説明

ERβリガンドとしてのジベンゾクロメン誘導体およびその使用

本発明は、以下の構造式:


[ここに、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、詳細な説明中で定義されるものである]
を有する、式Iのエストロゲン受容体モジュレーターを提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連する出願についての相互参照)
本出願は、2004年2月26日に出願された米国特許出願番号第60/547,967号の利益を主張する2005年2月23日に出願された米国特許出願番号第___________号について優先権を主張し、その両方の開示内容は出典明示によりその全てを本明細書中の一部とされる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、新規な置換5H−ジベンゾ[c,g]クロメン誘導体、エストロゲン様物質としてのその使用、およびその調製方法に関する。
【0003】
(背景技術)
エストロゲンの哺乳動物の組織における多面的な効果はよく報告されており、現在でも、エストロゲンが多くの臓器系に影響を及ぼすと認められている[MendelsohnおよびKaras, New England Journal of Medicine 340: 1801-1811 (1999)、Eppersonら、Psychosomatic Medicine 61: 676-697 (1999)、Crandall, Journal of Womens Health & Gender Based Medicine 8: 1155-1166 (1999)、MonkおよびBrodaty, Dementia & Geriatric Cognitive Disorders 11: 1-10 (2000)、HurnおよびMacrae, Journal of Cerebral Blood Flow & Metabolism 20: 631-652 (2000)、Calvin, Maturitas 34: 195-210 (2000)、Finkingら、Zeitschrift fur Kardiologie 89: 442-453 (2000)、Brincat, Maturitas 35: 107-117 (2000)、Al-Azzawi, Postgraduate Medical Journal 77: 292-304 (2001)]。エストロゲンは、様々な様式で組織に影響を及ぼす。おそらく、この作用の最もよく特徴付けられた機構は、遺伝子の転写に変更をもたらすエストロゲン受容体との相互作用である。エストロゲン受容体は、リガンド活性型の転写因子であり、核ホルモン受容体のスーパーファミリーに属する。このファミリーの他のメンバーは、プロゲステロン、アンドロゲン、グルココルチコイドおよびミネラルコルチコイド受容体を含む。リガンドと結合すると、これらの受容体は二量体化し、DNA上の特異的な配列(応答エレメントとして知られている)と直接結合するか、あるいは別の転写因子(例えば、API)と相互作用し、次いでそれが特異的なDNA配列と直接結合することのいずれかにより、遺伝子転写を活性化することができる[MoggsおよびOrphanides, EMBO Reports 2: 775-781 (2001)、Hallら、Journal of Biological Chemistry 276: 36869-36872 (2001)、McDonnell, Principles Of Molecular Regulation. p351-361(2000)]。あるクラスの「共調節(cogulatory)」タンパク質は、リガンドが結合したレセプターと相互作用することもでき、さらにその転写活性を調節することができる[McKennaら、Endocrine Reviews 20: 321-344 (1999)]。エストロゲン受容体は、リガンド依存的および非依存的様式のいずれにおいてもNFκB調節型の転写を抑制することができる[Quaedackersら、Endocrinology 142: 1156-1166 (2001)、Bhatら、Journal of Steroid Biochemistry & Molecular Biology 67: 233-240 (1998)、Pelzerら、Biochemical & Biophysical Research Communications 286: 1153-7 (2001)]。
【0004】
エストロゲン受容体は、リン酸化によっても活性化され得る。このリン酸化は、成長因子、例えばEGFにより媒介され、リガンド非存在下で遺伝子転写に変化を及ぼす[MoggsおよびOrphanides, EMBO Reports 2: 775-781 (2001)、Hallら、Journal of Biological Chemistry 276: 36869-36872 (2001)]。
【0005】
エストロゲンが細胞に影響を及ぼし得るほとんど特徴付けられていない手段は、いわゆる膜受容体を介したものである。そのような受容体の存在は論議の的であるが、エストロゲンが細胞からの迅速な非ゲノム性の応答を引き起こし得ることはよく実証されている。これらの効果を導入するのに関与する分子の実体は、完全に単離されていないが、少なくともエストロゲン受容体の核型に環系することを示唆する証拠がある[Levin, Journal of Applied Physiology 91: 1860-1867 (2001)、Levin, Trends in Endocrinology & Metabolism 10: 374-377 (1999)]。
【0006】
2つのエストロゲン受容体が今までに発見されている。最初のエストロゲン受容体は約15年前にクローン化され、現在ではERαとして参照される[Greenら、Nature 320: 134-9 (1986)]。2番目のものは比較的最近見出され、ERβと呼ばれる[Kuiperら、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 93: 5925-5930 (1996)]。ERβの初期の研究は種々のリガンドに対するその親和性を決めることに焦点が当てられ、実際に、ERαと幾つかの差異が確かめられた。ERβの組織分布は、げっ歯類においてよくマッピングされており、それはERαとは一致しない。マウスおよびラットの子宮などの組織は、主にERαを発現しているが、マウスおよびラットの肺では主にERβが発現している[Couseら、Endocrinology 138: 4613-4621 (1997)、Kuiperら、Endocrinology 138: 863-870 (1997)]。同じ器官内でさえ、ERαとERβとの分布は区画化され得る。例えば、マウス子宮においては、ERβは顆粒膜細胞で高効率に発現されており、ERαは卵胞膜細胞および間質細胞に限定されている[SarおよびWelsch, Endocrinology 140: 963-971 (1999)、Fitzpatrickら、Endocrinology 140: 2581-2591 (1999)]。しかしながら、その受容体が同時に発現されている例が存在し、ERαとERβがヘテロ二量体を形成し得るというインビトロ実験の証拠が存在する[Cowleyら、Journal of Biological Chemistry 272: 19858-19862 (1997)]。
【0007】
大部分の潜在的な内在性エストロゲンは、17β−エストラジオールである。17β−エストラジオールの活性を模倣するか、もしくは阻害する非常に多くの化合物が記載されている。17β−エストラジオールと概ね同じ生物学的効果を有する化合物は、「エストロゲン受容体アゴニスト」と呼ばれる。それと組み合わせて与えられた場合に、17β−エストラジオールの効果を阻害する化合物は、「エストロゲン受容体アンタゴニスト」と称される。実は、エストロゲン受容体アゴニストとエストロゲン受容体アンタゴニスト活性との間には連続性があり、実際に、幾つかの化合物はある種の組織中ではエストロゲン受容体アゴニストとして働くが、その他の組織中ではエストロゲン受容体アンタゴニストとして働く。相反する活性を有するこれらの化合物は、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERMS)と称され、治療上有用な物質である(例えば、EVISTA)[McDonnell, Journal of the Society for Gynecologic Investigation 7: S10-S15 (2000)、Goldsteinら、Human Reproduction Update 6: 212-224 (2000)]。同一の化合物が細胞特異的な効果を示すことができるその詳細な理由は解明されていないが、受容体の立体構造および/または共調節蛋白質の環境における差異が示唆されている。
【0008】
エストロゲン受容体は、リガンドと結合する場合に異なる立体構造をとることが長らく知られていた。しかしながら、最近になって、これらの変化の意義およびその巧妙さが明らかにされた。ERαおよびERβの三次元構造が、種々のリガンドとの同時−結晶化により解かれ、エストロゲン受容体アンタゴニストの存在下でヘリックス12が応答し、受容体−共調節蛋白質の相互作用に必要な蛋白質の配列が立体構造的に隠されることが明白に示された[Pikeら、Embo 18: 4608-4618 (1999)、Shiauら、Cell 95: 927-937 (1998)]。加えて、ファージディスプレイ技術を用いて、異なるリガンドの存在下で、エストロゲン受容体と相互作用するペプチドが同定された[Paigeら、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 96: 3999-4004 (1999)]。例えば、完全エストロゲン受容体アゴニスト17β−エストラジオールとジエチルスチルベストロールとで結合されたERαを区別するペプチドが同定された。別のペプチドは、クロミフェンが結合したERαとERβとを区別することが示された。これらのデータは、それぞれのリガンドが異なった生物学的活性を有する、独特でかつ予測できない立体配置の受容体に配置する可能性があることを示している。
【0009】
上記のように、エストロゲンは多種多様な生物学的過程に影響を及ぼす。加えて、性別の差が持ち出される場合(例えば、疾病頻度、免疫チャレンジに対する応答など)、その説明は、男女間のエストロゲンレベルの差が関与する可能性がある。
【0010】
(発明の概要)
本発明は、式:
【化1】

[式中
、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、C−Cアルキル、C−Cアルコキシまたはハロゲンから選択され;
は、水素、C−Cアルキル、ハロゲン、C−Cアルコキシ、−CN、C−Cアルケニル、−CHO、アリール、フリル、チエニル、ピリミジニルおよびピリジニルであり;
ただし、R〜Rの少なくとも1つはH以外であることを条件とする;]
の化合物または医薬上許容されるその塩に関する。
他の態様において、本発明は前記化合物の少なくとも1つを含む医薬組成物に関する。
更なる別の態様において、本発明は疾病の処置または予防における前記化合物の使用に関する。
【0011】
(発明の詳細な記載)
本発明は式I
【化2】

[式中
、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、C−Cアルキル、C−Cアルコキシまたはハロゲンから選択され;
は、水素、C−Cアルキル、ハロゲン、C−Cアルコキシ、−CN、C−Cアルケニル、−CHO、アリール、フリル、チエニル、ピリミジニルおよびピリジニルであり;
ただし、R〜Rの少なくとも1つはH以外であることを条件とする;]
の化合物を提供する。
【0012】
いくつかの実施形態において、アリール基は、置換されることあるフェニルまたはナフチルである。他の実施形態において、R、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素またはハロゲンであり;Rは、水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロゲン、2〜8個の炭素原子を有するアルケニル、−CN、フリル、チエニルまたはピリジニルであることが好ましい。さらに別の好ましい実施形態において、R、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素またはハロゲンであり;Rは、水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロゲン、2〜7個の炭素原子を有するアルケニル、−CN、フリル、チエニルおよびピリジニルであり;R、R、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲンまたはヒドロキシルである。さらに別の実施形態において、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素またはハロゲンであり;Rは、水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロゲン、2〜7個の炭素原子を有するアルケニル、−CN、フリル、チエニルおよびピリジニルであり;R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲンまたはヒドロキシルであり;R、R、RおよびRの少なくとも1つがヒドロキシルであることが最も好ましい。
【0013】
医薬上許容される塩は、本発明の化合物が塩基性部分を含む場合、有機または無機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、フタル酸、塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸および類似する公知の許容される酸から形成され得る。本発明の化合物が酸性部分を含む場合、塩、例えばアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、リチウムまたはカリウム)、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、各アルキル基にて1〜6個の炭素原子を有するアルキルアンモニウム塩または1〜6個の炭素原子を有するジアルキルアンモニウム塩、および各アルキル基にて1〜6個の炭素原子を有するトリアルキルアンモニウムは、有機および無機塩基から形成されてもよい。
【0014】
用語「アルキル」は、本明細書中にて用いられる場合、単独で、または他の基、例えばアルコキシ、アリールアルキル、アルコキシカルボニルの一部として用いられるいずれの場合でも、置換されているかまたは置換されていない脂肪族炭化水素鎖を意味し、限定されるものではないが、特に記載しない限り、1〜12個の炭素原子を含む、好ましくは1〜6個の炭素原子を含む直鎖および分岐鎖である。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、i−ブチルおよびt−ブチルは、用語「アルキル」に包含される。特に「アルキル」の定義に含まれるものは、置換されることあるこれらの脂肪族炭化水素鎖である。本明細書中の定義にて使用される炭素番号は、炭素骨格および炭素の枝分かれを意味するが、例えばアルコキシ置換基およびその類似物などの置換基の炭素原子は含まれない。
【0015】
用語「アルケニル」は、本明細書中にて用いられる場合、単独で、または他の基の一部として用いられるいずれの場合でも、置換されているかまたは置換されていない脂肪族炭化水素鎖を意味し、限定されるものではないが、2〜8個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖を含み、少なくとも1つの二重結合を含む。好ましくは、アルケニル部分は、1つまたは2つの二重結合を有する。このようなアルケニル部分は、E体またはZ体にて存在していてもよく、本発明の化合物はいずれの配座も包含する。特に「アルケニル」の定義に含まれるものは、置換されることあるこれらの脂肪族炭化水素鎖である。アルケニルに結合しているヘテロ原子、例えばO、SまたはN−Rは、二重結合に結合している炭素原子に結合されるべきではない。
【0016】
1つの基または基の一部として本明細書中にて用いられる「アリール」は、置換されることある芳香族性の5−〜13−員のモノ−またはバイ−炭素環式環、例えばフェニルまたはナフチルを意味する。好ましくは、アリール部分を含む基は、その環中に5〜7個の炭素原子有する単環式である。フェニルは、好ましいアリールの1つである。いくつかの実施形態において、フェニル部分は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、ハロゲン、ヒドロキシル、C−Cアルコキシ、−CN、−NO、アミノ、C−Cアルキルアミノ、アルキル基あたり1〜6個の炭素原子を有するジアルキルアミノ、チオ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、2〜7個の炭素原子を有するC−Cアルコキシカルボニル、2〜7個の炭素原子を有するアルキルカルボニル、トリフルオロアルコキシ(alkxoy)、ベンジルニトリルまたはベンゾイルで置換されていてもよい。
【0017】
1つの基または基の一部としてのヘテロアリールは、独立して窒素、酸素または硫黄であってよい1〜5個のヘテロ原子を有するモノ−またはバイ−環式環を含む芳香族性の5−〜13−員炭素を意味する。好ましくは、ヘテロアリール部分を含む基は、環中に5〜7員を有し、その環員の1〜2個が独立して窒素、酸素または硫黄から選択される単環式を意味する。アリールまたはヘテロアリール部分を含む基は、以下に定義するように置換されていることがあってもよく、または置換されていなくてもよい。ヘテロアリールの例として、限定されるものではないが、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニルまたはキナゾリニルが挙げられる。
【0018】
用語「ハロゲン」は、臭素、塩素、フッ素およびヨウ素を含む。
【0019】
本明細書中にて記載される置換されることある置換基、例えばアルキル、アルケニル、アリールまたはヘテロアリールは、1つまたはそれ以上の置換基、例えば1〜5個または1〜3個で置換されていてもよい。適当な任意の置換基は、独立して、ニトロ、シアノ、−N(R11)(R12)、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル(例えば、2〜7個の炭素原子を有する)、シクロアルキル(例えば、5〜8個の炭素原子を有する)、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシアルコキシ、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、アリールアルキル、アルキルアリール、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、−S(O)−N(R11)(R12)、−C(=O)−N(R11)(R12)、(R11)(R12)N−アルキル、(R11)(R12)N−アルコキシアルキル、(R11)(R12)N−アルキルアリールオキシアルキル、−S(O)s−アリール(ここで、s=0〜2)、または−S(O)−ヘテロアリール(ここで、s=0〜2);ここで、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素、置換されていない(C−C)アルキル、置換されていない(C−C)シクロアルキル、アリール、アリール−(C−C)アルキル、アリールオキシ−(C−C)アルキル、アリールチオ−(C−C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(C−C)アルキル、ヘテロアリールオキシ−(C−C)アルキルまたはヘテロアリールチオ−(C−C)アルキル基から選択されてもよく;または一緒になる場合、アルキレン−基として結合して、例えば3〜8環員の環を形成し得る。本発明の特定の実施形態において、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキルの好ましい置換基には、ニトロ、シアノ、−N(R11)(R12)、ハロ、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アルコキシアルキルおよびアルコキシカルボニルが含まれる。本発明の特定の実施形態において、アリールおよびヘテロアリールの好ましい置換基には、−N(R11)(R12)、アルキル、ハロ、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロアルコキシ、アリールアルキルおよびアルキルアリールが含まれる。置換されているアルキルおよびアルケニル部分の例として、1−ブロモビニル、1−フルオロビニル、1,2−ジフルオロ2,2−ジフルオロビニル、1,2,2−トリフルオロビニル、1,2−ジブロモエタン、1,2ジフルオロエタン、1−フルオロ−2−ブロモエタン、CFCF、CFCFCFおよびその類似物が含まれる。
【0020】
用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味し、いくつかの実施形態において、1〜3個の炭素原子が好ましい。
【0021】
本明細書中にて用いられる「アルコキシ」は、Rが以上で定義されるようなアルキル基であるR−O−基を意味する。本明細書中にて用いられる「低級アルコキシ」は、Rが1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であるR−O−基を意味する。いくつかの実施形態において、1〜3個の炭素原子を有するRが好ましい。
【0022】
本発明に関して用いられるように、本発明の対象となる化合物または基質を提供することに関し、用語「提供する」は、そのような化合物または基質を直接投与すること、もしくは体内で有効量の該化合物または基質を形成するプロドラッグ、誘導体または類似体を投与することのいずれかを意味する。
【0023】
本発明の化合物は、少なくとも部分的にエストロゲン欠損もしくは過剰により媒介されるか、またはエストロゲン様物質の使用を通じて処置もしくは抑制される症状、障害または疾病状態の処置あるいは抑制に有用なエストロゲン受容体モジュレーターとして使用することができる。本発明の化合物は、産生される内因性のエストロゲンレベルが大きく減少する閉経期の、更年期の、または閉経後の患者を処置するのに部分的に有用である。更年期障害は、最後の自然な月経期として一般的に定義され、血流中の循環エストロゲンの相当程度の低下を引き起こす、卵巣機能の停止により特徴付けられる。本明細書中にて用いられるように、更年期障害は、外科的、化学的又は卵巣機能の早期の減退もしくは停止を引き起こす病状により生じ得る、減少されたエストロゲン産生の状態も含む。
【0024】
従って、本発明の化合物は、個人の新たな骨組織形成と古い組織の再吸収との不均衡から生じ、正味の骨量の減少を引き起こす骨粗鬆症を処置もしくは抑制するのに、および骨の無機質脱落を抑制するのに用いることができる。このような骨の激減は、個人の範囲、特に閉経後の女性、両側卵巣摘出手術を受けたことのある女性、受けている女性、拡大されたコルチコステロイド治療を受けている女性、生殖器発育不全を経験している女性、およびクッシング症候群に罹患している女性に生じる。骨折、問題のある骨格を有する個人、および骨に関連する手術および/または人工装具の移植を受けている個人における、歯および口腔の骨、代替物を含む骨に対する特殊な必要性もまた、これらの化合物を用いて処理され得る。これら上記の問題に加えて、これらの化合物は、変形性関節症、低カルシウム血症、高カルシウム血症、パジェット病、骨軟化症、骨石灰脱失症、多発性骨髄腫および骨組織に有害な影響を及ぼす他の形態の癌を処置または抑制するのに用いることができる。
【0025】
本発明の化合物はまた、前立腺肥大症、子宮平滑筋腫、乳癌、子宮内膜症、子宮内膜癌、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜ポリープ、良性の乳房疾患、腺筋症、卵巣癌、黒色腫、疲れによる癌(prostrate cancer)、大腸の癌、例えば神経膠腫もしくは血管芽腫(astioblastomia)などのCNS癌を含む、良性もしくは悪性の異常組織増殖を処置または抑制するのにも有用である。
【0026】
本発明の化合物は心臓保護的であり、そしてそれらはコレステロール、トリグリセリド、Lp(a)、およびLDLレベルを低下させるのに;高コレステロール血症;高脂血症;心血管疾患;アテローム性動脈硬化症;抹消血管疾患;再狭窄および血管痙攣を抑制または処置するのに;並びに免疫介在性の血管損傷に向かう細胞事象からの血管壁損傷を抑制するのに有用である。これらの心血管保護の性質は、骨粗鬆症を抑制するために、閉経後の患者をエストロゲンを用いて処置する場合に、およびエストロゲン治療が指示された男性の場合に、非常に重要である。
【0027】
本発明の化合物は抗酸化物質でもあるため、遊離基誘導型の病状を処置または抑制するのに有用である。正常化するために、抗酸化治療が指示される特定の状態は、癌、中枢神経系障害、アルツハイマー病、骨疾患、老化、炎症性障害、抹消血管疾患、リウマチ性関節炎、自己免疫疾患、呼吸窮迫症、気腫、再潅流傷害の阻止、ウイルス性肝炎、慢性活動性肝炎、結核、乾癬、全身性エリテマトーデス、成人呼吸窮迫症候群、中枢神経系外傷および卒中である。
【0028】
本発明の化合物はまた、認知増強(認知増強)を与えるのに、および老人性痴呆、アルツハイマー病、認識衰退、神経変性障害を処置または抑制するのに、神経防護作用または認知増強を与えるのに有用である。
【0029】
本発明の化合物はまた、炎症性腸疾患、潰瘍性直腸炎、クローン病、および大腸炎;更年期に関連する状態、例えば、顔面潮紅を含む血管運動症状、膣もしくは陰部の萎縮、萎縮性膣炎、膣の乾燥、そう痒症、性交疼痛症、排尿障害、頻尿、尿失禁、尿路感染症、顔面潮紅を含む血管運動症状、筋肉痛、関節痛、不眠症、被刺激性、および類似の症状;男性型禿頭症;皮膚萎縮;座瘡;II型糖尿病;不正子宮出血;および不妊症を処置または抑制するのに有用である。
【0030】
本発明の化合物は、無月経が好都合である病状、例えば、白血病、子宮内膜切除、慢性腎疾患もしくは慢性肝疾患または凝固疾患もしくは障害において有用である。
【0031】
本発明の化合物は、特にプロゲスチンと組み合わせた場合、避妊剤として用いることができる。
【0032】
特定の病状もしくは障害の処置または抑制のために投与される場合、有効な用量は、利用される特定の化合物、投与方法、状態、およびその処置される状態の重篤度、並びに処置される個人に関連する種々の物理条件に応じて変更し得ることは理解される。本発明の化合物の有効な投与は、約0.1mg/日〜約1,000mg/日の経口投与量で与えることができる。好ましくは、投与は、単一投与または2回もしくはそれ以上の分割投与にて、約10mg/日〜約600mg/日、より好ましくは約50mg/日〜約600mg/日であろう。計画された1日投与量は、投与経路により変更するものと期待される。
【0033】
このような用量は、本明細書中の活性化合物を、経口で、移植片を介して、非経口で(静脈内、腹腔内および皮下注射を含む)、直腸で、鼻腔内で、膣内で、および経皮的を含み、患者の血流に導くのに有効な任意の様式で投与することができる。
【0034】
本発明の活性化合物を含む経口製剤は、錠剤、カプセル剤、口内剤型、トローチ剤、ロゼンジおよび経口液体、懸濁液または溶液を含む、任意の慣用される経口剤型を含み得る。カプセル剤は、活性化合物(群)と、不活性な充填剤および/または医薬的に許容される澱粉(例えば、コーン、ポテトもしくはタピオカ澱粉)などの希釈剤、砂糖、人工甘味料、粉末セルロース、例えば、結晶セルロースおよび微結晶性セルロース、穀粉、ゼラチン、ガムとの混合物を含み得る。有用な錠剤製剤は、慣用の圧縮法、湿潤造粒法または乾式造粒法により作製することができ、限定されるものではないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アルギン酸、アカシアガム、キサンチンガム、クエン酸ナトリウム、ケイ酸複合体、炭酸カルシウム、グリシン、デキストリン、スクロース、ソルビトール、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、タルク、乾燥澱粉および粉糖を含む、医薬上許容される希釈剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、表面修飾剤(界面活性剤を含む)、懸濁化剤または分解防止剤を利用することができる。好ましい表面修飾剤は、非イオン性およびアニオン性の表面修飾剤を含む。表面修飾剤の代表例は、限定されるものではないが、ポロキサマー(poloxamer)188、塩化ベンズアルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアル(cetostearl)アルコール、セトマクゴール(cetomacrogol)乳化ワックス、ソルビトールエステル、コロイド状二酸化ケイ素、ホスフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、トリエタノールアミンを含む。本明細書中の経口製剤は、活性化合物(群)の吸収を改変するために標準的な遅延または徐放製剤を利用することができる。経口製剤もまた、必要に応じて適当な溶解補助剤または乳化剤を含む、水中もしくは果汁中の活性物質を投与することから構成され得る。
【0035】
幾つかの場合で、エアロゾルの剤型で本化合物を直接気管に投与することが望ましい場合があり得る。
【0036】
本発明の化合物もまた、非経口または腹膜内投与することができる。遊離塩または医薬的に許容される塩としてのこれらの活性化合物の溶液または懸濁液は、適切には、界面活性剤、例えばヒドロキシ−プロピルセルロースと混合して、水中で調製することができる。分散剤もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、および油中のその混合物にて調製されることができる。保存および使用の一般的な条件下で、これらの調合薬は、微生物の増殖を防ぐために防腐剤を含む。
【0037】
注射の使用に適切な医薬剤型は、滅菌注射溶液または懸濁液の即時調製ための、滅菌水溶液または懸濁液および滅菌粉剤を含む。全ての場合において、剤型は、滅菌でなければならず、また容易に注射針を通過する程度に流体でなければならない。製品の状態および保存下で安定でなければならず、微生物、例えば細菌および菌類の汚染行為から保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、適切なそれらの混合物、および植物油を含む、溶媒または分散媒であってよい。
【0038】
この開示の目的のために、経皮投与は、体の表面並びに上皮および粘膜組織を含む身体通路(bodily passages)の内層を横切る全ての投与を含むことは理解される。そのような投与は、水薬、クリーム剤、発泡剤、パッチ、懸濁剤、溶剤および坐剤(直腸および膣)中の、本化合物または医薬的に許容されるその塩を用いて実施することができる。
【0039】
経皮投与は、活性化合物、および活性化合物に対して不活性であり、皮膚に対して毒性がなく、そして全身吸収のために皮膚を介して血流中に薬剤を輸送できる担体を含有する経皮パッチの使用を通じて実施することができる。担体は、多くの形態、例えば、クリームおよび軟膏、ペースト、ゲル、および閉塞装置(occlusive device)であって良い。クリームおよび軟膏は、粘稠液または水中油もしくは油中水型のいずれかの半固体乳濁液であってよい。有効成分を含む鉱油まはた親水性の鉱油中に分散された吸収性の粉末から成るペーストもまた適切であろう。種々の閉塞装置は、血流中に有効成分を放出するために、例えば、担体含有もしくは不含の有効成分を含む貯蔵部または有効成分を含むマトリクスを覆う半透膜を用いることができる。その他の閉塞装置は、文献にて既知である。
【0040】
坐薬製剤は、カカオ脂、坐薬の融点を改変するための付加的なワックスを含む若しくは含まない、およびグリセリンを含む慣用の物質から調製することができる。水溶性坐薬の基材、例えば種々の分子量を有するポリエチレングリコールもまた用いることができる。
【0041】
本発明の化合物の調製に用いられる試薬は、商業的に入手するか、または文献中に記載の標準的手順により調製することができる。
【0042】
本発明の幾つかの代表例としての調製法を以下のスキーム1〜6に記載する。
【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【0043】
本発明は、以下の特定の、非制限的な実施例に言及して例示する。
【0044】
実施例1
2−ブロモ−5−メトキシベンジルアルコール
3−メトキシベンジルアルコール(13.82g、0.1mol)とNBS(19.58g、0.11mol)をアセトニトリル(250mL)中にて室温で3時間反応させて標記化合物を調製した。溶媒を除去し、得られた塊をジクロロメタン(250mL)中にスラリーし、濾過して不溶性スクシンイミド副産物を除去した。粗物質をクロマトグラフィー(20% EtOAc−ヘキサン)により精製して白色固体(17.69g、81%)、融点57−58℃を得た。
【0045】
実施例2
2−[(2−ブロモ−5−メトキシベンジル)オキシ]−7−メトキシナフタレン

無水THF(500ml)中の7−メトキシ−2−ナフトール(26.92g、0.15mol)、2−ブロモ−5−メトキシベンジルアルコール(33.58g、0.15mol)およびトリフェニルホスフィン(39.3g、0.15mol)溶液に、THF(100mL)中のDEAD(26.10g、0.15mol)溶液を0.5時間かけて滴加した。溶液を室温で一晩攪拌し、体積の半分を蒸発させて、生成物を高純度で沈殿させた。その固体を濾過し、THFですすぎ、ついで乾燥させて32.96g(59%)の白色固体を得た:融点156−157℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 3.77 (3H, s), 3.86 (3H, s), 5.18 (2H, s), 6.92 (1H, dd, J=3.2 Hz, J=8.7 Hz), 7.00 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.7 Hz), 7.09 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.9 Hz), 7.22 (1H, d, J=3.2 Hz), 7.25 (1H, d, J=2.4 Hz), 7.35 (1H, d, J=2.4 Hz), 7.59 (1H, d, J=8.7 Hz), 7.74 (1H, d, J=8.7 Hz), 7.76(1H, d, J=8.7 Hz);MS m/z 373/375 ([M+H]+)。
元素分析:C19H17BrO3として
計算値(%): C: 61.14; H: 4.59
測定値(%): C: 61.29; H: 4.21
【0046】
実施例3
3,9−ジメトキシ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン

無水ジメチルアセトアミド(500mL)中の2−[(2−ブロモ−5−メトキシベンジル)オキシ]−7−メトキシナフタレン(9.35g、25mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.75g、2.5mmol)および酢酸ナトリウム(6.15g、75mmol)の混合物を130℃で窒素存在下にて2日間攪拌した。冷却後、その触媒を濾過して除去し、ジメチルアセトアミドを減圧下にて除去した。残渣をメタノール(200mL)中にスラリーし、所望の生成物を濾過により単離して2.9g(40%)の黄褐色固体として得た:融点190−191℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 3.81 (3H, s), 3.85 (3H, s), 5.14 (2H, s), 6.92 (1H, d, J=2.6 Hz), 7.00-7.03 (2 H, m), 7.18 (1H, d, J=2.4 Hz), 7.29 (1H, s), 7.79 (1H, d, J=9.0 Hz), 7.92 (1H, d, J=8.7 Hz), 8.26 (1H, s);MS m/z 293 ([M+H]+)。
元素分析:C19H16O3として
計算値(%): C: 78.06;H: 5.52
測定値(%): C: 77.95;H: 5.34
【0047】
前記の環化により、メタノール濾過水から生成する望ましくない位置異性体も提供される。この望ましくない位置異性体は純粋なものとして得られず、実施例4のために下記にて説明するように脱メチル化される。
【0048】
実施例4
5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

190℃の塩酸ピリジニウム(30g、0.26mol)に3,9−ジメトキシ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン(7.0g、23.9mmol)を加えた。その溶液を190℃で3.5時間攪拌し、混合物を室温近くまで冷却した。混合物を水(300mL)に注ぎ、攪拌して固体として沈殿させた。この固体を濾過し、水で十分に洗浄して乾燥させた。クロマトグラフィー(50% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して5.0g(79%)の白色固体を得た:融点231−233℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 5.05 (2H, s), 6.68 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.83 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.4 Hz), 6.90 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.7 Hz), 6.93 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.96 (1H, d, J=2.1Hz), 7.13 (1H, s), 7.71 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.78 (1H, d, J=8.5 Hz), 9.70 (2H, s);MS m/z 265 ([M+H]+)。
元素分析:C17H12O3として
計算値(%): C: 77.26;H: 4.58
測定値(%): C: 77.00;H: 4.31
【0049】
実施例5
5H−ジベンゾ[c,f]クロメン−3,11−ジオール4

他の位置異性体およびデスブロモ連結生成物の混合物を実施例2に従って同様の脱メチル条件にかけた。粗生成物をクロマトグラフィー(50% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して黄褐色固体0.45g(1%)を得た:融点199−201℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.93 (2H, s), 6.83 (1H, d, J=2.5 Hz), 6.89 (1H, dd, J=2.5 Hz, J=8.4 Hz), 6.95-6.99 (2H, m), 7.63 (1H, d, J=8.7 Hz), 7.73-7.81(3H, m), 9.75 (2H, s);MS m/z 265 ([M+H]+)。分析HPLCは、254nmで純度98.9%を示した。
元素分析:C17H12O3・0.2H2Oとして
計算値(%): C: 76.22;H: 4.67
測定値(%): C: 76.43;H: 4.49
【0050】
実施例6
8−クロロ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

THF(20mL)中のH−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(0.20g、0.76mmol)およびN−クロロスクシンイミド(succimide)(0.12g、0.91mmol)の溶液を室温で48時間攪拌した。得られた溶液をフロリジル(Florosil)上に濃縮し、シリカクロマトグラフィー(30% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製し、0.14g(62%)の黄褐色固体を得た。この物質を逆相分取HPLCによりさらに精製して標記化合物をオフホワイト固体として得た:融点212−214℃; 1H NMR (DMSO-d6): δ 5.12 (2H, s), 6.70 (1H, d, J = 2.37 Hz), 6.85 (1H, dd, J = 2.43 Hz, J = 8.46 Hz), 7.13 (1H, d, J = 9.06 Hz), 7.39 (1H, s), 7.73 (1H, d, J = 8.91 Hz), 7.82 (1H, d, J = 8.53 Hz), 8.24 (1H, s), 9.81 (1H, s), 10.39 (1H, s); MS (ESI) m/z 297/299 ([M-H]-)。
元素分析:C17H11ClO3として
計算値(%): C: 68.35;H: 3.71
測定値(%): C: 68.17;H: 3.65
【0051】
実施例7
3−(アセチルオキシ)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−9−イルアセテート

ピリジン(35mL)と無水酢酸(35mL)の混合物に(H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール)(5.0g、18.9mmol)を加え、その混合物を室温で攪拌した。約1時間後沈殿物が形成され、さらに5時間攪拌を続けた。この混合物を濾過し、生成物を酢酸エチルで洗浄した。粗生成物をクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製し、白色固体(5.0g、76%)として得た:融点194−195℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 2.31 (3H, s), 2.33 (3H, s), 5.20 (2H, s), 7.16 (1H, d, J=1.9 Hz), 7.19 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.8 Hz), 7.25 (1H, dd, J=2.5 Hz, J=8.3 Hz), 7.44 (1H, s), 7.54 (1H, d, J=2.4 Hz), 7.95 (1H, d, J=9.3 Hz), 8.09 (1H, d, J=8.3 Hz), 8.50 (1H, s);MS m/z 349 ([M+H]+)。
元素分析:C21H16O5として
計算値(%): C: 72.41;H: 4.63
測定値(%): C: 72.06;H: 4.48
【0052】
実施例8
3−(アセチルオキシ)−7−ブロモ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−9−イルアセテート

無水アセトニトリル(400mL)中のN−ブロモスクシンイミド(3.1g、17.2mmol)の混合物に3−(アセチルオキシ)−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−9−イルアセテート(5.0g、14.4mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。固体を濾過し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥させて5.9g(96%)の淡褐色固体を得た。この固体試料をクロマトグラフィー(塩化メチレン)により精製して白色固体として得た:融点224−226℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 2.32 (3H, s), 2.35 (3H, s), 5.35 (2H, s), 7.19 (1H, d, J=2.4 Hz), 7.28 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.3 Hz), 7.31 (1H, dd, J=2.0 Hz, J=8.8 Hz), 7.75 (1H, d, J=2.4 Hz), 8.05 (1H, d, J=8.8 Hz), 8.12 (1H, d, J=8.8 Hz), 8.59 (1H, s); MS m/z 427/429 ([M+H]+)。
元素分析:C21H15BrO5として
計算値(%): C: 59.04;H: 3.54
測定値(%): C: 58.87;H: 3.34
【0053】
実施例9
1−クロロ−7−メトキシ−2−ナフトール

氷浴温度のアセトニトリル(100mL)中の7−メトキシ−2−ナフトール溶液にN−クロロスクシンイミド(1.61g、12.07mmol)を加えた。反応混合物を2時間氷浴温度で攪拌し、さらに0.1当量のN−クロロスクシンイミドを加えた。反応物を1時間かけて室温まで温め、水(180mL)に注ぎ、酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒減圧下にて除去した。エーテルを加え、不溶性不純物を濾過した。母液を濃縮し、クロマトグラフィー(1:4、酢酸エチル−ヘキサン)に付して淡黄色固体を得た:融点76−78℃。HPLCは、生成物の純度が98.0%(230nm)と示した。
元素分析:C11H9ClO2として
計算値(%): C, 63.32 H, 4.35
測定値(%): C, 63.12 H, 4.25
【0054】
実施例10
2−[(2−ブロモ−5−メトキシ−ベンジル)オキシ]−1−クロロ−7−メトキシナフタレン

室温の乾燥THF(50mL)中の実施例7(3.05g、14.6mmol)、2−ブロモ−5−メトキシベンジルアルコール(3.49g、16.08mmol)およびトリフェニルホスフィン(4.22g、16.08mmol)の溶液にDEAD(2.8g、16.08mmol)を15分かけてゆっくりと加えた。40分攪拌後、THFを蒸発させ、粗生成物をメタノールで粉砕して5.31gの白色固体生成物(89%)を得た:融点126−127℃。
元素分析:C19H16BrClO3として
計算値(%): C, 55.98; H, 3.96
測定値(%): C, 55.86; H, 4.01
【0055】
実施例11
7−クロロ−3,9−ジメトキシ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン

ジメチルアセトアミド(dimethyacetamide)(220mL)中の実施例8(3.12g、7.66mmol)、酢酸ナトリウム(1.88g、23.0mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.61g、2.3mmol)の混合物を130℃で3時間加熱した。溶媒を高真空下にて除去し、触媒を二塩化メチレンを用いたフロリジルに通じて濾過した。固体を二塩化メチレン−メタノール(1:2)で洗浄して2.59gの生成物を得た。母液を濃縮し、クロマトグラフィー(10% 酢酸エチル−ヘキサン)に付し、メタノールで洗浄してさらに160mgの生成物を白色固体として得た。総収量2.75g(74.5%):融点166−168℃。
元素分析:C19H15ClO3として
計算値(%): C, 69.84;H, 4.63
測定値(%): C, 69.59;H, 4.32
【0056】
実施例12
7−クロロ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

実施例9(2.25g、6.92mmol)および塩酸ピリジウミウム((21.9g、162mmol)の混合物を2時間184℃まで加熱した。反応混合物を放冷し、水(300mL)に注ぎ、酢酸エチル(2×200mL)で抽出し、塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、生成物をクロマトグラフィー(40% 酢酸エチル−ヘキサン)に付して白色固体を得て、それを塩化メチレン(25mL)で粉砕して1.2g(58%)を得た;融点230−231℃。
元素分析:C16H11ClO3として:
計算値(%): C, 68.35;H, 3.71
測定値(%): C, 68.02;H, 3.57
【0057】
実施例13
7−ブロモ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

メタノール(25mL)中の7−ブロモ−3−(アセチルオキシ)−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−9−イルアセテート(427mg、1mmol)の混合物にメタノール(6mL)中の25%ナトリウムメトキシドを加えた。反応物を室温で0.5時間攪拌し、次いで酢酸エチル(300mL)および1N HCl(150mL)で希釈した。酢酸エチル部分を水(2×100mL)および塩水(150mL)で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、得られた固体をクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して黄色固体(286mg、83%)を得た:融点(分解)260℃以上;1H NMR (DMSO-d6): δ 5.19 (2H, s), 6.70 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.86 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.5 Hz), 6.99 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 7.31 (1H, d, J=2.3 Hz), 7.79 (1H, d, J=6.3 Hz), 7.81 (1H, d, J=6.0 Hz), 8.22 (1H, s), 9.97 (2H, br s);MS m/z 343/345 ([M+H]+)。
元素分析:C17H11BrO3として
計算値(%): C: 59.50;H: 3.23
測定値(%): C: 59.22;H: 3.29
【0058】
実施例14
3,9−ジヒドロキシ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−7−カルボニトリル

3−(アセチルオキシ)−7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−9−イルアセテート(855mg、2mmol)および無水ジメチルホルムアミド(20mL)の混合物にシアン化銅(1.0g、10mmol)を加えた。混合物を150℃に加熱し、一晩維持した。混合物を冷却し、酢酸エチルおよび水間で懸濁した。その層を分離し、酢酸エチル部分を水(3×50mL)および塩水(50mL)で洗浄した。酢酸エチルを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を除去し、得られた固体をメタノール(10mL)に溶かし、25%ナトリウムメトキシドを加えた(3mL)。0.5時間の攪拌後に、酢酸エチル(50ml)および1N HCl(20mL)を加え、その層を分離し、有機部分を水(3×30mL)および塩水(30mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を除去し、薄黒い黄色固体を得て、それをクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して淡黄色固体(208mg、36%)を得た:融点>280℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 5.32 (2H, s), 6.71 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.87 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.3 Hz), 7.06 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.9 Hz), 7.18 (1H, d, J=2.4 Hz), 7.84 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.87 (1H, d, J=8.8 Hz), 8.50 (1H, s), 9.90 (1H, br s), 10.32 (1H, br s);MS m/z 288 ([M-H]-)。分析HPLCは254nmで純度98.5%を示した。
元素分析:C18H11NO3 ・0.5H2Oとして
計算値(%): C: 72.48;H: 4.05;N: 4.70
測定値(%): C: 72.31;H: 3.96; N: 4.55
【0059】
実施例15
7−メトキシ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

3−(アセチルオキシ)−7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−9−イルアセテート(427mg、1mmol)、CuBr(143mg、1mmol)および無水DMF(6mL)の混合物に25% NaOMe/メタノール(3mL)を加えた。混合物を1時間120℃に加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチル(100mL)および1N HCl(50mL)を加えた。その層を懸濁し、有機部分を水(3×50mL)および塩水(50mL)で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させ、粗生成物をクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して黄色固体(260mg、88%)を得た:融点 (分解) 240℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 3.88 (3H, s), 5.09 (2H, s), 6.70 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.83 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.3 Hz), 6.93 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.8 Hz), 7.19 (1H, d, J=2.4 Hz), 7.72 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.77 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.92 (1H, s), 9.75 (2H, s);MS m/z 295 ([M+H]+)。
元素分析:C18H14O4として
計算値(%): C: 73.46 H: 4.79
測定値(%): C: 73.19 H: 4.62
【0060】
実施例16
7−ビニル−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

3−(アセチルオキシ)−7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−9−イルアセテート(300mg、0.7mmol)、無水トルエン(2mL)およびトリブチルビニルチン(254mg、0.8mmol)の混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(160mg、0.14mmol)を加えた。混合物を還流温度まで加熱し、4.5時間維持した。反応混合物を冷却し、水および酢酸エチルで希釈し、有機部分を水および塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を除去した後、粗物質をメタノール(10mL)および25% ナトリウムメトキシド(2mL)で処理した。混合物を0.5時間攪拌し、次いで酢酸エチル(50mL)および1N HCl(20mL)を加えた。有機部分を分離し、水(2×20mL)および塩水(25mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去して、固体を得て、それをクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して黄褐色固体(45mg、15%)を得た:融点(分解) 195−197℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 5.07 (2H, s), 5.66-5.76 (2H, m), 6.69 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.84 (1H, dd, J=2.5 Hz, J=8.4 Hz), 6.91-7.04 (2H, m), 7.34 (1H, d, J= 2.4 Hz), 7.74 (1H, d, J=8.9 Hz), 7.78 (1H, d, J=8.6 Hz), 8.10 (1H, s), 9.72 (2H, s); MS m/z 291 ([M+H]+)。
元素分析:C19H14O3 ・0.2 H20として
計算値(%): C: 77.64;H: 4.94
測定値(%): C: 77.63;H: 4.81
【0061】
実施例17
3−(アセチルオキシ)−7−メトキシ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−9−イルアセテート

ピリジン(8mL)および無水酢酸(8mL)の混合物に7−メトキシ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(1.37g、4.7mmol)を加え、混合物を室温で2時間攪拌した。その不溶性の固体を濾過し、10% 酢酸エチル−ヘキサンですすいで黄褐色固体(1.6g、90%)を得た。この固体部分をクロマトグラフィー(2.5% アセトニトリル−塩化メチレン)により精製して白色固体を得た:融点165−167℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 2.31 (3H, s), 2.33 (3H, s), 3.95 (3H, s), 5.24 (2H, s), 7.18 (1H, d, J=2.4 Hz), 7.22 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.8 Hz), 7.25 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.8 Hz), 7.67 (1H, d, J=2.4 Hz), 7.96 (1H, d, J=8.8 Hz), 8.08 (1H, d, J=8.8 Hz), 8.28 (1H, s); MS m/z 379 ([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度99.8%を示した。
元素分析:C22H18O6・0.3 H20として
計算値(%): C: 68.85;H: 4.88
測定値(%): C: 68.93;H: 4.72。
【0062】
実施例18
3−(アセチルオキシ)−12−ブロモ−7−メトキシ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−9−イルアセテート

無水アセトニトリル(100mL)中の3−(アセチルオキシ)−12−ブロモ−7−メトキシ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−9−イルアセテート(570mg、1.5mmol)の混合物にN−ブロモスクシンイミド(350mg、1.95mmol)を加え、反応混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を除去し、粗残渣をクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製し、黄白色固体(500mg、73%)を得た:融点176−177℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 2.33 (3H, s), 2.35 (3H, s), 3.96 (3H, s), 5.12 (2H, s), 7.30 (1H, d, J=2.9 Hz), 7.31 (1H, s), 7.42 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=9.3 Hz), 7.80 (1H, d, J=2.4 Hz), 8.35 (1H, d, J=9.3 Hz), 8.54 (1H, dd, J=2.0 Hz, J=7.6 Hz)。
元素分析:C22H17BrO6として
計算値(%): C: 57.79;H: 3.75
測定値(%): C: 57.54;H: 3.63
【0063】
実施例19
12−ブロモ−7−メトキシ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

メタノール(25mL)中の3−(アセチルオキシ)−12−ブロモ−7−メトキシ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−9−イルアセテート(260mg、0.57mmol)の混合物にメタノール(3mL)中の25% ナトリウムメトキシドを加え、混合物を0.5時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)と1N HCl(20mL)の間に懸濁し、有機部分を水(3×50mL)に次いで塩水(50mL)で洗浄した。酢酸エチルを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を除去して黄褐色固体を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィー(50% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して95mg(45%)の黄褐色固体を得た:融点(分解) 250℃以上;1H NMR (DMSO-d6): δ 3.89 (3H, s), 4.97 (2H, s), 6.82 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.88 (1H, dd, J=2.7 Hz, J=8.5 Hz), 7.12 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=9.3 Hz), 7.29 (1H, d, J=2.4 Hz), 8.12 (1H, d, J=9.3 Hz), 8.29 (1H, d, J=8.3 Hz), 9.93 (1H, s), 10.06 (1H, s);MS m/z 373/375 ([M+H]+)。
元素分析:C18H13BrO4として
計算値(%): C: 57.93;H:3.51
測定値(%): C: 57.64 ;H:3.34
【0064】
実施例20
12−クロロ−7−メトキシ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

無水THF(10mL)中の3−(アセチルオキシ)−7−メトキシ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−9−イルアセテート(290mg、0.77mmol)の混合物にN−クロロスクシンイミド(133mg、1.0mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を除去し、メタノール(10mL)および25% ナトリウムメトキシド−メタノール(3mL)を加えた。室温で0.5時間攪拌した後、酢酸エチル(25mL)および1N HCl(10mL)を加え、混合物を振盪し、その層を分離し、酢酸エチルを水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄した。混合物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を除去し、粗黄褐色固体をシリカゲルクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して166mg(66%)の白色固体を得た:融点(分解) 240℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 3.89 (3H, s), 4.99 (2H, s), 6.82 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.88 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.8 Hz), 7.12 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.8 Hz), 7.29 (1H, d, J=2.4 Hz), 8.11 (1H, d, J=9.3 Hz), 8.27 (1H, d, J=8.3 Hz), 10.00 (2H, br s);MS m/z 329/331 ([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度99.6%を示した。
元素分析:C18H13ClO4・0.2 H2Oとして
計算値(%): C: 65.05;H: 4.06
測定値(%): C: 65.21;H: 4.12
【0065】
実施例21
7−メチル−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、無水ジメチルホルムアミド(10mL)およびジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(79mg、0.1mmol)の混合物にテトラメチルスズ(268mg、1.5mmol)を加えた。反応混合物を80℃に加熱し、3時間維持した。TLCおよびMS分析は、出発物質と生成物の1:1混合物と示した。混合物を室温まで冷却し、さらなるテトラメチルスズ(268mg、1.5mmol)および触媒(79mg、0.1mmol)を加えた。混合物を一晩80℃で加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチル(50mL)および水(25mL)を加えた。その層を分離した後、有機部分を水(3×20mL)次いで塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、粗生成物をクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製し、黄白色固体(117mg、42%)を得た:融点224−226℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 2.38 (3H, s), 5.06 (2H, s), 6.69 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.83 (1H, dd, J=2.5 Hz, J=8.4 Hz), 6.93 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.7 Hz), 7.08 (1H, d, J=2.3 Hz), 7.71 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.77 (1H, d, J=8.6 Hz), 8.01 (1H, s), 9.67 (2H, s);MS m/z 279 ([M+H]+)。 分析HPLCは280nmで純度99.5%を示した。
元素分析:C18H14O3 (0.2 H2O)として
計算値(%): C: 76.69;H: 5.15
測定値(%): C: 76.61;H: 4.99
【0066】
実施例22
7−[2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

3−(アセチルオキシ)−7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−9−イルアセテート(2.03g、4.8mmol)、(2−ヒドロキシメチルフェニル)ボロン酸二水和物(1.54g、13.3mol)、炭酸カリウム(2.07g、15mmol)、ジメトキシエタン(100mL)および水(10mL)の混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(600mg、0.4mmol)を加えた。混合物を還流温度に1時間加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチル(200mL)と水(75mL)の間に懸濁した。酢酸エチルを水(2×75mL)に続いて塩水(75mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた黄色液体をメタノール(100mL)に溶かし、25% ナトリウムメトキシド(10mL)を加えた。混合物を室温で0.5時間攪拌し、次いで酢酸エチル(200mL)および1N HCl(75mL)で希釈した。酢酸エチルを水(3×75mL)に次いで塩水(75mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去して黄褐色固体を得て、それをクロマトグラフィー(35% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して白色固体(500mg、15%)を得た:融点171-173℃; 1H NMR (DMSO-d6): δ 4.08 (1H, dd, J=3.7 Hz, J=14.3 Hz), 4.26 (1H, dd, J=3.6 Hz, J=14.3 Hz), 4.92 (2H, s), 4.94-4.99(1H, m), 6.36 (1H, d, J=2.0 Hz), 6.63 (1H, d, J=2.1 Hz), 6.85 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.5 Hz), 6.89 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.7 Hz), 7.11 (1H, d, J=7.4 Hz), 7.36-7.39 (1H, m), 7.45-7.49 (1H, m), 7.67 (1H, d, J=7.7 Hz), 7.78 (1H, d, J=8.9 Hz), 7.83 (1H, d, J=8.6 Hz),8.20 (1H, s), 9.53 (1 H, br s), 9.70 (1H, br s);MS m/z 369 ([M-H]-).分析HPLCは280nmで純度94.9%を示した。
元素分析:C24H18O4・0.3 H2Oとして
計算値(%): C: 76.71;H: 4.99
測定値(%): C: 76.56;H: 4.95
【0067】
実施例23
7−フェニル−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、lmmol)、ジメチルアセトアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物にフェニルボロン酸(366mg、3mmol)を加えた。反応混合物を3時間120℃に加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い液体をクロマトグラフィー(5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して黄褐色固体(170mg、50%)を得た:融点225−227℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.95 (2H, s), 6.63 (2H, s), 6.85 (1H, dd, J=2.2 Hz, J=8.4 Hz), 6.92(1H, dd, J=2.2 Hz, J=8.7 Hz), 7.33 (2H, d, J= 7.0 Hz), 7.40-7.43 (1H, m), 7.49-7.53 (2H, m), 7.77 (1H, d, J=8.9 Hz), 7.83 (1H, d, J=8.6 Hz), 8.19 (1H, s), 9.61 (1H, br s), 9.69 (1H, br s);MS m/z 341 ([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度98.2%示した。
元素分析:C23H16O3・0.5 H2Oとして
計算値(%): C: 79.07;H: 4.90
測定値(%): C: 78.68;H: 4.64
【0068】
実施例24
7−(2−トリル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、lmmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に2−トリルボロン酸(400mg、3mmol)を加えた。反応混合物を2.5時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い固体をクロマトグラフィー(5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して黄色固体(150mg、42%)を得た:融点193−196℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 1.97 (3H, s), 4.92 (2H, s), 6.36 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.62 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.83-6.92 (2H, m), 7.09-7.13 (1H, m), 7.27-7.39 (3H, m), 7.78 (1H, d, J=8.9 Hz), 7.84 (1H, d, J=8.6 Hz), 8.20 (1H, s), 9.52 (1H, s), 9.72 (1H, s);MS m/z 355 ([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度99.8%を示した。
元素分析:C24H18O3・0.5 H2Oとして
計算値(%): C: 79.32;H: 5.27
測定値(%): C: 79.04;H: 5.15
【0069】
実施例25
7−(3−トリル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、lmmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に3−トリルボロン酸(400mg、3mmol)を加えた。反応混合物を2時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い油状物をクロマトグラフィー(5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して白色固体(264mg、75%)を得た:融点219−222℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 2.39 (3H, s), 4.94 (2H, s), 6.61-6.64 (2H, m), 6.84 (1H, dd, J =2.4 Hz, J=8.5 Hz), 6.90 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 7.09-7.12 (2H, m), 7.22 (1H, d, J=9.1 Hz), 7.39-7.43 (1H, m), 7.77 (1H, d, J=8.9 Hz), 7.82 (1H, d, J=8.6 Hz), 8.18 (1H, s), 9.54 (1H, br s), 9.72 (1H, s);MS m/z 355 ([M+H]+)。分析HPLCは254nmで純度99.3%を示した。
元素分析:C24H18O3・0.1 H2Oとして
計算値(%): C: 80.93;H: 5.15
測定値(%): C: 80.81;H: 5.08
【0070】
実施例26
7−(4−トリル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に4−トリルボロン酸(400mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1時間120℃に加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い油状物をクロマトグラフィー(5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して白色固体(265mg、75%)を得た:融点238−240℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 2.40 (3H, s), 4.93 (2H, s), 6.64 (2H, dd, J=2.3 Hz, J=7.0Hz), 6.84 (1H, dd, J =2.4 Hz, J=8.5 Hz), 6.90 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 7.20 (2H, d, J=8.0 Hz), 7.31 (2H, d, J=8.0 Hz), 7.76 (1H, d, J=8.9 Hz), 7.82 (1H, d, J=8.6 Hz), 8.17 (1H, s), 9.54 (1H, br s), 9.71 (1H, br s);MS m/z 355 ([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度99.9%を示した。
元素分析:C24H18O3・0.3 H2Oとして
計算値(%): C: 80.16;H: 5.21
測定値(%): C: 79.99;H: 5.12
【0071】
実施例27
7−(4−メトキシフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に4−メトキシフェニルボロン酸(500mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた褐色固体をクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して白色固体(215mg、58%)を得た:融点200−203℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 3.85 (3H, s), 4.95 (2H, s), 6.64 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.68 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.85 (1H, dd, J=2.6 Hz, J=8.4 Hz), 6.91 (1H, dd, J=2.2 Hz, J=8.8 Hz), 7.08 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.25 (2H, d, J=8.8 Hz), 7.77 (1H, d, J=8.7 Hz), 7.82 (1H, d, J=8.8 Hz), 8.17 (1H, s), 9.50 (1H, s), 9.69 (1H, s);MS m/z 371 ([M+H]+)。分析HPLCは254nmで純度98.3%を示した。
元素分析:C24H18O4・0.2 H2Oとして
計算値(%): C: 77.07;H: 4.96
測定値(%): C: 76.81;H: 5.00
【0072】
実施例28
7−(4−クロロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に4−クロロフェニルボロン酸(468mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1.5時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い油状物をクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して白色固体(215mg、58%)を得た:融点239−242℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.96 (2H, s), 6.60 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.64 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.84 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 6.92 (1H, dd, J=2.5 Hz, J=8.5 Hz), 7.36 (2H, d, J=8.5 Hz), 7.58 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.78 (1H, d, J=8.9 Hz), 7.83 (1H, d, J=8.6 Hz), 8.21 (1H, s), 9.56 (1H, s), 9.72 (1H, s);MS m/z 375/377 ([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度99.6%を示した。
元素分析:C23H15ClO3・0.2 H2Oとして
計算値(%): C: 73.00;H: 4.10
測定値(%): C: 72.89;H: 4.01
【0073】
実施例29
7−(4−フルオロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に4−フルオロフェニルボロン酸(420mg、3mmol)を加えた。反応混合物を2時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた黄褐色固体をクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して白色固体(215mg、62%)を得た:融点229−232℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.96 (2H, s), 6.62 (2H, dd, J=2.4 Hz, J=9.4 Hz), 6.84 (1H, dd, J=2.5 Hz, J=8.5 Hz), 6.92 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.8 Hz), 7.33-7.43 (4H, m), 7.78 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.83 (1H, d, J=8.5 Hz), 8.20 (1H, s), 9.56 (1H, s), 9.72 (1H, s);MS m/z 359 ([M+H]+)。 分析HPLCは280nmで純度98.1%を示した。
元素分析:C23H15FO3・0.3 H2Oとして
計算値(%): C: 75.94;H: 4.32
測定値(%): C: 76.02;H: 4.29
【0074】
実施例30
7−チエン−2−イル−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、DMF(5mL)、水(1mL)、2N 炭酸ナトリウム(1mL)およびテトラキス(トリフェニル−ホスフィン)−パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に2−チオフェンボロン酸(260mg、2mmol)を加えた。反応混合物を120℃に加熱し、一晩維持した。混合物を冷却し、酢酸エチル(50mL)および5% 塩化アンモニウム(25mL)を加えた。酢酸エチルを水(2×20mL)および塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去した後、粗固体をクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して黄白色固体(84mg、24%)を得た:融点233−236℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 5.01 (2H, s), 6.65 (1H, d, J=2.5 Hz), 6.83-6.88 (2H, m), 6.93 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 7.09 (1H, dd, J=1.0 Hz, J=3.4 Hz), 7.24 (1H, dd, J=3.5 Hz, J=5.1 Hz), 7.70 (1H, dd, J=1.0 Hz, J=5.1 Hz), 7.78 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.83 (1H, d, J=8.7 Hz), 8.24 (1H, s), 9.67 (1H s), 9.75 (1H, s);MS m/z 347 ([M+H]+)。 分析HPLCは300nMで純度96.8%を示した。
元素分析:C21H14O3S・0.2 H2Oとして
計算値(%): C: 72.06;H: 4.15
測定値(%): C: 71.82;H: 4.0.1
【0075】
実施例31
7−チエン−3−イル−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に3−チオフェンボロン酸(300mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1時間120℃に加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い液体をクロマトグラフィー(5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して黄色固体(188mg、54%)を得た:融点159−161℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.98 (2H, s), 6.65 (1H, d, J=2.5Hz), 6.83-6.86 (2H, m), 6.92(1H, dd, J =2.4 Hz, J=8.7 Hz), 7.18 (1H, dd, J=1.2 Hz, J=4.9 Hz), 7.50 (1H, dd, J=1.2 Hz, J=4.9 Hz), 7.68 (1H, dd, J=2.9 Hz, J=4.9 Hz), 7.76 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.82 (1H, d, J=8.6 Hz), 8.17 (1H, s), 9.57 (1H, s), 9.70 (1H, s);MS m/z 345 ([M-H]-). 分析HPLCは280nmで純度99.8%を示した。
元素分析:C21H14O3S・0.5 H2Oとして
計算値(%): C: 70.97;H: 4.25
測定値(%): C: 71.06;H: 3.98
【0076】
実施例32
7−(3−フルオロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に3−フルオロフェニルボロン酸(420mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い液体をクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して白色固体(196mg、55%)を得た:融点225−227℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.98 (2H, s), 6.62-6.64 (2H, m), 6.84 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.5 Hz), 6.92 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 7.16-7.29 (3H, m), 7.52-7.59 (1H, m), 7.77-7.85 (2H, m), 8.22 (1H, s), 9.59 (1H, s), 9.72 (1H, s);MS m/z 359 ([M+H]+)。 分析HPLCは210nmで純度99.2%を示した。
元素分析:C23H15FO3・0.2 H2Oとして
計算値(%): C: 76.32;H: 4.29
測定値(%): C: 76.21;H: 4.22
【0077】
実施例33
7−(3−クロロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に3−クロロフェニルボロン酸(468mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い液体をクロマトグラフィー(2.5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して白色固体(138.6mg、37%)を得た:融点243−246℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.98 (2H, s), 6.59 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.64 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.84 (1H, dd, J=2.5 Hz, J=8.4 Hz), 6.93 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 7.29-7.32 (1H, m), 7.38-7.41 (1H, m), 7.45-7.58 (2H, m), 7.77-7.85(2H, m), 8.22 (1H, s), 9.61 (1H, s), 9.73 (1H,s);MS m/z 375/377, 1 Cl, ([M+H]+)。 分析HPLCは280nmで純度97.5%を示した。
元素分析:C23H15ClO3として
計算値(%): C: 73.70;H: 4.03
測定値(%): C: 73.84;H: 4.15
【0078】
実施例34
7−(3−メトキシフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に3−メトキシフェニルボロン酸(456mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い固体をクロマトグラフィー(2.5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して白色固体(248.3mg、67%)を得た:融点220−223℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 3.79 (3H, s), 4.96 (2H, s), 6.64 (2H, dd, J=2.3 Hz, J=7.0 Hz), 6.82-6.92 (4H, m), 6.98 (1H, dd, J=1.5 Hz, J=6.7 Hz), 7.40-7.45 (1H, m), 7.75-7.84 (2H, m), 8.19 (1H, s), 9.54 (1H, s), 9.70 (1H, s);MS m/z 371 ([M+H]+)。 分析HPLCは280nmで純度98.5%を示した。
元素分析:C24H18O4・0.3 H2Oとして
計算値(%): C: 76.71;H: 4.99
測定値(%): C: 76.88;H: 4.80
【0079】
実施例35
7−(2−クロロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に2−クロロフェニルボロン酸(468mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い液体をクロマトグラフィー(2.5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して白色固体(85.1mg、22%)を得た:融点220−222℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.98 (2H, s), 6.37 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.63 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.85 (1H, dd, J=2.5 Hz, J=8.5 Hz), 6.92 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.8 Hz), 7.33-7.38 (1H, m), 7.43-7.53 (2H, m), 7.61-7.67 (1H, m), 7.78-7.85 (2H, m), 8.24 (1H, s), 9.58 (1H, s), 9.72 (1H, s);MS m/z 375/377, 1 Cl, ([M+H]+)。 分析HPLCは280nmで純度97.6%を示した。
元素分析:C23H15ClO3・0.3 H2Oとして
計算値(%): C: 72.65;H: 4.14
測定値(%): C: 72.63;H: 3.83
【0080】
実施例36
7−(3,4−ジフルオロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に3,4−ジフルオロフェニルボロン酸(474mg、3mmol)を加えた。反応混合物を2時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた黄褐色固体をクロマトグラフィー(2.5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して白色固体(162.1mg、43%)を得た:融点235−237℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.99 (2H, s), 6.63 (2H, dd, J=2.4 Hz, J=8.8 Hz), 6.84 (1H, dd, J=2.5 Hz, J=8.4 Hz), 6.93 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 7.16-7.21 (1H, m), 7.42-7.49 (1H, m), 7.53-7.62 (1H, m), 7.77-7.84 (2H, m), 8.23 (1H, s), 9.60 (1H, s), 9.73 (1H, s);MS m/z 377 ([M+H]+)。 分析HPLCは280nmで純度97.6%を示した。
元素分析:C23H14F2O3・0.1 H2Oとして
計算値(%): C: 73.05;H: 3.78
測定値(%): C: 72.98;H: 3.63
【0081】
実施例37
7−(4−ピリジル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に4−ピリジルボロン酸(370mg、3mmol)を加えた。反応混合物を2時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。その不溶性の黄褐色固体を濾過し、乾燥させ、次いでジクロロメタン:メタノール中に溶かし、濾過助剤に通じて濾過して触媒を除去した。溶媒を除去して黄褐色固体(60mg、18%)を得た:融点>250℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.99 (2H, s), 6.60 (1H, d, J=2.2 Hz), 6.64 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.85 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.5 Hz), 6.94 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 7.40 (2H, dd, J=1.5 Hz, J=4.4 Hz), 7.79-7.85 (2H, m), 8.26 (1H, s), 8.71 (2H, dd, J=1.5 Hz, J=4.4 Hz), 9.65 (1H, s), 9.76 (1H.s);MS m/z 342 ([M+H]+)。 分析HPLCは280nmで純度99.7%を示した。
元素分析:C22H15NO3・HClとして
計算値(%): C: 69.94;H: 4.27;N: 3.71
測定値(%): C: 70.27;H: 4.08;N: 3.58
【0082】
実施例38
7−(2−フルオロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に2−フルオロフェニルボロン酸(420mg、3mmol)を加えた。反応混合物を2時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い液体をクロマトグラフィー(2.5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して白色固体(120mg、30%)を得た:融点240−242℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.97 (2H, d, J=2.7 Hz), 6.55 (1H, s), 6.64 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.85 (1H, dd, J=2.5 Hz, J=8.5 Hz), 6.93 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 7.33-7.43 (3H, m), 7.45-7.54 (1H, m), 7.78-7.85 (2H, m), 8.25 (1H, s), 9.62 (1H, s), 9.72 (1H, s);MS m/z 359 ([M+H]+)。 分析HPLCは280nmで純度99.2%を示した。
元素分析:C23H15FO3・0.5 H2Oとして
計算値(%): C: 75.20;H: 4.39
測定値(%): C: 75.09;H: 4.22
【0083】
実施例39
7−(3,4−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、lmmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に3,4−ジメチルフェニルボロン酸(450mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた黄褐色固体をクロマトグラフィー(2.5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して白色固体(95mg、26%)を得た:融点218−221℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 2.29 (3H, s), 2.31 (3H, s) 4.92 (2H, s),6.62-6.65 (2H, m), 6.82-6.91 (2H, m), 7.01-7.05 (1H, m), 7.08 (1H, s), 7.25 (1H, d, J=7.7 Hz), 7.77-7.83 (2H, m), 8.16 (1H, s), 9.48 (1H, s), 9.70 (1H, s);MS m/z 369 ([M+H]+)。 分析HPLCは280nmで純度97.3%を示した。
元素分析:C25H20O3・0.2 H2Oとして
計算値(%): C: 80.71;H: 5.53
測定値(%): C: 80.61;H: 5.43
【0084】
実施例40
7−(4−シアノフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(400mg、1.2mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(140mg、0.12mmol)の混合物に4−シアノフェニルボロン酸(514mg、3.5mmol)を加えた。反応混合物を1時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い液体をクロマトグラフィー(2.5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して白色固体(282.3mg、66%)を得た:融点>250℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.98 (2H, s), 6.55 (1H, d, J=2.2 Hz), 6.64 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.85 (1H, dd, J=2.5 Hz, J=8.5 Hz), 6.94 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 7.57 (2H, d, J=8.3 Hz), 7.79-7.85 (2H, m), 7.98 (1H, d, J=7.8 Hz), 8.25 (1H, s), 9.62 (1H, s), 9.74 (1H, s);MS m/z 364 ([M-H]-). 分析HPLCは280nmで純度96.5%を示した。
元素分析:C24H15NO3・0.3 H2Oとして
計算値(%): C: 77.74;H: 4.24;N: 3.78
測定値(%): C: 77.91;H: 4.07;N: 3.53
【0085】
実施例41
7−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、lmmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に3−フルオロ−4−メチルフェニルボロン酸(462mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い固体をクロマトグラフィー(2.5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して白色固体(226mg、61%)を得た:融点238−240℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.97 (2H, s), 6.63-6.65 (2H, m), 6.84 (1H, dd, J=2.5 Hz, J=8.5 Hz), 6.91 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.8 Hz), 7.04-7.13 (2H, m), 7.38-7.43 (1H, m), 7.76-7.84 (2H, m), 8.20 (1H, s), 9.55 (1H, s), 9.72 (1H, s);MS m/z 373 ([M+H]+)。 分析HPLCは280nmで純度98.2%を示した。
元素分析:C24H17O3・0.3 H2Oとして
計算値(%): C: 76.30;H: 4.70
測定値(%): C: 76.04;H: 4.60
【0086】
実施例42
7−(3,4−ジメトキシフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に3−フルオロ−4−メチルフェニルボロン酸(546mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い液体をクロマトグラフィー(2.5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して白色固体(261.1mg、65%)を得た:融点245−248℃; 1H NMR (DMSO-d6): δ 3.75 (3H, s), 3,84 (3H, s), 4.96 (2H, s), 6.64 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.75 (1H, dd, J=2.3 Hz), 6.83-6.92 (4H, m), 7.09 (1H, d, J=8.2 Hz),
7.74-7.83 (2H, m), 8.17 (1H, s), 9.51 (1H, s), 9.70 (1H, s);MS m/z 401 ([M+H]+)。 分析HPLCは280nmで純度99.4%を示した。
元素分析:C25H20O5・0.5 H2Oとして
計算値(%): C: 73.34;H: 5.17
測定値(%): C: 73.24;H: 4.95
【0087】
実施例43
7−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、lmmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に3−フルオロ−4−メチルフェニルボロン酸(570mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた黄褐色固体をクロマトグラフィー(2.5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して白色固体(214mg、52%)を得た:融点228−231℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.99 (2H, d, J=2.7 Hz), 6.55 (1H, d, J=2.2 Hz), 6.64 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.85 (1H, dd, J=2.5 Hz, J=8.5 Hz), 6.94 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 7.66-7.86 (6 H, m), 8.25 (1H, s), 9.62 (1H, s), 9.73 (1H, s);MS m/z 409 ([M+H]+)。 分析HPLCは280nmで純度100%を示した。
元素分析:C24H15FO3として
計算値(%): C: 70.59;H: 3.70
測定値(%): C: 70.23;H: 3.79
【0088】
実施例44
7−(3,5−ジフルオロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に3,5−ジフルオロ−フェニルボロン酸(475mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1.5時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い液体をクロマトグラフィー(2.5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して黄褐色固体(217.4mg、58%)を得た:融点238−240℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 5.01 (2H, s), 6.63 (2H, dd, J=2.3 Hz, J=6.4 Hz), 6.84 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.5 Hz), 6.94 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 7.08-7.14 (2H, m), 7.27-7.35 (1H, m), 7.78-7.84 (2 H, m), 8.24 (1H, s), 9.65 (1H, s), 9.75 (1H, s);MS m/z 375 ([M-H]-). 分析HPLCは280nm純度97.5%を示した。
元素分析:C23H14F2O3・0.3 H2Oとして
計算値(%): C: 72.36;H: 3.85
測定値(%): C: 72.31;H: 3.64
【0089】
実施例45
7−(3,5−ジクロロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、lmmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に3,5−ジフルオロ−フェニルボロン酸(573mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い液体をクロマトグラフィー(2.5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して黄褐色固体(178.9mg、44%)を得た:融点252−255℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 5.01 (2H, s), 6.57 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.64 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.84 (1H, dd, J=2.5 Hz, J=8.5 Hz), 6.94 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 7.42 (2H, d, J=1.9 Hz), 7.66-7.70 (1 H, m), 7.79-7.85 (2H, m), 8.25 (1H, s), 9.68 (1H, s), 9.76 (1H, s);MS m/z 409/411/413, 2 Cl ([M+H]+)。 分析HPLCは280nmで純度97.6%を示した。
元素分析:C23H14Cl2O3として
計算値(%): C: 67.50;H: 3.45
測定値(%): C: 67.13;H: 3.63
【0090】
実施例46
7−(3−メチル−4−フルオロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、2M 炭酸ナトリウム(1mL)、水(1mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(116mg、0.1mmol)の混合物に3−メチル−4−フルオロ−フェニルボロン酸(486mg、3mmol)を加えた。反応混合物を1時間120℃に加熱し、次いで冷却し、酢酸エチル(25mL)および5% 塩化アンモニウムで希釈した。有機層を水(3×10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去し、得られた薄黒い液体をクロマトグラフィー(2.5% アセトニトリル−ジクロロメタン)により精製して黄褐色固体(223mg、60%)を得た:融点185−188℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 2.31 (3H, d, J=1.2 Hz), 4.95 (2H, s), 6.62 (2H, dd, J=2.3 Hz, J=10.4 Hz), 6.84 (1H, dd, J=2.4 Hz, J=8.5 Hz), 6.91 (1H, dd, J=2.3 Hz, J=8.8 Hz), 7.13-7.30 (3H, m), 7.76-7.84 (2H, m), 8.19 (1H, s), 9.55 (1H, s), 9.73 (1H, s);MS m/z 371 ([M-H]-). 分析HPLCは280nmで純度99.5%を示した。
元素分析:C24H17FO3として
計算値(%): C: 77.41;H: 4.60
測定値(%): C: 77.17;H: 4.54
【0091】
実施例47
7−(3−フリル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

DMF(20mL)中の7−ブロモ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(342mg、1.0mmol)、フラン−3−ボロン酸(224mg、2mmols)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(116mg、0.1mmol)の混合物を120℃にて4時間攪拌しながら加熱した。混合物をセライトに通じて濾過し、酢酸エチル(×3)で抽出し、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を分離し、シリカカラムクロマトグラフィー(18%−25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して200mg(61%)の標記化合物を黄色がかった固体を得た:融点216−218℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 5.00 (2H, s), 6.66 (2H, m), 6.84 (1H, dd, J = 8.45 Hz, J = 2.35 Hz), 6.93 (1H, dd, J = 8.77 Hz, J = 2.35 Hz), 7.04 (1H, d, J = 2.17 Hz), 7.76 (1H, d, J = 8.83 Hz), 7.80-7.85 (3H, m), 8.16 (1H, s), 9.61 (1H, s), 9.71 (1H, s);MS (ESI) m/z 329 (M-H)-, 331(M+H)+
元素分析:C21H14O4として
計算値(%): C:76.36 H:4.27
測定値(%): C:75.81 H:4.32
【0092】
実施例48
7−(2−フリル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

トルエン(26mL)中の7−ブロモ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(450mg、1.32mmol)、2−(トリブチルスタンニル)フラン(0.622mL、1.97mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(153mg、0.132mmol)の混合物を110℃にて23時間攪拌しながら加熱した。混合物をセライトに通じて濾過し、濃縮し、逆相分取HPLCにより精製して280mg(64%)の標記化合物を淡褐色固体として得た。それをさらにCHClで粉砕して精製し、灰色固体を得た:融点158−163℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 5.04 (2H, s), 6.61 (1H, d, J = 3.11 Hz), 6.67-6.69 (2H, m), 6.85 (1H, dd, J = 8.47 Hz, J = 2.33 Hz), 6.95 (1H, dd, J = 8.72 Hz, J = 2.27 Hz), 6.99 (1H, d, J = 1.98 Hz), 7.77 (1H, d, J = 8.77 Hz), 7.82 (1H, d, J = 8.53 Hz), 7.85 (1H, d, J = 1.32 Hz), 8.24 (1H, s), 9.70 (1H, s), 9.75 (1H, s);MS (ESI) m/z 329 (M-H)-, 331(M+H)+
元素分析:C21H14O4・0.2CH2Cl2として
計算値(%): C: 72.62 H: 4.06
測定値(%): C: 72.67 H: 4.03。
【0093】
実施例49
7−ブチル−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

DMF(12mL)中の7−ブロモ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(420mg、1.23mmol)、2−トリブチルスタンニルチアゾール(0.95mL、1.15g、3.07mmols)およびジクロロビス(トリ−O−トイルホスフィン)パラジウム(II)(97mg、0.123mmol)の混合物を110℃にて18時間攪拌しながら加熱した。混合物をセライトに通じて濾過し、酢酸エチル(×3)で抽出し、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を分離して、シリカカラムクロマトグラフィー(25% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して200mg(51%)の標記化合物を黄色固体として得た。その分析試料をさらに別のシリカカラムクロマトグラフィー(10%−20% 酢酸エチル−ヘキサン)により精製して黄色がかった固体として得た:融点187−189℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 0.94 (3H, t, J = 7.17 Hz), 1.37-1.44 (2H, m), 1.47-1.58 (2H, m), 2.92 (2H, t, J = 7.00 Hz), 5.04 (2H, s), 6.73 (1H, d, J = 2.36 Hz), 6.82 (1H, dd, J = 8.44 Hz, J = 2.48 Hz), 6.92 (1H, dd, J = 8.76 Hz, J = 2.18 Hz), 7.12 (1H, d, J = 2.05 Hz), 7.71 (1H, d, J = 8.88 Hz), 7.76 (1H, d, J = 8.53 Hz), 8.00 (1H, s), 9.63 (1H, s), 9.67 (1H, s);MS (ESI) m/z 319 (M-H)-, 321 (M+H)+
元素分析:C21H20O3として
計算値(%): C: 78.73 H: 6.29
測定値(%): C: 78.42 H: 6.27
【0094】
実施例50
7−(3−ピリジニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(686mg、2mmol)と3−ピリジニルボロン酸(737mg、6mmol)を反応させて、前記実施例23に記載のように標記化合物を調製して黄色固体(201mg、30%)を得た:融点>250℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.99 (2H, s), 6.60 (1H, d, J=2.5 Hz), 6.65 (1H, d, J=2.5 Hz), 6.86 (2H, dd, J=8.5 Hz, J=2.6 Hz), 7.54-7.58 (1H, m), 7.78-7.85 (3H, m), 8.25 (1H, s), 8.55 (1H, d, J=1.4 Hz), 8.63 (1H, dd, J=4.8 Hz, J=1.6 Hz), 9.62 (1H, s), 9.72 (1H, s);MS m/z 342 ([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度99.6%を示した。
元素分析:C22H15NO3・0.2 H2Oとして
計算値(%): C: 76.60;N: 4.50: H: 4.06
測定値(%): C: 76.46;N: 4.53: H: 3.80
【0095】
実施例51
7−(4−メトキシ−3−ピリジル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)と4−メトキシ−3−ピリジニルボロン酸(168mg、1.1mmol)を反応させて、前記実施例23に記載のように標記化合物を調製して黄色固体(62.3mg、17%)を得た:融点>220℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 3.94 (3H, s) 4.98 (2H, s), 6.64-6.67 (2H, m), 6.83 (1H, dd, J=8.5 Hz, J=2.4 Hz), 6.93 (1H, dd, J=8.8 Hz, J=2.3 Hz), 6.98 (1H, d, J=8.5 Hz), 7.69 (1H, dd, J=8.5 Hz, J=2.4 Hz), 7.78-7.85 (2H, m), 8.13 (1H, d, J=2.2 Hz), 8.22 (1H, s), 9.60 (1H, s), 9.73 (1H, s);MS m/z 372 ([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度98.9%を示した。
元素分析:C23H17NO4・0.2 H2Oとして
計算値(%): C: 73.67;N: 4.68;H: 3.74
測定値(%): C: 73.71;N: 4.40;H: 3.34
【0096】
実施例52
7−(ピリミジル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)とピリミジルボロン酸(370mg、3mmol)を反応させて、前記実施例23に記載のように標記化合物を調製して黄褐色固体(84.8mg、25%)を得た:融点>250℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 5.04 (2H, s), 6.62 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.65 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.85 (1H, dd, J=8.5 Hz, J=2.6 Hz), 6.97 (1H, dd, J=11.8 Hz, J=5.4 Hz), 7.82-7.86 (2H, m), 8.31 (1H, s), 8.87 (2H, s), 9.26 (1H, s), 9.73 (2H, br s);MS m/z 343 ([M+H]+)。分析HPLCは300nmで純度96.8%を示した。
元素分析:C21H14N2O3・0.3 H2Oとして
計算値(%): C: 72.53;N: 4.23;H: 8.06
測定値(%): C: 72.48;N: 4.17;H: 7.68
【0097】
実施例53
7−(5−メトキシ−3−ピリジル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(515mg、1.5mmol)と5−メトキシ−3−ピリジニルボロン酸(306mg、3mmol)を反応させて、前記実施例23に記載のように標記化合物を調製して黄褐色固体(160.4mg、29%)を得た:融点>250℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 3.88 (3H, s), 5.00 (2H, s), 6.64 (2H, dd, J=6.2 Hz, J=2.4 Hz), 6.85 (1H, dd, J=8.5 Hz, J=2.6 Hz), 6.94 (1H, dd, J=8.8 Hz, J=2.3 Hz), 7.38 (1H, dd, J=2.9 Hz, J=1.7 Hz), 7.81-7.85 (2H, m), 8.14 (1H, s), 8.25 (1H, s), 8.36 (1H, s), 9.61 (1H, br s), 9.72 (1H, br s);MS m/z 372 ([M+H]+)。分析HPLCは300nmで純度99.0%を示した。
元素分析:C23H17NO4として
計算値(%): C: 74.38;N: 4.61;H: 3.77
測定値(%): C: 74.27;N: 4.49;H: 3.31
【0098】
実施例54
7−(2−ピリジル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(686mg、2mmol)と2−ピリジニルトリブチルスズ(306mg、3mmol)を反応させて、前記実施例23に記載のように標記化合物を調製して黄褐色固体(46.9mg、7%)を得た:融点>220℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.96 (2H, s), 6.57 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.64 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.85 (1H, dd, J=8.5 Hz, J=2.4 Hz), 6.92 (1H, dd, J=8.8 Hz, J=2.4 Hz), 7.40-7.46 (1H, m), 7.47 (1H, dd, J=6.9 Hz, J=1.0 Hz), 7.78 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.84 (1H, d, J=8.7 Hz), 7.90-7.94 (1H, m), 8.23 (1H, s), 8.75 (1H, d, J=2.4 Hz), 9.52 (1H, br s), 9.71 (1H, br s);MS m/z 342 ([M+H]+)。分析HPLCは210nmで純度99.0%を示した。
元素分析:C22H15NO3 ・0.5 H2Oとして
計算値(%): C: 75.42;N: 4.60;H: 4.00
測定値(%): C: 75.08;N: 4.20;H: 3.80
【0099】
実施例55
7−(3,4−ジクロロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)と3,4−ジクロロフェニルボロン酸(572mg、3mmol)を反応させて、前記実施例23に記載のように標記化合物を調製して白色固体(220mg、54%)を得た:融点143−145℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.99 (2H, s), 6.57 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.65 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.84 (1H, dd, J=8.5 Hz, J=2.6 Hz), 6.93 (1H, dd, J=8.8 Hz, J=2.4 Hz), 7.35 (1H, dd, J=8.2 Hz, J=2.1 Hz), 7.62 (1H, d, J=1.9 Hz), 7.77-7.84 (3H, m), 8.24 (1H, s), 9.59 (1H, s), 9.72 (1H, s);MS m/z 407/409 ([M-H]-).分析HPLCは280nmで純度97.7%を示した。
元素分析:C22H15NO3 ・0.3 H2Oとして
計算値(%): C: 66.62;H: 3.55
測定値(%): C: 66.40;H: 3.39
【0100】
実施例56
7−(4−メチルチオフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)と4−メチルチオフェニルボロン酸(504mg、3mmol)を反応させて、前記実施例23に記載のように標記化合物を調製して黄褐色固体(250mg、65%)を得た:融点195−198℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 2.56 (3H, s), 4.95 (2H, s), 6.65 (2H, dd, J=10.6, J=2.4 Hz), 6.84 (1H, dd, J=8.5, Hz J=2.6 Hz), 6.91 (1H, dd, J=8.8 Hz, J=2.4 Hz), 7.28 (2H, d, J=8.5 Hz), 7.39 (2H, d, J=8.5 Hz), 7.77 (1H, d, J=8.7 Hz), 7.82 (1H, d, J=8.6 Hz), 8.18 (1H, s), 9.52 (1H, s), 9.69 (1H, s);MS m/z 387 ([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度99.4%を示した。
元素分析:C24H18SO3・0.3 H2Oとして
計算値(%): C: 73.56;H: 4.78
測定値(%): C: 73.66;H: 4.43
【0101】
実施例57
7−(4−シアノメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)と4−シアノメチルフェニルボロン酸(483mg、3mmol)を反応させて、前記実施例23に記載のように標記化合物を調製して白色固体(210mg、55%)を得た:融点240−242℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.14 (2H, s), 4.95 (2H, s), 6.63 (2H, d, J=2.3 Hz), 6.85 (1H, dd, J=8.5, Hz J=2.4 Hz), 6.92 (1H, dd, J=8.8 Hz, J=2.4 Hz), 7.36 (2H, d, J=8.2 Hz), 7.49 (2H, d, J=8.3 Hz), 7.78 (1H, d, J=8.9 Hz), 7.83 (1H, d, J=8.6 Hz), 8.20 (1H, s), 9.55 (1H, s), 9.70 (1H, s);MS m/z 380 ([M+H]+)。分析HPLCは280nm純度を98.6%示した。
元素分析:C25H17NO3・0.2 H2Oとして
計算値(%): C: 78.40;N: 4.58;H: 3.66
測定値(%): C: 78.45;N: 4.30;H: 3.56
【0102】
実施例58
7−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)と3−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(618mg、3mmol)を反応させて、前記実施例23に記載のように標記化合物を調製して白色固体(140mg、33%)を得た:融点110−112℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.98 (2H, s), 6.61 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.64 (1H, d, J=1.9 Hz), 6.85 (1H, dd, J=8.5, Hz J=2.4 Hz), 6.93 (1H, dd, J=8.8 Hz, J=2.3 Hz), 7.32 (1H, s), 7.38-7.44 (2H, m,), 7.64-7.68 (1H, m), 7.80 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.83 (1H,d, J=8.6 Hz), 8.23 (1H, s), 9.61 (1H, s), 9.72 (1H, s);MS m/z 425 ([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度98.7%を示した。
元素分析:C24H15F3O4・0.5 H2Oとして
計算値(%): C: 66.51;H: 3.72
測定値(%): C: 66.57;H: 3.39
【0103】
実施例59
7−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)および4−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(618mg、3mmol)を反応させて、前記実施例23に記載のように標記化合物を調製して白色固体(219mg、52%)を得た:融点245−248℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.97 (2H, s), 6.60 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.64 (1H, d, J=2.5 Hz), 6.85 (1H, dd, J=8.5, Hz J=2.5 Hz), 6.93 (1H, dd, J=8.8 Hz, J=2.3 Hz), 7.32 (1H, s), 7.38-7.44 (2H, m,), 7.64-7.68 (1H, m), 7.80 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.83 (1H,d, J=8.6 Hz), 8.22 (1H, s), 9.60 (1H, s), 9.71 (1H, s);MS m/z 425 ([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度99.9%を示した。
元素分析:C24H15F3O4として
計算値(%): C: 67.93;H: 3.56
測定値(%): C: 67.76;H: 3.50
【0104】
実施例60
7−(4−tert−ブチルフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)と4−tert−ブチルフェニルボロン酸(534mg、3mmol)を反応させて、前記実施例23に記載のように標記化合物を調製して白色固体(144mg、36%)を得た:融点162−165℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 1.38 (9H, s), 4.94 (2H, s), 6.63 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.68 (1H, d, J=2.2 Hz), 6.84 (1H, dd, J=8.5, Hz J=2.4 Hz), 6.90 (1H, dd, J=8.8 Hz, J=2.3 Hz), 7.27 (2H, d, J=8.2 Hz), 7.53 (2H, d, J=8.3 Hz), 7.79 (1H, d, J=7.6 Hz), 7.82 (1H, d, J=8.6 Hz), 8.18 (1H, s), 9.54 (1H, s), 9.69 (1H, s);MS m/z 397
([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度99.2%を示した。
元素分析:C27H24O3 ・0.5 H2Oとして
計算値(%): C: 79.98;H: 6.21
測定値(%): C: 79.24;H: 6.29
【0105】
実施例61
7−(ナフチル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)と1−ナフチルボロン酸(516mg、3mmol)を反応させて、前記実施例23に記載のように標記化合物を調製して白色固体(110mg、28%)を得た:融点160−162℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 4.85 (2H, s), 6.24 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.57 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.84-6.92 (3H, m), 7.26-7.51 (4H, m), 7.63-7.68 (1H, m), 7.83 (1H, d, J=8.1 Hz), 7.88 (1H, d, J=8.5 Hz), 8.02 (1H, d, J=8.2 Hz), 8.30 (1H, s), 9.39 (1H, s), 9.70 (1H, s);MS m/z 389 ([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度95.4%を示した。
元素分析:C27H18O3 ・0.4 H2Oとして
計算値(%): C: 81.55;H: 4.76
測定値(%): C: 81.39;H: 4.87
【0106】
実施例62
7−(4−エチルフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)および4−エチルフェニルボロン酸(450mg、3mmol)を反応させて、前記実施例23に記載のように標記化合物を調製して白色固体(292mg、79%)を得た:融点203−205℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 1.29 (3H, t, J=7.6 Hz), 2.71 (2H, q, J=2.2 Hz), 4.94 (2H, s), 6.65 (2H, dd, J=13.7 Hz, J=2.4 Hz), 6.85 (1H, dd, J=8.5 Hz, J=2.6 Hz), 6.90 (1H, dd, J=8.8 Hz, J=2.4 Hz), 7.25 (2H, d, J=7.9 Hz), 7.34 (2H, d, J=8.2 Hz), 7.76 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.82 (1H, d, J=8.6 Hz), 8.17 (1H, s), 9.51 (1H, s), 9.69 (1H, s);MS m/z 369 ([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度99.8%を示した。
元素分析:C25H20O3 ・0.5 H2Oとして
計算値(%): C: 79.56;H: 5.61
測定値(%): C: 79.86;H: 5.37
【0107】
実施例63
7−(3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール

7−ブロモ−H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール(343mg、1mmol)と3,5−ジメチルフェニルボロン酸(450mg、3mmol)を反応させて、前記実施例23に記載のように標記化合物を調製して白色固体(270mg、73%)を得た:融点220−223℃;1H NMR (DMSO-d6): δ 2.34 (6H, s), 4.93 (2H,), 6.62 (2H, dd, J=9.7 Hz, J=2.4 Hz), 6.84 (1H, dd, J=8.5 Hz, J=2.4 Hz), 6.88-6.91 (3H, m), 7.04 (1H, s), 7.76 (1H, d, J=8.9 Hz), 7.82 (1H, d, J=8.6 Hz), 8.16 (1H, s), 9.49 (1H, s), 9.69 (1H, s);MS m/z 369 ([M+H]+)。分析HPLCは280nmで純度97.2%を示した。
元素分析:C25H20O3 ・0.25 H2Oとして
計算値(%): C: 80.52;H: 5.54
測定値(%): C: 80.64;H: 5.32
【0108】
実施例64
ERαおよびERβの両方に対する17β−エストラジオールの競合力
本発明の代表例は、ERαおよびERβの両方に対する17β−エストラジオールの競合力について評価された。この試験手順は、特定の化合物がエストロゲン受容体に結合するかどうか(従って、「エストロゲン様」であるかどうか)、さらにERαまたはERβに対して選択的かどうかを決定する一例としての方法論を提供する。その値は、後掲の表で示され、IC50として報告される。17β−エストラジオールは、比較の標準的な基準として含まれる。用いられる手順を以下に簡潔に記載する。ヒトERαまたはERβのエストロゲン受容体リガンド結合ドメイン(D、EおよびF)を発現する大腸菌の粗溶菌液を調製した。受容体と化合物の両方を1mMのEDTAを含む1×ダルベッコPVS(DPBS)にて希釈した。高結合性のマスクされたマイクロタイタープレートを用いて、100μLの受容体(1uG/ウェル)を、2nMの[H]−17β−エストラジオールおよび種々の濃度の化合物と組み合わせた。室温で5〜15時間経過した後、プレートをDPBS/1mMEDTAで洗浄し、結合された放射能を液体シンチレーション計数により決定した。IC50は、結合する総17β−エストラジオールを50%にまで減少させる化合物の濃度として定義される。得られた結果を以下の表に記載する。
【0109】
【表1−1】

【0110】
【表1−2】

【0111】
【表1−3】

【0112】
標準の薬理学試験手順において得られる結果は、本発明の化合物がエストロゲン様化合物であり、幾つかはERβ受容体に対して強く選択的な親和性を有していることを実証している。本発明の化合物は、ERα以上にERβに対して強く選択的な親和性を有するものから、両方の受容体に対してほぼ等しい親和性を有するものにまで及ぶ。従って、本発明の化合物は、少なくとも部分的に、これらの受容体親和性、選択性の側面に基づく活性の範囲に及ぶものである。加えて、それぞれの新規な受容体リガンド複合体は独特であり、従って種々の共調節(coregulatory)蛋白質との相互作用が独特であるため、本発明の化合物は、それらが存在する細胞環境に応じて異なる修飾作用を示すであろう。例えば、幾つかの細胞型において、ある化合物はエストロゲンアゴニストとして振る舞い、一方で他の組織では、アンタゴニストとして振る舞うことが可能である。そのような活性を有する化合物は、時々、SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)として参照される。しかしながら、多くのエストロゲンと異なり、SERMの多くは子宮の湿重量に増加をもたらさない。これらの化合物は、子宮における抗エストロゲンであり、そして子宮組織においてエストロゲンアゴニストの作用効果を完全に打ち消すことができる。しかしながら、これらの化合物は、骨、心血管および中枢神経系においてエストロゲンアゴニストとして作用する。これらの化合物のこの組織選択的性質のため、エストロゲン欠損(特定の組織、例えば、骨もしくは心血管において)、または過剰量のエストロゲン(子宮もしくは乳腺において)により生じる若しくは関連する哺乳動物の病状または症候群を処置または予防するのに有用である。
【0113】
このような細胞特異的修飾さえも越えて、本発明の化合物はまた、ある受容体型でアゴニストとして振る舞うが、他の受容体ではアンタゴニストとして作用する可能性を有する。例えば、化合物がERβにおいてはアンタゴニストであるが、ERαにおいてはアゴニストであり得ることが実証されている(Meyers, Marvin J.;Sun, Jun;Carlson, Kathryn E.;Katzenellenbogen, Benita S.;Katzenellenbogen, John A.. J. Med. Chem. (1999), 42(13), 2456-2468)。そのようなERSAA(エストロゲン受容体選択的アゴニスト・アンタゴニスト)活性は、この一連の化合物内で医薬的に明確なエストロゲン様活性を提供する。
【0114】
標準的な薬理学試験手順は、所定の被験化合物の活性プロフィールを決定するために容易に利用できる。以下の実施例は、幾つかの代表的な試験手順を簡単に概説したものである。SERMについての標準的な薬理学試験手順もまた、米国特許第4,418,068号および第5,998,402号において提供される。
【0115】
実施例65
ラット子宮効果性(uterotrophic)/抗子宮効果性試験手順
化合物のエストロゲン様および抗エストロゲン様特性は、L.J.BlackおよびR.L.Goode, Life Sciences, 26, 1453 (1980)により以前に記載されたように、未成熟のラット子宮効果性アッセイ(4日)において決定することができる。未成熟なスプラグ−ダウレイ(Sprague-Dawley)ラット(メス、18日齢)を6つのグループにおいて試験した。動物を、1日あたり、10uG化合物、100uG化合物、抗エストロゲン性を確認するための(100uG化合物+1uG17β−エストラジオール)、および1uG17β−エストラジオールを、注射媒体として50%DMSO/50%塩水と共に腹腔内投与することにより処理する。4日目に、動物はCO窒息により犠牲にされ、それらの子宮を取り出し、余分な脂肪を剥がし、全ての体液を取り除き、そして湿重量を決定した。1つのホーンの小切片を、組織学のために提供し、補体成分3遺伝子発現を評価するために、残りの部分を用いて全RNAを単離した。
【0116】
実施例66
6週齢の卵巣除去ラット試験手順−骨および心臓保護
メスのスプラグ−ダウレイCDラット、ovxまたは偽ovxは、手術後1日にタコニック・ファーム(Taconic Farm)から入手した(体重の範囲240〜275g)。12時間/12時間(明/暗)日程の室内にてラット3匹または4匹/ケージで、飼料(ピューリナ(Purina)5K96Cラット食物)と水を自由に与えられて飼育された。全ての研究の処理は、動物の到着後1日で開始し、示すように6週間、1週間に7日投与した。処理を全く受けていない週齢一致の偽手術ラットの群は、全ての研究についての無傷な、エストロゲン供給十分な対象群として提供される。
【0117】
全ての処置は、処置容量が0.1mL/100g体重となるよう所定濃度で、通常の塩水中の1%ツイーン(tween)80にて調製される。17β−エストラジオールは、コーン油中に溶解され(20μg/mL)、0.1mL/ラットは皮下にて運搬される。全ての投薬は、群の平均体重測定に応じて3週間隔で調整される。
【0118】
処置開始後5週目および研究の処置開始前1週目に、それぞれのラットは、骨ミネラル濃度(BMD)について評価される。脛骨近位端の総密度および小柱密度は、麻酔したラットにおいて、XCT−960M(pQCT;Stratec Medizintechnik、ドイツ、プフォルツハイム)を用いて評価される。測定は、以下のように行った:走査の15分前に、それぞれのラットを、45mg/kgのケタミン、8.5mg/kgのキシラジン、および1.5mg/kgのアセプロマジンを腹腔内注射により麻酔にかけた。
【0119】
右後ろ肢を、直径25mmのポリカーボネートチューブに通し、90°の角度で足関節を、そして180°で膝間接をアクリル製の枠にテープで貼り付けた。そのポリカーボネートチューブを、pQCTの開口部に対して垂直に維持する可動式の台に固定した。そのプラットフォームは、大腿骨遠位端および脛骨近位端が捜査範囲内に入るように調整される。2次元スカウト像は、10mmの長さで、0.2mmの線解像度で行われる。スカウト像をモニター上に表示した後に、脛骨近位端の位置を確認した。pQCT走査は、この点から3.4mm遠位で始められる。pQCT走査は、1mmの厚さで、0.140mmのボクセル(3次元ピクセル)サイズを有し、スライスを通じて145の投影像から成る。
【0120】
pQCT走査が完了した後に、映像をモニター上に表示する。脛骨を含むが、腓骨を除外した興味範囲を大まかに示す。反復アルゴリズムを用いて、軟組織を自動で取り除く。残りの骨の密度(総密度)をmg/cmにて記録する。骨の外側55%を同心性螺旋状に剥がす。残りの骨の密度(小柱密度)をmg/cmにて記録する。BMD評価の後1週目に、ラットを二酸化炭素窒息により安楽死させ、コレステロール決定のために血液を採取する。子宮を取り出し、その重量を量った。総コレステロールは、コレステロール/HPキットを用いたベーリンガー−マンハイム・日立911クリニカルアナライザーを用いて決定される。統計(Statitstics)は、ダネット検定(Dunnet’s test)を用いて一元配置分散分析法を用いて比較した。
【0121】
実施例67
MCF−7/ERE抗細胞増殖作用試験手順
被験化合物の保存溶液(通常、0.1M)をDMSO中に調製し、次いで、1mMまたは10mMの使用液を作製するためにDMSOを用いて10倍〜100倍希釈する。DMSO保存は4℃(0.1M)または−20℃(<0.1M)で保存する。MCF−7細胞は、増殖培地[10%(v/v)加熱不活化ウシ胎児血清、1%(v/v)ペニシリン−ストレプトマイシン、および2mM glutaMax−1を含むD−MEM/F−12培地]を用いて、1週間で2回継代される。細胞は、5%CO/95%加湿エアーインキュベーター内で37℃の通気孔付きフラスコ中で維持される。処置の前日に、細胞を96ウェルプレート中に培養基を用いて25,000/ウェルで撒き、37℃で一晩インキュベートした。
【0122】
細胞を、実験用培地[10%(v/v)加熱不活化チャコール処理(charcoal-stripped)ウシ胎児血清、1%(v/v)ペニシリン−ストレプトマイシン、2mM glutaMax−1、1mM ピルビン酸ナトリウムを含む、フェノールレッド−不含D−MEM/F−12培地]中のアデノウイルス5−ERE−tk−ルシフェラーゼの1:10希釈液を1ウェルあたり50μl用いて、37℃で2時間感染させた。次いで、ウェルを実験用培地150μlで一回洗浄した。最後に、細胞を、8ウェル/処置の重複測定で、150μl/ウェルの媒体(≦0.1% V/V DMSO)または実験用培地中に≧1000倍希釈された化合物と一緒に37℃で24時間処置される。
【0123】
被験化合物の最初のスクリーニングは、単独で試験される(アゴニスト形式)1μMの一回投与か、または0.1nMの17β−エストラジオールとの組み合わせ(EC80;アンタゴニスト形式)で行われる。それぞれの96ウェルプレートはまた、媒体対照群(0.1% v/v DMSO)およびアゴニスト対照群(0.1または1nMのいずれかの17β−エストラジオール)を含む。用量−応答実験は、10−14〜10−5Mの指数関数増加の活性化合物において、アゴニスト形式および/またはアンタゴニスト形式のいずれかで行われる。これらの用量−応答曲線から、EC50およびIC50値がそれぞれ算出される。最後のウェルはそれぞれ、ERアンタゴニスト対照として5μlの3×10−5M ICI−182,780(10−6M 終濃度)を含む。
【0124】
処置後に、細胞を、25μl/ウェルの1×細胞培養溶菌試薬(プロメガ・コーポレーション)を用いて15分間震盪器上で溶菌させる。その細胞溶菌液(20μl)を96ウェル・照度計プレートに移し、そしてルシフェラーゼ活性を、100μl/ウェルのルシフェラーゼ基質(プロメガ・コーポレーション)を用いたMicroLumat LB 96Pルミノメーター(EG & G Berthold)で測定する。基質注入前に、1秒のバックグラウンド測定がそれぞれのウェルについて行われる。基質注入の後、ルシフェラーゼ活性は、1秒置いた後に10秒間測定される。データは、ルミノメーターからマッキントッシュ・パーソナルコンピューターに移され、JMPソフトウェアー(SAS Institute)を用いて分析される;このプログラムは、それぞれのウェルのルシフェラーゼ測定値(%)からバックグラウンド測定値(%)を引き、次いでそれぞれの処置の平均値と標準偏差を決定する。
【0125】
ルシフェラーゼデータは対数に変換され、ヒューバーM−推定量(Huber M-estimator)を、非本質的な形質転換された観察であるダウン−ウェイト(down-weight)に用いる。JMPソフトウェアーを用いて、一元ANOVA(ダネット検定)について形質転換および加重データが分析される。化合物処置は、アゴニスト形式における媒体対照の結果、またはアンタゴニスト形式における陽性アゴニスト対照(0.1nM 17β−エストラジオール)の結果と比較される。最初の単一用量実験については、化合物処置の結果が、適当な対照と有意に(p<0.05)異なっている場合は、次に、その結果を17β−エストラジオール対照と比較したパーセントとして[すなわち、((化合物−媒体対照)/(17β−エストラジオール対照−媒体対照))×100]記録される。JMPソフトウェアーもまた、非線形用量−応答曲線からEC50および/またはIC50値を決定するために用いられる。
【0126】
実施例68
LDL酸化の阻害−抗酸化活性
ブタの大動脈を屠殺場から入手し、洗浄して、冷却PBS中に移し、そして大動脈内皮細胞を回収した。細胞を回収するために、大動脈の肋間脈菅を結紮し、大動脈の一端を留め具で固定した。新鮮な、滅菌ろ過した、0.2%コラゲネース(シグマI型)を大動脈中に配置し、次いでもう一端を閉鎖系を形成するために留め具で固定した。その大動脈を37℃で15〜20分間インキュベートし、その後、コラゲネース溶液を集め、2000×gで5分間遠心分離した。それぞれのペレットを、チャコール処理したFBS(5%)、ニューセリウム(NuSerum)(5%)、L−グルタミン(4mM)、ペニシリン−ストレプトマイシン(1000U/ml、100μg/ml)およびゲンタマイシン(75μg/ml)が補充されたフェノールレッド不含DMEM/ハンスF12培地から成る7mLの内皮細胞培養基中に懸濁し、100mmペトリ皿中に撒き、そして5%CO中37℃でインキュベートした。20分後、その細胞をPBSですすぎ、新鮮な培地を加えることを、24時間何度も繰り返した。細胞はおよそ1週間でコンフルエントになる。内皮細胞は慣用的に1週間に2回栄養が与えられ、そしてコンフルエントになった場合に、トリプシン処理し、1:7の割合で撒く。評価されるべき化合物(5μM)の存在下で、12.5μg/mLのLDLの細胞媒介性酸化により4時間37℃で生存可能となる。結果は、アルデヒド不含分析についてのTVARS(チオバルビツール酸反応基質)方法(Yagi K., Biochem Med 15:212-216 (1976))により測定されるように、酸化過程の阻害パーセントとして表される。
【0127】
実施例69
D12視床下部(Hypothalmic)細胞試験手順
D12ラットの視床下部細胞を、RCF17親細胞系からサブクローン化し、凍結保存する。それらを、10%ウシ胎児血清(FBS)を加えたDMEM:F12(1:1)、glutaMAX−1(2mM)、ペニシリン(100U/ml)−ストレプトマイシン(100mg/ml)にて慣用的に生育させる。細胞は、2〜10%チャコール処理FBSを含むフェノールレッド不含培地(DMEM:F12、glutaMAX、ペニシリン−ストレプトマイシン)中にサブコンフルエント密度(1〜4×10<6>細胞/150mm皿)で撒く。細胞を24時間後に、2%除去した血清を含む培地で栄養を与える。アゴニスト活性を試験するために、細胞を10nMの17β−エストラジオールまたは種々の用量の被験化合物(1mMまたは1pM〜1mMの範囲)で処理した。アンタゴニスト活性を試験するために、細胞を、種々の用量の被験化合物(100pM〜1mM)の非存在下もしくは存在下の0.1nMの17β−エストラジオールで処理する。対照皿もまた、陰性対照としてDMSOで処理する。ホルモン添加後58時間に、細胞を溶菌させ、結合試験手順を行う。
【0128】
それぞれの結合試験手順について、100−150mgの蛋白質を、150ml容量中の10nMのH−R5020+100倍過剰量のR5020と共にインキュベートする。3重反応(R5020を用いた3回、R5020を用いない3回)を96ウェルプレート中に調製する。蛋白質抽出物を最初に加え、続いて、H-R5020またはH-R5020+100×非標識R5020を加える。この反応は、室温で1〜2時間行う。この反応は、TE pH7.4中の100mlの冷却5%チャコール(Norit SX-4)、0.5%デキストラン69K(ファルマシア)の添加により停止させる。室温で5時間後に、結合および非結合リガンドを遠心分離(5分、1000RCF、4℃)により分離する。上清溶液(〜150ml)を取り出し、シンチレーション・バイアルに移す。続いて、シンチレーション流動体(ベックマン・レディー・プロテイン+(Beckman Ready Protein+)を加え、試料をシンチレーション計数器中で1分間計数する。
【0129】
実施例70
CNS視索前野におけるプロゲステロン受容体
60日齢の老齢のメスのスプラグ−ダウレイラットを卵巣切除する。その動物を、12時間明所、12時間暗所の光周期の、水とげっ歯類の食物を自由に摂取できる動物飼育施設において飼育する。
【0130】
卵巣切除した動物を、媒体(50%DMSO、40%PBS、10%エタノール媒体)、17β−エストラジオール(200ng/kg)または試験されるべき化合物を注射する群に無作為に分ける。さらなる動物を、被験化合物のアンタゴニスト特性を評価するために、17β−エストラジオールの注射前1時間に被験化合物を注射する。皮下注射後6時間、動物を致死量のCOで安楽死させ、その脳を採取し、そして凍結する。
【0131】
動物から採取した組織を、−16℃にて低温保持装置上で切断し、シラン被覆された顕微鏡用スライドに採取する。次いで、切断部が乗せられたスライドを、42℃に保たれたスライド加温器上で乾燥させ、乾燥したスライドボックス中で−80℃にて保存する。加工前に、乾燥したスライドボックスを、スライド上で凝集物形成を起させないため、即ち、組織およびRNA分解を最小限にするため、室温にまでゆっくり温める(−20℃で12〜16時間;4℃で2時間;室温で1時間)。乾燥スライドを、金属ラック中に移し、4%パラホルムアルデヒド(pH9.0)中で5分間後固定し、上記のように加工する。
【0132】
ラットのPR cDNA9(リガンド結合ドメイン)の815bp断片を含むプラスミドを直鎖状にし、ラットPR mRNAの一部と相補的な35−UTP標識プローブを作製するために用いる。加工された切断部が乗せられたスライドを、リボプローブ(4〜6×10 6DPM/スライド)および50%ホルムアミドを含むハイブリダイゼーション混合液20mlでハイブリダイズさせ、55℃の加湿されたチャンバー中で一晩インキュベートする。午前中に、スライドを、2×SSC(0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリウム;pH7.0)/10mM DTT中に沈められた金属ラックに配置する。そのラックを全て、大きな容器に移し、ゆっくり攪拌しながら室温で15分間2×SSC/10mM DTT中で洗浄する。次いでスライドをRNase緩衝液中で30分間37℃にて洗浄し、RNaseA(2mg/ml)で30分間37℃にて処理し、そして室温の1×SSC中で15分間洗浄する。続いて、そのスライドを、非特異的な標識を取り除くために0.1×SSC中で65℃にて洗浄し(2×30分)、室温の0.1×SSC中で15分間すすぎ、そしてアルコール:酢酸アンモニウムの勾配系列(70%、95%および100%)を用いて脱水する。空気乾燥させたスライドをX線フィルムと3日間向かい合わせにし、次いで写真のように現像する。全ての動物からのスライドをハイブリダイズし、洗浄して露光し、そして状況による分析法間変化による違いを排除するために一緒に写真のように現像する。
【0133】
実施例71
ラット・ホットフラッシュ−CNS効果
卵巣除去したメスの60日齢の老齢のスプラグ−ダウレイ・ラットを手術後に入手する。その手術は、最初の処置前の最低8日に行われる。動物は、12時間の明/暗周期下で飼育され、標準的なラットの食事および水が自由に与えられる。
【0134】
2つの対照群は、いずれの研究においても含まれる。用量は、ごま油中の10%DMSO(皮下研究)または塩水中の1.0%ツウィーン80(経口研究)のいずれかにおいてmg/kgの平均群の体重に基づいて調製される。動物は、0.01〜10mg/平均群の体重kgの範囲の用量で被験化合物を投与される。媒体およびエチニルエスタジオール(EE)対照(0.1mg/kg、皮下または0.3mg/kg、経口)対照群は、それぞれの試験において含まれる。化合物をそのアンタゴニスト活性について試験する場合、EEは、それぞれ皮下または経口研究のために0.1または0.3mg/kgで同時に投与される。被験化合物は、尾皮温度が測定される日まで投与される。
【0135】
4日の順応期間の後、動物は興味ある化合物(群)で1日に一度処置される。処置群あたり、10匹の動物が存在する。化合物投与は、首筋に0.1mlの皮下投与または0.5mlの用量の経口投与のいずれかに拠る。処置の3日目に、モルヒネの小丸薬(75mgの硫酸モルヒネ)が皮下に埋め込まれる。処置の5日目に、1個または2個のさらなるモルヒネ小丸薬が埋め込まれる。8日に、およそ半分の動物は、ケタミンを注入され(80mg/kg、筋肉内)、そしてマックラボ・データ・アクイシジョン・システム(MacLab Data Acquisition System)(API Insturments、マサチューセッツ州、ミスフォールド)と連結された熱電対が尻尾の付け根からおよそ1インチの尾部にテープで巻き付けられる。この系は、尾皮温度の連続測定を可能とする。基礎温度が15分間測定され、次いでナロキソン(1.0mg/kg)がモルヒネの効果を阻害するために皮下にて与えられ(0.2ml)、尾皮温度がその後1時間測定される。9日目に、残りの動物を準備し、同様に分析する。
【0136】
実施例72
単離されたラットの大動脈リングにおける血管運動神経の機能
スプラグ−ダウレイ・ラット(240〜260グラム)を4つの群:
1.正常な非卵巣切除(無傷)
2.卵巣切除された(ovex)媒体処理
3.卵巣切除された17β−エストラジオール処理(1mg/kg/日)
4.卵巣切除され、被験化合物(すなわち、1mg/kg/日)で処理される動物
に分ける。
【0137】
動物は処置の前およそ3週に卵巣切除される。それぞれの動物は、17β−エストラジオール硫酸塩または1%ツウィーン−80を含む蒸留、脱イオン水中に懸濁された被験化合物のいずれかを胃菅栄養法により1mg/kg/日与えられる。媒体処理される動物は、薬物処理群で用いられた媒体の適当な容量が与えられる。
【0138】
動物は、CO吸入および全採血により安楽死させる。その胸部大動脈を素早く取り出し、以下の成分(mM):NaCl(54.7)、KCl(5.0)、NaHCO(25.0)、MgCl 2HO(2.5)、D−グルコース(11.8)およびCaCl(0.2)を含み、最終pHを7.4についてCO−O、95%/5%で通気した37℃の生理溶液中に移す。外膜を外部表面から取り出し、脈管を2〜3mmの幅広いリングに切り分ける。リングは、10mLの組織浴槽にて一端をその浴槽の底面に取り付け、もう一端は力変換器に取り付けて吊るす。1グラムの静止張力をリングに加える。リングを1時間平衡に保ち、信号を取得し解析する。
【0139】
平衡の後、リングをフェニレフリン(10−8〜10−4M)の増加濃度にさらし、張力を記録する。次いで、浴槽を新鮮な緩衝液で3回すすぐ。洗い流した後、200mMのL−NAMEを組織浴槽に加え、30分間平衡化させる。次いで、フェニレフリン濃度応答曲線を繰り返す。
【0140】
実施例73
8方向放射状迷路−認知増強
到着時の体重200〜250gのオスのスプラグ−ダウレイ、CDラット(チャールズリバー、キングストン、NY)を用いる。一週間、ラットを、自由に利用できる標準的な研究用の食事および水を備えたケージに6匹で飼育する。22℃に維持された、隔離された部屋にて、AM6:00に明るくなる12時間の明/暗周期で、飼育される。施設への順化の後、動物は個別に飼育され、85%の自由摂食体重にて維持される。安定体重に達すると、ラットを8−方向放射状迷路に順化させる。
【0141】
迷路の構造は、PeeleおよびBaron(Pharmacology, Biochemistry, and Behavior, 29:143-150, 1988)の構造からの改作である。迷路は7.5cmの高さにまで持ち上げられ、それぞれが等距離にある、中心から8方向に放射状に伸びた通路に囲まれた中心領域から成る。それぞれの通路は58cmの長さで、13cmの高さがある。それぞれのセッションの開始前に、迷路の中心部に動物を閉じ込めるための透明なプレキシガラス製の円筒が装備される。迷路の各通路には、データ収集構成部分と交流し、次いでコンピューターと交流する3組の光電管を備えている。光電管は迷路内のラットの動きを追跡するために用いられる。各通路の端にある食料カップの上部に配置された小粒供給器は、通路の外部にある光電管が所定のセッションにおいて初めて始動したときに、2粒の45mgのチョコレート粒を供する。迷路は、各壁に視覚的な手がかりとして役立つ黒と白の幾何学的なポスターを有する試験室に配置される。全ての訓練および試験手順の間、白色雑音を聞かせる(〜70db)。
【0142】
試験手順は、それぞれ5分または10分続く日々のセクションを有する5つの段階から成る。10秒の遅れが、ラットを迷路の中心部に置く時間と、円筒をセッションを開始するために開くときに生じる。第1段階のときに、食事制限された組のラットを、迷路の8つの通路の到る所にばらまかれた45mgのチョコレート食物小粒と共に、10分間迷路に置く。第II段階のときに、それぞれのラットは、別々に各通路の中間の光電管から食事カップまでにばらまかれた小粒と共に、10分間迷路に置かれる。第III段階のときに、それぞれのラットは、各通路の食事カップ内およびその付近にのみ配置された食事小粒と共に、10分間迷路に置かれる。第IV段階のときに、それぞれのラットは、各通路から2粒の小粒を集めるために10分間自由にされる。通路中に再度侵入することは誤りとみなす。ラットは、3日連続した訓練で全ての誤りが、2未満または2となる判定基準実績を達成するまでこの様式で毎日訓練される。順化および訓練の総時間はおよそ3週間である。
【0143】
被験化合物を、リン酸緩衝生理食塩水中に調製し、1ml/kgの容量で投与される。スコポラミンHBr(0.3mg/kg皮下注射)を損傷剤として与えると、誤謬率が増大する(記憶の喪失)。被験化合物を、いずれかの所定の試験日に最初の迷路試行前30分に、スコポラミンと同時に腹膜内に与える。
【0144】
被験化合物を評価するため、度重なる測定について8×8の均衡のとれたラテン方格を、少ない数の動物で高効率な実験効果を達成するために立案する。8つの実験セッション、1週間あたり2つが、各セッション内で無作為に8つの処置(媒体、スコポラミン、スコポラミンと組み合わされる3用量の被験化合物)と共に行われる。それぞれの処置は、同一回数で他のすべての処置を続けた。従って、全ての処置の残留効果を見積もることができ、直接の処置の効果から差し引くことができた。ANOVAに続いて、補正された平均においてダネットの両側検定を用いて多重比較を行う。
【0145】
最初の試行の間の5分以内に4回正しい選択をしなかった動物、または第2の試行の終わりまでに全部で8回選択をしなかった動物は、そのセクションについては「時間切れ」であるとみなす。被験化合物を1回投薬より多く投与した後に「時間切れ」となった全ての動物は、分析から排除される。
【0146】
実施例74
神経防護作用
初代皮質ニューロン培養における時間依存的細胞死の抑制
初代皮質ニューロンは、Monyerら、1989, Brain Research 483:347-354に記載の種々の方法を用いて0〜1日齢のラットの脳から調製された。分散された脳組織をDMEM/10%PDHS(プレグナント・ドナー・ウマ血清)にて3日間増殖させ、次いで汚染しているグリア細胞を取り除くため2日間、サイトシンアラビノサイド(ARC)で処理した。5日目に、ARC培地を取り除き、DMEM/10%PDHSに置換した。神経細胞をさらに使用前4〜7日間培養した。
【0147】
対照の初代ニューロン培養物は、培養の12から18日の間に連続的な細胞死を示す。12の培養物のうち、9日目にDMEMおよび10%PDHS中で維持されている6つの培養物に被験化合物を加え、残りの培養物は対照として維持した後、12日目と16日目に酵素・酪酸脱水素酵素(LD)のレベルについて評価した。LDは、Wroblewskiら、1955, Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 90:210-213による種々の方法を用いて検定した。LDは、組織の生存力を決定するために、臨床および基礎研究の両方で一般的に用いられる細胞質の酵素である。培地のLD増加は、細胞死と直接関係する。
【0148】
低血糖により誘導される細胞毒性に対する神経防護作用
ATCCから入手したC6グリア細胞は、ファルコン(FALCON)25cm組織培養フラスコにて1×10<6>細胞/mlの濃度で、FBSを含むRPMI培地中に撒いた。低血糖にする4時間前に、維持培地を棄て、単層を適当な培地にて2回洗浄し、次いで、無血清もしくは被験化合物を加えた無血清のいずれかにおいて37℃で4時間インキュベートした。クレブスリンゲル・リン酸緩衝液を用いて、適当なグルコース処理を行う前に単層を洗浄した。RPMI培地は、2mgグルコース/mlを含み;フラスコは、それぞれ100%グルコース(2mg/ml)、80%グルコース(1.6mg/ml)、60%グルコース(1.2mg/ml)または0%グルコース(緩衝液)もしくは被験化合物を補充されているものをそれぞれ受ける6つの群に分けた。全てのフラスコを20時間インキュベートし、次いでトリプトファンブルーを利用して、全ての生細胞数および死細胞数について評価した。
【0149】
興奮毒性アミノ酸に対する神経防護作用
SK−N−SH神経芽腫細胞を含む5枚の培養皿を被験化合物で処理し、5枚の培養皿をRPMI培地で処理した。4時間後、全ての細胞をNMDA(500muM)で5分間処理した。次いで、全ての生細胞および死細胞を決定した。
【0150】
酸素−グルコース欠乏に対する神経防護作用
アポトーシスを測定するための濃縮核分析:皮質ニューロンはE18ラットの胎児から調製し、ポリ−D−リジン(10ng/ml)と血清で予め被覆された8ウェルチャンバースライドに密度100,000細胞/ウェルで培養する。細胞は、10%FCSを含む高グルコースDMEMにて培養され、37℃で10%CO/90%空気のインキュベーター中で維持される。翌日に、培養基をB27補剤を含む高グルコースDMEMに交換することで、血清を取り除き、実験日までさらに培地交換をすることなくインキュベーター内で維持する。6日目に、スライドを、2つの群;対照群およびOGD群に分ける。対照群の細胞はグルコースおよび特注のB27を含む(抗酸化物質を含まない)DMEMを与える。OGD群の細胞には、15分間真空下で脱気した、特注のB27を含むグルコース不含DMEMを与える。細胞を気密チャンバー中で10分間90%N/10%COでフラッシュし、37℃で6時間インキュベートする。6時間後、対照およびOGD細胞の両方を、特注のB27を含むグルコース含有DMEM中に媒体(DMSO)または被験化合物のいずれかを含む培地に交換する。細胞を、37℃のノルモキシ(normoxic)インキュベーターに戻す。24時間後に、細胞を4%PFAで10分間4℃で固定化し、トプロ(Topro)(蛍光核結合色素)で染色する。アポトーシスは、レーザー・スキャニング・サイトメーターを用いて濃縮核を測定することにより評価される。
【0151】
細胞死の同定としてのLDH放出の測定:濃縮核は、E18ラット胎児から調製し、ポリ−D−リジン(10ng/ml)と血清で予め被覆された48ウェル培養プレートに、150,000細胞/ウェルの密度で撒く。細胞を、10%FCSを含む高グルコースDMEMに撒き、10%CO/90%空気で37℃のインキュベーターにて維持する。翌日、培養基をB27補剤を含む高グルコースDMEMに交換することにより、血清を取り除く。6日目に、細胞を2つの群;対照群およびOGD群に分ける。対照群の細胞は、グルコースおよび特注のB27(抗酸化物質を含まない)を含むDMEMを与える。OGD群の細胞には、15分間真空下で脱気した、特注のB27を含むグルコース不含DMEMを与える。細胞を、気密チャンバーにて90%N/10%COで10分間フラッシュし、37℃で6時間インキュベートする。6時間後、対照およびOGD細胞の両方を、特注のB27を含むグルコース含有DMEM中に媒体(DMSO)または被験化合物のいずれかを含む培地に交換する。細胞を、37℃のノルモキシ・インキュベーターに戻す。24時間後に、細胞死を、培養基中へのLDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)の細胞放出を測定することにより評価する。LDHアッセイについて、培養基の一部50μlを96ウェルプレートに移す。140μlの0.1リン酸カリウム緩衝液(pH7.5)および100μlの0.2mg/ml NADHを加えた後、プレートを室温の暗所に20分間放置する。反応は、10μlのピルビン酸ナトリウムを添加することにより開始させる。プレートを、サーモマックス(Thermomax)プレートリーダー(モレキュラー・デバイス(Molecular Devices))にて340nmで素早く読み取る。NADH濃度の指標である吸光度を、6秒毎に5分間記録し、NADH消失速度を示す傾きを用いて、LDH活性を計算する。
LDH活性(U/ml)=(ΔA/分)(TCF)(20)(0.0833)/(.78)
ここに:0.0833=比例定数
0.78 =計器の光路長(cm)
【0152】
実施例75
HLAラット試験手順−クローン病および炎症性腸疾患
オスHLA−B27ラットはタコニックから入手し、自由に食事(PMIラボ・ダイエット5001)および水を摂取させる。研究の開始時、ラットは22〜26週齢である。
【0153】
ラットは、以下に列記する製剤の1つを1日に1回、7日間皮下投薬される。それぞれの群は5匹のラットから成り、最後の投薬は安楽死の2時間前に投与される。
・ 媒体(50%DMSO/50%ダルベッコPBS)
・ 17α−エチニル−β−エストラジオール(10μg/kg)
・ 被験化合物
【0154】
便の質を毎日観察し、以下の尺度:下痢=3;軟らかい便=2;正常な便=1、に従って評価する。試験手順の最後に、血清を回収し、−70℃で保存する。結腸の断片を、組織学的分析のために調製し、更なる切片をミエロペルオキシダーゼ活性について分析する。
【0155】
以下の方法を用いて、ミエロペルオキシダーゼ活性を測定する。結腸組織を採取し、液体窒素中で急速冷凍する。全結腸の代表的な試料を用いて、試料間の整合性を確認する。組織を使用するまで−80℃で保存する。次いで、組織の重量を量り(およそ500mg)、1:15w/vの5mM HKPO(pH6)の洗浄緩衝液中にホモジナイズする。組織を、ソーヴァル(Sorvall)RC5B遠心機で45分間、2〜8℃で20,000×gにて遠心沈殿させる。そして上清を棄てる。組織を再懸濁し、細胞内MPOを可溶化するのを助けるために10mM EDTAおよび0.5%ヘックス臭化アンモニウムを含む50mM HPOの2.5ml(1:5w/v)中にホモジナイズする。組織を液体窒素中で凍結し、37℃の温浴槽中で溶解し、膜の溶解を確実に行うために15秒間超音波処理する。この手順を3回繰り返す。次いで、試料を20分間氷上で維持し、2〜8℃で15分間12,000×gで遠心する。上清をこれらの工程に次いで分析する。
【0156】
被験混合物を、反応管中で0.0005%Hを含み、0.167 O−ジアニシジン/mlを含む50mM HPOを2.9ml加えることにより調製する。過酸化水素が分解されるときに、O−ジアニシジンが酸化され、460nmに濃度依存的な様式で吸光する。混合物を25℃で加熱する。組織の上清の百(100)μLを反応管に加え、25℃で1分間インキュベートし、次いで1mlを使い捨てのプラスチック製のキュベットに移す。ODを460nmで反応時間2分毎に、2.9mlの反応混合物および100μlの0.5%臭化アンモニウム溶液を含むブランクに対して測定する。
【0157】
酵素活性単位は、460の吸光と精製されたヒトMPO31.1単位/バイアルで調製された標準曲線との比較により定量化される。MPOを再構築し、10mM EDTAおよび0.5%ヘックス臭化アンモニウムを含む50mM HPO4を用いて、4段階の既知濃度に連続的に希釈する。活性を決定するために、試料の吸光度をこの曲線に対して比較する。
【0158】
組織学的分析を次のように行う。結腸組織を、10%の中性緩衝ホルマリンに浸す。結腸の各標本を評価のために4つの試料に分ける。ホルマリン固定された組織を、パラフィン包埋のために真空浸透処理装置にて処理する。試料を5μmに分割し、次いで、バウトン−スミス(Boughton-Smith)後に改良された尺度を用いたブラインド組織学的評価のためヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色する。得点付けを終えた後、試料を非ブラインド化し、データを表に記入し、複数の平均比較を用いるANOVA直線モデリングにより分析する。
【0159】
本明細書中で引用される全ての特許、刊行物および他の文献は、出典明示によりその全内容は本明細の一部とされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中
、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、C−Cアルキル、C−Cアルコキシまたはハロゲンから選択され;
は、水素、C−Cアルキル、ハロゲン、C−Cアルコキシ、−CN、C−Cアルケニル、−CHO、アリール、フリル、チエニル、ピリミジニルまたはピリジニルであり;ただしR−Rの少なくとも1つはH以外であり;
前記アルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール、フリル、チエニル、ピリミジニルまたはピリジニル基のそれぞれは置換されていてもよい]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
が水素、C−Cアルキル、ハロゲン、C−Cアルコキシ、−CN、C−Cアルケニル、−CHO、フェニル、フリル、チエニル、ピリミジニルおよびピリジニルから選択されるところの、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が水素、C−Cアルキル、ハロゲン、C−Cアルコキシ、−CN、C−Cアルケニル、フリル、チエニルおよびピリジニルから選択されるところの、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
、RおよびRが、それぞれ独立して、水素またはハロゲンであるところの、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
、R、RおよびRが、それぞれ独立して、水素、ハロゲンまたはヒドロキシルであるところの請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
、R、RおよびRの少なくとも1つがヒドロキシルであるところの、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
およびRが、それぞれヒドロキシルであるところの、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
以下:
(a) 5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(b) 8−クロロ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(c) 7−クロロ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(d) 7−ブロモ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(e) 3,9−ジヒドロキシ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−7−カルボニトリル;
(f) 7−メトキシ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(g) 7−ビニル−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(h) 12−ブロモ−7−メトキシ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(i) 12−クロロ−7−メトキシ−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(j) 7−メチル−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(k) 7−[2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(l) 7−フェニル−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(m) 7−(2−トリル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(n) 7−(3−トリル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(o) 7−(4−トリル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(p) 7−(4−メトキシフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(q) 7−(4−クロロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(r) 7−(4−フルオロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(s) 7−チエン−2−イル−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(t) 7−チエン−3−イル−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(u) 7−(3−フルオロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(v) 7−(3−クロロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(w) 7−(3−メトキシフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(x) 7−(2−クロロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(y) 7−(3,4−ジフルオロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(z) 7−(4−ピリジル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(aa) 7−(2−フルオロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(bb) 7−(3,4−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(cc) 7−(4−シアノフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(dd) 7−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(ee) 7−(3,4−ジメトキシフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(ff) 7−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(gg) 7−(3,5−ジフルオロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(hh) 7−(3,5−ジクロロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(ii) 7−(3−メチル−4−フルオロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(jj) 7−(3−フリル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(kk) 7−(2−フリル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(ll) 7−ブチル−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(mm) 7−(3−ピリジル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(nn) 7−(4−メトキシ−3−ピリジル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(oo) 7−(ピリミジル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(pp) 7−(5−メトキシ−3−ピリジル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(qq) 7−(2−ピリジル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(rr) 7−(3,4−ジクロロフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(ss) 7−(4−メチルチオフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(tt) 7−(4−シアノメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(uu) 7−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(vv) 7−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(ww) 7−(4−tert−ブチルフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(xx) 7−(ナフチル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;
(yy) 7−(4−エチルフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール;または
(zz) 7−(3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[c,g]クロメン−3,9−ジオール
のいずれかである、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の化合物および医薬担体を含む医薬組成物。
【請求項10】
それを必要とする哺乳動物における骨粗鬆症の抑制方法であって、前記哺乳動物に請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の有効量を提供することを含む方法。
【請求項11】
それを必要とする哺乳動物における変形性関節症、低カルシウム血症、高カルシウム血症、パジェット病、骨軟化症、骨石灰脱失症、多発性骨髄腫または骨組織に有害な影響を及ぼす他の形態の癌の抑制方法であって、前記哺乳動物に請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の有効量を提供することを含む方法。
【請求項12】
それを必要とする哺乳動物における良性もしくは悪性の異常組織増殖の抑制方法であって、前記哺乳動物に請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の有効量を提供することを含む方法。
【請求項13】
異常組織増殖が、前立腺肥大症、子宮平滑筋腫、乳癌、子宮内膜症、子宮内膜癌、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜ポリープ、良性の乳房疾患、腺筋症、卵巣癌、黒色腫、疲れによる癌、大腸の癌またはCNS癌であるところの、請求項12記載の方法。
【請求項14】
それを必要とする哺乳動物におけるコレステロール、トリグリセリド、Lp(a)もしくはLDLレベルの低下方法;または高コレステロール血症;高脂血症;心血管疾患;アテローム性動脈硬化症;抹消血管疾患;再狭窄もしくは血管痙攣の抑制方法;または免疫介在性の血管損傷に向かう細胞事象からの血管壁損傷の抑制方法であって、前記哺乳動物に請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の有効量を提供することを含む方法。
【請求項15】
それを必要とする哺乳動物における遊離基に誘発される病状の抑制方法であって、前記哺乳動物に請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の有効量を提供することを含む方法。
【請求項16】
それを必要とする哺乳動物における認知増強もしくは神経防護作用の提供方法;あるいは老人性痴呆、アルツハイマー病、認識衰退もしくは神経変性障害の処置方法または抑制方法であって、前記哺乳動物に請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の有効量を提供することを含む方法。
【請求項17】
それを必要とする哺乳動物における炎症性腸疾患、潰瘍性直腸炎、クローン病、大腸炎;顔面潮紅、膣もしくは陰部の萎縮、萎縮性膣炎、膣の乾燥、そう痒症、性交疼痛症、排尿障害、頻尿、尿失禁、尿路感染症、血管運動症状;男性型禿頭症;皮膚萎縮;座瘡;II型糖尿病;不正子宮出血;または不妊症の抑制方法であって、前記哺乳動物に請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の有効量を提供することを含む方法。
【請求項18】
それを必要とする哺乳動物における白血病、子宮内膜切除、慢性腎疾患もしくは慢性肝疾患または凝固疾患もしくは障害の抑制方法であって、前記哺乳動物に請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の有効量を提供することを含む方法。
【請求項19】
医薬として使用するための請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。

【公表番号】特表2007−525517(P2007−525517A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500960(P2007−500960)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/005833
【国際公開番号】WO2005/082880
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マッキントッシュ
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】