説明

高密度流体プロセスの温度、圧力、密度を制御する方法とプロセス

【課題】高密度流体処理プロセスの効率を改善する。
【解決手段】高密度流体処理プロセス用の圧力容器内の温度、圧力、密度の、改良された制御の方法を提供する。処理方法は、容器内の圧力が増加される少なくとも1つの加圧工程と、容器内の圧力が減少される少なくとも1つの減圧工程とを備え、処理方法の少なくとも一部には、少なくとも流体の一部を再循環する工程を備える。またこの方法は、ホールドの工程を備え、そこでは容器内の圧力はほぼ一定である。この方法は、再循環ループの流体の温度を制御する工程を備え、熱が、再循環ループの流体に加えられ、及び/又は再循環ループの流体から取り去られる。またこの方法は、容器内の温度、圧力、及び/又は密度を制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧力条件下で、特に超臨界条件下で、高密度流体を用いて処理する容器内の、温度、圧力、及び密度を制御する方法と装置に関する。更に、特に本発明は、高密度流体処理プロセスの効率を改善するために、高密度流体処理プロセスの圧力容器内の温度、圧力、及び密度を制御するための、測定と手順と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧力下の流体、特に超臨界条件下の流体は、多くの用途に対して魅力的な特性を有する。拡散性、粘性、及び表面張力は、ガスに似ているが、密度及や可溶性のような特性は、液体に似ている。そのうえ、可溶性は温度や圧力のような簡単な手段で調整できる。
【0003】
準臨界条件又は超臨界条件でのそのような高密度流体のこれらの魅力的な特性は、多くの関心を呼び、多くの用途が世界中の研究所で開発されている。用途の例としては、ミクロン及びナノ領域での微粒子の含浸(コーティング)、抽出、反応、合成、新しい先進材料の合成等、が含まれる。
【0004】
高密度流体の可溶性は、流体密度の関数であり、多くの用途の運転期間は、普通、可溶性を考慮して選択される。高密度流体の密度は、温度と圧力の一義的な関数である。更に、多くの用途は、熱感受性の高い化合物又は材料の処理を含み、そこでは、温度又は圧力の勾配が、最終生産物の機械的完全性に影響するか、又は品質の容認できない大きな変化を引き起こす。このことは多孔性媒体の高圧処理、例えば、含浸(コーティング)又は抽出プロセス、を含む用途で特に当てはまる。
【0005】
そのような用途は、普通、加圧工程、ほぼ一定圧力の工程、及び減圧工程を含む。もし、例えば、運転圧力が約150barならば、容器の自由体積が75%であれば加圧中に約40℃の断熱温度上昇が生じ、容器の自由体積がもっと大きければもっと大きな断熱温度上昇が生じる。同様に、減圧中は同じような温度降下が生じる。もし処理される材料によって占められていない自由体積が容器内に存在するならば、かなりの高温が局所的に生じるであろう。温度は流体の密度と圧力に重大な影響を与えるので、そのような制御されていない温度上昇は、多くの用途では好ましくない。例えば、145barかつ45℃で運転する超臨界CO2を使用するプロセスでは、一定密度を維持するために、わずか6℃の温度降下が、20barの圧力減少という結果を生じる。実際には温度降下は圧力の変化ではなく、密度の変化により補償される。高密度流体の可溶性は密度に関係するので、温度の効果は高密度流体プロセスの性能に大変強い影響を与え、正確に制御する必要がある。
【0006】
多くの高密度流体の応用は、ミリメートルからリッター規模の小口径容器でパイロット規模で、まだ研究室でのみ行なわれている。そのような高密度流体の応用では、温度制御は、普通、ジャケット付きの(二重壁の)容器を使用し、流体をサーモスタットで冷却又は加熱して、プロセスから熱を除去し、又はプロセスに熱を加えることにより、また、入口流体の温度を制御することにより行なわれる。
【0007】
しかし、そのようなプロセスを大規模な工業用容器に拡大する場合には、容器の伝熱面積は、容器壁を通して十分な熱交換を確保するためには、大きさが不十分であることが分かった。更に、容器内に重大な温度及び密度の勾配が存在し、プロセス効率を減少させ、最終製品の品質に容認できない大きな変動をもたらすことが分かった。
【0008】
【特許文献1】WO9627704
【特許文献2】EP0083890
【特許文献3】EP1265683
【特許文献4】US5514220
【特許文献5】US5599381
【特許文献6】US4163580
【特許文献7】US4059308
【特許文献8】EP1265583
【非特許文献1】「超臨界流体抽出(Supercritical Fluid Extraction)」、マーク・マックヒュー、バル・クルコニス共著、バターワース‐ハインマン、1994
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、高密度流体処理プロセスの効率を改善するために、高密度流体処理プロセス用の圧力容器内の温度、圧力、密度の、改良された制御の方法を提供することである。本発明の他の目的は、容器内の流体の混合を改良するための方法を提供することである。更に、本発明の目的は、そのようなプロセスのエネルギー消費量及び装置サイズを低減する方法を提供することを含む。
【0010】
更に、上述の方法で材料の処理をするのに使用する装置を提供することも、本発明の目的である。更に、上述の方法で得られた生産物を提供することも、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下の説明から明らかになるこれらの目的及び利益は、以下に説明する本発明の好ましい実施例によって得られる。
【0012】
本発明の1実施例では、方法は、容器内に存在する流体に関連し、容器内の圧力が増加される少なくとも1つの加圧工程と、容器内の圧力が減少される少なくとも1つの減圧工程とを備えることができる。
【0013】
本発明の他の実施例では、方法は、少なくともその方法の一部の時間で少なくとも流体の一部を再循環することを更に備えることができ、再循環は、容器内に含まれる流体の少なくとも一部を容器から抜き出し、それを再循環ループに供給し、その後流体を容器に供給する。
【0014】
更に、本発明による方法は、ホールドの工程を備え、そこでは容器内の圧力はほぼ一定であり、及び/又は容器内の流体の圧力はあらかじめ選定された計画に従って、あらかじめ決められた長さのホールド期間の間変化することができ、流体はホールド期間の間、臨界条件であることが好ましい。
【0015】
更に、本発明による方法は、再循環ループの流体の温度を制御する工程を備えることができる。
【0016】
他の好ましい実施例では、熱が、再循環ループの流体に加えられ、及び/又は再循環ループの流体から取り去られる。
【0017】
この方法は、本発明により、容器内の温度、圧力、及び/又は密度を制御することができると有利である。
【0018】
更に、加圧工程の後の流体は、本発明の好ましい実施例により、超臨界状態であることができる。
【0019】
好ましい実施例では、流体は、二酸化炭素、アルコール、水、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、6フッ化硫黄、亜酸化窒素、クロロトリフルオロメタン、モノフルオロメタン、メタノール、エタノール、DMSO、イソプロパノール、アセトン、THF、酢酸、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、N,N−ジメチルアニリン等及びこれらの混合物からなるグループから選ぶことができる。
【0020】
他の好ましい実施例では、流体は、更に、メタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ヘプタン、ベンゼン、アンモニア、プロパノール等及びこれらの混合物からなるグループから選ぶことができる。
【0021】
更に、本発明による流体は、二酸化炭素とすることができる。
【0022】
流体は、更に、本発明の好ましい実施例により少なくとも1つのコソルベントを備えることができる。
【0023】
コソルベントは、本発明の好ましい実施例により、アルコール(類)、水、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、6フッ化硫黄、亜酸化窒素、クロロトリフルオロメタン、モノフルオロメタン、メタノール、エタノール、DMSO、イソプロパノール、アセトン、THF、酢酸、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、N,N−ジメチルアニリン等及びこれらの混合物からなるグループから選ぶことができる。
【0024】
更に、コソルベントは、本発明の好ましい実施例により、メタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、アンモニア、ベンゼン等及びこれらの混合物からなるグループから選ぶことができる。
【0025】
流体は、他の好ましい実施例では、更に、1以上の界面活性剤とすることができ、前記界面活性剤は、好ましくは親水性/親油性のバランス値(HLB値)が15より小さい、炭化水素、フルオロカーボンからなるグループから選ばれるのが好ましく、このHLB値は、次の式によって決定される。
HLB=7+(親水性グループ数の和)−(親油性グループ数の和)
【0026】
減圧工程後の流体は、本発明により、ガス及び/又は液体及び/又は固体であると有利である。
【0027】
更に他の好ましい実施例では、再循環ループに存在する流体は、容器内の流体とほぼ同じ熱力学的特性を有し、例えば、液又は固体への相変化を受けないようにすることができる。
【0028】
更に、本発明による再循環は、加圧工程の間及び/又は減圧工程の間及び/又は、請求項3から14の場合はホールド工程の間に行なうことができる。
【0029】
他の実施例では、圧力容器内の流体の一部は、70barより下の圧力容器内の圧力から又は70barより下の圧力容器内の圧力へ、例えば、60barより下の圧力から又は60barより下の圧力へ、再循環ループに抜き出すことができ、40barより下の圧力から及び/又は40barより下の圧力へ抜き出すことができることが好ましく、2barより下の圧力から及び/又は2barより下の圧力へ抜き出すことができると有利である。
【0030】
更に、本発明の好ましい実施例では、容器から抜き出される流体の体積は、1時間当たり少なくとも1容器の容積の交換に相当することができ、例えば、1時間当たり少なくとも2容器の容積とすることができ、1時間当たり少なくとも5容器の容積とするのが好ましく、更に1時間当たり少なくとも10容器の容積とすると有利であり、1時間当たり10から20容器の容積の範囲の交換に相当することが好ましい。
【0031】
加圧工程後の容器内の圧力は、本発明により、85から500barの範囲とすることができ、85から300barの範囲、例えば100から200barの範囲とすることが好ましい。
【0032】
他の好ましい実施例では、容器内の温度は、20から300℃の範囲、例えば30から150℃に保持することができ、35から100℃の範囲、例えば40から60℃の範囲に保持することが好ましい。
【0033】
更に、本発明により、加圧(減圧)期間の間、加圧(減圧)率が特定の圧力間隔においてあらかじめ決定された態様で制御される。
【0034】
本発明の更なる実施例では、40から120barの圧力範囲の少なくとも一部における圧力上昇率は、この範囲外の最大加圧率の多くて1/2倍、例えば最大加圧率の1/3倍、好ましくは最大加圧率の多くて1/5倍とすることができ、この圧力範囲外の最大加圧率の多くて1/10倍とすることがより好ましい。
【0035】
他の好ましい実施例では、110barより下の圧力間隔の少なくとも一部における減圧率は、この範囲外の最大減圧率の多くて1/2倍、例えば最大減圧率の1/3倍、好ましくは最大減圧率の多くて1/5倍とすることができ、この圧力範囲外の最大減圧率の多くて1/10倍とすることがより好ましい。
【0036】
あらかじめ決定された態様で加圧(減圧)率を制御する場合、処理される材料、例えば全体がコルクでできた栓、木材等の熱感受性材料は、破壊されたり損傷を受けたりしない。
【0037】
更に、本発明により、減圧中に容器に送られる流体の温度は、10℃まで上昇することができ、例えばホールド期間中の入口温度と比較して25℃まで上昇することができる。
【0038】
減圧中に容器に供給される流体の温度は、本発明の実施例により、40barより上の圧力では35から70℃の範囲で保持することができる。
【0039】
本発明の実施例では、容器内の流体の圧力は、分離手段に供給される前のホールド期間中、減圧することができる。
【0040】
本発明の他の実施例では、加圧工程中の圧力上昇率は、普通、0.05から100bar/minの範囲、例えば0.1から20bar/minとすることができ、0.1から15bar/minの範囲、例えば0.2から10bar/minの範囲とすることが好ましい。
【0041】
更に、本発明により、ホールド期間中又は加圧工程中の圧力上昇は、容器に供給される流体の温度を少なくとも部分的に上昇することによって得られ、前記温度上昇は、容器に供給される前の流体に熱を加えることによって得られるのが好ましい。
【0042】
本発明の更なる他の実施例では、加圧工程中の圧力上昇率及び/又は減圧工程中の圧力降下率は、流体に少なくとも部分的に熱を加え、又は流体から少なくとも部分的に熱を取り去ることにより制御することができ、流体は、再循環ループ内に存在する流体であることが好ましい。
【0043】
本発明の実施例により、ホールド期間の全期間又はある期間の間に容器に供給される流体の温度は、容器内の温度変化に対応する圧力変化を生じるために、あらかじめ決められた計画に従って変化することができる。
【0044】
本発明の他の実施例では、ホールド期間の全期間又はある期間の間に容器に供給される流体の温度は、あらかじめ決められた計画に従って変化することができ、圧力は、容器内の温度変化に対応する密度変化を生じるために、容器に流体を加え又は容器から流体を抜き出すことにより、ほぼ一定のレベルに保持することができる。
【0045】
更に、温度の最大及び最小レベルは、本発明の実施例により、最大及び最小レベルの間が75%まで、例えば50%、好ましくは30%までの密度変化を与えるように、選ぶことができる。
【0046】
本発明による容器の直径は、少なくとも10cm、例えば25cm、好ましくは少なくとも40cm、より好ましくは少なくとも60cm、更に、より好ましくは少なくとも80cmであると有利であり、更に120cmより大きいと有利である。
【0047】
更に、本発明による圧力容器は、水平にも垂直にも配置することができる。
【0048】
更に、本発明による再循環ループは、前記流体に熱を加え又は流体から熱を取り去るために、少なくとも1つの熱交換器を備えることができる。
【0049】
本発明の他の実施例では、再循環ループは、前記流体を抜き出し再循環させるための手段を備え、前記手段は再循環ループの動圧損失とほぼ同じ大きさのヘッドを有することができる。
【0050】
更に他の実施例では、前記手段は、遠心ポンプ、遠心コンプレッサー、ピストンポンプ及び/又はピストンコンプレッサーを備えることができる。
【0051】
更に、本発明による手段のトータルヘッドは、再循環ループの動圧損失とほぼ同じ大きさとすることができ、それにより大きな圧力ヘッドよりむしろ高い体積処理量を与える。
【0052】
本発明の実施例では、外部の再循環ループのどの部分に存在する流体の圧力もほぼ一定で、循環の特定の段階での容器内の圧力と同一オーダーの大きさとすることができる。
【0053】
コーティング又は含浸処理が、本発明の実施例により、圧力容器で行なうことができると有利である。
【0054】
本発明の好ましい実施例による再循環ループは、流体を化学物質と混合するための、熱交換器の下流に配置された、混合容器を更に備えることができる。
【0055】
更に、化学物質を含む混合容器は、本発明の実施例により、コーティング又は含浸処理のために使用することができる。
【0056】
抽出処理は、本発明により、圧力容器内で行なうか又は圧力容器内で追加して行なうことができると有利である。
【0057】
本発明の他の実施例では、再循環ループは、抽出された成分から超臨界流体を分離するための手段を備えることができる。
【0058】
抽出された成分から超臨界流体を分離する前記手段は、更に、本発明により、1以上のサイクロン段階を備えることができる。
【0059】
更に、前記サイクロンの圧力は、本発明により、各段階の間で減少するようにすることができる。
【0060】
本発明の1実施例では、前記サイクロンの温度は、各段階の間で減少するようにすることができる。
【0061】
本発明の他の実施例では、少なくとも最後のサイクロンの運転圧力と温度は、前記超臨界流体の臨界点より下にすることができる。
【0062】
更に、抽出された成分から超臨界流体を分離する手段は、本発明の好ましい実施例により、活性炭フィルターを備え、又は更に備えることができる。
【0063】
更に、分離は、本発明により、ガス状及び液体状の両方の前記超臨界流体を有する容器で行なうことができ、液相は、容器内で特定のレベルに制御されるのが好ましい。
【0064】
本発明により、分離は、ガス状及び液体状の両方の前記超臨界流体を有する、重量分析器を設置したチャンバーで行なうことができ、液相は、容器内で特定のレベルに制御されるのが好ましい。
【0065】
本発明の1実施例では、前記方法は、容器に含まれる材料から成分を抽出する少なくとも1つの工程を更に備え、前記抽出工程は、成分の抽出が起こるあらかじめ設定した状態を得るために、容器内の熱力学的状態の制御を備える。
【0066】
本発明の1実施例により、成分の前記抽出は、抽出される前記成分の沸点よりも最大25℃低い温度で実施されることができ、抽出される前記成分の沸点よりも最大15℃低い温度で実施されるのが好ましく、抽出される前記成分の沸点よりも最大10℃低い温度で実施されるのが更に好ましく、抽出される前記成分の沸点とほぼ同一か又は沸点よりも高い温度で実施されるのが、最も好ましい。
【0067】
本発明の他の実施例により、容器内の材料からの前記成分抽出は、容器内の温度で実施することができ、この温度は、容器に含まれる材料の最高連続運転温度に近く、例えば、処理される材料の最高連続運転温度の−25℃から+25℃の範囲であり、例えば、処理される材料の最高連続運転温度の−10℃から+10℃の範囲である。
【0068】
更に、容器内の材料からの前記成分抽出は、容器内の温度で実施することができ、この温度は、本発明により、容器内の前記材料の熱分解温度より低い。
【0069】
更に、容器内に含まれる材料からの前記成分抽出中の容器内の温度は、本発明により、70から140℃の範囲とすることができる。
【0070】
本発明の1実施例により、容器内に含まれる材料からの前記成分抽出中の容器内の圧力は、100から500barの範囲、例えば120から300barの範囲とすることができる。
【0071】
本発明の他の実施例により、容器内に含まれる材料から前記成分を抽出するのに使用されるCO2の量の、容器内に含まれる材料の量に対する割合は、1kg/kgから80kg/kgの範囲とすることができ、例えば、1kg/kgから60kg/kgの範囲、好ましくは1kg/kgから40kg/kgの範囲、例えば5kg/kgから20kg/kgの範囲とすることができる。
【0072】
抽出される成分は、本発明により、処理される材料中の好ましくない臭いの原因となる成分とすることができる。
【0073】
更に、容器内の材料から抽出される成分は、本発明の他の実施例では、有機溶媒、モノマー、増量剤オイルのような芳香族オイル、及び有機酸、のような有機物の抽出物を含むことができる。
【0074】
本発明の1実施例では、潜在的アレルゲンは、少なくとも10%減らすことができ、例えば少なくとも25%減らすことができ、少なくとも50%減らすことができることが好ましい。
【0075】
更に、Znの含有量は、本発明により、少なくとも10%減らすことができ、例えば少なくとも25%減らすことができ、少なくとも50%減らすことができることが好ましい。
【0076】
本発明の実施例では、重金属のような無機物、例えばZnは、処理後の材料中にほぼそのまま残すことができる。
【0077】
更に、容器内の熱力学的状態は、本発明により、容器内に含まれる材料から選択的な成分抽出を得る一方、材料中の他の抽出可能な成分をほぼ残すようにするために制御することができる。
【0078】
前記選択的抽出は、本発明により、容器中の材料の中に維持したい成分で抽出流体をほぼ飽和させることによって、更に制御することができると有利である。
【0079】
本発明により、前記方法は、その後の抽出工程を備えることができ、その後の各抽出工程の熱力学的状態は、容器内の材料からのあらかじめ選択した成分抽出が生じる、あらかじめ選択した状態を得るために制御される。
【0080】
更に、第1の工程における熱力学的状態は、本発明により、あらかじめ選択された状態を得るように選択することができ、そこでは、あらかじめ選択された抽出が、処理される材料中の好ましくない臭いがほぼ取り除かれる一方、増量剤オイル、芳香族オイル、酸化防止剤、及びオゾン劣化防止剤のような他の抽出可能成分の大部分が、処理される材料中に維持される結果となるようにすることができる。
【0081】
本発明の他の実施例では、第1の工程における熱力学的状態は、抽出可能物質の総量に対する第1の工程で除かれる抽出物質の総量が10から35%の範囲にあるように、選択することができる。抽出可能物質の総量は、例えばSOXLETH法(ASTM D1416)により、溶媒としてペンタンを使用して決定される。
【0082】
本発明の更なる他の実施例では、生産物中の芳香族オイル、有機酸、酸化防止剤、及びオゾン劣化防止剤の残りの量は、少なくとも0.5重量%とすることができ、例えば、少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも2重量%、例えば少なくとも3重量%とすることができ、処理された材料がほぼ臭いがしなくなるようにすることができる。
【0083】
更に、第1の工程での熱力学的状態は、本発明により、容器中の温度が65から100℃の範囲、例えば70から90℃の範囲であるように制御することができ、容器中の圧力が100から200barの範囲、例えば140から170barの範囲であるように制御される。
【0084】
更に、第2の抽出工程での熱力学的状態は、本発明により、容器中の温度が80から140℃の範囲であるように制御することができ、容器中の圧力が200から300barの範囲であるように制御される。
【0085】
本発明の好ましい実施例では、前記方法は、容器中に含まれる材料から成分を抽出する少なくとも1つの工程を更に備えることができ、そこでは前記抽出は、
成分の抽出が生じる、あらかじめ選択された状態を得るために容器内の熱力学的状態を制御する工程と、
容器に含まれる材料から成分を抽出する前記工程の間、容器内に含まれる流体の少なくとも一部を前記容器から抜き出し、それを前記流体から抽出成分を分離するために再循環ループに供給する工程と、
前記流体の臨界圧力より上の圧力で、前記流体から前記抽出成分を少なくとも部分的に分離する工程と、
前記分離された流体を容器に供給する工程とを備える。
【0086】
更に、前記抽出のための容器内の圧力は、本発明により、少なくとも150bar、例えば少なくとも200bar、例えば少なくとも300barとすることができる。
【0087】
本発明により、前記流体から前記抽出成分の前記分離をするための圧力は、前記成分抽出のための容器内の圧力の少なくとも1/2、例えば前記成分抽出のための容器内の圧力の少なくとも2/3、例えば前記成分抽出のための容器内の圧力の少なくとも3/4とすることができる。
【0088】
分離のための熱力学的状態は、本発明により、前記流体中の抽出成分の可溶性が、前記成分抽出のための容器内の圧力での抽出成分の可溶性の最大20%であるように、例えば前記成分抽出のための容器内の圧力での抽出成分の可溶性の最大10%であるように、好ましくは前記成分抽出のための容器内の圧力での抽出成分の可溶性の最大5%であるように、制御することができると有利である。
【0089】
更に、前記方法は、本発明により、容器内に含まれる材料に含浸するための、少なくとも1つの含浸又はコーティングの工程を更に備えることができ、そこでは前記含浸又はコーティングの工程は、容器内の熱力学的状態の制御を備え、容器内に含まれる1以上の反応物質のような含浸成分が、容器内に含まれる材料に含浸又はコーティングする、あらかじめ選択した状態を得るようにすることができる。
【0090】
本発明により、前記含浸又はコーティングの工程は、化学反応を含むことができる。
【0091】
更に、前記含浸又はコーティングの工程で使用される化学物質は、本発明により、化学反応のための前駆物質とすることができる。
【0092】
前記化学反応は、本発明により、シリレーションであると有利である。
【0093】
本発明の好ましい実施例では、前記化学物質は、容器内に含まれる前記材料上のほぼ単分子層に含浸又はコーティングされることができる。
【0094】
本発明の他の実施例では、容器内に含まれる前記材料上の前記化学物質の表面被覆率は、少なくとも5分子/nm2、例えば少なくとも6分子/nm2とすることができる。
【0095】
更に、ホールド期間は、本発明により、1以上の抽出工程を備え、抽出工程の次に1以上の含浸工程が続くことができる。
【0096】
更に、ホールド期間は、本発明により、1以上の抽出工程を備え、次に1以上の含浸工程が続き、含浸の後に、1以上の温度上昇工程が続き、1以上の温度上昇工程の後に、1以上の温度降下工程が続くことができる。
【0097】
本発明の1実施例により、ホールド期間の最終工程は、1以上の抽出工程を備えることができる。
【0098】
本発明の他の実施例では、1以上の含浸工程の過剰な含浸化学物質は、前記最終の1以上の抽出工程において容器内に含まれる前記材料から抽出することができる。
【0099】
本発明の好ましい実施例では、超臨界熱力学的状態は、ホールド期間の全工程の間、容器内で維持することができる。
【0100】
本発明の他の好ましい実施例では、ホールド期間は、1以上の抽出工程を備え、そこでは容器内の圧力は、一定に保つことができ、抽出工程には、1以上の含浸工程が続くことができ、含浸工程の間、容器内の圧力は抽出工程の間とほぼ同レベルに保つことができ、抽出から含浸工程への切り替えの間、容器内にはおおむね圧力変化が起こらないようにすることができる。
【0101】
本発明により、前記方法は、第1の含浸工程に続く更なる含浸工程を更に備えることができ、更なる含浸工程の間の圧力は、第1の含浸工程の間の圧力より高く又は低くすることができる。
【0102】
更に、含浸工程又は更なる含浸工程の後に、本発明により、温度を上昇させる1以上の工程が、好ましくは圧力を一定に保って、続くことができ、温度を上昇させる1以上の工程の1以上の後に、温度を降下させる1以上の工程が、好ましくは圧力を一定に保って、続くことができることが好ましい。
【0103】
本発明の1実施例では、前記方法は、材料の処理の間の少なくとも一部の時間、容器内に存在する流体及び/又は材料の攪拌を更に備えることができる。
【0104】
本発明の他の実施例では、前記容器は、攪拌される容器、例えば流動化ベッド、及び/又は好ましくは拡大ベッド、及び/又は例えば回転ドラム及び/又はインペラーのようなモーター駆動のミキサーとすることができる。
【0105】
本発明の好ましい実施例により、前記容器は、流動化ベッドとすることができる。
【0106】
更に、流動化される材料は、本発明により、処理される材料とすることができる。
【0107】
本発明の他の好ましい実施例により、流動化される材料は、処理される材料ではないベッド材料とすることができる。
【0108】
更に、前記流動化は、本発明により、容器に供給される流体の流れによって得ることができる。
【0109】
前記方法は、本発明により、前記減圧工程の少なくとも一部の時間において、前記攪拌される容器の中にコーティング又は含浸化学物質をスプレーすることを更に備えることができる。
【0110】
本発明により、前記コーティング又は含浸の化学物質は、前記攪拌される容器の中にスラリーとしてスプレーすることができる。
【0111】
本発明の好ましい実施例では、前記コーティング又は含浸の化学物質は、容器に含まれる流体におおむね不溶性とすることができる。
【0112】
本発明の他の好ましい実施例では、減圧中に容器から抜き出される流体の少なくとも初めの部分は、前記容器に直接又は再循環ループを介して接続された出口を有するバッファタンクに供給することができ、バッファタンクで、好ましくは前記流体の液相中に直接スプレーすることによって濃縮される。
【0113】
流体を直接バッファタンクにスプレーし、凝縮器を使用する代わりにバッファタンクの内壁で直接凝縮を得ることにより、凝縮する装置が不要となり、それによってコストとエネルギーを節約することができる。
【0114】
本発明により、容器から抜き出される流体の少なくとも第2の部分は、凝縮器に供給することができ、そこで凝縮され、凝縮された流体は、前記容器に直接又は再循環ループを介して接続された出口を有するバッファタンクにおおむね供給される。
【0115】
前述の再循環又は本発明の1実施例における再循環ループを実施することによって、容器内に含まれる材料を処理する方法は、抽出物質及び含浸化学物質を混合しないで、又は材料の含浸の前に減圧する必要なく実施することができる。材料を抽出及び含浸する処理は、連続プロセスで、容器を起動圧力から減圧し次の処理のために再加圧することをせずに、順次実施することができるので、効率の良いプロセスが得られる。再循環はそれによって時間とエネルギーの節約となる。
【0116】
更に、この構成は、単段プロセスにおける重合反応のためのモノマーのような、過剰な反応物質を抽出することができる利益を有する。
【0117】
本発明の1実施例では、バッファタンクの温度は、ほぼ一定に保持されるように制御することができ、前記制御は、容器から抜き出されてバッファタンクへ供給される流体を第1と第2の部分に少なくとも部分的に分離し、バッファタンクの出口を通って抜き出される流体から生じる蒸発冷却で消費される熱のバランスをとることによって得られる。
【0118】
本発明の他の好ましい実施例では、バッファタンクの温度の制御は、流体メイクアップタンクからのメイクアップ流体を加えることにより、バッファタンクの液面を制御することを更に含む。
【0119】
更に、前記方法は、本発明により、循環手段において平行にかつ異なった状態で作動する様々な処理ラインを備えることができ、そこでは前記様々な処理ラインは前記バッファタンクに接続され、
加圧のための共通供給システムと、
コンプレッサーを含む減圧のための共通ラインと、
共通の凝縮器と、
前記流体を液相にスプレーするための共通ラインと、
共通のメイクアップシステムとを備える。
【0120】
本発明の1実施例により、前記様々な処理ラインは、2から6ライン、例えば3から4ラインを備えることができる。
【0121】
更に、前記バッファタンク内の圧力は、本発明により、55から70barの範囲、好ましくは60から70barの範囲とすることができる。
【0122】
本発明の好ましい実施例により、前記バッファタンク内の温度は、12から30℃の範囲、好ましくは15から25℃の範囲である。
【0123】
本発明の他の好ましい実施例により、全処理ライン(バッファタンクを除く)のシステム容積全体と比較したバッファタンクの容積は、50から300%の範囲、例えば100から150%の範囲とすることができる。
【0124】
本発明は、微粒子、好ましくはナノ晶子、を含む微粒子を製造する方法を更に備えることができ、前記方法は、前述の方法のいずれかによる方法を利用し、そこでは化学物質、例えば化学反応によって微粒子を形成する反応物質、が微粒子形成プロセスに加わるために流体の中に導入される。
【0125】
前記微粒子形成プロセスは、本発明により、微粒子形成プロセス、即ち、RESS(超臨界溶液の急速膨張)、GAS(ガス不溶溶媒)、SAS(不溶溶媒の溶媒)、SEDS(超臨界流体により分散を高めた溶液)、PCA(圧縮した不溶溶媒を用いた沈殿)、PGSS(ガス飽和溶液からの沈殿)、及びこれらの変形、の中から選ぶことができる。
【0126】
更に、容器内に更なる核形成場所が、本発明により、種微粒子又は充填材料の添加により与えられる。
【0127】
本発明により、核形成場所の数は、超音波又は振動表面効果の導入により更に増加させることができる。
【0128】
更に、形成された微粒子は、本発明により、ナノメーター領域の晶子サイズを有することができる。
【0129】
更に、前記微粒子は、本発明により、金属酸化物のような酸化物を備えることができる。
【0130】
本発明の好ましい実施例により、前記微粒子プロセスは、前駆物質として金属アルコキシドを使用して修飾されたゾル‐ゲルプロセスとすることができる。
【0131】
本発明の更なる他の実施例では、前記酸化物は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、及びこれらの混合物の中から選択される。
【0132】
本発明の更なる実施例では、前記酸化物は、セリア、イットリア、亜鉛、鉄、ニッケル、ゲルマニア、バリウム、アンチモニア、及びこれらの混合物の中から選択される。
【0133】
前記酸化物は、本発明により、熱電気材料又は熱電気材料の前駆物質とすることができると有利である。
【0134】
更に、前記酸化物は、本発明により、半導体材料を備えることができる。
【0135】
更に、前記酸化物は、本発明により、圧電気材料を備えることができる。
【0136】
本発明の好ましい実施例により、前記熱電気材料は、Bi2Te3、又は半金属及び/又は金属を加えたBi2Te3、を備えることができる。
【0137】
本発明の他の好ましい実施例により、前記微粒子は、炭化物、窒化物、ホウ化物を備える。
【0138】
更に、前記微粒子は、本発明により、1以上の薬学の又は生物学的な材料を備えることができる。
【0139】
更に、処理される材料は、本発明により、木材とすることができる。
【0140】
本発明の好ましい実施例では、前記処理は、抽出とすることができ、抽出された成分は、テルペン及び樹脂を含む。
【0141】
本発明の他の実施例では、木材は、有機防かび剤又は有機殺虫剤を含浸させることができる。
【0142】
木材は、本発明により、プロピコナゾールを含む化学物質を含浸させることができる。
【0143】
更に、本発明の実施例による木材は、テブコナゾールを含む化学物質を含浸させることができる。
【0144】
本発明により、木材は、更にIPBCを含む化学物質を含浸させることができる。
【0145】
本発明の実施例では、処理される材料は、コルクとすることができる。
【0146】
本発明の他の実施例では、処理される材料は、多孔性の吸着剤とすることができる。
【0147】
更に、前記多孔性の吸着剤は、本発明により、エーロゲル、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニアの中から選択することができる。
【0148】
更に、前記多孔性の吸着剤は、本発明により、5から100nmの範囲、例えば5から50nmの範囲、好ましくは5から20nmの範囲の細孔サイズを有することができる。
【0149】
本発明の1実施例により、前記多孔性の吸着剤は、シラン化合物を含浸させることができる。
【0150】
前記含浸又はコーティングの工程のための化学物質は、本発明により、有機シラン、アルコキシルシラン、クロロシラン、フルオロシラン、例えばオクタデシルシラン、n‐オクタデシルトリエトキシシラン、n‐オクタデシルジエチルメトキシシラン、ペルフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリクロロオクタデシルシラン、メルカプトプロピルシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、エチレンジアミン、トリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ODDMS、テトラエトキシシラン、の中から選択することができると有利である。
【0151】
更に、前記多孔性の吸着剤は、本発明により、クロマトグラフィー分離のために使用する、機能化された多孔性吸着剤とすることができる。
【0152】
更に、前記機能化された多孔性吸着剤は、本発明により、液体クロマトグラフィーのための固定相として使用することができる。
【0153】
本発明の好ましい実施例では、前記多孔性吸着剤は、薬学又は生物工学の化合物の精製又は分析のためのクロマトグラフィーのカラムで使用することができる。
【0154】
更に、本発明の1実施例では、前記多孔性吸着剤は、インシュリンの精製又は分析のためのクロマトグラフィーのカラムで使用することができる。
【0155】
更に、処理される材料は、本発明により、ウールとすることができ、処理方法は、ラノリンの抽出を備えることが好ましい。
【0156】
本発明の他の実施例では、処理される材料は、ポリマーとすることができる。
【0157】
本発明の更なる他の実施例では、処理される材料は、ゴムとすることができる。
【0158】
更に、容器内の材料は、本発明により、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルクロライド、ポリビニルアセテート、ポリオキシメチレン、ポリアクリロアミド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、これらの共重合体、これらの塩素化生産物、ゴム及び塩素化ゴム、シリコンラバー、ブタジエンゴム、スチレン‐ブタジエンゴム、イソプレンポリマー、加硫したフッ素ゴム、シリコンラバー、からなるグループから選択された、ポリマー又はエラストマーとすることができる。
【0159】
本発明の好ましい実施例では、前記材料は、リサイクルされた材料とすることができる。
【0160】
本発明の他の好ましい実施例では、前記材料は、加硫したゴムとすることができる。
【0161】
本発明の更なる好ましい実施例では、処理される前記材料は、加硫したゴムを含むことができる。
【0162】
更に、処理される前記材料は、本発明により、シリコンラバーとすることができる。
【0163】
処理される前記材料は、本発明により、顆粒、粉末、又は微粉末、のような微粒子からなる材料とすることができる。
【0164】
本発明の1実施例により、前記含浸化学物質は、エチレン、プロピレン、スチレン、アクリル酸エステル、アクリル酸、ウレタン、エポキシド、エポキシ樹脂を含むことができる。
【0165】
更に、本発明により、前記化学物質は、AIBNのような活性化イニシエーターを含むことができる。
【0166】
本発明の好ましい実施例では、含浸化学物質は、薬学上の薬品とすることができる。
【0167】
本発明は、材料の処理に用いるための装置を更に備え、
前記装置は、処理される材料及び処理に関する流体を収容するための容器を備え、
前記装置は更に、容器内の圧力が増加される少なくとも1つの加圧工程と、容器内の圧力が減少される少なくとも1つの減圧工程とを実行するために、容器内の圧力を増加、減少させるための圧力手段と、
少なくとも流体の一部を再循環するための再循環ループとを備え、
再循環ループは、容器内に含まれる流体の少なくとも一部を容器から抜き出し、それを再循環ループに供給し、その後流体を容器に供給するために用いられる。
【0168】
更に、前記装置は、本発明により、材料の処理中の少なくとも一部の時間に、容器内に存在する流体及び材料を流動体にするように攪拌するための、攪拌手段を更に備えることができる。
【0169】
更に、前記装置は、本発明の他の好ましい実施例では、流体回収装置を備え、流体回収装置は容器と流体接続された凝縮器であることが好ましい。
【0170】
前記流体回収装置は、本発明により、
前記流体回収装置からガス状流体を抜き出し、それを容器に供給する手段と、
前記流体回収装置から液状流体を抜き出し、それを容器に供給する手段と、
冷却により、容器からの流体を凝縮するための手段と、
前記流体回収装置の液相に直接スプレーすることにより流体を凝縮させる手段と、
前記流体回収装置の前記液相中に沈められた熱交換器とを更に備えると有利である。
【0171】
本発明の更なる実施例では、前記流体回収装置は、いくつかの容器、例えば2から6の容器、と接続することができる。
【0172】
前記流体回収装置は、本発明により、以上の説明による方法を実施するための上述の手段を更に備えることができる。
【0173】
本発明は、更に、上述の方法のいずれかにより得ることができる生産物に関することができる。
【0174】
更に、本発明は、含浸化学物質、例えばプロピコナゾール、テブコナゾール、IPBC、及びこれらの混合物、を含む、処理された木材生産物に更に関することができる。
【0175】
本発明の好ましい実施例では、前記含浸化学物質は、0.05から1.0g/m3の範囲、例えば0.1から0.5g/m3の範囲、好ましくは0.1から0.3g/m3の範囲、例えば0.15から0.25g/m3の範囲の濃度で存在することができる。
【0176】
本発明の他の実施例では、木材生産物は、菌類に対して保護効果がある。
【0177】
本発明の更なる他の実施例では、木材生産物は、シロアリのような虫に対して保護効果がある。
【0178】
更に、トリクロロアニソール(TCA)のような、ワインのコルク汚染を生ずる成分の濃度は、本発明により、95%以上、例えば97.5%以上、例えば99%以上、を減らすことができる。
【0179】
本発明は、更に、上述の方法のいずれかにより得られる、多孔性のクロマトグラフィー材料に関することができ、そこでは、前記材料は、シリレーションの含浸により機能化され、また、前記含浸化学物質は、ほぼ単分子層に堆積することができる。
【0180】
更に、前記材料は、少なくとも5分子/nm2、例えば少なくとも6分子/nm2の前記含浸化学物質の表面被覆率を備えることができる。
【0181】
本発明は、更に、上記の方法のいずれかにより得られる、無臭のポリマー生産物に関することができ、そこでは、前記生産物は、悪い臭いのする化合物をおおむね含まないものとすることができる。
【0182】
本発明は、更に、上記の方法のいずれかにより得られる、ポリマー生産物に関することができ、そこでは、前記材料は、過剰なモノマー及び揮発性の有機溶媒をおおむね含まないものとすることができる。
【0183】
本発明の好ましい実施例では、前記ポリマー生産物は、ゴムを含むことができる。
【0184】
本発明の他の好ましい実施例では、前記ゴムは、加硫ゴムとすることができる。
【0185】
本発明の更なる他の好ましい実施例では、前記無臭効果は、少なくとも50℃まで、例えば70℃まで、好ましくは90℃以上まで安定にすることができる。
【0186】
更に、前記無臭効果は、本発明の実施例により、少なくとも50℃まで、例えば70℃まで、好ましくは90℃以上まで安定にすることができる。
【0187】
ゴムは、本発明の実施例により、少なくとも0.25重量%、例えば少なくとも0.5重量%の、酸化防止剤及びオゾン劣化防止剤を備えることができると有利である。
【0188】
更に、生産物中の芳香族オイル、有機酸、及びオゾン劣化防止剤の残量は、本発明の他の実施例により、少なくとも0.5重量%、例えば少なくとも1重量%、好ましくは2重量%とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0189】
本発明は、更に、図面により説明される。
【0190】
図1には、循環超臨界処理プロセスの圧力‐時間カーブが示されている。初めに、処理される材料は、圧力容器に充填される。一定の材料供給とパージの時間の後、循環する超臨界処理プロセスは3つの連続した工程に分けることができる。
1)加圧期間
2)昇圧された圧力で超臨界処理をするためのホールド期間
3)減圧期間
【0191】
加圧期間では、圧力容器は、容器内の圧力が目的の処理圧力を超えるまで容器に流体を加えることによって加圧される。容器内の温度は、従来の方法で、例えば流体を圧力容器に導く前に熱交換器で容器の入口温度を制御して、また、例えば、加熱流体又は冷却流体、電気ヒーター等で被覆された圧力容器を使用して、容器壁の温度を制御することにより、制御することができる。圧力上昇率は、一定として図示されているが、どんな形でもとることができる。
【0192】
目的の圧力と温度が確立された場合に、処理のためのホールド期間が開始する。処理プロセスは、抽出又は含浸プロセスとすることができるが、微粒子形成プロセスとすることもできる。処理のためのホールド期間の間、圧力はほぼ一定に保たれるか、又は、実施例で説明されるように、あらかじめ決定した計画に従って変化することができる。ホールド期間の後、圧力容器は更に実施例で説明されるような制御方法で減圧される。
【0193】
図2は、本発明による再循環原理をダイヤグラムで表現したものである。処理される材料は、圧力処理容器に充填される。圧力処理容器は、CO2供給ポンプで圧力容器にCO2を供給することによって目的の運転圧力まで加圧される。供給温度は、供給熱交換器により制御される。圧力処理容器は、制御されたやり方で、CO2を容器からCO2出口まで抜き出すことによって、減圧される。70barより低い圧力から又は70barより低い圧力へ、例えば60barより低い圧力から又は60barより低い圧力へ、好ましくは40barより低い圧力から又は40barより低い圧力へ、更に、2barより低い圧力から又は2barより低い圧力へであると有利であるが、圧力処理容器内のCO2の一部は、容器から再循環ループへ、再循環ポンプにより抜き出され、容器内の温度を制御するために任意の再循環熱交換器を通った後、圧力容器に戻される。
【0194】
図3は、超臨界木材含浸プロセスの結果を示し、超臨界木材含浸プロセスは、実施例1及び実施例2で更に例示される。
【0195】
含浸処理される多孔質物品は、2つの同一な試験片に分けられ、処理される材料の違いによる効果はいずれも除外される。
【0196】
実験では、基準とする試験片は初めに、ほぼ一定の圧力150barと温度50℃で含浸化学物質を含浸される。含浸プロセスの効率は、処理後の試験片に堆積した含浸化学物質の量と比較した、CO2相に存在する含浸化学物資の量として定義される、含浸効率によって評価される。
【0197】
最初の実験では、圧力容器は、初めに約150barで50℃の比較基準の条件まで加圧され、その後、容器はほぼ一定温度の下で130barまで減圧され、その後、圧力容器は、容器内のCO2中のほぼ同じ濃度の含浸化学物質を使用して150barまで再び加圧される。加圧の後、圧力容器は制御された方法で減圧される。左の図からわかるように、含浸効率には有意な影響は見られない。
【0198】
第2の実験は、類似の方法で導かれ、最初の減圧の後の圧力レベルは130barではなくて、120barまで減少させられる。図からわかるように、含浸効率に有意な改善が見られる。
【0199】
この図で得られた結果は、一般に多孔質材料の含浸処理に適用でき、特に、ゴムやコルクのような材料の含浸処理に適用できる。
【0200】
図4は、典型的な工業上の多容器プロセスを示し、即ち、様々な抽出容器が順次平行に使用される。しかし、簡単にするために、2つの容器(8,18)のみが示されている。運転手順は抽出容器(8)に対してのみ説明されるが、この手順は、抽出容器(18)に対しても同様である。抽出容器(8)には、抽出される材料が充填されている。液体二酸化炭素が貯蔵タンク(1)に貯蔵されている。液体二酸化炭素は貯蔵タンク(1)からポンプ(2)及び弁(3)を介して中間貯蔵タンク(4)に送られる。
【0201】
プラントが起動された場合、中間貯蔵タンク(4)からの液体二酸化炭素は、弁(5)が開ならば、ポンプ(6)によって抽出容器(8)へ送られる。熱交換器(7)では、液体二酸化炭素は蒸発し、ガス状の二酸化炭素の温度が制御される。ポンプ(6)と蒸発器(7)による抽出容器(8)の加圧は、超臨界領域での運転圧力に到達するまで続けられる。
【0202】
循環する超臨界抽出プロセスは、制御弁(9)を介してCO2を膨張させ、熱交換器(10)の温度を調整し、更に弁(11)を介してCO2を膨張させ、次に分離ユニット(12,13)で抽出された材料を分離することにより実施される。次にCO2は、凝縮器(14)で液化され、中間貯蔵タンク(4)に戻り、そこからポンプ(6)と蒸発器(7)を介して抽出容器に戻される。
【0203】
超臨界CO2は、こうして必要な抽出量に達するために必要な長さの時間、抽出容器(8)を通って連続的に循環される。
【0204】
抽出プロセスが終了した後、容器(8)は、減圧される。この構成は、先行技術のプロセスにあり、弁(15,16)を開いて行なわれる。容器(18)の圧力は、ほぼ大気圧であり、弁(15,16)を開くことにより、容器(8,18)間の圧力は均一になる。CO2が容器(8)から容器(18)に膨張することにより、CO2は冷却され、液体CO2又はドライアイスを生じることを防ぐために、熱交換器(7,17)で熱が加えられなければならない。
【0205】
更に、容器(8)を空にすることは、弁(9,19)及びコンプレッサー(20)を介して容器(8)からCO2を抜き出す事により行われる。圧縮の間CO2の温度は上昇するので、CO2ガス流れは、容器(18)に入る前に、熱交換器(17)で冷却されなければならない。
【0206】
容器(8)内の圧力が普通2から5barのレベルに達すると、空にする運転は停止する。容器(8)内の残りのCO2は、大気中に放出され、容器(18)の運転圧力に到達するまで追加のCO2がポンプ(20)と熱交換器(17)を通って液体中間貯蔵タンク(4)から容器(18)に追加される。循環する抽出プロセスは、そこで、容器(8)について説明したのと同じ方法で、容器(18)で実施することができる。
【0207】
そのような先行技術のプロセスの不利益は、流体の液化のために、また、圧力容器に入る前に流体を再加熱する必要があるために、エネルギー消費量が大きいことである。更に、本発明と比較して、凝縮器、及び、加熱/冷却システムに大きな伝熱面積が必要であるために、装置コストが増加する。
【0208】
そのような先行技術のプロセスの更なる不利益は、2つの容器がいつも接続されているために、容器の加圧率及び減圧率が、独立に制御することができないことである。普通、CO2を1つの容器から次の容器へ直接送ることにより、加圧率と減圧率の両方を独立に最適化する可能性は失われる。
【0209】
図5は、本発明により、コルクからトリクロロアニソール(TCA)の抽出するための工業規模の超臨界プロセスの原理を示す。TCAでは、所謂「コルク味」の発生による、コルク栓をした瓶に貯蔵されたワインの主要な品質問題が代表的である。コルク味の発生は、ワインを破壊し、ワインを飲めなくする可能性がある。
【0210】
プロセスは、図に示すように、平行に運転する様々な抽出ラインを備えることが理解されなければならない。普通、本発明によるプロセスは、循環プロセスの異なった段階で順次作動する2から6のラインを備える。様々なラインはいくつかの主要要素、例えばバッファタンク(1)、制御弁(17)、(18)、凝縮器(19)、熱交換器(2)及びコンプレッサー(21)、(23)を共用する。これら共用要素は、以下に詳細に説明される。簡単のために図には1つの容器のみが示されている。
【0211】
典型的な循環超臨界抽出プロセスは、以下のように実施される。
【0212】
CO2は、図に示すように、様々な抽出ラインの間で共用される共通バッファタンク(1)に貯蔵され、回収される。バッファタンク(1)内の圧力は、普通50から70barの範囲であり、約60barであるのが好ましい。バッファタンク(1)内の液体CO2のレベルは、メイクアップタンク(図示せず)から液体CO2をポンプで送ることによって制御され、圧力は、バッファタンク(1)内の温度を制御することによって制御される。容器(6)の加圧を開始した場合、ガス状CO2は、バッファタンク(1)から抜き出され、あらかじめ決定された割合で、熱交換器(2)、弁(3)、熱交換器(4)、弁(5)を通って送られる。液体CO2はまた、弁(26)、ポンプ(27)、及び弁(28)を介してバッファタンクから任意に抜き出すことができる。バッファタンク(1)からガス状CO2を抜き出すことは、以下で更に説明するが、バッファタンク(1)で気化冷却を生じる。
【0213】
約2barの圧力から、容器内のCO2の一部が抜き出され、コンプレッサー(9)によって再循環される。コンプレッサー(9)から出たCO2は、バッファタンク(1)からのCO2と弁(3)の後で混合される。容器(6)がバッファタンクの圧力よりやや低い圧力に達した場合には、弁(3)は閉じられ、弁(8)が開かれ、コンプレッサー(9)がガス状CO2を約60barから抽出のための最終超臨界圧力、普通は120bar、に圧縮するために使用される。
【0214】
加圧プロセスの間ずっとコンプレッサー(9)は作動し、容器(6)を通る大きな再循環率を与える。この構成は、容器全体を通して温度と熱と質量の移動の最適制御を与える。抽出プロセスは、普通60℃の温度で、容器(6)を介して通常粒状コルク1kg当たり10から100kgのCO2をパージすることによって行なわれる。容器(6)から出たCO2は、弁(7)を通って膨張し、熱交換器(10)で再加熱され、弁(11)を通って膨張する。
【0215】
その後、TCA及びワックスのような他の成分は、分離機(12,13)の中で除去され、その後CO2は、活性炭フィルター(14)でTCAの残りの含有量を除去される。活性炭フィルター(14)を出たCO2は、容器(6)での抽出に必要な圧力と温度を与えるために、コンプレッサー(9)で再圧縮され、熱交換器(4)で温度を制御される。
【0216】
容器(6)を減圧する場合、蒸気相のCO2は、制御されて弁(15)、弁(16)を通って送られる。CO2の主要部分は、普通、弁(17)を通ってバッファタンク(1)に入り、そこからCO2の主要部分は、バッファタンク(1)のCO2の液相に直接スプレーすることによって凝縮される。CO2の一部は弁(18)を通って凝縮器(19)に入り、そこでCO2ガスがバッファタンク(1)に入る前に液化される。
【0217】
バッファタンク(1)での直接凝縮により熱が発生するので、バッファタンク(1)の温度をほぼ一定に保つためには、熱を取り除く必要がある。熱の除去は、バッファタンク(1)から抜き出されるガスから生じる蒸発冷却で消費される熱をバランスさせることにより行なわれる。バッファタンクにおけるこの温度バランスは、次のように行なわれる。
a)液として、弁(18)と凝縮器(19)を通ってバッファタンク(1)に入るCO2の量と、弁(17)を通ってバッファタンク(1)の液相に直接導かれるCO2の量との間の分配を制御する。
b)バッファタンク(1)の液相に沈められた熱交換器(25)を通して熱を取り出すか又は加えることによりバッファタンクの温度を細かく調整する、及び/又は、バッファタンク(1)から液体CO2を外部の熱交換器(図示せず)に任意に抜き出し、液体CO2をバッファタンク(1)に再循環する。
c)CO2メイクアップタンク(図示せず)からメイクアップCO2を加えることにより、バッファタンク(1)の液面を制御する。
【0218】
バッファタンク(1)は、バッファタンクとして適切に働くために、また、タンク内の温度と圧力の潜在的な変動を緩衝するために、一定の容積を有する必要があることに注意すべきである。全ライン(バッファタンク(1)を除く)のシステム容積全体と比較したバッファタンクの容積は、普通50から300%の範囲であり、100から150%の範囲であることが好ましい。
【0219】
抽出容器(6)の、約60barから、20から30barの範囲への更なる減圧は、弁(15)、弁(20)及びコンプレッサー(21)を介して行なわれる。弁(24)は、逆流が発生しないように、この運転中は閉じられている。コンプレッサー(21)は、普通、単段コンプレッサーである。コンプレッサーを出ると、CO2は、120から60barの圧力範囲について上述したように、弁(17)及び/又は(18)、および熱交換器(19)を介してバッファタンク(1)に排出される。
【0220】
60barから、20から30barの範囲の圧力への減圧もまた、再循環コンプレッサー(9)を使用して行なわれるが、容量と冗長性を考慮して、普通はコンプレッサー2台のシステムが好ましいことに注意すべきである。
【0221】
20から30barの範囲の圧力から、2から6barの範囲の圧力への、容器(6)の減圧は、弁(22)を介してコンプレッサー(23)によって行なわれる。コンプレッサーを出ると、CO2は、上述のように、弁(17)及び/又は(18)、及び熱交換器(19)を通って、再びバッファタンク(1)に排出される。最終減圧は、流体容器を大気放出(図示せず)することにより行なわれる。この減圧工程のための圧力は、CO2の所望の回収によって、設定される。もしCO2を大量に回収することが所望されたならば、最終段階の圧力は、大気圧力より1から3bar上の範囲とするのが普通であろう。この場合、コンプレッサー(23)は、3段コンプレッサーとなろう。もしCO2の回収がもっと少なくてよいならば、コンプレッサー(23)は、2段コンプレッサーとなろう。
【0222】
コンプレッサー(21,23)は、例えば全循環時間の10から35%のように、循環プロセスの限られた部分にのみ使用されるのが普通であることに注意すべきである。このようなコンプレッサーは比較的高価であるので、コンプレッサー(21,23)は、図に示すように、様々な抽出ラインの間で共用されることが好ましい。コンプレッサー(21,23)は、冗長性又は経済的な要求を満たすために、同一の圧力範囲で作動する1以上のコンプレッサーを備えることができることに、更に注意すべきである。
【0223】
図6は、上昇した温度で、超臨界抽出工程、超臨界含浸工程、微粒子形成工程、及び/又は、硫化工程の、どんな組み合わせの運転にも適したプロセスレイアウトを表すダイヤグラムを示す。図5に示された、本発明による抽出プロセスと比較すると、図6のプロセスダイヤグラムは、化学物質及び/又はコソルベント及び/又は界面活性剤を添加するために、再循環ループに混合容器(29)を更に備える点が異なる。混合容器は、前記化学物質及び/又はコソルベント及び/又は界面活性剤の添加に対して、広い接触面積を与えるために、材料を包む広い表面積を有することが好ましい。前記化学物質及び/又はコソルベント及び/又は界面活性剤は、同一容器に添加することができるが、前記再循環ループは、前記化学物質及び/又はコソルベント及び/又は界面活性剤を個別に添加するために、1以上の混合容器を備えることができることが理解されなければならない。
【0224】
上昇した温度工程での、前記超臨界抽出工程、超臨界含浸工程、及び硫化工程の好ましい組み合わせは、以下のとおりである。
a)抽出のためのホールド期間の次に、含浸のためのホールド期間が、抽出のためのホールド期間の圧力レベルとほぼ同一の圧力レベルで続く、抽出プロセス。
b)抽出のためのホールド期間の次に、含浸のためのホールド期間が、抽出のためのホールド期間の圧力レベルとほぼ同一の圧力レベルで続き、更に、過剰な含浸化学物質を取り除くために、最終抽出プロセスが続く、抽出プロセス。
c)抽出のためのホールド期間の次に、含浸のためのホールド期間が、ほぼ同一の圧力レベルで続き、前記含浸期間の次に、上昇した温度での硫化工程が続き、減圧の前に任意の最終抽出工程によって終了する、抽出プロセス。
d)含浸レベルを制御するために、含浸工程とそれに続く上昇した温度での硫化工程が多数回繰り返される、c)に説明したプロセス。
【実施例1】
【0225】
実施例1は、超臨界含浸の循環プロセスを例示する。
【0226】
従来の超臨界含浸プロセスは、3つの連続した工程を備える。
【0227】
処理される材料は、圧力容器に導かれる。
【0228】
第1の工程で、容器の圧力が流体の目的の圧力を超えるまで、容器は反応器に前記流体を加えることにより加圧される。流体の温度は、容器に導かれる前に、従来の方法により制御することができ、反応器の温度は、流体の目的の温度を超えるレベルまで容器壁の温度を制御することにより、更に制御される。確立された温度と圧力で、容器内に囲われた流体は超臨界状態に入り、含浸成分は、流体に可溶性となる。
【0229】
容器の加圧は流体を導入することにより行なわれるので、また、流体は定義により圧縮性であるので、流体の更なる圧縮が容器内で行なわれる。圧縮により発生した熱は、反応器内の材料に放散され、最終的には、反応器の壁を通って取り除かれる。圧縮の熱は、重大な温度上昇を引き起こす。もし例えば、二酸化炭素が1barから200barに圧縮されると、これは通常の含浸処理圧力であるが、対応する断熱温度は100℃を超える上昇をする。容器の内容積の大部分を満たす個体の多孔質材料の存在は、対流熱移動が妨げられるので、容器壁を通って熱が放散されることを防止し、防止効果が、容器中心から容器壁までの距離に比例すること、即ち、容器直径の増加に伴って増加することは、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって明らかである。それゆえ従来の装置での大規模な超臨界含浸は、含浸される材料の好ましくない過熱を伴い、木材のような熱に敏感な材料に重大な損傷を与えるかもしれない。その上、含浸される多孔質材料への超臨界流体の流れは、材料に作用する力を発生し、特に、材料の機械的強度は、温度が増加すると減少するので、この力は、更なる損傷を生じるかもしれない。
【0230】
第2の工程は、事実上一定の温度と圧力での処理であり、その間、含浸化合物は、含浸される材料全体に分散される。更に、この工程の間、圧縮の熱は容器壁に放散され、もし十分な滞留時間が許されるならば、反応器全体に目的の温度を確立する。
【0231】
処理の中では、減圧工程は、容器からの流体の排出を制御することにより、第3工程で行なわれる。流体の膨張は、含浸化合物の可溶性を減少させ、従って、含浸化合物は多孔性材料の内表面で沈殿し、目的の含浸を与える。流体を膨張させるのに必要なエネルギーは、残りの流体、及び反応器の中の他の材料から得られ、反応器の壁を通して取り込まれた熱によって最終的にバランスされる。
【0232】
減圧の間、膨張する流体は、含浸される多孔質材料の内部から外部へ流れる。熱は、反応器の壁を通して供給され、多孔質材料の内部で必要なので、熱と質量の流れは反対方向であり、熱伝導が大変悪い。従って、多孔質材料の内部に局所的に冷たい箇所が形成され、そこでは、一旦臨界圧力及び臨界温度より下がると、膨張する流体の凝縮が発生し易い。材料の細孔中に液体が形成されると、流体抵抗が劇的に増加し、多孔質構造に働く大変大きな力を発生させ、従って、割れや破裂を起こし易い。もう一度繰り返すが、熱伝達妨害の影響は、容器直径を増加すると増加する。含浸された材料への構造的な損傷を避けるためには、大変ゆっくりした減圧を行なわなくてはならない。
【実施例2】
【0233】
実施例2は、超臨界含浸のための周期的脈動プロセスを例示する。
【0234】
超臨界含浸の含浸期間のためのホールド期間の間、実施例1で説明したように、圧力と温度は事実上一定である。従って、多孔質材料内部には、対流性の超臨界溶媒流れは存在しないので、含浸される多孔質材料中の含浸化合物の分散は、主として拡散による。含浸化合物の分散性を高め、分散を加速するために、含浸期間の間、圧力脈動が導入でき、多孔質構造の内部に対流を発生する。溶解した含浸化合物を容器内に保持するために、圧力脈動は超臨界溶媒入口温度の脈動により、即ち、再循環ループにおける熱交換器の設定値を周期的なパターンで繰り返すことにより、発生されるのが好ましい。圧力を脈動させることにより、多孔質材料内にポンピング効果が発生され、ポンピング効果は、材料に存在する温度や溶質の濃度の勾配をいずれも大変効率的に均一化する。
【0235】
含浸期間中の圧力脈動の更なる利益は、与えられた温度と超臨界溶媒中の含浸化合物の目的の濃度で、含浸化合物の可溶性の下限よりも周期的な圧力脈動の下限の方が低い場合に得られる。超臨界溶媒中の物質の可溶性は、一次近似的に、溶媒の温度と密度、即ち、反応器の温度と圧力によって決定される。可溶性限界は、物質の意図した量が溶解することができる、ある温度での圧力の下限として定義される。もし圧力がこの限界より下に下げられると、沈殿が生じる。
【0236】
もし超臨界含浸が可溶性限界より上の含浸圧力で行なわれ、しかし圧力脈動のために、含浸期間中に反応器の圧力を可溶性限界より下に降下させたなら、次のようなことが起こる。加圧の最終部分でかつ含浸期間の最初の部分の間、多孔性構造は溶解した含浸化合物を含む超臨界溶媒で満たされるであろう。圧力脈動の圧力減少部分の間、可溶性限界は破られ、多孔性材料の内部表面上に溶解化合物の沈殿が発生する。圧力脈動の加圧部分の間、超臨界溶媒は、反応器から多孔性構造内部に導かれ、溶解した含浸化合物を更に運び込み、この含浸化合物は、次の脈動の間に沈殿する。結局は、含浸される材料へ含浸化合物の活発な輸送が圧力脈動によって引き起こされる。
【0237】
そのような脈動の効果は、小片にカットした木材に含浸させて、実験によって証明される。どの試験片も2つの同一の小片に分けられ、1つは比較基準用、即ち、実施例1で説明した方法により含浸され、もう一方は圧力脈動、さもなければ同一のプロセスパラメーターで含浸される。木材は、150barの圧力及び50℃の温度で、約125barの可溶性限界に相当する含浸化合物の添加で、含浸される。木材に沈殿した含浸化合物の濃度は、化学分析で決定される。化合物の予想沈殿量は、容器内の溶媒相に溶解された濃度に、含浸条件で木材に捕らえられた溶媒の体積を乗じた量、即ち、もし木材の中に導かれた溶媒の総量が含浸化合物の全量を運んだならば得られる沈殿量、として計算される。含浸効率は、予想沈殿量に対する測定された沈殿量の割合として定義される。
【0238】
可溶性限界より上で脈動含浸により得られた含浸効率は、図の左部分に「脈動ピーク20bar」と表示して、表現されている。可溶性限界より上の含浸の効果は、基準試験片と比べた場合、含浸効率に有意な増加が何も見られないので、かなり限定されている。
【0239】
可溶性限界より下での脈動による含浸は、図の右部分に「脈動ピーク30bar」と表示して、示されている。可溶性限界より下での脈動の効果は有意である。基準試験片と比べた場合、含浸効率は2倍である。
【実施例3】
【0240】
実施例3は、再循環を伴う循環超臨界抽出プロセスを例示する。
【0241】
本発明の1実施例は、材料の循環超臨界抽出処理のための循環プロセスを含む。
【0242】
そこで、本発明の好ましい実施例では、超臨界抽出プロセスにより処理される材料が初めに圧力容器に充填される。
【0243】
多くの用途において、流体の汚れを最小にするために、循環プロセスは、循環プロセスで使用される特定の流体で容器をパージすることにより初期化される。このパージングは、特定の流体をある一定の時間容器に供給する一方、容器を真空(大気圧より下の圧力)にして行なうことができる。普通、このパージング時間は、1から20分の範囲であろう。他の場合では、このパージングは、大気圧より0.5から5bar上の圧力まで容器を加圧し、容器内の圧力がほぼ大気圧と同じになるまで放出することによって行なうことができる。真空の使用と、大気圧より上の圧力を放出することによるパージングの組み合わせが適用でき、この操作を繰り返すことができることが理解されなければならない。
【0244】
パージング期間の後、容器は、あらかじめ決定された容器の入口温度と、あらかじめ決定された容器の圧力上昇率で、所定の流体によって加圧される。
【0245】
多くの用途において、容器の入口温度は、容器内の温度が所定の流体の凝縮温度より上で、容器内の処理される材料によって決まるある最高温度より下になるように制御される。超臨界流体の入口温度は、加圧中は、普通0から200℃の範囲、例えば0から150℃、好ましくは15から100℃の範囲、より好ましくは35から60℃に制御される。入口温度に対する設定点は、加圧期間中一定とすることができるが、本発明による多くの用途においては、入口温度は加圧期間中増加する。
【0246】
上述したように、容器内の温度の制御は、多くの用途に対して重要である。先行技術では、温度制御は、被覆した容器に供給される過熱流体又は冷却流体の入口温度の制御及び/又は入口及び出口温度の制御により行なわれる。しかし、このようなシステムを大きな直径の容器に適用することは、伝熱面積が十分な熱伝達容量を確保できるほど十分大きくないので、容器内に温度勾配を発生する。
【0247】
従って、本発明の好ましい実施例では、流体の一部は加圧期間の少なくとも一部において容器から抜き出され、外部の再循環ループに供給され、外部の再循環ループは、流体に熱を加え又は流体から熱を取り出すための少なくとも1つの熱交換器を備え、流体は温度を調節された後、圧力容器へ再循環される。流体は、加圧期間の間、外部の再循環ループで相変化を受けないことが更に好ましい。
【0248】
容器から外部の再循環ループへの流体の抜き出しは、40barより低い圧力、例えば20barより低い圧力、で行なわれることが好ましく、2barより低い圧力であると有利である。
【0249】
再循環の効果を最大にするために、抜き出された流体の流れは、ある大きさを有することが必要である。従って、本発明による好ましい実施例では、流体の流れは、1時間当り少なくとも容器1台分の容積、例えば1時間当り少なくとも容器5台分の容積、好ましくは1時間当り少なくとも容器10台分の容積、より好ましくは1時間当り容器10台分から50台分の間の容積の入れ替えに相当し、1時間当り容器10台分から20台分の範囲の容積とすると有利である。
【0250】
圧力上昇率は、普通、0.05から100bar/minの範囲、例えば0.1から20bar/minの範囲で、0.1から15bar/minの範囲、例えば0.2から10bar/minの範囲であることが好ましい。
【0251】
圧力上昇率は、一定値か又は加圧期間中変化するようにすることができる。普通、加圧手段は、一定値の体積流量率を有する。従って、前記手段の最大質量流量率は、加圧に使用される流体の密度とともに増加する。従って、容器内の一定値の温度に対して、圧力の上昇率は、もし前記手段が加圧期間の間最大容量で作動するなら、流体の密度と共に変化する。しかし、質量移動の質量流量率の増加に加え、圧力上昇率もまた、容器への温度上昇又は温度上昇と密度の組み合わせによって得ることができる。
【0252】
しかし、本発明に関連する多くの材料は、あるレベルより上の温度で機械的強度をゆるめ、減少させる特徴があり、特定の温度で加圧率をあるレベルより上に増加させることは、処理される材料の圧力損傷を生じる。そのような圧力損傷の危険性が特に高い、ある圧力上昇率が存在することが知られている。
【0253】
従って、本発明の1実施例は、加圧率、及び加圧期間中の特定の圧力上昇率における温度の制御を含み、この特定の圧力上昇期間外ではより高い加圧率で運転される。圧力上昇率は、特に40から120barの圧力範囲、例えば60から110barの範囲、特に65から100barの範囲で重要であることが分かった。従って、好ましい実施例では、40から120barの間の少なくとも一部での加圧率は、最大でも、この範囲外の加圧の最大上昇率の1/2、例えば加圧の最大上昇率の1/3であり、最大でも加圧の最大上昇率の1/5が好ましく、最大でもこの圧力範囲外の加圧の最大上昇率の1/10であることが更に好ましい。
【0254】
多くの用途では、容器に供給される流体の大部分はCO2である。しかし、他の流体、例えば、1以上のコソルベント、1以上の界面活性剤、又は不純物、例えば空気及び/又は水及び/又は抽出された化合物、を含むことができる。
【0255】
適切な界面活性剤は、炭化水素類及びフルオロカーボン類で親水性/親油性のバランス値が15より小さいものが好ましく、ここで親水性/親油性のバランス値(HLB)は、次の公式により決定される。
HLB=7+(親水性グループ数の和)−(親油性グループ数の和)
【0256】
界面活性剤の例と説明は、先行技術、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されており、界面活性剤及びその調合に関する開示に関しては、参照によって本明細書の一部となる。
【0257】
抽出のためのホールド期間中の温度と圧力は、処理される特定の物質及び抽出される物質によって決まる。
【0258】
適切なコソルベントの例は、水、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、6フッ化硫黄、亜酸化窒素、クロロトリフルオロメタン、モノフルオロメタン、メタノール、DMSO、イソプロパノール、アセトン、THF、酢酸、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、N,N−ジメチルアニリン等及びこれらの混合物である。
【0259】
抽出のためのホールド期間中の圧力は、普通85から500barの範囲にある。抽出期間中のターゲット温度は、普通35から200℃例えば40から100℃である。
【0260】
抽出のためのホールド期間の間、流体の一部は連続的に容器から抜き出される。抽出された物質は、1またはそれ以上の工程で圧力を減少させることにより抽出流体から分離される。各工程は抽出流体から前記抽出された化合物を分離するための分離器を備える。適切なセパレーターの限定的でない例は、重量分析の沈殿チャンバー、サイクロン、及び多面的なセパレーターである。抽出流体から抽出された物質を分離した後、抽出流体は、圧力容器に再循環される前に、活性炭フィルターで更に浄化することができる。
【0261】
抽出のためのホールド期間の長さは、普通、5から300分の範囲である。
【0262】
加圧期間については、ホールド期間の間の再循環流量は、質量移動を促進し、圧力容器全体でほぼ均一な抽出品質を得るために、一定の大きさであることが必要である。従って、本発明による好ましい実施例では、抜き出された流体流量は、1時間当たり少なくとも容器1台分の容量、例えば1時間当たり少なくとも容器5台分の容量、好ましくは1時間当たり少なくとも容器10台分の容量、更に好ましくは1時間当たり容器10台分から50台分の容量が入れ替わる量に相当し、1時間当たり容器10台分から20台分の範囲の容量であると有利である。
【0263】
加圧期間の後は、容器は、制御された温度と減圧率で減圧される。
【0264】
従って、本発明の他の実施例では、流体の一部は、減圧期間の少なくとも一部で容器から抜き出され、外部の再循環ループに供給され、外部の再循環ループは、流体に熱を加え又は流体から熱を取り出すための少なくとも1基の熱交換器を備え、流体は温度調整をされた後に圧力容器に再循環される。流体は、減圧期間中に外部の再循環ループ内で相変化しないことが更に好ましい。
【0265】
いくつかの材料に対しては、減圧期間の少なくとも一部における入口温度は、膨張から生じるかなりの冷却を補償するために、ホールド期間の入口温度と比較して、上昇させると有利である。普通、減圧中の入口温度は、ホールド期間中の入口温度と比較して、10℃まで、例えば25℃まで上昇させることができる。減圧中の実際の入口温度は、普通、40barより上の圧力で、35から70℃の範囲に保持される。
【0266】
減圧期間とホールド期間については、減圧期間中の再循環流量は、容器内の圧力、温度、密度条件をほぼ均一に確保するために、一定の大きさであることが必要である。従って、本発明による好ましい実施例では、減圧期間中に抜き出される流体流量は、1時間当り少なくとも容器1台分の容積、例えば1時間当り少なくとも容器5台分の容積、好ましくは1時間当り少なくとも容器10台分の容積、更に好ましくは1時間当り容器10台分から50台分の容積の入れ替えに相当し、1時間当り容器10台分から20台分の範囲の容積であると有利である。
【0267】
本発明により、減圧率は、普通、0.05から100bar/minの範囲、例えば0.1から20bar/minの範囲で、0.1から15bar/minの範囲、例えば0.2から10bar/minの範囲であることが好ましい。
【0268】
多くの材料は、他の圧力範囲ではかなり高い減圧率で運転が行なえるにもかかわらず、もし特定の圧力範囲で減圧率が高すぎると、減圧中に損傷を受けることが更に分かった。特に、減圧率は、110barより低い圧力、例えば90bar、特に15から90bar、で重要であることが分かった。この範囲の外では、かなり高い減圧率での運転が、材料を損傷することなく可能である。
【0269】
従って、本発明の好ましい実施例では、110barより低い圧力期間の少なくとも一部では、減圧率は、最大でもこの範囲外の最大減圧率の1/2、例えば最大減圧率の1/3で、最大でも最大減圧率の1/5が好ましく、最大でもこの圧力範囲外の最大減圧率の1/10であることがより好ましい。
【0270】
減圧期間は、更に、一定圧力での1以上のホールド期間を備え、そこでは材料内の圧力と温度条件が安定にできる。
【0271】
2から5barより上の圧力範囲では、膨張した流体は普通再使用のために回収される。5barより低い圧力、例えば2barより低い圧力では、流体は普通制御された減圧率で放出される。
【0272】
圧力容器を開き、材料を抜く前に、容器は普通、容器を開いた場合に流体によって爆発する危険を避けるために、空気によってパージされる。このパージは、ある一定時間の間容器に空気を供給する一方、容器を真空(大気圧より低い圧力)にして行なうことができる。普通、このパージ時間は1から20分の範囲である。他のケースでは、このパージングは容器を空気で大気圧より0.5から5bar高い圧力まで加圧し、圧力がほぼ大気圧と同じになるまで容器を放風して行なうことができる。真空を利用したパージングと大気圧より上の圧力から放風するパージングのどんな組み合わせも適用でき、この手順を繰り返すことができることが理解されなければならない。
【実施例4】
【0273】
実施例4は、再循環と脈動を備えた循環超臨界抽出プロセスを例示する。
【0274】
超臨界流体抽出の多くの用途のかなりの説明が、非特許文献1に示されている。超臨界流体抽出は、しばしば限定された空間、即ちミクロン領域又はナノ領域の細孔構造、を有する材料に適用される。液体よりも拡散性が高いにもかかわらず、超臨界流体は、抽出された材料を限定された空間から超臨界バルク相へ急速輸送するためには、乏しい能力しか示さない。バルク相の流体の完全な混合ができないこと、及びバルク相の流体と限定された空間の流体との間で完全な混合ができないことは、質量輸送率を結局溶質の拡散率にまで限定してしまうこととなる(例えば、特許文献3参照)。更に、圧力及び/又は温度の勾配は、普通、バルク相と限定された空間の中心との間に存在し、それにより限定された空間内への流体の対流輸送を発生することに注意すべきである。従って、溶質の拡散輸送は、対流輸送と反対の方向に起こる必要があり、これによってプロセス効率を減少させ、処理コストを増加させる。
【0275】
この問題を処理するために、ポンプ効果を与える圧力脈動の適用による様々な試みがなされた。ウェットモア他(特許文献4)は、抽出圧力の最大レベルと最小レベルの間を少なくとも103barとすることによって、抽出圧力を上昇し、又は衝撃を与えることにより、多孔性材料の洗浄が改善できることを教示する。圧力パルス洗浄の他の例は、特許文献5、特許文献6、及び特許文献7に示される。これら先行方法に共通することは、そのような圧力揺動は大きく改善された抽出効率(7倍まで)を与えるが、ジュール‐トムソン効果により超臨界流体と圧力容器を激しく冷却することとなる。例えば、温度50℃で圧力降下が103barでは、約18.5℃の断熱温度降下となる。そのような大きな圧力脈動と温度降下は、圧力容器の疲労問題をもたらし、更に、狭い空間にも(毛管凝縮)又はバルク相にさえ流体を凝縮させるかも知れないので、好ましくない。ホーホッタ他(特許文献8)は、圧力調整技術を開示し、そこでは最高圧力レベルと最低圧力レベルの間の相対的な差の30%より小さい圧力脈動の繰り返しが適用され、大きな圧力脈動の技術の欠点に打ち勝つ試みがなされた。特許文献8による小さい圧力脈動は、バルク相では高い混合を与え、超臨界部品の洗浄のような用途には適しているかもしれない。しかし、小さい圧力脈動は、含浸性の低い材料、例えばミクロン領域又はナノ領域の多孔性材料に適用した場合には、所望の十分なポンプ効果を発揮しない。
【0276】
本発明の更なる目的は、先行技術の欠点のない、高濃度流体抽出循環プロセスの改良した質量と熱の輸送方法を与えることである。
【0277】
従って、本発明の1実施例により、高濃度流体抽出循環プロセスは、実施例3に説明するように行なわれる。そこでは、
流体の一部がホールド期間の間、圧力容器から連続的に抜き出され、
抽出された物質は、1以上の工程で圧力を減少させることにより、抽出流体から分離され、
前記工程の各々は、流体から前記抽出された化合物を分離するための分離手段を備え、
前記分離された流体は、熱を加えるため又は熱を取り去るために1以上の熱交換器に供給され、
前記分離された流体は、圧力容器に再循環され、
容器の入口温度は、容器内の流体密度の調整を与えるために、2以上の温度レベルの間で調整されることを特徴とする。
【0278】
好ましい実施例では、入口温度の最大レベルと最小レベルは、最大レベルと最小レベルの間の密度変化が75%まで、例えば50%まで、好ましくは30%までとなるように、選ばれる。
【0279】
温度調整は、普通、少なくとも2回行なわれ、多数回、例えば5から100回繰り返すことができる。
【0280】
目的の効率を達成するために、圧力容器から抜き出される流体の体積は、1時間当たり少なくとも容器5台分の容積、好ましくは1時間当たり容器10台分から50台分の範囲の容積、例えば1時間当たり容器10台分から20台分の容積を入れ替えるのに相当するような一定のサイズであることが必要である。
【0281】
温度調整は、ホールド期間の間、超臨界抽出プロセスのための質量と熱の輸送効率を高めるために特に効果的である。しかし、温度調整はまた、バルク相と狭い空間の中心との間の温度及び/又は圧力の勾配を最小にするために、加圧期間及び/又は減圧期間でも適用される。これはミクロン領域又はナノ領域の多孔性構造で狭い空間を有する、含浸性の低い材料の処理に関して特に関係がある。
【0282】
本発明の他の実施例では、入口温度の温度調整は、圧力脈動技術との組み合わせで実施される。
【0283】
本発明の更なる実施例では、前記温度調整は、圧力容器に流体を加え、又は圧力容器から流体を抜き出すことにより、圧力容器内の圧力をほぼ一定に保持するために、ホールド期間中に、全体の圧力制御ループと組み合わせて実施される。
【0284】
本発明の他の好ましい実施例では、入口温度の調整は、圧力調整又は圧力脈動技術と組み合わされ、そこでは最低圧力レベルは最高温度レベルとほぼ同時に得られ、その逆もまた同様である。
【実施例5】
【0285】
実施例5は、ポリマーの処理のための超臨界抽出循環プロセスを例示する。
【0286】
本発明の他の実施例は、不純物、例えば重合反応から出る過剰なモノマー及び/又は溶媒、を含むポリマーの超臨界処理を含む。他の好ましくない不純物は、不快な臭いとなる化合物、又は材料の更なる処理を妨げる化合物、例えば付着残渣のようなものである。これらの化合物の例は、回収した硫化ゴムに存在する、増量剤オイル、及び/又は有機酸である。
【0287】
従って、本発明の好ましい実施例では、ポリマーのこのような処理は、好ましくない残渣を除去するために、また、材料を更なる処理に適するようにするために、実施例3と4で説明した超臨界抽出プロセスを経る。これらの成分の除去は、ポリマーのマトリックスをより多孔性にし、例えば反応性含浸又は粘着による修飾を、よりやり易くする。
【実施例6】
【0288】
実施例6は、微粒子物質の循環超臨界処理を例示する。
【0289】
本発明の多くの重要な実施例は、微粒子物質の超臨界処理を含む。このような用途では、しばしば微粒子相を動かし及び/又は混合し、微粒子相で動かし及び/又は混合することが好ましい。従って、このような用途では、ここに説明した再循環及び脈動の方法に加えて、流動化ベッド又はモーター駆動ミキサー、例えばインペラー又は回転ドラム、のような攪拌容器を使用すると更に有利である。
【実施例7】
【0290】
実施例7は、循環超臨界抽出と含浸を例示する。
【0291】
本発明の他の実施例は、実施例3から6に説明したような材料の超臨界処理を含み、抽出のためのホールド期間の後の材料は、減圧期間の前に、含浸処理のためのホールド期間を更に経験する。前記含浸期間は、抽出期間とほぼ同じ平均圧力で実施されるのが好ましい。
【0292】
含浸処理のための前記ホールド期間の間、流体の一部は、圧力容器から抜き出され、外部の再循環ループに供給され、外部の再循環ループは、流体を圧力容器に再循環する前に、含浸化学物質、及び/又はコソルベント、及び/又は界面活性剤を流体に添加するための混合容器を更に少なくとも1つ備える。化学物質を添加するための前記混合容器は、熱を加え、又は取り去るための熱交換器の後に配置され、圧力容器内の圧力とほぼ同一の圧力で作動するのが好ましい。
【0293】
化学物質は、循環プロセスの開始時に、又は循環プロセスのどんな段階でも、混合容器に添加することができる。
【0294】
抽出プロセスと含浸プロセスの両方の効率を改善するために、抽出のためのホールド期間と含浸のためのホールド期間の両方で、実施例2と4で説明したような脈動方法を適用することが、通常更に好ましい。従って、本発明による好ましい実施例では、流体の一部は圧力容器から連続的に抜き出され、熱を加え又は取り去るための1以上の熱交換器を備える再循環ループに供給され、圧力容器に再循環される。容器の入口温度は、容器内の流体密度の調整をするために、2以上の温度レベルの間で調整され、一方、全体の制御ループは、圧力容器に流体を加え、又は圧力容器から流体を抜き出すことにより、圧力容器内の圧力をほぼ一定に保持する。
【0295】
含浸のためのホールド期間の後は、圧力容器は、実施例3から6に説明した方法により、減圧される。
【実施例8】
【0296】
実施例8は、本発明によるナノ微粒子の超臨界製造を例示する。
【0297】
超臨界流体は、大変狭いサイズ分布でナノ微粒子を製造することができる、反応性の微粒子の形成のための優れた溶媒である。
【0298】
反応性微粒子形成方法の基礎は、化学システムであり、そこでは反応物質は、使用される溶媒に可溶性であり、一方、反応生成物は、不溶性である。そのようなシステムの1例は、金属アルコラートと水との間の反応から形成される金属酸化物である。生産物の不溶性のために、化学反応は急速に生産物の過飽和溶液を生じ、従って、反応容器で沈殿が起こり始める。沈殿は、どんな核生成場所でも、即ち、容器壁又は容器内に存在する種微粒子で発生し始め、成長する。沈殿、従って微粒子の成長は、溶液が過飽和でなくなるまで続く。もし反応容器に十分多数の核生成場所が与えられたならば、沈殿時間及びそれによる微粒子成長が制限され、大変小さな―ナノメートル領域の―微粒子が、大変狭いサイズ分布と高度な結晶状態で形成される。反応容器に核生成場所を導入する方法の例は、種微粒子又は充填材料の添加である。
【0299】
大変狭い微粒子サイズ分布を確保するために、沈殿時間は、精密に制御されなければならず、即ち、過飽和が容器の全ての部分で同時に達成されなければならない。そのような均質な過飽和を達成するためには、様々な条件が満たされなければならず、即ち、反応物質の混合は均質でなければならず、化学反応は沈殿時間と比較して相対的に速くなければならず、溶媒の特性は容器内全体で均質な可溶性を確保するように注意深く制御されなければならない。反応物質の混合と溶媒特性の制御は共に、本発明の循環ループを通して容易に行なわれる。
【0300】
処理ラインとして説明されたものは、処理プロセス又は配管そのものを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0301】
【図1】超臨界処理のための循環プロセスの典型的な圧力‐時間のカーブを示す図。
【図2】本発明による再循環原理をダイヤグラムで表現した図。
【図3】本発明による含浸プロセスにおける圧力脈動の効果の例を示す図。
【図4】先行技術の、循環超臨界抽出プロセスの例を示す図。
【図5】本発明による抽出プロセスをダイヤグラムで表現した図。
【図6】上昇した温度で、超臨界抽出プロセス、超臨界含浸工程、微粒子形成工程、及び硫化工程のいずれの組み合わせを運転するのにも適したプロセスレイアウトをダイヤグラムで表現した図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に含まれる材料を処理する方法であって、前記方法が、容器内に存在する流体に関連し、容器内の圧力が増加される少なくとも1つの加圧工程と、容器内の圧力が減少される少なくとも1つの減圧工程とを備える、方法。
【請求項2】
少なくとも前記方法の一部の時間で少なくとも流体の一部の再循環を更に備え、再循環は、容器内に含まれる流体の少なくとも一部を容器から抜き出し、再循環ループに供給し、その後流体を容器に供給する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
更にホールドの工程を備え、ホールドの工程では容器内の圧力はほぼ一定であり、及び/又は容器内の流体の圧力はあらかじめ選定された計画に従って、あらかじめ決められた長さのホールド期間の間変化し、流体はホールド期間の間、臨界条件であることが好ましい、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
更に再循環ループの流体の温度を制御する工程を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
熱が、再循環ループの流体に加えられ、及び/又は再循環ループの流体から取り去られる、前記請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、容器内の温度、圧力、及び/又は密度を制御する、前記請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
加圧工程の後の流体が、超臨界状態である、前記請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
流体が、二酸化炭素、アルコール、水、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ヘプタン、ベンゼン、アンモニア、6フッ化硫黄、亜酸化窒素、クロロトリフルオロメタン、モノフルオロメタン、メタノール、エタノール、DMSO、プロパノール、イソプロパノール、アセトン、THF、酢酸、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、N,N−ジメチルアニリン等、及びその混合物、からなるグループから選ばれる、前記請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記流体が、二酸化炭素である、前記請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記流体が、少なくとも1つのコソルベントを更に備える、前記請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
コソルベントが、アルコール(類)、水、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、アンモニア、ベンゼン、6フッ化硫黄、亜酸化窒素、クロロトリフルオロメタン、モノフルオロメタン、メタノール、エタノール、DMSO、イソプロパノール、アセトン、THF、酢酸、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、N,N−ジメチルアニリン等、及びこれらの混合物、からなるグループから選ばれる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
流体が、1以上の界面活性剤を更に備え、前記界面活性剤は、好ましくは親水性/親油性のバランス値(HLB値)が15より小さい、炭化水素、フルオロカーボンからなるグループから選ばれるのが好ましく、
HLB値は、次の式、
HLB=7+(親水性グループ数の和)−(親油性グループ数の和)
によって決定される、前記請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
減圧工程後の流体が、ガス及び/又は液体及び/又は固体である、前記請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
再循環ループに存在する流体が、容器内の流体とほぼ同じ熱力学的特性を有し、例えば、液又は固体への相変化を受けない、請求項2から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
再循環が、加圧工程の間及び/又は減圧工程の間及び/又は請求項3から14の場合にはホールド工程の間に行なわれる、請求項2から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
圧力容器内の流体の一部が、70barより下の圧力容器内の圧力から又は70barより下の圧力容器内の圧力へ、例えば、60barより下の圧力から又は60barより下の圧力へ、好ましくは40barより下の圧力から及び/又は40barより下の圧力へ、更に好ましくは2barより下の圧力から及び/又は2barより下の圧力へ、再循環ループへ抜き出される、前記請求項2から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
容器から抜き出される流体の体積が、1時間当たり少なくとも1容器の容積の交換に相当し、例えば、1時間当たり少なくとも2容器の容積、好ましくは1時間当たり少なくとも5容器の容積に相当し、1時間当たり少なくとも10容器の容積の交換に相当すると有利であり、1時間当たり10から20容器の容積の範囲の交換に相当することが好ましい、前記請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
加圧工程後の容器内の圧力が、85から500barの範囲であり、好ましくは85から300barの範囲、例えば100から200barの範囲である、前記請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
容器内の温度が、20から300℃の範囲、例えば30から150℃に保持され、好ましくは35から100℃の範囲、例えば40から60℃の範囲に保持される、前記請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
加圧(減圧)期間の間、加圧(減圧)率が特定の圧力間隔においてあらかじめ決定された態様で制御される、前記請求項1から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
40から120barの圧力範囲の少なくとも一部における圧力上昇率が、この範囲外の最大加圧率の多くて1/2倍、例えば最大加圧率の1/3倍、好ましくは最大加圧率の多くて1/5倍、より好ましくはこの圧力範囲外の最大加圧率の多くて1/10倍である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
110barより下の圧力間隔の少なくとも一部における減圧率が、この範囲外の最大減圧率の多くて1/2倍、例えば最大減圧率の1/3倍、好ましくは最大減圧率の多くて1/5倍、より好ましくはこの圧力範囲外の最大減圧率の多くて1/10倍である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
減圧中に容器に送られる流体の温度が、10℃まで上昇し、例えばホールド期間中の入口温度と比較して25℃まで上昇する、前記請求項1から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
減圧中に容器に供給される流体の温度が、40barより上の圧力では35から70℃の範囲で保持される、前記請求項1から23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
容器内の流体の圧力が、分離手段に供給される前のホールド期間中、減圧される、前記請求項1から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
加圧工程中の圧力上昇率が、通常、0.05から100bar/minの範囲、例えば0.1から20bar/min、好ましくは0.1から15bar/minの範囲、例えば0.2から10bar/minの範囲である、前記請求項1から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
ホールド期間中又は加圧工程中の圧力上昇が、容器に供給される流体の温度を少なくとも部分的に上昇することによって得られ、前記温度上昇は、容器に供給される前の流体に熱を加えることによって得られるのが好ましい、前記請求項1から26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
加圧工程中の圧力上昇率及び/又は減圧工程中の圧力降下率が、流体に少なくとも部分的に熱を加え、又は流体から少なくとも部分的に熱を取り去ることにより制御され、前記流体は、再循環ループ内に存在する流体であることが好ましい、請求項2から27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
ホールド期間の全期間又はある期間の間に容器に供給される流体の温度が、容器内の温度変化に対応する圧力変化を生じるために、あらかじめ決められた計画に従って変化する、前記請求項1から28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
ホールド期間の全期間又はある期間の間に容器に供給される流体の温度が、あらかじめ決められた計画に従って変化し、圧力は、容器内の温度変化に対応する密度変化を生じるために、容器に流体を加え又は容器から流体を抜き出すことにより、ほぼ一定のレベルに保持される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
温度の最大及び最小レベルが、密度変化の最大及び最小レベルの間が75%まで、例えば50%、好ましくは30%までの変化を与えるように選ばれる、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記容器の直径が、少なくとも10cm、例えば25cm、好ましくは少なくとも40cm、より好ましくは少なくとも60cm、更に、より好ましくは少なくとも80cmであり、更に120cmより大きいと有利である、前記請求項1から31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
圧力容器が、水平に配置される、前記請求項1から32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
圧力容器が、垂直に配置される、前記請求項1から33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
再循環ループが、前記流体に熱を加え又は流体から熱を取り去るために、少なくとも1つの熱交換器を備える、請求項2から34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
再循環ループが、前記流体を抜き出し再循環させるための手段を備え、前記手段が再循環ループの動圧損失とほぼ同じ大きさのヘッドを有する、請求項2から35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記手段が、遠心ポンプ、遠心コンプレッサー、ピストンポンプ及び/又はピストンコンプレッサーを備える、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記手段のトータルヘッドが、再循環ループの動圧損失とほぼ同じ大きさであり、大きな圧力ヘッドよりむしろ高い体積処理量を与える、請求項36又は請求項37に記載の方法。
【請求項39】
外部の再循環ループのどの部分に存在する流体の圧力もほぼ一定で、循環の特定の段階での容器内の圧力と同一オーダーの大きさである、請求項2から38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
コーティング又は含浸処理が、圧力容器で行なわれる、前記請求項1から39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記再循環ループが、流体を化学物質と混合するための、熱交換器の下流に配置された、混合容器を更に備える、請求項2から40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記化学物質を含む混合容器が、コーティング又は含浸処理のために使用される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
抽出処理が、圧力容器内で行なわれるか又は圧力容器内で追加して行われる、前記請求項1から42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
再循環ループが、抽出された成分から超臨界流体を分離するための手段を備える、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
抽出された成分から超臨界流体を分離する前記手段が、1以上のサイクロン段階を備える、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記サイクロンの圧力が、各段階の間で減少する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記サイクロンの温度が、各段階の間で減少する、請求項45又は請求項46に記載の方法。
【請求項48】
少なくとも最後のサイクロンの運転圧力と温度が、前記超臨界流体の臨界点より下である、請求項45から47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
抽出された成分から超臨界流体を分離する手段が、活性炭フィルターを備え、又は更に備える、請求項44から48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記分離が、ガス状及び液体状の両方の前記超臨界流体を有する容器で行なうことができ、液相は、容器内で特定のレベルに制御されるのが好ましい、請求項44から49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記分離が、ガス状及び液体状の両方の前記超臨界流体を有する、重量分析器を設置したチャンバーで行なわれ、液相は、容器内で特定のレベルに制御されるのが好ましい、請求項44から50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記方法が、容器に含まれる材料から成分を抽出する少なくとも1つの工程を更に備え、前記抽出工程は、成分の抽出が起こるあらかじめ設定した状態を得るために、容器内の熱力学的状態の制御を備える、前記請求項1から51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
成分の前記抽出が、抽出される前記成分の沸点よりも最大25℃低い温度で実施され、好ましくは抽出される前記成分の沸点よりも最大15℃低い温度で、より好ましくは抽出される前記成分の沸点よりも最大10℃低い温度で実施され、抽出される前記成分の沸点とほぼ同一か又は沸点よりも高い温度で実施されるのが、最も好ましい、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
容器内の材料からの前記成分抽出が、容器内の温度で実施され、容器内の温度が、容器に含まれる材料の最高連続運転温度に近く、例えば、処理される材料の最高連続運転温度の−25℃から+25℃の範囲であり、例えば、処理される材料の最高連続運転温度の−10℃から+10℃の範囲である、請求項52又は請求項53に記載の方法。
【請求項55】
容器内の材料からの前記成分抽出が、容器内の温度で実施され、容器内の温度が、容器内の前記材料の熱分解温度より低い、請求項52から54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
容器内に含まれる材料からの前記成分抽出中の容器内の温度が、70から140℃の範囲である、請求項52から55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
容器内に含まれる材料からの前記成分抽出中の容器内の圧力が、100から500barの範囲、例えば120から300barの範囲である、請求項52から56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
容器内に含まれる材料から前記成分を抽出するのに使用されるCO2の量の、容器内に含まれる材料の量に対する割合が、1kg/kgから80kg/kgの範囲、例えば、1kg/kgから60kg/kgの範囲、好ましくは1kg/kgから40kg/kgの範囲、例えば5kg/kgから20kg/kgの範囲である、請求項52から57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
抽出される成分が、処理される材料中の好ましくない臭いの原因となる成分である、請求項52から58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
容器内の材料から抽出される成分が、有機溶媒、モノマー、増量剤オイルのような芳香族オイル、及び有機酸、のような有機物の抽出物を含む、請求項52から59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
潜在的アレルゲンが、少なくとも10%減らされ、例えば少なくとも25%減らされ、少なくとも50%減らされることが好ましい、請求項52から60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
Znの含有量が、少なくとも10%減らされ、例えば少なくとも25%減らされ、少なくとも50%減らされることが好ましい、請求項52から61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
重金属のような無機物、例えばZnが、処理後の材料中にほぼそのまま残される、請求項52から62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
容器内の熱力学的状態が、容器内に含まれる材料から選択的な成分抽出を得る一方、材料中の他の抽出可能な成分をほぼ残すようにするために制御される、請求項52から63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記選択的抽出が、容器中の材料の中に維持したい成分で抽出流体をほぼ飽和させることによって、更に制御される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記方法が、その後の抽出工程を備え、その後の各抽出工程の熱力学的状態は、容器内の材料からのあらかじめ選択した成分抽出が生じる、あらかじめ選択した状態を得るために制御される、請求項64又は請求項65に記載の方法。
【請求項67】
第1の工程における熱力学的状態が、あらかじめ選択された状態を得るように選択され、あらかじめ選択された抽出が、処理される材料中の好ましくない臭いをほぼ取り除く一方、増量剤オイル、芳香族オイル、酸化防止剤、及びオゾン劣化防止剤のような他の抽出可能成分の大部分は、処理される材料中に維持される結果となる、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
第1の工程における熱力学的状態が、抽出可能物質の総量に対する第1の工程で除かれる抽出物質の総量が10から35%の範囲にあるように選択され、抽出可能物質の総量は、例えばSOXLETH法(ASTM D1416)により、溶媒としてペンタンを使用して決定される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
生産物中の芳香族オイル、有機酸、酸化防止剤、及びオゾン劣化防止剤の残りの量が、少なくとも0.5重量%であり、例えば、少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも2重量%、例えば少なくとも3重量%であり、処理された材料はほぼ臭いがしなくなる、請求項66から68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
第1の工程での熱力学的状態が、容器中の温度が65から100℃の範囲、例えば70から90℃の範囲であるように制御され、容器中の圧力が100から200barの範囲、例えば140から170barの範囲であるように制御される、請求項66から69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
第2の抽出工程での熱力学的状態が、容器中の温度が80から140℃の範囲であるように制御され、容器中の圧力が200から300barの範囲であるように制御される、請求項66から70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記方法が、容器中に含まれる材料から成分を抽出する少なくとも1つの工程を更に備え、前記抽出が、
成分の抽出が生じる、あらかじめ選択された状態を得るために容器内の熱力学的状態を制御する工程と、
容器に含まれる材料から成分を抽出する前記工程の間、容器内に含まれる流体の少なくとも一部を前記容器から抜き出し、それを前記流体から抽出成分を分離するために再循環ループに供給する工程と、
前記流体の臨界圧力より上の圧力で、前記流体から前記抽出成分を少なくとも部分的に分離する工程と、
前記分離された流体を容器に供給する工程とを備える、請求項52から71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記抽出のための容器内の圧力が、少なくとも150bar、例えば少なくとも200bar、例えば少なくとも300barである、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記流体から前記抽出成分の前記分離をするための圧力が、前記成分抽出のための容器内の圧力の少なくとも1/2、例えば前記成分抽出のための容器内の圧力の少なくとも2/3、例えば前記成分抽出のための容器内の圧力の少なくとも3/4である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
分離のための熱力学的状態が、前記流体中の抽出成分の可溶性が、前記成分抽出のための容器内の圧力での抽出成分の可溶性の最大20%であるように、例えば前記成分抽出のための容器内の圧力での抽出成分の可溶性の最大10%であるように、好ましくは前記成分抽出のための容器内の圧力での抽出成分の可溶性の最大5%であるように、制御される、請求項72から74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記方法が、容器内に含まれる材料に含浸するための、少なくとも1つの含浸又はコーティングの工程を更に備え、前記含浸又はコーティングの工程が、容器内の熱力学的状態の制御を備え、容器内に含まれる1以上の反応物質のような含浸成分が、容器内に含まれる材料に含浸又はコーティングする、あらかじめ選択した状態を得るようにする、前記請求項1から75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
前記含浸又はコーティングの工程が、化学反応を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記含浸又はコーティングの工程で使用される化学物質が、化学反応のための前駆物質である、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記化学反応が、シリレーションである、請求項76又は請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記化学物質が、容器内に含まれる前記材料上のほぼ単分子層に含浸又はコーティングされる、請求項76から79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
容器内に含まれる前記材料上の前記化学物質の表面被覆率が、少なくとも5分子/nm2、例えば少なくとも6分子/nm2である、請求項76から80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
ホールド期間が、1以上の抽出工程を備え、抽出工程の次に1以上の含浸工程が続く、請求項3から81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
ホールド期間が、1以上の抽出工程を備え、次に1以上の含浸工程が続き、含浸の後に、1以上の温度上昇工程が続き、1以上の温度上昇工程の後に、1以上の温度降下工程が続く、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
ホールド期間の最終工程が、1以上の抽出工程を備える、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
1以上の含浸工程の過剰な含浸化学物質が、前記最終の1以上の抽出工程において容器内に含まれる前記材料から抽出される、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
超臨界熱力学的状態が、ホールド期間の全工程の間、容器内で維持される、請求項83から86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
ホールド期間が、1以上の抽出工程を備え、容器内の圧力は、一定に保たれ、抽出工程には、1以上の含浸工程が続き、含浸工程の間、容器内の圧力は抽出工程の間とほぼ同レベルに保たれ、抽出から含浸工程への切り替えの間、容器内にはおおむね圧力変化が起こらない、請求項3から86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
前記方法が、第1の含浸工程に続く更なる含浸工程を更に備え、更なる含浸工程の間の圧力は、第1の含浸工程の間の圧力より高い又は低い、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
含浸工程又は更なる含浸工程の後に、温度を上昇させる1以上の工程が、好ましくは圧力を一定に保って続き、温度を上昇させる1以上の工程の1以上の後に、温度を降下させる1以上の工程が、好ましくは圧力を一定に保って続くことが好ましい、請求項87又は請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記方法が、材料の処理の間の少なくとも一部の時間、容器内に存在する流体及び/又は材料の攪拌を更に備える、前記請求項1から89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
前記容器が、攪拌される容器、例えば流動化ベッド、及び/又は好ましくは拡大ベッド、及び/又は例えば回転ドラム及び/又はインペラーのようなモーター駆動のミキサーである、前記請求項1から90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項92】
前記容器が、流動化ベッドである、前記請求項1から91のいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
流動化される材料が、処理される材料である、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
流動化される材料が、処理される材料ではないベッド材料である、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記流動化が、容器に供給される流体の流れによって得られる、請求項92から94のいずれか1項に記載の方法。
【請求項96】
前記減圧工程の少なくとも一部の時間において、前記攪拌される容器の中にコーティング又は含浸化学物質をスプレーすることを備える、請求項90から95のいずれか1項に記載の方法。
【請求項97】
前記コーティング又は含浸の化学物質が、前記攪拌される容器の中にスラリーとしてスプレーされる、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記コーティング又は含浸の化学物質が、容器に含まれる流体におおむね不溶性である、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
減圧中に容器から抜き出される流体の少なくとも初めの部分が、前記容器に直接又は再循環ループを介して接続された出口を有するバッファタンクに供給され、バッファタンクで、好ましくは前記流体の液相中に直接スプレーすることによって濃縮される、請求項2から98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
容器から抜き出される流体の少なくとも第2の部分が、凝縮器に供給され、凝縮され、凝縮された流体は、前記容器に直接又は再循環ループを介して接続された出口を有するバッファタンクにおおむね供給される、請求項2から99のいずれか1項に記載の方法。
【請求項101】
バッファタンクの温度が、ほぼ一定に保持されるように制御され、前記制御は、容器から抜き出されてバッファタンクへ供給される流体を第1と第2の部分に少なくとも部分的に分離し、バッファタンクの出口を通って抜き出される流体から生じる蒸発冷却で消費される熱のバランスをとることによって得られる、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
バッファタンクの温度の制御が、流体メイクアップタンクからのメイクアップ流体を加えることにより、バッファタンクの液面を制御することを更に含む、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
循環手段において平行にかつ異なった状態で作動する様々な処理ラインを備え、前記様々な処理ラインは前記バッファタンクに接続され、
加圧のための共通供給システムと、
コンプレッサーを含む減圧のための共通ラインと、
共通の凝縮器と、
前記流体を液相にスプレーするための共通ラインと、
共通のメイクアップシステムとを備える、請求項99から102のいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
前記様々な処理ラインが、2から6ライン、例えば3から4ラインを備える、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記バッファタンク内の前記圧力が、55から70barの範囲、好ましくは60から70barの範囲である、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記バッファタンク内の温度が、12から30℃の範囲、好ましくは15から25℃の範囲である、請求項104又は請求項105に記載の方法。
【請求項107】
全処理ライン(バッファタンクを除く)のシステム容積全体と比較したバッファタンクの容積が、50から300%の範囲、例えば100から150%の範囲である、請求項99から106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項108】
微粒子、好ましくはナノ晶子を含む微粒子を製造する方法であって、前記方法が、前記請求項1から107のいずれか1項に記載の方法を利用し、化学物質、例えば化学反応によって微粒子を形成する反応物質、が微粒子形成プロセスに加わるために流体の中に導入される、微粒子を製造する方法。
【請求項109】
前記微粒子形成プロセスが、微粒子形成プロセス、即ち、RESS(超臨界溶液の急速膨張)、GAS(ガス不溶溶媒)、SAS(不溶溶媒の溶媒)、SEDS(超臨界流体により分散を高めた溶液)、PCA(圧縮した不溶溶媒を用いた沈殿)、PGSS(ガス飽和溶液からの沈殿)、及びこれらの変形、の中から選ばれる、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
容器内に更なる核形成場所が、種微粒子又は充填材料の添加により与えられる、請求項108又は請求項109に記載の方法。
【請求項111】
核形成場所の数が、超音波又は振動表面効果の導入により更に増加される、請求項108から110のいずれか1項に記載の方法。
【請求項112】
形成された微粒子が、ナノメーター領域の晶子サイズを有する、請求項108から111のいずれか1項に記載の方法。
【請求項113】
前記微粒子が、金属酸化物のような酸化物を備える、請求項108から112のいずれか1項に記載の方法。
【請求項114】
前記微粒子プロセスが、前駆物質として金属アルコキシドを使用して修飾されたゾル‐ゲルプロセスである、請求項108から113のいずれか1項に記載の方法。
【請求項115】
前記酸化物が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、セリア、イットリア、亜鉛、鉄、ニッケル、ゲルマニア、バリウム、アンチモニア、及びこれらの混合物、の中から選択される、請求項108から114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
前記酸化物が、熱電気材料又は熱電気材料の前駆物質である、請求項114に記載の方法。
【請求項117】
前記酸化物が、半導体材料を備える、請求項114に記載の方法。
【請求項118】
前記酸化物が、圧電気材料を備える、請求項114に記載の方法。
【請求項119】
前記熱電気材料が、Bi2Te3、又は半金属及び/又は金属を加えたBi2Te3、を備える、請求項116に記載の方法。
【請求項120】
前記微粒子が、炭化物、窒化物、ホウ化物を備える、請求項114に記載の方法。
【請求項121】
前記微粒子が、1以上の薬学の又は生物学的な材料を備える、請求項108から112のいずれか1項に記載の方法。
【請求項122】
処理される材料が、木材である、請求項1から106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項123】
前記処理が、抽出であり、抽出された成分は、テルペン及び樹脂を含む、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
木材が、有機防かび剤又は有機殺虫剤を含浸される、請求項122又は請求項123に記載の方法。
【請求項125】
木材が、プロピコナゾールを含む化学物質を含浸される、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
木材が、テブコナゾールを含む化学物質を含浸される、請求項124又は請求項125に記載の方法。
【請求項127】
木材が、IPBCを含む化学物質を含浸される、請求項124から126のいずれか1項に記載の方法。
【請求項128】
処理される材料が、コルクである、請求項1から107のいずれか1項に記載の方法。
【請求項129】
処理される材料が、多孔性の吸着剤である、請求項1から107のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
前記多孔性の吸着剤が、エーロゲル、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニアの中から選択される、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記多孔性の吸着剤が、5から100nmの範囲、例えば5から50nmの範囲、好ましくは5から20nmの範囲の細孔サイズを有する、請求項129又は請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記多孔性の吸着剤が、シラン化合物を含浸される、請求項129から131のいずれか1項に記載の方法。
【請求項133】
前記含浸又はコーティングの工程のための化学物質が、有機シラン、アルコキシルシラン、クロロシラン、フルオロシラン、例えばオクタデシルシラン、n‐オクタデシルトリエトキシシラン、n‐オクタデシルジエチルメトキシシラン、ペルフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリクロロオクタデシルシラン、メルカプトプロピルシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、エチレンジアミン、トリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ODDMS、テトラエトキシシラン、の中から選択される、請求項129から132のいずれか1項に記載の方法。
【請求項134】
前記多孔性の吸着剤が、クロマトグラフィー分離のために使用する、機能化された多孔性吸着剤である、請求項129から133のいずれか1項に記載の方法。
【請求項135】
前記機能化された多孔性吸着剤が、液体クロマトグラフィーのための固定相として使用される、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記多孔性吸着剤が、薬学又は生物工学の化合物の精製又は分析のためのクロマトグラフィーのカラムで使用される、請求項129から135のいずれか1項に記載の方法。
【請求項137】
前記多孔性吸着剤が、インシュリンの精製又は分析のためのクロマトグラフィーのカラムで使用される、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
処理される材料が、ウールであり、処理方法は、ラノリンの抽出を備えることが好ましい、請求項1から107のいずれか1項に記載の方法。
【請求項139】
処理される材料が、ポリマーである、前記請求項1から107のいずれか1項に記載の方法。
【請求項140】
処理される材料が、ゴムである、前記請求項1から107のいずれか1項に記載の方法。
【請求項141】
容器内の材料が、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルクロライド、ポリビニルアセテート、ポリオキシメチレン、ポリアクリロアミド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、これらの共重合体、これらの塩素化生産物、ゴム及び塩素化ゴム、シリコンラバー、ブタジエンゴム、スチレン‐ブタジエンゴム、イソプレンポリマー、加硫したフッ素ゴム、シリコンラバー、からなるグループから選択された、ポリマー又はエラストマーである、請求項139又は請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記材料が、リサイクルされた材料である、請求項141に記載の方法。
【請求項143】
前記材料が、加硫したゴムである、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
処理される前記材料が、加硫したゴムを含む、請求項143に記載の方法。
【請求項145】
処理される前記材料が、シリコンラバーである、請求項1から141のいずれか1項に記載の方法。
【請求項146】
処理される前記材料が、顆粒、粉末、又は微粉末、のような微粒子からなる材料である、請求項139から145のいずれか1項に記載の方法。
【請求項147】
前記含浸化学物質が、エチレン、プロピレン、スチレン、アクリル酸エステル、アクリル酸、ウレタン、エポキシド、エポキシ樹脂を含む、請求項139から146のいずれか1項に記載の方法。
【請求項148】
前記化学物質が、AIBNのような活性化イニシエーターを含む、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
含浸化学物質が、薬学上の薬品である、請求項129から148のいずれか1項に記載の方法。
【請求項150】
材料の処理に用いるための装置であって、前記装置は、処理される材料及び処理に関する流体を収容するための容器を備え、
更に、容器内の圧力が増加される少なくとも1つの加圧工程と、容器内の圧力が減少される少なくとも1つの減圧工程とを実行するために、容器内の圧力を増加、減少させるための圧力手段と、
少なくとも流体の一部を再循環するための再循環ループとを備え、
前記再循環ループは、容器内に含まれる流体の少なくとも一部を容器から抜き出し、再循環ループに供給し、その後前記流体を容器に供給する、
材料の処理に用いるための装置。
【請求項151】
前記装置が、材料の処理中の少なくとも一部の時間に、容器内に存在する流体及び材料を流動体にするように攪拌するための、攪拌手段を更に備える、請求項150に記載の装置。
【請求項152】
前記装置が、流体回収装置を備え、流体回収装置は容器と流体接続された凝縮器であることが好ましい、請求項151に記載の装置。
【請求項153】
前記流体回収装置が、
前記流体回収装置からガス状流体を抜き出し、それを容器に供給する手段と、
前記流体回収装置から液状流体を抜き出し、それを容器に供給する手段と、
冷却により、容器からの流体を凝縮するための手段と、
前記流体回収装置の液相に直接スプレーすることにより流体を凝縮させる手段と、
前記流体回収装置の前記液相中に沈められた熱交換器とを備える、請求項152に記載の装置。
【請求項154】
前記流体回収装置が、いくつかの容器、例えば2から6の容器、と接続している、請求項153に記載の装置。
【請求項155】
前記請求項のいずれかに記載の方法を実施するために使用される、前記請求項のいずれかに記載の手段を備えた装置。
【請求項156】
前記請求項のいずれかに記載の方法から得ることができる、生産物。
【請求項157】
含浸化学物質、例えばプロピコナゾール、テブコナゾール、IPBC、及びこれらの混合物、を含む、請求項156に記載の処理された木材生産物。
【請求項158】
前記含浸化学物質が、0.05から1.0g/m3の範囲、例えば0.1から0.5g/m3の範囲、好ましくは0.1から0.3g/m3の範囲、例えば0.15から0.25g/m3の範囲の濃度で存在する、請求項157に記載の処理された木材生産物。
【請求項159】
木材生産物が、菌類に対して保護効果を有する、請求項157又は請求項158に記載の処理された木材生産物。
【請求項160】
木材生産物が、シロアリのような虫に対して保護効果を有する、請求項157から159のいずれか1項に記載の処理された木材生産物。
【請求項161】
トリクロロアニソール(TCA)のような、ワインのコルク汚染を生ずる成分の濃度が、95%以上、例えば97.5%以上、例えば99%以上、減少される、請求項156に記載の処理されたコルク生産物。
【請求項162】
多孔性のクロマトグラフィー材料であって、前記材料が、シリレーションの含浸により機能化され、また、前記含浸化学物質は、ほぼ単分子層に堆積する、請求項156に記載の多孔性のクロマトグラフィー材料。
【請求項163】
少なくとも5分子/nm2、例えば少なくとも6分子/nm2の前記含浸化学物質の表面被覆率を備える、請求項156に記載の多孔性のクロマトグラフィー材料。
【請求項164】
悪い臭いのする化合物をおおむね含まないことを特徴とする、請求項156に記載の臭いのないポリマー生産物。
【請求項165】
過剰なモノマー及び揮発性の有機溶媒をおおむね含まないことを特徴とする、請求項154に記載のポリマー生産物。
【請求項166】
前記ポリマー生産物が、ゴムを含む、請求項163又は請求項164に記載の生産物。
【請求項167】
前記ゴムが、加硫ゴムを含む、請求項166に記載の生産物。
【請求項168】
前記無臭効果が、少なくとも50℃まで、例えば70℃まで、好ましくは90℃以上まで安定である、請求項167に記載のゴム生産物。
【請求項169】
少なくとも0.25重量%、例えば少なくとも0.5重量%の、酸化防止剤及びオゾン劣化防止剤を備える、請求項168に記載のゴム生産物。
【請求項170】
生産物中の芳香族オイル、有機酸、及びオゾン劣化防止剤の残量が、少なくとも0.5重量%、例えば少なくとも1重量%、好ましくは2重量%である、請求項163から169のいずれか1項に記載のゴム生産物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−111693(P2007−111693A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−279466(P2006−279466)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【分割の表示】特願2006−540172(P2006−540172)の分割
【原出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(506168417)エスセーエフ テクノロジーズ アクティーゼルスカブ (5)
【Fターム(参考)】