説明

駆動装置

【課題】回転電機の支持精度を適切に確保しつつ、装置の軸方向における小型化を図ることが可能な駆動装置を実現する。
【解決手段】ケース3は第一支持部31と第二支持部32と第三支持部33とを備え、第一回転軸61は、軸第二方向L2側において第一軸受81を介して第一支持部31に対し回転可能に支持されていると共に、軸第一方向L1側において第四軸受を介してケース3に対し回転可能に支持され、第二回転軸62は、軸第一方向L1側において第二軸受82を介して第二支持部32に対し回転可能に支持されていると共に、軸第二方向L2側において第五軸受を介してケース3に対し回転可能に支持され、駆動ギヤ10の回転軸である駆動ギヤ軸60は、駆動ギヤ10に対して軸方向Lの片側において、第三軸受83を介して第三支持部33に対し回転可能に支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力部材に駆動連結される駆動ギヤと、第一係合装置を介して駆動ギヤに駆動連結される第一回転電機と、第二係合装置を介して駆動ギヤに駆動連結される第二回転電機と、ケースと、を備え、駆動ギヤの軸方向の一方側である軸第一方向側から反対側である軸第二方向側へ向かって、同軸上に、第一回転電機、駆動ギヤ、第二回転電機の順に配置された駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような駆動装置の従来技術として、例えば下記の特許文献1に記載された技術がある。以下、この背景技術の欄の説明では、〔〕内に特許文献1における符号(必要に応じて、対応する部材の名称を含む)を引用して説明する。具体的には、特許文献1の図1に記載の構成では、駆動ギヤ〔減速機16内のギヤ〕の軸方向の一方側から他方側に向かって、同軸状に、第一回転電機〔M2〕、駆動ギヤ、及び第二回転電機〔M3〕が設けられ、第一回転電機と駆動ギヤとの動力伝達経路に配置される第一係合装置〔C2〕と、第二回転電機と駆動ギヤとの動力伝達経路に配置される第二係合装置〔C3〕との双方が、一方向にのみトルクを伝達するワンウェイクラッチとされている。これにより、駆動力を発生しない回転電機を駆動ギヤから切り離すことができ、当該回転電機の連れ回りを回避することによるエネルギ損失の低減が可能とされている。
【0003】
また、特許文献1の図3には、第一係合装置〔C2'〕と第二係合装置〔C3’〕との双方が、トルク伝達率が可変の可変制御クラッチとされる構成が示されており、第一係合装置及び第二係合装置の係合状態を回転電機の駆動状態に応じて制御することで、上記と同様の効果が得られるとされている。
【0004】
ところで、上記のように、第一回転電機、駆動ギヤ、及び第二回転電機が軸方向に並んで配置される構成では、駆動装置が軸方向に大型化しやすくなる。また、回転電機のロータの支持精度が適切に確保されない場合には、回転電機の大型化や出力トルクの低下を招くおそれがある。しかしながら、上記特許文献1には、各部の具体的な支持構成が示されておらず、装置の軸方向寸法に言及した記載もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−153325号公報(図1、図3等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、回転電機の支持精度を適切に確保しつつ、装置の軸方向における小型化を図ることが可能な駆動装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る、出力部材に駆動連結される駆動ギヤと、第一係合装置を介して前記駆動ギヤに駆動連結される第一回転電機と、第二係合装置を介して前記駆動ギヤに駆動連結される第二回転電機と、ケースと、を備え、前記駆動ギヤの軸方向の一方側である軸第一方向側から反対側である軸第二方向側へ向かって、同軸上に、前記第一回転電機、前記駆動ギヤ、前記第二回転電機の順に配置された駆動装置の特徴構成は、前記ケースは、前記軸方向における前記駆動ギヤと前記第一回転電機との間で前記駆動ギヤの径方向に延びる第一支持部と、前記軸方向における前記駆動ギヤと前記第二回転電機との間で前記径方向に延びる第二支持部と、前記軸方向における前記第一支持部と前記第二支持部との間で前記径方向に延びる第三支持部と、を備え、前記第一回転電機のロータ本体である第一ロータ本体と一体回転する第一回転軸は、前記第一ロータ本体に対して前記軸第二方向側において、第一軸受を介して前記第一支持部に対し回転可能に支持されていると共に、前記第一ロータ本体に対して前記軸第一方向側において、第四軸受を介して前記ケースに対し回転可能に支持され、前記第二回転電機のロータ本体である第二ロータ本体と一体回転する第二回転軸は、前記第二ロータ本体に対して前記軸第一方向側において、第二軸受を介して前記第二支持部に対し回転可能に支持されていると共に、前記第二ロータ本体に対して前記軸第二方向側において、第五軸受を介して前記ケースに対し回転可能に支持され、前記駆動ギヤの回転軸である駆動ギヤ軸は、前記駆動ギヤに対して前記軸方向の片側において、第三軸受を介して前記第三支持部に対し回転可能に支持されている点にある。
【0008】
本願において「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が一又は二以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いている。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材が含まれ、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。また、このような伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置、例えば摩擦係合装置や噛み合い式係合装置等が含まれていてもよい。なお、「駆動力」は「トルク」と同義で用いている。
また、本願において「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
さらに、本願において、部材の形状に関し、ある方向に「延びる」とは、当該方向を基準方向として、部材の延在方向が前記基準方向に平行な形状に限らず、部材の延在方向が前記基準方向に交差する方向であっても、その交差角度が所定範囲内である形状も含む概念として用いている。
【0009】
上記の特徴構成によれば、第一ロータ本体と一体回転する第一回転軸が、第一軸受及び第四軸受により、第一ロータ本体に対して軸方向の両側でケースに対し回転可能に支持されるため、第一回転電機の支持精度を適切に確保することができる。同様に、第二ロータ本体と一体回転する第二回転軸が、第二軸受及び第五軸受により、第二ロータ本体に対して軸方向の両側でケースに対し回転可能に支持されるため、第二回転電機の支持精度を適切に確保することができる。
また、上記の特徴構成によれば、駆動ギヤの回転軸である駆動ギヤ軸も、第三軸受によりケース(第三支持部)に対し回転可能に支持されるため、駆動ギヤについても支持精度を適切に確保することが可能となっている。そして、駆動ギヤ軸は、駆動ギヤに対して軸方向の片側において支持されるため、駆動ギヤ軸を軸方向の両側で支持する場合に比べ、駆動ギヤ軸を支持するための構成(例えばケースの構成等)を簡素なものとして、装置の軸方向における小型化や重量の軽減を図ることが可能となっている。
【0010】
ここで、差動入力ギヤを有すると共に当該差動入力ギヤに伝達されるトルクを複数備えられた前記出力部材に分配する出力用差動歯車装置と、前記駆動ギヤと前記差動入力ギヤとの間の動力伝達経路に設けられたカウンタギヤ機構と、を更に備え、前記駆動ギヤ、前記出力用差動歯車装置、及び前記カウンタギヤ機構は、互いに異なる3つの軸上に分かれて配置され、前記カウンタギヤ機構は、前記駆動ギヤに噛み合う第一ギヤと、前記差動入力ギヤに噛み合う第二ギヤと、前記第一ギヤと前記第二ギヤとを連結するとともに前記ケースに対し回転可能に支持される連結軸と、を有し、前記第三支持部及び前記第二ギヤが、前記第一ギヤに対して前記軸方向の同じ側に配置されていると好適である。
【0011】
この構成によれば、第三支持部並びに当該第三支持部による駆動ギヤ軸の支持構造が占有する軸方向の領域を、カウンタギヤ機構が占有する軸方向の領域と重複させることが容易となり、カウンタギヤ機構を備える構成を、装置の軸方向における小型化を図りつつ実現することができる。
【0012】
上記のように、前記第三支持部及び前記第二ギヤが、前記第一ギヤに対して前記軸方向の同じ側に配置されている構成において、前記第三軸受及び前記第二ギヤが、前記径方向視で互いに重複する部分を有するように配置されていると好適である。
【0013】
本願において、2つの部材の配置に関して所定方向視で「重複する部分を有する」とは、当該所定方向を視線方向として当該視線方向に直交する各方向に視点を移動させた場合に、2つの部材が重なって見える視点が少なくとも一部の領域に存在することを指す。
【0014】
この構成によれば、第三軸受及び第二ギヤが、径方向視で互いに重複する部分を有さないように軸方向の異なる位置に配置される場合に比べ、第三軸受と第二ギヤとが軸方向で占有する領域を小さくして、装置の軸方向における小型化を図ることができる。
【0015】
また、上記の各構成の駆動装置において、前記第一係合装置は、前記軸方向における前記第一支持部と前記第三支持部との間に配置され、前記第二係合装置は、前記軸方向における前記第二支持部と前記第三支持部との間に配置されていると好適である。
【0016】
この構成によれば、第一回転軸、第二回転軸、及び駆動ギヤ軸を支持するための構成である第一支持部、第二支持部、及び第三支持部を備えることによる生じる空間を有効に利用して第一係合装置及び第二係合装置を配置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る駆動装置の断面図である。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】本発明のその他の実施形態に係る駆動装置の構成を示す模式図である。
【図4】本発明のその他の実施形態に係る駆動装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る駆動装置の実施形態について、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る駆動装置1は、出力軸2に駆動連結される駆動ギヤ10と、第一係合装置21を介して駆動ギヤ10に駆動連結される第一回転電機11と、第二係合装置22を介して駆動ギヤ10に駆動連結される第二回転電機12と、ケース3と、を備えている。そして、この駆動装置1は、第一係合装置21及び第二係合装置22の状態を切り替えることで、出力軸2との間の連結が維持されて駆動力の伝達が行われる回転電機(駆動力伝達回転電機)が第一回転電機11のみとされる状態と、当該駆動力伝達回転電機が第二回転電機12のみとされる状態と、当該駆動力伝達回転電機が第一回転電機11及び第二回転電機12の双方とされる状態と、を切り替えることが可能に構成されている。以下、本実施形態に係る駆動装置1について詳細に説明する。
【0019】
以下の説明では、特に断らない限り、「軸方向L」、「径方向」、及び「周方向」は、駆動ギヤ10の軸心(回転軸心)を基準として定義している。なお、各部材についての方向は、当該各部材が駆動装置1に組み付けられた状態での方向を表す。また、各部材についての方向や位置に関する記載(例えば、「平行」や「直交」等)は、製造上の誤差に応じたずれを含む概念として用いている。このような製造上の誤差は、例えば、寸法や取付位置の公差の範囲内のずれにより生じる。
【0020】
1.駆動装置の全体構成
本実施形態に係る駆動装置1は、車両(図示せず)に備えられる車両用駆動装置とされており、車輪(図1においては図示せず)に駆動連結される出力軸2を複数(本例では2つ)備えている。そして、この駆動装置1は、第一回転電機11及び第二回転電機12の一方又は双方のトルクを車輪に伝達して車両を走行させる。本実施形態では、出力軸2が本発明における「出力部材」に相当する。
【0021】
第一回転電機11は、ケース3に固定された第一ステータ11aと、当該第一ステータ11aに対して回転自在に配置された第一ロータ本体41とを有している。本例では、第一ロータ本体41は第一ステータ11aの径方向内側に配置されるとともに、当該第一ロータ本体41から軸方向Lの両側に突出するように配置された第一回転軸61と一体回転するように、当該第一回転軸61に固定されている。第二回転電機12は、ケース3に固定された第二ステータ12aと、当該第二ステータ12aに対して回転自在に配置された第二ロータ本体42とを有している。本例では、第二ロータ本体42は第二ステータ12aの径方向内側に配置されるとともに、当該第二ロータ本体42から軸方向Lの両側に突出するように配置された第二回転軸62と一体回転するように、当該第二回転軸62に固定されている。本実施形態では、第一回転電機11及び第二回転電機12の双方は、モータとしての機能とジェネレータとしての機能とを果たすことが可能とされている。
【0022】
本実施形態では、トルクを出力可能な回転速度の上限値については第一回転電機11が第二回転電機12に対して大きく、出力可能なトルクの最大値については第二回転電機12が第一回転電機11に対して大きく設定されている。すなわち、本実施形態では、第一回転電機11は、第二回転電機12に比べて高回転低トルク型の回転電機とされ、第二回転電機12は、第一回転電機11に比べて低回転高トルク型の回転電機とされている。これに伴い、本例では、図1に示すように、第二回転電機12は、第一回転電機11よりも寸法が大きく構成されている。また、図においては模式的に示しているが、第一回転軸61は、軸第一方向L1側(図1における左側)において、第三係合装置23(例えば電磁クラッチ等)を介してエアコンディショナ用のコンプレッサ9に駆動連結されている。
【0023】
駆動装置1は、第一回転電機11と駆動ギヤ10との間の動力伝達経路に第一係合装置21を備え、第二回転電機12と駆動ギヤ10との間の動力伝達経路に第二係合装置22を備えている。そして、第一係合装置21の状態を切り替えることで、第一回転電機11と駆動ギヤ10との間の連結に関する状態を、連結状態と非連結状態との間で切り替えることができる。同様に、第二係合装置22の状態を切り替えることで、第二回転電機12と駆動ギヤ10との間の連結に関する状態を、連結状態と非連結状態との間で切り替えることができる。
【0024】
ここで、「連結状態」とは、係合装置を介して駆動連結される2つの回転要素の間での連結が維持され、当該2つの回転要素の間で駆動力の伝達が行われる状態を指す。また、「非連結状態」とは、係合装置を介して駆動連結される2つの回転要素の間での連結が解除され、当該2つの回転要素の間で駆動力の伝達が行われない状態を指す。なお、第一係合装置21及び第二係合装置22の構成については、後の「2.第一係合装置及び第二係合装置の構成」の項で詳細に説明する。
【0025】
本実施形態に係る駆動装置1は、駆動ギヤ10と出力軸2との間の動力伝達経路に、出力用差動歯車装置6とカウンタギヤ機構5とを備えている。出力用差動歯車装置6は、差動入力ギヤ50を有し、当該差動入力ギヤ50に伝達されるトルクを複数備えられた出力軸2に分配する装置である。本実施形態では、駆動装置1には、右側の車輪に駆動連結される出力軸2と、左側の車輪に駆動連結される出力軸2との2つの出力軸2が備えられており、差動入力ギヤ50に伝達されたトルクは、出力用差動歯車装置6及び出力軸2を介して左右2つの車輪に分配される。本実施形態では、出力用差動歯車装置6は、互いに噛み合う複数の傘歯車を用いた差動歯車機構により構成されている。
【0026】
カウンタギヤ機構5は、駆動ギヤ10と差動入力ギヤ50との間の動力伝達経路に設けられている。具体的には、カウンタギヤ機構5は、駆動ギヤ10に噛み合う第一ギヤ51と、差動入力ギヤ50に噛み合う第二ギヤ52と、第一ギヤ51と第二ギヤ52とを連結するとともにケース3に対し回転可能に支持される連結軸53と、を有している。本実施形態では、第二ギヤ52は連結軸53の外周面(径方向外側を向く面、以下同様)に一体的に形成されており、第一ギヤ51は、スプライン係合により連結軸53と一体回転するように固定されている。また、本実施形態では、連結軸53は、軸受を介して、ケース3の第一支持部31及び第二支持部32(後述する)のそれぞれに対し回転可能に支持されている。上記のような構成を備えることで、車両の走行時には、車輪に対して回転電機11,12の回転方向と同方向のトルクが伝達される。
【0027】
図1に示すように、少なくとも第一回転電機11、第二回転電機12、及び駆動ギヤ10は、ケース3内に収容されている。本実施形態では、これらに加えて更に、第一係合装置21、第二係合装置22、カウンタギヤ機構5、及び出力用差動歯車装置6も、ケース3内に収容されている。なお、ケース3の構成については、後の「3.ケースの構成」の項で詳細に説明する。
【0028】
2.第一係合装置及び第二係合装置の構成
第一係合装置21は、本実施形態では、噛み合い式の係合装置とされている。具体的には、図2に示すように、第一係合装置21は、第一状態選択部材21aと、第一軸側係合部71と、第一ギヤ側係合部73とを備えており、第一状態選択部材21aは、第一軸側係合部71及び第一ギヤ側係合部73の一方又は双方に対して選択的に噛み合うように構成されている。
【0029】
ここで、第一軸側係合部71は、第一回転軸61に設けられた係合部であり、本実施形態では第一回転軸61と一体回転するように設けられた外歯の係合部とされている。第一ギヤ側係合部73は、駆動ギヤ10の回転軸である駆動ギヤ軸60に設けられた係合部であり、本実施形態では駆動ギヤ軸60と一体回転するように設けられた外歯の係合部とされている。第一状態選択部材21aは、軸方向Lに沿って移動可能な円筒状(スリーブ状)部材とされている。そして、第一状態選択部材21aの内周面(径方向内側を向く面、以下同様)は、第一軸側係合部71及び第一ギヤ側係合部73に外嵌可能な形状とされ、この内周面に内歯の係合部が形成されている。
【0030】
そして、第一状態選択部材21aの軸方向L位置を、第一状態選択部材21aが第一軸側係合部71及び第一ギヤ側係合部73の双方に噛み合う位置とすることで、第一係合装置21が係合状態となる。これにより、第一軸側係合部71(第一回転軸61)と第一ギヤ側係合部73(駆動ギヤ10)とが連結状態とされ、第一回転電機11のトルクを出力軸2に伝達可能な状態となる。なお、本実施形態では、第一係合装置21は噛み合い式の係合装置とされているため、第一係合装置21の係合状態では、第一回転軸61と駆動ギヤ10とが一体回転する状態となる。
【0031】
また、第一状態選択部材21aの軸方向L位置を、第一状態選択部材21aが第一軸側係合部71及び第一ギヤ側係合部73のいずれか一方のみ(本例では第一軸側係合部71のみ)に噛み合う位置とすることで、第一係合装置21が解放状態(係合解除状態)となり、第一軸側係合部71(第一回転軸61)と第一ギヤ側係合部73(駆動ギヤ10)とが非連結状態とされる。
【0032】
第二係合装置22は、本実施形態では、第一係合装置21と同様、噛み合い式の係合装置とされている。具体的には、図2に示すように、第二係合装置22は、第二状態選択部材22aと、第二回転軸62に設けられた第二軸側係合部72と、駆動ギヤ軸60に設けられた第二ギヤ側係合部74とを備えており、第二状態選択部材22aは、第二軸側係合部72及び第二ギヤ側係合部74の一方又は双方に対して選択的に噛み合うように構成されている。ここで、第二係合装置22を構成する各部は、第一係合装置21の対応する部分を、軸方向Lに直交する面に関して対称移動させた位置に配置されており、第二状態選択部材22a、第二軸側係合部72、及び第二ギヤ側係合部74が、それぞれ、第一状態選択部材21a、第一軸側係合部71、及び第一ギヤ側係合部73と同様に形成されている。
【0033】
そのため、第二係合装置22についても第一係合装置21と同様に、第二状態選択部材22aの軸方向L位置を、第二状態選択部材22aが第二軸側係合部72及び第二ギヤ側係合部74の双方に噛み合う位置とすることで、第二係合装置22が係合状態となり、第二回転軸62と駆動ギヤ10とが一体回転する状態となる。また、第二状態選択部材22aの軸方向L位置を、第二状態選択部材22aが第二軸側係合部72及び第二ギヤ側係合部74のいずれか一方のみ(本例では第二軸側係合部72のみ)に噛み合う位置とすることで、第二係合装置22が解放状態(係合解除状態)となり、第二回転軸62と駆動ギヤ10とが非連結状態とされる。
【0034】
なお、詳細は省略するが、第一状態選択部材21aの外周面には、当該第一状態選択部材21aを軸方向Lに移動(スライド)させるための移動機構の第一係合部材21bが係合されており、アクチュエータによって当該第一係合部材21bの軸方向L位置を切り替えることで、第一状態選択部材21aの軸方向L位置を切り替えることが可能となっている。第二状態選択部材22aについても同様に、移動機構の第二係合部材22bにより軸方向L位置を切り替えることが可能となっている。そして、第一係合装置21と第二係合装置22とは、互いに独立に状態を切り替えることが可能に構成されている。
【0035】
3.ケースの構成
ケース3は、図1に示すように、第一回転電機11や第二回転電機12の外周を覆うケース周壁90と、当該ケース周壁90の軸第一方向L1側の開口を覆う第一端壁91と、当該ケース周壁90の軸第二方向L2側(図1における右側)の開口を覆う第二端壁92とを備えている。また、ケース3は、軸方向Lにおける第一回転電機11と第二回転電機12との間に、第一支持部31と、第二支持部32と、第三支持部33とを備えている。
【0036】
第一支持部31は、軸方向Lにおける駆動ギヤ10と第一回転電機11との間で径方向に延びるように形成されている。本実施形態では、第一支持部31は、ケース周壁90と一体的に形成された支持壁とされており、ケース周壁90から径方向内側に延びるように形成されている。また、第一支持部31は、径方向に加えて周方向にも延在しており、その径方向中央部に軸方向Lの貫通孔である第一貫通孔31aを有している(図2参照)。後述するように、この第一貫通孔31aに、第一回転軸61が挿通されている。
【0037】
第二支持部32は、軸方向Lにおける駆動ギヤ10と第二回転電機12との間で径方向に延びるように形成されている。本実施形態では、第二支持部32は、ケース周壁90と一体的に形成された支持壁とされており、ケース周壁90から径方向内側に延びるように形成されている。また、第二支持部32は、径方向に加えて周方向にも延在しており、その径方向中央部に軸方向Lの貫通孔である第二貫通孔32aを有している(図2参照)。後述するように、この第二貫通孔32aに、第二回転軸62が挿通されている。
【0038】
第三支持部33は、軸方向Lにおける第一支持部31と第二支持部32との間で径方向に延びるように形成されている。本実施形態では、第三支持部33は、一部に切り欠きを有する円環板状に形成され、図2に示すように、締結部材8(本例では複数の締結ボルト)によりケース3(具体的にはケース周壁90)に対して固定されている。第三支持部33は、その径方向中央部に軸方向Lの貫通孔である第三貫通孔33aを有し、後述するように、この第三貫通孔33aに駆動ギヤ軸60が挿通されている。
【0039】
4.各部の支持構成
図1に示すように、第一回転電機11、駆動ギヤ10、及び第二回転電機12は、同軸上(第一軸A1上)に配置されており、軸方向Lの一方側である軸第一方向L1側(図1における左側)から反対側である軸第二方向L2側(図1における右側)へ向かって、第一回転電機11、駆動ギヤ10、第二回転電機12の順に配置されている。
【0040】
本実施形態では、第一係合装置21及び第二係合装置22も駆動ギヤ10と同軸上に配置されている。そして、第一係合装置21は、軸方向Lにおける第一回転電機11(第一ロータ本体41)と駆動ギヤ10との間であって、且つ、第一支持部31と第三支持部33との間に配置されている。第二係合装置22は、軸方向Lにおける第二回転電機12(第二ロータ本体42)と駆動ギヤ10との間であって、且つ、第二支持部32と第三支持部33との間に配置されている。
【0041】
本実施形態では、駆動ギヤ10、出力用差動歯車装置6、及びカウンタギヤ機構5は、互いに異なる3つの軸上に分かれて配置されている。すなわち、図1に示すように、駆動ギヤ10が配置される第一軸A1、カウンタギヤ機構5が配置される第二軸A2、及び出力用差動歯車装置6が配置される第三軸A3は、互いに異なる軸とされている。本実施形態では、第一軸A1、第二軸A2、及び第三軸A3は、互いに平行な軸とされている。
【0042】
図1及び図2に示すように、第一回転軸61は、第一支持部31に形成された第一貫通孔31aに挿通されている。そして、第一支持部31は、第一ロータ本体41に対して軸第二方向L2側に間隔を空けて配置され、第一貫通孔31aの内周面には、第一回転軸61を径方向外側から支持する第一軸受81が配置されている。これにより、第一回転軸61は、第一ロータ本体41に対して軸第二方向L2側において、第一軸受81を介して第一支持部31に対し回転可能に支持されている。また、第一回転軸61は、第一ロータ本体41に対して軸第一方向L1側においては、第一端壁91に配置された第四軸受84を介して、ケース3に対し回転可能に支持されている。
【0043】
このように、第一回転軸61は、第一軸受81と第四軸受84とにより軸方向Lの両側でケース3に対し回転可能に支持されている。なお、本実施形態では、第一軸受81及び第四軸受84の双方は、外輪、内輪、及び転動体(本例では玉)を備えたころがり軸受とされている。
【0044】
図1及び図2に示すように、第二回転軸62は、第二支持部32に形成された第二貫通孔32aに挿通されている。そして、第二支持部32は、第二ロータ本体42に対して軸第一方向L1側に間隔を空けて配置され、第二貫通孔32aの内周面には、第二回転軸62を径方向外側から支持する第二軸受82が配置されている。これにより、第二回転軸62は、第二ロータ本体42に対して軸第一方向L1側において、第二軸受82を介して第二支持部32に対し回転可能に支持されている。また、第二回転軸62は、第二ロータ本体42に対して軸第二方向L2側においては、第二端壁92に配置された第五軸受85を介して、ケース3に対し回転可能に支持されている。
【0045】
このように、第二回転軸62は、第二軸受82と第五軸受85とにより軸方向Lの両側でケース3に対し回転可能に支持されている。なお、本実施形態では、第二軸受82及び第五軸受85の双方は、転動体が玉のころがり軸受とされている。
【0046】
駆動ギヤ10は、軸方向Lにおける第一支持部31と第二支持部32との間に配置されている。図2に示すように、本実施形態では、駆動ギヤ10は、その回転軸である駆動ギヤ軸60の外周面に一体的に形成されている。そして、駆動ギヤ軸60は、第一回転軸61の軸第二方向L2側端部と第二回転軸62の軸第一方向L1側端部とにより軸方向Lの両側を挟まれた状態で、且つ、それぞれに接することなく配置されている。
【0047】
本実施形態では、駆動ギヤ軸60は、中軸63と外軸64と係合部形成部材65とにより構成されている。具体的には、中軸63は、軸第一方向L1側の端部にフランジ部を備えた軸部材とされ、当該フランジ部の外周部に第一ギヤ側係合部73が一体的に形成されている。外軸64は、径方向の内側が中空の円筒状部材とされ、外周部に駆動ギヤ10が一体的に形成されている。中軸63と外軸64とは、中軸63が外軸64の上記中空の部分に挿入された状態で、スプライン係合により一体回転するように連結されている。また、係合部形成部材65は、外軸64より大径の円筒状部材とされ、軸第二方向L2側端部の外周部に第二ギヤ側係合部74が一体的に形成されている。係合部形成部材65は、軸第一方向L1側の内周面が外軸64の軸第二方向L2側端部の外周面に嵌合(外嵌)した状態で、溶接により外軸64に対して接合されている。
【0048】
そして、図2に示すように、駆動ギヤ軸60は、第三支持部33に形成された第三貫通孔33aに挿通されている。具体的には、駆動ギヤ軸60には、軸第一方向L1側から順に、第一ギヤ側係合部73、駆動ギヤ10、第二ギヤ側係合部74が設けられており、軸方向Lにおける第一ギヤ側係合部73と駆動ギヤ10との間の部分(具体的には、外軸64における駆動ギヤ10より軸第一方向L1側の部分)が第三貫通孔33aに挿通されている。すなわち、第三貫通孔33aは駆動ギヤ10に対して軸第一方向L1側に位置する。そして、第三貫通孔33aの内周面には、駆動ギヤ軸60に対して外嵌した状態で当該駆動ギヤ軸60を径方向外側から支持する第三軸受83が配置されている。これにより、駆動ギヤ軸60は、駆動ギヤ10に対して軸方向Lの片側において、言い換えれば駆動ギヤ10に対して軸第一方向L1側のみにおいて、第三軸受83を介して第三支持部33に対し回転可能に支持されている。
【0049】
第三軸受83は、第三貫通孔33aの内周面に対して内嵌した状態で第三支持部33に対して径方向に位置決め保持されるとともに、位置決め部材(例えばスナップリング等)により第三支持部33に対して軸方向Lに位置決め保持されている。そして、駆動ギヤ軸60(本例では外軸64)は、外径が変化する軸方向Lの段差部60aを有し、当該段差部60aが第三軸受83に対して軸第二方向L2側から当接した状態で、当該第三軸受83により径方向外側から支持されている。なお、図1に示す例では、第三軸受83は、転動体が玉のころがり軸受とされており、具体的には、複列アンギュラ型の玉軸受とされている。
【0050】
上述したように、本実施形態では、駆動装置1にはカウンタギヤ機構5が設けられている。そして、図1及び図2に示すように、本実施形態では、第三支持部33、及びカウンタギヤ機構5が備える第二ギヤ52が、カウンタギヤ機構5が備える第一ギヤ51に対して軸方向Lの同じ側(本例では軸第一方向L1側)に配置されている。さらに、本実施形態では、第三支持部33に配置される第三軸受83が、径方向視で第二ギヤ52と重複する部分を有するように配置されている。具体的には、第三軸受83は、軸方向Lの全域が径方向視で第二ギヤ52と重複するように配置されている。更に、本例では、第三軸受83は、軸第二方向L2側端部が第二ギヤ52の軸第二方向L2側端部と同じ軸方向L位置となるように配置されている。
【0051】
なお、上述したように、本実施形態では、第一回転電機11が第二回転電機12に対して高回転低トルク型の回転電機とされ、第二回転電機12が第一回転電機11に対して低回転高トルク型の回転電機とされている。よって、トルクの出力時の振動は、一般的に、第二回転電機12の方が第一回転電機11に比べて大きくなる。そして、本実施形態では、駆動ギヤ10を支持する第三支持部33と第一回転電機11の双方が、駆動ギヤ10に対して軸方向Lの同じ側(本例では、第二回転電機12とは反対側となる軸第一方向L1側)に配置されている。これにより、第二回転電機12と第三支持部33との間の距離を適切に確保して、第二回転電機12のトルクの出力時に発生する振動が第三支持部33に与える影響を抑制することができ、結果、第三支持部33及び第三軸受83の耐久性を向上させることが可能となっている。
【0052】
5.その他の実施形態
最後に、本発明に係る駆動装置の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0053】
(1)上記の実施形態では、駆動装置1がカウンタギヤ機構5を備えた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、図3に示すように、駆動装置1がカウンタギヤ機構5を備えず、駆動ギヤ10と差動入力ギヤ50とが直接噛み合うように配置された構成とすることも可能である。なお、図3では、駆動装置1の構成を模式的に表しており、上記実施形態と対応する部分に同じ符号を付している。また、図3において符号「7」で示す部材は、上記実施形態では図示を省略した車輪である。
【0054】
(2)上記の実施形態では、第三支持部33に配置される第三軸受83が、径方向視で第二ギヤ52と重複する部分を有するように配置された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、第三軸受83と第二ギヤ52とが径方向視で重複する部分を有さないように軸方向Lの異なる位置に配置された構成とすることも可能である。
【0055】
(3)上記の実施形態では、第三支持部33及び第二ギヤ52が、第一ギヤ51に対して軸方向Lの同じ側に配置された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、第三支持部33と第二ギヤ52とが、第一ギヤ51に対して軸方向Lの互いに反対側に配置された構成とすることも可能である。
【0056】
(4)上記の実施形態では、第三支持部33が締結部材8によりケース3(具体的にはケース周壁90)に対して固定された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、第三支持部33がケース周壁90と一体的に形成された構成とすることも可能である。例えば、図4に示すように、第三支持部33がケース周壁90から径方向内側に延びるように当該ケース周壁90と一体的に形成された構成とすることができる。なお、図4に示す例では、上記実施形態とは異なり、第一支持部31がケース周壁90とは別体に形成され、締結部材8によりケース周壁90(具体的には、ケース周壁90と一体形成された第三支持部33)に対して固定されている。
【0057】
(5)上記の実施形態では、駆動ギヤ軸60が、駆動ギヤ10に対して軸第一方向L1側のみにおいて、第三軸受83を介して第三支持部33に対し回転可能に支持されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、駆動ギヤ軸60が駆動ギヤ10に対して軸第二方向L2側のみにおいて、第三軸受83を介して第三支持部33に対し回転可能に支持された構成とすることも可能である。この場合、例えば、第三支持部33が、締結部材8により第二支持部32に対して固定された構成とすることができる。
【0058】
(6)上記の実施形態では、第一係合装置21及び第二係合装置22のそれぞれが、噛み合い式の係合装置とされた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、第一係合装置21及び第二係合装置22の少なくとも一方を摩擦係合装置とすることも可能である。また、第一係合装置21及び第二係合装置22の少なくとも一方を、一方向にのみトルクを伝達し、逆方向には空転しトルクを伝達しない一方向係合装置(ワンウェイクラッチ)とすることも可能である。
【0059】
(7)上記の実施形態では、第一回転電機11が第二回転電機12に比べて高回転低トルク型の回転電機とされ、第二回転電機12が第一回転電機11に比べて低回転高トルク型の回転電機とされた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、第一回転電機11が第二回転電機12に比べて低回転高トルク型の回転電機とされ、第二回転電機12が第一回転電機11に比べて高回転低トルク型の回転電機とされた構成とすることも可能である。また、トルクを出力可能な回転速度の上限値、及び出力可能なトルクの最大値の少なくとも一方について、第一回転電機11と第二回転電機12とで互いに等しく設定された構成とすることも可能であり、例えば、トルクを出力可能な回転速度の上限値、及び出力可能なトルクの最大値の双方が、第一回転電機11と第二回転電機12とで互いに等しく設定された構成とすることができる。
【0060】
(8)上記の実施形態では、第二回転電機12が第一回転電機11に対して寸法が大きな回転電機とされた構成を例として説明したが、第一回転電機11が第二回転電機12に対して寸法が大きな回転電機とされた構成や、第一回転電機11と第二回転電機12とが互いに等しい大きさ(寸法)の回転電機とされた構成とすることも可能である。
【0061】
(9)上記の実施形態では、本発明に係る駆動装置を車両用駆動装置に適用した場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、本発明に係る駆動装置を車両用以外の駆動装置に適用することも可能である。
【0062】
(10)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、本願の特許請求の範囲に記載されていない構成に関しては、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、出力部材に駆動連結される駆動ギヤと、第一係合装置を介して駆動ギヤに駆動連結される第一回転電機と、第二係合装置を介して駆動ギヤに駆動連結される第二回転電機と、ケースと、を備え、駆動ギヤの軸方向の一方側である軸第一方向側から反対側である軸第二方向側へ向かって、同軸上に、第一回転電機、駆動ギヤ、第二回転電機の順に配置された駆動装置に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1:駆動装置
2:出力軸(出力部材)
3:ケース
5:カウンタギヤ機構
6:出力用差動歯車装置
7:車輪
10:駆動ギヤ
11:第一回転電機
12:第二回転電機
21:第一係合装置
22:第二係合装置
31:第一支持部
32:第二支持部
33:第三支持部
41:第一ロータ本体
42:第二ロータ本体
50:差動入力ギヤ
51:第一ギヤ
52:第二ギヤ
53:連結軸
60:駆動ギヤ軸
61:第一回転軸
62:第二回転軸
81:第一軸受
82:第二軸受
83:第三軸受
84:第四軸受
85:第五軸受
L:軸方向
L1:軸第一方向
L2:軸第二方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力部材に駆動連結される駆動ギヤと、第一係合装置を介して前記駆動ギヤに駆動連結される第一回転電機と、第二係合装置を介して前記駆動ギヤに駆動連結される第二回転電機と、ケースと、を備え、前記駆動ギヤの軸方向の一方側である軸第一方向側から反対側である軸第二方向側へ向かって、同軸上に、前記第一回転電機、前記駆動ギヤ、前記第二回転電機の順に配置された駆動装置であって、
前記ケースは、前記軸方向における前記駆動ギヤと前記第一回転電機との間で前記駆動ギヤの径方向に延びる第一支持部と、前記軸方向における前記駆動ギヤと前記第二回転電機との間で前記径方向に延びる第二支持部と、前記軸方向における前記第一支持部と前記第二支持部との間で前記径方向に延びる第三支持部と、を備え、
前記第一回転電機のロータ本体である第一ロータ本体と一体回転する第一回転軸は、前記第一ロータ本体に対して前記軸第二方向側において、第一軸受を介して前記第一支持部に対し回転可能に支持されていると共に、前記第一ロータ本体に対して前記軸第一方向側において、第四軸受を介して前記ケースに対し回転可能に支持され、
前記第二回転電機のロータ本体である第二ロータ本体と一体回転する第二回転軸は、前記第二ロータ本体に対して前記軸第一方向側において、第二軸受を介して前記第二支持部に対し回転可能に支持されていると共に、前記第二ロータ本体に対して前記軸第二方向側において、第五軸受を介して前記ケースに対し回転可能に支持され、
前記駆動ギヤの回転軸である駆動ギヤ軸は、前記駆動ギヤに対して前記軸方向の片側において、第三軸受を介して前記第三支持部に対し回転可能に支持されている駆動装置。
【請求項2】
差動入力ギヤを有すると共に当該差動入力ギヤに伝達されるトルクを複数備えられた前記出力部材に分配する出力用差動歯車装置と、前記駆動ギヤと前記差動入力ギヤとの間の動力伝達経路に設けられたカウンタギヤ機構と、を更に備え、
前記駆動ギヤ、前記出力用差動歯車装置、及び前記カウンタギヤ機構は、互いに異なる3つの軸上に分かれて配置され、
前記カウンタギヤ機構は、前記駆動ギヤに噛み合う第一ギヤと、前記差動入力ギヤに噛み合う第二ギヤと、前記第一ギヤと前記第二ギヤとを連結するとともに前記ケースに対し回転可能に支持される連結軸と、を有し、
前記第三支持部及び前記第二ギヤが、前記第一ギヤに対して前記軸方向の同じ側に配置されている請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第三軸受及び前記第二ギヤが、前記径方向視で互いに重複する部分を有するように配置されている請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第一係合装置は、前記軸方向における前記第一支持部と前記第三支持部との間に配置され、
前記第二係合装置は、前記軸方向における前記第二支持部と前記第三支持部との間に配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載の駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−5567(P2013−5567A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133676(P2011−133676)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】