説明

飛翔体の三次元解析装置、およびコンピュータプログラム

【課題】 解像度が高くて画角も大きな高性能のカメラを使用することなく、高解像度を実現できる飛翔体の三次元解析装置を提供する。
【解決手段】 水平方向に離間させた二箇所から所定領域における飛翔体をステレオ撮影するための飛翔体の三次元解析装置である。前記の二箇所の各々には、複数のカメラにて構成される撮影カメラ群と、その撮影カメラ群が撮影した画像データを合成して合成画像データを作成する合成画像データ作成手段と、その合成画像データ作成手段にてそれぞれ作成された二つの合成画像データを用いて、飛翔体の三次元位置を演算するステレオ解析手段とを備える。前記の撮影カメラ群は、当該撮影カメラ群を構成する各々のカメラにおける水平方向の撮影領域が連続するとともに、垂直方向の撮影領域が同一となるように固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥や飛行物体などの飛翔体を撮影する場合に、解像度が高くて画角も大きな高性能のカメラを使用することなく、高解像度を実現できる飛翔体の三次元解析装置、および飛翔体の三次元解析のためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
大規模な屋外フィールドにて鳥などの飛翔体の飛翔図を作成する方法としては、一般的には、以下のような方法が採用されている。 すなわち、2台のカメラを遠く離して2箇所へ設置して撮影し、ステレオ画像法を用いて三次元位置座標を計測する。そして、その計測データに基づいて飛翔体の位置を地図上に3D表示(3Dマッピング)する、という方法である。
【0003】
特許文献1は、移動物体の三次元軌跡を計測する技術であり、球技スポーツにおけるボールのように高速で移動する物体の移動軌跡を解析するための技術である。 これは、複数(たいてい2台)のカメラによって飛翔体を含む画像データを取得し、同期させた複数の画像データ中において一致する粒子や画素を抽出する(PTVステレオペアマッチング法)。一致した粒子や画素について、三次元における速度の情報に変換し、三次元の軌跡を求めるものである。
PTVステレオペアマッチング法の技術は、鳥などの飛翔体の軌跡を解析するために利用することができる。
【0004】
また、特許文献2,3などに開示されるように、離間させた左カメラおよび右カメラによって所定の空間領域を互いに異なる方向から同期させて連続撮影し、それぞれ左側画像データおよび右側画像データを取得する。 次に、左側画像データおよび右側画像データの粒子の対応付けを実行する。その対応付けした粒子に対して時刻間の対応付けをする。このとき、複数の時刻間で対応付けが検証されていた。
上記の対応付けられた複数の時刻間の粒子に基づいて、その粒子の三次元速度ベクトルが算出される。この方法は、「多時刻法」と呼ばれる。
【0005】
例えば特許文献4では、レーザ装置を用いて飛翔体の高度を求める技術が開示されている。 すなわち、高繰返しパルスレーザ装置によってレーザ光を飛翔体へ投射し、その飛翔体で反射する反射光を受光することによって飛翔体までの距離を求める。さらに、反射光パルスの受光方向および受光光学系の光軸の仰角より飛翔物体を見る仰角を求め、飛翔体までの距離と方向から飛翔体の高度を算出するのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−115236号公報
【特許文献2】特開平8−14828号公報
【特許文献3】特開平10−122819号公報
【特許文献4】特開平8−101272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した技術において、撮影された画像の解像度を高くするためには、同一の光学系を用いる場合、カメラの画素数を上げなくてはならない。飛翔体の撮影に用いるカメラは、カメラから遠い距離にある飛翔体を広範囲(大きな画角)にて捉えることが求められるため、同一の光学系を用いたまま同一の画角でカメラの解像度を上げるには、カメラの画素数を上げる必要がある。
【0008】
また、飛翔体の撮影目的は、飛翔体の動きなどを統計的に把握するという目的の場合と、飛翔体を猛禽類などの稀少種に対する個体識別までをも目的とする場合とに大別される。後者の目的の場合には、撮影画像の解像度に対する要求は際限がない。したがって、カメラの基本性能が時間軸に沿って上がるとともにコストが下がったとしても、根本的には解決されない。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、解像度が高くて画角も大きな高性能のカメラを使用することなく、高解像度を実現できる飛翔体の三次元解析技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(第一の発明)
本願における第一の発明は、 水平方向に離間させた二箇所から所定領域における飛翔体をステレオ撮影するための装置に係る。
すなわち、前記の二箇所の各々には、複数のカメラにて構成される撮影カメラ群と、 その撮影カメラ群が撮影した画像データを合成して合成画像データを作成する合成画像データ作成手段と、 その合成画像データ作成手段にてそれぞれ作成された二つの合成画像データを用いて、飛翔体の三次元位置を演算するステレオ解析手段と、を備え、 前記の撮影カメラ群は、当該撮影カメラ群を構成する各々のカメラにおける水平方向の撮影領域が連続するとともに、垂直方向の撮影領域が同一となるように固定することとした飛翔体の三次元解析装置に係る。
【0011】
(用語説明)
「移動体」とは、例えば、鳥などの飛翔体、飛行体などである。鳥の種類は、猛禽類や渡り鳥などである。
「カメラ」とは、撮影した画像データをデジタルデータとして時系列的に取得できるカメラである。
「各々のカメラにおける水平方向の撮影領域が連続」とは、複数台のカメラによってパノラマ撮影をする場合と同じように、水平方向の端部が少々重なってもよいが、撮影領域が連続するように形成できるようにすることである(図1参照)。
【0012】
(作用)
撮影カメラ群を水平方向に離間させた二箇所に設置し、所定領域が撮影できるようにする。その所定領域は、各撮影カメラ群における複数のカメラによって撮影領域を構成している。ここで、当該所定領域における水平方向の撮影領域は、水平方向の端部が少々重なってもよいが、撮影領域が連続するように、各カメラが固定されている。
各撮影カメラ群は、所定領域の二次元の画像データを撮影する。そして、合成画像データ作成手段が二つの画像データを合成することによって合成画像データを作成する。その合成画像データは、ステレオ解析手段によって飛翔体の三次元位置を演算して出力する。
【0013】
猛禽類が給餌行動の際に急降下する以外、飛翔体や飛行体が垂直方向に高速度で移動することは稀である。このため、本願発明者は、水平方向の解像度を実質的に上げればよい、という点に着目して、本願発明の構成を案出した。
例えば、三台のカメラにて確保できる水平方向の解像度を、一台のカメラにて達成しようとすると、カメラは極めて高価になってしまうが、本願の構成であれば安価に構成できる。カメラの台数は左右全部で六台必要であるが、解像度が約1/3で良いためである。
例えば、一台のカメラで達成しようとすると、所望の解像度を達成するのに水平方向の画素数が4000ピクセル必要な場合、4Kカメラといわれる動画撮影用のカメラの利用が考えられるが安価なものでも現状では一千万円程度のコストがかかる。本願による方法で、四台のカメラで達成しようとすると、現状で一台40万円程度の水平方向の画素数が約1000ピクセルのXGAカメラを利用することができるため、大幅なコストダウンを達成できる。
【0014】
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 飛翔体の存在を捉える飛翔体発見手段と、 前記の二箇所各々の撮影カメラ群に対して、垂直方向の撮影領域を同時に変更させることが可能な垂直方向変更手段と、 前記の飛翔体発見手段が飛翔体の存在を捉えた場合に、当該飛翔体を前記の撮影カメラ群が撮影可能であるように前記の垂直方向変更手段を制御する垂直方向制御手段と、を備える。
【0015】
ここで、「飛翔体発見手段」とは、たとえば、広角レンズを備えたカメラと、そのカメラが撮影する画像内を動く被写体を発見する動的被写体発見手段と、を備える。前記の撮影カメラ群とは別に設けてもよいし、前記の撮影カメラ群の機能として組み込んでも良い(図4参照)。
更に、動的被写体発見手段が発見した被写体が、撮影対象としたい飛翔体であるか否かを判断する飛翔体判断手段を備えていると、より好ましい。 飛翔体判断手段は、たとえば、飛翔体の移動軌跡をデータベースに蓄積しておき、その蓄積されたデータと被写体の軌跡とを比較することによって、撮影対象としたい飛翔体であるか否かを判断する。
「垂直方向変更手段」とは、たとえば、全ての撮影カメラ群の仰角を同時に変更できる機構などである。
【0016】
(作用)
撮影カメラ群とは別に設けた飛翔体発見手段が、飛翔体の存在を捉える。飛翔体発見手段が飛翔体の存在を捉えた場合には、当該飛翔体を前記の撮影カメラ群が撮影可能であるように、垂直方向変更手段を垂直方向制御手段が制御する。制御される二箇所各々の撮影カメラ群は、垂直方向の撮影領域を同時に変更され、飛翔体の撮影を開始または継続できる。
【0017】
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明における前記のバリエーションは、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、前記の撮影カメラ群の撮影領域内に捉えられた飛翔体が垂直方向の端部に接近したか否かを判断する飛翔体垂直位置確認手段を備え、 飛翔体が垂直方向の端部に接近した旨を前記の飛翔体垂直位置確認手段が判断した場合には、前記の垂直方向制御手段を制御することによって、前記の垂直方向変更手段を介して撮影カメラ群の垂直方向の撮影領域を変更させることとしてもよい。
【0018】
(作用)
撮影カメラ群の撮影領域内に捉えられた飛翔体が垂直方向の端部に接近したか否かを、飛翔体垂直位置確認手段が判断する。 飛翔体が垂直方向の端部に接近したと飛翔体垂直位置確認手段が判断した場合には、前記の垂直方向制御手段を制御する。それによって、垂直方向変更手段を介して撮影カメラ群の垂直方向の撮影領域を変更させる。 制御される二箇所各々の撮影カメラ群は、垂直方向の撮影領域を同時に変更され、飛翔体の撮影を継続できる。
【0019】
(第二の発明)
第二の発明は、水平方向に離間させた二箇所から所定領域における飛翔体をステレオ撮影するための三次元解析装置を制御するコンピュータプログラムに係る。
すなわち、 前記の二箇所の各々には、複数のカメラにて構成される撮影カメラ群を備え、当該撮影カメラ群を構成する各々のカメラにおける水平方向の撮影領域が連続するとともに、垂直方向の撮影領域が同一となるように固定しており、 前記コンピュータプログラムは、前記の撮影カメラ群が撮影した画像データを合成して合成画像データを作成する合成画像データ作成手順と、 その合成画像データ作成手順にてそれぞれ作成された二つの合成画像データを用いて、飛翔体の三次元位置を演算するステレオ解析手順と、をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムに係る。
【0020】
(第二の発明のバリエーション1)
本願における第二の発明は、 飛翔体の存在を捉える飛翔体発見手段を前記の撮影カメラ群とは別に設けた三次元解析装置において、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、前記の二箇所各々の撮影カメラ群に対して、垂直方向の撮影領域を同時に変更させることが可能な垂直方向変更手順と、 前記の飛翔体発見手段が飛翔体の存在を捉えた場合に、当該飛翔体を前記の撮影カメラ群が撮影可能であるように前記の垂直方向変更手段を制御する垂直方向制御手順と、をコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラムとしてもよい。
【0021】
(第二の発明のバリエーション2)
第二の発明における前記第一のバリエーションは、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、 前記の撮影カメラ群の撮影領域内に捉えられた飛翔体が垂直方向の端部に接近したか否かを判断する飛翔体垂直位置確認手順と、 その飛翔体垂直位置確認手順にて飛翔体が垂直方向の端部に接近したと判断した場合には、撮影カメラ群の垂直方向の撮影領域を変更させる垂直方向判断変更手順と、をコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラムとしてもよい。
【0022】
第二の発明は、ハードディスクやCD−R、DVD−Rなどの記録媒体に格納して提供することもできるし、通信手段を介してコンピュータにインストールすることもできる。第二の発明をインストールされたコンピュータを含むハードウェアにて、第一の発明が構成できる。
【発明の効果】
【0023】
第一の発明によれば、解像度が高くて画角も大きな高性能のカメラを使用することなく、高解像度を実現できる飛翔体の三次元解析装置を提供することができた。
第二の発明によれば、解像度が高くて画角も大きな高性能のカメラを使用することなく、高解像度を実現できる飛翔体の三次元解析プログラムを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態の作動を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態の作動を示すフローチャートである。
【図4】飛翔体の三次元解析装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0026】
(図1)
図1には、水平方向に離間させた二箇所から所定領域における飛翔体をステレオ撮影することができる飛翔体の三次元解析装置を示している。図1上の左に位置する撮影カメラ群には「L」、図1上の右に位置する撮影カメラ群には「R」を付している。
【0027】
前記の二箇所の各々には、同じ解像度の三台のカメラにて撮影カメラ群が構成される。この撮影カメラ群は、当該撮影カメラ群を構成する各々のカメラにおける水平方向の撮影領域が連続するとともに、垂直方向の撮影領域が同一となるように固定されている。
【0028】
図1中、各カメラの画角を破線で示している。隣り合うカメラとは、それぞれのカメラにおける水平方向の撮影領域について若干の重なりが存在するように固定されている。
【0029】
また、この飛翔体の三次元解析装置は、前述した撮影カメラ群が撮影した画像データを合成して合成画像データを作成する合成画像データ作成手段を備えている。
合成画像データ作成手段は、それぞれのカメラにおける水平方向の撮影領域について若干の重なりが存在するので、その重なった画像を連続させる。これによって、カメラ一台あたりの水平方向の撮影領域が三倍弱となった合成画像データができ上がる。
【0030】
合成画像データ作成手段(L)、合成画像データ作成手段(R)のそれぞれにて作成された合成画像データは、ステレオ解析手段によって飛翔体の三次元位置が演算される。必要に応じて、飛翔体の三次元の軌跡を出力する。
【0031】
(図2)
図2は、撮影対象である飛翔体を発見してから前述した撮影カメラ群における撮影する機構を備えた飛翔体の三次元解析装置に関するフローチャートである。
飛翔体の存在を捉える飛翔体発見手段を、前記の撮影カメラ群とは別に設けている。 そして、前記の二箇所各々の撮影カメラ群に対して、垂直方向の撮影領域を同時に変更させることが可能な垂直方向変更手段と、 前記の飛翔体発見手段が飛翔体の存在を捉えた場合に、当該飛翔体を前記の撮影カメラ群が撮影可能であるように前記の垂直方向変更手段を制御する垂直方向制御手段と、を備えている。
【0032】
以上のような飛翔体の三次元解析装置は、以下のような作動をなす。
まず、飛翔体発見手段が撮影対象となる飛翔体を探索する。 飛翔体を発見できない場合には、探索を継続する。
飛翔体を発見した場合には、発見した飛翔体が、飛翔体発見手段となす角度を測定する。 そして、測定した角度が、撮影カメラ群の垂直方向の撮影領域内であるかどうかを判断する。
【0033】
撮影カメラ群の垂直方向の撮影領域内ではない場合には、撮影カメラ群における撮影領域が飛翔体を撮影できるように、垂直方法変更手段が撮影領域の垂直方向を変更する。そして、撮影カメラ群によって飛翔体の撮影を開始し、合成画像データ作成手段が合成画像データを作成し、ステレオ解析手段によってステレオ解析を実行する。
【0034】
(図3)
図3は、前述した撮影カメラ群における撮影領域の垂直方向を飛翔体が脱してしまうことを防止するための機構を備えた飛翔体の三次元解析装置に関するフローチャートである。
飛翔体の撮影を開始したら、その飛翔体が撮影カメラ群における撮影領域内において、垂直方向の端部に接近しているか否かを判断する。 接近している場合には、撮影カメラ群の仰角を変更することによって、飛翔体が撮影領域から出ないように垂直方向の撮影領域を変更する。
接近していない場合には、撮影を継続する。そして、合成画像データ作成手段が合成画像データを作成し、ステレオ解析手段によってステレオ解析を実行する。
【0035】
(図4)
図4には、飛翔体発見手段、飛翔体の垂直方向の位置確認手段、および撮影カメラ群の仰角を変更可能な垂直方法変更手段を含む飛翔体の三次元解析装置のハードウェア構成を示している。
飛翔体発見手段は前記の撮影カメラ群とは別に設けており、広角度カメラと、その広角度カメラが撮影する画像内を動く被写体を発見する動的被写体発見手段(図示せず)と、を備える。 更に、動的被写体発見手段が発見した被写体が、撮影対象としたい飛翔体であるか否かを判断する飛翔体判断手段を備えている。
飛翔体判断手段は、飛翔体の移動軌跡をデータベースに蓄積しておき、その蓄積されたデータと被写体の軌跡とを比較することによって、撮影対象としたい飛翔体であるか否かを判断している。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、飛翔体に関する環境アセスメントの情報を収集するための計測サービスに関する事業、当該計測機器の製造業、当該計測サービスに関するソフトウェア作成業などにおいて、利用可能性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に離間させた二箇所から所定領域における飛翔体をステレオ撮影するための装置であって、
前記の二箇所の各々には、複数のカメラにて構成される撮影カメラ群と、
その撮影カメラ群が撮影した画像データを合成して合成画像データを作成する合成画像データ作成手段と、
その合成画像データ作成手段にてそれぞれ作成された二つの合成画像データを用いて、飛翔体の三次元位置を演算するステレオ解析手段と、
を備え、
前記の撮影カメラ群は、当該撮影カメラ群を構成する各々のカメラにおける水平方向の撮影領域が連続するとともに、垂直方向の撮影領域が同一となるように固定することとした飛翔体の三次元解析装置。
【請求項2】
飛翔体の存在を捉える飛翔体発見手段と、
前記の二箇所各々の撮影カメラ群に対して、垂直方向の撮影領域を同時に変更させることが可能な垂直方向変更手段と、
前記の飛翔体発見手段が飛翔体の存在を捉えた場合に、当該飛翔体を前記の撮影カメラ群が撮影可能であるように前記の垂直方向変更手段を制御する垂直方向制御手段と、
を備えた請求項1に記載の飛翔体の三次元解析装置。
【請求項3】
前記の撮影カメラ群の撮影領域内に捉えられた飛翔体が垂直方向の端部に接近したか否かを判断する飛翔体垂直位置確認手段を備え、
飛翔体が垂直方向の端部に接近した旨を前記の飛翔体垂直位置確認手段が判断した場合には、前記の垂直方向制御手段を制御することによって、前記の垂直方向変更手段を介して撮影カメラ群の垂直方向の撮影領域を変更させることとした請求項2に記載の飛翔体の三次元解析装置。
【請求項4】
水平方向に離間させた二箇所から所定領域における飛翔体をステレオ撮影するための三次元解析装置を制御するコンピュータプログラムであって、
前記の二箇所の各々には、複数のカメラにて構成される撮影カメラ群を備え、当該撮影カメラ群を構成する各々のカメラにおける水平方向の撮影領域が連続するとともに、垂直方向の撮影領域が同一となるように固定しており、
前記コンピュータプログラムは、前記の撮影カメラ群が撮影した画像データを合成して合成画像データを作成する合成画像データ作成手順と、
その合成画像データ作成手順にてそれぞれ作成された二つの合成画像データを用いて、飛翔体の三次元位置を演算するステレオ解析手順と、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項5】
飛翔体の存在を捉える飛翔体発見手段を設けた三次元解析装置において、
前記の二箇所各々の撮影カメラ群に対して、垂直方向の撮影領域を同時に変更させることが可能な垂直方向変更手順と、
前記の飛翔体発見手段が飛翔体の存在を捉えた場合に、当該飛翔体を前記の撮影カメラ群が撮影可能であるように前記の垂直方向変更手段を制御する垂直方向制御手順と、
をコンピュータに実行させることとした請求項4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記の撮影カメラ群の撮影領域内に捉えられた飛翔体が垂直方向の端部に接近したか否かを判断する飛翔体垂直位置確認手順と、
その飛翔体垂直位置確認手順にて飛翔体が垂直方向の端部に接近したと判断した場合には、撮影カメラ群の垂直方向の撮影領域を変更させる垂直方向判断変更手順と、
をコンピュータに実行させることとした請求項5に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−153919(P2011−153919A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15726(P2010−15726)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】