端末へ着信を知らせる方式が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、1つの基地局が管理する無線ゾーン内に複数の移動局(PHS端末)が存在し、それらの各移動局は、ゾーン対応のグループに所属している。着呼の際に、複数の基地局を管理する交換機は、特定の移動局への呼び出しを行なう個別着信を行なうのか、それともグループに所属する複数の移動局への一斉呼び出しを行なうグループ着信を行なうのかを選択する。そして、グループ着信を行なう場合には、無線制御チャネルを用いて該当する基地局からグループに属する各移動局に対して着呼信号を送出し、各移動局についての接続処理が終了した後に、各移動局に対して呼び出し信号を送出して同時に呼び出すようになっている。
【0003】
また、特許文献2においても着信の際に、グループ着信を行なう場合には、無線制御チャネルを用いて該当する基地局からグループに属する各移動局(PHS端末)に対して優先順位を設けて着呼信号を送出し、各移動局に対して着呼の成功確率を高める提案がされている。
【0004】
また、特許文献3には、PHS端末に実装されたランプを用いて、外線から着信があったことを基地局から一斉にUSCCH(User Specific Control Channel:ユーザ特有の制御チャネル)で報知し、各移動局(PHS端末)ではUSCCHに設定されているランプ状態情報を元にランプ制御を行ない、着呼があることを一斉に知らせる提案がされている。
【0005】
また、特許文献4には、発信者が親機にシステム共通の呼出符号を用い複数の子機に対し一斉呼出しを行ないその中の特定子機を呼出す方式において、システム内の接続動作を簡単化し、一斉呼出しのあと短時間で、特定子機が発信者と個別通話が可能となるシステムコードレス電話機の一斉通報と個別通話の方式を実現する提案がされている。しかし、特許文献4にて、親機がどのような信号・手順で一斉呼出しを送信し、子機がこれをどのようにして受信を行ない、どのようにして子機が個別通話に切り替わるのか明確に開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平03−234196号公報
【特許文献2】特開平09−214423号公報
【特許文献3】特開平08−237738号公報
【特許文献4】特開平06− 53895号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】”第二世代コードレス電話システム”、[online]、平成5年12月20日、社団法人電波産業会、[平成22年8月21日検索]、インターネット、<URL:http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/1-STD-28v5_3-1p2.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来技術にて、特許文献1、2に関しては無線制御チャネルを用いて該当する基地局から各移動局に対して着呼信号を送出する方式であり、各移動局を呼出す台数が増加すると、該当する移動局を呼出す時間が、第二世代コードレス電話システム標準規格に準じて、1台ずつ着呼制御を行なう必要があるため、時間が長くなってしまう点、および、着呼信号を制御するために無線制御チャネルが必要であり、その分の基地局の無線制御チャネルが予め確保されていないと確実に、着呼信号を各移動局へ通知することができない点、および、グループ着信が行なわれている状態で、グループ着信に属していない移動局への個別呼出および移動局からの発呼制御が無線制御チャネル使用中の状態により、発呼動作が制限されてしまう。
【0009】
特許文献3に関しては、USCCH(ユーザ特有の制御チャネル)用いることで、無線制御チャネルと別に制御を行ない、移動局が複数台あっても同時にランプ制御にて着信を報知することが可能である。しかし、発信者を特定する手段が着信に応答してみないと特定できない。
【0010】
本発明の目的は、非特許文献1に準拠した手順または方法によって、複数の移動局へ着呼信号および発信者情報を通知する手段および、移動局にて発信者情報を参照し、着信応答したい移動局の操作により、発信者と着信応答操作の移動局が通話できる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、PHS基地局を接続する電話交換装置と、PHS端末とを含み、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠してPHS通信を可能とする電話交換システムの着信通知方法において、電話交換装置は、発信者からの発信要求により予めグループ分けされている複数PHS端末へ通知する情報をUSCCHに格納して、該当USCCHをPHS基地局から送出させてグループ着信を通知し、PHS端末は、USCCHを受信し、受信したUSCCH内に設定されている発信者の情報を表示部に表示および着信鳴動を行なう、PHS端末より応答操作が行なわれた場合、無線制御チャネルを利用し着信応答し通話できる。
【0012】
上述した課題は、PHS基地局を接続する電話交換装置と、PHS端末とを含み、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠してPHS通信を可能とする電話交換システムにおいて、電話交換装置は、グループ着信指示に対応する発信操作者情報を記憶する記憶手段と、グループ着信指示を認識すると、記憶手段に記憶された当該グループ着信指示に対応する発信操作者情報をUSCCHに格納して、当該USCCHをPHS基地局から送出させて一斉着信する手段とを備え、PHS端末は、グループ着信を受信するモードに設定する設定手段と、グループ着信を受信するモードの場合、USCCHを受信するUSCCH受信手段と、USCCH受信手段が受信したUSCCH内にグループ着信に係る発信操作者情報が格納されている場合、当該発信操作者情報を表示部に表示させる表示制御手段と、グループ着信の着信鳴動を制御する手段とを備える電話交換システムにより、達成できる。
【0013】
また、PHS端末と無線通信を行なうPHS基地局を接続し、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠してPHS通信を可能とする電話交換装置において、グループ着信指示に対応する発信操作者情報および着信グループ番号情報を記憶する記憶手段と、グループ着信指示を認識すると、記憶手段に記憶された当該グループ着信指示に対応する発信操作者情報および着信グループ番号情報をUSCCHに格納して、当該USCCHをPHS基地局からPHS端末に送出させてグループ着信する一斉着信手段と、を備え、グループ情報に属するPHS端末の表示部に発信操作者情報を表示させる電話交換装置により、達成できる。
【0014】
さらに、PHS基地局を接続する電話交換装置と、PHS端末とを含み、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠してPHS通信を可能とする電話交換システムの着信制御方法において、電話交換装置は、グループ着信指示に対応するグループ着信情報を記憶しており、グループ着信指示を認識すると、当該グループ着信指示に対応する発信操作者情報をUSCCHに格納して、当該USCCHをPHS基地局から送出させて一斉着信し、PHS端末は、グループ着信を受信するモードに設定されている場合に、USCCHを受信し、受信したUSCCH内にグループ着信に係る発信操作者情報が格納されている場合は、当該文字メッセージ情報を表示部に表示する着信制御方法により、達成できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電話交換装置は、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠した手順若しくは方法によって、グループ着信時に、短時間でかつ確実に複数の移動局(PHS端末)に着呼信号および発信者の情報を通知し、移動局では受信した着呼信号および発信者の情報を元に着信鳴動および、発信者情報を表示部に表示を行なう。該当移動局より応答操作を行なうことで、通話できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電話交換システムのブロック図である。
【図2】PHS無線基地局のブロック成図である。
【図3】PHS端末のブロック図である。
【図4】グループ着信リストを説明する図である。
【図5】グループ着信テーブルを説明する図である。
【図6】PHS端末に設定記憶されるPHS端末テーブルを説明する図である。
【図7】スーパーフレームの構成を説明する図である。
【図8】発信者を内線で送信するための第1のメッセージ構成を説明する図である。
【図9】発信者を内線で送信するための第2のメッセージ構成を説明する図である。
【図10】発信者を外線で送信するための第1のメッセージ構成を説明する図である。
【図11】発信者を外線で送信するための第2のメッセージ構成を説明する図である。
【図12】グループ着信メッセージを送信するための動作シーケンス図である。
【図13】グループ着信メッセージを送信するための動作シーケンス図である。
【図14】グループ着信メッセージを送信するための動作シーケンス図である。
【図15】構内電話交換機のグループ着信監視フローチャートである。
【図16】構内電話交換機のグループ着信監視フローチャートである。
【図17】PHS端末の電源ON時/PHS基地局捕捉時フローチャートである。
【図18】PHS端末の通常モード時の待受け状態フローチャートである。
【図19】PHS端末のグループ着信受信モード時の待受け状態フローチャートである。
【図20】PHS端末の発信操作監視フローチャートである。
【図21】PHS端末のグループ着信メッセージ受信処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実質同一部位には同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。なお、以下の実施例では、病院または介護施設でナースコール用にPHSを利用する構内電話交換システムを説明する。しかし、発明は、ナースコールに限定されない。
【0018】
図1を参照して、構内電話交換システムを説明する。図1において、構内電話交換システム100は、電話交換装置である構内電話交換機(PBX)1と、複数台(図示は1台)の内線電話機2と、複数台(図示は1台)のデジタル多機能電話機3と、m台のPHS基地局4と、p台のPHS端末5と、メンテナンスパネル(MPと略記)9とを含んで構成している。
【0019】
また、構内電話交換機1は、電話端末(内線電話機2、デジタル多機能電話機3、PHS端末5)や回線(公衆電話網7の局線等)の回線交換を行なう通話路スイッチ11を備えている。この通話路スイッチ11は、内線回路12、デジタル内線回路13、m台のコードレス電話トランク14、局線トランク15が接続収容している。
【0020】
ここで、内線回路12は、複数台の内線電話機2を接続し、これらを制御(発信/着信制御等)して、構内電話交換機1とのインタフェースを行なう。デジタル内線回路13は、複数台のデジタル多機能電話機3を接続し、これらを制御(発信/着信制御等)して、構内電話交換機1とのインタフェースを行なう。コードレス電話トランク14−1〜14−mは、PHS基地局4−1〜4−mをそれぞれ接続し、これを制御(発信/着信制御等)して、構内電話交換機1とのインタフェースを行なう。なお、コードレス電話トランク14−1〜14−mとPHS基地局4−1〜4−mとの間は、ISDN基本インタフェースで接続されている。また、局線トランク15は、公衆電話網7からの局線回線を接続し、これを制御(発信/着信制御等)して、構内電話交換機1とのインタフェースを行なう。
【0021】
また、構内電話交換機1は、制御装置17を備えている。この中央制御装置17は、構内電話交換機1の全体を統制・制御して呼接続制御を行なう。中央制御装置17は、スーパーフレーム生成部171を含んでいる。スーパーフレーム生成部171は、スーパーフレーム生成の制御を行なっている。制御バス20を介して、制御装置17には、記憶装置18が接続されている。記憶装置18は、通報リストや通報テーブル等の各種テーブルを格納している。記憶装置18は、グループ着信テーブル181と、グループ着信リスト182とを記憶する。更に、制御バス20には、構内電話交換機1の動作に必要な局データを設定するために用いられる端末装置であるメンテナンスパネル装置9を接続する入出力装置19と、通話路スイッチ11とが接続されている。そして、構内電話交換機1の使用にあたって、使用条件等に応じてデータ端末であるメンテナンスパネル9から記憶装置18に対して局データを設定できる。
【0022】
構内電話交換機1は、PHSサービスを提供する。このため、構内電話交換機1は、p台のPHS端末5を内線電話機として利用できるように収容している。そして、このPHSサービスは、非特許文献1に準拠した手順または方法によって行なわれる。従って、呼設定、通話、その他の電話交換動作に関するPHS基地局4−1〜4−mと、PHS端末5−1〜5−pとの間の無線通信は、非特許文献1に準拠して行なわれる。
【0023】
図2を参照して、構内電話交換機1に接続されるPHS無線基地局を説明する。図2において、PHS無線基地局4は、スイッチ部4Aと、受信部4Bと、復調部4Cと、送信部4Dと、変調部4Eと、TDMA処理部4Fと、回線インタフェース部4Gと、制御部4Hと、記憶部4Jと、およびアンテナ4Kとを備えている。そして記憶部4Jは、ROM、フラッシュROM(F−ROM)、RAMから構成されている。
【0024】
アンテナ4Kは、スイッチ部4Aにて送受信を切り換えて使用されている。受信部4Bを経て、復調部4Cより復調された受信信号は、TDMA処理部4Fより連続する受信データとして回線インタフェース4Gを経て、構内電話交換機1のコードレス電話トランク14−1〜14−mを介して、通話路スイッチ11や制御装置17に送信される。また、これとは逆に構内電話交換機1の通話路スイッチ11や制御装置17からの連続する送信信号は、回線インタフェース4Gを介してTDMA処理部4Fに送られる。TDMA処理部4Fは、連続する送信データをバースト状のデータに変換する。変調部4Eは、バーストデータを変調する。送信部4Dは、変調信号をPHS端末5に対して送信する。
【0025】
また、TDMA処理部4Fと回線インタフェース4Gは。制御部4Hによって制御される。この制御部4Hには、ROM、F−ROM、RAMを備えた記憶部4Jが接続されている。
【0026】
図3を参照して、PHS端末の構成を説明する。図3において、PHS端末5は、スピーカ5Aと、マイク5Bと、音声処理部5Cと、コーデック5Dと、TDMA処理部5Eと、復調部5Fと、変調部5Gと、受信部5Hと、送信部5Jと、スイッチ部55Kと、制御部5Lと、表示部5Mと、ランプ部5Nと、操作部5Pと、外部インタフェース部5Qと、記憶部5Rと、およびアンテナ5Sとを備えている。制御部5Lは、スーパーフレーム解析部5Tと、着信制御部5Uと、発信制御部5Vとを備える。記憶部5Rは、ROM、フラッシュROM(F−ROM)、RAMから構成されており、PHS端末テーブル5Wが格納されている。
【0027】
マイク5Aから入力される音声データは、音声処理部5Cを経て、コーデーク5Dにて符号化される。TDMA処理部5EからPHS基地局4へ送信されるまでの動作と、受信した受信信号がTDMA処理部5Eに送られるまでの動作は、図2を用いて説明したPHS基地局4の動作と同様である。TDMA処理部5Eにより連続するデータとなった受信信号は、コーデック5Dにより復号化され、音声処理部5Cを経て、スピーカ5Bより送出される。
【0028】
音声処理部5C、TDMA処理部5E、表示部5M、ランプ部5N、操作部5P、外部インタフェース部86、および記憶部5Rには制御部5Lが接続されている。また、PHS端末5は、バイブレータ(図示せず)を備えており、条件設定により音声着信時にPHS端末を振動させる。さらに、PHS端末5は、充電可能なバッテリー(図示せず)にて作動する。
【0029】
図4を参照して、構内電話交換機1の記憶装置18に設定記憶されるグループ着信リスト182を説明する。なお、このグループ着信リスト182は、メンテナンスパネル装置9を操作することで設定される。図4において、グループ着信リスト182は、グループ番号31、呼出先PS電話情報32の領域から構成されている。グループ番号31は、複数のPHS端末5−1〜5−pをグループ分けした際に用いられる管理番号である。グループ番号31は、グループ着信の起動を検出した場合に、呼出先を特定するために用いる。呼出先PS電話情報32は、グループ番号31毎に属するPHS端末5の電話情報(具体的には、内線番号またはPS−ID)を格納する。図4においては、グループ番号01に「PS1」〜「PS10」が属しており、グループ番号02に「PS11」〜「PS15」が属しており、グループ番号07に「PS60」〜「PS99」が属している。
【0030】
図5を参照して、構内電話交換機1の記憶装置18に設定記憶されるグループ着信テーブル181を説明する。グループ着信テーブル181は、メンテナンスパネル装置9を操作することで設定される。図5において、グループ着信テーブル181、グループ着信種別41、対象着信グループ番号42、名称43とから構成されている。
【0031】
名称43は、PHS端末5に通知し、PHS端末5に着信表示させる内容である。グループ着信種別41は、グループ着信の起動があった場合に呼出先のPHS端末へ着信動作を行なうための指示情報(グループ着信のトリガー情報)である。グループ着信種別41は、具体的には、内線電話機2またはデジタル多機能電話機3の受話器を上げた場合、内線電話機2またはデジタル多機能電話機3から特番(グループ着信を行なうための特番)と所定番号を受信した場合、局線トランクで着信を検出した場合等のユーザが予め指定(設定)した条件によってグループ着信が行なわれる。
【0032】
対象着信グループ番号42は、グループ着信種別41毎に設定される。対象着信グループ番号42は、どの着信グループ番号に属するPHS端末5に着信させるのかを予め設定する。なお、この対象着信グループ番号42には、PHS端末5−1〜5−pの全てをグループ着信先として設定することもできる。これは、具体的には着信グループ番号を「00」と設定したとき、全てのPHS端末5に対するグループ着信であるように定義して行なえば良い。
【0033】
名称(着信表示内容)43は、グループ着信種別41の状態になり、指定された着信ループ番号に属するPHS端末5に対してグループ着信する際に送信する名称(着信表示内容)を指定する。この名称(着信表示内容)43はグループ着信種別41毎に個々に設定する。すなわち、グループ着信種別41毎に、対象着信グループ番号42および名称(着信表示内容)43が対応付けされて予め設定登録されている。
【0034】
図6を参照して、PHS端末5の記憶部5Rに設定記憶されるPHS端末テーブル5Wを説明する。図6において、PHS端末テーブル5Wは、PHS端末5のそれぞれが保有している。PHS端末テーブル5Wは、PS設定項目51に対して、動作条件52が設定される。
【0035】
PS設定項目51は、グループ着信受信有無60、グループ着信番号61、グループ着信時鳴動音(内線指定)62、グループ着信時鳴動音(外線指定)63、グループ着信時着信色(内線指定)64、およびグループ着信時着信色(外線指定)65を有している。グループ着信信号有無60は、PHS端末がグループ着信を受信するモードで動作するか否かを設定する項目であり、「有り」と設定されていれば、グループ着信を受信モードで動作し、「無し」と設定されていれば、通常モードで動作するため、グループ着信の受信は行なわない。したがって、グループ着信受信有無60が「有り」と設定されている場合のみ、グループ着信番号61、グループ着信時鳴動音(内線指定)62、グループ着信時鳴動音(外線指定)63、グループ着信時着信色(内線指定)64、およびグループ着信時着信色(外線指定)65に設定された条件が有効なものになる。
【0036】
また、グループ着信番号61は、PHS端末自身がどの着信グループに属しているのかを設定する項目である。この動作条件に設定がない場合は、どの着信グループにも属さないとされ、全PHS端末への着信グループのみ受信することになる。また、1台のPHS端末5が複数の着信グループに属することも可能である。
【0037】
グループ着信時鳴動音(内線指定)62およびグループ着信時鳴動音(外線指定)63は、グループ着信を受信したときに着信音を指定する項目である。グループ着信時着信色(内線指定)64およびグループ着信時着信色(外線指定)65は、グループ着信を受信したときに、表示器への何色で着信表示を行なうかを指定する項目である。
【0038】
なお、このPHS端末テーブル5Wは、PHS端末5をメンテナンスモードに移行させて、PHS端末の操作部5Pを操作し、表示部5Mと連携して、記憶部5Rに設定記憶される。なお、図6のPHS端末テーブル5Wは、一斉通報に係るPS設定項目のみ記載してある。すなわち、その他、従来から用いられている設定項目も同様に存在していることは自明であるので、説明を省略する。
【0039】
図7を参照して、PHS通信に用いる非特許文献1に準拠したスーパーフレームの構成を説明する。図7において、スーパーフレームの構成は、PHS基地局4からPHS端末5へ送信される方向の無線通信チャネルは、図7に示すデータフレームによって伝送されている。図7に示す(a)通常時と(b)グループ着信時の2つのスーパーフレームのいずれか一方を用いることができる。
【0040】
PHSシステムのPHS基地局とPHS端末間における無線区間のデータ伝送は、TDMA−TDD(Time Division Multi Access-Time Division Duplex)方式が採用されている。このTDMA−TDDは、所定の時間長を有するデータフレームを伝送データの一単位として、論理制御チャネル(Logical Control Channel(LCCH))スーパーフレーム(以下、「スーパーフレーム」と称する)を構成する。そして、このスーパーフレームを所定周期(具体的には1.2秒周期)でサイクリックに(繰り返し・繰り返し)伝送することにより各種制御データの伝送を行なう。また、このスーパーフレームは、複数のタイムスロットに分割されており、各々のタイムスロット毎に異なる種類の制御データが所定のビットパターンに変換され重畳される。
【0041】
図7に示すように、ここでは、グループ着信サービス(機能)を提供しないときに用いる通常時のスーパーフレーム(a)と、グループ着信サービス(機能)を提供するときに用いるグループ着信時のスーパーフレーム(b)を使用する。
【0042】
通常時のスーパーフレーム(a)は、PHS基地局からPHS端末に制御情報を報知するチャネルである。通常時のスーパーフレーム(a)は、チャネル構造に関する情報、システム情報等を転送する報知チャネル(Broadcast Control Channel)(以下、「BCCH(A)」と称する)、PHS基地局とPHS端末の間で呼接続に必要な情報を転送するチャネルであって、セル毎に独立の情報を転送する個別セル用チャネル(Signaling Control Channel)(以下、「SCCH」と称する)、およびPHS基地局からPHS端末に対して、単一セルあるいは複数のセルの広いエリア(一斉呼出エリア)に同一の情報を一斉に転送するポイント−マルチポイントの一斉呼出チャネル(Paging Channel)(以下、「PCH」と称する)から構成されている。
【0043】
図7(a)に示すように、BCCH(A)71、SCCH72、SCCH73、PCH1_74、SCCH75、SCCH76、SCCH77、PCH2_78で構成されている。PCH1_74またはPCH2_78を受信するとPHS端末5は、起動する。
【0044】
また、グループ着信時のスーパーフレーム(b)は、上記に加えて、制御用物理スロット上に定義可能なUPCH(ポイント−マルチポイントのチャネルであって、制御信号情報およびユーザパケットデータ転送を行なうユーザパケットチャネル)であるユーザ特有制御チャネル(User Specific Control Channel)(以下、「USCCH」と称する)を用いている。このUSCCHは、規定項目を満足していればその使用方法は任意なオプションである。USCCHは、ユーザ独自で任意の制御チャネルとして使用できる。なお、USCCHは、USCCH(1)とUSCCH(2)が規定されているが、ここでは、USCCH(2)を使用する。
【0045】
図7(b)に示すように、BCCH(A)81、USCCH(2)82、SCCH83、PCH1_84、SCCH85、USCCH(2)86、SCCH87、PCH2_88で構成されている。USCCH(2)82、PCH1_84、USCCH(2)86またはPCH2_88を受信するとPHS端末5は、起動する。
【0046】
なお、図7に示すスーパーフレームの内、通常時のスーパーフレーム(a)とグループ着信時のスーパーフレーム(b)とのどちらで動作させるかは、構内電話交換機1の記憶装置18に局データとして設定して指定する。以下、局データがグループ着信時のスーパーフレーム(b)で動作させるように設定されているものとする。
【0047】
図8を参照して、グループ着信メッセージでグループ着信を起動した発信者が内線の場合に、メッセージをUSCCH(2)で送信するための第1のメッセージ構成を説明する図である。また、図9は、グループ着信メッセージをUSCCH(2)で送信するための第2のメッセージ構成を説明する図である。
【0048】
ここでは、USCCH(2)によって、第1のメッセージ(第1フレームで送信されるメッセージ)と第2のメッセージ(第2フレームで送信されるメッセージ)の2つのメッセージを送信する。これによって、2つのメッセージによって、1つのグループ着信情報を送信して、内線番号3バイトおよび内線名称6バイトの情報を送付できるように構成している。
【0049】
ここで、第1のメッセージとは、第1フレームで送信されるメッセージと定義し、同様に、第2のメッセージとは、第2フレームで送信されるメッセージと定義し、以降、これらの定義に従って表現する。
【0050】
図8において、USCCH(2)で送信するための第1のメッセージM1は、USCCH(2)にて伝送可能な62ビットのデータとなっている。メッセージM1は、情報要素識別子M1a、着信状態M1b、フレームNO M1c、回線種別M1d、着信グループ番号M1e、内線番号の情報(内線番号[1]M1f〜内線番号[6]M1k)、内線名称の情報(内線名称[1]M1l〜内線名称[3]M1o)、状態変化M1m、および報知受信指示M1pから構成されている。
【0051】
情報要素識別子M1aは、このメッセージで報知される情報がグループ着信であることを示す識別情報を格納する。着信状態M1bは、グループ着信動作中(すなわち、グループ着信有り)にあるか、またはグループ着信が停止状態(すなわち、グループ着信無し)にあるかを示す情報を格納する。フレーム番号M1cは、送信しているメッセージが、第1のメッセージであるか、または第2のメッセージであるかを示す情報を格納する。ここでは、第1のメッセージの場合なので、フレーム番号M1cは、「0:第1フレームを示す情報」を格納する。回線種別M1dは、グループ着信を起動した発信者情報が内線であるか、または外線であるかを示す情報を格納する。ここでは、内線着信なので、「内線」を格納する。着信グループ番号M1eは、グループ着信の通報先を示す着信グループ番号(00〜07)を格納する。
【0052】
また、内線番号の情報(内線番号[1]M1f〜内線番号[6]M1k)は、グループ着信を起動した発信者情報(内線番号)を4ビットの番号デジット(0〜9)で格納する。内線名称の情報(内線名称[1]M1l〜内線名称[3]M1o)は、グループ着信を起動した発信者情報(内線名称)のキャラクタコード(文字コード)をそれぞれ格納する。さらに、状態変化M1mは、本メッセージ情報に変更がある度にインクリメントされる3ビットの2進数を格納する。報知受信指示M1pは、受信指示を示す情報を格納する。
【0053】
次に、図9において、USCCH(2)で送信するための第2のメッセージM2は、同様に、USCCH(2)にて伝送可能な62ビットのデータである。第2のメッセージM2は、情報要素識別子M2a、メッセージ番号M2b、フレームNO M2c、回線種別M2d、着信グループ番号M2e、内線名称の情報(内線名称[4]M2l〜内線名称[12]M2o)、状態変化M2m、および報知受信指示M2pから構成されている。
【0054】
情報要素識別子M2aは、このメッセージで報知される情報がグループ着信であることを示す識別情報を格納する。着信状態M1bは、グループ着信動作中(すなわち、グループ着信有り)にあるか、またはグループ着信が停止状態(すなわち、グループ着信無し)にあるかを示す情報を格納する。フレーム番号M2cは、送信しているメッセージが、第1のメッセージであるか、または第2のメッセージであるかを示す情報を格納する。ここでは、第2のメッセージの場合なので、フレーム番号M2cは、「1:第2フレームを示す情報」を格納する。回線種別M2dは、グループ着信を起動した発信者情報が内線であるか、または外線であるかを示す情報を格納する。ここでは、「内線」を格納する。着信グループ番号M2eは、グループ着信の通報先を示す着信グループ番号(00〜07)を格納する。
【0055】
内線名称の情報(内線名称[4]M2f〜内線名称[12]M2o)には、グループ着信を起動した発信者情報(内線名称)のキャラクタコード(文字コード)をそれぞれ格納する。状態変化M2mは、本メッセージ情報に変更がある度にインクリメントされる3ビットの2進数を格納する。報知受信指示M2pは、受信指示を示す情報を格納する。
【0056】
図10は、グループ着信メッセージでグループ着信を起動した発信者が外線の場合に、メッセージをUSCCH(2)で送信するための第1のメッセージ構成を説明する図である。また、図11は、グループ着信メッセージをUSCCH(2)で送信するための第2のメッセージ構成を説明する図である。ここでは、USCCH(2)によって、第1のメッセージ(第1フレームで送信されるメッセージ)と第2のメッセージ(第2フレームで送信されるメッセージ)の2つのメッセージを送信することで、1つのグループ着信情報を送信して、外線から受信した発信者番号の情報を送付できるように構成している。
【0057】
図10において、USCCH(2)で送信するための第1のメッセージM3は、USCCH(2)にて伝送可能な62ビットのデータである。その内容は、情報要素識別子M3a、着信状態M3b、フレームNO M3c、回線種別M3d、着信グループ番号M3e、発信者番号の情報(発信者番号[1]M3f〜発信者番号[9]M1o)、状態変化M3m、および報知受信指示M3pから構成されている。
【0058】
情報要素識別子M3aは、このメッセージで報知される情報がグループ着信であることを示す識別情報を格納する。着信状態M3bは、グループ着信動作中(すなわち、グループ着信有り)にあるか、またはグループ着信が停止状態(すなわち、グループ着信無し)にあるかを示す情報を格納する。フレーム番号M3cは、送信しているメッセージが、第1のメッセージであるか、または第2のメッセージであるかを示す情報を格納する。ここでは、第1のメッセージの場合なので、フレーム番号M3cは、「0:第1フレームを示す情報」を格納する。回線種別M3dは、グループ着信を起動した発信者情報が内線であるか、または外線であるかを示す情報を格納する。ここでは「外線」を格納する。着信グループ番号M3eは、グループ着信の通報先を示す着信グループ番号(00〜07)を格納する。
【0059】
発信者番号の情報(発信者番号[1]M3f〜発信者番号[9]M3o)は、グループ着信を起動した外線にて受信した発信者情報を4ビットの番号デジット(0〜9)でそれぞれ格納する。状態変化M3mは、本メッセージ情報に変更がある度にインクリメントされる3ビットの2進数を格納する。報知受信指示M3pは、受信指示を示す情報を格納する。
【0060】
次に、図11において、USCCH(2)で送信するための第2のメッセージM4は、同様に、USCCH(2)にて伝送可能な62ビットのデータである。その内容は、情報要素識別子M4a、メッセージ番号M4b、フレームNO M4c、回線種別M4d、着信グループ番号M4e、発信者番号の情報(発信者番号[10]M4f〜発信者番号[15]M1k)、状態変化M4m、および報知受信指示M4pから構成されている。
【0061】
情報要素識別子M4aは、このメッセージで報知される情報がグループ着信であることを示す識別情報を格納する。着信状態M4bは、グループ着信動作中(すなわち、グループ着信有り)にあるか、またはグループ着信が停止状態(すなわち、グループ着信無し)にあるかを示す情報を格納する。フレーム番号M4cは、送信しているメッセージが、第1のメッセージであるか、または第2のメッセージであるかを示す情報を格納する。ここでは第2のメッセージの場合なので、フレーム番号M4cは、「1:第2フレームを示す情報」を格納する。回線種別M4dは、グループ着信を起動した発信者情報が内線であるか、または外線であるかを示す情報を格納する。ここでは、「外線」を格納する。着信グループ番号M4eは、グループ着信の通報先を示す着信グループ番号(00〜07)を格納する。
【0062】
発信者番号の情報(発信者番号[10]M4f〜発信者番号[15]M3k)は、グループ着信を起動した外線にて受信した発信者情報を4ビットの番号デジット(0〜9)でそれぞれ格納する。状態変化M4mは、本メッセージ情報に変更がある度にインクリメントされる3ビットの2進数を格納する。報知受信指示M4pは、受信指示を示す情報を格納する。
【0063】
なお、グループ着信メッセージでグループ着信を起動した発信者が外線の場合に、発信者番号に対応した名称情報も通知したい場合、USCCH(2)を利用し、メッセージフレーム構成を拡張し、第1フレーム〜第4フレーム構成とし、図10、図11で述べた発信者番号を格納するエリアと同様な構成で第3フレーム、第4フレームに名称情報を格納するエリアを規定することで対応可能である。
【0064】
以上のように、本実施例では、PHS基地局からPHS端末へグループ着信を送信する際には、非特許文献1で規定されたチャネルやメッセージであって、その規定によりユーザがオプションとして独自に使用できるチャネルやメッセージを適用して送信するようにしている。したがって、通常の(汎用の)PHS端末に何ら影響を与えることがなく、単なる通話のみに使用するのであれば、汎用のPHS端末を本システムに使用することができる。
【0065】
以下、動作について説明する。
図12は、グループ着信のメッセージを送信するための第1の動作シーケンスを示す図である。図12は、内線からグループ着信操作が行なわれた場合にUSCCH(2)によって、PHS端末5−1〜5−pに一斉にグループ着信メッセージを送信する動作シーケンスである。なお、PHS端末5−1〜5−pを代表して、PHS端末5−1、PHS端末5−2を図示する。また、基地局4−1〜4−mを代表して、基地局4−1を図示する。
【0066】
図12において、構内電話交換機1は、グループ着信指示を受け付けて(S121)、認識してグループ着信処理を開始する。すなわち、構内電話交換機1は、図5に示すグループ着信テーブル181に設定されたグループ着信種別に一致する操作&動作を認識して、対応する対象着信グループ番号42とPHS端末5に通知し着信表示させる内容43を抽出する。そして、グループ着信メッセージの送出タイミングになると第1回目の第1フレームにて図8に示す第1のメッセージM1をPHS端末5−1〜5−2に送信するように全てのPHS基地局4−1へ指示を行なう(S122)。
【0067】
PHS基地局4−1は、USCCH(2)によって、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を送出する(S123)。さらに、PHS基地局4−1は、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を再度送出する(S124)。すなわち、各PHS基地局4−1〜4−mがステップ123で送信するUSCCH(2)は、図7のスーパーフレームの内、符号82に示すUSCCH(2)の送出タイミングで送出されるものであり、ステップ12Dで再度送信するUSCCH(2)は、図7のスーパーフレームの内、符号86に示すUSCCH(2)の送出タイミングで送出されるものであり、同じ内容のUSCCH(2)を2度送出している。
【0068】
一方、USCCH(2)を受信したPHS端末5−1〜5−pは、受信したUSCCH(2)にて送信された第1のメッセージM1が受信対象のメッセージであれば、これを一時的に格納しておく。
【0069】
次に、構内電話交換機1は、所定時間(スーパーフレーム送出周期、具体的には1.2秒)を経過して、次のグループ着信メッセージの送出タイミングになると第1回目の第2フレームにて図9に示す第2のメッセージM2をPHS端末5−1〜5−pに送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S125)。各PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第2のメッセージM2(第2フレーム)を送出する(S126)。
【0070】
一方、USCCH(2)を受信したPHS端末5−1〜5−pは、受信したUSCCH(2)にて送信された第2のメッセージM2が受信対象のメッセージであり、かつ、先にUSCCH(2)にて第1のメッセージM1を受信していれば、第1のメッセージM1と第2のメッセージM2により、グループ着信で通知された情報を元に着信動作を行ない、表示部5Mに受信した内線番号および内線名称を表示し、かつ、PHS端末テーブル5Wで設定されているグループ着信時の着信鳴動音62およびグループ着信時の着信色64の制御を行なう(S127)。
【0071】
さらに、各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第2のメッセージM2(第2フレーム)を再度送出する(S128)。次に、構内電話交換機1は、所定時刻(2回のスーパーフレーム送出周期、具体的には2.4秒)に、次の通報メッセージの送出タイミングになると第2回目の第1フレームにて図8に示す第1のメッセージM1をPHS端末5−1〜5−pに送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S129)。すなわち、構内電話交換機1は、所定時間経過後、同じグループ着信メッセージを再度送信する処理を行なう。
【0072】
すると、各PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を送出する(S130)。さらに、各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を再度送出する(S131)。
【0073】
一方、USCCH(2)を受信したPHS端末5−1〜5−pは、受信したUSCCH(2)にて送信された第1のメッセージM1が受信対象のメッセージであれば、これを一時的に格納しておく。
【0074】
次に、構内電話交換機1は、所定時間(スーパーフレーム送出周期、具体的には1.2秒)を経過して、次の通報メッセージの送出タイミングになると第2回目の第2フレームにて図9に示す第2のメッセージM2をPHS端末5−1〜5−pに送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S132)。
【0075】
すると、各PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第2のメッセージM2(第2フレーム)を送出する(S133)。さらに、各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第2のメッセージM2(第2フレーム)を再度送出する(S134)
一方、USCCH(2)を受信したPHS端末5−1〜5−pは、受信したUSCCH(2)にて送信された第2のメッセージM2が受信対象のメッセージであり、かつ、先にUSCCH(2)にて第1のメッセージM1を受信していれば、第1のメッセージM1と第2のメッセージM2により、グループ着信で通知された情報を元に着信動作を行ない、表示部5Mに受信した内線番号および内線名称を表示し、かつ、PHS端末テーブル5Wで設定されているグループ着信時の着信鳴動音62およびグループ着信時の着信色64の制御を行なう。ここで、既にグループ着信のメッセージを受信している場合は、このグループ着信メッセージを廃棄して、新たに着信動作を行なわないように処理する。
【0076】
次に、構内電話交換機1は、所定時間(2回のスーパーフレーム送出周期、具体的には2.4秒)を経過して、次の通報メッセージの送出タイミングになると第2回目の第1フレームにて図8に示す第1のメッセージM1をPHS端末5−1〜5−pに送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S135)。すなわち、構内電話交換機1は、所定時間経過後、グループ着信に応答するかグループ着信を起動した内線が切断するまで、同じグループ着信メッセージを繰り返し送信する処理(繰り返し動作になるため説明を省略する)を行ない、確実にPHS端末5−1〜5−pに受信できるようにするためのものである。
【0077】
これにより、PHS端末5−1〜5−pの一部PHS端末5が電源を切っていた状態から電源ONにてグループ着信のメッセージを受信できる状態になった場合、または、各PHS基地局4−1〜4−mの無線メッセージを受信できない場所(圏外)から受信可能なエリアに移動してきた場合でも、グループ着信のメッセージを受信することでグループ着信動作を行なうことが可能になる。
【0078】
図13を参照して、PHS端末5−1から応答操作(オフフック)があった場合の、処理シーケンスを説明する。図13において、PHS端末5−1は、未使用状態からオフフック操作を行なった時と同様の手順であるリンク確立要求(S141)から、認証(S142)までのリンク接続処理は、非特許文献1に規定されている動作であり、説明を省略する。
【0079】
認証手順まで完了した時点で、構内電話交換機1は、応答情報をPHS端末5−1へ送信するようにPHS基地局4へ指示を行なう(S143)。PHS基地局4は、PHS端末5−1に対して応答情報を送信する(S144)。PHS端末5−1は、受信した応答情報にて通話開始を行なう。
【0080】
さらに構内電話交換機1は、応答情報を指示した後に所定時間(スーパーフレーム送出周期、具体的には1.2秒)の送出タイミングにてグループ着信の停止処理を行なう。すなわち、構内電話交換機1は、図8に示す第1のメッセージM1の着信状態M1bに「停止」を示す情報を格納し、グループ着信メッセージの送出タイミングになると、この第1のメッセージM1(グループ着信停止)を第1回目の第1フレームにてPHS端末5−1〜5−pに送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S145)。
【0081】
各PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第1のメッセージM2(第1フレーム)を送出する(S146)。USCCH(2)を受信したPHS端末5−2は、受信したUSCCH(2)にて送信された第1のメッセージM2が停止の場合、表示部5Mの表示を表示になしとし、グループ着信時の着信鳴動音も停止させる(S147)。各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第1のメッセージM2(第1フレーム)を再度送出する(S148)。
【0082】
次に、構内電話交換機1は、所定時間(スーパーフレーム送出周期、具体的には1.2秒)を経過して、次の通報メッセージの送出タイミングになると第2回目の第1フレームにて図8に示す第1のメッセージM1(グループ着信停止)をPHS端末5−1〜5−pに送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S149)。すなわち、構内電話交換機1は、所定時間経過後、同じグループ着信メッセージ(グループ着信停止)を再度送信する処理を行なう。
【0083】
すると、各PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を送出する(S150)。さらに、各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を再度送出する(S151)。
【0084】
一方、USCCH(2)を受信したPHS端末5−1〜5−pは、受信したUSCCH(2)にて送信された第1のメッセージM1が受信対象のメッセージであれば、グループ着信が停止状態にあることを認識して、通常動作モードに移行する。
【0085】
ところで、PHS基地局4−1〜4−mから、PHS端末5−1〜5−pには常時スーパーフレームがサイクリックに送信されている。従って、ステップ151の後も、USCCH(2)がPHS基地局4−1〜4−mからPHS端末5−1〜5−pへ伝送されているが、そのUSCCH(2)で送信されるメッセージ内容は、ステップ146およびステップ148で送信されるものと同一のものにしている。すなわち、グループ着信処理が無い場合には、PHS基地局4−1〜4−mからPHS端末5−1〜5−pに対して、図8に示す第1のメッセージM1の着信状態M1bに「停止」を示す情報を格納した第1のメッセージM1(グループ着信停止)を繰り返し送信して、PHS端末5−1〜5−pにグループ着信が無いことを通知し続けている。
【0086】
また、以上の構内電話交換機1による再送処理や、PHS基地局4−1〜4−mによる再送処理は、PHS端末5がグループ着信メッセージを確実に受信できるようにするためのものである。
【0087】
図14を参照して、グループ着信のメッセージを送信するための第2の動作シーケンスを説明する。図14は、内線からグループ着信操作が行なわれた場合にUSCCH(2)によって、特定グループに対してグループ着信メッセージを送信する動作シーケンスである。図14において、PHS端末5として、PHS端末5−1、PHS端末5−2、PHS端末5−3がある。PHS端末5−1とPHS端末5−2は、同一の着信グループ番号01で設定されている。一方、PHS端末5−3は、着信グループ番号02で設定されている。なお、PHS端末5−1〜PHS端末5−3は、全てPHS基地局4−1〜4−mよりメッセージを受信して動作する。
【0088】
図14において、構内電話交換機1は、グループ着信指示を受信して(S161)、グループ着信処理を開始する。すなわち、構内電話交換機1は、図5に示すグループ着信テーブル181が設定されたグループ着信種別に一致する操作&動作を認識して、対応する対象着信グループ番号42(具体的には、グループ01)、PHS端末5に通知し着信表示させる内容43を抽出する。そして、グループ着信メッセージの送出タイミングになると、構内電話交換機1は、第1回目の第1フレームにて図8に示す第1のメッセージM1を該当するPHS端末5(PS1、PS2)に送信するように、PHS端末5が登録されているPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S162)。
【0089】
すると、各PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を送出する(S163)。さらに、各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を再度送出する(S164)。すなわち、各PHS基地局4−1〜4−mがステップ163で送信するUSCCH(2)は、図7のスーパーフレームの内、符号82に示すUSCCH(2)の送出タイミングで送出されるものであり、ステップ164で再度送信するUSCCH(2)は、図7のスーパーフレームの内、符号86に示すUSCCH(2)の送出タイミングで送出されるものであり、同じ内容のUSCCH(2)を2度送出している。
【0090】
一方、USCCH(2)を受信したPHS端末5(PS1、PS2、PS3)は、受信したUSCCH(2)にて送信された第1のメッセージM1が受信対象のメッセージであれば、これを一時的に格納(具体的には、PS1、PS2)するが、対象外であれば、このグループ着信メッセージを廃棄する(具体的には、PS3)。
【0091】
次に、構内電話交換機1は、所定時間(スーパーフレーム送出周期、具体的には1.2秒)を経過して、次のグループ着信メッセージの送出タイミングになると第1回目の第2フレームにて図9に示す第2のメッセージM2をPHS端末5(PS1、PS2)に送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S165)。
【0092】
PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第2のメッセージM2(第2フレーム)を送出する(S166)。USCCH(2)を受信したPHS端末5−1、5−2は、受信したUSCCH(2)にて送信された第2のメッセージM2が受信対象のメッセージであり、かつ、先にUSCCH(2)にて第1のメッセージM1を受信していれば、第1のメッセージM1と第2のメッセージM2により、グループ着信で通知された情報を元に着信動作を行ない、表示部5Mに受信した内線番号および内線名称を表示し、かつ、PHS端末テーブル5Wに設定されているグループ着信時の着信鳴動音62およびグループ着信時の着信色64の制御を行なう(S167)。一方、USCCH(2)を受信したPHS端末5−3は、特に動作しない。このように、PHS端末5が各PHS基地局4−1〜4−mよりグループ着信メッセージを一斉に受信しても、受信したPHS端末5にて着信グループ番号を識別することにより、各PHS基地局4自身をグループ分けを行なわなくても、PHS端末5に対してグループ着信を行なうことが可能である。
【0093】
さらに、PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第2のメッセージM2(第2フレーム)を再度送出する(S168)。次に、構内電話交換機1は、所定時間(2回のスーパーフレーム送出周期、具体的には2.4秒)を経過して、次の通報メッセージの送出タイミングになると第2回目の第1フレームにて図8に示す第1のメッセージM1をPHS端末へ送信する。しかし、図12で説明した内容と同様になる為、説明を省略する。
【0094】
次に、グループ着信中に発信者の操作によりグループ着信停止を行なった時のシーケンスを説明する。図14において、構内電話交換機1は、グループ着信停止を受信して(S175)、グループ着信停止処理を開始する。次に所定時刻(スーパーフレーム送出周期、具体的には1.2秒)の送出タイミングにて、グループ着信の停止処理を行なう。すなわち、構内電話交換機1は、図8に示す第1のメッセージM1の着信状態M1bに「停止」を示す情報を格納し、グループ着信メッセージの送出タイミングになると、この第1のメッセージM1(グループ着信停止)を第1回目の第1フレームにてPHS端末5に送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S176)。
【0095】
PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第1のメッセージM2(第1フレーム)を送出する(S177)。
【0096】
USCCH(2)を受信したPHS端末5−1、5−2は、受信したUSCCH(2)にて送信された第1のメッセージM2が停止の場合で、かつ、受信対象のメッセージであれば、表示部5Mの表示を表示になしとし、グループ着信時の着信鳴動音も停止する(S178)。一方、メッセージ受信対象外のPHS端末5−3は、このグループ着信メッセージを廃棄して、何も処理を行なわない。
さらに、各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第1のメッセージM2(第1フレーム)を再度送出する(S179)。
【0097】
次に、構内電話交換機1は、所定時間(スーパーフレーム送出周期、具体的には1.2秒)を経過して、次の通報メッセージの送出タイミングになると第2回目の第1フレームにて図8に示す第1のメッセージM1(グループ着信停止)をPHS端末5に送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S180)。すなわち、構内電話交換機1は、所定時間経過後、同じグループ着信メッセージ(グループ着信停止)を再度送信する処理を行なう。
【0098】
すると、各PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を送出する(S14S)。さらに、各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を再度送出する(S181)。
【0099】
USCCH(2)を受信したPHS端末5−1、5−2は、受信したUSCCH(2)にて送信された第1のメッセージM1が受信対象のメッセージであれば、グループ着信が停止状態にあることを認識して、通常動作モードに移行する。
【0100】
ところで、PHS基地局4−1〜4−mから、PHS端末5には常時スーパーフレームがサイクリックに送信されている。従って、ステップ182の後も、USCCH(2)がPHS基地局4−1〜4−mからPHS端末5へ伝送されているが、そのUSCCH(2)で送信されるメッセージ内容は、ステップ177やステップ181で送信されるものと同一のものにしている。すなわち、グループ着信処理が無い場合には、PHS基地局4−1〜4−mからPHS端末5に対して、図8に示す第1のメッセージM1の着信状態M1bに「停止」を示す情報を格納した第1のメッセージM1(グループ着信停止)を繰り返し送信して、PHS端末5にグループ着信が無いことを通知し続けている。
【0101】
次に、図12に示すシーケンスや図13に示すシーケンスを実現する構内電話交換機1の処理について説明する。
図15および図16は、グループ着信メッセージを送信するための構内電話交換機のグループ着信監視フローチャートである。
【0102】
構内電話交換機1は、グループ着信処理を行なうためのグループ着信周期プログラムを備えている。図15は、そのフローチャートである。図15において、構内電話交換機1は、周期的にグループ着信操作(起動・終了)を検出したか判定する(S201)。検出していなければ、構内電話交換機1は、処理を終了する。一方、ステップ201でグループ着信を検出した場合、構内電話交換機1は、グループ着信の種別を認識する(S202)。グループ着信の起動操作であれば、構内電話交換機1は、グループ着信テーブル181参照して、着信先グループを取得する(S203)。すなわち、グループ着信テーブル181にグループ着信種別41に合致する操作があれば、そのグループ着信種別に対応する対象着信グループ番号42とPHS端末に通知し、着信表示させる内容43を抽出する。構内電話交換機1は、グループ着信処理を起動(開始)して(S204)、終了する。
【0103】
一方、グループ着信の操作が終了操作であれば、構内電話交換機1は、グループ着信テーブル181を参照して、着信先グループを取得する(S203)。すなわち、構内電話交換機1は、グループ着信テーブル181のグループ着信種別41に合致する操作があれば、そのグループ着信種別に対応する対象着信グループ番号42を抽出する。そして、グループ着信処理を起動(終了)して(S204)、終了する。
【0104】
構内電話交換機1は、グループ着信処理によってグループ着信メッセージを送信するための周期プログラムを備えている。図16は、そのフローチャートである。図16において、構内電話交換機1は、グループ着信処理が開始されているか判断する(S251)。開始されていない場合、構内電話交換機1は、処理を終了する。一方、ステップ251でグループ着信処理が開始されている場合、構内電話交換機1は、USCCH(2)送出周期になったかを判断する(S252)。USCCH(2)の送出周期であれば、構内電話交換機1は、送信処理を判定する(S253)。ステップ252でUSCCH(2)の送出周期でなければ、構内電話交換機1は、処理を終了する。
【0105】
ステップ253で、第1フレーム送出周期であれば、構内電話交換機1は、第1フレームを送信して(S254)、終了する。
ステップ253で、第2フレーム送出周期であれば、構内電話交換機1は、第2フレームを送信して(S255)、終了する。
ステップ253で、第1フレーム再送送出周期であれば、構内電話交換機1は、第1フレームを送信して(S256)、終了する。
ステップ253で、第2フレーム再送送出周期であれば、構内電話交換機1は、第2フレームを送信して(S257)、終了する。
ステップ253で、停止送出周期であれば、構内電話交換機1は、停止を送信して(S258)、終了する。
ステップ253で、停止再送送出周期であれば、構内電話交換機1は、停止を送信する(S259)。構内電話交換機1は、グループ着信なしとして(S260)、終了する。
【0106】
次に、図12のシーケンスおよび図13のシーケンスを実現するPHS端末5の処理について説明する。
【0107】
図17を参照して、PHS端末の電源ON時/PHS基地局捕捉時の処理を説明する。図17において、PHS端末5は、電源ON時や新たにPHS基地局4−1〜4−mを捕捉した時に、図6の端末テーブル5Wに設定されているグループ着信受信有無の項目が「有り」かまたは「無し」かを抽出して、動作モードが通常モードかグループ着信受信モードかを確認する(S301)。次に、PHS端末5は、スーパーフレームのBCCH(A)を検出するまで待ち続ける(S302)。BCCH(A)を検出すると、PHS端末5は、BCCH(A)に格納されているチャネル構造に関する情報を基にスーパーフレームの構成を解析する(S303)。そして、動作モードが通常モード(グループ着信受信有無の項目が「無し」と設定)の場合、PHS端末5は、図7に示すスーパーフレーム構成が(a)通常時であれば、「起動1」と「起動2」の時点でスリープモードから起動し、また、図7に示すスーパーフレーム構成が(b)グループ着信時であれば、「起動1」と「起動2」の時点でスリープモードから起動して、PCH(PCH1およびPCH2)を受信するように起動時間を記憶する。また、動作モードがグループ着信受信モード(グループ着信受信有無の項目が「有り」と設定)の場合、PHS端末5は、図7に示すスーパーフレーム構成の(b)グループ着信時において、「起動3」と「起動1」と「起動4」と「起動2」の時点でスリープモードから起動し、USCCH(2)とPCH(PCH1およびPCH2)を受信するように起動時間を記憶する(S304)。
【0108】
PHS端末5は、バッテリーセービングモードに移行して(S305)、終了する。なお、バッテリーセービングモードは、バッテリーの消費を抑えるものである。バッテリーセービングモードは、PHS端末が待受け状態の場合で、必要な無線信号を受信するとき以外は、音声処理部5C、コーデック5D、TDMA処理部5E、復調部5F、変調部5G、受信部5H、送信部5J、スイッチ部55K、表示部5Mおよびランプ部5Nに電力を供給しないモードである。スーパーフレームの必要な信号を受信するとき、PHS端末5は、TDMA処理部5E、復調部5F、受信部5H、およびスイッチ部55Kに電力を与え(すなわち起動し)、USCCH(2)やPCH(PCH1およびPCH2)を受信できるようにしている。
【0109】
図18を参照して、PHS端末の通常モード時の待受けの処理を説明する。図18において、PHS端末5は、先に記憶した起動時間の到来を待つ(S351)。到来したとき、PHS端末5は、スリープモードを解除して起動し、PCH(PCH1およびPCH2)受信準備を始める(S352)。次に、PHS端末5は、PCH(PCH1およびPCH2)を受信する(S353)。PHS端末5は、自PHS端末5の着信があるか判別する(S354)。着信があれば、PHS端末5は、着信処理に移行して(S355)、終了する。また、着信がなければ、PHS端末5は、スリープモードに移行して(S356)、次の起動時間の到来を待つ。
【0110】
図19を参照して、PHS端末のグループ着信受信モード時の待受けの処理を説明する。図19において、PHS端末5は、先に記憶した起動時間の到来を待つ(S401)。到来すれば、スリープモードを解除して起動し、PCH(PCH1およびPCH2)またはUSCCH(2)受信準備を始める(S402)。次に、PHS端末5は、PCH(PCH1およびPCH2)またはUSCCH(2)を受信する(S403)。PHS端末5は、受信したフレームがPCH(PCH1およびPCH2)を受信したかを判別する(S404)。PCH(PCH1およびPCH2)を受信した場合、PHS端末5は、自PHS端末5−1〜5−pへの着信があるか判別する(S405)。着信があれば、PHS端末5は、グループ着信メッセージ受信処理中かを判別する(S407)。
【0111】
ステップ407での判別の結果、グループ着信メッセージ受信処理中の場合、PHS端末5は、着信処理へ移行して(S408)、終了する。一方、ステップ407グループ着信メッセージ受信処理中でない場合(NO)、PHS端末5は、着信を無効化して(すなわち着信不可の応答として)(S409)、処理を終了する。また、ステップ405において、着信が無い(NO)と判断した場合、PHS端末5は、スリープモードに移行して(S406)、次の起動時間の到来を待つ。
【0112】
さらに、ステップ404の判断において、受信したフレームがPCH(PCH1およびPCH2)でない場合、すなわち、USCCH(2)を受信したと判断した場合、PHS端末5は、グループ着信メッセージ受信処理(1)へ移行して(S410)、終了する。なお、この通報メッセージ受信処理(1)の詳細動作は後述する。
【0113】
図20を参照して、PHS端末の発信操作監視の処理を説明する。図20において、PHS端末5は、発信操作を待つ(S501)。発信操作が合った場合、PHS端末5は、グループ着信メッセージ受信処理中かを判別する(S502)。ここで、グループ着信メッセージ受信処理中でなければ、PHS端末5は、発信処理に移行して(S503)、終了する。グループ着信メッセージ受信処理中の場合でも発信処理に移行するが、PHS端末5は、あくまでもグループ着信応答として発信処理に移行して(S504)、処理を終了する。
【0114】
すなわち、図19の着信処理(ステップ408)と、図20の発信処理(ステップ504)は、グループ着信メッセージ受信処理中のときには、通常の発信処理行なうことはできず、グループ着信の応答として発信処理の動作を行なう。なお、グループ着信メッセージ受信処理中か否かの判断は、メッセージ処理フラグで判断しているものであり、その説明は、図21を参照して、説明する。
【0115】
図21は、PHS端末のグループ着信メッセージ受信処理(1)フローチャートである。図21は、図19に示すフローチャートのステップ410に示した処理である。PHS端末5は、PHS基地局からUSCCH(2)を受信する度に、この処理を実行する。
【0116】
図21において、PHS端末5は、USCCH(2)を受信する(S551)。PHS端末5は、そのメッセージ内容を解読する(S552)。PHS端末5は、このメッセージに含まれる状態変化M1mまたはM2mと、前回受信した内容とを比較する(S553)。比較した結果が変化なしの場合、PHS端末5は、受信メッセージを廃棄して、PHS端末をスリープモードに移行させて(S571)、処理を終了する。
【0117】
一方、ステップ553で変化ありの場合、PHS端末5は、受信メッセージに含まれる着信グループ番号M1eまたはM2e内の着信グループと自端末のPHS端末テーブル5Wに設定されたグループ着信番号61を比較して処理対象着信グループ番号か判断する(S554)。このとき、PHS端末5は、通知された着信グループ番号M1eまたはM2eが全端末が処理する着信グループ番号の場合も処理対象と判断する。そして、処理対象外と判断した場合、PHS端末5は、ステップ571に遷移する。
【0118】
一方、ステップ554で処理対象と判断すると、PHS端末5は、フレーム番号M1cまたはM2c内のフレーム番号により、第1フレーム(第1のメッセージM1)か第2フレーム(第2のメッセージM2)かを判断する(S555)。第1フレーム(第1のメッセージM1)であれば、PHS端末5は、着信状態M1bに含まれる情報が停止か着信かを判断する(S556)。これが着信であれば、PHS端末5は、メッセージ処理フラグをONする(S557)。
【0119】
次に、PHS端末5は、受信したメッセージに含まれる回線種別M1dまたはM3dを参照し、PHS端末5は、内線であれば、内線番号(内線番号[1]M1f〜内線番号[6]M1k)と内線名称(内線名称[1]M1l、内線名称[1]M1lおよび、内線名称[3]M1o)を読み取る。なお、回線種別M1dまたはM3dが外線であれば、PHS端末5は、発信者番号(発信者番号[1]M3f〜発信者番号[9]M3o)を読み取る。PHS端末5は、読み取った情報は一時的に格納する(S558)。PHS端末5は、スリープモードに移行して(S559)、処理を終了する。なお、ステップ556の判断において、着信状態M1bに含まれる情報が停止と判断された場合、PHS端末5は、メッセージ処理フラグをOFFとし(S560)、ステップ559に遷移する。
【0120】
なお、メッセージ処理フラグは、グループ着信の受信処理中か否かの識別フラグである。このフラグが処理中(ON)となっている場合、図19のフローチャートや図20のフローチャートに示すように、PHS端末5は、発着信動作を行なわない。
【0121】
一方、ステップ555の判断において、第2フレーム(第2のメッセージM2)と判断された場合、PHS端末5は、第1フレーム(第1のメッセージM1)を受信しているかを判断する(S561)。第1フレーム(第1のメッセージM1)を受信していない場合、PHS端末5は、受信メッセージを廃棄して、PHS端末をスリープモードに移行させて(S570)、処理を終了する。また、第1フレーム(第1のメッセージM1)を受信している場合、PHS端末5は、受信したメッセージに含まれる回線種別M2dまたはM4dを参照し、内線であれば、内線名称(内線名称[4]M2b〜内線名称[12]M2o)を読み取って、先に一時的に格納した、内線名称(内線名称[1]M1l、内線名称[1]M1lおよび、内線名称[3]M1o)と結合して、表示内容を作成する(S562)。なお、回線種別M2dまたはM4dが外線であれば、PHS端末5は、発信者番号(発信者番号[10]M4f〜発信者番号[15]M3k)を読み取って、先に一時的に格納した、発信者番号(発信者番号[1]M3f〜発信者番号[9]M3o)と結合して、表示メッセージを作成する(S562)。
【0122】
次に、PHS端末5は、作成した表示メッセージを表示部5Mに表示する(S563)。そして、PHS端末5は、端末テーブル5Wで設定された条件で、着信音鳴動とバイブレータ動作を発生して(S564)、グループ着信状態として、ステップ559に遷移する。
【0123】
なお、グループ着信メッセージを行なうための指示や操作(トリガー)は、特に限定されるものでなく、局線トランクへの特別な着信や、日時や時間でのタイマー動作でも良い。
【0124】
また、本実施例の電話交換システムには、汎用のPHS端末を用いても問題は生じない。すなわち、汎用のPHS端末は、USCCH(2)を無視する処理に(USCCH(2)を受信しない処理に)なるため、通常の発着信を行なう内線電話機として用いることができる。さらに、PHS端末は、グループ着信の受信を行なわない動作モードと設定すれば、通常のPHS端末と同様の動作を行なうため、通常の(汎用の)PHS端末としても使用することができる。
【0125】
特に、電話交換システムは、PHSサービスにてグループ着信メッセージを送信し、着信鳴動および着信表示を行なうため、移動電話機としてPHS端末しか利用ができず、業務で移動が頻繁に発生するような施設(具体的には、病院または老人介護施設)で、発信者を応答前に特定して対応可能であり、かつ、複数のPHS端末を短時間で着信させることができるため、極めて有効な効力を発揮できる。
【0126】
さらに、本実施例では、構内電話交換機を例として説明したが、これは構内電話交換機に限定されるものではなく、PHSサービス若しくはPHS機能を提供する構内電話交換機やボタン電話装置(キーテレホン)等の種々の電話交換装置に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0127】
1…構内電話交換機、2…内線電話機、3…デジタル多機能電話機、4…PHS基地局、4A…スイッチ部、4B…受信部、4C…復調部、4D…送信部、4E…変調部、4F…TDMA処理部、4G…回線インタフェース部、4H…制御部、4J…記憶部、4K…アンテナ、5…PHS端末、5A…スピーカ、5B…マイク、5C…音声処理部、5D…コーデック、5E…TDMA処理部、5F…復調部、5G…変調部、5H…受信部、5J…送信部、スイッチ部55Kと5L…制御部、5M…表示部、5N…ランプ部、5P…操作部、5Q…外部インタフェース部、5R…記憶部、5S…アンテナ、7…公衆電話網、8…公衆一般電話機、9…メンテナンスパネル、11…通話路スイッチ、12…内線回路、13…デジタル内線回路、14…コードレス電話トランク、15…局線トランク、17…制御装置、18…記憶装置、19…入出力装置、20…制御バス、100…構内電話交換システム、171…スーパーフレーム生成部、181…グループ着信テーブル、182…グループ着信リスト。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話交換システム、電話交換装置および着信制御方法に係り、特に非特許文献1の規定に従う電話交換システム、電話交換装置および着信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PHS(Personal Handy Phone System)を用いて、発信者からの発信要求によりグループ分けされている複数PHS端末へ着信を知らせる方式が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、1つの基地局が管理する無線ゾーン内に複数の移動局(PHS端末)が存在し、それらの各移動局は、ゾーン対応のグループに所属している。着呼の際に、複数の基地局を管理する交換機は、特定の移動局への呼び出しを行なう個別着信を行なうのか、それともグループに所属する複数の移動局への一斉呼び出しを行なうグループ着信を行なうのかを選択する。そして、グループ着信を行なう場合には、無線制御チャネルを用いて該当する基地局からグループに属する各移動局に対して着呼信号を送出し、各移動局についての接続処理が終了した後に、各移動局に対して呼び出し信号を送出して同時に呼び出すようになっている。
【0003】
また、特許文献2においても着信の際に、グループ着信を行なう場合には、無線制御チャネルを用いて該当する基地局からグループに属する各移動局(PHS端末)に対して優先順位を設けて着呼信号を送出し、各移動局に対して着呼の成功確率を高める提案がされている。
【0004】
また、特許文献3には、PHS端末に実装されたランプを用いて、外線から着信があったことを基地局から一斉にUSCCH(User Specific Control Channel:ユーザ特有の制御チャネル)で報知し、各移動局(PHS端末)ではUSCCHに設定されているランプ状態情報を元にランプ制御を行ない、着呼があることを一斉に知らせる提案がされている。
【0005】
また、特許文献4には、発信者が親機にシステム共通の呼出符号を用い複数の子機に対し一斉呼出しを行ないその中の特定子機を呼出す方式において、システム内の接続動作を簡単化し、一斉呼出しのあと短時間で、特定子機が発信者と個別通話が可能となるシステムコードレス電話機の一斉通報と個別通話の方式を実現する提案がされている。しかし、特許文献4にて、親機がどのような信号・手順で一斉呼出しを送信し、子機がこれをどのようにして受信を行ない、どのようにして子機が個別通話に切り替わるのか明確に開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平03−234196号公報
【特許文献2】特開平09−214423号公報
【特許文献3】特開平08−237738号公報
【特許文献4】特開平06− 53895号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】”第二世代コードレス電話システム”、[online]、平成5年12月20日、社団法人電波産業会、[平成22年8月21日検索]、インターネット、<URL:http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/1-STD-28v5_3-1p2.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来技術にて、特許文献1、2に関しては無線制御チャネルを用いて該当する基地局から各移動局に対して着呼信号を送出する方式であり、各移動局を呼出す台数が増加すると、該当する移動局を呼出す時間が、第二世代コードレス電話システム標準規格に準じて、1台ずつ着呼制御を行なう必要があるため、時間が長くなってしまう点、および、着呼信号を制御するために無線制御チャネルが必要であり、その分の基地局の無線制御チャネルが予め確保されていないと確実に、着呼信号を各移動局へ通知することができない点、および、グループ着信が行なわれている状態で、グループ着信に属していない移動局への個別呼出および移動局からの発呼制御が無線制御チャネル使用中の状態により、発呼動作が制限されてしまう。
【0009】
特許文献3に関しては、USCCH(ユーザ特有の制御チャネル)用いることで、無線制御チャネルと別に制御を行ない、移動局が複数台あっても同時にランプ制御にて着信を報知することが可能である。しかし、発信者を特定する手段が着信に応答してみないと特定できない。
【0010】
本発明の目的は、非特許文献1に準拠した手順または方法によって、複数の移動局へ着呼信号および発信者情報を通知する手段および、移動局にて発信者情報を参照し、着信応答したい移動局の操作により、発信者と着信応答操作の移動局が通話できる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、PHS基地局を接続する電話交換装置と、PHS端末とを含み、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠してPHS通信を可能とする電話交換システムの着信通知方法において、電話交換装置は、発信者からの発信要求により予めグループ分けされている複数PHS端末へ通知する情報をUSCCHに格納して、該当USCCHをPHS基地局から送出させてグループ着信を通知し、PHS端末は、USCCHを受信し、受信したUSCCH内に設定されている発信者の情報を表示部に表示および着信鳴動を行なう、PHS端末より応答操作が行なわれた場合、無線制御チャネルを利用し着信応答し通話できる。
【0012】
上述した課題は、PHS基地局を接続する電話交換装置と、PHS端末とを含み、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠してPHS通信を可能とする電話交換システムにおいて、電話交換装置は、グループ着信指示に対応する発信操作者情報を記憶する記憶手段と、グループ着信指示を認識すると、記憶手段に記憶された当該グループ着信指示に対応する発信操作者情報をUSCCHに格納して、当該USCCHをPHS基地局から送出させて一斉着信する手段とを備え、PHS端末は、グループ着信を受信するモードに設定する設定手段と、グループ着信を受信するモードの場合、USCCHを受信するUSCCH受信手段と、USCCH受信手段が受信したUSCCH内にグループ着信に係る発信操作者情報が格納されている場合、当該発信操作者情報を表示部に表示させる表示制御手段と、グループ着信の着信鳴動を制御する手段とを備える電話交換システムにより、達成できる。
【0013】
また、PHS端末と無線通信を行なうPHS基地局を接続し、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠してPHS通信を可能とする電話交換装置において、グループ着信指示に対応する発信操作者情報および着信グループ番号情報を記憶する記憶手段と、グループ着信指示を認識すると、記憶手段に記憶された当該グループ着信指示に対応する発信操作者情報および着信グループ番号情報をUSCCHに格納して、当該USCCHをPHS基地局からPHS端末に送出させてグループ着信する一斉着信手段と、を備え、グループ情報に属するPHS端末の表示部に発信操作者情報を表示させる電話交換装置により、達成できる。
【0014】
さらに、PHS基地局を接続する電話交換装置と、PHS端末とを含み、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠してPHS通信を可能とする電話交換システムの着信制御方法において、電話交換装置は、グループ着信指示に対応するグループ着信情報を記憶しており、グループ着信指示を認識すると、当該グループ着信指示に対応する発信操作者情報をUSCCHに格納して、当該USCCHをPHS基地局から送出させて一斉着信し、PHS端末は、グループ着信を受信するモードに設定されている場合に、USCCHを受信し、受信したUSCCH内にグループ着信に係る発信操作者情報が格納されている場合は、当該文字メッセージ情報を表示部に表示する着信制御方法により、達成できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電話交換装置は、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠した手順若しくは方法によって、グループ着信時に、短時間でかつ確実に複数の移動局(PHS端末)に着呼信号および発信者の情報を通知し、移動局では受信した着呼信号および発信者の情報を元に着信鳴動および、発信者情報を表示部に表示を行なう。該当移動局より応答操作を行なうことで、通話できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電話交換システムのブロック図である。
【図2】PHS無線基地局のブロック成図である。
【図3】PHS端末のブロック図である。
【図4】グループ着信リストを説明する図である。
【図5】グループ着信テーブルを説明する図である。
【図6】PHS端末に設定記憶されるPHS端末テーブルを説明する図である。
【図7】スーパーフレームの構成を説明する図である。
【図8】発信者を内線で送信するための第1のメッセージ構成を説明する図である。
【図9】発信者を内線で送信するための第2のメッセージ構成を説明する図である。
【図10】発信者を外線で送信するための第1のメッセージ構成を説明する図である。
【図11】発信者を外線で送信するための第2のメッセージ構成を説明する図である。
【図12】グループ着信メッセージを送信するための動作シーケンス図である。
【図13】グループ着信メッセージを送信するための動作シーケンス図である。
【図14】グループ着信メッセージを送信するための動作シーケンス図である。
【図15】構内電話交換機のグループ着信監視フローチャートである。
【図16】構内電話交換機のグループ着信監視フローチャートである。
【図17】PHS端末の電源ON時/PHS基地局捕捉時フローチャートである。
【図18】PHS端末の通常モード時の待受け状態フローチャートである。
【図19】PHS端末のグループ着信受信モード時の待受け状態フローチャートである。
【図20】PHS端末の発信操作監視フローチャートである。
【図21】PHS端末のグループ着信メッセージ受信処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実質同一部位には同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。なお、以下の実施例では、病院または介護施設でナースコール用にPHSを利用する構内電話交換システムを説明する。しかし、発明は、ナースコールに限定されない。
【0018】
図1を参照して、構内電話交換システムを説明する。図1において、構内電話交換システム100は、電話交換装置である構内電話交換機(PBX)1と、複数台(図示は1台)の内線電話機2と、複数台(図示は1台)のデジタル多機能電話機3と、m台のPHS基地局4と、p台のPHS端末5と、メンテナンスパネル(MPと略記)9とを含んで構成している。
【0019】
また、構内電話交換機1は、電話端末(内線電話機2、デジタル多機能電話機3、PHS端末5)や回線(公衆電話網7の局線等)の回線交換を行なう通話路スイッチ11を備えている。この通話路スイッチ11は、内線回路12、デジタル内線回路13、m台のコードレス電話トランク14、局線トランク15が接続収容している。
【0020】
ここで、内線回路12は、複数台の内線電話機2を接続し、これらを制御(発信/着信制御等)して、構内電話交換機1とのインタフェースを行なう。デジタル内線回路13は、複数台のデジタル多機能電話機3を接続し、これらを制御(発信/着信制御等)して、構内電話交換機1とのインタフェースを行なう。コードレス電話トランク14−1〜14−mは、PHS基地局4−1〜4−mをそれぞれ接続し、これを制御(発信/着信制御等)して、構内電話交換機1とのインタフェースを行なう。なお、コードレス電話トランク14−1〜14−mとPHS基地局4−1〜4−mとの間は、ISDN基本インタフェースで接続されている。また、局線トランク15は、公衆電話網7からの局線回線を接続し、これを制御(発信/着信制御等)して、構内電話交換機1とのインタフェースを行なう。
【0021】
また、構内電話交換機1は、制御装置17を備えている。この中央制御装置17は、構内電話交換機1の全体を統制・制御して呼接続制御を行なう。中央制御装置17は、スーパーフレーム生成部171を含んでいる。スーパーフレーム生成部171は、スーパーフレーム生成の制御を行なっている。制御バス20を介して、制御装置17には、記憶装置18が接続されている。記憶装置18は、通報リストや通報テーブル等の各種テーブルを格納している。記憶装置18は、グループ着信テーブル181と、グループ着信リスト182とを記憶する。更に、制御バス20には、構内電話交換機1の動作に必要な局データを設定するために用いられる端末装置であるメンテナンスパネル装置9を接続する入出力装置19と、通話路スイッチ11とが接続されている。そして、構内電話交換機1の使用にあたって、使用条件等に応じてデータ端末であるメンテナンスパネル9から記憶装置18に対して局データを設定できる。
【0022】
構内電話交換機1は、PHSサービスを提供する。このため、構内電話交換機1は、p台のPHS端末5を内線電話機として利用できるように収容している。そして、このPHSサービスは、非特許文献1に準拠した手順または方法によって行なわれる。従って、呼設定、通話、その他の電話交換動作に関するPHS基地局4−1〜4−mと、PHS端末5−1〜5−pとの間の無線通信は、非特許文献1に準拠して行なわれる。
【0023】
図2を参照して、構内電話交換機1に接続されるPHS無線基地局を説明する。図2において、PHS無線基地局4は、スイッチ部4Aと、受信部4Bと、復調部4Cと、送信部4Dと、変調部4Eと、TDMA処理部4Fと、回線インタフェース部4Gと、制御部4Hと、記憶部4Jと、およびアンテナ4Kとを備えている。そして記憶部4Jは、ROM、フラッシュROM(F−ROM)、RAMから構成されている。
【0024】
アンテナ4Kは、スイッチ部4Aにて送受信を切り換えて使用されている。受信部4Bを経て、復調部4Cより復調された受信信号は、TDMA処理部4Fより連続する受信データとして回線インタフェース4Gを経て、構内電話交換機1のコードレス電話トランク14−1〜14−mを介して、通話路スイッチ11や制御装置17に送信される。また、これとは逆に構内電話交換機1の通話路スイッチ11や制御装置17からの連続する送信信号は、回線インタフェース4Gを介してTDMA処理部4Fに送られる。TDMA処理部4Fは、連続する送信データをバースト状のデータに変換する。変調部4Eは、バーストデータを変調する。送信部4Dは、変調信号をPHS端末5に対して送信する。
【0025】
また、TDMA処理部4Fと回線インタフェース4Gは。制御部4Hによって制御される。この制御部4Hには、ROM、F−ROM、RAMを備えた記憶部4Jが接続されている。
【0026】
図3を参照して、PHS端末の構成を説明する。図3において、PHS端末5は、スピーカ5Aと、マイク5Bと、音声処理部5Cと、コーデック5Dと、TDMA処理部5Eと、復調部5Fと、変調部5Gと、受信部5Hと、送信部5Jと、スイッチ部55Kと、制御部5Lと、表示部5Mと、ランプ部5Nと、操作部5Pと、外部インタフェース部5Qと、記憶部5Rと、およびアンテナ5Sとを備えている。制御部5Lは、スーパーフレーム解析部5Tと、着信制御部5Uと、発信制御部5Vとを備える。記憶部5Rは、ROM、フラッシュROM(F−ROM)、RAMから構成されており、PHS端末テーブル5Wが格納されている。
【0027】
マイク5Aから入力される音声データは、音声処理部5Cを経て、コーデーク5Dにて符号化される。TDMA処理部5EからPHS基地局4へ送信されるまでの動作と、受信した受信信号がTDMA処理部5Eに送られるまでの動作は、図2を用いて説明したPHS基地局4の動作と同様である。TDMA処理部5Eにより連続するデータとなった受信信号は、コーデック5Dにより復号化され、音声処理部5Cを経て、スピーカ5Bより送出される。
【0028】
音声処理部5C、TDMA処理部5E、表示部5M、ランプ部5N、操作部5P、外部インタフェース部86、および記憶部5Rには制御部5Lが接続されている。また、PHS端末5は、バイブレータ(図示せず)を備えており、条件設定により音声着信時にPHS端末を振動させる。さらに、PHS端末5は、充電可能なバッテリー(図示せず)にて作動する。
【0029】
図4を参照して、構内電話交換機1の記憶装置18に設定記憶されるグループ着信リスト182を説明する。なお、このグループ着信リスト182は、メンテナンスパネル装置9を操作することで設定される。図4において、グループ着信リスト182は、グループ番号31、呼出先PS電話情報32の領域から構成されている。グループ番号31は、複数のPHS端末5−1〜5−pをグループ分けした際に用いられる管理番号である。グループ番号31は、グループ着信の起動を検出した場合に、呼出先を特定するために用いる。呼出先PS電話情報32は、グループ番号31毎に属するPHS端末5の電話情報(具体的には、内線番号またはPS−ID)を格納する。図4においては、グループ番号01に「PS1」〜「PS10」が属しており、グループ番号02に「PS11」〜「PS15」が属しており、グループ番号07に「PS60」〜「PS99」が属している。
【0030】
図5を参照して、構内電話交換機1の記憶装置18に設定記憶されるグループ着信テーブル181を説明する。グループ着信テーブル181は、メンテナンスパネル装置9を操作することで設定される。図5において、グループ着信テーブル181、グループ着信種別41、対象着信グループ番号42、名称43とから構成されている。
【0031】
名称43は、PHS端末5に通知し、PHS端末5に着信表示させる内容である。グループ着信種別41は、グループ着信の起動があった場合に呼出先のPHS端末へ着信動作を行なうための指示情報(グループ着信のトリガー情報)である。グループ着信種別41は、具体的には、内線電話機2またはデジタル多機能電話機3の受話器を上げた場合、内線電話機2またはデジタル多機能電話機3から特番(グループ着信を行なうための特番)と所定番号を受信した場合、局線トランクで着信を検出した場合等のユーザが予め指定(設定)した条件によってグループ着信が行なわれる。
【0032】
対象着信グループ番号42は、グループ着信種別41毎に設定される。対象着信グループ番号42は、どの着信グループ番号に属するPHS端末5に着信させるのかを予め設定する。なお、この対象着信グループ番号42には、PHS端末5−1〜5−pの全てをグループ着信先として設定することもできる。これは、具体的には着信グループ番号を「00」と設定したとき、全てのPHS端末5に対するグループ着信であるように定義して行なえば良い。
【0033】
名称(着信表示内容)43は、グループ着信種別41の状態になり、指定された着信ループ番号に属するPHS端末5に対してグループ着信する際に送信する名称(着信表示内容)を指定する。この名称(着信表示内容)43はグループ着信種別41毎に個々に設定する。すなわち、グループ着信種別41毎に、対象着信グループ番号42および名称(着信表示内容)43が対応付けされて予め設定登録されている。
【0034】
図6を参照して、PHS端末5の記憶部5Rに設定記憶されるPHS端末テーブル5Wを説明する。図6において、PHS端末テーブル5Wは、PHS端末5のそれぞれが保有している。PHS端末テーブル5Wは、PS設定項目51に対して、動作条件52が設定される。
【0035】
PS設定項目51は、グループ着信受信有無60、グループ着信番号61、グループ着信時鳴動音(内線指定)62、グループ着信時鳴動音(外線指定)63、グループ着信時着信色(内線指定)64、およびグループ着信時着信色(外線指定)65を有している。グループ着信信号有無60は、PHS端末がグループ着信を受信するモードで動作するか否かを設定する項目であり、「有り」と設定されていれば、グループ着信を受信モードで動作し、「無し」と設定されていれば、通常モードで動作するため、グループ着信の受信は行なわない。したがって、グループ着信受信有無60が「有り」と設定されている場合のみ、グループ着信番号61、グループ着信時鳴動音(内線指定)62、グループ着信時鳴動音(外線指定)63、グループ着信時着信色(内線指定)64、およびグループ着信時着信色(外線指定)65に設定された条件が有効なものになる。
【0036】
また、グループ着信番号61は、PHS端末自身がどの着信グループに属しているのかを設定する項目である。この動作条件に設定がない場合は、どの着信グループにも属さないとされ、全PHS端末への着信グループのみ受信することになる。また、1台のPHS端末5が複数の着信グループに属することも可能である。
【0037】
グループ着信時鳴動音(内線指定)62およびグループ着信時鳴動音(外線指定)63は、グループ着信を受信したときに着信音を指定する項目である。グループ着信時着信色(内線指定)64およびグループ着信時着信色(外線指定)65は、グループ着信を受信したときに、表示器への何色で着信表示を行なうかを指定する項目である。
【0038】
なお、このPHS端末テーブル5Wは、PHS端末5をメンテナンスモードに移行させて、PHS端末の操作部5Pを操作し、表示部5Mと連携して、記憶部5Rに設定記憶される。なお、図6のPHS端末テーブル5Wは、一斉通報に係るPS設定項目のみ記載してある。すなわち、その他、従来から用いられている設定項目も同様に存在していることは自明であるので、説明を省略する。
【0039】
図7を参照して、PHS通信に用いる非特許文献1に準拠したスーパーフレームの構成を説明する。図7において、スーパーフレームの構成は、PHS基地局4からPHS端末5へ送信される方向の無線通信チャネルは、図7に示すデータフレームによって伝送されている。図7に示す(a)通常時と(b)グループ着信時の2つのスーパーフレームのいずれか一方を用いることができる。
【0040】
PHSシステムのPHS基地局とPHS端末間における無線区間のデータ伝送は、TDMA−TDD(Time Division Multi Access-Time Division Duplex)方式が採用されている。このTDMA−TDDは、所定の時間長を有するデータフレームを伝送データの一単位として、論理制御チャネル(Logical Control Channel(LCCH))スーパーフレーム(以下、「スーパーフレーム」と称する)を構成する。そして、このスーパーフレームを所定周期(具体的には1.2秒周期)でサイクリックに(繰り返し・繰り返し)伝送することにより各種制御データの伝送を行なう。また、このスーパーフレームは、複数のタイムスロットに分割されており、各々のタイムスロット毎に異なる種類の制御データが所定のビットパターンに変換され重畳される。
【0041】
図7に示すように、ここでは、グループ着信サービス(機能)を提供しないときに用いる通常時のスーパーフレーム(a)と、グループ着信サービス(機能)を提供するときに用いるグループ着信時のスーパーフレーム(b)を使用する。
【0042】
通常時のスーパーフレーム(a)は、PHS基地局からPHS端末に制御情報を報知するチャネルである。通常時のスーパーフレーム(a)は、チャネル構造に関する情報、システム情報等を転送する報知チャネル(Broadcast Control Channel)(以下、「BCCH(A)」と称する)、PHS基地局とPHS端末の間で呼接続に必要な情報を転送するチャネルであって、セル毎に独立の情報を転送する個別セル用チャネル(Signaling Control Channel)(以下、「SCCH」と称する)、およびPHS基地局からPHS端末に対して、単一セルあるいは複数のセルの広いエリア(一斉呼出エリア)に同一の情報を一斉に転送するポイント−マルチポイントの一斉呼出チャネル(Paging Channel)(以下、「PCH」と称する)から構成されている。
【0043】
図7(a)に示すように、BCCH(A)71、SCCH72、SCCH73、PCH1_74、SCCH75、SCCH76、SCCH77、PCH2_78で構成されている。PCH1_74またはPCH2_78を受信するとPHS端末5は、起動する。
【0044】
また、グループ着信時のスーパーフレーム(b)は、上記に加えて、制御用物理スロット上に定義可能なUPCH(ポイント−マルチポイントのチャネルであって、制御信号情報およびユーザパケットデータ転送を行なうユーザパケットチャネル)であるユーザ特有制御チャネル(User Specific Control Channel)(以下、「USCCH」と称する)を用いている。このUSCCHは、規定項目を満足していればその使用方法は任意なオプションである。USCCHは、ユーザ独自で任意の制御チャネルとして使用できる。なお、USCCHは、USCCH(1)とUSCCH(2)が規定されているが、ここでは、USCCH(2)を使用する。
【0045】
図7(b)に示すように、BCCH(A)81、USCCH(2)82、SCCH83、PCH1_84、SCCH85、USCCH(2)86、SCCH87、PCH2_88で構成されている。USCCH(2)82、PCH1_84、USCCH(2)86またはPCH2_88を受信するとPHS端末5は、起動する。
【0046】
なお、図7に示すスーパーフレームの内、通常時のスーパーフレーム(a)とグループ着信時のスーパーフレーム(b)とのどちらで動作させるかは、構内電話交換機1の記憶装置18に局データとして設定して指定する。以下、局データがグループ着信時のスーパーフレーム(b)で動作させるように設定されているものとする。
【0047】
図8を参照して、グループ着信メッセージでグループ着信を起動した発信者が内線の場合に、メッセージをUSCCH(2)で送信するための第1のメッセージ構成を説明する図である。また、図9は、グループ着信メッセージをUSCCH(2)で送信するための第2のメッセージ構成を説明する図である。
【0048】
ここでは、USCCH(2)によって、第1のメッセージ(第1フレームで送信されるメッセージ)と第2のメッセージ(第2フレームで送信されるメッセージ)の2つのメッセージを送信する。これによって、2つのメッセージによって、1つのグループ着信情報を送信して、内線番号3バイトおよび内線名称6バイトの情報を送付できるように構成している。
【0049】
ここで、第1のメッセージとは、第1フレームで送信されるメッセージと定義し、同様に、第2のメッセージとは、第2フレームで送信されるメッセージと定義し、以降、これらの定義に従って表現する。
【0050】
図8において、USCCH(2)で送信するための第1のメッセージM1は、USCCH(2)にて伝送可能な62ビットのデータとなっている。メッセージM1は、情報要素識別子M1a、着信状態M1b、フレームNO M1c、回線種別M1d、着信グループ番号M1e、内線番号の情報(内線番号[1]M1f〜内線番号[6]M1k)、内線名称の情報(内線名称[1]M1l〜内線名称[3]M1o)、状態変化M1m、および報知受信指示M1pから構成されている。
【0051】
情報要素識別子M1aは、このメッセージで報知される情報がグループ着信であることを示す識別情報を格納する。着信状態M1bは、グループ着信動作中(すなわち、グループ着信有り)にあるか、またはグループ着信が停止状態(すなわち、グループ着信無し)にあるかを示す情報を格納する。フレーム番号M1cは、送信しているメッセージが、第1のメッセージであるか、または第2のメッセージであるかを示す情報を格納する。ここでは、第1のメッセージの場合なので、フレーム番号M1cは、「0:第1フレームを示す情報」を格納する。回線種別M1dは、グループ着信を起動した発信者情報が内線であるか、または外線であるかを示す情報を格納する。ここでは、内線着信なので、「内線」を格納する。着信グループ番号M1eは、グループ着信の通報先を示す着信グループ番号(00〜07)を格納する。
【0052】
また、内線番号の情報(内線番号[1]M1f〜内線番号[6]M1k)は、グループ着信を起動した発信者情報(内線番号)を4ビットの番号デジット(0〜9)で格納する。内線名称の情報(内線名称[1]M1l〜内線名称[3]M1o)は、グループ着信を起動した発信者情報(内線名称)のキャラクタコード(文字コード)をそれぞれ格納する。さらに、状態変化M1mは、本メッセージ情報に変更がある度にインクリメントされる3ビットの2進数を格納する。報知受信指示M1pは、受信指示を示す情報を格納する。
【0053】
次に、図9において、USCCH(2)で送信するための第2のメッセージM2は、同様に、USCCH(2)にて伝送可能な62ビットのデータである。第2のメッセージM2は、情報要素識別子M2a、メッセージ番号M2b、フレームNO M2c、回線種別M2d、着信グループ番号M2e、内線名称の情報(内線名称[4]M2l〜内線名称[12]M2o)、状態変化M2m、および報知受信指示M2pから構成されている。
【0054】
情報要素識別子M2aは、このメッセージで報知される情報がグループ着信であることを示す識別情報を格納する。着信状態M1bは、グループ着信動作中(すなわち、グループ着信有り)にあるか、またはグループ着信が停止状態(すなわち、グループ着信無し)にあるかを示す情報を格納する。フレーム番号M2cは、送信しているメッセージが、第1のメッセージであるか、または第2のメッセージであるかを示す情報を格納する。ここでは、第2のメッセージの場合なので、フレーム番号M2cは、「1:第2フレームを示す情報」を格納する。回線種別M2dは、グループ着信を起動した発信者情報が内線であるか、または外線であるかを示す情報を格納する。ここでは、「内線」を格納する。着信グループ番号M2eは、グループ着信の通報先を示す着信グループ番号(00〜07)を格納する。
【0055】
内線名称の情報(内線名称[4]M2f〜内線名称[12]M2o)には、グループ着信を起動した発信者情報(内線名称)のキャラクタコード(文字コード)をそれぞれ格納する。状態変化M2mは、本メッセージ情報に変更がある度にインクリメントされる3ビットの2進数を格納する。報知受信指示M2pは、受信指示を示す情報を格納する。
【0056】
図10は、グループ着信メッセージでグループ着信を起動した発信者が外線の場合に、メッセージをUSCCH(2)で送信するための第1のメッセージ構成を説明する図である。また、図11は、グループ着信メッセージをUSCCH(2)で送信するための第2のメッセージ構成を説明する図である。ここでは、USCCH(2)によって、第1のメッセージ(第1フレームで送信されるメッセージ)と第2のメッセージ(第2フレームで送信されるメッセージ)の2つのメッセージを送信することで、1つのグループ着信情報を送信して、外線から受信した発信者番号の情報を送付できるように構成している。
【0057】
図10において、USCCH(2)で送信するための第1のメッセージM3は、USCCH(2)にて伝送可能な62ビットのデータである。その内容は、情報要素識別子M3a、着信状態M3b、フレームNO M3c、回線種別M3d、着信グループ番号M3e、発信者番号の情報(発信者番号[1]M3f〜発信者番号[9]M1o)、状態変化M3m、および報知受信指示M3pから構成されている。
【0058】
情報要素識別子M3aは、このメッセージで報知される情報がグループ着信であることを示す識別情報を格納する。着信状態M3bは、グループ着信動作中(すなわち、グループ着信有り)にあるか、またはグループ着信が停止状態(すなわち、グループ着信無し)にあるかを示す情報を格納する。フレーム番号M3cは、送信しているメッセージが、第1のメッセージであるか、または第2のメッセージであるかを示す情報を格納する。ここでは、第1のメッセージの場合なので、フレーム番号M3cは、「0:第1フレームを示す情報」を格納する。回線種別M3dは、グループ着信を起動した発信者情報が内線であるか、または外線であるかを示す情報を格納する。ここでは「外線」を格納する。着信グループ番号M3eは、グループ着信の通報先を示す着信グループ番号(00〜07)を格納する。
【0059】
発信者番号の情報(発信者番号[1]M3f〜発信者番号[9]M3o)は、グループ着信を起動した外線にて受信した発信者情報を4ビットの番号デジット(0〜9)でそれぞれ格納する。状態変化M3mは、本メッセージ情報に変更がある度にインクリメントされる3ビットの2進数を格納する。報知受信指示M3pは、受信指示を示す情報を格納する。
【0060】
次に、図11において、USCCH(2)で送信するための第2のメッセージM4は、同様に、USCCH(2)にて伝送可能な62ビットのデータである。その内容は、情報要素識別子M4a、メッセージ番号M4b、フレームNO M4c、回線種別M4d、着信グループ番号M4e、発信者番号の情報(発信者番号[10]M4f〜発信者番号[15]M1k)、状態変化M4m、および報知受信指示M4pから構成されている。
【0061】
情報要素識別子M4aは、このメッセージで報知される情報がグループ着信であることを示す識別情報を格納する。着信状態M4bは、グループ着信動作中(すなわち、グループ着信有り)にあるか、またはグループ着信が停止状態(すなわち、グループ着信無し)にあるかを示す情報を格納する。フレーム番号M4cは、送信しているメッセージが、第1のメッセージであるか、または第2のメッセージであるかを示す情報を格納する。ここでは第2のメッセージの場合なので、フレーム番号M4cは、「1:第2フレームを示す情報」を格納する。回線種別M4dは、グループ着信を起動した発信者情報が内線であるか、または外線であるかを示す情報を格納する。ここでは、「外線」を格納する。着信グループ番号M4eは、グループ着信の通報先を示す着信グループ番号(00〜07)を格納する。
【0062】
発信者番号の情報(発信者番号[10]M4f〜発信者番号[15]M3k)は、グループ着信を起動した外線にて受信した発信者情報を4ビットの番号デジット(0〜9)でそれぞれ格納する。状態変化M4mは、本メッセージ情報に変更がある度にインクリメントされる3ビットの2進数を格納する。報知受信指示M4pは、受信指示を示す情報を格納する。
【0063】
なお、グループ着信メッセージでグループ着信を起動した発信者が外線の場合に、発信者番号に対応した名称情報も通知したい場合、USCCH(2)を利用し、メッセージフレーム構成を拡張し、第1フレーム〜第4フレーム構成とし、図10、図11で述べた発信者番号を格納するエリアと同様な構成で第3フレーム、第4フレームに名称情報を格納するエリアを規定することで対応可能である。
【0064】
以上のように、本実施例では、PHS基地局からPHS端末へグループ着信を送信する際には、非特許文献1で規定されたチャネルやメッセージであって、その規定によりユーザがオプションとして独自に使用できるチャネルやメッセージを適用して送信するようにしている。したがって、通常の(汎用の)PHS端末に何ら影響を与えることがなく、単なる通話のみに使用するのであれば、汎用のPHS端末を本システムに使用することができる。
【0065】
以下、動作について説明する。
図12は、グループ着信のメッセージを送信するための第1の動作シーケンスを示す図である。図12は、内線からグループ着信操作が行なわれた場合にUSCCH(2)によって、PHS端末5−1〜5−pに一斉にグループ着信メッセージを送信する動作シーケンスである。なお、PHS端末5−1〜5−pを代表して、PHS端末5−1、PHS端末5−2を図示する。また、基地局4−1〜4−mを代表して、基地局4−1を図示する。
【0066】
図12において、構内電話交換機1は、グループ着信指示を受け付けて(S121)、認識してグループ着信処理を開始する。すなわち、構内電話交換機1は、図5に示すグループ着信テーブル181に設定されたグループ着信種別に一致する操作&動作を認識して、対応する対象着信グループ番号42とPHS端末5に通知し着信表示させる内容43を抽出する。そして、グループ着信メッセージの送出タイミングになると第1回目の第1フレームにて図8に示す第1のメッセージM1をPHS端末5−1〜5−2に送信するように全てのPHS基地局4−1へ指示を行なう(S122)。
【0067】
PHS基地局4−1は、USCCH(2)によって、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を送出する(S123)。さらに、PHS基地局4−1は、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を再度送出する(S124)。すなわち、各PHS基地局4−1〜4−mがステップ123で送信するUSCCH(2)は、図7のスーパーフレームの内、符号82に示すUSCCH(2)の送出タイミングで送出されるものであり、ステップ12Dで再度送信するUSCCH(2)は、図7のスーパーフレームの内、符号86に示すUSCCH(2)の送出タイミングで送出されるものであり、同じ内容のUSCCH(2)を2度送出している。
【0068】
一方、USCCH(2)を受信したPHS端末5−1〜5−pは、受信したUSCCH(2)にて送信された第1のメッセージM1が受信対象のメッセージであれば、これを一時的に格納しておく。
【0069】
次に、構内電話交換機1は、所定時間(スーパーフレーム送出周期、具体的には1.2秒)を経過して、次のグループ着信メッセージの送出タイミングになると第1回目の第2フレームにて図9に示す第2のメッセージM2をPHS端末5−1〜5−pに送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S125)。各PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第2のメッセージM2(第2フレーム)を送出する(S126)。
【0070】
一方、USCCH(2)を受信したPHS端末5−1〜5−pは、受信したUSCCH(2)にて送信された第2のメッセージM2が受信対象のメッセージであり、かつ、先にUSCCH(2)にて第1のメッセージM1を受信していれば、第1のメッセージM1と第2のメッセージM2により、グループ着信で通知された情報を元に着信動作を行ない、表示部5Mに受信した内線番号および内線名称を表示し、かつ、PHS端末テーブル5Wで設定されているグループ着信時の着信鳴動音62およびグループ着信時の着信色64の制御を行なう(S127)。
【0071】
さらに、各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第2のメッセージM2(第2フレーム)を再度送出する(S128)。次に、構内電話交換機1は、所定時刻(2回のスーパーフレーム送出周期、具体的には2.4秒)に、次の通報メッセージの送出タイミングになると第2回目の第1フレームにて図8に示す第1のメッセージM1をPHS端末5−1〜5−pに送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S129)。すなわち、構内電話交換機1は、所定時間経過後、同じグループ着信メッセージを再度送信する処理を行なう。
【0072】
すると、各PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を送出する(S130)。さらに、各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を再度送出する(S131)。
【0073】
一方、USCCH(2)を受信したPHS端末5−1〜5−pは、受信したUSCCH(2)にて送信された第1のメッセージM1が受信対象のメッセージであれば、これを一時的に格納しておく。
【0074】
次に、構内電話交換機1は、所定時間(スーパーフレーム送出周期、具体的には1.2秒)を経過して、次の通報メッセージの送出タイミングになると第2回目の第2フレームにて図9に示す第2のメッセージM2をPHS端末5−1〜5−pに送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S132)。
【0075】
すると、各PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第2のメッセージM2(第2フレーム)を送出する(S133)。さらに、各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第2のメッセージM2(第2フレーム)を再度送出する(S134)
一方、USCCH(2)を受信したPHS端末5−1〜5−pは、受信したUSCCH(2)にて送信された第2のメッセージM2が受信対象のメッセージであり、かつ、先にUSCCH(2)にて第1のメッセージM1を受信していれば、第1のメッセージM1と第2のメッセージM2により、グループ着信で通知された情報を元に着信動作を行ない、表示部5Mに受信した内線番号および内線名称を表示し、かつ、PHS端末テーブル5Wで設定されているグループ着信時の着信鳴動音62およびグループ着信時の着信色64の制御を行なう。ここで、既にグループ着信のメッセージを受信している場合は、このグループ着信メッセージを廃棄して、新たに着信動作を行なわないように処理する。
【0076】
次に、構内電話交換機1は、所定時間(2回のスーパーフレーム送出周期、具体的には2.4秒)を経過して、次の通報メッセージの送出タイミングになると第2回目の第1フレームにて図8に示す第1のメッセージM1をPHS端末5−1〜5−pに送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S135)。すなわち、構内電話交換機1は、所定時間経過後、グループ着信に応答するかグループ着信を起動した内線が切断するまで、同じグループ着信メッセージを繰り返し送信する処理(繰り返し動作になるため説明を省略する)を行ない、確実にPHS端末5−1〜5−pに受信できるようにするためのものである。
【0077】
これにより、PHS端末5−1〜5−pの一部PHS端末5が電源を切っていた状態から電源ONにてグループ着信のメッセージを受信できる状態になった場合、または、各PHS基地局4−1〜4−mの無線メッセージを受信できない場所(圏外)から受信可能なエリアに移動してきた場合でも、グループ着信のメッセージを受信することでグループ着信動作を行なうことが可能になる。
【0078】
図13を参照して、PHS端末5−1から応答操作(オフフック)があった場合の、処理シーケンスを説明する。図13において、PHS端末5−1は、未使用状態からオフフック操作を行なった時と同様の手順であるリンク確立要求(S141)から、認証(S142)までのリンク接続処理は、非特許文献1に規定されている動作であり、説明を省略する。
【0079】
認証手順まで完了した時点で、構内電話交換機1は、応答情報をPHS端末5−1へ送信するようにPHS基地局4へ指示を行なう(S143)。PHS基地局4は、PHS端末5−1に対して応答情報を送信する(S144)。PHS端末5−1は、受信した応答情報にて通話開始を行なう。
【0080】
さらに構内電話交換機1は、応答情報を指示した後に所定時間(スーパーフレーム送出周期、具体的には1.2秒)の送出タイミングにてグループ着信の停止処理を行なう。すなわち、構内電話交換機1は、図8に示す第1のメッセージM1の着信状態M1bに「停止」を示す情報を格納し、グループ着信メッセージの送出タイミングになると、この第1のメッセージM1(グループ着信停止)を第1回目の第1フレームにてPHS端末5−1〜5−pに送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S145)。
【0081】
各PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第1のメッセージM2(第1フレーム)を送出する(S146)。USCCH(2)を受信したPHS端末5−2は、受信したUSCCH(2)にて送信された第1のメッセージM2が停止の場合、表示部5Mの表示を表示になしとし、グループ着信時の着信鳴動音も停止させる(S147)。各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第1のメッセージM2(第1フレーム)を再度送出する(S148)。
【0082】
次に、構内電話交換機1は、所定時間(スーパーフレーム送出周期、具体的には1.2秒)を経過して、次の通報メッセージの送出タイミングになると第2回目の第1フレームにて図8に示す第1のメッセージM1(グループ着信停止)をPHS端末5−1〜5−pに送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S149)。すなわち、構内電話交換機1は、所定時間経過後、同じグループ着信メッセージ(グループ着信停止)を再度送信する処理を行なう。
【0083】
すると、各PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を送出する(S150)。さらに、各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を再度送出する(S151)。
【0084】
一方、USCCH(2)を受信したPHS端末5−1〜5−pは、受信したUSCCH(2)にて送信された第1のメッセージM1が受信対象のメッセージであれば、グループ着信が停止状態にあることを認識して、通常動作モードに移行する。
【0085】
ところで、PHS基地局4−1〜4−mから、PHS端末5−1〜5−pには常時スーパーフレームがサイクリックに送信されている。従って、ステップ151の後も、USCCH(2)がPHS基地局4−1〜4−mからPHS端末5−1〜5−pへ伝送されているが、そのUSCCH(2)で送信されるメッセージ内容は、ステップ146およびステップ148で送信されるものと同一のものにしている。すなわち、グループ着信処理が無い場合には、PHS基地局4−1〜4−mからPHS端末5−1〜5−pに対して、図8に示す第1のメッセージM1の着信状態M1bに「停止」を示す情報を格納した第1のメッセージM1(グループ着信停止)を繰り返し送信して、PHS端末5−1〜5−pにグループ着信が無いことを通知し続けている。
【0086】
また、以上の構内電話交換機1による再送処理や、PHS基地局4−1〜4−mによる再送処理は、PHS端末5がグループ着信メッセージを確実に受信できるようにするためのものである。
【0087】
図14を参照して、グループ着信のメッセージを送信するための第2の動作シーケンスを説明する。図14は、内線からグループ着信操作が行なわれた場合にUSCCH(2)によって、特定グループに対してグループ着信メッセージを送信する動作シーケンスである。図14において、PHS端末5として、PHS端末5−1、PHS端末5−2、PHS端末5−3がある。PHS端末5−1とPHS端末5−2は、同一の着信グループ番号01で設定されている。一方、PHS端末5−3は、着信グループ番号02で設定されている。なお、PHS端末5−1〜PHS端末5−3は、全てPHS基地局4−1〜4−mよりメッセージを受信して動作する。
【0088】
図14において、構内電話交換機1は、グループ着信指示を受信して(S161)、グループ着信処理を開始する。すなわち、構内電話交換機1は、図5に示すグループ着信テーブル181が設定されたグループ着信種別に一致する操作&動作を認識して、対応する対象着信グループ番号42(具体的には、グループ01)、PHS端末5に通知し着信表示させる内容43を抽出する。そして、グループ着信メッセージの送出タイミングになると、構内電話交換機1は、第1回目の第1フレームにて図8に示す第1のメッセージM1を該当するPHS端末5(PS1、PS2)に送信するように、PHS端末5が登録されているPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S162)。
【0089】
すると、各PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を送出する(S163)。さらに、各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を再度送出する(S164)。すなわち、各PHS基地局4−1〜4−mがステップ163で送信するUSCCH(2)は、図7のスーパーフレームの内、符号82に示すUSCCH(2)の送出タイミングで送出されるものであり、ステップ164で再度送信するUSCCH(2)は、図7のスーパーフレームの内、符号86に示すUSCCH(2)の送出タイミングで送出されるものであり、同じ内容のUSCCH(2)を2度送出している。
【0090】
一方、USCCH(2)を受信したPHS端末5(PS1、PS2、PS3)は、受信したUSCCH(2)にて送信された第1のメッセージM1が受信対象のメッセージであれば、これを一時的に格納(具体的には、PS1、PS2)するが、対象外であれば、このグループ着信メッセージを廃棄する(具体的には、PS3)。
【0091】
次に、構内電話交換機1は、所定時間(スーパーフレーム送出周期、具体的には1.2秒)を経過して、次のグループ着信メッセージの送出タイミングになると第1回目の第2フレームにて図9に示す第2のメッセージM2をPHS端末5(PS1、PS2)に送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S165)。
【0092】
PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第2のメッセージM2(第2フレーム)を送出する(S166)。USCCH(2)を受信したPHS端末5−1、5−2は、受信したUSCCH(2)にて送信された第2のメッセージM2が受信対象のメッセージであり、かつ、先にUSCCH(2)にて第1のメッセージM1を受信していれば、第1のメッセージM1と第2のメッセージM2により、グループ着信で通知された情報を元に着信動作を行ない、表示部5Mに受信した内線番号および内線名称を表示し、かつ、PHS端末テーブル5Wに設定されているグループ着信時の着信鳴動音62およびグループ着信時の着信色64の制御を行なう(S167)。一方、USCCH(2)を受信したPHS端末5−3は、特に動作しない。このように、PHS端末5が各PHS基地局4−1〜4−mよりグループ着信メッセージを一斉に受信しても、受信したPHS端末5にて着信グループ番号を識別することにより、各PHS基地局4自身をグループ分けを行なわなくても、PHS端末5に対してグループ着信を行なうことが可能である。
【0093】
さらに、PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第2のメッセージM2(第2フレーム)を再度送出する(S168)。次に、構内電話交換機1は、所定時間(2回のスーパーフレーム送出周期、具体的には2.4秒)を経過して、次の通報メッセージの送出タイミングになると第2回目の第1フレームにて図8に示す第1のメッセージM1をPHS端末へ送信する。しかし、図12で説明した内容と同様になる為、説明を省略する。
【0094】
次に、グループ着信中に発信者の操作によりグループ着信停止を行なった時のシーケンスを説明する。図14において、構内電話交換機1は、グループ着信停止を受信して(S175)、グループ着信停止処理を開始する。次に所定時刻(スーパーフレーム送出周期、具体的には1.2秒)の送出タイミングにて、グループ着信の停止処理を行なう。すなわち、構内電話交換機1は、図8に示す第1のメッセージM1の着信状態M1bに「停止」を示す情報を格納し、グループ着信メッセージの送出タイミングになると、この第1のメッセージM1(グループ着信停止)を第1回目の第1フレームにてPHS端末5に送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S176)。
【0095】
PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第1のメッセージM2(第1フレーム)を送出する(S177)。
【0096】
USCCH(2)を受信したPHS端末5−1、5−2は、受信したUSCCH(2)にて送信された第1のメッセージM2が停止の場合で、かつ、受信対象のメッセージであれば、表示部5Mの表示を表示になしとし、グループ着信時の着信鳴動音も停止する(S178)。一方、メッセージ受信対象外のPHS端末5−3は、このグループ着信メッセージを廃棄して、何も処理を行なわない。
さらに、各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第1のメッセージM2(第1フレーム)を再度送出する(S179)。
【0097】
次に、構内電話交換機1は、所定時間(スーパーフレーム送出周期、具体的には1.2秒)を経過して、次の通報メッセージの送出タイミングになると第2回目の第1フレームにて図8に示す第1のメッセージM1(グループ着信停止)をPHS端末5に送信するように全てのPHS基地局4−1〜4−mへ指示を行なう(S180)。すなわち、構内電話交換機1は、所定時間経過後、同じグループ着信メッセージ(グループ着信停止)を再度送信する処理を行なう。
【0098】
すると、各PHS基地局4−1〜4−mは、USCCH(2)によって、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を送出する(S14S)。さらに、各PHS基地局4−1〜4−mは、次のUSCCH(2)送出タイミングにて、指示を受けた第1のメッセージM1(第1フレーム)を再度送出する(S181)。
【0099】
USCCH(2)を受信したPHS端末5−1、5−2は、受信したUSCCH(2)にて送信された第1のメッセージM1が受信対象のメッセージであれば、グループ着信が停止状態にあることを認識して、通常動作モードに移行する。
【0100】
ところで、PHS基地局4−1〜4−mから、PHS端末5には常時スーパーフレームがサイクリックに送信されている。従って、ステップ182の後も、USCCH(2)がPHS基地局4−1〜4−mからPHS端末5へ伝送されているが、そのUSCCH(2)で送信されるメッセージ内容は、ステップ177やステップ181で送信されるものと同一のものにしている。すなわち、グループ着信処理が無い場合には、PHS基地局4−1〜4−mからPHS端末5に対して、図8に示す第1のメッセージM1の着信状態M1bに「停止」を示す情報を格納した第1のメッセージM1(グループ着信停止)を繰り返し送信して、PHS端末5にグループ着信が無いことを通知し続けている。
【0101】
次に、図12に示すシーケンスや図13に示すシーケンスを実現する構内電話交換機1の処理について説明する。
図15および図16は、グループ着信メッセージを送信するための構内電話交換機のグループ着信監視フローチャートである。
【0102】
構内電話交換機1は、グループ着信処理を行なうためのグループ着信周期プログラムを備えている。図15は、そのフローチャートである。図15において、構内電話交換機1は、周期的にグループ着信操作(起動・終了)を検出したか判定する(S201)。検出していなければ、構内電話交換機1は、処理を終了する。一方、ステップ201でグループ着信を検出した場合、構内電話交換機1は、グループ着信の種別を認識する(S202)。グループ着信の起動操作であれば、構内電話交換機1は、グループ着信テーブル181参照して、着信先グループを取得する(S203)。すなわち、グループ着信テーブル181にグループ着信種別41に合致する操作があれば、そのグループ着信種別に対応する対象着信グループ番号42とPHS端末に通知し、着信表示させる内容43を抽出する。構内電話交換機1は、グループ着信処理を起動(開始)して(S204)、終了する。
【0103】
一方、グループ着信の操作が終了操作であれば、構内電話交換機1は、グループ着信テーブル181を参照して、着信先グループを取得する(S203)。すなわち、構内電話交換機1は、グループ着信テーブル181のグループ着信種別41に合致する操作があれば、そのグループ着信種別に対応する対象着信グループ番号42を抽出する。そして、グループ着信処理を起動(終了)して(S204)、終了する。
【0104】
構内電話交換機1は、グループ着信処理によってグループ着信メッセージを送信するための周期プログラムを備えている。図16は、そのフローチャートである。図16において、構内電話交換機1は、グループ着信処理が開始されているか判断する(S251)。開始されていない場合、構内電話交換機1は、処理を終了する。一方、ステップ251でグループ着信処理が開始されている場合、構内電話交換機1は、USCCH(2)送出周期になったかを判断する(S252)。USCCH(2)の送出周期であれば、構内電話交換機1は、送信処理を判定する(S253)。ステップ252でUSCCH(2)の送出周期でなければ、構内電話交換機1は、処理を終了する。
【0105】
ステップ253で、第1フレーム送出周期であれば、構内電話交換機1は、第1フレームを送信して(S254)、終了する。
ステップ253で、第2フレーム送出周期であれば、構内電話交換機1は、第2フレームを送信して(S255)、終了する。
ステップ253で、第1フレーム再送送出周期であれば、構内電話交換機1は、第1フレームを送信して(S256)、終了する。
ステップ253で、第2フレーム再送送出周期であれば、構内電話交換機1は、第2フレームを送信して(S257)、終了する。
ステップ253で、停止送出周期であれば、構内電話交換機1は、停止を送信して(S258)、終了する。
ステップ253で、停止再送送出周期であれば、構内電話交換機1は、停止を送信する(S259)。構内電話交換機1は、グループ着信なしとして(S260)、終了する。
【0106】
次に、図12のシーケンスおよび図13のシーケンスを実現するPHS端末5の処理について説明する。
【0107】
図17を参照して、PHS端末の電源ON時/PHS基地局捕捉時の処理を説明する。図17において、PHS端末5は、電源ON時や新たにPHS基地局4−1〜4−mを捕捉した時に、図6の端末テーブル5Wに設定されているグループ着信受信有無の項目が「有り」かまたは「無し」かを抽出して、動作モードが通常モードかグループ着信受信モードかを確認する(S301)。次に、PHS端末5は、スーパーフレームのBCCH(A)を検出するまで待ち続ける(S302)。BCCH(A)を検出すると、PHS端末5は、BCCH(A)に格納されているチャネル構造に関する情報を基にスーパーフレームの構成を解析する(S303)。そして、動作モードが通常モード(グループ着信受信有無の項目が「無し」と設定)の場合、PHS端末5は、図7に示すスーパーフレーム構成が(a)通常時であれば、「起動1」と「起動2」の時点でスリープモードから起動し、また、図7に示すスーパーフレーム構成が(b)グループ着信時であれば、「起動1」と「起動2」の時点でスリープモードから起動して、PCH(PCH1およびPCH2)を受信するように起動時間を記憶する。また、動作モードがグループ着信受信モード(グループ着信受信有無の項目が「有り」と設定)の場合、PHS端末5は、図7に示すスーパーフレーム構成の(b)グループ着信時において、「起動3」と「起動1」と「起動4」と「起動2」の時点でスリープモードから起動し、USCCH(2)とPCH(PCH1およびPCH2)を受信するように起動時間を記憶する(S304)。
【0108】
PHS端末5は、バッテリーセービングモードに移行して(S305)、終了する。なお、バッテリーセービングモードは、バッテリーの消費を抑えるものである。バッテリーセービングモードは、PHS端末が待受け状態の場合で、必要な無線信号を受信するとき以外は、音声処理部5C、コーデック5D、TDMA処理部5E、復調部5F、変調部5G、受信部5H、送信部5J、スイッチ部55K、表示部5Mおよびランプ部5Nに電力を供給しないモードである。スーパーフレームの必要な信号を受信するとき、PHS端末5は、TDMA処理部5E、復調部5F、受信部5H、およびスイッチ部55Kに電力を与え(すなわち起動し)、USCCH(2)やPCH(PCH1およびPCH2)を受信できるようにしている。
【0109】
図18を参照して、PHS端末の通常モード時の待受けの処理を説明する。図18において、PHS端末5は、先に記憶した起動時間の到来を待つ(S351)。到来したとき、PHS端末5は、スリープモードを解除して起動し、PCH(PCH1およびPCH2)受信準備を始める(S352)。次に、PHS端末5は、PCH(PCH1およびPCH2)を受信する(S353)。PHS端末5は、自PHS端末5の着信があるか判別する(S354)。着信があれば、PHS端末5は、着信処理に移行して(S355)、終了する。また、着信がなければ、PHS端末5は、スリープモードに移行して(S356)、次の起動時間の到来を待つ。
【0110】
図19を参照して、PHS端末のグループ着信受信モード時の待受けの処理を説明する。図19において、PHS端末5は、先に記憶した起動時間の到来を待つ(S401)。到来すれば、スリープモードを解除して起動し、PCH(PCH1およびPCH2)またはUSCCH(2)受信準備を始める(S402)。次に、PHS端末5は、PCH(PCH1およびPCH2)またはUSCCH(2)を受信する(S403)。PHS端末5は、受信したフレームがPCH(PCH1およびPCH2)を受信したかを判別する(S404)。PCH(PCH1およびPCH2)を受信した場合、PHS端末5は、自PHS端末5−1〜5−pへの着信があるか判別する(S405)。着信があれば、PHS端末5は、グループ着信メッセージ受信処理中かを判別する(S407)。
【0111】
ステップ407での判別の結果、グループ着信メッセージ受信処理中の場合、PHS端末5は、着信処理へ移行して(S408)、終了する。一方、ステップ407グループ着信メッセージ受信処理中でない場合(NO)、PHS端末5は、着信を無効化して(すなわち着信不可の応答として)(S409)、処理を終了する。また、ステップ405において、着信が無い(NO)と判断した場合、PHS端末5は、スリープモードに移行して(S406)、次の起動時間の到来を待つ。
【0112】
さらに、ステップ404の判断において、受信したフレームがPCH(PCH1およびPCH2)でない場合、すなわち、USCCH(2)を受信したと判断した場合、PHS端末5は、グループ着信メッセージ受信処理(1)へ移行して(S410)、終了する。なお、この通報メッセージ受信処理(1)の詳細動作は後述する。
【0113】
図20を参照して、PHS端末の発信操作監視の処理を説明する。図20において、PHS端末5は、発信操作を待つ(S501)。発信操作が合った場合、PHS端末5は、グループ着信メッセージ受信処理中かを判別する(S502)。ここで、グループ着信メッセージ受信処理中でなければ、PHS端末5は、発信処理に移行して(S503)、終了する。グループ着信メッセージ受信処理中の場合でも発信処理に移行するが、PHS端末5は、あくまでもグループ着信応答として発信処理に移行して(S504)、処理を終了する。
【0114】
すなわち、図19の着信処理(ステップ408)と、図20の発信処理(ステップ504)は、グループ着信メッセージ受信処理中のときには、通常の発信処理行なうことはできず、グループ着信の応答として発信処理の動作を行なう。なお、グループ着信メッセージ受信処理中か否かの判断は、メッセージ処理フラグで判断しているものであり、その説明は、図21を参照して、説明する。
【0115】
図21は、PHS端末のグループ着信メッセージ受信処理(1)フローチャートである。図21は、図19に示すフローチャートのステップ410に示した処理である。PHS端末5は、PHS基地局からUSCCH(2)を受信する度に、この処理を実行する。
【0116】
図21において、PHS端末5は、USCCH(2)を受信する(S551)。PHS端末5は、そのメッセージ内容を解読する(S552)。PHS端末5は、このメッセージに含まれる状態変化M1mまたはM2mと、前回受信した内容とを比較する(S553)。比較した結果が変化なしの場合、PHS端末5は、受信メッセージを廃棄して、PHS端末をスリープモードに移行させて(S571)、処理を終了する。
【0117】
一方、ステップ553で変化ありの場合、PHS端末5は、受信メッセージに含まれる着信グループ番号M1eまたはM2e内の着信グループと自端末のPHS端末テーブル5Wに設定されたグループ着信番号61を比較して処理対象着信グループ番号か判断する(S554)。このとき、PHS端末5は、通知された着信グループ番号M1eまたはM2eが全端末が処理する着信グループ番号の場合も処理対象と判断する。そして、処理対象外と判断した場合、PHS端末5は、ステップ571に遷移する。
【0118】
一方、ステップ554で処理対象と判断すると、PHS端末5は、フレーム番号M1cまたはM2c内のフレーム番号により、第1フレーム(第1のメッセージM1)か第2フレーム(第2のメッセージM2)かを判断する(S555)。第1フレーム(第1のメッセージM1)であれば、PHS端末5は、着信状態M1bに含まれる情報が停止か着信かを判断する(S556)。これが着信であれば、PHS端末5は、メッセージ処理フラグをONする(S557)。
【0119】
次に、PHS端末5は、受信したメッセージに含まれる回線種別M1dまたはM3dを参照し、PHS端末5は、内線であれば、内線番号(内線番号[1]M1f〜内線番号[6]M1k)と内線名称(内線名称[1]M1l、内線名称[1]M1lおよび、内線名称[3]M1o)を読み取る。なお、回線種別M1dまたはM3dが外線であれば、PHS端末5は、発信者番号(発信者番号[1]M3f〜発信者番号[9]M3o)を読み取る。PHS端末5は、読み取った情報は一時的に格納する(S558)。PHS端末5は、スリープモードに移行して(S559)、処理を終了する。なお、ステップ556の判断において、着信状態M1bに含まれる情報が停止と判断された場合、PHS端末5は、メッセージ処理フラグをOFFとし(S560)、ステップ559に遷移する。
【0120】
なお、メッセージ処理フラグは、グループ着信の受信処理中か否かの識別フラグである。このフラグが処理中(ON)となっている場合、図19のフローチャートや図20のフローチャートに示すように、PHS端末5は、発着信動作を行なわない。
【0121】
一方、ステップ555の判断において、第2フレーム(第2のメッセージM2)と判断された場合、PHS端末5は、第1フレーム(第1のメッセージM1)を受信しているかを判断する(S561)。第1フレーム(第1のメッセージM1)を受信していない場合、PHS端末5は、受信メッセージを廃棄して、PHS端末をスリープモードに移行させて(S570)、処理を終了する。また、第1フレーム(第1のメッセージM1)を受信している場合、PHS端末5は、受信したメッセージに含まれる回線種別M2dまたはM4dを参照し、内線であれば、内線名称(内線名称[4]M2b〜内線名称[12]M2o)を読み取って、先に一時的に格納した、内線名称(内線名称[1]M1l、内線名称[1]M1lおよび、内線名称[3]M1o)と結合して、表示内容を作成する(S562)。なお、回線種別M2dまたはM4dが外線であれば、PHS端末5は、発信者番号(発信者番号[10]M4f〜発信者番号[15]M3k)を読み取って、先に一時的に格納した、発信者番号(発信者番号[1]M3f〜発信者番号[9]M3o)と結合して、表示メッセージを作成する(S562)。
【0122】
次に、PHS端末5は、作成した表示メッセージを表示部5Mに表示する(S563)。そして、PHS端末5は、端末テーブル5Wで設定された条件で、着信音鳴動とバイブレータ動作を発生して(S564)、グループ着信状態として、ステップ559に遷移する。
【0123】
なお、グループ着信メッセージを行なうための指示や操作(トリガー)は、特に限定されるものでなく、局線トランクへの特別な着信や、日時や時間でのタイマー動作でも良い。
【0124】
また、本実施例の電話交換システムには、汎用のPHS端末を用いても問題は生じない。すなわち、汎用のPHS端末は、USCCH(2)を無視する処理に(USCCH(2)を受信しない処理に)なるため、通常の発着信を行なう内線電話機として用いることができる。さらに、PHS端末は、グループ着信の受信を行なわない動作モードと設定すれば、通常のPHS端末と同様の動作を行なうため、通常の(汎用の)PHS端末としても使用することができる。
【0125】
特に、電話交換システムは、PHSサービスにてグループ着信メッセージを送信し、着信鳴動および着信表示を行なうため、移動電話機としてPHS端末しか利用ができず、業務で移動が頻繁に発生するような施設(具体的には、病院または老人介護施設)で、発信者を応答前に特定して対応可能であり、かつ、複数のPHS端末を短時間で着信させることができるため、極めて有効な効力を発揮できる。
【0126】
さらに、本実施例では、構内電話交換機を例として説明したが、これは構内電話交換機に限定されるものではなく、PHSサービス若しくはPHS機能を提供する構内電話交換機やボタン電話装置(キーテレホン)等の種々の電話交換装置に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0127】
1…構内電話交換機、2…内線電話機、3…デジタル多機能電話機、4…PHS基地局、4A…スイッチ部、4B…受信部、4C…復調部、4D…送信部、4E…変調部、4F…TDMA処理部、4G…回線インタフェース部、4H…制御部、4J…記憶部、4K…アンテナ、5…PHS端末、5A…スピーカ、5B…マイク、5C…音声処理部、5D…コーデック、5E…TDMA処理部、5F…復調部、5G…変調部、5H…受信部、5J…送信部、スイッチ部55Kと5L…制御部、5M…表示部、5N…ランプ部、5P…操作部、5Q…外部インタフェース部、5R…記憶部、5S…アンテナ、7…公衆電話網、8…公衆一般電話機、9…メンテナンスパネル、11…通話路スイッチ、12…内線回路、13…デジタル内線回路、14…コードレス電話トランク、15…局線トランク、17…制御装置、18…記憶装置、19…入出力装置、20…制御バス、100…構内電話交換システム、171…スーパーフレーム生成部、181…グループ着信テーブル、182…グループ着信リスト。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PHS基地局を接続する電話交換装置と、PHS端末とを含み、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠してPHS通信を可能とする電話交換システムにおいて、
前記電話交換装置は、
グループ着信指示に対応する発信操作者情報を記憶する記憶手段と、
グループ着信指示を認識すると、前記記憶手段に記憶された当該グループ着信指示に対応する発信操作者情報をUSCCHに格納して、当該USCCHを前記PHS基地局から送出させて一斉着信する手段とを備え、
前記PHS端末は、
前記グループ着信を受信するモードに設定する設定手段と、
前記グループ着信を受信するモードの場合、前記USCCHを受信するUSCCH受信手段と、
前記USCCH受信手段が受信した前記USCCH内にグループ着信に係る発信操作者情報が格納されている場合、当該発信操作者情報を表示部に表示させる表示制御手段と、グループ着信の着信鳴動を制御する手段とを備えることを特徴とする電話交換システム。
【請求項2】
前記記憶手段は、グループ着信指示に対応する発信操作者情報に加えて着信グループ番号情報を記憶しており、
前記グループ着信手段は、グループ着信指示を認識すると、前記記憶手段に記憶された当該グループ着信指示に対応する発信操作者情報と着信グループ番号情報とをUSCCHを格納して、当該USCCHを前記PHS基地局から送出させるものであり、
前記着信制御手段は、前記受信手段が受信した前記USCCH内に自端末が処理する着信グループ番号情報が格納されており、かつ、グループ着信に係る着信グループ番号情報が格納されている場合に、当該発信操作者情報を表示部に表示させることを特徴とする請求項1記載の電話交換システム。
【請求項3】
PHS端末と無線通信を行なうPHS基地局を接続し、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠してPHS通信を可能とする電話交換装置において、
グループ着信指示に対応する発信操作者情報および着信グループ番号情報を記憶する記憶手段と、
グループ着信指示を認識すると、前記記憶手段に記憶された当該グループ着信指示に対応する発信操作者情報および着信グループ番号情報をUSCCHに格納して、当該USCCHを前記PHS基地局から前記PHS端末に送出させてグループ着信する一斉着信手段と、を備え、
前記グループ情報に属する前記PHS端末の表示部に前記発信操作者情報を表示させることを特徴とする電話交換装置。
【請求項4】
PHS基地局を接続する電話交換装置と、PHS端末とを含み、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠してPHS通信を可能とする電話交換システムの着信制御方法において、
前記電話交換装置は、
グループ着信指示に対応するグループ着信情報を記憶しており、
グループ着信指示を認識すると、当該グループ着信指示に対応する発信操作者情報をUSCCHに格納して、当該USCCHを前記PHS基地局から送出させて一斉着信し、
前記PHS端末は、
前記グループ着信を受信するモードに設定されている場合に、前記USCCHを受信し、
受信した前記USCCH内にグループ着信に係る発信操作者情報が格納されている場合は、当該文字メッセージ情報を表示部に表示することを特徴とする着信制御方法。
【請求項1】
PHS基地局を接続する電話交換装置と、PHS端末とを含み、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠してPHS通信を可能とする電話交換システムにおいて、
前記電話交換装置は、
グループ着信指示に対応する発信操作者情報を記憶する記憶手段と、
グループ着信指示を認識すると、前記記憶手段に記憶された当該グループ着信指示に対応する発信操作者情報をUSCCHに格納して、当該USCCHを前記PHS基地局から送出させて一斉着信する手段とを備え、
前記PHS端末は、
前記グループ着信を受信するモードに設定する設定手段と、
前記グループ着信を受信するモードの場合、前記USCCHを受信するUSCCH受信手段と、
前記USCCH受信手段が受信した前記USCCH内にグループ着信に係る発信操作者情報が格納されている場合、当該発信操作者情報を表示部に表示させる表示制御手段と、グループ着信の着信鳴動を制御する手段とを備えることを特徴とする電話交換システム。
【請求項2】
前記記憶手段は、グループ着信指示に対応する発信操作者情報に加えて着信グループ番号情報を記憶しており、
前記グループ着信手段は、グループ着信指示を認識すると、前記記憶手段に記憶された当該グループ着信指示に対応する発信操作者情報と着信グループ番号情報とをUSCCHを格納して、当該USCCHを前記PHS基地局から送出させるものであり、
前記着信制御手段は、前記受信手段が受信した前記USCCH内に自端末が処理する着信グループ番号情報が格納されており、かつ、グループ着信に係る着信グループ番号情報が格納されている場合に、当該発信操作者情報を表示部に表示させることを特徴とする請求項1記載の電話交換システム。
【請求項3】
PHS端末と無線通信を行なうPHS基地局を接続し、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠してPHS通信を可能とする電話交換装置において、
グループ着信指示に対応する発信操作者情報および着信グループ番号情報を記憶する記憶手段と、
グループ着信指示を認識すると、前記記憶手段に記憶された当該グループ着信指示に対応する発信操作者情報および着信グループ番号情報をUSCCHに格納して、当該USCCHを前記PHS基地局から前記PHS端末に送出させてグループ着信する一斉着信手段と、を備え、
前記グループ情報に属する前記PHS端末の表示部に前記発信操作者情報を表示させることを特徴とする電話交換装置。
【請求項4】
PHS基地局を接続する電話交換装置と、PHS端末とを含み、第二世代コードレス電話システム標準規格に準拠してPHS通信を可能とする電話交換システムの着信制御方法において、
前記電話交換装置は、
グループ着信指示に対応するグループ着信情報を記憶しており、
グループ着信指示を認識すると、当該グループ着信指示に対応する発信操作者情報をUSCCHに格納して、当該USCCHを前記PHS基地局から送出させて一斉着信し、
前記PHS端末は、
前記グループ着信を受信するモードに設定されている場合に、前記USCCHを受信し、
受信した前記USCCH内にグループ着信に係る発信操作者情報が格納されている場合は、当該文字メッセージ情報を表示部に表示することを特徴とする着信制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−74770(P2012−74770A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215952(P2010−215952)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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