説明

DCバイアス電圧に応答した制御を含む真空プラズマプロセッサ

【課題】DCバイアス電圧に応答した制御を含む真空プラズマプロセッサを提供する。
【解決手段】十分な電力を有するAC電気エネルギーを電極の少なくとも1つに供給することによって室内のガスをプラズマに励起して、電極の少なくとも1つを介してガスに供給されたAC電気エネルギーにより(a)供給されたAC電気エネルギーの周波数におけるプラズマ励起AC電場を第1電極アセンブリと第2電極アセンブリとの間に存在させ(b)DCバイアス電圧を室内のガスがプラズマに励起されるのに応答して電極の少なくとも1つに発生させ、DCバイアス電圧の指示に応答してプラズマ励起AC電場を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、真空プラズマプロセッサに関し、より具体的には、DCバイアス電圧に応答した制御を含む真空プラズマプロセッサに関する。
【背景技術】
【0002】
ワークピースをプラズマ加工するために真空室の一領域にACプラズマ励起場を加えることが知られており、領域は場が加工プラズマに変換するガスに結合される。ワークピースは、通常、半導体ウエハまたは誘電体プレートであり、プラズマはワークピースの上に集積回路フィーチャを形成することに関与する。励起されたプラズマは、通常、ワークピースを乾燥エッチングするが、いくつかの場合、材料がワークピースの上に付着することになる。通常、ACプラズマ励起場は、室の1対の間隔をおいて位置する電極、または室の1つの電極、および室外に位置するコイルによって領域に供給される(「リアクタンス」という用語は、真空プラズマ加工室と関連して本文書において使用されるとき、室においてACプラズマ励起場をプラズマに供給するための電極またはコイルを指すことを理解されたい)。
【0003】
フィーチャのサイズが減少し続けるにつれ、ワークピースを加工するプラズマの様々なパラメータを精確に制御する必要性が増大した。これらのパラメータには、リアクタンスがプラズマに結合するAC場の特性がある。具体的には、リアクタンスがプラズマに結合するAC場の強度および形状は、ワークピースフィーチャの性質に対して大きな影響を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人は、電極に関連付けられたRF電圧および電流ではなく、電極のDCバイアス電圧を検出することが、1対の電極を含む真空プラズマプロセッサの電場に対する改良された制御を提供すると考える。改良された電場制御は、加工されているワークピースの特徴に対して改良された制御を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、ワークピースを加工するための真空プラズマ室を備える真空プラズマプロセッサに関する。室は、室内のガスと電気的に結合されるように構成された第1電極アセンブリと、室内のガスと電気的に結合されるように構成された第2電極アセンブリとを含む。第1電極アセンブリは第1電極を含み、一方、第2電極アセンブリは第2電極を含む。室内のガスをプラズマに励起するのに十分な電力を有し複数の周波数を含むAC電源構成が、電極の少なくとも1つに接続される。室および電極アセンブリは、(a)AC電源構成の周波数におけるプラズマ励起AC電場線が第1電極アセンブリと第2電極アセンブリとの間に存在し(b)DCバイアス電圧が室内のガスがプラズマに励起されるのに応答して電極に対して発生するように構成される。回路は、検出DCバイアス電圧の指示に基づくAC電場線に作用する。
【0006】
第1周波数における電場線が第1電極と第2電極との間に延び、第2周波数における電場線が第2電極と第1電極との間に延びるように、AC電源構成ならびに第1電極および第2電極は第1周波数および第2周波数がそれぞれAC電源構成から第1電極および第2電極に結合するように構成される。回路は、第1電極と基準電位との間に接続された第1回路と、第2電極と基準電位との間に接続された第2回路とを含む。第1回路は、第2電極の検出DCバイアス電圧の指示に基づく第2周波数において電場線に作用する第1可変インピーダンスを含み、一方、第2回路は、第1電極の検出DCバイアス電圧の指示に基づく第1周波数において電場線に作用する第2可変インピーダンスを含む。
【0007】
第2アセンブリは第3電極をも含むことが好ましい。室および電極アセンブリは、(a)前記第1AC周波数における第1電場線が第1電極と第2電極および第3電極の少なくとも一方との間に存在し(b)前記第2AC周波数における第2電場線が第2電極と第3電極との間に存在するように構成される。室、電極アセンブリ、および回路は、回路が検出DCバイアス電圧の指示に基づく第1電場線および第2電場線に作用するように構成される。
【0008】
第1アセンブリは第4電極をも含むことが好ましい。室および電極アセンブリは、第1AC周波数における第3電場線が第1電極と第4電極との間に存在するように構成される。室、電極アセンブリ、および回路は、回路が第2の検出DCバイアス電圧の指示に基づく第3電場線に作用するように構成される。
【0009】
本発明の追加の態様は、ワークピースを加工するための真空プラズマ室を備える真空プラズマプロセッサに関する。室は、室内のガスと電気的に結合されるように構成された第1電極アセンブリと、室内のガスと電気的に結合されるように構成された第2電極アセンブリとを含む。第1電極アセンブリは第1電極を含み、一方、第2電極アセンブリは互いに間隔をおいて配置された第2電極および第3電極を含む。電極の少なくとも1つに接続されたAC電源構成が、室内のガスをプラズマに励起するのに十分な電力を有する。室および電極アセンブリは、(a)AC電源構成の周波数におけるプラズマ励起AC電場が第1電極アセンブリと第2電極アセンブリとの間に存在し(b)DCバイアス電圧が室内のガスがプラズマに励起されるのに応答して電極の少なくとも1つに発生するように構成される。回路は、DCバイアス電圧の指示に応答してプラズマ励起AC電場を制御するように構成される。回路は、DCバイアス電圧の指示に応答して手動で制御することができ、または、ディテクターの出力信号に応答して自動的に制御することができる。
【0010】
室および電極アセンブリは、(a)前記AC周波数における第1電場線が第1電極と第2電極および第3電極の少なくとも一方との間に存在し(b)前記AC周波数における第2電場線が第2電極と第3電極との間に存在するように構成される。室、電極アセンブリ、および回路は、回路がDCバイアス電圧の指示に応答して第1および/または第2電場線に作用するように構成される。
【0011】
第1アセンブリは、第1電極を少なくとも実質的に囲む第4電極をも含むことが好ましい。第4電極は第1、第2、および第3電極と同軸状であり、それぞれは円形の周囲を有する。第1電極および第4電極はほぼ同一平面上にある。室および電極アセンブリは、前記AC周波数における第3電場線が第1電極と第4電極との間に存在するように構成される。室、電極アセンブリ、および回路は、回路がDCバイアス電圧の指示に応答して第3電場線に作用するように構成される。
【0012】
回路は、電極の1つに接続された可変インピーダンスを含むことが好ましい。可変インピーダンスは、DCバイアス電圧の指示に応答して制御される値を有するように構成される。好ましくは、可変インピーダンスは、第2電極と基準電位との間に接続され、受動素子からなる第1分枝に含まれた第1直列同調回路の第1リアクタンス、および/または、第1電極と基準電位との間に接続され、受動素子からなる第2分枝に含まれた第2直列同調回路の第2リアクタンスである。
【0013】
本発明の他の態様は、AC電気エネルギーを室内のガスに結合する第1電極アセンブリと、室内のガスに電気的に結合された第2電極アセンブリとを含む真空プラズマプロセッサ室において、ワークピースを加工する方法に関する。第1電極アセンブリは第1電極を含み、第2電極アセンブリは互いに間隔をおいて位置する第2電極および第3電極を含む。方法は、十分な電力を有するAC電気エネルギーを電極の少なくとも1つに供給することによって室内のガスをプラズマに励起することを備える。電極の少なくとも1つを介してガスに供給されたACエネルギーにより、(a)供給されたAC電気エネルギーの周波数におけるプラズマ励起AC電場を第1電極アセンブリと第2電極アセンブリとの間に存在させ(b)DCバイアス電圧を室内のガスがプラズマに励起されるのに応答して電極の少なくとも1つに発生させる。プラズマ励起AC電場は、DCバイアス電圧の指示に応答して制御される。
【0014】
好ましくは、(a)前記AC周波数における第1電場線を第1電極と第2電極および第3電極の少なくとも一方との間に存在させ(b)前記AC周波数における第2電場線を第2電極と第3電極との間に存在させる。第1電場線および/または第2電場線は、DCバイアス電圧の指示に基づいて作用される。
【0015】
第1アセンブリは第4電極をも含むことが好ましく、前記周波数における第3電場線は第1電極と第4電極との間に存在する。第3電場線は、DCバイアス電圧の指示に基づいて作用される。
【0016】
本発明の他の態様は、ワークピースを加工するための真空プラズマ室を備える真空プラズマプロセッサに関する。室は、室内のガスと電気的に結合するためのリアクタンスに関連付けられる。室は、室内のガスと電気的に結合するように構成された第1電極を有する電極アセンブリを含む。リアクタンスに接続されたAC電源構成は、室内のガスをプラズマに励起するのに十分な電力を有する。室、リアクタンス、および電極アセンブリは、(a)AC電源構成の周波数におけるプラズマ励起AC電場がリアクタンスと電極アセンブリとの間に存在し(b)DCバイアス電圧が室内のガスがプラズマに励起されるのに応答して電極アセンブリの電極に発生するように構成される。プラズマ励起AC電場を制御するための回路は、電極アセンブリの電極に接続された可変インピーダンスを含む。可変インピーダンスは、DCバイアス電圧の指示の結果として制御される値を有する。可変インピーダンスは、DCバイアス電圧の指示に応答して手動で制御することができ、または、ディテクターの出力信号に応答して自動的に制御することができる。
【0017】
本発明の他の態様は、AC電気エネルギーを室内のガスに結合するリアクタンスに関連付けられ、電極を含む室を含む真空プラズマプロセッサに関する。回路は、電極と基準電位との間に接続される。方法は、十分な電力を有するAC電気エネルギーをリアクタンスに供給することによって、室内のガスをプラズマに励起することを備える。リアクタンスを介してガスに供給されたACエネルギーにより、(a)供給されたAC電気エネルギーの周波数におけるプラズマ励起AC電場をリアクタンスと電極との間に存在させ(b)DCバイアス電圧を室内のガスがプラズマに励起されるのに応答して電極に発生させる。回路のインピーダンスは、DCバイアス電圧の指示に応答して変化する。
【0018】
我々は、本出願と共通譲渡のMacGearailtの米国特許第6677711号を認識している。MacGearailtの特許は、一方がワークピースを所持する1対の電極を有する室を含む真空プラズマプロセッサを開示している。電極の一方は、受動素子からなる回路によってグランドに接続される。他の電極は、室内のガスをプラズマに励起するためのRF源に接続される。受動回路は、電極とグランドとの間のRF電圧および電極とグランドとの間の接続を流れるRF電流それぞれのレプリカである第1信号および第2信号を導出する電圧プローブに応答する値を有する可変インピーダンスを含む。可変RFインピーダンスは、電極とグランドとの間において一定で有限の非ゼロRF電圧を維持するために、プローブによって検出RF電流および電圧の関数に応答して調節される。
【0019】
可変インピーダンスは4つの別々の分枝を含み、それぞれ、電極をグランドに直接接続するためのスイッチコンタクト、可変インダクタ、可変キャパシタ、および可変抵抗を含む。可変インダクタ、可変キャパシタ、および可変抵抗は、プローブによって導出された電極とグランドとの間のRF電圧、およびその間を流れるRF電流を表す信号に応答して制御される値を有する。可変インダクタ、可変キャパシタ、および可変抵抗は、平行対において接続することができ、すべての3つのインピーダンス要素は電極とグランドとの間において平行に接続することができる。
【0020】
当初、スイッチは、可変インピーダンスが短絡されるように設定される。メモリは、電極とグランドとの間の接続に関連付けられたRFパラメータについて望ましい設定点値を記憶する。可変インピーダンスのスイッチが閉じられる結果として、可変インピーダンスが短絡されるとき、プロセッサがプローブが導出するRF電圧および電流の複製に応答する。プロセッサは、可変インピーダンスが短絡されている間、プローブが導出する電圧複製の大きさおよび電圧と電流との複製間の位相角度に基づいて、電極とグランドとの間の初期複素電圧を計算する。プロセッサは、初期の電圧および電流から、初期位相角度がゼロであるか、または電極とグランドとの間の電圧が電流に先行しているか、もしくは電流が電圧に先行しているかを判定する。プロセッサが位相角度判定を実施した後、プロセッサはスイッチを開くことによって可変インピーダンスの短絡を取り除く。プロセッサは、電極とグランドとの間の望ましいRF電圧を達成することが可能であるように、または電極からグランドに流れる望ましい電流を達成することが可能であるように、可変インダクタ、可変キャパシタ、および/または可変抵抗の接続ならびに値を制御する。
【0021】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点は、特に添付の図面と関連して取入れられるとき、特定の実施形態の以下の詳細な記述を考慮する際に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】本発明の好ましい実施形態を含む真空プラズマプロセッサの好ましい実施形態の部分ブロックおよび部分電気概略図である。
【図1B】本発明の好ましい実施形態を含む真空プラズマプロセッサの好ましい実施形態の部分ブロックおよび部分電気概略図である。
【図2】一構成による、図1に示された装置の一部の回路図である。
【図3】第2構成による、図1に示された装置の一部の回路図である。
【図4】図1に示された装置の他の部分の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、縦軸11(すなわち中心線)を有するプラズマプロセッサ真空室10が、導電性金属壁12、底部電極アセンブリ13、および上部電極アセンブリ14を含むとして示されている図面の図1を参照する。壁12は、軸11と同軸状の円形内部周囲を有する。壁12は接地され、すなわち、DCおよびRF基準電位にある。真空ポンプ9が、加工中、0.001から500トールの大きさの真空において室10の内部を維持する。室10の内部は、底部電極アセンブリ13の上面に近い底部境界と、上部電極アセンブリ14の底面に近い上部境界との間に閉込めプラズマ領域8を含む。閉込めプラズマ領域8の側方境界は、壁12から間隔をおいて位置する。
【0024】
底部電極アセンブリ13は、底部電極としばしば呼ばれ、軸11と同軸状であり、電気絶縁性リング17に固定され、このリングは室10の金属の接地されたベース19に固定される。電極アセンブリ13は円形の中央金属電極16を含み、この電極は軸11と同軸状であり、金属電極16の直径にほぼ等しい直径を有する通常は半導体ウエハである円形ワークピース18を受けるための上面を有する。ワークピース18が適所にあるとき、その中心は軸11と一致する。電極16は、静電力を使用してワークピース18を電極16にクランプするために、DCチャッキング電圧源(図示せず)に接続することができる。電極16およびワークピース18の温度は、コントローラ24が(1)設定点源25によって示されたコントローラに供給された温度設定点、および(2)電極16に埋め込まれている温度モニタ26によって導出された信号によって示される電極の温度測定値に応答して導出する電気信号に基づいて導管21およびバルブ22を介して電極16の領域(図示せず)にヘリウム源20を接続する既知の方式で制御される。
【0025】
底部電極アセンブリ13は、通常は石英で作成される電気絶縁体リング28をも含む。リング28は絶縁体リング17の上面に固定され、軸11と同軸状であり、ワークピース18の直径とほぼ等しい内径を有し、ワークピース18の周囲はワークピースが適所にあるときリング28の内周にほぼ隣接する。リング28の外側のリング17の上面部分およびリング17の側壁は、それぞれ、絶縁体リング33および接地された金属リング32によって覆われる。絶縁リング33には、誘電体材料または導電性材料の層(図示せず)で覆う、またはコーティングすることができる金属電極リング34が重なる。導電性リング34、およびそれを覆う、またはコーティングする層は、領域8のプラズマの化学的性質を損なわない材料で作成される。そのような材料は、真性シリコンなど、適切な比較的高い導電性の半導体である。代替として、リング34は、適切な損なわない材料によって覆われた金属である。リング34は、リング34が接地されるように、金属ストラップ(図示せず)によって接地リング32に電気的に接続される。リング33および34は、軸11と同軸状であり、底部電極アセンブリ13の外縁とリング28との間において水平に延びる。リング34は、ワークピースに入るプラズマの的確なイオンエネルギーを有するのを補助するために、電極16の領域と等しいか、またはそれ以上の領域を領域8に面して有することが好ましい。
【0026】
上部電極アセンブリ14は、軸11と同軸状であり、かつ領域8のプラズマの化学的性質を損なわない導電性真性シリコンで作成された底面36aを有する中央電極36を含む。電極36は内部通路(図示せず)および多くのシャワーヘッド開口(図示せず)を含み、両方とも、ワークピース18を加工するプラズマにガスが変換される領域8の中へシャワーヘッド開口を通って流れるプロセスガスの適切な源37と流体流れ関係において接続される。電極36は、加熱および/または冷却構成45を含み、この構成は、設定点源25によってコントローラに供給された設定点信号に応答して、コントローラ24がリード35を介して構成45に供給する電気信号、ならびにアセンブリ14に埋め込まれている温度ゲージ39によって導出される電極36の温度を表す信号に応答する。
【0027】
アセンブリ14は、絶縁体リング38および金属リング40をも含む。リング38は、軸11と同軸状であり、好ましくは石英で作成され、リング28とほぼ位置合わせされる。リング38は、中央電極36の外周に隣接する内周を有する。金属リング40は、軸11と同軸状であり、絶縁体リング38の外周および側壁12の内周とそれぞれ隣接する内周および外周を有し、リング40はRFおよびDC接地電位にある。金属リング40の下方内面は、導電性電極リング42を所持する電気絶縁性リング41によって覆われる。電極リング42は、領域8のプラズマの化学的性質を損なわない導電性または絶縁性の材料の層(図示せず)でコーティングされる、または覆われる。リング42は、リング42が接地されるように、金属ストラップ(図示せず)によってリング40および壁12に電気的に接続される。リング42の領域が電極36の領域と同じであるか、またはそれより大きくなるように、領域8に面する電極16および35の領域は同じであり、接地されたリング34および42の領域は同じであることが好ましい。電極16および36、ならびにリング34および42は、軸11と同軸状である。
【0028】
以上から、閉込めプラズマ領域8は、(1)電極36の底面36a、(2)絶縁体リング38の底面、および(3)電極リング42の底面によって決定された上部境界と、(1)ワークピース18の上面(ワークピースが適所にあるとき)、(2)絶縁体リング28の上面、および(3)電極リング34の上面によって決定された底部境界とを有する。モータ43は、上部電極アセンブリ14の底面を底部電極アセンブリ13の上面に対して上下に移動させることによって、領域8の上部境界と底部境界との間の間隔を制御する。モータ43は、ワークピース18を加工するプラズマを励起する特定の周波数について実験的に決定された最適値において電極アセンブリ13と14の面間の間隔を設定するためにコントローラ24からの信号に応答する。
【0029】
閉込めプラズマ領域8の側面は、領域8のプラズマの化学的性質を損なわない材料で作成され間隔をおいて垂直に積み重ねられたルーバー44によって境界を画定される。ルーバー44は、ルーバーが電気的に給電される、または電気により浮遊する、あるいは電気的に接地されるように、電気絶縁性(好ましくは石英などの誘電体)、またはいくらか導電性(たとえば、シリコンカーバイド)の材料で作成される。ルーバー44は、大量のプラズマがルーバー44間のスロットを通って流れないようなものである。しかし、領域8の非イオン化ガスは、ルーバー44間のスロットを通って壁12とリング32との間の室10の領域46に逃げ、ベース19の適切な開口を経てポンプ9によって室10の内部からポンピングされる。
【0030】
ルーバー44は、閉込めプラズマ領域8の圧力を制御するために、適切な間隔構成(図示せず)によって垂直方向において互いから間隔をおいて固定して配置され、モータ47によって互いにおよび底部アセンブリ13に対して上下に駆動される。領域8の圧力は、設定点源25がコントローラ24に供給する圧力設定点、および領域8の圧力ゲージ48の出力信号によって制御される。コントローラ24はモータ47を制御し、最低ルーバー44の底面と電極アセンブリ13の上面との間の間隔を変化させるために、圧力設定点および圧力ゲージ48の出力信号に応答する。その結果、領域8の圧力は、圧力設定点に維持される。ルーバー44は、ルーバーがモータ43の作動に応答して移動せず、閉込めプラズマ領域8の圧力が電極アセンブリ13と14との間の間隔とは関係なく制御されるように構成される。
【0031】
いくつかのRF源が、電極14を介していくつかの異なる周波数を領域8に供給する。具体的には、固定または可変周波数とすることができるRF源50.1…50.i…50.Nはそれぞれ、整合ネットワーク52.1…52.i…52.Nに供給されるプラズマ励起電力を導出する。iが1からNまで単調に増加するように、Nは2より大きい整数、iは1からNの連続する各整数である(以下の記述では、源50.2および50.(N−1)、ならびにそれらに関連付けられた回路を参照することがある。源50.2は、源50.1の次の最高周波数を有し、源50.(N−1)は、源50.Nの次の最低周波数を有するが、図面はそのような源および関係する回路を含んでいないことを理解されたい)。コンバイナ回路53が、出力電力整合ネットワーク52.1…52.Nを組合せ、組み合わされた電力をリード58を介して電極14に供給する。
【0032】
kのRF源50.p…50.Nは、それぞれ、kの整合ネットワーク55.p…55.Nに接続される。kはNより小さく、pは1を含む整数である。pが1より大きい整数である場合、pはその最小値からNまで単調に増加する。整合ネットワーク55.p…55.Nは、電力をコンバイナ回路57に供給し、コンバイナ回路57は、ネットワーク55.p…55.Nからの出力電力をリード60を介して電極36に供給する(多くの場合、最高周波数を有する源50.Nのみが電力を電極36に供給する。そのような場合、コンバイナ回路57は排除される)。
【0033】
通常、単一源からの電力は、電極14および36の両方に供給されない。源50.P…50.Nから電極14および36に互いに排他的に電力を供給するために、スイッチ行列59が、源50.p…50.Nと整合ネットワーク52.p…50.Nおよび整合ネットワーク55.p…55.Nとの間に接続される。スイッチ行列59は、源50.p…50.N、整合ネットワーク52.p…52.N、および整合ネットワーク55.p…55.Nにそれぞれ関連付けられた2つの位置共軸スイッチ59.p…59.Nを含む。第1位置において、行列59の共軸スイッチ59.qは、源50.qから整合ネットワーク52.qに電力を供給し、第2位置において、共軸スイッチ59.qは、源50.qから整合ネットワーク55.2に電力を供給する。qは、p…Nのいずれか1つである。
【0034】
整合ネットワーク52.1…52.i…52.Nおよび55.p…55.Nのそれぞれは、少なくとも1つの可変リアクタンスを含む。RF源が固定周波数を有する場合、整合ネットワークは、2つの可変リアクタンスを含む。RF源が可変周波数を有する場合、整合ネットワークのそれぞれは、単一の可変リアクタンスを有する。
【0035】
コントローラ24は、整合ネットワーク52.1…52.Nおよび整合ネットワーク55.p…55.Nの可変リアクタンスの値、ならびに源50.1…50.Nのそれぞれの出力電力の値を制御する。可変周波数の実施形態では、(1)源50.1…50.Nのそれぞれは、組込み公称中心周波数と、特定の源の出力インピーダンス間の不整合の程度を検出するための回路、および整合を達成するために特定の源の周波数を制御するための回路とを有し、(2)コントローラ24は、ワークピース18を加工するレシピに基づいて、整合ネットワーク52.1…52.Nおよびネットワーク55.p…55.Nの可変リアクタンスの値を開ループ方式で設定する。
【0036】
固定周波数の実施形態では、整合ネットワーク52.1…52.Nおよびネットワーク55.p…55.Nのそれぞれは、特定の整合ネットワークに関連付けられた源に反映されるように、RF電圧、電流、およびそれらの間の位相角度を特定の源の周波数において検出するためのセンサ回路(図1では示さず)に接続される。コントローラ24は、当業者には周知の方式で各整合ネットワークの可変シャントおよび直列キャパシタを制御するために、検出された電圧、電流、および位相角度に応答し、出力端子においてRF源のそれぞれによって認識されるインピーダンスは、源の周波数において、源のそれぞれの出力インピーダンスにほぼ等しい。
【0037】
整合条件下において、整合ネットワーク52.1…52.i…52.Nのインピーダンスは、整合ネットワークが源50.1…50.i…50.Nの周波数にそれぞれ同調され、一方、整合ネットワーク55.p…55.Nは、源50.P…50.Nの周波数にそれぞれ同調されるようなものである。整合ネットワークは、また、特定の整合ネットワークを直接は駆動しないRF源の電力について大きな減衰を導入するように構成される。整合ネットワーク52.1…52.i…52.Nおよび55.p…55.Nのそれぞれは、RF源の周波数について少なくとも26DBの電力減衰を導入するが、整合ネットワークを直接駆動する特定のRF源の周波数は除く。特定の整合ネットワークを直接駆動しない周波数について少なくとも26DBの電力減衰を導入することによって、特定の整合ネットワークを駆動するRF源は、特定のRF源の出力端子に後方結合された他の源からの電力によって悪影響を受けない。たとえば、整合ネットワーク52.1は、RF源50.2…50.i…50.Nのそれぞれの出力電力について少なくとも26DBの電力減衰を導入するので、RF源50.2…50.Nからの電力は、RF源50.1の動作に悪影響を与えない。
【0038】
整合ネットワーク52.r…52.N(rはpからNの任意の整数である)の出力電力が電極36に結合されるように、スイッチ行列59が作動されるとき、電極16に供給され、かつプラズマによって電極36に結合される源50.1…50.(r−1)の周波数における電力は、閉鎖スイッチ68によってローパスフィルタ66をグランドに接続することによって、電極36から整合ネットワーク50.1…50.(r−1)に後方結合されるのが防止される。フィルタ66が、源50.(r−1)と50.rの周波数との間のカットオフ周波数を有し、源50.1…50.(r−1)からの電力は、フィルタ66によってグランドに結合され、したがって、整合ネットワーク52.1…52.(N−1)の出力端子からデカップリングされ、一方、源50.r…50.Nからの電力は、それぞれ整合ネットワーク52.r…52.Nを介して電極36に結合される。反対に、スイッチ68は、源50.Nからの電力を整合ネットワーク52.Nを介して電極16に結合するスイッチ55.Nに応答して開かれる。コントローラ24は、電極16および36に結合される源の関数として、フィルタ66のカットオフ周波数を変化させる。したがって、源50.1…50.sからの電力が電極16に結合され、源50.(s+1)…50.Nからの電力が電極36に結合されるように、スイッチ行列59が作動される場合、コントローラ24により、フィルタ66のカットオフ周波数は、源50.sと50.(s+1)の周波数との間にある。
【0039】
底部アセンブリ13と上部アセンブリ14の電極間の電場に対する制御、したがって、ワークピース18に入るプラズマに対する制御は、とりわけ、DCバイアスディテクター70および71で電極16および36のDCバイアス電圧を検出することによって提供される。ディテクター70および71は、それぞれ、DC回路において電極16および36に接続され、それぞれ、電極アセンブリ13および14によって領域8のプラズマに結合されたRF電場に応答して、電極16および36に対して誘導されるDCバイアス電圧をそれぞれ検出する。
【0040】
ディテクター70および71は、それぞれ、電極16および36のDCバイアス電圧を表す信号をコントローラ24に供給する。コントローラ24は、それぞれ、接地回路72および73の可変インピーダンスを制御するために、DCバイアスディテクター70および71が導出する信号に応答する。接地回路72および73のそれぞれは、接地回路が接続される電極と対向する電極を駆動するRF源の1つの周波数に公証的にはほぼ等しい共振周波数を有する別の直列共振回路を含む。たとえば、源50.Nが電極36を駆動する場合、電極16に接続された接地ネットワーク70の公称共振周波数は、源50.Nの周波数に等しい。コントローラ24は、接地回路72および73のそれぞれにおいて直接共振回路の可変リアクタンス(インダクタンスまたはキャパシタ)を制御するために、(1)ディテクター70および71が導出するDCバイアス電圧の指示、および(2)DCバイアス電圧の設定点に応答する。アセンブリ13と14の電極間の電場線の強度および形状、ならびにワークピース18に入るプラズマの特性は制御される。具体的には、電極16と36、電極16と42、および電極16と34との間の電場線は、ディテクター70および71が感知するDCバイアス電圧、およびこれらのDCバイアス電圧のDCバイアス電圧設定点に応答して制御される。
【0041】
特定のRF源から導出されない周波数の望ましい減衰程度を提供するのを補助するために、RF源50.2…50.Nの出力端子は、それぞれ、シャントインダクタ80.2…80.Nに接続される。インダクタ80.2…80.Nは、ローパスフィルタとして機能し、インダクタ80.2…80.Nのそれぞれは、電力が最低周波数RF源50.1からグランドに分路される。したがって、整合ネットワーク52.2…52.Nを経て結合される源50.1からのあらゆる電力は、それぞれ、RF源50.2…50.Nに作用するのが防止される。同様に、インダクタ80.3…80.Nは、RF源50.1および50.2からの電力をグランドに結合し、RF源50.3…50.Nの出力端子が、それらに結合されている源50.1および50.2からの電力を有するのを防止する。
【0042】
通常の真空プラズマ加工室では、著しい量の分散キャパシタが底部アセンブリ13の電極16とグランドとの間に存在する。電極16とグランドとの間の分散キャパシタは、最低周波数を有する源50.1…50.tの出力インピーダンスを整合させることに対して悪影響を有することが判明している。グランドと整合ネットワーク52.1…52.tの出力との間において分路されて接続されている直列共振回路82.1、82.tは、源に反映されたインピーダンスに源50.1…50.tの出力端子を整合させるのを補助する。直列共振回路82.1…82.tは、それぞれ、固定インダクタ84.1…84.tおよび固定キャパシタ86.1…86.tを含む。回路82.uは、RF源50.uと50.(u+1)の周波数間の共振周波数を有する。一例では、RF源50.1および50.2は、2.0MHzおよび27MHzの周波数を有する。整合ネットワーク52.1および52.2の出力電力に悪影響を与えずに、適切なインピーダンス整合を達成するために、インダクタ84.1およびキャパシタ86.1は、以上の例において約5.0MHzの周波数において共振するような値を有する。インダクタ84.1…84.uの品質ファクタ(Q)は、分路共振回路82.1…82.uが、整合ネットワーク52.1…52.tがそれぞれ電極16に供給する電力の大きな減衰を生じないように十分高い。
【0043】
源50.Nが整合ネットワーク52.Nを介して電力を電極36に供給するように、スイッチ行列59が作動されるとき、電極36に入る源50.1…50.(N−1)の周波数における電力は、閉鎖スイッチ68によってローパスフィルタ66をグランドに接続することによって、コンバイナ回路56および整合ネットワーク50.1…50.Nに後方結合されることが防止される。フィルタ66は、源50.(N−1)と50.Nの周波数との間のカットオフ周波数を有し、回路56からデカップリングされ、一方、源50.Nからの電力は、回路56から電極36に結合される。スイッチ68は、スイッチ59.Nと一まとめにされ、スイッチ68は、源50.Nからの電力を整合ネットワーク52.Nに結合するスイッチ59.Nに応答して開回路となる。反対に、スイッチ68は、源50.Nからの電力を整合ネットワーク55.Nに結合するスイッチ59.Nに応答して閉じられる。
【0044】
ここで、電極16または電極16および36に電力を供給するための特定の回路の部分ブロックおよび部分電気外略図である図面の図2を参照する。図2の回路では、N=3であり、2MHz、27MHz、および60MHzの中心周波数をそれぞれ有する3つの可変周波数RF源91、92、および93が存在する。源91、92、および93は、その中心周波数から約±5%だけ周波数を変化させるための回路を含む。源91、92、および93は、源の出力インピーダンスと、源が駆動するインピーダンスとの間のインピーダンス不整合を感知することによって、源の周波数を制御する。源91および92の出力電力は、それぞれ、直接接続を介して整合ネットワーク101および102に加えられる。源93の出力電力は、共軸状スイッチ105によって整合ネットワーク103または104に選択的に供給される。コンバイナ回路118が、整合ネットワーク101、102、および103の出力端子における電力を組合せ、組み合わされた電力をリード58を介して電極16に供給し、電極16は、源93からの電力を整合ネットワーク103に供給するようにスイッチ105を作動させるコントローラ24に応答して、源力源91、92、および93によって駆動される。これらの条件下において、源91、92、および93、ならびに整合ネットワーク101、102、および103は、電力を電極36に直接供給しない。源93からの電力が、ネットワーク103を除いて整合ネットワーク104に供給されるようにスイッチ105を作動させるコントローラ24に応答して、電極36は、ネットワーク104を介して源93からの電力によって駆動され、一方、源91および92は、それぞれ、ネットワーク101および102ならびにコンバイナ118を介して電極16を駆動する。
【0045】
整合ネットワーク101、102、103、および104は、それぞれ、源91、92、93、および93の周波数においてリード106、107、108、および109に電力を供給する。以上に基づいて、源91、92、および93の周波数におけるリード106、107、および108のそれぞれに対する電力は、第1シナリオでは電極16のみに供給される。代替として、第2シナリオでは、リード106および107に対する電力は、電極16に供給され、リード109に対する電力は、電極36に供給される。
【0046】
コントローラ24は、メモリ(図示せず)に記憶されている信号に応答する。記憶されている信号は、開ループ方式において整合ネットワーク101、102、および103の可変シャントキャパシタを制御するために、ワークピース18の望ましい特性に依拠する。
【0047】
特定の整合ネットワークを駆動するエネルギーと同じ周波数にはないエネルギーの26DB電力減衰を達成するために、整合ネットワーク101、102、103、および104のそれぞれは、可変シャントキャパシタ、固定直列キャパシタ、および固定インダクタを含む。整合ネットワーク101は、固定直列キャパシタ122と固定インダクタ126との間に接続される可変シャントキャパシタ124を含む。整合ネットワーク102は、可変シャントキャパシタ128と固定直接インダクタ132との間に接続される固定直列キャパシタ130を含む。整合ネットワーク103は、可変シャントキャパシタ134、固定直列キャパシタ136、および直列インダクタ138によって図2に示される分散インダクタンスの形態にある固定既知量の直列インダクタンスを含む。整合ネットワーク104は、可変シャントキャパシタ135、固定直列キャパシタ137、および直列インダクタ139によって図2において示される分散インダクタンスの形態にある固定既知量の直列インダクタンスを含む。
【0048】
コントローラ24は、可変シャントキャパシタ124、128、および134の値を制御するために、記憶されているレシピ決定信号に応答する。DCモータ(図示せず)が、通常、キャパシタ124、128、134、および135の値を変化させるために使用される、または、可変キャパシタのそれぞれが、スイッチによって回路において接続される多くの固定値を有することができることを理解されたい。コントローラ24は、源91、92、93のインピーダンス整合を達成するのを補助するために、キャパシタ124、128、134、および135の値をそれぞれ変化させる。
【0049】
キャパシタ122、130、136、および137の通常値は、それぞれ、600ピコファラド、110ピコファラド、および40ピコファラド、ならびに100ピコファラドである。固定インダクタ126の通常値は、15〜20マイクロヘンリーの範囲にあり、一方、インダクタ132の通常値は、50〜100ナノヘンリーの範囲にあり、インダクタ138および139によって示されるように、整合ネットワーク103および104のそれぞれの通常の分散インダクタンスは、50ナノヘンリーより小さい。インダクタ126および132を可変インダクタとしないと必要な整合効果を達成することができない場合、インダクタ126および132は可変インダクタとすることができることを理解されたい。可変シャントキャパシタ124の通常値は、300〜600ピコファラドの範囲にあり、可変シャントキャパシタ128の通常値は、50〜1000ピコファラドの範囲にあり、可変シャントキャパシタ134の通常値は、20〜330ピコファラドの範囲にあり、可変シャントキャパシタ135の通常値は、20〜300ピコファラドの範囲にある。整合ネットワーク101、102、103、および104の構成要素の以上の値により、整合ネットワークは、特定の整合ネットワークを駆動する源に望ましくない周波数が後方結合されるのを防止するために、望ましい電力減衰を提供することが可能になる。さらに、以上の値により、整合ネットワーク101、102、103、および104のそれぞれは、源91、92、および93の周波数にそれぞれほぼ同調される(すなわち、共振する)ことが可能になる。したがって、整合ネットワーク101、102、103、および104は、それぞれ、源91、92、93、および93の周波数について低いインピーダンスを有する。しかし、整合ネットワーク101は、源92および93の周波数について少なくとも26DBの電力減衰を挿入し、整合ネットワーク102は、源91および93の周波数について少なくとも26DBの電力減衰を挿入し、整合ネットワーク103および104のそれぞれは、源91および92の周波数について少なくとも26DBの電力減衰を挿入する。
【0050】
低周波数源91の比較的高い電力が源92および93の出力端子に後方結合されるのを防止するために、シャントインダクタ140および142が、それぞれ源92および93の出力端子の両端に接続される。インダクタ140および142は、源92および93の周波数に対して高いインピーダンスを有するが、源91の周波数に対して低いインピーダンスを有する。したがって、整合ネットワーク102、103、および104を経て源92、93、および93に向かって結合することが可能である源91からのあらゆる電力が、シャントインダクタ140および142によってこれらの源に到達するのが防止される。シャントインダクタ140および142は、源92および93の周波数において高いインピーダンスを有するので、源92および93からの電力は、事実上、それぞれインダクタ140および142を経てグランドに結合されない。
【0051】
底部電極16は、グランドに対して大きな寄生キャパシタンス、すなわち分散キャパシタンスを有する。源91と電極16のインピーダンスとの間のインピーダンス整合を提供するのを補助するために、直列共振回路144が、リード104とグランドとの間に接続される。回路144は、直列接続されたインダクタ146とキャパシタ148を含む。回路144は、約5MHzの共振周波数、すなわち、源91の周波数より約1オクターブ高く、源92の周波数より約2オクターブ半低い共振周波数を有する。インダクタ146は、比較的高いQを有し、直列共振回路144は、比較的狭い帯域幅を有し、源91または源92からグランドに著しい電力を分路しない。
【0052】
図2の回路の全体的な作用は、電極16または電極16および36を駆動する源91、92、および93について望ましい低いインピーダンスを提供し、一方、源91、92、および93に対する損傷を防止し、かつ望ましいインピーダンス整合を達成するために、十分な減衰を導入することである。
【0053】
ここで、電極16および36を駆動するための回路のブロック図である図面の図3を参照する。源91、92、および93は、それぞれ、2MHz、27MHz、および60MHzの固定周波数を有し、インピーダンス整合が、固定キャパシタ122、130、および136を可変キャパシタに変更することによって達成される。図3の回路は、センサ111、112、および113を含み、それぞれ、源91、92、および93の出力端子に直接接続される。センサ111、112、および113は、それぞれ、源91、92、および93に反映される電圧および電流の大きさ(特定の源を直接駆動する特定の源の周波数における)、ならびに反映された電圧と電流との間の位相角度を検出する。コントローラ24は、望ましいインピーダンス整合を達成するために、可変直列キャパシタ122、130、136、および137の値を制御するように、ディテクター111、112、および113からの信号に応答する。望ましいインピーダンス整合を達成するために、キャパシタ122は、通常、50〜1000ピコファラドの範囲の値を有し、キャパシタ130は、通常、50〜1000ピコファラドの範囲の値を有し、キャパシタ136および137のそれぞれは、通常、20〜330ピコファラドの範囲の値を有する。モータ(図示せず)が、キャパシタ122、130、136、および137の値を変化させるために、コントローラ24からの信号に応答する。キャパシタ122、130、136、および137について述べられた値の範囲により、インピーダンス整合を達成するのが可能になる。さらに、整合ネットワーク101、102、103、および104は、それぞれ、源91、92、93、および93の周波数にほぼ等しい共振周波数を有する。整合ネットワーク101、102、103、および104は、整合ネットワークを直接駆動しない周波数について望ましい減衰をも提供する。
【0054】
ここで、ルーバー44を含む真空プラズマ加工室10において電極16、34、36、および42間の電場線を制御するための回路の概略図である図面の図4を参照する。図4の回路は、図2または図3の源によって駆動される。図4に概略的に示されるように、電極16および36は、中央電極であり、電極16は、ワークピースを所持するように配置される。電極16および36は、互いに同軸状であり、室10において中央に配置され、一方、電極34は、リングとして形成され、電極16の周囲を囲み、電極16から間隔をおいて配置される。電極16および34の上面は、同一平面上にある。電極36は、電極16の直径より約3分の1大きい直径を有し、リング電極42によって囲まれ、リング電極42から間隔をおいて配置される。電極34および42は接地される。電極36に関連付けられた大きな寄生キャパシタンスのために、特に源92の周波数について、電極36を接地するのは難しい。電極16に関連付けられた大きな寄生キャパシタンスのために、源93の周波数について電極16を接地するのは難しい。整合ネットワーク104を駆動するためにスイッチ105によって源93が接続される直接的な結果として、源93が電極36を駆動するとき、源93の周波数について電極16を接地することがしばしば望ましい。
【0055】
接地回路72は、DCバイアスディテクター70によってコントローラ24に結合された、電極16のDCバイアス電圧に応答する。接地回路72は、電極16、34、36、および42間の電場を60MHzにおいて制御するために、電極16のDCバイアス電圧によって制御される可変インピーダンスを含む。具体的には、回路72は、約60MHzを中心とする可変共振周波数を有する直列共振回路を有する。直列共振回路は、電極16とグランドとの間に接続される。
【0056】
接地回路73は、DCバイアス電圧71によってコントローラ24に結合された、電極36のDCバイアス電圧に応答する。接地回路73は、電極36、34、16、および42の間の電場を27MHzにおいて制御するために、電極16のDCバイアス電圧によって制御される可変インピーダンスを含む。具体的には、回路73は、約27MHzを中心とする可変共振周波数を有する直列共振回路を有する。直列共振回路は、電極36とグランドとの間に接続される。
【0057】
DCバイアスディテクター70は、通常は10メガオームおよび10キロオームの値をそれぞれ有する抵抗162および164を含めて、抵抗電圧分割器160を含む。抵抗162と164との間のタップ166が、キャパシタ168によってグランドに接続され、キャパシタ168は、タップ166における電圧が実質的なAC成分を含まず、領域8における閉込めプラズマの励起に応答して電極16において発生されたDCバイアス電圧の精確な指示であるように、通常、約1マイクロファラドの値を有する。タップ166におけるDC電圧は、コントローラ24に結合される。
【0058】
接地回路72は、電極16とグランドとの間に接続されたシャント回路170を含む。シャント回路170は、受動素子からなり、すべて互いに直列に接続されている固定インダクタ172、固定キャパシタ174、および可変キャパシタ176を含む。インダクタ172ならびにキャパシタ174および176の値は、回路170が源91および92の2MHzおよび27MHzの周波数について比較的固定されたインピーダンスを有するが、源93の60MHzの周波数の周波数について可変インピーダンスを有するようなものである。通常、キャパシタ174は、約100ピコファラドの値を有し、一方、キャパシタ176は、タップ166におけるDCバイアス電圧およびDCバイアス電圧の設定点値に応じて、20〜400ピコファラドの範囲の値を有する。コントローラ24は、DCバイアス電圧の設定点値を達成することを可能にするために、キャパシタ176の値を変化させるようにタップ166における電圧に応答する。コントローラ24は、キャパシタ176の値を変化させるために、モータ(図示せず)を駆動する。
【0059】
DCバイアス電圧の設定点値は、電極16、34、36、および42間の電場線についての望ましい関係によって決定される。60MHzにおける電場線が主に電極16と36との間にあることが望ましい場合、DCバイアス設定点は、回路170が60MHzに等しい共振周波数を有する直列共振回路であるようなものである。非常に低いインピーダンスが、電極16とグランドとの間に存在し、60MHzにおける電流のかなりのパーセンテージが、電極36から電極16に流れ、次いで回路170を経てグランドに流れ、強い60MHzの電場線が、電極36と16との間に存在する。これらの条件下において、比較的弱い60MHzの電場線が、電極16と42との間、および電極16と34との間に存在し、いくらかより強い60MHzの電場線が、電極36と34との間に存在する。しかし、電極36と42との間の60MHzの電場線が、電極36と16との間の電場線より強いことが望ましい場合、DCバイアス電圧の設定点は、回路170が源93の60MHzの周波数に共振するとき、回路170のインピーダンスと比較して、60MHzにおける回路170のインピーダンスが相対的に高くなるように、キャパシタ176が変化される値にある。キャパシタ176の値により、回路170が源93の60MHzの出力に対して高いインピーダンスを有するようにキャパシタ176が駆動されるのに応答して、電極36と電極34との間の電場線と同様であるが、電極36と16との間の電場線は比較的弱く、一方、電極36と電極34との間の電場線は比較的強い。
【0060】
DCバイアスディテクター71は、通常は10メガオームおよび10キロオームの値をそれぞれ有する抵抗163および165を含めて、抵抗電圧分割器161を含む。抵抗163と165との間のタップ167が、キャパシタ169によってグランドに接続され、キャパシタ169は、通常、タップ167における電圧が実質的なAC成分を含まず、領域8の閉込めプラズマの励起に応答して電極36において発生されたDCバイアス電圧の精確な指示であるように、約1マイクロファラドの値を有する。タップ167におけるDC電圧は、コントローラ24に結合される。
【0061】
接地回路73は、電極36とグランドとの間に接続されたシャント回路171を含む。シャント回路171は、受動素子からなり、すべて互いに直列に接続されている固定インダクタ173、固定キャパシタ175、および可変キャパシタ177を含む。インダクタ173、ならびにキャパシタ175および177の値は、回路171が、源91および93の2MHzおよび60MHzについて比較的固定されたインピーダンスを有するが、源92の27MHzの周波数について可変インピーダンスを有するようなものである。通常、キャパシタ175は、約120ピコファラドの値を有し、一方、キャパシタ177は、タップ167におけるDCバイアス電圧およびそのDCバイアス電圧の設定点値に応じて、50〜1000ピコファラドの範囲の値を有する。コントローラ24は、DCバイアス電圧の設定点を達成することを可能にするために、キャパシタ177の値を変化させるようにタップ167における電圧に応答する。コントローラ24は、キャパシタ167の値を変化させるために、モータ(図示せず)を駆動する。
【0062】
DCバイアス電圧の設定点値は、電極36、34、16、および42間の電場線についての望ましい関係によって決定される。27MHzにおける電場線が、電極36と16との間に主にあることが望ましい場合、DCバイアス設定点は、回路171が27MHzに等しい共振周波数を有する直列共振回路であるようなものである。非常に低いインピーダンスが、電極36とグランドとの間に存在し、27MHzにおける電流のかなりのパーセンテージが、電極16から電極36に流れ、次いで回路171を経てグランドに流れ、強い27MHzの電場線が、電極16と36との間に存在する。これらの条件下において、比較的弱い27MHzの電場線が、電極36と42との間、および電極36と34との間に存在し、いくらかより強い27MHzの電場線が、電極16と34との間に存在する。しかし、電極16と42の間の27MHzの電場線が電極16と36との間の電場線より強いことが望ましい場合、DCバイアス電圧の設定点は、回路171が源92の27MHzの周波数に共振するとき、回路171のインピーダンスと比較して、27MHzにおける回路171のインピーダンスが相対的に高くなるように、キャパシタ177が変化される値にある。キャパシタ177の値により、回路171が源92の27MHzの出力に対して高いインピーダンスを有するように、キャパシタ177が駆動されるのに応答して、電極16と34との間の電場線と同様であるが、電極16と36との間の電場線は比較的弱く、一方、電極16と34との間の電場線は、比較的強い。
【0063】
電極36に入る2MHzおよび27MHzのエネルギーをデカップリングし、一方、源92の60MHzの出力が電極36に結合されるように、スイッチおよびコンバイナ回路118が作動されるのをさらに補助するために、フィルタ66が、継電器68によって電極36と分路して接続される。図4に示されるように、フィルタ66は、高周波数源93の出力がリード60を介して電極36に結合されるように、回路118のスイッチを作動するのと同時にコントローラ24が作動させる電極36に接続されるインダクタ180を備える。インダクタ180は、60MHzエネルギーがグランドに結合されるのを防止するために、源93の60MHz周波数において十分に高い値および大きなインピーダンスを有する。しかし、インダクタ180の値は、電極36に入る2MHzおよび27MHzのエネルギーが回路118に後方結合されるのを防止するために、源91および92の2MHzおよび27MHzの周波数に対して比較的低いインピーダンスを呈示するようなものである。
【0064】
本発明の特定の実施形態が記述し図示したが、添付の請求項において画定される本発明の真の精神および範囲から逸脱せずに具体的に図示および記述された実施形態の詳細について変更を行うことが可能であることが明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空プラズマプロセッサであって、
室内のガスと電気的に結合されるように構成された第1電極アセンブリと、室内のガスと電気的に結合されるように構成された第2電極アセンブリとを含み、第1電極アセンブリが第1電極を含み、第2電極アセンブリが互いに間隔をおいて位置する第2電極および第3電極を含み、第1および第2電極アセンブリの一方が上部電極アセンブリで他方が底部電極アセンブリである、ワークピースを加工するための真空プラズマ室と、
第1、第2および第3電極の少なくとも1つに接続され、室内のガスをプラズマに励起するのに十分な電力を有するAC電源構成と、
DCバイアス電圧用のディテクターと、
プラズマ励起の第1電場および第2電場を制御するためにディテクターに応答するように接続された回路とを備え、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、(a)AC電源構成の周波数における第1および第2電場が第1電極と第2および第3電極との間に存在し(b)DCバイアス電圧が室内のガスがプラズマに励起されるのに応答して第1、第2および第3電極の少なくとも1つに発生するように構成され、
回路が、第1、第2および第3電極の1つに接続された可変インピーダンスを含み、可変インピーダンスが、DCバイアス電圧に応答して制御される値を有するように構成されている。
【請求項2】
請求項1の真空プラズマプロセッサにおいて、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、(a)AC電源構成の第1周波数における第1電場が第1電極と第2および第3電極の少なくとも一方との間に存在し(b)AC電源構成の第2周波数における第2電場が第2電極と第3電極との間に存在するように構成され、
回路が、DCバイアス電圧に応答して第1および第2電場に作用するように構成されている。
【請求項3】
請求項2の真空プラズマプロセッサにおいて、
第2電極が第3電極によって囲まれている。
【請求項4】
請求項3の真空プラズマプロセッサにおいて、
第2および第3電極がほぼ同一平面上にあり、第2および第3電極が第1電極が位置する平面とは異なる平面にある。
【請求項5】
請求項4の真空プラズマプロセッサにおいて、
第1、第2および第3電極が同軸状であり円形の周囲を有している。
【請求項6】
請求項2の真空プラズマプロセッサにおいて、
第1電極アセンブリが、第1電極を囲む第4電極を含み、
第4電極が、第1、第2および第3電極と同軸状であり円形の周囲を有し第1電極とほぼ同一平面上にあり、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、AC電源構成の第3周波数における第3電場が第1電極と第4電極との間に存在するように構成され、
回路が、DCバイアス電圧に応答して第3電場に作用するように構成されている。
【請求項7】
請求項1の真空プラズマプロセッサにおいて、
回路が、第1電極のDCバイアス電圧に応答して第1電場に作用するように構成されている。
【請求項8】
請求項7の真空プラズマプロセッサにおいて、
回路が、第2電極のDCバイアス電圧に応答して第2電場に作用するように構成されている。
【請求項9】
請求項1の真空プラズマプロセッサにおいて、
回路が、第2電極のDCバイアス電圧に応答して第2電場に作用するように構成されている。
【請求項10】
請求項2の真空プラズマプロセッサにおいて、
回路が、第1電極のDCバイアス電圧に応答して第1電場に作用するように構成されている。
【請求項11】
請求項10の真空プラズマプロセッサにおいて、
回路が、第2電極のDCバイアス電圧に応答して第2電場に作用するように構成されている。
【請求項12】
請求項10の真空プラズマプロセッサにおいて、
第1電極アセンブリが、第1電極を囲む第4電極を含み、
第4電極が、第1、第2および第3電極と同軸状であり円形の周囲を有し第1電極とほぼ同一平面上にあり、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、AC電源構成の第3周波数における第3電場が第1電極と第4電極との間に存在するように構成され、
回路が、DCバイアス電圧に応答して第3電場に作用するように構成されている。
【請求項13】
請求項2の真空プラズマプロセッサにおいて、
回路が、第2電極のDCバイアス電圧に応答して第2電場に作用するように構成されている。
【請求項14】
請求項13の真空プラズマプロセッサにおいて、
第1電極アセンブリが、第1電極を囲む第4電極を含み、
第4電極が、第1、第2および第3電極と同軸状であり円形の周囲を有し第1電極とほぼ同一平面上にあり、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、AC電源構成の第3周波数における第3電場が第1電極と第4電極との間に存在するように構成され、
回路が、DCバイアス電圧に応答して第3電場に作用するように構成されている。
【請求項15】
請求項2に記載の真空プラズマプロセッサにおいて、
第1電極アセンブリが、第1電極を囲む第4電極を含み、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、AC電源構成の第3周波数における第3電場が第1電極と第4電極との間に存在するように構成され、
回路が、DCバイアス電圧に応答して第3電場に作用するように構成されている。
【請求項16】
請求項1の真空プラズマプロセッサにおいて、
可変インピーダンスが、第1、第2および第3電極の1つと基準電位との間に接続されている。
【請求項17】
請求項16の真空プラズマプロセッサにおいて、
可変インピーダンスが、直列同調回路のリアクタンスである。
【請求項18】
請求項17の真空プラズマプロセッサにおいて、
可変インピーダンスが、受動素子からなる分枝に含まれている。
【請求項19】
請求項18の真空プラズマプロセッサにおいて、
可変インピーダンスが接続される第1、第2および第3電極の1つが第2電極である。
【請求項20】
請求項19の真空プラズマプロセッサにおいて、
第2電極が第3電極によって囲まれ、
第2および第3電極がほぼ同一平面上にあり、第2および第3電極が第1電極が位置する平面とは異なる平面にある。
【請求項21】
請求項1の真空プラズマプロセッサにおいて、
第2電極が第3電極によって囲まれ、
第2および第3電極がほぼ同一平面上にあり、第2および第3電極が第1電極が位置する平面とは異なる平面にあり、
可変インピーダンスが、第2電極と基準電位との間に接続されている。
【請求項22】
請求項21の真空プラズマプロセッサにおいて、
可変インピーダンスが、直列同調回路のリアクタンスである。
【請求項23】
請求項22の真空プラズマプロセッサにおいて、
可変インピーダンスが、受動素子からなる分枝に含まれている。
【請求項24】
真空プラズマプロセッサであって、
室内のガスと電気的に結合されるように構成された第1電極アセンブリと、室内のガスと電気的に結合されるように構成された第2電極アセンブリとを含み、第1電極アセンブリが第1電極を含み、第2電極アセンブリが互いに間隔をおいて位置する第2電極および第3電極を含み、第1および第2電極アセンブリの一方が上部電極アセンブリで他方が底部電極アセンブリである、ワークピースを加工するための真空プラズマ室と、
第1、第2および第3電極の少なくとも1つに接続され、室内のガスをプラズマに励起するのに十分な電力を有するAC電源構成と、
DCバイアス電圧用のディテクターと、
プラズマ励起の第1電場および第2電場を制御するための回路とを備え、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、(a)AC電源構成の周波数における第1および第2電場が第1電極アセンブリと第2電極アセンブリとの間に存在し(b)DCバイアス電圧が室内のガスがプラズマに励起されるのに応答して第1、第2および第3電極の少なくとも1つ発生するように構成され、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、(a)AC電源構成の周波数における第1電場が第1電極と第2および第3電極の少なくとも一方との間に存在し(b)AC電源構成の周波数における第2電場が第2電極と第3電極との間に存在するように構成され、
回路が、DCバイアス電圧の指示に基づく第1および第2電場の少なくとも一方に作用するように構成され、
回路が、第1、第2および第3電極の1つに接続された可変インピーダンスを含み、可変インピーダンスが、DCバイアス電圧の指示に基づき制御される値を有するように構成されている。
【請求項25】
請求項24の真空プラズマプロセッサにおいて、
回路が、DCバイアス電圧の指示に基づく第2電場に作用するように構成されている。
【請求項26】
請求項25の真空プラズマプロセッサにおいて、
回路が、DCバイアス電圧の指示に基づく第1電場に作用するように構成されている。
【請求項27】
請求項26の真空プラズマプロセッサにおいて、
第1電極アセンブリが第4電極を含み、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、AC電源構成の周波数における第3電場が第1電極と第4電極との間に存在するように構成され、
回路が、DCバイアス電圧の指示に基づく第3電場に作用するように構成されている。
【請求項28】
請求項24の真空プラズマプロセッサにおいて、
回路が、DCバイアス電圧の指示に基づく第1電場に作用するように構成されている。
【請求項29】
請求項24の真空プラズマプロセッサにおいて、
第1電極アセンブリが第4電極を含み、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、AC電源構成の周波数における第3電場が第1電極と第4電極との間に存在するように構成され、
回路が、DCバイアス電圧の指示に基づく第3電場に作用するように構成されている。
【請求項30】
請求項24の真空プラズマプロセッサにおいて、
可変インピーダンスが、第1、第2および第3電極の1つと基準電位との間に接続されている。
【請求項31】
請求項30の真空プラズマプロセッサにおいて、
可変インピーダンスが、直列同調回路のリアクタンスである。
【請求項32】
請求項31の真空プラズマプロセッサにおいて、
可変インピーダンスが、受動素子からなる分枝に含まれている。
【請求項33】
請求項32の真空プラズマプロセッサにおいて、
可変インピーダンスが接続される第1、第2および第3電極の1つが第2電極である。
【請求項34】
請求項33の真空プラズマプロセッサにおいて、
第2電極が第3電極によって囲まれ、
第2および第3電極が同一平面上にあり、第2および第3電極が第1電極とは異なる平面にある。
【請求項35】
請求項24の真空プラズマプロセッサにおいて、
可変インピーダンスが第2電極に接続され、
第2電極が第3電極によって囲まれ、
第2および第3電極がほぼ同一平面上にあり、第2および第3電極が第1電極が位置する平面とは異なる平面にあり、
可変インピーダンスが、第2電極と基準電位との間に接続されている。
【請求項36】
真空プラズマプロセッサであって、
室内のガスと電気的に結合されるように構成された第1電極アセンブリと、室内のガスと電気的に結合されるように構成された第2電極アセンブリとを含み、第1電極アセンブリが第1電極を含み、第2電極アセンブリが第2電極を含み、第1および第2電極アセンブリの一方が上部電極アセンブリで他方が底部電極アセンブリである、ワークピースを加工するための真空プラズマ室と、
第1および第2電極の少なくとも1つに接続され、室内のガスをプラズマに励起するのに十分な電力を有する複数周波数のAC電源構成と、
DCバイアス電圧用のディテクターと、
DCバイアス電圧の指示に基づくプラズマ励起の電場に作用するための回路とを備え、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、(a)AC電源構成の複数周波数における電場が第1電極アセンブリと第2電極アセンブリとの間に存在し(b)DCバイアス電圧が室内のガスがプラズマに励起されるのに応答して第1および第2電極に発生するように構成され、
AC電源構成の第1周波数における第1電場が第1電極と第2電極との間に延び、第2周波数における第2電場が第2電極と第1電極との間に延びるように、AC電源構成ならびに第1および第2電極が第1および第2周波数がそれぞれAC電源構成から第1および第2電極に結合するように構成され、
回路が、第1電極と基準電位との間に接続された第1回路と、第2電極と基準電位との間に接続された第2回路とを含み、
第1回路が、第2電極のDCバイアス電圧を表す信号に応答して第2電場に作用するための第1可変インピーダンスを含み、
第2回路が、第1電極のDCバイアス電圧を表す信号に応答して第1電場に作用するための第2可変インピーダンスを含む。
【請求項37】
請求項36の真空プラズマプロセッサにおいて、
回路が、ディテクターが導出するDCバイアス電圧を表す信号に応答するように接続されている。
【請求項38】
請求項37の真空プラズマプロセッサにおいて、
回路が、AC電源構成の複数周波数の少なくともいくつかに関連付けられた電場に作用するように構成されている。
【請求項39】
請求項36の真空プラズマプロセッサにおいて、
第2アセンブリが第3電極を含み、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、(a)第1電場が第1電極と第2および第3電極の少なくとも一方との間に存在し(b)第2電場が第2電極と第3電極との間に存在するように構成され、
回路が、DCバイアス電圧を表す信号に応答して第1電場および第2電場に作用するように構成されている。
【請求項40】
請求項39の真空プラズマプロセッサにおいて、
第2電極が第3電極によって囲まれている。
【請求項41】
請求項40の真空プラズマプロセッサにおいて、
第2および第3電極がほぼ同一平面上にあり、第2および第3電極が第1電極が位置する平面とは異なる平面にある。
【請求項42】
請求項41の真空プラズマプロセッサにおいて、
第1、第2および第3電極が同軸状であり円形の周囲を有している。
【請求項43】
請求項42の真空プラズマプロセッサにおいて、
第1電極アセンブリが、第1電極を囲む第4電極を含み、
第4電極が、第1、第2および第3電極と同軸状であり円形の周囲を有し第1電極とほぼ同一平面上にあり、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、AC電源構成の第1周波数における第3電場が第1電極と第4電極との間に存在するように構成され、
回路が、第2のDCバイアス電圧を表す信号に応答して第3電場に作用するように構成されている。
【請求項44】
真空プラズマプロセッサであって、
室内のガスと電気的に結合されるように構成された第1電極アセンブリと、室内のガスと電気的に結合されるように構成された第2電極アセンブリとを含み、第1電極アセンブリが第1電極を含み、第2電極アセンブリが第2電極を含み、第1および第2電極アセンブリの一方が上部電極アセンブリで他方が底部電極アセンブリである、ワークピースを加工するための真空プラズマ室と、
第1および第2電極の少なくとも1つに接続され、室内のガスをプラズマに励起するのに十分な電力を有する複数周波数のAC電源構成と、
DCバイアス電圧用のディテクターと、
DCバイアス電圧の指示に基づくプラズマ励起の電場に作用するための回路とを備え、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、(a)AC電源構成の複数周波数における電場が第1電極アセンブリと第2電極アセンブリとの間に存在し(b)DCバイアス電圧が室内のガスがプラズマに励起されるのに応答して第1および第2電極に発生するように構成され、
AC電源構成の第1周波数における第1電場が第1電極と第2電極との間に延び、第2周波数における第2電場が第2電極と第1電極との間に延びるように、AC電源構成ならびに第1および第2電極が第1および第2周波数がそれぞれAC電源構成から第1および第2電極に結合するように構成され、
回路が、第1電極と基準電位との間に接続された第1回路と、第2電極と基準電位との間に接続された第2回路とを含み、
第1回路が、第2電極のDCバイアス電圧の指示に基づく第2電場に作用するための第1可変インピーダンスを含み、
第2回路が、第1電極のDCバイアス電圧の指示に基づく第1電場に作用するための第2可変インピーダンスを含む。
【請求項45】
請求項44の真空プラズマプロセッサにおいて、
第2アセンブリが第3電極を含み、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、(a)第1電場が第1電極と第2および第3電極の少なくとも一方との間に存在し(b)第2電場が第2電極と第3電極との間に存在するように構成され、
回路が、DCバイアス電圧の指示に基づく第1電場および第2電場に作用するように構成されている。
【請求項46】
請求項45の真空プラズマプロセッサにおいて、
第1アセンブリが第4電極を含み、
真空プラズマ室と第1および第2電極アセンブリが、AC電源構成の第1周波数における第3電場が第1電極と第4電極との間に存在するように構成され、
回路が、第2のDCバイアス電圧の指示に基づく第3電場に作用するように構成されている。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−51212(P2013−51212A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−258269(P2012−258269)
【出願日】平成24年11月27日(2012.11.27)
【分割の表示】特願2007−515238(P2007−515238)の分割
【原出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】