説明

(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン及びその中間体を製造するためのプロセス

本発明は一般に、(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン及びその中間体を合成するプロセスに関し、特に(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンの特定の多形を製造するためのプロセスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、特定の多形型の化学合成および準備に関する。
【0002】
[発明の背景]
本発明は、脳、肺、扁平細胞、膀胱、胃、すい臓、胸、頭、首、腎臓(renal)、腎臓(kidney)、卵巣、前立腺、結腸直腸、結腸、類表皮、食道、精巣、婦人科癌または甲状腺の癌;再狭窄;前立腺肥大(BPH);膵炎;腎臓病;痛み;脈管形成または血管新生(例えば腫瘍血管新生);リウマチ様関節炎、アテローマ性動脈硬化症、炎症性腸疾患などの急性および慢性炎症性疾患;乾癬、湿疹、および強皮症などの皮膚疾患;糖尿病;糖尿病網膜症;未熟網膜症;加齢性黄斑変性;ぜんそく;好中球走化性;敗血症性ショック;多発性硬化症;慢性閉塞性肺疾患;およびその他を含む、各種の癌および非癌性疾患の治療に有益なMEKおよび/またはERK活性阻害剤に関する。
【0003】
特に本発明は、(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンに関する。2008年7月3日PCT公開No.WO2008/079814を参照されたい。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンを製造するための新規プロセスを提供するものであって、下記式
【0005】
【化1】

【0006】
(式中、Gはハロゲンであり、そしてRおよびRは、水素および適当なヒドロキシ保護基からなる群から独立して選択される)の化合物を、2−フルオロ−4−ヨードアニリンと反応させて、下記式
【0007】
【化2】

【0008】
(式中、RおよびRは上記のとおりであり、そして任意の脱保護基及び任意の分割基である。)の化合物を得る工程により特徴付けられ、そして当該工程を含むものである。
【0009】
本発明はまた、下記の中間体を提供する:式(a)
【0010】
【化3】

【0011】
(式中、Rは、適当なカルボキシ保護基である)の化合物;4,4−ジシアノ−1−フルオロ−3−ヒドロキシ−N−メチルブト−3−エナミド;式(b)
【0012】
【化4】

【0013】
(式中、Qはアミン、ヒドロキシおよびハロゲンからなる群から選択される)の化合物;式(c)
【化5】

【0014】
(式中、Gはハロゲンである)の化合物;式(d)
【0015】
【化6】

【0016】
(式中、Gはハロゲンである)の化合物;式(e)
【0017】
【化7】

【0018】
(式中、Gはハロゲンである)の化合物;ならびに、式(f)
【0019】
【化8】

【0020】
(式中、Gはハロゲンであり、そしてRおよびRは、水素および適当なヒドロキシ保護基からなる群から独立して選択される)。本発明はまた、(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン)のA型多型を製造するプロセスであって、(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンを、およそ40℃を超える温度で溶媒から結晶化させる工程を含む、プロセスを提供する。
【0021】
[発明の詳細な説明]
「適当なカルボキシ保護基」という語は、特定の合成工程の間、カルボキシ水素を保護するために通常使用される基のことを言うが、所望により後で削除することができる。適当なカルボキシ保護基の選択と使用は当該分野ではよく知られていて、評価されている。適当なカルボキシ保護基の例としては、C1−6アルキル(例えばメチルおよびt−ブチル);C3−8シクロアルキル;C1−20置換アルキルカルボキシ保護基;シリル含有カルボキシ保護基が挙げられる。
【0022】
「C1−6アルキル」という語は、1〜6つの炭素原子を有する、飽和の、任意の直鎖または分岐鎖構造のことをいう。
【0023】
「C3−8シクロアルキル」という語は、3〜8つの炭素原子を有する、飽和の、任意に分岐した環のことをいう。例えば、シクロペンチルとシクロヘキシルが挙げられる。
【0024】
「C1−20置換アルキルカルボキシ保護基」という語は、カルボキシ保護基に使用される様々な置換基を有するC1−6アルキルのことをいい、最も典型的には、メチル基およびエチル基のことをいう。C1−20置換アルキルカルボキシ保護基の例としては、メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメトキシ、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、2,2,2−クロロエチル、2−ハロエチル、2−メチルチオエチル、ピコリル、アリルなどが挙げられる。また例えばベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ブロモベンジル、p−クロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジルなどの任意に置換されたベンジルも含まれる。
【0025】
「シリル含有カルボキシ保護基」という語としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、ジメチルヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルなどが挙げられる。
【0026】
「ハロ」または「ハロゲン」という語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのことをいう。
【0027】
「適当なヒドロキシ保護基」という語は、通常、ある合成工程の間にヒドロキシル水素を保護するために使用される基のことをいうが、所望により後で取り除くことができる。適当なヒドロキシ保護基の選択および使用は、当該技術分野では良く知られており、評価されている。適当なヒドロキシ保護基の例としては、C1−6アルキル(例えばメチルとt−ブチル);C1−20置換アルキルヒドロキシ保護基;シリル含有ヒドロキシ保護基;1,2−ジオール保護基などが挙げられる。
【0028】
「C1−20置換アルキルヒドロキシ保護基」という語は、ヒドロキシ保護基に使用される様々な置換基を有するC1−6アルキルのことをいい、典型的には、メチル基およびエチル基のことをいう。C1−20置換アルキルヒドロキシ保護基の例としては、メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、2−メトキシエトキシメチルおよび2,2,2−トリクロロエトキシメトキシ、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、テトラヒドロピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、1,4−ジオキサン−2−イル、2−エトキシエチル、2,2,2−クロロエトキシエチル;ピコリル;アリル;トリチルなどが挙げられる。また例えば、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、O−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ブロモベンジル、p−クロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジルといった置換されていてもよいベンジルも挙げられる。
【0029】
「シリル含有ヒドロキシ保護基」という語としては、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、ジメチルヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル、t−ブチルメトキシフェニルシリルといったヒドロキシ保護基として用いられるシリル基が挙げられる。
【0030】
「1,2−ジオール保護基」という語は、共有した基で1,2−ジオールを保護するために使われるヒドロキシル保護基のことをいい、メチレン、エチリデン、1−t−ブチルエチリデン、アセトニド、シクロヘキシリデン、ベンジリジン、p−メトキシベンジリデン、メトキシメチレン、などのC1−14アセタールおよびケタール;ジ−t−ブチルシリレン、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピル)ジシロキサニリジンなどのシリル1,2−ジオール保護基が挙げられる。
【0031】
「適当な脱離基」という語は、有機合成化学の中でそれと慣例的に関連した意味によって、すなわちアルキル化条件の下で置き換えることが可能な基、例えばクロロ、ブロモ、ヨード、スルフォニルオキシ基、例えばトリフルオロメタンスルフォニルオキシ、メシルオキシ、ベンゼンスルフォニルオキシ、トシルオキシおよびノシルオキシなどの基を指す。
【0032】
当業者は、本発明の化合物が互変異性体として存在できると理解するであろう。本発明はすべての互変異性構造を考慮するものである。
【0033】
別の実施形態において、本発明は(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンを製造するためのプロセスを提供するが、これは下記式
【0034】
【化9】

【0035】
(式中、Gはハロゲンであり、RおよびRは適当なヒドロキシル保護基からなる群から独立して選択される)の化合物を2−フルオロ−4−ヨードアニリンと反応させて、下記式
【0036】
【化10】

【0037】
(式中、RおよびRは、適当なヒドロキシル保護基および脱保護基および任意の分割基からなる群から独立して選択される)の化合物を得る工程により特徴づけられ、そして当該工程を含む。
【0038】
別の実施形態において、本発明は式(f)
【0039】
【化11】

【0040】
(式中、Gはハロゲンであり、RおよびRは適当なヒドロキシ保護基からなる群から独立して選択される)の化合物を提供する。
【0041】
一般的な合成手順はスキームAに記述されている。すべての置換基は違った形で示されない限り、以前に定義されている。スキームAにおける生成品は抽出、蒸発、析出、クロマトグラフ法、結晶化、粉末化などを含む、従来の方法によって回収することができる。
【0042】
【化12】

【0043】
スキームAの工程1は、式(2)の化合物を得るための、マロノニトリルと式(1)の化合物との反応を表す。式(1)の化合物は以下のものである。Rは適当なカルボキシ保護基であり、Rは結合した酸素と一緒に取り替えられることができる基、例えばメトキシ基などである。例えばこの反応は、適当な溶媒、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、などの中で行われる。この反応は、適当な基材、例えば1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[3.4.0]ノン−5−エン(DBN)、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、ナトリウムメトキサイドおよびナトリウムエトキシドといった金属アルコキシド、水素化ナトリウム、カリウムt−ブトキシド、などを使用して実行される。1モル過剰の適当な塩基が用いられる。そのような反応は、一般には−20℃〜10℃の温度で実行されて、典型的には1〜72時間を要する。
【0044】
スキームAの工程2は、式(3)の化合物を得るための、N−メチルアミンと式(2)の化合物の反応を表す。例えば、この反応はTHF、ジオキサン、DMSO、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水、などの溶媒中で実行される。N−メチルアミン水溶液を使うことができ、かつ通常、試薬が過度に使われる。この反応は、典型的には−20℃〜50℃の温度で実行され、典型的には1〜16時間を要する。
【0045】
スキームAの工程3は、式(4)の化合物を生成するための、式(3)の化合物の環化を表す。式(3)の化合物が化合物2,4−ジアミノ−5−フルオロ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−カルボニトリルを最初に形成し、これがヒドロキシル化されて式(4)の化合物を生成するものと理解される。例えば、反応は塩基(例えば水酸化ナトリウム、金属アルコキシド、DBU、DABCOなど)の存在下で、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール中;10℃から50℃までの温度で;そして典型的には2〜12時間を要し、実行される。
【0046】
スキームAの工程4は、Gがハロゲンである式(5)の化合物を得るための、適当なハロゲン変換試薬と式(4)の化合物との反応を表す。適当なハロゲン変換試薬としては、ヒドロキシル基をハロゲンに変えることができる試薬のことをいい、例えば、オキシ塩化リン、五塩化リン、五臭化リン、オキシ臭化リン、塩化チオニル、臭化チオニル、臭素/トリフェニルホスフィンなどが挙げられる。
【0047】
例えば、選択された適当なハロゲン変換試薬の過剰量を典型的に使う反応は、THF、アセトニトリルなどの溶媒の中で行われる。場合によっては、ハロゲン変換試薬は溶媒として使うことができる。この反応は0℃〜選択された溶媒の環流温度の温度で行われ、そして典型的には1〜15時間を要する。当業者は、特定のハロゲン変換試薬の付加物が形成され、かつそのような付加物が収量を最適化するために、望ましくは加水分解することを理解するだろう。
【0048】
スキームAの工程5は、式(6)の化合物を得るための、式(5)の化合物の加水分解を表す。例えば、この反応は水またはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエンなどを含む水の中で、かつ適当な酸の存在下で実行される。この反応は、一般に50℃〜100℃の温度で行われ、典型的には4〜10時間を要する。
【0049】
スキームAの工程6は、Gが上で定義される、式(7)の化合物を得るための、式(6)の化合物とホルミル生成剤との反応および環化を表す。工程6中の環化がホルミル中間体を伴い、環化がホルミル形成から生成物の単離なしで実行されることは理解されている。例えば、ホルミル形成反応は溶媒の中で実行される。選択された溶媒は使われたホルミル生成剤に依存するであろうし、その試薬が蟻酸である場合、溶媒は通常水であるか、あるいは該反応は、水を添加することなく蟻酸中で実行される。環化は水などの溶媒の中で実行されるが、一般的には塩酸、硫酸、リン酸などの酸の存在下で実行される。これらの反応は50℃から100℃の温度で行われ、典型的には4〜15時間を要する。
【0050】
スキームAの工程7は、式(8)の化合物を得るための、2,3−ジヒドロキシプロピル移行試薬と式(7)の化合物との反応を表す。工程7は、ラセミの、または鏡像異性的に純粋な2,3−ジヒドロキシプロピル転位試薬を使用して実行することができる。鏡像異性的に純粋な2,3−ジヒドロキシプロピルの転位試薬の使用が一般に式(8)の鏡像異性的に純粋な化合物を与えることは理解されている。鏡像異性的に純粋な2,3−ジヒドロキシプロピル転位試薬の使用が好適である。2,3−ジヒドロキシプロピル転位試薬は下記の式(10)および(11)の化合物を含む:
【0051】
【化13】

【0052】
(式中、Gは適当な脱離基であり、RおよびRは水素または適当なヒドロキシル保護基であり、立体化学はラセミ化合物であるか、鏡像異性的に純粋である。最も便利なことに、化合物(10)中で、RおよびRは、1,2−ジオール保護基を一緒になって形成すると考えられる。工程7がさらに1つもしくは複数の脱保護および/または保護工程を追加で含むかもしれないということが、理解される。例えば式(10)の化合物は、RおよびRが保護基である式(8)の化合物を生じるかもしれないが、これらの保護基は、工程8の前に、部分的にまたは完全に脱保護され、RまたはRが水素である式(9)の化合物を生成するか、または3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド−[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンを直接与える。同様に、例えば式(11)の化合物は、Rが水素であり、Rが水素または保護基である式(8)の化合物を与え、これが工程8で使用されて、Rが水素であり、Rが保護基である式(9)の化合物を生成するか、または使用する前に脱保護されて3−(2,3ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンを直接与える。さらに、例えば、Rが水素であり、Rが保護基である式(8)の化合物は、完全に保護された式(8)の化合物を得るために、Rに加えられた保護基を有してもよい。もちろん、保護と脱保護の他の変異体は可能で、当業者に利用可能であり、そのすべては、本発明のプロセスの範囲内にあるように考慮される。本明細書で使われる用語「鏡像異性的に純粋である」とは、所望の異性体の純度が90%より高い、好ましくは95%より高い、さらに好ましくは97%より高い、最も好ましくは99%より高い異性体を意味する。例えば反応は、THF、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジオキサンなどの溶媒の中で実行される。反応は、リチウムヘキサメチルジシリザイド、リチウムジイソプロピルアミド、炭酸カリウム、炭酸セシウム、カリウムt−ブトキシドといった金属アルコキシド、トリエチルアミン、DBU、DBN、DABCOといったアミンなどの、適当な塩基の使用によって実行される。塩基の添加は、通常約−20℃〜30℃の温度で行われる。保護された2,3−ジヒドロキシプロピル転位試薬を添加した後、その温度を約20℃〜80℃に上昇させてよい。この反応は典型的には1〜72時間を要する。そのような反応は一般に約−20℃〜30℃の温度で実行され、典型的には1〜72時間を要する。
【0053】
スキームAの工程8は、式(9)の化合物を得るための、2−フルオロ−4−ヨードアニリンと式(8)の化合物との反応を表す。例えば、この反応はTHF、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドといった溶媒の中で実行される。この反応は適当な塩基を使用して実行される。リチウムヘキサメチルジシラザイド、リチウムジイソプロピルアミド、などの塩基が好適である。塩基の添加は、典型的には約−25℃〜15℃の温度で行われる。塩基が添加された後に、温度は約20℃から90℃に上昇させてもよい。反応は、典型的には1〜72時間を必要とする。
【0054】
あるいは、例えば本反応はパラジウム[0]または[II]触媒といった触媒存在下で実行することができる。パラジウム触媒は、PPh、P(t−Bu)、dppf、トリシクロヘキシルフォスフィン、キサントフォス、Dave’s phos、ビス(ジ−t−ブチルフォスフィノ)フェロセン、DEP phos、X−phosといったホスフィン配位子と共に調製することができる。本反応はTHFおよびジオキサンといった溶媒の中で実行される。本反応はナトリウム t−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド、水酸化カリウム、および水酸化ナトリウムといった適当な塩基の使用によって実行される。本反応は典型的には約25℃〜100℃の温度で実行される。本反応は典型的には16〜72時間を要する。
【0055】
スキームAの工程9は、(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンを生成するための、式(9)の化合物の脱保護を表す。「脱保護」という用語は、保護基が取り除かれる処置を意味する。そのような脱保護は当該技術においてよく知られ、理解されている。保護基の使用と除去はその技術の中でよく知られている。例えば、Protecting Groups in Organic Synthesis, Theodora Greene (Wiley-Interscience)を参照されたい。
【0056】
追加的な、図示しない任意の工程において、ラセミ混合物は、鏡像異性的に純粋な生成物を生成するために分割することができる。また所望であれば、本発明のプロセスの生成物には、任意の工程(図示されていない)において形成される薬剤学的に許容される塩を用いてもよいことが理解される。
【0057】
ある工程の順序は、本発明のプロセスにおいて重要でないことが理解される。例えば、Gの導入は工程4で表される一方で、この基は工程8で表される2−フルオロ−4−ヨードアニリンとの反応の前の任意の時点で導入することができる。さらに必要に応じて、任意の分割が工程9の前か後に行えることが理解される。
【0058】
本発明の合成プロセスは、最終工程の中でフッ素化試薬の使用を避ける一方で、(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド−[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンの調製を可能にする。すなわち本発明は(R)−3(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンを製造する貴重なプロセスであって、式(9)の化合物を得るための2−フルオロ−4−ヨードアニリンと式(8)の化合物との反応によって特徴付けられるプロセスを提供するものである。そのようなプロセスは、後の工程中、高価で、危険な可能性のあるふっ素化剤の使用を避けることができ、このことは、ラージスケールの製造で大きな利点となり得る。
【0059】
本発明はまた、およそ40℃以上の温度で(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンを結晶化させることによって(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型多型を製造するためのプロセスを提供する。A型の形成は通常、溶媒中で行われる。実際に、適した溶媒はC1−3カルボン酸、C3−7アルキルアセテート、C1−6アルコール、C2−8エーテル、C3−7アルカンとされる。反溶媒、つまり、選択された溶媒より化合物が溶けない溶媒を使用してもよい。
本明細書で使われる「C1−3カルボン酸」という用語は、1個から3個の炭素原子を有するアルカン酸を指し、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などであり;「C3−7アルキルアセテート」は合計3個から7個の炭素を有する酢酸の直鎖または分岐鎖アルキルエステルを指す;「C1−6アルコール」という用語は、1個から6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルカノールであり、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1,3−プロパンジオールなどであり;「C2−8エーテル」という用語は合計2個から8個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または環状のアルキルエーテルであり、例えばジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、THF、ジオキサンなどであり;かつ、「C3−7アルカノン」という用語は、オキソ基を有し、3個から7個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル鎖、例えばアセトンおよびメチルエチルケトンである。
【0060】
「結晶化する(クリスタライズ)」「結晶化する(クリスタライジング)」及び「結晶化(クリスタリゼーション)」という用語は、完全な溶解に続く析出、そして完全な溶解に関与しないスラリープロセスであることが理解される。スラリープロセスは析出に続く撹拌の継続を含む。
【0061】
例えば、非A型(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンはおよそ40℃以上の温度で、溶媒から結晶化する。その温度は、選択された溶媒の還流温度まで上昇することができ、通常は115℃以下である。結晶化が完全溶解に関係している時、ゆっくりと冷却するのが好適である。A型を与える結晶化は完全溶解を必要としていない。スラリープロセスを使うことができる。スラリーは、完全溶解なしで処理することによって、あるいは完全溶解とそれに続く初期の析出の後の処理によって形成することができる。スラリープロセスでは、その容積は流動するスラリーを提供するのに十分でなければならない。
【0062】
一つの実施形態において、非A型(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンは約50℃あるいはそれより高い温度で溶媒から結晶化される。別の実施形態では、非A型(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンは約60℃あるいはそれより高い温度で溶媒から結晶化される。
【0063】
溶媒は、(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンが幾らか溶解するものでなければならない。溶媒の量は、重要でなくて、便宜上最小の量に保たれなければならない。任意に、結晶化にはA型を捲種してもよい。そのようなプロセスは一般に2時間〜7日を必要とする。本プロセスにより、A型(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンは、実質的に純粋に調製され得る。「実質的に純粋である」という用語は、90%より高い、望ましくは97%より高い、より望ましくは99%よりも高い、さらにより望ましくは99.8%より高い多形純度のことをいう。
【0064】
本結晶化プロセスのための出発材料は、(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのあらゆる型であり得、A型、A型と混合された非A型多型、または非A型多型を含む。
【0065】
A型は、X線回折によって特徴づけることができる。ピークは、銅源、一次ビームモノクロメーターおよび位置敏感型検出器を備えている粉末回折計を使用して測定された。入射ビームは、1°の相違のスリットを使用して並行化(コリメート)された。ビーム源は、40kV、30mAで操作された。X線粉末回折データは、0.04度の工程幅を使用して、3度から45度まで収集した。本回折計は、シリコン標準でよく較正された。A型は、2−シータの角度で以下のピークを有することがわかった。(有効数字2桁まで四捨五入した相対強度):11.03(34%),15.88(15%),16.26(100%),19.32(90%),20.11(15%),22.16(23%),26.66(17%),27.84(33%),および30.18(17%)。
【0066】
A型(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンは2−シータが11.03,16.26,19.32,20.11,22.16,または27.84のピークによって特徴づけられる。A型(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンはまた、2−シータで16.26と19.32のピーク、2−シータで16.26と27.84のピーク、2−シータで19.32と27.84のピーク、2−シータで11.03と16.26のピーク、2−シータで11.03と19.32のピーク、2−シータで11.03と16.26及び19.32のピーク、2−シータで16.26、19.32及び27.84のピーク、2−シータで19.32と22.16及び27.84のピーク、2−シータで11.03、16.26、19.32及び27.84のピーク;および2−シータで11.03、16.26、19.32、20.11、22.16及び27.84のピークによって特徴づけられる。
【0067】
X線回折ピークの相対的な強さが好ましい配向と他の要因に依存し得ることが認められる。したがって、A型のサンプルはそのような要因を軽くすること(めのうのすり鉢とすりこぎまたは他の方法でサンプルを挽くことのような)をプロセス上要求するかもしれない。回折ピークの相対的強さの違いは、得られたパターンがA型と一致するのを除外するわけではないことが理解される。
【0068】
A型は、示差走査熱量測定によって特徴づけることもできる。A型のサーモグラムは、溶融と一致する238−240℃における一つの吸熱性事象を示す。
【0069】
発明をより完全に理解するために、前述のプロセスは、以下で例証される。これらの例は、単なる実例であると理解され、どんな形であれ発明の範囲を制限すること意図するものではない:
【0070】
実施例1
2−アミノ−5−フルオロ−4−ヒドロキシ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−カルボニトリル
ジメチルフルオロマロネート(10g、0.066mol)およびマロノニトリル(4.4g、0.066mol)をTHF(50mL)中で混合して、約−35℃に冷却する。およそ20分かけて、内部温度を約−25℃以下に保ちながら、DBU(20mL、0.128mol)を加える。DBUの添加が完了したら、周囲温度にゆっくり暖める。18時間後に、ゆっくりと、メチルアミン水溶液(40%,30mL,0.44mol)を加える。2時間後に、水酸化ナトリウム水溶液(10M、1mL)を加える。3時間後に真空中で蒸発させ、主に水性残渣を得、これを約0℃に冷却し、濃塩酸(約5ml)をpHがおよそ1になるように加え、固体を得る。濾過して固体を回収し、水およびエタノール(10mL)ですすいで標題化合物を得る。H NMR(400MHz、DMSO−d6)δll.71(s,1H),7.29(s,2H),3.27(s,3H);13C NMR(100MHz,DMSO−d6)δ154.7(d,J=21.9Hz),153.1,151.4(d,J=13.2Hz),129.5(d,J=211Hz),115.4(d,J=3.7Hz),63.2(d,J=2.9Hz),28.7;19F NMR(376MHz,DMSO−d6)δ−178.9;MS (M+H)+m/z 計算値 184.0,測定値 184.0.
【0071】
実施例2
2−アミノ−5−フルオロ−4−クロロ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−カルボニトリル
2−アミノ−5−フルオロ−4−クロロ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−カルボニトリル(30.0g、0.164mol)および無水アセトニトリル(150mL)を混合する。ゆっくりと、オキシ塩化リン(37mL)を加える。添加が完了したあと、還流温度に加熱する。3時間後に周囲温度まで冷却し氷浴に入れる。アセトニトリル(150mL)をもう一度加える。ゆっくりと、氷水(300mL、10容積)に添加する。約50℃に加熱する。5時間後、氷浴で冷却して固体を得、濾過して、固体を水できれいに洗って、真空内で乾燥させて標題化合物を得る。H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ7.73(s,2H)、3.33(s,3H);13C NMR(100MHz,DMSO−d6)δ153.3(d,J=32.9Hz),139.2,136.9,128.5(d,J=16.9Hz),115.3(d,J=2.2Hz),68.1,29.7(d,J=1.4Hz);19F NMR(376MHz,DMSO−d6)−152.0;MS(M+H)+m/z 計算値 202.0,測定値 202.0)。標題化合物(4.4g)を40mLのジメチルアセトアミド(40mL)と混合し、38℃へ加熱する。活性炭(4.4g)を加える。30分後セライト(登録商標)でろ過してジメチルアセトアミドですすぎ、濾液に水を加え、氷浴で冷却して、固体を得る。濾過により固体を回収し、水(20mL)ですすぎ、そして真空乾燥させて、標題化合物を得る。
【0072】
実施例3
5−クロロ−6−フルオロ−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン
2−アミノ−5−フルオロ−4−クロロ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−カルボニトリル(33.0g、0.164mol)および99%ギ酸(264mL,8容積)を乾いた容器中で混合させる。70℃に加熱する。溶液になったら、濃塩酸(165ml,5容積)を加える。20時間後、濃塩酸(35ml)をさらに加え、追加で4時間、70℃で加熱する。その後、反応混合物を周囲温度まで冷却し、氷水(350mL,10容積)を加える。氷浴で冷却し固体を得る。30分後固体をろ過で回収し、水(2×30mL)ですすぎ、真空乾燥して標題化合物を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ12.96(s,1H),8.35(s,1H),3.61(s,3H);13C NMR(100MHz,DMSO−d6)δ157.7(d,J=4.4Hz),154.6(d,J=26.4Hz),151.2(d,J=2.2Hz),149.9,146.4(d,J=242Hz),125.0(d,J=16.9Hz),99.94,29.8;19F NMR(376MHz,DMSO−d6)δ−133.8;MS(M+H)+m/z 計算値 230.0,測定値 230.0。
【0073】
実施例4.1
5−クロロ−6−フルオロ−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン
2−アミノ−5−フルオロ−4−クロロ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−カルボニトリル(4.97g、246mmol)と99%ギ酸(40ml,8容積)を乾いた容器中で混合させる。80℃に加熱する。溶液になったら、9Nの硫酸水溶液(25mL,5容積)を加える。20時間後、周囲温度まで冷却し、かきまぜながら氷水を加える(50mL,10容積)。氷浴で冷却し固体を得る。30分後、固体をろ過して回収し、水(2×5mL)ですすぎ、真空乾燥して標題化合物を得る。
【0074】
実施例4.2
5−クロロ−6−フルオロ−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン
2−アミノ−5−フルオロ−4−クロロ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−カルボニトリル(50.0g,0.248mol)および88%ギ酸(400ml,8容積)を乾いた容器中で混合させる。濃縮(96%)硫酸(125mL,2.5容積)を室温以下で混合物にゆっくり加え、溶液を得る。70℃で24時間加熱する。周囲温度以下まで冷却し、周囲温度以下に温度を保持しながら水(625mL,12.5容積)をゆっくり加え、スラリーを得る。4時間後、固体をろ過して回収し、水(2×100mL)ですすぎ、真空乾燥して標題化合物を得る。
【0075】
実施例5.1
(R)−5−クロロ−3−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)−6−フルオロ−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン
5−クロロ−6−フルオロ−8メチルピリド−[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(20.0g,87.1mmol)およびジメチルアセトアミド(100mL、5容積)を乾燥容器中で混合させる。氷浴で冷却し、次いでリチウムヘキサメチルジシリサイド(THF、96.0mL、96.0mmol中に1M/L)を加える。5分後に、(S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル−4−ニトロベンゼンスルフォネート(30.4g,95.7mmol)を加える。ゆっくりと60℃に加熱する。15時間後、周囲温度に冷却し、真空内でTHFを蒸発させて、氷浴で残りの混合物を冷やして、それから氷水(60mL、3容積)を加えて、固体を得る。ろ過して固体を回収し、水ですすぎ、真空乾燥する。固体(24.0g)をイソプロピルアセテート(170mL、〜7容積)中で混合し、加熱還流する。3時間後に、周囲温度まで冷却し、固体を得る。濾過して固体を回収し、イソプロピルアセテート/ヘプタン(20mL、体積比1:1)ですすぎ、真空内で乾燥させ、標題化合物を得る。H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ8.58(s,1H),4.38(m,1H),4.22(dd,1H,J=13.6,3.6Hz),4.07(dd,1H,J=8.4,6.4Hz),3.94(dd,1H,J=13.6,7.6Hz),3.76(dd,1H,J=8.8,5.2Hz),3.61(s,3H),1.37(s,3H),1.24(s,3H);13C NMR(100MHz,DMSO−d6)δ157.0(d,J=3.6Hz),154.5(d,J=25.6Hz),152.4,150.5(d,J=2.2Hz),146.8(d,J=243Hz),124.9(d,J=17.6Hz),109.1,99.1,72.3,66.1,48.8,29.7,26.5,25.0;HRMS(QSTAR)(M+H)+m/z 計算値 344.0808,測定値 344.0799。
【0076】
実施例5.2
(R)−5−クロロ−3−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)−6−フルオロ−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン
5−クロロ−6−フルオロ−8−メチルピリド−[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(5.00g,21.8mmol)、(s)−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)−4−ニトロベンゼンスルフォネート(7.60g,24.0mmol)およびN−メチルピロリジノン(25.0mL、259mmol)を混合させる。1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン(3.58mL、24.0mmol)をその懸濁液に加える。60℃に加熱し、かつ、終夜撹拌する。イソプロピルアセテート(50.0mL、427mmol)を加え、続けて水を加える(50.0mL、2780mmol)。その間、温度は50℃以上に保つ。1時間60℃で撹拌し相分離し、水相をフラスコに移す。イソプロピルアセテート(50.0mL、427mmol)をそのフラスコに加えて、1時間60℃で撹拌し相分離する。有機相を合わせて、約25mLまで真空濃縮して、固体を得る。周囲温度まで冷却し、そして2時間を超えない時間攪拌し、濾過して固体を回収し、終夜真空乾燥して、標題化合物を得る。
【0077】
実施例6.1
(R)−3−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン
(R)−3−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(5.00g,14.5mmol)と2−フルオロ−4−ヨードアニリン(3.45g、14.5mmol)をTHF(25mL)の中で混合する。氷浴で冷却する。温度を約10℃以下に維持しながらリチウムヘキサメチルジシラジド(THF中の1.0M、36.4mL、36.4mmol)を加える。10分後に、周囲温度に暖める。30分後55℃へ加熱する。20時間後に周囲温度に冷却し、ジメチルアセタミド(35mL)を加えて、真空内で蒸発させて大部分のTHFを除去する。氷浴で残りの混合物を冷却し、水(17.5mL)を加え、固体を形成する。水(20mL)を加え、そして濾過して固体を回収し、水(3×15mL)、ヘプタン(15mL)ですすぎ、真空内で乾燥させて、標題化合物を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ10.14(s,1H),8.60(s,1H),7.68(d,1H,J=13.6,2.0Hz),7.52(d,1H,J=8.8,6.4Hz),6.96(td,1H,J=8.8,6.0Hz),4.41(m,1H),4.25(dd,1H,J=13.6,3.6Hz),4.06(dd,1H,J=8.8,6.4Hz),3.98(dd,1H,J=13.6,7.6Hz),3.78(dd,1H,J=9.2,5.6Hz),3.58(s,3H),1.37(s,3H),1.23(s,3H);13C NMR(100MHz,DMSO−d6)δ161.1(d,J=4.4Hz),155.7(d,J=8.8Hz),155.4,153.3、151.1(d,J=109Hz),135.6,133.6(d,J=7.3Hz),133.1(d,J=3.7Hz),127.9(d,J=13.2Hz),125.2(d,J=6.5Hz)123.9(d,J=21.9Hz),109.1,95.1(d,J=4.4Hz),87.1(d,J=7.3Hz),72.2,66.1,48.9,28.8,26.6,25.0;19F NMR(376MHz,DMSO−d6)δ−124.5,−149.3;MS(M+H)+m/z 計算値 545.0,測定値 545.0。
【0078】
実施例6.2
(R)−3−((2.2−ジメチル−1.3−ジオキソラン−4−イル)メチル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4.7(3H,8H)−ジオン
(R)−5−クロロ−3−((2,2−ジメチル−1,3-ジオキソラン−4−イル)メチル)−6−フルオロ−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(4.00g,11.6mmol)、2−フルオロ−4−ヨードアニリン(2.76g,11.6mmol)およびテトラヒドロフラン(16.0mL、197mmol))を混合する。氷浴で0℃から5℃へ冷却し、温度を10℃以下に保ちながらテトラヒドロフランの中の1.0Mのリチウムヘキサメチルジシラジドを加える(23.3mL,23.3mmol)。30分以上氷浴で撹拌し、次いで周囲温度に暖め終夜撹拌する。水(20.0mL)と塩化メチレン(40.0mL)を加えて撹拌し、相を分離する。有機相と40mLの水を合わせて、2N HClでpHを7に合わせる。水(20mL)で有機相の抽出物を分離し、MgSO上で乾燥し、20mLに濃縮して固体を得る。その懸濁液にイソプロピルアセテート(40.0mL,342mmol)を加えて、2時間以上周囲温度で撹拌して、濾過して固体を回収して、イソプロピルアセテート(20mL)ですすぎ、真空下、30℃で終夜乾燥させて、標題化合物を得る。
【0079】
実施例7
(R)−3−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン
(R)−5−クロロ−3−((2,2−ジメチル−1,3-ジオキソラン−4−イル)メチル)−6−フルオロ−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(0.050g,0.15mmol)および2−フルオロ−4−ヨードアニリン(0.052g,0.22mmol)を脱ガスしたジオキサン(2.0mL)中で混合する。パラジウムアセテート(1.6mg)とキサントフォス(8.5mg)、そしてナトリウムt−ブトキシド(35mg)を加える。85℃に加熱する。2時間後酢酸エチルで希釈し、最初に塩酸水溶液、次いで塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮して、残渣を得る。エチルアセテート/ヘキサンで溶出させるフラッシュクロマトグラフィで、残渣を精製して標題化合物を得る。
【0080】
実施例8.1
(R)−3−((2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4.7(3H,8H)−ジオン
(R)−3−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(24.75g、45.58mmol)とエタノール(250mL)を混合させる。5分かけて9N硫酸水溶液(50mL)を加える。75℃に加熱する。2時間後、周囲温度に冷却し、氷浴で冷却して、固体を得る。濾過して固体を回収し、エタノール(3×30mL)ですすぎ、乾燥して、標題化合物を得る。H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ 10.24(s,1H),8.52(s,1H),7.69(dd,1H,J=10.4,1.8Hz),7.52(d,1H,J=8.6Hz),6.98(m,1H),5.14(brs,1H),4.83(brs,1H),4.32(dd,1H,J=12.9,2.5Hz),3.76(m,1H),3.67(dd,1H,J=13.1,12.9Hz),3.58(s,3H),3.46(ddd,1H,J=10.9,5.3,5.1Hz),3.38(m,1H);13C NMR(100MHz,DMSO−d6)δ161.3(d,J=4.0Hz),155.6(d,J=22.8Hz),154.6(d,J=250Hz),152.0,150.6,134.3(d,J=231Hz),133.8(d,J=7.1Hz),133.1(d,J=3.0Hz),127.8(d,J=10.3Hz),125.3(d,J=7.0Hz),123.9(d,J=21.5Hz),95.0(d,J=4.0Hz),87.1(d,J=7.8Hz),68.0,63.8,50.1,28.8;19F NMR(376MHz、DMSO−d6),−124.4,−149.8;MS(M+H)+m/z 計算値 505.0,測定値 505.0。
【0081】
実施例8.2
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(0.50g、0.919mmol)、メタノール(5.0mL)および6.00M塩酸(0.50mL、3.0mmol)を混合し60℃に加熱する。2時間後、50℃まで冷却し、24時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却し、ろ過して固体を回収し、メタノールですすぎ、真空下、30℃で乾燥させて標題化合物を得る。
【0082】
実施例9
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(19.89g)をメタノール(300mL)中に懸濁させ、60℃に加熱し撹拌する。48時間後に周囲温度に冷却する。30分後に、濾過して固体を回収して、真空中、40℃で乾燥させて、標題化合物を得る。
【0083】
実施例10
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(0.10g)をエチルアセテート(2.0mL)中に懸濁させ、密閉し40℃に加熱し撹拌する。24時間後に周囲温度に冷却する。濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0084】
実施例11
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(0.10g)をエタノール(2.0mL)中に懸濁させ、密閉し40℃に加熱し撹拌する。24時間後に周囲温度に冷却する。濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0085】
実施例12
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(0.10g)をメタノール(2.0mL)中に懸濁させ、密閉し40℃に加熱し撹拌する。24時間後に周囲温度に冷却する。濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0086】
実施例13
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(0.10g)をメタノール(2.0mL)中に懸濁させ、密閉し周囲温度で撹拌する。24時間後に濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0087】
実施例14
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(0.10g)をメタノール(2.0mL)中に懸濁させ、密閉し周囲温度で撹拌する。48時間後に濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0088】
実施例15
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(0.10g)をメタノール(2.0mL)中に懸濁させ、密閉し周囲温度で撹拌する。24時間後に濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0089】
実施例16
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(0.10g)をエチルアセテート(2.0mL)中に懸濁させ、密閉し40℃に加熱し撹拌する。30分後5mgのA型を加え、24時間後に周囲温度に冷却し、濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0090】
実施例17
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(0.10g)をエタノール(2.0mL)中に懸濁させ、密閉し40℃に加熱し撹拌する。30分後5mgのA型を加え、24時間後に周囲温度に冷却し、濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0091】
実施例18
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(0.10g)をメタノール(2.0mL)中に懸濁させ、密閉し40℃に加熱し撹拌する。30分後5mgのA型を加え、24時間後に周囲温度に冷却し、濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0092】
実施例19
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(0.10g)をエチルアセテート(2.0mL)中に懸濁させ、密閉し周囲温度で撹拌する。30分後5mgのA型を加え、24時間後に濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0093】
実施例20
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(0.10g)をエタノール(2.0mL)中に懸濁させ、密閉し周囲温度で撹拌する。30分後5mgのA型を加え、24時間後に濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0094】
実施例21
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(0.10g)をメタノール(2.0mL)中に懸濁させ、密閉し周囲温度で撹拌する。30分後5mgのA型を加え、24時間後に濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0095】
実施例22
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(3.0g)をエタノール(60.0mL)中に懸濁させ、密閉し40℃に加熱し撹拌する。24時間後に周囲温度に冷却し、濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0096】
実施例23
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのアモルファス材料(X線回折パターンで識別可能なピークがないこと、偏光顕微鏡分析で複屈折がほとんど無いか全く無いことで特徴づけられる)(30mg)をテトラヒドロフラン(1.0mL)中に懸濁させ、密閉し周囲温度で撹拌する。1週間後に濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0097】
実施例24
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのアモルファス材料(X線回折パターンで識別可能なピークがないこと、偏光顕微鏡分析で複屈折がほとんど無いか全く無いことで特徴づけられる)(20mg)をアセトン(1.0mL)中に懸濁させ、密閉し周囲温度で撹拌する。6日後に濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0098】
実施例25
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのアモルファス材料(X線回折パターンで識別可能なピークがないこと、偏光顕微鏡分析で複屈折がほとんど無いか全く無いことで特徴づけられる)(0.3g)をアセトン(15.0mL)中に懸濁させ、密閉し周囲温度で撹拌する。6日後に濾過して固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0099】
実施例26
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(2−シータが22.61と18.42度のX線回折ピークと231℃で1つの吸熱性事象によって特徴づけられる)(0.50g)をエタノール(10mL)中に懸濁させ、密閉し50℃に加熱し撹拌する。30分後25mgのA型を加え、24時間後に周囲温度に冷却する。ろ過で固体を回収し、乾燥させて、標題化合物を得る。
【0100】
実施例27
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン(19.9g)を酢酸(0.8mL)に75℃で溶解し、ろ過し、予熱した小瓶に移す。トルエン(約数で1.5mL)を加え周囲温度に20℃/hの速度で冷却する。24時間後にろ過で固体を回収し、周囲温度で真空乾燥させ、標題化合物を得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式
【化1】


(式中、Gはハロゲンであり、RおよびRは水素および適当なヒドロキシ保護基からなる群から独立して選択される)の化合物を、2−フルオロ−4−ヨードアニリンと反応させて、下記式
【化2】


(式中、RおよびRは、上記のとおりであり、かつ任意の脱保護基と任意の分割基である)の化合物を得る工程を含む、(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2、3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンを製造するためのプロセス。
【請求項2】
下記式
【化3】


(式中、Gはハロゲンであり、RおよびRは、水素および適当なヒドロキシ保護基からなる群から独立して選択される)の化合物を、2−フルオロ−4−ヨードアニリンと反応させて下記式
【化4】


(式中、RおよびRはヒドロキシ保護基、脱保護基および任意の分割基からなる群から選択される)の化合物を得る工程を含む、(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンを製造するためのプロセス。
【請求項3】
がクロロであり、RおよびRが一緒になってアセトニドであり、出発材料及び生成物の立体化学が、(R)−立体配置である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
下記式
【化5】


(式中、Rは適当なカルボキシ保護基である)の化合物。
【請求項5】
がメチルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
4,4−ジシアノ−1−フルオロ−3−ヒドロキシ−N−メチルブット−3−エナミド化合物。
【請求項7】
下記式
【化6】


(式中、Qはアミノ、ヒドロキシルおよびハロゲンからなる群から選択される)の化合物。
【請求項8】
がヒドロキシルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
がクロロである、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
下記式
【化7】


(式中、Gはハロゲンである)の化合物。
【請求項11】
下記式
【化8】


(式中、Gはハロゲンである)の化合物。
【請求項12】
下記式
【化9】


(式中、Gはハロゲンである)の化合物。
【請求項13】
がクロロである、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
下記式
【化10】


(式中、Gはハロゲンであり、RおよびRは水素および適当なヒドロキシ保護基からなる群から独立して選択される)の化合物。
【請求項15】
下記式
【化11】


(式中、Gはハロゲンであり、RおよびRは適当なヒドロキシ保護基からなる群から独立して選択される)の化合物。
【請求項16】
立体化学が、(R)−立体配置である、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
がクロロである、請求項13、14および15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
がクロロであり、かつ、RおよびRが一緒になってアセトニドである、請求項15に記載の化合物。
【請求項19】
(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンのA型多型を製造するためのプロセスであって、(R)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオンを40℃と同等あるいはそれ以上の温度で、溶媒中で再結晶させる工程を含む、プロセス。

【公表番号】特表2012−509267(P2012−509267A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536468(P2011−536468)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2009/064218
【国際公開番号】WO2010/059503
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】