説明

CO検知装置、複合検知装置及び火災警報装置

【課題】生態模倣センサにより、一酸化炭素を正確に検知できるようにする。
【解決手段】空気中の一酸化炭素(CO)を検知するCO検知装置であって、一酸化炭素の濃度に応じて透過率が変化する生態模倣センサ材1と、一方の面に外気との通気口20aを有して、生態模倣センサ材1を内包する略透明な容器20と、容器20と連通する位置に設けられ、容器20内の湿度を調整する調湿部30とを備えるものである。このように構成すると、容器20内の湿度を略一定に保持できるので、生態模倣センサ材1が一酸化炭素を正確に検知できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、集合施設や一般住宅の火災報知器に適用可能なCO検知装置、複合検知装置及び火災警報装置に関する。詳しくは、CO検知部材を内包する容器と連通する位置に調湿部を備え、容器内の湿度を略一定に保持できるようにするとともに、人体にとって危険な一酸化炭素を早期に正確に検知できるようにしたものである。また、こうしたCO検知機能を有するCO検知部と、煙の進入によって起こる光の乱反射による煙検知部とによる複合検知装置に温度検知装置を更に組み合わせて、誤報の少ない精度の高い火災警報を実現できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
火災による被害を最小限に抑えるため、オフィスビルや学校等の集合施設では火災報知器の設置が義務化されている。また、一般住宅でも火災報知器の設置の義務化が予定されており、今後、火災報知器の更なる需要が予想される。
【0003】
従来の火災報知器は、煙センサ又は温度センサにより火災を検知するものが多い。しかし、火災による死亡事故のうち略70%は、一酸化炭素中毒が原因であるといわれている。これは一酸化炭素が無色無臭であることと、火や煙に比べて回りが早いことに起因するとされる。
【0004】
このような状況から、近年では、一酸化炭素を検知できる火災報知器も多く開発されている。これらに用いられるCO検知装置には、例えば、半導体COセンサ、接触燃焼方式COセンサ、化学電池式COセンサ等が挙げられる。しかし、これらの検知感度は充分なものであるとはいえず、火災初期時の低濃度の一酸化炭素を安定して検知することが困難であった。更に、検知動作のための消費電力が大きいという問題もあった。
【0005】
これに関連して、特許文献1に示すような生態模倣センサが開示されている。この生態模倣センサによれば、充分な透光性を有する多孔質のソリッドステート基材と、基材に含浸させた自己再生性の科学センサ試薬からなり、ソリッドステート化学センサシステムに大気中の有毒物質が作用すると、化学センサ試薬の光学密度が変化するものである。このように構成することにより、有毒物質に対する人間の反応を模倣して、人間の血液中に蓄積され易い種々の大気中有毒物質、例えば、一酸化炭素、水銀、エチレンオキシド、揮発性有機物質、硫化水素等を検出できるというものである。
【0006】
この化学物質である生態模倣センサは、火災初期時の低濃度の一酸化炭素を安定して検知できるという特徴を有している。なお、この生態模倣センサを用いてCOセンサを構成する場合は、生態模倣センサの透過率の検知手段として赤外線ダイオードやフォトダイオードが使用されることが多い。
【0007】
【特許文献1】特許第3298639号公報(第3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1のような生態模倣センサは、一酸化炭素のような有毒ガスの他、周辺湿度に影響を受け易いという問題がある。従って、それを火災報知器に適用した場合、周辺環境の状態によっては、正確な一酸化炭素検知ができなくなるおそれがある。
【0009】
そこで本発明は、上述の問題に鑑み創作されたものであり、人体にとって危険な一酸化炭素を早期に正確に検知できるようにした、CO検知装置、複合検知装置及び火災警報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係るCO検知装置は、空気中の一酸化炭素(CO)を検知するCO検知装置であって、一酸化炭素の濃度に応じて透過率が変化するCO検知部材と、一方の面に外気との通気口を有して、前記CO検知部材を内包する略透明な容器と、容器と連通する位置に設けられ、前記容器内の湿度を調整する調湿部とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
この発明に係るCO検知装置によれば、CO検知部材を内包する容器と連通する位置に設けられた調湿部が、容器部内の湿度を調整するようになされる。従って、容器内の湿度を略一定に保持できる。
【0012】
この発明に係る複合検知装置は、空気中の一酸化炭素を検知するCO検知部と、外周面に遮光可能な間隙を設けられ、当該間隙を介して外気と連通する煙用の容器を有する光学式の煙検知部と、CO検知部及び煙検知部に光を照射する発光部と、発光部からの光が、前記CO検知部を透過した光を受光するCO用の受光部と、発光部からの光が、前記煙検知部を透過した光を受光する煙用の受光部とを備え、CO検知部は、一酸化炭素の濃度に応じて透過率が変化するCO検知部材と、一方の面に外気との通気口を有して、前記CO検知部材を内包する略透明なCO用の容器と、CO用の容器と連通する位置に設けられ、前記CO用の容器内の湿度を調整する調湿部とを有することを特徴とするものである。
【0013】
この発明に係る複合検知装置によれば、CO検知部に本発明のCO検知装置が応用されている。従って、CO検知部の容器内の湿度を略一定に保持できる。
【0014】
この発明に係る火災警報装置は、一酸化炭素と煙を検知する光学式の複合検知装置と、温度センサによる温度検知装置と、複合検知装置及び温度検知装置の検知結果に基づいて警報処理用の制御信号を出力する制御装置とを備え、複合検知装置は、空気中の一酸化炭素を検知するCO検知部と、外周面に遮光可能な間隙を設けられ、当該間隙を介して外気と連通する煙用の容器を有する煙検知部と、CO検知部及び煙検知部に光を照射する発光部と、発光部からの光が、前記CO検知部を透過した光を受光するCO用の受光部と、発光部からの光が、前記煙検知部を透過した光を受光する煙用の受光部とを有し、CO検知部には、一酸化炭素の濃度に応じて透過率が変化するCO検知部材と、一方の面に外気との通気口を有して、前記CO検知部材を内包する略透明なCO用の容器と、前記CO用の容器と連通する位置に設けられ、前記CO用の容器内の湿度を調整する調湿部とが設けられることを特徴とするものである。
【0015】
この発明に係る火災警報装置によれば、CO検知部にこの発明のCO検知装置が応用されている。従って、CO検知部の容器内の湿度を略一定に保持できる。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係るCO検知装置によれば、CO検知部材を内包する容器と連通する位置に調湿部を備え、容器内の湿度を調整するようになされる。この構成により、容器内の湿度を略一定に保持できるので、理想的な湿度環境下のCO検知部材が、安定した一酸化炭素検知を実行し、一酸化炭素の濃度に応じて素早く透過率を変化するようになる。従って、人体にとって危険な一酸化炭素を早期に正確に検知できるようになる。また例えば、CO検知部材の透過率の検知手段として赤外線ダイオードやフォトダイオードを使用することにより、消費電力の小さいCO検知装置を構成できる。
【0017】
この発明に係る複合検知装置によれば、CO検知部に本発明のCO検知装置が応用されている。この構成により、容器内の湿度を略一定に保持できるので、理想的な湿度環境下のCO検知部材が、安定した一酸化炭素検知を実行し、一酸化炭素の濃度に応じて素早く透過率を変化するようになる。従って、人体にとって危険な一酸化炭素を早期に正確に検知できるようになる。また、CO検知部に加えて煙検知部を備え、一酸化炭素及び煙の検知結果に基づく総合的な判断ができるので、誤報が少ない正確なCO事故告知及び火災告知を実行できる。
【0018】
この発明に係る火災警報装置によれば、CO検知部に本発明のCO検知装置が応用されている。この構成により、容器内の湿度を略一定に保持できるので、理想的な湿度環境下のCO検知部材が、安定した一酸化炭素検知を実行し、一酸化炭素の濃度に応じて素早く透過率を変化するようになる。従って、人体にとって危険な一酸化炭素を早期に正確に検知できるようになる。また、CO検知部と煙検知部とによる複合検知装置に加えて、更に温度検知装置を備え、一酸化炭素、煙及び温度の検知結果に基づく総合的な判断ができるので、誤報が少ない正確な火災告知を実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
続いて、この発明に係るCO検知装置、複合検知装置及び火災警報装置について、図面を参照しながら説明をする。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明に係る第1の実施例としてのCOセンサ10の構成例を示す概略断面図である。図1に示すCOセンサ10は、CO検知装置の一例を構成し、空気中の一酸化炭素を検知するものである。COセンサ10は、生態模倣センサ材1、容器20、調湿部30、フィルタ部40から構成される。
【0021】
生態模倣センサ材1は、CO検知部材の一例であり、空気中の一酸化炭素濃度に応じて透過率が変化する化学物質である。生態模倣センサ材1は、単に生態模倣センサとよばれる他、生物模倣センサ、生態疑似センサ、バイオミメティックセンサ等ともよばれ、有毒物質に対する人間の反応、特に血中のヘモグロビンの反応を模倣するようになされている。血中のヘモグロビンは、一酸化炭素に触れると赤色から黒色に変色する。同様に生態模倣センサ材1は、一酸化炭素に触れると変色して透過率が下がる。生態模倣センサ材1は容器20内に内包される。
【0022】
容器20は、CO用の容器である。容器20は、透明なプラスチックにより下部側を開口された略直方体の容器形状に構成される。容器20の上部側には調湿用の孔部20bが複数形成されており、容器20の下部側は外気との通気口20aをなす。通気口20aには、保持板22が配される。
【0023】
保持板22は、生態模倣センサ材1を保持するとともに、通気口20aを通気可能に閉塞するものである。保持板22は、例えばプラスチックで板状に構成され、全面に通気用の孔部22aを有している。保持板22は、上部側の面に一対の保持部22bを有し、生態模倣センサ材1を保持する。容器20の下部側には、ゴムパッキン4を介してフィルタ部40が連結される。
【0024】
フィルタ部40は、容器41及びフィルタ42からなり、容器20内に入る空気を濾過するものである。容器41は、例えばプラスチックにより、上部側を開口された略直方体の容器形状に構成される。容器41の下部側には、円形の凸部41cが形成され、この凸部41cの底面部に通気用の孔部41aが複数形成される。また、容器41内の対向する2つの側面には、保持板22用の突出部41bが形成されている。容器41内には、フィルタ42が内包される。
【0025】
フィルタ42には、例えば繊維による袋に内包された活性炭が用いられる。フィルタ42は、孔部41aから入った空気のうち、一酸化炭素以外の有害物質、例えばアンモニアや硫化水素等を濾過吸収する。
【0026】
一方、容器20の上部側には、調湿部30が設けられている。調湿部30は、容器31、調湿材32でなり、ゴムパッキン3を介して容器20に連結される。容器31は、例えばプラスチックにより、下部側を開口された略直方体の容器形状に構成される。容器31内は、容器20の孔部20bを介して容器20内と連通する。容器31には、調湿材32が内包される。
【0027】
調湿材32は、容器20内の湿度を調整するものである。調湿材32には、例えば紙材による袋に内包された塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化カルシウム等の潮解性の化学物質が用いられる。使用する生態模倣センサ材1が、湿度略75%の環境下で最も感度が良好となる性質を有する場合、調湿材32には例えば塩化ナトリウムが用いられる。塩化ナトリウムは、周囲の湿度を略75%に保持する性質を有している。以上のようにしてCOセンサ10が構成される。以下で、COセンサ10の組立方法について説明をする。
【0028】
図2は、COセンサ10の組立例を示す斜視図である。図2に示すCOセンサ10を組み立てる場合、まずフィルタ部用の容器41を成形する。容器41を成形するには、例えばプラスチック樹脂により射出成形をする。このとき、容器41の上部側の外周に鍔部41eを一体成形するとともに、鍔部41eの外周に連結部41dをここでは4つ一体成形するように金型を構成する。更にここで連結部41dには連結用の孔部を開口するようにする。また同時に、底面に、この例では円形の凸部41cを外側に突出させるようにするとともに、凸部41cの底面部に孔部41aを複数開口できるように金型の底部に突起等を複数設けるようにするとよい。容器41を成形したら開口している側を上にして配置し、中にフィルタ42を収納する。ここではフィルタ42として、袋入りの活性炭を使用する。この他、容器41の底に網を配して、容器41に活性炭をそのまま収納することもできる。
【0029】
次に、ゴムパッキン4を準備する。ゴムパッキン4を準備するには、板状のゴム部材から、鍔部41eの内周と略同等の大きさの長方形を切り出し、その中央部に開口部4aを開口するとよい。ゴムパッキン4が準備できたら、鍔部41eにより生じる段差部41f上に載せる。
【0030】
次に、保持板22を成形する。保持板22もプラスチック樹脂により射出成形するとよい。このとき、保持板22の大きさはゴムパッキン4の開口部4aと略同等に設定する。保持板22には、貫通する孔部22aを一面に開口するとともに、一方の面に、例えば弧状の保持部22bを一対で突出させる。保持板22を成形したら、保持部22bを上にして容器41の突出部41bに端部を引っ掛けるように配置する。
【0031】
保持板22を突出部41b上に載せたら、保持板22上面に生態模倣センサ材1を載せる。このとき、生態模倣センサ材1は、保持部22bの内側に配置する。
【0032】
次にCO用(生態模倣センサ材1用)の容器20を成形する。容器20を成形するには、充分に透過可能な透明なプラスチックを用いて、下部側を開口した直方体形状に射出形成をする。容器20の上部側の蓋面には、孔部20bをここでは生態模倣センサ材1の配置される位置の外側に複数開口する。またこの例では、容器20の深さを、生態模倣センサ材1の高さと略同等に設定する。このようにすることにより、容器20内の生態模倣センサ材1及び保持板22が上下にずれることを防げる。容器20を成形できたら、開口された通気口20aを下にした状態で、ゴムパッキン4の上に載せる。
【0033】
容器20の蓋面の上には、ゴムパッキン3を配置する。ゴムパッキン3を準備するには、板状のゴム部材からゴムパッキン4と略同等の形状を切り出せばよい。ゴムパッキン3の中央部には開口部3aが開口されている。
【0034】
次に調湿部用の容器31を成形する。容器31を成形するには、容器41と同様に、例えばプラスチック樹脂により射出成形する。このとき、容器31の下部側の外周に鍔部31eを一体成形するとともに、鍔部31eの外周に、棒状の連結部31dをここでは4つ一体成形できるように金型を構成する。この連結部31dは、連結部41dの連結用の孔部に嵌合できる大きさ及び形状に設定する。
【0035】
容器31を成形したら、内部に調湿材32を収納した状態で、開口している側を下にしてゴムパッキン3の上に載せる。ここで、容器31の連結部31dを容器41の連結部41dの連結用の孔部に嵌合させる。以上のようにして、COセンサ10を組み立てることができる。
【0036】
このように、COセンサ10は、連結部31d及び41dとを嵌合させることにより、ネジ又は接着剤等を用いることなく、互いに係合された状態で固定される。またこのとき、ゴムパッキン3及び4の弾力性により各部材間の連結部が密封されるので、連結部においてCOセンサ10の外側の空間と内側との空間とが遮断される。従って、COセンサ10の内側の空間は、孔部41aのみにより外側の空間と連通するようになる。次にCOセンサ10の機能例について説明をする。
【0037】
図3は、COセンサ10の機能例(その1)を示す斜視図である。図3に示すCOセンサ10により一酸化炭素を検知する場合、例えば発光部5及び受光部6を用いて、生態模倣センサ材1の透過率を検知する。ここで、発光部5には、例えば赤外線ダイオードが用いられ、受光部6には、例えばフォトダイオードが用いられる。
【0038】
まず、COセンサ10の一方の側方に、COセンサ10側に光軸を向けて発光部5を配置するとともに、COセンサ10を挟んで発光部5の光軸上に受光部6を配置する。
【0039】
次に、発光部5から光L1(2点鎖線)を照射する。照射された光L1は、生態模倣センサ材1を透過し、光L2として受光部6に受光される。ここで、この光L2は、空気中の一酸化炭素濃度が低くて生態模倣センサ材1の透過率が高い場合は大きく、一酸化炭素濃度が高くて生態模倣センサ材1の透過率が低い場合は小さくなる。受光部6には、光L2の大きさに応じた電流が流れる。この電流を、例えば図示しない制御装置で監視することにより、一酸化炭素検知を検知できる。
【0040】
図4は、COセンサ10の機能例(その2)を示す概略断面図である。図4に示すCOセンサ10の周辺S10の空気は、まず、孔部41aを通ってフィルタ部40の容器41内に入る。容器41内に入った空気はフィルタ42を通過して空隙S40に入る。ここで、空隙S40とは、容器41内の空間のうち、フィルタ42により占有された部分以外の空間をさす。
【0041】
空隙S40に入る空気は、フィルタ42により一酸化炭素以外の有害物質を除去されている。空隙S40の空気は、孔部22aを通過して容器20内の空隙S20に入る。空隙S20は、容器20内の空間のうち、生態模倣センサ材1により占有された部分以外の空間とする。空隙S20の空気は、孔部20bを介して調湿部30の調湿材32により湿度を略一定、例えば75%に保たれる。
【0042】
COセンサ10では、このように空気の経路が構築されているので、空隙S20の空気から一酸化炭素以外の有害物質を除去されるとともに、空隙S20の空気の湿度が略一定に保たれる。
【0043】
このようにこの発明に係るCOセンサ10によれば、生態模倣センサ材1を内包する容器20と連通する位置に調湿部30を備え、容器20内の湿度を調整するようになされる。従って、容器20内の湿度を略一定に保持できるので、理想的な湿度環境下の生態模倣センサ材1が、一酸化炭素の濃度に応じて素早く透過率を変化するようになる。従って、人体にとって危険な一酸化炭素を早期に正確に検知できるようになる。また、生態模倣センサ材1の透過率の検知手段として、赤外線ダイオード(発光部5)やフォトダイオード(受光部6)を使用することにより、従来のものに比べてCOセンサ10の消費電力を削減できる。
【0044】
また、容器20の通気口20aにフィルタ部40を備え、容器20内の空気から一酸化炭素以外の有害物質を除去するようになされる。従って、他の有害物質による生態模倣センサ材1の変色を防ぐことができるので、生態模倣センサ材1による一酸化炭素検知精度を更に向上できる。
【0045】
更にまた、容器20の下部側にフィルタ部40が連結されているので、空気よりも比重の軽い一酸化炭素を、効率よく容器20内に取り込むことができる。また、容器20の上部側に調湿部30が連結されているので、水分を含む空気を容器20内に下降させ、容器20内の湿度を効率よく一定に保つことができる。
【実施例2】
【0046】
図5A及びBは、第2の実施例としての複合センサ50の構成例を示す斜視図及び側面図である。図5Aに示す複合センサ50は、複合検知装置の一例を構成し、一酸化炭素と煙とを検知するものである。
【0047】
複合センサ50は、COセンサ10、筐体60、筐体70、発光部5、受光部6、受光部7(図7参照)、ハーフミラー8、遮光板9(図7参照)を有している。なおここで、第1の実施例と同じ名称及び符号のものは、同じ機能、同じ構造を有するのでその説明を省略する。
【0048】
図5Bに示す筐体60及び筐体70は、例えばプラスチックから射出成形され、複合センサ50の外枠を構成するものである。筐体60及び筐体70による複合センサ50の内側は、空隙S60、S68、S69に略分割されている(図7参照)。このうち空隙S60は、煙用の容器部の一例を構成し、外周面に遮光可能な間隙を設けられ、当該間隙を介して外気と連通するようになされる。
【0049】
図6A及びBは、筐体60及び筐体70の構成例を示す側面図である。まず、図6Aに示す筐体60は、上方側の部位であり、蓋部61、壁部材66、壁部68及び壁部69(図7参照)から構成される。蓋部61は所定形状の平面板であり、通常は制御部等を有する回路基板に上面を連結される。蓋部61には、接続端子用の孔部62(図5A参照)と、回路基板への連結部63とが設けられる。蓋部61の下方側には、複数の壁部材66が連結されている。
【0050】
壁部材66は、図7に示すような楔形の断面形状を有している。壁部材66は、互いに間隙67を空けて略円形状に配列される。ここで、壁部材66により略囲繞された略円形の空間は空隙S60となる。また、壁部材66による間隙67は、空隙S60の遮光可能な通気路を構成する。壁部材66による配列は、ここでは2カ所で分断されている。
【0051】
壁部材66の配列の一方の分断カ所には壁部68が配される。壁部68は、高さH1で断面が所定の形の筒状を有し、上面を蓋部61に連結されている。壁部68の内側は空隙S68をなす。空隙S68には、COセンサ10が収納される。また、壁部68の空隙S60側の所定部には、窓部68aが開口されている。
【0052】
壁部材66の配列の他方の分断カ所には、壁部69が配される。壁部69は、高さH1で断面が略四角形の筒状を有し、上面を蓋部61に連結されている。壁部69の内側は空隙S69をなす。空隙S69には、受光部7が収納される。更に壁部69の空隙S60に面する所定部には、窓部69aが開口されている。
【0053】
一方、筐体70は、図6Bに示すように底部71と壁部72、78、79(図7参照)、連結部74から構成される。底部71は所定形状の平面板である。底部71は、空隙S60、S68、S69の底を構成する。底面71のうち、空隙S68のCOセンサ10が配される部位には、COセンサ10の凸部41cと略同形状の孔部71aが形成されている。COセンサ10は、孔部71aに凸部41cを嵌合され、筐体70から孔部41aを外側の空間に露出するようになされる。COセンサ10は、孔部41aから内側の空隙S40(図4参照)に外気を取り込む。またここで、孔部71aと凸部41cとの隙間から空隙S68に光が入らないように、例えば、互いの係合面にネジ溝を形成し、孔部71aと凸部41cとを螺合するようにするとよい。底部71の上方側には、壁部72、78、79が、それぞれ連結される。
【0054】
壁部72は、空隙S60を略囲繞するように、略円形状に構成される。壁部72の高さは、筐体70が筐体60と連結されたとき、壁部材66の底面と接する程度の高さに設定される。
【0055】
壁部78は、壁部68の高さH1の略2倍の高さH2を有し、筐体70が筐体60と連結されたとき、その内周面が壁部68の外周面と接するように形成される。壁部78の空隙S60側の面は、下側から高さH1と略同等になされ、その上側は、壁部68の下側と互い違いに合わせられる。同様に、壁部79は、筐体70が筐体60と連結されたとき、その内周面が壁部69の外周面と接するように形成され、壁部79の空隙S60側の面は、下側から高さH1と略同等になされ、その上側は、壁部69の下側と互い違いに合わせられる。これにより、空隙S68及びS69は、窓部68a及び69aのみにより光学的に連通される。
【0056】
また、上述の筐体60の外周部には、図示しない3つの被嵌合部が設けられており、筐体70の対応する部位には、被嵌合部を嵌合する3つの嵌合部74が設けられている。筐体60と筐体70とは、被嵌合部と嵌合部74とが嵌合されることにより互いに連結される。筐体60及び筐体70は、ネジ又は接着剤等を用いることなく、互いに係合された状態で固定される。
【0057】
図7は、複合センサ50の構成例及びその機能例を示す図5BのX1−X1矢視断面図である。図7に示す筐体60と筐体70内の空隙S68には、COセンサ10、発光部5、受光部6及びハーフミラー8が配置される。発光部5は、発光源の一例を構成し、COセンサ10及び煙センサ80(後述)に光L1を照射するものである。発光部5には、例えば赤外線ダイオードが用いられる。この例の発光部5は、光L1の光軸を空間S60方向に向けて配置される。ここで図中の2点鎖線は光L1の光軸を示している。
【0058】
光L1の光軸上には、ハーフミラー8が、光軸に対して略45度に傾斜した状態で配されている。ハーフミラー8は、分光部の一例を構成し、発光部5からの光L1を、光L3及び光L4に分光するものである。ハーフミラー8で正反射した光L3は、光L1に対して略90度に屈曲される。ハーフミラー8を透過した光L4は、光L1の光軸上に照射される。
【0059】
光L3の光軸上には、COセンサ10の生態模倣センサ材1及びCO用の受光部6が配される。受光部6は、受光面を光軸に向けて配置され、生態模倣センサ材1を透過した光L2を受光するものである。
【0060】
また、光L4の光軸上の壁部68には、窓部68aが開口されており、光L4は窓部68aを介して空隙S60に照射される。一方、空隙S69には、煙用の受光部7が、窓部69aに受光面を向けて配置されている。
【0061】
受光部7は、発光部5からの光L4が、空隙S60内の煙等の粒子K1により乱反射して発生する光L4’を窓部69aを介して受光する。ここで、空隙S60内の内壁は、通常状態における発光部5からの光L4をできる限り吸収する色(黒色)で構成されている。従って、通常、受光部7には光がほとんど到達しない。しかし、空隙S60内に煙の粒子K1が充満すると、光L4が乱反射して光L4’が発生し、受光部7に到達するようになる。
【0062】
受光部7には、受光部6と略同等のフォトダイオード等が用いられる。こうして空隙S60、発光部5、受光部7により、光学式の煙検知部である煙センサ80が構成される。以上のようにして、COセンサ10及び煙センサ80による複合センサ50が構成される。以下で、複合センサ50による一酸化炭素及び煙の検知方法について説明をする。
【0063】
複合センサ50を用いて一酸化炭素及び煙の検知をする場合、まず、発光部5により光L1を照射する。光L1はハーフミラー8により光L3及び光L4に分光される。ハーフミラー8で正反射し、光L1に対して略90度に屈曲した光L3は、生態模倣センサ材1を透過し、その透過率に応じた光L2となる。光L2は、受光部6により受光される。COセンサ10では、受光部6の出力に基づいて一酸化炭素を検知する。
【0064】
一方、ハーフミラー8を透過した光L4は、窓部68aを通って空隙S60に入る。ここで、空隙S60には、間隙67からの空気(外気)が充満している。しかし、壁部材66により外からの光は遮断されている。空隙S60に入った光L4は、通常状態においては周辺の壁部材66にほぼ吸収され、受光部7には光がほとんど到達しない。
【0065】
例えばここで、空隙S60に煙M1が充満していた場合、光L4は煙M1の粒子K1により乱反射して光L4’となり、受光部7に到達するようになる。受光部7の出力は、煙M1の粒子K1の密度が増大すると、それに略比例して増大するようになる。煙センサ80では、受光部7の出力に基づいて煙を検知する。
【0066】
このようにこの発明に係る第2の実施例としての複合センサ50によれば、この発明のCOセンサ10が応用されている。従って、容器20内の湿度を略一定に保持できるので、理想的な湿度環境下の生態模倣センサ材1が、一酸化炭素の濃度に応じて素早く透過率を変化するようになる。従って、人体にとって危険な一酸化炭素を早期に正確に検知できるようになる。
【0067】
また、発光部5からの光軸上にハーフミラー8を備え、発光部5からの光L1を2つに分光するようになされる。従って、一の発光源に基づいて、一酸化炭素及び煙を検知することができる。従って、複合センサ50の消費電力を削減できるとともに、複合センサ50の小型化に貢献できる。
【実施例3】
【0068】
図8は、第3の実施例としての火災報知器100の構成例を示すブロック図である。図8に示す火災報知器100は、火災警報装置の一例を構成し、一酸化炭素、煙及び温度を検知し、火災及び一酸化炭素事故等の発生を告知するものである。
【0069】
火災報知器100は、複合センサ50、温度センサ81、CPU90、ブザー(音声発生部)91により構成される。ここで、複合センサ50には、COセンサ10及び煙センサ80が含まれる。なおここで、第1及び第2の実施例と同じ名称及び符号のものは、同じ機能、同じ構造を有するのでその説明を省略する。
【0070】
COセンサ10から出力されるCO検知結果は、信号D1としてCPU90に入力される。同様に、煙センサ80から出力される煙検知結果は、信号D2としてCPU90に入力され、温度センサ81から出力される温度検知結果は、信号D3としてCPU90に入力される。
【0071】
CPU90は、制御装置の一例を構成し、検知結果である信号D1〜D3に基づいて制御信号D4〜D6を出力する。CPU90は、例えば、複合センサ50の上面に連結される回路基板上に構成されて、信号D1〜D3を監視して統合的な判断を実行する。CPU90は、事前に計測されて蓄積された様々な形態の火災における一酸化炭素濃度のデータ及び、煙濃度、温度の変位データを図示しないメモリ部に記憶している。CPU90は、時間毎の複合センサ50及び温度センサ81からの検知結果を分析し、メモリ部に記憶した変位データ及びその他の検知データと照らし合わせ、火災及び一酸化炭素事故等を検出するようになされる。このときCPU90は、各センサの検知結果から総合的に判断を実行し、火災ではない別の現象と火災とを見分けるように動作する。
【0072】
図9は、煙及び濃度の変位データを示す図である。図9に示す図は、横軸に煙出力(煙の量)を、縦軸に温度上昇率(温度偏差)を示したものである。3つの曲線は、各火災タイプにおける煙及び温度の変位データを示している。タイプC1の火災は、例えばアルコール火災のように、炎を上げ、煙が小さい火災である。また、タイプC2の火災は、例えば木材火災のような、炎を上げ、黒煙が発生する火災である。タイプC3の火災は、例えば木材燻焼火災のような、燻って白煙が発生するタイプの火災である。
【0073】
メモリ部は、これらの火災を検出するため、煙濃度、温度の変位データから設定された閾値として、データSX1及びSX2、SY1及びSY2を記憶している。CPU90はこれらに基づいて火災検出処理を実行し、例えば、煙出力がデータSX1を越えた場合、温度上昇率がデータSY1を越えた場合及び煙出力がデータSX2を越えるとともに温度上昇率がデータSY2を越えた場合に火災が発生していると判断し、ブザー91による火災告知を実行する。
【0074】
CPU90は、火災検出処理により火災が発生したと判断した場合には、信号D4を例えば反転させ、火災告知用のブザー91に火災告知として、所定の音色の火災用の警告音を発生させる。もちろんブザー91に替えて、もしくはブザー91とともに、火災告知として警告灯を発光させる等してもよい。更にCPU90は、火災が発生したと判断した場合には、信号D6により消火栓93から消火用の水を噴出させる。ここでメモリ部に信号D6用の別の閾値を設定し、煙及び温度が非常に多くなった場合にのみ水を噴出させるようにしてもよい。
【0075】
図10は、一酸化炭素の検知データ例を示す図である。図10に示す検知データは、上述の火災のタイプC1〜C3毎に更にタイプを細分化し、それぞれの火災のタイプにおける一酸化炭素の発生量を示した物である。
【0076】
メモリ部は、これらの様々な火災による低濃度のCO検出用の閾値として例えばデータSY3を記憶している。ところで、一酸化炭素の発生原因は火災によるものに限られず、ガス燃焼器によるもの、石油燃焼器によるもの、排気ガスの外部からの進入によるもの等、様々なものが想定される。メモリ部は、こうした一酸化炭素事故に対応するCO警報器の検知規格データSY4も記憶している。
【0077】
CPU90は、まずデータSY3に基づいてCO検出処理を実行し、COセンサ10によるCOの検出結果がデータSY3に達しているか否かを監視する。COの検出結果がデータSY3に達した場合、CPU90は、煙出力及び温度上昇率を読み出して火災が発生しているか否かを確認する。ここで、火災が発生していないと判断された場合には、火災報知器100はCO警報器として機能し、CO警報器規格であるデータSY4に基づいてCO検出処理を実行する。CO検出処理の結果、一酸化炭素事故が発生していると判断した場合には、CO事故告知を実行する。
【0078】
このときCPU90は、ブザー91に信号D5を出力して、上述の火災用の警報音とは異なる音色のCO用の警告音によりCO事故告知をする。なお、ブザー91に替えて又はブザー91とともに、告知手段としての音声発生部を設け、音声合成によるCO事故告知のアナウンスをするようにすることもできる。このようにすると、使用者が火災ではなく一酸化炭素事故が発生していることを確実に認識できるようになる。
【0079】
また火災報知器100は、このようにCO警報器として機能している間も、煙出力及び温度上昇率の監視を継続し、火災が発生したと判断された場合には、火災告知を実行する。このような場合は、ブザー91による火災告知と並行して、音声合成によるCO事故告知を実行するようにしてもよい。また勿論、火災告知においても、音声発生部によるアナウンスを実行するようにしてもよい。また、上述のような火災発生時においても、CO検出処理を継続することは勿論である。
【0080】
加えて、こうしたCPU90による火災検出処理及びCO検出処理の閾値、データSX1及びSX2、SY1〜SY3等は、火災報知器100の設置環境に応じて変更することもできる。
【0081】
このように、この発明の第3の実施例に係る火災報知器100によれば、この発明のCOセンサ10を応用している。従って、容器20内の湿度を略一定に保持できるので、理想的な湿度環境下の生態模倣センサ材1が、一酸化炭素の濃度に応じて素早く透過率を変化するようになる。従って、一酸化炭素が発生した場合に、早期に且つ正確に警報動作を実行できるようになる。
【0082】
また、CPU90が、信号D4〜D6に基づいた総合的な判断を実行できるので、あらゆるタイプの火災又は事故に対して警報を発することができる。例えば、木材の燻焼火災のように、煙が多いが、温度は上昇しないタイプの火災や、木材発火火災のように、煙は少ないが、温度が上昇するタイプの火災や、煙及び温度の変化はほとんどないが、一酸化炭素が発生するタイプの火災又は事故のいずれをも検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、集合施設や一般住宅の火災報知器に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1の実施例としてのCOセンサ10の構成例を示す概略断面図である。
【図2】COセンサ10の組立例を示す斜視図である。
【図3】COセンサ10の機能例(その1)を示す斜視図である。
【図4】COセンサ10の機能例(その2)を示す概略断面図である。
【図5】(A)及び(B)は、第2の実施例としての複合センサ50の構成例を示す斜視図及び側面図である。
【図6】(A)及び(B)は、筐体60及び筐体70の構成例を示す側面図である。
【図7】複合センサ50の構成例及びその機能例を示すX1−X1矢視断面図である。
【図8】第3の実施例としての火災報知器100の構成例を示すブロック図である。
【図9】煙及び温度の変位データ例を示す図である。
【図10】一酸化炭素の検知データ例を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1・・・生態模倣センサ材、3,4・・・ゴムパッキン、5・・・発光部、6,7・・・受光部、10・・・COセンサ、20・・・容器、30・・・調湿部、40・・・フィルタ部、50・・・複合センサ、60,70・・・筐体、80・・・煙センサ、90・・・CPU、91・・・ブザー、100・・・火災報知器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中の一酸化炭素(CO)を検知するCO検知装置であって、
前記一酸化炭素の濃度に応じて透過率が変化するCO検知部材と、
一方の面に外気との通気口を有して、前記CO検知部材を内包する略透明な容器と、
前記容器と連通する位置に設けられ、前記容器内の湿度を調整する調湿部とを備えることを特徴とするCO検知装置。
【請求項2】
前記容器の前記通気口には、
前記容器内へ入る空気を濾過するフィルタ部が設けられることを特徴とする請求項1に記載のCO検知装置。
【請求項3】
前記通気口及びフィルタ部は、
前記容器の下部側に設けられ、
前記調湿部は、
前記容器の上部側に設けられることを特徴とする請求項1に記載のCO検知装置。
【請求項4】
前記容器の周辺には、
前記容器に内包される前記CO検知部材に光を照射する発光部と、
前記発光部から照射されて前記CO検知部材を透過した光を受光し、COの検知結果を出力する受光部とが設けられることを特徴とする請求項1に記載のCO検知装置。
【請求項5】
空気中の一酸化炭素を検知するCO検知部と、
外周面に遮光可能な間隙を設けられ、当該間隙を介して外気と連通する煙用の容器を有する光学式の煙検知部と、
前記CO検知部及び煙検知部に光を照射する発光部と、
前記発光部からの光が、前記CO検知部を透過した光を受光するCO用の受光部と、
前記発光部からの光が、前記煙検知部を透過した光を受光する煙用の受光部とを備え、
前記CO検知部は、
前記一酸化炭素の濃度に応じて透過率が変化するCO検知部材と、
一方の面に外気との通気口を有して、前記CO検知部材を内包する略透明なCO用の容器と、
前記CO用の容器と連通する位置に設けられ、前記CO用の容器内の湿度を調整する調湿部とを有することを特徴とする複合検知装置。
【請求項6】
前記発光部は、
一の発光源と、
当該発光源からの光をCO用の光及び煙用の光に分光する分光部とを有することを特徴とする請求項5に記載の複合検知装置。
【請求項7】
一酸化炭素と煙を検知する光学式の複合検知装置と、
温度センサによる温度検知装置と、
複合検知装置及び温度検知装置の検知結果に基づいて警報処理用の制御信号を出力する制御装置とを備え、
前記複合検知装置は、
空気中の一酸化炭素を検知するCO検知部と、
外周面に遮光可能な間隙を設けられ、当該間隙を介して外気と連通する煙用の容器を有する煙検知部と、
前記CO検知部及び煙検知部に光を照射する発光部と、
前記発光部からの光が、前記CO検知部を透過した光を受光するCO用の受光部と、
前記発光部からの光が、前記煙検知部を透過した光を受光する煙用の受光部とを有し、
前記CO検知部には、
前記一酸化炭素の濃度に応じて透過率が変化するCO検知部材と、
一方の面に外気との通気口を有して、前記CO検知部材を内包する略透明なCO用の容器と、
前記CO用の容器と連通する位置に設けられ、前記CO用の容器内の湿度を調整する調湿部とが設けられることを特徴とする火災警報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−8511(P2009−8511A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169590(P2007−169590)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000171665)
【出願人】(307012436)
【出願人】(595085321)
【氏名又は名称原語表記】Mark K.Goldstein
【Fターム(参考)】