説明

高強度生体吸収性コポリマー類

グリコール酸(GA)及び少なくとも1つの別の生体吸収性モノマーを含むポリマー組成物が、少なくとも1100MPaの引張り強度を有する組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー組成物及びこれより製造される加工品に関する。特に本発明は、高い機械的強度を有するポリマー及び体内の移植片に好適な医療用装置を担持するロードの製造のためのその使用に関する。とりわけ、本発明は、生体吸収性グリコール酸含有コポリマー及びこれより製造される移植式医療用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリグリコール酸(PGA)及びグリコール酸含有コポリマーを含むポリマー組成物は、医療用移植片用に確立された用途を有する。PGA溶融物を押出することまたはPGAを可塑性の状態で延伸することにより、所定の機械的特性が改善されうることも提案されている。等方性PGAは、50乃至100MPaの引張り強度及び2乃至4GPaの引張り係数を有する。PGAマトリックス中にPGA繊維を含む市販製品(SR-PGA)は、それぞれ200-250MPa及び12-15GPaの曲げ強度及び係数を有する。文献には、溶融紡糸PGAが約750MPaの引張り強度及び15乃至20GPaの引張り係数を有することも報告されている。米国特許No.4968317には、延伸PGAの一例が約600MPaの引張り強度を有することが記載されている。
【特許文献1】米国特許No.4968317
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
優れた強度特性を有するPGAは知られているが、移植式医療用装置を担持するロード用に従来使用される金属の機械特性にほぼ等しい特性を有する既知の物質はない。Ti-6-4として知られる整形外科的移植装置に使用される市販の合金は、チタンを6%のアルミニウム及び4%のバナジウムと共に含み、且つ800乃至1000MPaの範囲の引張り強度及び100GPaのオーダーの係数を有する。
【0004】
現在、PGA及びグリコール酸含有コポリマーが所望の金属の強度を達成するように処理することが不可能な理由の1つはおそらく、ポリマーが配向した繊維を製造する一般的な方法(例えば該物質を加熱チャンバーまたはタンク中で一定速度で延伸させること)により処理される場合、処理中にさらなるポリマー結晶化が起こることである。ポリマー中の結晶は、これらがさらなるポリマー配向を妨げるように作用する。このポリマーの結晶化は、従来技術に開示されるように、およそ800MPaにまでグリコール酸含有コポリマーを延伸することによって達成可能な機械特性を制限する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者らは、グリコール酸ベースのコポリマーを含むポリマー組成物は、生じる組成物が、著しく優れた強度、典型的には1100MPaまたは1150MPaまたは1200MPaより大なるオーダーの強度及び、これに釣り合う係数の増加、典型的には20GPa、21GPa、または22GPaを超える係数を有するように処理しうることを見いだした。
【0006】
本発明によれば、グリコール酸を、少なくとも1つの別の生体吸収性モノマーとのコポリマー、または前記コポリマーの機能性誘導体として含む、少なくとも1200MPaの引張り強度を有するポリマー組成物が提供される。
【0007】
本発明によれば、グリコール酸を、少なくとも1つの別の生体吸収性モノマーとのコポリマー、または前記コポリマーの機能性誘導体として含む、少なくとも1100MPaの引張り強度を有するポリマー組成物が提供される。
【0008】
該ポリマー組成物は、このレベルの引張り強度を、例えば配向繊維などの配向構造をもたらす新規な処理方法によって達成する。
【0009】
本発明は更に、少なくとも1200MPaの引張り強度を有するグリコール酸を含むポリマー組成物またはその機能性誘導体を含む加工品を提供する。
【0010】
本発明はまた、少なくとも1100MPaの引張り強度を有するグリコール酸を含むポリマー組成物またはその機能性誘導体を含む加工品を提供する。
【0011】
該ポリマー組成物は、グリコール酸ベースのコポリマーまたはその誘導体をもっぱら含んでも、またはグリコール酸ベースのコポリマー含有の、他のポリマーとのブレンドを含んでも良い。好ましくは、該ポリマー組成物は、もっぱらグリコール酸ベースのコポリマーである。
【0012】
同様に、本発明のポリマー組成物から形成される加工品は、完全に本発明のポリマー組成物からなるか、または部分的にのみ本発明のポリマー組成物からなる複合体であってもよい。
【0013】
適切には、前記加工品は本発明のポリマー組成物を10乃至80体積%含み、好適には該加工品は本発明のポリマー組成物を60体積%まで含み、好ましくは該加工品は本発明のポリマー組成物を少なくとも40体積%含み、典型的には、該加工品は本発明のポリマー組成物をおよそ50体積%含む。
【0014】
発明者は、本発明の組成物により示される高い強度を達成するためには、グリコール酸含有コポリマーをアモルファス状態とし、その直後に延伸して高度に配向した構造を形成することが必要であることを見いだした。
【0015】
これは、まず等方性グリコール酸ベースのコポリマー粒子を処理して繊維またはフィラメントを形成し、その後前記繊維を急冷槽に通してアモルファス構造を形成する。本発明のポリマー組成物は、その後急冷したアモルファスグリコール酸ベースのコポリマーを延伸することにより製造することができる。好ましくは、これは、ポリマーが高温に暴露される時間を最短に抑え、よって該ポリマーが結晶化する時間を最短に抑える延伸処理である。
【0016】
本発明の別の態様によれば、実質的にアモルファスのポリマーのポリマー鎖配向を、全体の中の局所点で延伸を行うことによって増大させることを含む、グリコール酸ベースのコポリマー組成物の製造方法が提供される。
【0017】
これは好適には、グリコール酸ベースのコポリマーまたはその機能性誘導体から、例えば溶融押出または溶解紡糸により繊維を形成する工程;前記繊維を急冷する工程、及びその後、急冷した繊維に張力をかける工程であって、張力をかけた繊維の規定の領域が延伸される条件下で行う工程を含む。
【0018】
適切には、アモルファスのグリコール酸ベースのコポリマー含有ポリマーの繊維は、ダイからポリマーを溶融押出するかまたは溶解紡糸し、その後フィラメントを迅速に冷却して実質的にアモルファスの物質を製造することによって調製して良い。典型的な冷却方法は、低温気体を製造されるフィラメントに吹き付けること、あるいはフィラメントを適当な低温液体、例えば水、シリコーンオイルのバスに通すことを含む。
【0019】
適当な延伸方法は、ゾーン加熱である。この方法においては、局所的ヒーターを、一定の張力下に維持した繊維の長さに沿って移動させる。この方法は、FakirovによりOriented Polymer Materials, S Fakirov, published by Huthing & Wepf Verlag, Huthing GmbHに記載のようにゾーン延伸方法において使用される。このゾーン加熱を行うために、繊維を黄銅シリンダーに通して良い。シリンダー内壁の小部分が、黄銅シリンダーの残部に比べて前記繊維により近接しており、この小領域が局所的に該繊維を加熱してこの位置に繊維の延伸を局在化させる(図1参照)。バンドヒーターを黄銅シリンダーの周囲に置き、これを室温より高温に加熱してよい。その後この加熱した黄銅シリンダーを、張力試験機の可動性クロスヘッドに取り付け、延伸しようとする繊維を試験機の頂上部に取り付けた小梁から吊して良い。この繊維を延伸するために、繊維の下端には重りを取り付け、黄銅シリンダーを所望温度に加熱し、クロスヘッドを繊維の下端に移動させる(図2参照)。ポリマーは、黄銅シリンダーにもっとも近接した部分で延伸されるため、クロスヘッドが繊維の長さに沿って動作するにつれて、繊維の全長を延伸させることができる。
【0020】
好適には、繊維は、典型的には周囲温度における該物質の降伏点を下回る小さな力をかけてぴんと張ってよい。前記繊維は、ポリマーの局所的延伸が起こるように軟化点(Tg)を上回るが融点未満である温度に局所的に加熱してよく、繊維の全長が延伸されるように、繊維と加熱領域とのいずれかまたは両方を動作させることにより、該繊維全体を処理して良い。このポリマーの最初の延伸により、分子配列が改善され、よって強度及び係数が改善されたポリマーを製造しうる。この第一工程において、条件は、前記物質が処理の間に実質的に結晶化しないように選択されるが、これはポリマーの温度が結晶化の起こる温度Tc未満であるか、あるいはポリマーがTcより高温である場合には、加熱された領域が繊維に沿って移動するスピードが、ポリマーが結晶化する間もなくTc未満に冷却するように十分に速いことを要する。引き続く、適用する圧力と領域温度とのいずれかまたは両方を増大させる処理によって、さらなる改善が得られる。分子配列の程度が改善されるにつれて、繊維の強度及び軟化点がいずれも増大する。この処理は所望の特性が達成されるまで多数回繰り返して良い。前記物質がこの処理中の圧力下で結晶化する、最終的なアニーリング工程を行うことができ、これにより最終的な繊維の機械的特性及び熱安定性を更に改善することができる。
本発明のこの実施態様においては、本発明によるポリグリコール酸を含む加工品が提供される。例えば、グリコール酸含有コポリマー繊維を別の成分と混合して、加工品を形成することができる。これら他の成分は、ポリマー生体吸収性ポリマー、非ポリマー性物質、またはこれらの混合物であって良い。
【0021】
適切には、前記生体吸収性ポリマーは、ポリヒドロキシ酸、ポリカプロラクトン、ポリアセタール、多価無水物、またはこれらの混合物を含み、前記ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、エポキシ樹脂、またはこれらの混合物を含み、一方では前記非ポリマー性成分は、セラミック、ヒドロキシアパタイト、トリカルシウムホスフェート、生体活性因子、またはこれらの組み合わせを含む。
【0022】
好適には、前記生体活性因子は、天然または人工のタンパク質、リボ核酸、デオキシリボ核酸、成長因子、サイトカイン、血管形成因子、または抗体を含む。
【0023】
本発明による加工品は、適切には、適当な長さの強化グリコール酸含有コポリマー繊維を型に入れ、別の成分を加え、その後圧縮成形することによって製造することができる。あるいはまた、強化繊維を別の成分と予め混合しておき、その後圧縮成形することができる。
【0024】
別の処理方法では、本発明による生成物は、強化繊維の存在下でポリマー成分としてのモノマーまたは別の前駆体をin situにて硬化させ、前記ポリマー成分を生成させることによって製造することができる。
【0025】
複生成物は加工品の特性を損なうおそれがあるため、この方法で使用されるモノマーは、重合化に際して、いかなる複生成物も遊離しないことが好ましい。
【0026】
適切には、前記in situ硬化方法において使用されるモノマーの少なくとも1つが、開環してポリヒドロキシ酸を生成する開環性モノマーである。典型的には、少なくとも1つのモノマーがラクチド、グリコリド、カプロラクトン、カーボネート、またはこれらの混合物である。
【0027】
前記ポリマーはそれ自体、グリコリドまたはグリコール酸と少なくとも1つのモノマーとを反応させる/導入する/組み合わせることにより、または共に用いて、製造して良い。
【0028】
ポリマー組成物への少なくとも1つの別のモノマーの導入は、あらゆる既知の方法、例えば環重合またはエステル交換反応によって達成可能である。
【0029】
好適なモノマーは、例えばラクチド(及びその異性体)、トリメチレン、カーボネート、p-ジオキサノン、ε-カプロラクトン、2-メチルグリコリド、2,3,2-ジメチルグリコリド、1,5-ジオキサパン、1,4-ジオキサパン、3,3-ジメチルトリメチレンカーボネート、グリコサリケート(glycosalicate)、デプシペプチド類(モルホリン2,5-ジオン及び関連構造体)等の開環性モノマーを含んでよい。
【0030】
適切には、別の適当なモノマーは、ヒドロキシ酸類、例えば乳酸、カプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、及びアミノ酸エステル類を含んでよい。
【0031】
別の実施態様においては、モノマーは、好適には二価酸類(例えばアジピン酸、ジグリコール酸)、ジオール類(例えばプロピレングリコール、ブタンジオール、または不飽和ジオール類、例えばヒドロキシプロピルフマレート類)、付加的モノマー類(例えばスピロモノマー類、イソシアネート類、ジビニルエーテル類)、無水物類(例えばセバシン酸無水物)であってよい。
【0032】
本発明によるポリマー組成物の少なくとも1つの別の生体吸収性モノマー成分は、様々な多数のモノマーを、同等または異なる量で含んでよい。
【0033】
適当には、グリコール酸に対する生体吸収性モノマー(類)の割合は、95%のPGAに対して5%の他のモノマー(類)であってよい。
【0034】
典型的には、グリコール酸対他の生体吸収性モノマー/モノマー類の割合は、70:30%、75:25%、80:20%、90:10%、95:5%、または98:2%となる。
【0035】
適切には、本発明によるポリマー組成物中に70%を上回るグリコール酸が存在するが、別の生体吸収性モノマー(類)に対してグリコール酸が75、80、90、または95%を上回っても良い。
【0036】
然るに、生体吸収性モノマー(類)の割合は、適切には30乃至1%、25乃至1%、20乃至1%、15乃至1%、10乃至1%、または5乃至1%であってよい。
【0037】
本発明のポリマー組成物は、医療用装置、とりわけ移植片が身体に吸収されることが望ましいかまたは必要である場合の移植式装置の製造のために有用である。従って、本発明による加工品には、縫合糸;組織工学用足場もしくは移植用足場;整形外科移植片;整形外科移植片を担持する吸収性ロードに使用される長繊維複合体のための強化剤;複雑形状の装置、例えば注型により成形される装置、または長さの短いチョップドファイバーをポリ乳酸と混合することにより形成される押出複合体;あるいは骨固定装置、例えば本発明の組成物の比較的に大きな直径(例えば1mmより大)のロッドが含まれる。
本発明は、下記の実施例によりここに詳説される。
【実施例】
【0038】
(実施例1)
PGA:PLAコポリマー(98%のPGA、2%のPLA)を水浴中に押出し、直径およそ0.5mmの半透明繊維を製造した。次いでこの繊維を垂直に吊し、200gの重量をかけた。直径2mmの孔を有する小断面から離間しておよそ15mmの孔を有する、高温の黄銅のシリンダーを、90℃の温度に加熱し、200mm/分の速度で繊維に沿って移動させた。製造された繊維は、1200MPaを上回る強度及び20GPaを上回る係数を有することが判明した。
【0039】
(実施例2)
PGA:PLLA(ポリグリコール酸−ポリL-ラクチド)(95:5%)コポリマーを水浴中に押出し、直径およそ0.48mmの半透明繊維を製造した。次いでこの繊維を垂直に吊し、100gの重量をかけた。直径2mmの孔を有する小断面から離間しておよそ15mmの孔を有する、高温の黄銅のシリンダーには、前記PGA繊維を通すが、前記シリンダーを90℃の温度に加熱し、500mm/分の速度で繊維に沿って移動させた。
【0040】
得られた繊維を、100Nロードセルを取り付けたInstron 5566機器を用いて張力について試験した。該繊維の2つの小片を延伸し、試験した。結果は下記の通りであった。
【0041】
強度/MPa 係数/GPa
繊維1 1154 21.4
繊維2 1115 20.8

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリコール酸(GA)を、少なくとも1つの別の生体吸収性モノマーとのコポリマーとして、または前記コポリマーの機能性誘導体として含む、少なくとも1100MPaの引張り強度を有するポリマー組成物。
【請求項2】
2つの生体吸収性モノマーが存在する、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項3】
少なくとも1つの別の生体吸収性モノマーが、ポリ乳酸(PLA)である、請求項1または2に記載のポリマー組成物。
【請求項4】
少なくとも1つの別の生体吸収性モノマーが、ポリL-乳酸(PLLA)である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項5】
前記GA組成物が、少なくとも70%グリコール酸を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項6】
前記GA組成物が、少なくとも75、80、90、または95%グリコール酸を含む、請求項5に記載のポリマー組成物。
【請求項7】
前記ポリマー組成物が、約95%グリコール酸を含む、請求項4または5に記載のポリマー組成物。
【請求項8】
前記ポリマー組成物が、約98%グリコール酸を含む、請求項4または5に記載のポリマー組成物。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の強化グリコール酸ポリマー組成物を含む加工品。
【請求項10】
前記繊維が、少なくとも20GPAの引張り係数を有する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項11】
前記繊維が、少なくとも21GPaの引張り係数を有する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項12】
前記繊維が、少なくとも22GPaの引張り係数を有する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項13】
a)グリコール酸を、少なくとも1つの別の生体吸収性モノマーとのコポリマー、またはその機能性誘導体として含むポリマー組成物から繊維を形成する工程;
b)前記繊維を急冷する工程、及びその後;
c)急冷した繊維に張力をかける工程であって、張力をかけた繊維の規定の領域が延伸される条件下で行う工程;
を含む、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のポリマー組成物を製造する方法。
【請求項14】
前記繊維形成方法が溶融押出または溶融紡糸である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
急冷し、張力をかけた繊維を、ゾーン加熱に処す、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
急冷し、張力をかけた繊維を、少なくとも2つの別の延伸工程に処すが、各延伸工程が同一または相違する条件下で行われる、請求項13乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1乃至12に記載の、または請求項13乃至16のいずれか一項に記載の方法で製造された、ポリマー組成物またはその機能性誘導体を含む加工品。
【請求項18】
少なくとも2つのポリマー成分を含む、請求項17に記載の加工品。
【請求項19】
請求項1乃至12に記載の、または請求項13乃至16のいずれか一項に記載の方法で製造された、ポリマー組成物またはその機能性誘導体を10乃至80体積%含む、請求項18に記載の加工品。
【請求項20】
前記ポリマー成分の少なくとも1つが、生体吸収性である、請求項17乃至19のいずれか一項に記載の加工品。
【請求項21】
前記生体吸収性ポリマーが、ポリヒドロキシ酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリアセタール、多価無水物を含む、請求項20に記載の加工品。
【請求項22】
少なくとも1つの非生体吸収性ポリマー成分を含む、請求項17乃至21のいずれか一項に記載の加工品。
【請求項23】
前記非生体吸収性ポリマーが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、またはエポキシ樹脂を含む、請求項22に記載の加工品。
【請求項24】
少なくとも1つの非ポリマー性成分を更に含む、請求項17乃至23のいずれか一項に記載の加工品。
【請求項25】
前記非ポリマー性成分が、セラミック、ヒドロキシアパタイト、またはトリカルシウムホスフェートを含む、請求項24に記載の加工品。
【請求項26】
前記非ポリマー性成分が、生体活性因子を含む、請求項24または25に記載の加工品。
【請求項27】
前記生体活性成分が、天然または人工のタンパク質、リボ核酸、デオキシリボ核酸、成長因子、サイトカイン、血管形成因子、または抗体を含む、請求項26に記載の加工品。
【請求項28】
前記加工品が、医療用装置の形態である、請求項17乃至27のいずれか一項に記載の加工品。
【請求項29】
前記装置が、縫合糸、組織工学用足場もしくは移植用足場、整形外科移植片、複雑形状の装置、または骨固定装置である、請求項28に記載の加工品。
【請求項30】
a)請求項1乃至7のいずれか一項に記載の強化グリコール酸ポリマー組成物の適切な長さを、型内に入れる工程;
b)他のあらゆる成分を加える(、且つ混合する)工程;
c)所望の形状に圧縮成形する工程;
を含む、請求項17乃至29のいずれか一項に記載の加工品の製造方法。
【請求項31】
a)請求項1乃至7のいずれか一項に記載の強化グリコール酸ポリマー組成物の存在下でポリマー成分を形成する工程;及び
b)前記モノマーまたは別の前駆体をin situ硬化させて前記ポリマー性成分及び加工品を形成する工程;
を含む、請求項17乃至29のいずれか一項に記載の加工品の製造方法。
【請求項32】
別のポリマー性成分、非ポリマー性成分、またはポリマー性成分と非ポリマー性成分とのブレンドを、前記繊維の存在下で圧縮成形する工程を含む、請求項17乃至29のいずれか一項に記載の加工品の製造方法。
【請求項33】
別のポリマー性成分、非ポリマー性成分、またはポリマー性成分と非ポリマー性成分とのブレンドを、前記繊維の存在下で圧縮成形する工程を含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項34】
前記ポリマー性成分用のモノマーまたは別の前駆体のin situ硬化により、前記繊維の存在下においてポリマー性成分を形成する工程を更に含む、請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
使用されるモノマーが、重合化の際に副生成物を遊離しない、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記モノマーの少なくとも1つが、開環してポリヒドロキシル酸を形成するような開環性モノマーである、請求項34または35に記載の方法。
【請求項37】
少なくとも1つのモノマーが、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、カーボネート、またはこれらの混合物である、請求項36に記載の方法。

【公表番号】特表2006−528711(P2006−528711A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520881(P2006−520881)
【出願日】平成16年7月19日(2004.7.19)
【国際出願番号】PCT/GB2004/003101
【国際公開番号】WO2005/014718
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(391018787)スミス アンド ネフュー ピーエルシー (79)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】