説明

3−アミノ−2−アリールプロピルアザインドールおよびその使用

本発明は、式I(式中、p、Ar、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)で示される化合物、または薬学的に許容され得るその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供する。また、医薬組成物、該化合物の使用方法および製造方法も提供する。該化合物は、モノアミン再取込み阻害剤に関連する疾患の処置に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I:
【0002】
【化20】

【0003】
[式中、
pは、1または2であり;
Arは、
それぞれが場合により置換される、ピロロピリジン−1−イル、ピロロピリジン−2−イル、およびピロロピリジン−3−からなる群から選択されるピロロピリジニル;
それぞれが場合により置換される、ピロロピリジン−1−イルN−オキシド、ピロロピリジン−2−イルN−オキシド、およびピロロピリジン−3−イルN−オキシドからなる群から選択されるピロロピリジニルN−オキシド;または
それぞれが場合により置換される、ピロロピリミジン−5−イル、ピロロピリミジン−6−イル、およびピロロピリミジン−7−イルからなる群から選択されるピロロピリミジニル;
であり、
は、
(a)それぞれが場合により置換される、フェニルおよびナフチルから選択されるアリール;
(b)それぞれが場合により置換される、インドリル、ピリジニル、チエニル、フラニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、キノリニルおよびイソキノリニルから選択されるヘテロアリール;
(c)場合により置換されるアリールアルキル;
(d)場合により置換されるヘテロアリールアルキル;
(e)シクロアルキル;
(f)シクロアルキルメチル;もしくは
(g)分枝状アルキル;
であり、
は、
(a)水素;
(b)アルキル;
(c)ヒドロキシアルキル;
(d)アルコキシアルキル;
(e)ベンジル;
であるか、
または、Rは、窒素原子をArの環炭素原子の1個につなぐ結合であり;
は、
(a)水素;
(b)アルキル;
(c)ヒドロキシアルキル;
(d)アルコキシアルキル;
(e)ベンジル;であるか、
(f)または、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される更なるヘテロ原子を場合により含む、場合により置換される4〜7員環を形成していてもよく;
は、
水素;
フルオロ;もしくは
アルキル;
であり、
は、
水素;
アルキル;
ヒドロキシ;
アルコキシ;
フルオロ;もしくは
ヒドロキシアルキル;
であるか、
または、RおよびRの一方が、RおよびRの一方ならびにそれらが結合する原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される更なるヘテロ原子を場合により含む、5または6員環を形成してもよく;
およびRは、それぞれ独立して、
水素;もしくは
アルキル;
であるか、
または、RおよびRは、一緒になって、=O、=S、もしくは=NR(式中、Rは、水素、アルキルまたは−ORであり、ここで、Rは、水素またはアルキルである)を形成するか;
または、RおよびRの一方は、RおよびRの一方ならびにそれらが結合する原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される更なるヘテロ原子を場合により含む、4〜6員環を形成してもよく;
は、水素またはアルキルである]
で示される3−アミノ−1−アリールプロピル置換されるヘテロアリール化合物または薬学的に許容され得るその塩に関する。
【0004】
特に、本発明の化合物は、モノアミン再取込み阻害剤に関連する疾患の処置に有用である。
【0005】
本発明は、医薬組成物、前述の化合物の使用方法および製造方法も提供する。
【0006】
モノアミン欠乏は、長い間、うつ病、不安、および他の障害に結び付けられてきた(例えば、Charney et al., J. Clin. Psychiatry (1998)59, 1-14; Delgado et al., J. Clin. Psychiatry (2000) 67, 7-11; Resser et al., Depress. Anxiety (2000) 12(Suppl 1)2-19;および Hirschfeld et al., J. Clin. Psychiatry (2000) 61, 4-6を参照されたい)。特に、セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)およびノルエピネフリンは、気分調節において、大切な役割を担う重要な調節的神経伝達物質として認識されている。選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI、例えば、フルオキセチン、セルトラリン、パロキセチン、フルボキサミン、シタロプラムおよびエスシタロプラム)が、うつ病的障害の処置を提供してきた(Masand et al., Harv. Rev. Psychiatry (1999) 7, 69-84)。ノルアドレナリンまたはノルエピネフリン再取込み阻害剤(例えば、レボキセチン、アトモキセチン、デスプラミンおよびノルトリプチリン)が、うつ病、注意欠陥および過敏性障害の有効な処置を提供してきた(Scates et al., Ann Pharmacother. (2000) 34, 1302-1312; Tatsumi et al., Eur. J. Pharmacol. (1997)340, 249-258)。
【0007】
セロトニンおよびノルエピネフリン神経伝達の増強は、セロトニンのみ、またはノルエピネフリン単独の神経伝達の増強に比較して、うつ病的および不安的障害の薬理療法において、相乗的であると認識されている(Thase et al., Br. J. Psychiatry (2000) 178, 234, 241; Tran et al., J. Clin. Psychopharmacology (2003) 23, 78-86)。セロトニンおよびノルエピネフリン両者の二重再取り込み阻害剤(例えば、デュロキセチン、ミルナシプランおよびベンラファキシン)は、現在、うつ病的および不安的障害の処置の開発下にある(Mallinckrodt et al., J. Clin. Psychiatry (2003) 5(1)) 19-28; Bymaster et al., Expert Opin. Investig. Drugs (2003) 12(4) 531-543)。セロトニンおよびノルエピネフリンの二重再取り込み阻害剤は、精神分裂症、および他の精神病、ジスキネジー、薬物依存(drug addition)、認知障害、アルツハイマー病、強迫的行動、注意欠陥障害、パニックアタック、社会恐怖症、摂食障害(例えば、肥満、食欲不振、大食および「過食症」)、ストレス、高血糖、高脂血症、非インスリン依存性糖尿病、発作性障害(例えば、てんかん)に関する潜在的処置、ならびに発作、脳傷害、脳虚血、頭部外傷および出血(haemorrhage)に起因する神経損傷に関連する状態の処置を提供する。セロトニンおよびノルエピネフリンの二重再取り込み阻害剤は、尿管の障害および疾患状態、ならびに疼痛および炎症のための潜在的処置を提供する。
【0008】
従って、セロトニン再取込み阻害剤、ノルエピネフリン再取込み阻害剤、ならびに/またはセロトニンおよびノルエピネフリンの二重再取り込み阻害剤として効果的である化合物、それらの化合物の製造方法、ならびにうつ病的、不安的、泌尿生殖器的および他の障害の処置におけるそれらの化合物の使用方法が求められている。本発明の化合物は、これらの要求を満たす。
【0009】
他に断りがなければ、明細書および特許請求の範囲を含む、本願に用いられる以下の用語は、以下に示す定義を有する。明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数形の「a」、「an」および「the」は、前後関係が明確に他を示していなければ、複数形も含むことに留意されなければならない。
【0010】
「アゴニスト」は、別の化合物または受容体部位の活性を増加する化合物を指す。
【0011】
「アルキル」は、炭素および水素原子のみからなり、1〜12個の炭素原子を有する、一価直鎖状または分枝状飽和炭化水素部分を意味する。「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子のアルキル基、即ち、C〜Cアルキルを指す。アルキル基の例は、非限定的に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシルなどを含む。「分枝状アルキル」は、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチルなどを意味する。
【0012】
「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の、直鎖状飽和二価炭化水素基、または3〜6個の炭素原子の、分枝状飽和二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなどを意味する。
【0013】
「アルコキシ」は、式:−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキル部分である)で示される部分を意味する。アルコキシ部分の例は、非限定的に、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシなどが含む。
【0014】
「アルコキシアルキル」は、式:−R’−R’’(式中、R’は、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’’は、本明細書に定義されるアルコキシである)で示される部分を意味する。アルコキシアルキル基の例は、例えば、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メチル−2−メトキシエチル、1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピルを含む。
【0015】
「アルキルカルボニル」は、式:−R’−R’’(式中、R’は、オキソであり、R’’は、本明細書に定義されるアルキルである)で示される部分を意味する。
【0016】
「アルキルスルホニル」は、式:−R’−R’’(式中、R’は、−SO−であり、R’’は、本明細書に定義されたアルキルである)で示される部分を意味する。
【0017】
「アルキルスルホニルアルキル」は、式:R−SO−R−(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキルであり、Rは、本明細書に定義されるアルキレンである)で示される部分を意味する。アルキルスルホニルアルキル基の例は、例えば、3−メタンスルホニルプロピル、2−メタンスルホニルエチル、2−メタンスルホニルプロピルなどを含む。
【0018】
「アルキルスルホニルオキシ」は、式:R−SO−O−(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキルである)で示される部分を意味する。
【0019】
「アンタゴニスト」は、別の化合物または受容体部位の作用を減少させるまたは妨げる化合物を指す。
【0020】
「アリール」は、単環式、二環式または三環式芳香族環からなる一価環状芳香族炭化水素部分を意味する。アリール基は、本明細書に定義されるように、場合により置換されてもよい。アリール部分の例は、非限定的に、場合により置換される、フェニル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾキサジニル、ベンゾキサジノニル、ベンゾピペラディニル(benzopiperadinyl)、ベンゾピペラジニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル等を含み、それらの部分水素化誘導体も含む。
【0021】
「アリールオキシ」は、式:−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるアリール部分である)で示される部分を意味する。
【0022】
交換可能に用いられ得る「アリールアルキル」および「アラルキル」は、基:−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレン基であり、Rは、本明細書に定義されるアリール基である)を意味し、例えば、ベンジル、フェニルエチル、3−(3−クロロフェニル)−2−メチルペンチルなどのフェニルアルキルが、アリールアルキルの例である。
【0023】
「アラルコキシ」は、式:−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるアラルキル部分である)で示される部分を意味する。
【0024】
「アザインドール」は、式:
【0025】
【化21】

【0026】
(式中、X、X、XおよびXのいずれか1または2個は、N(アザ)であり、その他は、炭素である)で示される基を意味する。「アザインドール」は、1、2および3位と、窒素ではない4〜7位のいずれかに、ヘテロアリールに関して本明細書に定義されるとおり、場合により置換されていてもよい。よって、アザインドールは、XおよびXがNである、先の式で示される「ピロロピリミジン」;XおよびXがNである、先の式で示される「ピロロピリミジン」;XおよびXがNである、先の式で示される「ピロロピラジン」;XがNである、先の式で示される「ピロロピリジン」;Xが、Nである、先の式で示される「ピロロピリジン」;XがNである、先の式で示される「ピロロピリジン」;ならびにXがNである、先の式で示される「ピロロピリジン」を含む。
【0027】
「シアノアルキル」は、式:−R’−R’’(式中、R’は、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’’は、シアノまたはニトリルである)で示される部分を意味する。
【0028】
「シクロアルキル」は、単環または二環からなる一価飽和炭素環部分を意味する。シクロアルキルは、1個以上の置換基で、場合により置換されていてもよく、各置換基は、他に断りがなければ、独立して、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノである。シクロアルキル部分の例は、非限定的に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどを含み、それらの部分不飽和誘導体を含む。
【0029】
交換可能に用いられ得る「シクロアルキルオキシ」および「シクロアルコキシ」は、式:−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるシクロアルキルである)で示される基を意味する。例示的なシクロアルキルオキシは、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどを含む。
【0030】
「シクロアルキルアルキル」は、式:−R’−R’’(式中、R’は、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’’は、本明細書に定義されるシクロアルキルである)で示される部分を意味する。
【0031】
交換可能に用いられ得る「シクロアルキルアルキルオキシ」および「シクロアルキルアルコキシ」は、式:−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるシクロアルキルアルキルである)で示される基を意味する。例示的なシクロアルキルオキシは、シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキシなどを含む。
【0032】
「ヘテロアルキル」は、分枝状C〜Cアルキルを含む、本明細書に定義されるアルキル基を意味し、ここで、1、2または3個の水素原子が、独立して、−OR、−NRおよび−S(O)(式中、nは、0〜2の整数であり、Rは、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり、RおよびRは、互いに独立して、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり、nが0である場合には、Rは、水素、アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、nが1または2である場合には、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノである)からなる群から選択される置換基で置換され、ヘテロアルキル基の結合点が、炭素原子を介していると理解される。代表的な例は、非限定的に、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピルなどを含む。
【0033】
「ヘテロアリール」は、N、OまたはSから選択される、1、2または3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである、少なくとも1個の芳香族環を有する、5〜12個の環原子の、単環基または二環基を意味し、ヘテロアリール基の結合点は、芳香族環上にあると理解される。ヘテロアリール環は、本明細書に定義されるとおり、場合により置換されていてもよい。ヘテロアリール部分の例は、非限定的に、場合により置換される、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チエニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、インダゾリル、アザインドリル、ピロロピリジン、ピロロピリミジン、イソインドリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニルなどを含み、それらの部分水素化誘導体を含む。
【0034】
交換可能に用いられ得る「ヘテロアリールアルキル」および「ヘテロアラルキル」は、基:−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレン基であり、Rは、本明細書に定義されるヘテロアリール基である)を意味する。
【0035】
交換可能に用いられ得る用語「ハロ」および「ハロゲン」は、置換基:フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを指す。
【0036】
「ハロアルキル」は、1個以上の水素原子が、同一または異なるハロゲンで置換される、本明細書に定義されるアルキルを意味する。例示的なハロアルキルは、−CHCl、−CHCF、−CHCCl、ペルフルオロアルキル(例えば、−CF)などを含む。
【0037】
「ハロアルコキシ」は、式:−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるハロアルキル部分である)で示される部分を意味する。ハロアルコキシ部分の例は、非限定的に、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシなどを含む。
【0038】
「ヒドロキシアルキル」は、ヘテロアルキルの部分集合を指し、詳細には、1個以上の、好ましくは、1、2または3個のヒドロキシ基で置換される、本明細書に定義されるアルキル部分を指し、ただし、同じ炭素原子が、2個以上のヒドロキシ基を担わないことを条件とする。代表的な例は、非限定的に、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチルおよび2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピルなどを含む。
【0039】
「ヘテロシクロアミノ」は、少なくとも1個の環原子が、N、NHまたはN−アルキルであり、残りの環原子が、アルキレン基を形成する飽和環を意味する。
【0040】
「ヘテロシクリル」は、1、2、3または4個のヘテロ原子(窒素、酸素または硫黄から選択される)を組入れる、1〜3個の環からなる、一価飽和部分を意味する。ヘテロシクリル環は、本明細書に定義されるとおり、場合により置換されていてもよい。ヘテロシクリル部分の例は、非限定的に、場合により置換される、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キヌクリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどを含む。
【0041】
「ピロロピリミジン」は、式:
【0042】
【化22】

【0043】
(ピロロ[2,3−d]ピリミジン)、または
【0044】
【化23】

【0045】
(ピロロ[3,2−d]ピリミジン)で示されるヘテロアリールを意味し、本明細書に定義されるとおり、場合により置換されていてもよい。「ピロロピリミジン」は、本明細書に定義される「アザインドール」である。
【0046】
「ピロロピリジン」は、式:
【0047】
【化24】

【0048】
(ピロロ[2,3−b]ピリジン)、
【0049】
【化25】

【0050】
(ピロロ[2,3−c]ピリジン)、
【0051】
【化26】

【0052】
(ピロロ[3,2−c]ピリジン)、または
【0053】
【化27】

【0054】
(ピロロ[3,2−b]ピリジン)で示されるヘテロアリールを意味し、本明細書に定義されるとおり、場合により置換されていてもよい。「ピロロピリジン」は、本明細書に定義される「アザインドール」である。
【0055】
「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」(インドリル(例えば、インドール−1−イル、インドール−2−イルおよびインドール−3−イル)、2,3−ジヒドロインドリル(例えば、2,3−ジヒドロインドール−1−イル、2,3−ジヒドロインドール−2−イルおよび2,3−ジヒドロインドール−3−イル)、インダゾリル(例えば、インダゾール−1−イル、インダゾール−2−イルおよびインダゾール−3−イル)、ベンズイミダゾリル(例えば、ベンゾイミダゾール−1−イルおよびベンズイミダゾール−2−イル)、ベンゾフラニル(例えば、ベンゾフラン−2−イルおよびベンゾフラン−3−イル)、ベンゾチオフェニル(例えば、ベンゾチオフェン−2−イルおよびベンゾチオフェン−3−イル)、ベンゾキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、チエニル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよびキノリニルなど)または「ヘテロシクリル」に関連して用いられる「場合により置換される」は、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、ヘテロアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ベンジルオキシ、シクロアルキルアルキル、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アルキルスルホニルオキシ、場合により置換されるチエニル、場合により置換されるピラゾリル、場合により置換されるピリジニル、モルホリノカルボニル、−(CH−S(O)、−(CH−NR、−(CH−C(=O)−NR、−(CH−C(=O)−C(=O)−NR、−(CH−SO−NR、−(CH−N(R)−C(=O)−R、−(CH−C(=O)−R、または−(CH−N(R)−SO−R(式中、qは、0または1であり、rは、0〜2であり、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素またはアルキルであり、それぞれのRは、独立して、水素、アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシである)から選択される、基1〜4個の置換基、好ましくは、1または2個の置換基で、独立して、場合により置換される、アリール、フェニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルを意味する。
【0056】
「脱離基」は、合成有機化学において、従来からそれに関連する意味を持つ基、即ち、置換反応条件下で、置換され得る原子または基を意味する。脱離基の例は、非限定的に、ハロゲン、アルカン−またはアリーレンスルホニルオキシ、例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ、チエニルオキシ、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されるベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシなどを含む。
【0057】
「モジュラー」は、標的物質と相互作用する分子を意味する。相互作用は、非限定的に、本明細書に定義されるアゴニスト、アンタゴニストなどを含む。
【0058】
「任意の(optinal)」または「場合により」は、次に記載される事象または状況が起こる必要はなく、記述が、その事象または状況が起こる例と起こらない例とを含むことを意味する。
【0059】
「疾患」および「疾患状態」は、いかなる、疾患、状態、徴候、障害または適応症を意味する。
【0060】
「不活性有機溶媒」または「不活性溶媒」は、溶媒が、一緒に記載される反応の条件下で不活性である溶媒を意味し、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジンなどを含む。本発明の反応に用いられる溶媒は、反することが記載されない限り、不活性溶媒である。
【0061】
「薬学的に許容され得る」は、一般に、安全で非毒性であり、生物学的にも、他においても望ましくなくはない医薬組成物を製造するのに有用であることを意味し、動物およびヒトの医薬使用に許容され得ることを包含する。
【0062】
化合物の「薬学的に許容され得る塩」は、本明細書に定義されるとおり薬学的に許容され得て、親化合物の所望の薬理活性を保有する塩を意味する。そのような塩は、
無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)で形成される酸付加塩、もしくは有機酸(例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸など)で形成される酸付加塩;または
親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン(例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、またはアルミニウムイオン)で置換されるか、または有機もしくは無機塩基と配位して形成される塩を含む。許容され得る有機塩基は、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミンなどを含む。許容され得る無機塩基は、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムを含む。
【0063】
好ましい薬学的に許容され得る塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、およびマグネシウムから形成される塩である。
【0064】
薬学的に許容され得る塩の全ての参照が、同じ酸付加塩の、本明細書に定義される、溶媒付加形態(溶媒和物)または結晶形態(多形)を包含することを理解すべきである。
【0065】
交換可能に用いられ得る用語「プロ・ドラッグ」および「プロドラッグ」は、そのようなプロドラッグをほ乳類対象に投与する場合に、式Iで示される活性親薬物をインビボで放出する化合物を指す。式Iで示される化合物のプロドラッグは、式Iで示される化合物中に存在する、1個以上の官能基を修飾することにより製造され、その修飾物がインビボで開裂されて、親化合物を放出することができる。プロドラッグは、式Iで示される化合物中の、ヒドロキシ、アミノ、またはスルフヒドリル基が、インビボで開裂され、それぞれ、遊離ヒドロキシル、アミノ、またはスルフヒドリル基を再生し得る基に結合する、式Iで示される化合物を包含する。プロドラッグの例は、非限定的に、エステル(例えば、酢酸エステル、ギ酸エステルおよび安息香酸エステル誘導体);式Iで示される化合物中のヒドロキシ官能基のカルバマート(例えば、N,N−ジメチルアミノカルボニル);アミノ官能基の、N−アシル誘導体(例えばN−アセチル)、N−Mannich塩基、Schiff塩基およびエナミノン;式Iで示される化合物中のケトンおよびアルデヒド官能基の、オキシム、アセタール、ケタールおよびエノールエステルなどを含む(Bundegaard, H."Design of Prodrugs" p1-92, Elesevier, New York-Oxford(1985)などを参照)。
【0066】
「保護基」または「保護する基」は、合成化学に従来的に関連する意味で、多官能性化合物中の一つの反応部位を選択的に遮断することにより、別の非保護反応部位で化学反応が選択的に行こなわれ得るような基を意味する。本発明の特定の方法は、反応体に存在する、反応性窒素および/酸素原子を遮断する保護基に依拠する。例えば、交換可能に用いられ得る用語「アミノ保護基」および「窒素保護基」は、合成手順の間、窒素原子を望ましくない反応から保護することを意図される有機基を指す。例示的な窒素保護基は、非限定的に、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)などを含む。当業者は、除去を容易し、後の反応に耐える能力のある基を選択する方法を知っている。
【0067】
「溶媒和物」は、化学量論的または非化学量論的量のいずれかの溶媒を含む、溶媒付加形態を意味する。幾つかの化合物は、結晶固体状態で、一定モル比の溶媒分子を捕らえる傾向があり、こうして溶媒和物を形成する。溶媒が水であれば、形成する溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールであれば、形成する溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1分子以上の水と1分子の物質との組み合わせにより形成され、ここで、水が、H2Oとして、分子状態を保持し、そのような組み合わせは、一以上の水和物を形成しうる。
【0068】
「対象」は、ほ乳類および非ほ乳類を意味する。ほ乳類は、非限定的に、ヒト;非ヒトの霊長類(例えば、チンパンジーおよび他の類人猿およびサル類);畜産動物(例えば ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギおよびブタ;家庭動物(例えば、ウサギ、イヌおよびネコ);げっ歯類を含む実験動物(例えば、ラット、マウスおよびモルモット)などを服務、ほ乳類のいずれかの種類を意味する。非ほ乳類の例は、非限定的に、トリなどを含む。用語「対象」は、特定の年齢および性別を示さない。
【0069】
セロトニンまたはノルエピネフリン神経伝達に関連する「疾患状態」は、うつ病的および不安的障害に加え、精神分裂症症、および他の精神病、ジスキネジー、薬物依存、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥障害(例えば、ADHD)、強迫的行動、パニックアック、社会恐怖症、摂食障害(例えば、肥満、食欲不振、大症および「過食症」)、ストレス、高血糖、高脂血症、非インスリン依存性糖尿病、発作性障害(例えば、てんかん)、ならびに発作、脳傷害、脳虚血、頭部外傷および出血に起因する神経損傷に関する状態、ならびに尿管の障害および疾患状態を含む。
【0070】
本明細書で用いられる「うつ病」は、非限定的に、メジャーうつ病、長期抑制、気分変調、悲哀感、絶望、落胆、「ブルー」、憂鬱の感情により特徴づけられる抑うつ気分の精神状態、低い自尊心の感情、罪悪感、自責感、対人接触の回避、ならびに摂食および睡眠妨害などの身体症状を含む。
【0071】
本明細書で用いられる「不安」は、非限定的に、非現実的な、想像的なまたは過大な危険または傷害の予想への精神生理的な応答に関連する、喜ばしくないまたは望ましくない感情状態、身体的な付帯状況(例えば、心拍数の増加、呼吸数の変化、発汗、震え、衰弱および疲労、切迫した危機感、無気力、懸念および緊張感を含む。
【0072】
「尿管の症状」と交換可能に用いられる「尿管の障害」または「尿路疾患」は、尿管内の病理変化を意味する。尿管障害の例は、非限定的に、ストレス性尿失禁、切迫性尿失禁、良性前立腺肥大(BPH)、前立腺炎、排尿筋反射亢進、出口閉塞、頻尿、夜間多尿症、尿意切迫、過活動膀胱、骨盤過敏(pelvic-hypersensitivity)、尿道炎、前立腺痛、膀胱炎、特発性過敏性膀胱(idiophatic bladder hypersensitivity)などを含む。
【0073】
「尿管の疾患症状」と交換可能に用いられる「尿管に関連する疾患状態」または「尿管疾患状態」または「尿路疾患」は、尿管の病理変化、または異常な尿の貯蔵または排泄を起す、膀胱平滑筋の機能不全もしくはその神経支配の機能不全を含む。尿管の症状は、非限定的に、過活動膀胱(排尿筋過活動としても知られる)、出口閉塞、出口不全、および骨盤過敏を含む。
【0074】
「膀胱過活動」または「排尿筋過活動」は、非限定的に、切迫感、頻尿、膀胱容量の変化、尿失禁、尿意閾値、不安定な膀胱収縮、括約筋痙性、排尿筋反射亢進(神経因性膀胱)、排尿筋不安定などを含む。
【0075】
「出口閉塞」は、非限定的に、良性前立腺肥大(BPH)、尿道狭窄症、腫瘍、尿流速低下、排尿開始困難、切迫感、恥骨上疼痛などを含む。
【0076】
「出口不全」は、非限定的に、尿道の過剰運動性、内因性尿道括約筋不全、混合型尿失禁、ストレス性尿失禁などを含む。
【0077】
「骨盤過敏」は、非限定的に、骨盤痛、間質(細胞)性膀胱炎、前立腺痛、前立腺炎、外陰部痛、尿道炎、精巣痛、過活動膀胱などを含む。
【0078】
「疼痛」は、特定の神経末端を刺激することにより生じる、不快感、苦痛または苦悶の多くか少ない局所的感覚を意味する。疼痛には多くの種類、非限定的に、電撃痛、幻肢痛、刺激痛(shooting pains)、急性痛、炎症痛、神経因性疼痛、複合性局所疼痛、神経痛、神経症などを含むものが存在する(Dorland's Illustrated Medical Dictionary, 28th Edition, W. B. Saunders Company, Philadelphia, PA)。疼痛の処置の目的は、処置対象が受ける疼痛の重症度を軽減することである。
【0079】
「神経因性疼痛」は、末梢神経系の、機能妨害および/または病的変化、ならびに非炎症性病変か生じる疼痛を意味する。神経因性疼痛の例は、非限定的に、熱的または機械的痛覚過敏、熱的または機械的異痛、糖尿病痛、包括的な疼痛(entrapment-pain)などを含む。
【0080】
「治療上効果的な量」は、疾患状態を処置するために対象に投与される場合に、疾患状態のそのような処置を実行するのに十分である、化合物の量を意味する。「治療上効果的な量」は、化合物、処置される疾患状態、処置される疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康度、投与の経路および形態、従事する医療または獣医担当者の判断、ならびに他の因子に応じて変動する。
【0081】
用語「先に定義されるもの」および「本明細書に定義されるもの」は、変数を指す場合、変数の広義に加え、(もしあるならば)好ましい定義、より好ましい定義、および最も好ましい定義を言及して、援用する。
【0082】
疾患状態の「処置すること」または「処置」は、
(i)疾患状態を予防すること、即ち、疾患状態にさらされうるもしくはかかりやすいが、疾患状態の兆候を経験していないかもしくは示していない対象において、疾患状態の臨床兆候を発症させないこと
(ii)疾患状態を阻害すること、即ち、疾患状態もしくは臨床兆候の発症を止めること、または
(iii)疾患状態を緩和すること、即ち、疾患状態もしくは臨床兆候を一時的もしくは永久に退行させること、を含む。
【0083】
化学反応を参照する場合、用語「処理すること」、「接触すること」および「反応させること」は、適切な条件下で、1種以上の試薬を添加または混合して、示される生成物および/または所望の生成物を製造することを意味する。示される生成物および/または所望の生成物を生成させる反応が、必ずしも、最初に添加される2種の試薬の混合から直接得られるものではないこと、即ち、混合物中で製造される、1種以上の中間体が存在し得、それが最終的に、示される生成物および/または所望の生成物の生成に至ることを理解すべきである。
【0084】
命名法および構造
一般に、本願で用いられる命名法は、IUPAC体系的命名法の実行のための、AUTONOM(商標)v.4.0, Beilstein Institutコンピューターシステムに基づいている。本明細書に示される化学構造は、ISIS(登録商標)バージョン2.2を用いて製造された。本明細書内の構造における、炭素、酸素または窒素原子上で見られるオープン原子価は、水素原子の存在を示す。簡便には、本明細書に記載された代表的ピロロピリジニル化合物の位置のIUPAC番号は、式:
【0085】
【化28】

【0086】
により示される。
【0087】
ピロロピリジニル化合物の位置番号は、上記式の7位に示されるアザ置換が、上記式の5または6位に移動する化合物でも同じままである。
【0088】
本明細書に記載される、ピロロピリミジニルおよび関連の化合物は、式:
【0089】
【化29】

【0090】
により示されるようなIUPAC番号を有する。
【0091】
化学構造にキラル炭素が存在するならば、そのキラル炭素に関連する立体異性体は全て、その構造に包含される。
【0092】
本明細書で同定された特許および発行物は全て、本明細書に、そっくりそのまま、引用として組み入れられる。
【0093】
既に先に記載されたとおり、本発明は、式I:
【0094】
【化30】

【0095】
[式中、
pは、1または2であり;
Arは、
それぞれが場合により置換される、ピロロピリジン−1−イル、ピロロピリジン−2−イル、およびピロロピリジン−3−からなる群から選択されるピロロピリジニル;
それぞれが場合により置換される、ピロロピリジン−1−イルN−オキシド、ピロロピリジン−2−イルN−オキシド、およびピロロピリジン−3−イルN−オキシドからなる群から選択されるピロロピリジニルN−オキシド;または
それぞれが場合により置換される、ピロロピリミジン−5−イル、ピロロピリミジン−6−イル、およびピロロピリミジン−7−イルからなる群から選択されるピロロピリミジニル;
であり、
は、
(a)それぞれが場合により置換される、フェニルおよびナフチルから選択されるアリール;
(b)それぞれが場合により置換される、インドリル、ピリジニル、チエニル、フラニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、キノリニルおよびイソキノリニルから選択されるヘテロアリール;
(c)場合により置換されるアリールアルキル;
(d)場合により置換されるヘテロアリールアルキル;
(e)シクロアルキル;
(f)シクロアルキルメチル;もしくは
(g)分枝状アルキル;
であり、
は、
(a)水素;
(b)アルキル;
(c)ヒドロキシアルキル;
(d)アルコキシアルキル;
(e)ベンジル;
であるか、
または、Rは、窒素原子をArの環炭素原子の1個につなぐ結合であり;
は、
(a)水素;
(b)アルキル;
(c)ヒドロキシアルキル;
(d)アルコキシアルキル;
(e)ベンジル;であるか、または
(f)RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される更なるヘテロ原子を場合により含む、場合により置換される4〜7員環を形成してもよく;
は、
水素;
フルオロ;もしくは
アルキル;
であり、
は、
水素;
アルキル;
ヒドロキシ;
アルコキシ;
フルオロ;もしくは
ヒドロキシアルキル;
であるか、
または、RおよびRの一方が、RおよびRの一方ならびにそれらが結合する原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される更なるヘテロ原子を場合により含む、5または6員環を形成してもよく;
およびRは、それぞれ独立して、
水素;もしくは
アルキル;
であるか、
または、RおよびRが、一緒になって、=O、=S、もしくは=NR(式中、Rは、水素、アルキルまたは−ORであり、ここで、Rは、水素またはアルキルである)を形成するか;
または、RおよびRの一方が、RおよびRの一方ならびにそれらが結合する原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される更なるヘテロ原子を場合により含む、4〜6員環を形成してもよく;
は、水素またはアルキルである]
で示される化合物または薬学的に許容され得るその塩を提供する。
【0096】
本発明の範囲は、存在し得る様々な異性体のみならず、形成され得る様々な異性体混合物も包含することを理解すべきである。更に本発明の範囲は、式Iで示される溶媒物および塩も包含する。
【0097】
式Iで示される特定の実施形態において、pは、1である。
【0098】
式Iで示される多くの実施形態において、RおよびRは、水素である。
【0099】
特定の実施形態において、RおよびRは、水素である。
【0100】
式Iで示される多くの実施形態において、Rは、水素である。
【0101】
式Iで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるアリール、好ましくは、場合により置換されるフェニルまたは場合により置換されるナフチルである。好ましくは、Rが場合により置換されるアリールである場合、Rは、場合により置換されるフェニルである。
【0102】
式Iで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるヘテロアリールである。そのような実施形態において、Rは、好ましくは、場合により置換されるピリジニルである。Rが、場合により置換されるピリジニルである場合、好ましくは、Rは、場合により置換されるピリジン−2−イル、場合により置換されるピリジン−3−イルまたは場合により置換されるピリジン−4−イル、より特別には、場合により置換されるピリジン−2−イルまたは場合により置換されるピリジン−3−イルである。
【0103】
式Iで示される幾つかの実施形態において、Rは、場合により置換されるシクロアルキルである。好ましくは、Rがシクロアルキルである場合、Rは、場合により置換されるシクロヘキシルである。
【0104】
式Iで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるフェニルである。
【0105】
式Iで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるピリジニルである。
【0106】
式Iで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるシクロヘキシルである。
【0107】
式Iで示される特定の実施形態において、Rは、フェニル、ピリミジン−3−イル、4−フルオロフェニル、またはシクロヘキシルである。
【0108】
式Iで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル、およびピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルから選択されるピロロ[2,3−b]ピリジニル;それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル、およびピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[2,3−c]ピリジニル;それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル、およびピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[3,2−b]ピリジニル;それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル4−オキシド、ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル4−オキシド、およびピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル4−オキシドからなる群から選択されるピロロ[3,2−b]ピリジニル4−オキシド;それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル、およびピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[3,2−c]ピリジニル;またはそれぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル、およびピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イルからなる群から選択されるピロロ[2,3−d]ピリミジニルである。
【0109】
式Iで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル、およびピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルから選択されるピロロ[2,3−b]ピリジニルである。
【0110】
式Iで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル、およびピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[2,3−c]ピリジニルである。
【0111】
式Iで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル、およびピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[3,2−b]ピリジニルである。
【0112】
式Iで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル4−オキシド、ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル4−オキシド、およびピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル4−オキシドからなる群から選択されるピロロ[3,2−b]ピリジニル4−オキシドである。
【0113】
式Iで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル、およびピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[3,2−c]ピリジニルである。
【0114】
式Iで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル、およびピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イルからなる群から選択されるピロロ[2,3−d]ピリミジニルである。
【0115】
式Iで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル、ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−イル、およびピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イルからなる群から選択されるピロロ[3,2−d]ピリミジニルである。
【0116】
特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル4−オキシド、ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イルまたはピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イルである。
【0117】
式Iで示される多くの実施形態において、RおよびRの一方は、水素であり、他方は、アルキル、好ましくは、メチルである。
【0118】
式Iで示される特定の実施形態において、pは、1であり;R、R、R、RおよびRは、水素であり;Arは、それぞれが1、2、3または4個の置換基で場合により置換される、ピロロピリジニルまたはピロロピリジニルN−オキシドであり、置換基のそれぞれは、独立して、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アルキルスルホニルオキシ、−(CH−S(O)、−(CH−NR、または−(CH−C(=O)−NR(これらの式中、qは、0または1であり、rは、0〜2であり、R、R、およびRのそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである)から選択され;Rは、それぞれが1、2、3または4個の置換基で場合により置換される、フェニル、ピリジニル、またはシクロヘキシルであり、置換基のそれぞれは、独立して、アルキル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルから選択され;RおよびRの一方は、水素であり、他方は、アルキル、好ましくは、メチルである。そのような実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロピリジン−1−イル、ピロロピリジン−2−イル、ピロロピリジン−3−イル、またはそれらのN−オキシドであってもよい。そのような実施形態において、Arは、好ましくは、それぞれが場合により置換される、ピロロピリジン−1−イル、ピロロピリジン−3−イルまたはそれらのN−オキシドであり、より好ましくは、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル4−オキシド、ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル、またはピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イルである。
【0119】
式Iで示される特定の実施形態において、pは、1であり;R、R、R、RおよびRは、水素であり;Arは、1、2、3または4個の置換基で場合により置換されるピロロピリミジニルであり、置換基のそれぞれは、独立して、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アルキルスルホニルオキシ、−(CH−S(O)、−(CH−NR、または−(CH−C(=O)−NR(これらの式中、qは、0または1であり、rは、0〜2であり、R、R、およびRのそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである)から選択され;Rは、1、2、3または4個の置換基で場合により置換される、フェニル、ピリジニル、またはシクロヘキシルであり、置換基のそれぞれは、独立して、アルキル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルから選択され;RおよびRの一方は、水素であり、他方は、アルキル、好ましくは、メチルである。そのような実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロピリミジン−5−イル、ピロロピリミジン−6−イルまたはピロロピリミジン−7−イルであってもよい。そのような実施形態において、Arは、好ましくは、それぞれが場合により置換される、ピロロピリミジン−5−イルまたはピロロピリミジン−7−イルであり、より好ましくは、Arは、場合により置換されるピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イルである。
【0120】
pが、1であり、R、R、R、RおよびRが、水素である、式Iで示される特定の実施形態において、主題の化合物は、式II:
【0121】
【化31】

【0122】
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素またはアルキルであり;
ArおよびRは、先に定義されたとおりである)
により表されうる。
【0123】
式IIで示される特定の実施形態において、RおよびRの一方は、水素であり、他方は、アルキル、好ましくは、メチルである。
【0124】
式IIで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるアリール、好ましくは、場合により置換されるフェニルまたは場合により置換されるナフチルである。
【0125】
式IIで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるヘテロアリールである。そのような実施形態において、Rは、場合により置換されるピリジニルでありうる。Rが、場合により置換されるピリジニルである場合、好ましくは、Rは、場合により置換されるピリジン−2−イル、場合により置換されるピリジン−3−イルまたは場合により置換されるピリジン−4−イルであり、より特別には、場合により置換されるピリジン−2−イルまたは場合により置換されるピリジン−3−イルである。
【0126】
式IIで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるシクロアルキルである。そのような実施形態において、Rは、場合により置換されるシクロヘキシルである。
【0127】
式IIで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されつフェニル、場合により置換されるピリジニル、または場合により置換されるシクロヘキシルである。
【0128】
式IIで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるフェニルである。
【0129】
式IIで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるピリジニルである。
【0130】
式IIで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるシクロヘキシルである。
【0131】
式IIで示される特定の実施形態において、Rは、フェニル、ピリミジン−3−イル、4−フルオロフェニル、またはシクロヘキシルである。
【0132】
式IIで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル、およびピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルから選択されるピロロ[2,3−b]ピリジニル;それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル、およびピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[2,3−c]ピリジニル;それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル、およびピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[3,2−b]ピリジニル;それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル4−オキシド、ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル4−オキシド、およびピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル4−オキシドからなる群から選択されるピロロ[3,2−b]ピリジニル4−オキシド;それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル、およびピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[3,2−c]ピリジニル;またはそれぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル、およびピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イルからなる群から選択されるピロロ[2,3−d]ピリミジニルである。
【0133】
式IIで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル、およびピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルから選択されるピロロ[2,3−b]ピリジニルである。
【0134】
式IIで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル、およびピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[2,3−c]ピリジニルである。
【0135】
式IIで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル、およびピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[3,2−b]ピリジニルである。
【0136】
式IIで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル4−オキシド、ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル4−オキシド、およびピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル4−オキシドからなる群から選択されるピロロ[3,2−b]ピリジニル4−オキシドである。
【0137】
式IIで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル、およびピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[3,2−c]ピリジニルである。
【0138】
式IIで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル、およびピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イルからなる群から選択されるピロロ[2,3−d]ピリミジニルである。
【0139】
式IIで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル、ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−イル、およびピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イルからなる群から選択されるピロロ[3,2−d]ピリミジニルである。
【0140】
式IIで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル4−オキシド、ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル、またはピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イルである。
【0141】
式IIで示される特定の実施形態において、Arは、それぞれが1、2、3または4個の置換基で場合により置換される、ピロロピリジニルまたはピロロピリジニルN−オキシドであり、置換基のそれぞれは、独立して、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アルキルスルホニルオキシ、−(CH−S(O)、−(CH−NR、または−(CH−C(=O)−NR(これらの式中、qは、0または1であり、rは、0〜2であり、R、R、およびRのそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである)から選択され;Rは、それぞれが1、2、3または4個の置換基で場合により置換される、フェニル、ピリジニル、またはシクロヘキシルであり、置換基のそれぞれは、独立して、アルキル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルから選択され;RおよびRの一方は、水素であり、他方は、アルキル、好ましくは、メチルである。そのような実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロピリジン−1−イル、ピロロピリジン−2−イル、ピロロピリジン−3−イル、またはそれらのN−オキシドでありうる。そのような実施形態において、Arは、好ましくは、それぞれが場合により置換される、ピロロピリジン−1−イル、ピロロピリジン−3−イルまたはそれらのN−オキシドであり、より好ましくは、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル4−オキシド、ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル、またはピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イルである。
【0142】
式IIで示される特定の実施形態において、Arは、1、2、3または4個の置換基で場合により置換されるピロロピリミジニルであり、置換基のそれぞれは、独立して、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、アルキルスルホニルオキシ、−(CH−S(O)、−(CH−NR、または−(CH−C(=O)−NR(これらの式中、qは、0または1であり、rは、0〜2であり、R、R、およびRのそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである)から選択され;Rは、それぞれが1、2、3または4個の置換基で場合により置換される、フェニル、ピリジニル、またはシクロヘキシルであり、置換基のそれぞれは、独立して、アルキル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルから選択され;RおよびRの一方は、水素であり、他方は、アルキル、好ましくは、メチルである。そのような実施形態において、Arは、それぞれが場合により置換される、ピロロピリミジン−5−イル、ピロロピリミジン−6−イルまたはピロロピリミジン−7−イルでありうる。そのような実施形態において、Arは、好ましくは、それぞれが場合により置換される、ピロロピリミジン−5−イルまたはピロロピリミジン−7−イルであり、より好ましくは、Arは、場合により置換されるピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イルである。
【0143】
Arが、場合により置換されるピロロ[2,3−b]ピリジニルである、式IIで示される化合物において、主題の化合物は、式III:
【0144】
【化32】

【0145】
[式中、
mは、0〜3の整数であり;
およびRのそれぞれは、独立して、水素、アルコキシ、シアノ、アルキル、ハロ、−S(O)および−C(=O)NR(これらの式中、rは、0〜2の整数であり、R、RおよびRのそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである)であり;
それぞれRは、独立して、アルコキシ、シアノ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロ、−S(O)および−C(=O)NR(これらの式中、rは、0〜2の整数であり、R、RおよびRのそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである)であり;
、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである]
により表されるものでありうる。
【0146】
Arが、場合により置換されるピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イルである、式IIで示される実施形態において、本発明の化合物は、より特別には、式IV:
【0147】
【化33】

【0148】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。
【0149】
式IVで示される特定の実施形態において、主題の化合物は、より特別には、式IVaまたはIVb:
【0150】
【化34】

【0151】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。好ましくは、そのような化合物は、式IVaで示されるものである。
【0152】
Arが、場合により置換されるピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルである、式IIで示される実施形態において、本発明の化合物は、より特別には、式V:
【0153】
【化35】

【0154】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。
【0155】
式Vで示される特定の実施形態において、主題の化合物は、より特別には、式VaまたはVb:
【0156】
【化36】

【0157】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。好ましくは、そのような化合物は、式Vbで示されるものである。
【0158】
Arが、場合により置換されるピロロ[2,3−c]ピリジニルである、式IIで示される実施形態において、本発明の化合物は、より特別には、式VI:
【0159】
【化37】

【0160】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。
【0161】
Arが、場合により置換されるピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イルである、式IIで示される実施形態において、本発明の化合物は、より特別には、式VII:
【0162】
【化38】

【0163】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。
【0164】
式VIIで示される特定の実施形態において、主題の化合物は、より特別には、式VIIaまたはVIIb:
【0165】
【化39】

【0166】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。好ましくは、そのような化合物は、式VIIaで示されるものである。
【0167】
Arが、場合により置換されるピロロ[3,2−c]ピリジニルである、式IIで示される実施形態において、本発明の化合物は、より特別には、式VIII:
【0168】
【化40】

【0169】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。
【0170】
Arが、場合により置換されるピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イルである、式IIで示される実施形態において、本発明の化合物は、より特別には、式IX:
【0171】
【化41】

【0172】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。
【0173】
式IXで示される特定の実施形態において、主題の化合物は、より特別には、式IXaまたはIXb:
【0174】
【化42】

【0175】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。好ましくは、そのような化合物は、式IXaで示されるものである。
【0176】
Arが、場合により置換されるピロロ[3,2−b]ピリジニルである、式IIで示される実施形態において、本発明の化合物は、より特別には、式X:
【0177】
【化43】

【0178】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。
【0179】
Arが、場合により置換されるピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イルである、式IIで示される実施形態において、本発明の化合物は、より特別には、式IX:
【0180】
【化44】

【0181】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。
【0182】
式XIで示される特定の実施形態において、主題の化合物は、より特別には、式XIaまたはXIb:
【0183】
【化45】

【0184】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。好ましくは、そのような化合物は、式XIaで示されるものである。
【0185】
Arが、場合により置換されるピロロ[3,2−b]ピリジニルであり、Rが、窒素原子をArの環炭素原子の1個につなぐ結合である、式IIで示される実施形態において、本発明の化合物は、より特別には、式XII:
【0186】
【化46】

【0187】
(式中、m、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)で示されるものでありうる。
【0188】
Arが、場合により置換されるピロロ[2,3−d]ピリミジニルである、式IIで示される実施形態において、本発明の化合物は、より特別には、式X:
【0189】
【化47】

【0190】
(式中、nは、0〜2の整数であり、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。
【0191】
Arが、場合により置換されるピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イルである、式IIで示される実施形態において、本発明の化合物は、より特別には、式XIV:
【0192】
【化48】

【0193】
(式中、n、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。
【0194】
式XIVで示される特定の実施形態において、主題の化合物は、より特別には、式XIVaまたはXIVb:
【0195】
【化49】

【0196】
(式中、n、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。好ましくは、そのような化合物は、式XIVaで示されるものである。
【0197】
Arが、場合により置換されるピロロ[3,2−b]ピリジニルN−オキシドである、式IIで示される実施形態において、本発明の化合物は、より特別には、式XV:
【0198】
【化50】

【0199】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。
【0200】
Arが、場合により置換されるピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イルN−オキシドである、式IIで示される実施形態において、本発明の化合物は、より特別には、式XVI:
【0201】
【化51】

【0202】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。
【0203】
式XVIで示される特定の実施形態において、主題の化合物は、より特別には、式XVIaまたはXVIb:
【0204】
【化52】

【0205】
(式中、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されたとおりである)
で示されるものでありうる。好ましくは、そのような化合物は、式XVIaで示されるものである。
【0206】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、RおよびRの一方は、水素であり、他方は、アルキル、好ましくは、メチルである。
【0207】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるアリール、好ましくは、場合により置換されるフェニルである。
【0208】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるヘテロアリールである。そのような実施形態において、Rは、好ましくは、場合により置換されるピリジニルである。Rが、場合により置換されるピリジニルである場合、好ましくは、Rは、場合により置換されるピリジン−2−イル、場合により置換されるピリジン−3−イルまたは場合により置換されるピリジン−4−イルであり、より特別には、場合により置換されるピリジン−2−イルまたは場合により置換されるピリジン−3−イルである。
【0209】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるシクロアルキル、好ましくは、場合により置換されるシクロヘキシルである。
【0210】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、Rは、それぞれが場合により置換される、フェニル、ピリジニル、またはシクロヘキシルである。
【0211】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるフェニルである。
【0212】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、Rは、場合により置換されるピリジニルである。
【0213】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、Rは、フェニル、ピリジン−3−イル、4−フルオロフェニル、またはシクロヘキシルである。
【0214】
式III〜XVIbで示される特定の実施形態において、Rは、水素である。
【0215】
式III〜XVIbで示される特定の実施形態において、Rは、水素である。
【0216】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、Rのそれぞれは、独立して、ハロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル、シアノ、またはアルコキシである。これらの例において、Rは、好ましくは、フルオロ、クロロ、ブロモ、メトキシ、シアノ、イソプロポキシ、またはメチルアミノである。より好ましくは、Rは、クロロ、メトキシ、イソプロポキシ、またはメチルアミノである。
【0217】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、mは、0または1であり、Rは、クロロ、メトキシ、イソプロポキシ、またはメチルアミノである。
【0218】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、mは、0または1であり、Rは、ハロ、アルキル、アルコキシ、またはアルキルアミノである。
【0219】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、mは、0である。
【0220】
式III〜IXbのいずれかで示される特定の実施形態において、mは、1であり、Rは、ハロ、アルコキシであり、4位に位置する。
【0221】
式X、XI、XIa、およびXIbのいずれかで示される特定の実施形態において、mは、1であり、Rは、アルコキシであり、5または7位に位置する。
【0222】
式XIII、XIV、XIVa、およびXIVbのいずれかで示される特定の実施形態において、mは、1であり、Rは、アルキルアミノであり、4位に位置する。
【0223】
式III〜XVIbで示される特定の実施形態において、RおよびRは、水素である。
【0224】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、RおよびRの一方は、水素であり、他方は、アルキル、シアノ、ハロまたはアルコキシである。
【0225】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、mは、0または1であり、Rは、場合により置換されるフェニルであり、RおよびRの一方は、水素であり、他方は、アルキル、好ましくは、メチルである。
【0226】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、mは、0または1であり、Rは、場合により置換されるフェニルであり、RおよびRの一方は、水素であり、他方は、アルキル、好ましくは、メチルであり、RおよびRは、水素である。
【0227】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、mは、0または1であり、Rは、場合により置換されるフェニルであり、RおよびRの一方は、水素であり、他方は、アルキル、好ましくは、メチルであり、RおよびRは、水素であり、Rは、独立して、ハロ、シアノ、アルキルアミノ、またはアルコキシである。そのような実施形態において、場合により置換されるフェニルは、アルキル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルで、1、2、3または4回、場合により置換されるフェニルでありうる。
【0228】
式III〜XVIbのいずれかで示される特定の実施形態において、mは、0または1であり、Rは、場合により置換されるピリジニルであり、RおよびRの一方は、水素であり、他方は、アルキル、好ましくは、メチルである。そのような実施形態において、場合により置換されるピリジニルは、アルキル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルで、1、2または3回、場合により置換されるピリジニルでありうる。そのような実施形態において、Rは、好ましくは、ピリジン−3−イルまたはピリジン−2−イルである。
【0229】
III〜XVIbのいずれかの式で示される特定の実施形態において、mは、0または1であり、Rは、場合により置換されるシクロヘキシルであり、RおよびRの一方は、水素であり、他方は、アルキル、好ましくは、メチルであり、RおよびRは、水素である。そのような実施形態において、場合により置換されるシクロヘキシルは、アルキル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシアルキルまたはヒドロキシアルキルで、1、2または3回、場合により置換されるシクロヘキシルでありうる。
【0230】
本発明の方法による代表的な化合物を、表1に示す。
【0231】
【表1】













【0232】
本発明は、特定の実施形態において、
アザインドールa:
【0233】
【化53】

【0234】
を、2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオンの存在下で、アルデヒドb:
【0235】
【化54】

【0236】
と反応させて、化合物c:
【0237】
【化55】

【0238】
を形成させ、
化合物cを、ピリジンの存在下で、アミンd:
【0239】
【化56】

【0240】
と反応させて、式e:
【0241】
【化57】

【0242】
で示される化合物を形成させ、
化合物:eを還元して、式VI:
【0243】
【化58】

【0244】
(式中、X、X、XおよびXの1個は、Nで、他は、CHであり、m、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書に定義されるとおりである)
で示される化合物を形成させることを含む方法にも関する。
【0245】
更に別の実施形態において、主題の方法は、
アザインドールk:
【0246】
【化59】

【0247】
をアクリル酸エステルl:
【0248】
【化60】

【0249】
と反応させて、アザインドールプロピオン酸エステルm:
【0250】
【化61】

【0251】
を形成させ、
アザインドールプロピオン酸エステルmを還元して、インドールプロパノールn:
【0252】
【化62】

【0253】
を得て、
アザインドールプロパノールnをメタンスルホニルクロリドで処理し、続いて、リチウムクロリドで処理して、アザインドールプロピルクロリドo:
【0254】
【化63】

【0255】
を得て、
アザインドールプロピルクロリドoを、場合により、ヨウ化ナトリウムの存在下で、アミンd:
【0256】
【化64】

【0257】
と反応させて、式IV:
【0258】
【化65】

【0259】
(式中、X、X、XおよびXの1または2個(例えば、XおよびX)は、Nであり、他は、CHであり、m、R、R、R、R、RおよびRは、本発明に定義されるとおりである)
で示される化合物を生成させることを含む。
【0260】
本発明の化合物は、以下に示され、記述される例示的合成反応に描写される様々な方法により製造することができる。
【0261】
これらの化合物を製造するために用いる出発原料および試薬は、一般に、商業的な供給業者、例えば、Aldrich Chemical Co.,から入手するか、または参考資料、例えば、Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York, 1991, Volume1-15; Rodd's Chemistry of Carbon Compounds, Elsevier Science Publishers, 1989, Volume 1-5 and Supplementals;およびOrganic Reactions, Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes1-40に示された手順に従って、当業者に知られる方法により製造される。以下の合成反応スキームは、単に、本発明の化合物が合成され得る方法の幾つかを例示したに過ぎず、これらの合成反応スキームの様々な修飾がされえ、本願に含まれる開示を参照する当業者に示唆される。
【0262】
合成反応スキームの出発原料および中間体は、所望なら、従来の技術(非限定的に、ろ過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含む)を用いて、分離および精製することができる。そのような物質は、物理学的定数およびスペクトルデータを含む従来の手段を用いて特徴づけることができる。
【0263】
反することが記載されない限りは、本明細書に記載された反応は、好ましくは、約−78℃〜約150℃、より好ましくは、約0℃〜約125℃、最も好ましくそして簡便にはほぼ室温(または周囲温度)、例えば、約20℃の温度範囲で、大気圧での不活性雰囲気下に実施される。
【0264】
下のスキームAは、X、X、XまたはXの1個が、Nであり、他が、CHであり、m、R、R、R、R、RおよびRが、本明細書に定義されるとおりである、本発明の化合物を製造するのに使用可能な一つの合成手順を例示する。
【0265】
【化66】

【0266】
スキームAのステップ1において、Tetrahedron 56 (2000)5479-5492の手順を用いて、アザインドールaを2,2−ジメチル[1,3]ジオキサン−4,6−ジオンおよびアルデヒドbで処理して、ジオン化合物cを得る。アルデヒドbは、例えば、アリールアルデヒド(例えば、ベンゾアルデヒドまたはナフトアルデヒド)、ヘテロアリールアルデヒド(例えば、ピリジンカルボアルデヒド、チオフェンカルボアルデヒド、フランカルボアルデヒド)、シクロアルキルカルボアルデヒド(例えば、シクロヘキサンカルボアリデヒド、分枝状C〜Cアルキルカルボアルデヒド)などを含んでいてもよく、そのそれぞれは、本明細書に定義されるように、場合により置換されていてもよい。数多くの置換される、アリール、ヘテロアリールおよびシクロアルキルアルデヒドbが、市販されるか、または当業者に周知の技術により容易に製造される。
【0267】
ステップ2において、ピリジンまたは他の触媒的アミンの存在下、ジオン化合物cをアミンdと反応させ、インドールプロピオンアミド化合物eを得る。アミンdは、例えば、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、または環状アミンを含んでいてもよい。この種の例示的アミンは、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、アニリン、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、シクロプロピルアミン、ジメチルアミン、アジリジン、プロリジン、ピペリジンおよびピペラジンを含む。
【0268】
ステップ3のプロピオンアミド化合物eを還元して、本発明の式Xで示される3−アミノプロピルインドール化合物を得る。この還元は、水素化リチウムアルミニウム、ボランもしくはボラン錯体、または他の強い還元剤を用いて実行されうる。
【0269】
以下のスキームBは、X、X、X、またはXの1個が、Nであり、他が、CHであり、m、R、R、R、R、RおよびRが、本明細書に定義されるとおりである、本発明の特別な化合物を製造するのに使用可能な別の合成手順を例示する。
【0270】
【化67】

【0271】
スキームBのステップ1において、アザインドールkをアクリル酸エステルlと反応させて、ピロロピリジンプロピオン酸エステルmを得る。数多くのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび分枝状C〜Cアルキル置換アクリル酸エステルl(例えば、様々な桂皮酸エステル)が、市販されるか、または当業者に公知の技術により容易に製造され、このステップで用いられうる。
【0272】
ステップ2において、プロピオン酸エステルmを、還元条件に付して、アザインドールプロパノールnを得る。この還元は、水素化リチウムアルミニウムまたは他の強い還元剤を用いて実行されうる。
【0273】
ステップ3において、アザインドールプロパノールnを、メタンスルホニルクロリドで処理し、続いて、リチウムクロリドで処理して、ピロロピリジンプロピルクロリドoを得る。あるいは、チオニルクロリド、アシルクロリド、または他の塩素供給源が、このステップに用いられうる。あるいは、nをメタンスルホニルクロリドで処理して、対応するメシラート化合物を得る(示されていない)。
【0274】
ステップ4において、アザインドールプロピルクロリドをアミンdと反応させて、本発明の式IXで示される3−アミノプロピルアザインドール化合物を生成うる。スキームAに関して先に記載されたとおり、様々なアミンがこのステップで用いられる。
【0275】
スキームCにおいて、X、X、X、またはXの1個が、Nであり、他が、CHであり、m、R、R、R、R、RおよびRが、本明細書に定義されるとおりである、本発明の化合物への別の合成経路が例示される。
【0276】
【化68】

【0277】
スキームCのステップ1において、置換されるアルキリジンMeldrum酸化合物pを、アザインドールaと反応させて、ピロロピリジン酸qを得る。ステップ2において、アザインドール酸qをアミンdで処理して、アザインドールアミドrを形成させる。ステップ3において、アザインドールアミドrを還元して、アミノプロピルアザインドール化合物sを得、それが、本発明の式Iで示される化合物の幾つかを表す。
【0278】
スキームDは、XおよびYが、脱離基であり、同一または異なっていてもよく、X、X、XおよびXの1または2個(例えば、XおよびX)が、Nであり、他が、CHであり、m、R、R、R、R、RおよびRが、本明細書に定義されるとおりである、主題の化合物の製造の別の手順を示す。
【0279】
【化69】

【0280】
スキームDのステップ1において、アザインドールkをアルキル化剤tと反応させて、対応するN−アルキル化アザインドール:uを得る。その後、化合物uを、アミンdで処理して、対応するアミノプロピルアザインドールvを得、それが、本発明の式Iで示される化合物である。スキームDの手順の多くの実施形態において、Xは、OMs(メタンスルホニルオキシ)であり、Yは、ハロ、好ましくは、クロロである。
【0281】
スキームEにおいて、X、X、X、またはXの1個が、Nであり、他が、CHであり、m、R、R、R、R、RおよびRが、本明細書に定義されるとおりである、本発明の化合物への別の経路が例示される。
【0282】
【化70】

【0283】
スキームEのステップ1において、アザインドール化合物aを、塩化オキサリルとジメチルホルムアミドとの混合により形成されたVilsmeier試薬で処理して、アザインドールアルデヒドwを形成させ、次に、それを、ステップ2において、Meldrum酸と反応させて、アザインドール化合物xをうる。その後、ステップ3において、アザインドールxをGrignard試薬yで処理して、アザインドール化合物zを得る。ステップ4において、化合物zを、ピリジンの存在下で、アミンdと反応させ、アザインドールアミドrを得、その後、ステップ5において、還元して、アミノプロピルアザインドール化合物sを得る。化合物sは、本発明の式Iで示される化合物の一種である。
【0284】
スキームFは、X、X、XおよびXの1または2個(例えば、XおよびX)が、Nであり、他が、CHであり、m、R、R、R、R、RおよびRが、本明細書に定義されるとおりである、本発明の化合物への別の製造アプローチを示す。
【0285】
【化71】

【0286】
スキームFのステップ1において、アザインドールkを、混合エステル化合物aaと反応させて、対応するアザインドールジエステルbbを形成させる。ステップ2において、化合物bbをトルエンスルホン酸または類似の酸で処理して、対応するアザインドールエステル化合物ccを得る。ステップ3において、化合物ccを還元して、対応するヒドロキシプロピルアザインドールddを得る。その後、化合物ddをメタンスルホニルクロリドで処理し、続いて、アミンdで処理して、対応するアミノプロピルアザインドールvを得、それが、本発明の式Iで示される化合物である。
【0287】
スキームA〜Fの手順について、数多くの変形例が可能であり、それは当業者には明白であろう。例えば、アザインドールaおよびkを、他のヘテロアリール化合物に置き換えて、本発明の他のヘテロアリール含有化合物を得てもよい。スキームBのステップ3の手順を、Rが水素である実施形態において、スキームAの化合物Xについて実施してもよい。ステップ1で用いられるアクリル酸エステルlを、メチルエステルとして示す。しかし、エチル、イソプロピルまたは他のアルキルエステルを、その代わりに用いてもよいことは、明白なはずである。同様に、ステップ3で利用さられるメタンスルホニルクロリドを、他のアルキルスルホニルまたはアリールスルホニルハライドに置き換えてもよい。
【0288】
本発明の化合物を製造する具体的な詳細を、以下の実施例の節に記載する。
【0289】
本発明の化合物は、セロトニン神経伝達および/またはノルエピネフリン神経伝達に関連する疾患または状態の処置に使用可能である。そのような疾患および状態は、うつ病的および不安的障害に加え、精神分裂症、および他の精神病、ジスキネジー、薬物依存、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥障害(例えば、ADHD)、強迫的行動、パニックアタック、社会恐怖症、摂食障害(例えば肥満、食欲不振、大症および「過食症」)、ストレス、高血糖、高脂血症、非インスリン依存性糖尿病、発作性障害(例えば、てんかん)、ならびに発作、脳傷害、脳虚血、頭部外傷および出血に起因する神経損傷に関する状態を含む。
【0290】
本発明の化合物は、尿管の障害および疾患状態、例えば、ストレス性尿失禁、切迫性尿失禁、良性前立腺肥大(BPH)、前立腺炎、排尿筋反射亢進、出口閉塞、頻尿、夜間多尿症、尿意切迫、過活動膀胱、骨盤過敏、尿道炎、前立腺痛、膀胱炎、特発性過敏性膀胱の処置にも使用可能である。
【0291】
本発明の化合物は、インビボにおいて抗炎症的および/または鎮痛的性質も保有し、したがって、様々な原因による疼痛状態に関連する疾患、例えば、非限定的に、炎症痛、手術痛、内臓痛、歯痛、月経痛、中枢痛、熱傷による疼痛、片頭痛または群発性頭痛、神経損傷、神経炎、神経痛、中毒、虚血性損傷、間質性膀胱炎、癌性疼痛、ウイルス、寄生虫または細菌感染、外傷後損傷(骨折および運動傷害を含む)、および機能性腸障害(例えば、過敏性腸症候群)を含む疾患の処置において有用性を見出すものと期待される。
【0292】
投与および医薬組成物
本発明は、少なくとも1種の本発明の化合物、またはその各異性体、異性体のラセミ体混合物もしくは非ラセミ体混合物、または薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を、少なくとも一種の薬学的に許容され得る担体、ならびに場合により他の治療的および/または予防的成分と共に含む医薬組成物を包含する。
【0293】
一般に、本発明の化合物は、同様の用途を与える薬剤について、許容される投与様式により、治療的効果量において投与される。適切な投与量の範囲は、処置される疾患の重篤症度、対象の年齢および相対的健康度、用いられる化合物の強さ、投与の経路および形態、投与に向けられる適応症、担当する医療従事者の好み、および経験など多数の因子に依存するが、代表的には、1日あたり1〜500mg、好ましくは、1日あたり1〜100mg、最も好ましくは、1日あたり1〜30mgである。そのような疾患を処置する当業者は、過度の実験なしに、個人の知識と本願の開示を頼りに、所定の疾患のための本発明の化合物の治療的効果量を確認することができるであろう。
【0294】
本発明の化合物は、経口(口腔および舌下を含む)、経直腸、経鼻、局所、経肺、経膣、もしくは非経口(筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、皮下、および静脈内を含む)投与に適したものを含む医薬配合物として、または吸入もしくは通気による投与に適した形態で投与されうる。投与の好ましい手法は、一般に、病気の度合いにより調整し得る、都合のよい日用量レジメンを用いる経口である。
【0295】
本発明の化合物は、従来の、1種以上のアジュバント、担体、または希釈剤と共に、医薬組成物および単位用量の形態にしてもよい。その医薬組成物および単位用量形態は、追加の活性化合物または有効成分を含むか、またはそれを含まずに、従来の成分を従来の割合で含んでいてもよく、単位用量形態は、用いられる、意図される日用量範囲にふさわしい、適切な効果量の活性成分を含んでいてもよい。該医薬組成物は、固形(例えば、錠剤または充填カプセル)、半固形、粉末、徐放性配合物、液体(例えば、溶液、懸濁剤、乳濁液)、エリキシル、もしくは経口用の充填カプセルとして;または経直腸もしくは経膣投与用の坐剤の形態で;または非経口使用の滅菌注射可能溶液の形態で用いられてもよい。したがって、錠剤あたり、活性成分約1ミリグラム、より広範には、約0.01〜約100ミリグラムを含む配合物が、適切な代表的単位用量形態である。
【0296】
本発明の化合物は、様々な経口投与用量形態で配合されてもよい。該医薬組成物および投与形態は、活性成分として、本発明の化合物または薬学的に許容され得るその塩を含んでいてもよい。薬学的に許容され得る担体は、固体または液体のいずれかであってもよい。固形形態製剤は、粉末、錠剤、ピル、カプセル、カシェ、坐剤および分散性顆粒を含む。固形担体は、希釈剤、着香剤、可溶化剤、滑剤、懸濁剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、または封入物質としても作用し得る、1種以上の物質であってもよい。粉末では、担体は、一般に、微粒子活性成分との混合物である、微粒子固体である。錠剤では、活性成分を、一般に、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合し、所望の形状およびサイズに圧縮する。粉末および錠剤は、好ましくは、約1〜約70%の活性化合物を含む。適切な担体は、非限定的に、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバターなどを含む。用語「製剤」は、活性化合物と担体としての封入物質との配合物を包含することが意図され、担体を含むまたは含まない活性成分が担体に取り囲まれて、それと会合しているカプセルを与える。同様に、カシェおよびロゼンジも包含されるる。錠剤、粉末、カプセル、ピル、カシェおよびロゼンジは、経口投与に適した固体形態でありうる。
【0297】
経口投与に適した他の形態は、乳化物、シロップ、エリキシル、水溶液、水性懸濁剤を含む液状製剤、または使用前に短時間で液状製剤に変換されることが意図される固形製剤を含む。乳化物は、溶液(例えば、ポリプロピレングリコール水溶液)で調製されえ、または、乳化剤(例えば、レシチン、ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、またはアカシア)を含んでもよい。水溶液は、活性成分を水に溶解して、適切な着色剤、香料、安定化剤、および増粘剤を添加することにより調製されうる。水性懸濁剤は、微粒子活性成分を粘性物質(例えば、天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび他の周知の懸濁剤)と共に水に分散させることにより調製されうる。固形製剤は、溶液、懸濁剤および乳濁液を含み、活性成分に加えて、着色剤、香料、安定化剤、緩衝剤、人工および天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含みうる。
【0298】
本発明の化合物は、非経口投与用に(例えば、注射、例えば、ボラス注入または連続点滴による)配合されてもよく、アンプル剤、充填済み注射器、少量点滴または添加される防腐剤との多回投与容器中に単位用量形態で存在してもよい。該組成物は、油性または水性賦形剤中の、懸濁液、溶液、または乳化物のような形態(例えば、水性ポリエチレングリコール中の溶液)をとりうる。油性または非水性担体、希釈液、溶媒または賦形剤の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)および注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)を含み、処方剤、例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤を含んでいてもよい。あるいは該活性成分は、滅菌固体の無菌分離または溶液の凍結乾燥により得られ、使用前に適切なビークル(例えば、滅菌のパイロジェンフリー水)との構成のための粉末形態であいうる。
【0299】
本発明の化合物は、軟膏、クリームもしくはローションとして、または経皮貼付薬として、表皮への局所投与用に配合されてもよい。軟膏およびクリームは、例えば、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を加えて、水性または油性基剤で配合されうる。ローションは、水性または油性基剤で配合されえ、一般に、1種以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤または着色剤を含む。口内の局所投与に適した配合物は、着香した基剤(通常は、ショ糖およびアカシアまたはトラガカント)に活性剤を含むロゼンジ;不活性の基剤(例えば、ゼラチンおよびグリセリンまたはショ糖およびアカシア)に活性成分を含むトローチ;および適切な液状担体に活性成分を含む洗口剤を含む。
【0300】
本発明の化合物は、坐剤として投与するために配合されてもよい。低融点ワックス(例えば、脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物)を最初に融解して、例えば撹拌することにより、活性成分を均質に分散させる。その後、融解した均質混合物を、簡便なサイズの金型に注いで放冷し、固化させる。
【0301】
本発明の化合物は、経膣投与用に配合されてもよい。ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、または噴霧剤は、活性成分に加えて、当該技術分野で適切であることが知られる担体を含む。
【0302】
本発明の化合物は、経鼻投与用に配合されてもよい。溶液または懸濁剤を、従来の手段で(例えば、点滴注入器、ピペットまたは噴霧器を用いて)鼻腔に直接適用する。該配合物は、単回投与または多回投与の形態で提供されてもよい。点滴注入器またはピペットの後者の場合、これは、適切な所定量の溶液または懸濁剤を患者が投与することにより実行してもよい。噴霧器の場合、例えば、定量噴霧ポンプを用いて実行してもよい。
【0303】
本発明の化合物は、特に、呼吸管へのおよび鼻腔内投与を含むエアロゾル投与用に配合されてもよい。該化合物は、一般に、例えば、約5ミクロン以下のオーダーの小さな粒度を有する。そのような粒度は、当該技術分野で公知の手段、例えば、超微粉砕により得られうる。活性成分は、適切な噴射剤、例えば、クロロフルオロカーボン(CFC)(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、またはジクロロテトラフルオロエタン)、二酸化炭素または他の適切なガスと共に圧縮パック中で提供される。エアロゾルは、簡便には、界面活性剤、例えば、レシチンを含んでいてもよい。薬物の用量は、調量弁で制御してもよい。あるいは、活性成分を、乾燥粉末(例えば、適切な粉末基剤、例えば、ラクトース、デンプン、デンプン誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリジン(PVP)中の該化合物の粉末混合物)の形態で提供されてもよい。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、例えば、粉末を吸入器によって投与することができるゼラチンまたはブリスタパックの、例えば、カプセルまたはカートリッジ中の単位用量形態で存在してもよい。
【0304】
所望なら、配合物は、活性成分の徐放性または放出制御性投与用に適合される腸溶性コーティングを用いて製剤されてもよい。例えば、本発明の化合物は、経皮薬または皮下薬送達デバイス中に配合されてもよい。これらの送達システムは、該化合物の持続性放出が必要となる場合、そして処置レジメンでの患者の服薬遵守が重要な場合に有利となる。経皮送達システム中の化合物は、多くの場合、皮膚接着性固形支持体についている。注目する化合物を、浸透増強剤、例えば、アゾーン(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)と混合してもよい。持続性放出送達システムを、手術または注射により、皮下層に皮下挿入する。皮下インプラントは、脂質可溶性の膜(例えば、シリコーンゴム)または生分解性ポリマー(例えば、ポリ乳酸)中に該化合物を封入する。
【0305】
該医薬製剤は、好ましくは、単位用量形態である。そのような形態では、該製剤は、適切な量の活性成分を含む単位用量に分割される。単位用量形態は、包装された製剤であってもよく、その包装は、別々の量の製剤を含み、例えば、小包装の錠剤、カプセル、およびバイアルまたはアンプル中の粉剤であってもよい。同じく、単位用量形態は、カプセル、錠剤、カシェもしくはロゼンジそのものであってもよく、またはそれは、適切な数のこれらのいずれかの包装される形態でありうる。
【0306】
他の適切な医薬担体およびそれらの配合物は、E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19版, Easton, Pennsylvaniaの編集によるRemington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, に記載されている。本発明の化合物を含む代表的な医薬配合物を、以下に記載する。
【実施例】
【0307】
以下の製造例及び実施例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施できるようにするために与えられる。これらは、本発明の範囲を限定すると考えられるべきではなく、本発明の例示及び代表例としてのみ考えられるべきである。下記に示した略語を実施例において使用することがある
【0308】
略語
DCM ジクロロメタン/塩化メチレン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
gc ガスクロマトグラフィー
HMPA ヘキサメチルホスホルアミド
hplc 高速液体クロマトグラフィー
mCPBA m−クロロ過安息香酸
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
NMP N−メチルピロリジノン
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LDA リチウムジイソプロピルアミン
TLC 薄層クロマトグラフィー
RT 室温
【0309】
実施例1
N−メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]アミン
【0310】
【化72】

【0311】
工程1 2,2−ジメチル−5−[フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオン
アセトニトリル(20ml)中の1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(Synthesis 1999, 615-620)(2.88g、9.47mmol)の室温(RT)溶液に、メルドラム酸(1.5g、10mmol)、ベンズアルデヒド(1.9ml、19mmol)、トリエチルアミン(TEA)(1.9ml、14mmol)及びプロリン(触媒量)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、濃縮し、残留物をEtOAcとブラインに分配した。水層をEtOAcで2回抽出した。有機層を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、2,2−ジメチル−5−[フェニル−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオンを得た。
【0312】
工程2 N−メチル−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド
2,2−ジメチル−5−[フェニル−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオン(700mg)、メチルアミン(THF中の2M、3ml)及びピリジン(5ml)を入れた密閉管を120℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、HOとEtOAcに分配した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、N−メチル−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミドを得た。
【0313】
工程3 N−メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]アミン
THF(5ml)中のN−メチル−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド(54mg、0.19mmol)の室温懸濁液に、LiAlH(0.38ml、THF中の1M)を室温で加えた。得られた混合物を4時間還流し、次に同量のLiAlHを加えた。得られた混合物を一晩還流し、室温に冷却し、NaSO・10HOを加えてクエンチした。混合物を30分間撹拌し、固体を濾別し、EtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH)により精製して、N−メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]アミンを白色の泡状物として得た(28mg、収率56%);MS M+H=266。
【0314】
工程4 (R)−及び(S)−メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルの製造及び分割
DCM(40ml)中のラセミのメチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン(267mg、1.01mmol)の0℃の溶液に、TEA(0.47ml、3.37mmol)を、続いて、BocO(416mg、1.91mmol)を加えた。混合物を1時間かけて室温まで温め、次に室温で22時間撹拌して、メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルのラセミ混合物(単離せず)を得た。反応混合物を減圧下で濃縮し、Chiralpak AD分取250×20mmへの複数回注入によるキラル分取HPLC(ヘキサン/i−PrOH、6ml/分)により精製して、(R)−メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(215mg、収率31%)を第1の画分として、(S)−メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(197mg、収率28%)を第2の画分として得た。
【0315】
工程5 (R)−及び(S)−N−メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]アミン
ジクロロメタン(DCM)(20ml)中の(R)−メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(181mg、0.496mmol)の室温溶液に、トリフルオロ酢酸(TFA)(0.19ml、2.48mmol)を加えた。混合物を室温で24時間撹拌し、次にTFA(95μl、1.24mmol)の第2の部分を加えた。24時間後、混合物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、(R)−N−メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]アミンをTFA塩(186mg、収率76%、α=+20.4°)として得た。
【0316】
(S)−メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルから出発したことを除いては同様にして、(S)−N−メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]アミンを製造した。(175mg、収率70%、α=−20.0°)。
【0317】
実施例2
[3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
【0318】
【化73】

【0319】
工程1 1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
THF(75ml)中の4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(WO03/082289に記載された通りに調製、1.44g、9.47mmol)の−78℃の溶液に、THF(7.4ml)中のn−BuLiの1.4M溶液をゆっくりと加えた。得られた混合物を10分間撹拌し、次に、tert−ブチル−ジメチルシリルクロリド(1.4g、9.47mmol)を混合物に加えた。反応混合物を一晩で室温まで温め、HOとEtOAcに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを澄明な油状物として得た(2.0g、収率62%)。
【0320】
工程2 5−[(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオン
5−[(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオンを、実施例1の2,2−ジメチル−5−[フェニル−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオンの製造について記載した手順に従い、1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを使用して製造した。
【0321】
工程3 3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−N−メチル−3−フェニル−プロピオンアミド
3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−N−メチル−3−フェニル−プロピオンアミドを、実施例1のN−メチル−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミドの製造について記載した手順に従い、5−[(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオンを使用して製造した(収率73%)。
【0322】
工程4 3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
THF(3ml)中の3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−N−メチル−3−フェニル−プロピオンアミド(80mg、0.25mmol)の室温懸濁液に、NaBH・SMe(30 l、THF中の10M)を加えた。反応混合物を2時間還流し、次に、冷却し、MeOH及びHCl(濃、3滴)を加えてクエンチした。得られた混合物を20分間還流し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH)により精製して、化合物15を淡黄色の粘性油状物として得た(23mg、収率31%)。
【0323】
実施例3
[3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
【0324】
【化74】

【0325】
工程1 2−[(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸ジエチルエステル
トルエン(30ml)中の4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(WO03/082289に記載の通りに調製、1.0g、6.75mmol)の室温懸濁液に、室温で、イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中の1.5M、4.95ml、7.43mmol)を滴下した。得られた混合物を室温で30分間撹拌し、ニートのベンジリデンマロン酸ジエチル(1.82ml、8.10mmol)を滴下した。反応物を1時間撹拌し、次に、NHCl飽和溶液を加えてクエンチし、HO及びEtOAcで希釈した。得られた白色の固体沈殿物を濾過し、乾燥して、2−[(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸ジエチルエステルを得た(2.13g)。更に130mgを母液から単離して、総収率85%を得た。
【0326】
工程2 2−[(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸
THF/EtOH(1/1.24ml)の混合物中の2−[(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸ジエチルエステル(1.0g、2.52mmol)の懸濁液に、HO(2ml)を、続いて、KOH(1.41g、25.2mmol)を加えた。反応混合物を50℃で4時間撹拌し、次に、室温に冷却し、濃縮した。固体残留物をHOに溶解した。得られた溶液を0℃に冷却し、HCl(1M)を加えて、pH4〜5に酸性化した。白色の固体沈殿物を濾過により集め、冷HOで洗浄し、乾燥して、2−[(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸を得た(809mg、収率94%)。
【0327】
工程3 3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピオン酸
2−[(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸(777mg、2.28mmol)を高真空下で100mlフラスコ内に置き、160℃に加熱した。白色の固体が橙色−えび茶色の油状物に溶融し、泡立ちが観察された。1時間後、反応物を室温に冷却して、3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピオン酸を得た(637mg、収率94%)。
【0328】
工程4 3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−N−メチル−3−フェニル−プロピオンアミド
DCM(20mL)中の3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピオン酸(635mg、2.14mmol)の室温懸濁液に、TEA(0.45mL、3.21mmol)を加えた。この混合物に、PyBOP(1.22g、2.35mmol)及びMeNH(THF中の2M、1.60mL、3.21mmol)を加えた。得られた混合物を室温で30分間撹拌し、白色の沈殿物を濾過により集め、3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−N−メチル−3−フェニル−プロピオンアミドを収率72%で得た(477mg)。
【0329】
工程5 [3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
THF(5mL)中の3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−N−メチル−3−フェニル−プロピオンアミド(155mg、0.50mmol)の室温懸濁液に、LAH(THF中の1M、1.5mmol)をゆっくりと加えた。混合物を一晩還流し、室温に冷却し、新たに粉砕したNaSO・10HOを加えてクエンチした。20分間撹拌した後、固体を濾別し、EtOAc(10mL、3回)及びDCM(10mL、2回)で洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH)により精製して、[3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミンを白色の固体として得た(90mg、収率61%)。
【0330】
工程6 (R)−及び(S)−[3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミンの分割
ラセミの[3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステルを実施例1の工程4の手順に従って製造し、Chiralpak OD分取カラム50×500mmへの複数回注入によるキラル分取HPLC(ヘキサン/i−PrOH 80/20、50mL/分)により分離して、(R)−[3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(200mg、)及び(S)−[3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(195mg)を得た。これらの化合物を、実施例1の工程5の手順を使用し、脱保護して、それぞれ(R)−[3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン(216mg、収率84%、α=+20.4°)及び(S)−[3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン(208mg、収率79%、α=−20.5°)をトリフルオロアセタート塩として得た。
【0331】
実施例4
2−ピリジン−3−イル−メチレン−マロン酸ジメチルエステル
【0332】
【化75】

【0333】
ベンゼン(30mL)中の、ピリジン−3−カルボキシアルデヒド(0.94mL、10mmol)及びジメチルマロナート(1.14mL、10.0mmol)の室温混合物に、ピペリジン(0.10mL、1.0mmol)及び安息香酸(60mg、0.5mmol)を加えた。得られた混合物を還流下で一晩撹拌し、室温に冷却し、水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、NaHCOの飽和溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、2−ピリジン−3−イル−メチレン−マロン酸ジメチルエステルを白色の固体として得た(1.90g、収率86%)。
【0334】
実施例5
[3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ピリジン−3−イル−プロピル]−メチル−アミン
【0335】
【化76】

【0336】
工程1 2−[(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−ピリジン−3−イル−メチル]−マロン酸ジメチルエステル
トルエン(15mL)中の4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.5g、3.37mmol)の懸濁液を0℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中の1.5M、2.47mL、3.70mmol)を滴下した。得られた混合物を室温で30分間撹拌し、トルエン(4mL)中の2−(2−ピリジン−3−イル−ビニル)−マロン酸ジメチルエステル(867mg、4.04mmol)の溶液を滴下した。反応物を1時間撹拌し、次にNHClの飽和溶液を加えて、クエンチした。混合物をHO及びEtOAcで希釈し、得られた白色の固体沈殿物を濾過により集め、EtOAcで洗浄し、乾燥して、2−[(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−ピリジン−3−イル−メチル]−マロン酸ジメチルエステルを収率75%で得た(936mg)。
【0337】
工程2 3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−ピリジン−3−イル−プロピオン酸
THF/MeOH(20mL、1/1混合物)中の2−[(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−3−イル−メチル]−マロン酸ジメチルエステル(780mg、2.11mmol)の室温懸濁液に、水(2mL)を、続いて、KOH(1,18g、21.1mmol)を加えた。得られた混合物を50℃で4時間撹拌し、濃縮し、残留物を水に溶解し、HCl(1M)でpH4に酸性化した。得られた水溶液を1.5時間加熱還流し、濃縮した。残留物をMeOH(25mL)に溶解し、室温で30分間撹拌した。白色の固体沈殿物を濾別し、濾液を濃縮して、3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−ピリジン−3−イル−プロピオン酸を得た。
【0338】
工程3 3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−N−メチル−ピリジン−3−イル−プロピオンアミド
DMF(15mL)中の3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−ピリジン−3−イル−プロピオン酸(627mg、2.11mmol)の室温溶液に、TEA(0.44mL、3.16mmol)を、続いて、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム へキサフルオロホスファート(1.20g、2.32mmol)及びMeNH(THF中2M、1.60mL、3.16mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、HOでクエンチし、濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH)により精製して、化合物26をオフホワイトの泡状物として得た(355mg、ジエステルから3工程かけての収率54%)。
【0339】
工程4 [3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ピリジン−3−イル−プロピル]−メチル−アミン
実施例3の工程5の手順に従って、[3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ピリジン−3−イル−プロピル]−メチル−アミンを収率42%で製造した(80mg)。
【0340】
実施例6
メチル−[3−ピリジン−3−イル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン
【0341】
【化77】

【0342】
工程1 2−[ピリジン−3−イル−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸ジメチルエステル
実施例5の工程1の手順に従って、2−[ピリジン−3−イル−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸ジメチルエステルを、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンから収率72%で製造した。
【0343】
工程2 2−[ピリジン−3−イル−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸
実施例5の工程2の手順に従って、2−[ピリジン−3−イル−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸を、2−[ピリジン−3−イル−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸ジメチルエステルから製造し、精製せずに次の工程で使用した。
【0344】
工程3 3−ピリジン−3−イル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオン酸
実施例5の工程3の手順に従って、3−ピリジン−3−イル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオン酸を製造し、精製せずに次の工程で使用した。
【0345】
工程4 N−メチル−3−ピリジン−3−イル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド
DCM(30mL)中の3−ピリジン−3−イル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオン酸(810mg、3.03mmol)の室温懸濁液に、TEA(0.63mL、4.54mmol)を、続いて、PyBOP(1.73g、3.33mmol)及びMeNH(THF中の2M、2.27mL、4.54mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した後、ベージュ色の沈殿物を濾別し、濾液を濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH)により精製して、N−メチル−3−ピリジン−3−イル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミドを黄色の油状物として得た(525mg)。
【0346】
工程5 メチル−[3−ピリジン−3−イル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン
メチル−[3−ピリジン−3−イル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミンを、実施例5の工程5の手順を使用して、N−メチル−3−ピリジン−3−イル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミドから、総収率17%で製造した(83mg)。M+H=267。
【0347】
実施例7
N−メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン
【0348】
【化78】

【0349】
工程1 1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルバルデヒド
水(14mL)中の、1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(947mg、8.02mmol)、ヘキサメチレンテトラアミン(1.7g、12mmol)及び酢酸(7.5mL)の混合物を、N下、4時間還流した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH)により精製して、1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルバルデヒドを白色の固体として得た(660mg、収率56%)。
【0350】
工程2 2−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル−メチレン)−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステル
アセトニトリル(40mL)中の、1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−カルバルデヒド(660mg、4.5mmol)、tert−ブチル−メチルマロナート(3.8mL、22.5mmol)、ピペリジン(0.12mL)及び酢酸(0.12mL)の混合物を加熱還流した。得られた混合物を室温で24時間撹拌し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、2−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル−メチレン)−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステルをシス−及びトランス−異性体の混合物として得た(780mg、収率57%)。
【0351】
工程3 2−[フェニル−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステル
THF(10mL)中のPhMgBr(THF中の1M、6.5mL)の室温溶液に、THF(15mL)中の2−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル−メチレン)−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステルの溶液を滴下した。混合物を室温で1時間撹拌した後、水を加えて反応をクエンチした。HCl(1M)を加えて、希釈混合物をpH7に中和し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、2−[フェニル−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステルを得た(680mg、収率69%)を得た。
【0352】
工程4 2−[フェニル−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル−メチル)−マロン酸モノ−メチルエステル
TFA/DCM(2/1、9mL)の混合物中の2−[フェニル−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル−メチル)−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステル(320mg)の室温溶液を1.5時間撹拌し、濃縮して、2−[フェニル−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル−メチル)−マロン酸モノ−メチルエステルをトリフルオロアセタート塩として得た。
【0353】
工程5 3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−プロピオン酸メチルエステル
2−[フェニル−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル−メチル)−マロン酸モノ−メチルエステルトリフルオロアセタート(263mg)を開口丸底フラスコ内に置き、140℃〜150℃に20分間加熱した。黒色の油状物を室温に冷却して、3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−プロピオン酸メチルエステルトリフルオロアセタートを得て、それを精製せずに次の工程で使用した。
【0354】
工程6 3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−プロピオン酸
MeOH(5mL)中の化合物37の室温溶液に、NaOH(HO中の1M、2mL)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、濃縮した。約pH4になるまで、水性残留物をHCl(1M)で酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−プロピオン酸を得た(150mg)。
【0355】
工程7 N−メチル−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド
DMF(2mL)中の3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−プロピオン酸(150mg、0.56mmol)の室温溶液に、MeNH(THF中の2M、0.85mL、1.7mmol)を、続いて、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムへキサフルオロホスファート(300mg、0.67mmol)及びTEA(0.12mL、0.85mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、次にNaHCOの飽和溶液を加え、混合物をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH)により精製して、N−メチル−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミドを得た。
【0356】
工程8 N−メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン
THF(5mL)中のN−メチル−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド(25.3mg、0.091mmol)の室温溶液に、BH・SMe(THF中の10M、18μL)を加えた。得られた混合物を2時間還流し、室温に冷却し、MeOH及びHCl(濃、3滴)を加えてクエンチした。次に、混合物を15分間加熱還流し、室温に冷却し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH)により精製して、N−メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミンを得た。MS M+H=266。
【0357】
実施例8
メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン
【0358】
【化79】

【0359】
工程1 2−[フェニル−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸ジエチルエステル
THF(10mL)中のイソプロピルマグネシウムクロリド(THF中の1.5M、2.4mL、3.6mmol)の室温溶液に、THF(3mL)中の1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン(350mg、3mmol)の溶液を、続いて、THF中のZnClの溶液(1M,3.4mL)を加えた。得られた混合物を50℃で5分間撹拌した後、2−ベンジリデン−マロン酸ジエチルエステル(1.0mL、4.5mmol)を滴下した。混合物を50℃で3時間撹拌し、室温に冷却し、NHClの飽和溶液を加えてクエンチし、EtOAcで3回抽出した。合わせた抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)により精製して、2−[フェニル−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸ジエチルエステルを得た(0.77g、収率70%)。
【0360】
工程2 2−[フェニル−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸
EtOH(40mL)中の2−[フェニル−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸ジエチルエステル(0.77g)の室温溶液に、NaOH(水中の2M、15ml)を加えた。混合物を還流下で5時間撹拌し、室温に冷却し、濃縮した。溶解するまで、HCl(1M)を加えて、水性残留物を酸性化した。この溶液に、EtOAcを加え、固体の沈殿物となり、それを濾過により集め、乾燥して、2−[フェニル−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸を得た(341mg、収率52%)。
【0361】
工程3 3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−プロピオン酸
2−[フェニル−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸(341mg、1.1mmol)を、真空下、160℃に1時間加熱し、冷却して、固体の3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−プロピオン酸を得、それを精製せずに次の工程で使用した。
【0362】
工程4 N−メチル−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド
DCM/DMF(3/2、5mL)中の3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−プロピオン酸(1.1mmol)の室温懸濁液に、TEA(0.23mL、1.7mmol)を、続いて、MeNH(THF中の2M、0.83mL)及びベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムへキサフルオロホスファート(0.58g、1.3mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、NaHCOの水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH)により精製して、N−メチル−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミドを得た(0.16g)。
【0363】
工程5 メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン
メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミンを、実施例3に記載の手順を使用して、N−メチル−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミドから製造した。HCl(EtO中の2M)を加えて、遊離アミンをビス−塩酸塩に変換した(43.5mg、収率23%)。MS M+H=266。
【0364】
実施例9
メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン
【0365】
【化80】

【0366】
工程1 2−[フェニル−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸ジエチルエステル
THF(20mL)中の1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(595mg、5.04mmol)の室温溶液に、i−PrMgCl(THF中の1.5M、5.0mL、7.6mmol)を、続いて、ZnCl(EtO中の1M、7.6mL)を加えた。得られた混合物を室温で5分間撹拌し、次に、THF(20mL)中の2−ベンジリデン−マロン酸ジエチルエステル(2.2mL、10mmol)の溶液を滴下した。混合物を室温で1時間撹拌し、NHClの飽和溶液を加えて、クエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた抽出液をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH)により精製して、2−[フェニル−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸ジエチルエステルを得た(0.33g、収率18%)。
【0367】
工程2 3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−プロピオン酸
MeOH(30mL)中の2−[フェニル−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−メチル]−マロン酸ジエチルエステル(0.33g)の室温溶液に、NaOH(水中の2M、10mL)を加えた。混合物を5時間還流し、室温に冷却し、濃縮した。HCl(1M)を加えて、残留物を酸性化し、EtOAcで抽出した。合わせた抽出液を10時間還流し、室温に冷却し、濃縮した。残留物を水とEtOAcに分配し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、粗の3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−プロピオン酸(224mg、収率94%)を得て、それを更に精製しないで次の工程で使用した。
【0368】
工程3 N−メチル−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド
N−メチル−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミドを、実施例8の工程4の手順を使用して、3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−プロピオン酸から製造した。収率54%(128mg)。
【0369】
工程4 メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン
メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミンを、実施例3の工程5の手順を使用して、N−メチル−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミドから製造し、HCl(EtO中の2M)を加えて、塩酸塩に変換した(81mg、収率52%)。MS M+H=266。
【0370】
実施例10
[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−メチル−アミン
【0371】
【化81】

【0372】
工程1 2−[(4−フルオロ−フェニル)−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−3−オキソ−ペンタン酸エチルエステル
この工程で使用する2−(4−フルオロベンジリデン)マロン酸ジエチルエステルを、実施例4に記載の手順に従って製造し、収率100%で得た(4.95g)。2−[(4−フルオロ−フェニル)−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−3−オキソ−ペンタン酸エチルエステルを、実施例5の工程1の手順を使用して、2−(4−フルオロ−ベンジリデン)−マロン酸ジエチルエステル及び1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンから製造した。(収率66%、4.3g)。
【0373】
工程2 3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−ピリジン−3−イル−プロピオン酸
THF/EtOH(40mL、1/1混合物)中の2−[(4−フルオロ−フェニル)−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−3−オキソ−ペンタン酸エチルエステル(1g、2.6mmol)の室温混合物に、KOHペレット(5.2mmol)を加えた。得られた混合物を室温で8時間撹拌し、次に、NHClの飽和溶液に注ぎ、pH7になるまで、HCl(2M)を加えて、中和した。得られた溶液をDCMで2回、及びEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。水性残留物を160℃に1時間加熱し、室温に冷却し、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−ピリジン−3−イル−プロピオン酸を白色の固体として得た(400mg)。
【0374】
工程3 3−(4−フルオロ−フェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オール
THF(10mL)中の3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−ピリジン−3−イル−プロピオン酸(200mg、0.65mmol)の室温溶液に、水素化アルミニウムリチウム(THF中の1M、1.65mL)を加えた。混合物を60℃で一晩撹拌した。過剰のNaSO・10HOを加えて、反応をクエンチし、得られた懸濁液を濾過した。濾液を濃縮して、粗の3−(4−フルオロ−フェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オールを定量的収率で得、それを更に精製しないで次の工程で使用した。
【0375】
工程4 [3−(4−フルオロ−フェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−メチル−アミン
THF(10mL)中の3−(4−フルオロ−フェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オール(188mg、0.69mmol)の0℃の溶液に、TEA(125 L,0.90mmol)を加えた。得られた混合物を0℃で5分間撹拌した後、MsCl(59 L,0.76mmol)を加え、混合物を0℃で更に2時間撹拌し、NaHCOの飽和溶液に注ぎ、EtOAcで2回抽出した(50mL)。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、黄色の油状物を得た。得られた残留物をMeNH(EtOH中の33%、15mL)に溶解し、混合物の半分を密閉管に移し、60℃に3時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、化合物54を得た(5mg、収率3%)。
【0376】
実施例11
メチル−[7−(3−メチルアミノ−1−フェニル−プロピル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−アミン
【0377】
【化82】

【0378】
工程1 メタンスルホン酸3−クロロ−1−フェニル−プロピルエステル
この工程で使用する3−クロロ−1−フェニル−プロパン−1−オールを、0℃で35分間かけて、水素化アルミニウムリチウム(THF中の1M、30mL)を加えて、EtO(200mL)中の(1,3−ジクロロ−プロピル)−ベンゼン(5g、30mmol)の溶液から製造した。添加の完了後、更なるガスの発生が観察されなくなるまで、新たに粉砕したNaSO・10HOをゆっくりと加えて、反応を0℃でクエンチした。得られた混合物を1時間撹拌し、固体を濾別し、EtO及びEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、8/2)により精製して、3−クロロ−1−フェニル−プロパン−1−オールを得た(4.26g)。
【0379】
0℃のDCM(50mL)中の3−クロロ−1−フェニル−プロパン−1−オール(1.5g、8.79mmol)の溶液に、TEA(1.6mL、11.4mmol)を、続いて、MsCl(0.75mL、9.7mmol)を加えた。反応混合物を0℃で1.5時間撹拌し、氷でクエンチし、NaHCOの飽和溶液とDCMに分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、0℃で濃縮した。このように製造したメタンスルホン酸3−クロロ−1−フェニル−プロピルエステル(粗の収率95%、2.08g)を精製しないで次の工程で使用した。
【0380】
工程2 4−クロロ−7−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
DMF(3mL)中の4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(424mg、2.76mmol)の室温溶液に、NaH(鉱油中の60%、121mg、3.03mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次に、DMF(2mL)中のメタンスルホン酸3−クロロ−1−フェニル−プロピルエステルの溶液を0℃で加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次に、HO及びEtOAcで希釈した。有機層を分離し、水で3回洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、4−クロロ−7−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを無色の油状物として得た(480mg、収率56%)。
【0381】
工程3 メチル−[7−(3−メチルアミノ−1−フェニル−プロピル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−アミン
4−クロロ−7−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(168mg、0.54mmol)及びMeNH(EtOH中の33%、4mL)の混合物を、マイクロ波により、1時間、約100℃に加熱した。次に、反応混合物を冷却し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH、8/2/1)により精製して、メチル−[7−(3−メチルアミノ−1−フェニル−プロピル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]−アミンを淡褐色の泡状物として、収率29%で得た(48mg)。
【0382】
実施例12
7−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
【0383】
【化83】

【0384】
工程1 7−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
EtOAc(50mL)中の、4−クロロ−7−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(150mg、0.5mmol)及びPd/C(10%,50%水,150mg)の懸濁液を、H雰囲気(バルーン圧力)下で、4時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、フィルターケーキをEtOAcで洗浄した(20mL)。濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、7−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得た(111mg、収率83%)。
【0385】
工程2 メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル−プロピル)−アミン ビス塩酸塩
メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル−プロピル)−アミンを、実施例11の工程3の手順に従って、7−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンから製造した(収率48%、48mg)。HCl(EtO中の2M)で処理して、対応するビス−塩酸塩を得た(52mg)。MS M+H=272。
【0386】
実施例13
メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン
【0387】
【化84】

【0388】
工程1 1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを、実施例11の工程1及び2に記載の手順に従って、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンから製造した(収率10%、78mg)。
【0389】
メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミンの合成
メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミンを、実施例11の工程3の手順に従って、1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンから製造し(収率18%、11mg)、HCl(EtO中の1M)で処理して、対応するビス−塩酸塩を得た(11mg)。MS M+H=271。
【0390】
実施例14
メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン
【0391】
【化85】

【0392】
工程1 1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを、実施例11の工程1及び2に記載の手順に従って、1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンから製造した(収率66%、98mg)。
【0393】
工程2 メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン
メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミンを、実施例11の工程3の手順に従って、1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンから、オフホワイトの固体として製造した(収率80%、78mg)。
【0394】
実施例15
(S)−メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン
【0395】
【化86】

【0396】
工程1 (S)1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
1−(3−クロロ−1−(S)−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを、実施例11の工程1及び2に記載の手順に従って、1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン及び3−クロロ−1−(R)−フェニル−プロパン−1−オールから製造した(収率24%[268mg、 =−111.0°(MeOH、c=1)]。
【0397】
工程2 (S)−メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン
メチル−(3−(S)−フェニル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミンを、実施例11の工程3の手順に従って、1−(3−クロロ−1−(S)−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンから製造し(収率76%、188mg)、HCl(EtO中の1M)で処理して、対応するビス−塩酸塩を白色の固体として得た(219mg、収率78%)。MS M+H=271。
【0398】
実施例16
メチル−[3−(4−オキシ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−アミン
【0399】
【化87】

【0400】
DCM(5mL)中の1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(75mg、0.27mmol)の0℃の溶液に、m−CPBA(62mg、0.27mmol)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、次に、Naの水溶液(10%、20mL)に注ぎ、DCM(30mL)で2回抽出した。合わせた有機抽出液をNaHCO(飽和溶液)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を、マイクロ波により、100℃で、1時間、MeNH(EtOH中33%、2.5mL)で処理した。混合物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH)により精製して、メチル−[3−(4−オキシ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−アミンをオフホワイトの泡状物として収率59%で得た(45mg)。
【0401】
実施例17
[3−(5−メトキシ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
【0402】
【化88】

【0403】
工程1 5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
EtOH/EtOAc(95/5、50mL)中の(5−メトキシ−3−ニトロ−ピリジン−2−イル)−アセトニトリル(Maybridge、986mg、5.1mmol)及びPd/C(10%、986mg)の懸濁液を、H下(60PSI)、Parr装置中で6時間振とうした。次に、反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、フィルターケーキをEtOAcで洗浄した(20mL)。濾液を濃縮し、残留物をEtOAc(50mL)に溶解し、NaHCO(飽和溶液、50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを白色の固体として得た(720mg、収率95%)。
【0404】
工程2 1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを、実施例11の工程1及び2の手順に従って、5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンから製造した(収率62%、723mg)。
【0405】
工程3 [3−(5−メトキシ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
[3−(5−メトキシ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミンを、実施例11の工程3の手順に従って、1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−5−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンから製造した(収率55%、120mg)。
【0406】
実施例18
メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン
【0407】
【化89】

【0408】
工程1 1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン
1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンを、実施例11の工程1及び2の手順に従って、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンから製造した(収率31%、220mg)。
【0409】
工程2 メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン
メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミンを、実施例11の工程3の手順に従って、1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンから製造し(収率65%、115mg)、HCl(EtO中の1M)で処理して、対応するビス−塩酸塩(100mg)を得た。MS M+H=271.
【0410】
実施例19
【0411】
【化90】

【0412】
工程1 1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン
EtOH(25mL)中の7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(650mg、4.2mmol)及びPd/C(10%、50mg)の懸濁液を、H雰囲気下(バルーン圧力)、室温で撹拌した。反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、フィルターケーキをEtOAc(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH、9/1/0.1)により精製して、1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンを白色の固体として得た(380mg、収率75%)。
【0413】
工程2 1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン
1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンを、実施例11の工程1及び2の手順に従って、1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンから製造した(収率25%)。
【0414】
工程3 メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン
メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミンを、実施例11の工程3の手順に従って、1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジンから製造し(収率75%、105mg)、HCl(EtO中の1M)で処理して、対応する塩酸塩を白色の固体として得た(65mg)。
【0415】
実施例20
【0416】
【化91】

【0417】
工程1 7−クロロ−1−(3−クロロ−1−(S)−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
7−クロロ−1−(3−クロロ−1−(S)−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンを、実施例11の工程1及び2の手順に従って、7−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン及び3−クロロ−1−(R)−フェニル−プロパン−1−オールから製造した(収率20%、40mg)。
【0418】
工程2(S)−6−メチル−9−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−3,6,9a−トリアザ−ベンゾ[cd]アズレン
MeNH(EtOH中の30%、2mL)中の7−クロロ−1−(3−クロロ−1−(S)−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(40mg、0.13mmol)の室温溶液を48時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH)により精製して、(S)−6−メチル−9−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−3,6,9a−トリアザ−ベンゾ[cd]アズレンを得た(15mg、収率43%、α=−75°(CHCl、c=1.2)。MS M+H=264。
【0419】
実施例21
3−(7−メトキシ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
【0420】
【化92】

【0421】
工程1 7−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
キシレン/t−BuOH(8/1、13.5mL)中の、KOMe(24mg、1.65mmol)及びLiOMe(12mg、448mmol)の室温懸濁液に、7−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(900mg、5.9mmol)を加えた。得られた混合物を115℃で48時間撹拌し、次に、40℃に冷却し、水(50mL)を加えて、ゆっくりとクエンチした。得られた混合物を0℃に冷却し、HClを加えて、約pH1に酸性化した。水層を分離し、NaOH(10%)を加えて、約pH7〜8に塩基性化し、EtOAc(50mL)で3回抽出した。合わせた有機抽出液をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH、9/1/0.1)により精製して、化合物78を白色の固体として収率47%で得た(412mg)。
【0422】
工程2 1−(3−クロロ−1−(S)−フェニル−プロピル)−7−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
1−(3−クロロ−1−(S)−フェニル−プロピル)−7−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン79を、実施例11の工程1及び2の手順に従って、7−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン及び3−クロロ−1−(R)−フェニル−プロパン−1−オールから製造した(収率33%、170mg、[α=−149°(CHCl、c=1)])。
【0423】
工程3 3−(7−メトキシ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
[3−(7−メトキシ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミンを、実施例11の工程3の手順に従って、1−(3−クロロ−1−(S)−フェニル−プロピル)−7−メトキシ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジンから製造した(収率36%、[98mg、α=−146.9°(CHCl、c=1)])。
【0424】
実施例22
メチル−(3−ピリジン−3−イル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン
【0425】
【化93】

【0426】
工程1 2−ピリジン−3−イル−メチレン−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステル
この工程で使用する2−ピリジン−3−イル−メチレン−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステルを、実施例4の手順を使用して、tert−ブチル−メチルマロナートから製造した(収率48%、3.21g)。
【0427】
DMF(20mL)中の1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(300mg、2.53mmol)の0℃の溶液に、NaH(鉱油中の60%、112mg、2.79mmol)を加えた。得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、次に、2−ピリジン−3−イル−メチレン−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステル(669mg、2.53mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、水(50mL)に注ぎ、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を水(50mL)で3回洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、2−ピリジン−3−イル−メチレン−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステルを収率71%で得(694mg)、それを精製しないで次の工程で使用した。
【0428】
工程2 3−ピリジン−3−イル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピオン酸メチルエステル
トルエン(50mL)中の、2−(ピリジン−3−イル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−メチル)−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステル(694mg、1.82mmol)の室温溶液に、p−TSA(727mg、2.1mmol)を加え、混合物を還流下で4時間撹拌した。次に、混合物をNaHCOの飽和溶液(100mL)に注ぎ、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)により精製して、3−ピリジン−3−イル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピオン酸メチルエステルを得た(収率35%、183mg)。
【0429】
工程3 3−ピリジン−3−イル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロパン−1−オール
THF(10mL)中の3−ピリジン−3−イル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピオン酸メチルエステル(150mg、0.53mmol)の0℃の溶液に、LAH(THF中の1M、0.53mL)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、新たに粉砕したNaSO・10HO(1g)を加えて、クエンチした。混合物をセライトパッドを通して濾過し、濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH、8/2/0.1)により精製して、3−ピリジン−3−イル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロパン−1−オールを得た(収率66%、85mg)。
【0430】
工程4 メチル−(3−ピリジン−3−イル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン
DCM(10mL)中の3−ピリジン−3−イル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロパン−1−オール(85mg、0.33mmol)の0℃の溶液に、TEA(70μL、0.50mmol)を、続いて、MsCl(30μL、0.37mmol)を加えた。反応物を0℃で30分間撹拌し、次に、水(50mL)に注ぎ、DCM(50mL)で抽出した。有機抽出液を合わせ、NaHCOの飽和溶液(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をMeNH(EtOH中の33%、4mL)に溶解し、混合物をマイクロ波により、約100℃に、30分間加熱した。混合物を濃縮し、残留物をDCMとNaHCOの飽和溶液に分配した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH)により精製して、メチル−(3−ピリジン−3−イル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミンを得(収率92%、83mg)、それをHCl(EtO中の1M)で処理して、対応する塩酸塩を泡状物として得た(75mg)。
【0431】
実施例23
【0432】
【化94】

【0433】
工程1 4−クロロ−1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
DMF(5mL)中の4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(200mg、1.31mmol)の室温溶液に、NaH(鉱油中の60%、57.7mg、1.44mmol)を、続いて、メタンスルホン酸3−クロロ−1−フェニル−プロピルエステル(326mg、1.31mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、氷水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、4−クロロ−1−(3−クロロ−1−フェニル−プロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを、環化生成物8−クロロ−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−3H−2a−アザ−5a−アゾニア−アセナフチレンとの混合物として得た。混合物を精製しないで次の工程で使用した。
【0434】
工程2 [3−(4−クロロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
前工程からの粗混合物をMeNH(EtOH中の33%、5mL)に溶解し、マイクロ波により、130℃に、1時間加熱した。混合物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH)により精製して、[3−(4−クロロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン(28mg)を得、それをEtOAc及び2当量のHCl(EtO中の1M)に溶解して、対応する塩酸塩(29mg)を得た。MS M+H=306。
【0435】
実施例24
[3−(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
【0436】
【化95】

【0437】
工程1 2−[(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステル
この工程で使用する2−ベンジリデン−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステルを、実施例4の手順に従って、tert−ブチル−メチルマロナート及びベンズアルデヒドから製造した(収率36%、4.53g)。
【0438】
2−[(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステルを、実施例7の手順を使用して、4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(WO03/082289)及び2−ベンジリデン−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステルから製造し、精製せずに使用した。
【0439】
工程2 3−(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオン酸メチルエステル
3−(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオン酸メチルエステルを、実施例7の手順を使用して、2−[(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸tert−ブチルエステルメチルエステルから製造した(677mg)。
【0440】
工程3 3−(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロパン−1−オール
3−(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロパン−1−オールを、実施例7の手順に従って、3−(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオン酸メチルエステルから製造し、精製しないで次の工程で使用した。
【0441】
工程4 3−(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオンアルデヒド
DCM(50mL)中のDess−Martinペルアイオダン(1.69g、3.99mmol)の室温混合物に、3−(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロパン−1−オール(563mg、2.0mmol)を加えた。反応物を室温で2時間撹拌し、次に、NaHCOの飽和溶液に注いだ。有機層を分離し、水層をDCM/EtOAc(2/1)の混合物で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、3−(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオンアルデヒドを得、それを更に精製しないで次の工程で使用した。
【0442】
工程5 [3−(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
MeOH(40mL)中のMeNH・HCl(2.17g、31.9mmol)の室温溶液に、NaOH(319mg、7.98mmol)を加えた。得られた混合物を20分間撹拌した。次に、MeOH(20mL)中の3−(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオンアルデヒド(2.0mmol)の溶液を加え、得られた混合物を2時間撹拌した。この溶液に、NaCNBH(125mg、2.0mmol)を加え、混合物を1時間撹拌し、水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、分取TLCにより精製して、[3−(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン(123mg、3工程の収率21%)を得た。この化合物をEtOAcに溶解し、1当量のHCl(EtO中の1M)を加えて、対応する塩酸塩に変換して、対応するHCl塩107mgを得た。
【0443】
実施例25
【0444】
【化96】

【0445】
工程1 5−[シクロヘキシル−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオン
5−[シクロヘキシル−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオンを、実施例1の手順に従い、シクロヘキシルマグネシウムブロミドを使用して製造した。
【0446】
工程2 3−シクロヘキシル−N−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド
5−[シクロヘキシル−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−メチル]−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオン(560mg、1.57mmol)、ピリジン(8mL)及びMeNH(THF中の2M、16mL)の混合物を密閉バイアル中で120℃に3時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水に注いだ。pHを7に調整し、得られた溶液をEtOAc(100mL)で5回、DCM(200mL)で3回抽出した。有機層を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、粗の3−シクロヘキシル−N−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド(270mg)を得、それを精製しないで次の工程で使用した。
【0447】
工程3 [3−シクロヘキシル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−メチル−アミン
THF(10mL)中の3−シクロヘキシル−N−メチル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド(170mg、0.95mmol)の室温溶液に、LAH(THF中の1M、1.5mL)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、更にLAH(THF中の1M、2mL)を加えた。得られた混合物を4時間還流し、次に、新たに粉砕したNaSO・10HO(3g)を加えて、クエンチした。1時間撹拌した後、固体を濾別し、濾液を濃縮し、分取HPLCにより精製して、[3−シクロヘキシル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−メチル−アミンを得た。MS M+H=272。
【0448】
実施例26
3−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
【0449】
【化97】

【0450】
工程1 4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
トルエン(150mL)中の、4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.24g、8.13mmol)、K(i−Pr)O(3.2g、32.5mmol)及びセライト(1.9g)の混合物を24時間還流した。反応混合物を80℃に冷却し、水を加えてクエンチした。懸濁液を室温に冷却し、セライトを濾過により集め、DCM中でつき砕いた。濾液をクロロホルムで抽出し、合わせた有機層をシリカ上に乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを得た(295mg、収率21%)。
【0451】
工程2 2−[(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸ジエチルエステル
2−[(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸ジエチルエステルを、実施例3の工程1の手順を使用して、4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンから製造した(収率68%、479mg)。
【0452】
工程3 2−[(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸
2−[(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸100を、実施例3の工程2の手順を使用して、2−[(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸ジエチルエステルから製造した(収率80%、335mg)。
【0453】
工程4 2−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−プロピオン酸
2−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−プロピオン酸を、実施例3の工程3の手順を使用して、2−[(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸から製造した(270mg)。
【0454】
工程5 2−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−N−メチル−3−フェニル−プロピオンアミド
DCM(50mL)中の、2−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−フェニル−プロピオン酸(270mg、0.83mmol)、MeNH・HCl(69mg、1.04mmol)、TEA(0.43mL、3.04mmol)、EDCI(199mg、1.04mmol)及びHOBt(141mg、1.04mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。次に、反応混合物を、順次、水(50mL)、NaHCO(飽和溶液、50mL)で3回、水(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、淡黄色の固体残留物をEtO及びヘキサン中でつき砕いて、2−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−N−メチル−3−フェニル−プロピオンアミドを白色の固体として得た(175mg、収率62%)。
【0455】
工程6 [3−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
THF(10mL)中の2−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−N−メチル−3−フェニル−プロピオンアミド(175mg、0.52mmol)の溶液に、LAH(THF中の1M、1.56mL)を加えた。反応混合物を24時間還流し、室温に冷却し、水(60μL)を、NaOH(1M、60μL)を、続いて、水(180μL)を加えてクエンチした。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた清澄な油状物をHClで酸性化し、固体残留物に濃縮し、それをEtOAc及びHCl(EtO中の1M)中でつき砕いて、[3−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン塩酸塩を得た(95mg)。
【0456】
実施例27
[3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ピリジン−3−イル−プロピル]−メチル−アミン
【0457】
【化98】

【0458】
工程1 2−[(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−3−イル−メチル]−マロン酸ジメチルエステル
トルエン(15mL)中の4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.5g、3.27mmol)の0℃の懸濁液に、i-PrMgCl(THF中の1.5M、2.4mL、3.60mmol)を加え、室温で30分間撹拌し、その後、トルエン(4mL)中の2−ピリジン−3−イル−メチレン−マロン酸ジメチルエステル(867mg、3.92mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を1時間撹拌し、NHClの飽和溶液を加えて、クエンチした。混合物をHOで希釈し、EtOAc/MeOH(95/5)で2回抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をEtOAc/ヘキサン(3/7)の混合物中でつき砕いて、化合物104をオフホワイトの固体として得た(746mg、総収率61%)。
【0459】
工程2 2−[(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−ピリジン−3−イル−メチル]−マロン酸
2−[(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−ピリジン−3−イル−メチル]−マロン酸105を、実施例3の工程2の手順に従って、2−[(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ピリジン−3−イル−メチル]−マロン酸ジメチルエステルから製造した。
【0460】
工程3 3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ピリジン−3−イル−プロピオン酸
3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ピリジン−3−イル−プロピオン酸106を、実施例3の工程3の手順に従って、2−[(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−ピリジン−3−イル−メチル]−マロン酸から製造した(785mg)。
【0461】
工程4 3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−N−メチル−3−ピリジン−3−イル−プロピオンアミド
3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−N−メチル−3−ピリジン−3−イル−プロピオンアミドを、実施例3の工程4の手順に従って、3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ピリジン−3−イル−プロピオン酸から製造した(収率63%、495mg)。
【0462】
工程5 [3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ピリジン−3−イル−プロピル]−メチル−アミン
THF(20mL)中の3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−N−メチル−3−ピリジン−3−イル−プロピオンアミド(200mg、0.64mmol)のスラリーに、BH・THF(THF中の1M、6.4mL)を加えた。得られた混合物を45分間還流し、次に、HClを加えて、クエンチした。反応混合物を、更なるガスの発生が観察されなくなるまで、室温で数時間撹拌し、次に、それをKOH(水中の50%)で塩基性化し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をイソプロパノール/EtOに溶解し、HCl(EtO中の1M)を加えた。白色の沈殿物を、N下、濾過により集め、[3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ピリジン−3−イル−プロピル]−メチル−アミン塩酸塩を収率56%で得た(120mg)。
【0463】
実施例28
配合物
様々な経路で送達させる医薬製剤を、以下の表に示すとおり配合させる。表で用いる「活性成分」または「活性化合物」は、1種以上の、式Iで示される化合物を意味する。
【0464】
【表2】

【0465】
成分を混合し、それぞれ、約100mg含むカプセルに分配する。カプセル1個は、ほぼ日用量の総量である。
【0466】
【表3】

【0467】
成分を混合して、メタノールなどの溶媒を用いて造粒する。その後、配合物を乾燥させて、適切な打錠機で、錠剤(活性成分を約20mg含む)を形成する。
【0468】
【表4】

【0469】
成分を混合して、経口投与用の懸濁液を形成させる。
【0470】
【表5】

【0471】
活性成分を注射用水の一部に溶解する。その後、撹拌しながら、十分な量の塩化ナトリウムを添加して、溶液を等張にする。溶液を、残りの注射用水で重量調整し、0.2ミクロン・メンブランフィルターでろ過して、滅菌条件下で包装する。
【0472】
【表6】

【0473】
成分を一緒に溶融し、スチームバス上で混合し、総重量2.5gを含む金型に注ぐ。
【0474】
【表7】

【0475】
水以外の成分全てを合わせ、撹拌しながら、約60℃に加熱する。その後、激しく撹拌しがら、十分な量の水を、約60℃で添加し、成分を乳化させ、その後、水を約100gにするのに十分な量添加する。
【0476】
鼻孔スプレー配合物
0.025〜0.5%の活性化合物を含む水性懸濁剤の数種を、鼻孔スプレー配合物として製造する。配合物は、場合により、不活性成分を、例えば、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロースなどを含む。塩酸を添加し、pHを調整してもよい。通常、動作あたり約50〜100μlの配合物を送達する鼻孔スプレー用調量ポンプを介して、鼻孔スプレー配合物を送達してもよい。通常の投与スケジュールは、4〜12時間ごとに、2〜4回のスプレーである。
【0477】
実施例29
シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いる、ヒト−セロトニントランスポーター(hSERT)アゴニストのスクリーニング
この実施例のスクリーニングアッセイを用いて、hSERTトランスポーターでのリガンドの親和力を、[H]−シタロプラムと競合させて測定した。
【0478】
シンチレーション近接アッセイ(SPA)は、放射性リガンドをビーズシンチラントに非常に接近させて、発光を刺激することにより実行する。このアッセイでは、受容体を含む膜を、SPAビーズに予め結合させて、トランスポータへの適切な放射性リガンドの結合を測定した。発光は、結合した放射性リガンドの量に比例した。非結合放射性リガンドは、シンチラントと離れているため、シグナルを発生しなかった(エネルギートランスファーの欠如)。
【0479】
組換えhSERTを安定発現するHEK−293細胞(Tatsumi et al., Eur. J. Pharmacol. 1997, 30, 249-258)を、媒体(10% FBS、300μg/ml G418および2mM L−グルタミンとの、高グルコースDMEM)と保持し、5%CO、37℃でインキュベートした。PBSを用いて、細胞を1〜2分間かけて培養フラスコから遊離させる。次に、細胞を1000gで5分間遠心分離し、PBSで再懸濁させた後、膜の調製に用いた。
【0480】
50mMトリス(pH7.4)の膜調製緩衝液を用いて、細胞膜を調製した。細胞膜は、単一キューブから調製した(細胞総数7.5×10個)。細胞を、Polytronを用いて均質化させた(設定培地で4秒間破砕)。その後、ホモジネートを48,000×gで15分間遠心分離し、次に、上清を除去し、廃棄し、ペレットを新しい緩衝液で再懸濁させた。第2の遠心分離後、ペレットを再度均質化させて、アッセイ時に測定される最終容量にした。代表的には、膜の一部を分取して3mg/ml(w:v)に調製し(aliquoted in 3mg/ml) 、−80℃で貯蔵した。
【0481】
シンチレーション近接アッセイ IC50/Ki決定のため、50mMトリス−HClおよび300mM NaCl(pH7.4)緩衝液を使用した。本発明の化合物を、希釈系列プロトコルを利用して、Beckman Biomek2000を介して、10mM〜0.1nMFAC(10点曲線、ホールログ/ハーフログ希釈(whole log/half log dilutions))に希釈した。その後、試験化合物を移し(20μl/ウェル)、[H]−シタロプラム放射性リガンドを50μl/ウェルで添加した。ウェルあたり加えられる、PVT-WGA Amershamビーズ(Cat# RPQ0282V)0.7mgで、膜とビーズを10μg:0.7mgの比に調製した。膜/ビーズ混合物130μlを、アッセイプレートに添加した。混合物を室温で1時間放置し、その後、Packard TopCount LCS、一般的なシンチレーション近接アッセイのカウントプロトコル設定上ででカウントした(エネルギー範囲:低、効率モード:ノーマル、領域A:1.50〜35.00、領域B:1.50〜256.00、カウント時間(分):0.40、バックグランドの減算:なし、半減期補正:なし、クエンチ指示薬(Quench Indicator):tSIS、プレートマップブランク減算:なし、クロストーク低減:オフ)。
【0482】
テストしたそれぞれの化合物について、%阻害率を計算した[(最大濃度で、1分あたりの化合物カウント(CPM)−非特異的CPM/総CPM×100)]。以下の式を利用し、Activity-Base/Xlfitでの対話型非線形曲線適合法を利用して、50%阻害率を生じる濃度(IC50)を決定した。
【0483】
【数1】

【0484】
ここで、max=全ての結合、min=非特異的結合、x=テスト化合物の濃度(M)、n=Hillスロープである。各化合物の阻害解離定数(Ki)を、Cheng-Prusoffの方法により決定し、その後、Kiの負の対数(pKi)に変換した。
【0485】
上記手順を用いて、本発明の化合物が、ヒト−セロトニントランスポーターについての親和力を有することが見出された。例えば、上記アッセイを用いると、[(S)−3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニルプロピル]メチルアミンは、約8.75のIC50を示し、3−(S)−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニルプロピル]メチルアミンは、約8.35のpKiを示し、[3−(R)−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニルプロピル]メチルアミンは、約8.55のpKiを示した。
【0486】
実施例30
シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いるヒト−ノルエピネフリントランスポーター(hNET)で活性の化合物のスクリーニング
このアッセイを用いて、hNETトランスポーターについてのリガンドの親和力を、[H]−ニソキセチンと競合させて測定した。上記実施例のhSERTアッセイと同様に、受容体を含む膜をSPAビーズと予め結合させて、トランスポーターへの適切な放射性リガンドの結合を測定した。発光は、結合した放射性リガンドの量に比例し、非結合の放射性リガンドは、シグナルを発生しなかった。
【0487】
組換えhNETを安定発現するHEK−293細胞(クローン:HEK−hNET #2)(Tatsumi et al., Eur. J. Pharmacol. 1997, 30, 249-258)を、媒体(10% FBS、300μg/ml G418および2mM L−グルタミンでの高グルコースDMEM)で保持し、5%CO、37℃でインキュベートした。PBSを用いて、細胞を1〜2分間かけて培養フラスコから遊離させた。次に、細胞を1000gで5分間遠心分離し、PBSで再懸濁させた後、膜の調製に用いた。
【0488】
50mMトリス(pH7.4)の膜調製緩衝液を用いて、細胞膜を調製した。細胞膜を、単一キューブから調製した(細胞総数7.5×10個)。細胞を、Polytronを用いて均質化させた(設定培地で4秒間破砕)。その後、ホモジネートを48,000×gで15分間遠心分離し、次に、上清を除去し、廃棄し、ペレットを新しい緩衝液で再懸濁させた。第2の遠心分離後、ペレットを再度均質化させて、アッセイ時に測定される最終容量にした。代表的には、膜の一部を分取して3〜6mg/ml(w:v)に調製し、−80℃で貯蔵した。
【0489】
シンチレーション近接アッセイIC50/Ki決定のために、[H]−ニソキセチン放射性リガンド(Amersham Cat# TRK942またはPerkin Elmer Cat#NET1084、比活性:70〜87Ci/mmol、原液濃度:1.22e-5 M、最終濃度:8.25e-9 M)および50mMトリス−HCl、300mM NaCl(pH7.4)緩衝液を使用した。本発明の化合物を、希釈系列プロトコルを利用して、Beckman Biomek2000を介して、10mM〜0.1nMFAC(10点曲線、ホールログ/ハーフログ希釈)に希釈した。その後、テスト化合物を移し(20μl/ウェル)、放射性リガンドを50μl/ウェルで添加した。ウェルあたり加えられる、PVT-WGA Amershamビーズ(Cat# RPQ0282V)0.7mgで、膜とビーズを10μg:0.7mgの比に調製した。膜/ビーズ混合物130μlを、アッセイプレートに添加した。混合物を室温で1時間静置し、その後、Packard TopCount LCS、一般的なSPAのカウントプロトコル設定上でカウントした(エネルギー範囲:低、効率モード:ノーマル、領域A:1.50〜35.00、領域B:1.50〜256.00、カウント時間(分):0.40、バックグランドの減算:なし、半減期補正:なし、クエンチ指示薬:tSIS、プレートマップブランク減算:なし、クロストーク低減:オフ)。
【0490】
%阻害率をテストしたそれぞれの化合物について計算した[(最大濃度での化合物CPM−非特異的CPM/総CPM×100)]。以下の式を利用し、Activity-Base/Xlfitでの対話型非線形曲線適合法を利用して、50%阻害率を生じる濃度(IC50)を決定した。
【0491】
【数2】

【0492】
ここで、max=全ての結合量、min=非特異的結合、x=試験化合物の濃度(M)、n=Hilスロープ)。各化合物の阻害解離定数(Ki)を、Cheng-Prusoffの方法により決定し、その後、Kiの負の対数(pKi)に変換した。
【0493】
上記手順を用いて、本発明の化合物が、ヒト−ノルエピネフリントランスポーターについての親和力を有することが見出された。例えば、[(S)−3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニルプロピル]メチルアミンは、約7.75のIC50を示し、3−(S)−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニルプロピル]メチルアミンは、約8のpKiを示し、[3−(R)−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニルプロピル]メチルアミンは、約6.3のpKiを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】


[式中、
pは、1または2であり;
Arは、
それぞれが場合により置換される、ピロロピリジン−1−イル、ピロロピリジン−2−イル、およびピロロピリジン−3−からなる群から選択されるピロロピリジニル;
それぞれが場合により置換される、ピロロピリジン−1−イルN−オキシド、ピロロピリジン−2−イルN−オキシド、およびピロロピリジン−3−イルN−オキシドからなる群から選択されるピロロピリジニルN−オキシド;または
それぞれが場合により置換される、ピロロピリミジン−5−イル、ピロロピリミジン−6−イル、およびピロロピリミジン−7−イルからなる群から選択されるピロロピリミジニル;
であり、
は、
(a)それぞれが場合により置換される、フェニルおよびナフチルから選択されるアリール;
(b)それぞれが場合により置換される、インドリル、ピリジニル、チエニル、フラニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、キノリニルおよびイソキノリニルから選択されるヘテロアリール;
(c)場合により置換されるアリールアルキル;
(d)場合により置換されるヘテロアリールアルキル;
(e)シクロアルキル;
(f)シクロアルキルメチル;もしくは
(g)分枝状アルキル;
であり、
は、
(a)水素;
(b)アルキル;
(c)ヒドロキシアルキル;
(d)アルコキシアルキル;
(e)ベンジル;
であるか、
または、Rは、窒素原子を、Arの環炭素原子の1個につなぐ結合であり;
は、
(a)水素;
(b)アルキル;
(c)ヒドロキシアルキル;
(d)アルコキシアルキル;
(e)ベンジル;であるか、
(f)または、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される更なるヘテロ原子を場合により含む、場合により置換される4〜7員環を形成してもよく;
は、
水素;
フルオロ;もしくは
アルキル;
であり、
は、
水素;
アルキル;
ヒドロキシ;
アルコキシ;
フルオロ;もしくは
ヒドロキシアルキル;
であるか、
または、RおよびRの一方が、RおよびRの一方ならびにそれらが結合する原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される更なるヘテロ原子を場合により含む、5または6員環を形成してもよく;
およびRは、それぞれ独立して、
水素;もしくは
アルキル;
であるか、
または、RおよびRが、一緒になって、=O、=S、もしくは=NR(式中、Rは、水素、アルキルまたは−ORであり、ここで、Rは、水素またはアルキルである)を形成するか;
または、RおよびRの一方が、RおよびRの一方ならびにそれらが結合する原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される更なるヘテロ原子を場合により含む、5または6員環を形成していてもよく;
またはRおよびRの一方が、RおよびRの一方ならびにそれらが結合する原子と一緒になって、O、NおよびSから選択される更なるヘテロ原子を場合により含む、4〜6員環を形成してもよく;
は、水素またはアルキルである]
で示される化合物または薬学的に許容され得るその塩。
【請求項2】
Arが、
(a) それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル、及びピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルから選択されるピロロ[2,3−b]ピリジニル;
(b) それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル、及びピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イルからなる群より選択されるピロロ[2,3−c]ピリジニル、;
(c) それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル、及びピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イルからなる群より選択されるピロロ[3,2−b]ピリジニル、;
(d) それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル 4−オキシド、ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル 4−オキシド、及びピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル 4−オキシドからなる群より選択されるピロロ[3,2−b]ピリジニル 4−オキシド、;
(e) それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル、及びピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イルからなる群より選択されるピロロ[3,2−c]ピリジニル;又は
(f) それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル、及びピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イルからなる群より選択されるピロロ[2,3−d]ピリミジニル;
である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
pが、1である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
が、それぞれが場合により置換される、アリール、ヘテロアリール、またはシクロアルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
が、それぞれが場合により置換される、フェニル、ピリジニル、またはシクロヘキシルである、請求項4記載の化合物。
【請求項5】
およびRのそれぞれが、独立して、水素またはアルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
が、窒素原子をArの環炭素原子の1個につなぐ結合である、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
およびRが、水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
およびRが、水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
式II:
【化2】


(式中、
は、水素、アルキルであるか、または、窒素原子をArの環炭素原子の1個につなぐ結合であり;
は、水素またはアルキルであり;
ArおよびRは、請求項1で説明されるとおりである)
で示される、請求項1記載の化合物または薬学的に許容され得るその塩。
【請求項10】
Arが、
(a) それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル、及びピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルから選択されるピロロ[2,3−b]ピリジニル;
(b) それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル、及びピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イルからなる群より選択されるピロロ[2,3−c]ピリジニル;
(c) それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル、及びピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イルからなる群より選択されるピロロ[3,2−b]ピリジニル;
(d) それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル 4−オキシド、ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル 4−オキシド、及びピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル 4−オキシドからなる群より選択されるピロロ[3,2−b]ピリジニル 4−オキシド;
(e) それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル、及びピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イルからなる群より選択されるピロロ[3,2−c]ピリジニル;又は
(f) それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル、及びピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イルからなる群より選択されるピロロ[2,3−d]ピリミジニル
である、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
Arが、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル4−オキシド、ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル、またはピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イルである、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
が、それぞれが場合により置換される、フェニル、ピリジニル、またはシクロヘキシルである、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
Arが、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル、ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル、およびピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イルからなる群から選択されるピロロ[2,3−d]ピリミジニルである、請求項9記載の化合物。
【請求項14】
Arが、場合により置換されるピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イルである、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
Arが、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル、およびピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルから選択されるピロロ[2,3−b]ピリジニルである、請求項9記載の化合物。
【請求項16】
Arが、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イルまたはピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルである、請求項15記載の化合物。
【請求項17】
Arが、
(a)それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル、およびピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[3,2−b]ピリジニル、または
(b)それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル4−オキシド、ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル4−オキシド、およびピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル4−オキシドからなる群から選択されるピロロ[3,2−b]ピリジニル4−オキシド、
である、請求項9記載の化合物。
【請求項18】
Arが、それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イルまたはピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル4−オキシドである、請求項17記載の化合物。
【請求項19】
Arが、それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル、およびピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[3,2−c]ピリジニルである、請求項9記載の化合物。
【請求項20】
Arが、それぞれが場合により置換される、ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イルまたはピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イルである、請求項19記載の化合物。
【請求項21】
それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル、ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−イル、およびピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イルからなる群から選択されるピロロ[2,3−c]ピリジニルである、請求項9記載の化合物。
【請求項22】
Arが、それぞれが場合により置換される、ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イルまたはピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イルである、請求項21記載の化合物。
【請求項23】
式III:
【化3】


[式中、
mは、0〜3の整数であり;
およびRのそれぞれは、独立して、水素、アルコキシ、シアノ、アルキル、ハロ、−S(O)および−C(=O)NR(これらの式中、rは、0〜2の整数であり、R、RおよびRのそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである)であり;
それぞれのRは、独立して、アルコキシ、シアノ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロ、−S(O)および−C(=O)NR(これらの式中、rは、0〜2の整数であり、R、RおよびRのそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである)であり;
、RおよびRは、請求項1で説明するとおりである]
で示される、請求項9記載の化合物。
【請求項24】
式VI:
【化4】


[式中、
mは、0〜3の整数であり;
およびRのそれぞれは、独立して、水素、アルコキシ、シアノ、アルキル、ハロ、−S(O)および−C(=O)NR(これらの式中、rは、0〜2の整数であり、R、RおよびRのそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである)であり;
それぞれのRは、独立して、アルコキシ、シアノ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロ、−S(O)および−C(=O)NR(これらの式中、rは、0〜2の整数であり、R、RおよびRのそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである)であり;
、RおよびRは、請求項1で説明するとおりである]
で示される、請求項9記載の化合物。
【請求項25】
式VIII:
【化5】


[式中、
mは、0〜3の整数であり;
およびRのそれぞれは、独立して、水素、アルコキシ、シアノ、アルキル、ハロ、−S(O)および−C(=O)NR(これらの式中、rは、0〜2の整数であり、R、RおよびRのそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである)であり;
それぞれのRは、独立して、アルコキシ、シアノ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロ、−S(O)および−C(=O)NR(これらの式中、rは、0〜2の整数であり、R、RおよびRのそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである)であり;
、RおよびRは、請求項1で説明するとおりである]
で示される、請求項9記載の化合物。
【請求項26】
式X:
【化6】


[式中、
mは、0〜3の整数であり;
およびRのそれぞれは、独立して、水素、アルコキシ、シアノ、アルキル、ハロ、−S(O)および−C(=O)NR(これらの式中、rは、0〜2の整数であり、R、RおよびRのそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである)であり;
それぞれのRは、独立して、アルコキシ、シアノ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロ、−S(O)および−C(=O)NR(これらの式中、rは、0〜2の整数であり、R、RおよびRのそれぞれは、独立して、水素またはアルキルである)であり;
、RおよびRは、請求項1で説明するとおりである]
で示される、請求項9記載の化合物。
【請求項27】
メチル−[7−(3−メチルアミノ−1−フェニルプロピル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル]アミン;
メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル−プロピル)−アミン;
メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン;
メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン;
メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン;
メチル−[3−(4−オキシ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−アミン;
[3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン;
[3−(5−メトキシ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン;
メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン;
[3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン;
メチル−(3−フェニル−3−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン;
メチル−(3−ピリジン−3−イル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン;
メチル−((S)−3−フェニル−3−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル−プロピル)−アミン;
メチル−[(R)−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン;
メチル−[(S)−3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン;
S)−6−メチル−9−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−3,6,9a−トリアザ−ベンゾ[cd]アズレン;
メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン;
[3−シクロヘキシル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−メチル−アミン;
メチル−[3−ピリジン−3−イル−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン;
[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−メチル−アミン;
[(S)−3−(7−メトキシ−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン;
[3−(4−クロロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン;
[(S)−3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン;
[(R)−3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン;
[3−(4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ピリジン−3−イル−プロピル]−メチル−アミン;
メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン;
3−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン;
[3−(4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ピリジン−3−イル−プロピル]−メチル−アミン;
メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン;
[3−(4−メトキシ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン;
メチル−[3−フェニル−3−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)−プロピル]−アミン;
[3−(R)−(4−メトキシ−1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン;
[3−(S)−(4−メトキシ−1−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン;
3−(S)−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン、及び
3−(R)−(4−イソプロポキシ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
からなる群から選択される、請求項1記載の式Iで示される化合物。
【請求項28】
アザインドールa:
【化7】


を、2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオンの存在下で、アルデヒドb:
【化8】


と反応させて、化合物c:
【化9】


を形成させ、
化合物cを、ピリジンの存在下で、アミンd:
【化10】


と反応させて、式e:
【化11】


で示される化合物を形成させ、
化合物eを還元して、式VI:
【化12】


(式中、X、X、XおよびXの1個は、Nであり、他は、CHであり、m、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1に定義されるとおりである)
で示される化合物を形成させることを含む、式IVで示される化合物を製造する方法。
【請求項29】
アザインドールk:
【化13】


をアクリル酸エステルl:
【化14】


と反応させて、アザインドールプロピオン酸エステルm:
【化15】


を形成させ、
アザインドールプロピオン酸エステルmを還元して、インドールプロパノールn:
【化16】


を得て、
アザインドールプロパノールnをメタンスルホニルクロリドで処理し、続いて、リチウムクロリドで処理して、アザインドールプロピルクロリドo:
【化17】


を得て、
アザインドールプロピルクロリドoを、場合により、ヨウ化ナトリウムの存在下で、アミンd:
【化18】


と反応させて、式IV:
【化19】


(式中、X、X、XおよびXの1または2個(例えば、XおよびX)は、Nであり、他は、CHであり、m、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1に定義されるとおりである)
で示される化合物を得ることを含む、式IVで示される化合物を製造する方法。
【請求項30】
請求項1〜27のいずれか1項記載の化合物および薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
【請求項31】
セロトニンもしくはノルエピネフリン神経伝達またはそれらの組合せにより仲介される、うつ病、不安、またはそれらの合併症を処置するために有用な医薬を製造するための、請求項1〜27のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項32】
本明細書の先に記載された発明。

【公表番号】特表2009−517432(P2009−517432A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542715(P2008−542715)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068650
【国際公開番号】WO2007/062998
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】