説明

A2A受容体アゴニストとしてのアデノシン誘導体

式(I)
【化1】


[式中、
A、U1、U2、R1a、R1b、R2およびR3は、本明細書に記載したとおりの意味を有する]
で示される化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容されるその塩は、アデノシンA2A受容体の活性化が介在する状態、とりわけ、炎症性もしくは閉塞性気道疾患を処置するために有用である。該化合物を含む医薬組成物および該化合物の製造法もまた、提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機化合物、それらの製造および医薬としての使用に関する。
【発明の概要】
【0002】
本発明の1つの局面は、式(I)
【化1】

[式中、
U1およびU2は、独立して、CH2およびOから選択されるが、ただし、U1がOであるとき、R1aはN-結合置換基ではなく、U2がOであるとき、R1bは、N-結合置換基ではなく;
R1aおよびR1bは、独立して、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基から選択され、該基は、所望により、オキソ、O-C1-C8-アルキル、C6-C10-アリール、R1cまたは所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキルで置換されていてもよく、または
R1aおよびR1bは、独立して、-NR4R4、-NR5-C1-C8-アルキルカルボニル、-NR5-C3-C8-シクロアルキルカルボニル、-NR5SO2-C1-C8-アルキル、-NR5-C7-C14-アラルキルカルボニルおよび所望によりR1cで置換された-NR5C(=O)-C(=O)-NR5-C1-C8-アルキルから選択されるか、または
R1aおよびR1bは、独立して、NR4-C1-C8-アルキル、NR5C(O)C1-C8-ヒドロキシアルキル、NR5CO2C1-C8-アルキル、およびNR5CO2C2-C8-ヒドロキシアルキルから選択されるか、または
R1aおよびR1bは、独立して、C1-C8-ヒドロキシアルキル、CH2-O-C1-C8-アルキル、C(O)-O-C1-C8-アルキル、C(O)NR5R5およびC(O)-NH-C1-C8-アルキルから選択され;
R1cは、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり、該3から12員ヘテロ環式基は、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニルまたは所望によりアミノカルボニルで置換されたO-C1-C8-アルキルで置換されていてもよく;
R2は、所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキル、所望によりOH、SO2R10、SC1-C8-アルキル、CN、ハロゲン、O-C7-C14-アラルキル、またはO-C1-C8-アルキルで置換されたハロゲン C6-C10-アリール、所望によりO-C7-C14 アラルキル、C3-C15-炭素環式基、O-C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニルまたはC1-C8-アルキルで置換されたC3-C15-炭素環式基、O-C1-C8-アルキル、-SO2-C1-C8-アルキル、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基(該基は、所望により、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基で置換されていてもよい)、C7-C14-アラルキル、または所望によりO-C7-C14-アラルキルで置換されたC6-C14-アリールであるか、または
R2は、所望により、O-C7-C14-アラルキル、C3-C15-炭素環式基、O-C1-C8-アルキル、またはC1-C8-アルキルで置換されたC3-C15-炭素環式基であるか、または
R2は、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基であり、該基は、所望により、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基、C7-C14-アラルキル、または所望によりO-C7-C14-アラルキルで置換されたC6-C14-アリールで置換されていてもよく;
R3は、水素、ハロ、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニルもしくはC1-C8-アルコキシカルボニルであるか、または
R3は、所望によりアミノ、ヒドロキシ、C7-C14-アラルキルオキシ、-SO2-C6-C10-アリールまたは-NH-C(=O)-NH-R3cで置換されたC3-C8-シクロアルキルで、所望により置換されたアミノであるか、または
R3は、R3a、-R3a-C7-C14-アラルキルまたは所望によりOH、C1-C8-アルキルもしくはC1-C8-アルコキシカルボニルで置換されたC5-C15-炭素環式基で置換されたアミノであるか、
R3は、所望によりR3bで置換されたアミノカルボニルであるか、または
R3は、所望により、OH、R3b、アミノ、ジ(C1-C8-アルキル)アミノ、-NH-C(=O)-C1-C8-アルキル、-NH-SO2-C1-C8-アルキル、-NH-C(=O)-NH-R3c、-NH-C(=O)-NH-C1-C8-アルキル-R3b、C5-C15-炭素環式基で、または所望によりC6-C10-アリールオキシで置換されたC6-C10-アリールで置換されたC1-C8-アルキルアミノであるか、または
R3は、C1-C8-アルキルアミノカルボニルまたは所望により、アミノ、C1-C8-アルキルアミノ、ジ(C1-C8-アルキル)アミノもしくは-NH-C(=O)-NH-R3dで置換されたC3-C8-シクロアルキルアミノ-カルボニルであるか、または
R3は、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり、該基は、所望により0-3R4で置換されていてもよく;
R3aおよびR3bは、各々、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルカルボニル、OH-C1-C8-アルキル、C1-C8-ハロアルキル、アミノ-C1-C8-アルキル、アミノ(OH)C1-C8-アルキルまたは所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されていてもよく;
R3cは、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式基であり、所望により、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式基で置換されていてもよく;
R3dは、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式環であって、該5または6員ヘテロ環式環が、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニル、所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されているか、または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式環であって、該環がまた、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニル、または所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されており;
R4は、OH、所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキル、C1-C8-アルコキシ、所望によりOH、O-C1-C8-アルキル、ハロゲン C6-C10-アリール、またはO-C6-C10-アリールで置換されたC7-C14-アラルキル、C1-C8-アルコキシ、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたC6-C10-アリール、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたO-C6-C10-アリール、NR4aR4b、NHC(O)R4c、NHS(O)2R4d、NHS(O)2R4e、NR4fC(O)NR4eR4h、NR4fC(O)NR4gR4h、NR4iC(O)OR4j、C1-C8-アルキルカルボニル、C1-C8-アルコキシカルボニル、ジ(C1-C8-アルキル)アミノカルボニル、COOR4k、C(O)R4l、NHC(O)R4q、NHC(=NR4m)N(R4n)R4o、および窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望によりCOOR4pで置換された3から12員ヘテロ環式基から選択され;
R4a、R4c、R4f、R4hおよびR4iは、独立して、H、またはC1-C8-アルキルであり;
R4bは、H、C1-C8-アルキルまたは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望により0-3R5またはC6-C10-アリールで置換された3から12員ヘテロ環式基であり;
R4d、R4e、およびR4jは、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望により0-3R5で置換された3から12員ヘテロ環式基であり;
R4gは、所望により、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望によりSO2R10、CN、または0-3R5で置換された3から12員ヘテロ環式基で置換されたC1-C8-アルキルであるか、または
R4gは、所望により、OH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、SO2R10またはハロゲンで置換されたC6-C10-アリールであるか、または
R4gは、所望により、OH、O-C1-C8-アルキル、ハロゲン、C6-C10-アリール、SO2R10、CN、-C(=NH)NH2、またはO-C6-C10-アリールで置換されたC7-C14-アラルキルであるか、または
R4gは、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望により0-3R5で置換された3から12員ヘテロ環式基であり;
R4kは、H、C1-C8-アルキル、C6-C10-アリールまたは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;
R4lは、C1-C8-アルキル、C6-C10-アリール、NHR6または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;
R4mは、CNであり;
R4nは、HまたはC1-C8-アルキルであり;
R4oは、H、所望により、OHまたは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望によりSO2R10、CN、または0-3R5で置換された3から12員ヘテロ環式基で置換されたC1-C8-アルキル、C1-C8-アルコキシ、所望により、OH、O-C1-C8-アルキル、ハロゲン C6-C10-アリール、またはO-C6-C10-アリールで置換されたC7-C14-アラルキル、C1-C8-アルコキシ、所望により、OH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル SO2R10または-ハロゲンで置換されたC6-C10-アリールであり;
R4pは、H、C1-C8-アルキルまたはC7-C14-アラルキルであり;
R4qは、所望によりOH、C(=NH)NH2、もしくはSO2NH2で置換されたC6-C10-アリール、または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望により0-3R5で置換された3から12員ヘテロ環式基、または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望により0-3R5で置換された3から12員ヘテロ環式基であり;
R5は、OH、所望によりOH、CN、SO2R10またはハロゲンで置換されたC1-C8-アルキル、所望によりOH、O-C1-C8-アルキル、C6-C10-アリール、またはO-C6-C10-アリールで置換されたC7-C14-アラルキル、C1-C8-アルコキシ、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたC6-C10-アリール、所望によりOH、C1-C8-アルキルで置換されたO-C6-C10-アリール、所望によりハロゲンで置換されたO-C1-C8-アルキル、NR5aR5b、NHC(O)R5c、NHS(O)2R5d、NHS(O)2R5e、NR5fC(O)NR5gR5h、NR5iC(O)OR5j、C1-C8-アルキルカルボニル、C1-C8-アルコキシカルボニル、ジ(C1-C8-アルキル)アミノカルボニル、COOR5k、C(O)R5l、所望によりOH、-COOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、-ハロゲン、またはSO2R10で置換されたC(O)-C6-C10-アリール、C(O)NHR5m、または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望により0-3R7で置換された3-12員ヘテロ環式基から選択され;
R5a、R5b、R5c、R5f、R5hおよびR5iは、独立して、H、C1-C8-アルキルまたはC6-C10-アリールであり;
R5d、R5e、R5g、R5jおよびR5mは、独立して、C1-C8-アルキルまたは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望によりCOOR8で置換された3から12員ヘテロ環式基であり;
R5kは、H、C1-C8-アルキル、C6-C10-アリールまたは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;
R5lは、C1-C8-アルキル、C6-C10-アリールまたは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望によりCOOR9で置換された3から12員ヘテロ環式基であり;
R6は、COOR6aまたは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望によりCOOR6bで置換された3から12員ヘテロ環式基であり;
R6a、R6b、R7、R8およびR9は、H、C1-C8-アルキルおよびC7-C14-アラルキルから選択され; そして
R10は、所望により、ハロゲンで置換されたC1-C8-アルキル、所望により、OH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたC6-C10-アリール、またはNR4aR4bであり;
Aは、-E-NR14-、-E-NR14-G-NR15-、-E-NR14C(O)NR14-G-NR15-、-E-NR14C(O)G-NR15-、-E-NR14-G-NR14-Ea-、-NR14C(O)-E-NR14C(O)NR14-、-NR15-G-NR15-、-NR15-(CR16R17)n-NR15-、-NR15-X3-G-X4-NR15-、-NR14C(O)NR14-、NR14C(O)NR14-J-NR15-、NR14C(O)-(CR16R17)n-C(O)NR14-、および-NR14C(O)NR14-E-NR14C(O)NR144-から選択され;
Eは、所望によりHO、C1-C8-アルキル、C6-C10-アリールで置換されたC3-C15-炭素環式基、3から12員ヘテロ環式基、所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、またはハロゲンで置換されたC6-C10-アリール、および-Ea-C(O)NR14-Eb-NR14C(O)-Ea-から選択され;
各Eaは、独立して、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基、C3-C15-炭素環式基、および所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、およびハロゲンで置換されたC6-C10-アリールから選択され;
Ebは、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基、C3-C15-炭素環式基、および所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、またはハロゲンで置換されたC6-C10-アリールから選択され;
Gは、C(O)、NR14C(O)、C(O)NR14、所望によりOH、ハロゲンまたはC6-C10-アリールで置換されたC1-C8-アルキル、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含み、所望によりR18で置換された3から12員ヘテロ環式基、所望によりHO、C1-C8-アルキルで置換されたC3-C15-炭素環式基、および所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、またはハロゲンで置換されたC6-C10-アリールから選択され;
Jは、C6-C10-アリール、SO2、およびC6-C10-アリール-SO2-から選択され;
X3およびX4は、独立して、所望により、OH、ハロゲンまたはC6-C10-アリールで置換されたC1-C8-アルキル、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含み、所望によりR18で置換された3から12員ヘテロ環式基、C3-C15-炭素環式基、およびC6-C10-アリールから選択され;
各R14は、独立して、H、C1-C8-アルキル、およびC6-C10-アリールから選択され;
各R15は、独立して、H、-CN、C1-C8-アルキル、およびC6-C10-アリールから選択され;
各R16および各R17は、独立して、H、ハロゲン、OH、C1-C8-アルキル、およびC6-C10-アリールから選択され;
R18は、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり、該3から12員ヘテロ環式基は、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニルまたは所望によりアミノカルボニルで置換されたO-C1-C8-アルキルで置換されていてもよく; そして
nは、1-8から選択される整数である]
で示される化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0003】
定義
本明細書で使用される用語は、下記の意味を有する。
【0004】
“所望により置換された”は、記載された基が、下記の基の任意の1個もしくは任意の組合せにより、1個またはそれ以上の位置で置換され得ることを意味する。
【0005】
本明細書で使用する“ハロ”または“ハロゲン”は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり得る。好ましくは、ハロは、塩素である。
【0006】
本明細書で使用する“ヒドロキシ”は、OHである。
【0007】
本明細書で使用する“C1-C8-アルキル”は、1-8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルキルを示す。好ましくは、C1-C8-アルキルは、C1-C4-アルキルである。
【0008】
本明細書で使用する“C1-C8-アルコキシ”は、1-8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖アルコキシを示す(例えば、O-C1-C8-アルキル)。好ましくは、C1-C8-アルコキシは、C1-C4-アルコキシである。
【0009】
本明細書で使用する“C3-C8-シクロアルキル”は、3-8個の環炭素原子を有するシクロアルキル、例えば、単環式基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル(そのいずれかが、1個またはそれ以上の、通常は、1個または2個のC1-C4-アルキル基で置換されていてもよい)を示すか; または二環式基、例えば、ビシクロヘプチルまたはビシクロオクチルを示す。
【0010】
本明細書で使用する“C1-C8-アルキルアミノ”および“ジ(C1-C8-アルキル)アミノ”は、各々、同じであるか、または異なり得る、上記した1個または2個のC1-C8-アルキル基で置換されたアミノを示す。
【0011】
本明細書で使用する“C1-C8-アルキルカルボニル”および“C1-C8-アルコキシカルボニル”は、各々、カルボニル基と炭素原子で結合した、上記のC1-C8-アルキルまたはC1-C8-アルコキシを示す。
【0012】
本明細書で使用する“C6-C10-アリール”は、6-10個の炭素原子を含む一価炭素環式芳香族性基を示し、それは、例えば、単環式基、例えば、フェニル; または二環式基、例えば、ナフチルであり得る。
【0013】
本明細書で使用する“C7-C14-アラルキル”は、アルキル、例えば、上記したC6-C10-アリールで置換された上記のC1-C4-アルキルを示す。好ましくは、C7-C14-アラルキルは、C7-C10-アラルキル、例えば、フェニル-C1-C4-アルキルである。
【0014】
本明細書で使用する“C1-C8-アルキルアミノカルボニル”および“C3-C8-シクロアルキルアミノカルボニル”は、各々、カルボニル基と炭素原子で結合した、上記のC1-C8-アルキルアミノおよびC3-C8-シクロアルキルアミノを示す。好ましくは、C1-C8-アルキルアミノカルボニルおよびC3 C8-シクロアルキル-アミノカルボニルは、各々、C1-C4-アルキルアミノカルボニルおよびC3-C8-シクロアルキルアミノカルボニルである。
【0015】
本明細書で使用する“C3-C15-炭素環式基”は、3-15個の環炭素原子を有する炭素環式基、例えば、芳香族性もしくは非芳香族性単環式基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルまたはフェニル; または二環式基、例えば、ビシクロオクチル、ビシクロノニル、ビシクロデシル、インダニルまたはインデニル(再び、そのいずれかが、1個またはそれ以上の、通常は、1個または2個のC1-C4-アルキル基で置換されていてもよい)を示す。好ましくは、C3-C15-炭素環式基は、C5-C10-炭素環式基、とりわけ、フェニル、シクロヘキシルまたはインダニルである。C5-C15-炭素環式基は、非置換であるか、または置換されていてもよい。ヘテロ環式環上の置換基は、ハロ、シアノ、OH、カルボキシ、アミノ、アミノカルボニル、ニトロ、C1-C10-アルキル、C1-C10-アルコキシおよびC3-C10-シクロアルキルを含む。
【0016】
本明細書で使用する“窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式環”は、例えば、フラン、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、イソトリアゾール、テトラゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、ピリジン、ピペリジン、ピラジン、オキサゾール、イソオキサゾ−ル、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリノ、トリアジン、オキサジンまたはチアゾールであり得る。好ましいヘテロ環式環は、ピペラジン、ピロリジン、モルホリノ、イミダゾール、イソトリアゾール、ピラゾール、テトラゾール、チアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピペリジン、ピラジン、フラン、オキサゾール、イソオキサゾ−ル、オキサジアゾールおよびアゼチジンを含む。3から12員ヘテロ環式環は、非置換であるか、または置換され得る。
【0017】
本明細書および特許請求の範囲を通して、文脈上異なる解釈を必要としない場合には、“含む”なる用語、またはその変形は、あらゆる他の整数もしくは工程または整数もしくは工程の群の除外ではなく、規定の整数もしくは工程または整数もしくは工程の群の包含を意味するものと理解されるべきである。当業者により理解されているように、化学的に可能な置換基の組合せのみが本発明の態様である。
【0018】
とりわけ好ましい式(I)の特定の化合物は、実施例において下記したものである。
【0019】
立体異性体は、不斉炭素原子が存在する化合物である。化合物は、個々の光学活性異性形で、または混合物として、したがって、例えば、ジアステレオマー混合物として存在する。本発明は、個々の光学活性RおよびS異性体、ならびにその混合物を包含する。個々の異性体は、当業者に既知の方法で、例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、分離し得る。
【0020】
互変異性体は、平衡で存在し、1個の異性体から他の異性体に容易に変換される、2個またはそれ以上の構造異性体の1つである。
【0021】
本発明の化合物は、非溶媒和物形および溶媒和物形で存在し得る。“溶媒和物”なる用語は、本発明の化合物および1個またはそれ以上の薬学的に許容される溶媒分子、例えば、エタノールを含む分子複合体を示すために、本明細書で使用する。“水和物”なる用語は、該溶媒が水であるとき、使用される。
【0022】
式(I)に記載のR1aおよびR1bは、独立して、適当には、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む、N結合3から12員ヘテロ環式基から選択され、該基は、所望により、オキソ、O-C1-C8-アルキル、C6-C10-アリール、R1cまたは所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキルで置換されていてもよい。3から12員ヘテロ環式基は、好ましくは、5から6員ヘテロ環式基(例えば、テトラゾール基、ピロール基、ピラゾール基、ピリジン基、イソオキサゾ−ル基、トリアゾール基、またはヒダントイン基)である。R1aおよびR1bヘテロ環式基は、好ましくは、N結合であり得る。ヘテロ環式基は、好ましくは、所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキル(例えば、エチル基、ヒドロキシメチル基またはヒドロキシエチル基)から選択される少なくとも1個の基で置換されている。ヘテロ環式基上のこれらの置換基は、好ましくは、ヘテロ環式基とCもしくはN結合であり得る。
【0023】
式(I)に記載のR1aおよびR1bはまた、独立して、適当には、-NH-C1-C8-アルキルカルボニルまたは-NH-C3-C8-シクロアルキルカルボニルである。-NH-C1-C8-アルキルカルボニル基は、好ましくは、アセトアミド基またはプロピオンアミド基である。-NH-C3-C8-シクロアルキルカルボニルは、好ましくは、シクロブタンカルボン酸アミド基である。
【0024】
式(I)に記載のR1aおよびR1bはまた、独立して、適当には、C1-C8-ヒドロキシアルキルまたはCH2-O-C1-C8-アルキルである。
【0025】
式(I)に記載のR1aおよびR1bはまた、独立して、適当には、NHC(O)C1-C8-ヒドロキシアルキルである。R1は、好ましくは、NHC(O)C1-C2 ヒドロキシアルキル(例えば、2-ヒドロキシ-アセトアミド基、2-ヒドロキシ-プロピオンアミド基、または3-ヒドロキシ-プロピオンアミド基)である。
【0026】
式(I)に記載のR2は、適当には、H、所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキル、ハロゲンまたは所望によりOHもしくはO-C1-C8アルキルで置換されたC6-C10-アリールである。置換されるとき、適当には、C1-C8-アルキルは、OH、フェニル、ナフタレン(napthlene)で、または好ましくは、2個のフェニル基で置換される。C1-C8-アルキルが2個のフェニル基で置換されるとき、一方のまたは両方のフェニル基は、好ましくは、非置換であるか、または少なくとも1個のOCH3、1個のOHもしくは1個のハロゲンで置換されている。
【0027】
式(I)に記載のR2はまた、適当には、フェニルで置換されたC1-C8-アルキルである。このフェニルはさらに、CN、ハロゲン、またはC1-C8-アルキルで置換されたフェニルで置換されていてもよい。
【0028】
式(I)に記載のR2はまた、適当には、C3-C15-炭素環式基(例えば、フルオレン基)である。
【0029】
式(I)に記載のR3は、適当には、R3cで置換されたアミノ、-R3c-C7-C14-アラルキル、所望によりR3cで置換されたC1-C8-アルキル、および所望によりOH、C1-C8-アルキルまたはC1-C8-アルコキシカルボニルで置換されたC3-C15-炭素環式基から選択される。R3cは、適当には、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルカルボニル、OH-C1-C8-アルキル、C1-C8-ハロアルキル、アミノ-C1-C8-アルキル、アミノ(OH)C1-C8-アルキルおよび所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換された、3から12員ヘテロ環式基(例えば、ピロリジンまたはピラゾール)である。好ましくは、3から12員ヘテロ環式基は、少なくとも1個のC1-C8-アルキル基で置換されている。
【0030】
式(I)に記載のR3はまた、独立して、適当には、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、N結合3から12員ヘテロ環式基である。このヘテロ環式基は、好ましくは、ピロリジン、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾールまたはイミダゾールである。ヘテロ環式基は、所望により、NR4fC(O)NR4gR4h、NR4aR4b、NHC(O)R20qで置換されており、ここで、R4aおよびR4bは、好ましくは、HまたはC1-C8-アルキル(例えば、メチル)であり、R4fおよびR4hは、好ましくは、Hである。R4gは、好ましくは、3から12員ヘテロ環式基、例えば、ピリジンである。
【0031】
式(I)に記載のR3はまた、適当には、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、SO2R10または-ハロゲンで置換されたC6-C10-アリールであり、ここで、R10は、適当には、NH2である。
【0032】
式(I)に記載のAは、適当には、-E-NR14-、-E-NR14-G-NR14-、-E-NR14C(O)NR14-G-NR14、-E-NR14C(O)G-NR15-、-E-NR14-G-NR14-Ea-から選択され、Eは、適当には、5-6ヘテロ環式基、例えば、ピロリジンおよびピペリジンから選択される。Eaは、適当には、C3-C15-炭素環式基、例えば、シクロヘキシルである。各R14は、独立して、適当には、HおよびC1-C8-アルキル、例えば、メチルから選択される。Gは、適当には、所望によりHOまたはC1-C8-アルキルで置換されたC3-C15-炭素環式基から選択されるか、またはGは、5-6ヘテロ環式基、例えば、ピロリジンおよびピペリジンから選択される。好ましくは、C3-C15-炭素環式基は、非置換である。
【0033】
本発明の他の局面では、式(Ia)
【化2】

[式中、
R1aおよびR1bが、独立して、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基から選択され、該基は、所望により、オキソ、O-C1-C8-アルキル、C6-C10-アリール、R1cまたは所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキルで置換されていてもよく、または
R1aおよびR1bが、独立して、-NR4R4、および-NR5-C1-C8-アルキルカルボニルから選択され;
R2が、所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキル、所望によりOH、SC1-C8-アルキル、CN、ハロゲン、O-C7-C14-アラルキル、またはO-C1-C8-アルキルで置換されたハロゲン C6-C10-アリール、所望によりO-C7-C14 アラルキル、C3-C15-炭素環式基、O-C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニルまたはC1-C8-アルキルで置換されたC3-C15-炭素環式基、O-C1-C8-アルキル、-SO2-C1-C8-アルキル、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基(該基は、所望により、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基で置換されていてもよい)、C7-C14-アラルキル、または所望によりO-C7-C14-アラルキルで置換されたC6-C14-アリールであるか、または
R3が、水素、ハロ、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニルもしくはC1-C8-アルコキシカルボニルであるか、または
R3が、所望により、OH、R3b、アミノ、ジ(C1-C8-アルキル)アミノ、-NH-C(=O)-C1-C8-アルキル、-NH-SO2-C1-C8-アルキル、-NH-C(=O)-NH-R3c、-NH-C(=O)-NH-C1-C8-アルキル-R3b、C5-C15-炭素環式基で、または所望によりC6-C10-アリールオキシで置換されたC6-C10-アリールで置換されたC1-C8-アルキルアミノであるか、または
R3が、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり、該基は、所望により0-3R4で置換されていてもよく;
R3aおよびR3bが、各々、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルカルボニル、OH-C1-C8-アルキル、C1-C8-ハロアルキル、アミノ-C1-C8-アルキル、アミノ(OH)C1-C8-アルキルまたは所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されていてもよく;
R3cが、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式基であり、所望により、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式基で置換されていてもよく;
R3dが、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式環であって、該5または6員ヘテロ環式環が、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニル、所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されているか、または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式環であって、該環がまた、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニル、または所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されており;
R4が、OH、所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキル、C1-C8-アルコキシ、所望によりOH、O-C1-C8-アルキル、ハロゲン C6-C10-アリール、またはO-C6-C10-アリールで置換されたC7-C14-アラルキル、C1-C8-アルコキシ、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたC6-C10-アリール、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたO-C6-C10-アリール、およびNR4fC(O)NR4gR4hから選択され;
R4f、R4hが、独立して、H、またはC1-C8-アルキルであり;
R4gが、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;
Aが、-E-NR14-、-E-NR14-G-NR15-、-E-NR14C(O)NR14-G-NR15-、-E-NR14C(O)G-NR15-、-E-NR14-G-NR14-Ea-、および-NR15-G-NR15-から選択され;
Eが、所望によりHO、C1-C8-アルキル、C6-C10-アリールで置換されたC3-C15-炭素環式基、3から12員ヘテロ環式基、所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、またはハロゲンで置換されたC6-C10-アリール、および-Ea-C(O)NR14-Eb-NR14C(O)-Ea-から選択され;
各Eaは、独立して、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基、C3-C15-炭素環式基、および所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、およびハロゲンで置換されたC6-C10-アリールから選択され;
Ebが、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基、C3-C15-炭素環式基、および所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、またはハロゲンで置換されたC6-C10-アリールから選択され;
Gが、C(O)、NR14C(O)、C(O)NR14、所望によりOH、ハロゲンまたはC6-C10-アリールで置換されたC1-C8-アルキル、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含み、所望によりR18で置換された3から12員ヘテロ環式基、所望によりHO、C1-C8-アルキルで置換されたC3-C15-炭素環式基、および所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、またはハロゲンで置換されたC6-C10-アリールから選択され;
R18が、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり、該3から12員ヘテロ環式基は、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニルまたは所望によりアミノカルボニルで置換されたO-C1-C8-アルキルで置換されていてもよい]
で示される化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0034】
本発明の他の局面では、
R1aおよびR1bが、独立して、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基から選択され、該基は、所望により、オキソ、O-C1-C8-アルキル、C6-C10-アリール、R1cまたは所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキルで置換されていてもよく、または
R1aおよびR1bが、独立して、-NR4R4、および-NR5-C1-C8-アルキルカルボニルから選択され;
R2が、所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキル、所望によりOH、SC1-C8-アルキル、CN、ハロゲン、O-C7-C14-アラルキル、またはO-C1-C8-アルキルで置換されたハロゲン C6-C10-アリール、所望によりO-C7-C14 アラルキル、C3-C15-炭素環式基、O-C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニルまたはC1-C8-アルキルで置換されたC3-C15-炭素環式基、O-C1-C8-アルキル、-SO2-C1-C8-アルキル、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基(該基は、所望により、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基で置換されていてもよい)、C7-C14-アラルキル、または所望によりO-C7-C14-アラルキルで置換されたC6-C14-アリールであるか、または
R3が、水素、ハロ、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニルもしくはC1-C8-アルコキシカルボニルであるか、または
R3が、所望により、OH、R3b、アミノ、ジ(C1-C8-アルキル)アミノ、-NH-C(=O)-C1-C8-アルキル、-NH-SO2-C1-C8-アルキル、-NH-C(=O)-NH-R3c、-NH-C(=O)-NH-C1-C8-アルキル-R3b、C5-C15-炭素環式基で、または所望によりC6-C10-アリールオキシで置換されたC6-C10-アリールで置換されたC1-C8-アルキルアミノであるか、または
R3が、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり、該基は、所望により0-3R4で置換されていてもよく;
R3aおよびR3bが、各々、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルカルボニル、OH-C1-C8-アルキル、C1-C8-ハロアルキル、アミノ-C1-C8-アルキル、アミノ(OH)C1-C8-アルキルまたは所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されていてもよく;
R3cが、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式基であり、所望により、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式基で置換されていてもよく;
R3dが、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式環であって、該5または6員ヘテロ環式環が、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニル、所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されているか、または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式環であって、該環がまた、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニル、または所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されており;
R4が、OH、所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキル、C1-C8-アルコキシ、所望によりOH、O-C1-C8-アルキル、ハロゲン C6-C10-アリール、またはO-C6-C10-アリールで置換されたC7-C14-アラルキル、C1-C8-アルコキシ、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたC6-C10-アリール、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたO-C6-C10-アリール、およびNR4fC(O)NR4gR4hから選択され;
R4f、R4hが、独立して、H、またはC1-C8-アルキルであり;
R4gが、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;
Aが、
【化3】

から選択される、式(Ia)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0035】
合成
本発明の他の態様は、遊離または薬学的に許容される塩形での式(I)の化合物の製造法であって、
(i) 式(II)
【化4】

[式中、
R1a、R1b、R2、U1、U2は、上記したとおりであり; そして
Tは、脱離基である]
の化合物を、式(III)
【化5】

[式中、
R3は、上記したとおりである]
の化合物と反応させ; そして
(ii) あらゆる保護基を除去し、遊離もしくは薬学的に許容される塩形で、生じた式(I)の化合物を回収する工程を含む、方法を提供する。
【0036】
式(II)の化合物は、式(IV)
【化6】

[式中、
R1は、R1aおよびR1bに相当し;
R2およびUは、U1およびU2に相当し、上記で定義したものであり;
Vは、Hまたは保護基であり;
Tは、脱離基である]
の化合物を、式
【化7】

[式中、
Aは、上記したとおりであり; そして
Vは、Hまたは保護基である]
の化合物と反応させ、式(VI)
【化8】

の化合物を提供することにより製造し得る。
【0037】
化合物(VI)を、式(VII)
【化9】

[式中、
R1は、R1aおよびR1bに相当し;
Uは、U1およびU2に相当し;
Vは、上記で定義したとおりであり; そして
TおよびT2は、ハロゲンである]
の化合物と反応させ得る。
【0038】
式(VII)の化合物は、式(VIII)
【化10】

[式中、
R1は、R1aおよびR1bに相当し;
Uは、U1およびU2に相当し;
Vは、上記で定義したとおりであり; そして
Qは、脱離基またはその保護誘導体を示す]
の化合物を、2,6-ジハロプリン、例えば、2,6-ジクロロプリンと反応させ、式(VII)
【化11】

[式中、
R1は、R1aおよびR1bに相当し;
Uは、U1およびU2に相当し;
Vは、上記で定義したとおりであり; そして
TおよびT2は、ハロゲンである]
の化合物を提供することにより製造し得る。
【0039】
式(I)の化合物は、例えば、下記した、および実施例に記載した反応および技術を用いて、製造し得る。式(I)の化合物は、出願人の特許出願であるPCT/EP2005/011344、GB 0500785.1、およびGB 0505219.6に記載した製造法と同様の方法で、製造し得る。反応は、使用される試薬および物質に適当であり、かつ効果のある変換のために適当である溶媒中で行い得る。分子上に存在する官能基が、計画された変換と一致しているということは、有機合成の分野の当業者により理解される。これは、時に、所望の本発明化合物を取得するために、合成工程の順序を変更するか、または1個の特定の工程スキームを他より優先して選択する判断を必要とする。
【0040】
下記の反応スキームで示される合成中間体および最終生成物上のさまざまな置換基は、それらの完成形(fully elaborated forms)で、所望により、当業者に理解される適当な保護基と共に、または当業者に既知の方法で、それらの最終形に変換し得る前駆体形で存在し得る。置換基はまた、合成工程の間、または合成工程の終了後のさまざまな段階で加え得る。多くの場合に、通常使用される官能基操作は、ある中間体を他の中間体に、またはある式(I)の化合物を他の式(I)の化合物に変換するために使用され得る。そのような操作の例は、エステルまたはケトンのアルコールへの変換; エステルのケトンへの変換; エステル、酸およびアミドの内部変換; アルコールおよびアミンのアルキル化、アシル化およびスルホニル化; およびその他である。置換基はまた、通常の反応、例えば、アルキル化、アシル化、ハロゲン化または酸化を用いて加え得る。そのような操作は、当業者に既知であり、多くの参考資料が、そのような操作の手順および方法を要約している。多くの官能基操作に関する有機合成および有機合成の分野で通常使用される他の変換の主要な文献の例および参照を提供するいくつかの参考資料は、March's Organic Chemistry, 5th Edition, Wiley and Chichester, Eds. (2001); Comprehensive Organic Transformations, Larock, Ed., VCH (1989); Comprehensive Organic Functional Group Transformations, Katritzky et al. (series editors), Pergamon (1995); およびComprehensive Organic Synthesis, Trost and Fleming (series editors), Pergamon (1991)である。当分野でのあらゆる合成経路の計画における他の主要な考慮は、本発明に記載された化合物中に存在する反応官能基の保護のために使用される保護基の賢明な選択であることが、また、認識される。同じ分子内の複数の保護基は、望まれる結果に依存して、これらの保護基の各々が、同じ分子内の他の保護基の除去なしに除去され得るか、またはいくつかの保護基が、同じ反応工程を用いて除去され得るように選択し得る。当業者に対して多くの他のものを記載した権威のある報告は、Greene and Wuts, Protective Groups In Organic Synthesis, Wiley and Sons (1999)である。化学的に可能な置換基の組合せのみが本発明の態様であることは、当業者に理解されている。
【0041】
遊離形での式(I)の化合物は、慣用的な方法で、塩形に変換し得る(逆もまた然り)。遊離形または塩形での化合物は、結晶化のために使用される溶媒を含む、水和物または溶媒和物の形態で取得し得る。式(I)の化合物は、反応混合物から回収し、慣用的な方法で精製し得る。異性体、例えば、立体異性体は、慣用的な方法で、例えば、分別結晶化または、それに応じて非対称に置換された、例えば、光学的に活性な出発物質からの不斉合成により取得し得る。
【0042】
式(I)の化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、医薬として有用である。特に、それらは、アデノシンA2A受容体を活性化し、すなわち、それらは、A2A受容体アゴニストとして作用する。A2Aアゴニストとしてのそれらの特性は、Murphree et al., Mol Pharmacol, Vol. 61, pp. 455-462 (2002)に記載された方法を用いて証明し得る。
【0043】
下記の実施例の化合物は、上記のアッセイで、1.0 μM以下のKi値を有する。例えば、実施例1の化合物は、0.76 μMのKi値を有する。
【0044】
アデノシンA2A受容体のそれらの活性化に関して、遊離または薬学的に許容される塩形での式(I)の化合物、あるいは、“本発明の薬剤”として上記されたものは、アデノシンA2A受容体の活性化に応答する状態、特に、炎症性もしくはアレルギー性の状態の処置において有用である。本発明による処置は、治療的(symptomatic)または予防的であり得る。
【0045】
したがって、本発明の薬剤は、炎症性もしくは閉塞性気道疾患の処置において有用であり、その結果、例えば、組織損傷、気道性炎症、気管支過敏症、リモデリングまたは疾患進行の減少を生じる。炎症性もしくは閉塞性気道疾患および本発明が適用可能な状態は、急性肺損傷(ALI)、成人/急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺、気道もしくは肺疾患(COPD、COADまたはCOLD)(それに付随する慢性気管支炎もしくは呼吸困難を含む)、肺気腫および他の薬剤療法、特に、他の吸入薬剤療法の結果生じる気道過敏性の悪化を含む。本発明はまた、例えば、急性、アラキジン性、カタル性、クループ性、慢性または結核様気管支炎を含む、あらゆる型もしくは起源の気管支炎の処置に適用可能である。さらに、本発明が適用可能な炎症性もしくは閉塞性気道疾患は、あらゆる型もしくは起源の塵肺症(慢性もしくは急性の気道閉塞をしばしば伴い、埃を繰り返し吸入することにより引き起こされる、炎症性の一般的な職業性肺疾患)を含み、それは、例えば、アルミニウム肺症、炭粉沈着症、石綿肺症、石肺症、ダチョウ塵肺症、鉄沈着症、珪肺症、タバコ症および綿肺症を含む。
【0046】
本発明が適用可能な他の炎症性もしくは閉塞性気道疾患は、内因性(非アレルギー性)喘息および外因性(アレルギー性)喘息を含む、あらゆる型もしくは起源の喘息、軽度の喘息、中程度の喘息、重度の喘息、気管支喘息、運動誘導性喘息、職業性喘息および細菌感染により誘導される喘息を含む。喘息の処置はまた、対象、例えば、喘鳴症状を示し、主要な医療関心の確立された患者分類であり、かつ、現在、しばしば、初期もしくは早期喘息として同定された“喘鳴幼児”として診断されるか、もしくは診断され得る、4もしくは5歳以下の対象の包括的な処置として理解されるべきである(便宜上、この特定の喘息状態を、“喘鳴幼児症候群”と呼ぶ)。
【0047】
喘息の処置における予防効果は、症候性発作、例えば、急性喘息もしくは気管支収縮発作の減少した頻度もしくは重篤度、肺機能の改善または改善された気道過敏性により証明される。それは、さらに、例えば、それが抗炎症性(例えば、コルチコステロイド)または気管支拡張を生じるとき、他の対症療法、すなわち、症候性発作を制限するか、もしくは終了させるために、またはそれを目的とした療法に関する減少した必要性により証明され得る。喘息における予防の利益は、特に、“早朝発作(morning dipping)”を起こしやすい対象で明らかであり得る。“朝に生じる発作”は、喘息患者のかなりの割合で共通であり、例えば、おおよそ4-6 amの間、すなわち、通常は、以前に投与された何らかの喘息対症療法から相当に離れた時間での喘息発作により特徴づけられる喘息症状と認識される。
【0048】
それらの抗炎症性活性に関して、特に、好酸球活性化の阻害に関連して、本発明の薬剤はまた、好酸球関連障害、例えば、好酸球増加症、特に、気道の好酸球関連障害(例えば、肺組織の異常好酸球性浸潤を含む)(それが気道および/または肺に影響を与えるとき、過好酸球増加症を含む)、ならびに、例えば、Loeffler症候群に誘発されるか、もしくは付随する気道の好酸球関連障害、好酸球性肺炎、寄生性(特に、後生動物)感染(熱帯性好酸球増多症を含む)、気管支肺アスペルギルス症、結節性多発動脈炎(チャーグ・ストラウス症候群を含む)、好酸球性肉芽腫および薬剤反応により引き起こされる気道に影響を与える好酸球関連障害の処置において有用である。
【0049】
本発明の薬剤はまた、皮膚の炎症性もしくはアレルギー性状態、例えば、乾癬、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、エリテマトーデス、天疱瘡、後天性表皮水疱症、および他の皮膚の炎症性もしくはアレルギー性状態の処置において有用である。
【0050】
本発明の薬剤はまた、他の疾患もしくは状態、特に、炎症性要素を有する疾患もしくは状態の処置、例えば、眼の疾患および状態、例えば、結膜炎、乾性角結膜炎、および春季結膜炎、アレルギー性鼻炎を含む鼻に影響を与える疾患、ならびに自己免疫性血液疾患(例えば、溶血性貧血、再生不良性貧血、赤芽球性貧血および特発性血小板減少症)、全身性エリテマトーデス、多発性軟骨炎、スクレロドーマ、ウェゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、スティーブンス・ジョンソン症候群、特発性スプルー、自己免疫性炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病)、内分泌性眼症、グレイヴズ病、サルコイドーシス、肺胞炎、慢性過敏性肺炎、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎(前部および後部)、乾性角結膜炎および春期カタル(keratoconjunct-ivitis sicca and vernal keratoconjunctivitis)、間質性肺線維症、乾癬性関節炎ならびに糸球体腎炎(例えば、突発性ネフローゼ症候群または微小変化ネフロパシーを含むネフローゼ症候群を有するか、もしくは有さない)を含む、自己免疫性反応が関与するか、または自己免疫性要素もしくは原因を有する炎症性疾患の処置のために使用し得る。
【0051】
さらに、本発明の薬剤はまた、WO 05/107463に記載された嚢胞性線維症、肺高血圧、肺線維症、炎症性腸症候群、創傷治癒、糖尿病性腎症の処置、米国特許第2005/182018号に記載された移植組織での炎症の減少、WO 03/086408に記載された病原体により誘発される炎症性疾患の処置、およびWO 03/029264に記載された心臓血管状態の処置のために使用し得る。
【0052】
また、本発明の薬剤は、WO 00/078774に記載されたとおり、冠状動脈狭窄症の重篤度を評価するために使用し得て、放射性造影剤と組合せて、冠状動脈活性を造影するのに有用であり、WO 00/78779に記載されたとおり、血管形成術での補助療法で有用である。
【0053】
本発明の薬剤はまた、WO 05/003150に記載されたとおり、器官虚血および再かん流障害を予防するために、プロテアーゼ阻害剤との組合せで、およびWO 03/090733に記載されたとおり、血小板凝集を処置するために、インテグリンアンタゴニストとの組合せで有用である。
【0054】
本発明の薬剤は、また、AJP-Lung, Vol. 290, pp. 849-855に記載されたとおり、気管支上皮性細胞における創傷治癒を促進するのに有用である。
【0055】
本発明の薬剤で処置し得る他の疾患もしくは状態は、糖尿病、例えば、1型糖尿病(若年性糖尿病)および2型糖尿病、下痢性疾患、虚血/再かん流障害、網膜症、例えば、糖尿病性網膜症または高圧酸素誘導網膜症、高められた眼圧または房水の分泌、例えば、緑内障、再かん流および褥瘡からの虚血性組織/器官損傷により特徴づけられる状態を含む。
【0056】
炎症性状態、例えば、炎症性気道疾患の阻害における本発明の薬剤の効果は、例えば、Szarka et al, J Immunol Methods, Vol. 202, pp. 49-57 (1997); Renzi et al., Am Rev Respir Dis, Vol. 148, pp. 932-939 (1993); Tsuyuki et al., J Clin Invest, Vol. 86, pp. 2924-2931 (1995); Cernadas et al., Am J Respir Cell Mol Biol, Vol. 20, pp. 1-8 (1999); およびFozard et al., Eur J Pharmacol, Vol. 438, pp. 183-188 (2002)に記載されたとおり、気道性炎症もしくは他の炎症性状態の動物モデルで、例えば、マウスもしくはラットモデルで、証明し得る。
【0057】
本発明の薬剤はまた、他の薬剤物質、例えば、抗炎症性、気管支拡張、抗ヒスタミンまたは鎮咳薬剤物質との組合せでの使用のための共治療剤として有用であり、特に、例えば、上記した閉塞性もしくは炎症性気道疾患の処置において、例えば、該薬剤の治療効果の増強剤として、または必要とされる用量もしくは該薬剤の潜在的な副作用を減らす手段として有用である。本発明の薬剤は、固定医薬組成物で他の薬剤物質と混合し得て、またはそれは、他の薬剤物質と別々に、その前に、同時に、またはその後に、投与し得る。
【0058】
したがって、本発明は、上記した本発明の薬剤と抗炎症、気管支拡張、抗ヒスタミンもしくは鎮咳薬剤物質の組合せを含み、本発明の該薬剤および該薬剤物質は、同じであるか、もしくは異なる医薬組成物中に存在する。
【0059】
適当な抗炎症剤は、ステロイド、特に、グルココルチコステロイド、例えば、ブデソニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、フルチカゾンプロピオネート、シクレソニドもしくはモメタゾンフロエート、またはWO 02/88167、WO 02/12266、WO 02/100879、WO 02/00679 (とりわけ、実施例3、11、14、17、19、26、34、37、39、51、60、67、72、73、90、99および101に記載されたもの)、WO 03/35668、WO 03/48181、WO 03/62259、WO 03/64445、WO 03/72592、WO 04/39827およびWO 04/66920に記載されたステロイド; 非ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニスト、例えば、DE 10261874、WO 00/00531、WO 02/10143、WO 03/82280、WO 03/82787、WO 03/86294、WO 03/104195、WO 03/101932、WO 04/05229、WO 04/18429、WO 04/19935およびWO 04/26248に記載されたもの; LTB4アンタゴニスト、例えば、BIIL 284、CP-195543、DPC11870、LTB4エタノールアミド、LY 293111、LY 255283、CGS025019C、CP 195543、ONO-4057、SB 209247、SC-53228および米国特許第5451700号に記載されたもの; 例えば、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルカスト、アコレート、SR2640、Wy-48,252、ICI 198615、MK-571、LY-171883、Ro 24-5913およびL-648051を含む、LTD4アンタゴニスト; PDE4 阻害剤、例えば、シロミラスト(Ariflo(登録商標) GlaxoSmithKline)、ロフルミラスト (Byk Gulden)、V-11294A (Napp)、BAY19-8004 (Bayer)、SCH-351591 (Schering-Plough)、アロフィリン(Almirall Prodesfarma)、PD189659 / PD168787 (Parke-Davis)、AWD-12-281 (Asta Medica)、CDC-801 (Celgene)、SelCID(TM) CC-10004 (Celgene)、VM554/UM565 (Vernalis)、T-440 (Tanabe)、KW-4490 (Kyowa Hakko Kogyo)、ならびにWO 92/19594、WO 93/19749、WO 93/19750、WO 93/19751、WO 98/18796、WO 99/16766、WO 01/13953、WO 03/104204、WO 03/104205、WO 03/39544、WO 04/000814、WO 04/000839、WO 04/005258、WO 04/018450、WO 04/018451、WO 04/018457、WO 04/018465、WO 04/018431、WO 04/018449、WO 04/018450、WO 04/018451、WO 04/018457、WO 04/018465、WO 04/019944、WO 04/019945、WO 04/045607およびWO 04/037805に記載されたもの; アデノシンA2B受容体アンタゴニスト、例えば、WO 02/42298に記載されたもの; ならびにβ2アドレノセプターアゴニスト、例えば、アルブテロール(サルブタモール)、メタプロテレノール、テルブタリン、サルメテロール、フェノテロール、プロカテロール、およびとりわけ、フォルモテロール、カルモテロールおよび薬学的に許容されるその塩、ならびにWO 00/75114(引用により、本明細書の一部とする)の式(I)の化合物(遊離もしくは塩もしくは溶媒和物形で)、好ましくは、その実施例の化合物、とりわけ式
【化12】

で示される化合物および薬学的に許容されるその塩、ならびにWO 04/16601の式(I)の化合物(遊離もしくは塩もしくは溶媒和物形で)、およびまた、欧州特許第1440966号、日本国特許第05025045号、WO 93/18007、WO 99/64035、米国特許第2002/0055651号、米国特許第2005/0133417号、米国特許第2005/5159448号、WO 01/42193、WO 01/83462、WO 02/66422、WO 02/70490、WO 02/76933、WO 03/24439、WO 03/42160、WO 03/42164、WO 03/72539、WO 03/91204、WO 03/99764、WO 04/16578、WO 04/22547、WO 04/32921、WO 04/33412、WO 04/37768、WO 04/37773、WO 04/37807、WO 04/39762、WO 04/39766、WO 04/45618、WO 04/46083、WO 04/80964、欧州特許第1460064号、WO 04/087142、WO 04/089892、欧州特許第01477167号、米国特許第2004/0242622号、米国特許第2004/0229904号、WO 04/108675、WO 04/108676、WO 05/033121、WO 05/040103、WO 05/044787、WO 05/058867、WO 05/065650、WO 05/066140、WO 05/07908、WO 2007018461、WO 2007027133、WO 2006051373、WO 2006056471、およびWO 2004016601の化合物を含む。
【0060】
適当な気管支拡張剤は、抗コリン作動性もしくは抗ムスカリン性薬剤、特に、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、チオトロピウム塩およびCHF 4226 (Chiesi)、ならびにグリコピロレート、さらに、欧州特許第424021号、米国特許第3714357号、米国特許第5171744号、米国特許第2005/171147号、米国特許第2005/182091号、WO 01/04118、WO 02/00652、WO 02/51841、WO 02/53564、WO 03/00840、WO 03/33495、WO 03/53966、WO 03/87094、WO 04/018422、WO 04/05285およびWO 05/077361に記載されたものを含む。
【0061】
適当な併用抗炎症性および気管支拡張剤は、併用β2アドレノセプターアゴニスト/ムスカリン性アンタゴニスト、例えば、米国特許第2004/0167167号、米国特許第2004/0242622号、米国特許第2005/182092号、WO 04/74246およびWO 04/74812に記載されたものを含む。
【0062】
適当な抗ヒスタミン薬剤物質は、塩酸セチリジン、アセトアミノフェン、フマル酸クレマスチン、プロメタジン、ロラチジン、デスロラチジン、ジフェンヒドラミンおよび塩酸フェキソフェナジン、アクチバスチン(activastine)、アステミゾール、アゼラスチン、エバスチン、エピナスチン、ミゾラスチンおよびテフェナジン(tefenadine)、ならびに日本国特許第2004107299号、WO 03/099807およびWO 04/026841に記載されたものを含む。
【0063】
本発明の薬剤と抗炎症剤との他の有用な組合せは、ケモカイン受容体のアンタゴニスト、例えば、CCR-1、CCR-2、CCR-3、CCR-4、CCR-5、CCR-6、CCR-7、CCR-8、CCR-9およびCCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、特に、CCR-5アンタゴニスト、例えば、Schering-PloughアンタゴニストSC-351125、SCH-55700およびSCH-D、Takedaアンタゴニスト、例えば、N-[[4-[[[6,7-ジヒドロ-2-(4-メチルフェニル)-5H-ベンゾ-シクロヘプテン-8−イル]カルボニル]アミノ]フェニル]-メチル]テトラヒドロ-N,N-ジメチル-2H-ピラン-4-アミニウムクロライド(TAK-770)、ならびに米国特許第6166037号(特に、請求項18および19)、WO 00/66558 (特に、請求項8)、WO 00/66559 (特に、請求項9)、WO 04/018425およびWO 04/026873に記載されたCCR-5アンタゴニストとの組合せである。
【0064】
上記にしたがって、本発明はまた、アデノシンA2A受容体の活性化に応答する状態、例えば、炎症性もしくはアレルギー性状態、特に、炎症性もしくは閉塞性気道疾患の処置法を提供し、それは、対象、特に、それを必要とするヒト対象に、遊離形または薬学的に許容される塩形での式(I)の化合物を投与することを含む。他の局面では、本発明は、アデノシンA2A受容体の活性化に応答する状態、特に、炎症性もしくは閉塞性気道疾患の処置用医薬の製造における使用のために、遊離形または薬学的に許容される塩形での式(I)の化合物を提供する。
【0065】
本発明の薬剤は、あらゆる適当な経路で、例えば、経口的に、例えば、錠剤またはカプセルの形態で; 非経腸的に、例えば、静脈内で; 例えば、炎症性もしくは閉塞性気道疾患の処置において、吸入で; 例えば、アレルギー性鼻炎の処置において、鼻腔内で; 例えば、アトピー性皮膚炎の処置において、皮膚に対して局所的に; または例えば、炎症性腸疾患の処置において、直腸内で投与し得る。
【0066】
さらなる局面では、本発明はまた、遊離形または薬学的に許容される塩形での式(I)の化合物を、所望により、薬学的に許容される希釈剤もしくはその担体と共に含む、医薬組成物を提供する。組成物は、上記した共治療剤、例えば、抗炎症、気管支拡張、抗ヒスタミンまたは鎮咳剤を含み得る。該組成物は、慣用的な希釈剤もしくは賦形剤および製剤分野で既知の技術を用いて製造し得る。したがって、経口用量形は、錠剤およびカプセルを含み得る。局所投与のための製剤は、クリーム、軟膏、ゲルまたは経皮送達系、例えば、パッチの形態を取り得る。吸入のための組成物は、エアロゾルもしくは他の噴霧可能製剤または乾燥粉末製剤を含み得る。
【0067】
組成物がエアロゾル製剤を含むとき、それは、好ましくは、例えば、ヒドロ-フルオロ-アルカン(HFA)噴射剤、例えば、HFA134aまたはHFA227またはこれらの混合物を含み、当分野で既知の1個またはそれ以上の共溶媒、例えば、エタノール(重量で20%まで)、および/または1個またはそれ以上の界面活性剤、例えば、オレイン酸またはソルビタントリオレエート、および/または1個またはそれ以上の増量剤、例えば、ラクトースを含み得る。組成物が乾燥製剤を含むとき、それは、好ましくは、例えば、望む粒子サイズ分布の10ミクロンまでの粒子径を有する式(I)の化合物(所望により、希釈剤または担体、例えば、ラクトースと共に)および湿気による製品性能の劣化に対する保護を助ける化合物、例えば、ステアリン酸マグネシウムを含む。組成物が、ネブライザー製剤を含むとき、それは、好ましくは、例えば、水、共溶媒、例えば、エタノールまたはプロピレングリコールを含むビヒクルに、溶解されたか、もしくは懸濁された式(I)の化合物および界面活性剤であり得る安定化剤を含む。
【0068】
本発明は、(A) 吸入可能形、例えば、エアロゾルもしくは他の噴霧可能組成物で、または吸入可能微粒子、例えば、微粒形での式(I)の化合物、(B) 吸入可能形での式(I)の化合物を含む、吸入可能医薬; (C) 吸入装置と共に吸入可能形での式(I)の化合物を含む、医薬製品; および(D) 吸入可能形での式(I)の化合物を含む、吸入装置を含む。
【0069】
本発明の実施において使用される式(I)の化合物の用量は、例えば、処置される特定の状態、望まれる効果および投与形態に依存して、当然に変わり得る。一般に、吸入での投与のために適当な1日用量は、0.005-10 mgのオーダーであり、経口投与のために適当な1日用量は、0.05-100 mgのオーダーである。
【0070】
本発明は、下記の実施例により例示される。
【実施例】
【0071】
実施例
X
【化13】

の化合物を下記の表で示す。そのような化合物を製造する方法を下記する。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
中間体の製造
使用される略称は、下記のとおりである:
【表3】

【0075】
式(A)
【化14】

の下記の中間体を、下記表1で示し、それらの製造方法を下記する。
【0076】
【表4】

【0077】
中間体AA
N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-クロロ-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミド
【0078】
工程AA1 (1S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペント-2-エノール
2,6-ジクロロプリン(10 g、52.90 mmol)、(1S,4R)-シス 4-アセトキシ-2-シクロペンテン-1−オール(10 g、70.40 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) (3.20 g、3.50 mmol)およびポリマー支持トリフェニルホスフィン(3 mmol/g、11.60 g、35.00 mmol)を、アルゴン雰囲気下、加熱乾燥したフラスコに入れる。乾燥脱酸素化THF (80 mL)を加え、反応混合物を、5分間、穏やかに撹拌する。TEA (20 mL)を加え、反応混合物を、50℃で撹拌する。反応は、1時間後、LCMSにより完結したことが示される。反応混合物を、室温まで冷却し、ろ過し、溶媒を、真空で除去する。表題化合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM/MeOH 25:1)による精製後、取得する。
【0079】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz); 8.30 (s, 1H), 6.40 (m, 1H), 5.90 (m, 1H), 5.50 (m, 1H), 4.95 (m, 1H), 3.05 (m, 1H), 2.10 (m, 1H), MS (ES+) m/e 271 (MH+)。
【0080】
工程AA2: 炭酸 (1S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペント-2−エニル エステル エチル エステル
(1S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペント-2-エノール(9.5 g、35.05 mmol)を、アルゴン雰囲気下、加熱乾燥フラスコに入れる。乾燥THF (200 mL)を加え、その後、乾燥ピリジン(5.54 g、70.1 mmol)を加える。温度が40℃を超えないように、エチルクロロホルメート(15.21 g、140.2 mmol)をゆっくりと加え、反応混合物を、室温で撹拌する。反応は、1時間後、LCMSにより完結したことが示される。溶媒を、真空で除去し、残渣を、DCM (200 mL)と水(200 mL)に分画する。有機層を、水(150 mL)および塩水(150 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、溶媒を、真空で除去する。表題化合物を、MeOHからの結晶化後、取得する。
【0081】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz); 8.20 (s, 1H), 6.45 (m, 1H), 6.25 (m, 1H), 5.75 (m, 1H), 5.70 (m, 1H), 4.25 (q, 2H), 3.20 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.35 (t, 3H), MS (ES+) m/e 343 (MH+)。
【0082】
工程AA3: ジ-Boc-[(1S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペント-2−エニル]-アミン
炭酸(1S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペント-2−エニル エステル エチル エステル(2.5 g、7.29 mmol)、ジ-t-ブチルイミノジカルボキシレート(1.74 g、8.02 mmol)、およびトリフェニルホスフィン(0.29 g、1.09 mmol)を、アルゴン雰囲気下、加熱乾燥フラスコに入れる。乾燥脱酸素化THF (30 ml)を加え、その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) (0.33 g、0.36 mmol)を加え、反応混合物を、室温で撹拌する。反応は、3時間後、LCMSにより完結したことが示される。溶媒を、真空で除去し、表題化合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc/イソヘキサン 4:1)による精製後、取得する。
【0083】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz); 8.70 (s, 1H), 6.20 (m, 1H), 5.85 (m, 1H), 5.80 (m, 1H), 5.40 (m, 1H), 3.20 (m, 1H), 2.15 (m, 1H), 1.55 (s, 18H), MS (ES+) m/e 470 (MH+)。
【0084】
工程AA4: (1S,2R,3S,5R)-3-(ジ-Boc-アミノ)-5-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペンタン-1,2-ジオール
t-ブタノール/水(20 mLの1:1混合物)中、ジ-Boc-[(1S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペント-2−エニル]-アミン(1.30 g、2.77 mmol) (1.49 g、3.17 mmol)、メタンスルホンアミド(0.30 g、3.17 mmol)およびAD-mix-α (6.75 g、1.5 g/mmol)を含む混合物を、四酸化オスミウム(1.5 mL、水中、4% w/w)で処理する。室温で一晩、激しく撹拌後、反応混合物を、EtOAcと水に分画する。有機部分を分離し、水、塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空濃縮し、表題化合物を得て、それを、さらなる精製なしに次の工程で使用する。
【0085】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz); 8.35 (s, 1H), 4.80 (m, 1H), 4.70 (m, 1H), 4.50 (m, 1H), 3.85 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 3.10 (m, 1H), 2.75 (m, 1H), 2.55 (m, 1H), 1.55 (s, 18H), MS (ES+) m/e 504 (MH+)。
【0086】
工程AA5: (1S,2R,3S,5R)-3-アミノ-5-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペンタン-1,2-ジオールトリフルオロアセテート
DCM (4 mL)中、(1S,2R,3S,5R)-3-(ジ-Boc-アミノ)-5-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペンタン-1,2-ジオール(0.55 g、1.09 mmol)の溶液を、TFA (2 mL)で処理し、室温で撹拌する。2時間後、溶媒を真空で除去し、表題化合物を得て、それを、さらなる精製なしに次の工程で使用する。MS (ES+) m/e 304 (MH+)。
【0087】
工程AA6: N-[(1S,2R,3S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル]-プロピオンアミド
THF (10 mL)中、(1S,2R,3S,5R)-3-アミノ-5-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペンタン-1,2-ジオールトリフルオロアセテート(0.304 g、1.0 mmol)の溶液を、DIPEA (0.387 g、3.0 mmol)で処理し、その後、プロピオニルクロライド(0.093 g、1.0 mmol)で処理する。室温で2時間、撹拌後、溶媒を真空で除去し、表題化合物を、逆相カラムクロマトグラフィー(Isolut(商標) C18、水中、0-100% アセトニトリル-0.1% TFA)による精製後、取得する。MS (ES+) m/e 360 (MH+)。
【0088】
工程AA7: N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-クロロ-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミド
N-[(1S,2R,3S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル]-プロピオンアミド(160 mg、0.44 mmol)を、アルゴン雰囲気下、THF (5 mL)に溶解させる。DIPEA (69 mg、0.53 mmol)を加え、その後、2,2-ジフェニルエチルアミン(96 mg、0.49 mmol)を加え、反応混合物を、50℃で撹拌する。反応は、2時間後、LCMSにより完結したことが示される。溶媒を真空で除去し、表題化合物を、逆相カラムクロマトグラフィー(Isolute(商標) C18、水中、0-100% アセトニトリル-0.1% TFA)による精製後、取得する。
【0089】
1H NMR (MeOD, 400 MHz); 8.00 (s, 1H), 7.40-7.15 (m, 10H), 4.75 (m, 1H), 4.60 (m, 1H), 4.50 (m, 1H), 4.20 (m, 3H), 3.95 (m, 1H), 2.85 (m, 1H), 2.40 (q, 2H), 2.10 (m, 1H), 1.20 (t, 3H), MS (ES+) m/e 521 (MH+)。
【0090】
中間体AAはまた、下記の工程を用いて製造し得る:
工程AAI1: {2-クロロ-9-[(1R,4S)-4-(ジ-Boc-アミノ)-シクロペント-2−エニル]-9H-プリン-6−イル}-(2,2-ジフェニル-エチル)-アミン
(1S,2R,3S,5R)-3-(ジ-Boc-アミノ)-5-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペンタン-1,2-ジオール(13.0 g、27.66 mmol)を、アルゴン雰囲気下、THF (250 mL)に溶解させる。DIPEA (4.28 g、33.19 mmol)を加え、その後、2,2-ジフェニルエチルアミン(6.0 g、30.43 mmol)を加え、反応混合物を、50℃で撹拌する。反応は、18時間後、LCMSにより完結したことが示される。溶媒を真空で除去し、反応混合物を、ジクロロメタン(250 mL)と0.1 M HCl (250 mL)に分画する。有機層を、水(200 mL)および塩水(200 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、溶媒を真空で除去し、表題化合物を得る。
【0091】
1H NMR (CDCl3, 400 MHz); 8.05 (s, 1H), 7.30-7.10 (m, 10H), 6.00 (m, 1H), 5.70 (m, 2H), 5.60 (m, 1H), 5.20 (m, 1H), 4.30 (m, 1H), 4.20 (m, 1H), 3.65 (m, 1H), 3.05 (m, 1H), 2.00 (m, 1H), 1.70 (m, 1H), 1.40 (s, 18H), MS (ES+) m/e 631 (MH+)。
【0092】
工程AAI2: (1R,2S,3R,5S)-3-[2-クロロ-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-5-(ジ-Boc-アミノ)-シクロペンタン-1,2-ジオール
表題化合物は、ジ-Boc-[(1S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペント-2−エニル]-アミンを{2-クロロ-9-[(1R,4S)-4-(ジ-Boc-アミノ)-シクロペント-2−エニル]-9H-プリン-6−イル}-(2,2-ジフェニル-エチル)-アミンで置き換えることにより、(1S,2R,3S,5R)-3-(ジ-Boc-アミノ)-5-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペンタン-1,2-ジオールと同様に製造される。
【0093】
1H NMR (MeOD, 400 MHz); 8.05 (s, 1H), 7.35-7.15 (m, 10H), 4.70-4.55 (m, 4H), 4.50 (m, 1H), 4.35 (m, 1H), 4.20 (m, 2H), 2.55 (m, 1H), 2.45 (m, 1H), 1.60 (s, 18H)。
【0094】
工程AAI3: (1S,2R,3S,5R)-3-アミノ-5-[2-クロロ-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-シクロペンタン-1,2-ジオールトリフルオロアセテート
(1R,2S,3R,5S)-3-[2-クロロ-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-5-(ジ-Boc-アミノ)-シクロペンタン-1,2-ジオール(10.3 g、15.50 mmol)を、DCM (50 mL)に溶解させる。TFA (25 mL)を加え、反応混合物を、室温で撹拌する。反応は、2時間後、LCMSにより完結したことが示される。溶媒を真空で除去し、表題化合物を得る。
【0095】
1H NMR (MeOD, 400 MHz); 7.90 (s, 1H), 7.30-7.10 (m, 10H), 4.65 (m, 1H), 4.50 (m, 1H), 4.40 (m, 1H), 4.20 (m, 1H), 4.10 (m, 2H), 3.50 (m, 1H), 2.75 (m, 1H), 2.15 (m, 1H), MS (ES+) m/e 465 (MH+)。
【0096】
工程AAI4: N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-クロロ-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミド
(1S,2R,3S,5R)-3-アミノ-5-[2-クロロ-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-シクロペンタン-1,2-ジオールTFA (9.50 g、16.42 mmol)およびDIPEA (6.36 g、49.27 mmol)を、乾燥THF (150 mL)と共に、フラスコに入れる。プロピオニルクロライド(1.52 g、16.42mmol)を、滴下で加え、反応混合物を、室温で撹拌する。反応は、1時間後、LCMSにより完結したことが示される。溶媒を真空で除去し、残渣を、DCM (250 mL)と水(250 mL)に分画する。有機層を、水(200 mL)および塩水(200 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、溶媒を、真空で除去する。固体を、1,2-ジクロロエタンから再結晶化させ、表題化合物を得る。
【0097】
1H NMR (MeOD, 400 MHz); 8.00 (s, 1H), 7.40-7.15 (m, 10H), 4.75 (m, 1H), 4.60 (m, 1H), 4.50 (m, 1H), 4.20 (m, 3H), 3.95 (m, 1H), 2.85 (m, 1H), 2.40 (q, 2H), 2.10 (m, 1H), 1.20 (t, 3H), MS (ES+) m/e 521 (MH+)。
【0098】
中間体AB
N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-クロロ-6-((S)-1-ヒドロキシメチル-2-フェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミドトリフルオロアセテート
【0099】
工程AB1: [(1S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペント-2−エニル]-プロピオニル-カルバミン酸 tert-ブチルエステル
表題化合物は、(ジ-t-ブチルイミノジカルボキシレートをプロピオニル-カルバミン酸 tert-ブチルエステルで置き換えることにより)ジ-Boc-[(1S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペント-2−エニル]-アミンと同様に製造される。
【0100】
工程AB2: [(1S,2R,3S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル]-プロピオニル-カルバミン酸 tert-ブチルエステル:
t-ブタノール/水(80 mLの1:1混合物)中、[(1S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペント-2−エニル]-プロピオニル-カルバミン酸 tert-ブチルエステル(6.54 g、15.8 mmol)、メタンスルホンアミド(1.46 g、15.3 mmol)およびAD-mix-α (23 g、1.5 g/mmol)を含む混合物を、四酸化オスミウム(3.5 mL、水中、4% w/w)で処理する。室温で72時間、激しく撹拌後、反応混合物を、EtOAcと水に分画する。有機部分を分離し、水、塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空濃縮する。生じた残渣を、メタノールでトリチュレートし、表題化合物を得る。MS (ES+) m/e 460 (MH+)。
【0101】
工程AB3: N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-クロロ-6-((S)-1-ヒドロキシメチル-2-フェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミドトリフルオロアセテート
1,2-ジクロロエタン(3 mL)中、[(1S,2R,3S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル]-プロピオニル-カルバミン酸 tert-ブチルエステル(0.5 g、1.1 mmol)、DIPEA (0.227 mL、1.3 mmol)、(S)-2-アミノ-3-フェニル-プロパン-1−オール(0.181 mg、1.2 mmol)を含む溶液を、50℃で一晩、加熱する。0.1 M HCl (10 mL)を反応混合物に加え、その後、撹拌し、有機部分を分離し、TFA (1 mL)で処理する。室温で2時間経過後、溶媒を真空で除去し、表題化合物を得る。MS (ES+) m/e 475.2 (MH+)。
【0102】
中間体AC
この化合物は、(S)-2-アミノ-3-フェニル-プロパン-1−オールを4,4'-(2-アミノエチリデン)ビスフェノール(Schelkun et al., Bioorg Med Chem Lett, Vol. 9, pp. 2447-2452 (1999)の製造法にしたがい製造された)で置き換えることにより、中間体ABと同様に製造される。MS (ES+) m/e 553.2 (MH+)。
【0103】
中間体B
N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-((R)-3-アミノ-ピロリジン-1−イル)-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミド ジヒドロクロライド:
【0104】
工程B1: {(R)-1-[9-((1R,2S,3R,4S)-2,3-ジヒドロキシ-4-プロピオニルアミノ-シクロペンチル)-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-9H-プリン-2−イル]-ピロリジン-3−イル}-カルバミン酸 tert-ブチルエステル:
DMSO (8 mL)中、N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-クロロ-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミド(2.5 g、4.80 mmol)および(3R)-(+)-(3-Boc-アミノ)ピロリジン(2.5 g、13.6 mmol)を含む反応混合物を、100℃で一晩、加熱する。逆相カラムクロマトグラフィー(Isolute (商標) C18、水中、0-20% アセトニトリル-0.1% TFA)での生成物の精製により、表題化合物を得る。MS (ES+) m/e 521.4 (MH+)。
【0105】
工程B2: N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-((R)-3-アミノ-ピロリジン-1−イル)-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミドジヒドロクロライド:
{(R)-1-[9-((1R,2S,3R,4S)-2,3-ジヒドロキシ-4-プロピオニルアミノ-シクロペンチル)-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-9H-プリン-2−イル]-ピロリジン-3−イル}-カルバミン酸 tert-ブチルエステル(約4.80 mmol)を、MeOH中、1.25 M HCl (60 mL)に溶解させる。室温で3日間、撹拌後、溶媒を真空で除去し、表題化合物を得る。MS (ES+) m/e 571.24 (MH+)。
【0106】
中間体C
N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-クロロ-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-2-ヒドロキシ-アセトアミド
【0107】
工程C1: 酢酸 {(1S,2R,3S,4R)-4-[2-クロロ-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチルカルバモイル}-メチルエステル
乾燥THF (10 mL)中、(1S,2R,3S,5R)-3-アミノ-5-[2-クロロ-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-シクロペンタン-1,2-ジオールジヒドロクロライド(中間体AAI3) (250 mg、0.46 mmol)の懸濁液を、TEA (0.188 g、1.86 mmol)で、その後、アセトキシアセチルクロライド(0.064 g、0.46 mmol)で処理し、次いで、室温で30分間、撹拌する。溶媒を真空で除去し、溶媒を、DCMと0.1 M HClに分画する。有機部分を分離し、塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空濃縮し、表題生成物を得る。MS (ES+) m/e 565.38 (MH+)。
【0108】
工程C2: N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-クロロ-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-2-ヒドロキシ-アセトアミド:
MeOH (10 mL)中、酢酸 {(1S,2R,3S,4R)-4-[2-クロロ-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチルカルバモイル}-メチルエステル(0.2 g、0.35 mmol)の懸濁液に、炭酸カリウム(0.098 g、0.7 mmol)を加え、次いで、反応混合物を、室温で1時間、撹拌する。溶媒を真空で除去し、溶媒を、DCMと水に分画する。有機部分を分離し、乾燥させ(MgSO4)、真空濃縮し、表題生成物を得る。MS (ES+) m/e 522.4/ 524.5 (MH+)。
【0109】
中間体D
{1-[(1S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペント-2−エニル]-1H-ピラゾール-4−イル}-メタノール
アルゴンの不活性雰囲気下、脱酸素化THF (10 mL)中、炭酸 (1S,4R)-4-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペント-2−エニル エステル エチル エステル(中間体AA2) (1.00 g、2.92 mmol)、(1H-ピラゾール-4−イル)-メタノール (下記で示した製造) (0.34 g、3.50 mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.115 g、0.44 mmol)を含む混合物を、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) (0.13 g、0.15 mmol)で処理し、50℃で1時間、撹拌する。溶媒を真空で除去し、粗生成物を、MeOH/DCM (1:25)で溶出するシリカ上のクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を得る。
【0110】
(1H-ピラゾール-4−イル)-メタノールの製造
4-エチルピラゾールカルボキシレート(10 g、71.40 mmol)を、アルゴン雰囲気下、加熱乾燥フラスコに入れる。乾燥THF (100 mL)を加え、その後、滴下により、水素化アルミニウムリチウム(THF中、1 M、100 mL、100 mmol)を加える。添加の完了後、反応混合物を、50℃で撹拌する。反応は、4時間後、NMRにより完結したことが示される。反応混合物を、氷浴で冷却し、反応混合物を、水(3.8 mL)、次いで、15%水酸化ナトリウム(3.8 mL)、最後に再び水(11.4 mL)でクエンチする。溶媒を真空で除去し、固体を、Soxhlet装置に入れる。THFを、24時間、システムを介して還流させる。溶媒を真空で除去し、表題化合物を得る。
【0111】
1H NMR (MeOD, 400 MHz); 7.60 (s, 2H), 4.55 (s, 2H)。
【0112】
中間体E
[4-((R)-3-ピロリジン-3−イルウレイド)-シクロヘキシル]-カルバミン酸 tert-ブチル エステル
【0113】
工程E1: (4-tert-ブトキシカルボニルアミノ-シクロヘキシル)-カルバミン酸 フェニルエステル
フェニルクロロホルメート(1当量)を、ピリジン/DCMの溶液に滴下で加える。反応混合物を、0℃まで冷却し、DCM中、(4-アミノ-シクロヘキシル)-カルバミン酸 tert-ブチルエステル(1当量)の溶液を、滴下で加える。反応物を、室温で1時間、撹拌する。反応混合物を、(0.2 M) HCl(水性)とDCMに分画する。有機物を、水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液および塩水で洗浄する。合わせた有機層を、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、真空濃縮し、表題化合物を得る。
【0114】
工程E2: {4-[3-((R)-1-ベンジル-ピロリジン-3−イル)-ウレイド]-シクロヘキシル}-カルバミン酸 tert-ブチルエステル
MeOH中、(4-tert-ブトキシカルボニルアミノ-シクロヘキシル)-カルバミン酸 フェニルエステル(1当量)および(R)-1-ベンジル-ピロリジン-3−イルアミン(1当量)の溶液を、マイクロ波照射を用いて、100℃で30分間、加熱する。生じた溶液を、逆相カラムクロマトグラフィー(Isolute (商標) C18、水中、0-100% アセトニトリル-0.1% HCl)で精製し、表題化合物を得る。
【0115】
工程E3: [4-((R)-3-ピロリジン-3−イルウレイド)-シクロヘキシル]-カルバミン酸 tert-ブチルエステル
アルゴンの不活性雰囲気下、エタノール中、{4-[3-((R)-1-ベンジル-ピロリジン-3−イル)-ウレイド]-シクロヘキシル}-カルバミン酸 tert-ブチルエステルの溶液に、炭素上、パラジウムヒドロキシドを加える。反応混合物を、アルゴンでパージし、水素雰囲気下に一晩置く。混合物をろ過し、触媒を、エタノールで洗浄する。有機部分を合わせ、真空濃縮し、表題化合物を得る。
【0116】
中間体F
[(R)-1-((R)-ピロリジン-3−イルカルバモイル)-ピロリジン-3−イル]-カルバミン酸 tert-ブチルエステル
この混合物を、(4-アミノ-シクロヘキシル)-カルバミン酸 tert-ブチルエステルを(R)-ピロリジン-3−イル-カルバミン酸 tert-ブチルエステルで置き換えることにより、中間体Eと同様に製造する。
【0117】
中間体F
[(R)-1-((R)-ピロリジン-3−イルカルバモイル)-ピロリジン-3−イル]-カルバミン酸 tert-ブチルエステルはまた、下記の工程を用いて製造し得る。
【0118】
工程F1: ((R)-1-ベンジル-ピロリジン-3−イル)-カルバミン酸 4-ニトロ-フェニルエステル
4-ニトロ-フェニルクロロホルメート(1当量)を、0℃で、ピリジン/DCM (1:5)の溶液に滴下で加える。反応混合物を、0℃に維持し、DCM中、(R)-1-ベンジル-ピロリジン-3−イルアミン(1当量)の溶液を、滴下で加える。反応混合物を、室温で一晩、撹拌する。反応混合物を、(0.2 M) HCl(水性)とDCMに分画する。有機物を、水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液および塩水で洗浄する。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、真空濃縮し、表題化合物を得る。MS (ES+) m/e 342.10 (MH+)。
【0119】
工程F2: [(R)-1-((R)-1-ベンジル-ピロリジン-3−イルカルバモイル)-ピロリジン-3−イル]-カルバミン酸 tert-ブチルエステル
MeOH中、((R)-1-ベンジル-ピロリジン-3−イル)-カルバミン酸 4-ニトロ-フェニルエステル(1当量)および(3R)-(+)-3-(Boc-アミノ)ピロリジンの溶液を、マイクロ波照射を用いて、100℃で1時間、加熱する。反応混合物を、真空濃縮する。生じた油状物を、DCMに溶解させ、イソシアネート樹脂(3当量)を加え、一晩、振とうする。樹脂をろ過し、DCMを真空で除去し、表題化合物を得る。MS (ES+) m/e 299.21 (MH+)。
【0120】
工程F3: [(R)-1-((R)-ピロリジン-3−イルカルバモイル)-ピロリジン-3−イル]-カルバミン酸 tert-ブチルエステル
アルゴンの不活性雰囲気下、エタノール中、[(R)-1-((R)-1-ベンジル-ピロリジン-3−イルカルバモイル)-ピロリジン-3−イル]-カルバミン酸 tert-ブチルエステルの溶液に、炭素上、パラジウムヒドロキシドを加える。反応混合物を、窒素でパージし、水素雰囲気下、一晩置く。混合物をろ過し、触媒を、エタノールで洗浄する。有機部分を合わせ、真空濃縮する。生じた褐色油状物を、カラムクロマトグラフィー(Isolute(商標)Si、DCM中、2% MeOH)で精製し、表題化合物を得る。MS (ES+) m/e 389.25 (MH+)。
【0121】
中間体G
{4-[3-(4-アミノ-シクロヘキシル)-ウレイド]-シクロヘキシル}-カルバミン酸 tert-ブチルエステル
この化合物を、(R)-1-ベンジル-ピロリジン-3−イルアミン(工程E2)を(4-アミノ-シクロヘキシル)-カルバミン酸ベンジルエステルで置き換えることにより、中間体Eと同様に製造する。
【0122】
中間体H
[1-((R)-ピロリジン-3−イルカルバモイル)-ピペリジン-4−イル]-カルバミン酸 tert-ブチルエステル
この化合物を、(3R)-(+)-3-(BOC-アミノ)ピロリジンを、工程F2でのピペリジン-4−イル-カルバミン酸 tert-ブチルエステルで置き換えることにより、中間体Fと同様に製造する。
【0123】
中間体I
{4-[4-(ピロリジン-3−イルアミノ)-[1,3,5]トリアジン-2−イルアミノ]-シクロヘキシル}-カルバミン酸 tert-ブチルエステル
【0124】
工程I 1: (R)-3-[4-(4-tert-ブトキシカルボニルアミノ-シクロヘキシルアミノ)-[1,3,5]トリアジン-2−イルアミノ]-ピロリジン-1-カルボン酸アリルエステル
(R)-3-アミノ-ピロリジン-1-カルボン酸アリルエステル(1当量)を、DCMに溶解させる。反応混合物を、0℃まで冷却し、DCM中、2,4-ジクロロ-[1,3,5]トリアジン(1当量)の溶液を、滴下で加える。反応混合物を、室温で2時間、撹拌する。反応混合物を、0℃まで再冷却し、DCM中、(4-アミノ-シクロヘキシル)-カルバミン酸 tert-ブチルエステル(1当量)の溶液を、滴下で加える。反応混合物を、室温で一晩、撹拌する。反応混合物を、(0.2 M)HCl(水性)とDCMに分画する。有機物を、水、飽和NaHCO3(水性)および塩水で洗浄する。合わせた有機物を、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、真空濃縮し、表題化合物を得る。
【0125】
工程I 2: {4-[4-((R)-ピロリジン-3−イルアミノ)-[1,3,5]トリアジン-2−イルアミノ]-シクロヘキシル}-カルバミン酸tert-ブチルエステル
下記の参照にしたがい、工程1の生成物から製造し得る: Forns et al., Tetrahedron Lett, Vol. 44, No. 36, pp. 6907-6910 (2003)。樹脂結合アミンの代わりに、(R)-3-[4-(4-tert-ブトキシカルボニルアミノ-シクロヘキシルアミノ)-[1,3,5]トリアジン-2−イルアミノ]-ピロリジン-1-カルボン酸アリルエステルを用いる。
【0126】
実施例の化合物の製造
実施例1 N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-{(R)-3-[2-クロロ-9-((1R,2S,3R,4S)-2,3-ジヒドロキシ-4-プロピオニルアミノ-シクロペンチル)-9H-プリン-6−イルアミノ]-ピロリジン-1−イル}-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミド
【0127】
工程1: [(1S,2R,3S,4R)-4-(2-クロロ-6-{(R)-1-[9-((1R,2S,3R,4S)-2,3-ジヒドロキシ-4-プロピオニルアミノ-シクロペンチル)-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-9H-プリン-2−イル]-ピロリジン-3−イルアミノ}-プリン-9−イル)-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル]-ジ-カルバミン酸 tert-ブチルエステル
(1S,2R,3S,5R)-3-(ジ-Boc-アミノ)-5-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-シクロペンタン-1,2-ジオール(中間体AA4) (52 mg、0.10 mmol)およびN-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-((R)-3-アミノ-ピロリジン-1−イル)-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミド(中間体B) (58 mg、0.10 mmol)を、iPrOH (1 mL)に懸濁する。DIPEA (0.089 mL、0.51 mmol)を加え、反応混合物を、マイクロ波照射を用いて、100℃で1時間、加熱する。反応混合物を、水とEtOAcに分画し、有機部分を乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、真空濃縮する。逆相カラムクロマトグラフィー(Isolute(商標)C18、水中、0-100% アセトニトリル)での精製により、表題化合物を得る。 (MH + 1038/1040)。
【0128】
工程2: N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-{(R)-3-[9-((1R,2S,3R,4S)-4-アミノ-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル)-2-クロロ-9H-プリン-6−イルアミノ]-ピロリジン-1−イル}-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミド
[(1S,2R,3S,4R)-4-(2-クロロ-6-{(R)-1-[9-((1R,2S,3R,4S)-2,3-ジヒドロキシ-4-プロピオニルアミノ-シクロペンチル)-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-9H-プリン-2−イル]-ピロリジン-3−イルアミノ}-プリン-9−イル)-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル]-ジ-カルバミン酸 tert-ブチルエステル(39 mg、0.038 mmol)を、MeOH (1 mL)に溶解させ、ジオキサン中、(4 M) HCl (1 mL)を加える。反応混合物を、室温で一晩、撹拌する。反応混合物を、真空濃縮し、表題化合物を得る。(MH + 838)。
【0129】
工程3: N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-{(R)-3-[2-クロロ-9-((1R,2S,3R,4S)-2,3-ジヒドロキシ-4-プロピオニルアミノ-シクロペンチル)-9H-プリン-6−イルアミノ]-ピロリジン-1−イル}-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミド
N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-{(R)-3-[9-((1R,2S,3R,4S)-4-アミノ-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル)-2-クロロ-9H-プリン-6−イルアミノ]-ピロリジン-1−イル}-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミド(32 mg、0.038 mmol)およびTEA (0.016 mL、0.113 mmol)を、THF (0.5 mL)に懸濁する。MeOH (0.5 mL)を、溶解を補助するために加える。プロピオン酸クロライド(0.0035 mL、0.040 mmol)を加え、反応混合物を、室温で一晩、撹拌する。反応混合物を、真空濃縮し、逆相カラムクロマトグラフィー(Isolut(商標)C18、水中、0-100% アセトニトリル - 0.1% TFA)で精製し、表題化合物を得る(MH + 894/895)。
【0130】
実施例2 N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-{(R)-3-[2-[(R)-3-(3-ピリジン-3−イル-ウレイド)-ピロリジン-1−イル]-9-((1R,2S,3R,4S)-2,3-ジヒドロキシ-4-プロピオニルアミノ-シクロペンチル)-9H-プリン-6−イルアミノ]-ピロリジン-1−イル}-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミド
N-{(1S,2R,3S,4R)-4-[2-{(R)-3-[2-クロロ-9-((1R,2S,3R,4S)-2,3-ジヒドロキシ-4-プロピオニルアミノ-シクロペンチル)-9H-プリン-6−イルアミノ]-ピロリジン-1−イル}-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-プリン-9−イル]-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル}-プロピオンアミド(1当量)および1-ピリジン-3−イル-3-(R)-ピロリジン-3−イル-ウレア(3当量)を、EtOHに溶解させる。反応混合物を、室温で48時間、還流させる。反応混合物を、真空濃縮し、逆相カラムクロマトグラフィー(Isolut(商標)C18、水中、0-100% アセトニトリル - 0.1% TFA)で精製し、表題化合物を得る。
【0131】
実施例3-8は、多重併行合成のために記載した下記の方法により、個々に製造される。
【0132】
式(I)
【化15】

の実施例の化合物は、下記のとおり、多重併行法(multiparallel sequence)で製造される。
【0133】
スキーム1
【化16】

【0134】
工程1:
ジフェニルエチルアミンを適当なアミンで置き換えることによる中間体AAI1の製造で使用されたのと同様の方法で、中間体AA3をアミンY-Hと個々に反応させることにより、中間体Yを得る。
【0135】
アミンY-H
【化17】

【0136】
工程2:
中間体Yとジヒドロキシル化剤四酸化オスミウムまたは四酸化ルテニウムの個々の反応により、中間体YAを得る。
【0137】
工程3:
中間体AAI3の製造で使用されたのと同様の方法での中間体YAの反応により、中間体YBを得る。
【0138】
工程4:
中間体AAI4(プロピオニルクロライドと)または中間体C(アセトキシアセチルクロライドと)の製造で使用されたのと同様の方法で、中間体YBと適当な塩酸の反応により、中間体YXを得る。
【0139】
中間体YX
ここで、Xa = CH3CH2C(O)-、CH3OC(O)-、HOCH2C(O)-、HOCH(CH3)C(O)-である。
【0140】
工程5:
中間体Bの製造で使用されたのと同様の方法で、中間体YXを(3R)-(+)-(3-Boc-アミノ)ピロリジンと反応させ、その後、脱保護することにより、中間体YXAを得る。
【0141】
工程6および7:
工程3で適当な塩酸を個々に用いた、実施例1を製造するために使用されるのと同様の方法での中間体YXAの反応により、中間体YXCを得る。
【0142】
中間体YXC
ここで、Xb = CH3CH2C(O)-、CH3OC(O)-、HOCH2C(O)-、HOCH(CH3)C(O)-である。
【0143】
工程8:
中間体YXCを、エタノール中、還流で、またはDMSO中、90-110℃で、18-24時間、3倍超の適当な中間体Zと個々に反応させる。式(I)の実施例の化合物を単離し、その後、質量分析/逆相クロマトグラフィーにより精製する。
【0144】
中間体Z
ここで、Z =
【化18】

である。
【0145】
式(II)
【化19】

の実施例の化合物は、スキーム2で下記のとおり、製造し得る。
【0146】
スキーム2
【化20】

【0147】
工程1:
(1H-ピラゾール-4−イル)-メタノールを適当なヘテロ環で置き換えることによる、中間体Dの製造で使用されたのと同様の方法で、中間体AA2とヘテロ環Xc-Hの個々の反応により、中間体X2を得る。
【0148】
ヘテロ環Xc-H
【化21】

【0149】
ヘテロ環X-Hは、下記のとおり製造される:
・X1の製造は、中間体Dと共に記載されている。
・X2-X3は、文献手順にしたがい製造される。
【0150】
工程2:
中間体X2とジヒドロキシル化剤四酸化オスミウムまたは四酸化ルテニウムの個々の反応により、中間体X2Aを得る。
【0151】
工程3:
(S)-2-アミノ-3-フェニル-プロパン-1−オールを適当なアミンで置き換えることによる中間体AB、工程AB3の製造で使用されたのと同様の方法で、中間体X2AをアミンY-Hと個々に反応させることにより、中間体X2Yを得る。
【0152】
工程4:
中間体Bの製造で使用されたのと同様の方法で、中間体X2Yを(3R)-(+)-(3-Boc-アミノ)ピロリジンと反応させ、その後、脱保護することにより、中間体Y2XAを得る。
【0153】
工程5:
相当する中間体X2Aを個々に用いた、[(1S,2R,3S,4R)-4-(2-クロロ-6-{(R)-1-[9-((1R,2S,3R,4S)-2,3-ジヒドロキシ-4-プロピオニルアミノ-シクロペンチル)-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-9H-プリン-2−イル]-ピロリジン-3−イルアミノ}-プリン-9−イル)-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル]-ジ-カルバミン酸 tert-ブチルエステル(実施例1、工程1)を製造するために使用されるのと同様の方法での中間体Y2XAの反応により、中間体X2YBを得る。
【0154】
ここで、Xdは、
【化22】

から選択される。
【0155】
工程6:
中間体X2YBを、エタノール中、還流で、またはDMSO中、90-110℃で、18-24時間、3倍超の適当な中間体Zと個々に反応させる(上記したとおり)。式(III)の実施例の化合物を単離し、その後、質量分析/逆相クロマトグラフィーにより精製する。
【0156】
式(III)
【化23】

の実施例の化合物は、下記のとおり製造される。
【0157】
スキーム3
【化24】

【0158】
中間体YXCを、アセトニトリル/N-メチル-ピロリドン中、ヨウ化ナトリウム、トリエチルアミンの存在下、アミンT-Hと個々に反応させる。120-220℃の温度でのマイクロ波照射を用いた加熱により、一連の式(III)の実施例の化合物を提供する。
【0159】
アミンT-H
【化25】

【0160】
式(IV)
【化26】

の実施例の化合物は、下記のとおり製造される。
【0161】
これらの実施例の化合物は、式(III)の実施例の化合物を製造するために使用されたのと同様の方法で、中間体X2YBから製造される。
【0162】
式(V)
【化27】

の実施例の化合物は、下記のとおり製造される。
【0163】
スキーム4:
【化28】

【0164】
これらの実施例の化合物は、式(III)の実施例と同様に、中間体YXA2から製造される。中間体YXA2は、中間体Bの製造で使用されたのと同様の方法で、(3R)-(+)-(3-Boc-アミノ)ピロリジンを適当なBoc-保護化アミン(Boc)-A-Hで置き換えることにより、中間体YXから製造される。
【0165】
Boc-保護化アミン(Boc)-A-H:
【化29】

【0166】
生じたAリンカー:
【化30】

【0167】
中間体Kを、実施例Iと同様の方法で、実施例Vに変換する。
【0168】
式(VI)
【化31】

の実施例の化合物は、下記のとおり製造される。
【0169】
スキーム5:
【化32】

【0170】
これらの実施例の化合物は、式(III)の実施例と同様に、中間体X2YA2から製造される。中間体X2YA2は、中間体Bの製造で使用されたのと同様の方法で、(3R)-(+)-(3-Boc-アミノ)ピロリジンを適当なBoc-保護化アミン(Boc)-A-Hで置き換えることにより、中間体X2Yから製造される。
【0171】
リボース実施例(Ribose Examples)
式(VII)
【化33】

の実施例の化合物は、下記のとおり製造される。
【0172】
スキーム6
【化34】

【0173】
工程1:
50℃でDCE中、酢酸(2R,5R)-4-アセトキシ-2-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-5-(2-エチル-2H-テトラゾール-5−イル)-テトラヒドロ-フラン-3−イルエステル(WO 98/28319)と、DIPEAの存在下、適当なアミンY-Hの反応により、中間体RYを得る。
【0174】
工程2:
中間体RYを、室温で、MeOH/クロロホルム中、炭酸カリウムを用いて脱保護し、中間体RY1を得る。
【0175】
工程3:
中間体Bの製造で使用されたのと同様の方法で、中間体RY1と適当なBoc-保護化アミン(Boc)-A-Hの個々の反応により、中間体RY1Aを得る。
【0176】
工程4:
工程1および2に記載したものと同様の条件を用いて、中間体RY1Aと酢酸(2R,5R)-4-アセトキシ-2-(2,6-ジクロロ-プリン-9−イル)-5-(2-エチル-2H-テトラゾール-5−イル)-テトラヒドロ-フラン-3−イルエステル(WO 98/28319)の個々の反応により、中間体RY1A2を得る。
【0177】
工程5:
中間体RY1A2を、アセトニトリル/N-メチル-ピロリドン中、ヨウ化ナトリウム、トリエチルアミンの存在下、アミンT-Hと個々に反応させる。120-220℃の温度でのマイクロ波照射を用いた加熱により、一連の式(VII)の実施例の化合物を提供する。
【0178】
式(VIII)
【化35】

の実施例の化合物は、下記のとおり製造される。
【0179】
スキーム4:
【化36】

これらの実施例の化合物は、式(III)の実施例と同様に、中間体X2YA2から製造される。中間体X2YA2は、中間体Bの製造で使用されたのと同様の方法で、(3R)-(+)-(3-Boc-アミノ)ピロリジンを適当なBoc-保護化アミン(Boc)-A-Hで置き換えることにより、中間体X2Yから製造される。
【0180】
Boc-保護化アミン(Boc)-A-H:
【化37】

【0181】
生じたAリンカー:
【化38】

【0182】
中間体Lを、実施例Iと同様の方法で、実施例VIIIに変換する。
【0183】
式(IX)
【化39】

の実施例の化合物は、下記のとおり製造される。
【0184】
【化40】

【0185】
スキーム5:
これらの実施例の化合物は、下記のとおり製造される。
【0186】
工程1: 中間体YXBA2は、中間体Bの製造で使用されたのと同様の方法で、(3R)-(+)-(3-Boc-アミノ)ピロリジンを適当なBoc-保護化アミン(Boc)-A-Hで置き換えることにより、中間体YXから製造される。
【0187】
工程2: 相当する中間体X2Aを個々に用いた、[(1S,2R,3S,4R)-4-(2-クロロ-6-{(R)-1-[9-((1R,2S,3R,4S)-2,3-ジヒドロキシ-4-プロピオニルアミノ-シクロペンチル)-6-(2,2-ジフェニル-エチルアミノ)-9H-プリン-2−イル]-ピロリジン-3−イルアミノ}-プリン-9−イル)-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル]-ジ-カルバミン酸 tert-ブチルエステル(実施例1、工程1)を製造するために使用されるのと同様の方法での中間体YXBA2の反応により、中間体Mを得る。
【0188】
工程3: 中間体Mを、アセトニトリル/N-メチル-ピロリドン中、ヨウ化ナトリウム、トリエチルアミンの存在下、アミンT-Hと個々に反応させる。120-220℃の温度でのマイクロ波照射を用いた加熱により、一連の式(IX)の実施例の化合物を提供する。
【0189】
Boc-保護化アミン(Boc)-A-H、生じたAリンカーおよびアミンT-Hは、上記のとおりである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
U1およびU2は、独立して、CH2およびOから選択されるが、ただし、U1がOであるとき、R1aはN-結合置換基ではなく、U2がOであるとき、R1bは、N-結合置換基ではなく;
R1aおよびR1bは、独立して、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基から選択され、該基は、所望により、オキソ、O-C1-C8-アルキル、C6-C10-アリール、R1cまたは所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキルで置換されていてもよく、または
R1aおよびR1bは、独立して、-NR4R4、-NR5-C1-C8-アルキルカルボニル、-NR5-C3-C8-シクロアルキルカルボニル、-NR5SO2-C1-C8-アルキル、-NR5-C7-C14-アラルキルカルボニルおよび所望によりR1cで置換された-NR5C(=O)-C(=O)-NR5-C1-C8-アルキルから選択されるか、または
R1aおよびR1bは、独立して、NR4-C1-C8-アルキル、NR5C(O)C1-C8-ヒドロキシアルキル、NR5CO2C1-C8-アルキル、およびNR5CO2C2-C8-ヒドロキシアルキルから選択されるか、または
R1aおよびR1bは、独立して、C1-C8-ヒドロキシアルキル、CH2-O-C1-C8-アルキル、C(O)-O-C1-C8-アルキル、C(O)NR5R5およびC(O)-NH-C1-C8-アルキルから選択され;
R1cは、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり、該3から12員ヘテロ環式基は、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニルまたは所望によりアミノカルボニルで置換されたO-C1-C8-アルキルで置換されていてもよく;
R2は、所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキル、所望によりOH、SO2R10、SC1-C8-アルキル、CN、ハロゲン、O-C7-C14-アラルキル、またはO-C1-C8-アルキルで置換されたハロゲン C6-C10-アリール、所望によりO-C7-C14 アラルキル、C3-C15-炭素環式基、O-C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニルまたはC1-C8-アルキルで置換されたC3-C15-炭素環式基、O-C1-C8-アルキル、-SO2-C1-C8-アルキル、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基(該基は、所望により、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基で置換されていてもよい)、C7-C14-アラルキル、または所望によりO-C7-C14-アラルキルで置換されたC6-C14-アリールであるか、または
R2は、所望により、O-C7-C14-アラルキル、C3-C15-炭素環式基、O-C1-C8-アルキル、またはC1-C8-アルキルで置換されたC3-C15-炭素環式基であるか、または
R2は、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基であり、該基は、所望により、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基、C7-C14-アラルキル、または所望によりO-C7-C14-アラルキルで置換されたC6-C14-アリールで置換されていてもよく;
R3は、水素、ハロ、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニルもしくはC1-C8-アルコキシカルボニルであるか、または
R3は、所望によりアミノ、ヒドロキシ、C7-C14-アラルキルオキシ、-SO2-C6-C10-アリールまたは-NH-C(=O)-NH-R3cで置換されたC3-C8-シクロアルキルで、所望により置換されたアミノであるか、または
R3は、R3a、-R3a-C7-C14-アラルキルまたは所望によりOH、C1-C8-アルキルもしくはC1-C8-アルコキシカルボニルで置換されたC5-C15-炭素環式基で置換されたアミノであるか、
R3は、所望によりR3bで置換されたアミノカルボニルであるか、または
R3は、所望により、OH、R3b、アミノ、ジ(C1-C8-アルキル)アミノ、-NH-C(=O)-C1-C8-アルキル、-NH-SO2-C1-C8-アルキル、-NH-C(=O)-NH-R3c、-NH-C(=O)-NH-C1-C8-アルキル-R3b、C5-C15-炭素環式基で、または所望によりC6-C10-アリールオキシで置換されたC6-C10-アリールで置換されたC1-C8-アルキルアミノであるか、または
R3は、C1-C8-アルキルアミノカルボニルまたは所望により、アミノ、C1-C8-アルキルアミノ、ジ(C1-C8-アルキル)アミノもしくは-NH-C(=O)-NH-R3dで置換されたC3-C8-シクロアルキルアミノ-カルボニルであるか、または
R3は、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり、該基は、所望により0-3R4で置換されていてもよく;
R3aおよびR3bは、各々、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルカルボニル、OH-C1-C8-アルキル、C1-C8-ハロアルキル、アミノ-C1-C8-アルキル、アミノ(OH)C1-C8-アルキルまたは所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されていてもよく;
R3cは、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式基であり、所望により、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式基で置換されていてもよく;
R3dは、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式環であって、該5または6員ヘテロ環式環が、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニル、所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されているか、または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式環であって、該環がまた、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニル、または所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されており;
R4は、OH、所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキル、C1-C8-アルコキシ、所望によりOH、O-C1-C8-アルキル、ハロゲン C6-C10-アリール、またはO-C6-C10-アリールで置換されたC7-C14-アラルキル、C1-C8-アルコキシ、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたC6-C10-アリール、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたO-C6-C10-アリール、NR4aR4b、NHC(O)R4c、NHS(O)2R4d、NHS(O)2R4e、NR4fC(O)NR4eR4h、NR4fC(O)NR4gR4h、NR4iC(O)OR4j、C1-C8-アルキルカルボニル、C1-C8-アルコキシカルボニル、ジ(C1-C8-アルキル)アミノカルボニル、COOR4k、C(O)R4l、NHC(O)R4q、NHC(=NR4m)N(R4n)R4o、および窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望によりCOOR4pで置換された3から12員ヘテロ環式基から選択され;
R4a、R4c、R4f、R4hおよびR4iは、独立して、H、またはC1-C8-アルキルであり;
R4bは、H、C1-C8-アルキルまたは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望により0-3R5またはC6-C10-アリールで置換された3から12員ヘテロ環式基であり;
R4d、R4e、およびR4jは、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望により0-3R5で置換された3から12員ヘテロ環式基であり;
R4gは、所望により、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望によりSO2R10、CN、または0-3R5で置換された3から12員ヘテロ環式基で置換されたC1-C8-アルキルであるか、または
R4gは、所望により、OH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、SO2R10またはハロゲンで置換されたC6-C10-アリールであるか、または
R4gは、所望により、OH、O-C1-C8-アルキル、ハロゲン、C6-C10-アリール、SO2R10、CN、-C(=NH)NH2、またはO-C6-C10-アリールで置換されたC7-C14-アラルキルであるか、または
R4gは、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望により0-3R5で置換された3から12員ヘテロ環式基であり;
R4kは、H、C1-C8-アルキル、C6-C10-アリールまたは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;
R4lは、C1-C8-アルキル、C6-C10-アリール、NHR6または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;
R4mは、CNであり;
R4nは、HまたはC1-C8-アルキルであり;
R4oは、H、所望により、OHまたは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望によりSO2R10、CN、または0-3R5で置換された3から12員ヘテロ環式基で置換されたC1-C8-アルキル、C1-C8-アルコキシ、所望により、OH、O-C1-C8-アルキル、ハロゲン C6-C10-アリール、またはO-C6-C10-アリールで置換されたC7-C14-アラルキル、C1-C8-アルコキシ、所望により、OH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル SO2R10または-ハロゲンで置換されたC6-C10-アリールであり;
R4pは、H、C1-C8-アルキルまたはC7-C14-アラルキルであり;
R4qは、所望によりOH、C(=NH)NH2、もしくはSO2NH2で置換されたC6-C10-アリール、または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望により0-3R5で置換された3から12員ヘテロ環式基、または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望により0-3R5で置換された3から12員ヘテロ環式基であり;
R5は、OH、所望によりOH、CN、SO2R10またはハロゲンで置換されたC1-C8-アルキル、所望によりOH、O-C1-C8-アルキル、C6-C10-アリール、またはO-C6-C10-アリールで置換されたC7-C14-アラルキル、C1-C8-アルコキシ、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたC6-C10-アリール、所望によりOH、C1-C8-アルキルで置換されたO-C6-C10-アリール、所望によりハロゲンで置換されたO-C1-C8-アルキル、NR5aR5b、NHC(O)R5c、NHS(O)2R5d、NHS(O)2R5e、NR5fC(O)NR5gR5h、NR5iC(O)OR5j、C1-C8-アルキルカルボニル、C1-C8-アルコキシカルボニル、ジ(C1-C8-アルキル)アミノカルボニル、COOR5k、C(O)R5l、所望によりOH、-COOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、-ハロゲン、またはSO2R10で置換されたC(O)-C6-C10-アリール、C(O)NHR5m、または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望により0-3R7で置換された3-12員ヘテロ環式基から選択され;
R5a、R5b、R5c、R5f、R5hおよびR5iは、独立して、H、C1-C8-アルキルまたはC6-C10-アリールであり;
R5d、R5e、R5g、R5jおよびR5mは、独立して、C1-C8-アルキルまたは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望によりCOOR8で置換された3から12員ヘテロ環式基であり;
R5kは、H、C1-C8-アルキル、C6-C10-アリールまたは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;
R5lは、C1-C8-アルキル、C6-C10-アリールまたは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望によりCOOR9で置換された3から12員ヘテロ環式基であり;
R6は、COOR6aまたは窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含み、所望によりCOOR6bで置換された3から12員ヘテロ環式基であり;
R6a、R6b、R7、R8およびR9は、H、C1-C8-アルキルおよびC7-C14-アラルキルから選択され; そして
R10は、所望により、ハロゲンで置換されたC1-C8-アルキル、所望により、OH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたC6-C10-アリール、またはNR4aR4bであり;
Aは、-E-NR14-、-E-NR14-G-NR15-、-E-NR14C(O)NR14-G-NR15-、-E-NR14C(O)G-NR15-、-E-NR14-G-NR14-Ea-、-NR14C(O)-E-NR14C(O)NR14-、-NR15-G-NR15-、-NR15-(CR16R17)n-NR15-、-NR15-X3-G-X4-NR15-、-NR14C(O)NR14-、NR14C(O)NR14-J-NR15-、NR14C(O)-(CR16R17)n-C(O)NR14-、および-NR14C(O)NR14-E-NR14C(O)NR144-から選択され;
Eは、所望によりHO、C1-C8-アルキル、C6-C10-アリールで置換されたC3-C15-炭素環式基、3から12員ヘテロ環式基、所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、またはハロゲンで置換されたC6-C10-アリール、および-Ea-C(O)NR14-Eb-NR14C(O)-Ea-から選択され;
各Eaは、独立して、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基、C3-C15-炭素環式基、および所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、およびハロゲンで置換されたC6-C10-アリールから選択され;
Ebは、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基、C3-C15-炭素環式基、および所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、またはハロゲンで置換されたC6-C10-アリールから選択され;
Gは、C(O)、NR14C(O)、C(O)NR14、所望によりOH、ハロゲンまたはC6-C10-アリールで置換されたC1-C8-アルキル、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含み、所望によりR18で置換された3から12員ヘテロ環式基、所望によりHO、C1-C8-アルキルで置換されたC3-C15-炭素環式基、および所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、またはハロゲンで置換されたC6-C10-アリールから選択され;
Jは、C6-C10-アリール、SO2、およびC6-C10-アリール-SO2-から選択され;
X3およびX4は、独立して、所望により、OH、ハロゲンまたはC6-C10-アリールで置換されたC1-C8-アルキル、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含み、所望によりR18で置換された3から12員ヘテロ環式基、C3-C15-炭素環式基、およびC6-C10-アリールから選択され;
各R14は、独立して、H、C1-C8-アルキル、およびC6-C10-アリールから選択され;
各R15は、独立して、H、-CN、C1-C8-アルキル、およびC6-C10-アリールから選択され;
各R16および各R17は、独立して、H、ハロゲン、OH、C1-C8-アルキル、およびC6-C10-アリールから選択され;
R18は、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり、該3から12員ヘテロ環式基は、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニルまたは所望によりアミノカルボニルで置換されたO-C1-C8-アルキルで置換されていてもよく; そして
nは、1-8から選択される整数である]
で示される化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
式(Ia)
【化2】

[式中、
R1aおよびR1bが、独立して、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基から選択され、該基は、所望により、オキソ、O-C1-C8-アルキル、C6-C10-アリール、R1cまたは所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキルで置換されていてもよく、または
R1aおよびR1bが、独立して、-NR4R4、および-NR5-C1-C8-アルキルカルボニルから選択され;
R2が、所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキル、所望によりOH、SC1-C8-アルキル、CN、ハロゲン、O-C7-C14-アラルキル、またはO-C1-C8-アルキルで置換されたハロゲン C6-C10-アリール、所望によりO-C7-C14 アラルキル、C3-C15-炭素環式基、O-C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニルまたはC1-C8-アルキルで置換されたC3-C15-炭素環式基、O-C1-C8-アルキル、-SO2-C1-C8-アルキル、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基(該基は、所望により、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基で置換されていてもよい)、C7-C14-アラルキル、または所望によりO-C7-C14-アラルキルで置換されたC6-C14-アリールであるか、または
R3が、水素、ハロ、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニルもしくはC1-C8-アルコキシカルボニルであるか、または
R3が、所望により、OH、R3b、アミノ、ジ(C1-C8-アルキル)アミノ、-NH-C(=O)-C1-C8-アルキル、-NH-SO2-C1-C8-アルキル、-NH-C(=O)-NH-R3c、-NH-C(=O)-NH-C1-C8-アルキル-R3b、C5-C15-炭素環式基で、または所望によりC6-C10-アリールオキシで置換されたC6-C10-アリールで置換されたC1-C8-アルキルアミノであるか、または
R3が、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり、該基は、所望により0-3R4で置換されていてもよく;
R3aおよびR3bが、各々、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルカルボニル、OH-C1-C8-アルキル、C1-C8-ハロアルキル、アミノ-C1-C8-アルキル、アミノ(OH)C1-C8-アルキルまたは所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されていてもよく;
R3cが、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式基であり、所望により、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式基で置換されていてもよく;
R3dが、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式環であって、該5または6員ヘテロ環式環が、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニル、所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されているか、または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式環であって、該環がまた、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニル、または所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されており;
R4が、OH、所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキル、C1-C8-アルコキシ、所望によりOH、O-C1-C8-アルキル、ハロゲン C6-C10-アリール、またはO-C6-C10-アリールで置換されたC7-C14-アラルキル、C1-C8-アルコキシ、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたC6-C10-アリール、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたO-C6-C10-アリール、およびNR4fC(O)NR4gR4hから選択され;
R4f、R4hが、独立して、H、またはC1-C8-アルキルであり;
R4gが、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;
Aが、-E-NR14-、-E-NR14-G-NR15-、-E-NR14C(O)NR14-G-NR15-、-E-NR14C(O)G-NR15-、-E-NR14-G-NR14-Ea-、および-NR15-G-NR15-から選択され;
Eが、所望によりHO、C1-C8-アルキル、C6-C10-アリールで置換されたC3-C15-炭素環式基、3から12員ヘテロ環式基、所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、またはハロゲンで置換されたC6-C10-アリール、および-Ea-C(O)NR14-Eb-NR14C(O)-Ea-から選択され;
各Eaは、独立して、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基、C3-C15-炭素環式基、および所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、およびハロゲンで置換されたC6-C10-アリールから選択され;
Ebが、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基、C3-C15-炭素環式基、および所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、またはハロゲンで置換されたC6-C10-アリールから選択され;
Gが、C(O)、NR14C(O)、C(O)NR14、所望によりOH、ハロゲンまたはC6-C10-アリールで置換されたC1-C8-アルキル、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含み、所望によりR18で置換された3から12員ヘテロ環式基、所望によりHO、C1-C8-アルキルで置換されたC3-C15-炭素環式基、および所望によりHO、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキル、またはハロゲンで置換されたC6-C10-アリールから選択され;
R18が、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり、該3から12員ヘテロ環式基は、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニルまたは所望によりアミノカルボニルで置換されたO-C1-C8-アルキルで置換されていてもよい]
で示される請求項1に記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
R1aおよびR1bが、独立して、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基から選択され、該基は、所望により、オキソ、O-C1-C8-アルキル、C6-C10-アリール、R1cまたは所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキルで置換されていてもよく、または
R1aおよびR1bが、独立して、-NR4R4、および-NR5-C1-C8-アルキルカルボニルから選択され;
R2が、所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキル、所望によりOH、SC1-C8-アルキル、CN、ハロゲン、O-C7-C14-アラルキル、またはO-C1-C8-アルキルで置換されたハロゲン C6-C10-アリール、所望によりO-C7-C14 アラルキル、C3-C15-炭素環式基、O-C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニルまたはC1-C8-アルキルで置換されたC3-C15-炭素環式基、O-C1-C8-アルキル、-SO2-C1-C8-アルキル、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基(該基は、所望により、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む3から12員ヘテロ環式基で置換されていてもよい)、C7-C14-アラルキル、または所望によりO-C7-C14-アラルキルで置換されたC6-C14-アリールであるか、または
R3が、水素、ハロ、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニルもしくはC1-C8-アルコキシカルボニルであるか、または
R3が、所望により、OH、R3b、アミノ、ジ(C1-C8-アルキル)アミノ、-NH-C(=O)-C1-C8-アルキル、-NH-SO2-C1-C8-アルキル、-NH-C(=O)-NH-R3c、-NH-C(=O)-NH-C1-C8-アルキル-R3b、C5-C15-炭素環式基で、または所望によりC6-C10-アリールオキシで置換されたC6-C10-アリールで置換されたC1-C8-アルキルアミノであるか、または
R3が、1-4個の環窒素原子を含み、かつ所望により、酸素および硫黄からなる群から選択される1-4個の他のヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり、該基は、所望により0-3R4で置換されていてもよく;
R3aおよびR3bが、各々、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルカルボニル、OH-C1-C8-アルキル、C1-C8-ハロアルキル、アミノ-C1-C8-アルキル、アミノ(OH)C1-C8-アルキルまたは所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されていてもよく;
R3cが、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式基であり、所望により、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式基で置換されていてもよく;
R3dが、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式環であって、該5または6員ヘテロ環式環が、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニル、所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されているか、または窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、5または6員ヘテロ環式環であって、該環がまた、所望により、ハロ、シアノ、オキソ、OH、カルボキシ、アミノ、ニトロ、C1-C8-アルキル、C1-C8-アルキルスルホニル、アミノカルボニル、C1-C8-アルキルカルボニル、または所望によりアミノカルボニルで置換されたC1-C8-アルコキシで置換されており;
R4が、OH、所望によりOHで置換されたC1-C8-アルキル、C1-C8-アルコキシ、所望によりOH、O-C1-C8-アルキル、ハロゲン C6-C10-アリール、またはO-C6-C10-アリールで置換されたC7-C14-アラルキル、C1-C8-アルコキシ、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたC6-C10-アリール、所望によりOH、C1-C8-アルキル、O-C1-C8-アルキルまたは-ハロゲンで置換されたO-C6-C10-アリール、およびNR4fC(O)NR4gR4hから選択され;
R4f、R4hが、独立して、H、またはC1-C8-アルキルであり;
R4gが、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、3から12員ヘテロ環式基であり;
Aが、
【化3】

から選択される、請求項2に記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容されるその塩。
【請求項4】
実施例の何れか1つに準拠して本明細書に実質的に記載した、請求項1または3に記載の化合物。
【請求項5】
医薬としての使用のための、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
抗炎症、気管支拡張、抗ヒスタミンもしくは鎮咳薬剤物質と組合せた請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物であって、該化合物および該薬剤物質が同じであるか、もしくは異なる医薬組成物中に存在する、化合物。
【請求項7】
有効成分として請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物を、所望により、薬学的に許容される希釈剤もしくは担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項8】
アデノシンA2A受容体の活性化が介在する状態の処置用医薬の製造のための、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項9】
炎症性もしくは閉塞性気道疾患の処置用医薬の製造のための、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項10】
請求項1で定義した式(I)の化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容されるその塩の製造法であって、
(i) 式(II)
【化4】

[式中、
R1a、R1b、R2、U1、U2は、上記したとおりであり; そして
Tは、脱離基である]
の化合物を、式(III)
【化5】

[式中、
R3は、請求項1で定義したとおりである]
の化合物と反応させ; そして
(ii) あらゆる保護基を除去し、遊離もしくは薬学的に許容される塩形で、生じた式(I)の化合物を回収する工程を含む、方法。

【公表番号】特表2010−503639(P2010−503639A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527828(P2009−527828)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/059666
【国際公開番号】WO2008/031875
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】