高純度流体供給システム
【課題】柔軟、正確、かつ汚染の無いリアルタイムの連続混合システム、また、適切な混合および処理ツールへの正確な流体流量を確実にするための正確な圧力制御を提供する。
【解決手段】流量制御装置と、流量制御装置110と流体連通しているコリオリ質量流量計112とを含む流体供給システムである。コリオリ流量計は、PFAのような高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有し、供給システムを高純度用途に適したものにする。コントローラ114は、ピンチバルブ120を含むことが可能な流量制御装置110に制御出力信号を供給し、設定点信号および流量計112から受け取った測定値信号に応答して、流量制御装置の出力を変化させる。
【解決手段】流量制御装置と、流量制御装置110と流体連通しているコリオリ質量流量計112とを含む流体供給システムである。コリオリ流量計は、PFAのような高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有し、供給システムを高純度用途に適したものにする。コントローラ114は、ピンチバルブ120を含むことが可能な流量制御装置110に制御出力信号を供給し、設定点信号および流量計112から受け取った測定値信号に応答して、流量制御装置の出力を変化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、次の名称の複数の米国特許出願、すなわち「High Purity Coriolis Mass Flow Controller」、「Flowmeter for the Precision Measurement of an Ultra−Pure Material Flow」、「Methods of Manufacturing a PFA Coriolis Flowmeter」、「Manufacturing Mass Flow Meters Having a Flow Tube Made of a Fluoropolymer Substance」および「Compensation Method for a PFA Coriolis Flowmeter」に関連し、各米国特許出願は、本出願と同じ日に出願された。関連出願の全開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して流体供給システムに関し、より詳細には、CMP、フォトリソグラフィ、および誘電体処理工程のような処理工程で、ウェハ表面に超高純度の流体を直接塗布するのに適した、改良された流体供給システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体、医薬、およびバイオテクノロジといった多くの産業は、一般的に低流量で、研磨性かつ腐食性化学物質流体を使用し、ならびに汚染が無く、正確、小型、かつリアルタイムの流体供給および/または混合システムの必要性に起因する、流体供給の問題に遭遇する。
【0004】
概して、半導体産業は、「ツール」という用語を使用して、ウェハ表面上で操作を実行するハードウェア部品を含むシステムを指す。これらの操作には、何らかの形式の化学堆積または流体コーティング処理工程による薄膜の作製と、精密なパターンでの膜のエッチングと、堆積した膜を平らな表面にするための研磨と、および不要な膜、粒子、および化学汚染物質を除去するための表面洗浄とが含まれる。ツールは独立型であるか、またはクラスタ構造で他のツールに組み入れられることができ、クラスタ構造において、ウェハに対して複数の連続的な操作が、1つの場所で行われる。
【0005】
例えば、化学機械平坦化(CMP)は、小さい研磨粒子と反応薬剤を含む超高純度流体を、ウェハ表面と研磨パッドとの間に加えることによって、半導体のウェハ表面を平坦化する処理工程を含む半導体産業の重要な処理である。大抵の適用で、研磨パッドは、制御された速度でウェハに対して回転して表面を平坦化する。ウェハの過剰研磨は、重要なウェハ構造を変えるかまたは取り去る結果につながる可能性がある。逆に、ウェハの過少研磨は、受け入れ難いウェハ表面に結びつく可能性がある。ウェハの研磨速度は、研磨操作時に供給される流体の供給速度および流体の総量に大きく依存する。
【0006】
流体の流量に加えて、研磨パッドに加えられる流体の汚染防止が、重要である。いくつかの適用において、処理工程を制御するのに使用される機器が、処理材料への汚染源であることは問題である。これは、超高純度の材料が、ユーザの用途に供給されねばならないシステムでの使用には望ましくない。例えば、通常のコリオリ流量計の金属フローチューブは、汚染源になる可能性がある。これは、半導体ウェハの加工におけるケースでは、フローチューブの壁から移動するイオンを含む汚染の無い材料の使用を必要とする。この放出された物質は、半導体ウェハ上のチップを欠陥品にさせる可能性がある。ガラスのフローチューブについても同じであって、鉛を含むイオンをガラスから材料の流れに放出させる可能性がある。従来のプラスティックで形成されたフローチューブについてもやはり同じである。
【0007】
イオン性の汚染阻止は重大であるので、CMP処理工程の大部分は、適切な高純度のチューブ配管材料と共にぜん動ポンプを使用して研磨パッドに流体を供給する。ぜん動ポンプの清浄な流路の非侵襲性の特徴は、CMP用途にとって受容可能であるが、流体の流量を制御することを試みるためのこれらのポンプの使用は、それらが、流量測定のフィードバックを伴わない開ループで操作されるので極めて不正確である。
【0008】
流体流量の正確な制御と汚染のない環境を必要とする半導体産業の別の処理工程は、フォトリソグラフィ処理工程である。当該技術で知られているように、フォトリソグラフィは、レジストとして知られている光感受性ポリマーをウェハ表面に塗布する処理工程である。ウェハ表面に加工される構造のパターンを有するフォトマスクが、レジスト被覆されたウェハと光源との間に配置される。光は、レジストと反応して、レジストポリマーを弱くするかまたは強くする。レジストが光に晒された後、弱くなったレジストを除去する化学物質流体が加えられてウェハが現像される。
【0009】
この処理工程の修正形態により、最終的な半導体の集積部分になる複数の膜を作製するために、ウェハ表面に多数の新たな液体が塗布される。これらの膜の主な機能は、導電配線間の絶縁体として作用することである。多様な「スピンオン」材料が、さまざまな化学組成および物理特性で評価される。リソグラフィ処理工程とスピンオン堆積との間の重要な差異は、膜のいかなる欠陥(空隙、気泡、または粒子など)も、ここで半導体の構造内に永続的に埋め込まれ、機能しないデバイスとなり、半導体生産業者にとって金銭的損失に結びつく可能性があることである。
【0010】
これらの処理工程の両方が、「トラック」と呼ばれるツール内で行なわれる。トラックの目的は、静止または低速で回転するウェハの表面に正確な量の流体を塗布することである。液体の塗布後に、ウェハの回転速度が急速に上げられて、ウェハ表面上の液体が振り落とされる。極めて薄く、一貫した厚さの液体が、ウェハの中心から縁部まで残る。液体の厚さに影響を与えるいくつかの変数には、レジストまたは誘電体の粘度、レジストまたは誘電体中の溶剤濃度、分与されるレジスト/誘電体の量、分与の速度などが含まれる。
【0011】
トラックは、また、液体の塗布の後に追加の処理ステップを与え、追加の処理ステップが、膜中のいかなる溶剤も除去する焼成処理を使用して、液体をポリマーに変える。誘電体膜も、液体の膜から適切な固体構造へと変換するために他の化学処理に晒されることができる。トラックは、また、湿度または温度の変化を防止し、化学物質汚染が膜の性能に影響するのを防止するために、ウェハ周囲の環境を制御する。トラックシステムの性能は、空隙、気泡、および粒子によって引き起こされる膜の欠陥を最小限にすることに加えて、ウェハ表面に供給される液体の精度と再現可能性によって決定される。
【0012】
CMPおよびスピンオン塗布といった処理工程で使用され、現在入手可能な流体供給システムに関連する問題には、閉ループの流量測定を提供することが不可能であること、ポンプシステムの上部圧力の変化に基づいた正確な流体供給速度を提供することが不可能であること、ポンプ内で使用されるチューブ配管の容積の変動、およびポンプからの脈動が含まれる。さらに、定期的に毎週の、あるいは毎日のポンプの較正すら必要となる可能性がある。現在の流体供給システムに関連するその他の問題には、流出するチューブ配管の粒子からの流体の汚染が含まれる。
【0013】
通常これらの産業で重要である追加的な因子には、流量、流体温度、粘度、密度、および圧力といったリアルタイムの流体特性データの必要性が含まれる。流体特性値を計算するために、前述の流体特性のすべては、差圧発信器、粘度計、濃度計、圧力発信器、温度素子といった様々な機器の組み合わせ、あるいはそれらの機器と制御システムの組み合わせを使用して測定することが可能であるが、これらの機器の使用はコストがかかり、大きな空間要件を有し、増大した保守管理を必要とし、かつ流体の漏れと処理工程汚染のさらに大きな潜在性をもたらす可能性がある。したがって、前述の産業の流体供給システムに対して、効率的で小型かつ汚染の無い解決方法が必要である。
【0014】
別の処理工程では、高純度の流路を必要とする複数の流体のリアルタイムの混合システムに関する増大した要求が存在する。さらに、通常の混合方式はモル比に基づいているので、容量基準に基づく混合は概して受け入れられない。現在の混合法は、図1に示したようにオフライン方式の重量基準で複数の流体を容器に加える方法を含む。重量計12上に置かれた容器11に複数の流体A〜Nが流入する。一度に1つの流体が、フローバルブ13を通過することができる。重量合計が調べられ、流体Aの所望の量が加えられたときに、バルブ13が閉じられる。同じ処理工程が、残りの流体に繰り返される。最終的に、完全な混合物が得られる。いかなる流体も多過ぎるかまたは少な過ぎる量が加えられたならば、ある程度受容可能な誤差帯域で、各々の流体の適切な質量が加えられた状態になるまで、処理工程は続かなければならない。
【0015】
また別の知られている方法は、混合物の各流体が容器に加えられるときに、その量を測定するためのレベルセンサを使用する。これは容器高さの僅かな増分に伴う容器容積を、極めて正確に知らなければならない。
【0016】
残念ながら現在のバッチ式生産方法は、必要時に利用できる最終製品の過多もしくは過少という結果につながる可能性がある。利用可能な製品がほとんどないことは、処理工程を中断させ、また、常に余分な製品が生産されることは、ある程度の製品が、使い残しとなって使用されないことを意味する。これらの製品は、しばしば限定された貯蔵寿命(例えば数時間)を有するので、この過剰の製品は、処分されねばならない。この処分はいくつかの理由でコストがかかる。通常、この製品は、極めて高価な化学物質を使用し、流体混合物はしばしば極めて有害であって、制御され、かつコストのかかる方法で処分されねばならないことを意味する。
【0017】
技術が進展するにつれて、製品の要件の違いに基づいた混合形式の操作の必要性、および追加の新たな材料成分が増え続け、その結果、柔軟、正確、かつ汚染の無いリアルタイムの連続混合システムのより強い必要性がある。また別の重要な因子には、適切な混合および処理ツールへの正確な流体流量を確実にするための正確な圧力制御の必要性が含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、先行技術に関連する短所を解決する流体供給システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一態様では、流体供給システムは、流量制御装置、高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有するコリオリ質量流量計、およびPIDコントローラのようなコントローラを含む。コリオリ質量流量計は、出力信号をコントローラに供給し、例えば処理流体の質量流量、温度、および/または密度測定値を示す。制御装置は、設定点信号と流量計の出力信号を受け取り、流体供給システムに関して望ましい流量を供給するために、制御装置の出力を変えるように制御出力信号を流量制御装置に供給する。
【0020】
コリオリ流量計のフローチューブは、望ましくない(例えば金属)イオンが処理流体へと移動するのを防止するために、高純度プラスティック材料で作製される。ペルフルオロアルコキシ(PFA)のプラスティックが、フローチューブに適した材料である。流量制御装置は、例えば制御バルブ、ポンプ、または制御された加圧リザーバによって具体化されることが可能である。代表的な実施形態では、制御バルブは、ソレノイドまたはステッパモータアクチュエータを有するピンチバルブである。
【0021】
本発明のまた別の態様によると、再循環流体分配システムは、流体リザーバおよびリザーバと流体連通している分配導管を有する。分配導管は、複数のツールドロップを有し、ツールドロップに取り付けられたツールにリザーバから流体を供給する。可変出力ポンプまたはピンチバルブのような流量制御装置は、高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有するコリオリ質量流量計と流体連通している。圧力発信器は、コリオリ質量流量計と流体連通している。コントローラは、設定点信号と、コリオリ質量流量計および圧力発信器から出力信号とを受け取り、分配導管内で所定の圧力と流量を維持するように、流量制御装置の出力を変えるために制御出力信号を流量制御装置に供給する。
【0022】
本発明のまたさらなる態様によると、流体供給システムは、リザーバを加圧するためにガスを受け入れる入口とリザーバに含まれる流体を分与する出口とを有するリザーバを含む。第1の流量制御装置が、リザーバ入口に接続され、第2の流量制御装置が、リザーバから出る流体流量を制御するためにリザーバの出口と流体連通している。コリオリ質量流量計は、第2の流量制御装置と流体連通している。コリオリ質量流量計は、PFAのような高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有する。コントローラが、設定点信号とコリオリ質量流量計から出力信号とを受け取り、リザーバの圧力とリザーバからの流体の流量を変えるために、制御出力信号を第1と第2の流量制御装置に供給する。
【0023】
本発明のその他の目的と利点は、下記の詳細な説明を読み、図面を参照すると明らかになるであろう。
【0024】
本発明は、様々な変形および代替の形式をとることが可能であるが、その特定の実施形態を例として図に示し、本明細書で詳細に説明する。しかしながら、特定の実施形態の本記載が、開示された特定の形式に本発明を限定することを意図するものではなく、逆に、本発明が、特許請求の範囲によって規定される本発明の精神と範囲内に入るすべての変形、均等物、および代替品を網羅することは理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の具体例の実施形態を以下に述べる。明瞭化する理由から、本明細書で実際の実施のすべての特徴を説明することはしない。いかなるそのような実際の実施形態の展開の中でも、実施ごとに変わるであろうシステムに関連する制約および業務に関連する制約に従ってなど、開発者の特定の目的を達成するように、数多くの実施に特定な決定が為されるはずであることはもちろん理解されるであろう。さらに、そのような開発努力は、複雑で時間がかかる可能性があるが、それでもやはり本開示の恩典を有する当業者にとって決まりきった仕事であろう。
【0026】
図2は、本発明の例示的な実施形態による流体供給システム100を概略的に例示している。質量流量に基づいた供給システム100は、例えば、CMPシステムの研磨パッド、または半導体スピンオン塗布に使用されるトラックなどに支持された、ツールまたは工作物への流体の流量を制御するのに適している。概して、システム100は、流量制御装置110、流量計112、およびコントローラ114を含む。
【0027】
コントローラ114は、質量流量のような所望のパラメータを表わす設定点信号を受け取る。コントローラ114はまた、流量計112から出力信号も受け取る。流量計信号は、コントローラ114によって調整および処理され、その後、コントローラ114は、制御出力信号を流量制御装置110に供給して流体の流量を変える。コントローラ114は、電子装置であり、電気インターフェースを有し、例えば比例積分微分(PID)コントローラを含むことが可能である。通常、コントローラ114への設定点入力は、0〜5V、4〜20mA信号またはデジタルワードなどの電気信号である。気体で作動する設定点インターフェースも使用できる。コントローラ114はまた、バルブオーバライド特性を含むことも可能であり、追加的な信号は、コントローラ114に送られ、コントローラ114に設定点を無視させて、流量制御装置110を完全に開状態もしくは閉状態にさせる。この特性は、流れを遮断するため、またはシステムをパージするためにしばしば使用される。
【0028】
化学混合用途のための流体供給システムのような特定の実施形態では、流量計112は、コリオリ質量流量計であることが好ましい。所望の化学反応は、通常、モル(質量)基準で推進されるので、直接流量計が、概して容量流量計より好ましい。容量式の流量測定は、実施されて標準条件に較正されることで、結果的に質量測定と等価になる。しかしながら、追加的な情報(流体密度、温度、および/または圧力)が必要となって、測定を一層難しくかつコスト高にする。質量流量測定は、通常、質量測定値へと変換される容量測定よりも正確であり、この精度が、結果的にさらに高い品質の最終製品につながる。これは処理工程の収率を高め、したがって本発明を利用する企業の収益性を向上させる。
【0029】
半導体、医薬、およびバイオテクノロジ産業に関連する適用などの多くの適用は、使用される化学物質の純度を保護するために、流体供給システムの流路(全表面が処理流体で濡れる)が、高純度で化学的に不活性/耐性の材料で構成されることを必要とする。プラスティックが望ましいが、その理由は、半導体ウェハの製造処理工程に使用される超高純度の化学物質は、もしも様々な機械および化学処理に起因して、金属のフローチューブから金属イオンが浸出または脱離すると、汚染される可能性があるからである。したがって、これらの産業では、高純度グレードのプラスティックが使用されるが、その理由は、これが望ましくない(例えば金属)イオンの処理材料への移動をほぼ防止するからである。さらに、プラスティックのフローチューブの製造において固有である平滑な表面仕上がりは、チューブへのバクテリア付着の可能性および有機材料による流体の汚染の可能性を下げる。
【0030】
フローメータ112の濡れる流路は、バクテリアが隠れる可能性のある割れ目、裂け目などを有さないように構成される。適切な高純度プラスティックは、優れた化学耐性と機械特性を備えた高性能フルオロポリマーであるPFA(ペルフルオロアルコキシ共重合体)である。PVDFおよびPTFEといった様々なフッ化ポリマーもやはり適切である。
【0031】
高純度材料の使用に加えて、高純度の流路は、一定の直径を有するべきであり、貫入または多数流路があってはならない。デュアルチューブセンサまたは曲がった流路を避けるべきである。これが、圧力低下を最小限にし、流体へのせん断速度を最小に下げ、それはいくつかの産業および適用で重大である。それはまた、スラリのようなある種の物質による目詰まりも防止する。
【0032】
高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有する好適なコリオリ質量流量計は、図3に示されている。コリオリ質量流量計50は、ベース51の脚部67、68を通して挿入されたフローチューブ52を有する。フローチューブ52は、PFA製であることが好ましい。ピックオフLP0とRP0および駆動装置Dが、フローチューブ52に結合される。流量計50は、供給チューブ54から処理材料の流れを受け取り、コネクタ58を通してその流れをフローチューブ52へと延ばす。フローチューブ52は、駆動装置Dによって、材料の流れが有する共振周波数で振動させられる。結果的に生じるコリオリ撓みは、ピックオフLP0とRP0によって検出される。ピックオフが、導体62と64を越えて信号を計測電子装置(図示せず)へと加える。計測電子装置が、コリオリ撓み間の位相差を判定し、それに基づいて出力信号を加える。高純度フローチューブを有する適切なコリオリ流量計は、「Flowmeter for the Precision Measurement of an Ultra−Pure Material Flow」という名称の組み込まれた出願に詳細に開示されている。
【0033】
流量制御装置110は、制御バルブを含むことが可能である。質量流量計112と同様に、高純度の適用では、制御装置は、流体の汚染を最少にする材料で作製されなければならない。さらに、制御装置110は、滞留した流体が集まる可能性のある場所を有さず、かつ流体中に粒子を発生させる可能性のある滑りまたは擦り合わせ部品を有さないように構成されなければならない。
【0034】
例えば、高純度の化学物質環境に受容可能なプラスティックで作製された全プラスティック製のダイアフラムバルブを使用することができる。しかしながら、スラリに関すると、そのようなバルブは理想的な解決方法ではない。ピンチバルブが、スラリ制御に対する優れた解決方法であることは立証されている。本発明による適切なピンチバルブ120は、図4に概念的に例示されている。アクチュエータ122が、ラム124を可撓性チューブ126に、かつ基準表面128に対して力を加えることで、チューブ126を挟んで閉じる。チューブ126は、PFAのような高純度プラスティックで作製されることが好ましい。チューブの柔軟性は、配管壁が、壁に捕捉されたいかなる粒子または欠陥の周囲に従うことを可能にして、緊密なシールを供給する。流路は直線状であり、圧力低下と乱流を最小限にする。流体は、フローチューブ126だけと接触し、他のバルブ部品の損耗と腐食を防ぎ、かつ半導体研磨操作といった高純度適用のケースでのスラリの金属汚染を防いでいる。
【0035】
知られているピンチバルブの作動は、普通では双安定性、すなわちオンとオフである。いくつかの知られているピンチバルブは、多数回転式のハンドルを備えた手動のアクチュエータを有するが、しかしこのタイプのバルブが、閉ループの流量制御に導入されることはないであろう。バッチ処理の分与用途では、他のピンチバルブが使用され、バッチ処理では、バルブがオンである時間によって、分与される材料の量が制御される。これは、流量を動的に制御することができない。
【0036】
2つの状態だけを有するバルブは、バルブのアクチュエータに電流または電圧を変えて印加することによって制御されることができる。ある実施形態では、バルブを制御するのにパルス幅変調(PWM)が使用される。PWMは、バルブの機械応答周波数よりも上の周波数で方形波を発生させることによって達成される。装置に送られる適切な電圧または電流を決定するために、信号のデューティサイクルが変えられる。例えば、PWM信号が、0〜12Vの間で動作する場合、0%のデューティサイクル=0ボルト、50%のデューティサイクル=6ボルト、100%のデューティサイクル=12ボルトである。信号が、バルブの機械応答周波数よりも上の周波数であるので、「平均化」が行なわれる。バルブの位置は、供給される平均電流に基づく。結果的に得られる供給電圧は、信号のパルス幅に比例する。
【0037】
もしも信号周波数が低過ぎる場合、バルブは、オンとオフの信号に完全に応答するために時間がかかり、望ましくない脈動した流量出力を作り出す。通常のピンチバルブアクチュエータは、ソレノイドであり、ソレノイドは、ソレノイドを閉じるのに必要な電流を決定する予加重調節を備えたバネ素子を有する。バルブバネの予加重の調節は、バルブの制御範囲を改善することを可能にする。他の実施では、ソレノイドプランジャ素子が、バネ懸架プランジャと置き換えられる。バネ懸架プランジャは、摩擦に起因する非線形のバルブ応答を最小限にし、入手可能なソレノイド作動ピンチバルブに共通するヒステリシスと不感帯を最小限にする。
【0038】
PWM制御のソレノイドに対する別の方法は、ステッパモータのアクチュエータを使用することであり、ステッパモータは、制御された決定論的な角度回転をウォームギアタイプの構成によって直線ラム駆動へと変換する。ステッパコントローラは、アナログ信号入力に比例する特定の数のステップを生じるように構成されることができる。バックラッシュ、およびバックラッシュによるバルブのヒステリシスは、バックラッシュを最小にするいかなる数の適切なウォームギア構成によって最小にされることができる。ステッパモータは、概して、ピンチチューブ配管に変化を引き起こす可能性のある、温度と圧力の変動に対して影響されない。ステッパモータは、位置を制御するための手段であり、それゆえにステッパは、ピンチチューブ配管の変化に影響されない。ピンチバルブに関して、ピンチチューブはシステムの一体部分であり、電流はバルブアクチュエータに加えられ、バルブアクチュエータが、ピンチチューブに力を加え、チューブを挟む。もしも温度または圧力に起因してチューブの特性が変化すると、ソレノイドでチューブを閉じる量、およびそれゆえに流量が変化する。さらに、ステッパアクチュエータは、流体供給サイクルの開始時の設定点の確立に迅速な応答を供給するために、最後の位置に留まることができる。
【0039】
コリオリ質量流量計112と流量制御装置110は、単一のエンクロージャ116に収納され、一体化されたユニットとして構成されることができる。さらに、コントローラ114も、同じエンクロージャ116に収納されて、一体型の高純度コリオリ質量流量コントローラを提供することができる。適切な高純度コリオリ質量流量コントローラは、「High Purity Coriolis Mass Flow Controller」という名称の組み込まれた出願にさらに詳細に開示されている。
【0040】
代わりに、流量制御装置110は、ぜん動ポンプのような可変出力ポンプを含むこともできる。またさらなる実施形態では、容器から分与される流体の流量を変えるために、圧力が変えられる圧力容器もしくはリザーバが、流量制御装置110として機能する。例えば、図2を参照すると、リザーバ118から出る流体の流量を変えるために、流体リザーバ118が可変で加圧されることが可能である。この方式での流体流量の制御は、例示した流量制御装置110に追加されることもあるいは置き換えられることも可能である。そのような代わりの流量制御装置は、本発明のさらなる例示的な実施形態に関連して本明細書で以下にさらに詳細に検討される。
【0041】
図5は、本発明の態様によるリアルタイムの混合システム200を例示している。例示したシステムは、従来技術に関連する短所に対処するために、高純度で耐腐食性であってかつ質量に基づくものである。これらの特性を達成するためには、少なくとも2つの主要因子が必要である。1つは高純度の流路であり、もう1つは質量流量の測定である。したがって、システム200は、上述したような高純度プラスティックのフローチューブを有するコリオリ流量計212を含む。コリオリ流量計212は、混合が酸と水といった重い成分の2つの溶液であるときに、実際の混合濃度のフィードバックとして使用されることが可能な密度測定値を提供する。スラリ状態の固体濃度も、密度測定値を使用してモニタされることができる。質量流量と密度に加えて、流量計212は、温度測定値のような追加的な測定値出力信号を提供するように構成されることができる。
【0042】
流量計212の使用は、複数の流体流220のリアルタイムでオンラインの混合を可能にする。上記で言及したように、所望の化学反応は通常ではモル(質量)基準で推進されるので、質量流量測定が、容量式の流量測定より好ましい。
【0043】
リアルタイム混合システム200は、さらに上述したピンチバルブのような流量制御装置210を有する。流量計212は、例えば流体流量、温度、および密度を表わす出力信号をコントローラ214に提供する。前もって規定されるかまたはリアルタイムの流体流の流量設定点パラメータに基づいて、コントローラ214は、制御信号を流量制御装置210に送り、それによって加工物に所望の量の混合流体を供給する。このように、様々な流体220が、1つにまとめられて共通の導管216へと供給される単一の流体流を形成する。流体220の完全な混合を達成するために、混合チャンバ218がさらに設けられることができる。さらに、流体流供給圧力の変化に起因して、個々の流体流220が汚染されないことを確実にするために、チェックバルブ(図示せず)が設けられることができる。
【0044】
マンマシンインターフェース(MMI)が、さらに設けられることがある。MMIは、例えば入力および出力信号の値と状態を通信し、ならびにプログラムされた入力信号値または他の測定値が、受容範囲の値から外れたときに、予め規定された警報を与えるインターフェースを供給する。さらに、システム200の様々な構成要素間の入力および出力信号は、単一対のフィールドバスケーブル上ですべて接続されることができる。さらに、ある実施形態では、システムは、コントローラ214を介してシステムの較正、試験、および保守管理をでき、ならびに予め構成した混合配合表の構成および選択をすることもできる。図4に例示したような発明のシステム200は、別個の構成要素として、流量計212、流量制御装置210、およびコントローラ214を示しているが、これらの構成要素の様々な組み合わせが、共通のエンクロージャに一体ユニットとして構成されることができることは理解されるはずである。
【0045】
図6に再循環流体分配システム300が例示されている。分配システム300は、上述のような高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有するコリオリ流量計312を含む。流量計312は、ピンチバルブ310のような流量制御装置および圧力発信器330と流体連通している。コントローラ314は、流量計312と圧力発信器330から測定値信号を受け取り、バルブ310に制御信号を供給する。コントローラ314、コリオリ流量計312、圧力トランスデューサ330、およびバルブ310は、個別部品であってもよく、あるいは一体化された流量および圧力制御システムとして組み合わされてもよい。
【0046】
リザーバ316は、導管351を介して、複数のツールドロップ350へと供給される流体を含む。ツールドロップ350は、洗浄、エッチング、またはCMPのツールといったそれぞれのツール352に各々接続され、ツール352に流体を供給する。ポンプのような分配モジュール354は、リザーバ316からシステム300を通して流体を循環させる。代わりに、リザーバ316を加圧し、流体を循環させるために、窒素のような不活性ガスがリザーバ316に供給されることもできる。
【0047】
コリオリ質量流量計312は、使用者がシステム300内の流量をモニタすることを可能にする。質量流量と圧力を制御するシステムを介して、ツールドロップ350の各々で最小の圧力が維持されることができ、結合されるツール352の性能に影響を及ぼす可能性のある圧力に基づいた分与の変動が取り除かれる。各々のツールに対する圧力と質量流量を維持することで、ループの圧力変動を補償するために、小型バージョンの圧力/流量コントローラが使用されることができる。各々のツールに結合されたそのような圧力/流量コントローラは、個別に操作されてもよく、あるいはコントローラ314が、マスターコントローラとして作用することもできる。
【0048】
上記で言及したように、コリオリ質量流量計312は、混合が酸と水といった重い成分の2つの溶液であるときに、実際の混合濃度のフィードバックとして使用されることが可能な密度測定値を供給することができる。スラリ状態の固体濃度も、密度測定値を使用してモニタされることができる。
【0049】
上記で言及したように、高純度のシステムを確立するために、流路全体が、高純度で化学的に不活性/耐性の材料で作製されなければならない。図7Aは、湿式処理接続部を備えた高純度の圧力発信器330を概略的に例示しており、圧力発信器は、単一片の高純度プラスティックから作り出された圧力ダイアフラムを含む。高純度の分配システムに使用されるいかなる実施についても重要な要求条件は、装置のいずれの部分も、漏れ源であってはならないことである。ネジ接続は避けられ、処理接続部の形成に好ましい方法は、面合わせのシールを使用することである。単一片のプラスティックから処理接続部360を作り出すことは、漏れ源になる可能性のあるネジ接続を無くすことを確実にする。
【0050】
圧力発信器330は、センサホルダ358を含み、センサホルダ358は、流路の一部ではないのでポリプロピレンで作製されてもよい。PFAのような高純度材料で作製された圧力チャンバ360は、センサホルダ358の中に入れ子にされる。圧力チャンバ360は、圧力チャンバ360から延びる処理流体取り入れガイド361を規定する。安定した圧力測定性能を提供するために、セラミック圧力センサ362が、高純度ダイアフラム(例えば1mm厚のPFA)に結合され、セラミックセンサを一定の力でプラスティックダイアフラムに対して保持するセラミックセンサ362の上部に置かれたエラストマーのOリング366によって、プラスティックのいかなる緩み(クリープとも呼ばれる)も補償される。このように、圧力発信器330の湿潤部分全体が、PFAまたは別の適切な高純度プラスティック材料である。
【0051】
代わりの圧力センサ331が、図7Bに示されている。圧力センサ331は、サファイアから作製された小型の容量圧力センサ370を使用する。センサは、PFAのような高純度材料372にカプセル化され、流体圧力がセンサ370を押し付けるように圧力チャンバ360内に延びる。図7Bに示した方法の利点は、正確な圧力測定のために、頑丈な構造のような固定された基準がないことである。カプセル化された圧力センサ370は、圧力チャンバ360の一体部品であり、単一片の高純度プラスティックから作り出される。
【0052】
図8は、本発明の態様による、CMP処理ツール用の高純度の流体供給システム400の態様を概念的に例示するブロック図である。供給システム400は、様々な流体、例えば水420、表面活性剤もしくは反応剤421、およびスラリ422を、半導体ウェハへ塗布するための処理ツール452に供給する。通常、このツールは、ウェハ支持体と研磨パッドを含む。ぜん動ポンプ411は、それぞれの流体をツール452へとポンプ注入するために、流体源420、421、422の各々と流体連通している。さらに、質量流量のフィードバックを供給するために、高純度のコリオリ流量計412が、各々の流体源とインラインで設置される。その後、PIDコントローラのような制御電子装置および/またはソフトウェアの使用を通じて、閉ループのシステムが達成されることができる。
【0053】
また別の流体供給システム401が、図9に示されており、本明細書に上記で開示したピンチバルブのような制御バルブ410が、高純度のコリオリ質量流量計412とともに使用されることで、CMP処理工程で高純度の閉ループ制御を達成する。ある実施形態では、もしも制御ループが所望の流量に設定される場合、処理ツール452が、オンオフ信号を各個別の流体制御ループに供給することができる。
【0054】
しかしながら多様なウェハが、多様に処理されることを必要とし、したがって、流体の多様な「配合」が研磨パッドに供給されることを必要とする可能性がある。CMP処理ツール452は、例えば4〜20mA信号といった標準的な工業プロトコルを使用することによって、特定の流量を各々のコントローラに命令することができる。図6に示したシステム300のように、CMPツールが、単に多様な配合を命令することができ、コントローラ314装置が、供給速度を制御する。主コントローラ314は、必要に応じてリアルタイムで流量および流体比率を設定する。
【0055】
図10は、フォトレジストまたは誘電性の液体の塗布工程で使用される、スピンオン処理工程用の閉ループの流体供給システム500を示している。リザーバ518は、供給導管を介して供給される窒素のような不活性ガスで加圧される。加圧ガスから処理流体を隔絶するために、リザーバ518内の処理流体は、ポリマーバッグの中に含まれることもできる。他の実施形態では、ガスから処理流体を隔絶するのに、ダイアフラムが使用されることができる。リザーバ518に供給される不活性ガスを制御可能に調節するために、圧力制御バルブ550が、不活性ガス供給導管の中に配置される。圧力制御バルブ550は、第1の圧力発信器530aから受ける圧力信号に基づいて、バルブ550の位置を開から閉で調節する液体供給コントローラ514から出力信号を受けることができる。コントローラ514は、予め規定した圧力設定点と圧力発信器530a出力の比較に基づいて、リザーバ518の圧力を上げるかまたは下げるために、圧力制御バルブ550の位置を調節する。
【0056】
リザーバ518は、出口導管を介して高純度のコリオリ質量流量計512に接続され、出口導管を通って処理流体がリザーバ518から出て行く。スピンコントローラ564によって制御されて回転している加工物562に塗布される処理流体をフィルタリングするために、フィルタ使用点560が設けられる。
【0057】
流路内のコリオリ流量計512は、実際の流量を測定し、液体供給コントローラ514に信号を供給する。もしも流体の流量が低い場合、リザーバ518内の液体に加えられる圧力が上げられて、さらに多くの流量を供給する。フィルタ使用点560または液体を運ぶチューブ配管内の詰まりのせいで、液体供給のために高い圧力が必要となる可能性がある。流量計512の上流側の第2の圧力センサ530bと流量計512の下流側の第3の圧力センサ530cは、流量計512を通過する液体を推進するのに必要な差圧を測定する。チューブの長さは知られているので、流量計512と圧力センサ530b、530cとによって供給される流量と差圧の測定値は、流体の粘度を判定するのに使用されることができる。粘度測定は、流体の化学構造に対するいかなる変化も表わすであろう。制御バルブ510は、液体供給コントローラ514からの制御信号を介して、処理流体の流量を制御する。ステッパ駆動されるバルブが、最後の位置を維持するであろう。
【0058】
液体供給コントローラ514と同じコントローラであっても、あるいは別のコントローラであってもよいツールコントローラ515は、スピンコントローラ564に制御信号を供給し、また供給コントローラ514に流量設定点を供給する。いくつかの実施形態では、リザーバ518の出口に高速動作の流体オンオフバルブ509がさらに設けられ、ツールコントローラ515の要求に基づいて、流れのオンオフを切り換えるために、液体供給コントローラ514によって作動される。液体供給コントローラ514は、液体供給圧力と流量のテーブルをメモリ内に維持する。この液体供給圧力と流量のテーブルは、制御バルブ510の様々な位置と相関され、それぞれ圧力センサ530bとコリオリ流量計512によって供給される。ツールコントローラ515からの流体要求要件に基づき、バルブ509が開状態にある間の適切な量の流体を供給するために、液体供給コントローラ514は、流体への圧力の最適設定および制御バルブの設定を提供する。
【0059】
代わりのスピンオン流体供給システム501が、図11に示されている。供給システム501では、コリオリ流量計512は、定量ポンプ511の下流側にあって、フィードバック機構として作用し、適切な量の液体が、加工物562に塗布されることを確実にする。通常、従来技術の計量ポンプシステムは、開ループであり、上部圧力を上げるポンプのシステム下流側のいかなる詰まりも、加工物への流体供給を変えるであろう。コリオリ流量計512からの信号は、上昇した上部圧力を補償するようにさらに高い出力圧力を供給するために、液体供給コントローラ514がポンプ511の動作を変えることを可能にする。
【0060】
本発明は、本明細書に教示した恩典を得る当業者にとって明白な、異なるが等価な方法で、変形および実施されることができるので、上記で開示した特定の実施形態は単なる例示に過ぎない。さらに、請求項に記載される以外の本明細書に示した構造または構成の詳細に対する限定は意図されない。したがって、上記で開示した特定の実施形態が、変更または修正されることができ、そのような変形すべてが、本発明の範囲と精神に入ると考えられることは明らかである。したがって本明細書で求められる保護は、特許請求の範囲に示された通りである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】従来技術のオフライン混合システムを概略的に例示する図である。
【図2】本発明による流体供給システムを概略的に例示するブロック図である。
【図3】本発明の様々な実施形態で使用するのに適した高純度のフローチューブを有するコリオリ流量計を示す斜視図である。
【図4】本発明によるピンチバルブを概略的に例示する図である。
【図5】本発明の実施形態によるリアルタイムの高純度混合システムの態様を例示するブロック図である。
【図6】本発明の実施形態による再循環流体分配システムを例示するブロック図である。
【図7A】本発明の態様による高純度の圧力発信器を概略的に例示する図である。
【図7B】カプセル化されたサファイアセンサを含む高純度の圧力発信器の代わりの実施形態を例示する図である。
【図8】本発明の実施形態による、CMP処理ツール用の高純度流体供給システムの態様を概念的に例示するブロック図である。
【図9】本発明の実施形態による、CMP処理ツール用の別の高純度流体供給システムの態様を概念的に例示するブロック図である。
【図10】本発明の実施形態による、スピンオン処理工程用の閉ループ流体供給システムを例示するブロック図である。
【図11】本発明の実施形態による、スピンオン処理工程用の別の閉ループ流体供給システムを例示するブロック図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、次の名称の複数の米国特許出願、すなわち「High Purity Coriolis Mass Flow Controller」、「Flowmeter for the Precision Measurement of an Ultra−Pure Material Flow」、「Methods of Manufacturing a PFA Coriolis Flowmeter」、「Manufacturing Mass Flow Meters Having a Flow Tube Made of a Fluoropolymer Substance」および「Compensation Method for a PFA Coriolis Flowmeter」に関連し、各米国特許出願は、本出願と同じ日に出願された。関連出願の全開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して流体供給システムに関し、より詳細には、CMP、フォトリソグラフィ、および誘電体処理工程のような処理工程で、ウェハ表面に超高純度の流体を直接塗布するのに適した、改良された流体供給システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体、医薬、およびバイオテクノロジといった多くの産業は、一般的に低流量で、研磨性かつ腐食性化学物質流体を使用し、ならびに汚染が無く、正確、小型、かつリアルタイムの流体供給および/または混合システムの必要性に起因する、流体供給の問題に遭遇する。
【0004】
概して、半導体産業は、「ツール」という用語を使用して、ウェハ表面上で操作を実行するハードウェア部品を含むシステムを指す。これらの操作には、何らかの形式の化学堆積または流体コーティング処理工程による薄膜の作製と、精密なパターンでの膜のエッチングと、堆積した膜を平らな表面にするための研磨と、および不要な膜、粒子、および化学汚染物質を除去するための表面洗浄とが含まれる。ツールは独立型であるか、またはクラスタ構造で他のツールに組み入れられることができ、クラスタ構造において、ウェハに対して複数の連続的な操作が、1つの場所で行われる。
【0005】
例えば、化学機械平坦化(CMP)は、小さい研磨粒子と反応薬剤を含む超高純度流体を、ウェハ表面と研磨パッドとの間に加えることによって、半導体のウェハ表面を平坦化する処理工程を含む半導体産業の重要な処理である。大抵の適用で、研磨パッドは、制御された速度でウェハに対して回転して表面を平坦化する。ウェハの過剰研磨は、重要なウェハ構造を変えるかまたは取り去る結果につながる可能性がある。逆に、ウェハの過少研磨は、受け入れ難いウェハ表面に結びつく可能性がある。ウェハの研磨速度は、研磨操作時に供給される流体の供給速度および流体の総量に大きく依存する。
【0006】
流体の流量に加えて、研磨パッドに加えられる流体の汚染防止が、重要である。いくつかの適用において、処理工程を制御するのに使用される機器が、処理材料への汚染源であることは問題である。これは、超高純度の材料が、ユーザの用途に供給されねばならないシステムでの使用には望ましくない。例えば、通常のコリオリ流量計の金属フローチューブは、汚染源になる可能性がある。これは、半導体ウェハの加工におけるケースでは、フローチューブの壁から移動するイオンを含む汚染の無い材料の使用を必要とする。この放出された物質は、半導体ウェハ上のチップを欠陥品にさせる可能性がある。ガラスのフローチューブについても同じであって、鉛を含むイオンをガラスから材料の流れに放出させる可能性がある。従来のプラスティックで形成されたフローチューブについてもやはり同じである。
【0007】
イオン性の汚染阻止は重大であるので、CMP処理工程の大部分は、適切な高純度のチューブ配管材料と共にぜん動ポンプを使用して研磨パッドに流体を供給する。ぜん動ポンプの清浄な流路の非侵襲性の特徴は、CMP用途にとって受容可能であるが、流体の流量を制御することを試みるためのこれらのポンプの使用は、それらが、流量測定のフィードバックを伴わない開ループで操作されるので極めて不正確である。
【0008】
流体流量の正確な制御と汚染のない環境を必要とする半導体産業の別の処理工程は、フォトリソグラフィ処理工程である。当該技術で知られているように、フォトリソグラフィは、レジストとして知られている光感受性ポリマーをウェハ表面に塗布する処理工程である。ウェハ表面に加工される構造のパターンを有するフォトマスクが、レジスト被覆されたウェハと光源との間に配置される。光は、レジストと反応して、レジストポリマーを弱くするかまたは強くする。レジストが光に晒された後、弱くなったレジストを除去する化学物質流体が加えられてウェハが現像される。
【0009】
この処理工程の修正形態により、最終的な半導体の集積部分になる複数の膜を作製するために、ウェハ表面に多数の新たな液体が塗布される。これらの膜の主な機能は、導電配線間の絶縁体として作用することである。多様な「スピンオン」材料が、さまざまな化学組成および物理特性で評価される。リソグラフィ処理工程とスピンオン堆積との間の重要な差異は、膜のいかなる欠陥(空隙、気泡、または粒子など)も、ここで半導体の構造内に永続的に埋め込まれ、機能しないデバイスとなり、半導体生産業者にとって金銭的損失に結びつく可能性があることである。
【0010】
これらの処理工程の両方が、「トラック」と呼ばれるツール内で行なわれる。トラックの目的は、静止または低速で回転するウェハの表面に正確な量の流体を塗布することである。液体の塗布後に、ウェハの回転速度が急速に上げられて、ウェハ表面上の液体が振り落とされる。極めて薄く、一貫した厚さの液体が、ウェハの中心から縁部まで残る。液体の厚さに影響を与えるいくつかの変数には、レジストまたは誘電体の粘度、レジストまたは誘電体中の溶剤濃度、分与されるレジスト/誘電体の量、分与の速度などが含まれる。
【0011】
トラックは、また、液体の塗布の後に追加の処理ステップを与え、追加の処理ステップが、膜中のいかなる溶剤も除去する焼成処理を使用して、液体をポリマーに変える。誘電体膜も、液体の膜から適切な固体構造へと変換するために他の化学処理に晒されることができる。トラックは、また、湿度または温度の変化を防止し、化学物質汚染が膜の性能に影響するのを防止するために、ウェハ周囲の環境を制御する。トラックシステムの性能は、空隙、気泡、および粒子によって引き起こされる膜の欠陥を最小限にすることに加えて、ウェハ表面に供給される液体の精度と再現可能性によって決定される。
【0012】
CMPおよびスピンオン塗布といった処理工程で使用され、現在入手可能な流体供給システムに関連する問題には、閉ループの流量測定を提供することが不可能であること、ポンプシステムの上部圧力の変化に基づいた正確な流体供給速度を提供することが不可能であること、ポンプ内で使用されるチューブ配管の容積の変動、およびポンプからの脈動が含まれる。さらに、定期的に毎週の、あるいは毎日のポンプの較正すら必要となる可能性がある。現在の流体供給システムに関連するその他の問題には、流出するチューブ配管の粒子からの流体の汚染が含まれる。
【0013】
通常これらの産業で重要である追加的な因子には、流量、流体温度、粘度、密度、および圧力といったリアルタイムの流体特性データの必要性が含まれる。流体特性値を計算するために、前述の流体特性のすべては、差圧発信器、粘度計、濃度計、圧力発信器、温度素子といった様々な機器の組み合わせ、あるいはそれらの機器と制御システムの組み合わせを使用して測定することが可能であるが、これらの機器の使用はコストがかかり、大きな空間要件を有し、増大した保守管理を必要とし、かつ流体の漏れと処理工程汚染のさらに大きな潜在性をもたらす可能性がある。したがって、前述の産業の流体供給システムに対して、効率的で小型かつ汚染の無い解決方法が必要である。
【0014】
別の処理工程では、高純度の流路を必要とする複数の流体のリアルタイムの混合システムに関する増大した要求が存在する。さらに、通常の混合方式はモル比に基づいているので、容量基準に基づく混合は概して受け入れられない。現在の混合法は、図1に示したようにオフライン方式の重量基準で複数の流体を容器に加える方法を含む。重量計12上に置かれた容器11に複数の流体A〜Nが流入する。一度に1つの流体が、フローバルブ13を通過することができる。重量合計が調べられ、流体Aの所望の量が加えられたときに、バルブ13が閉じられる。同じ処理工程が、残りの流体に繰り返される。最終的に、完全な混合物が得られる。いかなる流体も多過ぎるかまたは少な過ぎる量が加えられたならば、ある程度受容可能な誤差帯域で、各々の流体の適切な質量が加えられた状態になるまで、処理工程は続かなければならない。
【0015】
また別の知られている方法は、混合物の各流体が容器に加えられるときに、その量を測定するためのレベルセンサを使用する。これは容器高さの僅かな増分に伴う容器容積を、極めて正確に知らなければならない。
【0016】
残念ながら現在のバッチ式生産方法は、必要時に利用できる最終製品の過多もしくは過少という結果につながる可能性がある。利用可能な製品がほとんどないことは、処理工程を中断させ、また、常に余分な製品が生産されることは、ある程度の製品が、使い残しとなって使用されないことを意味する。これらの製品は、しばしば限定された貯蔵寿命(例えば数時間)を有するので、この過剰の製品は、処分されねばならない。この処分はいくつかの理由でコストがかかる。通常、この製品は、極めて高価な化学物質を使用し、流体混合物はしばしば極めて有害であって、制御され、かつコストのかかる方法で処分されねばならないことを意味する。
【0017】
技術が進展するにつれて、製品の要件の違いに基づいた混合形式の操作の必要性、および追加の新たな材料成分が増え続け、その結果、柔軟、正確、かつ汚染の無いリアルタイムの連続混合システムのより強い必要性がある。また別の重要な因子には、適切な混合および処理ツールへの正確な流体流量を確実にするための正確な圧力制御の必要性が含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、先行技術に関連する短所を解決する流体供給システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一態様では、流体供給システムは、流量制御装置、高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有するコリオリ質量流量計、およびPIDコントローラのようなコントローラを含む。コリオリ質量流量計は、出力信号をコントローラに供給し、例えば処理流体の質量流量、温度、および/または密度測定値を示す。制御装置は、設定点信号と流量計の出力信号を受け取り、流体供給システムに関して望ましい流量を供給するために、制御装置の出力を変えるように制御出力信号を流量制御装置に供給する。
【0020】
コリオリ流量計のフローチューブは、望ましくない(例えば金属)イオンが処理流体へと移動するのを防止するために、高純度プラスティック材料で作製される。ペルフルオロアルコキシ(PFA)のプラスティックが、フローチューブに適した材料である。流量制御装置は、例えば制御バルブ、ポンプ、または制御された加圧リザーバによって具体化されることが可能である。代表的な実施形態では、制御バルブは、ソレノイドまたはステッパモータアクチュエータを有するピンチバルブである。
【0021】
本発明のまた別の態様によると、再循環流体分配システムは、流体リザーバおよびリザーバと流体連通している分配導管を有する。分配導管は、複数のツールドロップを有し、ツールドロップに取り付けられたツールにリザーバから流体を供給する。可変出力ポンプまたはピンチバルブのような流量制御装置は、高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有するコリオリ質量流量計と流体連通している。圧力発信器は、コリオリ質量流量計と流体連通している。コントローラは、設定点信号と、コリオリ質量流量計および圧力発信器から出力信号とを受け取り、分配導管内で所定の圧力と流量を維持するように、流量制御装置の出力を変えるために制御出力信号を流量制御装置に供給する。
【0022】
本発明のまたさらなる態様によると、流体供給システムは、リザーバを加圧するためにガスを受け入れる入口とリザーバに含まれる流体を分与する出口とを有するリザーバを含む。第1の流量制御装置が、リザーバ入口に接続され、第2の流量制御装置が、リザーバから出る流体流量を制御するためにリザーバの出口と流体連通している。コリオリ質量流量計は、第2の流量制御装置と流体連通している。コリオリ質量流量計は、PFAのような高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有する。コントローラが、設定点信号とコリオリ質量流量計から出力信号とを受け取り、リザーバの圧力とリザーバからの流体の流量を変えるために、制御出力信号を第1と第2の流量制御装置に供給する。
【0023】
本発明のその他の目的と利点は、下記の詳細な説明を読み、図面を参照すると明らかになるであろう。
【0024】
本発明は、様々な変形および代替の形式をとることが可能であるが、その特定の実施形態を例として図に示し、本明細書で詳細に説明する。しかしながら、特定の実施形態の本記載が、開示された特定の形式に本発明を限定することを意図するものではなく、逆に、本発明が、特許請求の範囲によって規定される本発明の精神と範囲内に入るすべての変形、均等物、および代替品を網羅することは理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の具体例の実施形態を以下に述べる。明瞭化する理由から、本明細書で実際の実施のすべての特徴を説明することはしない。いかなるそのような実際の実施形態の展開の中でも、実施ごとに変わるであろうシステムに関連する制約および業務に関連する制約に従ってなど、開発者の特定の目的を達成するように、数多くの実施に特定な決定が為されるはずであることはもちろん理解されるであろう。さらに、そのような開発努力は、複雑で時間がかかる可能性があるが、それでもやはり本開示の恩典を有する当業者にとって決まりきった仕事であろう。
【0026】
図2は、本発明の例示的な実施形態による流体供給システム100を概略的に例示している。質量流量に基づいた供給システム100は、例えば、CMPシステムの研磨パッド、または半導体スピンオン塗布に使用されるトラックなどに支持された、ツールまたは工作物への流体の流量を制御するのに適している。概して、システム100は、流量制御装置110、流量計112、およびコントローラ114を含む。
【0027】
コントローラ114は、質量流量のような所望のパラメータを表わす設定点信号を受け取る。コントローラ114はまた、流量計112から出力信号も受け取る。流量計信号は、コントローラ114によって調整および処理され、その後、コントローラ114は、制御出力信号を流量制御装置110に供給して流体の流量を変える。コントローラ114は、電子装置であり、電気インターフェースを有し、例えば比例積分微分(PID)コントローラを含むことが可能である。通常、コントローラ114への設定点入力は、0〜5V、4〜20mA信号またはデジタルワードなどの電気信号である。気体で作動する設定点インターフェースも使用できる。コントローラ114はまた、バルブオーバライド特性を含むことも可能であり、追加的な信号は、コントローラ114に送られ、コントローラ114に設定点を無視させて、流量制御装置110を完全に開状態もしくは閉状態にさせる。この特性は、流れを遮断するため、またはシステムをパージするためにしばしば使用される。
【0028】
化学混合用途のための流体供給システムのような特定の実施形態では、流量計112は、コリオリ質量流量計であることが好ましい。所望の化学反応は、通常、モル(質量)基準で推進されるので、直接流量計が、概して容量流量計より好ましい。容量式の流量測定は、実施されて標準条件に較正されることで、結果的に質量測定と等価になる。しかしながら、追加的な情報(流体密度、温度、および/または圧力)が必要となって、測定を一層難しくかつコスト高にする。質量流量測定は、通常、質量測定値へと変換される容量測定よりも正確であり、この精度が、結果的にさらに高い品質の最終製品につながる。これは処理工程の収率を高め、したがって本発明を利用する企業の収益性を向上させる。
【0029】
半導体、医薬、およびバイオテクノロジ産業に関連する適用などの多くの適用は、使用される化学物質の純度を保護するために、流体供給システムの流路(全表面が処理流体で濡れる)が、高純度で化学的に不活性/耐性の材料で構成されることを必要とする。プラスティックが望ましいが、その理由は、半導体ウェハの製造処理工程に使用される超高純度の化学物質は、もしも様々な機械および化学処理に起因して、金属のフローチューブから金属イオンが浸出または脱離すると、汚染される可能性があるからである。したがって、これらの産業では、高純度グレードのプラスティックが使用されるが、その理由は、これが望ましくない(例えば金属)イオンの処理材料への移動をほぼ防止するからである。さらに、プラスティックのフローチューブの製造において固有である平滑な表面仕上がりは、チューブへのバクテリア付着の可能性および有機材料による流体の汚染の可能性を下げる。
【0030】
フローメータ112の濡れる流路は、バクテリアが隠れる可能性のある割れ目、裂け目などを有さないように構成される。適切な高純度プラスティックは、優れた化学耐性と機械特性を備えた高性能フルオロポリマーであるPFA(ペルフルオロアルコキシ共重合体)である。PVDFおよびPTFEといった様々なフッ化ポリマーもやはり適切である。
【0031】
高純度材料の使用に加えて、高純度の流路は、一定の直径を有するべきであり、貫入または多数流路があってはならない。デュアルチューブセンサまたは曲がった流路を避けるべきである。これが、圧力低下を最小限にし、流体へのせん断速度を最小に下げ、それはいくつかの産業および適用で重大である。それはまた、スラリのようなある種の物質による目詰まりも防止する。
【0032】
高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有する好適なコリオリ質量流量計は、図3に示されている。コリオリ質量流量計50は、ベース51の脚部67、68を通して挿入されたフローチューブ52を有する。フローチューブ52は、PFA製であることが好ましい。ピックオフLP0とRP0および駆動装置Dが、フローチューブ52に結合される。流量計50は、供給チューブ54から処理材料の流れを受け取り、コネクタ58を通してその流れをフローチューブ52へと延ばす。フローチューブ52は、駆動装置Dによって、材料の流れが有する共振周波数で振動させられる。結果的に生じるコリオリ撓みは、ピックオフLP0とRP0によって検出される。ピックオフが、導体62と64を越えて信号を計測電子装置(図示せず)へと加える。計測電子装置が、コリオリ撓み間の位相差を判定し、それに基づいて出力信号を加える。高純度フローチューブを有する適切なコリオリ流量計は、「Flowmeter for the Precision Measurement of an Ultra−Pure Material Flow」という名称の組み込まれた出願に詳細に開示されている。
【0033】
流量制御装置110は、制御バルブを含むことが可能である。質量流量計112と同様に、高純度の適用では、制御装置は、流体の汚染を最少にする材料で作製されなければならない。さらに、制御装置110は、滞留した流体が集まる可能性のある場所を有さず、かつ流体中に粒子を発生させる可能性のある滑りまたは擦り合わせ部品を有さないように構成されなければならない。
【0034】
例えば、高純度の化学物質環境に受容可能なプラスティックで作製された全プラスティック製のダイアフラムバルブを使用することができる。しかしながら、スラリに関すると、そのようなバルブは理想的な解決方法ではない。ピンチバルブが、スラリ制御に対する優れた解決方法であることは立証されている。本発明による適切なピンチバルブ120は、図4に概念的に例示されている。アクチュエータ122が、ラム124を可撓性チューブ126に、かつ基準表面128に対して力を加えることで、チューブ126を挟んで閉じる。チューブ126は、PFAのような高純度プラスティックで作製されることが好ましい。チューブの柔軟性は、配管壁が、壁に捕捉されたいかなる粒子または欠陥の周囲に従うことを可能にして、緊密なシールを供給する。流路は直線状であり、圧力低下と乱流を最小限にする。流体は、フローチューブ126だけと接触し、他のバルブ部品の損耗と腐食を防ぎ、かつ半導体研磨操作といった高純度適用のケースでのスラリの金属汚染を防いでいる。
【0035】
知られているピンチバルブの作動は、普通では双安定性、すなわちオンとオフである。いくつかの知られているピンチバルブは、多数回転式のハンドルを備えた手動のアクチュエータを有するが、しかしこのタイプのバルブが、閉ループの流量制御に導入されることはないであろう。バッチ処理の分与用途では、他のピンチバルブが使用され、バッチ処理では、バルブがオンである時間によって、分与される材料の量が制御される。これは、流量を動的に制御することができない。
【0036】
2つの状態だけを有するバルブは、バルブのアクチュエータに電流または電圧を変えて印加することによって制御されることができる。ある実施形態では、バルブを制御するのにパルス幅変調(PWM)が使用される。PWMは、バルブの機械応答周波数よりも上の周波数で方形波を発生させることによって達成される。装置に送られる適切な電圧または電流を決定するために、信号のデューティサイクルが変えられる。例えば、PWM信号が、0〜12Vの間で動作する場合、0%のデューティサイクル=0ボルト、50%のデューティサイクル=6ボルト、100%のデューティサイクル=12ボルトである。信号が、バルブの機械応答周波数よりも上の周波数であるので、「平均化」が行なわれる。バルブの位置は、供給される平均電流に基づく。結果的に得られる供給電圧は、信号のパルス幅に比例する。
【0037】
もしも信号周波数が低過ぎる場合、バルブは、オンとオフの信号に完全に応答するために時間がかかり、望ましくない脈動した流量出力を作り出す。通常のピンチバルブアクチュエータは、ソレノイドであり、ソレノイドは、ソレノイドを閉じるのに必要な電流を決定する予加重調節を備えたバネ素子を有する。バルブバネの予加重の調節は、バルブの制御範囲を改善することを可能にする。他の実施では、ソレノイドプランジャ素子が、バネ懸架プランジャと置き換えられる。バネ懸架プランジャは、摩擦に起因する非線形のバルブ応答を最小限にし、入手可能なソレノイド作動ピンチバルブに共通するヒステリシスと不感帯を最小限にする。
【0038】
PWM制御のソレノイドに対する別の方法は、ステッパモータのアクチュエータを使用することであり、ステッパモータは、制御された決定論的な角度回転をウォームギアタイプの構成によって直線ラム駆動へと変換する。ステッパコントローラは、アナログ信号入力に比例する特定の数のステップを生じるように構成されることができる。バックラッシュ、およびバックラッシュによるバルブのヒステリシスは、バックラッシュを最小にするいかなる数の適切なウォームギア構成によって最小にされることができる。ステッパモータは、概して、ピンチチューブ配管に変化を引き起こす可能性のある、温度と圧力の変動に対して影響されない。ステッパモータは、位置を制御するための手段であり、それゆえにステッパは、ピンチチューブ配管の変化に影響されない。ピンチバルブに関して、ピンチチューブはシステムの一体部分であり、電流はバルブアクチュエータに加えられ、バルブアクチュエータが、ピンチチューブに力を加え、チューブを挟む。もしも温度または圧力に起因してチューブの特性が変化すると、ソレノイドでチューブを閉じる量、およびそれゆえに流量が変化する。さらに、ステッパアクチュエータは、流体供給サイクルの開始時の設定点の確立に迅速な応答を供給するために、最後の位置に留まることができる。
【0039】
コリオリ質量流量計112と流量制御装置110は、単一のエンクロージャ116に収納され、一体化されたユニットとして構成されることができる。さらに、コントローラ114も、同じエンクロージャ116に収納されて、一体型の高純度コリオリ質量流量コントローラを提供することができる。適切な高純度コリオリ質量流量コントローラは、「High Purity Coriolis Mass Flow Controller」という名称の組み込まれた出願にさらに詳細に開示されている。
【0040】
代わりに、流量制御装置110は、ぜん動ポンプのような可変出力ポンプを含むこともできる。またさらなる実施形態では、容器から分与される流体の流量を変えるために、圧力が変えられる圧力容器もしくはリザーバが、流量制御装置110として機能する。例えば、図2を参照すると、リザーバ118から出る流体の流量を変えるために、流体リザーバ118が可変で加圧されることが可能である。この方式での流体流量の制御は、例示した流量制御装置110に追加されることもあるいは置き換えられることも可能である。そのような代わりの流量制御装置は、本発明のさらなる例示的な実施形態に関連して本明細書で以下にさらに詳細に検討される。
【0041】
図5は、本発明の態様によるリアルタイムの混合システム200を例示している。例示したシステムは、従来技術に関連する短所に対処するために、高純度で耐腐食性であってかつ質量に基づくものである。これらの特性を達成するためには、少なくとも2つの主要因子が必要である。1つは高純度の流路であり、もう1つは質量流量の測定である。したがって、システム200は、上述したような高純度プラスティックのフローチューブを有するコリオリ流量計212を含む。コリオリ流量計212は、混合が酸と水といった重い成分の2つの溶液であるときに、実際の混合濃度のフィードバックとして使用されることが可能な密度測定値を提供する。スラリ状態の固体濃度も、密度測定値を使用してモニタされることができる。質量流量と密度に加えて、流量計212は、温度測定値のような追加的な測定値出力信号を提供するように構成されることができる。
【0042】
流量計212の使用は、複数の流体流220のリアルタイムでオンラインの混合を可能にする。上記で言及したように、所望の化学反応は通常ではモル(質量)基準で推進されるので、質量流量測定が、容量式の流量測定より好ましい。
【0043】
リアルタイム混合システム200は、さらに上述したピンチバルブのような流量制御装置210を有する。流量計212は、例えば流体流量、温度、および密度を表わす出力信号をコントローラ214に提供する。前もって規定されるかまたはリアルタイムの流体流の流量設定点パラメータに基づいて、コントローラ214は、制御信号を流量制御装置210に送り、それによって加工物に所望の量の混合流体を供給する。このように、様々な流体220が、1つにまとめられて共通の導管216へと供給される単一の流体流を形成する。流体220の完全な混合を達成するために、混合チャンバ218がさらに設けられることができる。さらに、流体流供給圧力の変化に起因して、個々の流体流220が汚染されないことを確実にするために、チェックバルブ(図示せず)が設けられることができる。
【0044】
マンマシンインターフェース(MMI)が、さらに設けられることがある。MMIは、例えば入力および出力信号の値と状態を通信し、ならびにプログラムされた入力信号値または他の測定値が、受容範囲の値から外れたときに、予め規定された警報を与えるインターフェースを供給する。さらに、システム200の様々な構成要素間の入力および出力信号は、単一対のフィールドバスケーブル上ですべて接続されることができる。さらに、ある実施形態では、システムは、コントローラ214を介してシステムの較正、試験、および保守管理をでき、ならびに予め構成した混合配合表の構成および選択をすることもできる。図4に例示したような発明のシステム200は、別個の構成要素として、流量計212、流量制御装置210、およびコントローラ214を示しているが、これらの構成要素の様々な組み合わせが、共通のエンクロージャに一体ユニットとして構成されることができることは理解されるはずである。
【0045】
図6に再循環流体分配システム300が例示されている。分配システム300は、上述のような高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有するコリオリ流量計312を含む。流量計312は、ピンチバルブ310のような流量制御装置および圧力発信器330と流体連通している。コントローラ314は、流量計312と圧力発信器330から測定値信号を受け取り、バルブ310に制御信号を供給する。コントローラ314、コリオリ流量計312、圧力トランスデューサ330、およびバルブ310は、個別部品であってもよく、あるいは一体化された流量および圧力制御システムとして組み合わされてもよい。
【0046】
リザーバ316は、導管351を介して、複数のツールドロップ350へと供給される流体を含む。ツールドロップ350は、洗浄、エッチング、またはCMPのツールといったそれぞれのツール352に各々接続され、ツール352に流体を供給する。ポンプのような分配モジュール354は、リザーバ316からシステム300を通して流体を循環させる。代わりに、リザーバ316を加圧し、流体を循環させるために、窒素のような不活性ガスがリザーバ316に供給されることもできる。
【0047】
コリオリ質量流量計312は、使用者がシステム300内の流量をモニタすることを可能にする。質量流量と圧力を制御するシステムを介して、ツールドロップ350の各々で最小の圧力が維持されることができ、結合されるツール352の性能に影響を及ぼす可能性のある圧力に基づいた分与の変動が取り除かれる。各々のツールに対する圧力と質量流量を維持することで、ループの圧力変動を補償するために、小型バージョンの圧力/流量コントローラが使用されることができる。各々のツールに結合されたそのような圧力/流量コントローラは、個別に操作されてもよく、あるいはコントローラ314が、マスターコントローラとして作用することもできる。
【0048】
上記で言及したように、コリオリ質量流量計312は、混合が酸と水といった重い成分の2つの溶液であるときに、実際の混合濃度のフィードバックとして使用されることが可能な密度測定値を供給することができる。スラリ状態の固体濃度も、密度測定値を使用してモニタされることができる。
【0049】
上記で言及したように、高純度のシステムを確立するために、流路全体が、高純度で化学的に不活性/耐性の材料で作製されなければならない。図7Aは、湿式処理接続部を備えた高純度の圧力発信器330を概略的に例示しており、圧力発信器は、単一片の高純度プラスティックから作り出された圧力ダイアフラムを含む。高純度の分配システムに使用されるいかなる実施についても重要な要求条件は、装置のいずれの部分も、漏れ源であってはならないことである。ネジ接続は避けられ、処理接続部の形成に好ましい方法は、面合わせのシールを使用することである。単一片のプラスティックから処理接続部360を作り出すことは、漏れ源になる可能性のあるネジ接続を無くすことを確実にする。
【0050】
圧力発信器330は、センサホルダ358を含み、センサホルダ358は、流路の一部ではないのでポリプロピレンで作製されてもよい。PFAのような高純度材料で作製された圧力チャンバ360は、センサホルダ358の中に入れ子にされる。圧力チャンバ360は、圧力チャンバ360から延びる処理流体取り入れガイド361を規定する。安定した圧力測定性能を提供するために、セラミック圧力センサ362が、高純度ダイアフラム(例えば1mm厚のPFA)に結合され、セラミックセンサを一定の力でプラスティックダイアフラムに対して保持するセラミックセンサ362の上部に置かれたエラストマーのOリング366によって、プラスティックのいかなる緩み(クリープとも呼ばれる)も補償される。このように、圧力発信器330の湿潤部分全体が、PFAまたは別の適切な高純度プラスティック材料である。
【0051】
代わりの圧力センサ331が、図7Bに示されている。圧力センサ331は、サファイアから作製された小型の容量圧力センサ370を使用する。センサは、PFAのような高純度材料372にカプセル化され、流体圧力がセンサ370を押し付けるように圧力チャンバ360内に延びる。図7Bに示した方法の利点は、正確な圧力測定のために、頑丈な構造のような固定された基準がないことである。カプセル化された圧力センサ370は、圧力チャンバ360の一体部品であり、単一片の高純度プラスティックから作り出される。
【0052】
図8は、本発明の態様による、CMP処理ツール用の高純度の流体供給システム400の態様を概念的に例示するブロック図である。供給システム400は、様々な流体、例えば水420、表面活性剤もしくは反応剤421、およびスラリ422を、半導体ウェハへ塗布するための処理ツール452に供給する。通常、このツールは、ウェハ支持体と研磨パッドを含む。ぜん動ポンプ411は、それぞれの流体をツール452へとポンプ注入するために、流体源420、421、422の各々と流体連通している。さらに、質量流量のフィードバックを供給するために、高純度のコリオリ流量計412が、各々の流体源とインラインで設置される。その後、PIDコントローラのような制御電子装置および/またはソフトウェアの使用を通じて、閉ループのシステムが達成されることができる。
【0053】
また別の流体供給システム401が、図9に示されており、本明細書に上記で開示したピンチバルブのような制御バルブ410が、高純度のコリオリ質量流量計412とともに使用されることで、CMP処理工程で高純度の閉ループ制御を達成する。ある実施形態では、もしも制御ループが所望の流量に設定される場合、処理ツール452が、オンオフ信号を各個別の流体制御ループに供給することができる。
【0054】
しかしながら多様なウェハが、多様に処理されることを必要とし、したがって、流体の多様な「配合」が研磨パッドに供給されることを必要とする可能性がある。CMP処理ツール452は、例えば4〜20mA信号といった標準的な工業プロトコルを使用することによって、特定の流量を各々のコントローラに命令することができる。図6に示したシステム300のように、CMPツールが、単に多様な配合を命令することができ、コントローラ314装置が、供給速度を制御する。主コントローラ314は、必要に応じてリアルタイムで流量および流体比率を設定する。
【0055】
図10は、フォトレジストまたは誘電性の液体の塗布工程で使用される、スピンオン処理工程用の閉ループの流体供給システム500を示している。リザーバ518は、供給導管を介して供給される窒素のような不活性ガスで加圧される。加圧ガスから処理流体を隔絶するために、リザーバ518内の処理流体は、ポリマーバッグの中に含まれることもできる。他の実施形態では、ガスから処理流体を隔絶するのに、ダイアフラムが使用されることができる。リザーバ518に供給される不活性ガスを制御可能に調節するために、圧力制御バルブ550が、不活性ガス供給導管の中に配置される。圧力制御バルブ550は、第1の圧力発信器530aから受ける圧力信号に基づいて、バルブ550の位置を開から閉で調節する液体供給コントローラ514から出力信号を受けることができる。コントローラ514は、予め規定した圧力設定点と圧力発信器530a出力の比較に基づいて、リザーバ518の圧力を上げるかまたは下げるために、圧力制御バルブ550の位置を調節する。
【0056】
リザーバ518は、出口導管を介して高純度のコリオリ質量流量計512に接続され、出口導管を通って処理流体がリザーバ518から出て行く。スピンコントローラ564によって制御されて回転している加工物562に塗布される処理流体をフィルタリングするために、フィルタ使用点560が設けられる。
【0057】
流路内のコリオリ流量計512は、実際の流量を測定し、液体供給コントローラ514に信号を供給する。もしも流体の流量が低い場合、リザーバ518内の液体に加えられる圧力が上げられて、さらに多くの流量を供給する。フィルタ使用点560または液体を運ぶチューブ配管内の詰まりのせいで、液体供給のために高い圧力が必要となる可能性がある。流量計512の上流側の第2の圧力センサ530bと流量計512の下流側の第3の圧力センサ530cは、流量計512を通過する液体を推進するのに必要な差圧を測定する。チューブの長さは知られているので、流量計512と圧力センサ530b、530cとによって供給される流量と差圧の測定値は、流体の粘度を判定するのに使用されることができる。粘度測定は、流体の化学構造に対するいかなる変化も表わすであろう。制御バルブ510は、液体供給コントローラ514からの制御信号を介して、処理流体の流量を制御する。ステッパ駆動されるバルブが、最後の位置を維持するであろう。
【0058】
液体供給コントローラ514と同じコントローラであっても、あるいは別のコントローラであってもよいツールコントローラ515は、スピンコントローラ564に制御信号を供給し、また供給コントローラ514に流量設定点を供給する。いくつかの実施形態では、リザーバ518の出口に高速動作の流体オンオフバルブ509がさらに設けられ、ツールコントローラ515の要求に基づいて、流れのオンオフを切り換えるために、液体供給コントローラ514によって作動される。液体供給コントローラ514は、液体供給圧力と流量のテーブルをメモリ内に維持する。この液体供給圧力と流量のテーブルは、制御バルブ510の様々な位置と相関され、それぞれ圧力センサ530bとコリオリ流量計512によって供給される。ツールコントローラ515からの流体要求要件に基づき、バルブ509が開状態にある間の適切な量の流体を供給するために、液体供給コントローラ514は、流体への圧力の最適設定および制御バルブの設定を提供する。
【0059】
代わりのスピンオン流体供給システム501が、図11に示されている。供給システム501では、コリオリ流量計512は、定量ポンプ511の下流側にあって、フィードバック機構として作用し、適切な量の液体が、加工物562に塗布されることを確実にする。通常、従来技術の計量ポンプシステムは、開ループであり、上部圧力を上げるポンプのシステム下流側のいかなる詰まりも、加工物への流体供給を変えるであろう。コリオリ流量計512からの信号は、上昇した上部圧力を補償するようにさらに高い出力圧力を供給するために、液体供給コントローラ514がポンプ511の動作を変えることを可能にする。
【0060】
本発明は、本明細書に教示した恩典を得る当業者にとって明白な、異なるが等価な方法で、変形および実施されることができるので、上記で開示した特定の実施形態は単なる例示に過ぎない。さらに、請求項に記載される以外の本明細書に示した構造または構成の詳細に対する限定は意図されない。したがって、上記で開示した特定の実施形態が、変更または修正されることができ、そのような変形すべてが、本発明の範囲と精神に入ると考えられることは明らかである。したがって本明細書で求められる保護は、特許請求の範囲に示された通りである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】従来技術のオフライン混合システムを概略的に例示する図である。
【図2】本発明による流体供給システムを概略的に例示するブロック図である。
【図3】本発明の様々な実施形態で使用するのに適した高純度のフローチューブを有するコリオリ流量計を示す斜視図である。
【図4】本発明によるピンチバルブを概略的に例示する図である。
【図5】本発明の実施形態によるリアルタイムの高純度混合システムの態様を例示するブロック図である。
【図6】本発明の実施形態による再循環流体分配システムを例示するブロック図である。
【図7A】本発明の態様による高純度の圧力発信器を概略的に例示する図である。
【図7B】カプセル化されたサファイアセンサを含む高純度の圧力発信器の代わりの実施形態を例示する図である。
【図8】本発明の実施形態による、CMP処理ツール用の高純度流体供給システムの態様を概念的に例示するブロック図である。
【図9】本発明の実施形態による、CMP処理ツール用の別の高純度流体供給システムの態様を概念的に例示するブロック図である。
【図10】本発明の実施形態による、スピンオン処理工程用の閉ループ流体供給システムを例示するブロック図である。
【図11】本発明の実施形態による、スピンオン処理工程用の別の閉ループ流体供給システムを例示するブロック図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体供給システムであって、
流量制御装置と、
前記流量制御装置と流体連通し、高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有し、出力信号を供給するコリオリ質量流量計と、
設定点信号を受け、かつ前記コリオリ質量流量計から出力信号を受け、制御出力信号を前記流量制御装置に供給するコントローラとを含み、前記流量制御装置の出力が、前記制御出力信号に応答して変化する流体供給システム。
【請求項2】
前記高純度プラスティック材料がPFAからなる、請求項36に記載の流体供給システム。
【請求項3】
前記流量制御装置がバルブを含む、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項4】
前記バルブがピンチバルブを含む、請求項3に記載の流体供給システム。
【請求項5】
前記ピンチバルブが、
操作可能に接続されたラムを有するアクチュエータと、
前記ラムにほぼ対向して配置された基準表面と、
前記ラムと前記基準表面との間に配置された高純度で可撓性のチューブとを含む、請求項4に記載の流体供給システム。
【請求項6】
前記アクチュエータがソレノイドを含む、請求項5に記載の流体供給システム。
【請求項7】
前記アクチュエータがステッパモータを含む、請求項5に記載の流体供給システム。
【請求項8】
前記流量制御装置が、可変出力を有するポンプを含む、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項9】
前記ポンプがぜん動ポンプを含む、請求項8に記載の流体供給システム。
【請求項10】
前記流量制御装置がリザーバを含み、前記リザーバが選択的に加圧されることが可能である、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項11】
前記リザーバが、流体を含むように前記リザーバ中に置かれたバッグを有する、請求項10に記載の流体供給システム。
【請求項12】
前記コントローラがpidコントローラを含む、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項13】
複数の流量制御装置と、
複数のコリオリ質量流量計と、
前記流量制御装置と流体連通している混合チャンバとをさらに含み、
所定の流体混合物を得るために、前記コントローラが、前記流量制御装置の出力を変化させる、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項14】
前記コリオリ質量流量計によって供給される前記出力信号が、質量流量測定値を含む、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項15】
前記コリオリ質量流量計によって供給される前記出力信号が、流体密度測定値を含む、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項16】
前記コリオリ質量流量計によって供給される前記出力信号が、流体温度測定値を含む、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項17】
再循環流体分配システムであって、
流体リザーバと、
前記リザーバと流体連通し、前記リザーバからツールドロップに取り付けられたツールへ流体を供給するための複数のツールドロップを有する分配導管と、
流量制御装置と、
前記流量制御装置と流体連通し、高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有し、出力信号を供給するコリオリ質量流量計と、
前記質量流量計と流体連通し、出力信号を供給する圧力発信器と、
設定点信号を受け、かつ前記コリオリ質量流量計と前記圧力発信器から出力信号を受け、制御出力信号を前記流量制御装置に供給するコントローラとを含み、前記流量制御装置の出力が、前記分配導管内の所定の圧力と流量を維持するように、前記制御出力信号に応答して変化する再循環流体分配システム。
【請求項18】
それぞれのツールドロップとインラインにある複数のツールドロップ流量制御装置と、
それぞれのツールドロップとインラインにあり、高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有し、各々出力信号を供給する、複数のツールドロップコリオリ質量流量計とをさらに含み、
前記コントローラが、前記ツールドロップコリオリ質量流量計から出力信号を受け、前記ツールドロップ流量制御装置に制御信号を供給する、請求項17に記載の再循環流体分配システム。
【請求項19】
複数のツールドロップコントローラをさらに含み、各ツールドロップコントローラが、それぞれのツールドロップ流量制御装置およびツールドロップコリオリ質量流量計と結合されており、各ツールドロップコントローラが、前記結合されるツールドロップコリオリ質量流量計から前記出力信号を受け、前記結合されるツールドロップ流量制御装置に制御信号を供給する、請求項18に記載の再循環流体分配システム。
【請求項20】
前記流量制御装置がピンチバルブを含む、請求項17に記載の再循環流体分配システム。
【請求項21】
前記圧力発信器が、
センサホルダと、
前記センサホルダ内に置かれるダイアフラムを有する圧力チャンバとを含み、前記圧力チャンバとダイアフラムが高純度プラスティックで構成され、
前記圧力発信器がさらに、
前記ダイアフラムに結合された圧力センサと、
前記ダイアフラムと前記センサホルダとの間に置かれたOリングとを含む、請求項17に記載の再循環流体分配システム。
【請求項22】
前記圧力発信器が、
センサホルダと、
前記センサホルダ内に置かれた圧力チャンバと、
高純度プラスティック材料中にカプセル化され、前記圧力チャンバ内に延びる圧力センサとを含む、請求項17に記載の再循環流体分配システム。
【請求項23】
前記圧力センサがサファイアから構成される、請求項22に記載の再循環流体分配システム。
【請求項24】
流体供給システムであって、
リザーバを加圧するためのガスを受ける入口とリザーバ内に含まれる流体を分与するための出口とを有するリザーバと、
前記リザーバの入口に接続された第1の流量制御装置と、
前記リザーバの出口と流体連通しており、前記リザーバから出る流体の流量を制御するための第2の流量制御装置と、
前記第2の流量制御装置と流体連通し、高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有し、出力信号を供給するコリオリ質量流量計と、
設定点信号を受け、かつ前記コリオリ質量流量計から出力信号を受け、制御出力信号を前記第1および第2の流量制御装置に供給し、前記リザーバの圧力と前記リザーバから出る流体の流量を変えるコントローラとを含む流体供給システム。
【請求項25】
前記リザーバの入口に接続され、前記コントローラに出力信号を供給する圧力発信器をさらに含む、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項26】
前記リザーバの出口に接続された圧力発信器をさらに含む、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項27】
前記圧力発信器が、前記コリオリ質量流量計の下流側で前記リザーバの出口に接続される、請求項26に記載の流体供給システム。
【請求項28】
前記圧力発信器が、前記コリオリ質量流量計の上流側で前記リザーバの出口に接続される、請求項26に記載の流体供給システム。
【請求項29】
前記コリオリ質量流量計の上流側と下流側で、前記リザーバの出口にそれぞれ接続された第1と第2の圧力発信器をさらに含む、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項30】
前記コントローラが、システムを通って流れる流体の粘度を計算する、請求項29に記載の流体供給システム。
【請求項31】
前記コントローラが、加工物を処理するためのツールをさらに制御する、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項32】
前記コントローラが流体供給コントローラを含み、流体供給システムが、さらに、加工物を処理するためのツールを制御するツールコントローラを含み、該ツールコントローラが、前記流体供給コントローラに前記設定点信号を供給する、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項33】
前記リザーバの出口に接続されたフィルタをさらに含む、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項34】
流体を含むために前記リザーバ内に置かれたバッグをさらに含む、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項35】
前記第2の流量制御装置がピンチバルブを含む、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項36】
前記第2の流量制御、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項1】
流体供給システムであって、
流量制御装置と、
前記流量制御装置と流体連通し、高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有し、出力信号を供給するコリオリ質量流量計と、
設定点信号を受け、かつ前記コリオリ質量流量計から出力信号を受け、制御出力信号を前記流量制御装置に供給するコントローラとを含み、前記流量制御装置の出力が、前記制御出力信号に応答して変化する流体供給システム。
【請求項2】
前記高純度プラスティック材料がPFAからなる、請求項36に記載の流体供給システム。
【請求項3】
前記流量制御装置がバルブを含む、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項4】
前記バルブがピンチバルブを含む、請求項3に記載の流体供給システム。
【請求項5】
前記ピンチバルブが、
操作可能に接続されたラムを有するアクチュエータと、
前記ラムにほぼ対向して配置された基準表面と、
前記ラムと前記基準表面との間に配置された高純度で可撓性のチューブとを含む、請求項4に記載の流体供給システム。
【請求項6】
前記アクチュエータがソレノイドを含む、請求項5に記載の流体供給システム。
【請求項7】
前記アクチュエータがステッパモータを含む、請求項5に記載の流体供給システム。
【請求項8】
前記流量制御装置が、可変出力を有するポンプを含む、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項9】
前記ポンプがぜん動ポンプを含む、請求項8に記載の流体供給システム。
【請求項10】
前記流量制御装置がリザーバを含み、前記リザーバが選択的に加圧されることが可能である、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項11】
前記リザーバが、流体を含むように前記リザーバ中に置かれたバッグを有する、請求項10に記載の流体供給システム。
【請求項12】
前記コントローラがpidコントローラを含む、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項13】
複数の流量制御装置と、
複数のコリオリ質量流量計と、
前記流量制御装置と流体連通している混合チャンバとをさらに含み、
所定の流体混合物を得るために、前記コントローラが、前記流量制御装置の出力を変化させる、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項14】
前記コリオリ質量流量計によって供給される前記出力信号が、質量流量測定値を含む、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項15】
前記コリオリ質量流量計によって供給される前記出力信号が、流体密度測定値を含む、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項16】
前記コリオリ質量流量計によって供給される前記出力信号が、流体温度測定値を含む、請求項1に記載の流体供給システム。
【請求項17】
再循環流体分配システムであって、
流体リザーバと、
前記リザーバと流体連通し、前記リザーバからツールドロップに取り付けられたツールへ流体を供給するための複数のツールドロップを有する分配導管と、
流量制御装置と、
前記流量制御装置と流体連通し、高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有し、出力信号を供給するコリオリ質量流量計と、
前記質量流量計と流体連通し、出力信号を供給する圧力発信器と、
設定点信号を受け、かつ前記コリオリ質量流量計と前記圧力発信器から出力信号を受け、制御出力信号を前記流量制御装置に供給するコントローラとを含み、前記流量制御装置の出力が、前記分配導管内の所定の圧力と流量を維持するように、前記制御出力信号に応答して変化する再循環流体分配システム。
【請求項18】
それぞれのツールドロップとインラインにある複数のツールドロップ流量制御装置と、
それぞれのツールドロップとインラインにあり、高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有し、各々出力信号を供給する、複数のツールドロップコリオリ質量流量計とをさらに含み、
前記コントローラが、前記ツールドロップコリオリ質量流量計から出力信号を受け、前記ツールドロップ流量制御装置に制御信号を供給する、請求項17に記載の再循環流体分配システム。
【請求項19】
複数のツールドロップコントローラをさらに含み、各ツールドロップコントローラが、それぞれのツールドロップ流量制御装置およびツールドロップコリオリ質量流量計と結合されており、各ツールドロップコントローラが、前記結合されるツールドロップコリオリ質量流量計から前記出力信号を受け、前記結合されるツールドロップ流量制御装置に制御信号を供給する、請求項18に記載の再循環流体分配システム。
【請求項20】
前記流量制御装置がピンチバルブを含む、請求項17に記載の再循環流体分配システム。
【請求項21】
前記圧力発信器が、
センサホルダと、
前記センサホルダ内に置かれるダイアフラムを有する圧力チャンバとを含み、前記圧力チャンバとダイアフラムが高純度プラスティックで構成され、
前記圧力発信器がさらに、
前記ダイアフラムに結合された圧力センサと、
前記ダイアフラムと前記センサホルダとの間に置かれたOリングとを含む、請求項17に記載の再循環流体分配システム。
【請求項22】
前記圧力発信器が、
センサホルダと、
前記センサホルダ内に置かれた圧力チャンバと、
高純度プラスティック材料中にカプセル化され、前記圧力チャンバ内に延びる圧力センサとを含む、請求項17に記載の再循環流体分配システム。
【請求項23】
前記圧力センサがサファイアから構成される、請求項22に記載の再循環流体分配システム。
【請求項24】
流体供給システムであって、
リザーバを加圧するためのガスを受ける入口とリザーバ内に含まれる流体を分与するための出口とを有するリザーバと、
前記リザーバの入口に接続された第1の流量制御装置と、
前記リザーバの出口と流体連通しており、前記リザーバから出る流体の流量を制御するための第2の流量制御装置と、
前記第2の流量制御装置と流体連通し、高純度プラスティック材料で作製されたフローチューブを有し、出力信号を供給するコリオリ質量流量計と、
設定点信号を受け、かつ前記コリオリ質量流量計から出力信号を受け、制御出力信号を前記第1および第2の流量制御装置に供給し、前記リザーバの圧力と前記リザーバから出る流体の流量を変えるコントローラとを含む流体供給システム。
【請求項25】
前記リザーバの入口に接続され、前記コントローラに出力信号を供給する圧力発信器をさらに含む、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項26】
前記リザーバの出口に接続された圧力発信器をさらに含む、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項27】
前記圧力発信器が、前記コリオリ質量流量計の下流側で前記リザーバの出口に接続される、請求項26に記載の流体供給システム。
【請求項28】
前記圧力発信器が、前記コリオリ質量流量計の上流側で前記リザーバの出口に接続される、請求項26に記載の流体供給システム。
【請求項29】
前記コリオリ質量流量計の上流側と下流側で、前記リザーバの出口にそれぞれ接続された第1と第2の圧力発信器をさらに含む、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項30】
前記コントローラが、システムを通って流れる流体の粘度を計算する、請求項29に記載の流体供給システム。
【請求項31】
前記コントローラが、加工物を処理するためのツールをさらに制御する、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項32】
前記コントローラが流体供給コントローラを含み、流体供給システムが、さらに、加工物を処理するためのツールを制御するツールコントローラを含み、該ツールコントローラが、前記流体供給コントローラに前記設定点信号を供給する、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項33】
前記リザーバの出口に接続されたフィルタをさらに含む、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項34】
流体を含むために前記リザーバ内に置かれたバッグをさらに含む、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項35】
前記第2の流量制御装置がピンチバルブを含む、請求項24に記載の流体供給システム。
【請求項36】
前記第2の流量制御、請求項24に記載の流体供給システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−9606(P2009−9606A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−231802(P2008−231802)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【分割の表示】特願2003−547883(P2003−547883)の分割
【原出願日】平成14年11月25日(2002.11.25)
【出願人】(500510010)エマーソン エレクトリック カンパニー (73)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231802(P2008−231802)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【分割の表示】特願2003−547883(P2003−547883)の分割
【原出願日】平成14年11月25日(2002.11.25)
【出願人】(500510010)エマーソン エレクトリック カンパニー (73)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]