説明

1−フェニルアルキル−ピペラジン

式(I)の化合物(RおよびRは、広範な置換基であり、QはCO、CHOHまたはCHORであり、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキル基であり、その各々は、必要に応じて、置換されるか、またはアルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニルもしくはジアルキルアミノチオカルボニルであり、Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールまたは複素環式基であり、その各々は、必要に応じて置換され、nは1または2であり、Aは結合またはメチレンまたはエチレン基であり、そしてRは、アリールまたはヘテロアリール基であり、そのいずれかは、必要に応じて置換される)は、セロトニン作動性レセプターについて親和性を有する。これらの化合物およびそれらのエナンチオマー、光学異性体、ジアステレオアイソマー、N−ピペラジンオキシド、多形体、溶媒和物、または薬学的に許容される塩は、下部尿路の神経筋機能不全および5−HT1Aレセプター活性に関連する疾患を有する患者の処置において有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
詳細な説明
本発明は、セロトニン作動性レセプターについて親和性を有する1−フェニルアルキル−ピペラジン、それを含む薬学的組成物、ならびにこのような化合物および組成物についての使用に関する。
【0002】
哺乳動物において、排尿(micturition)(排尿(urination))は、膀胱、その内部および外部括約筋、骨盤床(pelvic floor)の筋系、ならびに3レベル(大脳皮質の制御下で、脳幹(脳橋)中の橋排尿中心(pontine micturition center)(PMC)のレベルで、膀胱壁または括約筋自体において、脊髄の自立中枢(autonomic centers)において、そして中枢神経系において)でのこれらの筋肉に対する神経支配の統合された作用を必要とする複雑なプロセスである(De Groat, Neurobiology of Incontinence, Ciba Foundation Symposium 151:27, 1990)。排尿は、仙骨脊髄に由来する副交感自律神経系の制御下で、平滑筋繊維を組み合わせることからなる排尿筋の収縮より生じる。単純な排尿性反射は、膀胱から仙骨脊髄まで走る、疼痛、温度および膨満についての感覚神経によって引き起こされる。しかし、膀胱からの知覚路は、同様にPMCに達し、反射弓の皮質阻害の仙骨脊髄抑制を通常抑制する神経インパルスを生じ、そして骨盤床および外部括約筋の筋肉を弛緩する。最終的に排尿筋が収縮し、排尿が起こる。下部尿路機能の異常(例えば、排尿障害、失禁および遺尿)は、一般集団において一般的である。排尿障害は、尿頻度、夜間多尿および尿意促迫を含み、そして膀胱炎(間質性膀胱炎を含む)、前立腺炎または良性の前立腺肥大症(BPH)(これは、高齢男性の約70%に影響する)または神経障害によって引き起こされ得る。失禁症候群は、ストレス失禁、尿意促迫、溢流性尿失禁、および混合失禁を含む。遺尿は、夜間または睡眠の間の尿の不随意放出をいう。
【0003】
以前は、下部尿路の神経筋機能不全の処置は、膀胱筋肉に直接作用する化合物(例えば、鎮痙薬であるフラボキセイト (Ruffman, J. Int. Med. Res. 16:317, 1988)(これはPMCに対してもまた活性である(Guarneri et al.,Drugs of Today, 30:91,1994)))、またはオキシブチニン(Andersson,Drugs 36:477,1988)およびトルテロジン(tolteridine)(Nilvebrant, Life Sci. 68(22-23):2549, 2001)のような抗コリン作動性化合物の投与を包含していた。BPHの処置のためのα1−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストの使用もまた通常であるが、異なる作用機構に基づいている(Lepor, Urology, 42:483,1993)。しかし、(排尿筋を含む)骨盤筋系の直接阻害を含む処置は、所望でない副作用(例えば、不完全な排尿または調節麻痺、頻拍および口渇)を有し得る(Andersson,Drugs 35:477,1988)。従って、排尿機構の正常な機能を回復する様式で、例えば、仙骨脊髄反射および/またはPMC阻害経路に影響するために、中枢神経系を介して作用する化合物を利用することは好ましいであろう。
【0004】
米国特許第5,346,896号は、例えば、不安のようなCNS障害の処置において使用され得る5−HT1A結合剤を開示する。EP0924205は、5−HT1Aレセプターに結合するアリールピペラジン化合物を開示する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要旨
本発明は、式I:
【0006】
【化1】

[ここで、
Rは、水素、または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルチオ、ヒドロキシ、ハロ、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ニトロ、アミノ、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、アシルアミノ、(C−C)−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニル、およびN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基からなる群より選択される1つ以上の置換基を示し;
は、水素、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ(aralkoxy)、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロシクロアルコキシ基からなる群より選択されるメンバーを示し、各基は、必要に応じて、上に定義される1つ以上の置換基Rで置換され;
Qは、−C(O)−または−CH(OR)−を示し、ここで、Rは、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニルおよびシクロアルキル基からなる群より選択されるメンバーを示し、各基は、必要に応じて、RおよびRより選択される1つ以上の基で置換され、ここで、Rは、ハロ、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、シアノ、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルコキシアルキル、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル基からなる群より選択され、そしてRは、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルコキシ、およびヘテロアリールアルコキシ基からなる群より選択され、これらの各々は、必要に応じて、Rで置換されるか、またはRは、−C(O)−(C−C)−アルキル、−C(O)O−(C−C)−アルキル、−C(O)NR、または−C(S)NRを示し、ここで、RおよびRは、独立して、水素または(C−C)−アルキルであり;
は、水素、または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、シクロアルキル、アリールもしくは複素環式基を示し、各基は、必要に応じて、上に定義される1つ以上の置換基RまたはRで置換され;
は、アリールまたは複素環式基を示し、各々は、必要に応じて上に定義される1つ以上の置換基Rで置換され;
Aは、結合または(CHを示し;そして
n=1または2である]
を有する化合物、
あるいは、そのエナンチオマー、光学異性体、ジアステレオマー、N−オキシド(例えば、N−ピペラジンオキシド)、結晶形態(crystalline form)、水和物、溶媒和物、または薬学的に許容される塩を提供する。
【0007】
の定義において参照されるように、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルコキシ、およびヘテロアリールアルコキシ基は、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルチオ、ヒドロキシ、ハロ、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ニトロ、アミノ、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルアミノ、ジ(C−C)−アルキルアミノ、アシルアミノ、(C−C)−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、ホルミル、アルキルカルボニルアルキル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニル、およびN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基からなる群より選択される1つ以上の置換基で必要に応じて置換され得る。
【0008】
好ましい実施形態において、Qは、−CH(OR)−を示し、ここで、Rは上のように定義される。
【0009】
好ましい実施形態において、本発明は、上に定義されるような式Iの化合物を提供し、ただし、式Iの置換基は、同時に、R=水素または(C−C)−アルキル、R=ハロゲン、Q=−C(O)−または−CH(OR)−、ここで、R=水素、R=シクロアルキルまたはアルキル、そしてR=(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシおよび(C−C)−ハロアルコキシ基からなる群より選択されるメンバーで置換されたフェニル、Aは結合およびn=1ではない。
【0010】
別の好ましい実施形態において、本発明は、上に定義されるような式Iの化合物を提供し、ただし、式Iの置換基は、同時に、Q=−CH(OR)、ここで、R=H;R=シクロアルキル;R=2−フルオロ、R=H、R=2−メトキシフェニルまたは2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル、A=結合、そしてn=1ではない。
【0011】
また、好ましいのは、本発明が上に定義されるような式Iの化合物を提供する実施形態であるが、ただし、式Iの置換基は、同時に、Q=−C(O)−または−CH(OR)−、ここで、R=水素;R=H、フェニル、または、ハロ、(C−C)−アルキル、もしくは(C−C)−アルコキシで置換されたフェニル;R=H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ニトロ、アミノ、(C−C)−アルキルアミノ、またはジ−(C−C)−アルキルアミノ;Rは、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、ハロ、(C−C)−ハロアルキル、ニトロ、アミノ、(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、ヒドロキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、−CONR、ここで、RおよびRは、独立して、水素または(C−C)−アルキル、および−NHSO−(C−C)−アルキル基からなる群より選択される1つ以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリール基であり;Aは結合であり;そしてRは、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、または、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、ハロ、(C−C)−ハロアルキル、ニトロ、アミノ、(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、フェニル、ハロフェニル、(C−C)−アルキルフェニル、および(C−C)−アルコキシフェニル基からなる群より選択される1つ以上の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリールではない。
【0012】
また、好ましいのは、本発明が上に定義されるような式Iの化合物を提供する実施形態であり、ただし、式Iの置換基は、同時に、Q=−C(O)−または−CH(OR)−、ここで、R=水素;R=Hまたは非置換シクロアルキルまたは(C−C)−アルキルで置換したシクロアルキル;R=H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、ハロ、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルキルチオ、(C−C)−アルケニル、または(C−C)−アルキニル;Rは、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、または、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、ハロ、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルキルチオ、(C−C)−アルケニル、および(C−C)−アルキニル基からなる群より選択される1〜3の置換基で置換されたアリールもしくはヘテロアリール;Aは結合;そしてRは、非置換フェニル、非置換ナフチルもしくは非置換シクロアルキル、または、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、ハロ、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルキルチオ、(C−C)−アルケニル、および(C−C)−アルキニル基からなる群より選択される1〜3の置換基で置換されたフェニル、ナフチルもしくはシクロアルキルではない。
【0013】
好ましい実施形態の各々において、Qが−CH(OR)−であることがさらに好ましい。
【0014】
式Iの化合物は、4つの立体異性体として存在し得、これらは、ラセミ混合物または任意の他の組み合わせで存在し得る。ラセミ混合物は、エナンチオマー濃縮に供され得、特定のエナンチオマーで濃縮された組成物を生じるか、または単一のエナンチオマーを含む組成物に分割される。エナンチオマー濃縮は、以下に規定されるように、ee(エナンチオマー過剰率)として表され得る。
【0015】
本発明に従う好ましい化合物のいくつかは、実施例において記載される。
【0016】
本発明はまた、同じ型の活性を有する前述の化合物の代謝物を含み、以下、活性代謝物という。
【0017】
本発明はまた、前述の化合物のいずれかを生成するために生体中で代謝されるプロドラッグを意図する。
【0018】
別の実施形態において、本発明は、前述の化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー、N−ピペラジンオキシド、結晶形態(crystalline form)、水和物、溶媒和物、もしくはこのような式Iの化合物の薬学的に許容される塩を、開示されるような薬学的に許容される希釈液または担体との混合物中に含む、薬学的組成物を提供する。
【0019】
別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物の合成において有用な中間体を提供する。これらのいくつかは、特許請求の範囲に含まれる。
【0020】
なお別の実施形態は、膀胱膨満に起因する膀胱収縮の頻度を減少させるために少なくとも1つの本発明の化合物の有効量を哺乳動物に投与することによって、それが必要な哺乳動物(例えばヒト)における膀胱膨満に起因する膀胱収縮の頻度を減少させるための方法である。
【0021】
なお別の実施形態は、膀胱容量を増加させるために少なくとも1つの本発明の化合物の有効量を哺乳動物に投与することによって、それが必要な哺乳動物(例えばヒト)における膀胱容量を増加させるための方法である。
【0022】
なお別の実施形態は、尿意促迫、過活動膀胱(overactive bladder)、増加した尿頻度、減少した尿コンプライアンス(減少した膀胱貯蔵容量)、膀胱炎(間質性膀胱炎を含む)、失禁、尿漏れ、遺尿症、排尿障害、排尿躊躇(urinary hesitance)および膀胱を空にする際の困難性の中の少なくとも1つの状態を軽減するために、少なくとも1つの本発明の化合物の有効量を投与することによって、それが必要な哺乳動物(例えばヒト)における尿路の障害を処置するための方法である。
【0023】
なお他の実施形態において、本発明は、例えば、1つ以上のさらなる5HT1Aアンタゴニスト、抗ムスカリン薬、α−アドレナリン作動性アンタゴニスト、シクロオキシゲナーゼ酵素のインヒビター(これは、COX1およびCOX2アイソザイムの両方を阻害してもよいし、またはCOX2アイソザイムについて選択的でもよい)、およびそのNOドナー誘導体のような他の薬剤と組み合わせて、式Iの化合物を投与することによる、上記障害を処置するための方法を提供する。
【0024】
なお他の実施形態において、本発明は、CNS障害を処置するために、少なくとも1つの本発明の化合物の有効量を投与することによってセロトニン作動性機能不全に起因する中枢神経系(CNS)障害に罹患する哺乳動物を処置するための方法を提供する。このような機能不全としては、脳卒中、傷害、痴呆に関連し、そして神経発達、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、薬物依存症、薬物禁断症状、過敏性腸症候群、およびニコチンまたはタバコの使用の中止または部分的中止によって引き起こされる症状に関連する、哺乳動物における(特にヒトにおける)不安、うつ病、高血圧、睡眠/覚醒周期障害、摂食、行動、性的機能不全、および認識障害が挙げられるがこれらに限定されない。
【0025】
なお別の実施形態において、本発明は、セロトニン作動性機能不全に起因する上記障害の処置において有効な本発明の化合物の量を、例えば、細胞外媒体に5−HT1Aセロトニン作動性レセプターの環境に本発明の化合物を送達することによる(またはこのような5−HT1Aレセプターを保有する哺乳動物に全身的または局所的に投与することによる)セロトニン作動性機能不全に起因する障害を処置するための方法を提供する。
【0026】
好ましい実施形態において、本発明は、膀胱の静止期間を増加させるための有効量で、5HT1Aレセプターの環境に少なくとも1つの本発明の化合物を投与することによって、尿路障害に罹患する哺乳動物(ヒトを含む)を処置するための方法を提供する。より高度に好ましいのは、膀胱の静止期間における増加が排尿圧に対してほとんどまたは全く影響(例えば、減少または増加)せずに達成される。
【0027】
化合物
本発明は、上に開示されるような式Iの化合物に関する。本発明は、エナンチオマー、ジアステレオアイソマー、N−ピペラジンオキシド、結晶形態、水和物、溶媒和物、またはこれらの化合物の薬学的に許容される塩、ならびに同じ型の活性を有するこれらの化合物の活性代謝物を含む。
【0028】
用語「ハロアルキル」は、単一のハロゲン原子によって置換されるアルキル基(モノハロアルキル)および1より多くのハロゲン原子によって置換されるもの(ポリハロアルキル)を含む。後者の例は、トリフルオロメチルおよび2,2,2−トリフルオロエチル基である。用語ハロアルコキシは、対応して解釈される(interreted)べきである。好ましいハロアルコキシ基は、トリフルオロメトキシおよび2,2,2−トリフルオロエトキシ基を含む。
【0029】
用語「アリール」は、単独でかまたは組み合わせて、1、2または3個の環を含む芳香族炭素環式系をいい、このような環は、ペンダント様式で一緒に結合されても良いし、融合されても良い。用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダン(indane)およびビフェニルのような芳香族基を含む。
【0030】
用語「複素環式」および「ヘテロシクロ」は、飽和した、部分的に飽和した、そして不飽和のヘテロ原子を含有する環状基をいい、ここでヘテロ原子は、窒素、イオウ、酸素より選択され得る。飽和した複素環式基の例としては、1〜4の窒素原子を含む飽和ヘテロ単環式基(例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル);1〜2の酸素原子および1〜3の窒素原子を含む飽和ヘテロ単環式基(例えば、モルホリニル);1〜2のイオウ原子および1〜3の窒素原子を含む飽和ヘテロ単環式基(例えば、チアゾリジニル)が挙げられる。部分的に飽和した複素環式基の例としては、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフランおよびジヒドロチアゾールが挙げられる。
【0031】
用語「ヘテロシクロ」および「複素環式」は、不飽和の複素環式基をいう用語「ヘテロアリール」を包含する。「ヘテロアリール」基の例としては、1〜4窒素原子を含む不飽和の5〜6員のヘテロ単環式基(例えば、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(例えば、4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリル)、テトラゾリル(例えば、1H−テトラゾリル、2H−テトラゾリル);1〜5の窒素原子を含む不飽和縮合複素環式基(例えば、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル(例えば、テトラゾロ[1,5−b]ピリダジニル);酸素原子を含む不飽和の3〜6員のヘテロ単環式基(例えば、ピラニル、2−フリル、3−フリル);イオウ原子を含む不飽和の5〜6員のヘテロ単環式基(例えば、2−チエニル、3−チエニル);1〜2の酸素原子および1〜3の窒素原子を含む不飽和の5〜6員のヘテロ単環式基(例えば、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(例えば、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル);1〜2酸素原子および1〜3の窒素原子を含む不飽和の縮合複素環式基(例えば、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル);1〜2のイオウ原子および1〜3の窒素原子を含む不飽和の5〜6員のヘテロ単環式基(例えば、チアゾリル、チアジアゾリル(例えば、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル));1〜2のイオウ原子および1〜3の窒素原子を含む不飽和縮合複素環式基(例えば、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル)などが挙げられる。用語「ヘテロアリール」はまた、複素環式基がアリール基と結合される基をいう。このような融合された二環式基の例としては、ベンゾフラン、ベンゾチオフェンなどが挙げられる。上記「複素環式基」は、例えば、制限することなく、低級アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アミノおよび低級アルキルアミノのような1〜3の置換基を有し得る。好ましい複素環式基は、5〜10員の融合されたかまたは融合されていない基を含む。ヘテロアリール基の例としては、ベンゾフリル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、ジヒドロインドリル、クロマニル(chromanyl)、ベンゾピラン、チオクロマニル、ベンゾチオピラン、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ピリジル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、フリル、およびピラジニルが挙げられる。
【0032】
用語「シクロアルキル」は、3〜10の炭素原子を有する飽和炭素環式基をいう。好ましいシクロアルキル基は、3〜7の炭素原子を有する「低級シクロアルキル」基である。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルのような基が挙げられる。最も好ましいシクロアルキル基は、シクロヘキシルである。
【0033】
用語「アシル」は、単独で使用される場合、または「アシルアミノ」のような用語内で、カルボン酸からヒドロキシルの除去後に、残基によって提供される基をいう。好ましいアシル基は、アセチルのようなアルカノイル基である。
【0034】
本明細書中に開示される化合物の「代謝物」は、化合物が代謝される場合に形成される化合物の誘導体である。用語「活性代謝物」は、化合物が代謝される場合に形成される化合物の生物学的に活性な誘導体をいう。用語「代謝された」は、特定の物質が生体中で変化されるプロセスの合計をいう。体内に存在する全ての化合物は、身体からエネルギーを引き出すため、そして/またはそれらを取り除くために、身体内で酵素によって操作される。特定の酵素は、化合物に対する特定の構造的な変化を生じさせる。シトクロームP450は、例えば、種々の酸化および還元反応を触媒する。ウリジン二リン酸グルクロニルトランスフェラーゼは、例えば、活性化されたグルクロン酸分子の芳香族アルコール、脂肪族アルコール、カルボン酸、アミンおよび遊離スルフヒドリル基への転移を触媒する。代謝に関するさらなる情報は、The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th Edition, McGraw-Hill(1996), pages 11-17より得られ得る。
【0035】
本明細書中に開示される化合物の代謝物は、宿主への化合物の投与および宿主由来の組織サンプルの分析によって、または肝細胞もしくは他のインビトロ系(例えば、シトクロームまたはミクロソーム)との化合物のインキュベーション、および得られた化合物の分析によって、のいずれかによって同定され得る。両方の方法が当該分野で周知である。
【0036】
本明細書中で使用される場合、用語「立体異性体」は、同じ結合によって結合される同じ原子からなるが、交換可能でない異なる三次元構造を有する化合物をいう。三次元構造は、コンフィギュレーションと呼ばれる。本明細書中で使用される場合、用語「エナンチオマー」は、その分子がお互いの重ね合わされ得ない鏡像である2つの立体異性体をいう。本明細書中で使用される場合、用語「光学異性体」は、用語「エナンチオマー」と等価である。お互いの立体異性体であるが、お互いのエナンチオマーでない化合物は、ジアステレオアイソマーと呼ばれる。用語「ラセミ化合物」または「ラセミ混合物」は、エナンチオマーの等部の混合物をいう。用語「キラル中心」は、4つの異なる基が結合している炭素原子をいう。用語「エナンチオマー濃縮」は、本明細書中で使用される場合、他方と比較される場合の一方のエナンチオマーの量の増加をいう。達成されるエナンチオマー濃縮を表現するための簡便な方法は、エナンチオマー過剰率の概念、すなわち「ee」であり、これは、以下の等式を使用して見出される:
【0037】
【数1】

ここで、E1は、第1のエナンチオマーの量であり、E2は、第2のエナンチオマーの量である。従って、ラセミ混合物中に存在するように、2つのエナンチオマーの最初の比が50:50であれば、50:30の最終比を生成するのに十分なエナンチオマー濃縮が達成された場合、第1のエナンチオマーに関するeeは、25%である。しかし、最終比が90:10である場合には、第1のエナンチオマーに関するeeは、80%である。本発明の1つの実施形態に従って、90%を超えるeeが好ましく、95%を超えるeeが最も好ましく、そして99%を超えるeeが最も特に好ましい。エナンチオマー濃縮は、標準的な技術および手順(例えば、キラルカラムを用いる高速液体クロマトグラフィー)を使用して、当業者によって決定される。エナンチオマー対の分離を行うのに必要な、適切なキラルカラム、溶出液および条件の選択は、当業者の知識の範囲内である。さらに、式Iの化合物のエナンチオマーは、J.Jacques,et al., “Enantiomers, Racemates, and Resolutions”, John Wiley and Sons, Inc., 1981によって記載されるような、当該分野で周知の標準的な技術を使用して当業者によって分割され得る。分割の例は、再結晶化技術またはキラルクロマトグラフィーを含む。
【0038】
ジアステレオアイソマーは、物理的特性および化学的反応性の両方において異なる。ジアステレオマーの混合物は、溶解度、分別結晶化、またはクロマトグラフィー特性(例えば、薄層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィーまたはHPLC)に基づいて、エナンチオマー対に分離され得る。
【0039】
ジアステレオマーの複合混合物のエナンチオマーへの精製は、代表的に2工程を必要とする。第1の工程において、ジアステレオアイソマーの混合物は、上記のようにエナンチオマー対に分割される。第2の工程において、エナンチオマー対は、一方のエナンチオマーもしくは他方のエナンチオマーについて濃縮された組成物にさらに精製されるか、またはより好ましくは純粋なエナンチオマーを含む組成物に分割される。エナンチオマーの分割は、代表的に、キラル剤(例えば、溶媒またはカラムマトリックス)との反応または分子相互作用を必要とする。分割は、例えば、第2の薬剤(すなわち、分割剤)と純粋なエナンチオマーと反応させることによって、エナンチオマーの混合物(例えば、ラセミ混合物)をジアステレオマーの混合物に変換することによって達成され得る。2つの得られたジアステレオマー生成物は、次いで、分離され得る。分離されたジアステレオマーは、次いで、最初の化学的な変換を逆転させることによって、純粋なエナンチオマーに再変換される。
【0040】
エナンチオマーの分割はまた、キラル物質への非共有結合における差異によって、例えば、ホモキラル吸収剤でのクロマトグラフィーによって達成され得る。エナンチオマーとクロマトグラフィー吸収剤との間の非共有結合は、ジアステレオマー複合体を確立し、クロマトグラフィー系における移動状態および結合状態における示差的な分別を導く。従って、2つのエナンチオマーは、異なる速度で、クロマトグラフィー系(例えばカラム)を通って移動し、それらの分離を可能にする。
【0041】
キラル分割カラムは、当該分野において周知であり、市販されている(例えば、MetaChem Technologies Inc., a division of ANSYS Technologies, Inc., Lake Forest, CAより)。エナンチオマーは、例えば、HPLCについてキラル固定相(CSP)を使用して、分析および精製され得る。キラルHPLCカラムは、代表的に、シリカパッキング物質の表面に固定されたエナンチオマー化合物の1つの形態を含む。キラル分割が生じるためには、CSPと1つの被検出物エナンチオマーとの間に少なくとも3点の同時相互作用が存在しなければならず、これらの相互作用の1つ以上が立体化学的に依存している。
【0042】
D−フェニルグリシンおよびL−ロイシンは、I型CSPであり、キラル認識を達成するために、p−p相互作用、水素結合、双極子−双極子相互作用、および立体相互作用の組み合わせを使用する。I型カラムで分割するために、被検出物エナンチオマーは、CSPのそれと機能的に相補的なものを含まなければならず、その結果、被検出物は、CSPとの必須の相互作用を受ける。サンプルは、好ましくは、以下の官能基の1つを含む:p−酸、p−塩基、水素結合ドナーおよび/またはアクセプター、またはアミド双極子。誘導体化は、ときどき、相互作用部位を欠く化合物にそれらを加えるために使用される。最も一般的な誘導体は、アミンおよびカルボン酸由来のアミドの形成を含む。
【0043】
MetaChiral ODMTMは、II型CSPである。溶質−CSP複合体の形成についての主な機構は、引力相互作用を介することであるが、包含複合体はまた、重要な役割を果たす。水素結合、pi-pi、および双極子スタッキングは、MetaChiralTMODMでのキラル分割に重要である。誘導体化は、溶質分子が溶質−カラム相互作用について必要とされる基を含まない場合に、しばしば必要である。誘導体化(通常ベンジルアミドへの)はまた、アミンおよびカルボン酸のようないくつかの強力な極性分子を必要とし、これらは、そうでなければ、非立体特異的相互作用を介して、固定相と強力に相互作用し過ぎる。
【0044】
特定の実施形態において、上に示される式Iは、米国特許第5,346,896号に開示される一般式によって示される化合物を除外する条件を含み得る。
【0045】
特定の実施形態において、上に示される式Iは、米国特許第6,358,958号に開示される一般式によって示される化合物を除外する条件を含み得る。
【0046】
特定の実施形態において、上に示される式Iは、米国特許第5,346,896号および米国特許第6,358,958号の両方に開示される一般式によって示される化合物を除外する1つ以上の条件を含み得る。
【0047】
特定の実施形態において、式Iによって示される化合物は、米国特許第5,346,896号において開示される一般式を有する、式Iの範囲内の化合物を除外する。
【0048】
Rが示す好ましい基は、水素もしくはハロゲン原子、または(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、N,N−ジ−(C−C)−アミノカルボニルもしくはシアノ基である。Rが示す好ましいハロアルコキシは、ポリハロアルコキシ、より好ましくは、トリフルオロメトキシである。Rが示す好ましいハロゲン原子は、フッ素原子である。上述の原子および基についての好ましい位置は、それらが結合するフェニル基の2位である。
【0049】
が示す好ましい基は、水素原子である。
【0050】
また好ましいのは、同時に、Rが、ヒドロキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、アシルアミノ、(C−C)−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニル、およびN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基からなる群より選択される1つ以上のメンバーを示し;そして、Rは、非置換のアリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロシクロアルコキシ基からなる群より選択されるメンバー、あるいは、水素、または(C−C)−アルキルチオ、ヒドロキシ、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、アシルアミノ、(C−C)−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニル、およびN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基からなる群より選択される1つ以上の置換基で置換された、アリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシ、アリール、複素環式およびシクロアルキル基からなる群より選択されるメンバーを示す場合である。
【0051】
Qが示す好ましい基は、−C(O)−および−CH(OR)−であり、ここで、Rは、水素原子または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、−C(O)−(C−C)−アルキル、−C(O)O−(C−C)−アルキル、−C(O)NRもしくは−C(S)NRを示し、ここで、RおよびRは、独立して、水素または(C−C)−アルキルである。
【0052】
が示す好ましい基は、水素原子または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、シクロアルキル、アリールまたは複素環式基である。また、好ましいのは、Rが、水素または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニルを示す場合であり、各基は、上のように定義される1つ以上の置換基RまたはRで必要に応じて置換される。より好ましくは、Rは、シクロヘキシル基を示す。
【0053】
が示す好ましい基は、アリールまたは複素環式基であり、各基は、必要に応じて、ハロゲン原子または(C−C)−アルコキシもしくは(C−C)−ハロアルコキシ基からなる群より選択される1つ以上の置換基で置換される。R上の置換基である、好ましいハロゲン原子は、フッ素である。R上の置換基である好ましいアルコキシ基は、メトキシ基である。R上の置換基である好ましいハロアルコキシ基は、ポリハロアルコキシ基、最も好ましくは、トリフルオロエトキシ基である。Rが示す好ましいアリール基は、フェニル基である。Rが示す好ましい複素環式基は、二環の複素環式基である。より好ましくは、Rは、二環のヘテロアリール基、最も好ましくは、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル基を示す。
【0054】
また、好ましいのは、Rが、(C−C)−ハロアルコキシ、アルコキシアルキル、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、アシルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニル、およびN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基からなる群より選択される1つ以上の置換基で置換される、アリールまたは複素環式基を示す場合である。
【0055】
Aは、好ましくは、結合を示す。
【0056】
nは、好ましくは、1である。
【0057】
また、好ましいのは、同時に、Rが、水素もしくはハロゲン原子、または(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、N,N−ジ−(C−C)−アミノカルボニルもしくはシアノ基を示し;Rが、水素原子を示し、Qが、−C(O)−または−CH(OR)−を示し、ここで、Rが、水素原子または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、−C(O)−(C−C)−アルキル、−C(O)O−(C−C)−アルキル、−C(O)NRもしくは−C(S)NRを示し、ここで、RおよびRは、独立して、水素または(C−C)−アルキル基であり;Rは、水素原子または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、シクロアルキル、アリールもしくは複素環式環を示し;Rは、アリールまたは複素環式環を示し、各々が、必要に応じて、ハロゲン原子または(C−C)−アルコキシもしくは(C−C)−ハロアルコキシ基からなる群より選択される1つ以上の置換基で置換され;Aは、結合を示し;そしてn=2である、式Iの化合物である。
【0058】
また好ましいのは、該式によって示される式Iの化合物である。
【0059】
式Iの化合物は、例えば、TLCによる分離によって、ジアステレオマー対に分離され得る。これらのジアステレオマー対は、上部TLC Rfを有するジアステレオアイソマー;および下部TLC Rfを有するジアステレオアイソマーとして、本明細書中で参照される。ジアステレオアイソマーは、特定のエナンチオマーについてさらに濃縮され得るか、または本明細書中に記載されるような当該分野で周知の方法を使用して、単一のエナンチオマーに分割され得る。
【0060】
本発明の化合物の合成
本発明の化合物は、以下のスキームに従って一般に調製される。
【0061】
【化2】

基B、Rは、一般式Iにおいて与えられるように、それぞれ、A−Rおよび(R+R)と同じである。RおよびRは、一般式において与えられるものと同じであり、Rは、低級アルキル基である。
【0062】
出発物質(1)は、塩基、好ましくはカリウムtert-ブトキシドで処理され、続いて、2−ブロモアセトアルデヒドジアルキルアセタールまたは他のカルボニル保護された2−ハロアセトアルデヒドでアルキル化される(例えば、Rアルキル基はまた、ジオキソランまたはジオキサン環を生じるように環中で結合され得る)。縮合を行うための他の代替的なそして適切な塩基は、相間移動触媒の補助を有するかまたは有しない、リチウムアミド、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどを含む。
【0063】
反応は好ましくは、0℃から還流までの温度で、ジメチルスルホキシドまたはトルエンのような溶媒中で行われる。
【0064】
3−ブロモプロピオンアルデヒドジアルキルアセタールまたは他のカルボニル保護3−ハロプロピオンアルデヒドの使用は、スキーム1において上に記載されるのと同じ反応条件に従って、一般式において予知されるようにn=2を有する化合物Iを得るのを可能にする。
【0065】
(2)の適切な有機溶媒中での酸(例えば、塩酸またはp−トルエン−スルホン酸またはトリフルオロ酢酸)での処理は、アルデヒド(3)を生じる。一般的に、反応は、約5℃〜75℃の温度、好ましくは周囲温度で、水性酸およびアセトンまたはテトラヒドロフランの混合物のような、プロトン性溶媒中で行われる。好ましいそして類似の方法は、周囲温度で、塩素化溶媒中の水性トリフルオロ酢酸の混合物中で反応を行うことからなる。
【0066】
アルデヒド(3)は、(5)を調製するための還元的アミノ化手順によって、所望のアリールピペラジン(4)と結合される。反応は、好ましくは、ソディウムトリアセトキシボロヒドリドの存在下でジクロロエタンまたはメチレンクロライドまたはクロロホルムのような非反応性溶媒中で周囲温度で行われ、そして、1〜24時間で実質的に完了するか(例えば、A.F. Abdel-Magid, et al., J. Org. Chem., 61,3849(1996) を参照のこと)、または必要に応じて、モレキュラーシーブの存在下で、ソディウムシアノボロヒドリドの補助により、プロトン性溶媒(例えば、メタノール)中で行われ得る。
【0067】
(5)のアルコール(I)への還元は、ホウ水素化ナトリウム、またはジイソブチルアルミニウムヒドリドまたは他のアルミニウムまたはホウ素ヒドリドのような還元剤、あるいはヒドロキシ化合物(I)を調製するために、当業者に周知のケトンからアルコールへの変換を実施するための他の還元方法を使用して容易に達成される。反応は、好ましくは、約−20℃〜周囲温度までの温度で、メタノールまたはメチレンクロライドまたはテトラヒドロフランのような有機溶媒中で行われる。
【0068】
【化3】

出発物質(1)は、市販されているか、または上のスキーム2(ここで、Mは、リチウムまたはマグネシウムのハロゲン化物ような金属塩である)に記載されているように、適切なWeinrebアミド(6)を(7)とカップリングすることによって調製され得る(Nahm and Weinreb, Tetrahedron Lett., 22,3815, (1981)を参照のこと)。
【0069】
反応は、好ましくは、周囲温度または−78℃までの低い温度で、テトラヒドロフランのような非プロトン性溶媒中で、窒素雰囲気下で行われる。
【0070】
あるいは、構造RCOOアルキルのエステルは、当該分野で周知の標準的な条件下で、置換されたベンジルマグネシウムクロライドまたはベンジルマグネシウムブロマイドまたはリチウム誘導体で処理されて、構造(1)のケトンを提供する。化合物(1)を得るための代替的な経路は、ニトロアルドール様式で適切なアリールアルデヒドをアルキルニトロ誘導体と反応させること、得られたニトロアルコールの脱水、続いて、二重結合還元を行い、2−ニトロ(2−Ak)−フェネチル誘導体(これは、望ましいケト誘導体1を生じるためのNef反応を受け得る)を与える。この種の経路は、実験部分および文献において十分に証明されている。
【0071】
(1)の合成の好ましいそして類似の様式は、パラジウム触媒性の、アシルハロゲン化物の、MがZnハロゲン化物である化合物(7)とのカップリングである。
【0072】
より詳細には、式(5)の化合物は、スキーム3において記載される手順に従って調製され得る。全ての置換基は、他に示されない限り、以前に定義される通りである。試薬および出発材料は、当業者に容易に入手可能である。
【0073】
【化4】

スキーム3、工程Aにおいて、例えば、シクロヘキサンカルボニルクロライドは、適切なベンジル亜鉛クロライドまたはブロマイドおよび適切なパラジウム触媒(例えば、テトラヒドロフランのような溶媒中で0℃で撹拌されるジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II))の混合物に添加される。その後、攪拌は、周囲温度で4〜24時間続く。次いで、反応を、例えば、塩化アンモニウムの飽和水溶液でクエンチする。抽出による通常の作業手順により、ケトン(8)を提供する。ケトン(8)は、当該分野で周知の技術(例えば、適切な溶出液(例えば、酢酸エチル/ヘキサン)を使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー)によって精製され、精製物質を提供し得る。あるいは、粗ケトン(8)は、工程Bに持ち越され得る。
【0074】
スキーム3、工程Bにおいて、ケトン(8)は、当該分野で周知の条件下で、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタールでアルキル化され、構造(9)の化合物を提供する。例えば、ケトン(8)は、例えば、ジメチルスルホキシドまたはトルエンのような適切な有機溶媒中に溶解され、カリウムtert-ブトキシドのような、わずかに過剰の適切な塩基で処理される。反応物は、0℃と溶媒の還流温度との間の温度で、約15〜30分間撹拌され、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタールは、反応物に滴下される。当業者は、ブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール、ブロモアセトアルデヒドエチレンアセタールなどが対応するジエチルアセタールの代わりに使用され得ることを容易に理解する。
【0075】
スキーム3、工程Cにおいて、化合物(9)は、スキームIに記載される手順と類似する様式で、酸性条件下で加水分解され、アルデヒド(10)を提供する。より詳細には、例えば、化合物(9)は、ジクロロメタンのような適切な有機溶媒中に溶解され、そして水性トリフルオロ酢酸のような適切な酸で処理される。反応混合物は、室温で約1〜6時間撹拌される。次いで、反応混合物は、同じ溶媒で希釈され、ブラインで洗浄され、有機層は分離され、無水硫酸ナトリウムで乾燥され、ろ過され、減圧下で濃縮してアルデヒド(10)を提供する。アルデヒド(10)は、酢酸エチル/ヘキサンのような適切な溶出液を用いて、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーのような当該分野で周知の技術によって精製され得る。あるいは、粗アルデヒド(10)は、工程Dにおいて直接使用され得る。
【0076】
スキーム3、工程Dにおいて、アルデヒド(10)は、スキームIに記載される手順と類似する様式で、ピペラジン(4)で、当該分野で周知の条件下で、還元的にアミノ化されて、ケトン(5)を提供する。より詳細には、例えば、アルデヒド(10)は、メチレンクロライドのような適切な有機溶媒に溶解される。この溶液に、約1.05以上の当量のピペラジン(4)が添加する。酢酸は、必要に応じて、ピペラジン(4)の溶解を補助するために、添加され得る。次いで、約1.4〜1.5当量のソディウムトリアセトキシボロヒドリドが添加され、反応物は、室温で約3〜5時間撹拌される。次いで、反応物は、水性炭酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムのような適切な塩基の添加によってクエンチされ、約8〜約12のpHを提供する。次いで、クエンチされた反応物は、メチレンクロライドのような適切な有機溶媒で抽出される。有機抽出物は、合わされ、ブラインで洗浄され、乾燥され、ろ過され、そして減圧下で濃縮されて、式(5)の化合物を提供する。次いで、この物質は、酢酸エチル/石油エーテルまたはヘキサンのような適切な溶出液で、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーのような当該分野で周知の技術によって精製され得る。
【0077】
【化5】

あるいは、構造(5)の化合物は、スキーム4に記載される手順に従って調製され得る。全ての置換基は、他に示されない限り、以前に定義される通りである。試薬および出発物質は、当業者に容易に入手可能である。
【0078】
スキーム4、工程Aにおいて、アルデヒド(11)は、当該分野で周知の条件下で、適切な有機金属試薬(12)と合わされて、アルコール(13)を提供する。適切な有機金属試薬の例としては、グリニャール試薬、アルキルリチウム試薬、アルキル亜鉛試薬等が挙げられる。グリニャール試薬が好ましい。代表的なグリニャール試薬および反応条件の例については、J. March, “Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure”, 2nd Edition, McGraw-Hill, pages 836-841(1977)を参照のこと。より詳細には、アルデヒド(11)は、テトラヒドロフランまたはトルエンのような適切な有機溶媒に溶解され、約−5℃まで冷却され、式(12)(ここで、Mは、MgClまたはMgBrである)の約1.1〜1.2当量のグリニャール試薬で処理される。反応は、約0.5〜6時間撹拌され、次いでクエンチされ、そしてアルコール(13)は、周知の作業手順によって単離される。
【0079】
スキーム4、工程Bにおいて、アルコール(13)は、J. March,”Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure”, 2nd Edition, McGraw-Hill, pages 1082-1084(1977)によって記載されるような、当該分野で周知の標準的な条件下で酸化され、ケトン(1)を提供する。[ケトン(1)は、上のスキーム1で使用される出発物質である。]
上記酸化はまた、当業者に周知である標準的なSwern酸化条件(Marx, Tidwell-J. Org. Chem. 49, 788,1984) を使用して行われ、またはアルコール(13)は、メチレンクロライドのような適切な有機溶媒中で溶解され、溶液は湿ったアイス−アセトン浴を用いて冷却し、2.5〜3.0当量のジメチルスルホキシドで処理した。約30分間の撹拌後、次いで、反応物を約1.8当量のPで処理する。反応物は、約3時間撹拌され、次いで、好ましくは、トリエチルアミンのような約3.5当量の適切なアミンで約30分間処理される。冷却浴を除去し、反応物を約8〜16時間撹拌する。ケトン(1)を当該分野で周知の標準的な抽出技術によって単離する。
【0080】
スキーム4、工程Cにおいて、ケトン(1)は、適切な塩基で処理され、アルケン(15)(ここで、Xは適切な脱離基である)が添加され、化合物(14)を提供する。例えば、ケトン(1)は、テトラヒドロフランのような適切な有機溶媒中で、過剰のアルケン(15)と合わされ、湿ったアイス−アセトン浴で冷却される。適切な脱離基の例は、Cl、Br、I、トシレート、メシレートなどである。好ましい脱離基は、ClおよびBrである。約1.1当量の適切な塩基が添加され、反応物は、室温で約2時間撹拌される。適切な塩基の例は、カリウムtert-ブトキシド、水素化ナトリウム、NaN(Si(CH、LDA、KN(Si(CH、NaNH、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシドなどである。カリウムtert-ブトキシドは、好ましい適切な塩基である。反応は次いで水性酸でクエンチされ、化合物(14)は、通常の作業手順によって単離される。
【0081】
スキーム4、工程Dにおいて、化合物(14)は、適切な酸化剤で処理され、アルデヒド(3)を提供する。(アルデヒド(3)はまた、スキーム1において調製される。)適切な酸化剤の例は、オゾン、NaIO/オスミウム触媒などである。オゾンは、好ましい酸化剤である。適切な酸化試薬および条件の例は、J.March, “Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure”, 2nd Edition, McGraw-Hill, pages 1090-1096(1977) によって記載される。
【0082】
例えば、化合物(14)は、メタノールのような適切な有機溶媒に溶解され、少量のSudanIIIが添加され、溶液は約−20℃に冷却される。オゾンは、ピンク色が淡い黄色に変わるまで、約4時間溶液中にバブリングする。次いで、MeSまたはトリブチルホスフィンのような還元剤が添加される。濃縮により、アルデヒド(3)の中間体であるジメチルアセタールが提供される。このジメチルアセタールは、標準的な酸性条件下で容易に加水分解されてアルデヒド(3)を提供する。あるいは、粗反応混合物の直接的な酸性作業によりアルデヒド(3)を提供する。あるいは、アルデヒド(3)は、メチレンクロライドのような非アセタール形成溶媒中で、(14)のオゾン分解によって直接得られ得る。
【0083】
スキーム4、工程Eにおいて、アルデヒド(3)は、スキーム3、工程Dにおいて上に記載されるものと類似の条件下で還元的にアミノ化されて、化合物(5)を提供する。(化合物5はまた、スキームIにおいて調製される。)
【0084】
【化6】

スキーム5は、ケトン(5)の調製のための代替的な合成を提供する。全ての置換基は、他に示されない限り、以前に規定される通りである。試薬および出発物質は、当業者に容易に入手可能である。
【0085】
スキーム5、工程Aにおいて、アルデヒド(3)は、当該分野で周知の標準的な条件下でピペラジン(4)と縮合されて、エナミン(15)を提供する。例えば、イソプロピルアセテートまたはイソプロパノールのような適切な有機溶媒中に溶解された、約1.05当量のアルデヒド(3)は、遊離塩基である、ニートなピペラジン(4)に添加される。さらなる有機溶媒が添加されて、スラリーを生成し、反応物は、約1〜2時間撹拌される。エナミン(15)は、次いで、ろ過による回収のような、標準的な技術によって単離される。
【0086】
スキーム5、工程Bにおいて、エナミン(15)は、当業者に周知の条件下で水素化され、化合物(5)を提供する。例えば、エナミン(15)は、イソプロピルアルコールのような適切な有機溶媒、および触媒量の炭素上5%パラジウムとParrボトル中で混合される。混合物は、50psiの水素下に配置され、室温で約2日振盪される。次いで、スラリーはろ過され、触媒は除去され、濾液は濃縮されて、化合物(5)を提供する。
【0087】
【化7】

がHとは異なる化合物Iの合成のために、スキーム6において与えられる方法が使用される。中間体ケトン(2)は、化合物(5)についてスキーム1において上で使用されるのと同じ還元方法を使用して還元され、中間体(16)を得、これは、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中の塩基(例えば、NaHまたはカリウムtert-ブトキシドまたはNaNHまたはLiNHあるいは他のもの)との反応、次いで0℃〜還流温度の温度で、適切なR−X(Xは脱離基(ハロゲンまたはメシレートまたはトシレート)であり、R=低級アルキルである)とインサイチュでの反応によりエーテル化されてアルコキシドを得る。得られた化合物(17)は、スキーム1において記載されるのと同じ反応を受け、HではないRを有する生成物Iを得る。
【0088】
あるいは、Rが水素原子ではない式Iの化合物は、化合物16をアルキル化するための上に記載されたのと同じ方法を使用して(これは、この手順を、時間/温度制御反応条件下で、好ましくは室温で反応し得る、非常に反応性のハロゲン化物またはメシレート/トシレート(例えば、ベンジルブロマイド)とのアルキル化に制限される)、R=Hである式Iの化合物をアルキル化することによって得られ得る。
【0089】
スキーム7は、化合物(I)の合成への二重官能化アプローチを記載する。この種のアプローチは、異なるピペラジン部分および異なるR基を同時に導入する化合物(I)のライブラリーの合成について有用であり得る。
【0090】
式(I)の化合物(ここで、Rは、−C(O)Alk、−C(O)OAlk、−C(O)NR、または−C(S)NRを示す)は、R=Hである式(I)の化合物から出発して、アルキル化または付加反応によって得られ得る。これらの種類の反応は、メチレンクロライド、ピリジンまたはDMF中の適切なアシルハライド、アルキルクロロホルメート、イソシアネート、またはイソチオシアネートを使用して、必要に応じて、TEAまたはNaHのような塩基、あるいは(例えば、イソチオシアネートについて)トリフルオロ酢酸のような酸の存在下で、室温−80℃の温度で実施され得る。
【0091】
【化8】

スキーム7において、BおよびR基は、一般式Iにおいて与えられるような、それぞれ、A−Rおよび(R+R)基と同じであり;RおよびRは、一般式において与えられるのと同じであり、そしてRは、低級アルキル基であるかまたは2つのR基は結合されて、1,3−ジオキソラニル(dioxolanyl)または1,3−ジオキサニル基を形成する。
【0092】
適切な市販のベンジル誘導体(X=ハロゲンまたはメタンスルホニルオキシまたはp−トルエンスルホニルオキシ基)は、当業者に周知なように、反応されて、ベンジルシアニド(19)を得る。これらの反応物は、公知のアルキル化方法に従って、それらのカルボニル保護形態(アセタールもしくはジオキソラニル誘導体またはその他)のアリルハロゲン化物(またはアリルメシレートもしくはトシレート)またはハロアルキルアルデヒドと反応させて、それぞれ化合物(20)または(28)に変換され得る。
【0093】
これらのアルキル化反応は、塩基の使用により行われ、反応性ベンジルカルボアニオンを生成し得る。使用される塩基の例は、−78℃〜還流温度まで変化する温度で、THFまたはEtOまたはDMFまたはその他のような適切な溶媒中のリチウムジイソプロピルアミド(LDA)またはtert-ブチルリチウムまたはNaHまたはカリウムtert-ブトキシドまたはナトリウムアミドまたはカリウムアミドまたはその他である。アルキル化の好ましい方法は、−78℃〜室温でのヘキサメチル亜リン酸トリアミドまたはDMPUの存在下でのLDAのようなヒンダード塩基の使用を含む。
【0094】
化合物(20)は、次いで、−78℃〜溶媒の還流までの温度で、適切な溶媒(トルエン、DMF、CHCl、またはその他)中のジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL−H)の使用により還元され得る。そのように得られたアルデヒド(21)は、次いで、当業者に周知の方法に従って、カルボニル保護され、化合物(22)(これは、触媒的オスミル化(osmilated)(C.P. Forbes J.C.S. Perkin Trans I, 1979, 906-910))またはオゾン分解を受けて化合物(23)を得る。化合物(23)は、上に記載されるように還元的にアミノ化されて化合物(24)を生じ得る。一般的な方法による脱保護は、アルデヒド(25)を生じる。
【0095】
化合物(25)は、代替的に、それらにオスミル化またはオゾン分解手順を適用し、化合物(20)から得られ得る。このようにして得られるシアノプロピオンアルデヒド(26)は、化合物(27)に還元的にアミノ化される。これらの化合物に対して、上に記載されるDIBAL−H還元を繰り返すことにより、アルデヒド(25)を得る。
【0096】
化合物(26)はまた、カルボニル官能基の単純な脱保護によって化合物(28)から容易に得られる。
【0097】
−M(ここで、Mは、リチウムまたはマグネシウムハライドのような金属塩である)の化合物(25)との反応により、化合物(I)を得る。リチウムまたはマグネシウム誘導体のような大多数の有機金属は、市販されているか、または容易に調製され、そして−78℃〜還流において、THFまたはEtOまたはその他のような適切な溶媒中で反応され得る。
【0098】
立体化学
スキーム1、6および7において、化合物Iは、使用される反応条件に依存する割合で、ジアステレオアイソマーのシン/アンチ(syn/anti)混合物で得られる。ジアステレオアイソマーは、塩基またはそれらの塩の分別結晶化あるいはLCまたはフラッシュクロマトグラフィーのようなクロマトグラフィー技術を含む当業者に公知の通常の技術により分離され得る。ジアステレオアイソマーの両方について、式Iの(+)エナンチオマーは、J.Jacques,et al., “Enantiomers, Racemates, and Resolutions”, John Wiley and Sons, Inc., 1981に記載されるような当該分野で周知の技術および手順を使用して、(−)エナンチオマーから分離され得る。例えば、エタノール/アセトニトリルのような適切な有機溶媒およびChiralpak ADパッキング(20ミクロン)を使用するキラルクロマトグラフィーがまた利用されて、エナンチオマーを分離し得る。
【0099】
式Iの遊離塩基、それらのジアステレオアイソマーまたはエナンチオマーは、当該分野で周知の標準的な条件下で対応する薬学的に許容される塩に変換され得る。例えば、式Iの遊離塩基は、メタノールのような適切な有機溶媒に溶解され、例えば、1当量のマレイン酸または蓚酸、あるいは、例えば、1または2当量の塩酸またはメタンスルホン酸で処理され、次いで減圧下で濃縮され、対応する薬学的に許容される塩を提供する。次いで、残渣は、適切な有機溶媒またはメタノール/ジエチルエーテルのような有機溶媒混合物より再結晶化によって精製され得る。
【0100】
式Iの化合物のN−オキシドは、当業者に周知の簡単な酸化手順によって合成され得る。P.Brougham et al.(Synthesis, 1015-1017, 1987)によって記載される酸化手順は、ピペラジン環の2つの窒素が差別化されるのを可能にし、N−オキシドおよびN,N’−ジオキシドの両方が得られることを可能にする。
【0101】
コンビネーション処置
ある実施形態において、尿路の障害は、さらなる5−HT1Aアンタゴニストまたは1つ以上のさらなるクラスのレセプターのアンタゴニストと組み合わせて、式Iの化合物を投与することによって処置される。好ましい実施形態において、式Iの化合物は、α−アドレナリン作動性またはムスカリンレセプターのアンタゴニストと組み合わせて投与される。
【0102】
さらなる実施形態において、下部尿路疾患は、シクロオキシゲナーゼ酵素の1つ以上のインヒビター(これは、COX1およびCOX2アイソザイムの両方を阻害しても良いし、あるいはCOX2アイソザイムについて選択的であってもよい)およびそのNOドナー誘導体と組み合わせて、式Iの化合物を投与することによって処置される。
【0103】
式Iの化合物との組み合わせでの投与のための抗ムスカリン薬物の例は、オキシブチニン、トルテロジン(tolterodine)、ダリフェナシン(darifenacin)およびテミベリン(temiverine)である。
【0104】
式Iの化合物は、これらがBPHに関連しようとしまいと、下部尿路症状の治療のために、α−アドレナリン作動性アンタゴニストと組み合わせて投与され得る。式Iの化合物と組み合わせての投与に適した好ましいα−アドレナリン作動性アンタゴニストは、例えば、プラゾシン、ドキサゾシン(doxazosin)、テラゾシン、アルフゾシン(alfuzosin)、およびタムスロシン(tamusulosin)である。式Iの化合物と組み合わせての投与に適したさらなるα−アドレナリン作動性アンタゴニストは、米国特許第5,990,114号;同第6,306,861号;同第6,365,591号;同第6,387,909号;および同第6,403,594号において記載されている。
【0105】
式Iの化合物と組み合わせて投与され得る5−HT1Aアンタゴニストの例は、Leonardi et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 299: 1027-1037, 2001(例えば、Rec15/3079)、米国特許第6,071,920号において見出され、他のフェニルピペラジン誘導体は、WO99/06383および係属中の米国特許出願シリアル番号10/266,088および10/266,104(2002年10月7日出願)において記載されている。さらなる5−HT1Aアンタゴニストは、DU−125530および米国特許第5,462,942号において記載される関連化合物、ならびにロバルゾタン(robalzotan)およびWO95/11891に記載される関連化合物を含む。
【0106】
式Iの化合物と組み合わせて投与され得る選択的なCOX2インヒビターの例は、制限することなく、ニメスリド(nimesulide)、メロキシカム(meloxicam)、ロフェコキシブ(rofecoxib)、セレコキシブ(celecoxib)、パレコキシブ(parecoxib)およびバルデコキシブ(valdexocib)である。選択的なCOX2インヒビターのさらなる例が、制限されることなく、米国特許第6,440,963号において記載される。非選択的なCOX1−COX2インヒビターの例は、制限することなく、アセチルサリチル酸、ニフルム酸、フルフェナム酸、エンフェナム酸(enfenamic acid)、メクロフェナム酸、トルフェナム酸、チアプロフェン酸(thiaprophenic acid)、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、フルプロフェン(furprofen)、インドメタシン、アセメタシン(acemethacin)、プログルメタシン(proglumethacin)、ケトロラク、ジクロフェナク、エトドラク(etodolac)、スリンダク、フェンチアザク、テノキシカム(tenoxicam)、ロルノキシカム(lornoxicam)、シノキシカム(cynnoxicam)、イブプロキサム(ibuproxam)、ナブメトン、トルメチン、アムトルメチン(amtolmetin)である。従って、前出の各々は、式Iの化合物と組み合わせて投与され得るCOXインヒビターの非制限的な例である。
【0107】
式Iの化合物と組み合わせて投与され得るCOXインヒビターの誘導体の例は、例えば、WO98/09948において与えられるような、インビボでNOを放出し得る硝酸(ニトロオキシ)または亜硝酸基を有するCOXインヒビターの誘導体である。
【0108】
薬学的組成物
本発明はさらに、式Iの化合物、または該化合物のエナンチオマー、ジアステレオマー、N−ピペラジンオキシド、結晶形態(crystalline form)、水和物、溶媒和物、活性代謝物、もしくは薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を提供する。薬学的組成物はまた、任意の添加物(例えば、薬学的に許容される担体または希釈剤、フレーバリング、甘味剤、保存剤、染料、結合剤、懸濁化剤、分散剤、着色料、崩壊剤、賦形剤、希釈剤、滑沢剤、吸収強化剤、抗菌剤など、安定剤、可塑剤、食用油、または前記添加剤の2つ以上の任意の組み合わせ)を含み得る。
【0109】
適切な薬学的に許容される担体または希釈剤としては、エタノール、水、グリセロール、アロエゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンAおよびEオイル、鉱油、リン酸緩衝化生理食塩水、PPG2ミリスチルプロピオネート、炭酸マグネシウム、リン酸カリウム、植物油、動物油およびゾルケタール(solketal)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
適切な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、グルコース、スクロースおよびラクトースのような天然の糖、コーン甘味料、天然および合成ガム類、例えばアカシア、トラガント、植物ガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
適切な崩壊剤としては、トウモロコシデンプンのようなデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
適切な滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0113】
適切な懸濁化剤としては、ベントナイトが挙げられるがこれに限定されない。
【0114】
適切な分散剤および懸濁化剤としては、天然および合成ガム類、例えば植物ガム、トラガント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンおよびゼラチンなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0115】
適切な食用油としては、綿実油、ゴマ油、ココナツ油、およびピーナッツ油が挙げられるがこれらに限定されない。
【0116】
さらなる添加剤の例としては、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、及びジカルシウムホスフェートが挙げられるがこれらに限定されない。
【0117】
単位投薬形態
薬学的組成物は、単位剤形(例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、ボーラス剤、散剤、粒剤、滅菌非経口溶液、滅菌非経口懸濁液、滅菌非経口エマルジョン、エリキシル剤、チンキ剤、計量したエアロゾルまたは液体噴霧、滴剤、アンプル、オートインジェクターデバイスまたは坐剤)として処方され得る。単位剤形は、経口、非経口、鼻内、舌下または直腸投与について、または吸入もしくはガス注入、経皮パッチによる投与のために、および凍結乾燥組成物について使用され得る。一般的に、このような成分の全身的な利用可能性を生じる活性成分の任意の送達が使用され得る。好ましくは、単位剤形は、経口剤形、最も好ましくは固体経口剤形である;従って、好ましい剤形は、錠剤、丸剤およびカプセル剤である。しかし、非経口調製物もまた好ましい。
【0118】
固体単位剤形は、薬学的に許容される担体および上記のような任意の他の所望の添加剤と、本発明の活性剤を混合することによって調製され得る。混合物は、代表的に、本発明の活性剤の均一な混合物が得られ、そして担体および任意の他の所望の添加剤が形成される(すなわち、活性剤が組成物中に均等に分散される)まで、混合される。この場合において、組成物は、乾式または湿式顆粒として形成され得る。
【0119】
剤形は、例えば、「即時放出」剤形として処方され得る。「即時放出」剤形は、代表的に、薬物溶解試験(例えば、米国薬局方スタンダード<711>で試験される場合に、30〜60分以内で活性成分の少なくとも60〜90%を放出する錠剤として処方される。好ましい実施形態において、即時剤形は、約45分以内に活性成分の75%を放出する。
【0120】
剤形はまた、例えば、「制御された放出」剤形として処方され得る。「制御された」、「保持された」、「延長された」、または「徐放性」剤形は、活性剤が一定期間にわたり(これは、一般に、分、時間、または日のオーダーであり、代表的に、消化管に入る際または胃液と接触する際に即時に分散されるのではなく、約60分から約3日にわたる)達成可能かつ操作可能な速度で送達ビヒクルから放出される場合に生じる、活性剤送達の型を説明する等価な用語である。制御された放出速度は、多数の因子の関数として変化し得る。制御された放出において送達の速度に影響する因子としては、粒子サイズ、組成、有孔性、電荷構造、ならびに送達ビヒクルの水和の程度および活性成分、環境の酸性度(送達ビヒクルに対して内側かまたは外側のいずれか)、生理学的環境(すなわち、消化管に沿った特定の位置)における活性剤の溶解度が挙げられる。制御された放出形態の溶解試験についての代表的なパラメーターは、米国薬局方スタンダード<724>において見出される。
【0121】
剤形は、多相段階で活性剤を送達するように処方され得、これにより、活性成分の第1のフラクションが第1の速度で放出され、そして活性成分の少なくとも第2のフラクションが第2の速度で放出される。好ましい実施形態において、剤形は、二相様式で活性剤を送達するように処方され得、これは、第1の「即時放出相」(ここで、活性成分のフラクションは、即時放出剤形について上で示される速度で送達される)および第2の「制御された放出相」(ここで、活性成分の残りは、制御された放出剤形について上で示されるように、制御された放出様式で放出される)を包含する。
【0122】
錠剤および丸剤は、コーティングされるか、他に、遅延しかつ/または保持された作用(例えば、制御された放出および遅れた放出単位剤形)を有する単位剤形を形成するように調製され得る。例えば、錠剤または丸剤は、内部用量および外部用量成分を包含し得、後者は、前者の上に、層またはエンベロープの形態で存在する。2つの成分は、胃における崩壊に耐えるように機能し、そして内側成分が十二指腸にインタクトで通過し、放出が遅れるのを可能にする、腸溶性層によって分離され得る。
【0123】
活性剤の放出を制御するための生分解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋したかまたは両親媒性のブロックコポリマーが挙げられるがこれらに限定されない。
【0124】
液体剤形について、活性物質またはこれらの生理学的に許容される塩は、必要に応じて、可溶化剤、乳化剤、または他の補助剤のような通常使用される物質を用いて、溶解され、懸濁され、または乳化される。活性な組み合わせおよび対応する生理学的に許容される塩についての溶媒は、水、生理学的塩溶液、またはアルコール(例えば、エタノール、プロパンジオール、またはグリセロール)を含み得る。さらに、グルコースまたはマンニトール溶液のような糖溶液が使用され得る。述べられた種々の溶媒の混合物もまた、本発明において使用され得る。
【0125】
経皮剤形もまた、本発明によって意図される。経皮形態は、流体レザバまたは接着剤マトリックス中薬物システムのいずれかを使用する拡散経皮系(経皮パッチ)であり得る。他の経皮剤形としては、局所用ゲル、ローション、軟膏、経粘膜系およびデバイス、イオン導入(電気的拡散)送達系が挙げられるがこれらに限定されない。経皮剤形は、本発明の活性剤の遅延した放出および持続された放出について使用され得る。
【0126】
非経口投与(特に注射による)のための本発明の薬学的組成物および単位剤形は、代表的に、上記のような薬学的に許容される担体を含む。好ましい液体担体は、植物油である。注射は、例えば、静脈内、硬膜外、鞘内、筋肉内、管腔内、気管内または皮下であり得る。
【0127】
活性剤はまた、小さい単一層状小胞、大きい単一層状小胞、および多層状小胞のようなリポソーム送達系の形態で投与され得る。リポソームは、種々のホスホリピド(例えば、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン)より形成され得る。
【0128】
本発明の活性剤はまた、標的化可能な薬物担体のような可溶性ポリマーと結合され得る。このようなポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミドフェノール、およびパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシポリリシンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0129】
投与
本発明の薬学的組成物または単位剤形は、種々の経路によって(例えば、経口、腸内、静脈内、筋肉内、皮下、経皮、経粘膜(直腸およびバッカルを含む)および吸入経路によって、投与され得る。経口または経皮経路が好ましい(例えば、それぞれ、固体もしくは液体処方物または皮膚パッチ)。
【0130】
本発明の有効量を含む薬学的組成物または単位剤形は、E.J. McGuire in “Campbell’s UROLOGY”, 5th Ed. 616-638, 1986, W.B. Saunders Companyによって記載されるような下部尿路の神経筋機能不全の処置が必要な動物(好ましくはヒト)および5−HT1Aレセプター機能が損なわれることに関連する任意の生理学的機能不全に罹患する患者に投与され得る。このような機能不全としては、制限されないが、うつ病、不安、摂食障害、性的機能不全、依存症および関連する問題のような中枢神経系障害が挙げられる。
【0131】
本明細書中で使用される場合、用語「有効量」は、特定の障害の少なくとも1つの症状またはパラメーターの測定可能な軽減を生じる量をいう。好ましい実施形態において、化合物は、例えば、尿意促迫、過活動膀胱(overactive bladder)、増加した尿頻度、減少した尿コンプライアンス(減少した膀胱貯蔵容量)、膀胱炎(間質性膀胱炎を含む)、失禁、尿漏れ、遺尿症、排尿障害、排尿躊躇(urinary hesitance)および膀胱を空にする際の困難性のような尿路の障害、あるいは、脳卒中、傷害、痴呆に関連し、そして神経発達、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、薬物依存症、薬物禁断症状、過敏性腸症候群に起因する、セロトニン作動性機能不全(例えば、哺乳動物における(特にヒトにおける)不安、うつ病、高血圧、睡眠/覚醒周期障害、摂食行動、性的機能および認識障害)による中枢神経系障害を処置する。
【0132】
本発明の薬学的組成物または単位剤形は、最適な活性を得るために上に与えられたガイドラインを考慮して、ルーチン試験によって規定される投薬量および投与レジメンに従って投与され、特定の患者についての毒性または副作用を最小化し得る。しかし、治療レジメンのこのような細かい調整は、本明細書中に与えられるガイドラインを考慮すればルーチンである。
【0133】
本発明の活性剤の投薬量は、基礎をなす疾患状態、個体の状態、体重、性別および年齢、ならびに投与様式のような種々の因子に従って変化し得る。障害を処置するための有効量は、投薬のマトリックスおよび投与の頻度を確立することによって、そして、マトリックス中の各ポイントにおける1群の実験単位または被験体を比較することによって、当業者に公知の実験的方法によって容易に決定され得る。患者に投与される正確な量は、障害の状態および重篤度ならびに患者の身体状態に依存して変化する。任意の症状またはパラメーターの測定可能な軽減は、当業者によって決定されるか、または患者によって臨床医に報告され得る。尿路障害の任意の症状またはパラメーターの任意の臨床学的または統計学的に有意な減衰(attenuation)または軽減が本発明の範囲内であることが理解される。臨床学的に有意な減衰または軽減は、患者および/または臨床医に認知可能であることを意味する。
【0134】
例えば、単一の患者は、例えば、排尿の促迫および過剰な頻度またはその両方のような、排尿障害のいくつかの症状に同時に罹患し得、これらは、本発明の方法を使用して減少され得る。失禁の場合には、尿の所望でない放出の頻度または容量の任意の減少が、本発明の処置方法の有益な効果と考えられる。
【0135】
投与される薬剤の量は、約0.01と約25mg/kg/日との間、好ましくは約0.1と約10mg/kg/日との間、最も好ましくは0.2と約5mg/kg/日との間で変化し得る。本発明の薬学的処方物は、障害を処置する際に有効な薬剤の全体量を必ずしも含む必要がないことが理解される。このような有効量は、このような薬学的処方物の複数の用量の投与によって達せられ得るからである。
【0136】
本発明の好ましい実施形態において、化合物は、好ましくは、50〜200mgの本発明の化合物を含むカプセルまたは錠剤に処方され、そして、5−HT1Aレセプターリガンドでの処置下で、尿失禁および機能不全の軽減のために、好ましくは、50〜400mg、好ましくは150〜250mg、最も好ましくは約200mgの総一日用量(total daily dose)で患者に投与される。
【0137】
非経口投与のための薬学的組成物は、全薬学的組成物の100%重量に基づいて、本発明の活性剤の約0.01重量%〜約100重量%を含む。
【0138】
一般的には、経皮剤形は、投与形態の100%総重量に対して、活性剤の約0.01重量%〜約100重量%を含む。
【0139】
薬学的組成物または単位用量形態は、毎日単回用量で投与されてもよいし、総一日投薬量は、分割された用量で投与されてもよい。さらに、障害の処置のための別の化合物の同時投与または連続投与が所望であり得る。例えば、本発明の化合物は、下部尿路症状の治療のために、抗ムスカリン薬、α−アドレナリン作動性アンタゴニスト、5−HT1Aレセプターアンタゴニスト、またはCOXインヒビターもしくはそのNO放出誘導体と組み合わせて投与され得る。抗ムスカリン薬、α−アドレナリン作動性アンタゴニスト、5−HT1Aレセプターアンタゴニスト、COXインヒビターおよびそのNO放出誘導体の例は、制限することなく、上に示される。
【0140】
化合物が別々の投薬処方物中に存在する組み合わせ処置について、化合物は、同時に投与されても良いし、各々が別々のずらした時間で投与されても良い。例えば、本発明の化合物は、朝に投与されても良いし、抗ムスカリン作動性化合物は、夕方に投与されても良いし、その逆でも良い。さらなる化合物もまた、特定の間隔で投与され得る。投与の順序は、患者の年齢、体重、性別および医学的状態;処置される障害の重篤度および原因論、投与経路、患者の腎および肝機能、患者の処置履歴、および患者の反応性を含む種々の因子に依存する。投与の順序の決定は、細かく調整され得、このような微調整は、本明細書中に与えられるガイドラインを考慮してルーチンである。
【0141】
処置のための使用−方法
理論に束縛されることを望まないが、5−HT1Aレセプターアンタゴニストの投与は排尿を制御する仙骨反射および/または皮質機構の所望でない活性を予防すると考えられる。従って、制限されることなく、排尿障害、失禁および遺尿(過活動膀胱)を含む、下部尿路の広範な神経筋機能不全が、本発明の化合物を使用して処置され得ると予期される。排尿障害は、尿頻度、夜間多尿、尿意促迫、減少した尿コンプライアンス(減少した膀胱貯蔵容量)、膀胱を空にする際の困難性(すなわち、排尿の間に最適以下の容量の尿が排出される)を含む。失禁症候群は、ストレス失禁、切迫尿失禁および遺尿失禁、ならびに失禁の混合形態を含む。遺尿は、夜または睡眠中の尿の不随意の排出をいう。
【0142】
本発明の化合物はまた、セロトニン作動性機能不全に起因する中枢神経系障害の処置に有用であり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0143】
以下の実施例は、上に一般に記載されるような式Iの化合物の代表的な合成を示す。これらの実施例は、例示的のみであり、いかなる様式で本発明を制限することも意図しない。試薬および出発物質は、当業者に容易に入手可能である。
【0144】
実施例1 1−[4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシブチル]−4−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル]−ピペラジン
1−シクロヘキシル−2−(2−フルオロフェニル)エタノン(化合物1a)
0℃で撹拌した36mlの2−フルオロベンジル亜鉛クロライド(THF中0.5M溶液)および0.008gのジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)の混合物に、シリンジを介して、2.14mlのシクロヘキサンカルボニルクロライドを滴下した。その後、反応混合物を室温で4時間撹拌し、塩化アンモニウムの飽和水溶液(25ml)でクエンチし、20mlのEtOAcで抽出し、これを乾燥し(NaSO)、減圧下で乾燥するまで蒸発させ、粗生成物として3.52gの表題化合物を得た。これはさらなる精製なしで次の工程において使用し得る。
【0145】
【化9】

4−シクロヘキシル−4−オキソ−3−(2−フルオロフェニル)−ブチルアルデヒドジエチルアセタール(化合物1b)
136mlのトルエン中の5.02gの化合物1aの溶液を、加熱して還流し、蒸留によって35mlのトルエンを回収し、水を除去した。その後、3.18gのカリウムtert-ブトキシドを添加し、還流して撹拌を30分間続けた;反応混合物を80℃まで冷却し、4.27mlの2−ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタールを添加した。18時間還流した後、反応混合物を室温まで冷却し、塩化アンモニウムの飽和水溶液(30ml)でクエンチし、30mlのEtOAcで抽出し、これを乾燥し(NaSO)、減圧下で乾燥するまで蒸発させて粗生成物を得、これはフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル−EtOAc 92.5:7.5)によって精製されて、2.97gの純粋な表題生成物を得た。
【0146】
【化10】

4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシブチルアルデヒドジエチルアセタール上部TLC Rfジアステレオアイソマー(化合物1c)
4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシブチルアルデヒドジエチルアセタール下部TLC Rfジアステレオアイソマー
0℃で撹拌した25mlのMeOH中の0.84gの化合物1bの溶液に、0.095gのNaBHを添加し、混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗反応物をHO(15ml)にとり、EtOAc(2×15ml)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(2×15ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして減圧下で乾燥して粗生成物を得、これはフラッシュクロマトグラフィー(92:8〜85:15の石油エーテル−EtOAc勾配)によって精製されて、化合物1c(上部Rf)(0.56g、63%)および下部Rfを有する対応する化合物(4.8%)を得た。TLC溶出液 石油エーテル−EtOAc9:1。
【0147】
【化11】

4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシブチルアルデヒドジエチルアセタール(化合物1d)
室温で撹拌した2mlの無水DMF中の0.514gの化合物1cの溶液に、0.091gの60%NaHを添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、0.142mlのヨウ化メチルを添加し、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。その後、反応混合物を水(30ml)に注ぎ、2×20mlのEtOAcで抽出し、これを洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして減圧下で乾燥するまで蒸発させ、粗生成物として0.50gの表題化合物を得、これはさらなる精製なしで、以下の工程において使用し得る。
【0148】
【化12】

4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシブチルアルデヒド(化合物1e)
0.502gの化合物1d、3.5mlの50%水性トリフルオロ酢酸、および7mlのCHClの混合物を、室温で2時間撹拌し、次いで、8mlのCHClで希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し(2×15ml)、乾燥し(NaSO)、そして減圧下で乾燥するまで蒸発させ、粗生成物(0.365g)を得、これをさらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0149】
【化13】

1−[4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロ−フェニル)−4−メトキシブチル]−4−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル]−ピペラジン
0.212gの化合物1e、0.237gの1−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル]−ピペラジンHCl、0.24gのソディウムトリアセトキシボロヒドリド、0.11mlのAcOHおよび6mlのCHClの混合物を、室温で1時間撹拌し、一晩静置し、20%水性NaCOでアルカリ化した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し(2×30ml)、乾燥し(NaSO)、そして減圧下で乾燥するまで蒸発させて粗生成物(0.46g)を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル−EtOAc7:3)によって精製し、表題化合物(0.25g;62%)を得た。
【0150】
【化14】

実施例2 1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[4−オキソ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンチル]−ピペラジン
1−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−プロパン−2−オン(化合物2a)
1.9gの1−(2−トリフルオロメトキシ)−ベンズアルデヒド、4mlのEtOH、1.3mlの96% 2−ニトロエタンおよび0.10mlのn−ブチルアミンの溶液を撹拌して、18時間還流した。その後、これを、HOで希釈し、EtOAcで抽出し(2×30ml)、HO(2×30ml)、ブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下で蒸発し、2.47gのオレンジ色オイルを得、これをフラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc 100:5)によって精製した。回収したフラクションの蒸発により、淡黄色オイルとして1.60gの2−ニトロ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−プロプ−2−エンを得た。
【0151】
【化15】

1.6gの上記化合物、0.024gのFe(ClO、3.0gのFe、6mlのHOの混合物を、加熱して還流し、7.5時間撹拌した。室温で一晩静置した後、2.80mlの37%HClを添加し、1時間加熱した。冷却後、混合物をEtOAc(3×40ml)で抽出し、これを乾燥し(NaSO)、減圧下で蒸発させ、オレンジ色オイルとして表題化合物(1.28g)を得た。
【0152】
【化16】

4−オキソ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンタナールジエチルアセタール(化合物2b)
10mlの無水DMF中の1.87gの60%NaH油分散物の懸濁液に、窒素ストリーム下で6分間、15mlのDMF中の化合物2aの溶液を滴下し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。一晩静置した後、5mlのDMF中の0.447gの2−ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(97%)を添加し;混合物を室温で30’、次いで80℃で3時間撹拌した。その後、混合物をHO(250ml)で希釈し、HCl 2Nで酸性化し、EtO(3×50ml)で抽出し、HO(40ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして減圧下で蒸発させ、粗生成物(茶色オイル)を得、これを、フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc 100:2)によって精製し、黄色オイルとして1.44gの化合物2bを得た。
【0153】
【化17】

4−オキソ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンタナール(化合物2c)
化合物1eについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として化合物1dの代わりに化合物2bを使用して、表題化合物を得た。通常の作業手順後、表題化合物を得(99%)、そしてさらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0154】
【化18】

1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[4−オキソ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンチル]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として化合物1eの代わりに化合物2c、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc7:3)による精製によって表題化合物(60%)を得た。オイル。
【0155】
【化19】

実施例3 1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[4−ヒドロキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンチル]−ピペラジン
化合物1cについて記載される方法を使用して、しかし、化合物1bの代わりに実施例2の化合物から出発して、表題化合物を合成した。通常の作業手順後、表題化合物を単離し(93.1%)、そしてジアステレオマーの混合物(RS;SR−RS,RS 78.8:20.5)としてLCによって特徴付けた。LC純度:98.6%
【0156】
【化20】

実施例4 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−オキソ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンチル]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1eの代わりに化合物2c、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc 7:3)による精製によって、表題化合物(33%)を得た。オイル。
【0157】
【化21】

実施例5 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−ヒドロキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンチル]−ピペラジン
化合物1cについて記載される方法を使用して、しかし、化合物1bの代わりに実施例4の化合物から出発して、表題化合物を合成した。通常の作業手順後、表題化合物を単離し(92.7%)、そしてジアステレオマーの混合物(RS;SR−RS,RS 72.9:19.4)としてLCによって特徴付けた。LC純度:92.3%
【0158】
【化22】

実施例6 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−ヒドロキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ヘキシル]−ピペラジン
2−アリル−2−(2−トリフルオロメトキシフェニル)アセトニトリル(化合物6a)
−78℃に冷却したTHF中のLDAの2M溶液の2.74mlに、20mlのTHF中の2−(2−トリフルオロメトキシフェニル)アセトニトリルを滴下し;混合物を同じ温度で10分間撹拌した。その後、0.474mlのアリルブロマイドおよび0.446gのHMPTAの混合物を添加し、反応物を−78℃で2時間撹拌し、自然な加熱によって室温にした。一晩静置した後、これをNHClの飽和水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(NaSO)、乾燥するまで蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc95:5)によって精製し、淡黄色オイル(1.015g)として表題生成物を得た。
【0159】
【化23】

2−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペント−4−エナール(化合物6b)
無水トルエン(50ml)中の0.88gの化合物6aの溶液に、室温で4.01mlのDIBAL−H(トルエン中の2M溶液)を10分にわたって滴下した。反応混合物を、室温で2時間撹拌し、0.01N HClで希釈し、EtOAc(2×50ml)で抽出した;合わせた抽出物をHOで洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして減圧下で乾燥するまで蒸発した。化合物6bを、淡黄色オイルとして得、さらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0160】
【化24】

2−[1−[3−ブテニル−1−(2−トリフルオロメトキシフェニル)]]−1,3−ジオキソラン(化合物6c)
30mlのトルエン中の0.72gの化合物6b、0.052gのp−トルエンスルホン酸モノヒドレート、0.328mlのエチレングリコールの溶液を、還流して8時間撹拌した。その後、溶媒を減圧下の蒸発によって除去し、EtOAcおよび水性NaHCOで希釈した;有機層を分離し、NaSOで乾燥し、減圧下で乾燥するまで蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc 95:5)によって精製し、淡黄色オイル(0.85g)として表題生成物を得た。
【0161】
【化25】

3−[1,3−ジオキソラン−2−イル]−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)]プロピオンアルデヒド(化合物6d)
激しく撹拌した、0.31gの化合物6c、10mlのEtOおよび10mlのHOの二相混合物に、0.196mlのOを添加し、次いで、20分にわたって、3.6gのNaIOのアリコートを添加した。6時間後、有機層を分離し、水相をEtOで抽出した。合わせた有機層を乾燥し(NaSO)、減圧下で乾燥するまで蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc 8)によって精製し、0.311gの表題生成物を得た。
【0162】
【化26】

1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−4−[3−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−プロピル]−ピペラジン(化合物6e)
実施例1の化合物について記載した手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1eの代わりに化合物6d、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc1:1)による精製によって、表題化合物(61%)を得た。オイル。
【0163】
【化27】

1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−4−[3−ホルミル−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−プロピル]−ピペラジン(化合物6f)
0.12gの化合物6e、0.005gの4−トルエンスルホン酸モノヒドレート、1mlのHOおよび7mlのジオキサンの混合物を、還流下で24時間撹拌した。その後、溶媒を、減圧下での蒸発によって除去し、残渣をEtOAcおよび水性NaOHで希釈した;有機層を分離し、NaSOで乾燥し、減圧下で乾燥するまで蒸発させた。淡黄色オイルとして得た粗生成物を、さらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0164】
【化28】

4,4−ジエトキシ−2−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ブチロニトリル(化合物6g)
化合物6aについて報告された手順に従って、しかし、アリルブロマイドの代わりに2−ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタールを使用して、表題化合物を合成した。室温まで自然に二時間加熱した後、反応混合物をさらに2時間還流した。通常の作業手順後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc95:5)によって精製し、淡黄色オイルとして表題生成物(47.7%)を得た。
【0165】
【化29】

4−オキソ−2−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ブチロニトリル(化合物6h)
化合物1eについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1dの代わりに化合物6gを使用して、表題化合物を得た。通常の作業手順後、そのように得られた表題化合物を、次の工程でさらなる精製なしに使用した。
【0166】
【化30】

1−[3−シアノ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−プロピル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシン−5−イル)−ピペラジン(化合物6i)
実施例1の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1eの代わりに化合物6h、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc1:1)による精製によって、表題化合物(93%)を得た。オイル。
【0167】
【化31】

1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−4−[3−ホルミル−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−プロピル]−ピペラジン(化合物6f)
無水CHCl(50ml)中の0.414gの化合物6iの溶液に、トルエン中の1.2mlの1M DIBAL−Hを、−78℃で滴下した。反応物を温め、一晩撹拌した;その後、これを水で希釈し、CHCl(2×50ml)で抽出し;合わせた抽出物をHOで洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして減圧下で乾燥するまで蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH95:5)による精製によって、表題化合物(0.23g;55.3%)を得た。オイル。
【0168】
1−[5−(1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−ヒドロキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ヘキシル]−ピペラジン
0〜5℃で冷却した10mlのTHF中の0.1gの化合物6fの溶液に、THF(0.888ml)中の1Mのエチルマグネシウムブロマイド溶液を滴下した。反応混合物を室温まで温め、同じ温度で3時間撹拌した。その後、NHClの飽和水溶液でクエンチし、アルカリ化し、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(NaSO)、乾燥するまで蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH/NH 97:3)によって精製し、黄色ガラス状オイル(84.4%)として表題生成物を得た。
【0169】
【化32】

実施例7 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−ヒドロキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ヘキシ−5−エニル]−ピペラジン
実施例6の化合物について記載されるのと同じ手順によって、しかし、THF中のエチルマグネシウムブロマイドの代わりに化合物6fおよびビニルマグネシウムブロマイド(THF中1M)を使用して、表題生成物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH/NH 95:5)によって精製し、黄色ガラス状オイル(42.6%)として表題生成物を得た。
【0170】
【化33】

実施例8 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−ヒドロキシ−5−メチル−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ヘキシル]−ピペラジン
実施例6の化合物について記載されるのと同じ手順によって、しかし、THF中のエチルマグネシウムブロマイドの代わりに化合物6fおよびイソプロピルマグネシウムクロライド(THF中2M)を使用して、表題生成物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH/NH 97:3)によって精製し、黄色ガラス状オイル(30.9%)として表題生成物を得た。
【0171】
【化34】

実施例9 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−メトキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−5−ヘキセニル]−ピペラジン
4,4−ジエトキシ−2−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ブチルアルデヒド(化合物9a)
化合物6fについて記載される手順(代替的な方法)に従って、しかし、化合物6iの代わりに化合物6gから出発して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH 99:1)によって精製し、黄色ガラス状オイル(41.9%)として表題生成物を得た。
【0172】
【化35】

6,6−ジエトキシ−4−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ヘキシ−1−エン−3−オール(化合物9b)
実施例6の化合物について記載されるのと同じ手順によって、しかし、THF中のエチルマグネシウムブロマイドの代わりにビニルマグネシウムブロマイド(THF中1M)を使用して、そして化合物9aから出発して、表題生成物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc4:6)によって精製した。収率:63.1%。
【0173】
【化36】

4−メトキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ブト−3−エナールジエチルアセタール(化合物9c)
化合物1dについて記載されるように、出発物質として化合物1cの代わりに化合物9bを使用して、表題化合物を合成した。粗生成物をさらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0174】
【化37】

4−メトキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ブト−3−エナール(化合物9d)
化合物1eについて記載される手順に従って、出発物質として化合物1dの代わりに化合物9cを使用して、表題化合物を得た。通常の作業手順後、そのように得られた表題化合物をさらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0175】
【化38】


1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−メトキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−5−ヘキセニル]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載された方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物9d、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。フラッシュクロマトグラフィー(PE−アセトン 6:4)後の収率は、34.5%であった。
【0176】
【化39】

実施例10 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ヘプチル]−ピペラジン
4−オキソ−3−フェニルヘプタナールジエチルアセタール(化合物10a)
化合物2bについて記載される方法に従って、しかし、化合物2aの代わりに1−フェニル−2−ペンタノンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc−PE95:5)によって精製した。収率:59.2%。
【0177】
【化40】

4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプタナールジエチルアセタール(化合物10b)
化合物1cについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1bの代わりに化合物10aを使用して、表題化合物を得た。通常の作業手順後、粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc−PE 2:8)によって精製した。収率:73.3%。
【0178】
【化41】

4−メトキシ−3−フェニルヘプタナールジエチルアセタール(化合物10c)
化合物1dについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物10bを使用して、表題化合物を得た。表題生成物を、さらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0179】
【化42】

4−メトキシ−3−フェニルヘプタナール(化合物10d)
化合物1eについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物10cを使用して、表題化合物を得た。表題生成物を、さらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0180】
【化43】

1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ヘプチル]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物10d、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc−PE−MeOH/NH 1:1:0.2〜8:2:0.2)後の収率は、39.5%であった。
【0181】
【化44】

実施例11 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ペンチル]−ピペラジン
4−オキソ−3−フェニルペンタナールジエチルアセタール(化合物11a)
化合物2bについて記載される方法を使用して、しかし、化合物2aの代わりに1−フェニルアセトン(市販)を使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、さらなる精製なしで次の工程に使用した。収率:93%。
【0182】
【化45】

4−ヒドロキシ−3−フェニルペンタナールジエチルアセタール(化合物11b)
化合物1cについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1bの代わりに化合物11aを使用して、表題化合物を得た。通常の作業手順後、粗生成物をさらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0183】
【化46】

4−メトキシ−3−フェニルペンタナールジエチルアセタール(化合物11c)
化合物1dについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物11bを使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc 5−PE95)によって精製した。
【0184】
4−メトキシ−3−フェニルペンタナール(化合物11d)
化合物1eについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1dの代わりに化合物11cを使用して、表題化合物を得た。表題生成物を、さらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0185】
1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ペンチル]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物9d、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc−PE−MeOH/NH 8:2:0.1〜8:2:0.3)後の収率は、15.5%であった。
【0186】
【化47】

実施例12 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[(4−プロポキシ−3−フェニル)−ヘプチル]−ピペラジン
4−プロポキシ−3−フェニルヘプタナール(化合物12a)
化合物1dについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物10bを使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc 5−PE95)によって精製した。
【0187】
4−プロポキシ−3−フェニルヘプタナール(化合物12b)
化合物1dについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物12aを使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、さらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0188】
1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ヘプチル]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物12b、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc−PE−MeOH/NH 4:6:0.1〜EtOAc−MeOH/NH 97:3)後の収率は、9.5%であった。
【0189】
【化48】

実施例13 1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−オキソブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
2−(2−シクロヘキシル−2−オキシエチル)−ベンゾニトリル(化合物13a)
4mlのTHF中の0.47gの2−トルニトリルの溶液に、0.535mlの1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)を添加し、混合物を−78℃で冷却し;THF中のLDAの2M溶液2.22mlを5分間で滴下し、反応混合物を同じ温度で15分間撹拌し、続いて、4mlのTHF中の0.757gのN−メチル−N−メトキシシクロヘキサンカルボキサミドを滴下した。−78℃での1時間の撹拌後、反応混合物をNHClの10%水溶液でクエンチした。温度を室温に上昇させ、混合物をEtOAc(2×20ml)で抽出し、30mlのブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で乾燥するまで蒸発した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc 85:15〜1:1)によって精製し、0.34gの表題化合物を得た。
【0190】
【化49】

3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−オキソブチルアルデヒドジエチルアセタール(化合物13b)
化合物2bについて記載される方法を使用して、しかし、化合物2aの代わりに化合物13aを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(トルエン−EtOAc 97:3)によって精製した。収率:39.1%
【0191】
【化50】

3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−オキソブチルアルデヒド(化合物13c)
化合物1dについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物13bを使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、さらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0192】
【化51】

1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−オキソブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物13c、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:EtOAc6:4)によって精製し、表題化合物(79.5%)を得た。
【0193】
【化52】

実施例14 (RS,SR)−1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
化合物1cについて記載される方法を使用して、しかし、化合物1bの代わりに実施例14の化合物から出発して、表題化合物を合成した。通常の作業手順後に、粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc−NH/MeOH 65:35:3)によって精製し、表題化合物(70.5%)を得た。
【0194】
【化53】


実施例14a (RS)−1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン(Rt=30.298分におけるエナンチオマー)
n−ヘキサン−EtOH95:5(フロー=1ml/分;検出器UV254nm)で溶出する、Chiralpak AD(0.46×25cm)を使用するキラルカラムクロマトグラフィーによって分割して、実施例14の化合物からこの化合物を得た。
【0195】
実施例14b (SR)−1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン(Rt=34.834分におけるエナンチオマー)
n−ヘキサン−EtOH95:5(フロー=1ml/分;検出器UV254nm)で溶出する、Chiralpak AD(0.46×25cm)を使用するキラルカラムクロマトグラフィーによって分割して、実施例14の化合物からこの化合物を得た。
【0196】
実施例15 1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−オキソブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物13c、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:EtOAc6:4)によって精製し、表題化合物(82%)を得た。
【0197】
【化54】

実施例16 1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン
化合物1cについて記載される方法を使用して、しかし、化合物1bの代わりに実施例14の化合物から出発して、表題化合物を合成した。通常の作業手順後、粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc−NH/MeOH 65:35:3)によって精製し、表題化合物(51.3%)を得た。
【0198】
【化55】


実施例17 1−(4−シクロヘキシル−4−メトキシ−3−フェニルブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
4,4−ジメトキシ−2−フェニルブチロニトリル(化合物17a)
化合物6bについて報告される手順に従って、しかし、アリルブロマイドの代わりに2−ブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール、そして2−トリフルオロメトキシフェニルアセトニトリルの代わりにフェニルアセトニトリルを使用して、表題化合物を合成した。室温への二時間の自然な加熱後、反応混合物をさらに二時間還流した。通常の作業手順後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc9:1)によって精製し、淡黄色オイルとして表題生成物(72.1%)を得た。
【0199】
【化56】

4,4−ジメトキシ−2−フェニルブチルアルデヒド(化合物17b)
化合物6fについて記載される手順(代替的な方法)に従って、しかし、出発物質として化合物6iの代わりに化合物17aを使用して、表題化合物を得た。通常の作業手順後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CHCl−EtOAc95:5)によって精製し、表題化合物(73.2%)を得た。
【0200】
【化57】

4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−フェニルブチルアルデヒドジメチルアセタール(化合物17c)
実施例6の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物6fの代わりに化合物17b、そしてエチルマグネシウムクロライドの代わりにシクロヘキシルマグネシウムクロライド(THF中2M溶液)を使用して、表題化合物を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CHCl−アセトン9:1)によって精製し、表題化合物(55%)を得た。
【0201】
【化58】

OHシグナルは検出可能ではなかった。
【0202】
4−シクロヘキシル−4−メトキシ−3−フェニルブチルアルデヒド−ジメチルアセタール(化合物17d)
化合物1dについて記載されるように、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物17cを使用して、表題化合物を合成した。EO抽出後、粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc8:2)によって精製し、表題生成物(71.4%)を得た。
【0203】
【化59】

4−シクロヘキシル−4−メトキシ−3−フェニルブチルアルデヒド(化合物17e)
化合物1eについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1dの代わりに化合物17dを使用して、表題化合物を得た。表題生成物を、さらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0204】
【化60】

1−(4−シクロヘキシル−4−メトキシ−3−フェニルブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物17e、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:MeCO75:25)によって精製し、表題化合物(77.4%)を得た。
【0205】
【化61】

実施例18 1−(4−シクロヘキシル−4−メトキシ−3−フェニルブチル)−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物17e、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:MeCO 75:25)によって精製し、表題化合物(79.8%)を得た。
【0206】
【化62】

実施例19 1−(4−シクロヘキシル−4−エトキシ−3−フェニルブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
4−シクロヘキシル−4−エトキシ−3−フェニルブチルアルデヒドジメチルアセタール(化合物19a)
化合物1dについて記載されるように、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物17c、ヨウ化メチルの代わりにヨウ化エチルを使用して、表題化合物を合成した。EO抽出後、粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:EtOAc8:2)によって精製し、表題生成物(50.7%)を得た。
【0207】
【化63】

4−シクロヘキシル−4−エトキシ−3−フェニルブチルアルデヒド(化合物19b)
化合物1eについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1dの代わりに化合物19aを使用して、表題化合物を得た。表題生成物を、さらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0208】
【化64】

1−(4−シクロヘキシル−4−エトキシ−3−フェニルブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物19b、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:MeCO 8:2)によって精製し、表題化合物(60.6%)を得た。
【0209】
【化65】

実施例20 1−(4−シクロヘキシル−4−エトキシ−3−フェニルブチル)−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物19b、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:MeCO 75:25)によって精製し、表題化合物(73%)を得た。
【0210】
【化66】

実施例21 1−(4−アリルオキシ−4−シクロヘキシル−3−フェニルブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
4−アリルオキシ−4−シクロヘキシル−3−フェニルブチルアルデヒドジメチルアセタール(化合物21a)
化合物1dについて記載されるように、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物17c、そしてヨウ化メチルの代わりにアリルブロマイドを使用して、表題化合物を合成した。反応混合物を、室温で8時間、45℃で5時間撹拌した。EtO抽出およびカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc85:15)による精製により、表題化合物(48.5%)を得た。
【0211】
【化67】

4−アリルオキシ−4−シクロヘキシル−3−フェニルブチルアルデヒド(化合物21b)
化合物1eについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1dの代わりに化合物21aを使用して、表題化合物を得た。表題生成物を、さらなる精製なしで次の工程に使用した(99.3%)。
【0212】
【化68】


1−(4−アリルオキシ−4−シクロヘキシル−3−フェニルブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物21b、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:MeCO 7:3)によって精製し、表題化合物(64.1%)を得た。
【0213】
【化69】

実施例22 1−(4−アリルオキシ−4−シクロヘキシル−3−フェニルブチル)−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物21b、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:MeCO 7:3)によって精製し、表題化合物(77.1%)を得た。
【0214】
【化70】

実施例23 1−(4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロパルギルオキシブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロパルギルオキシブチルアルデヒドジメチルアセタール(化合物23a)
化合物1dについて記載されるように、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物17c、そしてヨウ化メチルの代わりにプロパルギルブロマイドを使用して、表題化合物を合成した。反応混合物を、室温で8時間、45℃で5時間撹拌した。EtO抽出およびカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc85:15)による精製後、表題化合物(50%)を得た。
【0215】
【化71】

4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロパルギルオキシ−3−フェニルブチルアルデヒド(化合物23b)
化合物1eについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1dの代わりに化合物23aを使用して、表題化合物を得た。表題生成物を、さらなる精製なしで次の工程に使用した(99%)。
【0216】
【化72】

1−(4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロパルギルオキシブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物23b、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:MeCO 7:3)によって精製し、表題化合物(67.1%)を得た。
【0217】
【化73】

実施例24 1−(4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロパルギルオキシブチル)−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物23b、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:MeCO 8:2)によって精製し、表題化合物(66.2%)を得た。
【0218】
【化74】

実施例25 1−(4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロポキシブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロポキシブチルアルデヒドジメチルアセタール(化合物25a)
化合物1dについて記載されるように、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物17c、そしてヨウ化メチルの代わりにプロピルブロマイドを使用して、表題化合物を合成した。反応混合物を、室温で8時間、45℃で5時間撹拌した。EtO抽出およびカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc 85:15)による精製後、表題化合物(32.7%)を得た。
【0219】
【化75】

4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロポキシブチルアルデヒド(化合物25b)
化合物1eについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1dの代わりに化合物25aを使用して、表題化合物を得た。表題生成物を、さらなる精製なしで次の工程に使用した(99.3%)。
【0220】
【化76】

1−(4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロポキシブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物25b、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:MeCO 8:2)によって精製し、表題化合物(50.7%)を得た。
【0221】
【化77】

実施例26 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニル)−ヘキシルピペラジン
4−オキソ−2−フェニルブチロニトリル(化合物26a)
化合物1eについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1dの代わりに化合物17aを使用して、表題化合物を得た。通常の作業手順後、そのように得られた表題化合物を、次の工程でさらなる精製なしに使用した。
【0222】
【化78】

1−(3−シアノ−3−フェニルプロピル)−4−(2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシン−5−イル)−ピペラジン(化合物26b)
実施例1の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1eの代わりに化合物26a、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc4:6)による精製により、表題化合物(85%)を得た。オイル。
【0223】
【化79】

1−(2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシン−5−イル)−4−(3−ホルミル−3−フェニルプロピル)−ピペラジン(化合物26c)
化合物6fについて記載される手順(代替的な方法)に従って、しかし、出発物質として、化合物6hの代わりに化合物26bを使用して、表題化合物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH 95:5)による精製により、表題化合物(60%)を得た。オイル。
【0224】
【化80】

1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘキシル)−ピペラジン
実施例6の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物6fの代わりに化合物26cを使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH/NH 97:3)によって精製し、黄色ガラス状オイル(22.6%)として表題生成物を得た。
【0225】
【化81】

実施例27 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニル)−ヘプチル]−ピペラジン
表題化合物を、主な不純物としての実施例12の化合物と共に得た。これを、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc−MeOH/NH 95:5)によって精製した。
【0226】
【化82】

実施例28 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘキシ−5−エニル)−ピペラジン
実施例6の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物6fの代わりに化合物26c、そしてエチルマグネシウムクロライドの代わりにビニルマグネシウムクロライド(1M THF溶液)を使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH/NH 97:3)によって精製し、黄色ガラス状オイル(66%)として表題生成物を得た。
【0227】
【化83】

実施例29 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−3−フェニル)−ヘキシル]−ピペラジン
実施例6の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物6fの代わりに化合物26c、そしてエチルマグネシウムクロライドの代わりにイソプロピルマグネシウムクロライド(2M THF溶液)を使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH/NH 98:2)によって精製し、白色固体(35%)として表題生成物を得た。
【0228】
【化84】

実施例30 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニル)−ペンチル]−ピペラジン
実施例6の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物6fの代わりに化合物26c、そしてエチルマグネシウムクロライドの代わりにメチルマグネシウムブロマイド(3M THF溶液)を使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH/NH 99:1)によって精製し、7:3(RS,RS)−(RS,SR)混合物として特徴付けられる、白色固体(42%)として表題生成物を得た。
【0229】
【化85】

実施例31 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−5−イニル)−ピペラジン
実施例6の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物6fの代わりに化合物26c、そしてエチルマグネシウムクロライドの代わりに1−プロピニルマグネシウムブロマイド(0.5M THF溶液)を使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH/NH 99:1)によって精製し、淡黄色固体(35%)として表題生成物を得た。
【0230】
【化86】

実施例32 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−5−エニル)−ピペラジン
実施例6の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物6fの代わりに化合物26c、そしてエチルマグネシウムクロライドの代わりに1−プロペニルマグネシウムブロマイド(0.5M THF溶液)を使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH/NH 99:1)によって精製し、淡黄色固体(83%)として表題生成物を得た。
【0231】
【化87】

実施例33 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘキシ−5−イニル)−ピペラジン
実施例6の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物6fの代わりに化合物26c、そしてエチルマグネシウムクロライドの代わりに1−エチニルマグネシウムブロマイド(0.5M THF溶液)を使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH/NH 99:1)、続いて分取LCによって二回精製し、白色固体(8%)として表題生成物を得た。
【0232】
【化88】

実施例34 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−6−エニル)−ピペラジン
実施例6の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物6fの代わりに化合物26c、エチルマグネシウムクロライドの代わりにアリルマグネシウムブロマイド(1M THF溶液)を使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH/NH 99:1)によって精製し、茶色オイル(27%)として表題生成物を得た。
【0233】
【化89】

実施例35 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−6−メチル−3−フェニルヘプト−5−エニル)−ピペラジン
実施例6の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物6fの代わりに化合物26c、そしてエチルマグネシウムクロライドの代わりに2−メチル−1−プロペニルマグネシウムブロマイド(0.5M THF溶液)を使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH/NH 99:1)、続いて分取LCによって二回精製し、白色固体(10%)として表題生成物を得た。
【0234】
【化90】

実施例36 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−6−メチル−3−フェニル)−ヘプチル]−ピペラジン
3mlのTHF中の2Mイソブチルマグネシウムクロライド(THF中)の0.708mlの溶液に、0.226gのLiClOを添加した。混合物を室温で1時間撹拌した;その後、3mlのTHFの0.13gの化合物26cを滴下した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、ついで、NHClの飽和水溶液でクエンチし、アルカリ化し、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(NaSO)、乾燥するまで蒸発させた。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH 99:1)によって精製し、アイボリーホワイト固体(54.6%)として表題化合物を得た。
【0235】
【化91】

実施例37 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルブチル)−ピペラジン
表題化合物を、実施例36の化合物と一緒に得た。フラッシュクロマトグラフィーによる精製によってオイルとして表題生成物を得た。
【0236】
【化92】

実施例38 (RS,SR)−1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルペンチル)−ピペラジン
表題化合物を、実施例11の化合物と一緒に得た。フラッシュクロマトグラフィーによる精製によって、純粋な(RS,SR)ジアステレオマーとして特徴付けられる、オイルとして表題生成物を得た。
【0237】
【化93】

実施例39 1−[4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−4−オキソブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
2−(2−シクロヘキシル−2−オキソエチル)−N,N−ジメチルベンズアミド(化合物39a)
表題化合物を、化合物13aについて記載されるように得た。通常の作業手順後に、粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc1:1)によって精製し、表題化合物(34.6%)を得た。
【0238】
【化94】

4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニル)−4−オキソブチルアルデヒドジメチルアセタール(化合物39b)
化合物2bについて記載される方法を使用して、しかし、化合物2aの代わりに化合物39aを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(PE−MeCO 75:25)によって精製した。収率:21.3%。
【0239】
【化95】

4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニル)−4−オキソブチルアルデヒド(化合物39c)
化合物1dについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物39bを使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、さらなる精製なしで、次の工程において使用した。
【0240】
【化96】

1−[4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−4−オキソブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物39b、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:MeCO 6:4)によって精製し、表題化合物(65%)を得た。
【0241】
【化97】

実施例40 1−[4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−4−ヒドロキシブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
化合物1cについて記載される方法を使用して、しかし、化合物1bの代わりに実施例39の化合物から出発して、表題化合物を合成した。通常の作業手順後、粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE−MeCO−NH/MeOH 7:3:0.2)によって精製し、表題化合物(65.2%)を得た。
[M+H]=522.45
実施例41 1−[4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−4−オキソブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)ピペラジン
実施例1の化合物について記載された方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物39c、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:MeCO 6:4)によって精製し、表題化合物(64.5%)を得た。
【0242】
【化98】

実施例42 1−[4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−4−ヒドロキシブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)
化合物1cについて記載される方法を使用して、しかし、化合物1bの代わりに実施例41の化合物から出発して、表題化合物を合成した。通常の作業手順後、粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE−MeCO−NH/MeOH 75:25:0.2)によって精製し、表題化合物(64.2%)を得た。
[M+H]=512.6
実施例43 1−[3−(2−シアノフェニル)−4−オキソペンチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
3−(2−シアノフェニル)−4−オキソペンタンアルデヒドジエチルアセタール(化合物43a)
化合物2bについて記載される方法を使用して、しかし、化合物2aの代わりに1−(2−シアノフェニル)−プロパン−2−オン(R.A. Bruce, Org. Prep. Proc. Int. 407-412,1999)を使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc 8:2)によって精製した。収率:13%。
【0243】
【化99】

3−(2−シアノフェニル)−4−オキソペンタンアルデヒド(化合物43b)
化合物1dについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物43bを使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、さらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0244】
1−[3−(2−シアノフェニル)−4−オキソペンチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載された方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物43b、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:EtOAc 6:4)によって精製し、表題化合物(43.8%)を得た。
【0245】
【化100】

実施例44 1−[4−シクロヘキシル−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−4−オキソブチル]−4−(4−インドリル)−ピペラジン
1−シクロヘキシル−2−(2−トリフルオロメトキシフェニル)エタノン(化合物44a)
1.26gの2−トリフルオロメトキシベンジルクロライド、Zn粉末(0.59g)および1,2−DMEの混合物を、3時間還流し、室温で冷却した;その後、これをろ過し、濾液に0.002gのジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)、続いて0.72mlのシクロヘキサンカルボニルクロライドを添加し、室温で撹拌した。その後、反応混合物を還流下で4時間撹拌し、室温で冷却した。通常の作業手順(化合物1aを参照)後、粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(メチルtert-ブチルエーテル−PE 96:4)によって精製し、0.22gの表題化合物を得た。
【0246】
【化101】

4−シクロヘキシル−4−オキソ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ブチルアルデヒドジエチルアセタール(化合物44b)
1mlのDMSO中の0.22gの化合物44aの溶液に、カリウムtert-ブトキシド(0.091g)を室温で添加した。15分後、0.12mlの2−ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタールを添加し、反応混合物を50℃で5時間加熱した。その後、それを室温まで冷却し、水で希釈し、メチルtert-ブチルエーテルで抽出し、これを乾燥し(NaSO)、減圧下で乾燥するまで蒸発させて粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(メチルtert-ブチルエーテル−PE 93:7)によって精製して、0.092gの純粋な表題生成物を得た。
【0247】
【化102】

4−シクロヘキシル−4−オキソ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ブチルアルデヒド(化合物44c)
0.09gの化合物44b、1.1mlの1N HClおよび5mlのアセトンを、室温で4時間撹拌した。エバポレーションおよびCHClでの抽出により表題化合物を得、これをさらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0248】
【化103】

1−[4−シクロヘキシル−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−4−オキソブチル]−4−(4−インドリル)−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物44c、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(4−インドリル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:EtOAc6:4)によって精製し、表題化合物(53%)を得た。
【0249】
【化104】

実施例45 (RS,SR)1−[4−アセトキシ−4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−ブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン
1−シクロヘキシル−2−(2−フルオロフェニル)エタノン(化合物45a)
0℃で撹拌した、36mlの2−フルオロベンジル亜鉛クロライド(THF中0.5M溶液)および0.008gのジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)の混合物に、シリンジを介して、2.14mlのシクロヘキサンカルボニルクロライドを滴下した。その後、反応混合物を室温で4時間撹拌し、塩化アンモニウムの飽和水溶液(25ml)でクエンチし、20mlのEtOAcで抽出し、これを乾燥し(NaSO)、減圧下で乾燥するまで蒸発させ、粗生成物として3.52gの表題化合物を得、これはさらなる精製なしで次の工程で使用し得る。
【0250】
【化105】

4−シクロヘキシル−4−オキソ−3−(2−フルオロフェニル)−ブチルアルデヒドジエチルアセタール(化合物45b)
136mlのトルエン中の5.02gの化合物45aの溶液を加熱して還流し、蒸留によって35mlのトルエンを回収し、水を除去した。その後、3.18gのカリウムtert-ブトキシドを添加し、還流下で撹拌を30分間続けた;反応混合物を80℃まで冷却し、4.27mlの2−ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタールを添加した。還流下で18時間後、反応混合物を室温まで冷却し、塩化アンモニウムの飽和水溶液(30ml)でクエンチし、30mlのEtOAcで抽出し、乾燥し(NaSO)、減圧下で乾燥するまで蒸発させて粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル−EtOAc 92.5:7.5)によって精製して、2.97gの純粋な表題生成物を得た。
【0251】
【化106】

4−シクロヘキシル−4−オキソ−3−(2−フルオロフェニル)−ブチルアルデヒド(化合物45c)
1.12gの化合物45b、9mlの50%水性トリフルオロ酢酸および18mlのCHClの混合物を、室温で2時間撹拌し、次いで、10mlのCHClで希釈した。有機層を分離し、ブライン(2×15ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下で乾燥するまで蒸発させ、粗生成物(0.88g)を得、これをさらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0252】
【化107】

1−[4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−4−オキソブチル]−4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン(化合物45d)
0.88gの化合物45c、0.84gの1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンHCl、1.06gのソディウムトリアセトキシボロヒドリドおよび33mlのCHClの混合物を室温で1時間撹拌し、一晩静置し、20%水性NaCOでアルカリ化した。有機層を分離し、ブライン(2×30ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして減圧下で乾燥するまで蒸発させて粗生成物(1.46g)を得、これはさらなる精製なしで次の工程に使用した。サンプルを、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル−EtOAc 6:4)によって精製し、純粋なサンプルを得た。
【0253】
【化108】

(RS,SR)−1−[4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン(化合物45e)
0℃で撹拌した、33mlのMeOH中の1.46gの化合物45dの溶液に、0.19gのNaBHを添加し、混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗反応物をHOにとり、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、ブライン(2×15ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下で乾燥するまで蒸発させて粗生成物を得、これを連続フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル−EtOAc−メタノール中の2Nアンモニア 75:25:2;石油エーテル−EtOAc−メタノール中の2Nアンモニア 80:20:2)によって精製して、0.82gの化合物45e(上部TLC Rf;溶出液:石油エーテル−EtOAc−メタノール中の2Nアンモニア 70:30:2)を得た。
【0254】
【化109】

(1R,2S)1−シクロヘキシル−4−[4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2−(2−フルオロフェニル)−ブタン−1−オール(化合物45eA)
この化合物を、n−ヘキサン−EtOH 95:5(フロー=0.5ml/分;検出器UV247nm)で溶出する、Chiralpak AD(0.46×25cm)を使用する、化合物45eに関するキラルカラムクロマトグラフィーによって得た。
【0255】
(1S,2R)1−シクロヘキシル−4−[4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2−(2−フルオロフェニル)−ブタン−1−オール(化合物45eB)
この化合物を、n−ヘキサン−EtOH 95:5(フロー=0.5ml/分;検出器UV247nm)で溶出する、Chiralpak AD(0.46×25cm)を使用する、化合物45eに関するキラルカラムクロマトグラフィーによって得た。
【0256】
臭化水素とのその塩の形態で、化合物45eBの絶対的な立体化学を、以下のように、単結晶x線回析によって決定した。
【0257】
単結晶X線回析実験:
針状形状の単結晶をX線回析分析のために選択し、グラスファイバー上に載せた。データを、検出口(detector aperture)=45.0×25.6cmを有する、Rigaku Rapidシリンダー状イメージプレートX線領域検出器で収集した。これを、Rapid Autoバージョン1.06ソフトウェア(Rigaku,2000)を有するWindows 2000ベースのPCコンピューターによって、低温(−120°K)で、Micromax-002微小共焦点ミラーCuKα□放射[λ(CuKα)=1.5405Å]を用いて、制御した。指標化を、360秒間暴露した3つの3振動フレームから実施した。全ての反射を、各グループにおいて、6つのフレームを有する5つのイメージグループにおいて測定した;暴露時間は、1度につき160秒であった。これらの中で、5つのグループのイメージが、chi=50°で角度phi=0°、90°、180°、270°、そしてchi=0°でphi=0°であり、全てのフレームは、デルタオメガ=30°であり、これは、2θmax=136.3°である。サンプル/検出器距離は、12.74cmであった。データ還元プログラム、Rapid Auto Version 1.06(Rigaku,2000)は、ラウエ群(Laue group)が−1であると決定し、全部で7,986の反射を、構造ソリューションおよびリファインメントのために統合した。
単結晶結果:
構造を、SIR92(Altomare et al. 1994)を使用して、直接的な方法によって解析した。全ての計算を、CrystalStructure 3.0(MSC/Rigaku, 2002; Watkin et al., 1996, Carruthers and Watkin, 1979)結晶ソフトウェアパッケージを使用して行った。試験ソリューションにより、非対称単位で38の非水素原子を得た。最小二乗リファインメントが、全ての非水素原子座標および非等方性熱パラメーターを含んだ。Fに関するフルマトリックス最小二乗リファインメントの最終的なサイクルは、I>3σ(I)を有する6,297の反射に基づき、アグリーメントファクター(agreement factor):R=0.071、S=2.224、Rw=0.073に収束する。絶対配置は、計算されたFlack xパラメーターを使用して決定され、これは、esd=0.04で0.00であった。予測値は、補正について0.0(3esd以内)であり、逆絶対構造について+1.0である。
参考文献
【0258】
【数2】


(RS,SR)1−[4−アセトキシ−4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−ブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン
0〜5℃で撹拌した、5mlのCHCl中の0.135gの化合物45eおよび0.043mlのTEAの溶液に、0.021mlのアセチルクロライドを添加した。その後、反応混合物を室温で4時間撹拌し、5%水性NaHCO 5%(1×10ml)、HO(2×15ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で蒸発させ、表題生成物(0.143g)を得た。
【0259】
【化110】

実施例46 (RS,SR)1−[4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシカルボニルオキシブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン
0℃で撹拌された、0.8mlのピリジン中の0.112gの化合物45eの溶液に、0.022mlのクロロ蟻酸メチルを添加した。反応混合物を、室温で4日、40℃で5時間撹拌した。さらなる0.045mlのクロロ蟻酸メチルを添加し、40℃で4時間加熱した。室温で3日後、クロロ蟻酸メチル(0.045ml)を添加して、混合物を室温で6時間撹拌した。冷却後、それを水に注ぎ、EtOAc(2×15ml)で抽出し、2×15mlのHOで洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下で乾燥するまで蒸発させた。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc−NH/MeOH 75:25:2.5)によって精製し、0.022gの表題生成物を得た。
【0260】
【化111】

実施例47 (RS,SR)1−[4−シクロヘキシル−4−エチルアミノカルボニルオキシ−3−(2−フルオロフェニル)−ブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン
0℃で撹拌した、0.5mlのピリジン中の0.126gの化合物45eの溶液に、0.113のエチルイソシアネートを添加した。反応混合物を、室温で24時間、50℃で3時間撹拌した。冷却した後、これを水に注ぎ、EtOで抽出し、HOで洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下で乾燥して蒸発させ、0.108gの表題生成物を得た。
【0261】
【化112】

実施例48 (RS,SR)1−[4−アミノカルボニルオキシ−4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−ブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン
5mlのCHCl中の0.124gの化合物45eの溶液に、シアン酸カリウムを添加した。室温で撹拌した懸濁液に、0.087mlのトリフルオロ酢酸を添加した。室温で24時間、そして40℃で5時間後、さらなるトリフルオロ酢酸を添加した(0.17ml)。40℃で6時間後、反応混合物を冷却し、乾燥するまで蒸発させ、水およびNaOH 2Nで希釈し、EtOACで抽出した;抽出物をHOで洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして減圧下で乾燥するまで蒸発させた。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc−NH/MeOH 75:25:2.5)によって精製し、0.064gの表題生成物を得た。
【0262】
【化113】

実施例49 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−5,5−ジメチル−3−フェニル)−ヘキシル]−ピペラジン
実施例36の化合物について記載される手順に従って、しかし、イソブチルマグネシウムクロライドの代わりにtert-ブチルマグネシウムクロライド(THF中1N)を使用して、表題化合物を合成した。混合物を室温で3時間撹拌した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH 99:1)によって精製し、茶色固体(15%)として表題生成物を得た。
【0263】
【化114】


実施例50 1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[(4−ヒドロキシ3−フェニル)−ヘプト−5−イニル]−ピペラジン
1−(3−シアノ−3−フェニルプロピル)−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン(化合物50a)
実施例1の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1eの代わりに化合物26a、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc 4:6)による精製により、表題化合物(90%)を得た。オイル。
【0264】
【化115】

1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−(3−ホルミル−3−フェニルプロピル)−ピペラジン(化合物50b)
化合物6fについて記載される手順(代替的な方法)に従って、しかし、出発物質として、化合物6hの代わりに化合物50aを使用して、表題化合物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH 95:5)による精製により、表題化合物(55%)を得た。オイル。
【0265】
【化116】

1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[(4−ヒドロキシ−3−フェニル)−ヘプト−5−イニル]−ピペラジン
実施例36の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物26cの代わりに化合物50bを使用し、イソブチルマグネシウムクロライドの溶液の代わりに1−プロピニルマグネシウムブロマイド(THF中の0.5N)を使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH 99:1)によって精製し、黄色ガラス状オイル(22.6%)として表題生成物を得た。
【0266】
【化117】


実施例51 (E,Z)−1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[(4−ヒドロキシ−3−フェニル)−ヘプト−5−エニル]−ピペラジン(1:1混合物)
実施例36の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物26cの代わりに化合物50bを使用し、イソブチルマグネシウムクロライドの溶液の代わりに1−プロペニルマグネシウムブロマイド(THF中の0.5N)を使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH 99:1)によって精製し、黄色ガラス状オイル(30%)として表題生成物を得た。
【0267】
【化118】

分取LC−MSクロマトグラフィーによるさらなる精製によって、以下の化合物の単離を行った。
【0268】
実施例52 (E,Z)−1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[(4−ヒドロキシ−3−フェニル)−ヘプト−5−エニル]−ピペラジン(5:95混合物)
【0269】
【化119】

実施例53 (E)−1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[(4−ヒドロキシ−3−フェニル)−ヘプト−5−エニル]−ピペラジン(RS,RS:RS,SR 9:1混合物)
【0270】
【化120】

実施例54 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−3−フェニル)−ヘキシ−5−エニル]−ピペラジン(RS,RS:RS,SR 6:4)
実施例36の化合物について記載される手順に従って、しかし、イソブチルマグネシウムクロライドの溶液の代わりにイソプロペニルマグネシウムクロライド(THF中0.5N)を使用して、表題化合物を合成した。混合物を室温で3時間撹拌した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH 99:1)によって精製し、茶色固体(38%)として表題生成物を得た。
【0271】
【化121】

実施例55 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−6−メチル−3−フェニル)−ヘプト−6−エニル]−ピペラジン
実施例36の化合物について記載される手順に従って、しかし、イソブチルマグネシウムクロライドの溶液の代わりに2−メチルアリルマグネシウムクロライド(THF中0.5N)を使用して、表題化合物を合成した。混合物を室温で3時間撹拌した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH 99:1)によって精製し、茶色固体(48%)として表題生成物を得た。
【0272】
【化122】

実施例56 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−ヒドロキシ−4−(2−チエニル)−3−フェニルブチル]−ピペラジン
実施例36の化合物について記載される手順に従って、しかし、イソブチルマグネシウムクロライドの溶液の代わりに2−チエニルマグネシウムブロマイド(THF中1M)を使用して、表題化合物を合成した。混合物を室温で3時間撹拌した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH 99:1)によって精製し、茶色固体(33%)として表題生成物を得た。
【0273】
【化123】

実施例57 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[(4−ヒドロキシ−3−フェニル)オクチル]−ピペラジン
実施例36の化合物について記載される手順に従って、しかし、イソブチルマグネシウムクロライドの溶液の代わりにn−ブチルマグネシウムクロライド(THF中2M)を使用して、表題化合物を合成した。混合物を室温で3時間撹拌した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl−MeOH 99:1)によって精製し、茶色固体(48%)として表題生成物を得た。
【0274】
【化124】

実施例58 1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ヘプト−5−イニル]−ピペラジン
4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−5−インアルデヒドジメチルアセタール(化合物58a)
実施例6の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物6fの代わりに化合物17b、そしてエチルマグネシウムクロライドの代わりに1−プロピニルマグネシウムクロライド(THF中2M溶液)を使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc−PE 3:7)によって精製し、表題生成物(81%)を得た。
【0275】
【化125】

4−メトキシ−3−フェニルヘプト−5−インアルデヒドジメチルアセタール(化合物58b)
化合物1dについて記載されるように、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物58aを使用して、表題化合物を合成した。EtOAc抽出後、粗生成物を次の工程においてさらなる精製なしで使用した。
【0276】
4−メトキシ−3−フェニルヘプト−5−インアルデヒド(化合物58c)
化合物1eについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1dの代わりに化合物58bを使用して、表題化合物を得た。表題生成物をさらなる精製なしで次の工程において使用した。
【0277】
1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ヘプト−5−イニル]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、化合物1eの代わりに化合物58c、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc 3:7)によって精製し、表題化合物(17.5%)を得た。
【0278】
【化126】

実施例59 (E,Z)−1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ヘプト−5−エニル]−ピペラジン(上部TLC rfジアステレオマー)
4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−5−エンアルデヒドジメチルアセタール(化合物59a)
実施例6の化合物について記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物6fの代わりに化合物17b、エチルマグネシウムクロライドの代わりに1−プロペニルマグネシウムクロライド(THF中2M溶液)を使用して、表題化合物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc 7:3)によって精製し、表題生成物(42%)を得た。
【0279】
【化127】

4−メトキシ−3−フェニルヘプト−5−エンアルデヒドジメチルアセタール(化合物59b)
化合物1dについて記載されるように、出発物質として、化合物1cの代わりに化合物59aを使用して、表題化合物を合成した。EtOAc抽出後、粗生成物を次の工程においてさらなる精製なしで使用した。
【0280】
【化128】

4−メトキシ−3−フェニルヘプト−5−エンアルデヒド(化合物59c)
化合物1eについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1dの代わりに化合物59bを使用して、表題化合物を得た。表題生成物をさらなる精製なしで次の工程において使用した。
【0281】
1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ヘプト−5−エニル]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし化合物1eの代わりに化合物59c、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:EtOAc 4:6)によって精製し、表題化合物(13.2%)を得た。
【0282】
【化129】

実施例60 (E,Z)−1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ヘプト−5−エニル]−ピペラジン(下部TLC rfジアステレオマー)
表題化合物を、実施例59の精製工程の間に単離した。
【0283】
【化130】

実施例61 1−[4−シクロヘキシル−3−(2−メトキシメチルフェニル)−4−オキソブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン
2−メトキシメチルベンジルブロマイド(化合物61a)
1.2gの2−メトキシメチルベンジルアルコール(J.Chem.Soc.,1954,2819-2826)、2.5gのトリフェニルホスフィン、3.14gのテトラブロモメタンおよび50mlのCHClの混合物を、室温で二時間撹拌した。その後、反応混合物を、減圧下で乾燥するまで蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl)によって精製し、1.62gの表題化合物を得た。
【0284】
【化131】

1−シクロヘキシル−2−(2−メトキシメチルフェニル)エタノン(化合物61b)
窒素下室温で撹拌された、5mlの無水ベンゼン中の1.44gのZn(Cu)(Org.Syn.5,855において記載されるように調製された)の懸濁液に、10mlのベンゼン中の1.6gの化合物61aおよび1.17mlのN,N−ジメチルアセトアミドの溶液を滴下した。混合物を室温で1時間撹拌し、4時間還流した。60℃で冷却した後、3mlのベンゼン中の0.073gのパラジウムテトラキストリフェニルホスフィンの溶液、続いて3mlのベンゼン中の0.55mlのシクロヘキサンカルボニルクロライドの溶液を添加した。反応混合物を、室温で2.5時間撹拌した。一晩静置した後、混合物をEtOAcで希釈し、セライトパネルでろ過した;濾液を塩化アンモニウムの飽和水溶液、水性NaHCOおよびブラインで洗浄し、乾燥し、乾燥するまで蒸発させた。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE−EtOAc 100:4)によって精製し、1gの表題化合物を得た。
【0285】
【化132】

4−シクロヘキシル−4−オキソ−3−(2−メトキシメチルフェニル)−ブチルアルデヒドジエチルアセタール(化合物61c)
化合物2bについて記載される方法を使用して、しかし、1−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−プロパン−2−オンの代わりに化合物61bを使用して、表題化合物を調製した。通常の作業手順および精製により、表題化合物を得た。
【0286】
4−シクロヘキシル−4−オキソ−3−(2−メトキシメチルフェニル)−ブチルアルデヒド(化合物61d)
化合物1eについて記載される手順に従って、しかし、出発物質として、化合物1dの代わりに化合物61cを使用して、表題化合物を得た。表題生成物を、さらなる精製なしで次の工程に使用した。
【0287】
1−[4−シクロヘキシル−3−(2−メトキシメチルフェニル)−4−オキソブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物61d、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:EtOAc 6:4)によって精製し、表題化合物を得た。
[M+H]=483.6
実施例62 1−[4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−(2−メトキシメチルフェニル)−ブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン
化合物1cについて記載される方法を使用して、しかし、化合物1bの代わりに実施例61の化合物から出発して、表題化合物を合成した。表題化合物を、通常の作業手順後に単離した。
[M+H]=485.5
実施例63 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−シクロヘキシル−3−(2−メトキシメチルフェニル)−4−オキソブチル]−ピペラジン
実施例1の化合物について記載される方法を使用して、しかし、化合物1eの代わりに化合物61d、そして1−(2,2,2−トリフルオロエトキシフェニル)−ピペラジンの代わりに1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジンを使用して、表題化合物を調製した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物を得た。
[M+H]=493.7
実施例64 1−[4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−(2−メトキシメチルフェニル)−ブチル]−4−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)−ピペラジン
化合物1cについて記載される方法を使用して、しかし、化合物1bの代わりに実施例63の化合物から出発して、表題化合物を合成した。表題化合物を、通常の作業手順後に単離した。
[M+H]=495.5
実施例65 (RS,SR)1−[4−シクロヘキシル−4−メチルアミノチオカルボニルオキシ−3−(2−フルオロフェニル)−ブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン
0℃で撹拌した0.6mlのピリジン中の0.088gの化合物45eの溶液に、0.073gのメチルイソチオシアネートを添加した。反応混合物を、室温で24時間、100℃で10時間撹拌した。冷却後、これを、水に注ぎ、EtOで抽出し、HOで洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下で乾燥するまで蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィーによる精製により、0.04gの表題生成物を得た。
[M+H]=514.4
実施例66:組換え5−HT1Aレセプターへの放射性リガンド結合
A.方法:
ヒト5HT1A−セロトニン作動性レセプターをコードするゲノムクローンを、ヒト細胞株(HeLa)に安定にトランスフェクトした。HeLa細胞を、10%胎児ウシ血清、ゲンタマイシン(0.1mg/ml)および5%二酸化炭素を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)において単層として、37℃で増殖した。細胞を、細胞スクレーパーによって95%コンフルエントで増殖フラスコから剥離し、冷5mM Trisおよび5mM EDTA緩衝液(pH7.4)中で溶解した。ホモジネートを、40000xg×20分で遠心分離し、ペレットを少量の冷5mM Trisおよび5mM EDTA緩衝液(pH7.4)中に再懸濁し、すぐに凍結させて、使用まで−70℃で貯蔵した。実験の日に、細胞膜をインキュベーション緩衝液:50mM Tris HCl(pH7.4)、2.5mM MgCl、10mM パルギリン(Fargin et al, Nature 335, 358-360, 1988)中で再懸濁した。膜を、試験化合物の非存在下または存在下で、1nM[H]8−OH−DPATと共に、30℃で30分間、1mlの最終容量でインキュベートした。非特定結合が、10μM 5−HTの存在下で測定された。インキュベーションを冷Tris−HCl緩衝液の添加によって停止し、0.2%ポリエチレンイミンで前処理したWhatman−GF/BまたはSchleicher−&−Schuell−GF52フィルターで迅速にろ過した。
【0288】
B.結果
試験化合物の親和性を、非線形曲線適合プログラム(non-linear curve-fitting program)Allfit(De Lean et al., Am. J. Physiol. 235, E97-E102, 1978)を使用することによって5−HT1Aレセプターに対する放射性リガンドの特異的な結合の阻害(IC50)として評価した。IC50値は、ChengおよびPrusotfの等式(Cheng et al., Biochm. Pharmacol. 22, 3099-3108(1973))によって、親和性定数(Ki)に変換した。
【0289】
第1表に報告される結果は、試験された本発明の化合物が5−HT1Aレセプターについて高い親和性を有することを示す。
【0290】
【表1】

【0291】
【表2】

実施例67
麻酔したラットにおける膀胱充満によって誘導される律動性膀胱排尿収縮に対する影響
A.方法:
225〜275gの重量のメスSprague−Dawleyラット(Crl:CD(登録商標)(SD)IGS BR, Charles River Italia)を使用した。動物を、食料および水へのアクセスを自由にして収容し、実験の間を除き、少なくとも1週間、22〜24℃で強制的に12時間で交代する明−暗サイクルについて維持した。律動性膀胱排泄収縮に対する活性を、Drayの方法(Dray J., Pharmacol. Methods, 13:157, 1985)に従って評価し、Guarneri(Guarneri, Pharmacol. Res. 27:173, 1993)におけるようにいくらか改変した。手短に言うと、ラットを、1.25g/kg(5ml/kg)ウレタンの皮下注射によって麻酔し、その後、膀胱を、生理学的食塩水で満たしたPE50ポリエチレンチューブを使用して、尿道を介してカテーテルを入れた。カテーテルを、外部尿道口のまわりの適当な位置に結紮糸で結び、従来の圧力トランスデューサー(Statham P23 ID/P23 XL)に接続した。膀胱内圧を、チャートレコーダー(DCI/TI増幅器を備えるBattaglia Rangoni KV 135)に連続的に表示した。次いで、反射膀胱排泄収縮が起こるまで(通常0.8〜1.5ml)、漸増容量の温かい(37℃)生理食塩水によって、膀胱を、記録カテーテルを介して満たした。生物活性化合物の静脈内注射のために、生理学的食塩水で満たしたPE50ポリエチレンチューブを頸静脈に挿入した。
【0292】
膀胱内圧測定図から、処置前(基底値)および処置後15分に記録した収縮の数、ならびにこれらの収縮の平均振幅(mmHgにおけるピークの平均の高さ)を評価した。
【0293】
ほとんどの化合物が、開始において比較的迅速であり、膀胱収縮の完全な停止を生じる効果を生じるので、生物活性は、膀胱静止の期間(すなわち、収縮が起こらない期間の長さ)を測定することによって好都合に測定された。基底期間において観察されるものよりも30%高い収縮数の減少を示す試験動物数もまた記録した。
【0294】
試験された化合物の膀胱排尿収縮を阻害する効力を比較するために、10分間の収縮の消滅を生じる等有効用量(ED10分)を、最小二乗方法を使用する線形回帰方法によって計算した。処置されたラットの50%において30%を超える収縮数の減少を誘導する外挿用量(ED50)を、Blissの方法(Bliss C. I., Quart J. Pharm. Pharmacol. 11, 192-216, 1938)によって評価した。
【0295】
B.結果
ウレタン麻酔ラットにおける膀胱の迅速な膨満は、その特徴が記載されている、一連の律動性膀胱排尿収縮を生じた(Maggi et al., Brain Res. 380:83, 1986; Maggi et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 230: 500, 1984)。これらの収縮の頻度は、反射排尿の感覚求心性アームおよび排尿中心の統合性に関連しているが、これらの振幅は、反射遠心性アームの機能に依存する。このモデル系において、中枢神経系に主に作用する化合物(例えば、モルヒネ)は、排尿収縮におけるブロックを引き起こすが、排尿筋のレベルで作用する薬物(例えば、オキシブチニン)は、膀胱収縮の振幅を低下させる。
【0296】
得られた結果は、第2表に示す。
【0297】
第2表
静脈内投与後の律動性膀胱排尿収縮に対する影響
【0298】
【表3】

n.a.=活性でない;ピークの高さの有意な減少がない。
【0299】
データは、ED10分値(収縮の10分間の消滅を誘発する外挿用量)、ED50(頻度)値(50%の処置ラットにおける>30%の収縮数の減少を誘発する外挿用量)、およびED50(振幅)値(50%の処置ラットにおける収縮の振幅の30%の減少を誘発する外挿用量)を示す。
【0300】
本発明の化合物は、排尿の頻度を抑制したが、その振幅については影響しなかった。
【0301】
実施例68 経口投与後の意識のあるラットにおけるサイトメトリーパラメーターに対する影響
A.方法:
Charles River Italiaによって提供される300〜400gのオスSprague−Dawleyラット(Crl:CD(登録商標)(SD)IGS BR)を使用した。動物を、食料および水へのアクセスを自由にして収容し、実験の間を除き、22〜24℃の温度で強制的に12時間の明/12時間の暗サイクルについて維持した。意識のあるラットにおける尿力学パラメーターを定量するために、膀胱内圧測定研究を、以前に報告される手順に従って行った(Guarneri et al., Pharmacol. Res. 24:175, 1991)。
【0302】
手短に言うと、ラットを、3ml/kgのEquithensin溶液(ペントバルビタール30mg/kgおよび抱水クロラール125mg/kg)の腹膜内投与によって麻酔し、あおむけで配置した。約10mmの長さの正中切開を、毛を剃って清浄にした腹壁において行った。膀胱を、癒着している組織からゆっくりと遊離させ、空にし、次いで、ポリエチレンカニューレ(0.58mmの内径、0.96mmの外径)(これは、生糸で永久に縫合される)を使用して、膀胱体における切開を介してカニューレを挿入した。カニューレを、逆肩甲領域(ここで、これは、動物による除去の危険を避けるためにプラスチックアダプターに接続される)の皮下トンネルを通して体外に出した。薬物試験のために、ラットを、移植1日後に利用した。
【0303】
実験の日に、ラットを改変したBollmanケージ(すなわち、ラットが通常のかがむ姿勢をとることができるように十分大きいが、方向転換するのを妨げるほど十分に狭い制限ケージ)に配置した。約20分の安定化期間後、膀胱カニューレの自由端を、0.1ml/分の一定速度で、温かい(37℃)生理食塩水溶液の膀胱への連続的な注入のために、T型チューブを通して圧力トランスデューサー(Statham P23XL)および蠕動ポンプ(Gilson minipuls 2)に接続した。生理食塩水の膀胱への注入の間の管腔内圧力シグナルを連続的にポリグラフに記録した(Biomedica MangoniからのBM614/2増幅器を備えるRectigraph-8K San-ei)。膀胱内圧測定図を使用して、膀胱容量能力(BVC)および排尿圧力(MP)の尿力学パラメーターを評価した。BVC(ml)は、排尿筋収縮とそれに続く排尿の誘発に必要な膀胱へ注入される生理食塩水の容量として規定される。MP(mmHg)は、排尿の間の収縮によって引き起こされる最大の膀胱内圧として規定される。基底のBVCおよびMP値は、30〜60分の最初の期間において記録される膀胱内圧測定図において観察される値の平均として評価される。基底のBVCおよびMPの決定後、注入は中断され、試験化合物は、胃チューブによって経口投与された。膀胱注入を再開し、BVCおよびMPにおける変化を、処置後1,2,3,4および5時間で観察される膀胱内圧測定図において得た平均値から評価した。化合物を、2ml/kgの容量で投与し、コントロール動物のグループは、同量のビヒクル(水中の0.5%メトセル(methocel))を経口受容した。
【0304】
統計学的分析
データは、平均±標準誤差として表した。BVCおよびMP対基底値のパーセント変化、ならびにBVCおよびMPのΔ値(mlまたはmmHgにおける差異)(時間「x」におけるBVCまたはMP−基底値)はまた、各ラット/時間について評価される。データは、%変化対基底値として報告された。
【0305】
BVCおよびMP値、ならびにΔ値に関する統計学的分析を、S.A.S./STATソフトウェア、バージョン6.12によって行った。ビヒクル(コントロール)と試験処置との間で観察される差異を、BVCおよびMPのΔ値に関して評価したが、異なる時間における値対基底値間の差異は、本来のBVCおよびMPデータに関して分析した。
【0306】
実施例69 ラットにおける8−OH−DPATによって誘導される常同症(周期的に前足を踏むこと)の阻害(シナプス後拮抗作用)
A.方法:
8−OH−DPATの皮下注射によってラットにおいて誘導された常同症の前足を踏むことに対する5−HT1Aレセプターアンタゴニストの阻害効果を、以下に記載されるように少し改変して、Tricklebankの方法(Tricklebank et al., Eur. J. Pharmacol., 117:15, 1985)によって評価した。
【0307】
Charles River Italiaによって提供される150〜175gのオスSprague−Dawleyラット(Crl:CD(登録商標)(SD)IGS BR)を使用した。動物を、食料および水へのアクセスを自由にして収容し、22〜24℃の温度で強制的に12時間の明/12時間の暗サイクルについて維持した。実験の日に、ラットを、ビヒクルまたは試験される化合物の投与の10〜15分前に、透明なプラスチック容器に別々に配置した。経口投与後の拮抗作用活性の評価のために、化合物を、8−OH−DPAT(1mg/kg皮下)による常同症の誘導の1時間および4時間前に投与した。観察期間は、30秒続き、8−OH−DPAT処置の3分後に始まり、15分間にわたって3分ごとに繰り返した。
【0308】
5−HT1Aレセプターのシナプス後刺激によって誘導される症状の外観を注意し、そして強度を、0=なし、1=あいまい、2=存在、および3=強力、の強度スケールを使用してスコアリングした。処置されたラットについての行動スコアを、観察時間(5回の観察期間)にわたって蓄積し、4匹のラット/用量の平均値として表した。コントロール(ビヒクル)群との比較で処置された動物の平均値における変化(パーセント阻害として表される)を使用して、拮抗作用活性を定量化した。
【0309】
B.結果:
結果を第3表に示す。
【0310】
本発明の化合物、特にEx.45は、8−OH−DPATによって誘導される常同症の強力かつ長期の阻害を示した。
【0311】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

[ここで、
Rは、水素原子、またはハロゲン原子ならびに(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルチオ、ヒドロキシ、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ニトロ、アミノ、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、アシルアミノ、(C−C)−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニルおよびN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基より選択される1つ以上の置換基を示し;
は、水素原子、またはシクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ(aralkoxy)、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロシクロアルコキシ基より選択される1つ以上の置換基を示し、各基は、必要に応じて、上に定義されるような1つ以上の置換基Rで置換され;
Qは、式−C(O)−、−CH(OH)−、または−CH(OR)−の基を示し、ここで、Rは、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニルまたはシクロアルキル基を示し、これらの各々は、必要に応じて、RおよびRより選択される1つ以上の基で置換され、ここで、Rは、ハロゲン原子または(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、シアノ、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルコキシアルキル、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、またはN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル基を示し、そしてRは、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルコキシ、またはヘテロアリールアルコキシ基を示し、これらの各々は、必要に応じて、上に定義されるようなR基で置換されるか、またはRは、式−C(O)−(C−C)−アルキル、−C(O)O−(C−C)−アルキル、−C(O)NR、または−C(S)NRの基を示し、ここで、RおよびRの各々は、独立して、水素原子または(C−C)−アルキル基を示し;
は、水素原子、または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、シクロアルキル、アリールもしくは複素環式基を示し、各基は、必要に応じて、上に定義されるような1つ以上の置換基RまたはRで置換され;
は、アリールまたは複素環式基を示し、各々は、必要に応じて上に定義されるように1つ以上の置換基Rで置換され;
Aは、結合またはメチレンもしくはエチレン基を示し;そして
n=1または2である、
ただし、同時に、Qが、C(O)−または−CH(OH)−を示し;Rが水素原子または1つ以上のハロゲン原子もしくはアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ−アルキルアミノ基を示し;Rは、水素原子、非置換フェニル基、あるいは1つ以上のハロゲン原子またはアルキルまたはアルコキシ基で置換されたフェニル基を示し;Rは、非置換アリールまたはヘテロアリール基、あるいは1つ以上のハロゲン原子またはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、−CONRもしくは−NHSO−アルキル基で置換されたアリールまたはヘテロアリール基を示し;そして、Rは、非置換アリールまたはヘテロアリール基、あるいは1つ以上のハロゲン原子またはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニル、ハロフェニル、アルキルフェニルもしくはアルコキシフェニル基で置換されたアリールまたはヘテロアリール基を示す化合物を除く;
ただし、同時に、Qが、C(O)−または−CH(OH)−を示し;Rが、水素もしくはハロゲン原子、またはアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アルキルチオ、アルケニルもしくはアルキニル基を示し;Rは、水素原子、またはシクロアルキルもしくはアルキルシクロアルキル基を示し;Rは、非置換アリールもしくはヘテロアリール基、あるいは1〜3のハロゲン原子、またはアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アルキルチオ、アルケニルもしくはアルキニル基で置換されたアリールまたはヘテロアリール基を示し;そしてRは、非置換フェニル、ナフチル、またはシクロアルキル基、あるいは、1つまたは2つのハロゲン原子、またはアルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アルキルチオ、アルケニル、もしくはアルキニル基で置換されたフェニル、ナフチルまたはシクロアルキル基を示す、化合物はさらに除く]
を有する化合物、
あるいは、そのエナンチオマー、光学異性体、ジアステレオマー、N−オキシド(例えば、N−ピペラジンオキシド)、結晶形態(crystalline form)、水和物、溶媒和物、または薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式Iを有する化合物であって、ここで、R、R、R、R、Q、Aおよびnが、請求項1に定義される通りであり、ただし、Qが式−C(O)−または−CH(OH)−の基を示し、そしてRがシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基を示す場合、
Rは、1つ以上のヒドロキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジアルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルまたはN,N−ジアルキルアミノスルホニル基を示す。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、
Rは、1つ以上のヒドロキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、アシルアミノ、(C−C)−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニル、およびN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基を示し;または
は、非置換のアリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルコキシ基、あるいは、1つ以上の(C−C)−アルキルチオ、ヒドロキシ、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、アシルアミノ、(C−C)−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニルもしくはN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基で置換された、アリールオキシ、アラルキル、アラルアルコキシ(aralalkoxy)、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシ、アリール、複素環式またはシクロアルキル基を示す。
【請求項4】
Rが、水素もしくはハロゲン原子、または(C−C)−ハロアルコキシ、シアノ、N,N−ジ−(C−C)−アミノカルボニルもしくは(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル基を示す、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
Rが、水素もしくはフッ素原子またはトリフルオロメトキシ、シアノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルもしくはメトキシメチル基を示す、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
置換基Rがフェニル基の2位に結合する、請求項4または5に記載の化合物。
【請求項7】
が、水素原子または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル基を示し、各基が、必要に応じて、請求項1に定義されるような1つ以上の置換基RまたはRで置換される、請求項1、2または4〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
が、水素原子、またはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ビニル、アリル、プロプ-1-エニル、1−メチルビニル、2−メチルアリル、エチニルもしくはプロプ−1−イニル基を示す、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
がシクロヘキシルまたは2−チエニル基を示す、請求項1、2または4〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
が、非置換複素環式基、あるいは1つ以上のハロゲン原子または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、もしくは(C−C)−ハロアルコキシ基で置換されたフェニル基を示す、請求項1、2または4〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
が、5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)、4−インドリル、8−キノリル、2−メトキシフェニル、2,6−ジメチルフェニル、4−フルオロ−2−メトキシフェニルまたは2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル基を示す、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
Qが、式−C(O)−、−CH(OH)−、−CH(OR)−、−CH(O−C(O)−(C−C)−アルキル)、−CH(O−C(O)O−(C−C)−アルキル)、−CH(O−C(O)NR)または−CH(O−C(S)NRの基を示し、ここで、Rが、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、または(C−C)−アルキニル基を示し、RおよびRの各々が、独立して、水素原子または(C−C)−アルキル基を示す、請求項1、2または4〜11のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
Qが、カルボニル、ヒドロキシメチレン、メトキシメチレン、エトキシメチレン、プロポキシメチレン、アリルオキシメチレン、プロプ−2−イニルオキシメチレン、アセトキシメチレン、メトキシカルボニルオキシメチレン、アミノカルボニルオキシメチレン、N−エチルアミノカルボニルオキシメチレン、またはN−メチルアミノチオカルボニルオキシメチレン基を示す、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
・1−[4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシブチル]−4−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル]−ピペラジン;
・1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[4−オキソ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンチル]−ピペラジン;
・1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[4−ヒドロキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンチル]−ピペラジン;
・ 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−オキソ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンチル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−ヒドロキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンチル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−ヒドロキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ヘキシル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−ヒドロキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ヘキシ−5−エニル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−ヒドロキシ−5−メチル−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ヘキシル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−メトキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−5−ヘキセニル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ヘプチル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ペンチル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[(4−プロポキシ−3−フェニル)−ヘプチル]−ピペラジン;
・1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−オキソ−ブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・(RS,SR)−1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・(RS)−1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・(SR)−1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−オキソブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−(4−シクロヘキシル−4−メトキシ−3−フェニルブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−(4−シクロヘキシル−4−メトキシ−3−フェニルブチル)−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−(4−シクロヘキシル−4−エトキシ−3−フェニルブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−(4−シクロヘキシル−4−エトキシ−3−フェニルブチル)−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−(4−アリルオキシ−4−シクロヘキシル−3−フェニルブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−(4−アリルオキシ−4−シクロヘキシル−3−フェニルブチル)−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−(4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロパルギルオキシブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−(4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロパルギルオキシブチル)−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−(4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロポキシブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘキシル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプチル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘキシ−5−エニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−3−フェニルヘキシル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルペンチル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−5−イニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−5−エニル)−ピペラジン;
・(E,Z)−1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ヘプト−5−エニル]−ピペラジン(上部TLCrfジアステレオマー);
・(E,Z)−1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ヘプト−5−エニル]−ピペラジン(上部TLCrfジアステレオマー);
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘキシ−5−イニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−6−エニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−6−メチル−3−フェニルヘプト−5−エニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−6−メチル−3−フェニルヘプチル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルブチル)−ピペラジン;
・(RS,SR)−1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルペンチル)−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−4−オキソブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−4−ヒドロキシブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−4−オキソブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−4−ヒドロキシブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−[3−(2−シアノフェニル)−4−オキソペンチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−4−オキソブチル]−4−(4−インドリル)−ピペラジン;
・(RS,SR)1−[4−アセトオキシ−4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−ブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・(RS,SR)1−[4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシカルボニルオキシブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・(RS,SR)1−[4−シクロヘキシル−4−エチルアミノカルボニルオキシ−3−(2−フルオロフェニル)−ブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・(RS,SR)1−[4−アミノカルボニルオキシ−4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−ブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−5,5−ジメチル−3−フェニルヘキシル)−ピペラジン;
・1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−5−イニル)−ピペラジン;
・(E,Z)−1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−5−エニル)−ピペラジン;
・(E)−1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−5−エニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−3−フェニルヘキシ−5−エニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−6−メチル−3−フェニルヘプト−6−エニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−4−(2−チエニル)−3−フェニルブチル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルオクチル)−ピペラジン;
・1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−(4−メトキシ−3−フェニルヘプト−5−イニル)−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−3−(2−メトキシメチルフェニル)−4−オキソブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−(2−メトキシメチルフェニル)−ブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−シクロヘキシル−3−(2−メトキシメチルフェニル)−4−オキソブチル]−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−(2−メトキシメチルフェニル)−ブチル]−4−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)−ピペラジン;および
・(RS,SR)1−[4−シクロヘキシル−4−メチルアミノチオカルボニルオキシ−3−(2−フルオロフェニル)−ブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン、
の1つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
薬学的に許容される希釈液、賦形剤または担体との混合物中に、請求項1〜14のいずれかに記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれかに記載の化合物または請求項15に記載の組成物の有効量を哺乳動物に投与することを包含する、このような処置が必要な哺乳動物における膀胱収縮の頻度を減少させるための方法。
【請求項17】
請求項1〜14のいずれかに記載の化合物または請求項15に記載の組成物の有効量を哺乳動物に投与することを包含する、このような処置が必要な哺乳動物における下部尿路の神経筋機能不全を処置するための方法。
【請求項18】
前記哺乳動物がヒトである、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記化合物または組成物が、経口、腸内、静脈内、筋肉内、皮下、経粘膜、経皮を介してか、または吸入経路によって投与される、請求項16〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記化合物または組成物が、抗ムスカリン薬またはαアンタゴニストと組み合わせて投与される、請求項16〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記抗ムスカリン薬がオキシブチニン、トルテロジン(tolterodine)、ダリフェナシン(darifenacin)またはテミベリン(temiverine)である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記αアンタゴニストが、プラゾシン(prazosin)、ドキサゾシン(doxazosin)、テラゾシン、アルフゾシン(alfuzosin)、またはタムスロシン(tamsulosin)である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物または請求項15に記載の化合物の有効量を5−HT1Aセロトニン作動性レセプターの環境に送達することを包含する、セロトニン作動性機能不全によって引き起こされる中枢神経系の障害を処置するための方法。
【請求項24】
前記化合物または組成物が体外経路を介して送達される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記化合物または組成物が、5−HT1Aセロトニン作動性レセプターを有する哺乳動物に前記化合物を投与することにより送達される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】

【化2】

[ここで、
Mは、基
【化3】

を示し、
Rは、水素、または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルチオ、ヒドロキシ、ハロ、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ニトロ、アミノ、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、アシルアミノ、(C−C)−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニルおよびN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基からなる群より選択される1つ以上の置換基を示し;
は、水素、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ(aralkoxy)、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロシクロアルコキシ基からなる群より選択されるメンバーを示し、各基は、必要に応じて、上に定義されるような1つ以上の置換基Rで置換され;
Qは、式−C(O)−または−CH(OR)−を示し、ここで、Rは、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニルおよびシクロアルキル基からなる群より選択されるメンバーを示し、各基は、必要に応じて、RおよびRより選択される1つ以上の基で置換され、ここで、Rは、ハロ、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、シアノ、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルコキシアルキル、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル基からなる群より選択され、そしてRは、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルコキシ、およびヘテロアリールアルコキシ基からなる群より選択され、これらの各々は、必要に応じてRで置換されるか、またはRは、−C(O)−(C−C)−アルキル、−C(O)O−(C−C)−アルキル、−C(O)NR、または−C(S)NRを示し、ここで、RおよびRは、独立して、水素または(C−C)−アルキル基であり;
は、水素、または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、シクロアルキル、アリールもしくは複素環式基を示し、各基は、必要に応じて、上に定義されるような1つ以上の置換基RまたはRで置換され;
aは、同じであっても異なっていてもよい(C−C)−アルキル基を示すか、または一緒になって、3〜5炭素のアルキレン鎖を形成し;そして
n=0または1であり、
ただし、同時に、Qが、C(O)−を示し;Mが−CHOを示し;Rが水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、アルキルチオ、アルケニル、またはアルキニルを示し;Rは、水素、または非置換シクロアルキル、またはアルキルで置換されたシクロアルキルを示し;そしてRは、非置換フェニル、非置換ナフチルまたは非置換シクロアルキル基、あるいはアルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アルキルチオ、アルケニル、およびアルキニル基からなる群より選択される1または2の置換基で置換されたフェニル、ナフチル、またはシクロアルキルを示す、化合物を除く]
によって示される化合物。
【請求項27】

【化4】

[ここで、
Wは、基
【化5】

を示し、
Rは、水素、または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルチオ、ヒドロキシ、ハロ、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ニトロ、アミノ、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、アシルアミノ、(C−C)−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニルおよびN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基からなる群より選択される1つ以上の置換基を示し;
は、水素、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ(aralkoxy)、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロシクロアルコキシ基からなる群より選択されるメンバーを示し、各基は、必要に応じて、上に定義されるような1つ以上の置換基Rで置換され;
Zは、−CHO、シアノ、または−OH(OR基を示し、
【化6】

は、単結合または二重結合を示し、
aは、同じであっても異なっていてもよい(C−C)−アルキル基を示すか、または一緒になって、3〜5炭素のアルキレン鎖を形成し;そして
Lは、アリールまたは複素環式基を示し、各基は、必要に応じて、上に定義される1つ以上の置換基Rで置換され;
Aは、結合または(CHを示し;そして
n=0または1である]
によって示される化合物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

[ここで、
Rは、水素原子、またはハロゲン原子ならびに(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルチオ、ヒドロキシ、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ニトロ、アミノ、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、アシルアミノ、(C−C)−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニルおよびN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基より選択される1つ以上の置換基を示し;
は、水素原子、またはシクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ(aralkoxy)、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロシクロアルコキシ基より選択される1つ以上の置換基を示し、各基は、必要に応じて、上に定義されるような1つ以上の置換基Rで置換され;
Qは、式−C(O)−、−CH(OH)−、または−CH(OR)−の基を示し、ここで、Rは、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニルまたはシクロアルキル基を示し、これらの各々は、必要に応じて、RおよびRより選択される1つ以上の基で置換され、ここで、Rは、ハロゲン原子または(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、シアノ、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルコキシアルキル、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、またはN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル基を示し、そしてRは、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルコキシ、またはヘテロアリールアルコキシ基を示し、これらの各々は、必要に応じて、上に定義されるようなR基で置換されるか、またはRは、式−C(O)−(C−C)−アルキル、−C(O)O−(C−C)−アルキル、−C(O)NR、または−C(S)NRの基を示し、ここで、RおよびRの各々は、独立して、水素原子または(C−C)−アルキル基を示し;
は、水素原子、または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、シクロアルキル、アリールもしくは複素環式基を示し、各基は、必要に応じて、上に定義されるような1つ以上の置換基RまたはRで置換され;
は、アリールまたは複素環式基を示し、各々は、必要に応じて上に定義されるように1つ以上の置換基Rで置換され;
Aは、結合またはメチレンもしくはエチレン基を示し;そして
n=1または2である、
ただし、同時に、Qが、C(O)−または−CH(OH)−を示し;Rが水素原子または1つ以上のハロゲン原子もしくはアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ−アルキルアミノ基を示し;Rは、水素原子、非置換フェニル基、あるいは1つ以上のハロゲン原子またはアルキルまたはアルコキシ基で置換されたフェニル基を示し;Rは、非置換アリールまたはヘテロアリール基、あるいは1つ以上のハロゲン原子またはアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、−CONRもしくは−NHSO−アルキル基で置換されたアリールまたはヘテロアリール基を示し;そして、Rは、非置換アリールまたはヘテロアリール基、あるいは1つ以上のハロゲン原子またはアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニル、ハロフェニル、アルキルフェニルもしくはアルコキシフェニル基で置換されたアリールまたはヘテロアリール基を示す化合物を除く;
ただし、同時に、Qが、C(O)−または−CH(OH)−を示し;Rが、水素もしくはハロゲン原子、またはアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アルキルチオ、アルケニルもしくはアルキニル基を示し;Rは、水素原子、またはシクロアルキルもしくはアルキルシクロアルキル基を示し;Rは、非置換アリールもしくはヘテロアリール基、あるいは1〜3のハロゲン原子、またはアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アルキルチオ、アルケニルもしくはアルキニル基で置換されたアリールまたはヘテロアリール基を示し;そしてRは、非置換フェニル、ナフチル、またはシクロアルキル基、あるいは、1つまたは2つのハロゲン原子、またはアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アルキルチオ、アルケニル、もしくはアルキニル基で置換されたフェニル、ナフチルまたはシクロアルキル基を示す、化合物はさらに除く]
を有する化合物、
あるいは、そのエナンチオマー、光学異性体、ジアステレオマー、N−オキシド(例えば、N−ピペラジンオキシド)、結晶形態(crystalline form)、水和物、溶媒和物、または薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式Iを有する化合物であって、ここで、R、R、R、R、Q、Aおよびnが、請求項1に定義される通りであり、ただし、Qが式−C(O)−または−CH(OH)−の基を示し、そしてRがシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基を示す場合、
Rは、1つ以上のヒドロキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジアルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルまたはN,N−ジアルキルアミノスルホニル基を示す。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、
Rは、1つ以上のヒドロキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、アシルアミノ、(C−C)−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニル、およびN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基を示し;または
は、非置換のアリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルコキシ基、あるいは、1つ以上の(C−C)−アルキルチオ、ヒドロキシ、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、アシルアミノ、(C−C)−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニルもしくはN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基で置換された、アリールオキシ、アラルキル、アラルアルコキシ(aralalkoxy)、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシ、アリール、複素環式またはシクロアルキル基を示す。
【請求項4】
Rが、水素もしくはハロゲン原子、または(C−C)−ハロアルコキシ、シアノ、N,N−ジ−(C−C)−アミノカルボニルもしくは(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル基を示す、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
Rが、水素もしくはフッ素原子またはトリフルオロメトキシ、シアノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルもしくはメトキシメチル基を示す、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
置換基Rがフェニル基の2位に結合する、請求項4または5に記載の化合物。
【請求項7】
が、水素原子または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル基を示し、各基が、必要に応じて、請求項1に定義されるような1つ以上の置換基RまたはRで置換される、請求項1、2または4〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
が、水素原子、またはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ビニル、アリル、プロプ-1-エニル、1−メチルビニル、2−メチルアリル、エチニルもしくはプロプ−1−イニル基を示す、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
がシクロヘキシルまたは2−チエニル基を示す、請求項1、2または4〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
が、非置換複素環式基、あるいは1つ以上のハロゲン原子または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、もしくは(C−C)−ハロアルコキシ基で置換されたフェニル基を示す、請求項1、2または4〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
が、5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)、4−インドリル、8−キノリル、2−メトキシフェニル、2,6−ジメチルフェニル、4−フルオロ−2−メトキシフェニルまたは2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル基を示す、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
Qが、式−C(O)−、−CH(OH)−、−CH(OR)−、−CH(O−C(O)−(C−C)−アルキル)、−CH(O−C(O)O−(C−C)−アルキル)、−CH(O−C(O)NR)または−CH(O−C(S)NRの基を示し、ここで、Rが、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、または(C−C)−アルキニル基を示し、RおよびRの各々が、独立して、水素原子または(C−C)−アルキル基を示す、請求項1、2または4〜11のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
Qが、カルボニル、ヒドロキシメチレン、メトキシメチレン、エトキシメチレン、プロポキシメチレン、アリルオキシメチレン、プロプ−2−イニルオキシメチレン、アセトキシメチレン、メトキシカルボニルオキシメチレン、アミノカルボニルオキシメチレン、N−エチルアミノカルボニルオキシメチレン、またはN−メチルアミノチオカルボニルオキシメチレン基を示す、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
・1−[4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシブチル]−4−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル]−ピペラジン;
・1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[4−オキソ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンチル]−ピペラジン;
・1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[4−ヒドロキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンチル]−ピペラジン;
・ 1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−オキソ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンチル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−ヒドロキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ペンチル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−ヒドロキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ヘキシル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−ヒドロキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ヘキシ−5−エニル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−ヒドロキシ−5−メチル−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−ヘキシル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−メトキシ−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−5−ヘキセニル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ヘプチル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ペンチル]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[(4−プロポキシ−3−フェニル)−ヘプチル]−ピペラジン;
・1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−オキソ−ブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・(RS,SR)−1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・(RS)−1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・(SR)−1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−オキソブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−[3−(2−シアノフェニル)−4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−(4−シクロヘキシル−4−メトキシ−3−フェニルブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−(4−シクロヘキシル−4−メトキシ−3−フェニルブチル)−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−(4−シクロヘキシル−4−エトキシ−3−フェニルブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−(4−シクロヘキシル−4−エトキシ−3−フェニルブチル)−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−(4−アリルオキシ−4−シクロヘキシル−3−フェニルブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−(4−アリルオキシ−4−シクロヘキシル−3−フェニルブチル)−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−(4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロパルギルオキシブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−(4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロパルギルオキシブチル)−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−(4−シクロヘキシル−3−フェニル−4−プロポキシブチル)−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘキシル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプチル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘキシ−5−エニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−3−フェニルヘキシル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルペンチル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−5−イニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−5−エニル)−ピペラジン;
・(E,Z)−1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ヘプト−5−エニル]−ピペラジン(上部TLCrfジアステレオマー);
・(E,Z)−1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−[(4−メトキシ−3−フェニル)−ヘプト−5−エニル]−ピペラジン(上部TLCrfジアステレオマー);
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘキシ−5−イニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−6−エニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−6−メチル−3−フェニルヘプト−5−エニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−6−メチル−3−フェニルヘプチル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルブチル)−ピペラジン;
・(RS,SR)−1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルペンチル)−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−4−オキソブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−4−ヒドロキシブチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−4−オキソブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−3−(2−ジメチルアミノカルボニルフェニル)−4−ヒドロキシブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−[3−(2−シアノフェニル)−4−オキソペンチル]−4−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−4−オキソブチル]−4−(4−インドリル)−ピペラジン;
・(RS,SR)1−[4−アセトオキシ−4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−ブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・(RS,SR)1−[4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシカルボニルオキシブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・(RS,SR)1−[4−シクロヘキシル−4−エチルアミノカルボニルオキシ−3−(2−フルオロフェニル)−ブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・(RS,SR)1−[4−アミノカルボニルオキシ−4−シクロヘキシル−3−(2−フルオロフェニル)−ブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−5,5−ジメチル−3−フェニルヘキシル)−ピペラジン;
・1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−5−イニル)−ピペラジン;
・(E,Z)−1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−5−エニル)−ピペラジン;
・(E)−1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルヘプト−5−エニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−3−フェニルヘキシ−5−エニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−6−メチル−3−フェニルヘプト−6−エニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−4−(2−チエニル)−3−フェニルブチル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルオクチル)−ピペラジン;
・1−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−(4−メトキシ−3−フェニルヘプト−5−イニル)−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−3−(2−メトキシメチルフェニル)−4−オキソブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−(2−メトキシメチルフェニル)−ブチル]−4−(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン;
・1−[5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)]−4−[4−シクロヘキシル−3−(2−メトキシメチルフェニル)−4−オキソブチル]−ピペラジン;
・1−[4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−(2−メトキシメチルフェニル)−ブチル]−4−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)−ピペラジン;および
・(RS,SR)1−[4−シクロヘキシル−4−メチルアミノチオカルボニルオキシ−3−(2−フルオロフェニル)−ブチル]−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン、
の1つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
薬学的に許容される希釈液、賦形剤または担体との混合物中に、請求項1〜14のいずれかに記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれかに記載の化合物または請求項15に記載の組成物の有効量を哺乳動物に投与することを包含する、このような処置が必要な哺乳動物における膀胱収縮の頻度を減少させるための方法。
【請求項17】
請求項1〜14のいずれかに記載の化合物または請求項15に記載の組成物の有効量を哺乳動物に投与することを包含する、このような処置が必要な哺乳動物における下部尿路の神経筋機能不全を処置するための方法。
【請求項18】
前記哺乳動物がヒトである、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記化合物または組成物が、経口、腸内、静脈内、筋肉内、皮下、経粘膜、経皮を介してか、または吸入経路によって投与される、請求項16〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記化合物または組成物が、抗ムスカリン薬またはαアンタゴニストと組み合わせて投与される、請求項16〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記抗ムスカリン薬がオキシブチニン、トルテロジン(tolterodine)、ダリフェナシン(darifenacin)またはテミベリン(temiverine)である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記αアンタゴニストが、プラゾシン(prazosin)、ドキサゾシン(doxazosin)、テラゾシン、アルフゾシン(alfuzosin)、またはタムスロシン(tamsulosin)である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物または請求項15に記載の化合物の有効量を5−HT1Aセロトニン作動性レセプターの環境に送達することを包含する、セロトニン作動性機能不全によって引き起こされる中枢神経系の障害を処置するための方法。
【請求項24】
前記化合物または組成物が体外経路を介して送達される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記化合物または組成物が、5−HT1Aセロトニン作動性レセプターを有する哺乳動物に前記化合物を投与することにより送達される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】

【化2】

[ここで、
Mは、基
【化3】

を示し、
Rは、水素、または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルチオ、ヒドロキシ、ハロ、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ニトロ、アミノ、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、アシルアミノ、(C−C)−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニルおよびN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基からなる群より選択される1つ以上の置換基を示し;
は、水素、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ(aralkoxy)、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロシクロアルコキシ基からなる群より選択されるメンバーを示し、各基は、必要に応じて、上に定義されるような1つ以上の置換基Rで置換され;
Qは、式−C(O)−または−CH(OR)−を示し、ここで、Rは、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニルおよびシクロアルキル基からなる群より選択されるメンバーを示し、各基は、必要に応じて、RおよびRより選択される1つ以上の基で置換され、ここで、Rは、ハロ、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、シアノ、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルコキシアルキル、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル基からなる群より選択され、そしてRは、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルコキシ、およびヘテロアリールアルコキシ基からなる群より選択され、これらの各々は、必要に応じてRで置換されるか、またはRは、−C(O)−(C−C)−アルキル、−C(O)O−(C−C)−アルキル、−C(O)NR、または−C(S)NRを示し、ここで、RおよびRは、独立して、水素または(C−C)−アルキル基であり;
は、水素、または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、シクロアルキル、アリールもしくは複素環式基を示し、各基は、必要に応じて、上に定義されるような1つ以上の置換基RまたはRで置換され;
aは、同じであっても異なっていてもよい(C−C)−アルキル基を示すか、または一緒になって、3〜5炭素のアルキレン鎖を形成し;そして
n=0または1であり、
ただし、同時に、Qが、C(O)−を示し;Mが−CHOを示し;Rが水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、アルキルチオ、アルケニル、またはアルキニルを示し;Rは、水素、または非置換シクロアルキル、またはアルキルで置換されたシクロアルキルを示し;そしてRは、非置換フェニル、非置換ナフチルまたは非置換シクロアルキル基、あるいはアルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アルキルチオ、シクロアルキル、アルケニル、およびアルキニル基からなる群より選択される1または2の置換基で置換されたフェニル、ナフチル、またはシクロアルキルを示す、化合物を除く]
によって示される化合物。
【請求項27】

【化4】

[ここで、
Wは、基
【化5】

を示し、
Rは、水素、または(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルチオ、ヒドロキシ、ハロ、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ニトロ、アミノ、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、アシルアミノ、(C−C)−アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C−C)−アルキルアミノスルホニル、シアノ、アミノカルボニル、N−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、N,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、ホルミル、アルカノイルオキシアルキル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルアミノ、(C−C)−アルキルスルフィニル、(C−C)−アルキルスルホニルおよびN,N−ジ−(C−C)−アルキルアミノスルホニル基からなる群より選択される1つ以上の置換基を示し;
は、水素、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ(aralkoxy)、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロシクロアルコキシ基からなる群より選択されるメンバーを示し、各基は、必要に応じて、上に定義されるような1つ以上の置換基Rで置換され;
Zは、−CHO、シアノ、または−OH(OR基を示し、
【化6】

は、単結合または二重結合を示し、
aは、同じであっても異なっていてもよい(C−C)−アルキル基を示すか、または一緒になって、3〜5炭素のアルキレン鎖を形成し;そして
Lは、アリールまたは複素環式基を示し、各基は、必要に応じて、上に定義される1つ以上の置換基Rで置換され;
Aは、結合または(CHを示し;そして
n=0または1である]
によって示される化合物。

【公表番号】特表2006−502102(P2006−502102A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−513275(P2004−513275)
【出願日】平成15年6月16日(2003.6.16)
【国際出願番号】PCT/EP2003/006289
【国際公開番号】WO2003/106443
【国際公開日】平成15年12月24日(2003.12.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
WINDOWS
【出願人】(504457485)レコルダチ アイルランド リミティッド (2)
【Fターム(参考)】