説明

非イオン界面活性剤及びこれを用いた化粧料及び外用剤

【課題】ポリオキシアルキレンダイマー酸、及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステルの新規誘導体とそれらを配合する安全性、安定性、使用感に優れた化粧料、外用剤を提供する。
【解決手段】ポリオキシアルキレンダイマー酸、ポリオキシアルキレンダイマージオール(アルキレンの炭素数C2〜C3)の両末端のヒドロキシル基を脂肪酸とエステル化反応して得られる非イオン界面活性剤組成物であって、以下に示す構造のポリオキシアルキレンダイマー酸エステル誘導体及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステル誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含有する化粧料、外用剤。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非イオン界面活性剤及びこれを用いた化粧料及び外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ポリオキシアルキレン・高級アルコールエーテル及びポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステルを含有する非イオン界面活性剤が化粧料、外用剤に使用されている。例えば、ポリオキシエチレン(以下「POE」と略す)−ノニルフェノールエーテル、POE−オクチルフェノールエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−オレイン酸エステル、POE−ステアリン酸エステル等が化粧料、外用剤に使用されている。(例えば、特許文献1,2を参照)。また、例えば特許文献3には、POE−ダイマージオール及びPOE−ダイマー酸が非イオン界面活性剤として用いられ、化粧料、外用剤に優れた官能を与えることが記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−76899号公報
【特許文献2】特開2006−182703号公報
【特許文献3】特開2008−115091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これらの非イオン界面活性剤は、化粧料、外用剤の原料として、安全性、安定性、使用感等で必ずしも十分満足できるものではなかった。したがって、更に安全性、安定性、使用感、顔料分散性、可溶化性能や臭い等でも優れる原料が望まれている。本発明者らは前記課題を達成すべく鋭意検討を行った結果、ダイマー酸及びダイマージオールにポリオキシアルキレンオキシド(C2〜C3)を付加した化合物の両末端のヒドロキシル基を脂肪酸とエステル化反応して得られる新たな誘導体を含有する非イオン界面活性剤が、化粧料、外用剤の原料として安全性、安定性、使用感等に優れていることを見い出し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ダイマー酸及びダイマージオールにポリオキシアルキレンオキシド(炭素数2から3(以下「炭素数C2〜C3」という)のアルキレンオキシドを重合してなる)を付加した化合物の両末端のヒドロキシル基を脂肪酸とエステル化反応して得られる新たな誘導体を含有する非イオン界面活性剤を提供する。本発明はさらに、この非イオン界面活性剤を含有する安全性、安定性、使用感等に優れた化粧料及び外用剤を提供する。
【0006】
(1)ポリオキシアルキレンダイマー酸、ポリオキシアルキレンダイマージオール(アルキレンの炭素数C2〜C3)の両末端のヒドロキシル基を脂肪酸とエステル化反応して得られる非イオン界面活性剤組成物であって、以下に示す構造のポリオキシアルキレンダイマー酸エステル誘導体及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステル誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含有する非イオン界面活性剤組成物である。
【化1】


(但し、式中、R,R’は水素または脂肪酸残基、a,b,c,dは1以上の整数でa+b+c+d=12〜40の範囲である。また、(AO)、(AO’)がC2からC3の単一アルキレンオキシド付加重合体である。また、(AO)、(AO’)がC2とC3のアルキレンオキシドのブロックまたはランダム付加重合体である。n+n’はアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、1〜200の整数である。また、RO、R’Oはエステル化度によりモノエステル化合物、セスキエステル化合物、ジエステル化合物となる。)
【化2】


(但し、式中、R,R’は水素または脂肪酸残基、e,f,g,hは1以上の整数でe+f+g+h=12〜40の範囲である。また、(AO)、(AO’)がC2またはC3の単一アルキレンオキシド付加重合体である。また、(AO)、(AO’)がC2とC3のアルキレンオキシドのブロックまたはランダム付加重合体である。n+n’はアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、1〜200の整数である。また、RO、R’Oはエステル化度によりモノエステル化合物、セスキエステル化合物、ジエステル化合物となる。)
【0007】
(2)ポリオキシアルキレンダイマー酸、ポリオキシアルキレンダイマージオール(アルキレンの炭素数C2〜C3)の両末端のヒドロキシル基を脂肪酸とエステル化反応して得られる非イオン界面活性剤組成物であって、上記化1および化2に示す構造のポリオキシアルキレンダイマー酸エステル誘導体及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステル誘導体からなる群から選択される少なくとも1種からなる非イオン界面活性剤組成物を含有する化粧料である。
【0008】
(3)ポリオキシアルキレンダイマー酸、ポリオキシアルキレンダイマージオール(アルキレンの炭素数C2〜C3)の両末端のヒドロキシル基を脂肪酸とエステル化反応して得られる非イオン界面活性剤組成物であって、上記化1および化2に示す構造のポリオキシアルキレンダイマー酸エステル誘導体及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステル誘導体からなる群から選択される少なくとも1種からなる非イオン界面活性剤組成物を含有する外用剤である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るリオキシアルキレンダイマー酸エステル誘導体及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステル誘導体の一種以上の非イオン界面活性剤組成物は、従来の非イオン界面活性剤に比べ、乳化安定性がより優れる。
【0010】
本発明に係るポリオキシアルキレンダイマー酸エステル誘導体及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステル誘導体の一種以上の非イオン界面活性剤組成物を有効成分として含有する化粧料、外用剤は安全面に優れ、更に官能面で優れたものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本実施の形態において用いられる上記化2に示されるポリオキシアルキレンダイマー酸エステル誘導体に使用されるポリオキシアルキレンダイマー酸は、不飽和脂肪酸の分子間重合によって得られる既知の二塩基酸に炭素数C2〜C3のアルキレンオキシド(すなわち、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)を付加重合したものとする。
【0013】
既知の二塩基酸であるダイマー酸の工業的製造プロセスは業界でほぼ標準化されている。例えば、ダイマー酸及びその低級アルコールエステルは、炭素数11〜22の不飽和脂肪酸又はその低級アルコールエステルを粘土触媒にて二量化して得られる。工業的に得られるダイマー酸は、炭素数36程度の二塩基酸が主成分であるが、精製の度合いに応じ任意量のトリマー酸、モノマー酸を含有する。一般にダイマー酸の含有量は70質量%を超える程度のもの、及び分子蒸留によってダイマー酸含有量を90質量%以上にまで高めたものが流通している。ダイマー化反応後には二重結合が残存するが、更に水素化を行って酸化安定性を向上させたものも販売されている。本発明には、このような現在流通しているいずれのダイマー酸も用いることができる。
【0014】
本実施の形態において用いられる上記化2に示されるポリオキシアルキレンダイマージオールエステル誘導体に使用されるポリオキシアルキレンダイマージオールは、不飽和脂肪酸の分子間重合によって得られる既知の二塩基酸を還元することにより得られる化合物に炭素数C2〜C3のアルキレンオキシドを付加重合したものとする。
【0015】
工業的に得られるダイマージオールは、原料として用いる上述のダイマー酸及びその低級アルコールエステルの精製の度合いに応じ、他の成分、例えばトリマートリオール、モノアルコール及びエーテル化合物を含有する。一般にダイマージオールの含有率が約70質量%を超えるものであれば、本発明に用いることができるが、高純度ダイマージオール、例えばダイマージオール含有率が90質量%を超えるものが好ましい。また、ダイマージオールは、動物油脂由来及び植物油脂由来のものが流通しているが、植物由来のものが望ましい。
【0016】
アルキレンオキシドには、炭素数C2〜C3のものであれば、特に限定されないが、好ましくは、炭素数C2である。本発明に用いられるアルキレンオキシドの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等がある。
【0017】
本発明の非イオン界面活性剤に含有されるポリオキシアルキレンダイマー酸エステル誘導体又はポリオキシアルキレンダイマージオールエーテルエステル誘導体は、ダイマー酸、ダイマージオールにアルキレンオキシドを付加した化合物の両末端のヒドロキシル基を脂肪酸(例えば、カプリル酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸、エルカ酸、ベヘニン酸、リシノレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ポリヒドロキシステアリン酸等)とエステル化反応した化合物である。本発明の非イオン界面活性剤においては、イソステアリン酸を用いた時に本発明の効果が優れているのでイソステアリン酸を用いることが特に好ましい。
【0018】
本発明の非イオン界面活性剤に含有されるポリオキシアルキレンダイマー酸エステル誘導体及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステル誘導体の合成条件は、ポリオキシアルキレンダイマー酸及びポリオキシアルキレンダイマージオールと任意量の脂肪酸(イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ポリヒドロキシステアリン酸)を仕込み、230℃〜260℃、好ましくは250℃、窒素雰囲気下でエステル化反応を行う。ポリオキシアルキレンダイマー酸及びポリオキシアルキレンダイマージオールと脂肪酸の仕込み比を変えることにより、得られるエステルのエステル化度をモノエステル〜ジエステルの間で任意に調整することができる。
【0019】
本発明のポリオキシアルキレンダイマー酸エステル誘導体及びポリオキシアルキレンダイマージオールエーテルは、その開発目的により、種々のタイプのエステル化合物とすることができる。即ち、脂肪酸の種類の選択、異なる二種以上の脂肪酸の組み合わせの選択や、ダイマー酸及びダイマージオールの原料の選択、また、アルキレンオキシドの選択及びその付加量により、所望とする特性を有するエステルを得ることができる。
【0020】
ポリオキシアルキレンダイマー酸及びポリオキシアルキレンダイマージオールと脂肪酸とのエステルは、その原料を適切に選択することによって、粘度、状態(固形、軟ワックス、液体等)、IOB値(=無機性値/有機性値)、他成分との相性(相溶性等)を任意に調整することができ、使用感、安定性に優れた化粧料、外用剤を提供することができる。
【0021】
ダイマー酸にアルキレンオキシドとしてエチレンオキシドだけを付加重合した原料に脂肪酸(例えば、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ポリヒドロキシステアリン酸)をエステル化して得られた物質は、エステル化反応前よりも親油性が向上した。また、得られたポリオキシエチレン(以下「POE」と略す)(EOをnモル)ダイマー酸エステル化合物はエチレンオキシド付加量、エステル化度により、外観が液体の物から固体の物、乳化及び可溶化性能が強い物から弱い物、シリコン油溶性を示す物等、多種多様開発できた。エチレンオキシド付加量は、ダイマー酸の1モルに対してエチレンオキシドを1モル〜200モル付加することが好ましいが、さらに好ましくはダイマー酸の1モルに対してエチレンオキシドを2モル〜100モルの範囲で付加することである。
【0022】
ダイマー酸にアルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドだけを付加重合した原料に脂肪酸(例えば、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ポリヒドロキシステアリン酸)をエステル化して得られた物質は、エステル化反応前よりも親油性が向上した。また、得られたポリオキシプロピレン(以下「POP」と略す)ダイマー酸エステル化合物は、全て親油性の非イオン界面活性剤であった。プロピレンオキシド付加量は、ダイマー酸の1モルに対してプロピレンオキシドを1モル〜200モル付加することが好ましいが、さらに好ましくはダイマー酸の1モルに対してプロピレンオキシドを2モル〜100モルの範囲で付加することである。
【0023】
ダイマー酸にアルキレンオキシドとしてエチレンオキシドとプロピレンオキシドをブロック及びランダム重合した原料に脂肪酸をエステル化して得られた物質は、エステル化反応前よりも親油性が向上した。また、得られたPOP+POEダイマー酸エステル化合物はエチレンオキシド付加量、プロピレンオキシド付加量、エステル化量により、外観が液体の物から固体の物、乳化及び可溶化性能が強い物から弱い物まで多種多様開発できた。アルキレンオキシド付加量はダイマー酸の1モルに対してプロピレンオキシドを1モル〜50モル、エチレンオキシドを2モル〜100モルが好ましいが、さらに好ましくはプロピレンオキシドを1モル〜10モル、エチレンオキシドを2〜100モルの範囲で付加することである。
【0024】
ダイマージオールにアルキレンオキシドとしてエチレンオキシドだけを付加重合した原料に脂肪酸(例えば、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ポリヒドロキシステアリン酸)をエステル交換して得られた物質は、エステル化反応前よりも親油性が向上した。また、得られたポリオキシエチレン(以下「POE」と略す)(EOをnモル)ダイマージオールエステル化合物はエチレンオキシド付加量、エステル化量により、外観が液体の物から固体の物、乳化及び可溶化性能が強い物から弱い物、シリコン油溶性を示す物等多種多様開発できた。エチレンオキシド付加量は、ダイマージオールの1モルに対してエチレンオキシドを1モル〜200モルが好ましいが、さらに好ましくは2モル〜100モルの範囲である。
【0025】
ダイマージオールにアルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドだけを付加重合した原料に脂肪酸(例えば、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ポリヒドロキシステアリン酸)をエステル化して得られた物質は、エステル化反応前よりも親油性が向上した。また、得られたポリオキシプロピレン(以下「POP」と略す)ダイマージオールエステル化合物は、全て親油性の非イオン界面活性剤であった。プロピレンオキシド付加量は、ダイマージオールの1モルに対してプロピレンオキシドを1モル〜200モルが好ましいが、さらに好ましくは2モル〜100モルの範囲である。
【0026】
ダイマージオールにアルキレンオキシドとしてエチレンオキシドとプロピレンオキシドをブロック及びランダム重合した原料に脂肪酸(例えば、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ポリヒドロキシステアリン酸)をエステル化して得られた物質は、エステル化反応前よりも親油性が向上した。また、得られたPOP+POEダイマージオールエステル化合物はエチレンオキシド付加量、プロピレンオキシド付加量、エステル化量により、外観が液体の物から固体の物、乳化及び可溶化性能が強い物から弱い物まで多種多様開発できた。アルキレンオキシド付加量はダイマージオールの1モルに対してプロピレンオキシドを1モル〜50モル、エチレンオキシドを2モル〜100モルが好ましいが、さらに好ましくはプロピレンオキシドを1モル〜10モル、エチレンオキシドを2〜100モルの範囲である。
【0027】
ダイマー酸及びダイマージオールは従来の高級脂肪酸及び高級アルコールの二倍の分子量を有しており、そのアルキレンオキシド付加重合体、更に、脂肪酸とのエステル化反応により得られる化合物は安全性、安定性、感触性等に優れており、また、それを配合することで安全性の良い、使用感に優れた化粧料及び外用剤を提供することができる。
【0028】
化粧料及び皮膚外用剤への本発明の非イオン界面活性剤の配合量は、特に限定されないが、0.1質量%〜50質量%程度が望ましく、より好ましくは0.5質量%〜30質量%である。
【0029】
本実施の形態に用いられるポリオキシアルキレンダイマー酸エステル誘導体又はポリオキシアルキレンダイマージオールエステル誘導体は、これを一種以上、クレンジングオイル、洗顔フォーム、クレンジングクリーム、クレンジングジェル、マッサージクリーム、コールドクリーム、エモリエントクリーム、モイスチャークリーム、ハンドクリーム、エモリエント乳液、モイスチャー乳液、ハンド乳液、化粧水、パック、ファンデーション、口紅、プレスパウダー、アイシャドー、チック、ヘアリキッド、セットローション、パーマネントウェーブ液、ヘアクリーム、ヘアローション、ヘアムース、ヘアワックス、ヘアージェル、シャンプー、ヘアリンス、ヘアーコンディショナー、ボディシャンプー、固形洗剤、液体洗剤、制汗剤、アフターシェイビングクリーム、日焼け止めクリーム、日焼け止めオイル、育毛剤、養毛剤、浴用剤、外用医薬組成物等の化粧料や外用剤の調整に際して非イオン界面活性剤として用いることができる。化粧料及び外用剤の剤形には特別の制限がなく、乳化系、可溶化系、溶液系、粉末分散系、水−油二層系、水−油−粉末三層系等、どのような剤形であっても構わない。
【0030】
本実施の形態の化粧料及び外用剤には、油相原料として、飽和または不飽和脂肪酸及びこれから得られる高級アルコール類、スクワラン、ヒマシ油及びその誘導体、ミツロウ、液状及び精製ラノリンを含むラノリン類及びその誘導体、コレステロール及びその誘導体、マカデミアナッツ油、ホホバ油、カルナウバロウ、ゴマ油、カカオ油、パーム油、ミンク油、モクロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等の動植物由来の油相原料、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、ワセリン、セレシン等石油及び鉱物由来の油相原料をはじめ、メチルポリシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、アミノ酸変性ポリシロキサンなどのシリコーンポリマー等のシリコーン類、樹脂酸、エステル、ケトン類、油性成分として通常用いられるものであれば、本発明のポリオキシアルキレンダイマー酸エステル又はポリオキシアルキレンダイマージオールエステルの非イオン界面活性剤としての効果を損なわない範囲において任意に併用することができる。
【0031】
また、本実施の形態の化粧料及び外用剤には、本実施の形態で用いるポリオキシアルキレンダイマー酸エステル及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステル又はその非イオン界面活性剤組成物の効果を阻害しない範囲で、他の界面活性剤として、N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩やN−長鎖アシル中性アミノ酸塩などのN−長鎖アシルアミノ酸塩;N−長鎖脂肪酸アシル−N−メチルタウリン塩、アルキルサルフェート及びアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、脂肪酸の金属塩及び弱塩基、スルホコハク酸系界面活性剤、アルキルフォスフェート及びそのアルキレンオキシド付加物、アルキルエーテルカルボン酸等のアニオン界面活性剤;高級アルコール及びそのアルキレンオキシド付加物などのエーテル型非イオン界面活性剤;グリセリンエステル及びソルビタンエステルそのアルキレンオキシド付加物などのエーテルエステル型非イオン界面活性剤;ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリンエステル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、N−長鎖アシルペプチドポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル型界面活性剤;アルキルグルコシド類、硬化ヒマシ油ピログルタミン酸ジエステル及びそのエチレンオキシド付加物、並びに脂肪酸アルカノールアミドなどの含窒素型等の非イオン界面活性剤;アルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライドなどの脂肪族アミン塩、それらの四級アンモニウム塩、ベンザルコニム塩などの芳香族四級アンモニウム塩、脂肪酸アシルアルギニンエステル等のカチオン界面活性剤;並びにカルボキシベタインなどのベタイン界面活性剤;アミノカルボン酸型界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤等の両性界面活性剤;等の各種界面活性剤をも、本発明のポリオキシアルキレンダイマー酸エステル及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステル又はその非イオン界面活性剤組成物に加えて配合することができる。
【0032】
更にまた、本実施の形態の化粧料及び外用剤は、水相成分として、グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ロイシン、バリンなどのアミノ酸類;グリセリン、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール;ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸を含むポリアミノ酸及びその塩、ポリエチレングリコール、アラビアゴム類、アルギン酸塩、キサンタンガム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、キチン、キトサン、水溶性キチン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジウム、ポリビニルピロリドン誘導体四級アンモニウム、カチオン化プロテイン、コラーゲン分解物及びその誘導体、アシル化タンパク、ポリグリセリン、アミノ酸ポリグリセリンエステルなどの水溶性高分子;マンニトールなどの糖アルコール及びそのアルキレンオキシド付加物;並びにエタノール、プロパノールなどの低級アルコール等を配合することができる。
【0033】
更に、本実施の形態の化粧料及び外用剤に配合される添加物及び薬剤としては、通常化粧料及び外用剤に配合されるもの全般をあげることができる。例えば、パラベン誘導体などの防腐剤、香料、色素、パール化剤、酸化防止剤、殺菌剤、抗炎症剤、鎮痛剤、抗真菌剤、角質軟化剥離剤、紫外線防止剤、育毛剤、美白剤、発汗防止剤、汗防臭剤、ビタミン剤、pH調整剤、ホルモン剤、粘度調整剤、生薬などの薬剤等を配合することができる。
【0034】
上記の成分を適宣配合して作成される化粧料及び外用剤に配合すべき、上述のPOE(nモル)ダイマー酸エステル及びPOE(nモル)ダイマージオールエステルまたはこれを一種以上有効成分として含有する非イオン界面活性剤の使用量は、製品形態により異なるが、通常0.01〜100質量%(本発明の非イオン界面活性剤組成物は、例えば、メイク落としとして、他の成分を加えることなく、そのまま使用することができる)の範囲であり、好ましくは0.1〜50質量%である。
【実施例】
【0035】
本発明の一実施例を以下に挙げて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中において特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
【0036】
実施例1:POE(20モル)ダイマー酸の合成;
ダイマー酸「Pripol(プリポール)1009;ユニケマ製」750gを仕込み、攪拌し、窒素を流入しながら温度を上げる。80℃まで上げたら、水酸化カリウム3.0gを入れる。更に温度を130℃まで上げてエチレンオキシド付加開始し、反応温度160〜165℃で反応する。反応時間2時間で585gのエチレンオキシドを付加したら、水冷し、110〜120℃で50%クエン酸水溶液6mlで中和した。珪藻土を用いプレコート濾過してEO付加物1268g(収率95%)の上記[化1]においてAO=エチレンオキシド、n+n’=20、R=H、R’=H のPOE(20モル)ダイマー酸を得た。
【0037】
この生成物の分析の結果、酸価0.51、水酸基価111.75、ケン化価115.34、HLB値=8.3の化合物であった。
【0038】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3469.94cm−1(水酸基)、1737.86cm−1(エステル)及び1122.57cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0039】
実施例2:POE(20モル)ダイマー酸モノ脂肪酸エステル化合物の合成;
次いで、実施例1で得られたPOEダイマー酸の1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を1モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で6.5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(1)、すなわち、上記[化1]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=20、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=H であるPOE(20モル)ダイマー酸モノ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0040】
これら生成物を分析の結果、イソステアリン酸エステル化合物:酸価3.2、水酸基価32.85、ケン化価100.67、HLB値=8.7、ヒドロキシステアリン酸エステル化合物:酸価3.29、水酸基価67.62、ケン化価100.87、HLB値=9.3、ポリヒドロキシステアリン酸エステル化合物:酸価10.28、水酸基価19.99、ケン化価142.59、HLB値=5.5の化合物であった。
【0041】
本化合物につき、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、イソステアリン酸エステル化合物:波長3489.38cm−1(水酸基)、1736.97cm−1(エステル)及び1115.87cm−1(エーテル)、ヒドロキシステアリン酸エステル化合物:波長3489.38cm−1(水酸基)、1736.01cm−1(エステル)及び1114.90cm−1(エーテル)、ポリヒドロキシステアリン酸エステル化合物:波長3455.62cm−1(水酸基)、1735.04cm−1(エステル)及び1113.94cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0042】
実施例3:POE(1〜200モル)ダイマー酸モノ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例1と同様に操作して、ダイマー酸「Pripol(プリポール)1009;ユニケマ製」に、エチレンオキシド(以下「EO」ともいう)の付加反応時間を制御し、EO付加モル数を変え、さらに、実施例2と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(1)[POE付加モル数(EOを1〜200モル)]で上記[化1]においてAO=エチレンオキシド、n+n’=1〜200、R=脂肪酸酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=H であるPOE(1〜200モル)ダイマー酸モノ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0043】
これら生成物を分析の結果、例えば、POE(60モル)ダイマー酸モノヒドロキシステアリン酸エステル化合物は、酸価6.01、水酸基価39.79、ケン化価54.45、HLB値13.6の化合物であった。
【0044】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、EO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。例えば、POE(60モル)ダイマー酸モノヒドロキシステアリン酸エステル化合物は、波長3498.06cm−1(水酸基)、1735.04cm−1(エステル)及び1112.97cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0045】
実施例4:POE(40モル)ダイマー酸モノステアリン酸エステル化合物の合成;
実施例1と同様の操作にて得られたPOE(40モル)ダイマー酸の1モル(1670g)に対して、脂肪酸としてイソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」を1モル(330g)の割合になるようにそれぞれ仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で7時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(1)1955.3g(収率97.8%)、すなわち上記[化1]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=40、R=イソステアリン酸エステル基、R’=HであるPOE(40モル)ダイマー酸モノイソステアリン酸エステルを得た。
【0046】
この生成物の分析の結果、酸価5.38、水酸基価23.03、ケン化価72.81、HLB値=11.8の化合物であった。
【0047】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3489.38cm−1(水酸基)、1736.97cm−1(エステル)、1113.94cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0048】
実施例5:POE(20モル)ダイマー酸セスキ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例1で得られたPOEダイマー酸の1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を1.5モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(1)、すなわち上記[化1]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=20、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基:Hの比が1:1であるPOE(20モル)ダイマー酸セスキ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0049】
これら生成物を分析の結果、例えば、POE(20モル)ダイマー酸セスキイソステアリン酸エステル化合物は、酸価5.56、水酸基価15.23、ケン化価111.03、HLB値7.9の化合物であった。
【0050】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、EO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。例えば、POE(20モル)ダイマー酸セスキイソステアリン酸エステル化合物は、波長3482.63cm−1(水酸基)、1737.94cm−1(エステル)及び1115.87cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0051】
実施例6:POE(1〜200モル)ダイマー酸セスキ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例1と同様に操作して、ダイマー酸「Pripol(プリポール)1009;ユニケマ製」に、エチレンオキシド(以下「EO」ともいう)の付加反応時間を制御し、EO付加モル数を変え、さらに、実施例5と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(1)[POE付加モル数(EOを1〜200モル)]で上記[化1]においてAO=エチレンオキシド、n+n’=1〜200、R=脂肪酸酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基):Hの比が1:1であるPOE(1〜200モル)ダイマー酸セスキ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0052】
これら生成物を分析の結果、例えば、POE(40モル)ダイマー酸セスキイソステアリン酸エステル化合物は、酸価8.39、水酸基価13.22、ケン化価81.3、HLB11.0値の化合物であった。
【0053】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、EO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。例えば、POE(40モル)ダイマー酸セスキイソステアリン酸エステル化合物は、波長3482.63cm−1(水酸基)、1736.97cm−1(エステル)及び1114.90cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0054】
実施例7:POE(60モル)ダイマー酸セスキイソステアリン酸エステル化合物の合成;
実施例1と同様の操作にて得られたPOE(60モル)ダイマー酸の1モル(1260g)に対して、脂肪酸としてイソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」を1.5モル(240g)の割合になるようにそれぞれ仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で7時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(1)1437.3g(収率95.8%)、すなわち上記[化1]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=60、R=イソステアリン酸エステル基、R’=イソステリン酸エステル基:Hの比が1:1であるPOE(60モル)ダイマー酸セスキイソステアリン酸エステルを得た。
【0055】
この生成物の分析の結果、酸価9.03、水酸基価18.36、ケン化価62.26、HLB値=12.7の化合物であった。
【0056】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3489.38cm−1(水酸基)、1736.97cm−1(エステル)、1112.97cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0057】
実施例8:POE(20モル)ダイマー酸ジ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例1で得られたPOEダイマー酸の1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を2モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(1)、すなわち、上記[化1]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=20、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)であるPOE(20モル)ダイマー酸ジ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0058】
これら生成物を分析の結果、例えば、POE(20モル)ダイマー酸ジイソステアリン酸エステル化合物は、酸価8.72、水酸基価10.41、ケン化価114.97、HLB値7.2の化合物であった。
【0059】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、EO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。例えば、POE(20モル)ダイマー酸ジイソステアリン酸エステル化合物は、波長1737.94cm−1(エステル)及び1115.87cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0060】
実施例9:POE(1〜200モル)ダイマー酸ジ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例1と同様に操作して、ダイマー酸「Pripol(プリポール)1009;ユニケマ製」に、エチレンオキシド(以下「EO」ともいう)の付加反応時間を制御し、EO付加モル数を変え、さらに、実施例8と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(1)[POE付加モル数(EOを1〜200モル)]で上記[化1]においてAO=エチレンオキシド、n+n’=1〜200、R=脂肪酸酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’= 脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)であるPOE(1〜200モル)ダイマー酸ジ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0061】
これら生成物を分析の結果、例えば、POE(40モル)ダイマー酸ジイソステアリン酸エステル化合物は、酸価11.68、水酸基価15.54、ケン化価87.32、HLB値11.2の化合物であった。
【0062】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、EO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。例えば、POE(40モル)ダイマー酸ジイソステアリン酸エステル化合物は、波長1736.01cm−1(エステル)及び1114.90cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0063】
実施例10:POE(4モル)ダイマー酸ジイソステアリン酸エステル化合物の合成;
実施例1と同様の操作にて得られたPOE(4モル)ダイマージオールの1モル(660g)に対して、脂肪酸としてイソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」を2モル(540g)の割合になるようにそれぞれ仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で7時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(1)1146.0g(収率95.5%)、すなわち上記[化1]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=4、R=イソステアリン酸エステル基、R’=イソステリン酸エステル基であるPOE(4モル)ダイマー酸セスキイソステアリン酸エステルを得た。
【0064】
この生成物の分析の結果、酸価16.29、水酸基価30.78、ケン化価174.9、HLB値=3.0の化合物であった。
【0065】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長1740.83cm−1(エステル)、1171.81cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0066】
実施例11:POE(60モル)ダイマー酸ジイソステアリン酸エステル化合物の合成;
実施例1と同様の操作にて得られたPOE(60モル)ダイマー酸の1モル(1230g)に対して、脂肪酸としてイソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」を2モル(270g)の割合になるようにそれぞれ仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で7時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(1)1472.8g(収率98.2%)、すなわち上記[化1]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=60、R=イソステアリン酸エステル基、R’=イソステアリン酸エステル基であるPOE(60モル)ダイマー酸ジイソステアリン酸エステルを得た。
【0067】
この生成物の分析の結果、酸価10.54、水酸基価14.22、ケン化価65.64、HLB値=12.8の化合物であった。
【0068】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長1736.97cm−1(エステル)、1112.97cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0069】
実施例12:POE(20モル)ダイマージオールの合成;
ダイマージオール「Pripol(プリポール)2033;ユニケマ製」600gを仕込み、攪拌し、窒素を流入しながら温度を上げる。80℃まで上げたら、水酸化カリウム3.0gを入れる。更に温度を130℃まで上げてエチレンオキシド付加開始し、反応温度160〜165℃で反応する。反応時間2時間20分で328gのエチレンオキシドを付加したら、水冷し、110〜120℃で50%クエン酸水溶液7.5mlで中和した。珪藻土を用いプレコート濾過してEO付加物1505g(収率95%)の上記[化2]においてAO=エチレンオキシド、n+n’=20、R=H、R’=HであるPOE(20モル)ダイマージオールを得た。
【0070】
この生成物の分析の結果、酸価0.11、水酸基価79.77、HLB値=10.0の化合物であった。
【0071】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3485cm−1(水酸基)、及び1190cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0072】
実施例13:POE(20モル)ダイマージオールモノ脂肪酸エステル化合物の合成;
次いで、実施例12で得られたPOEダイマージオールの1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を1モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)、すなわち上記[化2]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=20、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=H であるPOE(20モル)ダイマージオールモノ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0073】
これら生成物を分析の結果、イソステアリン酸エステル化合物:酸価4.13、水酸基価38.18、ケン化価36.52、HLB値=8.3、ヒドロキシステアリン酸エステル化合物:酸価4.31、水酸基価71.53、ケン化価36.21、HLB値=8.8、ポリヒドロキシステアリン酸エステル化合物:酸価9.22、水酸基価23.82、ケン化価103.15、HLB値=5.3の化合物であった。
【0074】
本化合物につき、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、イソステアリン酸エステル化合物:波長3489.38cm−1(水酸基)、1737.94cm−1(エステル)及び1116.83cm−1(エーテル)、ヒドロキシステアリン酸エステル化合物:波長3491.31cm−1(水酸基)、1735.04cm−1(エステル)及び1114.90cm−1(エーテル)、ポリヒドロキシステアリン酸エステル化合物:波長3456.59cm−1(水酸基)、1733.12cm−1(エステル)及び1114.9cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0075】
実施例14:POE(1〜200モル)ダイマージオールモノ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例12と同様に操作して、ダイマージオール「Pripol(プリポール)2033;ユニケマ製」に、エチレンオキシド(以下「EO」ともいう)の付加反応時間を制御し、EO付加モル数を変え、さらに、実施例13と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(2)[POE付加モル数(EOを1〜200モル)]で上記[化2]においてAO=エチレンオキシド、n+n’=1〜200、R=脂肪酸酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=H であるPOE(1〜200モル)ダイマージオールモノ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0076】
これら生成物を分析の結果、例えば、POE(10モル)ダイマージオールモノイソステアリン酸エステル化合物は、酸価3.39、水酸基価45.17、ケン化価48.61、HLB値5.5の化合物であった。
【0077】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、EO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。例えば、POE(10モル)ダイマージオールモノイソステアリン酸エステル化合物は、波長3475.88cm−1(水酸基)、1737.94cm−1(エステル)及び1118.76cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0078】
実施例15:POE(40モル)ダイマージオールモノイソステアリン酸エステル化合物の合成;
実施例12と同様の操作にて得られたPOE(40モル)ダイマージオールの1モル(1297.5g)に対して、脂肪酸としてイソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」を1モル(202.5g)の割合になるようにそれぞれ仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で7時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)1469.4g(収率98.0%)、すなわち上記[化2]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=40、R=イソステアリン酸エステル基、R’=HであるPOE(40モル)ダイマージオールモノイソステアリン酸エステルを得た。
【0079】
この生成物の分析の結果、酸価6.25、水酸基価28.08、ケン化価26.64、HLB値=11.5の化合物であった。
【0080】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3488.61cm−1(水酸基)、1736.01cm−1(エステル)、1113.94cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0081】
実施例16:POE(60モル)ダイマージオールモノイソステアリン酸エステル化合物の合成;
実施例12と同様の操作にて得られたPOE(60モル)ダイマージオールの1モル(1593g)に対して、脂肪酸としてイソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」を1モル(207g)の割合になるようにそれぞれ仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で7時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)1744.3g(収率96.9%)、すなわち上記[化2]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=60、R=イソステアリン酸エステル基、R’=HであるPOE(40モル)ダイマージオールモノイソステアリン酸エステルを得た。
【0082】
この生成物の分析の結果、酸価7.46、水酸基価23.91、ケン化価22.55、HLB値=13.1の化合物であった。
【0083】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3497.09cm−1(水酸基)、1735.04cm−1(エステル)、1112.97cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0084】
実施例17:POE(20モル)ダイマージオールモノヒドロキシステアリン酸エステル化合物の合成;
実施例12にて得られたPOE(20モル)ダイマージオールの1モル(1200g)に対して、脂肪酸としてヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」を1モル(300g)の割合になるようにそれぞれ仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で6時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)1466.6g(収率97.8%)、すなわち上記[化2]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=20、R=ヒドロキシステアリン酸エステル基、R’=HであるPOE(20モル)ダイマージオールモノヒドロキシステアリン酸エステルを得た。
【0085】
この生成物の分析の結果、酸価4.31、水酸基価71.53、ケン化価36.21、HLB値=9.3の化合物であった。
【0086】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3491.31cm−1(水酸基)、1735.04cm−1(エステル)、1114.90cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0087】
実施例18:POE(10モル)ダイマージオールモノポリヒドロキシステアリン酸エステル化合物の合成;
実施例12と同様の操作にて得られたPOE(10モル)ダイマージオールの1モル(365g)に対して、脂肪酸としてポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」を1モル(635g)の割合になるようにそれぞれ仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)982g(収率98.2%)、すなわち上記[化2]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=10、R=ポリヒドロキシステアリン酸エステル基、R’=HであるPOE(10モル)ダイマージオールモノポリヒドロキシステアリン酸エステルを得た。
【0088】
この生成物の分析の結果、酸価10.71、水酸基価21.8、ケン化価122.55、HLB値=3.7の化合物であった。
【0089】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3455.62cm−1(水酸基)、1735.04cm−1(エステル)、1114.90cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0090】
実施例19:POE(20モル)ダイマージオールセスキ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例12で得られたPOEダイマー酸エステルの1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を1.5モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)、すなわち上記[化2]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=20、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基):Hの比が1:1であるPOE(20モル)ダイマージオールセスキ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0091】
これら生成物を分析の結果、例えば、POE(20モル)ダイマージオールセスキイソステアリン酸エステル化合物は、酸価6.34、水酸基価20.06、ケン化価51.55、HLB値7.5の化合物であった。
【0092】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、EO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。例えば、POE(20モル)ダイマージオールセスキイソステアリン酸エステル化合物は、波長3494.20cm−1(水酸基)、1737.94cm−1(エステル)及び1116.83cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0093】
実施例20:POE(1〜200モル)ダイマージオールセスキ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例12と同様に操作して、ダイマージオール「Pripol(プリポール)2033;ユニケマ製」に、エチレンオキシド(以下「EO」ともいう)の付加反応時間を制御し、EO付加モル数を変え、さらに、実施例19と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(2)[POE付加モル数(EOを1〜200モル)]で上記[化2]においてAO=エチレンオキシド、n+n’=1〜200、R=脂肪酸酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’= 脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基):Hの比が1:1であるPOE(1〜200モル)ダイマージオールセスキ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0094】
これら生成物を分析の結果、例えば、POE(60モル)ダイマージオールセスキイソステアリン酸エステル化合物は、酸価8.84、水酸基価17.8、ケン化価27.52、HLB値12.7の化合物であった。
【0095】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、EO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。例えば、POE(60モル)ダイマージオールセスキイソステアリン酸エステル化合物は、波長3483.59cm−1(水酸基)、1736.01cm−1(エステル)及び1113.94cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0096】
実施例21:POE(20モル)ダイマージオールジ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例12で得られたPOEダイマー酸エステルの1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を2モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)、すなわち上記[化2]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=20、R=脂肪酸残基、R’=脂肪酸残基であるPOE(20モル)ダイマージオールジ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0097】
これら生成物を分析の結果、例えば、POE(20モル)ダイマージオールジイソステアリン酸エステル化合物は、酸価4.93、水酸基価10.62、ケン化価88.02、HLB値2.0の化合物であった。
【0098】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、EO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。例えば、POE(20モル)ダイマージオールジイソステアリン酸エステル化合物は、波長1739.87cm−1(エステル)及び1119.73cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0099】
実施例22:POE(1〜200モル)ダイマージオールジ脂肪酸エステル化合物の合成;
【0100】
実施例12と同様の操作にて得られたダイマージオール「Pripol(プリポール)2033;ユニケマ製」に、エチレンオキシド(以下「EO」ともいう)の付加反応時間を制御し、EO付加モル数を変え、さらに、実施例21同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(2)[POE付加モル数(EOを1〜200モル)]で上記[化2]においてAO=エチレンオキシド、n+n’=1〜200、R=脂肪酸酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’= 脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)のPOE(1〜200モル)ダイマージオールジ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0101】
これら生成物を分析の結果、例えば、POE(40モル)ダイマージオールジイソステアリン酸エステル化合物は、酸価10.42、水酸基価12.67、ケン化価40.65、HLB値10.0の化合物であった。
【0102】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、EO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。例えば、POE(40モル)ダイマージオールジイソステアリン酸エステル化合物は、波長1735.04cm−1(エステル)及び1114.90cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0103】
実施例23:POE(2モル)ダイマージオールジイソステアリン酸エステル化合物の合成;
実施例12と同様の操作にて得られたPOE(2モル)ダイマージオールの1モル(832g)に対して、脂肪酸としてイソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」を2モル(768g)の割合になるようにそれぞれ仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で7時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)1529.6g(収率95.6%)、すなわち上記[化2]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=2、R=イソステアリン酸エステル基、R’=イソステリン酸エステル基であるPOE(2モル)ダイマージオールジイソステアリン酸エステルを得た。
【0104】
この生成物の分析の結果、酸価5.14、水酸基価9.4、ケン化価95.56、HLB値=1.1の化合物であった。
【0105】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長1739.87cm−1(エステル)、1120.69cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0106】
実施例24:POE(4モル)ダイマージオールジイソステアリン酸エステル化合物の合成;
実施例12と同様の操作にて得られたPOE(4モル)ダイマージオールの1モル(999g)に対して、脂肪酸としてイソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」を2モル(801g)の割合になるようにそれぞれ仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で7時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)1722g(収率95.7%)、すなわち上記[化2]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=4、R=イソステリン酸エステル基、R’=イソステリン酸エステル基であるPOE(4モル)ダイマージオールジイソステアリン酸エステルを得た。
【0107】
この生成物の分析の結果、酸価4.93、水酸基価10.62、ケン化価88.02、HLB値=2.0の化合物であった。
【0108】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長1739.87cm−1(エステル)、1119.73cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0109】
実施例25:POE(5モル)ダイマージオールジイソステアリン酸エステル化合物の合成;
実施例12と同様の操作にて得られたPOE(5モル)ダイマージオールの1モル(855g)に対して、脂肪酸としてイソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」を2モル(645g)の割合になるようにそれぞれ仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で6時間30分エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)1437g(収率95.8%)、すなわち上記[化2]において、AO=エチレンオキシド、n+n’=5、R=イソステリン酸エステル基、R’=イソステリン酸エステル基であるPOE(5モル)ダイマージオールジイソステアリン酸エステルを得た。
【0110】
この生成物の分析の結果、酸価6.56、水酸基価10.42、ケン化価86.4、HLB値=2.0の化合物であった。
【0111】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長1739.87cm−1(エステル)、1118.76cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0112】
実施例26:POP(10モル)ダイマー酸の合成;
ダイマー酸「Pripol(プリポール)1009;ユニケマ製」700gを仕込み、攪拌し、窒素を流入しながら温度を上げる。80℃まで上げたら、水酸化カリウム3.5gを入れる。更に温度を130℃まで上げてプロピレンオキシド付加開始し、反応温度160〜165℃で反応する。反応時間2時間で721gのプロピレンオキシドを付加したら、水冷し、110〜120℃で50%クエン酸水溶液7mlで中和した。珪藻土を用いプレコート濾過してEO付加物1350g(収率95%)の上記[化1]においてAO=プロピレンオキシド、n+n’=10、R=H、R’=HのPOP(10モル)ダイマー酸を得た。
【0113】
この生成物の分析の結果、酸価0.56、水酸基価100.3(理論値98.0)、ケン化価99.7、HLB値3.9の化合物であった。
【0114】
本化合物につき、赤外吸収スペクトル測定を行った結果、波長3477.66cm−1(水酸基)、1737.86cm−1(エステル)及び1114.86cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0115】
実施例27:POP(10モル)ダイマー酸モノ脂肪酸エステル化合物の合成;
次いで、実施例26で得られたPOPダイマー酸エステルの1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を1モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(1)、すなわち上記[化1]において、AO=プロピレンオキシド、n+n’=10、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=H 」を得た。
【0116】
これら生成物を分析の結果、例えば、POP(10モル)ダイマー酸モノイソステアリン酸エステル化合物は、酸価6.9、水酸基価51.17、ケン化価118.89、HLB値2.7の化合物であった。
【0117】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、EO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。例えば、POP(10モル)ダイマー酸モノイソステアリン酸エステル化合物は、波長3472.02cm−1(水酸基)、1735.04cm−1(エステル)及び1111.05cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0118】
実施例28:POP(1〜200モル)ダイマー酸モノ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例26と同様に操作して、ダイマー酸「Pripol(プリポール)1009;ユニケマ製」に、プロピレンオキシド(以下「PO」ともいう)の付加反応時間を制御し、PO付加モル数を変え、さらに、実施例27と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(1)[POP付加モル数(POを1〜200モル)]の上記[化1]においてAO=プロピレンオキシド、n+n’=1〜200、R=脂肪酸酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=H のPOP(1〜200モル)ダイマー酸モノ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0119】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0120】
実施例29:POP(10モル)ダイマー酸セスキ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例26で得られたPOPダイマー酸の1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を1.5モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(1)、すなわち上記[化1]において、AO=プロピレンオキシド、n+n’=10、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基):Hの比が1:1であるPOP(10モル)ダイマー酸セスキ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0121】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0122】
実施例30:POP(1〜200モル)ダイマー酸セスキ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例26と同様に操作して、ダイマー酸「Pripol(プリポール)1009;ユニケマ製」に、プロピレンオキシド(以下「PO」ともいう)の付加反応時間を制御し、PO付加モル数を変え、さらに、実施例29と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(1)[POP付加モル数(POを1〜200モル)]の上記[化1]においてAO=プロピレンオキシド、n+n’=1〜200、R=脂肪酸酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’= 脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基):Hの比が1:1であるPOP(1〜200モル)ダイマー酸セスキ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0123】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0124】
実施例31:POP(10モル)ダイマー酸ジ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例26で得られたPOPダイマー酸の1モルに対し脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を2モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(1)、すなわち上記[化1]において、AO=プロピレンオキシド、n+n’=10、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)のPOP(10モル)ダイマー酸ジ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0125】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0126】
実施例32:POP(1〜200モル)ダイマー酸ジ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例26と同様に操作して、ダイマー酸「Pripol(プリポール)1009;ユニケマ製」に、プロピレンオキシド(以下「PO」ともいう)の付加反応時間を制御し、PO付加モル数を変え、さらに、実施例31と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(1)[POP付加モル数(POを1〜200モル)]で上記[化1]においてAO=プロピレンオキシド、n+n’=1〜200、R=脂肪酸酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)のPOP(1〜200モル)ダイマー酸ジ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0127】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0128】
実施例33:POP(10モル)ダイマージオールの合成;
ダイマージオール「Pripol(プリポール)2033;ユニケマ製」700gを仕込み、攪拌し、窒素を流入しながら温度を上げる。80℃まで上げたら、水酸化カリウム3.5gを入れる。更に温度を130℃まで上げてプロピレンオキシド付加開始し、反応温度160〜165℃で反応する。反応時間1時間30分で721gのプロピレンオキシドを付加したら、水冷し、110〜120℃で50%クエン酸水溶液7mlで中和。珪藻土を用いプレコート濾過してEO付加物1383g(収率95%)の上記[化2]においてAO=プロピレンオキシド、n+n’=10、R=H、R’=HのPOP(10モル)ダイマージオールを得た。
【0129】
この生成物の分析の結果、酸価0.10、水酸基価105.50、HLB値3.4の化合物であった。
【0130】
本化合物につき、赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、波長3450.37cm−1(水酸基)及び1114.86cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0131】
実施例34:POP(10モル)ダイマージオールモノ脂肪酸エステル化合物の合成;
次いで、実施例33で得られたPOPダイマージオールの1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を1モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)、すなわち上記[化2]において、AO=プロピレンオキシド、n+n’=10、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=H のPOP(10モル)ダイマージオールモノ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0132】
これら生成物を分析の結果、例えば、POP(10モル)ダイマージオールモノイソステアリン酸エステル化合物は、酸価5.3、水酸基価48.42、ケン化価41.89、HLB値2.2の化合物であった。
【0133】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、EO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。例えば、POP(10モル)ダイマージオールモノイソステアリン酸エステル化合物は、波長3474.91cm−1(水酸基)、1736.01cm−1(エステル)及び1113.94cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0134】
実施例35:POP(1〜200モル)ダイマージオールモノ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例33と同様に操作して、ダイマージオール「Pripol(プリポール)2033;ユニケマ製」に、プロピレンオキシド(以下「PO」ともいう)の付加反応時間を制御し、PO付加モル数を変え、さらに、実施例34と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(2)[POP付加モル数(POを1〜200モル)]の上記[化2]においてAO=プロピレンオキシド、n+n’=1〜200、R=脂肪酸酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=HのPOP(1〜200モル)ダイマージオールモノ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0135】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0136】
実施例36:POP(10モル)ダイマージオールセスキ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例33で得られたPOPダイマージオールの1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を1.5モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)、すなわち上記[化2]において、AO=プロピレンオキシド、n+n’=10、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基):Hの比が1:1であるPOP(10モル)ダイマージオールセスキ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0137】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0138】
実施例37:POP(1〜200モル)ダイマージオールセスキ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例33と同様に操作して、ダイマージオール「Pripol(プリポール)2033;ユニケマ製」に、プロピレンオキシド(以下「PO」ともいう)の付加反応時間を制御し、PO付加モル数を変え、さらに、実施例36と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(2)[POP付加モル数(POを1〜200モル)]の上記[化2]においてAO=プロピレンオキシド、n+n’=1〜200、R=脂肪酸酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基):Hの比が1:1であるPOP(1〜200モル)ダイマージオールセスキ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0139】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0140】
実施例38:POP(10モル)ダイマージオールジ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例33で得られたPOPダイマージオールの1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を2モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)、すなわち上記[化2]において、AO=プロピレンオキシド、n+n’=10、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)のPOP(10モル)ダイマージオールジ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0141】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0142】
実施例39:POP(1〜200モル)ダイマージオールジ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例33と同様に操作して、ダイマージオール「Pripol(プリポール)2033;ユニケマ製」に、プロピレンオキシド(以下「PO」ともいう)の付加反応時間を制御し、PO付加モル数を変え、さらに、実施例38と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(1)[POP付加モル数(POを1〜200モル)]の上記[化2]においてAO=プロピレンオキシド、n+n’=1〜200、R=脂肪酸酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)のPOP(1〜200モル)ダイマージオールジ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0143】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0144】
実施例40:POP(10モル)+POE(10モル)ダイマー酸の合成;
ダイマー酸「Pripol(プリポール)1009;ユニケマ製」400gを仕込み、攪拌し、窒素を流入しながら温度を上げる。100℃まで上げたら、水酸化カリウム3.2gを入れる。更に温度を130℃まで上げてプロピレンオキシド付加開始し、反応温度160〜165℃、反応圧力0.06〜0.1MPaで反応する。反応時間1時間で412gのプロピレンオキシドを付加したら、次に、エチレンオキシド付加開始、反応温度160〜165℃、反応圧力0.06〜0.1MPaで反応する。反応時間1時間で312gのエチレンオキシドを付加したら、水冷し、90〜100℃でキョーワード700SL(協和化学工業製)32g、イオン交換水11mlを投入して100〜110℃で減圧脱水する。−0.1MPaで30分経過させ、濾過をしてPO+EO付加物1068g(収率95%)の上記[化2]においてAO=プロピレンオキシド+エチレンオキシド、n+n’=10(PO)+10(EO)、R=H、R’=HのPOP(10モル)+POE(10モル)ダイマー酸を得た。
【0145】
この生成物の分析の結果、酸価1.39、水酸基価85.18、ケン化価70.17、HLB値=6.6の化合物であった。
【0146】
本化合物につき、赤外線スペクトル測定を行った結果、波長3473.95cm−1(水酸基)、1736.97cm−1(エステル)及び1113.94cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0147】
実施例41:POP(10モル)+POE(10モル)ダイマー酸モノ脂肪酸エステル化合物の合成;
次いで、実施例40で得られたPOP(10モル)+POE(10モル)ダイマー酸の1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を1モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(1)、すなわち上記[化1]において、AO=プロピレンオキシド+エチレンオキシド、n+n’=10(PO)+10(EO)、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=HのPOP(10モル)+POE(10モル)ダイマー酸モノ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0148】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0149】
実施例42:POP(1〜50モル)+POE(1〜200モル)ダイマー酸モノ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例40と同様に操作して、ダイマー酸「Pripol(プリポール)1009;ユニケマ製」に、プロピレンオキシド(以下「PO」ともいう)の付加反応時間を制御し、PO付加モル数を変え、さらに、エチレンオキシド(以下「EO」ともいう)の付加反応時間を制御し、EO付加モル数を変え、さらに、実施例41と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(1)[POP付加モル数(POを1〜50モル)、エチレンオキシド付加量が1〜200モル]の上記[化1]においてAO=プロピレンオキシド+エチレンオキシド、n+n’=1〜50(PO)+1〜200(EO)、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=H のPOP(1〜50モル)+POE(1〜200モル)ダイマー酸モノ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0150】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0151】
実施例43:POP(10モル)+POE(10モル)ダイマー酸セスキ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例40で得られたPOP(10モル)+POE(10モル)ダイマー酸の1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を1.5モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(1)、すなわち上記[化1]において、AO=プロピレンオキシド+エチレンオキシド、n+n’=10(PO)+10(EO)、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基):Hの比が1:1である)POP(10モル)+POE(10モル)ダイマー酸セスキ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0152】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0153】
実施例44:POP(1〜50モル)+POE(1〜200モル)ダイマー酸セスキ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例40と同様に操作して、ダイマー酸「Pripol(プリポール)1009;ユニケマ製」に、プロピレンオキシド(以下「PO」ともいう)の付加反応時間を制御し、PO付加モル数を変え、さらに、エチレンオキシド(以下「EO」ともいう)の付加反応時間を制御し、EO付加モル数を変え、さらに、実施例43と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(1)[POP付加モル数(POを1〜50モル)、エチレンオキシド付加量が1〜200モル]の上記[化1]においてAO=プロピレンオキシド+エチレンオキシド、n+n’=1〜50(PO)+1〜200(EO)、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基):Hの比が1:1であるPOP(1〜50モル)+POE(1〜200モル)ダイマー酸セスキ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0154】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0155】
実施例45:POP(10モル)+POE(10モル)ダイマー酸ジ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例40で得られたPOP(10モル)+POE(10モル)ダイマー酸の1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」]を2モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(1)、上記[化1]において、AO=プロピレンオキシド+エチレンオキシド、n+n’=10(PO)+10(EO)、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)のPOP(10モル)+POE(10モル)ダイマー酸ジ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0156】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0157】
実施例46:POP(1〜50モル)+POE(1〜200モル)ダイマー酸ジ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例40と同様に操作して、ダイマー酸「Pripol(プリポール)1009;ユニケマ製」に、プロピレンオキシド(以下「PO」ともいう)の付加反応時間を制御し、PO付加モル数を変え、さらに、エチレンオキシド(以下「EO」ともいう)の付加反応時間を制御し、EO付加モル数を変え、さらに、実施例45と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(1)[POP付加モル数(POを1〜50モル)、エチレンオキシド付加量が1〜200モル]の上記[化1]においてAO=プロピレンオキシド+エチレンオキシド、n+n’=1〜50(PO)+1〜200(EO)、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基 (エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)のPOP(1〜50モル)+POE(1〜200モル)ダイマー酸ジ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0158】
これら生成物を分析の結果、例えば、POP(10モル)+POE(10モル)ダイマー酸ジイソステアリン酸エステル化合物は、酸価7.06、水酸基価13.99、ケン化価102.27、HLB値4.7の化合物であった。
【0159】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、EO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。例えば、POP(10モル)+POE(10モル)ダイマー酸ジイソステアリン酸エステル化合物は、波長1737.94cm−1(エステル)及び1113.94cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0160】
実施例47:POP(10モル)+POE(10モル)ダイマージオールの合成;
ダイマージオール「Pripol(プリポール)2033;ユニケマ製」550gを仕込み、攪拌し、窒素を流入しながら温度を上げる。100℃まで上げたら、水酸化カリウム4.4gを入れる。更に温度を130℃まで上げてプロピレンオキシド付加開始し、反応温度160〜165℃、反応圧力0.06〜0.1MPaで反応する。反応時間2時間で594gのプロピレンオキシドを付加したら、次に、エチレンオキシド付加開始、反応温度160〜165℃、反応圧力0.06〜0.1MPaで反応する。反応時間1時間で451gのエチレンオキシドを付加したら、水冷し、90〜100℃でキョーワード700SL(協和化学工業製)44g、イオン交換水16mlを投入して100〜110℃で減圧脱水する。−0.1MPaで30分経過させ、濾過をしてPO+EO付加物1515g(収率95%)の上記[化2]においてAO=プロピレンオキシド+エチレンオキシド、n+n’=10(PO)+10(EO)、R=H、R’=H のPOP(10モル)+POE(10モル)ダイマージオールを得た。
【0161】
この生成物の分析の結果、酸価0.11、水酸基価77.89、HLB値=6.1の化合物であった。
【0162】
本化合物につき、赤外線スペクトル測定を行った結果、波長3478.77cm−1(水酸基)、及び1112.97cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0163】
実施例48:POP(10モル)+POE(10モル)ダイマージオールモノ脂肪酸エステル化合物の合成;
次いで、実施例47で得られたPOP(10モル)+POE(10モル)ダイマージオールの1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を1モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)、すなわち上記[化2]において、AO=プロピレンオキシド+エチレンオキシド、n+n’=10(PO)+10(EO)、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=H のPOP(10モル)+POE(10モル)ダイマージオールモノ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0164】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0165】
実施例49:POP(1〜50モル)+POE(1〜200モル)ダイマージオールモノ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例47と同様に操作して、ダイマージオール「Pripol(プリポール)2033;ユニケマ製」に、プロピレンオキシド(以下「PO」ともいう)の付加反応時間を制御し、PO付加モル数を変え、さらに、エチレンオキシド(以下「EO」ともいう)の付加反応時間を制御し、EO付加モル数を変え、さらに、実施例47同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(2)[POP付加モル数(POを1〜50モル)、エチレンオキシド付加量が1〜200モル]の上記[化2]においてAO=プロピレンオキシド+エチレンオキシド、n+n’=1〜50(PO)+1〜200(EO)、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=HのPOP(1〜50モル)+POE(1〜200モル)ダイマージオールモノ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0166】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0167】
実施例50:POP(10モル)+POE(10モル)ダイマージオールセスキ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例47で得られたPOP(10モル)+POE(10モル)ダイマージオールの1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を1.5モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)、すなわち上記[化2]において、AO=プロピレンオキシド+エチレンオキシド、n+n’=10(PO)+10(EO)、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基):Hの比が1:1であるPOP(10モル)+POE(10モル)ダイマージオールセスキ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0168】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0169】
実施例51:POP(1〜50モル)+POE(1〜200モル)ダイマージオールセスキ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例47と同様に操作して、ダイマージオール「Pripol(プリポール)2033;ユニケマ製」に、プロピレンオキシド(以下「PO」ともいう)の付加反応時間を制御し、PO付加モル数を変え、さらに、エチレンオキシド(以下「EO」ともいう)の付加反応時間を制御し、EO付加モル数を変え、さらに、実施例50同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(2)[POP付加モル数(POを1〜50モル)、エチレンオキシド付加量が1〜200モル]の上記[化2]においてAO=プロピレンオキシド+エチレンオキシド、n+n’=1〜50(PO)+1〜200(EO)、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基):Hの比が1:1であるPOP(1〜50モル)+POE(1〜200モル)ダイマージオールセスキ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0170】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0171】
実施例52:POP(10モル)+POE(10モル)ダイマージオールジ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例47で得られたPOP(10モル)+POE(10モル)ダイマージオールの1モルに対して脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を2モルの割合になるようにそれぞれを仕込み、窒素を流入しながら反応温度250℃で5〜8時間エステル化反応を行い、本発明の非イオン界面活性剤(2)、すなわち上記[化2]において、AO=プロピレンオキシド+エチレンオキシド、n+n’=10(PO)+10(EO)、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)のPOP(10モル)+POE(10モル)ダイマージオールジ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0172】
これら生成物を分析の結果、例えば、POP(10モル)+POE(10モル)ダイマージオールジイソステアリン酸エステル化合物は、酸価8.77、水酸基価14.39、ケン化価54.71、HLB値4.0の化合物であった。
【0173】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、EO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。例えば、POP(10モル)+POE(10モル)ダイマージオールジイソステアリン酸エステル化合物は、波長3476.84cm−1(水酸基)、1737.94cm−1(エステル)及び1114.90cm−1(エーテル)に特性吸収を認めた。
【0174】
実施例53:POP(1〜50モル)+POE(1〜200モル)ダイマージオールジ脂肪酸エステル化合物の合成;
実施例47と同様に操作して、ダイマージオール「Pripol(プリポール)2033;ユニケマ製」に、プロピレンオキシド(以下「PO」ともいう)の付加反応時間を制御し、PO付加モル数を変え、さらに、エチレンオキシド(以下「EO」ともいう)の付加反応時間を制御し、EO付加モル数を変え、さらに、実施例52と同様の操作にて、脂肪酸[イソステアリン酸「EMERSOL874;コグニスジャパン製」、ヒドロキシステアリン酸「12−ヒドロ酸HP;小倉合成工業製」、ポリヒドロキシステアリン酸「K−PON306;小倉合成工業製」のいずれか一つ]を用いてエステル化反応を行い、非イオン界面活性剤(2)[POP付加モル数(POを1〜200モル)、エチレンオキシド付加量が1〜200モル]の上記[化2]においてAO=プロピレンオキシド+エチレンオキシド、n+n’=1〜200(PO)+1〜200(EO)、R=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)、R’=脂肪酸残基(エステル化反応に用いた各脂肪酸残基)のPOP(1〜50モル)+POE(1〜200モル)ダイマージオールジ脂肪酸エステル化合物を得た。
【0175】
上記化合物について、それぞれ赤外線吸収スペクトル測定により、PO付加モル数および脂肪族エステルを確認した。
【0176】
以下、配合実施例により、本発明のポリオキシアルキレンダイマー酸エステル及びポリオキシアルキレンダイマージオールエーテルエステルまたは、これを一種以上有効成分として非イオン界面活性剤組成物の効果を評価した結果を具体的に示す。
【0177】
評価例1:溶解性試験
実施例により得られたポリオキシアルキレンダイマージオール及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステル化合物の各種溶剤に対する溶解性を評価した。
【0178】
溶解性試験方法は、各実施例より得られた化合物を表1に示す溶剤との1%溶液を調整し、70℃まで加温しながらパドルにて混ぜ合わせ、次に、25℃まで冷却した状態を観察した。なお、溶解性試験の評価基準は、透明に溶解していれば○、分散状態であれば△、溶解しない場合は×で示す。
【0179】
結果、表1に示したとおり、エステル化反応した実施例24及び52は、非極性オイルやシクロメチコンへ溶解する、親油性に優れた非イオン性界面活性剤であった。また、POE(1〜20モル)付加化合物は、臭いや低温での液状性も良く、非イオン界面活性剤用途又は化粧料及び外用剤用油剤として優れるものであった。
【0180】
【表1】

【0181】
評価例2:エステル化度による油溶性試験
実施例12〜21で得られたPOE(20モル)ダイマージオールとイソステアリン酸のエステル化合物について、エステル化度による油剤への溶解性を評価した。
【0182】
油溶性試験方法は、各実施例より得られた化合物を表2に示す溶剤との1%溶液を調整し、70℃まで加温しながらパドルにて混ぜ合わせ、次に、25℃まで冷却した状態を観察した。なお、油溶性試験の評価基準は、透明に溶解していれば○、分散状態であれば△、溶解しない場合は×で示す。
【0183】
結果、表2に示したとおり、エステル化度を上げていく毎に、非極性油にも溶解する結果となった。
【0184】
【表2】

【0185】
評価例3:乳化安定性試験;
実施例54〜55及び比較例3〜5(乳液);
実施例により得られたPOE(nモル)ダイマー酸脂肪酸エステル及びPOE(nモル)ダイマージオール脂肪酸エステルを用い、下記表2に示す処方の乳液を調整した。これら乳液の調整法は、成分1と成分2をそれぞれ70℃に加温し、成分1に成分2を徐々に加えてホモミキサーで乳化した。
【0186】
これらの乳液を次に示す方法により乳化安定性の評価を行った。すなわち、調整後の各乳液を−5から40℃雰囲気を繰り返す恒温室に放置し、このサイクル試験の一ヶ月後に乳液の状態を観察した。乳化安定性の評価基準は、−5℃と40℃のサイクル試験で一ヶ月安定であれば○、そして一ヶ月で分離していれば×とした。(繰り返し条件は〔−5℃×48時間〕→〔40℃×120時間〕を1サイクルとして一ヶ月行った。)
【0187】
結果、表3に示した通り、実施例により得られたポリオキシアルキレンダイマー酸エステル化合物及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステル化合物は比較例化合物と比べ一ヶ月後に分離することなく、乳化状態を保持し、安定性に優れるものであった。(質量%により表記した。)
【0188】
【表3】

【0189】
実施例56:W/O−エモリエントクリーム;
下記表4に示す組成のW/O−エマルションを次の様にして調整した。すなわち、成分1及び成分2をそれぞれ70℃で均一に溶解させ、成分1を攪拌しながら成分2を混合した。このようにして調整したW/Oエモリエントクリームは、シリコン界面活性剤を用いた製品と同様に安定性の良い、のびの良い、しっとり感に優れた官能を示し、さらに、上記POE(10モル)ダイマージオールモノポリヒドロキシステアリン酸エステル:(実施例18)の代わりに、例えば、シリコン界面活性剤(「EMALEX SS−5051」日本エマルジョン社製)を用い、その添加量はこの実施例56と同様にして作製したW/O−エモリエントクリームに比べ、べたつき感が少ないという官能を示した。
【0190】
【表4】

【0191】
実施例57:W/O−UVベースケーキ;
下記表5に示す組成のW/O−UVベースケーキを次の様にして調整した。すなわち、成分1を85℃、成分2を75℃まで加温し、成分1を攪拌しながら成分2を徐々に加入した。次に成分3を添加し、固まる前に充填した。このW/O−UVベースケーキは、シリコン界面活性剤を用いた製品と同等以上の安定性の良い、艶感及び伸びの良い優れた官能を示した。また、オレイン酸ポリグリセリル−2とPOE(2モル)ダイマージオールジイソステアリン酸エステル:(実施例23)とセスキイソステアリン酸ソルビタンとの代わりに、例えば、シリコン界面活性剤(「EMALEX SS−5051」日本エマルジョン社製)を用い、その添加量はこの実施例57と同様にして作製したW/O−U/Vベースケーキに比べ、べたつき感が少ないという官能を示した。
【0192】
【表5】

【0193】
実施例58:クリーム洗顔;
下記表6に示すクリーム洗顔を次の様に調整した。すなわち、成分1を75℃、成分2を70℃まで加温し、均一に溶解する。次に、成分1を攪拌しながら、成分2を徐々に加入してケン化し、更に成分3を添加して40℃まで冷却した。このクリーム洗顔は、良好な使用感、優れたエモリエント効果を有し、また泡立ちの安定性も良好であった。
【0194】
【表6】

【0195】
実施例59:液体洗顔;
下記表7に示す組成の液体洗顔を次の様に調整した。すなわち、成分1及び成分2をそれぞれ70℃に加温し、成分2を攪拌しながら、成分1を徐々に加入した。次に、水冷しながら攪拌し50℃で成分3を添加して30℃まで冷却した。この液体洗顔は、伸びの良さ及びクリーミーな泡立ちの優れた官能を示した。
【0196】
【表7】

【0197】
実施例60:ボディシャンプー;
下記表8に示すボディシャンプーを次の様に調整した。すなわち、成分1を65℃、成分2及び3をそれぞれ50℃まで加温し、均一に溶解する。次に、成分2を攪拌しながら成分1及び3を徐々に加入した後、40℃まで冷却し、成分4を添加した。このボディシャンプーはのびの良さ及びクリーミーな泡立ちの優れた官能を示した。
【0198】
【表8】

【0199】
実施例61:クレンジング乳液;
下記表9に示す組成のクレンジング乳液を次の様に調整した。すなわち、成分1及び成分2をそれぞれ70℃まで加温し、均一に溶解する。次に成分2を攪拌しながら成分1を徐々に加入した。このクレンジング乳液は、粘性があり、使用時に垂れにくいという特性を有し、クレンジング性能に優れ、使用後さっぱりとした官能を示した。
【0200】
【表9】

【0201】
実施例62:クレンジングオイル;
下記表10に示す組成のクレンジングオイルを次の様に調整した。すなわち、成分1及び成分2をそれぞれ60℃まで加温し、均一に溶解する。次に、成分1を攪拌しながら、成分2を加入した。このクレンジングオイルは、濡れた手でも使うことが可能であり、また、顔料分散性に優れる為、ファンデーション、メイク等となじみも良く、クレンジング性能に優れた官能を示した。
【0202】
【表10】

【0203】
実施例63:クレンジングゲル;
下記表11に示す組成のクレンジングゲルを次の様にして調整した。すなわち、成分1及び成分2をそれぞれ70℃まで加温し、均一に溶解する。次に、成分1を攪拌しながら、成分2を加入した。このクレンジングゲルは、透明で非常に粘性があり、使用時に垂れにくく、また、顔料分散性に優れる為、ファンデーション、メイクアップ等となじみも良く、クレンジング性能に優れた官能を示した。
【0204】
【表11】

【0205】
実施例64:クレンジングクリーム;
下記表12に示す組成のクレンジングクリームを次の様にして調整した。すなわち、成分1及び成分2をそれぞれ75℃まで加温し、均一に溶解する。次に、成分1を攪拌しながら、成分2を加入した。このクレンジングクリームは、顔料分散性に優れる為、ファンデーション、メイクアップ等となじみが良く、クレンジング性能に優れた官能を示した。
【0206】
【表12】

【0207】
実施例65:乳白化粧水;
下記表13に示す組成のクレンジングゲルを次の様にして調整した。すなわち、成分1を80℃、成分2を75℃まで加温し、均一に溶解する。次に、成分2を攪拌しながら成分1を徐々に加入した。その後、30℃まで冷却し、成分3を加入した。この乳白化粧水はのびの良さ、なじみの良さ等に優れた官能を示した。
【0208】
【表13】

【0209】
実施例66:W/O−マッサージクリーム;
下記表14に示す組成のW/O−マッサージクリームを次の様にして調整した。すなわち、成分1及び成分2をそれぞれ60℃まで加温し、均一に溶解する。次に、成分1を攪拌しながら、成分2を加入した。このW/O−マッサージクリームは、油量が少ないにも係わらず非常に艶感に優れ、一定の伸び感を持続させ、マッサージ効果が期待できる官能を示した。
【0210】
【表14】

【0211】
実施例67:モイスチャークリーム;
下記表15に示す組成のモイスチャークリームを次の様にして調整した。すなわち、成分1を75℃、成分2を70℃まで加温し、均一に溶解する。次に、成分2を攪拌しながら成分1を徐々に加入した。このモイスチャークリームは艶が良く、エモリエント性を付与し、優れた官能を示した。
【0212】
【表15】

【0213】
実施例68:ヘアーワックス;
下記表16に示す組成のヘアーワックスを次の様にして調整した。すなわち、成分1及び成分2を80℃まで加温し、均一に溶解する。次に、成分1を攪拌しながら成分2を徐々に加入した。その後、50℃まで冷却し、成分3を加入した。このヘアーワックスはマット感を持つ、スタイリングの保持に優れた官能を示した。
【0214】
【表16】

【0215】
実施例69:ヘアージェル;
下記表17に示す組成のヘアージェルを次の様にして調整した。すなわち、成分1及び成分2を80℃まで加温し、均一に溶解する。次に、成分1を攪拌しながら成分2を徐々に加入した。このヘアージェルは適度にスタイリングを保持し、髪にウエット感を与え、ダメージヘアの保護及び透明性に優れた官能を示した。
【0216】
【表17】

【0217】
実施例70:ヘアーシャンプー;
下記表18に示す組成のヘアーシャンプーを次の様にして調整した。すなわち、成分1を70℃、成分2を75℃に加温し、均一に溶解する。次に、成分2を攪拌しながら成分1を徐々に加入した。次に成分3を添加して30℃まで冷却した。このヘアーシャンプーは、毛髪にしっとり感、艶を付与し、なめらかな指通りに優れた官能を示した。
【0218】
【表18】

【0219】
実施例71:コンディショニングシャンプー;
下記表19に示す組成のコンディショニングシャンプーを次の様にして調整した。すなわち、成分1を攪拌しながら60℃に加温し、次に成分2を添加して30℃まで冷却した。このヘアーシャンプーは、毛髪の水分を保ち、艶及びしっとり感を付与し、なめらかな指通りに優れた官能を示した。
【0220】
【表19】

【0221】
実施例72:リンスインシャンプー;
下記表20に示す組成のリンスインシャンプーを次のようにして調整した。すなわち、成分1を攪拌しながら60℃に加温し、均一に溶解させる。次に40℃まで冷却した後、成分2を添加した。このリンスインシャンプーは、毛髪にしっとり感、艶を付与し、なめらかな指通りに優れる官能を示した。
【0222】
【表20】

【0223】
実施例73:ヘアーコンディショナー;
下記表21に示す組成のヘアーコンディショナーを次の様にして調整した。すなわち、成分1を75℃に、成分2を80℃に加温し、均一に溶解する。次に成分2を攪拌しながら成分1を徐々に加入した。次に成分3を添加して30℃まで冷却した。このヘアーシャンプーは、毛髪の水分を保ち、艶及びしっとり感を付与し、滑らかな指通りに優れた官能を示した。
【0224】
【表21】

【0225】
実施例74:口紅;
下記表22に示す組成の口紅を次の様にして調整した。すなわち、成分1を加熱溶解し、そこに成分2を加えてロールミルで練り均一に分散させ、脱泡した後に、型に流し込み急冷し、スティック状とした。この口紅は、皮膚とのなじみが良く、またのびのよさに優れた官能を示した。
【0226】
【表22】

【0227】
実施例75:サンスクリーンローション
下記表23に示す組成のサンスクリーンローションを次の様にして調整した。すなわち、成分1、成分2及び成分3を室温で溶解する。次に、成分1を攪拌しながら成分2及び成分3を徐々に加入した。このサンスクリーンローションは、汗などによるくずれを抑え、顔料分散性に優れるため、なじみに優れた官能を示した。
【0228】
【表23】

【産業上の利用可能性】
【0229】
本発明の活用例として化粧料、外用剤の適用がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオキシアルキレンダイマー酸、ポリオキシアルキレンダイマージオール(アルキレンの炭素数C2〜C3)の両末端のヒドロキシル基を脂肪酸とエステル化反応して得られる非イオン界面活性剤組成物であって、以下に示す構造のポリオキシアルキレンダイマー酸エステル誘導体及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステル誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含有する非イオン界面活性剤組成物。
【化1】


(但し、式中、R,R’は水素または脂肪酸残基、a,b,c,dは1以上の整数でa+b+c+d=12〜40の範囲である。また、(AO)、(AO’)がC2からC3の単一アルキレンオキシド付加重合体である。また、(AO)、(AO’)がC2とC3のアルキレンオキシドのブロックまたはランダム付加重合体である。n+n’はアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、1〜200の整数である。また、RO、R’Oはエステル化度によりモノエステル化合物、セスキエステル化合物、ジエステル化合物となる。)
【化2】


(但し、式中、R,R’は水素または脂肪酸残基、e,f,g,hは1以上の整数でe+f+g+h=12〜40の範囲である。また、(AO)、(AO’)がC2またはC3の単一アルキレンオキシド付加重合体である。また、(AO)、(AO’)がC2とC3のアルキレンオキシドのブロックまたはランダム付加重合体である。n+n’はアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、1〜200の整数である。また、RO、R’Oはエステル化度によりモノエステル化合物、セスキエステル化合物、ジエステル化合物となる。)
【請求項2】
ポリオキシアルキレンダイマー酸、ポリオキシアルキレンダイマージオール(アルキレンの炭素数C2〜C3)の両末端のヒドロキシル基を脂肪酸とエステル化反応して得られる非イオン界面活性剤組成物であって、上記化1および化2に示す構造のポリオキシアルキレンダイマー酸エステル誘導体及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステル誘導体からなる群から選択される少なくとも1種からなる非イオン界面活性剤組成物を含有する化粧料。
【請求項3】
ポリオキシアルキレンダイマー酸、ポリオキシアルキレンダイマージオール(アルキレンの炭素数C2〜C3)の両末端のヒドロキシル基を脂肪酸とエステル化反応して得られる非イオン界面活性剤組成物であって、上記化1および化2に示す構造のポリオキシアルキレンダイマー酸エステル誘導体及びポリオキシアルキレンダイマージオールエステル誘導体からなる群から選択される少なくとも1種からなる非イオン界面活性剤組成物を含有する外用剤。

【公開番号】特開2010−100594(P2010−100594A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275770(P2008−275770)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(591236367)日本エマルジョン株式会社 (7)
【Fターム(参考)】