説明

C型肝炎ウイルスの阻害剤、それを使用する組成物および治療法

本発明は、HCVポリメラーゼを治療上有効量のヒドロキサメートMMP阻害剤と接触させることを含む、HCVウイルス複製活性を阻害する方法、およびこのものを含む組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HCVポリメラーゼを治療上有効量のヒドロキサメート(hydroxamate)MMP阻害剤と接触させることを含む、HCVウイルス複製活性を阻害する方法に関する。本発明はさらに、有効量のこのようなヒドロキサメートMMP阻害剤を投与することによる哺乳類におけるヒドロキサメートMMP阻害剤を含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)は、フラビウイルス科(Flaviviridae)ファミリー中のヘパシウイルス(hepacivirus)属の一員である。それは、非A、非B型ウイルス性肝炎の主原因因子であり、そして輸血関連肝炎の主原因であって、世界中の肝炎症例の有意な部分の原因となるものである。急性HCV感染は、しばしば無症候性であるけれども、ほぼ80%の場合が慢性肝炎に変ずる。HCV感染の持続特性は、エンベロープタンパク質E2中の露出領域の高突然変異性(hypermutability)により宿主免疫監視機構から逃れるその能力によって説明されてきた[Weiner外、Virology 180:842−848(1991);Weiner外 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:3468−3472(1992)]。
【0003】
HCVは、長さほぼ9.5kbの一本鎖プラス(positive)−センスRNAゲノムを含有するエンベロープのあるRNAウイルスである[Choo外、Science 244:359−362(1989)]。RNAゲノムは、341のヌクレオチドの5’−未翻訳領域(5’NTR)[Brown外、Nucl.Acids Res.20:5041−5045(1992);Bukh外、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4942−4946(1992)]、3,010ないし3,040のアミノ酸の単一ポリペプチドをコードしている大きなオープンリーディングフレーム(ORF)[Choo外(1989)、前記]、および約230のヌクレオチドの長さが変化する3’−未翻訳領域(3’NTR)[Kolykhalov外、J.Virol.70:3363−3371(1996);Tanaka外、J.Virol.70:3307−3312(1996)]を含有する。
【0004】
5’NTRは、このウイルスゲノムの最も保存された領域の一つであって、ウイルスポリタンパク質の翻訳の開始において中枢の役割を演じる[Bartenschlager(1997)、前記]。単一の長いORFは、ポリタンパク質をコードしており、このポリタンパク質は、細胞またはウイルス性プロテイナーゼのいずれかによって構造(コア、E1およびE2)および非構造(NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5AおよびNS5B)ウイルスタンパク質に翻訳と同時にまたは翻訳後にプロセシングされる[Bartenschlager(1997)、前記]。3’NTRは、3つの顕著な領域:ポリタンパク質の終止コドンに続く約38のヌクレオチドの可変領域、散在するシチジンの置換を有する長さの変化するポリウリジントラクト(tract)、および種々のHCV分離株の間に高度に保存されているまさしくその3’末端の98のヌクレオチド(nt)、から成る。ゲノム内の遺伝子の順序は:NH2−C−E1−E2−p7−NS2−NS3−NS4A−NS4B−NS5A−NS5B−COOHである[Grakoui外、J.Virol.67:1385−1395(1993)]。
【0005】
構造タンパク質コア(C)、エンベロープタンパク質1および(E1、E2)、ならびにp7領域のプロセシングは、宿主シグナルペプチダーゼによって媒介される。これに対して、非構造(NS)領域の成熟は、2つのウイルス酵素によって達成される。HCVポリタンパク質は最初に宿主シグナルペプチダーゼによって切断され、構造タンパク質C/E1、E1/E2、E2/p7、およびp7/NS2を生じる[Hijikata外、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:5547−5551(1991);Lin外、J.Virol.68:5063−5073(1994)]。メタロプロテアーゼであるNS2−3プロテイナーゼが、次にNS2/NS3結合で切断する。NS3/4Aプロテイナーゼ複合体(NS3は、セリンプロテアーゼであり、そしてNS4Aは、NS3プロテアーゼの補助因子として作用する)が次にすべての残りの部位でのプロセシングの原因となる[Bartenschlager外、J.Virol.67:3835−3844(1993);Bartenschlager(1997)、前記]。RNAヘリカーゼおよびNTPアーゼ(NTPase)活性もまたNS3タンパク質において確認された。NS3タンパク質のN−末端の3分の1は、プロテアーゼとして機能し、そしてこの分子の残りの3分の2は、ヘリカーゼ/ATPアーゼ(ATPase)として作用するが、このヘリカーゼ/ATPアーゼ(ATPase)は、HCV複製に関係すると考えられる[Bartenschlager(1997)、前記]。NS4Aは、NS3プロテアーゼに対する補助因子であって、NS4Bが次に続くが、このNS4Bについては機能は知られていない。NS5Aは、リン酸化タンパク質であり、その機能は現在のところ知られていない。第四のウイルス酵素、NS5Bは、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)であり、そしてウイルスRNAゲノムの複製の原因となる鍵成分である[Lohmann外、J.Virol.71:8416−8428(1997)]。
【0006】
HCVの持続性感染は、慢性肝炎、そして結局肝細胞の発生(hepatocarcinogenesis)に関係するので、HCV複製は、HCV再生産を根絶し、そして肝細胞ガンを予防するための標的の一つである。HCV感染に対する新規な治療法としては、予防および治療用ワクチンの開発、改良された薬物動態特性を有するインターフェロンの確認、およびHCV複製を阻害するように計画された薬剤の発見がある。
【0007】
マトリックスメタロプロテイナーゼ(“MMPs”)は、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ、マトリライシンおよびストロメライシンを包含する(但しこれらに限定はされない)酵素のファミリーであって、これらは、結合組織の分解および作り替えに関係する。これらの酵素は、線維芽細胞、単球、マクロファージ、内皮細胞および転移性腫瘍細胞のような結合組織内に見出されるかまたは結合組織に関連する多数の細胞型中に見出される。マトリックスメタロプロテイナーゼは、細胞外マトリックスのタンパク質成分、すなわち関節の内張り、間質結合組織、基底膜、軟骨などに見られるタンパク質成分、を分解する。これらのタンパク質には、コラーゲン、プロテオグリカン、フィブロネクチンおよびラミニンがある。
【0008】
ヒドロキサメート化合物は、MMP阻害剤として公知である(例えば米国特許第6,465,508号;第6,462,042号;第6,429,213号;第6,365,587号;第6,340,691号;第6,268,379号;第6,228,869号;第6,197,795号;第6,162,821号;第5,977,408号;第5,962,481号;第5,929,097号;第5,861,436号;第5,804,593号;第5,700,838号;および第5,652,262号参照)。これらの特許は、各々その全体として参照によって本明細書中に組み込まれるものとする。
【0009】
それにもかかわらず、ヒドロキサメートMMP阻害剤のいずれも、HCV適応症を治療するための医薬適用のために適当な望ましいまたは改良された物理および化学的特性を有するHCV阻害剤であることは知られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、HCVポリメラーゼを治療上有効量のヒドロキサメートMMP阻害剤と接触させることを含む、HCVウイルス複製活性を妨げるかまたは予防する新規方法を提供する。
【0011】
本発明の一態様においては、ヒドロキサメートMMP阻害剤を経口的または静脈内投与する。
【0012】
本発明はまた、薬学的有効量のヒドロキサメートMMP阻害剤を患者に投与することにより患者におけるHCVポリメラーゼにより媒介される状態を治療する方法をも提供する。
【0013】
本発明はまた、HCV感染によって引き起こされる適応症を治療する手段としてMMP阻害をターゲッティングする方法をも提供する。
【0014】
本発明はまた、HCV感染によって引き起こされる適応症を治療するためにMMP阻害剤を使用することによって確認されるウイルスまたは細胞標的をターゲッティングする方法をも提供する。
【0015】
本発明はまた、MMP阻害剤を投与することによりHCV感染によって引き起こされる適応症を治療するために使用することができるメンバーの機能化を妨げる細胞またはウイルス経路を確認する方法をも提供する。
【0016】
本発明はまた、他のHCV阻害剤の作用の機構を理解するための道具としてMMP阻害剤を使用する方法をも提供する。
【0017】
本発明はまた、HCV感染によって引き起こされる適応症を治療するための阻害剤を確認する目的で遺伝子のアップまたはダウンレギュレーションを監視するための遺伝子プロファイリング実験を実施するためにMMP阻害剤を使用する方法をも提供する。
【0018】
本発明はさらに、C型肝炎ウイルス(HCV)を治療する際に有効である量のヒドロキサメートMMP阻害剤および薬学的に受容できるキャリヤーを含有する、哺乳類におけるHCVの治療用の医薬組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一態様においては、ヒドロキサメートMMP阻害剤は、式I:
【化1】

[式中:
Aは、結合、CONH、または
【化2】

(ここでYは、CHまたはNである)であり;
1は、アルキル、アリール、ハロ、アミノ、置換または分散(distribute
d)アミノ、またはアルコキシである]およびその薬学的に受容できる塩、を有する(WO 0004892参照)。
【0020】
本発明の別の態様においては、ヒドロキサメートMMP阻害剤は、

【化3】

(式中Xは、酸素または−C−CH2−である)を有する。
【0021】
本発明の他の態様には、その全体として参照によって本明細書中に組み込まれるものとするWO 0004892に記載されたものが包含される。
【0022】
本発明の別の態様においては、ヒドロキサメートMMP阻害剤は、
2−(2−フェニルエチル)安息香酸N−ヒドロキシアミド;
2−(プロピルチオ)−ピリジン−3−N−(ヒドロキシ)カルボキサミド;
[4−(N−ヒドロキシアミノ)−2R−イソブチル−3S−((チエン−2−イルチオ)メチル)スクシニル]−L−フェニルアラニン−N−メチルアミド;
N−ヒドロキシ−5−フェニルペンタンアミド;
2−(フェニル−2−エチル)ピリジン−3−N−ヒドロキシカルボキサミド;
2−(チオベンジル)安息香酸N−ヒドロキシアミド;
6−ビフェニル−4−イル−[2,2−ジメチル−1−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−プロピルカルバモイル]−ヘキサン酸,N−ヒドロキシアミド;
3R(6−(4−ビフェニル)−3−(N−ベンジルカルバモイル))−ヘキサン酸N−ヒドロキシアミド;
2−ベンジルスルホニル−シクロペンタ−1−エン−カルボン酸ヒドロキサミド;
2−ベンジルスルホニル−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸ヒドロキシアミド;
6−ベンジルスルホニル−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−(N−ヒドロキシ)−3−(2−ビベンジル)尿素;
3R−(6−(4−ビフェニル)プロピル)−N−(3−メチルピリジンカルバモイル)−ヘキサン酸N−ヒドロキシ−アミド;
4−(2−{[5−ヒドロキシアミノ−3−(3−フェニル−プロピル)−3,4−ジヒドロ−2−H−ピロール−3−カルボニル]−アミノ}−4−メチル−ペンタノイルアミノ)安息香酸メチルエステル;
5−ヒドロキシアミノ−3−(3−フェニル−プロピル)−3,4−ジヒドロ−2−H−ピロール−3−カルボン酸(2−シクロヘキシル−1−メチルカルバモイル−エチル)アミド;
【0023】
4−(2−{[5−ヒドロキシアミノ−3−(3−ペンチル)−3,4−ジヒドロ−2−H−ピロール−3−カルボニル]−アミノ}−4−メチル−ペンタノイルアミノ)安息香酸メチルエステル;
6−ビフェニル−4−イル−3−(R)−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチルカルバモイル)−ヘキサンヒドロキサム酸;
6−ビフェニル−4−イル−3−(R)−(1(S)−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)−ヘキサンヒドロキサム酸;
2−(ビフェニル−4−イルスルホニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸ヒドロキシアミド;
6−(ビフェニル−4−イルスルホニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸ヒドロキシアミド;
2−フェネチルスルファニル−シクロヘキサ−1−エンカルボン酸ヒドロキシアミド;
2−ベンジルスルファニル−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサミド;
トランス−2−ベンジルスルファニル−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサミド;
トランス−2−(ビフェニル−4−イル−メチルスルファニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサミド;
6−ビフェニル−4−イル−3−(R)−(1−ヒドロキシメチル−2−(S)−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチルカルバモイル)−ヘキサンヒドロキサム酸;
N−ヒドロキシ−2−[2−オキソ−3−(3−フェニル−プロピル)−テトラヒドロ−フラン−3−イル]−アセトアミド;
トランス−2−(4−フェノキシ−ベンジルスルファニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサミド;
2−(4−インドール−1−イル−ベンジルスルファニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサミド;
【0024】
2−(3−ビフェニル−4−イル−プロピル)−N4−ヒドロキシ−N1−(2,4,5−トリヒドロキシ−6−ヒドロキシメチル−テトラヒドロ−ピラン−3−イル)−スクシンアミド;
2−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド;
2−(3−ビフェニル−4−イル−プロピル)−N4−ヒドロキシ−N1−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−スクシンアミド;
6−ビフェニル−4−イル−3−(1−ヒドロキシイミノ−エチル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド;
3−(R)−(2−ヒドロキシ−1−(S)−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチルカルバモイル)−6−(4−(2−メチル−チアゾール−4−イル)−フェニル)−ヘキサンヒドロキサム酸;
6−ビフェニル−4−イル−3−(3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボニル)−ヘキサン酸−ヒドロキシアミド;
1−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸−ヒドロキサミド;
1−1−[4−ブロモ−フェノキシ]−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸−ヒドロキシアミド;
N−(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−エチル)−N4−ヒドロキシ−2−イソブチル−スクシンアミド;
6−ビフェニル−4−イル−3(R)−2(S)−ヒドロキシ−(1(S)−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)−ヘキサン酸ヒドロキサム酸;
6−ビフェニル−4−イル−3−(2−ヒドロキシ−1ヒドロキシメチル−プロピルカルバモイル)−ヘキサン酸ヒドロキサム酸;
【0025】
トランス−2−(3−ビフェニル−4−イル−プロピル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−ビフェニル−4−イルオキシ]−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
1−(4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
6−ビフェニル−4−イル−3−(R)−(1−(S)−ヒドロキシメチル−2−(3−ピリジル)−エチルカルバモイル)−ヘキサンヒドロキサム酸;
6−ビフェニル−4−イル−2S−ヒドロキシ−3R−(1S−ヒドロキシメチル−3−メチルスルファニル−プロピルカルバモイル)−ヘキサン酸ヒドロキサム酸;
1−[−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−4−(tertブトキシカルボニル)−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−アセチル−1−[4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−2−カルボン酸,N−ヒドロキシアミド;
1−(ジフェニルホスフィニック)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
6−ビフェニル−4−イル−3−(R)−(2−オキソ−1−テトラヒドロフラン−3−(S)−イルカルバモイル)−ヘキサンヒドロキサム酸;
1−[−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−4−メチル−ピペラジン−2−カルボン酸N−ヒドロキシアミド;
4−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3−(ジフェニルホスフィニック)−プロパン酸ヒドロキシアミド;
【0026】
1−[4−(4−クロロフェノキシ)ベンゼンスルホニル]−チオモルホリン−3−カルバモイル)ピペラジン−2−カルボキサミド;
4[4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−2−カルボン酸,N−ヒドロキシアミド;
4[4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル]−チオモルホリン−3−カルボン酸N−ヒドロキシアミド;
3[2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸N−ヒドロキシアミド;
1−[4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル]−4−メチル−ピペラジン−2−カルボン酸N−ヒドロキシアミド;
6−ビフェニル−4−イル−3−(R)−(2−オキソ−アゼパン−3−(S)−イルカルバモイル)−ヘキサンヒドロキサム酸;
4−(1H−インドール−2−スルホニル)−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−(メチル−フェニルホスフィニック)−ピペリジン−2−(R)−カルボン酸ヒドロキサミド;
1−(1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
4−メチル−1−(4−(4−クロロフェニル)ベンゼンスルホニル)−N−ヒドロキシ−2R−ピペラジンカルボキサミド塩酸塩;
1−[4−クロロフェノキシベンゼンスルホニル]−N−ヒドロキシ−2R−ピペラジンカルボキサミド;
2−(3−フェニル−プロピルスルホニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサミド;
【0027】
1−(ピロリジン−1−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−(ピペリジン−1−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−[−[4−ブロモ−フェノキシ−ベンゼンスルホニル]−オキソチオモルホリン−3−カルボン酸−N−ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−メトキシ−フェニルスルファニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−シアノ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−4−(tert−ブトキシカルボニル)−ピペラジン−2−カルボン酸N−ヒドロキシアミド;
6−オキソ−3−(4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル)−ヘキサヒドロ−ピリミジン−4−カルボン酸ヒドロキサメート;
4−(t−ブトキシカルボニル)−1−(4−(ピリジン−2−イル)オキシベンゼンスルホニル)−N−ヒドロキシ−ピペラジン−2−カルボキサミド;
4−[(4−フルオロフェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−チオモルホリン−3−カルボン酸N−ヒドロキシアミド;
4−[4−(フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−オキソチオモルホリン−3−カルボン酸N−ヒドロキシアミド;
4−(4−ブトキシ−ベンゼンスルホニル)−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−(4−ブトキシ−ベンゼンスルホニル)−1−オキソチオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−フルオロフェニル)ベンゼンスルホニル]−4−(tert−ブトキシカルボキシル)2R−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
【0028】
1−((4−(4−クロロフェニル)−ピペラジン)−1−スルホニル)−ピペリジン−2カルボン酸ヒドロキサミド;
シス−2−フェネチルスルファニル−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[−[4−(4−フルオロフェニル)ベンゼンスルホニル]−N−ヒドロキシ−2R−ピペラジンカルボキサミド塩酸塩;
1−(ジフェニルホスフィニック)−ピロリジン−2(R)−カルボン酸ヒドロキシアミド;
トランス−2−フェネチルスルホニル−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−フルオロフェニル)−ピペラジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
1−1−[4−(4−フルオロフェニルスルファニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−1−[4−(ブロモ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−2,2−ジメチル−1−オキソ−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−(ピロリジン−1−カルボニル)−ピロリジン−2(R)−カルボン酸ヒドロキシアミド;
R−4−[4−(ブロモフェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−2,2−ジメチル−1−オキソ−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−(エトキシカルボニル)メチル−1−(4−(4−クロロフェニル)ベンゼンスルホニル)−N−ヒドロキシ−2R−ピペラジンカルボキサミド塩酸塩;
1−フェネチルカルバモイル−ピロリジン−2−(R)−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−(4−ベンジル−ピペラジン−1−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
【0029】
3(S)−N−ヒドロキシ−4−(4−(ピリジン−4−イル)オキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−3−カルボキサミド;
2(R)−4−メチル−1−(4−(4−フルオロフェニル)ベンゼンスルホニル)−N−ヒドロキシ−ピペラジン−2−カルボキサミド;
1−((2−ピリジル)−4−ピペラジン−1−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−1−[4−(ピリジン−4−イルスルファミル)−ベンゼンスルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
N−(4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル)−D−tert−ロイシン−N−ヒドロキシアミド;
2,2−ジメチル−4−[4−(ピリジン−2−イルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
N−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)ベンゼンスルホニル]−D−tert−ロイシン,N−ヒドロキシアミド;
3(R)−N−ヒドロキシ−4−(4−(ピリジン−4−イル)オキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
2−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−N−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ブチルアミド;
3(R)−N−ヒドロキシ−4−(4−(フラ−3−イル)フェノキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−3−カルボキサミド;
2−1−[4−(ピリジン−2−イル−オキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−N−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチルアミド;
【0030】
2−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルホニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸ヒドロキシアミド;
6−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルホニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸ヒドロキシアミド;
N−(4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル)−3,3−ジメチル−S−(メチルチオ)−D−システイン,N−ヒドロキシアミド;
1−(4−フェノキシ−ピペリジン−1−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
N−(4−[4−クロロフェノキシ]−ベンゼンスルホニル)−3,3−ジメチル−S−(メチルチオ)−D−システイン,N−ヒドロキシアミド;
N−(4−[4−クロロフェノキシ]−ベンゼンスルホニル)−3,3−ジメチル−S−(メチルスルホキシ)−D−システイン,N−ヒドロキシアミド;
シス−2−(2−フェニル−エタンスルホニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド;
3(R)−N−ヒドロキシ−4−(4−(イミダゾール−1−イル)フェノキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−3−カルボキサミド;
3(R)−N−ヒドロキシ−4−(4−(ピリジン−4−イル)オキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−3−カルボキサミド;
4−1−[2−(2−ヒドロキシカルバミルメチル−5−フェニル−ペンタノイルアミノ)−4−メチル−ペンタノイル]−安息香酸メチルエステル;
トランス−2−(2−フェニル−エタンスルホニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド;
【0031】
3,3−ジメチル−2−(4−フェノキシ−フェニルスルファニルメチル)−酪酸、N−ヒドロキシアミド;
2−(2−ビフェニル−4−イル−エタンスルホニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサメート;
2−[−[4−(4−クロロフェニル)−ピペラジン−1−スルホニルアミノ]−3−メチル−3−(ピリジン−2イルメチルスルファニル)−酪酸N−ヒドロキシアミド;
3,3−ジメチル−2−(4−フェノキシ−フェニルスルホニルメチル)−酪酸,N−ヒドロキシアミド;
2(R)−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]−3−メチル−3−(ピリジン−2−イルスルファニル)−酪酸,ヒドロキシアミド;
3(R)−N−ヒドロキシ−4−(4−(−((ピリジン−4−イル)メチル)オキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−3−カルボキサミド;
1−1−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニル)−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
1−[4−(ピリジン−2−イルスルファニル)−ピペリジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
2R−[4−(4−フラン−3−イル−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(ピリジン−4−イルスルファニル)−ブチルアミド;
トランス−2−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド;
【0032】
N4−(2,2−ジメチル−1S−ヒドロキシメチル−プロピル)−N1−ヒドロキシ−3R[3−(4−ピリジン−4−イル−フェニル)−ピロール−1−イル]−スクシンジアミド;
1−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−3,3−ジメチル−5−オキソ−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
2(R)−[4−(4−ヨード−フェノキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]−3−メチル−(ピリジン−3−イル−スルホニル)酪酸ヒドロキシアミド;
1−[−[2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−ピペリジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
5−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾロ[4,5,−c]ピリジン−6−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(ピリジン−4−イルスルファニル)−ピペリジン−1−スルファニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−メトキシ−フェニルスルファミル)−ピペリジン−1−スルホニル]ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
2(R)−[4−(4−メチルフェノキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]−3−メチル−3−(ピリジン−3−イル−スルホニル)酪酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−メチル−フェニルスルファミル)−ピペリジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−1−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−2,2−ジメチル−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
【0033】
2(R)−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)ベンゼンスルホキシルアミノ]−3−メチル−3−(ピリジン−4−イル−スルホキシド)酪酸ヒドロキシアミド;
4−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−1−オキソ−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−2,2−ジメトキシ−1−オキソ−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3(S)−2,2−ジメチル−4−[4−(ピリジン−4−イルスルファニル)−ベンゼンスルホニル]−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3,3−ジメチル−N−ヒドロキシ−2R−[−[4(−(ピリジン−4−イルスルファニル)−ピペリジン−1−スルホニルアミノ]−ブチルアミド;
N−ヒドロキシ−2−[−[(4−メチルベンゼンスルホニル)アミノ]アセトアミド;
[4(−(4−イミダゾール−1−イル−フェノキシ)−ピペリジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−イミダゾール−1−イル−フェニルスルファニル)−ピペリジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
2(R)−[4−(4−クロロ−ベンゾイル)−シクロヘキサンスルホニル]−ピペリジン−1−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1(R)−[4−(4−クロロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1(R)−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1(R)−[4−(4−イミダゾール−1−イル−フェノキシ)−ピペリジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
【0034】
N−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2R−[4(−(モルホリン−4−カルボニル)−ピペリジン−1−スルホニルアミノ]−ブチルアミド;
N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イル−メチルスルファニル)−2R−[4−(ピリジン−4−イルスルファニル)−ピペリジン−スルホニルアミノ]−ブチルアミド;
N−ヒドロキシ−2R−[4−(4−イミダゾール−1−イル−フェノキシ)−ピペリジン−1−スルホニルアミノ]−3,3−ジメチル−ブチルアミド;
2R−[4−(4−クロロ−ベンゾイル)−ピペラジン−1−スルホニルアミノ]−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−メチルスルファニル−ブチルアミド;
N−ヒドロキシ−3−メチル−3−メチルスルファニル−2R−[4−(ピリジン−4−イルスルファニル)−ピペリジン−1−スルホニルアミノ]−ブチルアミド;
1R,3S,2,2−ジメチル−1−オキソ−4−[−[4(−(ピリジン−4−イルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−チオモルホリン−3−カルボン酸アミド;
およびその薬学的に受容できる塩;
から成る群から選択される。
【0035】
本発明のさらに別の態様においては、ヒドロキサメートMMP阻害剤は、
【化4】

およびその薬学的に受容できる塩;
から成る群から選択される。
【0036】
本発明のさらに別の態様においては、ヒドロキサメートMMP阻害剤は、式:
【化5】

(式中:
Qは、C*およびNとともに6−員環を形成する4個の環原子を有する二価基であり、ここで上記の4個の環原子は、各々独立して未置換であるかまたは適当な置換基によって置換されており、そしてこの4個の環原子のうちの少なくとも1個は、O、NおよびSから選択されるヘテロ原子であり、そして残りのものは、炭素原子であり;Arは、アリールまたはヘテロアリール基である);
またはその薬学的に受容できる塩;を有する(その全体として参照によって本明細書中に組み込まれるものとする米国特許第5,753,653号参照)。
【0037】
本発明のさらに別の態様においては、ヒドロキサメートMMP阻害剤は:
2(R)−N−ヒドロキシ−1−(4−(4−クロロフェノキシ)ベンゼンスルホニル)−4−(メタンスルホニル)−ピペラジン−2−カルボキサミド;
2(R)−N−ヒドロキシ−1−(4−(4−フルオロフェノキシ)ベンゼンスルホニル)−4−(メタンスルホニル)−ピペラジン−2−カルボキサミド;
3(S)−N−ヒドロキシ−4−(4−((ピリド−4−イル)オキシ)ベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−3−カルボキサミド;
およびその薬学的に受容できる塩;
から成る群から選択される。
【0038】
本発明のさらに別の態様においては、ヒドロキサメートMMP阻害剤は、式:
【化6】

[式中Yは、OまたはSであり;
Arは、アリール基またはヘテロアリール基であり;
Rは、H、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基または−C(O)R1であり、
ここでR1は、水素、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基またはNR2R3(ここでR2およびR3は、独立して水素、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である)である];
またはその薬学的に受容できる塩;を有する(その全体として参照によって本明細書中に組み込まれるものとする米国特許第5,985,900号参照)。
【0039】
本発明のさらに別の態様においては、ヒドロキサメートMMP阻害剤は:
2(S)−N−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−[(4−(4−フルオロフェノキシ)ベンゼンスルホニル)−アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−[(4−(4−クロロフェノキシ)ベンゼンスルホニル)−アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(ピリド−2−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−フルオロフェノキシ)ベンゼンスルホニル)−アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(ピリド−2−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ブロモフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)−アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(ピリド−2−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ヨードフェノキシ)ベンゼンスルホニル)−アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチルスルファニル)−2−[(4−(4−ブロモフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(ピリド−2−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−メチルフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(ピリド−4−イルオキシ)ベンゼンスルホニル)−アミノ]ブタンアミド;
【0040】
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチルスルファニル)−2−[(4−{(ピリド−4−イル)スルファニル}−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ブロモフェノキシ)ベンゼンスルホニル)−アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ブロモフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ブロモフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(4−メチル−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ブロモフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(1−メチル−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ブロモフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−メチルスルファニル−2−[(4−(4−クロロフェノキシ)ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
およびその薬学的に受容できる塩;
から成る群から選択される。
【0041】
本発明の好ましい態様においては、ヒドロキサメートMMP阻害剤は:
【化7】

およびその薬学的に受容できる塩;
から成る群から選択される。
【0042】
本明細書中に記載し、そして特許請求する本発明の目的のために、下記の用語は、以下のように定義される:
本明細書中で使用するとき、用語“含む”および“包含する”は、その広い、制限のない意味で使用される。
【0043】
本明細書中で使用するとき、用語“アルキル”は、他に指示しないかぎり、直鎖、分枝鎖または環状成分(縮合および架橋二環式ならびにスピロ環式成分を包含する)、もしくは前記成分の組み合わせを有する飽和一価炭化水素基、を包含する。環状成分を有するアルキル基については、この基は、少なくとも3個の炭素原子を有していなくてはならない。
【0044】
“低級アルキル”は、鎖中に1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。用語“ヘテロアルキル”は、鎖中に2ないし12個の原子を有し、これらの原子のうちの1個またはそれ以上がS、OおよびNから選択されるヘテロ原子である、直鎖−または分枝鎖−状アルキル基を指す。典型的なヘテロアルキルとしては、アルキルエーテル、第二級および第三級アミン、アルキルスルフィドなどがある。
【0045】
本明細書中で使用するとき、用語“アルケニル”は、他に指示しないかぎり、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有するアルキル成分(ここでアルキルは、上で定義したとおりである)を包含し、そして上記アルケニル成分のEおよびZ異性体を包含する。
【0046】
本明細書中で使用するとき、用語“アルキニル”は、他に指示しないかぎり、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有するアルキル成分(ここでアルキルは、上で定義したとおりである)を包含する。
【0047】
用語“炭素環”は、炭素環原子のみを有する(ヘテロ原子、すなわち非炭素環原子、を有しない)飽和、部分飽和、不飽和または芳香族、単環式あるいは縮合または非縮合多環式の環構造を指す。典型的な炭素環としては、シクロアルキル、アリールおよびシクロアルキル−アリール基がある。
【0048】
用語“複素環”は、N、OおよびSから選択される1またはそれ以上のヘテロ原子を有する飽和、部分飽和、不飽和、または芳香族、単環式あるいは縮合または非縮合多環式の環構造を指す。典型的な複素環としては、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキル−ヘテロアリール基がある。
【0049】
“シクロアルキル基”は、全体で3ないし18個の炭素環原子を有する(ヘテロ原子を有していない)飽和または部分飽和、単環式、あるいは縮合またはスピロ多環式の環構造を意味する。典型的なシクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチルなどがある。
【0050】
“ヘテロシクロアルキル基”は、飽和または部分飽和していて全体で3ないし18個の環原子(窒素、酸素および硫黄から選択される1ないし5個のヘテロ原子を包含する)を有する単環式あるいは縮合またはスピロ多環式の環構造を意味する。ヘテロシクロアルキル基の具体的な例としては、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アジリジニルなどがある。
【0051】
本明細書中で使用するとき、用語“アリール”は、他に指示しないかぎり、フェニルまたはナフチルのような、1個の水素の除去によって芳香族炭化水素から誘導される有機基を包含する。
【0052】
本明細書中で使用するとき、用語“4−10員複素環”は、他に指示しないかぎり、各々O、SおよびNから選択される1ないし4個のヘテロ原子を含有する芳香族および非芳香族複素環基を包含し、ここで各複素環基は、その環系内に4−10個の原子を有するが、但し上記基の環は、2個の隣接するOまたはS原子を含有しない。非芳香族複素環基には、その環系内に4個の原子のみを有する基が包含されるが、芳香族複素環基は、その環系内に少なくとも5個の原子を有していなくてはならない。複素環基には、ベンゾ−縮合環系が包含される。4員複素環基の例は、アゼチジニル(アゼチジンから誘導される)である。5員複素環基の例は、チアゾリルであり、10員複素環基の例は、キノリニルである。非芳香族複素環基の例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル(oxazepinyl)、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]へキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]へプタニル、3H−インドリルおよびキノリジニルである。芳香族複素環基の例は、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニルおよびフロピリジニルである。上に列挙した基から誘導されるとき、前記の基は、それが可能である場合にはC−結合するかまたはN−結合していることができる。例えば、ピロールから誘導される基は、ピロール−1−イル(N−結合している)またはピロール−3−イル(C−結合している)であることができる。さらに、イミダゾールから誘導される基は、イミダゾール−1−イル(N−結合している)またはイミダゾール−3−イル(C−結合している)であることができる。2個の環炭素原子がオキソ(=O)成分で置換されている複素環基の例は、1,1−ジオキソ−チオモルホリニルである。
【0053】
“ヘテロアリール基”は、窒素、酸素および硫黄から選択される1ないし5個のヘテロ原子を包含する4ないし18個の環原子を有する、単環式または縮合またはスピロ多環式の芳香族環構造を意味する。ヘテロアリール基の具体的な例としては、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、フリル、ピリジニル、ピラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、キノリニル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリルなどがある。
本明細書中で使用するとき、用語“アルコキシ”は、他に指示しないかぎり、O−アルキル基(ここでアルキルは、上で定義したとおりである)を包含する。
【0054】
用語“アミノ”は、−NH2基を意味する。
用語“ハロゲン”は、塩素、フッ素、臭素またはヨウ素を表す。
本明細書中で使用するとき、用語“ハロ”は、他に指示しないかぎり、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。好ましいハロ基は、フルオロ、クロロおよびブロモである。
【0055】
用語“薬学的に受容できる塩”は、指定の化合物の遊離酸および塩基の生物学的有効性を保持し、そして生物学的にまたは他の点で望ましくないことのない塩を指す。本発明の化合物は、十分に酸性、十分に塩基性、または両方の官能基を有することができ、したがって多くの無機または有機塩基、ならびに無機または有機酸のいずれかと反応して、薬学的に受容できる塩を形成する。典型的な薬学的に受容できる塩としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン
酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタン−スルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩およびマンデル酸塩を包含する塩のような、本発明の化合物と鉱酸または有機酸もしくは無機塩基との反応によって製造される塩がある。
【0056】
用語“置換された”は、指定の基または成分が1またはそれ以上の置換基を有することを意味する。用語“未置換の”は、指定の基が置換基を有していないことを意味する。用語“場合により置換されていてもよい”は、指定の基が未置換であるかまたは1またはそれ以上の置換基によって置換されていることを意味する。
【0057】
用語“HCV−阻害剤”は、式Iによって表されるいずれかのヒドロキサメートMMP阻害剤またはヒドロキサメート化合物もしくはその薬学的に受容できる塩、水和物、プロドラッグ、活性代謝産物または溶媒和物を意味する。
【0058】
用語“ヒドロキサメートMMP阻害剤”は、“−NH−OH”を含有するいずれかのMMP阻害剤を指す。ヒドロキサメートMMP阻害剤の例は、各々その全体として参照によって本明細書中に組み込まれるものとする、Bocanに対するPCT公開第WO 00/04892号;Bender外に対する米国特許第5,985,900号、およびBender外に対する米国特許第5,753,653号、中に見出すことができるが、これらに限定はされない。
【0059】
用語“ヒドロキサメート化合物”は、“−NH−OH”を含有するいずれかの化合物を指す。
【0060】
本明細書中で使用するとき、用語”HCVポリメラーゼによって媒介される過程”は、本明細書中に記載したヒドロキサメートMMP阻害剤に感受性である受容体または受容体組み合わせ物によって媒介される生物学的、生理学的、内分泌学的およびその他の身体的過程を指す[例えば、C型肝炎もしくは肝硬変および肝細胞ガンを包含する慢性肝臓疾患(Hoofnagle,J.H.;1997;Hepatology 26:15S−20S、参照によって本明細書中に組み込まれるものとする)、アテローム斑の発生に導くマクロファージの形成など]。このような過程のモジュレーションは、インビトロまたはインビボで達成されることができる。インビボモジュレーションは、例えばヒト、齧歯類、ヒツジ、ブタ、雌ウシなどのような広範囲の被験者において実施することができる。
【0061】
用語、細胞におけるHCVウイルス複製を“妨げるかまたは予防する”は、リボザイムまたはリボザイムをコードしているベクターが一時的にまたは安定に形質導入されていない細胞に比べて、HCV複製または細胞中の子孫ウイルスにとって必須のHCV成分の産生を減少させることを意味する。HCVウイルス複製が減少させられたかどうかを決定するための簡単で便利な検定としては、被験者の血液中の抗−HCV抗体の存在、不在、または減少した存在についてのELISA検定(Nasoff外、PNAS 88:5462−5466、1991)、RT−PCR[Yu外、Viral Hepatitis and Liver Disease 547−477中、Nishioka、SuzukiおよびMishiro(編者);Springer−Verlag Tokyo、1994]または肝機能試験がある。このような方法は、当業者には周知である。別法として、形質導入され、感染した“対照”細胞からの全RNAを単離して、ドットブロットまたはノーザンブロットによる分析を実施し、そしてHCV特異性DNAで精査し、HCV複製が減少しているかどうかを決定することができる。別法として、HCVタンパク質発現の減少もまた、HCV複製の阻害のインディケーターとして使用することができる。対照細胞と比較して50パーセントより大きいHCV複製の減少が、典型的にHCV複製の予防を数量で示している。
【0062】
用語“薬学的に受容できるキャリヤー”は、本発明の化合物とともに患者に投与されることができ、そしてその薬理学的活性を損なわず、その化合物の治療量を送達するために十分な用量で投与したとき無毒であるキャリヤーまたはアジュバントを指す。
【0063】
用語“プロドラッグ”は、生理学的条件下でまたは加溶媒分解によって指定の化合物またはそのような化合物の薬学的に受容できる塩に変換することができる化合物である。プロドラッグは、生理学的条件下でまたは加溶媒分解によって開裂させることができる、例えば−CO2R、−PO(OR)2または−C=NRのような成分を含有する本発明のヒドロキサメート化合物の一つの誘導体であることができる。薬学的に受容できる加溶媒分解または開裂生成物を与えるいずれかの適当なR置換基を使用することができる。このような成分を含有するプロドラッグは、例えばアミド、カルボン酸、またはヒドロキシル成分、を含有する本発明のヒドロキサメート化合物を適当な試薬で処理することによって従来の手順に従って製造することができる。
【0064】
用語“活性代謝産物”は、指定のヒドロキサメート化合物またはその塩の体内での代謝によって産生される薬理学的に活性な産物を指す。
【0065】
本ヒドロキサメート化合物のプロドラッグおよび活性代謝産物は、当技術分野で公知の日常技術を用いて確認することができる。例えば、Bertolini外、J.Med.Chem.、40:2011−2016(1997);Shan外、J.Pharm.Sci.、86(7):765−767(1997);Bagshawe、Drug Dev.Res.、34:220−230(1995);Bodor、Advances in Drug Res.、13:224−331(1984);Bundgaard、“Design of Prodrugs”(Elsevier Press、1985);Larsen、Design and Application of Prodrugs,Drug Design and Development(Krogsgaard−Larsen外 編者、Harwood Academic Publishers、1991);Dear外、Chromatogr.B、748:281−293(2000);Spraul外、J.Pharmaceutical & Biomedical Analysis、10(8):601−605(1992);およびProx外、Xenobiol、3(2):103−112(1992)を参照されたい。
【0066】
用語“溶媒和物”は、指定の化合物の生物学的有効性を保持する指定の化合物の薬学的に受容できる溶媒和物形を意味することを意図している。溶媒和物の例としては、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸またはエタノールアミンと組み合わせた本発明の化合物がある。
【0067】
もし本発明の方法で使用するヒドロキサメート化合物が塩基であるならば、所望の塩は、遊離塩基を無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような)または有機酸[酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(グルクロン酸またはガラクツロン酸のような)、アルファ−ヒドロキシ酸(クエン酸または酒石酸のような)、アミノ酸(アスパラギン酸またはグルタミン酸のような)、芳香族酸(安息香酸または桂皮酸のような)、スルホン酸(p−トルエンスルホン酸またはエタンスルホン酸のような)など]で処理することを包含する当業者には公知のいずれかの適当な方法によって製造することができる。
【0068】
もし本発明の方法で使用するヒドロキサメート化合物が酸であるならば、所望の塩は、遊離酸を無機または有機塩基[アミン(第一級、第二級または第三級)のような]、アルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ土類金属水酸化物で処理することを包含する当業者には公知のいずれかの適当な方法によって製造することができる。適当な塩の具体的な例としては、アミノ酸(グリシンおよびアルギニンのような)、アンモニア、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、および環状アミン(ピペリジン、モルホリンおよびピペラジンのような)から誘導される有機塩、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムから誘導される無機塩がある。
【0069】
固体であるヒドロキサメート化合物、プロドラッグ、塩または溶媒和物の場合には、本発明の方法で使用するヒドロキサメート化合物、プロドラッグ、塩および溶媒和物は、異なる多形(polymorph)または結晶形で存在することができて、この異なる多形または結晶形はすべて、本発明および指定の処方の範囲内であることを意図していることは、当業者によって理解される。さらに、本発明の方法で使用するヒドロキサメート化合物、塩、プロドラッグおよび溶媒和物は、互変異性体として存在することができ、この互変異性体はすべて、本発明の広い範囲内にあることを意図している。
【0070】
いくつかの場合には、本発明の方法で使用するヒドロキサメート化合物、塩、プロドラッグおよび溶媒和物は、キラル中心を有することができる。キラル中心が存在するとき、ヒドロキサメート化合物、塩、プロドラッグおよび溶媒和物は、単一の立体異性体、ラセミ化合物、ならびに/もしくは鏡像異性体および/またはジアステレオマーの混合物として存在することができる。すべてのこのような単一の立体異性体、ラセミ化合物、およびその混合物類は、本発明の広い範囲内にあることを意図している。
【0071】
当業者によって一般的に理解されるように、光学的に純粋な化合物は、鏡像異性体的に純粋である化合物である。本明細書中で使用するとき、用語“光学的に純粋な”は、少なくとも十分な活性を含む化合物を意味することを意図している。好ましくは、所望の薬理学的に純粋な本発明の化合物を有する化合物を得るための光学的純粋量の単一鏡像異性体は、少なくとも90%の単一異性体(80%鏡像異性体過剰率)、より好ましくは少なくとも95%[90%鏡像異性体過剰率(e.e.)]、さらに好ましくは少なくとも97.5%[95%鏡像異性体過剰率(e.e.)]、そして最も好ましくは少なくとも99%[98%鏡像異性体過剰率(e.e.)]、を含む。
【0072】
本明細書中で使用するとき、用語“治療すること”は、他に指示しないかぎり、このような用語が適用される疾患または状態もしくはそのような疾患または状態の1またはそれ以上の症状を、逆転させるか、緩和するか、素の進行を阻害するか、または予防することを意味する。本明細書中で使用するとき、用語“治療”は、他に指示しないかぎり、治療すること(“治療すること”は、すぐ上で定義されているとおりである)の行為を指す。
【0073】
HCV活性の阻害剤としての本ヒドロキサメート化合物の活性は、インビボおよびインビトロ検定を包含する当技術分野で利用可能な適当な方法のいずれかによって測定することができる。活性測定のために適当な検定の例は、本明細書中に記載するHCVレプリコン検定である。
【0074】
本ヒドロキサメート化合物およびその薬学的に受容できるプロドラッグ、塩、活性代謝産物および溶媒和物の投与は、当業者に利用可能な受容された投与様式のいずれかに従って実施することができる。適当な投与様式の具体的な例としては、経口、鼻、非経口、局所、経皮および直腸投与がある。経口および静脈内送達が好ましい。
【0075】
HCV−阻害剤は、いずれかの適当な薬剤形の医薬組成物として投与することができる。適当な薬剤形としては、錠剤、散剤、カプセル剤、坐剤、懸濁液、リポソームおよびエーロゾルのような固体、半固体、液体、または凍結乾燥(lyopholized)製剤がある。HCV−阻害剤は、種々の方法論のいずれかを用いて溶液として製造することができる。例えば、HCV−阻害剤を酸(例えば1M HCl)に溶解させ、そして十分な体積の5%の水中のデキストロースの溶液(D5W)で希釈して、所望の最終濃度のHCV−阻害剤(例えば約15mM)を得ることができる。別法として、約15mM HClを含有するD5Wの溶液を使用して、適当な濃度のHCV−阻害剤の溶液を得ることができる。さらにHCV−阻害剤は、例えば1%のカルボキシメチルセルロース(CMC)の溶液を使用して懸濁液として製造することができる。
【0076】
適当な薬剤形の医薬組成物を製造する受容できる方法は、公知であるかまたは当業者によって日常的に決定することができる。例えば、医薬製剤は、混合、顆粒化、および錠剤形のために必要なときは加圧、もしくは混合、充填、および適宜成分を溶解させること、のような工程を包含する製薬化学者の通常の技術に従って製造して、経口、非経口、局所、膣内、鼻内、気管支内、眼内、耳内、および/または直腸投与用の所望の製品を得ることができる。
【0077】
本発明の医薬組成物はまた、適当な添加剤、希釈剤、賦形剤およびキャリヤー、ならびに意図する用法に依ってその他の製剤用活性薬剤をも包含することができる。固体または液体の薬学的に受容できるキャリヤー、希釈剤、賦形剤または添加剤を本医薬組成物中に使用することができる。具体的な固体キャリヤーとしては、デンプン、ラクトース、硫酸カルシウム二水和物、石膏、スクロース、滑石、ゼラチン、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸がある。具体的な液体キャリヤーとしては、シロップ、落花生油、オリーブ油、食塩液および水がある。キャリヤーおよび希釈剤は、単独かまたはワックスを含むモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような適当な持続−放出物質を包含することができる。液体キャリヤーを使用するとき、製剤は、シロップ剤、エリキシル、エマルジョン、ソフトゼラチンカプセル剤、無菌の注射液(例えば溶液)、もしくは非水性または水性液体懸濁液の形であることができる。
【0078】
用量の医薬組成物は、少なくとも治療上有効量のHCV−阻害剤を含有することができて、好ましくは1またはそれ以上の医薬投与量単位からできている。選択された用量を、HCV活性の阻害によって媒介される治療の必要な哺乳類、例えばヒトの患者に、局所的に(例えば軟膏またはクリームとして);経口的に;直腸に(例えば坐剤として);注射により非経口的に;静脈内に;または膣内、鼻内、気管支内、耳内、または眼内注入により継続的に;投与することを包含するいずれかの公知であるかまたは適当なその用量を投与する方法によって投与することができる。本組成物を細胞毒薬剤とともに投与するときは、本組成物を、その細胞毒薬剤の導入前、その細胞毒薬剤の導入とともに、および/またはその細胞毒薬剤の導入後に、投与することができる。しかしながら、本組成物を放射線治療とともに投与するときは、本組成物は、好ましくは放射線治療を開始する前に導入される。
【0079】
句“治療上有効量”および“有効量”は、治療の必要な哺乳類に投与したとき、抗ガン療法の強化または発作、頭部外傷および神経変性疾患の結果として生じる神経毒性の阻害のためのような、HCVウイルス複製の阻害によって緩和される損傷または疾患状態のための治療を果たすのに十分である発明薬剤の量を意味する。治療上有効であるであろう本発明の方法において使用する与えられたHCV−阻害剤の量は、特定のHCV−阻害剤、疾患状態およびその重篤性、その必要な哺乳類の同一性および特性のような因子に依って変化するであろうし、その量は、熟練した人によって日常的に決定されることができる。
【0080】
本発明の医薬組成物中に使用するHCV−阻害剤の実際の用量が、使用している特定の薬剤の性質、処方される特定の組成物、投与様式および特定の部位、ならびに治療される宿主および状態にしたがって選択されるであろうことは、認識されるであろう。与えられた条件のセットに対する最適用量は、一般的な用量−決定試験を用いて当業者によって確かめられることができる。経口投与用には、例えば、使用することができる用量は、適当な間隔で繰り返す治療の過程で、約0.001ないし約1000mg/kg体重、好ましくは約0.1ないし約100mg/kg体重、そしてさらに好ましくは約1ないし約50mg/kg体重、である。
【0081】
〔実施例〕
以下に記載する実施例においては他に指示しないかぎり、すべての温度は、セ氏度で示し、そしてすべての部およびパーセンテージは、重量による。試薬は、シグマ−アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Sigma−Aldrich Chemical Company)またはランカスター・シンセシス社(Lancaster Synthesis Ltd.)のような商業供給者から購入して、他に指示しないかぎりそれ以上精製することなく使用した。テトラヒドロフラン(THF)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)は、アルドリッチ(Aldrich)からシュアーシール(Sure Seal)ボトルで購入し、受け取ったままで使用した。すべての溶媒は、他に指示しないかぎり当業者には公知の標準方法を使用して精製した。
【0082】
以下に示す反応は、一般にアルゴン正圧下、周囲温度(他に説明しないかぎり)で無水溶媒中で実施し、反応フラスコは、シリンジによる基質および試薬の導入のためにゴム隔壁を備えつけた。ガラス製品は、オーブン乾燥させ、そして/または熱乾燥させた。分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、アナルテク(Analtech)からの裏がガラスのシリカゲル60F254プレート(0.25mm)上で実施し、適当な溶媒比(v/v)で溶離し、そして適宜表示させた。反応をTLC、HPLC、または1H NMR
によって検定して、出発物質の消費によって判定されたとき停止させた。
【0083】
TLCプレートの可視化は、ヨウ素蒸気、紫外線照明、20%硫酸水溶液中の2%Ce(NH44(SO44、エタノール中の2%ニンヒドリン、またはp−アニスアルデヒドスプレー試薬を用いて実施し、そして適宜熱で活性化させた。処理は、典型的には反応溶媒または抽出溶媒を用いて反応体積を2倍にした後、他に指示しないかぎり抽出体積の25体積%を使用して指示された水溶液で洗浄することによって実施した。生成物溶液を無水Na2SO4および/またはMgSO4上で乾燥させた後、濾過し、回転蒸発器上で減圧下で溶媒を蒸発させ、そして溶媒を真空で除去したと書き記した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Still外、J.Org.Chem.、1978、43、2923−2924)は、他に説明しないかぎりシリカゲル粗物質比(crude material ratio)約20:1ないし50:1を有するメルク(Merck)シリカゲル(47−61μm)を使用して実施した。特定の実施例化合物は、分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製し、そしてこのHPLCは他に指示しないかぎり、C18逆相分取カラム[メタシル(Metasil) AQ 10ミクロン、120A、250×21.2mm、メタケム(MetaChem)]を備えたギブソン(Gibson) 321システム、および0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)/5%アセトニトリル/水ないし0.1%TFA/5%水/アセトニトリルの勾配で20分にわたり、そして流量20mL/分での溶離、を指す。水素化は、他に指示しないかぎり周囲圧で実施した。すべての融点(mp)は、未補正である。
【0084】
1H−NMRスペクトルは、300MHzで操作するブルーカー(Bruker)またはバリアン(Varian)機器上で報告し、13C−NMRスペクトルは、75MHzで操作して報告した。NMRスペクトルは、他に指示しないかぎり対照標準(7.27ppmおよび77.00ppm)としてクロロホルムを使用して、CDCl3溶液として得た(ppmで報告)。ピークの多重度を報告するときは、下記の省略形を使用する:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、bs(幅広一重線)、bm(幅広多重線)、dd(二重線の二重線)、ddd(二重線の二重線の二重線)、dddd(二重線の二重線の二重線の二重線)、dt(三重線の二重線)。結合定数は、示されるときはヘルツ(Hz)で報告した。
【0085】
赤外線(IR)スペクトルは、純粋な油、KBrペレット、またはCDCl3溶液としてパーキン−エルマー(Perkin−Elmer)FT−IRスペクトロメーター(Spectrometer)上で報告し、示されるときは波数(cm-1)で報告した。質量分析は、種々の技術を用いて実施した。マトリックス介助レーザーデソープション/イオン化フォーリヤー・トランスフォーム・マス・スペクトロメトリー(Matrix−Assisted Laser Desorption/Ionization Fourier Transform Mass Spectrometry)(MALDI FTMS)は、イオンスペック(IonSpec)FTMS質量分析計上で実施した。試料に337nmで操作する窒素レーザー[レーザー・サイエンス社(Laser Science Inc.)]を照射して、レーザービームを可変減衰器によって弱めて、試料標的上に焦点を合わせた。次にイオンを、イオンサイクロトロン共鳴質量分析器を使用してそのm/zに従って分ける。エレクトロスプレーイオン化(ESI)質量分析実験は、API 100 パーキン・エルマー(Perkin Elmer) SCIEX単一四重極質量分析計上で実施した。エレクトロスプレー試料は、典型的には速度4.0μl/分で質量分析器中に導入した。荷電した小滴蒸発によって発生した正および負イオンは、境界プレートおよび100mm開口部を通って分析器に入り、その間脱クラスター化(declustering)ポテンシャルを50および200Vの間に保持して質量分析器に入るイオンの衝突エネルギーを制御した。エミッター電圧量は、典型的には4000Vに保持した。液体クロマトグラフィー(LC)エレクトロスプレーイオン化(ESI)質量分析実験は、ヒューレット−パッカード(Hewlett−Packard)(HP)1100 MSD 単一四重極質量分析計上で実施した。エレクトロスプレー試料は、典型的には速度100ないし1000μl/分で質量分析器中に導入した。荷電した小滴蒸発によって発生した正および負イオンは、加熱した毛管プレートを通って分析器に入り、その間脱クラスター化(declustering)ポテンシャルを100および300Vの間に保持して質量分析器に入るイオンの衝突エネルギーを制御した。エミッター電圧量は、典型的には4000Vに保持した。
【0086】
本発明の方法で使用するヒドロキサメートMMP阻害剤は、Bocanに対するPCT公開第WO 00/04892号;Bender外に対する米国特許第5,985,900号、およびBender外に対する米国特許第5,753,653号(これらは各々、その全体として参照によって本明細書中に組み込まれるものとする)に記載されたようにして製造することができる。
【0087】
本発明に従う好ましい化合物は、以下に詳細に説明する方法と類似の方法で製造することができる。
【0088】
実施例1:2−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸ヒドロキシアミド
【化8】

テトラヒドロフラン(THF;22mL、22ミリモル)およびTHF(1mL)中の化合物1a(0.066g、0.11ミリモル)、1N フッ化N,N,N,N−テトラブチルアンモニウム(TBAF)の溶液を周囲温度で25分間撹拌した。この溶液に酢酸エチル(30mL)を加えた後、溶液をH2O(3×20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ、そして蒸発させて、油状物を得た、0.065g。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(段階的勾配20%酢酸エチル/ヘキサン−100%/酢酸エチル)によって精製し、いくつかの分画から結晶化させて、白色固体を得た(4mg、10%収率)。
1H NMR(CDCl3) 7.59−7.14(9H,m)、3.07−2.83(4H,m)、2.36(1H,m)、1.65−1.50(7H,m)。HRFABMS C21232SNaに対する計算値:376.1347。実測値 376.1358。
【0089】
化合物1a:2−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸(O−tert−ブチルジフェニルシリル)ヒドロキシアミドの製造
CH2Cl2(4mL)中の化合物1b(247mg、0.730ミリモル)、O−ジメチル−tert−ブチルシリルヒドロキシルアミン(299mg、1.10ミリモル、1.5当量)および1−[3−(ジメチルアミノ)−プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC;280mg、1.46ミリモル、2.00当量)の溶液を周囲温度で18時間撹拌した。CH2Cl2(30mL)を加え、H2O(40mL)で洗浄し、乾燥させ、そして蒸発させて粗生成物を得て(0.3g)、この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2)によって精製して0.19g(44%)の固体を得た。このものは、それ以上精製することなく使用した。
1H NMR(CDCl3)(商標) 8.45(1H,bs)、8.75−7.15(20H,m)、2.90(2H,m)、2.65(2H,m)、2.15(2H,m)、1.45(4H,m)、1.10(2H,m)。
【0090】
化合物1b:2−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸の製造
化合物1cおよび1dの粗製混合物(1.81g;4.94ミリモル)、1N KOH(20mL、4当量)およびエタノール(15ml)を5時間還流温度に加熱し、冷却し、そして蒸発させた。
得られた残留物を水(30mL)で処理し、酢酸エチル(3×30ml)で洗浄し、6N HClで酸性化し、そして酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。酸性化した後者の有機抽出物をブライン(30ml)で洗浄し、真空で濃縮した。特定の題名の異性体をエタノール/へキサンからの結晶化によって単離した。母液はまた、他の可能な異性体6−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸をも提供した、下記の実施例2参照。
1H NMR(DMSO−d6):δ 12.14(1H,bs)、7.67−7.60(9H,m)、4.10(2H,s)、2.54(2H,s)、2.24(2H,s)、1.60−1.53(4H,m)。分析 C2020OSに対する計算値:C、74.04、H、6.21;S、9.88。実測値 C、73.81、H、6.26、S、9.78。
【0091】
化合物1cおよび1d:2−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸エチルエステルおよび6−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸エチルエステルの製造
トルエン(30mL)中の化合物1e(630mg、2.94ミリモル)、2−オキソ−シクロヘキサン−カルボン酸エチルエステル(500mg、2.94ミリモル)およびモンモリロナイト K10(0.6g)の混合物を4.5時間還流温度に加熱した。冷却し、濾過し、そして溶媒を蒸発させて、淡黄色油状物を得たが(873mg、81%)、このものは、NMRによれば異性体の混合物であり、それ以上精製することなく使用した。
【0092】
化合物1e:2−ビフェニル−4−イル−エタン−チオールの製造
ジオキサン(15mL)中の化合物1f(1.5g、3.15ミリモル)およびチオ尿素(0.62g、8.1ミリモル、1.1当量)の溶液を1時間還流温度に加熱した。冷却した後、白色の塩化イソチオウロニウムを濾過して取り、20%NaOH(40mL)中に懸濁させ、そして4.5時間還流温度に加熱した。冷却し、H2O(40mL)を加えて、付加的に2時間還流させた。次に混合物を濾過し、酸性化し、H2O(100mL)中に注ぎ、そして酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を合わせて、乾燥させ、蒸発させて粗製固体を得て、このものをヘキサンから再結晶させて、白色板状物を得た(446mg、66%)。このものは、それ以上精製することなく使用した。
【0093】
化合物1f:4−(2−ブロモ−エチル)−ビフェニル(48)の製造
CH2Cl2(40mL)中の化合物1g(4.38g、22.1ミリモル)およびCBr4(8.79g、26.5ミリモル)の溶液を0℃まで冷却し、PPh3(8.69g、33.1ミリモル)で処理して、0.5時間撹拌した。溶媒を除去し、ジエチルエーテル(100mL)で希釈し、そして濾過した。抽出物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(1:1 酢酸エチル/へキサン)によって精製して、黄色油状物を定量的収率で得たが、このものは、文献(Kawasaki,M.;Goto,M.;Kawabata,S.;Kometani,T. Tetrahedron:Asymmetry 2001、12、585−596)に合うNMRを示し、それ以上精製することなく使用した。
1H NMR(CDCl3)δ 7.60−7.26(9H,m)、3.61(2H,t,J=7.7Hz)、3.21(2H,t,J=7.7Hz)。
【0094】
化合物1g:2−ビフェニル−4−イル−エタノールの製造
THF(100mL)中の4−ビフェニル酢酸(10.61g、50.00ミリモル、
1当量)の溶液を30分かけて0℃のTHF(80mL)中のLiAlH4(4.74g、125ミリモル)のスラリーに滴加した。得られた混合物を1.5時間還流温度に加熱し、再冷却し、6N HCl(200mL)で注意深くクエンチし、そしてジエチルエーテル(200mL)で抽出した。有機層をH2O(300mL)、ブライン(300mL)で洗浄し、濃縮して固体を得て、これをトルエン/へキサンから結晶化させて、クリーム色固体を得た(7.68g、78%)。この固体は、文献(Kawasaki,M.;Goto,M.;Kawabata,S.;Kometani,T. Tetrahedron:Asymmetry 2001、12、585−596)に合うNMRを示し、それ以上精製することなく使用した。
【0095】
実施例2:6−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸ヒドロキシアミド
【化9】

実施例2の化合物を、化合物2aから実施例1と同様にして、エタノール/へキサンからの再結晶後にクリーム色固体として製造した(28%)。融点166−168℃。
1H NMR(DMSO−d6):δ 10.51(1H,s)、8.83(1H,s)、7.63−7.29(9H,m)、5.78(1H,s)、3.88(2H,s)、3.30(1H,s)、2.86(1H,s)、1.95(2H,bs)、1.70(3H,m)、1.35(1H,m)。HRFABMS C2020NO2Sに対する計算値:340.1371、実測値 340.1364。
分析 C2020NO2Sに対する計算値:C、70.77;H、6.24、N、4.13、S、9.44、実測値 C、70.64;H、6.24;N、4.1S;S、9.54。
【0096】
化合物2a:6−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸(O−ジメチル−tert−ブチルシリル)−ヒドロキシアミドの製造
化合物1bから実施例1における化合物1aと同様にして、カラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/へキサン)の後、8%収率で白色固体として得た:融点135−137℃。
1H NMR(DMSO−d6):δ 10.32(1H,s)、8.77(1H,s)、7.63−7.29(9H,m)、3.96(2H,s)、2.22(2H,s)、2.13(2H,s)、1.51(4H,bs)。HRFABMS C20222Sに対する計算値:340.1371、実測値 340.1365。
【0097】
化合物1d:6−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸の製造
実施例1における化合物1cおよび1dの結晶化からの母液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって油状残留物を精製して単離して、油状物を得た(23%収率)。
1H NMR(DMSO−d6):δ 12.30(1H,s)、7.67−7.32(9H,m)、5.84(1H,s)、3.96(2H,s)、3.34(1H,bs)、2.00(2H,bs)、1.85(2H,m)、1.50(2H,m)。分析 C20202Sに対する計算値:C、74.04;H、6.21、S、9.88。実測値 C、74.15;H、6.77、S、9.17。
【0098】
実施例3:シス−フェネチルスルファニル−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド
【化10】

化合物3aから実施例1に記載したようにして製造した。ジエチルエーテル/へキサンからの再結晶により白色固体を得た(0.061g、44%)。
【0099】
化合物3a:シス−フェネチルスルファニル−シクロヘキサンカルボン酸(O−ジメチル−tert−ブチルシリル)−ヒドロキシアミドの製造
化合物3bから実施例1において化合物1aについて記載したようにして製造した。カラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/へキサン)によって精製して白色固体を得て(0.19g、65%)、このものは、それ以上精製することなく使用した。
1H NMR(DMSO−d6):δ 10.40(1H,s)、8.71(1H,s)、7.38−7.26(5H,m)、3.43(s,H)、3.15(bs,1H)、2.86(3H,m)、2.55(1H,m)、2.00(1H,m)、1.65(3H,m)、1.30(1H,m)。HRFABMS C1521NO2SCsに対する計算値:412.0347、実測値 412.0367。
【0100】
化合物3b:シス−2−フェネチルスルファニル−シクロヘキサンカルボン酸の製造
化合物3c(0.37g、1.5ミリモル)、2N H2SO4(2mL)、濃H2SO4(4mL)およびジオキサン(20mL)の混合物を14時間還流温度に加熱することによって得た。溶媒を蒸発させて、ジエチルエーテル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をH2O(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させて、油状物を
得た(0.28g)。このものをカラムクロマトグラフィー(70%エタノール/ヘキサン)によって精製して、粘稠な油状物0.22g(55%)を得たが、このものは、放置するとゆっくり凝固した。
1H NMR(CDCl3):δ 7.38−7.20(5H,m)、3.36(1H,bs)、2.91−2.74(4H,m)、1.96(1H,m)、1.71(6H,m)、1.50(1H,m)、1.30(1H,m)。分析 C15202Sに対する計算値:C、68.14;H、7.62;S、12.13。実測値:C、68.14、H、7.66;S、12.06。
【0101】
化合物3c:シス/トランス−2−フェネチルスルファニル−シクロヘキサンカルボニトリルの製造
ピペリジン(30mL)中のシクロヘキサ−1−エンカルボニトリル(1.61g、15.0ミリモル)およびフェネチルメルカプタン(6.0mL、45ミリモル)の混合物を圧力管内で合わせ、排気し、そして6時間還流温度に加熱した。次に反応混合物を3N HCl(150mL)中に注ぎ、酢酸エチル(125mL)で抽出した。有機層をジエチルエーテル(150mL)、ブライン(150mL)で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、淡橙色油状物を得た。シス/トランス異性体をカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)によって分離して、全収量2.2g(合計で60%)を得たが、このうちの1.16g(80%)は、シス異性体であった。
シス異性体:1H NMR(CDCl3):δ 7.33−7.20(5H,m)、3.07(1H,bs)、2.86(2H,bm)、2.69(1H,bm)、2.10(1H,m)、1.90−1.50(6H,m)、1.30(1H,m)。
分析 C1519NSに対する計算値:C、73.42;H、7.80;N、5.70、S、13.07。実測値:C、73.18;H、7.80、N、5.68;S、13.04。トランス異性体:1H NMR(CDCl3):δ 7.36−7.12(5H,m)、2.93(2H,bm)、2.70(1H,m)、2.54(1H,m)、2.12(2H,m)、1.74−1.58(4H,m)、1.37(2H,m)。
【0102】
実施例4:シス−フェニル−エタンスルホニル−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド
【化11】

化合物4aから反応時間1時間で実施例1に記載したようにして製造した。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/痕跡量の酢酸)によって精製して、白色泡沫状固体を得た(35%)。
1H NMR(CDCl3):δ 7.36−7.21(5H,m)、3.30−2.90(6H,m)、2.30(1H,m)、2.10−1.85(4H,m)、1.45(2H,m)、1.20(1H,m)。HRFABMS C1521NO4SNaに対する計算値:334.1089、実測値 334.1082。分析(C1521NO4S・0.25H2O) C、57.03;H、6.86;N、4.43、S、10.15。実測値:C、57.09;H、6.87、N、4.33;S、10.04。
【0103】
化合物4a:シス−フェニルエタンスルホニル−シクロヘキサンカルボン酸(O−ジメチル−tert−ブチルシリル)−ヒドロキシアミドの製造
化合物4bから反応時間1時間で実施例1における化合物1aと同様にして製造して、無色油状物を得た(89%)。このものは、それ以上精製することなく使用した。
【0104】
化合物4b:シス−2−フェニルエタンスルホニル−シクロヘキサンカルボン酸の製造
0℃のメタノール(1.5mL)中の化合物3b(実施例3から;50mg、0.19ミリモル)の溶液に、H2O(1.5mL)中のオキソン(oxone)(0.46g、0.76ミリモル、4当量)の混合物を一度に加えた。得られたスラリーを周囲温度で65時間撹拌した。H2O(10mL)で希釈して、CHCl3(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濃縮して、無色油状物を得た(0.052g、93%)。このものは、それ以上精製することなく使用した。
1H NMR(CDCl3):δ 7.40−7.20(5H,m)、3.45−3.10(5H,m)、2.30(1H,m)、2.20(1H,m)、1.95(2H,m)、1.55(3H,m)、1.30(2H,m)。
【0105】
実施例5:トランス−2−フェニルエタンスルホニル−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド
【化12】

化合物5aから実施例1と同様にして製造した。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/痕跡量の酢酸)によって精製して、白色固体を得た(42%)。
1H NMR(DMSO−d6):δ 8.93(1H,s)、7.36−7.35(5H,m)、3.55−3.50(1H,m)、3.40−3.25(2H,m)、3.10−2.95(3H,m)、2.50−2.35(1H,m)、2.20−2.10(1H,m)、1.80(1H,bs)、1.75−1.70(1H,m)、1.55−1.05(4H,m)。HRFABMS C1621NO4Sに対する計算値:312.1269、実測値 312.1280。分析 C1621NO4Sに対する計算値:C、57.86;H、6.80;N、4.S0;S、10.30。実測値、C、57.77、H、6.84;N、4.51;S、10.20。
【0106】
化合物5a:トランス−2−(2−フェニルエタンスルホニル−シクロヘキサンカルボン酸(O−ジメチル−tert−ブチルシリル)−ヒドロキシアミドの製造
実施例1における化合物1aと同様にして製造して、無色油状物を得た(79%)。このものは、それ以上精製することなく使用した。
【0107】
化合物5b:トランス−2−(2−フェニルエタンスルホニル)−シクロヘキサンカルボン酸の製造
トランス−2−(2−フェニルエタンスルファニル−シクロヘキサンカルボン酸から18時間で実施例3における化合物3bと同様にして製造して、固体を得た(70%)。このものは、それ以上精製することなく使用した。
1H NMR(CDCl3):δ 7.35−7.15(5H,m)、3.30−3.10(5H,m)、2.90−2.75(1H,m)、2.30−2.10(2H,m)、1.95(1H,m)、1.80−1.50(4H,m)、1.30(2H,m)。
【0108】
実施例6:トランス−2−(ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル)シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド
【化13】

化合物6aから実施例1と同様にして製造した。カラムクロマトグラフィー(15−30%酢酸エチル/ヘキサン)によってシリル化ヒドロキサメートの精製を試みると、脱保護された標題生成物が代わりに白色固体として溶離した(49%)。
1H NMR(CDCl3):δ 8.25(1H,bs)、7.59−7.25(9H,m)、2.90−2.79(4H,m)、2.15(1H,bs)、1.95−1.60(7H,m)、1.35−1.15(2H,m)。HRFABMS C21252SNNaに対する計算値:378.1504。実測値 378.1512。分析 C21252SNに対する計算値:C、70.95;H、7.09;N、3.94;S、9.02。実測値 C、70.68;H、7.06;N、3.90;S、9.21。
【0109】
化合物6a:トランス−2−(ビフェニル−4−イル−エタンスルファニル)−シクロヘキサンカルボン酸の製造
化合物6b(実施例6から;0.42ミリモル)と、H2SO4の代わりの85%H3PO4(6mL)およびジオキサン(4mL)とから温度135℃、そして時間5日で、実施例3における化合物3bと同様にして製造した。カラムクロマトグラフィー(30−50%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、固体を得た(26%)。このものは、それ以上精製することなく使用した。
HRFABMS C21252SNNaに対する計算値:341.1575。実測値 341.1568。
【0110】
化合物6b シス/トランス−2−(ビフェニル−4−イル−エタンスルファニル)−シクロヘキサンカルボニトリルの製造
化合物1e(実施例1から)から実施例3における化合物3cと同様にして、21時間撹拌の後製造して、1:1異性体混合物を得た(全収率53%)。異性体は、カラムクロマトグラフィー(10−20%酢酸エチル/ヘキサン)によって分離した。
シス−異性体:1H NMR(CDCl3):δ 7.59−7.24(9H,m)、3
.09(1H,m)、2.93−2.90(4H,m)、2.72(1H,m)、2.05(1H,m)、1.95−1.56(6H,m)、1.35(1H,m)。トランス−異性体:1H NMR(CDCl3):δ 7.60−7.29(9H,m)、2.97(4H,m)、2.73(1H,m)、2.56(1H,m)、2.10(2H,m)、1.70−1.56(4H,m)、1.50−1.30(2H,m)。分析 混合物C2123NSに対する計算値:C、78.46;H、7.21;N、4.36;S、9.97。実測値 C、78.36、H、7.21;N、4.40;S、9.88。
【0111】
実施例7:シス−2−(ビフェニル−4−イル−エタンスルホニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサメート
化合物7aから実施例1と同様にして製造した。メタノールに溶解させ、ほぼ乾燥するまで蒸発させ、続いて最小量の酢酸エチルで摩砕し、そしてジエチルエーテルで洗浄することによって精製して、クリーム色固体を得た(81%)。
1H NMR(CDCl3):δ 10.60(1H,s)、8.82(1H,s)、7.71−7.40(9H,m)、3.40−3.25(8H,m)、3.00(1H,m)、2.75(1H,m)、2.50(1H,m)、1.90(1H,m)、1.60(1H,m)、1.35(1H,m)。分析 C21254S・0.25H2Oに対する計算値:C、64.34;H、6.56;N、3.57、S、8.18。実測値:C、64.38;H、6.49、N、3.47;S、7.91。HRFABMS C21254SNaに対する計算値 410.1402。実測値:410.1410。
【0112】
化合物7a:シス−2−(ビフェニル−4−イル−エタンスルホニル)−シクロヘキサンカルボン酸(O−ジメチル−tert−ブチルシリル)−ヒドロキサメートの製造
化合物7bから実施例1と同様にして製造した。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製して、白色泡沫状固体を得た(64%)。このものは、それ以上精製することなく使用した。
【0113】
化合物7b:シス−2−(ビフェニル−4−イル−エタンスルホニル)−シクロヘキサンカルボン酸の製造
化合物7cのシス異性体から実施例3における化合物3bと同様にして、4日の撹拌の後製造した。カラムクロマトグラフィー(30−50%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、粘稠な油状物を得た(68%)。
1H NMR(CDCl3):δ 7.59−7.25(9H,m)、3.35(1H,bs)、2.92−2.74(4H,m)、2.00−1.90(1H,m)、1.78(6H,m)、1.45(1H,m)、1.25(1H,m)。分析 C21242Sに対する計算値:C、74.08;H、7.10;S、9.42。実測値:C、73.85;H、7.12;S、9.54。
【0114】
化合物7c:シス−2−(ビフェニル−4−イル−エタンスルファニル)−シクロヘキサンカルボン酸の製造
化合物6b(実施例6から)から実施例4における化合物4bと同様にして、18時間の撹拌の後製造した。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/痕跡量の酢酸)によって精製して、固体を得た(62%)。このものは、それ以上精製することなく使用した。
【0115】
HCVレプリコン検定:
すべての化合物をHCVレポーターレプリコン検定で試験した。簡単には、レポーターレプリコンを含むHuh−7肝細胞ガン細胞をDMEM[インビトロゲン(Invitrogen)、カリスバッド(Carisbad)、カリホルニア]中で成長させ、96−ウェルの黒壁の透明底プレート[コスター(Costar)(登録商標);コーニング・インコーポレーテッド(Corning Incorporated)]中に接種した。
細胞を37℃、5%CO2で30分間安定させた。本化合物を別々の96ウェルプレート中で連続的に希釈し、各濃度の100μlづつを適当なウェルに三重反復して加えた。このプレートを37℃、5%CO2で3日間インキュベートした。
【0116】
3日のインキュベーションの後に、培地をウェルから吸い出し、細胞を100μlのPBSで洗浄した。PBSを除去した後、各ウェルに20μlの1Xパッシブ溶解緩衝液(Passive Lysis Buffer)[プロメガ社(Promega Corp.)、マジソン(Madison)、ウィスコンシン]を加えて、細胞を室温で15分間溶解させた。抗ウイルス活性および細胞毒性を、二重ルシフェラーゼキット(dual luciferase kit)[プロメガ社(Promega Corp.)、マジソン(Madison)、ウィスコンシン]を使用して溶解後に測定した。各濃度に対するパーセント抗ウイルス阻害およびパーセント細胞毒性は、細胞を含有するウェルから培地のみのウェルのバックグラウンド値を引き、そして細胞のみの対照ウェルに対する化合物ウェル中の値のパーセント比率から100を引いた後に計算した。これは、結果として50%抗ウイルス阻害が観察される化合物の有効濃度(EC50)および化合物の50%細胞毒性濃度(CC50)を発生させた。
【0117】
本発明の代表的な化合物について決定したEC50データを下記の表1に示す。
【表1】

【0118】
本発明を種々の好ましい態様および特定の実施例によって説明したが、本発明は、前記の詳細な説明によって限定されず、添付した特許請求の範囲およびその同等物によって定義されるものとして理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HCVポリメラーゼを治療上有効量のヒドロキサメートMMP阻害剤と接触させることを含む、HCVウイルス複製活性を妨げるかまたは予防する方法。
【請求項2】
薬学的有効量のヒドロキサメートMMP阻害剤を患者に投与することを含む、患者におけるHCVポリメラーゼにより媒介される症状を治療する方法。
【請求項3】
さらにHCV感染によって引き起こされる適応症を治療する手段としてMMP阻害をターゲッティングする過程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
さらにHCV感染によって引き起こされる適応症を治療するためにMMP阻害剤を使用することによって確認されたウイルスまたは細胞標的をターゲッティングする過程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
さらにHCV感染によって引き起こされる適応症を治療するための阻害剤を確認する目的で遺伝子のアップまたはダウンレギュレーションを監視するための遺伝子プロファイリング実験を実施するためにMMP阻害剤を使用する過程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
C型肝炎ウイルス(HCV)を治療する際に有効である量のヒドロキサメートMMP阻害剤および薬学的に受容できるキャリヤーを含む、哺乳類におけるHCVの治療用の医薬組成物。
【請求項7】
式I:
【化1】

[式中:
Aは、結合、CONH、または
【化2】

(ここでYは、CHまたはNである)であり;
1は、アルキル、アリール、ハロ、アミノ、置換または分散アミノ、またはアルコキシである]のヒドロキサメートMMP阻害剤およびその薬学的に受容できる塩を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】

【化3】

(式中Xは、酸素または−C−CH2−である)のヒドロキサメートMMP阻害剤を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ヒドロキサメートMMP阻害剤が:
2−(2−フェニルエチル)安息香酸N−ヒドロキシアミド;
2−(プロピルチオ)−ピリジン−3−N−(ヒドロキシ)カルボキサミド;
[4−(N−ヒドロキシアミノ)−2R−イソブチル−3S−((チエン−2−イルチオ)メチル)スクシニル]−L−フェニルアラニン−N−メチルアミド;
N−ヒドロキシ−5−フェニルペンタンアミド;
2−(フェニル−2−エチル)ピリジン−3−N−ヒドロキシカルボキサミド;
2−(チオベンジル)安息香酸N−ヒドロキシアミド;
6−ビフェニル−4−イル−[2,2−ジメチル−1−(ピリジン−4−イルカルバモイル)−プロピルカルバモイル]−ヘキサン酸,N−ヒドロキシアミド;
3R(6−(4−ビフェニル)−3−(N−ベンジルカルバモイル))−ヘキサン酸N−ヒドロキシアミド;
2−ベンジルスルホニル−シクロペンタ−1−エン−カルボン酸ヒドロキサミド;
2−ベンジルスルホニル−シクロヘキサ−1−エンカルボン酸ヒドロキシアミド;
6−ベンジルスルホニル−シクロヘキサ−1−エンカルボン酸ヒドロキシアミド;
1−(N−ヒドロキシ)−3−(2−ビベンジル)尿素;
3R−(6−(4−ビフェニル)プロピル)−N−(3−メチルピリジンカルバモイル)−ヘキサン酸N−ヒドロキシ−アミド;
4−(2−{[5−ヒドロキシアミノ−3−(3−フェニル−プロピル)−3,4−ジヒドロ−2−H−ピロール−3−カルボニル]−アミノ}−4−メチル−ペンタノイルアミノ)安息香酸メチルエステル;
5−ヒドロキシアミノ−3−(3−フェニル−プロピル)−3,4−ジヒドロ−2−H−ピロール−3−カルボン酸(2−シクロヘキシル−1−メチルカルバモイル−エチル)アミド;
4−(2−{[5−ヒドロキシアミノ−3−(3−ペンチル)−3,4−ジヒドロ−2−H−ピロール−3−カルボニル]−アミノ}−4−メチル−ペンタノイルアミノ)安息香酸メチルエステル;
6−ビフェニル−4−イル−3−(R)−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチルカルバモイル)−ヘキサンヒドロキサム酸;
6−ビフェニル−4−イル−3(R)−(1(S)−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)−ヘキサンヒドロキサム酸;
2−(ビフェニル−4−イルスルホニル)−シクロヘキサ−1−エンカルボン酸ヒドロキシアミド;
6−(ビフェニル−4−イルスルホニル)−シクロヘキサ−1−エンカルボン酸ヒドロキシアミド;
2−フェネチルスルファニル−シクロヘキサ−1−エンカルボン酸ヒドロキシアミド;
2−ベンジルスルファニル−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサミド;
トランス−2−ベンジルスルファニル−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサミド;
トランス−2−(ビフェニル−4−イル−メチルスルファニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサミド;
6−ビフェニル−4−イル−3−(R)−(1−ヒドロキシメチル−2−(S)−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチルカルバモイル)−ヘキサンヒドロキサム酸;
N−ヒドロキシ−2−[2−オキソ−3−(3−フェニル−プロピル)−テトラヒドロ−フラン−3−イル]−アセトアミド;
トランス−2−(4−フェノキシ−ベンジルスルファニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサミド;
2−(4−インドール−1−イル−ベンジルスルファニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサミド;
2−(3−ビフェニル−4−イル−プロピル)−N4−ヒドロキシ−N1−(2,4,5−トリヒドロキシ−6−ヒドロキシメチル−テトラヒドロ−ピラン−3−イル)−スクシンアミド;
2−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド;
2−(3−ビフェニル−4−イル−プロピル)−N4−ヒドロキシ−N1−(2−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−スクシンアミド;
6−ビフェニル−4−イル−3−(1−ヒドロキシイミノ−エチル)−ヘキサン酸ヒドロキシアミド;
3−(R)−(2−ヒドロキシ−1−(S)−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチルカルバモイル)−6−(4−(2−メチル−チアゾール−4−イル)−フェニル)−ヘキサンヒドロキサム酸;
6−ビフェニル−4−イル−3−(3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボニル)−ヘキサン酸−ヒドロキシアミド;
1−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸−ヒドロキサミド;
1−1−[4−ブロモ−フェノキシ]−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸−ヒドロキシアミド;
N−(1−ベンジル−2−ヒドロキシ−エチル)−N4−ヒドロキシ−2−イソブチル−スクシンアミド;
6−ビフェニル−4−イル−3(R)−2(S)−ヒドロキシ−(1(S)−ヒドロキシメチル−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)−ヘキサン酸ヒドロキサム酸;
6−ビフェニル−4−イル−3−(2−ヒドロキシ−1ヒドロキシメチル−プロピルカルバモイル)−ヘキサン酸ヒドロキサム酸;
トランス−2−(3−ビフェニル−4−イル−プロピル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−ビフェニル−4−イルオキシ]−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
1−(4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
6−ビフェニル−4−イル−3−(R)−(1−(S)−ヒドロキシメチル−2−(3−ピリジル)−エチルカルバモイル)−ヘキサンヒドロキサム酸;
6−ビフェニル−4−イル−2S−ヒドロキシ−3R−(1S−ヒドロキシメチル−3−メチルスルファニル−プロピルカルバモイル)−ヘキサン酸ヒドロキサム酸;
1−[−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−4−(tertブトキシカルボニル)−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−アセチル−1−[4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−2−カルボン酸,N−ヒドロキシアミド;
1−(ジフェニルホスフィニック)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
6−ビフェニル−4−イル−3−(R)−(2−オキソ−1−テトラヒドロフラン−3−(S)−イルカルバモイル)−ヘキサンヒドロキサム酸;
1−[−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−4−メチル−ピペラジン−2−カルボン酸N−ヒドロキシアミド;
4−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3−(ジフェニルホスフィニック)−プロパン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−クロロフェノキシ)ベンゼンスルホニル]−チオモルホリン−3−カルバモイル)ピペラジン−2−カルボキサミド;
4[4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル]−ピペラジン−2−カルボン酸,N−ヒドロキシアミド;
4[4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル]−チオモルホリン−3−カルボン酸N−ヒドロキシアミド;
3[2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸N−ヒドロキシアミド;
1−[4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル]−4−メチル−ピペラジン−2−カルボン酸N−ヒドロキシアミド;
6−ビフェニル−4−イル−3−(R)−(2−オキソ−アゼパン−3−(S)−イルカルバモイル)−ヘキサンヒドロキサム酸;
4−(1H−インドール−2−スルホニル)−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−(メチル−フェニルホスフィニック)−ピペリジン−2−(R)−カルボン酸ヒドロキサミド;
1−(1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
4−メチル−1−(4−(4−クロロフェニル)ベンゼンスルホニル)−N−ヒドロキシ−2R−ピペラジンカルボキサミド塩酸塩;
1−[4−クロロフェノキシベンゼンスルホニル]−N−ヒドロキシ−2R−ピペラジンカルボキサミド;
2−(3−フェニル−プロピルスルホニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサミド;
1−(ピロリジン−1−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−(ピペリジン−1−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−[−[4−ブロモ−フェノキシ−ベンゼンスルホニル]−オキソチオモルホリン−3−カルボン酸−N−ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−メトキシ−フェニルスルファニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−シアノ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−4−(tert−ブトキシカルボニル)−ピペラジン−2−カルボン酸N−ヒドロキシアミド;
6−オキソ−3−(4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル)−ヘキサヒドロ−ピリミジン−4−カルボン酸ヒドロキサメート;
4−(t−ブトキシカルボニル)−1−(4−(ピリジン−2−イル)オキシベンゼンスルホニル)−N−ヒドロキシ−ピペラジン−2−カルボキサミド;
4−[(4−フルオロフェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−チオモルホリン−3−カルボン酸N−ヒドロキシアミド;
4−[4−(フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−オキソチオモルホリン−3−カルボン酸N−ヒドロキシアミド;
4−(4−ブトキシ−ベンゼンスルホニル)−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−(4−ブトキシ−ベンゼンスルホニル)−1−オキソチオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−フルオロフェニル)ベンゼンスルホニル]−4−(tert−ブトキシカルボキシル)2R−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−((4−(4−クロロフェニル)−ピペラジン)−1−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
シス−2−フェネチルスルファニル−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[−[4−(4−フルオロフェニル)ベンゼンスルホニル]−N−ヒドロキシ−2R−ピペラジンカルボキサミド塩酸塩;
1−(ジフェニルホスフィニック)−ピロリジン−2(R)−カルボン酸ヒドロキシアミド;
トランス−2−フェネチルスルホニル−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−フルオロフェニル)−ピペラジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
1−1−[4−(4−フルオロフェニルスルファニル)−ベンゼンスルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−1−[4−(ブロモ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−2,2−ジメチル−1−オキソ−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−(ピロリジン−1−カルボニル)−ピロリジン−2(R)−カルボン酸ヒドロキシアミド;
R−4−[4−(ブロモフェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−2,2−ジメチル−1−オキソ−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−(エトキシカルボニル)メチル−1−(4−(4−クロロフェニル)ベンゼンスルホニル)−N−ヒドロキシ−2R−ピペラジンカルボキサミド塩酸塩;
1−フェネチルカルバモイル−ピロリジン−2−(R)−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−(4−ベンジル−ピペラジン−1−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3(S)−N−ヒドロキシ−4−(4−(ピリジン−4−イル)オキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−3−カルボキサミド;
2(R)−4−メチル−1−(4−(4−フルオロフェニル)ベンゼンスルホニル)−N−ヒドロキシ−ピペラジン−2−カルボキサミド;
1−((2−ピリジル)−4−ピペラジン−1−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−1−[4−(ピリジン−4−イルスルファミル)−ベンゼンスルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
N−(4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル)−D−tert−ロイシン−N−ヒドロキシアミド;
2,2−ジメチル−4−[4−(ピリジン−2−イルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
N−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)ベンゼンスルホニル]−D−tert−ロイシン,N−ヒドロキシアミド;
3(R)−N−ヒドロキシ−4−(4−(ピリジン−4−イル)オキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
2−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−N−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−ブチルアミド;
3(R)−N−ヒドロキシ−4−(4−(フラ−3−イル)フェノキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−3−カルボキサミド;
2−1−[4−(ピリジン−2−イル−オキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−N−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチルアミド;
2−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルホニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸ヒドロキシアミド;
6−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルホニル)−シクロヘキサ−1−エン−カルボン酸ヒドロキシアミド;
N−(4−フェノキシ−ベンゼンスルホニル)−3,3−ジメチル−S−(メチルチオ)−D−システイン,N−ヒドロキシアミド;
1−(4−フェノキシ−ピペリジン−1−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
N−(4−[4−クロロフェノキシ]−ベンゼンスルホニル)−3,3−ジメチル−S−(メチルチオ)−D−システイン,N−ヒドロキシアミド;
N−(4−[4−クロロフェノキシ]−ベンゼンスルホニル)−3,3−ジメチル−S−(メチルスルホキシ)−D−システイン,N−ヒドロキシアミド;
シス−2−(2−フェニル−エタンスルホニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド;
3(R)−N−ヒドロキシ−4−(4−(イミダゾール−1−イル)フェノキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−3−カルボキサミド;
3(R)−N−ヒドロキシ−4−(4−(ピリジン−4−イル)オキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−3−カルボキサミド;
4−1−[2−(2−ヒドロキシカルバミルメチル−5−フェニル−ペンタノイルアミノ)−4−メチル−ペンタノイル]−安息香酸メチルエステル;
トランス−2−(2−フェニル−エタンスルホニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド;
3,3−ジメチル−2−(4−フェノキシ−フェニルスルファニルメチル)−酪酸,N−ヒドロキシアミド;
2−(2−ビフェニル−4−イル−エタンスルホニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキサメート;
2−[−[4−(4−クロロフェニル)−ピペラジン−1−スルホニルアミノ]−3−メチル−3−(ピリジン−2イルメチルスルファニル)−酪酸N−ヒドロキシアミド;
3,3−ジメチル−2−(4−フェノキシ−フェニルスルホニルメチル)−酪酸,N−ヒドロキシアミド;
2(R)−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]−3−メチル−3−(ピリジン−2−イルスルファニル)−酪酸,ヒドロキシアミド;
3(R)−N−ヒドロキシ−4−(4−(−((ピリジン−4−イル)メチル)オキシベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−3−カルボキサミド;
1−1−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニル)−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
1−[4−(ピリジン−2−イルスルファニル)−ピペリジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
2R−[4−(4−フラン−3−イル−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(ピリジン−4−イルスルファニル)−ブチルアミド;
トランス−2−(2−ビフェニル−4−イル−エチルスルファニル)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドロキシアミド;
N4−(2,2−ジメチル−1S−ヒドロキシメチル−プロピル)−N1−ヒドロキシ−3R[3−(4−ピリジン−4−イル−フェニル)−ピロール−1−イル]−スクシンジアミド;
1−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−3,3−ジメチル−5−オキソ−ピペラジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
2(R)−[4−(4−ヨード−フェノキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]−3−メチル−(ピリジン−3−イル−スルホニル)酪酸ヒドロキシアミド;
1−[−[2−(ベンゾチアゾール−2−イルスルファニル)−ピペリジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
5−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾロ[4,5,−c]ピリジン−6−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(ピリジン−4−イルスルファニル)−ピペリジン−1−スルファニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−メトキシ−フェニルスルファミル)−ピペリジン−1−スルホニル]ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
2(R)−[4−(4−メチルフェノキシ)ベンゼンスルホニルアミノ]−3−メチル−3−(ピリジン−3−イル−スルホニル)酪酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−メチル−フェニルスルファミル)−ピペリジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキサミド;
4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−1−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−2,2−ジメチル−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
2(R)−[4−(4−ブロモ−フェノキシ)ベンゼンスルホキシルアミノ]−3−メチル−3−(ピリジン−4−イル−スルホキシド)酪酸ヒドロキシアミド;
4−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−1−オキソ−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−2,2−ジメトキシ−1−オキソ−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3(S)−2,2−ジメチル−4−[4−(ピリジン−4−イルスルファニル)−ベンゼンスルホニル]−チオモルホリン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3,3−ジメチル−N−ヒドロキシ−2R−[−[4(−(ピリジン−4−イルスルファニル)−ピペリジン−1−スルホニルアミノ]−ブチルアミド;
N−ヒドロキシ−2−[−[(4−メチルベンゼンスルホニル)アミノ]アセトアミド;
[4(−(4−イミダゾール−1−イル−フェノキシ)−ピペリジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1−[4−(4−イミダゾール−1−イル−フェニルスルファニル)−ピペリジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
2(R)−[4−(4−クロロ−ベンゾイル)−シクロヘキサンスルホニル]−ピペリジン−1−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1(R)−[4−(4−クロロ−ベンゾイル)−ピペリジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1(R)−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−スルホニル)−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
1(R)−[4−(4−イミダゾール−1−イル−フェノキシ)−ピペリジン−1−スルホニル]−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
N−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2R−[4(−(モルホリン−4−カルボニル)−ピペリジン−1−スルホニルアミノ]−ブチルアミド;
N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イル−メチルスルファニル)−2R−[4−(ピリジン−4−イルスルファニル)−ピペリジン−スルホニルアミノ]−ブチルアミド;
N−ヒドロキシ−2R−[4−(4−イミダゾール−1−イル−フェノキシ)−ピペリジン−1−スルホニルアミノ]−3,3−ジメチル−ブチルアミド;
2R−[4−(4−クロロ−ベンゾイル)−ピペラジン−1−スルホニルアミノ]−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−メチルスルファニル−ブチルアミド;
N−ヒドロキシ−3−メチル−3−メチルスルファニル−2R−[4−(ピリジン−4−イルスルファニル)−ピペリジン−1−スルホニルアミノ]−ブチルアミド;
1R,3S,2,2−ジメチル−1−オキソ−4−[−[4(−(ピリジン−4−イルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−チオモルホリン−3−カルボン酸アミド;
およびその薬学的に受容できる塩;
から成る群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
ヒドロキサメートMMP阻害剤が:
【化4】

およびその薬学的に受容できる塩;
から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ヒドロキサメートMMP阻害剤が式:
【化5】

(式中:
Qは、C*およびNとともに6−員環を形成する4個の環原子を有する二価基であり、ここで上記の4個の環原子は、各々独立して未置換であるかまたは適当な置換基によって置換されており、そしてこの4個の環原子のうちの少なくとも1個は、O、NおよびSから選択されるヘテロ原子であり、そして残りのものは、炭素原子であり;Arは、アリールまたはヘテロアリール基である)
のものまたはその薬学的に受容できる塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ヒドロキサメート阻害剤が:
2(R)−N−ヒドロキシ−1−(4−(4−クロロフェノキシ)ベンゼンスルホニル)−4−(メタンスルホニル)−ピペラジン−2−カルボキサミド;
2(R)−N−ヒドロキシ−1−(4−(4−フルオロフェノキシ)ベンゼンスルホニル)−4−(メタンスルホニル)−ピペラジン−2−カルボキサミド;
3(S)−N−ヒドロキシ−4−(4−((ピリド−4−イル)オキシ)ベンゼンスルホニル)−2,2−ジメチル−テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−3−カルボキサミド;
およびその薬学的に受容できる塩;
から成る群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ヒドロキサメート阻害剤が式:
【化6】

[式中Yは、OまたはSであり;
Arは、アリール基またはヘテロアリール基であり;
Rは、H、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基または−C(O)R1であり、
ここでR1は、水素、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基またはNR2R3(ここでR2およびR3は、独立して水素、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である)である]
のものまたはその薬学的に受容できる塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ヒドロキサメート阻害剤が:
2(S)−N−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−[(4−(4−フルオロフェノキシ)ベンゼンスルホニル)−アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−[(4−(4−クロロフェノキシ)ベンゼンスルホニル)−アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(ピリド−2−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−フルオロフェノキシ)ベンゼンスルホニル)−アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(ピリド−2−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ブロモフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)−アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(ピリド−2−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ヨードフェノキシ)ベンゼンスルホニル)−アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ブロモフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(ピリド−2−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−メチルフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(ピリド−4−イルオキシ)ベンゼンスルホニル)−アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチルスルファニル)−2−[(4−{(ピリド−4−イル)スルファニル}−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ブロモフェノキシ)ベンゼンスルホニル)−アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ブロモフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ブロモフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(4−メチル−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ブロモフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−(1−メチル−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−イル)メチルスルファニル−2−[(4−(4−ブロモフェノキシ)−ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
2(S)−N−ヒドロキシ−3−メチル−3−メチルスルファニル−2−[(4−(4−クロロフェノキシ)ベンゼンスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
およびその薬学的に受容できる塩;
から成る群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ヒドロキサメートMMP阻害剤が:
【化7】

およびその薬学的に受容できる塩;
から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2006−517960(P2006−517960A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502443(P2006−502443)
【出願日】平成16年2月6日(2004.2.6)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000403
【国際公開番号】WO2004/073599
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(503053011)ファイザー インコーポレイテッド (26)
【Fターム(参考)】