説明

高導電率で安定な透明導電性ポリマー膜

本発明は、気相重合により導電性ポリマー膜を合成する方法に関する。本発明は、特に、重合したチオフェン膜、例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)の合成に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、複素環式芳香族分子の重合により形成される導電性ポリマー膜の合成のための方法に関する。本発明は、特に、重合されたチオフェン膜、例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)膜の合成に関する。
【0002】
オプトエレクトロニックデバイス、例えば電界効果トランジスタ(FET)、発光ダイオード、光起電装置(PVD)、および太陽電池における電極としての使用のための材料の開発は、非常に大きな研究関心分野である。伝統的に、広く用いられている電極材料は、透明前面電極としてのインジウム−スズ−オキシド(ITO)であり、例えばアルミニウム、バリウム、カルシウム、金等の金属を背面電極として伴なう。しかしながら、ITOは、フレキシブルな基板に蒸着して曲げに供した際に、クラッキングおよび導電率の低下を被る。さらに、オプトエレクトロニックディスプレイ工業の急速な開発は、インジウム、ITO電極の製造のための原料の価格を大幅に押し上げる。ITOのような無機電極材料に対する代替物が早急に必要とされている。
【0003】
ITO電極に見られるクラッキング、および結果として生じる導電率の低下の問題に対処するためのフレキシブルな電極材料の提供は、非常に重要である。導電性ポリマー薄膜は興味をひく代替物である。ポリマーエレクトロニクスにおける急速に高まった関心は、軽量化を実現し、低コストで製造することができるフレキシブルな電子部品の見込みに起因する。
【0004】
近年、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)が、フレキシブルポリマーエレクトロニクスのための優れた候補となる材料として浮上している。PEDOTは導電性のポリマーであり、その導電状態において優れた安定性と光透過性とを有する。PEDOTそれ自体は不溶性であるが、水溶性電解質であるポリ(スチレンスルホン酸)(PSS)の存在下での合成は、安定なPEDOT−PSS懸濁液を生じさせ、それは良好な膜形成性質を示す。例えばグリセロールまたはエチレングリコールで二次ドープする等特別な処理に供した際に、PEDOT−PSS膜は、160S/cmに達する導電率を有することができる。しかしながら、この導電率は、ITOについての導電率(4000S/cmの範囲)からはなお程遠い。PEDOT−PSS膜は、Jonsson,S.K.M.,et al.,Synthetic Metals,2003. 139(1):1〜10,J,Huang.,et al.,.Advanced Functional Materials,2005.15(2):290〜296、およびJ,Ouyang.,et al.,Polymer,2004.45(25):8443〜8450に記載されている。
【0005】
導電率のさらなる改善を追及するために、PEDOT導電性ポリマー膜の化学合成は、広く研究された。気相重合されたPEDOT(VPP−PEDOT)膜は特に興味を引き、PEDOT−PSS膜より高い導電率および透明であることを与える。VPP−PEDOT合成は、Jinyeol,K.,et al.Synthetic Metals,2003.139(2):485〜489,Winther−Jensen,B.,et al.,Macromolecules 2004.37(16):5930〜5935and Winther−Jensen,B.およびWest,K.2004.Macromolecules 37(12):4538−4543およびWO2005/103109に記載されている。
【0006】
PEDOTの生成をもたらす重合プロセスは、(1)EDOT複素芳香族環から電子を引き抜く際の3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)モノマーの酸化、(2)プロトンの放出を伴なう二量体を形成する2つの酸化されたモノマーの組み合わせ、(3)長いPEDOT鎖が形成されるまでの、二量体のさらなる酸化および三量体の形成等を含む。EDOTモノマーおよびPEDOT二量体、三量体、および極めて長い鎖のイオン化ポテンシャルは、それぞれ、1.1、0.46、0.16、および−0.25V(対Ag/Ag+)である。その結果として、オリゴマーが形成されるとすぐに、重合が急激に加速される。
【0007】
現在のVPP−PEDOT合成ルートは、3つの鍵となる工程:酸化剤蒸着、モノマー重合、および残留酸化剤除去を含む。まず第一に、酸化層を基板、通常ガラスまたはプラスチック上に、有機溶媒中での酸化剤およびアミンまたはアミド重合抑制剤の溶液を用いて行なわれるスピンコーティングにより、またはグラビア若しくはスクリーン印刷法により蒸着させる。加熱により乾燥させた後、酸化膜を有する基板を反応チャンバー中に移動させる。酸化層を有する基板を、反応チャンバー中で蒸発させたEDOTモノマーに曝す。EDOTモノマー蒸気が基板上の酸化層と接触した際に重合が行なわれ、よって、基板表面にPEDOT膜が形成される。ポリマー膜を形成した後に、PEDOT膜を有する基板を洗浄して、残った酸化剤と、いずれもの残存する重合抑制剤を除去する。一般的に、この洗浄はエタノールまたはメタノールを用いて行なわれる。
【0008】
しかしながら、上記した現在のVPP−PEDOT合成ルートにはいくつかの不利な点がある。まず第一に、蒸発したEDOTモノマーが酸化層に接触して合成されたPEDOT膜は、基板の表面に弱い接着力を有する。つまり、PEDOT膜は、基板との接触を洗浄工程中に容易に失う。この結果として、しわがVPP−PEDOT膜中に生じるか、またはVPP−PEDOT膜全体が基板から洗浄溶液中にはがれるかもしれない。第二に、上述の弱い接着力に起因して、VPP−PEDOT膜を完全に洗浄することができず、酸化剤の完全な除去を確実にすることが困難である。このことは、膜形態に関連する問題を起こし得るし、膜が電極として用いられた際に他の問題を引き起こすかもしれない。例えば、残った酸化剤は温度が上昇した際に結晶化して、VPP−PEDOT膜の変形を引き起こすことがある。酸化剤は化学的に反応性でもあり、したがって、プラスチック電子デバイスにおける活性層として用いられる共役ポリマー、オリゴマー、デンドリマー、または他の分子の劣化を引き起こすかもしれない。第三に、現在のVPP−PEDOT合成ルートは、一般的に、洗浄(酸化剤除去)工程において大量の有機溶媒を必要とする。このことは費用効率が高くなく、また環境的にも優しくない。
【0009】
現在の合成ルートを用いることにより、滑らかな表面を有するVPP−PEDOT膜を得るためには、PEDOT膜を有する基板を有機溶媒中に長時間浸漬させること、および大量の溶媒を用いて表面を洗浄することが必要である。基板は十分に注意を払って取り扱わなければならない。洗浄溶媒中の基板のあらゆる素早い動きは、VPP−PEDOT膜の引裂き、または溶媒中への膜全体の剥がれを引き起こすかもしれない。一般に、PEDOT膜が損なわれないまま基板上に保たれることを確実にするために、膜形態は犠牲にされる。
【0010】
現在の合成ルートの問題に対処する、重合されたチオフェン膜のための新規なVPP合成ルートを提供する。新規な合成ルートにより調製された膜は非常に滑らかで、全合成ルートは容易に制御され、広い面積の膜の製造に適している。また、合成ルートは、関連する複素環式芳香族モノマー、例えば、チオフェンS原子がSe(セレノフェン)、窒素(ピロール)、O(フラン)、または
【化1】

【0011】
により置き換えられているものからポリマーを合成するために用いることもできる。
【0012】
したがって本発明の第1の形態は、気相重合(VPP)によるポリマー膜の製造のための方法に関し、上記方法は、
(1)酸化剤と、アミンまたはアミド重合抑制剤と、添加剤とを含む溶液を提供する工程であって、前記添加剤は水溶性ポリマーである工程、
(2)基板の表面に溶液を塗布して、酸化剤、重合抑制剤および添加剤の混合物層を基板の表面に形成する工程、
(3)酸化剤、重合抑制剤および添加剤を含有する層を蒸発させた複素環式芳香族モノマーに曝して、基板の表面へポリマー膜を形成することを進めるように重合を可能にする工程
を備える。
【0013】
.好ましい実施形態において、酸化剤と、アミンまたはアミド重合抑制剤と、添加剤とを含む溶液は水溶液である。
【0014】
好ましい実施形態において、工程(2)の後に、上記方法は、酸化剤、重合抑制剤および添加剤の混合物層から溶媒を除去する工程(2a)をさらに備える。好ましくは、溶媒を加熱により除去する。好ましくは、基板を80〜120℃で1〜5分間(例えばホットプレート上で)、乾燥雰囲気下または真空下で加熱する。
【0015】
重合工程(3)の前の溶媒の除去は、膜形態を改善し、重合した膜が基板から持ち上げられるリスクを低減する。
【0016】
好ましい実施形態において、重合工程(3)を、40℃〜3℃の範囲の温度で行なう。好ましくは、重合をドライチャンバー中で行なう。.好ましくは、反応チャンバーを加熱および/または窒素、アルゴン若しくは乾燥空気でパージすることにより乾燥する。
【0017】
酸化剤、重合抑制剤および添加剤を含有する層を乾燥雰囲気下、または工程(2a)における真空中で加熱し、重合チャンバーを工程(3)において乾燥させ、重合における水の影響を回避する。重合反応から水を除去することは、改善された表面形態を有するポリマー膜の製造をもたらす。
【0018】
好ましい実施形態において、当該方法は、工程(3)において製造されたポリマー膜を有する基板を、水または水性溶媒または水混和性溶媒で洗浄する工程(4)をさらに備える。この工程の目的は、残存する酸化剤および重合抑制剤を除去するためである。好ましくは、工程(4)は基板を(例えば基板をホットプレート上に短時間、好ましくは1〜10分移動させることにより)、不活性雰囲気下で加熱すること、その後、基板を水または水性溶媒中にある程度の時間浸漬させて、最終的にポリマー膜を有する基板を溶媒から取り出して、乾燥させることを備える。好ましくは、乾燥させることは、空気中で自然に起こらせるか、または他の適当な雰囲気(例えば不活性雰囲気)下で起こらせる。
【0019】
さらなる好ましい実施形態において、この方法は、重合した膜上に高分子酸の層を堆積する工程(5)を備える。好ましくは、これは、高分子酸の溶液を用いたスピンコーティングにより達成される。この高分子酸の層は、後のアニール中に膜の導電率を安定化させるのに役立つ。好ましくは、高分子酸は、水に溶解された水溶性高分子酸であり、高分子酸溶液を生じる。さらに好ましくは、高分子酸は、ポリ(4−スチレンスルホン酸)(PSSA)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)(PAAMPSA)、またはポリ(4−スチレンスルホナート)(PEDOT−PSS)をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である。最も好ましくは、高分子酸はPSSAである。
【0020】
好ましい実施形態において、添加剤は、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、および挙げられたポリマーの少なくとも1つ、好ましくは2つを含むポリマーの混合物から選択される水溶性ポリマーである。好ましくは、添加剤はポリエチレンオキサイド(PEO)またはポリビニルアルコール(PVA)である。
【0021】
好ましい実施形態において、ポリマー膜は、式I〜Vの任意のモノマーのポリマーを含む。
【化2】

【0022】
ここで、XおよびYは、独立に、−O−または−CH2−とすることができる。ただし、XおよびYの少なくとも一方は、−O−である:Rは任意に置換されたC1-4アルキルである;Zは水素または−NH2である。好ましくは、XおよびYはいずれも−O−である。好ましくはZは水素である。
【0023】
ましくは、Rは任意に置換されたC1-4アルキレンバイラジカルであり、例えば、−CH2−,−CH2CH2−,−CH2CH2CH2−および−CH2CH2CH2CH2−から選択され、Rにおいては、置換される場合には、1つ以上の水素、好ましくは2または3の水素原子が、ヒドロキシ、C1-6アルキル,C1-6ハロアルキル,C1-6アルコキシ,C1-6−アルコキシカルボニル,C1-6−アルキルカルボニル,ホルミル,アリール,アミノ,C1-6アルキルアミノ,ジ(C1-6アルキル)アミノ,カルバモイル,モノ−およびジ(C1-6アルキル)アミノ−C1-6−アルキル−アミノ−カルボニル,C1-6アルキルカルボニルアミノ,−CN,カルバミド,C1-6アルカノイルオキシ,−SO3H,−SO2H,C1-6−アルキルスルホニルオキシ,C1-6−アルキルスルホニル,ニトロおよびハロゲンから独立に選択される置換基で置換される。好ましい置換基は、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6−アルコキシカルボニル,C1-6−アルキルカルボニルアミノ,C1-6アルキルアミノ,ジ(C1-6アルキル)アミノおよびハロゲンである。より好ましくは、Rは非置換のエチレンまたはプロピレンバイラジカル(−CH2CH2−または−CH2CH2CH2−)である。
【0024】
より好ましくは、Rは非置換のエチレン(−CH2CH2−)であり、XおよびYはいずれも−O−であり、モノマーはエチレンジオキシチオフェン(EDOT)およびチオフェンポリマーはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)のようなものである。
【0025】
.好ましい実施形態において、酸化剤は、鉄塩(III)であり、好ましくはスルホン酸鉄(III),塩化鉄Fe(III)またはリン酸鉄(III)であり、より好ましくは酸化剤は、p−トルエンスルホン酸・ヘプタン二酸鉄である。
【0026】
.好ましい実施形態において、酸化剤溶液中における酸化剤と添加剤との間の比(重量により算出)は、1:0.006と1:0.92との間の範囲内である。より好ましくは、添加剤はPVAであり、酸化剤とPVAとの間の比は、1:0.042と1:0.92との間の範囲内である。あるいは、添加剤はPEOであり、酸化剤とPEOとの間の比は、1:0.23と1:0.92との間である。
【0027】
好ましい実施形態において、添加剤はPVAでありPVAの分子量は少なくとも1000〜14000であり、より好ましくは少なくとも7000〜10000である。もう一つの好ましい実施形態において、添加剤はPEOであり、PEOの分子量は少なくとも1000であり、より好ましくは少なくとも6400である。
【0028】
好ましい実施形態において、アミンまたはアミド重合抑制剤は、ターシャリアミン、ターシャリアミドまたは芳香族アミンである。好ましくは、抑制剤は、環式ターシャリアミン(4−メチルモルフォリン,1−メチルピペリジンおよび1−メチルピロリドンのようなもの),環式ターシャリアミド(N−メチル−ピロリドン,N−ビニル−ピロリドンおよび3−メチル−2−オキソゾリジノンのようなもの)、あるいは芳香族アミン(ピリジン,N−メチル−イミダゾール,キノリンおよびイソキノリンのようなもの)である。酸化剤溶液は、アミン類および/またはアミド類の混合物を含んでもよい。より好ましくは、抑制剤はピリジンである。
【0029】
好ましい実施形態において、基板は重合性プラスチック材料、金属箔またはガラスを含む。重合性プラスチック材料は、好ましくは、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびポリプロピレンのようなもの、ポリスチレン、サーモプラスチック、フルオロポリマー、例えばポリテトラフルオロエチンレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、およびポリビニルジフルオライドのようなもの、ポリアミド、例えばナイロン(登録商標)およびポリビニルクロライドのようなものから選択される。
好ましい実施形態において、多層バリア(SiOxおよびSiNxのようなもの、ここで2>x>1および1.3>y>0.6である)を含むプラスチック膜基板を用いることができる。バリアは、プラスチック膜を通した酸素および水の透過を制限するため、およびその表面を平坦にするために用いることができる。
【0030】
本発明の好ましい実施形態において、酸化剤、重合抑制剤および添加剤を含む層を有する基板は、工程(3)中、真空チャンバー内で気化された複素芳香族モノマー(好ましくはEDOTモノマー)に曝される。好ましくは、反応チャンバー内の真空は210から0.1トルであり、より好ましくは、真空は75トルである。好ましくは、液体複素芳香族モノマーは、チャンバー内で基板(例えばガラス)上に前塗布することによって、あるいは反応チャンバー内に注入することによって、真空中に導入される。真空は、液体モノマーの蒸発を引き起こす。
【0031】
本発明の他の実施形態において、酸化剤、重合抑制剤および添加剤を含む層を有する基板は、工程(3)中、ガス源とチャンバーとの間の閉じられた経路における容器内に収容された液体複素芳香族モノマーの上方にN2、Arまたは乾燥空気を流すことによって反応チャンバー内に引き込まれた気化された複素芳香族モノマー(好ましくはEFOTモノマー)に曝される。
【0032】
好ましい実施形態において、重合工程(4)は、40℃より低い温度で行なわれる。好ましくは、温度は30℃以下、22℃以下、または8℃以下である。より好ましくは、温度は3〜30℃、3〜26℃、3〜22℃または3〜8℃である。上述したような重合した複素芳香族膜の低温VPPを行なうことは、高められた導電率を有するチオフェン膜の製造に導くことが見出された。
【0033】
好ましい実施形態において、酸化剤、重合抑制剤および添加剤を含有する溶液は、溶媒の混合物、すなわち、水と水親和性溶媒、例えばメタノール、エタノールまたはブタノールのようなアルコールとの混合物である。
【0034】
別の実施形態において、酸化剤、アミンまたはアミド重合抑制剤、および添加剤は、トルエンと、メタノール、エタノールまたはブタノールのようなアルコール溶媒との混合物中に溶解する。水溶性ポリマー添加剤は、アルコール溶媒に溶解し得ることに留意すべきである。
好ましい実施形態において、酸化剤、重合抑制剤および添加剤を含む溶液は、酸化剤および重合抑制剤を含む第1の溶液と、添加剤を含む第2の溶液とを調製し、次いで、第1および第2の溶液を混合することによって調製することができる。第1および第2の溶液は、同一または異なる溶媒を含むことができる。
【0035】
もう1つの好ましい実施形態において、グリコールまたはグリセロールは、重合された膜の基板への接着力を高めるために酸化剤溶液に添加される。
【0036】
上述した方法は確固たるものであり、平滑で高導電率のVPP−PEDOT膜の高い歩留まりでの製造を可能にする。この方法により製造されたVPP−PEDOT膜は、基板への高い接着力を有する。これは、しわや膜の分離を伴なわずに水での洗浄を可能とし、膜形態および歩留まりを改善する。
第2の態様において、本発明は、本発明の第1の態様の方法により製造されたポリマー膜を提供する。第1の態様の好ましい特徴は、本発明の第2の態様に当てはまる。
【0037】
本発明は、種々の方法で実施することができ、多くの特定の実施形態は、例として本発明を説明するために添付の図面を参照して述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1Aはポリマー添加剤なしのVPP−PEDOT膜の三次元AFMイメージであり、ひだが形成された。図1Bは溶液表1に示されるように、p−トルエンスルホン酸・ヘプタン二酸鉄:PVAが1:0.085を伴なう溶液から堆積された層の上へのVPP−PEDOT成長のAFMイメージである。
【図2】VPP−PEDOT膜(実線)、および溶液表1のようにp−トルエンスルホン酸・ヘプタン二酸鉄:PVAが1:0.085で調製されたPVA添加剤を伴なうVPP−PEDOT膜(点線)の透過スペクトルである。膜厚およびシート抵抗もまた、図中に示した。
【図3】VPP−PEDOT膜の導電率対合成温度のプロットを示す。合成は、トルエンとブタノールとの(1:1)溶液中に、17%のp−トルエンスルホン酸・ヘプタン二酸鉄および0.6%のピリジンを含む混合溶液を用いて行なわれた。
【0039】
以下の限定されない例を参照して、本発明を説明する。
【0040】

VPP−PEDOT合成のための原料は、EDOTモノマー(H.C.StarkからのBaytron M)、p−トルエンスルホン酸・ヘプタン二酸鉄、ピリジン、グリセロール、ポリエチレンオキサイド(PEO、Mw6400)、ポリビニルアルコール(PVA,Mw7000〜10000)、メタノールおよびエタノール(シグマ−アルドリッチ)である。これらの原料は、市販されており、さらなる精製なしに使用された。ガラス基板は、20%Decon90および脱イオン(DI)水を用いて、超音波浴中でそれぞれ30分間洗浄した。
【0041】
ガラス基板の代替として金属箔またはプラスチック基板を用いることができ、使用に先立って、超音波浴中、例えばエタノール溶液で10分間洗浄する。
【0042】
例1−ポリマー添加剤の有および無で合成されたVPP−PEDOTの比較
VPP−PEDOTの製造−PVA/PEO添加剤を用いた大量生産のための方法
溶液調製
まず、酸化剤溶液および添加剤溶液を調製し、次いでこれらの溶液を組み合わせることによって、酸化剤、重合抑制剤、およびポリマー添加剤を含む水溶液を調製した。PVAの使用のための酸化剤溶液(1)は、6gのp−トルエンスルホン酸・ヘプタン二酸鉄、0.2gのピリジン、0.8gのグリセロールを30gのイソ−プロパノールに溶解して得た。PEO使用のための酸化剤溶液(2)は、イソ−プロパノールをDI水に置き換え、溶液(1)中と同様の量で他の材料を保つことにより調製した。グリセロールは粘性の水親和性溶媒であり、酸化剤溶液の粘度を合わせるために配合される。PVA溶液は、3gのDI水に0.5gのPVAを溶解することにより、PEO溶液は3gのDI水に0.6gのPEOを溶解することにより得た。溶液は、80℃のホットプレート上で数時間攪拌し、0.2マイクロメーターのフィルターを通してろ過した。異なる濃度のPVAおよびPEO添加剤を含む酸化剤溶液は、下記表に示す比で上述した物質を混合することにより調整した。
【表1】

【表2】

【0043】
上述の溶液からスピンコーティングによりガラス基板上に酸化剤、ピリジンおよびPVA(またはPEO)混合物を堆積することにより、ポリマー添加剤膜を伴なうVPP−PEDOTを準備した。これに続いて、窒素雰囲気中、80〜120℃のホットプレート上で5分間の乾燥工程を行なった。その後、基板を真空反応チャンバー内に移動し、数滴のEDOT液体モノマーがその上に配置された清浄された一片のガラスが収容された。チャンバーの内側、チャンバー壁の表面に吸着したいかなる水も、加熱およびN2パージによって事前除去した。真空は、典型的に75トルで温度20℃であった。
【0044】
EDOTモノマーが酸化剤層に接触する際、重合が生じてPEDOT膜が基板表面に形成される。これは、PEDOT膜の特徴的な淡青色の発現によって検知された。PEDOT膜を有する基板は、その後、真空チャンバーから移動させ、窒素雰囲気中、50℃のホットプレート上で30分間とした。この加熱は、膜層中に残留する任意のモノマーの重合を助けるために作用し、窒素雰囲気は、重合した膜中への水の吸着を避け、孔形成を避けるためである。加熱工程の後、PEDOT膜を有する基板は、DI水中に浸漬した。PVAまたはPEO添加剤とともにVPP−PEDOT膜を有する基板は、VPP−PEDOT膜を基板上で損なわれないまま保ちつつ、酸化剤の除去を助けるために強く揺り動かした。
【0045】
既知の合成経路を用いたVPP−PEDOT膜の調製
比較のために、既知の合成経路を用いて、VPP−PEDOT膜を調製した。
【0046】
(1)ガラス基板上への酸化剤層の堆積
酸化剤溶液は、0.6gのp−トルエンスルホン酸・ヘプタン二酸鉄および0.02gのピリジンを、3gのブタノール(またはブタノールとトルエンとの1:1混合溶液)中に溶解し、80℃のホットプレート上で1時間攪拌することにより調製した。酸化剤(p−トルエンスルホン酸鉄)層は、スピンコーティングによりガラス基板上に堆積した。乾燥は、80〜100℃まで加熱することにより行なった。
【0047】
(2)重合
酸化剤層を有する基板は、真空の反応チャンバー内に移動した。酸化剤層を有する基板は、反応チャンバー内で気化したEDOTモノマーに曝した。EDOTモノマー蒸気が基板上の酸化剤層に接触する際、重合が生じ、それによって基板表面にPEDOT膜が形成される。
【0048】
(3)酸化剤副生成物除去
PEDOT膜を有する基板は、真空チャンバーから移動し、50℃のホットプレート上で30分間、次いで、エタノール/メタノール(1:1)溶液に3時間浸漬した。上にPEDOT膜を有する基板は、ゆっくりと溶液の外に出し、空気中で自然乾燥させた。VPP−PEDOT膜を有する基板は、膜全体が剥がれるのを避けるために静かに洗浄した。
【0049】
既知の合成プロセスの間、堆積工程後に形成された酸化剤含有層は、ポリマー膜と比較して基板に弱い接着力を有する。この接着力は、EDOTの堆積および酸化剤含有層中での部分的な重合の後には、さらに弱まる。そのようなPEDOT/酸化剤層を有する基板が溶媒中、特に水中に浸漬されると、層全体が容易に剥離し、または持ち上げられて基板に戻って落ち、ひだまたはしわを形成する。洗浄プロセス中に形成されたしわを、図1AのAFMイメージに示す。しわのないVPP−PEDOT膜の収率は、非常に低い。膜が完全な状態に維持されるのを確実にするために、表面形態を犠牲にすることが一般的に必要である。本発明のプロセスは、この犠牲化の必要性を排除し、基板によく接着した円滑なVPP−PEDOT膜の作製を可能とする。
【0050】
本発明のプロセスにおいて、PVAおよびPEOのような添加剤ポリマーは、堆積前に典型的な酸化剤層材料とブレンドされる。PEDOTが重合した後、PEDOTとPVAまたはPEOとの2つのポリマーは、水溶性ポリマーおよび水不溶性ポリマーを含むマトリックスを基板上に形成し、これは、酸化剤ブレンド層と基板との間の接着力を大幅に高め、剥離およびしわの現象は大幅に低減される。
【0051】
溶液中のPVA/PEOに対するp−トルエンスルホン酸・ヘプタン二酸鉄の比は、作製された膜の基板に対する接着力を高めるために重要である。PVAに対するp−トルエンスルホン酸・ヘプタン二酸鉄の最適な比は、1:0.042と1:0.12との間である。PVA含有量におけるさらなる増加または減少とともに、作製された膜は水洗浄工程中に基板への接着力を失い始め、または引き剥がされる。酸化剤溶液中のPEO添加剤もまた、作製された膜の基板に対する接着力を高めることに非常に有用である。PEOに対するp−トルエンスルホン酸・ヘプタン二酸鉄の比が1:0.23から1:0.69までのとき、厳しい洗浄条件の下でも、作製された膜は全て、基板に対する良好な接着を示した。
【0052】
例のように、PVA添加剤を伴なうVPP−PEDOTのAFMイメージは、しわを全く示さない(図1B参照)。この膜は、溶液表1中のようなp−トルエンスルホン酸・ヘプタン二酸鉄:PVA比が1:0.085の溶液から作製された。添加剤の存在は、基板に対する強い接着を引き起こす。これは、水で表面を清浄する厳しい洗浄法の使用を可能とし、未使用の酸化剤および副生成物のほとんどをVPP−PEDOT膜から除去する。
【0053】
シート抵抗および透過率は、透明電極としてのVPP−PEDOT膜の用途のために重要なパラメーターである。添加剤は、可視領域全体において透明であり、それゆえ、VPP−PEDOT膜の透明性を低下させることはない。
【0054】
図2は、VPP−PEDOT膜、およびPVA添加剤を用いた、溶液表1のようなp−トルエンスルホン酸・ヘプタン二酸鉄:PVA比が1:0.085の溶液から作製されたVPP−PEDOT膜の透過スペクトルを示す。厚さおよびシート抵抗もまた、図2に示す。PVAを伴なうVPP−PEDOTの透過率は、VPP−PEDOTのそれより5%高く、250オームパースクエアの同等のシート抵抗を有する。これは、本発明の利点を明らかに示し、透過における損失または電気的特性における劣化を伴なわない、しわのないVPP−PEDOTの収率の増加である。用いられる添加剤の正確な濃度は、PEDOT膜の意図される用途のために要求される特定の特性に応じて選択することができる。
【0055】
例2
ピンホールのない基板保護および高い導電率を有するVPP−PEDOT膜
一連のVPP−PEDOT薄膜を、例1で述べた既知の合成ルートを用いて準備し、17%のp−トルエンスルホン酸・ヘプタン二酸鉄と0.6%のピリジンとがトルエンとブタノールとの1:1溶液中に含有された酸化剤溶液から酸化剤含有層を堆積した。溶液中にはポリマー添加剤は存在しない。重合のための温度は、3から40℃まで変化させた。
【0056】
VPP−PEDOT膜の導電率は、合成温度を下げることにより著しく増加する。VPP−PEDOT膜の導電率対合成温度を、図3に示す。最も高い1200S/cmという導電率が、3℃で得られた。低温で合成されたVPP−PEDOT膜の高い導電率は、主として遅い成長速度に起因することが推測され、これは長い共役長を有するポリマー鎖の形成のために好ましい。重合温度の低下を伴なって導電率が増加する対応する傾向は、本発明の付加的なプロセスで行なわれるVPP−PEDOT膜について観察された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)酸化剤と、アミンまたはアミド重合抑制剤と、添加剤とを含む溶液を提供する工程であって、前記添加剤は水溶性ポリマーである工程、
2)基板の表面に溶液を塗布して、酸化剤、重合抑制剤および添加剤の混合物層を基板の表面に形成する工程、
3)酸化剤、重合抑制剤および添加剤を含有する層を蒸発させた複素環式芳香族モノマーに曝して、基板の表面へポリマー膜を形成することを進めるように重合を可能にする工程
を具備する気相重合(VPP)によるポリマー膜の製造のための方法。
【請求項2】
酸化剤と、アミンまたはアミド重合抑制剤と、添加剤とを含有する前記溶液は、水溶液である請求項1の方法。
【請求項3】
工程(2)の後に、前記酸化剤、重合抑制剤、および添加剤の混合物層から溶媒を除去する工程(2a)をさらに具備する請求項1または2の方法。
【請求項4】
前記溶媒は、加熱により、好ましくは80〜120℃で1〜5分間、乾燥雰囲気または減圧下で除去される請求項3の方法。
【請求項5】
重合工程(3)は、40℃〜3℃の範囲内の温度で行なわれる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
重合は、例えば、加熱および/または窒素、アルゴンまたは乾燥空気のパージにより乾燥されたドライチャンバー内で行なわれる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、工程(3)で作製されたポリマー膜を有する基板を、水または水性溶媒で洗浄する工程(4)をさらに具備する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、前記重合した膜の上に高分子酸の層を堆積する工程(5)をさらに含む請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記高分子酸は、水溶性高分子酸である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記高分子酸は、ポリ(4−スチレンスルホン酸)(PSSA)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)(PAAMPSA)、またはポリ(4−スチレンスルホナート)(PEDOT−PSS)をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記添加剤は、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、および、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、およびヒドロキシエチルセルロースの1または2を含むポリマーの混合物である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記添加剤はポリエチレンオキサイド(PEO)またはポリビニルアルコール(PVA)である請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリマー膜は、式I〜Vの任意のモノマーのポリマーを含む請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【化1】

ここで、XおよびYは、独立に、−O−または−CH2−とすることができる。ただし、XおよびYの少なくとも一方は、−O−である:Rは任意に置換されたC1-4アルキルである;Zは水素または−NH2である。
【請求項14】
XおよびYはいずれも−O−である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
Zは水素である請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記モノマーはエチレンジオキシチオフェン(EDOT)であり、前記チオフェンポリマーはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)である請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記酸化剤は鉄塩(III)である請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記酸化剤は、スルホン酸鉄(III),塩化鉄Fe(III)またはリン酸鉄(III)である請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記酸化剤は、p−トルエンスルホン酸・ヘプタン二酸鉄である請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
酸化剤溶液中における酸化剤と添加剤との間の比(重量により算出)は、1:0.006と1:0.92との間の範囲内である請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記添加剤はPVAであり、酸化剤とPVAとの間の比は1:0.042と1:0.92との間の範囲内である、または前記添加剤はPEOであり、酸化剤とPEOとの間の比は、1:0.23と1:0.92との間である請求項1乃至20のいずか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記添加剤はPVAであり、PVAの分子量は少なくとも1000〜14000、より好ましくは少なくとも7000〜10000、または前記添加剤はPEOであり、PEOの分子量は少なくとも1000、より好ましくは少なくとも6400である請求項1乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記アミンまたはアミド重合抑制剤は、ターシャリアミン、ターシャリアミド、芳香族アミン、または環式ターシャリアミン(4−メチルモルフォリン,1−メチルピペリジンおよび1−メチルピロリドンのようなもの),環式ターシャリアミド(N−メチル−ピロリドン,N−ビニル−ピロリドンおよび3−メチル−2−オキソゾリジノンのようなもの)、または芳香族アミン(ピリジン,N−メチル−イミダゾール,キノリンおよびイソキノリンのようなもの)である請求項1乃至22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記抑制剤はピリジンである請求項1乃至23のいずか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記基板は重合性プラスチック材料、金属箔またはガラスを含む請求項1乃至24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記重合性プラスチック材料は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびポリプロピレンのようなポリオレフィン;ポリスチレン;サーモプラスチック;ポリテトラフルオロエチンレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、およびポリビニルジフルオライドのようなフルオロポリマー;ナイロン(登録商標)およびポリビニルクロライドのようなポリアミドから選択される請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記重合性プラスチック材料は、水および酸素の透過を低減するために、SiOx,SiNx,AlOxのような多層バリアで覆われる請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記酸化剤、重合抑制剤および添加剤を含む層を有する基板は、工程(3)中、真空チャンバー内で気化された複素芳香族モノマーに曝される、または反応チャンバー内でN2,Arまたは乾燥空気に曝される請求項1乃至27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
重合工程(4)は、40℃より低い温度で行なわれる請求項1乃至28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記酸化剤、重合抑制剤および添加剤を含有する溶液は、溶媒の混合物、すなわち、水と水親和性溶媒、例えばメタノール、エタノールまたはブタノールのようなアルコールとの混合物を含む水溶液である請求項1乃至29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記酸化剤、アミンまたはアミド重合抑制剤、および添加剤は、トルエンと、メタノール、エタノールまたはブタノールのようなアルコール溶媒との混合物中に溶解される請求項1または3乃至29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記酸化剤溶液は、グリコールまたはグリセロールを含む請求項1乃至32のいずか1項に記載の方法。
【請求項33】
請求項1乃至32のいずれか1項に記載の方法により基板上に製造されたポリマー膜。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−533219(P2010−533219A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515489(P2010−515489)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【国際出願番号】PCT/EP2008/058832
【国際公開番号】WO2009/007361
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(505167543)インペリアル・イノベ−ションズ・リミテッド (23)
【Fターム(参考)】