説明

高圧ウレタン発泡用の定量高圧ポンプ

【課題】ポンプ機能により定量吐出される成分液を冷却用に循環させる場合に、専用のポンプを用いることなく、簡易な構成で実現し、成分液に含まれる発泡剤のガス化を防止する。
【解決手段】マグネットカップリング構造を有する定量高圧ポンプにおいて、駆動軸4と連結される連結部8bと、連結部8bに隣接して配置され、ローター外空間部9と連通するローター内第1空間部8dと、連結部8b内に形成されるローター内第2空間部と、ローター内第1空間部とローター内第2空間部である連通孔8fの間に配置される羽根8gと、を備え、インナーローター8の回転により羽根8gを回転させることで負圧を発生させ、ローター内第1空間部8dの成分液をローター内第2空間部を経由してインナーローター外へ排出させることで、前記成分液導入空間部から前記パイプを介して導入した成分液を循環させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧ウレタン発泡用に使用され、ピストンを有するシリンダブロックを駆動するためのマグネットカップリング構造を有する定量高圧ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
高圧ウレタン発泡用に成分液を定量供給するために定量高圧ポンプが用いられている。ウレタンフォームの製造は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合することで得られた原液を発泡することで行なわれている。ここで、ポリオール成分(成分液に相当)を定量供給するために定量高圧ポンプを使用しているが、成分液が外部に漏れないようにするために、マグネットカップリング構造を利用したポンプ駆動が行なわれている。
【0003】
上記高圧ポンプとして、ピストンポンプが用いられており、複数のピストンを有するシリンダブロックを駆動することで吸引部から吸引した成分液を吐出部から定量吐出させている。シリンダブロックの駆動は、電動機により回転駆動される駆動軸により行なわれる。ここで、この駆動軸を回転駆動するためにマグネットカップリング構造が採用されている。
【0004】
マグネットカップリング構造は、インナーローターとアウターローターとこれらを空間的に遮断するローターケーシングを備えている。アウターローターを電動機により駆動させることで、マグネットの磁力によりインナーローターを回転させ駆動軸を回転駆動させることができる。ローター間を空間的に完全に遮断できることから、成分液の漏液を確実に行なうことができるという利点を有する。
【0005】
一方、このような構造を採用することで、インナーローターなどが熱を帯びるために冷却する必要がある。また、ローターケーシングも通常は金属製であり、渦電流の発生により発熱する。これらの冷却を行なうために、定量吐出される成分液の一部をローターケーシングの内部へ導入するようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のように成分液そのものを冷却に使用する構成には、次のような問題点が存在する。インナーローターやローターケーシングの発熱に伴い、インナーローターの近傍の成分液(内封液)を加熱させることになる。成分液としてのポリオール成分には、発泡剤が含まれており、この発泡剤の沸点は40℃程度であることから、これがガス化してポンプ内に滞留する。このガス化した発泡剤を吸引すると、定量性の低下やポンプの破損を引き起こす可能性がある。
【0007】
また、加熱された成分液が吐出部から吐出される成分液に混入すると、吐出される成分液の温度が上昇して、ウレタン発泡の反応性が変化し、正常な発泡成型が行なわれなくなる。また、インナーローターの発熱や蓄熱に伴い、磁力低下が発生し、これに起因する脱調によりマグネットカップリングによる正常な駆動伝達が行なわれなくなる。そのために、所望のポンプ回転数を維持することができず、定量吐出を達成できなくなる恐れがある。
【0008】
かかる問題に対処するためには、インナーローターの近傍を冷却するために、成分液が循環する経路を設ければよいが、循環させるためには別途循環ポンプを設ける必要があり、コストアップの要因となる。また、別途循環ポンプを設けると、その場所における成分液の漏液対策を考慮しなければならず、マグネットカップリングを設けて密閉させた効果が半減するという問題も新たに生じる。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、ポンプ機能により定量吐出される成分液を冷却用に循環させる場合に、専用のポンプを用いることなく、簡易な構成で実現し、成分液に含まれる発泡剤のガス化を防止することのできる高圧ウレタン発泡用の定量高圧ポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため本発明に係る高圧ウレタン発泡用の定量高圧ポンプは、
高圧ウレタン発泡用に使用され、ピストンを有するシリンダブロックを駆動するためのマグネットカップリング構造を有する定量高圧ポンプにおいて、
高圧ウレタン発泡用の成分液を吸引する吸引部と、
高圧ウレタン発泡用の成分液を吐出する吐出部と、
吸引部から吸引した成分液を吐出部から定量吐出させるための前記シリンダブロックと、
シリンダブロックが収容されるブロック空間部と、
シリンダブロックを駆動するための駆動軸と、
吸引部へ成分液を導くための成分液導入空間部と、
駆動軸と一体的に結合されたインナーローターと、
このインナーローターの外周に配置され電動機により回転駆動されるアウターローターと、
インナーローターとアウターローターの間に配置され、両者を空間的に遮断するローターケーシングと、
ローターケーシングとインナーローターの外周の間に形成されるローター外空間部に成分液導入空間部からの成分液を導くためのパイプと、を備え、
前記インナーローターは、
前記駆動軸と連結される連結部と、
連結部に隣接して配置され、前記ローター外空間部と連通するローター内第1空間部と、
前記連結部内に形成されるローター内第2空間部と、
ローター内第1空間部とローター内第2空間部の間に配置される負圧発生部材と、を備え、
インナーローターの回転により負圧発生部材を回転させることで負圧を発生させ、ローター内第1空間部の成分液をローター内第2空間部を経由してインナーローター外へ排出させることで、前記成分液導入空間部から前記パイプを介して導入した成分液を循環させるように構成したことを特徴とするものである。
【0011】
かかる構成を有する高圧ウレタン発泡用の定量高圧ポンプの作用・効果を説明する。成分液を定量吐出する場合は、シリンダブロックを駆動し、吸引部から成分液を吸引して、吐出部から定量の成分液を吐出させる。シリンダブロックは駆動軸により駆動されるが、この駆動軸を回転駆動するために、マグネットカップリング構造を採用する。電動機によりアウターローターを回転駆動することで、磁力の作用によりインナーローターを回転駆動させ、駆動軸が回転する。アウターローターとインナーローターに間には、ローターケーシングが配置されているため、成分液がもれてくることを防止することができる。
【0012】
冷却用の成分液は、成分液導入空間部からパイプを介して導入され、ローターケーシングとインナーローターの外周の間の空間部を通り、インナーローターのローター内第1空間部へ導かれる。また、インナーローター内には、ローター内第1空間部とローター内第2空間部が隣接配置され、両者の間に負圧発生部材が配置されている。インナーローターが回転すると、負圧発生部材の作用により、ローター内第1空間部の成分液は、ローター内第2空間部を通って、インナーローター外部へと排出させる。排出された成分液は、駆動軸の軸受などを通り、シリンダブロックが収容されるブロック空間部へと移動する。従って、インナーローターが回転することで、ローター内第1空間部に負圧が発生し、成分液導入空間部から成分液を吸引する力が発生し、連続的に成分液を循環させることができる。これにより、成分液の温度が上昇することを抑制することができる。また、専用ポンプを用いることなく、成分液をパイプへと吸引させることができ、コストダウンに寄与することができる。その結果、ポンプ機能により定量吐出される成分液を冷却用に循環させる場合に、専用のポンプを用いることなく、簡易な構成で実現し、成分液に含まれる発泡剤のガス化を防止することのできる高圧ウレタン発泡用の定量高圧ポンプを提供することができる。
【0013】
本発明において、インナーローターの外周に成分液を案内するための螺旋溝が形成されていることが好ましい。
【0014】
インナーローターの外周に形成されるローター外空間部は、成分液を通すことを考えれば大きな隙間にすることが好ましいが、磁力の発生の点を考慮すれば、狭いほうが好ましい。そこで、インナーローター外周に螺旋溝を形成することで、成分液を通過する空間と磁力の発生の両方の要求を満たすことができる。
【0015】
本発明において、前記負圧発生部材は、インナーローターの回転軸を中心に回転する羽根であることが好ましい。
【0016】
かかる羽根を設けて回転させることにより、ローター内第1空間部内に負圧を発生させることができ、成分液の連続的な流れを創出することができる。
【0017】
本発明において、前記ローター内第2空間部は、駆動軸の外周に沿って配置される多数の連通孔により構成されることが好ましい。
【0018】
このローター内第2空間部は、連結部に形成されるものであるが、上記多数の連通孔を形成することで、駆動軸を連結するという連結部としての機能を保持しつつ、成分液をインナーローターの外部へ排出させる機能も持たせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係る高圧ウレタン発泡用の定量高圧ポンプの好適な実施形態を図面を用いて説明する。高圧ウレタン発泡においてウレタンフォームを製造するために、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を混合する必要があるが、本発明に係る定量高圧ポンプは、例えば、ポリオール成分を定量供給するために使用される。ポリオール成分は、ポリオールと発泡剤から構成されており、沸点が40℃程度の発泡剤が加熱によりガス化しないようにする必要がある。
【0020】
<構成>
図1は、定量高圧ポンプの構成を示す断面図である。定量高圧ポンプは、大きく分けてポンプ主要部Aとマグネットカップリング部Bとから構成されている。ポンプのタイプは、ピストンポンプである。ポンプ主要部A自体の構造は、公知の構造のものを使用することができる。
【0021】
第1本体部1に成分液入口部1aが設けられており、成分液がポンプ内に導入される。第2本体部2に成分液出口部2aが設けられており、定量の成分液がポンプ外に排出される。第1本体部1の内部には、成分液導入空間部1bが形成されている。第2本体部2の内部には、シリンダブロック3を収容するためのブロック空間部2bが形成されている。成分液導入空間部1bやブロック空間部2bの内部は、成分液により満たされている。
【0022】
シリンダブロック3は、多数のピストンが設けられており、吸引部2cから成分液を吸引し、吐出部2dから定量の成分液を吐出させる。吐出部2dから吐出された成分液は、内部通路2eを通って成分液出口部2aからポンプ外に排出される。シリンダブロック3を駆動するための駆動軸4が、シリンダブロック3と同軸上に設けられている。駆動軸4は、大径部4aと小径部4bとが同軸に連結された構成を有している。大径部4aは、シリンダー駆動部4cと一体に結合されており、このシリンダー駆動部4cが回転されることで、シリンダブロック3内のピストンを駆動することができる。大径部4aは、第2本体部2に対して3つの軸受5により支持されている。
【0023】
次に、駆動軸4を回転駆動するためのマグネットカップリング構造について説明する。まず、駆動源としての電動機6が設けられており、駆動伝達用として電動軸6aが設けられている。この電動軸6aにはアウターローター7が圧入などの方法により固着されており、その内面部には磁石7a(永久磁石又は電磁石)が配設されている。
【0024】
駆動軸4には、インナーローター8が圧入などの方法により、固着されている。インナーローター8の外面部には磁石8aが配設されている。インナーローター7とアウターローター8の磁石7a,8aは、ちょうど向かい合う位置関係にある。インナーローター8は連結部8bと、磁石保持部8cと、ローター内第1空間部8dとを備えている。連結部8bと磁石保持部8cは一体形成されており、磁石保持部8cの外面部に磁石8aが装着される。
【0025】
連結部8bが駆動軸4の小径部4bに圧入などの方法により固着される。連結部8bの外周部の外径寸法よりも、磁石保持部8cの外周部の外径のほうが大きくなるように設定されており、両者の間に段部8eが形成される。磁石保持部8cの内部空間は、ローター内第1空間部8dとして機能し、冷却用の成分液が導入される空間となる。ローター内第1空間部8dの内径寸法は、駆動軸4の小径部4bの直径よりも大きくなるように設定される。
【0026】
連結部8bの内部には、ローター内第2空間部として機能する連通孔8fが円周方向に沿って等間隔に配置されている。図2は、連結部8bを図1の左側からみた平面図を示す。連結部8bの中心には駆動軸4の小径部4bが連結されており、その周囲に、6つの連通孔8fが配置される。この連通孔8fの配置個数、配列ピッチ、断面形状、等間隔にするか否かなどは適宜決めることができる。また、連通孔8fの内径は入口側と出口側とで異ならせてもよい。このような連通孔8fを設けることで、成分液をインナーローター8の外部へ排出させる機能を持たせることができると共に、駆動軸4を連結する機能(強度)も持たせることができる。
【0027】
また、連通孔8f(ローター内第2空間部)とローター内第1空間部8dの間には、羽根8g(負圧発生部材に相当)が配置される。この羽根8gを図1の右側からの軸方向視の形状を図3に示す。図3に示すように、円周方向に沿って羽根8gが等間隔で6枚配置されている。この羽根8gと羽根8gの間に連通孔8fが位置する関係にある。ただし、本発明として、羽根8gの枚数は適宜設定できるものであり、連通孔8fの数と一致させる必要はない。また、連通孔8fと羽根8gの円周方向の位相関係は、図3に示す構成以外であってもよい。
【0028】
連通孔8fは、図1に示すように直線部分8f1を有しており、羽根8gの裏側の空間8f2とつながっている。羽根8gの裏側の空間8f2は、図1に示すように、インナーローター8の回転軸に対して斜めになっており、羽根8g群の中心に形成された丸孔とつながっている。このような傾斜した空間8f2を設けることで、遠心力の作用により丸孔から連通孔8の直線部分8f1へと成分液を導くことができる。また、羽根8gが回転することで、ローター内第1空間部8dに積極的に負圧を発生させることができ、成分液の流れを創出することができる。
【0029】
インナーローター8の磁石8aの表面と、アウターローター7の磁石7aの表面の間にはローターケーシング9が配置されており、アウターローター7とインナーローター8とを空間的に完全に遮断している。インナーローター8とアウターローター7とは、磁力をできるだけかせぐために、できるだけ近接させる必要がある。インナーローター8の磁石8a表面と、ローターケーシング9の内壁面との間の隙間は、成分液を通すためのローター外空間部として機能する。
【0030】
連結具10は、電動機6とポンプ主要部Aとを連結するための部材である。連結具10にはフランジ部10aが形成されており、電動機6の取り付け部として機能する。ローターケーシング9にもフランジ部9bが形成されており、連結具10の内面部10bに取り付けられている。連結具10のフランジ部10aが設けられている側とは反対側の端部に取り付け部9cが設けられており、第2本体部2に結合される。これらローターケーシング9及び連結具10の構成により、成分液が完全に漏れてこないように封止することができる。
【0031】
連結具10の取り付け部10cの側には、成分液を通すための内部通路10dが形成されている。成分液導入空間部1bの側部には、パイプ11を接続するための接続部1cが設けられており、パイプ11の他端は、連結具10の接続部10eに接続されている。
【0032】
連結具10に形成された内部通路10dと、貫通孔8fの出口側の空間部とを遮蔽するために隔壁12が設けられている。これにより、成分液導入空間部1b内の成分液をインナーローター8の方向へ導く循環経路が形成される。
【0033】
<動作>
次に、図1に示す定量高圧ポンプの動作について説明する。電動機6を駆動すると、アウターローター7が回転駆動される。アウターローター7の磁石7aとインナーローター8の磁石8aの作用により、インナーローター8が回転駆動され、これと一体の駆動軸4も回転する。これにより、シリンダブロック3が駆動し、吸引部2cから成分液を吸引し、吐出部2dから定量吐出される。
【0034】
一方、インナーローター8が回転駆動されることで、羽根8gも同様に回転し、遠心力の作用によりローター内空間部8d内の成分液が連通孔8f内に吸引され、インナーローター8の外部に排出される。連通孔8fの出口側から排出した成分液は、軸受5の部分を伝達し、ブロック空間部2bや成分液導入空間部1の方向に移動する。
【0035】
羽根8gの回転により成分液が吸引されるために負圧が発生し、成分液導入空間部1bからパイプ11を介して成分液を吸引する力が作用する。パイプ11内に導入された成分液は、連結具10内の内部通路10d、ローター外空間部9aを通り、インナーローター8のローター内第1空間部8d内へと導かれる。従って、負圧が発生し続ける限り、パイプ11を介しての成分液の導入(循環)を連続的に行なうことができる。
【0036】
インナーローター8が回転することや、ローターケーシング9に発生する渦電流などにより、熱が発生し、これが成分液を加熱させる原因となるが、羽根8gや連通孔8fを設けることで成分液を積極的に循環させることで、加熱された成分液が同じ場所に滞留することがなく、必要以上に加熱されてしまうことを防止することができる。従って、成分液に含まれる発泡剤の沸点以上に成分液が加熱されてガス化されるという問題をなくすことができ、安定して定量吐出を行なうことができる。また、気泡の発生によるポンプの故障などもなくすことができる。また、専用のポンプを使用しなくても、成分液をインナーローター8の方向に吸引することができ、コストダウンを図ることができる。
【0037】
<別実施形態>
図2は、インナーローター8の別実施形態の構成を示す図である。この実施形態では、磁石8aの表面に螺旋溝8gを形成している。ローター外空間部9aの隙間寸法はできるだけ小さいほうが好ましいが、あまり狭くすると成分液が流れにくくなる。そこで、図4に示すように螺旋溝8gを形成することで、成分液の流通性も確保することができる。
【0038】
本発明において対象となる成分液については、発泡剤の種類など、特定のものに限定されるものではない。また、本発明はポリオール成分の定量供給だけでなく、ポリイソシアネート成分の定量供給の場合にも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】定量高圧ポンプの構成を示す断面図
【図2】連通孔の形状を示す平面図
【図3】羽根の形状を示す平面図
【図4】別実施形態にかかるインナーローターの構成を示す図
【符号の説明】
【0040】
1b 成分液導入空間部
2b ブロック空間部
2c 吸引部
2d 吐出部
3 シリンダブロック
4 駆動軸
5 軸受
6 電動機
7 アウターローター
7a 磁石
8 インナーローター
8a 磁石
8b 連結部第1空間部
8f 連通孔
8f1 直線部分
8f2 空間
8g 羽根
9 ローターケーシング
9a ローター外空間部
11 パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧ウレタン発泡用に使用され、ピストンを有するシリンダブロックを駆動するためのマグネットカップリング構造を有する定量高圧ポンプにおいて、
高圧ウレタン発泡用の成分液を吸引する吸引部と、
高圧ウレタン発泡用の成分液を吐出する吐出部と、
吸引部から吸引した成分液を吐出部から定量吐出させるための前記シリンダブロックと、
シリンダブロックが収容されるブロック空間部と、
シリンダブロックを駆動するための駆動軸と、
吸引部へ成分液を導くための成分液導入空間部と、
駆動軸と一体的に結合されたインナーローターと、
このインナーローターの外周に配置され電動機により回転駆動されるアウターローターと、
インナーローターとアウターローターの間に配置され、両者を空間的に遮断するローターケーシングと、
ローターケーシングとインナーローターの外周の間に形成されるローター外空間部に成分液導入空間部からの成分液を導くためのパイプと、を備え、
前記インナーローターは、
前記駆動軸と連結される連結部と、
連結部に隣接して配置され、前記ローター外空間部と連通するローター内第1空間部と、
前記連結部内に形成されるローター内第2空間部と、
ローター内第1空間部とローター内第2空間部の間に配置される負圧発生部材と、を備え、
インナーローターの回転により負圧発生部材を回転させることで負圧を発生させ、ローター内第1空間部の成分液をローター内第2空間部を経由してインナーローター外へ排出させることで、前記成分液導入空間部から前記パイプを介して導入した成分液を循環させるように構成したことを特徴とする高圧ウレタン発泡用の定量高圧ポンプ。
【請求項2】
インナーローターの外周に成分液を案内するための螺旋溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高圧ウレタン発泡用の定量高圧ポンプ。
【請求項3】
前記負圧発生部材は、インナーローターの回転軸を中心に回転する羽根であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高圧ウレタン発泡用の定量高圧ポンプ。
【請求項4】
前記ローター内第2空間部は、駆動軸の外周に沿って配置される多数の連通孔により構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高圧ウレタン発泡用の定量高圧ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−52531(P2009−52531A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222849(P2007−222849)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】