説明

G四重鎖DNA構造に極めて特異的に結合する化学誘導体、および、特異的な抗ガン剤としてのそれらの使用

本発明は、ガン治療に関し、高度に特異的な作用メカニズムを示す新規の抗ガン剤に関する。本発明はまた、新規の化合物、および、それらのヒトにおける治療用途に関する。本発明は、高度に特異的なG四重鎖DNAリガンドとしての一般式(IB)のヘテロ環式ジアミドの製造、および、ヒトにおけるテロメラーゼ阻害剤としてのそれらの使用を説明する。(IB)は、四級形態の、窒素原子を含む窒素芳香環(NR3)pCO分配剤(CO)mNR’3)quX−芳香環または非芳香環である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガン治療、および、特異的な作用メカニズムを有する新規の抗ガン剤に関する。また、本発明は、化合物の選択および、ヒトにおけるそれらの治療用途に関する。本発明は、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)の特異的な構造と相互作用する新規の非ヌクレオチド化合物の使用に関する。これらの新規の化合物は、2つの窒素含有ヘテロ芳香族基(そのうち、少なくとも1つの窒素原子が四級形態である)に結合した分配剤からなる。これらは特に、G四重鎖が、1本、2本または4本のDNAストランドのいずれかの構成要素である場合、G四重鎖構造(グアニン四つ組)にフォールドされたDNAを極めて選択的に安定化するのに有用である。これらの新規の化合物はガン治療に有用であり、特に、テロメラーゼ阻害剤として作用する。
【背景技術】
【0002】
上記のG四重鎖を安定化することによってテロメラーゼを阻害する治療用途は、テロメアのDNAの脱保護メカニズムによる、1〜数週間内の細胞の有糸分裂の停止と迅速に分裂する細胞の死、または、ガン細胞の老化の誘導、それに続くテロメアのDNAの段階的な短縮化のいずれかであり得る(Oncogene 2002年,21,553〜63;Oncogene 2002年,21,592〜97)。
【0003】
ガン治療における、G四重鎖DNA構造の安定化のその他の治療用途は、腫瘍遺伝子(例えばc−myc)(J.Biol.Chem.2001年,276,4640〜46;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2002年,99,11593〜98)、H−ras、または、h−TERTのグアニンリピートに豊富にあるプロモーター領域を不活性化することによって行われてもよい。
【0004】
ガン治療における、G四重鎖DNA構造の安定化のその他の治療用途としては、G四重鎖DNA構造に特異的であり、有糸分裂に関与するヘリカーゼの阻害が挙げられる。これらのヘリカーゼはまた、様々な遺伝病、例えばブルーム症候群(Cell 1995年,83,655〜66)、ウェルナー症候群(Science 1996年,272,258〜62)、ロートムンド−トムソン症候群(Nature Genetics 1999年,22,82〜4)、または、運動失調末梢血管拡張症候群にも直接関与する。
【0005】
本発明の化合物は、特に、治療的な観点で、テロメラーゼをブロックするという利点を有する。生物学的な観点では、テロメラーゼは、細胞分裂の際に、テロメアの末端にTTAGGG型の反復DNA配列(テロメア配列という)を付加することができる、。この作用によって、テロメラーゼは、細胞を不死化する。実際、この酵素活性がない場合、細胞は、分裂ごとに100〜150塩基を失い、それによって細胞は迅速に老化する。迅速に分裂するガン細胞の出現する間、これらの細胞は、細胞分裂の際に、安定な長さに維持されたテロマーを有するように見える。これらのガン細胞において、テロメラーゼが強く活性化され、それによりテロメアの末端にテロメア配列の反復単位が付加され、テロメアの長さが保存されると考えられている。かねてから、ガン細胞の85%超がテロメラーゼの存在を証明する試験結果を示したが、その一方で、体細胞はこの特徴を示さないようである。
【0006】
従って、テロメラーゼは、ガン細胞を治療するための、極めて望ましい標的である。テロメラーゼをブロックする第一の明確なアプローチは、ヌクレオチド構造の使用であった(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1996年,93,2635〜39)。これまでに、テロメラーゼを阻害するための様々なアプローチが開発されてきた(Curr.Pharm.Des.2002年,8,2491〜504)。これらのアプローチの中でも、G四重鎖DNAのリガンドの開発に対する関心はますます高まっている(Mini Rev.Med.Chem.2003年,3,11〜21)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特筆すべきは、テロメスタチン、すなわち二本鎖DNAと比べて極めて特異的な方式でG四重鎖DNA構造に結合することができる分子の同定である(J.Amer.Chem.Soc.2001年,123,1262〜63)。G四重鎖DNAに対して高度に選択的な分子は、ゲノムへの非選択的結合に関連する望ましくない毒性メカニズムを回避しながら、G四重鎖DNA構造を標的化するという二重の利点を有すると予想される。
【0008】
特許WO0296903は、G四重鎖DNAのリガンドとして、以下の一般式(I)の複素環式のジアミドの製造、およびそれらのテロメラーゼ阻害剤としての使用を説明している:
窒素含有芳香環−(NR3)p−(CO)n−分配剤−(CO)m−(NR’3)q−芳香環または非芳香環 (I)
(n、m、pおよびqは、同一または異なり、整数0または1を示す)、
式中、
●前記窒素含有芳香環は、以下を示す:
◆場合により以下で置換されたキノリン、
-少なくとも1つの基N(Ra)(Rb)[ここにおいて、RaおよびRbは、同一または異なり、水素またはC1〜C4アルキルラジカルを示す]、または、
-少なくとも1つの短鎖のC1〜C4アルキルもしくはアルコキシ基、または、
◆四級窒素原子を有するキノリン、または、
◆ベンズアミジン、または、
◆ピリジン、
【0009】
●芳香環または非芳香環は、以下を示す:
◆場合により以下で置換されたキノリン、
-少なくとも1つの基N(Ra)(Rb)[ここにおいて、RaおよびRbは、同一または異なり、水素またはC1〜C4アルキルラジカルを示す]、または、
-少なくとも1つの短鎖のC1〜C4アルキルもしくはアルコキシ基、または、
◆四級窒素原子を有するキノリン、または、
◆ベンズアミジン、または、
◆ピリジン、または、
◆フェニル核、ここにおいて、前記フェニル核は、場合により、ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基、カルボニルアミノ基(場合により、各アルキル基に関して、1またはそれ以上のC1〜C4アルキル基、グアニル基、C1〜C4アルキルチオ基、アミノ基、C1〜C4アルキルアミノ基、C1〜C4ジアルキルアミノ基で置換されている)、ニトロ基、C1〜C4アルキレンアミノ基、または、C2〜C4アルケニレンアミノ基で置換されており、または、
◆一環または二環または三環式の、芳香族または非芳香族の複素環式の核、ここにおいて、前記環1つあたり0〜2個のヘテロ原子を含み(ただし、少なくとも1個のヘテロ原子が、少なくとも1個の環に存在する)、前記複素環式の核は、場合により、1またはそれ以上のC1〜C4アルキル基、または、C1〜C4アルキレンもしくはC2〜C4アルケニレン基で置換されており、
●R3およびR’3は、同一または異なり、互いに独立して、水素またはC1〜C4アルキルラジカルを示し、
【0010】
●前記分配剤は、以下を示す:
◆トリアジン基、ここにおいて、前記トリアジン基は、場合により、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキルラジカル、および、チオ、オキシまたはアミノラジカル(これらは、それ自体、場合により、1またはそれ以上の1〜4個の炭素原子を含む短鎖のアルキル鎖で置換されている)から選択される1またはそれ以上のラジカルで置換されており、または、
◆硫黄、酸素または窒素原子を含む5または6員の複素環式ラジカル、
◆フェニル、−NH−フェニル−NH−、−NH−フェニル−CH2−NH−、−NH−CH2−フェニル−CH2−NH−、−NH−CH2−フェニル−NH−、−CH2−フェニル−CH2−、−CH2−フェニル、−フェニル−CH2−、−CH2−チエニル−、−チエニル−CH2−、または、−CH=CH−ラジカル、または、
◆ジアジン基、
前記複素環式の、フェニル、−NH−フェニル−NH−、−NH−フェニル−CH2−NH−、−NH−CH2−フェニル−CH2−NH−、−NH−CH2−フェニル−NH−、−CH2−フェニル−CH2−、−CH2−フェニル、−フェニル−CH2−、−CH2−チエニル−、−チエニル−CH2−、または、−CH=CH−ラジカル、および、ジアジンラジカルは、場合により、前記トリアジンと同じ基で置換されており、
前記分配剤が、場合によりNH2で置換されたフェニルを示し、n、m、pおよびqは、1を示し、R3およびR’3は、水素を示す場合、前記窒素含有芳香環および芳香環が両方とも、窒素原子において非置換であるか、または、窒素原子上で1〜6個の炭素原子を含むアルキルラジカルで置換されたキノリンまたはその塩のいずれか一種を示さず、前記分配剤がトリアジンを示し、pおよびqはいずれも整数1を示す場合、nおよびmはいずれも、整数0を示さない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、リガンドとしての、G四重鎖DNAに高度に特異的な以下の一般式(IB)の複素環式のジアミドの製造、およびそれらのテロメラーゼ阻害剤としての使用を説明する:
四級窒素原子を有する窒素含有芳香環−(NR3)p−CO−分配剤−(CO)m−(NR’3)q−X−芳香環または非芳香環 (IB)
式中、m、pおよびqは、同一または異なり、整数0または1を示し、
式中、
●四級原子を有する窒素含有芳香環は、以下を示す:
◆場合により以下で置換されたキノリン、
-少なくとも1つの基N(Ra)(Rb)[ここにおいて、RaおよびRbは、同一または異なり、水素またはC1〜C4アルキルラジカルを示す]、または、
-少なくとも1つの短鎖のC1〜C4アルキルもしくはアルコキシ基、または、
◆ここにおいて、前記窒素原子は、場合により、各アルキル基に関して、ヒドロキシル、カルボキシル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、アミノ、C1〜C4アルキルアミノ、または、C1〜C4ジアルキルアミノラジカルで置換されたC1〜C4アルキル鎖で四級化されており、
【0012】
●芳香環または非芳香環は、以下を示す:
◆場合により以下で置換されたキノリン、
-少なくとも1つの基N(Ra)(Rb)[ここにおいて、RaおよびRbは、同一または異なり、水素またはC1〜C4アルキルラジカルを示す]、または、
-少なくとも1つの短鎖のC1〜C4アルキルもしくはアルコキシ基、または、
◆四級窒素原子を有するキノリン、または、
◆ベンズアミジン、または、
◆ピリジン、または、
◆フェニル核、ここにおいて、前記フェニル核は、場合により、ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基、カルボニルアミノ基(場合により、各アルキル基に関して、1またはそれ以上のC1〜C4アルキル基、グアニル基、C1〜C4アルキルチオ基、アミノ基、C1〜C4アルキルアミノ基、C1〜C4ジアルキルアミノ基で置換されている)、ニトロ基、C1〜C4アルキレンアミノ基、または、C2〜C4アルケニレンアミノ基で置換されており、または、
◆一環または二環または三環式の、芳香族または非芳香族の複素環式の核、ここにおいて、前記環1つあたり0〜2個のヘテロ原子を含み(ただし、少なくとも1個のヘテロ原子が、少なくとも1個の環に存在する)、前記複素環式の核は、場合により、1またはそれ以上のC1〜C4アルキル基、または、C1〜C4アルキレンもしくはC2〜C4アルケニレン基で置換されており、前記ヘテロ原子は、窒素原子を示す場合、場合により四級形態であってもよく、
【0013】
●R3およびR’3は、同一または異なり、互いに独立して、水素、または、C1〜C4アルキルもしくはアラルキルラジカルを示し、ここにおいて前記アルキル部分はC1〜C4であり、
●Xは、単結合、または、直鎖または分岐C1〜C4アルキルラジカル、C2〜C4アルケニルラジカル、C2〜C4アルキニルラジカルもしくはフェニルラジカルを示す、
●前記分配剤は、以下を示す:
◆硫黄、酸素または窒素原子を含む5または6員の複素環式ラジカル
◆フェニルラジカル、または、
◆ジアジンまたはトリアジン基、
前記複素環式のフェニル、ジアジンまたはトリアジンラジカルは、場合により、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキルラジカル、および、チオ、オキシまたはアミノラジカル(これらは、それ自体、場合により、1またはそれ以上の1〜4個の炭素原子を含む短鎖のアルキル鎖で置換されている)から選択される1またはそれ以上のラジカルで置換されている。
【0014】
前記式(IB)の生成物は、可能性のある全ての異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)でもよいし、前記式(IB)の生成物の無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩でもよい。
【0015】
本発明に記載の化合物において:
−用語「アルキルまたはアルクラジカル」は、最大12個の炭素原子を含む直線状または分岐したラジカルを意味し、以下から選択される:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、tert−ヘキシル、および、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、および、ドデシルラジカル、ならびにそれらの直線状または分岐した位置異性体。
【0016】
より特定には、最大6個の炭素原子を有するアルキルラジカルが挙げられ、特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、直線状または分岐したペンチル、および、直線状または分岐したヘキシルラジカルが挙げられる。
【0017】
用語「アルケニルラジカル」は、最大12個の炭素原子を含む直線状または分岐したラジカル、好ましくは4個の炭素原子を意味し、例えば、以下のものから選択される:エテニル、または、ビニル、プロペニル、または、アリル、1−プロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、3−メチルブタ−2−エニル、n−ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、シクロヘキシルブテニル、および、デセニル、およびそれらの直線状または分岐した位置異性体。
【0018】
アルケニルのなかでも、より特定には、アリル、または、ブテニルが挙げられる。
【0019】
用語「アルキニルラジカル」は、最大12個の炭素原子を含む直線状または分岐したラジカル、好ましくは4個の炭素原子を意味し、例えば、以下のものから選択される:エチニル、プロピニル、または、プロパルギル、ブチニル、n−ブチニル、イソブチニル、3−メチルブタ−2−イニル、ペンチニル、または、ヘキシニル、およびそれらの直線状または分岐した位置異性体。
【0020】
アルキニルのなかでも、より特定には、プロパルギルが挙げられる。
【0021】
用語「アリールラジカル」は、不飽和の単環式であるラジカル、または、縮合環と炭素環からなるラジカルを意味する。このようなアリールラジカルの例としては、フェニルまたはナフチルラジカルが挙げられる。より特定には、フェニルラジカルが挙げられる。
【0022】
用語「アリールアルキル」は、上述のアルキルラジカル(場合により置換された)と、上述のアリールラジカル(場合により置換された)の組合せによって得られるラジカルを意味するものとし、例えばベンジル、フェニルエチル、2−フェネチル、トリフェニルメチルまたはナフタレン(naphthlene)メチルラジカルが挙げられる。
【0023】
用語「複素環式ラジカル」は、飽和(ヘテロシクロアルキル)または不飽和(ヘテロアリール)であり、1またはそれ以上のヘテロ原子を環に含む最大6員で構成される炭素環ラジカルを意味し、ここにおいて、上記ヘテロ原子は、同一または異なり、酸素、窒素または硫黄原子から選択される。
【0024】
ヘテロシクロアルキルラジカルとしては、特に、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、チオオキソラン、チオオキサン、オキシラニル、オキソラニル、ジオキソラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、モルホリニル、または、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、クロマニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリニル、ピペリジニル、ペルヒドロピラニル、ピリンドリニル(pyrindolinyl)、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、または、チオアゾリジニルラジカルが挙げられ、これらのラジカルは全て、場合により、置換されている。
【0025】
ヘテロシクロアルキルラジカルのなかでも、特に、場合により置換されたピペラジニルラジカル、場合により置換されたピペリジニルラジカル、場合により置換されたピロリジニルラジカル、イミダゾリジニルラジカル、ピラゾリジニルラジカル、モルホリニルラジカル、または、チオアゾリジニルラジカルが挙げられる。
【0026】
用語「ヘテロシクロアルキルアルキルラジカル」は、ヘテロシクロアルキル残基とアルキル残基が、上記の意味を有するラジカルを意味するものとする。
【0027】
5員環のヘテロアリールラジカルのなかでも、フリルラジカル、例えば2−フリルラジカル、チエニルラジカル、例えば2−チエニルおよび3−チエニルラジカル、ピロリルラジカル、ジアゾリルラジカル、チアゾリルラジカル、チアジアゾリルラジカル、チアトリアゾリルラジカル、イソチアゾリルラジカル、オキサゾリルラジカル、オキサジアゾリルラジカル、3−または4−イソキサゾリルラジカル、イミダゾリルラジカル、ピラゾリルラジカル、イソキサゾリルラジカルが挙げられる。
【0028】
6員環のヘテロアリールラジカルのなかでも、特に、ピリジルラジカルが挙げられ、例えば2−ピリジル、3−ピリジル、および、4−ピリジルラジカル、ピリミジルラジカル、ピリミジニルラジカル、ピリダジニルラジカル、ピラジニルラジカル、および、テトラゾリルラジカルである。
【0029】
硫黄、窒素および酸素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む縮合ヘテロアリールラジカルとしては、例えば、ベンゾチエニルが挙げられ、例えば3−ベンゾチエニル、ベンゾフリル、ベンゾフラニル、ベンゾピロリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、チオナフチル、インドリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、および、ナフチリジニルである。
【0030】
縮合ヘテロアリールラジカルのなかでも、より特定には、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、または、キノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、フリル、イミダゾリル、インドリジニル、イソキサゾリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、1,3,4−チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、および、トリアゾリルラジカルが挙げられ、これらのラジカルは、場合により、ヘテロアリールラジカルに関して示したように置換されている。
【0031】
上記で定義された式(IB)の生成物において、より特定には、R3およびR’3は、同一または異なり、互いに独立して、水素またはC1〜C4アルキルもしくはアラルキルラジカル(ここにおいて、上記アルキルラジカルはC1〜C4である)を示し、Xは、単結合、C1〜C4アルキルラジカル、C2〜C4アルケニルもしくはアルキニルラジカル、または、フェニルラジカルを示し、その他の置換基は、上記で示したものから選択される式(IB)の生成物が挙げられる。
【0032】
「窒素含有芳香環」という表現は、上記式の記述において、少なくとも1つの窒素原子を含む複素環、または、環にヘテロ原子を含まないが、環に連結された炭化水素鎖(例えばグアニジノまたはグアニル鎖)に少なくとも1つの窒素原子を含む芳香族基を意味するものとする。
【0033】
キノリン単位は、目的とする用途に関与しないその他のいかなる基で置換されていてもよいことは明らかである;従って、アクリジン、または、イソキノリン、または、キナゾリン、または、キノキサリン、または、フタラジン、または、ベンゾチアジン、または、ベンズオキサジン、または、フェノキサジン、または、フェノチアジン基は、キノリン基の定義に含まれる。
【0034】
全ての上記化合物のなかでも、好ましい化合物は、例えば、ピリジルまたはチエニル、フェニルラジカル、ジアジンまたはトリアジンのような複素環式基から選択される分配剤を含む。ジアジン基のなかでも、ピリダジンの使用が好ましい。
【0035】
全ての上記化合物のなかでも、特に好ましい化合物は、上記で定義された基「四級窒素原子を有する窒素含有芳香環−(NR3)p−CO」と、基「(CO)m−(NR’3)q−芳香環または非芳香環」でメタ位で二置換された分配剤を含み、ここにおいて、前記分配剤は、さらに、場合により、ハロゲン原子で置換されている。
【0036】
全ての上記化合物のなかでも、好ましい化合物は、上記で定義された基「四級窒素原子を有する窒素含有芳香環−(NR3)p−CO」と、基「(CO)m−(NR’3)q−芳香環または非芳香環」とでメタ位で二置換されている分配剤を含む。
【0037】
本発明の化合物のなかでも、四級複素環がキノリンである化合物が、好ましい。
【0038】
本発明の化合物のなかでも、m、pおよびqが整数1を示すことを特徴とする、上記で定義された化合物が特に好ましい。
【0039】
本発明の化合物のなかでも、最も特に好ましい化合物は、前記分配剤が、基「四級形態の四級窒素原子を有する窒素含有芳香環−(NR3)p−CO」と、基「(CO)m−(NR’3)q−芳香環または非芳香環」とで、2,6位で二置換されたピリジン、または、2,6で二置換されたピリダジンを示し、ここにおいて、前記四級化された複素環はN−メチルキノリニウムであり、前記分配剤は、場合により、ハロゲン原子でさらに置換されている化合物である。
【0040】
本発明の化合物のなかでも、最も特に好ましい化合物は、前記分配剤が、「四級形態の四級窒素原子を有する窒素含有芳香環−(NR3)p−CO」と、基「(CO)m−(NR’3)q−芳香環または非芳香環」とで、2,6位で二置換されたピリジン、または、2,6位で二置換されたピリダジンを示し、ここにおいて、前記四級化された複素環は、N−メチルキノリニウムである化合物である。
【0041】
本発明の目的は、特に、上記で定義された式(IB)の特定の生成物であり、下記の式(Ia)に対応することを特徴とするものである:
【化1】

式中、m、pおよびqは、同一または異なり、整数0または1を示し、
●Aは、以下を示す:
◆硫黄、酸素または窒素原子を含む5または6員の複素環式ラジカル
◆フェニルラジカル、または、
◆ジアジンまたはトリアジン基、
前記複素環式のフェニル、ジアジンまたはトリアジンラジカルは、場合により、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキルラジカル、および、チオ、オキシまたはアミノラジカル(これらは、それ自体、場合により、1またはそれ以上の1〜4個の炭素原子を含む短鎖のアルキル鎖で置換されている)から選択される1またはそれ以上のラジカルで置換されており、
【0042】
−Ar1およびAr2は、同一または異なってもよく、以下を示す
Ar1およびAr2が同一の場合、Ar1およびAr2は、キノリンで代表される四級原子を有する窒素含有芳香環を示し、前記キノリンは、場合により、以下で置換されている;
−少なくとも1つの基N(Ra)(Rb)[ここにおいて、RaおよびRbは、同一または異なり、水素、または、C1〜C4アルキルラジカルを示す]、または、
−少なくとも1つの短鎖のC1〜C4アルキルまたはアルコキシ基、または、
◆ここにおいて、前記窒素原子は、場合により、各アルキル基に関して、ヒドロキシル、カルボキシル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、アミノ、C1〜C4
アルキルアミノ、または、C1〜C4ジアルキルアミノラジカルで置換されたC1〜C4アルキル鎖で四級化されており、
Ar1およびAr2が異なる場合、Ar1は、上記の可能な選択肢のいずれか1つを示し、Ar2は、以下を示す;
*フェニル核、ここにおいて、前記フェニル核は、場合により、ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基、カルボニルアミノ基(場合により、各アルキル基に関して、1またはそれ以上のC1〜C4アルキル基、グアニル基、C1〜C4アルキルチオ基、アミノ基、C1〜C4アルキルアミノ基、C1〜C4ジアルキルアミノ基で置換されている)、ニトロ基、C1〜C4アルキレンアミノ基、または、C2〜C4アルケニレンアミノ基で置換されており、または、
*ベンズアミジン、
*ピリジル核、
*一環または二環または三環式の、芳香族または非芳香族の複素環式の核、ここにおいて、前記環1つあたり0〜2個のヘテロ原子を含み(ただし、少なくとも1個のヘテロ原子が、少なくとも1個の環に存在する)、前記複素環式の核は、場合により、1またはそれ以上のC1〜C4アルキル基、または、C1〜C4アルキレンもしくはC2〜C4アルケニレン基で置換されており、
【0043】
●R3およびR’3は、同一または異なり、互いに独立して、水素、または、C1〜C4アルキルラジカルもしくはアラルキルラジカルを示し、ここにおいて、前記アルキルラジカルはC1〜C4であり、
●Xは、単結合、または、C1〜C4アルキルラジカル、C2〜C4アルケニルもしくはアルキニルラジカルまたはフェニルラジカルを示し、前記式(Ia)の生成物は、可能性のある全ての異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)でもよく、および、前記式(Ia)の生成物の無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩でもよい。
【0044】
従って、本発明の目的は、上記で定義された、式(Ia)の生成物(XがC1〜C4アルキルラジカルを示す)であり、式(Ia)の生成物のその他の置換基は、上記で示したものから選択され、前記式(Ia)の生成物は、可能性のある全ての異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)でもよく、および、前記式(Ia)の生成物の無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩でもよい。
【0045】
従って、本発明の目的は、上記で定義された式(Ia)の生成物であり、Aは、複素環式基、例えばピリジルまたはチエニル、上記で定義されたフェニルラジカル、ジアジンもしくはトリアジンから選択されることを特徴とする。
【0046】
従って、本発明の目的は、上記で定義された式(Ia)の生成物であり、Aが示し得るジアジン基は、ピラジンであることを特徴とする。
【0047】
従って、本発明の目的は、特に、上記で定義された式(Ia)の生成物であり、Aは、上記で定義された基「四級窒素原子を有する窒素含有芳香環−(NR3)p−CO」と、基「(CO)m−(NR’3)q−芳香環または非芳香環」でメタ位で二置換されており、ここにおいて、Aは、さらに、場合により、ハロゲン原子で置換されていることを特徴とする。
【0048】
本発明の目的は、上記で定義された式(Ia)の生成物であり、Aは、上記で定義された基「四級窒素原子を有する窒素含有芳香環−(NR3)p−CO」と、基「(CO)m−(NR’3)q−芳香環または非芳香環」でメタ位で二置換されていることを特徴とす
る。
【0049】
従って、本発明の目的は、上記で定義された式(Ia)の生成物であり、前記四級複素環は、キノリンであることを特徴とする。
【0050】
従って、本発明の目的は、特に、上記で定義された式(Ia)の生成物であり、Aは、基「四級形態の四級窒素原子を有する窒素含有芳香環−(NR3)p−CO」と、基「(CO)m−(NR’3)q−芳香環または非芳香環」とで、2,6位で二置換されたピリジン、または、2,6位で二置換されたピリダジンを示し、ここにおいて、前記四級化された複素環は、N−メチルキノリニウムであり、ここにおいて、Aは、さらに、場合により、ハロゲン原子で置換されていることを特徴とする。
【0051】
従って、本発明の目的は、上記で定義された式(Ia)の生成物であり、Aは、基「四級形態の四級窒素原子を有する窒素含有芳香環−(NR3)p−CO」と、基「(CO)m−(NR’3)q−芳香環または非芳香環」とで、2,6位で二置換されたピリジン、または、2,6位で二置換されたピリダジンを示し、ここにおいて、前記四級化された複素環は、N−メチルキノリニウムであることを特徴とする。
【0052】
従って、本発明の目的は、上記で定義された式(Ia)の生成物であり、pおよびqは、整数1を示すことを特徴とする。
【0053】
従って、本発明の目的は、上記で定義された式(Ia)の生成物であり、m、pおよびqは、整数1を示すことを特徴とする。
【0054】
本発明の目的は、特に、上記で定義された式(Ia)の生成物であり、Ar2は、以下の基から選択される基を示すことを特徴とする:4−アミノ−または4−メチルアミノ−、 4−ジメチルアミノ−または4−アルコキシ−キノリル 、または、−キノリニウム、ここにおいて、キノリニウム核は、場合により、1または2個のメチル基で置換されている。
【0055】
本発明の目的は、特に、上記で定義された式(Ia)の生成物であり、R3およびR’3は、水素を示すことを特徴とする。
【0056】
本発明の目的は、特に、上記で定義された式(IB)の生成物であり、以下の名称のものが挙げられる:
−ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(4−ジメチルアミノ−1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピラジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−1,3−ベンゼンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(4−アミノキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、イミノ互変異性型で単離された以下の化合物:
−ビス[(1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ベンゼンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリン−6−イル)アミド]−2,4−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(1−メチルキノリニオ−5−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[2(−1−メチルピペリジニオ−1−イル)エチルアミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−6−[キノリン−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−6−[1−(2−ヒドロキシエチル)キノリニオ−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−4−ブロモ−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
前記式(I)の生成物は、可能性のある全ての異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)でもよいし、前記式(I)の生成物の無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩でもよい。
【0057】
従って、本発明の目的は、特に、上記で定義された式(IB)の生成物であり、以下の名称のものが挙げられる:
−ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(4−ジメチルアミノ−1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピラジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−1,3−ベンゼンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(4−アミノキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、イミノ互変異性型で単離された以下の化合物:
−ビス[(1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ベンゼンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリン−6−イル)アミド]−2,4−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(1−メチルキノリニオ−5−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−6−[キノリン−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−6−[1−(2−ヒドロキシ
エチル)キノリニオ−3−イル]アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−4−ブロモ−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、または、これらの化合物の塩もしくはその他の塩
前記式(I)の生成物は、可能性のある全ての異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)でもよいし、前記式(I)の生成物の無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩でもよい。
【0058】
従って、本発明の目的は、以下の式(IB)の生成物:
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[2(−1−メチルピペリジニオ−1−イル)エチルアミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
であり、この式(I)の生成物は、可能性のある全ての異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)でもよく、および、無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩でもよい。本発明の目的はまた、本発明に係る式(IB)の生成物を製造する方法である:従って、一般的な合成方法は、以下のように説明され、N−メチルキノリニウムである。
【0059】
本発明の目的はまた、本発明に係る式(IB)の生成物を製造する方法である:従って、一般的な合成方法は、以下のように説明される。
【0060】
一般的な合成方法
本発明に関して特に利点な方法は、合成の最後に、以下の一般的なスキームに従って、アルキルハロゲン化物を用いて、または場合により、アルキル硫酸塩を用いて、一般式(IA)の生成物から一般式(IB)の生成物にアルキル化することで構成される:
【化2】

【0061】
一般式(IA)の生成物(Xは、単結合を示す)は、特許WO0296903で説明されている一般的な合成方法ののいずれかに従って製造してもよい。
【0062】
一般式(IA)の生成物(Xは単結合ではない)は、以下の一般的なスキームに従って有利に製造することもできる:
【化3】

【0063】
従って、本発明の目的は、テロメラーゼ阻害活性を有することを特徴とする、上記で定義された式(IB)の生成物である。
【0064】
従って、本発明の目的は、抗ガン活性を有することを特徴とする、上記で定義された式(IB)の生成物である。
【0065】
本発明の目的はまた、医薬品としての、上記で定義された式(IB)の生成物およびそれらのプロドラッグであり、前記式(I)の生成物は、可能性のある全ての異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)でもよく、および、製薬上許容できる前記式(I)の生成物の無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩でもよい。
【0066】
従って、本発明の目的は、医薬品としての、上記請求項に記載の式(Ia)の生成物およびそれらのプロドラッグであり、前記式(Ia)の生成物は、可能性のある全ての異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)でもよいし、前記式(Ia)の生成物の製薬上許容できる無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩でもよい。
【0067】
本発明の目的は、特に、医薬品としての、下記の実験の章で説明された生成物およびそれらのプロドラッグ、ならびに、これらの生成物の製薬上許容できる無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩である。
【0068】
用語「患者」は、ヒトを意味し、さらにその他の哺乳動物も意味する。
【0069】
用語「プロドラッグ」は、インビボで、代謝メカニズム(例えば加水分解)によって式(I)の生成物に変換され得る生成物を意味する。 例えば、式(I)の水酸基を含むエステル生成物は、インビボで、加水分解によってその親分子に変換され得る。あるいは、式(I)のカルボキシル基を含むエステル生成物は、インビボで、加水分解によってその親分子に変換され得る。
【0070】
本生成物は、非経口投与、経口投与、経舌投与、直腸投与または局所投与することができる。
【0071】
本発明の目的はまた、活性成分として、1またはそれ以上の上記で定義された一般式(IB)の医薬品、および、特に下記の実験の章で説明された生成物を含むことを特徴とする、医薬組成物である。
【0072】
これらの化合物は、注射用の溶液または懸濁液、錠剤、コーティング錠剤、カプセル、シロップ、坐剤、クリーム、軟膏およびローションの形態で提供することができる。これらの投薬形態は、慣例的な方法に従って製造される。活性成分は、これらの組成物に一般的に用いられる添加剤に包含させてもよく、このような添加剤としては、例えば、水性または非水性の基剤、タルク、アラビアゴム、ラクトース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、カカオバター、動物または植物由来の脂肪、パラフィン誘導体、グリコール、様々な湿潤剤、分散剤または乳化剤、および保存剤が挙げられる。
【0073】
一般的な用量は、治療される被検体や問題となっている状態に従って変化させてもよく、例えば、ヒトでは、経口経路の場合、10mg〜500mg/日であり得る。
【0074】
本発明の目的はまた、ガンに対するその他の化学療法のための医薬品の活性成分をさらに含む、上記で定義された医薬組成物である。
【0075】
本発明の目的はまた、医薬品として、特にガンの化学療法のために用いられることを特徴とする、上記で定義された医薬組成物である。
【0076】
従って、本発明の目的は、ヒトに用いるための医薬生成物としての、上記で定義された化合物の使用である。
【0077】
本発明はまた、上記で定義された式(IB)の化合物と、その他の抗ガン化合物とからなる治療の組合せに関する。
【0078】
従って、本発明は、前記抗ガン化合物は、アルキル化剤、白金誘導体、抗生物質、抗微小管剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI型およびII型、フルオロピリミジン、シチジン類似対、アデノシン類似対、様々な酵素および化合物、例えばL−アスパラギナーゼ、ヒドロキシ尿素、トランス−レチノイン酸、スラミン、イリノテカン、トポテカン、デクスラゾキサン、アミフォスチン、ハーセプチン、ならびに、エストロゲンおよびアンドロゲンホルモン、ならびに、抗血管作用のある物質から選択されることを特徴とする、上記で定義された治療の組合せに関する。
【0079】
本発明はまた、上記で定義された式(IB)の化合物と、放射線とからなる治療の組合せに関する。
【0080】
従って、本発明は、それぞれの化合物または治療は、同時に、別々に、または、連続して投与されることを特徴とする、上記で定義された組合せに関する。
【0081】
従って、本発明は、ガン、遺伝病または多毛に関する異常を治療するための医薬品を製造するための、上記で定義された式(IB)の生成物、または、前記式(IB)の生成物の製薬上許容できる塩の使用に関する。
【0082】
従って、本発明は、ガンを治療するための医薬品を製造するための、上記で定義された式(IB)の生成物、または、前記式(I)の生成物の製薬上許容できる塩の使用に関する。
【0083】
従って、本発明は、遺伝病(例えば、ブルーム症候群、ウェルナー症候群、ロートムンド−トムソン症候群、または、運動失調末梢血管拡張症候群)を治療することを目的とした医薬品を製造するための、上記で定義された式(IB)の生成物、または、前記式(I)の生成物の製薬上許容できる塩の使用に関する。
【0084】
従って、本発明は、多毛に関する異常(例えば多毛症)を治療することを目的とした医薬品を製造するための、上記で定義された式(IB)の生成物、または、前記式(I)の生成物の製薬上許容できる塩の使用に関する。
【0085】
本発明は、特に、乳ガン、胃ガン、結腸ガン、肺ガン、卵巣ガン、子宮ガン、脳ガン、腎臓ガン、喉頭ガン、リンパ系のガン、甲状腺ガン、尿生殖路のガン、管系のガン(例えば膀胱および前立腺)、骨および膵臓ガン、黒色腫ガン、より特定には乳ガン、結腸ガンまたは肺ガンを治療することを目的とした医薬品を製造するための、上記で定義された式(IB)の生成物、または、前記式(I)の生成物の製薬上許容できる塩の使用に関する。
【0086】
本発明は、特に、ガンの化学療法、特に、単独で、または、組合せて用いられるガンの化学療法を目的としたを目的とした医薬品を製造するための、上記で定義された式(IB)の生成物、または、前記式(I)の生成物の製薬上許容できる塩の使用に関する。
【0087】
従って、本発明は、単独で、または、化学療法または放射線治療と組合せて、またあるいは、その他の治療剤と組合せて用いることを目的とした医薬品を製造するための、前述の請求項のいずれか一項に記載の式(IB)の生成物、または、前記式(IB)の生成物の製薬上許容できる塩の使用に関し、特に、前記治療剤が、一般的に用いられる抗ガン剤である前記使用に関する。
【0088】
従って、本発明に係る式(I)の生成物は、増殖抑制剤と組合せても有利に用いることができる:一例として、増殖抑制剤としては、これらに限定されないが、アロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン、トポイソメラーゼI型阻害剤、トポイソメラーゼII型阻害剤、微小管に対して活性な物質、アルキル化剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、COX−2阻害剤、MMP阻害剤、mTOR阻害剤、抗腫瘍性の代謝拮抗物質、白金化合物、タンパク質キナーゼの活性を減少させる化合物が挙げられ、さらに、抗血管新生化合物、ゴナドレリンアゴニスト、抗アンドロゲン、ベンガミド、ビホスホネートおよびトラスツズマブも挙げられる。
【0089】
従って、一例として、抗微小管剤、例えばタキソイド、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、例えばシクロホスファミド、DNA挿入剤、例えばシス白金、トポイソメラーゼと相互作用する物質、例えばカンプトテシンおよび誘導体、アントラサイクリン、例えばアドリアマイシン、代謝拮抗物質、例えば5−フルオロウラシル、ならびに、誘導体および類似対が挙げられる。
【0090】
本発明に係る一般式(IB)の生成物のG四重鎖DNA構造に関する親和性および選択性は、1またはそれ以上の以下の方法によって決定してもよい:
親和性試験No.1:実験プロトコールに従った発光方法による、50%阻害濃度IC50の形態(μMで示される)で測定された、G四重鎖構造を形成することができるオリゴヌクレオチドとその相補ストランドとの対形成の阻害の測定を、以下で説明する。
【0091】
この試験の原理は、「アクセプター」と「ドナー」ビーズが近接している場合に、レーザーで励起された「ドナー」ビーズによって放出された一重項酸素による「アクセプター」ビーズの活性化を用いている。この試験は、増幅ルミネッセンス近接ホモジニアスアッ
セイ法、または、ALPHAスクリーンという名称で、パッカード・バイオサイエンス(Packard Bioscience)によって開発された。
【0092】
「ドナー」ビーズは、ストレプトアビジンと共役しており、アクセプタービーズは、抗ジゴキシゲニン抗体(カタログ参照番号6760604)と共役している。このテロメアのストランドのケースにおいて、DNAストランドは、「ドナー」ビーズと結合できるように、その5’末端でビオチンにカップリングされ、一方で、相補ストランドは、「アクセプター」ビーズと結合できるように、ジゴキシゲニンにカップリングされる。テロメアのストランドと、その相補ストランドとの対形成の際に、ビーズは、近接して配置され、続いて、波長520〜620nmの発光シグナルが放出される。
【0093】
実験に用いられるオリゴヌクレオチドは、パーキン・エルマー・ライフサイエンス(Perkin Elmer Life Sciences,フィンランド)によって合成された。ヒトのテロメアのDNAの反復単位に対応するGリッチなストランドは、配列G−GTT−TAA−AAT−AAT−TGA−GGG−TTA−GGG−TTA−GGG−TTA−GGGを有する。その相補ストランドは、配列 GGT−TTA−AAA−AAT−TTG−CCC−TAA−CCC−TAA−CCC−TAA−CCC−Tを有する。このオリゴヌクレオチドの5’末端に、ビオチンまたはジゴキシゲニンが付加される。
【0094】
実験は、50mMトリス−HCl緩衝液(pH7.4,100mMのKCl、および、0.1%BSAを含む)中で行われる。
【0095】
測定は、パッカード・バイオサイエンス(Packard Biosciences)製のアルファクエスト(Alphaquest)マイクロプレートアナライザー(フュージョンα(Fusion α))を用いて行われる。
【0096】
実験は、96−ウェルプレート(1/2ウェル)で行われる。上述の緩衝液中、濃度25nMのオリゴヌクレオチドストック溶液を製造する。この溶液(10μl)をウェルに分配する。次に、同じ緩衝液(0.6%DMSOを含む)で製造された様々な濃度の試験生成物(10μl)を添加する。緩衝液+0.6%DMSO(10μl)を、コントロールウェルに分配する。これらサンプルを、室温で15分間インキュベートさせる。このインキュベーション時間後に、ウェルに、濃度25nMの相補ストランド(10μl)と、予め50mg/mlに希釈した2タイプのビーズを含む溶液(20μl)を加える。読取りの前に、プレートを室温で2時間インキュベートする。これらの条件下で、テロメアのストランドは、G四重鎖型の二次構造を取る可能性があり、それにより、本生成物は、この構造への親和性に応じて、相補ストランドとの対形成を防ぐことによって安定化される。従って、放出されたシグナルは最小である。コントロールウェル中に本生成物が存在しないと、テロメアのストランドが相補ストランドと対を形成し、最大のシグナルが生じる。
【0097】
選択性試験No.1:実験プロトコールに従った発光方法による、50%阻害濃度IC50の形態(μMで示される)で測定された、あらゆるオリゴヌクレオチドとその相補ストランドとの対形成の阻害の測定を、以下で説明する。
【0098】
用いられる試験は、上述の試験と同じである。オリゴヌクレオチドだけが異なり、テロメアのストランドは、以下の配列:G−GTT−TAA−AAT−AAT−TGA−GGC−TTA−CCG−TTA−CCG−TTA−CGG(5’末端でビオチン化された)を有するオリゴヌクレオチドによって置き換えられている。相補ストランドは、配列:5’−GGT−TTA−AAA−AAT−TTG−CGG−TAA−CGG−TAA−CGG−TAA−GCC−T(5’末端でジゴキシゲニンで標識された)を有する。試験生成物がビオチン化DNA配列に対する親和性を有する場合、相補ストランドの対形成が妨害され、得られたシグナルは最小になると予想される。生成物が存在しない場合、または、生成物がこのDNAに対して親和性がない場合、対形成が起こり、シグナルは最大となると予想される。
【0099】
親和性試験No.2:実験プロトコールに従った蛍光方法による、本発明の生成物と、モノマーG四重鎖構造を形成することができるオリゴヌクレオチドとの複合体の解離定数(μMで示される)の測定を、以下で説明する。
【0100】
滴定は、スペックスフルオロログ3蛍光分光計(Jobin−Yvon)の温度調節された区画に置かれた石英キュベット(有効量3ml,断面10×10mm)中で、20℃で行われる。全ての実験に用いられる緩衝液は、100mM塩化カリウムを含むpH7.2のカコジル酸ナトリウム(10mM)である。0.1μMの化合物溶液に、濃度が高められた核酸が加えられる。3分間平衡化した後、5nmのスリット、励起波長340nmを用いて、各ポイントで蛍光放出スペクトルを記録する。各アリコートは、追加の3μlを示す。実験の最後に、放出シグナルを統合した後に、希釈の作用を修正する。次に、核酸濃度の関数として放出強度を示す曲線を解析し、マッキントッシュ用のカレイダグラフ(KaleidaGraph)3.52ソフトウェアを用いて適合させた。
【0101】
選択性試験No.2:実験プロトコールに従った蛍光方法による、本発明の生成物と、あらゆる二本鎖オリゴヌクレオチドとの複合体の解離定数(μMで示される)の測定を、以下で説明する。
【0102】
滴定は、前述の試験の滴定で用いられたプロトコールと同一のプロトコールに従って行われる。
【0103】
親和性試験No.3:フルオレセインとの複合体の形成を用いた方法による、G四重鎖Tm(℃で示される)の安定化の測定であって、その実験プロトコールを、以下で説明する。
【0104】
オリゴヌクレオチド
全てのオリゴヌクレオチド(変成されたもの等を含む)は、Eurogentec SA(Seraing,Belgium)によって修飾または合成されたものである。オリゴヌクレオチドFAM+DABCYLのカタログ参照番号は、OL−0371−0802である。これは、ヒトのテロメアユニットの3.5リピートに対応する配列:GGGTTAGGGTTAGGGTTAGGG(Gリッチストランド)を有する。フルオレセインは、5’末端にに付着しており、DABCYLは、Eurogentecによって説明されている化学アームによって3’末端に付着している。オリゴヌクレオチドFAM+TAMRAを用いてもよい。サンプル濃度は、分光光度法で、製造元が提供したモル吸光係数を用いて220〜700nmにおける吸光スペクトルを記録することによってチェックされる。
【0105】
緩衝液
全ての実験は、0.1M塩化リチウム(または塩化ナトリウム)を含む10mMカコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.6)中で行われた。緩衝液中に蛍光の汚染がないことを予めチェックした。蛍光性のオリゴヌクレオチドを、最終濃度0.2μMで加える。
【0106】
蛍光の研究
全ての蛍光測定は、スペックスフルオロログ(Spex Fluorolog)DM1B、または、フルオロマックス(Fluoromax)3装置で、励起線幅1.8nm、および、放出線幅4.5または5nmを用いて行われた。サンプルは、マイクロ石英キュベット(0.2×1cm)に置いた。サンプルの温度は、外部の水槽によってコントロールされる。オリゴヌクレオチド単独は、20、30、40、50、60、70および80℃で解析された。放出スペクトルを励起波長470nmで記録する。励起スペクトルを放出波長として515または588nmのいずれかを用いて記録する。スペクトルは、機器のレスポンスに応じて参照曲線によって修正される。室温において、フルオレセインの蛍光の高い吸光度(80〜90%)が観察され、これは、20℃でのG四重鎖型におけるオリゴヌクレオチドの分子内のフォールディングに一致しており、それにより、その5’と3’末端(それぞれフルオレセインおよびDABCYLに連結されている)の近位が誘発される。この近位は、すでに上述した蛍光の吸光度の現象を引き起こし、これは、「分子ビーコン」に用いられる。
【0107】
蛍光Tm
0.1MのLiCl,10mMカコジル酸緩衝液(pH7.6)中の、ストランド濃度0.2μMのオリゴヌクレオチドストック溶液を予め製造し、90℃で短時間加熱し、20℃にゆっくり冷却し、次に、600μlのアリコートに蛍光キュベットへ分配した。次に、水3μl(コントロールとして)、または、試験生成物3μl(200μMでストックし,最終濃度は1μMとする)を加え、混合する。次に、各測定の前に、サンプルを20℃で少なくとも1時間インキュベートする。より長い時間インキュベーションしても(〜24時間)は、得られる結果に影響はない。各実験により、1〜4個のサンプルの測定が可能である。これらはまず、初期温度20℃でインキュベートされ、38分間かけて80℃に加熱される。この時間の間、同時に、1つの放出波長(515nm)で、または、2つの放出波長(515nm、および、588nm)で、励起波長として470nmを用いて蛍光を測定する。測定は、30秒間ごとに、または、1℃ごとに行われる。平行して、水槽の温度を記録し、これらの値から、蛍光プロファイルを温度の関数として再構成する。次に、蛍光プロファイルを20℃〜80℃の範囲で標準化し、515nmにおいて、放出強度が、高温または低温での放出強度の平均である温度をTmという。これらの条件下で、参照サンプル(追加の生成物を含まない)のTmは、塩化リチウム緩衝液中で、44℃である。この温度は、塩化ナトリウム緩衝液中で、55℃超に上昇する。G四重鎖を安定化する化合物を添加すると、Tmの上昇が誘発される。この上昇は、3℃より大きくなると、有意であると判断される。
【0108】
選択性試験No.3:実験プロトコールに従った透析方法による、様々なオリゴヌクレオチドとDNA構造との間の、本発明の生成物の平衡分配の評価を、以下で説明する。
【0109】
全てのポリヌクレオチドは、アマシャム・ファルマシア(Amersham−Pharmacia)から入手する。オリゴヌクレオチドは、ユーロジェンテック(Eurogentec,ベルギー)によって1μmolのスケールで合成されており、さらに精製することなく用いた。平行して19種の構造が試験される(サンプルは、1〜19と番号付けされる,以下の表を参照)。三重鎖TC、GAおよびGTは、異なる長さ(13および30塩基)の2種のストランドの組合せによって得られる:
5’GAAAGAGAGGAGG、および、5’CCTCCTCTCTTTCCCTTCTTTCTCTCCTCC(TC三重鎖,サンプル#1);
5’CCTCCTCTCTTTC、および、5’GAAAGAGAGGAGGCCTTGGAGGAGAGAAAG(GA三重鎖,サンプル#2);
5’CCTCCTCTCTTTC、および、5’GAAAGAGAGGAGGCCTTGGTGGTGTGTTTG(GT三重鎖,サンプル#3)。
【0110】
「二重鎖」GA(サンプル#5)は、オリゴヌクレオチド(5’GAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGAGA)の自己対形成から得られる。パラレル二重鎖(サンプル#6)は、5’AAAAAAAAAATAATTTTAAATATTと、5’TTTTTTTTTTATTAAAATTTATAAとの組合せから得られる。24CTG(サンプル#7)は、トリヌクレオチドの8回反復を模擬している:5’CTGCTGCTGCTGCTGCTGCTGCTG。ds26(サンプル#11)は、26塩基(5’CAATCGGATCGAATTCGATCCGATTG)の自己相補二重鎖である。22CT(サンプル#13)は、ヒトのテロメアのCリッチなストランド:5’CCCTAACCCTAACCCTAACCCTを模擬したオリゴヌクレオチドであり、22AG(サンプル#14)は、ヒトのテロメアのGリッチなストランド:5’AGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGを模擬したオリゴヌクレオチドである。24G20(T2202,サンプル#15)は、分子間の四重鎖5’(TTGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGTT)4を形成することができる。
【0111】
【表1】

【0112】
50%阻害濃度IC50(μMで示される)によって測定された、G四重鎖構造の安定化に特異的に依存する本発明の生成物の抗テロメラーゼ活性は、以下のプロトコールに従って評価することができる
ヒトのテロメラーゼ活性を高めた抽出物の製造
肺ガン系のA549は、ATCC(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection),ロックビル,米国)から入手する。この細胞を、培養フラスコで、2mMグルタマックス(glutamax)、200U/mlペニシリン、200μg/mlストレプトマイシン、および、10%の熱で不活性化されたウシ胎仔血清が添加されたDMEM培地中で単層培養する。
【0113】
指数増殖期の細胞をトリプシン処理し、1×PBS中で洗浄し、106個の細胞のアリコートを3000×gで遠心分離し、上清を除去する。細胞ペレットを、0.5%CHAPS、10mMトリス−HCl(pH7.5)、1mMMgCl2、1mMのEGTA、5mMのβ−メルカプトエタノール、0.1mMのPMSF、および、10%グリセロールを含む溶解緩衝液200μl中で数回連続してピペッティングすることによって再懸濁し、氷上で30分間保存する。溶解産物を160000×gで20分間、4℃で遠心分離し、上清160μlを回収する。ブラッドフォード方法によって抽出物のタンパク質を分析する。抽出物を−80℃で保存する。
【0114】
TRAP−G4分析によるテロメラーゼ活性の分析
テロメラーゼ活性の阻害は、改変TRAPプロトコールによって決定され、この改変TRAPプロトコールは、テロメラーゼ活性を高めた細胞抽出物と、様々な濃度(30、10、1、0.1および0.01μM)で加えられた化合物の存在下で、分子内のG四重鎖構造を形成することができるオリゴヌクレオチドTSG4(5’GGGATTGGGATTGGGATTGGGTT3’)を用いてテロメラーゼの伸長を測定することができる。伸長反応の後、オリゴヌクレオチドCXext(5’GTGCCCTTACCCTTACCCTTACCCTAA3’)を用いて伸長産物をPCRで増幅させる。阻害の選択性は、オリゴヌクレオチドTS(5’AATCGTTCGAGCAGAGTT3’)と、オリゴヌクレオチドNT(5’ATCGCTTCTCGGCCTTTT3’)とによる、コントロールオリゴヌクレオチドTSNT(5’ATTCCGTCGAGCAGAGTTAAAAGGCCGAGAAGCGAT3’)の増幅によって測定される。
【0115】
反応培地は、以下の組成に基づき、最終容量50μlで製造される:
トリスHCl(pH8.0) 20mM
MgCl2 1.5mM
KCl 63mM
トゥイーン(Tween)20 0.005%(W/V)
EGTA 1mM
dATP 50μM
dGTP 50μM
dCTP 50μM
dTTP 50μM
オリゴヌクレオチドTSG4 3.5ピコモル
オリゴヌクレオチドCXext 22.5ピコモル
オリゴヌクレオチドTSNT 0.01アトモル
オリゴヌクレオチドNT 7.5ピコモル
オリゴヌクレオチドTS 18ピコモル
ウシ血清アルブミン 20μg/ml
Taq DNAポリメラーゼ 50U/ml
テロメラーゼ抽出物 100ng(容量1μl中)
試験生成物または溶媒 (容量5μl中)
再蒸留水 50μl(適量)。
【0116】
上記オリゴヌクレオチドは、ユーロジェンテック(ベルギー)から入手し、滅菌蒸留水(リボヌクレアーゼおよびデオキシリボヌクレアーゼ非含有)中で、ストック濃度100μMで、−20℃で保存される。
【0117】
反応サンプルは、氷上で、0.2mlのPCRチューブ中で合わせる。
【0118】
次に、反応サンプルを、エッペンドルフ・マスターサイクラー(Eppendorf Mastercycler)PCR装置で、以下の温度条件に基づきインキュベートする:
30℃で15分間、
90℃で1分間、
その後、以下を30サイクル;
92℃で30秒間、
52℃で30秒間、
72℃で30秒間
その後、最終サイクルとして72℃で2分間。
【0119】
増幅後、以下の組成のローディング緩衝液8μlをサンプルに加える:
TBE 5×
スクロース 20%(W/V)
ブロモフェノールブルー 0.2%
キシレンシアノール 0.2%。
【0120】
次に、ノヴェックス(Novex)電気泳動システムを用いて、TBE1×緩衝液中で、12%アクリルアミド/ビスアクリルアミド(19:1)ゲルで、45分間、電圧200ボルトで電気泳動することによってサンプルを解析する。
【0121】
ゲルを、1×溶液のSYBRグリーン(ロシュ(Roche))中で15分間染色し、PCR産物の蛍光をデジタルカメラ(バイオプリント・システム(Bioprint system))によってデジタル化する。
【0122】
オリゴヌクレオチドTSG4とCXextとの二量体化によって形成されたバンドの消滅は、オリゴヌクレオチドTSG4のG四重鎖型の安定化に相当し、オリゴヌクレオチドTSG4からのテロメアの反復の伸長の阻害に相当する。
【0123】
コントロールオリゴヌクレオチドTSNTの増幅によって形成されたバンドの消滅は、Taqポリメラーゼ活性の非特異的な阻害に相当する。
【0124】
各化合物に関する結果は、化合物非含有の酵素サンプルの値と比較して、TSG4−CXextバンドの形成を50%阻害する濃度(μM)(IC50 TRAP−G4)を計算することによって、および、TSNTコントロールバンドの形成を50%阻害する濃度(IC50Taq)を計算することによって示される。
【0125】
IC50Taq/IC50TRAP−G4の比率は、Taqポリメラーゼ阻害と比較した、G四重鎖の安定化によるテロメラーゼの伸長の阻害の選択性の係数を示す。
【0126】
IC50TRAP−G4が特に5μM未満の場合、化合物は、G四重鎖DNAの安定化に対する抗テロメラーゼ剤として活性であるとみなす。
【0127】
IC50TRAP−G4/IC50Taqの比率が3超の場合、化合物は、G四重鎖の安定化に対する抗テロメラーゼ剤として選択的であるとみなす。
【0128】
〔実施例〕
以下の非限定的な実施例は、本発明を説明するために記載されたものである。
【0129】
実施例1:ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物の製造
【化4】

【0130】
工程1:2,6−ピリジンジカルボン酸1gと、6−アミノキノリン1.81gを、50mlの三つ口丸底フラスコ中で、磁気撹拌しながら、ジクロロメタン30mlとジメチルホルムアミド(DMF)5ml中で溶解させ、次に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI)2.4gと、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)162mgを加えた。一時的に黄色の沈殿が形成され、これをゆっくり再溶解させた。室温で1〜2時間撹拌した後、大量の白色沈殿が出現した。室温で一晩撹拌した後、反応を完了させた(マススペクトロスコピーLC/MSに連結させた液体クロマトグラフィーでチェックした)。形成された沈殿の水分を切り、ジクロロメタンと水で連続的に洗浄した、次に、無水リン酸の存在下で、減圧下で乾燥させた。従って、ビス[(キノリン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸2.41gが白色粉末の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0131】
工程2;前述の工程で得られたビス[(キノリン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸200mg、を、25ml丸底フラスコで、メタノール2ml、DMF4ml、および、ヨードメタン10ml中で溶解させ、次に、媒体を50℃で72時間加熱したところ、その間に、オレンジ色の沈殿が徐々に形成された。冷却した後、この沈殿の水分を切り、メタノールで洗浄した。エタノールとDMF(体積比で50/50)の混合物から再結晶させた後、ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物288mgが、オレンジ色〜黄色の結晶の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー(Kofler))>260℃
1H NMRスペクトル(300MHz, (CD3)2SO d6, δ(ppm)):4.70(broad s:6H);8.15-8.30(mt:2H);8.40-8.80(mt:7H);9.25(d, J=2 Hz:2H);9.37(broad d, J=8.5 Hz:2H);9.45(broad d, J=5.5 Hz:2H);11.64(broad s:2H)。
【0132】
実施例2:2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(4−ジメチルアミノ−1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物の製造
【化5】

【0133】
工程1:2,6−ピリジンジカルボン酸のn−ブチル モノエステル1.3g(Khim.Geterosikl.Soedin 1976年(2),233〜7に従って得ることができる)、および、6−アミノ−4−ジメチルアミノキナルジン1.71g(WO01/40218に従って得ることができる)を、50mlの三つ口丸底フラスコで、ジクロロメタン35ml中で溶解させ、次に、EDCI1.35gと、HOBT90mgを加えた。2〜3時間後、黄色の沈殿が出現した;反応が完了するまで(LC/MS)、撹拌を室温で36時間維持した。反応媒体を水で希釈し、放置した後、有機相を分離し、水相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を乾燥するまで減圧下で濃縮した。得られたペースト状の残留物をジイソプロピルエーテル20ml中で撹拌しながら採取したところ、薄いベージュ色の固体が形成され、その水分を切り、風乾させた。従って、6−[(4−ジメチルアミノキナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸のn−ブチルエステル820mgが得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0134】
工程2:50ml丸底フラスコで、上記で得られた6−[(4−ジメチルアミノキナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸のn−ブチルエステル820mgの、n−ブタノール(30ml)の溶液を、1M水酸化カリウム水溶液2mlと共に16時間撹拌した。減圧下で濃縮した後、水10ml中で残留物を採取し、0.1M塩酸水溶液を加えることによってpH=6に中和した。形成された沈殿の水分を切り、水で洗浄し、減圧下で、無水リン酸の存在下で60℃で乾燥させた。従って、6−[(4−ジメチルアミノキナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸760mgが、白色固体の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0135】
工程3;上記で得られた6−[(4−ジメチルアミノキナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸760mg、および、6−アミノキノリン360mgを、50ml丸底フラスコで、DMF15ml中で溶解させ、次に、EDCI458mgとHOBT30mgを加えた。室温で72時間撹拌した後、減圧下で溶媒を除去した。水中で残留物を採取した、このようにして形成された沈殿を、水で、次に飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。減圧下で、無水リン酸の存在下で乾燥させた後、2−[(キノリン−6−イル)アミド]−6−[(4−ジメチルアミノキナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸852mgが、ベージュ色の粉末の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0136】
工程4:この手順は、実施例1の工程2と同様に行われるが、メタノール6mlと、ヨードメタン15ml中の、上記で得られた2−[(キノリン−6−イル)アミド]−6−[(4−ジメチルアミノキナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸400mgで開始したことを除く。従って、エタノールから再結晶させた後、2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(4−ジメチルアミノ−1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物382mgが薄い緑色の固体の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー)>260℃
1H NMRスペクトル(300MHz, (CD3)2SO d6, δ(ppm)):2.85(broad s:3H);3.56(s:6H);4.11(broad s:3H);4.71(broad s:3H);7.12(broad s:1H);8.20(broad dd, J=8.5 and 5.5 Hz:1H);8.30-8.80(mt:7H);9.03 and 9.05(2 broad s:2H in total);9.36(broad d, J=8.5 Hz:1H);9.45(broad d, J=5.5 Hz:1H);11.50(broad s:1H);11.64(broad s:1H)。
【0137】
実施例3:ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピラジンジカルボン酸二ヨウ化物の製造
【化6】

【0138】
工程1:この手順は、実施例1の工程1と同様に行われるが、ジクロロメタン15mlと、DMF10ml中の、2,6−ピラジンジカルボン酸(J.Med. Chem.(1996年),29,1452〜57に従って製造してもよい)450mg、6−アミノキノリン450mg、EDCI600mg、および、HOBT40mgで、室温で一晩撹拌しながら開始したことを除く。分離用LC/MSによって精製した後、ビス−[(キノリン−6−イル)アミド]−2,6−ピラジンジカルボン酸170mgが白色粉末の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0139】
工程2;この手順は、実施例1の工程2と同様に行われるが、DMF1mlと、ヨードメタン5ml中の、上記で得られたビス−[(キノリン−6−イル)アミド]−2,6−ピラジンジカルボン酸50mgで開始したことを除く。次に、エタノールから再結晶させた後、ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピラジンジカルボン酸二ヨウ化物51mgが薄い黄色の固体の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー)>260℃
1H NMRスペクトル(300MHz, (CD3)2SO d6, δ(ppm)):4.70(s:6H);8.22(dd, J=8.5 and 6 Hz:2H);8.70(s:4H);9.21(broad s:2H);9.39(d, J=8.5 Hz:2H);9.46(d, J=6 Hz:2H);9.71(s:2H);11.62(broad s:2H)。
【0140】
実施例4:ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−1,3−ベンゼンジカルボン酸二ヨウ化物の製造
【化7】

【0141】
工程1:この手順は、実施例1の工程1と同様に行われるが、DMF10ml中の、イソフタル酸300mg、6−アミノキノリン521mg、EDCI 727mg、および、HOBT50mgで室温で一晩撹拌しながら開始したことを除く。ビス[(キノリン−6−イル)アミド]−1,3−ベンゼンジカルボン酸593mgが白色粉末の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0142】
工程2;この手順は、実施例1の工程2と同様に行われるが、DMF1mlと、ヨードメタン6ml中の、上記で得られたビス[(キノリン−6−イル)アミド]−1,3−ベンゼンジカルボン酸100mgで開始したことを除く。従って、エタノールから再結晶させた後、ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−1,3−ベンゼンジカルボン酸二ヨウ化物72mgが薄い黄色の固体の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー)>260℃
1H NMRスペクトル(300MHz, (CD3)2SO d6, δ(ppm)):4.63(s:6H);7.77(t, J=7.5
Hz:1H);8.07(dd, J=8.5 and 6 Hz:2H);8.29(broad d, J=7.5 Hz :2H);8.49(mt:4H);8.84(broad s:1H);8.99(broad s:2H);9.16(d, J=8.5 Hz:2H);9.28(d, J=6 Hz:2H)。
【0143】
実施例5:ビス[(1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物の製造
【化8】

【0144】
工程1:この手順は、実施例1の工程1と同様に行われるが、ジクロロメタン15mlと、DMF3ml中の、2,6−ピリジンジカルボン酸500mg、6−アミノキナルジン(EP286277に従って製造してもよい)945mg、EDCI1.2g、および、HOBT100mgで、室温で24時間撹拌しながら開始したことを除く。ビス[(キナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸1.47gが白色粉末の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0145】
工程2;この手順は、実施例1の工程2と同様に行われるが、DMF1.5mlと、ヨードメタン6ml中の、上記で得られたビス[(キナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸150mgで開始したことを除く。従って、エタノールから再結晶させた後、ビス[(1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物161mgが黄色の固体の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー)>260℃。
【0146】
実施例6:以下で示す、イミノ互変異性型で単離された2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(4−アミノキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物の製造
【化9】

【0147】
工程1:この手順は、実施例2の工程1と同様に行われるが、ジクロロメタン10mlと、DMF5ml中の、2,6−ピリジンジカルボン酸のn−ブチル モノエステル500mg、4,6−ジアミノキナルジン(WO01/40218に従って得てもよい)388mg、EDCI472mg、および、HOBT30mgで、室温で20時間で開始したことを除く。アルミナでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、ジクロロメタンとメタノールの混合物(体積比で95/5)で溶出させた後、6−[(4−アミノキナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸のn−ブチルエステル450mgが得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0148】
工程2;この手順は、実施例2の工程2と同様に行われるが、20mlと、1M水酸化カリウム水溶液1.19ml中の、上記で得られた6−[(4−アミノキナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸のn−ブチルエステル450mgで開始したことを除く。従って、6−[(4−アミノキナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸243mgが、ベージュ色の固体の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0149】
工程3;この手順は、実施例2の工程3と同様に行われるが、ジクロロメタン5mlと、DMFの5ml中の、上記で得られた6−[(4−アミノキナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸93mg、6−アミノキノリン41.6mg、EDCI 61mg、および、HOBT14mgで室温で48時間で開始したことを除く。従って、2−[(キノリン−6−イル)アミド]−6−[(4−アミノキナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸101mgが、ベージュ色の粉末の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0150】
工程4:この手順は、実施例1の工程2と同様に行われるが、DMF1mlと、ヨードメタン5ml中の、上記で得られた2−[(キノリン−6−イル)アミド]−6−[(4−アミノキナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸65mgで開始したことを除く。従って、エタノールから再結晶させた後、イミノ互変異性型で単離された2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(4−アミノキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物58mgが黄色の固体の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー)>260℃
1H NMRスペクトル(400MHz, (CD3)2SO d6, at a temperature of 373K, δ(ppm)):2.64(s:3H);4.70(s:3H);6.71(s:1H);7.95(d, J=9 Hz:1H);8.16(broad dd, J=8.5 and 5.5 Hz:1H);8.20-8.40(broad unresolved complex:1H);8.29(d, J=8.5 Hz :1H);8.43(t, J=7.5 Hz:1H);8.53(mt:2H);8.63(d, J=9.5 Hz:1H);8.76(broad d, J=9.5 Hz:1H);8.86(broad s:1H);9.11(broad s:1H);9.30(d, J=8.5 Hz:1H);9.41(d, J=5.5 Hz:1H);11.18(broad s:1H);11.44(broad s:1H);13.00-13.50(broad unresolved complex:1H)。
【0151】
実施例7:ビス[(1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ベンゼンジカルボン酸二ヨウ化物の製造
【化10】

【0152】
工程1:この手順は、実施例1の工程1と同様に行われるが、DMF5ml中の、イソフタル酸100mg、6−アミノキナルジン190.5mg、EDCI242mg、および、HOBT20mgで室温で20時間撹拌しながら開始したことを除く。ビス[(キナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ベンゼンジカルボン酸265mgが、ベージュ色の粉末の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0153】
工程2;この手順は、実施例1の工程2と同様に行われるが、DMF1mlと、ヨードメタン5ml中の、上記で得られたビス[(キナルジン−6−イル)アミド]−2,6−ベンゼンジカルボン酸95mgで開始したことを除く。従って、エタノールから再結晶させた後、ビス[(1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ベンゼンジカルボン酸二ヨウ化物83mgが黄色の固体の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー)>260℃
1H NMRスペクトル(300MHz, (CD3)2SO d6, δ(ppm)):3.08(s:6H);4.47(s:6H);7.86(t, J=8 Hz:1H);8.10(d, J=8.5 Hz:2H);8.33 and 8.34(2d, J=8 Hz :2H in total);8.48(dd, J=9.5 and 2.5 Hz:2H);8.66(d, J=9.5 Hz:2H);8.70(broad s:1H);8.96(d, J=2.5 Hz:2H);9.13(d, J=8.5 Hz:2H);11.13(broad s:2H)。
【0154】
実施例8:ビス[(1−メチルキノリン−6−イル)アミド]−2,4−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物の製造
【化11】

【0155】
工程1:この手順は、実施例1の工程1と同様に行われるが、DMF5ml中の、2,4−ピリジンジカルボン酸100mg、6−アミノキナルジン181mg、EDCI241mg、および、HOBT16mgで室温で20時間撹拌しながら開始したことを除く。ビス[(キノリン−6−イル)アミド]−2,4−ピリジンジカルボン酸325mgが、ベージュ色の粉末の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0156】
工程2;この手順は、実施例1の工程2と同様に行われるが、DMF3mlと、ヨードメタン10ml中の、上記で得られたビス[(キノリン−6−イル)アミド]−2,4−ピリジンジカルボン酸300mgで開始したことを除く。従って、エタノールから再結晶させた後、ビス[(1−メチルキノリン−6−イル)アミド]−2,4−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物372mgが黄色の固体の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー)>260℃
1H NMRスペクトル(400MHz, (CD3)2SO d6, at a temperature of 373K, δ(ppm)):4.61(s:3H);4.68(s:3H);7.93(dd, J=8.5 and 5.5 Hz:1H);8.11(dd, J=8.5 and 5.5 Hz:1H);8.33(mt:2H);8.43(broad d, J=9.5 Hz:1H);8.56(broad d, J=9.5 Hz:1H);8.75(broad dd, J=9.5 and 1.5 Hz:1H);8.79(d, J=1.5 Hz:1H);8.89(s:1H);8.90(mt:1H);8.99(broad d, J=8.5 Hz:1H);9.10(mt:1H);9.10(s:1H);9.23(d, J=8.5 Hz:1H);9.35(d, J=5.5 Hz:1H)。
【0157】
実施例9:2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物の製造
【化12】

【0158】
工程1:2,6−ピリジンジカルボン酸1.74g、4−アミノキノリン500mg、N−(2−クロロエチル)ジイソプロピルアミン塩酸塩(DIC)543μL、および、HOBT469mgを、25mlの三つ口丸底フラスコで、DMF15ml中で溶解させた。TLC(60F254,シリカプレート,溶出液は90/10のジクロロメタン/メタノール)で消滅が観察されたらすぐに、反応媒体をスルホン酸樹脂5gのカートリッジ(40μM Varian Mega Bond Elut SCX model)に沈殿させた。0.1Mアンモニア性メタノール溶液で溶出させたフラクションを減圧下で濃縮した。ジクロロメタン5ml中で残留物を採取し、形成された沈殿の水分を切り、次に、1M塩酸水溶液で洗浄した。従って、2−[(キノリン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸510mgが得られ、この酸を次の工程でそのまま用いた。
【0159】
工程2:この手順は、実施例2の工程3と同様に行われるが、ジクロロメタン5mlと、DMF5ml中の、上記で得られた2−[(キノリン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸150mg、3−アミノキノリン74mg(Tetrahedron.Lett.2001年,42,3251〜54に従って製造してもよい)、EDCI109mg、および、HOBT7mgで室温で48時間で開始したことを除く。従って、2−[(キノリン−6−イル)アミド]−6−[(キノリン−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸180mgが、ピンクベージュ色の粉末の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0160】
工程3:この手順は、実施例1の工程2と同様に行われるが、DMF1mlと、ヨードメタン5ml中の、上記で得られた2−[(キノリン−6−イル)アミド]−6−[(キノリン−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸150mgで開始したことを除く。従って、エタノールから再結晶させた後、2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物162mgが黄色の固体の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー)>260℃
1H NMRスペクトル(300MHz, (CD3)2SO d6, δ(ppm)):4.68(broad s:3H);4.78(broad s:3H);8.07(broad t, J=7.5 Hz:1H);8.15-8.30(mt:1H);8.20(dd, J=8.5 and 5.5 Hz:1H);from 8.40 to 8.65(mt:5H);8.65(broad d, J=9.5 Hz:1H);8.75(broad dd, J=9.5 and 2 Hz:1H);9.22(broad d, J=2 Hz:1H);9.35(broad d, J=8.5 Hz:1H);9.43(broad d, J=5.5 Hz:1H);9.64(broad s:1H);10.10(unresolved complex:1H);11.10-12.50(broad unresolved complex:2H)。
【0161】
実施例10:2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(1−メチルキノリニオ−5−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物の製造
【化13】

【0162】
工程1:この手順は、実施例2の工程3と同様に行われるが、ジクロロメタン5mlと、DMF5ml中の、実施例9の工程1で得られた2−[(キノリン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸150mg、5−アミノキノリン74mg、EDCI109mg、および、HOBT7mgで、室温で48時間で開始したことを除く。従って、2−[(キノリン−6−イル)アミド]−6−[(キノリン−5−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸201mgが、ベージュ色の粉末の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0163】
工程2;この手順は、実施例1の工程2と同様に行われるが、DMF1.5ml、および、ヨードメタン5ml中の、上記で得られた2−[(キノリン−6−イル)アミド]−6−[(キノリン−5−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸180mgで開始したことを除く。従って、エタノールから再結晶させた後、2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(1−メチルキノリニオ−5−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物203mgが黄色の固体の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー)>260℃
1H NMRスペクトル(400MHz, (CD3)2SO d6, at a temperature of 373K, δ(ppm)):4.69(broad s:6H);8.08(very broad dd, J=8.5 and 5 Hz:1H);8.14(dd, J=8.5 and 5 Hz:1H);8.23(unresolved complex:1H);8.30-8.45(mt:2H);8.49(mt:2H);8.54(dd, J=8 and 0.5 Hz:1H);8.61(d, J=9.5 Hz:1H);8.70(dd, J=9.5 and 2.5 Hz:1H);9.07(d, J=2.5 Hz:1H);9.26(d, J=8.5 Hz:1H);9.38(d, J=5 Hz:1H);9.45(broad d, J=5 Hz:1H);9.60(broad d, J=8.5 Hz:1H)。
【0164】
実施例11:ビス[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物の製造
【化14】

【0165】
工程1:この手順は、実施例1の工程1と同様に行われるが、DMF10ml中の、2,6−ピリジンジカルボン酸150mg、3−アミノキノリン945mg(Tetrahedron.Lett.2001年,42,3251〜54に従って製造してもよい)、EDCI361mg、および、HOBT24mgで、室温で18時間撹拌しながら開始したことを除く。ビス[(キノリン−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸495mgが白色粉末の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0166】
工程2;この手順は、実施例1の工程2と同様に行われるが、DMF3mlと、ヨードメタン10ml中の、上記で得られたビス[(キノリン−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸200mgで開始したことを除く。従って、エタノールから再結晶させた後、ビス[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物231mgが黄色の固体の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー)>260℃
1H NMRスペクトル(300MHz, (CD3)2SO d6, δ(ppm)):4.82(broad s:6H);8.12(broad t, J=8 Hz:2H);8.27(broad t, J=8 Hz:2H);8.45-8.65(mt:7H);9.68(broad s:2H);10.14(broad s:2H);11.93(unresolved complex:2H)。
【0167】
実施例12:2−l(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[2(−1−メチルピペリジニオ−1−イル)エチルアミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物の製造
【化15】

【0168】
工程1;この手順は、実施例2の工程3と同様に行われるが、ジクロロメタン5mlと、DMF5ml中の、実施例9の工程1で得られた2−[(キノリン−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸140mg、1−(2−アミノエチル)ピペリジン73μl、EDCI100mg、および、HOBT7mgで室温で48時間で開始したことを除く。従って、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、ジクロロメタンとメタノールの混合物(体積比で80/20)で溶出させた後、2−[(キノリン−6−イル)アミド]−6−[2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸200mgが黄色の油の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0169】
工程2:この手順は、実施例1の工程2と同様に行われるが、DMF2mlとヨードメタン6ml中の、上記で得られた2−[(キノリン−6−イル)アミド]−6−[2−(ピペリジン−1−イル)エチルアミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸200mgで開始したことを除く。従って、エタノールから再結晶させた後、2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[2(−1−メチルピペリジニオ−1−イル)エチルアミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物73mgが黄色の固体の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー)>260℃。
【0170】
実施例13:2−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−6−[キノリン−3−イル]アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物の製造
【化16】

実施例11の工程1で得られたビス[(キノリン−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸106mgを、DMF3ml中で溶解させ、次に、ヨウ化メチル36.6mgを加え、次に、この混合物を、10mlの密封したチューブ中で80℃で5時間加熱した。冷却した後、ジエチルエーテル10mlを加えた。得られた沈殿の水分を切り、ジエチルエーテルで洗浄し、次に、LC/MSクロマトグラフィーで、Waters Xterra 3.5μMのC18シリカカラム(直径3mm,長さ50mm)を用いて、直線状の溶出濃度勾配(初期時間(t0=0分)においては、0.05%TFAを含む水、および、最終時間(tf=4分)においては、0.05%TFAを含むアセトニトリルで構成される)によって溶出させることによって精製した。2.63分で溶出したフラクションを回収することによって、2−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−6−[キノリン−3−イル]アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物98mgが、黄色の固体の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー)>260℃。
【0171】
実施例14:2−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−6−[1−(2−ヒドロキシエチル)キノリニオ−3−イル]アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物の製造
【化17】

25mlの三つ口フラスコ中で、アセトニトリル5ml中で、実施例13と同様にして得られた2−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−6−[キノリン−3−イル]アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物112.3mgを懸濁し、2−ヨードエタノール1mlを加え、次に、この混合物を72時間加熱還流した。得られた赤色の不溶性物質の水分を切り、アセトニトリル、次に、アセトニトリルとエタノール(体積比で50:50)の混合物で洗浄し、次に、3.5μMのWaters Xterra C18シリカカラム(直径3mm,長さ50mm)を用いて、直線状の溶出濃度勾配(初期時間(t0=0分)においては、0.05%TFAを含む水、および、最終時間(tf=4分)においては、0.05%TFAを含むアセトニトリルで構成される)によって溶出させることによって、LC/MSクロマトグラフィーによって精製した。2.20分で溶出したフラクションを回収することによって、2−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−6−[1−(2−ヒドロキシエチル)キノリニオ−3−イル]アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物30mgが、ベージュ色の固体の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー)>260℃
【0172】
実施例15:ビス[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−4−ブロモ−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物の製造
【化18】

【0173】
工程1:この手順は、実施例1の工程1と同様に行われるが、DMF23ml中の、4−ブロモ−2,6−ピリジンジカルボン酸502mg(Tetrahedron Lett.2001年,42,4849〜51に従って製造してもよい)、および、3−アミノキノリン(Tetrahedron Lett.2001年,42,3251〜54に従って製造してもよい)588mg、EDCI821mg、および、HOBT55mgで、室温で20時間撹拌しながら開始したことを除く。ビス[(キノリン−3−イル)アミド]−4−ブロモ−2,6−ピリジンジカルボン酸935mgが、緑〜灰色の粉末の形態で得られ、これを次の工程でそのまま用いた。
【0174】
工程2:この手順は、実施例1の工程2と同様に行われるが、DMF8ml、および、ヨードメタン12.63ml中の、上記で得られたビス[(キノリン−3−イル)アミド]−4−ブロモ−2,6−ピリジンジカルボン酸300mgで開始したことを除く。エタノールから再結晶させた後、ビス[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−4−ブロモ−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物296mgが、黄色の固体の形態で得られ、その特徴は以下の通りである:
−融点(コフラー)>260℃。
【0175】
実施例16:医薬組成物
以下の配合に相当する錠剤を製造した:
実施例1の生成物 0.2g
完成した錠剤が含む添加剤 1g
(添加剤の詳細:ラクトース、タルク、スターチ、ステアリン酸マグネシウム)。
【0176】
実施例17:医薬組成物
以下の配合に相当する錠剤を製造した:
実施例12の生成物 0.2g
完成した錠剤が含む添加剤 1g
(添加剤の詳細:ラクトース、タルク、スターチ、ステアリン酸マグネシウム)。
【0177】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】試験1についてのもので、本発明の化合物の、親和性(曲線G4/Com)、および、選択性(曲線 C+/C-)の測定結果を示す。
【図2】試験2についてのもので、本発明の生成物と、オリゴヌクレオチドG4(親和性)またはDNA二本鎖(選択性)との複合体の解離定数の測定結果を示す。
【図3A】選択性3の試験についてのもので、本発明の生成物と、上述の条件に基づく平衡透析法による様々なオリゴヌクレオチドまたはDNA構造とが平衡している状態における分布の評価を示す。
【図3B】図3Aの続きである。
【図4】上述の条件下での、G四重鎖構造の安定化に特に依存する本発明の生成物の抗テロメラーゼ活性の測定結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(IB):
四級窒素原子を有する窒素含有芳香環−(NR3)p−CO−分配剤−(CO)m−(NR’3)q−X−芳香環または非芳香環 (IB)
[式中、m、pおよびqは、同一または異なり、整数0または1を示し、
●四級原子を有する窒素含有芳香環は、以下を示す:
◆場合により以下で置換されたキノリン;
−少なくとも1つの基N(Ra)(Rb)[ここにおいて、RaおよびRbは、同一または異なり、水素またはC1〜C4アルキル基を示す]、または、
−少なくとも1つの短鎖のC1〜C4アルキルまたはアルコキシ基、
であり、または、
◆ここにおいて、該窒素原子は、場合により、各アルキル基に関して、ヒドロキシル、カルボキシル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、アミノ、C1〜C4アルキルアミノ、または、C1〜C4ジアルキルアミノ基で置換されたC1〜C4アルキル鎖で四級化されており、
●芳香環または非芳香環は、以下を示す:
◆場合により以下で置換されたキノリン、
−少なくとも1つの基N(Ra)(Rb)[ここにおいて、RaおよびRbは、同一または異なり、水素またはC1〜C4アルキル基を示す]、または、
−少なくとも1つの短鎖のC1〜C4アルキルまたはアルコキシ基、または、
◆四級窒素原子を有するキノリン、または、
◆ベンズアミジン、または、
◆ピリジン、または、
◆フェニル核、ここにおいて、該フェニル核は、場合により、ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基、カルボニルアミノ基(場合により、各アルキル基に関して、1またはそれ以上のC1〜C4アルキル基、グアニル基、C1〜C4アルキルチオ基、アミノ基、C1〜C4アルキルアミノ基、C1〜C4ジアルキルアミノ基で置換されている)、ニトロ基、C1〜C4アルキレンアミノ基、または、C2〜C4アルケニレンアミノ基で置換されており、または、
◆一環または二環または三環式の、芳香族または非芳香族の複素環式の核、ここにおいて、環1つあたり0〜2個のヘテロ原子を含み(ただし、少なくとも1個のヘテロ原子が、少なくとも1個の環に存在する)、該複素環式の核は、場合により、1またはそれ以上のC1〜C4アルキル基、または、C1〜C4アルキレンもしくはC2〜C4アルケニレン基で置換されており、該ヘテロ原子は、窒素原子を示す場合、場合により四級形態であってもよく、
●R3およびR’3は、同一または異なり、互いに独立して、水素、または、C1〜C4アルキルもしくはアラルキル基を示し、ここにおいて該アルキル部分はC1〜C4であり、●Xは、単結合、C1〜C4アルキル基、C2〜C4アルケニル基、C2〜C4アルキニル基またはフェニル基を示し、
●分配剤は、以下を示す:
◆硫黄、酸素または窒素原子を含む5または6員の複素環式基、
◆フェニル基、または、
◆ジアジンまたはトリアジン基、
該複素環式、フェニル、ジアジンまたはトリアジンの基は、場合により、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、および、チオ、オキシまたはアミノ基(これらは、それ自体、場合により、1またはそれ以上の1〜4個の炭素原子
を含む短鎖のアルキル鎖で置換されている)から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
Xが単結合を示す式(IB)の化合物に関して、該分配剤が、場合によりNH2で置換
されたフェニルを示し、m、pおよびqは、1を示し、R3およびR’3は、水素を示す場合、該窒素含有芳香環および芳香環が両方とも、窒素原子において非置換であるか、または、窒素原子上で1〜6個の炭素原子を含むアルキル基で置換されたキノリンまたはその塩のいずれか一種を示さず、そして、該分配剤がトリアジンを示し、pおよびqはいずれも、整数1を示す場合、mは整数0を示さないものとする]
に対応することを特徴とする、DNAまたはRNAのG四重鎖構造に結合する化合物、その全ての可能性のある異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)、並びに式(IB)の化合物の無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩。
【請求項2】
請求項1で定義された一般式に対応することを特徴とする、テロマーのG四重鎖構造に結合する化合物。
【請求項3】
請求項1で定義された一般式に対応することを特徴とする、G四重鎖DNAに高度に特異的なリガンドとしての化合物。
【請求項4】
分配剤として選択することができる複素環式基は、チエニルおよびピリジル基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
分配剤は、請求項1で定義されたピリジルまたはチエニル、フェニル基、ジアジンもしくはトリアジンのような複素環式基から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
ジアジン基はピラジンであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
分配剤は、請求項1で定義された、基「四級窒素原子を有する窒素含有芳香環−(NR3)p−CO」と、基「(CO)m−(NR’3)q−芳香環または非芳香環」でメタ位で二置換されており、該分配剤はさらに、場合により、ハロゲン原子で置換されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
四級複素環は、キノリンであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
分配剤は、基「四級形態の四級窒素原子を有する窒素含有芳香環−(NR3)p−CO」と、基「(CO)m−(NR’3)q−芳香環または非芳香環」とで、2,6位で二置換されたピリジン、または、2,6位で二置換されたピリダジンを示し、ここにおいて、四級化された複素環はN−メチルキノリニウムであり、該分配剤はさらに、場合により、ハロゲン原子で置換されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
pおよびqは、整数1を示すことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
m、pおよびqは、整数1を示すことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
式(Ia):
【化1】

[式中、m、pおよびqは、同一または異なり、整数0または1を示し、
●Aは、以下を示す:
◆硫黄、酸素または窒素原子を含む5−または6員の複素環式基、
◆フェニル基、または、
◆ジアジンまたはトリアジン基、
該複素環式、フェニル、ジアジンまたはトリアジンの基は、場合により、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、および、チオ、オキシまたはアミノ基(これらは、それ自体、場合により、1またはそれ以上の1〜4個の炭素原子を含む短鎖のアルキル鎖で置換されている)から選択される1またはそれ以上の基で置換されており、
−Ar1およびAr2は、同一でも異なってもよく、
Ar1およびAr2が同一の場合、Ar1およびAr2は、キノリンで代表される四級原子を有する窒素含有芳香環を示し、該キノリンは、場合により、以下で置換されている;
−少なくとも1つの基N(Ra)(Rb)[ここにおいて、RaおよびRbは、同一または異なり、水素、または、C1〜C4アルキル基を示す]、または、
−少なくとも1つの短鎖のC1〜C4アルキルまたはアルコキシ基、または、
◆ここにおいて、該窒素原子は、場合により、各アルキル基に関して、ヒドロキシル、カルボキシル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、アミノ、C1〜C4アルキルアミノ、または、C1〜C4ジアルキルアミノ基で置換されたC1〜C4アルキル鎖で四級化されており、
Ar1およびAr2が異なる場合、Ar1は、上記の可能な選択肢のいずれか1つを示し、Ar2は、以下を示す:
*フェニル核、ここにおいて、該フェニル核は、場合により、ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、シアノ基、カルボニルアミノ基(場合により、各アルキル基に関して、1またはそれ以上のC1〜C4アルキル基、グアニル基、C1〜C4アルキルチオ基、アミノ基、C1〜C4アルキルアミノ基、C1〜C4ジアルキルアミノ基で置換されている)、ニトロ基、C1〜C4アルキレンアミノ基、または、C2〜C4アルケニレンアミノ基で置換されており、または、
*ベンズアミジン、
*ピリジル核、
*一環または二環または三環式の、芳香族または非芳香族の複素環式の核、ここにおいて、環1つあたり0〜2個のヘテロ原子を含み(ただし、少なくとも1個のヘテロ原子が、少なくとも1個の環に存在する)、該複素環式の核は、場合により、1またはそれ以上のC1〜C4アルキル基、または、C1〜C4アルキレンもしくはC2〜C4アルケニレン基で置換されており、
●R3およびR’3は、同一または異なり、互いに独立して、水素、または、C1〜C4アルキル基もしくはアラルキル基を示し、ここにおいて、該アルキル基はC1〜C4であり、
●Xは、単結合、または、C1〜C4アルキル基、C2〜C4アルケニルもしくはアルキニル基またはフェニル基を示す]
で示されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物、その全ての可能性のある異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)、並びに、式(Ia)の化合物の無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩。
【請求項13】
Xは、C1〜C4アルキル基を示し、式(Ia)の化合物のその他の置換基は、請求項12で示されたものから選択される請求項12で定義された式(Ia)の化合物、その全ての可能性のある異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)、並びに、式(Ia)の生成物の無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩。
【請求項14】
Aは、例えば、請求項1で定義されたピリジルまたはチエニル、フェニル基、ジアジンもしくはトリアジンのような複素環式基から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
Aが示すことができるジアジン基はピラジンであることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
Aは、請求項1で定義された基「四級窒素原子を有する窒素含有芳香環−(NR3)p−CO」と、基「(CO)m−(NR’3)q−芳香環または非芳香環」でメタ位で二置換されており、Aは、さらに、場合により、ハロゲン原子で置換されていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
四級複素環は、キノリンであることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
Aは、基「四級形態の四級窒素原子を有する窒素含有芳香環−(NR3)p−CO」と、基「(CO)m−(NR’3)q−芳香環または非芳香環」とで、2,6位で二置換されたピリジン、または、2,6位で二置換されたピリダジンを示し、ここにおいて、四級化された複素環は、N−メチルキノリニウムであり、そして、Aは、さらに、場合により、ハロゲン原子で置換されていることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
m、pおよびqは、整数1を示すことを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
pおよびqは、整数1を示すことを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
Ar2は、以下の基:4−アミノ−もしくは4−メチルアミノ−、4−ジメチルアミノ−または4−アルコキシ−キノリルもしくは−キノリニウム、ここにおいて、キノリニウム核は、場合により、1または2個のメチル基で置換されている;から選択される基を示すことを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
3およびR’3は、水素を示すことを特徴とする、請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
以下:
−ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(4−ジメチルアミノ−1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピラジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−1,3−ベンゼンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
-2-[(1-メチルキノリニオ-6-イル)アミド]-6-[(4-アミノキナルジニオ-6-イル)アミド]-2,6-ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、イミノ互変異性型で単離された以下の化合物:
−ビス[(1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ベンゼンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリン−6−イル)アミド]−2,4−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(1−メチルキノリニオ−5−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[2(−1−メチルピペリジニオ−1−イル)エチルアミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−6−[キノリン−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−6−[1−(2−ヒドロキシエチル)キノリニオ−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−4−ブロモ−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、または、
上記化合物の塩もしくはその他の塩、
から選択される式(I)の化合物、その全ての可能性のある異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)、並びに、式(I)の化合物の無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩。
【請求項24】
以下:
−ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(4−ジメチルアミノ−1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピラジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−1,3−ベンゼンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(4−アミノキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、イミノ互変異性型で単離された以下の化合物:
−ビス[(1−メチルキナルジニオ−6−イル)アミド]−2,6−ベンゼンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリン−6−イル)アミド]−2,4−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[(1−メチルキノリニオ−5−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、または、これらの化合物の塩もしくはその他の塩
−2−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−6−[キノリン−3−イル)アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸ヨウ化物、
−2−[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−6−[1−(2−ヒドロキシエチル)キノリニオ−3−イル]アミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
−ビス[(1−メチルキノリニオ−3−イル)アミド]−4−ブロモ−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物、
から選択される、請求項1〜23のいずれか一項に記載の化合物、その全ての可能性のある異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)、並びに、式(1)の化合物の無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩。
【請求項25】
2−[(1−メチルキノリニオ−6−イル)アミド]−6−[2(−1−メチルピペリジニオ−1−イル)エチルアミド]−2,6−ピリジンジカルボン酸二ヨウ化物である、式(I)の化合物、その全ての可能性のある異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)、並びに、無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩。
【請求項26】
テロメラーゼ阻害活性を有することを特徴とする、請求項1〜25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
抗ガン活性を有することを特徴とする、請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
医薬品としての、請求項12〜27で定義された式(IB)の化合物、そのプロドラッグ、および、その全ての可能性のある異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)、並びに、製薬上許容できる式(I)の化合物の無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩。
【請求項29】
医薬品としての、請求項1〜28のいずれか一項に記載の式(Ia)の化合物、そのプロドラッグ、および、その全ての可能性のある異性体の形態(例えば、ラセミ体、鏡像異性体、および、ジアステレオ異性体の形態)、並びに、式(Ia)の化合物の製薬上許容できる無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩。
【請求項30】
医薬品としての、請求項23〜25のいずれか一項に記載の化合物、およびそのプロドラッグ、並びに、これらの化合物の製薬上許容できる無機酸もしくは有機酸、または、無機塩基もしくは有機塩基との付加塩。
【請求項31】
活性成分として、請求項28〜30のいずれか一項に記載の医薬品の少なくとも1つを含む医薬組成物。
【請求項32】
活性成分として、請求項30で定義された医薬品の少なくとも1つを含む医薬組成物。
【請求項33】
ガンに対するその他の化学療法用医薬品の活性成分をさらに含む、請求項31または32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
医薬品として、特にガンの化学療法に用いられることを特徴とする、請求項31〜33のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項35】
ヒトに用いるための医薬化合物としての、請求項12〜27に記載の化合物の使用。
【請求項36】
請求項1に記載の化合物と、その他の抗ガン化合物とからなる治療の組合せ。
【請求項37】
抗ガン化合物は、アルキル化剤、白金誘導体、抗生物質、抗微小管剤、アントラサイクリン、トポイソメラーゼI型およびII型、フルオロピリミジン、シチジン類似体、アデノシン類似体、様々な酵素および化合物、例えばL−アスパラギナーゼ、ヒドロキシ尿素、トランス−レチノイン酸、スラミン、イリノテカン、トポテカン、デクスラゾキサン、アミフォスチン、ハーセプチン、エストロゲン、アンドロゲンホルモン、および、抗血管作用のある物質から選択されることを特徴とする、請求項36に記載の組合せ。
【請求項38】
請求項1に記載の化合物と、放射線とからなる治療の組合せ。
【請求項39】
化合物または治療はそれぞれ、同時に、別々に、または、連続して投与されることを特徴とする、請求項36〜38のいずれか一項に記載の組合せ。
【請求項40】
ガン、遺伝病または多毛症を治療するための医薬品を製造するための、請求項1〜27のいずれか一項に記載の式(IB)の化合物の、または、式(IB)の化合物の製薬上許容できる塩の使用。
【請求項41】
ガンを治療するための医薬品を製造するための、請求項1〜27のいずれか一項に記載の式(IB)の化合物の、または、式(I)の化合物の製薬上許容できる塩の使用。
【請求項42】
遺伝病(例えば、ブルーム症候群、ウェルナー症候群、ロートムンド−トムソン症候群、または、運動失調末梢血管拡張症候群)を治療することを目的とした医薬品を製造するための、請求項1〜27のいずれか一項に記載の式(IB)の化合物の、または、式(IB)の化合物の製薬上許容できる塩の使用。
【請求項43】
多毛症を治療することを目的とした医薬品を製造するための、請求項1〜27のいずれか一項に記載の式(IB)の化合物の、または、式(IB)の化合物の製薬上許容できる塩の使用。
【請求項44】
乳ガン、胃ガン、結腸ガン、肺ガン、卵巣ガン、子宮ガン、脳ガン、腎臓ガン、喉頭ガン、リンパ系のガン、甲状腺ガン、尿生殖路のガン、管系のガン(例えば膀胱および前立腺)、骨および膵臓ガン、黒色腫ガンなどのガンを治療することを目的とした医薬品を製造するための、請求項1〜43のいずれか一項に記載の式(IB)の化合物の、または、式(IB)の化合物の製薬上許容できる塩の使用。
【請求項45】
治療する病気は、乳ガン、結腸ガンまたは肺ガンである、請求項1〜44のいずれか一項に記載の式(IB)の化合物の使用。
【請求項46】
ガンの化学療法を目的とした医薬品を製造するための、請求項1〜45のいずれか一項に記載の式(IB)の化合物の、または、式(IB)の化合物の製薬上許容できる塩の使用。
【請求項47】
単独で、または、組合せて用いられる、ガンの化学療法を目的とした医薬品を製造するための、請求項1〜46のいずれか一項に記載の式(IB)の化合物の、または、式(IB)の化合物の製薬上許容できる塩の使用。
【請求項48】
単独で、または、化学療法もしくは放射線治療と組合せて、または、その他の治療剤と組合せて用いることを目的とした医薬品を製造するための、請求項1〜47のいずれか一項に記載の式(IB)の化合物の、または、式(IB)の化合物の製薬上許容できる塩の使用。
【請求項49】
治療剤は、一般的に用いられる抗ガン剤である、請求項1〜48のいずれか一項に記載の式(IB)の化合物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−518726(P2006−518726A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502131(P2006−502131)
【出願日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【国際出願番号】PCT/FR2004/000260
【国際公開番号】WO2004/072027
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
マッキントッシュ
【出願人】(598006222)アベンティス・ファーマ・ソシエテ・アノニム (30)
【出願人】(504077526)サーントル・ナショナル・ドゥ・ラ・レシェルシュ・シアンティフィク (1)
【出願人】(505296832)ミュゼオム・ナショナル・ディストワール・ナテュレル (1)
【出願人】(500026533)アンスティテュ・キュリ (20)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT CURIE
【出願人】(505296614)
【出願人】(505296810)ユニヴェルシテ・ドゥ・ランス・シャンパーニュ−アルデンヌ (1)
【Fターム(参考)】