非破壊検査治具及び超音波非破壊検査装置
【課題】小口径の配管のベンド部に対して、容易にしかも短時間で非破壊検査を行うことである。
【解決手段】配管固定部19は連結部16で互いに連結された一対の取付具17a、17bを有し、配管のベンド部12を跨いで一対の取付具17a、17bを配管の外周面に当接させ、その一対の取付具17a、17bを固定バンド18で配管に固定する。探触子20を装着する探触子ホルダ21を保持した探触子ホルダ保持部22が回動支持部23で回動自在に支持された探触子走査部24は、探触子ホルダ保持部22を配管のベンド部12の長手方向に回動させて探触子20を配管のベンド部12の外周面長手方向に摺動走査させる。結合部25は、探触子走査部24の回動支持部23が配管のベンド部12の長手方向の走査支点位置となるように、探触子走査部24と配管固定部19とを結合する。
【解決手段】配管固定部19は連結部16で互いに連結された一対の取付具17a、17bを有し、配管のベンド部12を跨いで一対の取付具17a、17bを配管の外周面に当接させ、その一対の取付具17a、17bを固定バンド18で配管に固定する。探触子20を装着する探触子ホルダ21を保持した探触子ホルダ保持部22が回動支持部23で回動自在に支持された探触子走査部24は、探触子ホルダ保持部22を配管のベンド部12の長手方向に回動させて探触子20を配管のベンド部12の外周面長手方向に摺動走査させる。結合部25は、探触子走査部24の回動支持部23が配管のベンド部12の長手方向の走査支点位置となるように、探触子走査部24と配管固定部19とを結合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、探触子を搭載して被検査体の表面を走査して被検査体を外部から非破壊検査するための非破壊検査治具及び超音波非破壊検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発電プラントのドレンラインなどの配管はベンド部(曲がり部)を有し、配管を流れる流体の方向を変えている。配管のベンド部は、エロージョン・コロージョンなどにより内部減肉が発生し易く、エロージョン・コロージョンが発生して内部減肉が進行すると内部流体の漏洩に至る場合がある。エロージョン・コロージョンは、腐食疲労と同じように機械的作用による侵食(erosion)と化学的作用による腐食(corrosion)との相互作用によって起きる減肉現象である。エロージョンは、流体が材料に繰り返し衝突することにより表面が機械的に損傷を受け、その一部が脱離していく現象であり、コロージョンはエロージョンに対して化学的に受ける損傷全般を指す。
【0003】
このようなエロージョン・コロージョンによる減肉現象に対して、超音波を用い配管の定点の肉厚測定による減肉管理を行っている。小口径配管のベンド部は、その曲率形状のため精度のある探傷結果を得ることが難しい。特に、小口径配管のベンド部がソケットエルボで形成されている場合には、ソケットエルボは外観形状が複雑であるので、そのベンド部の探傷はほとんど行われていない。そこで、通常は直近の直管部の検査結果にて代替えし、ベント部の減肉の評価を行っている。
【0004】
ここで、配管のベンド部のエルボを探傷するものとして、エルボを含む配管上に軌道を設定し、この軌道に沿って移動体を移動させ、その移動体の軌道と交差する方向に探傷アームを配置し、被検査体の被検査面に垂直な面内で回転可能に取り付けるようにしたものがある(特許文献1参照)。この探傷装置は、配管の直管とエルボとの溶接線を基準として探触子の距離を求め、エルボの探傷位置を特定しつつ探傷する。
【特許文献1】特開昭61−223510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のものでは、装置構成が複雑で探傷アームの位置測定を行わなければならないので、小口径配管のベンド部に対して探傷することは困難でありその探傷作業にも時間がかかる。
【0006】
例えば、原子力発電プラントの放射線管理区域内には、小口径配管が多く存在しており、これらの小口径配管に対して減肉を管理する必要がある。一方、非破壊検査としての配管の肉厚の測定は、一般に、配管の特定の測定点を予め定めておき、その測定点で肉厚を測定するいわゆる定点測定を行っている。これは、非破壊検査の測定点を絞り込むことにより、作業時間を短縮するためである。この定点測定は配管の肉厚が一様に減肉するということを前提とした検査方法であるが、この定点測定では、局部的に減肉が発生した場合には対応できない。
【0007】
配管のベンド部は直管部に比較し減肉が生じやすいので、直接的に配管のベンド部の肉厚測定をすることが望ましい。小口径配管のベンド部の非破壊検査を行うにあたっては、探触子をベンド部面に対し垂直に押し当てて行うことになるが、小口径配管のベンド部は曲率が大きいので、探触子を適正にベンド部面に対して垂直に押し当てることが難しい。そのため、探触子の超音波の送受信が不安定となり、一定の精度を確保した再現性のある測定データの取得が困難となることが多い。そこで、配管のベンド部の肉厚は直接的には測定していないのが現状であり、そのベンド部下流の直管部の肉厚を測定し、そのベンド部の減肉を管理している。
【0008】
一方、原子力発電プラントの放射線管理区域内では、作業者が受ける放射線量をできるだけ低くする必要があるため、放射線管理区域内での小口径配管のエルボの非破壊探傷作業は効率よく短時間で作業をしなければならない。
【0009】
本発明の目的は、小口径の配管のベンド部に対して、容易にしかも短時間で一定の精度を確保した再現性のある非破壊検査を行うことができる非破壊検査治具及び超音波非破壊検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明に係わる非破壊検査治具は、配管ベンド部の前後2箇所で配管の外周面に当接して固定部材で固定される配管固定部と、探触子を装着する探触子ホルダを保持した探触子ホルダ保持部が回動支持部で回動自在に支持され前記探触子ホルダ保持部を前記配管のベンド部の長手方向に回動させて前記探触子を前記配管のベンド部の外周面長手方向に摺動走査させるための探触子走査部と、前記探触子走査部の回動支持部が前記配管のベンド部の長手方向の走査支点位置となるように前記探触子走査部と前記配管固定部とを結合する結合部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明に係わる非破壊検査治具は、請求項1の発明において、前記探触子ホルダ保持部は、前記探触子ホルダが前記配管の外周面の周方向に摺動走査可能となるように前記探触子ホルダを保持するように構成されたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明に係わる非破壊検査治具は、請求項1または2の発明において、前記探触子の移動位置を検出する位置検出器を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明に係わる非破壊検査治具は、請求項1ないし3のいずれか一の発明において、前記固定部材は、前記配管固定部を配管の外周面に固定する固定バンドであることを特徴とする
請求項5の発明に係わる超音波非破壊検査装置は、請求項1ないし4のいずれか一記載の非破壊検査治具の前記探触子ホルダに超音波探触子を装着したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、配管のベンド部の非破壊検査にあたり、配管の外周面に配管固定部を当接させ固定部材で配管に固定するので配管のベンド部への固定が容易に行え、探触子を装着した探触子ホルダを探触子ホルダ保持部で保持し、探触子を配管のベンド部の外周面長手方向に摺動走査させるので、非破壊検査を容易に短時間で行える。
【0015】
特に、従来、検査が難しいとされていた小口径配管エルボ(特にソケットエルボ)の背側曲がり部や腹側曲がり部の局部減肉の測定が容易に短時間でできる。また、探触子の外周面長手方向に摺動位置を検出する場合には、各探傷位置における肉厚情報を画像表示できるので、一目で減肉の程度や位置を確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態に係わる非破壊検査治具に超音波探触子を装着した超音波非破壊検査装置をソケットエルボに適用した場合の構成図、図2は非破壊検査の検査対象であるソケットエルボの構造図、図3は図1の矢印A1方向から見た矢視図、図4は図2の矢印B1方向から見た矢視図である。
【0017】
図2において、第1の実施の形態での非破壊検査の検査対象はソケットエルボ11であり、その検査対象部位はソケットエルボ11の背側であるとする。ソケットエルボ11は流体の流れ方向を変えるベンド部12と他の配管と連結するためのソケット部13とを有し、このソケット部13と他の配管の直管部14とは溶接部30で連結される。そして、ソケットエルボ11のベンド部12の背側が検査対象部位となり、そのベンド部12の背側の長手方向(矢印S1方向)に後述の探触子を走査して非破壊検査を行う。また、図4に示すように、ベンド部12の外周面の周方向(矢印S2方向)にも後述の探触子を走査して非破壊検査を行う。
【0018】
図1に示すように、ソケットエルボ11の外周部に非破壊検査治具15を装着する。非破壊検査治具15は、ソケットエルボ11のソケット部13の外周面に固定するための配管固定部19と、検査対象部位であるソケットエルボ11のベンド部12の外周面に対して探触子20を走査するための探触子走査部24と、配管固定部19と探触子走査部24とを結合する結合部25とから構成される。
【0019】
配管固定部19は、ソケットエルボ11のソケット部13の外周面に当接する一対の取付具17a、17bと、この一対の取付具17a、17bを連結する連結部16と、一対の取付具17a、17bを配管に固定する固定部材18とから構成される。すなわち、ベンド部12を跨いで互いに連結部16で連結された一対の取付具17a、17bをソケットエルボ11のソケット部13の外周面に当接させ、一対の取付具17a、17bを固定部材18でソケットエルボ11のソケット部13に固定する。図1では固定部材18として固定バンドを用いた場合を示しているが、固定部材18として一対の取付具17a、17bをビスで止めるようにしてもよい。
【0020】
探触子走査部24は、検査対象部位であるソケットエルボ11のベンド部12の外表面を摺動する探触子20を装着するための探触子ホルダ21と、探触子ホルダ21を保持する探触子ホルダ保持部22と、探触子ホルダ保持部22を回動させるための回動支持部23とから構成される。
【0021】
探触子走査部24は、探触子20を装着するための探触子ホルダ21を探触子ホルダ保持部22で保持し、その探触子ホルダ保持部22を回動支持部23で回動自在に支持する。そして、探触子ホルダ保持部22をベンド部12の背側の長手方向(矢印S1方向)に回動させて探触子20をベンド部12の背側外周面の長手方向(矢印S1方向)に摺動走査させる。
【0022】
結合部25は、探触子走査部24の回動支持部23がベンド部12の長手方向の走査支点位置となるように探触子走査部24と配管固定部19とを結合する。結合部25には、探触子走査部24の探触子ホルダ保持部22の回動位置を検出する回動位置検出器26が設けられ、この回動位置検出器26で検出された探触子ホルダ保持部22の回動位置は測定器27に入力される。また、測定器27には探触子20で測定した測定信号も入力される。測定器27は、回動位置検出器26で検出された探触子ホルダ保持部22の回動位置に対応づけて、検査対象の探傷画像データを記憶する。
【0023】
探触子ホルダ保持部22の回動位置は、検査対象であるソケットエルボ11のベント部12の外表面での探触子20の位置であるので、検査対象の探傷画像データは、検査対象の各部位に対応した探触子20で測定した測定信号として表される。そして、必要に応じて表示部に表示出力される。従って、表示部に表示された探傷画像は、探傷位置に対応して探触子20で測定した測定信号が表示されるので、一目で減肉の程度や位置を確認できる。
【0024】
次に、図3に示すように、探触子ホルダ保持部22は扇形に形成され、その扇形部の案内孔28に案内されて、探触子ホルダ21がソケットエルボ11のベンド部12の外周面の周方向(矢印S2方向)に摺動走査される。この場合、図示は省略しているが、探触子ホルダ21の摺動位置を検出する摺動位置検出器を設け、測定器27に摺動位置を入力して、摺動位置に対応づけて検査対象の探傷画像データを記憶することになる。
【0025】
このように、ソケットエルボ11のベンド部12の外周面の周方向(矢印S2方向)の位置を変化させて、ソケットエルボ11のベンド部12の背側の長手方向(矢印S1方向)に探触子ホルダ保持部22を摺動させることができるので、ソケットエルボ11のベンド部12のほぼ全領域について非破壊検査を行うことができる。
【0026】
図5はソケットエルボ11の背側のベンド部12に欠陥がない状態の断面図、図6は図5の断面位置での探触子ホルダ保持部の回動位置を変数とする検査対象の探傷画像データのデータ図である。図5に示すように、ソケットエルボ11のベンド部12の背側の0°位置から90°位置まで矢印S1方向に探触子ホルダ保持部22を回動させる。探触子ホルダ保持部22の探触子ホルダ21に保持された探触子20は探触子ホルダ保持部22の回動に伴い、0°位置から90°位置までソケットエルボ11のベンド部12の背側外表面を摺動する。測定器27は、回動支持部23の回動位置検出器26で検出された探触子ホルダ保持部22の回動位置に対応づけて、図6に示すように、探触子20で計測された計測データを検査対象の探傷画像データとして記憶する。
【0027】
図6の曲線L1は、探触子ホルダ保持部22の各回動位置(0°位置から90°位置)のベンド部12の厚さhを示す特性曲線である。0°位置ではベンド部12の厚さはh1であり、45°位置では厚さhはh2であり、90°位置では厚さhはh3である。このように、ソケットエルボ11の背側のベンド部12が健全である場合には、ベンド部12の中央部の厚さが最も厚く両端部に行くに従って厚さhが徐々に薄くなるソケットエルボ11の元々の形状に沿った形でのベンド部12の厚さhの特性曲線が得られる。
【0028】
次に、図7はソケットエルボ11の背側のベンド部12の中央部に欠陥がある状態の断面図、図8は図7の断面位置での探触子ホルダ保持部の回動位置を変数とする検査対象の探傷画像データのデータ図である。図7に示すように、ベンド部12の中央部に欠陥部位31がある場合を考える。すなわち、回動角θ1〜θ2までの間に内部の厚みが剔られた欠陥部位31がある場合を考える。この欠陥部位31を有したソケットエルボ11に対し、そのソケットエルボ11のベンド部12の背側の0°位置から90°位置まで矢印S1方向に探触子ホルダ保持部22を回動させると、図8に示すようなベンド部12の厚さhを示す特性曲線L2が得られる。すなわち、図8に示すように、ベンド部12の厚さhが45°位置近傍で最も薄く、45°位置近傍を中心にしてθ1方向及びθ2方向に徐々に厚さhの剔れが小さくなった特性曲線L2が得られる。
【0029】
このように、探触子20で計測された計測データを検査対象の探傷画像データとして探触子ホルダ保持部22の探傷位置に対応づけて記憶するので、再現性を確保した探傷画像により一目で減肉を確認できる。つまり、容易にしかも短時間で探傷できる。
【0030】
第1の実施の形態によれば、ソケットエルボ11のソケット部13の外周面に一対の取付具17a、17bを当接させ固定部材18でソケット部13に固定するのでソケットエルボ11のベンド部12への固定が容易に行える。また、探触子20を装着した探触子ホルダ21を探触子ホルダ保持部22で保持し、結合部25は、探触子走査部24の回動支持部23がベンド部12の長手方向の走査支点位置となるように探触子走査部24と配管固定部19とを結合するので、探触子20をベンド部12の外周面長手方向に摺動走査させるだけで、検査対象であるベンド部12の非破壊検査を行うことができる。従って、非破壊検査を容易に短時間で行える。
【0031】
また、探触子ホルダ保持部22は、探触子ホルダ21がベンド部12の外周面の周方向に摺動走査可能となるように探触子ホルダ21を保持できるので、ソケットエルボ11のベンド部12のほぼ全領域について非破壊検査を行うことができる。
【0032】
(第2の実施の形態)
図9は第2の実施の形態に係わる非破壊検査治具に超音波探触子を装着した超音波非破壊検査装置をBWL(Butt-Welding Type)型エルボ(突き合わせ溶接型エルボ)に適用した場合の構成図、図10は非破壊検査の検査対象であるBWL型エルボの構造図、図11は図9の矢印A2方向から見た矢視図、図12は図10の矢印B2方向から見た矢視図である。なお、図9、図11では測定器27の記載を省略している。
【0033】
図10において、第2の実施の形態での非破壊検査の検査対象はBWL型エルボ29であり、その検査対象部位はBWL型エルボ29のベンド部12の背側である。BWL型エルボ29は流体の流れ方向を変えるベンド部12と他の配管の直管部14とを溶接部30で連結しており、BWL型エルボ29のベンド部12の背側が検査対象部位となり、そのベンド部12の背側の長手方向(矢印S1方向)に探触子を走査して非破壊検査を行う。また、図12に示すように、ベンド部12の外周面の周方向(矢印S2方向)にも探触子を走査して非破壊検査を行う。
【0034】
この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、BWL型エルボ29の外周部に非破壊検査治具15を装着するにあたり、ソケットエルボ11のソケット部13に代えて、図9に示すように、BWL型エルボ29と連結される他の配管の直管部14に、一対の取付具17a、17bを装着するようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する記載は省略する。
【0035】
図9において、第1の実施の形態と同様に、非破壊検査治具15は、非破壊検査治具15を配管の外周面に固定するための配管固定部19と、検査対象部位であるBWL型エルボ29のベンド部12の外周面に対して探触子20を走査するための探触子走査部24と、配管固定部19と探触子走査部24とを結合する結合部25とから構成される。
【0036】
配管固定部19は、他の配管の直管部14の外周面に当接する一対の取付具17a、17bと、この一対の取付具17a、17bを連結する連結部16と、一対の取付具17a、17bを他の配管の直管部14に固定する固定部材18a、18bとから構成される。固定部材18a、18bは一対の取付具17a、17bにそれぞれ設けられている。すなわち、配管のベンド部12を跨いで互いに連結部16で連結された一対の取付具17a、17bを配管の外周面に当接させ、一対の取付具17a、17bを固定部材18a、18bで配管に固定する。図9では固定部材18として固定バンドを用いた場合を示しているが、固定部材18として一対の取付具17a、17bをビスで止めるようにしてもよい。
【0037】
探触子走査部24は、検査対象部位である配管のベンド部12の外表面を摺動する探触子20を装着するための探触子ホルダ21と、探触子ホルダ21を保持する探触子ホルダ保持部22と、探触子ホルダ保持部22を回動させるための回動支持部23とから構成される。
【0038】
探触子走査部24は、探触子20を装着するための探触子ホルダ21を探触子ホルダ保持部22で保持し、その探触子ホルダ保持部22を回動支持部23で回動自在に支持する。そして、探触子ホルダ保持部22をBWL型エルボ29のベンド部12の背側の長手方向(矢印S1方向)に回動させて探触子20をBWL型エルボ29のベンド部12の外周面長手方向(矢印S1方向)に摺動走査させる。結合部25は、探触子走査部24の回動支持部23がベンド部12の長手方向の走査支点位置となるように探触子走査部24と配管固定部19とを結合する。図9では測定器27の記載を省略しているが、測定器27には、回動位置検出器26で検出された探触子ホルダ保持部22の回動位置及び探触子20で測定した測定信号が入力され、回動位置検出器26で検出された探触子ホルダ保持部の回動位置に対応づけて、検査対象の探傷画像データが記憶される。
【0039】
次に、図11に示すように、探触子ホルダ保持部22は、図3に示した第1の実施の形態と同様に扇形に形成され、その扇形部の案内孔28に案内されて、探触子ホルダ21がBWL型エルボ29のベンド部12の外周面の周方向(矢印S2方向)に摺動走査される。この場合、図示は省略しているが、探触子ホルダ21の摺動位置を検出する摺動位置検出器を設け、測定器27に摺動位置を入力して、摺動位置に対応づけて検査対象の探傷画像データを記憶することになる。
【0040】
このように、BWL型エルボ29のベンド部12の外周面の周方向(矢印S2方向)の位置を変化させて、BWL型エルボ29のベンド部12の背側の長手方向(矢印S1方向)に探触子ホルダ保持部22を摺動させることができるので、BWL型エルボ29のベンド部12のほぼ全領域について非破壊検査を行うことができる。
【0041】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、BWL型エルボ29のベンド部12に対しても非破壊検査を容易に短時間で行える。また、探触子ホルダ保持部22は、探触子ホルダ21がベンド部12の外周面の周方向に摺動走査可能となるように探触子ホルダ21を保持できるので、BWL型エルボ29のベンド部12のほぼ全領域について非破壊検査を行うことができる。
【0042】
(第3の実施の形態)
図13は第3の実施の形態に係わる非破壊検査治具に超音波探触子を装着した超音波非破壊検査装置をBWL(Butt-Welding Type)型エルボ(突き合わせ溶接型エルボ)に適用した場合の構成図、図14は非破壊検査の検査対象であるBWL型エルボの構造図、図15は図13の矢印A3方向から見た矢視図、図16は図14の矢印B3方向から見た矢視図である。なお、図13、図15では測定器27の記載を省略している。
【0043】
図14において、第3の実施の形態での非破壊検査の検査対象はBWL型エルボ29であり、その検査対象部位はBWL型エルボ29の腹側である。BWL型エルボ29は流体の流れ方向を変えるベンド部12と他の配管の直管部14とを溶接部30で連結しており、BWL型エルボ29のベンド部12の腹側が検査対象部位となり、そのベンド部12の腹側の長手方向(矢印S11方向)に探触子を走査して非破壊検査を行う。また、図16に示すように、ベンド部12の外周面の周方向(矢印S21方向)にも探触子を走査して非破壊検査を行う。
【0044】
この第3の実施の形態は、図9に示した第2の実施の形態に対し、BWL型エルボ29のベンド部12の背側に代えて腹側を非破壊検査するものであり、そのために、BWL型エルボ29の背側外周部に代えて、BWL型エルボ29の腹側外周部に非破壊検査治具15を装着したものである。図9と同一要素には同一符号を付し重複する記載は省略する。
【0045】
図13において、非破壊検査治具15は、非破壊検査治具15を配管の腹側外周面に固定するための配管固定部19と、検査対象部位であるBWL型エルボ29のベンド部12の腹側外周面に対して探触子20を走査するための探触子走査部24と、配管固定部19と探触子走査部24とを結合する結合部25とから構成される。
【0046】
非破壊検査治具15のBWL型エルボ29の腹側外周部への取り付けは、連結部16で連結された配管固定部19の一対の取付具17a、17bを他の配管の直管部14の外周面に当接し、固定部材18a、18bを掛け渡して固定する。
【0047】
探触子走査部24の探触子ホルダ保持部22は、結合部25に回動支持部23で支持され、BWL型エルボ29のベンド部12の腹側に配置される。そして、探触子ホルダ保持部22をBWL型エルボ29のベンド部12の腹側の長手方向(矢印S11方向)に回動させて、探触子20をBWL型エルボ29のベンド部12の外周面長手方向(矢印S11方向)に摺動走査させる。なお、図13では測定器27及び回動位置検出器26の記載を省略しているが、測定器27には、回動支持部23に取り付けられた回動位置検出器26で検出された探触子ホルダ保持部22の回動位置及び探触子20で測定した測定信号が入力される。
【0048】
次に、図15に示すように、探触子ホルダ保持部22は、図11に示した第2の実施の形態と同様に扇形に形成され、探触子ホルダ21は探触子ホルダ保持部22の扇形部の案内孔28に案内されてBWL型エルボ29のベンド部12の腹側外周面の周方向(図16の矢印S21方向)に摺動走査される。この場合、図示は省略しているが、探触子ホルダ21の摺動位置を検出する摺動位置検出器を設け、測定器27に摺動位置を入力して、摺動位置に対応づけて検査対象の探傷画像データを記憶することになる。
【0049】
このように、BWL型エルボ29のベンド部12の腹側外周面の周方向(矢印S21方向)の位置を変化させて、BWL型エルボ29のベンド部12の腹側の長手方向(矢印S11方向)に探触子ホルダ保持部22を摺動させることができるので、BWL型エルボ29のベンド部12のほぼ全領域について非破壊検査を行うことができる。
【0050】
この第3の実施の形態では、BWL型エルボ29のベンド部12の腹側の長手方向(矢印S11方向)に探触子ホルダ保持部22を摺動させるので、先端部が尖鋭の探触子20が望ましい。
【0051】
第3の実施の形態によれば、BWL型エルボ29のベンド部12の背側だけでなく腹側に対しても非破壊検査を容易に短時間で行える。また、探触子ホルダ保持部22は、探触子ホルダ21がベンド部12の外周面の周方向に摺動走査可能となるように探触子ホルダ21を保持できるので、第2の実施の形態と同様に、BWL型エルボ29のベンド部12のほぼ全領域について非破壊検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる非破壊検査治具に超音波探触子を装着した超音波非破壊検査装置をソケットエルボに適用した場合の構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における非破壊検査の検査対象であるソケットエルボの構造図。
【図3】図1の矢印A1方向から見た矢視図。
【図4】図2の矢印B1方向から見た矢視図。
【図5】本発明の第1の実施の形態における非破壊検査の検査対象であるソケットエルボの背側のベンド部に欠陥がない状態の断面図。
【図6】図5の断面位置での探触子ホルダ保持部の回動位置を変数とする検査対象の探傷画像データのデータ図。
【図7】本発明の第1の実施の形態における非破壊検査の検査対象であるソケットエルボの背側のベンド部の中央部に欠陥がある状態の断面図。
【図8】図7の断面位置での探触子ホルダ保持部の回動位置を変数とする検査対象の探傷画像データのデータ図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係わる非破壊検査治具に超音波探触子を装着した超音波非破壊検査装置をBWL型エルボに適用した場合の構成図。
【図10】本発明の第2の実施の形態における非破壊検査の検査対象であるBWL型エルボの構造図。
【図11】図9の矢印A2方向から見た矢視図。
【図12】図10の矢印B2方向から見た矢視図。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係わる非破壊検査治具に超音波探触子を装着した超音波非破壊検査装置をBWL型エルボに適用した場合の構成図。
【図14】本発明の第3の実施の形態における非破壊検査の検査対象であるBWL型エルボの構造図。
【図15】図13の矢印A3方向から見た矢視図。
【図16】図14の矢印B3方向から見た矢視図。
【符号の説明】
【0053】
11…ソケットエルボ、12…ベンド部、13…ソケット部、14…直管部、15…非破壊検査治具、16…連結部、17…取付具、18…固定バンド、19…配管固定部、20…探触子、21…探触子ホルダ、22…探触子ホルダ保持部、23…回動支持部、24…探触子走査部、25…結合部、26…回動位置検出器、27…測定器、28…案内孔、29…BWL型エルボ、30…溶接部、31…欠陥部位
【技術分野】
【0001】
本発明は、探触子を搭載して被検査体の表面を走査して被検査体を外部から非破壊検査するための非破壊検査治具及び超音波非破壊検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発電プラントのドレンラインなどの配管はベンド部(曲がり部)を有し、配管を流れる流体の方向を変えている。配管のベンド部は、エロージョン・コロージョンなどにより内部減肉が発生し易く、エロージョン・コロージョンが発生して内部減肉が進行すると内部流体の漏洩に至る場合がある。エロージョン・コロージョンは、腐食疲労と同じように機械的作用による侵食(erosion)と化学的作用による腐食(corrosion)との相互作用によって起きる減肉現象である。エロージョンは、流体が材料に繰り返し衝突することにより表面が機械的に損傷を受け、その一部が脱離していく現象であり、コロージョンはエロージョンに対して化学的に受ける損傷全般を指す。
【0003】
このようなエロージョン・コロージョンによる減肉現象に対して、超音波を用い配管の定点の肉厚測定による減肉管理を行っている。小口径配管のベンド部は、その曲率形状のため精度のある探傷結果を得ることが難しい。特に、小口径配管のベンド部がソケットエルボで形成されている場合には、ソケットエルボは外観形状が複雑であるので、そのベンド部の探傷はほとんど行われていない。そこで、通常は直近の直管部の検査結果にて代替えし、ベント部の減肉の評価を行っている。
【0004】
ここで、配管のベンド部のエルボを探傷するものとして、エルボを含む配管上に軌道を設定し、この軌道に沿って移動体を移動させ、その移動体の軌道と交差する方向に探傷アームを配置し、被検査体の被検査面に垂直な面内で回転可能に取り付けるようにしたものがある(特許文献1参照)。この探傷装置は、配管の直管とエルボとの溶接線を基準として探触子の距離を求め、エルボの探傷位置を特定しつつ探傷する。
【特許文献1】特開昭61−223510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のものでは、装置構成が複雑で探傷アームの位置測定を行わなければならないので、小口径配管のベンド部に対して探傷することは困難でありその探傷作業にも時間がかかる。
【0006】
例えば、原子力発電プラントの放射線管理区域内には、小口径配管が多く存在しており、これらの小口径配管に対して減肉を管理する必要がある。一方、非破壊検査としての配管の肉厚の測定は、一般に、配管の特定の測定点を予め定めておき、その測定点で肉厚を測定するいわゆる定点測定を行っている。これは、非破壊検査の測定点を絞り込むことにより、作業時間を短縮するためである。この定点測定は配管の肉厚が一様に減肉するということを前提とした検査方法であるが、この定点測定では、局部的に減肉が発生した場合には対応できない。
【0007】
配管のベンド部は直管部に比較し減肉が生じやすいので、直接的に配管のベンド部の肉厚測定をすることが望ましい。小口径配管のベンド部の非破壊検査を行うにあたっては、探触子をベンド部面に対し垂直に押し当てて行うことになるが、小口径配管のベンド部は曲率が大きいので、探触子を適正にベンド部面に対して垂直に押し当てることが難しい。そのため、探触子の超音波の送受信が不安定となり、一定の精度を確保した再現性のある測定データの取得が困難となることが多い。そこで、配管のベンド部の肉厚は直接的には測定していないのが現状であり、そのベンド部下流の直管部の肉厚を測定し、そのベンド部の減肉を管理している。
【0008】
一方、原子力発電プラントの放射線管理区域内では、作業者が受ける放射線量をできるだけ低くする必要があるため、放射線管理区域内での小口径配管のエルボの非破壊探傷作業は効率よく短時間で作業をしなければならない。
【0009】
本発明の目的は、小口径の配管のベンド部に対して、容易にしかも短時間で一定の精度を確保した再現性のある非破壊検査を行うことができる非破壊検査治具及び超音波非破壊検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明に係わる非破壊検査治具は、配管ベンド部の前後2箇所で配管の外周面に当接して固定部材で固定される配管固定部と、探触子を装着する探触子ホルダを保持した探触子ホルダ保持部が回動支持部で回動自在に支持され前記探触子ホルダ保持部を前記配管のベンド部の長手方向に回動させて前記探触子を前記配管のベンド部の外周面長手方向に摺動走査させるための探触子走査部と、前記探触子走査部の回動支持部が前記配管のベンド部の長手方向の走査支点位置となるように前記探触子走査部と前記配管固定部とを結合する結合部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明に係わる非破壊検査治具は、請求項1の発明において、前記探触子ホルダ保持部は、前記探触子ホルダが前記配管の外周面の周方向に摺動走査可能となるように前記探触子ホルダを保持するように構成されたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明に係わる非破壊検査治具は、請求項1または2の発明において、前記探触子の移動位置を検出する位置検出器を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明に係わる非破壊検査治具は、請求項1ないし3のいずれか一の発明において、前記固定部材は、前記配管固定部を配管の外周面に固定する固定バンドであることを特徴とする
請求項5の発明に係わる超音波非破壊検査装置は、請求項1ないし4のいずれか一記載の非破壊検査治具の前記探触子ホルダに超音波探触子を装着したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、配管のベンド部の非破壊検査にあたり、配管の外周面に配管固定部を当接させ固定部材で配管に固定するので配管のベンド部への固定が容易に行え、探触子を装着した探触子ホルダを探触子ホルダ保持部で保持し、探触子を配管のベンド部の外周面長手方向に摺動走査させるので、非破壊検査を容易に短時間で行える。
【0015】
特に、従来、検査が難しいとされていた小口径配管エルボ(特にソケットエルボ)の背側曲がり部や腹側曲がり部の局部減肉の測定が容易に短時間でできる。また、探触子の外周面長手方向に摺動位置を検出する場合には、各探傷位置における肉厚情報を画像表示できるので、一目で減肉の程度や位置を確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態に係わる非破壊検査治具に超音波探触子を装着した超音波非破壊検査装置をソケットエルボに適用した場合の構成図、図2は非破壊検査の検査対象であるソケットエルボの構造図、図3は図1の矢印A1方向から見た矢視図、図4は図2の矢印B1方向から見た矢視図である。
【0017】
図2において、第1の実施の形態での非破壊検査の検査対象はソケットエルボ11であり、その検査対象部位はソケットエルボ11の背側であるとする。ソケットエルボ11は流体の流れ方向を変えるベンド部12と他の配管と連結するためのソケット部13とを有し、このソケット部13と他の配管の直管部14とは溶接部30で連結される。そして、ソケットエルボ11のベンド部12の背側が検査対象部位となり、そのベンド部12の背側の長手方向(矢印S1方向)に後述の探触子を走査して非破壊検査を行う。また、図4に示すように、ベンド部12の外周面の周方向(矢印S2方向)にも後述の探触子を走査して非破壊検査を行う。
【0018】
図1に示すように、ソケットエルボ11の外周部に非破壊検査治具15を装着する。非破壊検査治具15は、ソケットエルボ11のソケット部13の外周面に固定するための配管固定部19と、検査対象部位であるソケットエルボ11のベンド部12の外周面に対して探触子20を走査するための探触子走査部24と、配管固定部19と探触子走査部24とを結合する結合部25とから構成される。
【0019】
配管固定部19は、ソケットエルボ11のソケット部13の外周面に当接する一対の取付具17a、17bと、この一対の取付具17a、17bを連結する連結部16と、一対の取付具17a、17bを配管に固定する固定部材18とから構成される。すなわち、ベンド部12を跨いで互いに連結部16で連結された一対の取付具17a、17bをソケットエルボ11のソケット部13の外周面に当接させ、一対の取付具17a、17bを固定部材18でソケットエルボ11のソケット部13に固定する。図1では固定部材18として固定バンドを用いた場合を示しているが、固定部材18として一対の取付具17a、17bをビスで止めるようにしてもよい。
【0020】
探触子走査部24は、検査対象部位であるソケットエルボ11のベンド部12の外表面を摺動する探触子20を装着するための探触子ホルダ21と、探触子ホルダ21を保持する探触子ホルダ保持部22と、探触子ホルダ保持部22を回動させるための回動支持部23とから構成される。
【0021】
探触子走査部24は、探触子20を装着するための探触子ホルダ21を探触子ホルダ保持部22で保持し、その探触子ホルダ保持部22を回動支持部23で回動自在に支持する。そして、探触子ホルダ保持部22をベンド部12の背側の長手方向(矢印S1方向)に回動させて探触子20をベンド部12の背側外周面の長手方向(矢印S1方向)に摺動走査させる。
【0022】
結合部25は、探触子走査部24の回動支持部23がベンド部12の長手方向の走査支点位置となるように探触子走査部24と配管固定部19とを結合する。結合部25には、探触子走査部24の探触子ホルダ保持部22の回動位置を検出する回動位置検出器26が設けられ、この回動位置検出器26で検出された探触子ホルダ保持部22の回動位置は測定器27に入力される。また、測定器27には探触子20で測定した測定信号も入力される。測定器27は、回動位置検出器26で検出された探触子ホルダ保持部22の回動位置に対応づけて、検査対象の探傷画像データを記憶する。
【0023】
探触子ホルダ保持部22の回動位置は、検査対象であるソケットエルボ11のベント部12の外表面での探触子20の位置であるので、検査対象の探傷画像データは、検査対象の各部位に対応した探触子20で測定した測定信号として表される。そして、必要に応じて表示部に表示出力される。従って、表示部に表示された探傷画像は、探傷位置に対応して探触子20で測定した測定信号が表示されるので、一目で減肉の程度や位置を確認できる。
【0024】
次に、図3に示すように、探触子ホルダ保持部22は扇形に形成され、その扇形部の案内孔28に案内されて、探触子ホルダ21がソケットエルボ11のベンド部12の外周面の周方向(矢印S2方向)に摺動走査される。この場合、図示は省略しているが、探触子ホルダ21の摺動位置を検出する摺動位置検出器を設け、測定器27に摺動位置を入力して、摺動位置に対応づけて検査対象の探傷画像データを記憶することになる。
【0025】
このように、ソケットエルボ11のベンド部12の外周面の周方向(矢印S2方向)の位置を変化させて、ソケットエルボ11のベンド部12の背側の長手方向(矢印S1方向)に探触子ホルダ保持部22を摺動させることができるので、ソケットエルボ11のベンド部12のほぼ全領域について非破壊検査を行うことができる。
【0026】
図5はソケットエルボ11の背側のベンド部12に欠陥がない状態の断面図、図6は図5の断面位置での探触子ホルダ保持部の回動位置を変数とする検査対象の探傷画像データのデータ図である。図5に示すように、ソケットエルボ11のベンド部12の背側の0°位置から90°位置まで矢印S1方向に探触子ホルダ保持部22を回動させる。探触子ホルダ保持部22の探触子ホルダ21に保持された探触子20は探触子ホルダ保持部22の回動に伴い、0°位置から90°位置までソケットエルボ11のベンド部12の背側外表面を摺動する。測定器27は、回動支持部23の回動位置検出器26で検出された探触子ホルダ保持部22の回動位置に対応づけて、図6に示すように、探触子20で計測された計測データを検査対象の探傷画像データとして記憶する。
【0027】
図6の曲線L1は、探触子ホルダ保持部22の各回動位置(0°位置から90°位置)のベンド部12の厚さhを示す特性曲線である。0°位置ではベンド部12の厚さはh1であり、45°位置では厚さhはh2であり、90°位置では厚さhはh3である。このように、ソケットエルボ11の背側のベンド部12が健全である場合には、ベンド部12の中央部の厚さが最も厚く両端部に行くに従って厚さhが徐々に薄くなるソケットエルボ11の元々の形状に沿った形でのベンド部12の厚さhの特性曲線が得られる。
【0028】
次に、図7はソケットエルボ11の背側のベンド部12の中央部に欠陥がある状態の断面図、図8は図7の断面位置での探触子ホルダ保持部の回動位置を変数とする検査対象の探傷画像データのデータ図である。図7に示すように、ベンド部12の中央部に欠陥部位31がある場合を考える。すなわち、回動角θ1〜θ2までの間に内部の厚みが剔られた欠陥部位31がある場合を考える。この欠陥部位31を有したソケットエルボ11に対し、そのソケットエルボ11のベンド部12の背側の0°位置から90°位置まで矢印S1方向に探触子ホルダ保持部22を回動させると、図8に示すようなベンド部12の厚さhを示す特性曲線L2が得られる。すなわち、図8に示すように、ベンド部12の厚さhが45°位置近傍で最も薄く、45°位置近傍を中心にしてθ1方向及びθ2方向に徐々に厚さhの剔れが小さくなった特性曲線L2が得られる。
【0029】
このように、探触子20で計測された計測データを検査対象の探傷画像データとして探触子ホルダ保持部22の探傷位置に対応づけて記憶するので、再現性を確保した探傷画像により一目で減肉を確認できる。つまり、容易にしかも短時間で探傷できる。
【0030】
第1の実施の形態によれば、ソケットエルボ11のソケット部13の外周面に一対の取付具17a、17bを当接させ固定部材18でソケット部13に固定するのでソケットエルボ11のベンド部12への固定が容易に行える。また、探触子20を装着した探触子ホルダ21を探触子ホルダ保持部22で保持し、結合部25は、探触子走査部24の回動支持部23がベンド部12の長手方向の走査支点位置となるように探触子走査部24と配管固定部19とを結合するので、探触子20をベンド部12の外周面長手方向に摺動走査させるだけで、検査対象であるベンド部12の非破壊検査を行うことができる。従って、非破壊検査を容易に短時間で行える。
【0031】
また、探触子ホルダ保持部22は、探触子ホルダ21がベンド部12の外周面の周方向に摺動走査可能となるように探触子ホルダ21を保持できるので、ソケットエルボ11のベンド部12のほぼ全領域について非破壊検査を行うことができる。
【0032】
(第2の実施の形態)
図9は第2の実施の形態に係わる非破壊検査治具に超音波探触子を装着した超音波非破壊検査装置をBWL(Butt-Welding Type)型エルボ(突き合わせ溶接型エルボ)に適用した場合の構成図、図10は非破壊検査の検査対象であるBWL型エルボの構造図、図11は図9の矢印A2方向から見た矢視図、図12は図10の矢印B2方向から見た矢視図である。なお、図9、図11では測定器27の記載を省略している。
【0033】
図10において、第2の実施の形態での非破壊検査の検査対象はBWL型エルボ29であり、その検査対象部位はBWL型エルボ29のベンド部12の背側である。BWL型エルボ29は流体の流れ方向を変えるベンド部12と他の配管の直管部14とを溶接部30で連結しており、BWL型エルボ29のベンド部12の背側が検査対象部位となり、そのベンド部12の背側の長手方向(矢印S1方向)に探触子を走査して非破壊検査を行う。また、図12に示すように、ベンド部12の外周面の周方向(矢印S2方向)にも探触子を走査して非破壊検査を行う。
【0034】
この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、BWL型エルボ29の外周部に非破壊検査治具15を装着するにあたり、ソケットエルボ11のソケット部13に代えて、図9に示すように、BWL型エルボ29と連結される他の配管の直管部14に、一対の取付具17a、17bを装着するようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する記載は省略する。
【0035】
図9において、第1の実施の形態と同様に、非破壊検査治具15は、非破壊検査治具15を配管の外周面に固定するための配管固定部19と、検査対象部位であるBWL型エルボ29のベンド部12の外周面に対して探触子20を走査するための探触子走査部24と、配管固定部19と探触子走査部24とを結合する結合部25とから構成される。
【0036】
配管固定部19は、他の配管の直管部14の外周面に当接する一対の取付具17a、17bと、この一対の取付具17a、17bを連結する連結部16と、一対の取付具17a、17bを他の配管の直管部14に固定する固定部材18a、18bとから構成される。固定部材18a、18bは一対の取付具17a、17bにそれぞれ設けられている。すなわち、配管のベンド部12を跨いで互いに連結部16で連結された一対の取付具17a、17bを配管の外周面に当接させ、一対の取付具17a、17bを固定部材18a、18bで配管に固定する。図9では固定部材18として固定バンドを用いた場合を示しているが、固定部材18として一対の取付具17a、17bをビスで止めるようにしてもよい。
【0037】
探触子走査部24は、検査対象部位である配管のベンド部12の外表面を摺動する探触子20を装着するための探触子ホルダ21と、探触子ホルダ21を保持する探触子ホルダ保持部22と、探触子ホルダ保持部22を回動させるための回動支持部23とから構成される。
【0038】
探触子走査部24は、探触子20を装着するための探触子ホルダ21を探触子ホルダ保持部22で保持し、その探触子ホルダ保持部22を回動支持部23で回動自在に支持する。そして、探触子ホルダ保持部22をBWL型エルボ29のベンド部12の背側の長手方向(矢印S1方向)に回動させて探触子20をBWL型エルボ29のベンド部12の外周面長手方向(矢印S1方向)に摺動走査させる。結合部25は、探触子走査部24の回動支持部23がベンド部12の長手方向の走査支点位置となるように探触子走査部24と配管固定部19とを結合する。図9では測定器27の記載を省略しているが、測定器27には、回動位置検出器26で検出された探触子ホルダ保持部22の回動位置及び探触子20で測定した測定信号が入力され、回動位置検出器26で検出された探触子ホルダ保持部の回動位置に対応づけて、検査対象の探傷画像データが記憶される。
【0039】
次に、図11に示すように、探触子ホルダ保持部22は、図3に示した第1の実施の形態と同様に扇形に形成され、その扇形部の案内孔28に案内されて、探触子ホルダ21がBWL型エルボ29のベンド部12の外周面の周方向(矢印S2方向)に摺動走査される。この場合、図示は省略しているが、探触子ホルダ21の摺動位置を検出する摺動位置検出器を設け、測定器27に摺動位置を入力して、摺動位置に対応づけて検査対象の探傷画像データを記憶することになる。
【0040】
このように、BWL型エルボ29のベンド部12の外周面の周方向(矢印S2方向)の位置を変化させて、BWL型エルボ29のベンド部12の背側の長手方向(矢印S1方向)に探触子ホルダ保持部22を摺動させることができるので、BWL型エルボ29のベンド部12のほぼ全領域について非破壊検査を行うことができる。
【0041】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、BWL型エルボ29のベンド部12に対しても非破壊検査を容易に短時間で行える。また、探触子ホルダ保持部22は、探触子ホルダ21がベンド部12の外周面の周方向に摺動走査可能となるように探触子ホルダ21を保持できるので、BWL型エルボ29のベンド部12のほぼ全領域について非破壊検査を行うことができる。
【0042】
(第3の実施の形態)
図13は第3の実施の形態に係わる非破壊検査治具に超音波探触子を装着した超音波非破壊検査装置をBWL(Butt-Welding Type)型エルボ(突き合わせ溶接型エルボ)に適用した場合の構成図、図14は非破壊検査の検査対象であるBWL型エルボの構造図、図15は図13の矢印A3方向から見た矢視図、図16は図14の矢印B3方向から見た矢視図である。なお、図13、図15では測定器27の記載を省略している。
【0043】
図14において、第3の実施の形態での非破壊検査の検査対象はBWL型エルボ29であり、その検査対象部位はBWL型エルボ29の腹側である。BWL型エルボ29は流体の流れ方向を変えるベンド部12と他の配管の直管部14とを溶接部30で連結しており、BWL型エルボ29のベンド部12の腹側が検査対象部位となり、そのベンド部12の腹側の長手方向(矢印S11方向)に探触子を走査して非破壊検査を行う。また、図16に示すように、ベンド部12の外周面の周方向(矢印S21方向)にも探触子を走査して非破壊検査を行う。
【0044】
この第3の実施の形態は、図9に示した第2の実施の形態に対し、BWL型エルボ29のベンド部12の背側に代えて腹側を非破壊検査するものであり、そのために、BWL型エルボ29の背側外周部に代えて、BWL型エルボ29の腹側外周部に非破壊検査治具15を装着したものである。図9と同一要素には同一符号を付し重複する記載は省略する。
【0045】
図13において、非破壊検査治具15は、非破壊検査治具15を配管の腹側外周面に固定するための配管固定部19と、検査対象部位であるBWL型エルボ29のベンド部12の腹側外周面に対して探触子20を走査するための探触子走査部24と、配管固定部19と探触子走査部24とを結合する結合部25とから構成される。
【0046】
非破壊検査治具15のBWL型エルボ29の腹側外周部への取り付けは、連結部16で連結された配管固定部19の一対の取付具17a、17bを他の配管の直管部14の外周面に当接し、固定部材18a、18bを掛け渡して固定する。
【0047】
探触子走査部24の探触子ホルダ保持部22は、結合部25に回動支持部23で支持され、BWL型エルボ29のベンド部12の腹側に配置される。そして、探触子ホルダ保持部22をBWL型エルボ29のベンド部12の腹側の長手方向(矢印S11方向)に回動させて、探触子20をBWL型エルボ29のベンド部12の外周面長手方向(矢印S11方向)に摺動走査させる。なお、図13では測定器27及び回動位置検出器26の記載を省略しているが、測定器27には、回動支持部23に取り付けられた回動位置検出器26で検出された探触子ホルダ保持部22の回動位置及び探触子20で測定した測定信号が入力される。
【0048】
次に、図15に示すように、探触子ホルダ保持部22は、図11に示した第2の実施の形態と同様に扇形に形成され、探触子ホルダ21は探触子ホルダ保持部22の扇形部の案内孔28に案内されてBWL型エルボ29のベンド部12の腹側外周面の周方向(図16の矢印S21方向)に摺動走査される。この場合、図示は省略しているが、探触子ホルダ21の摺動位置を検出する摺動位置検出器を設け、測定器27に摺動位置を入力して、摺動位置に対応づけて検査対象の探傷画像データを記憶することになる。
【0049】
このように、BWL型エルボ29のベンド部12の腹側外周面の周方向(矢印S21方向)の位置を変化させて、BWL型エルボ29のベンド部12の腹側の長手方向(矢印S11方向)に探触子ホルダ保持部22を摺動させることができるので、BWL型エルボ29のベンド部12のほぼ全領域について非破壊検査を行うことができる。
【0050】
この第3の実施の形態では、BWL型エルボ29のベンド部12の腹側の長手方向(矢印S11方向)に探触子ホルダ保持部22を摺動させるので、先端部が尖鋭の探触子20が望ましい。
【0051】
第3の実施の形態によれば、BWL型エルボ29のベンド部12の背側だけでなく腹側に対しても非破壊検査を容易に短時間で行える。また、探触子ホルダ保持部22は、探触子ホルダ21がベンド部12の外周面の周方向に摺動走査可能となるように探触子ホルダ21を保持できるので、第2の実施の形態と同様に、BWL型エルボ29のベンド部12のほぼ全領域について非破壊検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる非破壊検査治具に超音波探触子を装着した超音波非破壊検査装置をソケットエルボに適用した場合の構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における非破壊検査の検査対象であるソケットエルボの構造図。
【図3】図1の矢印A1方向から見た矢視図。
【図4】図2の矢印B1方向から見た矢視図。
【図5】本発明の第1の実施の形態における非破壊検査の検査対象であるソケットエルボの背側のベンド部に欠陥がない状態の断面図。
【図6】図5の断面位置での探触子ホルダ保持部の回動位置を変数とする検査対象の探傷画像データのデータ図。
【図7】本発明の第1の実施の形態における非破壊検査の検査対象であるソケットエルボの背側のベンド部の中央部に欠陥がある状態の断面図。
【図8】図7の断面位置での探触子ホルダ保持部の回動位置を変数とする検査対象の探傷画像データのデータ図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係わる非破壊検査治具に超音波探触子を装着した超音波非破壊検査装置をBWL型エルボに適用した場合の構成図。
【図10】本発明の第2の実施の形態における非破壊検査の検査対象であるBWL型エルボの構造図。
【図11】図9の矢印A2方向から見た矢視図。
【図12】図10の矢印B2方向から見た矢視図。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係わる非破壊検査治具に超音波探触子を装着した超音波非破壊検査装置をBWL型エルボに適用した場合の構成図。
【図14】本発明の第3の実施の形態における非破壊検査の検査対象であるBWL型エルボの構造図。
【図15】図13の矢印A3方向から見た矢視図。
【図16】図14の矢印B3方向から見た矢視図。
【符号の説明】
【0053】
11…ソケットエルボ、12…ベンド部、13…ソケット部、14…直管部、15…非破壊検査治具、16…連結部、17…取付具、18…固定バンド、19…配管固定部、20…探触子、21…探触子ホルダ、22…探触子ホルダ保持部、23…回動支持部、24…探触子走査部、25…結合部、26…回動位置検出器、27…測定器、28…案内孔、29…BWL型エルボ、30…溶接部、31…欠陥部位
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管ベンド部の前後2箇所で配管の外周面に当接して固定部材で固定される配管固定部と、
探触子を装着する探触子ホルダを保持した探触子ホルダ保持部が回動支持部で回動自在に支持され前記探触子ホルダ保持部を前記配管のベンド部の長手方向に回動させて前記探触子を前記配管のベンド部の外周面長手方向に摺動走査させる
ための探触子走査部と、
前記探触子走査部の回動支持部が前記配管のベンド部の長手方向の走査支点位置となるように前記探触子走査部と前記配管固定部とを結合する結合部と、
を備えたことを特徴とする非破壊検査治具。
【請求項2】
前記探触子ホルダ保持部は、前記探触子ホルダが前記配管の外周面の周方向に摺動走査可能となるように前記探触子ホルダを保持するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の非破壊検査治具。
【請求項3】
前記探触子の移動位置を検出する位置検出器を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の非破壊検査治具。
【請求項4】
前記固定部材は、前記配管固定部を配管の外周面に固定する固定バンドであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の非破壊検査治具。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一記載の非破壊検査治具の前記探触子ホルダに超音波探触子を装着したことを特徴とする超音波非破壊検査装置。
【請求項1】
配管ベンド部の前後2箇所で配管の外周面に当接して固定部材で固定される配管固定部と、
探触子を装着する探触子ホルダを保持した探触子ホルダ保持部が回動支持部で回動自在に支持され前記探触子ホルダ保持部を前記配管のベンド部の長手方向に回動させて前記探触子を前記配管のベンド部の外周面長手方向に摺動走査させる
ための探触子走査部と、
前記探触子走査部の回動支持部が前記配管のベンド部の長手方向の走査支点位置となるように前記探触子走査部と前記配管固定部とを結合する結合部と、
を備えたことを特徴とする非破壊検査治具。
【請求項2】
前記探触子ホルダ保持部は、前記探触子ホルダが前記配管の外周面の周方向に摺動走査可能となるように前記探触子ホルダを保持するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の非破壊検査治具。
【請求項3】
前記探触子の移動位置を検出する位置検出器を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の非破壊検査治具。
【請求項4】
前記固定部材は、前記配管固定部を配管の外周面に固定する固定バンドであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の非破壊検査治具。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一記載の非破壊検査治具の前記探触子ホルダに超音波探触子を装着したことを特徴とする超音波非破壊検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−212406(P2007−212406A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35412(P2006−35412)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】
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