説明

GPR119活性のモジュレーターとしての化合物および組成物

本発明は、化合物、該化合物を含む医薬組成物およびGPR119の活性に付随する疾患または障害、例えば、限定されるものではないが、糖尿病、肥満および関連代謝性障害を処置または予防するための該化合物の使用方法を提供する。式(I):


は、Aが−C(O)−で置換された2個までの環−CH−基であってもよく、2個までの二重結合で部分的に不飽和であってもよく;WおよびWが、独立して、CR10およびNから選択され;ここで、R10は、水素およびC1−6アルキルから選択され;Yが、NR11、OおよびSから選択され;ここで、R11は、水素およびC1−6アルキルから選択され;YおよびYが、独立して、CHおよびNから選択され;Yが、CH、OCHおよびNR15から選択され;ここで、R15は、水素およびC1−6アルキルから選択される、化合物またはその医薬上許容される塩である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2008年4月7日出願の、米国仮特許出願第61/043,100号の優先権の利益を主張する。本願のすべての開示は、その全体をおよびすべての目的について出典明示により本明細書の一部とする。
【0002】
(本発明の背景)
本発明の分野
本発明は、化合物、かかる化合物を含む医薬組成物およびGPR119の活性に付随する疾患または障害を処置または予防するためのかかる化合物を用いる方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
背景
GPR119は、膵臓、小腸、結腸および脂肪組織で主に発現するGタンパク質共役型受容体(GPCR)である。ヒトGPR119受容体の発現プロファイルは、肥満症および糖尿病の治療のための標的としてその潜在的有用性を示す。本発明の新規化合物はGPR119の活性を調節するので、GPR119関連疾患または障害、例えば、限定されるものではないが、糖尿病、肥満および関連代謝性障害の処置に有用であることが期待される。
【発明の概要】
【0004】
(本発明の概要)
1の態様において、本発明は、式I:
【化1】

[式中:
Aは、−C(O)−で置換された2個までの環−CH−基を有していてもよく、2個までの二重結合で部分的に不飽和であってもよく;
mおよびnは、独立して、0、1、2、3および4から選択され;
qは、0、1、2、3および4から選択され;
、t、tおよびtは、各々独立して、0、1および2から選択され;
は、水素、シアノ、−XS(O)0−26a、−XN(S(O)0−26a)R6a、−XS(O)0−2OR6a、−XS(O)0−2C(O)R6a、−XC(O)OR6a、−X6a、−XS(O)0−2C(O)OR6aおよび−XS(O)0−2NR6a6bから選択され;ここで、Xは、結合手、O、−NR7a7bおよびC1−4アルキレンから選択され;Xは、結合手およびC1−4アルキレンから選択され;R6aは、水素、C1−6アルキル、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8ヘテロシクロアルキルおよびC1−8シクロアルキルから選択され;ここで、R6aの前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、ヒドロキシ、ハロ、C1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ置換C1−6アルコキシおよびC6−10アリールC1−4アルコキシから独立して選択される1〜3個のラジカルで所望により置換されていてもよく;R6bは、水素およびC1−6アルキルから選択され;ならびに、R7aおよびR7bは、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択され;
およびRは、独立して、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ置換C1−6アルコキシ、-C(O)R、および-C(O)ORから選択され;ここで、Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され;
は、Rおよび−C(O)ORから選択され;ここで、Rは、C1−6アルキル、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、Rの前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、ハロ置換C1−6アルキル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ置換C1−6アルコキシおよび−C(O)OR17、−C(O)R19および−C(O)NR1718から独立して選択される1〜3個のラジカルで所望により置換されていてもよく;ここで、R17およびR18は、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択されるか;またはR17およびR18が結合する窒素原子と一緒になって、R17およびR18はC3−8ヘテロシクロアルキルを形成し;R19は、C1−6アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、Rの前記シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、1〜3個のC1−6アルキルラジカルで所望によりさらに置換されていてもよく;
は、水素、C1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロ置換C1−6アルコキシから選択され;
は、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ハロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、ハロ置換C1−6アルキル、ハロ置換C2−6アルケニル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ置換C1−6アルコキシ、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8ヘテロシクロアルキル、C3−8シクロアルキルおよび−XOR20、−NR20OR21、−C(O)OR20から選択され;ここで、Xは、結合手、C1−4アルキレンおよびC2−4アルケニレンから選択され;R20およびR21は、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択され;
およびWは、独立して、CR10およびNから選択され;ここで、R10は、水素およびC1−6アルキルから選択され;
は、NR11、OおよびSから選択され;ここで、R11は、水素およびC1−6アルキルから選択され;
およびYは、独立して、CHおよびNから選択され;および
は、CH、OCHおよびNR15から選択され;ここで、R15は、水素およびC1−6アルキルから選択される]
で示される化合物を提供する。
【0005】
第2の態様において、本発明は、1種または複数の適当な賦形剤と合して式Iの化合物またはN−オキシド誘導体、個々の異性体およびその異性体の混合物;またはその医薬上許容される塩を含有する医薬組成物を提供する。
【0006】
第3の態様において、本発明は、GPR119活性の調節が、疾患の病状および/または症状を予防、阻害または軽減しうる動物の疾患の処置方法であって、治療上有効な量の式Iの化合物またはN−オキシド誘導体、個々の異性体およびその異性体の混合物、または医薬上許容される塩を動物に投与することを含む、方法を提供する。
【0007】
第4の態様において、本発明は、GRP119活性が疾患の病状および/または症状に寄与する動物の疾患を処置するための医薬の製造における式Iの化合物の使用を提供する。
【0008】
第5の態様において、本発明は、式Iの化合物およびN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、保護誘導体、個々の異性体およびその異性体の混合物、ならびにその医薬上許容される塩の調製方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本発明の詳細な説明)
定義
基および他の基の構造的要素、例えば、ハロ置換アルキルおよびアルコキシとしての「アルキル」は、直鎖であっても、分枝鎖であっても、環状であっても、スピロであってもよい。C1−6アルコキシには、メトキシ、エトキシなどが含まれる。ハロ置換アルキルには、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどが含まれる。
【0010】
「アリール」は、6〜10個の環炭素原子を含有する単環式または縮合二環式芳香環の集合体を意味する。例えば、アリールは、フェニルまたはナフチルであってもよく、好ましくはフェニルである。「アリーレン」は、アリール基から生じる二価のラジカルを意味する。「ヘテロアリール」は、1個または複数の環員がヘテロ原子である、アリールについて定義された基である。例えば、C1−10ヘテロアリールには、ピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピリミジニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、チエニル、1H−ピリジン−2−オニル、6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イルなどが含まれる。「C6−10アリールC0−4アルキル」は、アルキレン基を介して結合している上記のアリールを意味する。例えば、C6−10アリールC0−4アルキルには、フェネチル、ベンジルなどが含まれる。ヘテロアリールにはまた、N−オキシド誘導体、例えば、以下の構造:
【化2】

を有するピリジン N−オキシド誘導体が含まれる。
【0011】
「シクロアルキル」は、示される数の環原子を含有する飽和または部分的に不飽和の単環式環、縮合二環式または架橋多環式環の集合体を意味する。例えば、C3−10シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれる。「ヘテロシクロアルキル」は、本明細書に記載のシクロアルキルを意味する、ただし、示される1個または複数のの環炭素は、−O−、−N=、−NR−、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−(式中:Rは、水素、C1−4アルキルまたは窒素保護基である)から選択される部分によって置き換えられる。例えば、本発明の化合物を記載するために本明細書にて用いられるC3−8ヘテロシクロアルキルには、モルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニロン、1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカ−8−イル、2−オキソ−ピロリジン−1−イル、2−オキソ−ピペリジン−1−イルなどが含まれる。
【0012】
GPR119は、Gタンパク質共役型受容体119(GenBank(登録商標)アクセッション番号AAP72125)を意味し、また、文献ではRUP3およびGPR116と称される。本明細書に記載の用語GPR119には、GeneBankアクセッション番号AY288416で見出されるヒトの配列、天然由来の対立遺伝子変異体、哺乳動物のオルソログおよびその組み換え変異体が含まれる。
【0013】
「ハロゲン」(またはハロ)は、好ましくは、クロロまたはフルオロを示すが、ブロモまたはヨードであってもよい。
【0014】
「処置する」、「処置すること」および「処置」は、疾患および/またはそれに伴う症状を、軽減または緩和する方法をいう。
【0015】
好ましい実施態様の説明
本発明は、化合物、組成物およびGPR119活性の調節が疾患の病状および/または症状を予防、阻害または軽減しうる疾患の処置方法であって、治療上有効な量の式Iの化合物を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0016】
1の実施態様において、式Iの化合物を関して、式Ia:
【化3】

[式中:
Aは、−C(O)−で置換された環−CH−基を有していてもよく;
t1は、0および1から選択され;
は、水素、シアノ、−XS(O)0−26a、−XS(O)0−2OR6a、−XC(O)OR6a、−XS(O)0−2C(O)R6a、−XN(S(O)0−26a)R6a、−X6a、−XS(O)0−2C(O)OR6aおよび−XS(O)0−2NR6a6bから選択され;ここで、Xは、結合手、O、−NR7a7bおよびC1−4アルキレンから選択され;Xは、結合手およびC1−4アルキレンから選択され;R6aは、水素、C1−6アルキル、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8ヘテロシクロアルキルおよびC1−8シクロアルキルから選択され;ここで、R6aの前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、ヒドロキシ、ハロ、C1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ置換C1−6アルコキシおよびC6−10アリール−C1−4アルコキシから独立して選択される1〜3個のラジカルで所望により置換されていてもよく;R6bは、水素およびC1−6アルキルから選択され;ならびに、R7aおよびR7bは、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択され;
は、Rおよび−C(O)ORから選択され;ここで、Rは、C1−6アルキル、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、Rの前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、ハロ置換C1−6アルキル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ置換C1−6アルコキシおよび−C(O)OR17、−C(O)R19および−C(O)NR1718から独立して選択される1〜3個のラジカルで所望により置換されていてもよく;ここで、R17およびR18は、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択されるか;またはR17およびR18が結合する窒素原子と一緒になって、R17およびR18はC3−8ヘテロシクロアルキルを形成し;R19は、C1−6アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、Rの前記シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、1〜3個のC1−6アルキルラジカルで所望によりさらに置換されていてもよく;
は、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ハロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、ハロ置換C1−6アルキル、ハロ置換C2−6アルケニル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ置換C1−6アルコキシ、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8ヘテロシクロアルキル、C3−8シクロアルキルおよび-XOR20、−NR20OR21、−C(O)OR20から選択され;ここで、Xは、結合手、C1−4アルキレンおよびC2−4アルケニレンから選択され;R20およびR21は、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択され;
は、CR10およびNから選択され;ここで、R10は、水素およびC1−6アルキルから選択され;
は、NH、OおよびSから選択され;および
およびYは、独立して、CHおよびNから選択され;
は、CH、OCHおよびNR15から選択され;ここで、R15は、水素およびC1−6アルキルから選択される]
で示される化合物がある。
【0017】
別の実施態様において、Aは、−C(O)−で置換された環−CH−基を有していてもよく;t1は、0および1から選択され;ならびに、Rは、水素、シアノ、−S(O)0−26a、−XN(S(O)0−26a)R6a、−X6a、−XC(O)OR6aおよび−S(O)0−2OR6aから選択され;ここで、Xは、結合手およびC1−4アルキレンから選択され;Xは、結合手およびC1−4アルキレンから選択され;R6aは、水素、C1−6アルキルおよびC1−6アルキルで所望により置換されていてもよいC1−10ヘテロアリールから選択される。
【0018】
別の実施態様において、Rは、Rおよび−C(O)ORから選択され;ここで、Rは、tert−ブチル、ピリジニル、ピリミジニル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、テトラゾリルおよびシクロプロピルから選択され;ここで、Rの前記ピリジニル、ピリミジニル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、テトラゾリルまたはシクロプロピルは、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、イソプロピル、メチル、エチル、メトキシカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノカルボニルおよびモルホリノカルボニルから選択されるラジカルで所望により置換されていてもよい。
【0019】
別の実施態様において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、トリフルオロメトキシ、メチル、メトキシ、メトキシカルボニル、3−メトキシプロパ−1−エニル、メトキシプロピル、ビニル、フェニル、ピラゾリル、5−クロロペンタ−1−エニル、ヒドロキシプロピル、メトキシエチルアミノおよびモルホリノから選択され;Wは、CHおよびNから選択され;Yは、NH、OおよびSから選択され;ならびに、YおよびYは、独立して、CHおよびNから選択され;Yは、CH、OCHおよびNCHから選択される。
【0020】
別の実施態様において、化合物は、
5−エチル−2−(4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(3−メチル−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(3−メトキシ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(3−フルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
2−(4−(3−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
5−エチル−2−(4−(2−メチル−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(2−フルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
2−(4−(2−ブロモ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
5−エチル−2−(4−(2−メトキシ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−2−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
2−(4−(2,3−ジフルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−6−フルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
5−エチル−2−(4−(6−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピリジン−3−イルオキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピリジン−2−イルオキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル;
4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルシクロプロピル;
5−フルオロ−2−(4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
1−(4−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)−4−(メチルスルホニル)ピペラジン;
1−(メチルスルホニル)−4−(4−(1−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン;
5−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−3−イソプロピル−1,2,4−オキサジアゾール;
3−(4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン−1−イルスルホニル)プロパン−1−オール;
5−エチル−2−(4−(4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
4−(2−フルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル;
1−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)−4−(メチルスルホニル)ピペラジン−2−オン;
2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)安息香酸メチル;
4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルシクロプロピル;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−カルボン酸メチル;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−ブロモ−2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−クロロ−2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)−ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−N,N−ジメチルピリミジン−5−カルボキサミド;
(2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)(モルホリノ)メタノン;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−カルボニトリル;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−(2H−テトラゾール−5−イル)ピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピリミジン;
(E)−5−エチル−2−(4−(2−(3−メトキシプロパ−1−エニル)−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
3−(2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン−1−オール;
5−エチル−2−(4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−2−ビニルフェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)ビフェニル−2−イルオキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−2−(1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
(E)−2−(4−(2−(5−クロロペンタ−1−エニル)−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
(E)−4−(2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ブタ−3−エン−1−オール;
3−(2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン−1−オール;
2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−N−(2−メトキシエチル)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)アニリン;
4−(2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)モルホリノ;
2−(4−(2−クロロ−4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
3−(4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペリジン−1−イルスルホニル)プロパン−1−オール;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−4−((2−メチル−4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−4−((2−メチル−4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
N−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)フェニル)−N−メチル−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−アミン;
4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン−1−カルボニトリル;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
1−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペリジン−4−カルボニトリル;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−4−((1−(メチルスルホニル)アゼチジン−3−イルオキシ)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−4−((1−(メチルスルホニル)アゼチジン−3−イルオキシ)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;および
N−(1−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)アゼチジン−3−イル)−N−メチルメタンスルホンアミドから選択される。
【0021】
本発明のさらなる化合物は、以下の実施例および表Iに詳述されている。
【0022】
薬理学および有効性
本発明の化合物は、GPR119の活性を調節し、それ自体はGPR119の活性が疾患の病状および/または症状に寄与する疾患または障害を処置するのに有用である。本発明は、GPR119の活性が疾患の病状および/または症状に寄与する疾患または障害の処置のための医薬の製造に使用するための本発明の化合物をさらに提供する。
【0023】
II型糖尿病の結果として生じる病状は、その標的組織でのインスリンシグナル伝達の障害および高血糖シグナルに応答して適切な量のインスリンを分泌する膵臓のインスリン産生細胞の不全である。後者を処置するための現行の療法は、内因性インスリン貯蔵の放出を引き起こすためのβ細胞ATP感受性カリウムチャネル阻害剤、または外因性インスリンの投与を含む。これらはいずれも血糖値を厳密に正常化せず、双方とも低血糖を誘発するリスクを有しうる。これらの理由から、グルコース依存性作用で機能する医薬、すなわち、グルコールシグナル伝達の増強剤の開発に強い関心が持たれている。かかる手法で機能する生理学的シグナル伝達系は、十分に特徴付けられており、腸ペプチドGLP−l、GIPおよびPACAPを含む。これらのホルモンは、同族のGタンパク質共役型受容体を介して作用し、膵臓のβ細胞中のcAMPの産生を刺激する。増加したcAMPは、空腹時または摂食前の状態の間のインスリン放出を刺激するようには見えない。しかしながら、ATP感受性カリウムチャネル、電位感受性カリウムチャネルおよび開口放出機構を含む、一連のcAMPシグナル伝達の生化学的標的は、摂食後のグルコース刺激に対するインスリン分泌応答が著しく増大するという方法で修飾される。したがって、新規の同様の機能を有する、GPR119を含むβ細胞GPCRのアゴニストはまた、内因性インスリン放出を刺激し、その結果、II型糖尿病において、正常血糖を促進する。例えばGLP−lの刺激の結果としてのcAMPの増大は、β細胞増殖を促進し、β細胞死を阻止し、その結果、膵島重量を改善することが立証されている。このβ細胞重量に対する正の効果は、インスリンの産生が不十分であるII型糖尿病においても、また、β細胞が不適切な自己免疫応答によって破壊されたI型糖尿病においても有益であると期待される。
【0024】
GPR119を含む、いくつかのβ細胞GPCRはまた、視床下部にも存在し、そこで、それらは空腹、満腹、食物摂取の減少、体重の制御または減少、およびエネルギー消費を調節する。したがって、視床下部の回路構成の機能を鑑みて、これらの受容体のアゴニストまたはインバース・アゴニスト(inverse agonists)は、空腹感を軽減し、満腹感を促進し、その結果、体重を調節する。
【0025】
代謝性疾患が他の生理学系に負の影響を及ぼすこともまた十分に確立されている。したがって、しばしば、複数の病態(例えば、「シンドロームX」におけるI型糖尿病、II型糖尿病、不十分な耐糖能、インスリン抵抗性、高血糖症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂質異常症、肥満または心血管疾患)または明らかに糖尿病に続いて起こる続発性疾患(例えば、腎臓疾患、末梢神経障害)の同時発症がある。したがって、糖尿病性状態の有効な処置は、同様に、かかる相互に関連した病状に有益であると予測される。
【0026】
本発明の1の実施態様において、個体の代謝性疾患および/または代謝関連障害を処置する方法であって、かかる処置を必要とする個体に治療上有効な量の本発明の化合物またはその医薬組成物を投与することを含む方法がある。該代謝性疾患および代謝関連障害は、限定されるものではないが、脂質異常症、1型糖尿病、2型糖尿病、特発性1型糖尿病(Ib型)、成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)、早期2型糖尿病(EOD)、若年性非定型糖尿病(YOAD)、若年発症成人型糖尿病(MODY)、栄養不良関連糖尿病、妊娠性糖尿病、冠動脈心疾患、虚血性脳卒中、血管形成後の再狭窄、末梢血管疾患、間欠性跛行、心筋梗塞(例えば、壊死およびアポトーシス)、脂質異常症、食後脂質異常症、耐糖能異常(IGT)状態、空腹時血糖異常状態、代謝性アシドーシス、ケトーシス、関節炎、肥満、骨粗鬆症、高血圧、鬱血性心不全、左心室肥大、末梢動脈疾患、糖尿病網膜症、黄斑変性、白内障、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、慢性腎不全、糖尿病性神経障害、メタボリックシンドローム、シンドロームX、月経前症候群、冠動脈心疾患、狭心症、血栓症、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、卒中、血管再狭窄、高血糖症、高インスリン血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、インスリン抵抗性、糖代謝異常、耐糖能異常状態、空腹時血糖異常状態、肥満、勃起不全、皮膚および結合組織障害、足の潰瘍および潰瘍性大腸炎、内皮細胞機能不全および血管コンプライアンス異常から選択される。
【0027】
本発明の1の実施態様において、GIPおよびPPYの濃度増大を誘発するGPR119活性モジュレーターの治療的利益がある。例えば、神経保護、学習および記憶、発作および末梢神経障害。
【0028】
GLP−1およびGLP−1受容体アゴニストは、神経変性疾患および他の神経学的障害の処置に有効であることが示されている。GLP−1およびエキセンディン−4は、PC12細胞中の成長因子を取り除いた後の神経突起伸長を刺激し、細胞生存を増加させることが示されている。神経変性の齧歯類のモデルにおいて、GLP−1およびエキセンディン−4は、前脳基底核におけるコリン作動性マーカー活性を回復させる。GLP−1およびエキセンディン−4の中枢への注入はまた、マウスにおいて、アミロイド−βペプチドの濃度を減少させ、培養PC12細胞中のアミロイド前駆体タンパク質の量を減少させる。GLP−1受容体アゴニストは、ラットにおいて学習能力を上昇させることが示されており、また、GLP−1受容体ノックアウトマウスは、学習行動欠損を示す。ノックアウトマウスはまた、カイニン酸誘発性発作に対する感受性の増加を示し、該発作は、GLP−1受容体アゴニストの投与によって予防できることが示されている。GLP−1およびエキセンディン−4はまた、ピリドキシン誘発性末梢神経変性、すなわち、末梢性感覚神経障害の実験モデルを処置するのに有効であることが示されている。
【0029】
グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)はまた、海馬前駆細胞の増殖ならびに感覚運動協調および記憶認識の向上に対して効果を有することが示されている。
【0030】
本発明の1の実施態様において、GPR119活性モジュレーターの治療的利益がある。例えば、GLP−2および短腸症候群(SBS)。いくつかの動物試験および臨床試験での研究は、GLP−2が、腸の順応性に重要な役割を果たす栄養作用に関するホルモンであることを示している。細胞増殖、アポトーシスおよび栄養吸収の制御におけるその役割は、十分に立証されている。短腸症候群は、小腸の疾患(例えば、クローン病)または手術による一部除去の結果としての、栄養、水およびビタミンの吸収不良によって特徴付けられる。腸の順応性を改善する治療は、この疾患の処置において有益であると考えられる。事実、SBS患者における第II相試験は、GLP−2アナログであるテヅグルチド(teduglutide)が、液体および栄養の吸収を適度に増大させることを示している。
【0031】
本発明の1の実施態様において、GIPおよびPPY濃度の増大を誘発するGPR119活性のモジュレーターの治療的利益がある。例えば、GLP−1、GIPおよび骨粗鬆症。GLP−1は、マウスのC細胞株(CA−77)におけるカルシトニンおよびカルシトニン関連遺伝子ペプチド(CGRP)分泌および発現を増加させることが示されている。カルシトニンは、破骨細胞による骨吸収を阻害し、骨格の骨の鉱化を促進する。骨粗鬆症は、骨鉱物密度の減少によって特徴付けられる疾患であるので、カルシトニンのGLP−1により誘発される増加は、治療的に有益でありうる。
【0032】
GIPは、I型コラーゲンmRNAを含む骨芽細胞における新規の骨形成のマーカーの上方制御および骨鉱物密度の増加に関与していることが報告されている。GLP−1と同様に、GIPもまた、骨吸収を阻害することが示されている。
【0033】
本発明の1の実施態様において、GIPおよびPPY濃度増大を誘発するGPR119の活性のモジュレーターの治療的利益がある。例えば、PPYおよび胃内容排出。膵島の膵臓ポリペプチド(PP)細胞上に位置するGPR119は、PPYの分泌に関与している。PPYは、胃内容排出および消化器の運動の調節を含む種々の生理学的プロセスに対して著しい効果を有することが報告されている。これらの効果は、消化作用および栄養取り込みを遅らせ、それによって、摂食後の血糖上昇を予防する。PPYは、海馬の摂食制御ペプチドの発現を変化させることによって、食物摂取を抑制し得る。PP過剰発現マウスは、食物摂取の減少および胃内容排出速度の減少を伴う、痩せ表現型を示した。
【0034】
前述によれば、本発明は、処置を必要とする対象において、上記の疾患または障害のいずれかの症状を予防または寛解させる方法であって、該対象に、治療有効量(以下の「投与および医薬組成物」を参照のこと)の式Iの化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む方法をさらに提供する。上記の用途のいずれかについて、必要な投与量は、投与方法、処置されるべき特定の状態および望ましい効果に依存して変化する。
【0035】
投与および医薬組成物
一般的に、本発明の化合物は、当該分野で既知の通常の許容されるいずれかの方法によって、治療上有効な量で、単独で、または、1種または複数の治療薬と組み合わせて投与される。治療上有効な量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的な健康、用いられる化合物の力価、および他の因子に依存して広く変化しうる。一般的に、満足のいく結果は、約0.03から2.5mg/kg体重の1日用量で全身投与されると示される。より大きな哺乳動物、例えば、ヒトにおいて適応される1日投与量は、約0.5mgから約100mgの範囲であり、便宜的には、例えば4回までの分割投与で、または徐放形で投与される。経口投与に適当な単位投与形は、約1から50mgの活性成分を含む。
【0036】
本発明の化合物は、医薬組成物として、任意の慣用の経路によって、特に、経腸で、例えば経口で、例えば錠剤またはカプセル剤の形態で、あるいは、非経口で、例えば注射可能な溶液または懸濁液の形態で、局所で、例えば外用水薬、ゲル、軟膏またはクリームの形態、または鼻用剤または坐剤の形態で投与されうる。少なくとも1種の医薬上許容される担体または希釈剤と組み合わせた、遊離形または医薬上許容される塩形の本発明の化合物を含む医薬組成物は、慣用の方法で、混合、造粒または被覆法によって製造されうる。例えば、経口組成物は、活性成分を、a)希釈剤、例えば乳糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)滑沢剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸またはそのマグネシウム塩もしくはカルシウム塩、および/またはポリエチレングリコール;錠剤においてはさらにc)結合剤、例えばケイ酸マグネシウムアルミニウム、澱粉ペースト、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース ナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン;所望によりd)崩壊剤、例えば澱粉、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡性混合物;ならびに/または、e)吸収剤、着色料、風味剤および甘味料と共に含む、錠剤またはゼラチンカプセルでありうる。注射可能な組成物は、水性等張性溶液または懸濁液でありうる。そして、坐剤は、脂肪性エマルジョンまたは懸濁液から製造されうる。組成物は、滅菌されていてもよく、かつ/または、アジュバント、例えば保存料、安定剤、湿化剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調節用塩、および/または緩衝剤を含んでもよい。さらに、組成物はまた、他の治療的に有益な物質を含んでもよい。経皮用途に適当な製剤は、担体と共に、有効量の本発明の化合物を含む。担体は、宿主の皮膚への透過を助けるための、吸収可能な薬理学上許容される溶媒を含んでもよい。例えば、経皮デバイスは、裏打ち材、所望により担体を伴う化合物、所望により宿主の皮膚への化合物を制御され予め定められた速度で長時間かけて送達するための速度制御障壁、および該デバイスを皮膚へと固定するための手段を含む包帯の形態である。マトリックス経皮製剤もまた用いられうる。例えば皮膚および眼への局所用途に適当な製剤は、好ましくは、当該分野に周知の水溶液、軟膏、クリームまたはゲルである。該製剤は、溶解剤、安定剤、浸透圧増加剤、緩衝剤および保存料を含んでもよい。
【0037】
本発明の化合物は、1種または複数の治療薬と組み合わせて(医薬組み合わせ)、治療有効量で投与されうる。
【0038】
例えば、抗肥満剤、食欲低下剤(norectic agent)、食欲抑制剤(appetite suppressant)および関連の薬剤と、相乗効果を起こしうる。ダイエットおよび/または運動もまた、相乗効果を有し得る。抗肥満剤には、限定されるものではないが、アポリポタンパク質B分泌/ミクロソーム・トリグリセリド輸送タンパク質(アポ−B/MTP)阻害剤、MCR−4アゴニスト、コレシストキニンA(CCK−A)アゴニスト、セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(例えば、シブトラミン)、交感神経作動薬、β3アドレナリン受容体アゴニスト、ドーパミン・アゴニスト(例えば、ブロモクリプチン)、メラニン細胞刺激ホルモン受容体アナログ、カンナビノイド−1受容体アンタゴニスト(例えば、WO 2006/047516に記載の化合物)、メラニン凝集ホルモン・アンタゴニスト、レプチン(OBタンパク質)、レプチンアナログ、レプチン受容体アゴニスト、ガラニン・アンタゴニスト、リパーゼ阻害剤(例えば、テトラヒドロリプスタチン、すなわちオルリスタット)、食欲低下剤(例えばボンベシン・アゴニスト)、ニューロペプチド−Yアンタゴニスト、甲状腺ホルモン模倣薬(thyromimetic agent)、デヒドロエピアンドロステロンまたはそのアナログ、グルココルチコイド受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、オレキシン受容体アンタゴニスト、ウロコルチン結合型タンパク質アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド−1受容体アゴニスト、毛様体神経栄養因子(例えば、Axokine(商標))、ヒトアグーチ関連タンパク質(AGRP)、グレリン受容体アンタゴニスト、ヒスタミン3受容体アンタゴニストまたはリバース・アゴニスト、ニューロメジンU受容体アゴニスト、ノルアドレナリン作動性食欲低下剤(例えば、フェンテルミン、マジンドールなど)およびノルアドレナリン作動性食欲抑制剤(例えば、ブプロピオン)が含まれる。
【0039】
本発明の化合物が、他の療法と組み合わせて投与される場合、併用投与される化合物の投与量は、用いられる併用薬、用いられる特定の薬物、処置される状態などに依存して、当然に変化する。
【0040】
組み合わせ製剤または組み合わせ医薬組成物は、上記の本発明の化合物またはその医薬上許容される塩、および次から選択される少なくとも1種の活性成分、および所望により医薬上許容される担体を含む:
a)抗糖尿病薬、例えば、インスリン、インスリン誘導体および模倣薬;インスリン分泌促進物質、例えばスルホニル尿素類、例えばグリピジド、グリブリドおよびアマリール;インスリン分泌性スルホニル尿素受容体リガンド、例えばメグリチニド類(meglitinide)、例えばナテグリニドおよびレパグリニド;インスリン増感剤、例えばタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、例えばPTP−112;GSK3(グリコーゲン合成酵素キナーゼ−3)阻害剤、例えばSB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441およびNN−57−05445;RXRリガンド、例えばGW−0791およびAGN−194204;ナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤、例えばT−1095;グリコーゲンホスホリラーゼA阻害剤、例えばBAY R3401;ビグアナイド類、例えばメトホルミン;α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、GLP−1アナログ、例えばエキセンディン−4およびGLP−1ミメティック;DPPIV(ジペプチジル・ペプシダーゼIV)阻害剤、例えばDPP728、LAF237(ビルダグリプチン、WO 00/34241の実施例1)、MK−0431、サクサグリプチン、GSK23A;AGEブレーカー;チアゾリドン誘導体(グリタゾン)、例えばピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または、実施例4の化合物19として特許出願WO 03/043985に記載の(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、非グリタゾン型PPARγアゴニスト、例えばGI−262570;例えばWO2005044250、WO 2005013907、WO2004094618およびWO2004047755に開示のジアシルグリセロール アセチルトランスフェラーゼ(DGAT)阻害剤;
【0041】
b)脂質低下剤、例えば3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル補酵素A(HMG−CoA)還元酵素阻害剤、例えば、米国特許第4,231,938号に開示されたロバスタチンおよび関連化合物、ピタバスタチン、例えば米国特許第4,448,784号および第4,450,171号に開示されたシンバスタチンおよび関連化合物、例えば米国特許第4,346,227号に開示されたプラバスタチンおよび関連化合物、セリバスタチン、例えば米国特許第3,983,140号に開示されたメバスタチンおよび関連化合物、ベロスタチン(velostatin)、フルバスタチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、アトルバスタチン、米国特許第5,753,675号に開示されたロスバスタチンおよび関連のスタチン化合物、リバスタチン(rivastatin)、米国特許第4,613,610号に開示されたメバロノラクトン誘導体のピラゾールアナログ、PCT出願WO 86/03488号に開示されたメバロノラクトン誘導体のインデンアナログ、米国特許第4,647,576号に開示された6−[2−(置換ピロール−1−イル)−アルキル)ピラン−2−オン類およびその誘導体、Searle’s SC−45355(3位置換ペンタン二酸誘導体)ジクロロアセテート、PCT出願WO86/07054号に開示されたメバロノラクトンのイミダゾールアナログ、フランス特許第2,596,393号に開示された3−カルボキシ−2−ヒドロキシ−プロパン−ホスホン酸誘導体、欧州特許出願第0221025号に開示された2,3−二置換ピロール、フランおよびチオフェン誘導体、米国特許第4,686,237号に開示されたメバロノラクトンのナフチルアナログ、例えば米国特許第4,499,289号に開示されたオクタヒドロナフタレン類、欧州特許出願第0,142,146 A2号に開示されたメビノリンのケトアナログ(ロバスタチン)、および米国特許第5,506,219号および第5,691,322号に開示されたキノリンおよびピリジン誘導体;さらに、英国特許第2205837号に開示された本発明における使用に適切なHMG−CoA還元酵素を阻害するのに有用なホスフィン酸化合物;スクアレン合成酵素阻害剤;FXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド;コレスチラミン;フィブラート類;ニコチン酸およびアスピリン;
【0042】
c)抗肥満剤または食欲制御剤、例えばCB1活性化モジュレーター、メラノコルチン受容体(MC4R)アゴニスト、メラニン凝集ホルモン受容体(MCHR)アンタゴニスト、成長ホルモン分泌促進物質受容体(GHSR)アンタゴニスト、ガラニン受容体モジュレーター、オレキシン・アンタゴニスト、CCKアゴニスト、GLP−1アゴニスト、および他のプレプログルカゴン誘導ペプチド;NPY1またはNPY5アンタゴニスト、NPY2およびNPY4モジュレーター、副腎皮質刺激ホルモン放出因子アゴニスト、ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター、aP2阻害剤、PPARγモジュレーター、PPARδモジュレーター、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、11−β−HSD−1阻害剤、アディポネクチン(adinopectin)受容体モジュレーター;β3アドレナリン受容体アゴニスト、例えばAJ9677(Takeda/Dainippon)、L750355(Merck)、またはCP331648(Pfizer)、または米国特許第5,541,204号、第5,770,615号、第5,491,134号、第5,776,983号および第5,488,064号に開示された他の既知のβ3アゴニスト、甲状腺受容体βモジュレーター、例えばWO97/21993(U.Cal SF)、WO99/00353(KaroBio)およびGB98/284425(KaroBio)に開示された甲状腺受容体リガンド、WO2005011655に開示されたSCD−1阻害剤、リパーゼ阻害剤、例えばオルリスタットまたはATL−962(Alizyme)、セロトニン受容体アゴニスト(例えば、BVT−933(Biovitrum))、モノアミン再取り込み阻害剤またはモノアミン放出剤、例えばフェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フルボキサミン、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、クロルフェンテルミン、クロホレクス(cloforex)、クロルテルミン(clortermine)、ピシロレクス(picilorex)、シブトラミン、デキサンフェタミン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミンまたはマジンドール、食欲低下剤、例えばトピラマート(Johnson&Johnson)、CNTF(毛様体神経栄養因子)/Axokine(登録商標)(Regeneron)、BDNF(脳由来神経栄養因子)、レプチンおよびレプチン受容体モジュレーター、フェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミン、オルリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラマート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパム(ecopipam)、エフェドリン、プソイドエフェドリン;
【0043】
d)降圧剤、例えばループ利尿剤、例えばエタクリン酸、フロセミドおよびトルセミド;利尿剤、例えばチアジド誘導体、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、アミロライド;アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えばベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリル;Na−K−ATPアーゼ膜ポンプ阻害剤、例えばジゴキシン;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、例えばチオルファン、terteo−チオルファン、SQ29072;ECE阻害剤、例えばSLV306;ACE/NEP阻害剤、例えばオマパトリラト、サムパトリラト(sampatrilat)およびファシドトリル;アンジオテンシンIIアンタゴニスト、例えばカンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタン、特にバルサルタン;レニン阻害剤、例えばアリスキレン、テルラキレン(terlakiren)、ジテキレン(ditekiren)、RO66−1132、RO−66−1168;β−アドレナリン受容体ブロッカー、例えばアセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロール;変力剤(inotropic agent)、例えばジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノン;カルシウム・チャネル・ブロッカー、例えばアムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミル;アルドステロン受容体アンタゴニスト;アルドステロン合成酵素阻害剤;例えばWO00/01389に開示されたデュアルET/AIIアンタゴニスト;
【0044】
e)HDL増加化合物;
f)コレステロール吸収調節剤、例えばZetia(登録商標)およびKT6−971;
g)アポ−A1アナログおよびミメティック;
h)トロンビン阻害剤、例えばキシメラガトラン;
i)アルドステロン阻害剤、例えばアナストロゾール(anastrazole)、ファドロゾール(fadrazole)、エプレレノン;
j)血小板凝集阻害剤、例えばアスピリン、クロピドグレル重硫酸塩;
k)エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター;
l)化学療法剤、例えばアロマターゼ阻害剤、例えばフェマーラ、抗エストロゲン剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、微小管活性剤、アルキル化剤、抗悪性腫瘍剤、代謝拮抗薬、白金化合物、タンパク質キナーゼ活性を減少させる化合物、例えばPDGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、好ましくはイマチニブ(実施例21として欧州特許出願第EP−A−0564409号に記載のN−{5−[4−(4−メチル−ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミン)または実施例92として特許出願WO04/005281号に記載の4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド;および
【0045】
m)5−HT受容体と相互作用する薬剤および/または5−HT受容体と相互作用する薬剤、例えば実施例13として米国特許第5510353号に記載のテガセロッド、テガセロッドのマレイン酸水素塩、シサプリド、シランセトロン;
n)タバコ乱用処置薬、例えばニコチン受容体部分アゴニスト、塩酸ブプロピオン(商品名Zyban(登録商標)としても知られている)、およびニコチン置換療法;
o)勃起不全治療薬、例えばドーパミン作動薬、例えばアポモルヒネ、ADD/ADHD薬(例えばリタリン(登録商標)、Strattera(登録商標)、Concerta(登録商標)およびAdderall(登録商標));
p)アルコール依存症処置薬、例えばオピオイド・アンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン(商品名ReVia(登録商標)でも知られている)、およびナルメフェン)、ジスルフィラム(商品名Antabuse(登録商標)でも知られている)、およびアカンプロセート(商品名Campral(登録商標)でも知られている);さらに、アルコール禁断症状を軽減する薬物、例えばベンゾジアゼピン類、β−ブロッカー、クロニジン、カルバマゼピン、プレガバリンおよびガバペンチン(Neurontin(登録商標));
【0046】
q)抗炎症剤(例えば、COX−2阻害剤);抗鬱剤(例えば、塩酸フルオキセチン(Prozac(登録商標)));認識改善剤(例えば、塩酸ドネペジル(Aircept(登録商標))、および他のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤);神経保護剤(例えば、メマンチン);抗精神病薬(例えばジプラシドン(Geodon(登録商標))、リスペリドン(Risperdal(登録商標))、およびオランザピン(Zyprexa(登録商標)))を含む有用な他の薬物;
あるいは、それぞれの場合の医薬上許容される塩。
【0047】
本発明はまた、a)本明細書で開示した、遊離形または医薬上許容される塩形の本発明の化合物である第1薬物、および、b)少なくとも1種の併用薬を含む医薬組み合わせ、例えばキットを提供する。キットは、投与のための指示書を含みうる。
【0048】
本明細書に記載の、用語「併用投与」または「組み合わせ投与」などは、選択された複数の治療薬を、一患者に投与することを含むことを意味し、また、該複数の薬物が、必ずしも同時にまたは同じ投与経路で投与されない処置計画を含むことを意図している。
【0049】
本明細書に記載の、用語「医薬組み合わせ」は、1種以上の活性成分を混合したまたは組み合わせた結果得られる製品を意味し、複数の活性成分の固定化された組み合わせおよび固定化されない組み合わせの双方を含む。用語「固定化された組み合わせ」は、複数の活性成分、例えば式Iの化合物および併用薬が、共に、1人の患者に、同時に、単一の物または投与形で投与されることを意味する。用語「固定化されない組み合わせ」は、複数の活性成分、例えば式Iの化合物および併用薬が、共に、1人の患者に、別個の形態で、一緒に(simultaneously)、同時に(concurrently)、または特定の時間制限なしで連続して、投与されることを意味する。ここで、これらの投与は、患者の体内に、2種の化合物を治療有効量で提供する。後者はまた、カクテル療法、例えば3種以上の活性成分の投与にも適用する。
【0050】
本発明の化合物の製造法
本発明はまた、本発明の化合物の調製方法を含む。記載された反応において、反応におけるその望ましくない関与を避けるために、最終生成物において好ましいとされる、反応性官能基、例えば、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基を保護する必要がありうる。通常の保護基は、標準的技法にしたがって用いられうる、例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wutsの「Protective Groups in Organic Chemistry」,John Wiley and Sons,1991を参照のこと。以下のスキームにおいて、本発明の化合物の複数の調製法を説明する。当業者は、これらの方法は代表的なものであって、本発明の化合物のすべての調製法を包含するものではないことを認識するであろう。スキーム中のラジカルは、式Iに記載のとおりである。
【0051】
【化4】

【0052】
式Iの化合物は、所望によりパラジウム触媒(例えば、Pd(dba)など)および適当なリガンド(例えば、キサントホス(xantphos)など)の存在下、適当な溶媒(例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなど)および適当な塩基(例えば、炭酸カリウム、ナトリウムt−ブトキシドなど)の存在下において、式2の化合物を式3の化合物(式中:Qは、脱離基(例えば、Cl、Br、OCFなど)である)を反応させることによって調製されうる。反応は、約0℃〜約200℃の温度にて進行し、終了するまで24時間かかりうる。
【0053】
【化5】

【0054】
式Iの化合物(式中:Yは酸素である)は、適当な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルなど)および適当な塩基(例えば、KCO、CsCO、トリエチルアミンなど)の存在下において、式4の化合物を式5の化合物(式中:Yは脱離基(例えば、OMs、Cl、Br、Iなど)である)と反応させることによって調製されうる。反応は、約0℃〜約120℃の温度にて進行し、終了するまで24時間かかりうる。
【0055】
【化6】

【0056】
式Iの化合物(式中:YはCHであり、WはNである)は、適当な溶媒(例えば、ジクロロエタン、エタノールなど)の存在下において、式6の化合物を式7の化合物と反応させ、次いで、適当な還元剤(例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなど)を加えることによって調製されうる。反応は、約0℃〜約120℃の温度にて進行し、終了するまで24時間かかりうる。
【0057】
【化7】

【0058】
式Iの化合物(式中:YはCHであり、WはNである)は、適当な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルなど)および適当な塩基(例えば、KCO、CsCO、トリエチルアミンなど)の存在下において、式8の化合物を式9の化合物(式中:Qは脱離基(例えば、OMs、Cl、Br、Iなど)である)と反応させることによって調製されうる。反応は、約0℃〜約120℃の温度にて進行し、終了するまでに24時間かかりうる。
【0059】
本発明の化合物の合成の詳細な説明は、以下の実施例において説明される。
【0060】
本発明の化合物を製造するための追加方法
本発明の化合物は、遊離塩基形の本化合物を、医薬上許容される無機酸または有機酸と反応させることによって、医薬上許容される酸付加塩として調製されうる。あるいは、本発明の化合物の医薬上許容される塩基付加塩は、遊離酸形の本化合物を、医薬上許容される無機塩基または有機塩基と反応させることによって調製されうる。あるいは、塩形の本発明の化合物は、出発物質または中間体の塩を用いて調製されうる。
【0061】
遊離酸形または遊離塩基形の本発明の化合物は、それぞれ、対応する塩基付加塩または酸付加塩の形態から調製されうる。例えば、本発明の化合物の酸付加塩は、対応する遊離塩基を、適当な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することによって変換されうる。本発明の化合物の塩基付加塩は、対応する遊離酸を、適当な酸(例えば、塩酸など)で処理することによって変換されうる。
【0062】
酸化されていない形態の本発明の化合物は、還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウムなど)で、適当な不活性有機溶媒(例えば、アセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)中で0〜80℃にて処理することによって、本発明の化合物のN−オキシドから調製されうる。
【0063】
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者に既知の方法によって調製されうる(例えば、さらなる詳細については、Saulnierら,(1994),Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,Vol.4,p.1985を参照のこと)。例えば、適当なプロドラッグは、誘導体化されていない本発明の化合物を、適当なカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリデート、パラ−ニトロフェニル炭酸塩など)と反応させることによって調製されうる。
【0064】
本発明の化合物の保護された誘導体は、当業者に既知の方法によって合成されうる。保護基の付加および除去に適用可能な技術の詳細な説明は、T.W.Greene,「Protecting Groups in Organic Chemistry」,第3版,John Wiley and Sons,Inc.,1999で見出されうる。
【0065】
本発明の化合物は、都合の良いことには、溶媒和物(例えば、水和物)として調製されうるか、あるいは、本発明の方法の過程で形成されうる。本発明の化合物の水和物は、都合の良いことには、水性/有機溶媒混合物から再結晶することによって調製されうる。該有機溶媒には、例えばジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールが用いられる。
【0066】
本発明の化合物は、その個々の立体異性体として、本化合物のラセミ混合物を、光学的に活性な分解剤と反応させ、1組のジアステレオ異性体化合物を形成し、該ジアステレオマーを分離し、光学的に純粋なエナンチオマーを回収することによって調製されうる。エナンチオマーの分割が本発明の化合物の共有結合性ジアステレオマー誘導体を用いて行われうる場合、分離可能な複合体が好ましい(例えば、結晶性ジアステレオマー塩)。ジアステレオマーは、固有の物理学的性質(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性など)を有し、これらの相違点を利用することによって分離されうる。ジアステレオマーは、クロマトグラフィーによって分離してもよく、好ましくは、溶解度の違いに基づく分離/分割によって分離されうる。次いで、光学的に純粋なエナンチオマーを、ラセミ化を起こさない任意の実用的な方法によって、分割剤と共に回収する。ラセミ混合物からの立体異性体の分離に適用可能な方法のより詳細な説明は、Jean Jacques,Andre Collet,Samuel H.Wilen,「Enantiomers,Racemates and Resolutions」,John Wiley And Sons,Inc.,1981で見出されうる。
【0067】
要約すると、式Iの化合物は、以下の工程によって合成されうる:
(a)反応スキームIからXIの工程;および
(b)所望により本発明の化合物を医薬上許容される塩に変換すること;
(c)所望により塩形の本発明の化合物を非塩形に変換すること;
(d)所望により酸化されていない形態の本発明の化合物を医薬上許容されるN−オキシドに変換すること;
(e)所望により本発明の化合物のN−オキシドをその酸化されていない形態に変換すること;
(f)所望により異性体混合物から本発明の化合物の個々の異性体を分離すること;
(g)所望により誘導体化されていない本発明の化合物を医薬上許容されるプロドラッグ誘導体に変換すること;および
(h)所望により本発明の化合物のプロドラッグ誘導体をその誘導体化されていない形態に変換すること。
【0068】
出発物質の製造が特に記載されていない場合において、該化合物は、既知であるか、あるいは、当業者に既知の方法または下記の実施例で開示された方法と類似の方法で調製されうる。
【0069】
当業者は、上記の変換が、本発明の化合物の製造方法の単なる具体例であって、他の周知の方法も同様に用いられうることを認識する。
【実施例】
【0070】
本発明は、本発明の化合物およびその中間体の調製例を説明する以下の実施例にてさらに例示されるが、それらに限定されるものではない。
【0071】
実施例A1.5−エチル−2−(4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)−ピペリジン−1−イル)ピリミジン
【化8】

【0072】
工程A:4−ヒドロキシピペリジン(7g、70mmol)、2−クロロ−5−エチルピリミジン(10g、70mmol)およびKCO(14.5g、105mmol)をDMA(50mL)に溶解し、150℃にて12時間攪拌した。反応混合物を冷却し、HO(100mL)で希釈し、EtOAc(3x100mL)で抽出した。有機層を合し、HO(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−オール1を得、精製することなく工程Bにて用いた:MS m/z(M+H)1118Oについての計算値208.1、実測値208.2。
【0073】
工程B:1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−オール1をDCM(200mL)に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(25mL、140mmol)を加え、次いで、混合物を0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル(6.5mL、84mmol)を滴下し、混合物を室温にて1時間攪拌した。混合物をHO(100mL)に注ぎ、有機層を分離した。有機層を、飽和水性NaHCOで洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過して、濃縮した。生成物をEtOAc/ヘキサンから再結晶して、オフホワイト色粉末として1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル メタンスルホン酸塩2を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.20(s,2H),4.99(m,1H),4.21(m,2H),3.61(m,2H),3.07(s,3H),2.49(q,J=7.6Hz,2H),2.07(m,2H),1.89(m,4H),1.55(m,2H),1.45(d,J=6.8Hz,1H),1.21(t,J=7.6Hz,3H)。MS m/z(M+H)1220Sについての計算値286.1、実測値286.2。
【0074】
工程C:4−ヒドロキシベンズアルデヒド(500mg、4.09mmol)および1−メタンスルホニルピペラジン(670mg、4.09mmol)をジクロロエタン(10mL)に溶解した。AcOH(50μL)を加え、混合物を80℃にて1時間加熱した。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.7g、8.2mmol)を加え、混合物を80℃にてさらに2時間加熱した。反応物を冷却し、飽和水性NaHCO(50mL)で洗浄し、DCM(30mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、MeOH/DCM勾配)に付して精製し、白色粉末として4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノール3を得た:H NMR(400MHz,MeOD)δ=7.15(d,J=8.4Hz,2H),6.75(d,J=8.4Hz,2H),3.48(s,2H),3.22(t,J=4.8Hz,4H),2.83(s,3H),2.54(t,J=4.8Hz,4H)。MS m/z(M+H)1219Sについての計算値271.1,実測値271.1。
【0075】
工程D:1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル メタンスルホン酸塩2(253mg、0.89mmol)、4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノール3(200mg、0.74mmol)およびCsCO(482mg、1.48mmol)を、AcN(10mL)中で80℃にて2時間加熱した。反応物を冷却し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、MeOH/DCM勾配)に付して精製し、A1を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.11(s,2H),7.14(d,J=8.8Hz,2H),6.82(d,J=8.4Hz,2H),4.46(m,1H),4.12(m,2H),3.56(m,2H),3.41(s,2H),3.17(t,J=4.8Hz,4H),2.70(s,3H),2.48(t,J=4.8Hz,4H),2.39(q,J=7.6Hz,2H),1.95(m,2H),1.74(m,2H),1.22(t,J=7.6Hz,3H)。MS m/z(M+H)2334Sについての計算値460.2、実測値460.2。
【0076】
適当な出発物質を用いる、上記の製法を繰り返して、表1に示される、以下の式Iの化合物を得た。
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【0077】
実施例B1:4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル.
【化9】

【0078】
工程A:4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル(2g、9.94mmol)をDCM(20mL)に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(3.4mL、19.8mmol)を加え、混合物を0℃に冷却し、次いで、塩化メタンスルホニル(0.92mL、11.93mmol)を滴下し、混合物を室温にて1時間攪拌した。混合物をHO(20mL)で希釈して、分離した。有機層を、飽和水性NaHCOで洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、MeOH/DCM勾配)に付して精製し、4−(メチルスルホニルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル4を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=5.00(m,1H),3.82(m,2H),3.42(m,2H),3.16(s,3H),2.08(m,2H),1.94(m,2H),1.58(s,9H)。MS m/z(M−C11+Hフラグメント) C14NOSについての計算値224.0、実測値224.1。
【0079】
工程B:4−(メチルスルホニルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル4(500mg、1.79mmol)、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(218mg、1.79mmol)およびCsCO(1.1g、3.58mmol)を、80℃にて2時間DMF(10mL)中で加熱した。反応物を冷却し、HO(20mL)で希釈し、EtOAc(2x20mL)で抽出した。有機層を合し、HO(20mL)、次いで、ブライン(10mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン勾配)に付して精製し、4−(4−ホルミルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル5を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.77(d,J=8.8Hz,2H),6.94(d,J=8.8Hz,2H),4.54(m,1H),3.63(m,2H),3.32(m,2H),1.89(m,2H),1.73(m,2H),1.39(s,9H)。MS m/z(M−C11+Hフラグメント) C1316NOについての計算値250.1、実測値250.1。
【0080】
工程C:4−(4−ホルミルフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル5(273mg、0.89mmol)および1−メタンスルホニルピペラジン(176mg、1.07mmol)をジクロロエタン(10mL)に溶解した。AcOH(50μL)を加え、混合物を90℃にて1時間加熱し、次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(725mg、3.42mmol)を加え、混合物を90℃にて2時間加熱した。反応物を冷却し、飽和水性NaHCO(50mL)で希釈し、DCM(30mL)で抽出した。有機層を、ブラインで洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、MeOH/DCM勾配)に付して精製し、白色粉末として標題化合物B1を得た:H NMR(400MHz,MeOD)δ=7.22(d,J=8.8Hz,2H),6.88(d,J=8.4Hz,2H),4.47(m,1H),3.72(m,2H),3.50(s,2H),3.25(m,4H),2.79(s,3H),2.56(m,4H),1.92(m,2H),1.76(m,2H),1.49(s,9H)。MS m/z(M+H)2236Sについての計算値454.2、実測値454.2。
【0081】
実施例B2:4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルシクロプロピル.
【化10】

【0082】
工程A:4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチルB1(340mg、0.75mmol)をTFA(20mL)に溶解し、室温にて1時間攪拌した。混合物を真空中で濃縮し、残渣をMeOHに溶解し、濃縮して(2x)、1−(メチルスルホニル)−4−(4−(ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン7のTFA塩を得(563mg)、さらに精製することなく工程Bにて直接用いた。MS m/z(M−C11+Hフラグメント) C1728Sについての計算値354.2、実測値354.2。
【0083】
工程B:1−(メチルスルホニル)−4−(4−(ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン7(36mg、0.06mmol)および4−ニトロフェニルカルボン酸1−メチルシクロプロピル(22mg、0.09mmol)をDCM(5mL)に溶解した。トリエチルアミン(60μL、0.43mmol)を加え、混合物を室温にて2時間攪拌した。混合物を真空中で濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン勾配)に付して精製し、標題化合物B2を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.13(d,J=8.4Hz,2H),6.78(d,J=8.4Hz,2H),4.38(m,1H),3.60(m,2H),3.40(s,2H),3.29(m,2H),3.16(m,4H),2.70(s,3H),2.47(m,4H),1.82(m,2H),1.69(m,2H),1.48(s,3H),1.19(m,1H),0.80(m,2H),0.56(m,2H)。MS m/z(M+H)2234Sについての計算値452.2、実測値452.2。
【0084】
実施例B3:4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルシクロプロピル.
【化11】

フェノールとして3−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドを用いること以外はB1と同一の製法にしたがって、標題化合物B3を得た;H NMR(400MHz,CDCl)δ7.42(d,J=2.4Hz,1H),7.32(dd,J=2.4,8.4Hz,1H),6.98(d,J=8.4Hz,1H),4.63(m,1H),4.15(s,2H),3.59(m,4H),2.88(s,3H),1.87(m,4H),1.56(s,3H),0.89(t,J=2.4Hz,2H),0.65(t,J=2.4Hz,2H);MS m/z(M+H)2233ClNSについての計算値486.2、実測値486.1。
【0085】
実施例B4:5−フルオロ−2−(4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン.
【化12】

1−(メチルスルホニル)−4−(4−(ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン7(30mg、0.05mmol)、2−クロロ−5−フルオロ−ピリミジン(7μL、0.06mmol)およびKCO(24mg、0.17mmol)をDMA(1mL)に溶解し、マイクロ波照射した(180℃、5分)。反応物を冷却し、HO(10mL)で希釈し、EtOAc(10mL)で抽出した。有機層を、HO(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、次いで、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物B4を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.52(s,2H),7.31(d,J=8.8Hz,2H),6.91(d,J=8.4Hz,2H),4.52(m,1H),4.08(s,2H),4.03(m,2H),3.79(m,2H) 3.63(m,2H),3.48(m,4H),2.80(s,3H),1.95(m,2H),1.76(m,2H)。MS m/z(M+H)2129FNSについての計算値450.2、実測値450.2。
【0086】
適当な出発物質を用いる、上記の製法を繰り返して、表2に示される、以下の式Iの化合物を得た。
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【0087】
実施例B12:2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド.
【化13】

【0088】
工程A:2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−カルボン酸メチルB7(216mg、0.41mmol)をTHF(5mL)に溶解し、LiOH(165μLの5M、0.824mmol)を加えた。混合物を80℃にて3時間加熱し、次いで、冷却し、濃縮して、粗2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−カルボン酸を得、さらに精製することなく次の工程にて用いた。MS m/z(M+H) C2229ClNSについての計算値510.2、実測値510.1。
【0089】
工程B:2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−カルボン酸(21mg、0.41mmol)をDCM(5mL)およびTHF(5mL)の混合液に溶解した。塩化オキサリル(40μL、0.45mmol)を加え、混合物を室温にて2時間攪拌し、次いで、水酸化アンモニウム(100μLのHO中30%溶液)を加え、混合物を室温にて12時間攪拌した。混合物を濃縮し、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物B12を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.65(s,2H),7.30(d,J=2.0Hz,1H),7.07(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),6.87(d,J=8.4Hz,1H),4.59(m,1H),4.05(m,4H),3.41(m,2H),3.19(m,4H),2.72(s,3H),2.50(m,4H),1.90(m,4H)。MS m/z(M+H)2230ClNSについての計算値509.2、実測値509.2。
【0090】
適当な出発物質を用いる、上記の製法を繰り返して、表3に示される、以下の式Iの化合物を得た。
【表3】

【0091】
実施例B15:2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−カルボニトリル.
【化14】

5−ブロモ−2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジンB9(30mg、0.055mmol)をDMF(1mL)に溶解した。Zn(CN)(6.5mg、0.055mmol)およびPd(PPh(13mg、0.011mmol)を加え、混合物を20分間アルゴンで脱気し、次いで、65℃にて12時間加熱した。混合物を冷却し、濾過して、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物B15を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.28(s,2H),7.16(d,J=2.0Hz,1H),6.93(dd,J=1.6,8.4Hz,1H),6.72(d,J=8.4Hz,1H),4.46(m,1H),3.95(m,2H),3.77(m,2H),3.30(s,2H),3.06(m,4H),2.58(s,3H),2.37(m,4H),1.76(m,4H)。MS m/z(M+H)2228ClNSについての計算値491.2、実測値491.2。
【0092】
実施例B16:2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−(2H−テトラゾール−5−イル)ピリミジン.
【化15】

2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−カルボニトリルB15(100mg、0.20mmol)をDMF(3mL)に溶解した。NaN(53mg、0.81mmol)およびNHCl(55mg、1.02mmol)を加え、混合物を90℃にて12時間加熱した。混合物をHO(10mL)で希釈し、EtOAc(10mL)で抽出し、HO(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過して、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物B16を得た:H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.93(s,2H),7.53(d,J=2.0Hz,1H),7.35(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),7.19(d,J=8.4Hz,1H),4.81(m,1H),4.18(m,2H),3.92(m,4H),3.42(m,4H),3.03(m,4H),2.85(s,3H),2.06(m,2H),1.85(m,2H)。MS m/z(M+H)2229ClNSについての計算値534.2、実測値534.2。
【0093】
実施例B17:2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピリミジン.
【化16】

2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−(2H−テトラゾール−5−イル)ピリミジンB16(28mg、0.052mmol)をDMF(2mL)に溶解した。KCO(40mg、0.29mmol)およびMeI(4μL、0.06mmol)を加え、混合物を室温にて2時間攪拌した。混合物をHO(10mL)で希釈し、EtOAc(10mL)で抽出し、HO(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過して、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物B17を得た:H NMR(400MHz,DMSO−d)δ8.92(s,2H),7.30(d,J=2.0Hz,1H),7.06(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),6.88(d,J=8.8Hz,1H),4.58(m,1H),4.32(s,3H),4.04(m,2H),3.96(m,2H),3.40(s,2H),3.18(m,4H),2.72(s,3H),2.48(m,4H),1.91(m,4H)。MS m/z(M+H)2331ClNSについての計算値548.2、実測値548.2。
【0094】
実施例C1:(E)−5−エチル−2−(4−(2−(3−メトキシプロパ−1−エニル)−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン.
【化17】

2−(4−(2−ブロモ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジンA8(60mg、0.11mmol)、(E)−2−(3−メトキシ−1−プロペニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキソボロラン(35μL、0.16mmol)、NaCO(35mg、0.33mmol)およびPd(PPh(13mg、0.011mmol)を、ジメトキシエタン(360μL)、HO(240μL)およびEtOH(180μL)の混合液に溶解し、マイクロ波照射した(170℃、5分)。混合物を冷却し、HO(10mL)で希釈し、EtOAc(20mL)で抽出した。有機層を、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物C1を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.43(s,2H),7.54(d,J=2.0Hz,1H),7.26(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),6.94(d,J=8.4Hz,1H),6.88(d,J=16Hz,1H),6.32(dt,J=7.6,16Hz,1H),4.73(m,1H),4.16(m,2H),4.10(m,2H),4.02(m,3H),3.40(s,3H),2.89(s,3H),2.68(m,7H),2.59(q,J=7.6Hz,2H),2.06(m,4H),1.26(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2740Sについての計算値530.3、実測値530.2。
【0095】
実施例C2:3−(2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン−1−オール.
【化18】

(E)−5−エチル−2−(4−(2−(3−メトキシプロパ−1−エニル)−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジンC2(55mg、0.104mmol)およびPd/C(約20mgの10%、湿性)をフラスコ中にてEtOH(10mL)で懸濁し、混合物をH下でParr攪拌機(55psi)にて1時間振盪した。混合物をセライトで濾過し、濃縮して、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物C2を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.12(s,2H),7.03(d,J=2.0Hz,1H),7.00(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),6.75(d,J=8.4Hz,1H),4.51(m,1H),3.97(m,2H),3.71(m,2H),3.40(s,2H),3.31(t,J=6.8Hz,2H),3.25(s,3H),3.17(s,3H),2.71(s,3H),2.60(m,1H),2.48(s,3H),2.40(q,J=7.6Hz,2H),1.93(m,2H),1.79(m,4H),1.13(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2742Sについての計算値532.3、実測値532.0。
【0096】
適当な出発物質を用いる、上記の製法を繰り返して、表4に示される、以下の式Iの化合物を得た。
【表4−1】

【表4−2】

【0097】
実施例C7:(E)−4−(2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ブタ−3−エン−1−オール.
【化19】

【0098】
工程A:2−(4−(2−ブロモ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジンA8(60mg、0.11mmol)、ブタ−3−イン−1−オール(182μL、3.12mmol)、CuBr(33mg、0.23mmol)およびPd(PPh(25mg、0.022mmol)を、トリエチルアミン(750μL)に溶解し、アルゴンで20分間脱気し、次いで、90℃にて3時間加熱した。混合物を冷却し、HO(10mL)で希釈して、EtOAc(20mL)で抽出した。有機層を、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン勾配)に付して精製し、白色粉末として4−(2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ブタ−3−イン−1−オールを得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.11(s,2H),7.27(d,J=2.4Hz,1H),7.10(dd,J=2.4,8.4Hz,1H),6.81(d,J=8.4Hz,1H),4.54(m,1H),4.07(m,2H),3.66(m,4H),3.38(s,2H),3.17(m,4H),2.71(s,3H),2.63(t,J=6.0Hz,2H),2.47(m,4H),2.40(q,J=7.6Hz,2H),1.94(m,4H),1.82(m,2H),1.53(m,2H),1.12(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2738Sについての計算値528.3、実測値528.2。
【0099】
工程B:4−(2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ブタ−3−イン−1−オール(50mg、0.095mmol)およびシクロヘキサジエン(100μL)をEtOH(2mL)に溶解した。Pd/C(20mgの10%、湿性)を加え、混合物を80℃にて一晩加熱し、次いで、それを冷却し、0.2μmシリンジフィルターで濾過した。混合物を濃縮し、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物C7を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.12(s,2H),7.31(d,J=2.4Hz,1H),7.04(dd,J=2.4,8.4Hz,1H),6.80(d,J=8.4Hz,1H),6.75(d,J=16Hz,1H),6.15(dt,J=7.2,16Hz,1H),4.49(m,1H),4.06(m,2H),3.64(m,4H),3.40(s,2H),3.17(m,4H),2.71(s,3H),2.48(m,4H),2.40(m,4H),1.95(m,4H),1.79(m,2H),1.53(m,2H),1.12(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2740Sについての計算値530.3、実測値530.2。
【0100】
実施例C8:3−(2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン−1−オール.
【化20】

アルキンとしてプロパ−2−イン−1−オールを用いること以外はC7と同一の製法にしたがって、標題化合物C8を得た;H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.11(s,2H),7.04(d,J=2.0Hz,1H),7.01(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),6.77(d,J=8.0Hz,1H),4.51(m,1H),4.07(m,2H),3.61(m,2H),3.53(m,2H),3.40(s,2H),3.17(m,4H),2.71(s,3H),2.65(m,2H),2.48(m,4H),2.40(q,J=7.6Hz,2H),1.97(m,3H),1.77(m,4H),1.52(m,2H),1.13(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2640Sについての計算値518.3、実測値518.2。
【0101】
実施例C9:2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−N−(2−メトキシエチル)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)アニリン.
【化21】

2−(4−(2−ブロモ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジンA8(50mg、0.093mmol)、2−メトキシエチルアミン(9.6μL、0.11mmol)、キサントホス(5.4mg、0.0093mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(26mg、0.28mmol)およびPd(dba)(4mg、0.0046mmol)をジオキサン(1mL)に溶解し、アルゴンで20分間脱気した。次いで、反応容器を密封し、120℃にて12時間加熱した。混合物を冷却し、濾過し、濃縮して、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物C9を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.11(s,2H),6.69(d,J=8.0Hz,1H),6.53(d,J=1.6Hz,1H),6.49(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),4.45(m,1H),4.10(m,2H),3.55(m,4H),3.41(s,2H),3.29(s,3H),3.22(m,6H),2.71(s,3H),2.51(m,4H),2.39(q,J=7.6Hz,2H),1.97(m,4H),1.76(m,2H),1.12(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2641Sについての計算値533.3、実測値533.2。
【0102】
実施例C10:4−(2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)モルホリン.
【化22】

アミンとしてモルホリンを用いること以外はC9と同一の製法にしたがって、標題化合物C10を得た;H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.12(s,2H),6.82(m,3H),4.55(m,1H),4.03(m,2H),3.77(m,4H),3.65(m,2H),3.22(m,4H),3.03(m,4H),2.73(m,4H),2.40(q,J=7.6Hz,2H),1.95(m,3H),1.78(m,3H),1.12(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2741Sについての計算値545.3、実測値545.2。
【0103】
実施例D1:3−(4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン−1−イルスルホニル)プロパン−1−オール.
【化23】

【0104】
工程A:3−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(500mg、3.19mmol)およびピペラジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル(595mg、3.19mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解した。AcOH(50μL)を加え、混合物を80℃にて1時間加熱した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.35g、6.38mmol)を加え、混合物を80℃にて2時間加熱した。反応物を冷却し、飽和水性NaHCO(50mL)で希釈し、DCM(30mL)で抽出した。有機層を、ブラインで洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、MeOH/DCM勾配)に付して精製し、白色粉末として4−(3−クロロ−4−ヒドロキシベンジル)ピペラジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル8を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.29(d,J=2.0,1H),7.11(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),6.95(d,J=8.0Hz,1H),3.44(m,6H),2.39(m,4H),1.47(s,9H)。MS m/z(M+H)1624ClNについての計算値327.1、実測値327.2。
【0105】
工程B:4−(3−クロロ−4−ヒドロキシベンジル)ピペラジン−1−カルボン酸8(940mg、2.87mmol)、1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル メタンスルホン酸塩2(1.23g、4.31mmol)およびCsCO(1.8g、5.74mmol)を、AcN(5mL)中で60℃にて12時間加熱した。反応物を冷却し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン勾配)に付して精製し、4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル9を得た:MS m/z(M+H)2739ClNについての計算値516.3、実測値516.3。
【0106】
工程C:4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル9(345mg、0.67mmol)をTFA(4mL)に溶解し、室温にて1時間攪拌した。混合物を、飽和水性NaHCO(20mL)で塩基性化し、DCM(20mL)で抽出した。有機層を、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、2−(4−(2−クロロ−4−(ピペラジン−1−イルメチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン10を得、さらに精製することなく工程Dにて直接用いた:MS m/z(M+H)1728Sについての計算値416.2、実測値416.2。
【0107】
工程D:2−(4−(2−クロロ−4−(ピペラジン−1−イルメチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン10(163mg、0.39mmol)をDCM(5mL)に溶解した。トリエチルアミン(60μL、0.43mmol)を加え、混合物を0℃に冷却した。塩化3−クロロプロパンスルホニル(52μL、0.43mmol)を加え、混合物を室温にて1時間攪拌し、次いで、HO(10mL)で希釈し、DCMで抽出した。有機層を、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、粗2−(4−(2−クロロ−4−((4−(3−クロロプロピルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)−ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン11を得、さらに精製することなく工程Eにて直接用いた:MS m/z(M+H)2536ClSについての計算値556.2、実測値556.1。
【0108】
工程E:2−(4−(2−クロロ−4−((4−(3−クロロプロピルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン11(0.39mmol)、NaI(60mg、0.395mmol)およびNaOAc(96mg、1.17mmol)をDMF(2mL)に溶解し、120℃にて2時間加熱した。混合物を冷却し、HO(10mL)で希釈し、EtOAc(20mL)で抽出した。有機層を、HO(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、次いで、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、3−(4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン−1−イルスルホニル)プロピル酢酸塩12を得、さらに精製することなく工程Fにて直接用いた:MS m/z(M+H)2739ClNSについての計算値580.2、実測値580.1。
【0109】
工程F:3−(4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン−1−イルスルホニル)プロピル 酢酸塩12(0.39mmol)およびLiOH−HO(50mg、1.19mmol)をTHF(3mL)およびHO(25μL)に溶解し、60℃にて2時間加熱した。反応物を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン勾配)に付して精製し、白色粉末として標題化合物D1を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.11(s,2H),7.28(d,J=2.0,1H),7.05(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),6.87(d,J=8.0Hz,1H),4.51(m,1H),4.02(m,2H),3.69(m,2H),3.62(t,J=6.0Hz,2H),3.39(s,2H),3.25(m,4H),3.01(m,2H),2.46(m,4H),2.39(q,J=7.2Hz,2H),2.23(m,2H),1.92(m,2H),1.82(m,2H),1.12(t,J=7.2Hz,3H)。MS m/z(M+H)2537ClNSについての計算値538.2、実測値538.2。
【0110】
実施例E1:5−エチル−2−(4−(4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン.
【化24】

【0111】
工程A:4−(ピペリジン−4−イルメチル)フェノール 塩酸塩(500mg、2.19mmol)をDCM(20mL)に溶解し、次いで、ジイソプロピルエチルアミン(1.15mL、6.58mmol)および塩化メタンスルホニル(0.34mL、4.38mmol)を加え、室温にて2時間攪拌した。混合物を、飽和水性NaHCO(20mL)で塩基性化して、分離した。有機層を、1N HCl(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メチル)フェニル メタンスルホン酸塩13を得、さらに精製することなく工程Bにて用いた:MS m/z(M+H)1422NOについての計算値348.1、実測値348.2。
【0112】
工程B:4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メチル)フェニル メタンスルホン酸塩13(2.19mmol)をMeOH(3mL)に溶解し、次いで、10%NaOH(2mL)を加え、混合物を80℃にて1時間加熱した。反応物を冷却し、1N HCl(10mL)でクエンチし、EtOAc(20mL)で抽出した。有機層を、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc/ヘキサン勾配)に付して精製し、白色粉末として4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メチル)フェノール14を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=6.92(d,J=8.4Hz,2H),6.69(d,J=8.4Hz,2H),3.70(m,2H),2.68(s,3H),2.51(dt,J=2.4,8.0Hz,2H),2.43(d,J=7.2Hz,2H),1.67(m,2H),1.49(m,1H),1.26(m,2H)。MS m/z(M+H)1320NOSについての計算値270.1、実測値270.1。
【0113】
工程C:4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メチル)フェノール14(50mg、0.19mmol)、1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル メタンスルホン酸塩2(79mg、0.28mmol)およびCsCO(121mg、0.37mmol)を、AcN(5mL)中で60℃にて12時間加熱した。反応物を冷却し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン勾配)に付して精製し、白色粉末として標題化合物E1を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.31(s,2H),7.07(d,J=8.8Hz,2H),6.88(d,J=8.8Hz,2H),4.56(m,1H),4.13(m,2H),3.81(m,4H),2.77(s,3H),2.61(m,2H),2.53(m,4H),2.02(m,2H),1.90(m,2H),1.78(m,2H),1.61(m,1H),1.36(m,2H),1.23(t,J=7.6Hz,3H)。MS m/z(M+H)2435Sについての計算値459.2、実測値459.2。
【0114】
実施例E2:2−(4−(2−クロロ−4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン.
【化25】

【0115】
工程A:4−(ピペリジン−4−イルメチル)フェノール 塩酸塩(380mg、1.67mmol)、BocO(400mg、1.83mmol)、および重炭酸ナトリウム(1.4g、16.7mmol)をHO(10mL)およびジオキサン(10mL)に溶解し、室温にて2時間攪拌した。次いで、混合物を、EtOAc(20mL)で抽出し、ブライン(10mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メチル)フェニル メタンスルホン酸塩15を得、さらに精製することなく工程Bにて用いた:MS m/z(M−C+H)1318NOについての計算値236.1、実測値236.1。
【0116】
工程B:4−(4−ヒドロキシベンジル)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル15(236mg、0.811mmol)をDCM(3mL)に溶解し、次いで、塩化スルフリル(33μL、0.40mmol)を加え、混合物を室温にて1時間攪拌した。反応物を水(10mL)で希釈し、DCM(20mL)で抽出した。有機層を、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン勾配)に付して精製し、白色粉末として4−(3−クロロ−4−ヒドロキシベンジル)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル16を得た。MS m/z(M−C+H)1317ClNOについての計算値270.1、実測値270.1。
【0117】
工程C:フェノールとして4−(3−クロロ−4−ヒドロキシベンジル)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル16を用いること以外はD1の工程Cと同一の製法にしたがって、4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル17を得た。MS m/z(M+H)2840ClNについての計算値515.3、実測値514.9。
【0118】
工程D:4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル17(345mg、0.67mmol)をTFA(4mL)に溶解し、室温にて1時間攪拌した。混合物を、飽和水性NaHCO(20mL)で塩基性化し、DCM(20mL)で抽出した。有機層を、(MgSO)乾燥し、濾過して、濃縮した。残渣をDCM(3mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(34μL、0.19mmol)および塩化メタンスルホニル(8μL、0.10mmol)で処理した。混合物を室温にて1時間攪拌し、次いで、それを濃縮して、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物E2を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.20(s,2H),7.18(d,J=2.0Hz,1H),6.98(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),6.93(d,J=8.4Hz,1H),4.57(m,1H),4.13(m,2H),3.77(m,4H),2.78(s,3H),2.62(td,J=2.4,12.0Hz,2H),2.50(m,4H),1.99(m,2H),1.90(m,2H),1.77(m,2H),1.62(m,2H),1.34(m,2H),1.12(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2434ClNSについての計算値493.2、実測値493.2。
【0119】
実施例E3:3−(4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペリジン−1−イルスルホニル)プロパン−1−オール.
【化26】

4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル17を用いること以外はD1と同一の製法にしたがって、標題化合物E3を得た;H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.02(s,2H),6.99(d,J=2.0Hz,1H),6.79(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),6.75(d,J=8.4Hz,1H),4.39(m,1H),3.94(m,2H),3.59(m,6H),2.87(m,2H),2.55(td,J=2.4,12.0Hz,2H),2.32(m,4H),1.86(m,4H),1.74(m,2H),1.56(m,3H),1.46(m,2H),1.14(m,3H),1.03(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2638ClNSについての計算値537.2、実測値537.1。
【0120】
実施例E4:1−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)−4−(メチルスルホニル)ピペラジン−2−オン.
【化27】

【0121】
工程A:3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸(1g、5.79mmol)をMeOH(5mL)に溶解し、次いで、濃HSO(250μL)を加え、混合物を還流温度にて3時間加熱した。反応物を、冷却し、飽和水性NaHCO(20mL)で塩基性化し、EtOAc(2x20mL)で抽出した。有機層を合し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル18を得た:MS m/z(M+H)ClOについての計算値187.0、実測値187.1。
【0122】
工程B:1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル メタンスルホン酸塩2(458mg、1.61mmol)、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸塩18(200mg、1.07mmol)およびCsCO(697mg、2.14mmol)をAcN(3mL)に溶解し、マイクロ波照射した(180℃、3分)。反応物を冷却し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン勾配)に付して精製し、3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)安息香酸メチル19を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.21(s,2H),8.09(d,J=2.0Hz,1H),7.93(dd,J=2.0,8.8Hz,1H),7.01(d,J=8.8Hz,1H),4.76(m,1H),4.06(m,2H),3.92(s,3H),3.87(m,2H),2.48(q,J=7.6Hz,2H),2.04(m,2H),1.94(m,2H),1.22(t,J=7.6Hz,3H)。MS m/z(M+H)1923ClNについての計算値376.1、実測値376.1。
【0123】
工程C:3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)安息香酸メチル19(536mg、1.53mmol)を乾THF(10mL)に溶解し、0℃に冷却し、次いで、LiAlHの1M溶液を加え、混合物を0℃にて10分間攪拌した。反応物を、HOを徐々に滴下してクエンチし、次いで、EtOAc(30mL)で抽出した。有機層を、飽和水性NaHCO(10mL)、HO(10mL)、およびブライン(10mL)で洗浄し、次いで、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、粗(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)フェニル)メタノール20を得、さらに精製することなく工程Dにて用いた。MS m/z(M+H)1823ClNについての計算値348.1、実測値348.1。
【0124】
工程D:(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)フェニル)メタノール20(1.53mmol)をDCM(20mL)に溶解した。ジイソプロピルエチルアミン(535μL、3.07mmol)を、次いで、塩化メタンスルホニル(130μL、1.68mmol)を加え、混合物を室温にて2時間攪拌した。混合物を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン勾配)に付して精製し、2−(4−(2−クロロ−4−(クロロメチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン21を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.11(s,2H),7.36(d,J=2.4Hz,1H),7.16(dd,J=2.4,8.4Hz,1H),6.89(d,J=8.4Hz,1H),4.55(m,1H),4.45(m,2H),4.00(m,2H),3.72(m,2H),2.40(q,J=7.6Hz,2H),1.91(m,2H),1.83(m,2H),1.12(t,J=7.6Hz,3H)。MS m/z(M+H)1822ClOについての計算値366.1、実測値366.1。
【0125】
工程E:N−Boc−オキソピペラジン(40mg、0.20mmol)をDMF(5mL)に溶解した。水素化ナトリウム(12mg、0.3mmol)を加え、混合物を60℃にて1時間加熱し、次いで、2−(4−(2−クロロ−4−(クロロメチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン21(76mg、0.20mmol)を加え、混合物を室温にて12時間攪拌した。混合物を、HO(20mL)でクエンチし、EtOAc(20mL)で抽出した。有機層を、HO(20mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、次いで、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc/ヘキサン勾配)に付して精製し、4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)−3−オキソピペラジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル22を得た:MS m/z(M+H)2737ClNについての計算値530.2、実測値366.1。
【0126】
工程F:4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)−3−オキソピペラジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル22(79mg、0.15mmol)を、DCM(2mL)およびHClのジオキサン中4N溶液(3mL)の混合液に溶解し、室温にて1時間攪拌した。混合物を飽和水性NaHCO(40mL)で塩基性化し、DCM(20mL)で抽出した。有機層を、(MgSO)乾燥し、濃縮して、1−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン−2−オン23を得、さらに精製することなく工程Gにて直接用いた:MS m/z(M+H)2229ClNについての計算値430.2、実測値430.1。
【0127】
工程G:1−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン−2−オン23(20mg、0.04mmol)をDCM(3mL)に溶解し、次いで、ジイソプロピルエチルアミン(22μL、0.13mmol)および塩化メタンスルホニル(4μL、0.05mmol)を加え、室温にて2時間攪拌した。混合物を、飽和水性NaHCO溶液(10mL)で塩基性化し、DCM(10mL)で抽出した。有機層を、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン勾配)に付して精製し、標題化合物E4を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.36(s,2H),7.25(d,J=2.4Hz,1H),7.08(dd,J=2.4,8.4Hz,1H),6.87(d,J=8.4Hz,1H),4.66(m,1H),4.48(s,2H),4.17(m,2H),3.94(s,2H) 3.86(m,2H),3.42(m,2H),3.33(m,2H),2.80(s,3H),2.52(q,J=7.6Hz,2H),1.95(m,4H),1.19(t,J=7.6Hz,3H)。MS m/z(M+H)2331ClNSについての計算値508.2、実測値508.1。
【0128】
実施例E5:2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン.
【化28】

【0129】
工程A:出発物質として4−メチルチオピペリジン塩酸塩を用いること以外はE2の工程Aと同一の製法にしたがって、4−(メチルチオ)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチルを得た。
【0130】
工程B:4−(メチルチオ)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル(1.11g、4.8mmol)および過ヨウ素酸ナトリウム(5g、24mmol)をAcN(20mL)およびHO(8mL)に溶解し、100℃にて2時間加熱した。混合物を冷却し、水(20mL)で希釈し、EtOAc(20mL)で抽出した。有機層を、ブライン(20mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、4−(メチルスルホニル)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチルを得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=4.32(s,2H),2.99(tt,J=3.6,12.4Hz,1H),2.86(s,3H),2.77(m,2H),2.14(d,J=14.0Hz,2H),1.73(m,2H),1.48(s,9H)。MS m/z(M−C+H)14NOSについての計算値208.1、実測値208.1。
【0131】
工程C:4−(メチルスルホニル)ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル(0.77g、2.91mmol)をHCl(10mLのジオキサン中4N)に溶解し、室温にて2時間攪拌した。反応物を濃縮して、4−(メチルスルホニル)ピペリジン 塩酸塩19を得、さらに精製することなく工程Dにて直接用いた。MS m/z(M+H)14NOSについての計算値164.1、実測値164.1。
【0132】
工程D:4−メチルチオピペリジン 塩酸塩(19mg、0.09mmol)、2−(4−(2−クロロ−4−(クロロメチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン21(23mg、0.06mmol)およびCsCOを、AcN中で60℃にて12時間加熱した。混合物を冷却し、濾過し、濃縮して、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物E5を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.11(s,2H),7.27(d,J=2.0Hz,1H),7.10(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),6.88(d,J=8.4Hz,1H),4.53(m,1H),4.02(m,2H),3.70(m,2H),3.46(m,2H),3.07(m,2H),2.78(m,4H),2.39(q,J=7.6Hz,2H),1.94(s,3H),1.93(m,2H),1.84(m,2H),1.12(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2434ClNSについての計算値493.2、実測値493.2。
【0133】
実施例E6:2−(4−(2−クロロ−4−((2−メチル−4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン.
【化29】

【0134】
工程A:フェノールとして3−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドを用いること以外はA1の工程Dと同一の製法にしたがって、3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンズアルデヒド24を得た。MS m/z(M+H)1821ClNについての計算値346.1、実測値346.1。
【0135】
工程B:アミンとして(±)N−4−boc−2−メチルピペラジンおよびアルデヒドとして3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンズアルデヒド24を用いること以外はA1の工程Cと同一の製法にしたがって、4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)−3−メチルピペラジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル25を得た。MS m/z(M+H)2841ClNについての計算値530.3、実測値530.0。
【0136】
工程C:E2の工程Dと同一の製法にしたがって、標題化合物E6を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.20(s,2H),7.38(d,J=2.0Hz,1H),7.15(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),6.96(d,J=8.4Hz,1H),4.61(m,1H),4.11(m,2H),3.79(m,2H),3.46(m,2H),2.79(s,3H),2.48(q,J=7.6Hz,2H),1.99(m,2H),1.91(m,2H),1.24(m,6H),0.09(m,1H);MS m/z(M+H)2435ClNSについての計算値508.2、実測値508.1。
【0137】
実施例E7:2−(4−(2−クロロ−4−((2−メチル−4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン.
【化30】

【0138】
工程A:出発物質として(±)N−4−boc−2−メチルピペラジンを用いること以外はE4の工程Gと同一の製法にしたがって、化合物26を得た。MS m/z(M−C+H)15Sについての計算値223.1、実測値223.1。
【0139】
工程B:出発物質として26を用いること以外はE4の工程Fと同一の製法にしたがって、化合物27を得た。MS m/z(M+H)15Sについての計算値179.1、実測値179.1。
【0140】
工程C:出発物質として27を用いること以外はE6の工程Cと同一の製法にしたがって、標題化合物E7を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.11(s,2H),7.28(d,J=2.0Hz,1H),7.07(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),6.87(d,J=8.4Hz,1H),4.52(m,1H),4.02(m,3H),3.70(m,2H),3.37(m,4H),2.79(s,3H),2.39(q,J=7.6Hz,2H),1.92(m,2H),1.93(m,2H),1.31(s,1.5H),1.30(s.1.5H),1.12(t,J=7.6Hz,3H),0.80(m,1H);MS m/z(M+H)2435ClNSについての計算値508.2、実測値507.9。
【0141】
実施例E8:N−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)フェニル)−N−メチル−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−アミン.
【化31】

【0142】
工程A:4−アミノ−2−クロロフェノール(200mg、1.39mmol)および1−メタンスルホニル−4−ピペリジノン(247mg、1.39mmol)を5%AcOH/EtOH(5mL)に溶解し、60℃にて1時間加熱した。混合物を冷却し、次いで、NaBHCN(175mg、2.78mmol)を加え、混合物を室温にて2時間攪拌した。反応混合物を、飽和NaHCO(10mL)で希釈し、EtOAc(20mL)で抽出した。有機層を、(MgSO)乾燥し、濃縮して、2−クロロ−4−(1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イルアミノ)フェノール26を得、さらに精製することなく次の工程にて用いた。MS m/z(M+H)1218ClNSについての計算値305.1、実測値305.1。
【0143】
工程B:フェノールとして2−クロロ−4−(1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イルアミノ)フェノール26を用いること以外はA1の工程Dと同一の製法にしたがって、N−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)フェニル)−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−アミン27を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.43(s,2H),7.25(d,J=2.8Hz,1H),7.11(dd,J=2.8,8.8Hz,1H),6.98(d,J=8.8Hz,1H),4.72(m,1H),4.22(m,2H),3.95(m,2H),3.82(m,2H),3.40(m,1H),2.83(m,5H),2.63(q,J=7.6Hz,2H),2.05(m,6H),1.77(m,2H),1.29(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2333ClNSについての計算値494.2、実測値494.1。
【0144】
工程C:N−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)フェニル)−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−アミン27(20mg、0.0405mmol)およびパラホルムアルデヒド(50mg)を5%AcOH/EtOH(5mL)に溶解し、1時間80℃に加熱した。混合物を冷却し、次いで、NaBHCN(60mg、0.95mmol)を加え、混合物を室温にて2時間攪拌した。混合物を、飽和NaHCO(10mL)で希釈し、EtOAc(20mL)で抽出した。有機層を、ブライン(10mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物E8を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.44(s,2H),7.19(d,J=2.8Hz,1H),7.10(dd,J=2.8,8.8Hz,1H),7.00(d,J=8.8Hz,1H),4.66(m,1H),4.18(m,2H),3.98(m,4H),3.61(m,1H),2.98(s,3H),2.84(s,3H),2.80(td,J=2.0,12.0Hz,2H),2.60(q,J=7.6Hz,2H),2.05(m,6H),1.83(m,2H),1.27(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2435ClNSについての計算値508.2、計算値508.1。
【0145】
実施例E9:4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン−1−カルボニトリル.
【化32】

2−(4−(2−クロロ−4−(ピペラジン−1−イルメチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン 塩酸塩10(100mg、0.22mmol)、臭化シアン(26mg、0.24mmol)およびKCO(66mg、0.48mmol)を、HOおよびDCMの1:1混合液(8mL)に溶解し、室温にて12時間攪拌した。混合物をDCM(5mL)で抽出し、有機層を(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物E9を得た。MS m/z(M+H)2330ClNOについての計算値441.2、実測値441.1。
【0146】
実施例E10:2−(4−(2−クロロ−4−((4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン.
【化33】

【0147】
工程A:4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン−1−カルボニトリルE9(97mg、0.22mmol)、アジ化ナトリウム(38mg、0.59mmol)およびNHCl(39mg、0.73mmol)をDMF(2mL)に溶解し、90℃にて12時間加熱した。混合物を冷却し、HO(10mL)で希釈し、EtOAc(20mL)で抽出した。有機層を、HO(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として2−(4−(4−((4−(2H−テトラゾール−5−イル)ピペラジン−1−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジンを得た:MS m/z(M+H)2331ClNOについての計算値484.2、実測値484.1。
【0148】
工程B:2−(4−(4−((4−(2H−テトラゾール−5−イル)ピペラジン−1−イル)メチル)−2−クロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン(23mg、0.047mmol)、KCO(50mg)、およびヨードメタン(3.5μL、0.056mmol)をアセトン(2mL)に溶解し、室温にて3時間攪拌した。混合物を濾過し、濃縮して、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物E10を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.45(s,2H),7.43(d,J=2.0Hz,1H),7.37(dd,J=2.4,8.4Hz,1H),7.03(d,J=8.4Hz,1H),4.81(m,1H),4.26(m,2H),4.20(m,4H),3.93(m,3H),2.61(q,J=7.6Hz,2H),2.07(m,4H),1.28(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2433ClNOについての計算値498.2、実測値498.1。
【0149】
実施例E11:1−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペリジン−4−カルボニトリル.
【化34】

4−シアノピペリジン(100mg、0.90mmol)、および3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンズアルデヒド24(210mg、0.61mmol)を5%AcOH/EtOH(5mL)に溶解し、1時間60℃に加熱した。混合物を冷却し、次いで、NaBHCN(60mg、0.95mmol)を加え、混合物を室温にて2時間攪拌した。混合物を、飽和NaHCO(10mL)で希釈し、EtOAc(20mL)で抽出した。有機層を、ブライン(10mL)で洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、MeOH/DCM勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物E11を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.11(s,2H),7.26(d,J=2.0Hz,1H),7.04(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),6.86(d,J=8.4Hz,1H),4.50(m,1H),4.03(m,2H),3.69(m,2H),3.34(s,2H),2.57(m,3H),2.39(q,J=7.6Hz,2H),2.24(m,2H),1.87(m,8H),1.12(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2431ClNOについての計算値440.2、実測値440.1。
【0150】
実施例E12:2−(4−(2−クロロ−4−((4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン.
【化35】

ニトリルとして1−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペリジン−4−カルボニトリルE11を用いること以外はE10と同一の製法にしたがって、標題化合物E12を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.11(s,2H),7.30(d,J=2.4Hz,1H),7.09(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),6.87(d,J=8.4Hz,1H),4.51(m,1H),4.23(s,3H),4.02(m,2H),3.68(m,2H),3.38(s,2H),2.86(m,3H),2.39(q,J=7.6Hz,2H),1.85(m,10H),1.12(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2534ClNOについての計算値497.2、実測値497.2。
【0151】
実施例E13:2−(4−(2−クロロ−4−((1−(メチルスルホニル)アゼチジン−3−イルオキシ)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン.
【化36】

【0152】
工程A:2−(4−(2−クロロ−4−(クロロメチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン21(66mg、0.18mmol)、1−boc−3−ヒドロキシアゼチジン(38mg、0.22mmol)およびCsCO(118mg、0.36mmol)をAcN(5mL)に溶解し、60℃にて2時間加熱した。混合物を冷却し、濾過し、濃縮して、3−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジルオキシ)アゼチジン−1−カルボン酸N−tert−ブチルを得、さらに精製することなく次の工程にて用いた。MS m/z(M+H)2636ClNについての計算値503.2、実測値503.1。
【0153】
工程B:E2の工程Dと同一の製法にしたがって、標題化合物E13を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.21(s,2H),7.28(d,J=2.0Hz,1H),7.09(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),6.90(d,J=8.8Hz,1H),4.59(m,1H),4.31(s,2H),4.26(m,1H),3.97(m,4H),3.90(m,2H),3.78(m,2H),2.81(s,3H),2.44(q,J=7.6Hz,2H),1.92(m,5H),1.24(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2230ClNSについて計算値481.2、実測値481.1。
【0154】
実施例E14:2−(4−(2−クロロ−4−((1−(メチルスルホニル)アゼチジン−3−イルオキシ)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン.
【化37】

【0155】
工程A:アミンとしてアゼチジン−3−イルカルバミン酸ベンジルおよびアルデヒドとして3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンズアルデヒド24を用いること以外はA1の工程Cと同一の製法にしたがって、1−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)アゼチジン−3−イルカルバミン酸ベンジルを得た。MS m/z(M+H)2935ClNについての計算値536.3、実測値536.3。
【0156】
工程B:1−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)アゼチジン−3−イルカルバミン酸ベンジル(82mg、0.15mmol)を、EtOHおよびEtOAcの1:1混合液(5mL)に溶解した。Pd/C(10mgの10%、湿性)を加え、混合物をH(1atm)下で12時間攪拌した。混合物を0.2μmのシリンジフィルターで濾過し、濃縮した。残渣をTHF(2mL)に溶解し、NEt(42μL、0.30mmol)を加え、該混合物を塩化メタンスルホニル(13μL、0.16mmol)のTHF(2mL)中溶液に滴下し、室温にて2時間攪拌した。混合物を濃縮し、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色粉末として標題化合物E14を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.20(s,2H),7.30(d,J=2.4Hz,1H),7.11(dd,J=2.4,8.4Hz,1H),6.96(d,J=8.4Hz,1H),4.60(m,1H),4.11(s,3H),3.79(m,2H),3.71(m,2H),3.56(s,2H),3.05(m,2H),2.96(s,3H),2.48(q,J=7.6Hz,2H),2.01(m,3H),1.91(m,2H),1.21(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2231ClNSについての計算値480.2、実測値480.1。
【0157】
実施例E15:N−(1−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)アゼチジン−3−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド.
【化38】

2−(4−(2−クロロ−4−((1−(メチルスルホニル)アゼチジン−3−イルオキシ)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン(18mg、0.038mmol)をTHF(2mL)に溶解した。NaH(2mg、0.046mmol)を加え、混合物を60℃にて1時間加熱した。混合物を冷却し、次いで、ヨードメタン(4.7μL、0.076mmol)を加え、混合物を60℃にて12時間攪拌した。反応物をHO(5mL)でクエンチし、混合物をEtOAc(10mL)で抽出した。有機層を、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、逆相HPLC(HO/AcN勾配)に付して精製し、白色固体として標題化合物E15を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.11(s,2H),7.23(d,J=2.0Hz,1H),7.02(dd,J=2.4,8.4Hz,1H),6.86(d,J=8.4Hz,1H),4.51(m,1H),4.14(m,1H),4.03(m,2H),3.69(m,2H),3.48(m,3H),3.09(m,2H),2.80(s,3H),2.68(s,3H),2.39(q,J=7.6Hz,2H),1.90(m,3H),1.83(m,2H),1.12(t,J=7.6Hz,3H);MS m/z(M+H)2333ClNSについての計算値494.2、実測値494.1。
【0158】
実施例F1:4−(2−フルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニルアミノ)−ピペリジン−1−カルボン酸N−tert−ブチル.
【化39】

【0159】
工程A:2−フルオロ−4−ホルムフェニルカルバミン酸N−tert−ブチル(767mg、3.2mmol)および1−メタンスルホニルピペラジン(580mg、3.53mmol)を5%AcOH/95%EtOH(20mL)に溶解し、混合物を60℃にて1時間加熱した。反応物を冷却し、次いで、NaBHCN(603mg、9.60mmol)を加え、混合物を室温にて2時間攪拌した。反応物を冷却し、飽和水性NaHCO(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を、ブラインで洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン勾配)に付して精製し、白色粉末として2−フルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニルカルバミン酸N−tert−ブチル28を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.03(m,1H),7.06(m,2H),6.70(s,1H),3.49(s,2H),3.26(m,4H),2.80(s,3H),2.55(m,4H),1.55(s,9H)。MS m/z(M+H)1727FNSについての計算値388.2、実測値388.2。
【0160】
工程B:2−フルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニルカルバミン酸N−tert−ブチル28(742mg、1.91mmol)を、DCM(5mL)およびHClのジオキサン中4N溶液(5mL)の混合液に溶解し、室温にて1時間攪拌した。混合物を、飽和水性NaHCO(40mL)で塩基性化し、DCM(20mL)で抽出した。有機層を、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、2−フルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)−ピペラジン−1−イル)メチル)アニリン29(481mg、88%)を得、さらに精製することなく工程Bにて直接用いた:MS m/z(M+H)1219FNSについての計算値288.1、実測値288.1。
【0161】
工程C:2−フルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)アニリン29(481mg、1.67mmol)および4−オキソ−1−Boc−ピペリジン(367mg、1.84mmol)を5%AcOH/EtOH(10mL)に溶解し、混合物を60℃にて1時間加熱した。反応物を冷却し、次いで、NaBHCN(314mg、5.01mmol)を加え、混合物を室温にて2時間攪拌した。反応物を冷却し、飽和水性NaHCO(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を、ブラインで洗浄し、(MgSO)乾燥し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、MeOH/DCM勾配)に付して精製し、白色粉末として標題化合物E1を得た:H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.03(m,2H),6.71(t,J=8.4Hz,1H),4.07(m,4H),3.48(m,2H),2.97(m,2H),2.88(s,3H),2.05(m,2H),1.49(s,9H),1.42(m,2H)。MS m/z(M+Na)2236FNSNaについての計算値493.2、実測値493.1。
【0162】
生物学的アッセイ
安定な細胞株の生成
Flp−In−CHO細胞(Invitrogen,Cat.#R758−07)を、10%ウシ胎仔血清、1%抗体混合物および2mM L−グルタミンを補充したハムF12培地中で維持する。細胞を、製造業者の指示書にしたがって、Fugene6(Roche)を用いてpcDNA5/FRTベクターおよびpOG44ベクター(1:9)中にヒトGPR119を含有するDNA混合物と一緒にトランスフェクトする。48時間後、安定にトランスフェクトされた細胞の選択を開始するために、培地を400μg/mlハイグロマイシンBを補充した培地に変更する。
【0163】
安定な細胞株におけるサイクリックAMPアッセイ
本発明の化合物の活性を試験するために、Flp−In−CHO−hGPR119細胞を採取し、DMEM+3%脂質欠損ウシ胎仔血清中で再懸濁する。4(Forth)μlの細胞を、384ウェルプレート中に15,000細胞/ウェルの密度で播種する。最終濃度を1mMとするためにIBMX(3−イソブチル−1−メチル−キサンチン)を細胞に加え、次いで、500nlの試験化合物を加える。細胞を37℃にて30分間インキュベートする。等量(20μl)のHTRF試薬、抗cAMP−クリプテートおよびcAMP−XL665を、細胞に加える。プレートを室温にて1時間インキュベートし、製造業者の指示書にしたがってHTRFリーダーに示す。
【0164】
遊離形態または医薬上許容される塩形態における、式Iの化合物は、細胞内cAMPレベルの濃度依存的な増加をもたらした。本発明の化合物は、1x10−5〜1x10−10M、好ましくは500nM未満、より好ましくは100nM未満のEC50を示す。例えば、以下の表は、本発明の化合物の具体的なサンプルについてのいくつかのEC50データを示す。
【表5】

【0165】
本明細書に記載の実施例および実施態様は、例示を目的とするのみであり、それを踏まえた種々の修正または変更は、当業者であれば示唆するであろうし、本願の精神および範囲ならびに特許請求の範囲に含まれることが理解される。本明細書にて引用されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、すべての目的について出典明示により本明細書の一部とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中:
Aは、−C(O)−で置換された2個までの環−CH−基を有していてもよく、2個までの二重結合で部分的に不飽和であってもよく;
mおよびnは、独立して、0、1、2、3および4から選択され;
qは、0、1、2、3および4から選択され;
、t、tおよびtは、各々独立して、0、1および2から選択され;
は、水素、シアノ、−XS(O)0−26a、−XN(S(O)0−26a)R6a、−XS(O)0−2OR6a、−XS(O)0−2C(O)R6a、−XC(O)OR6a、−X6a、−XS(O)0−2C(O)OR6aおよび−XS(O)0−2NR6a6bから選択され;ここで、Xは、結合手、O、−NR7a7bおよびC1−4アルキレンから選択され;Xは、結合手およびC1−4アルキレンから選択され;R6aは、水素、C1−6アルキル、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8ヘテロシクロアルキルおよびC1−8シクロアルキルから選択され;ここで、R6aの前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、ヒドロキシ、ハロ、C1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ置換C1−6アルコキシおよびC6−10アリール−C1−4アルコキシから独立して選択される1〜3個のラジカルで置換されていてもよく;R6bは、水素およびC1−6アルキルから選択され;ならびに、R7aおよびR7bは、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択され;
およびRは、独立して、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ置換C1−6アルコキシ、−C(O)R、および−C(O)ORから選択され;ここで、Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され;
は、Rおよび−C(O)ORから選択され;ここで、Rは、C1−6アルキル、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、Rの前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、ハロ置換C1−6アルキル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ置換C1−6アルコキシおよび−C(O)OR17、−C(O)R19および−C(O)NR1718から独立して選択される1〜3個のラジカルで置換されていてもよく;ここで、R17およびR18は、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択されるか;またはR17およびR18が結合する窒素原子と一緒になって、R17およびR18はC3−8ヘテロシクロアルキルを形成し;R19は、C1−6アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、Rの前記シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、1〜3個のC1−6アルキルラジカルでさらに置換されていてもよく;
は、水素、C1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロ置換C1−6アルコキシから選択され;
は、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ハロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、ハロ置換C1−6アルキル、ハロ置換C2−6アルケニル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ置換C1−6アルコキシ、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8ヘテロシクロアルキル、C3−8シクロアルキルおよび−XOR20、−NR20OR21、−C(O)OR20から選択され;ここで、Xは、結合手、C1−4アルキレンおよびC2−4アルケニレンから選択され;R20およびR21は、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択され;
およびWは、独立して、CR10およびNから選択され;ここで、R10は、水素およびC1−6アルキルから選択され;
は、NR11、OおよびSから選択され;ここで、R11は、水素およびC1−6アルキルから選択され;
およびYは、独立して、CHおよびNから選択され;
は、CH、OCHおよびNR15から選択され;ここで、R15は、水素およびC1−6アルキルから選択される]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
式Ia:
【化2】

[式中:
Aは、−C(O)−で置換された環−CH−基を有していてもよく;
t1は、0および1から選択され;
は、水素、シアノ、−XS(O)0−26a、−XS(O)0−2OR6a、−XC(O)OR6a、−XS(O)0−2C(O)R6a、−XN(S(O)0−26a)R6a、−X6a、−XS(O)0−2C(O)OR6aおよび−XS(O)0−2NR6a6bから選択され;ここで、Xは、結合手、O、−NR7a7bおよびC1−4アルキレンから選択され;Xは、結合手およびC1−4アルキレンから選択され;R6aは、水素、C1−6アルキル、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8ヘテロシクロアルキルおよびC1−8シクロアルキルから選択され;ここで、R6aの前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、ヒドロキシ、ハロ、C1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ置換C1−6アルコキシおよびC6−10アリール−C1−4アルコキシから独立して選択される1〜3個のラジカルで置換されていてもよく;R6bは、水素およびC1−6アルキルから選択され;ならびに、R7aおよびR7bは、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択され;
は、Rおよび−C(O)ORから選択され;ここで、Rは、C1−6アルキル、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、Rの前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、ハロ置換C1−6アルキル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ置換C1−6アルコキシおよび−C(O)OR17、−C(O)R19および−C(O)NR1718から独立して選択される1〜3個のラジカルで置換されていてもよく;ここで、R17およびR18は、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択されるか;またはR17およびR18が結合する窒素原子と一緒になって、R17およびR18はC3−8ヘテロシクロアルキルを形成し;R19は、C1−6アルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、Rの前記シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、1〜3個のC1−6アルキルラジカルでさらに置換されていてもよく;
は、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ハロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、ハロ置換C1−6アルキル、ハロ置換C2−6アルケニル、ヒドロキシ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ置換C1−6アルコキシ、C6−10アリール、C1−10ヘテロアリール、C3−8ヘテロシクロアルキル、C3−8シクロアルキルおよび−XOR20、−NR20OR21、−C(O)OR20から選択され;ここで、Xは、結合手、C1−4アルキレンおよびC2−4アルケニレンから選択され;R20およびR21は、独立して、水素およびC1−6アルキルから選択され;
は、CR10およびNから選択され;ここで、R10は、水素およびC1−6アルキルから選択され;
は、NH、OおよびSから選択され;および
およびYは、独立して、CHおよびNから選択され;
は、CH、OCHおよびNR15から選択され;ここで、R15は、水素およびC1−6アルキルから選択される]
で示される化合物。
【請求項3】
Aが−C(O)−で置換された環−CH−基であってもよく;t1が0および1から選択され;およびRが、水素、シアノ、−S(O)0−26a、−XN(S(O)0−26a)R6a、−X6a、−XC(O)OR6aおよび−S(O)0−2OR6aから選択され;ここで、Xは、結合手およびC1−4アルキレンから選択され;Xは、結合手およびC1−4アルキレンから選択され;R6aは、水素、C1−6アルキルおよびC1−6アルキルで置換されていてもよいC1−10ヘテロアリールから選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
が、Rおよび−C(O)ORから選択され;ここで、Rは、tert−ブチル、ピリジニル、ピリミジニル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、テトラゾリルおよびシクロプロピルから選択され;ここで、Rの前記ピリジニル、ピリミジニル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、テトラゾリルまたはシクロプロピルは、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、イソプロピル、メチル、エチル、メトキシカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノカルボニルおよびモルホリノカルボニルから選択されるラジカルで置換されていてもよい、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
が、フルオロ、クロロ、ブロモ、トリフルオロメトキシ、メチル、メトキシ、メトキシカルボニル、3−メトキシプロパ−1−エニル、メトキシプロピル、ビニル、フェニル、ピラゾリル、5−クロロペンタ−1−エニル、ヒドロキシプロピル、メトキシエチルアミノおよびモルホリノから選択され;Wが、CHおよびNから選択され;Yが、NH、OおよびSから選択され;ならびに、YおよびYが、独立して、CHおよびNから選択され;YがCH、OCHおよびNCHから選択される、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
5−エチル−2−(4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(3−メチル−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(3−メトキシ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(3−フルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
2−(4−(3−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
5−エチル−2−(4−(2−メチル−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(2−フルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
2−(4−(2−ブロモ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
5−エチル−2−(4−(2−メトキシ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−2−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
2−(4−(2,3−ジフルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−6−フルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
5−エチル−2−(4−(6−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピリジン−3−イルオキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピリジン−2−イルオキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル;
4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルシクロプロピル;
5−フルオロ−2−(4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
1−(4−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)−4−(メチルスルホニル)ピペラジン;
1−(メチルスルホニル)−4−(4−(1−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン;
5−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−3−イソプロピル−1,2,4−オキサジアゾール;
3−(4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン−1−イルスルホニル)プロパン−1−オール;
5−エチル−2−(4−(4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
4−(2−フルオロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル;
1−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)−4−(メチルスルホニル)ピペラジン−2−オン;
2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)安息香酸メチル;
4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸1−メチルシクロプロピル;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−カルボン酸メチル;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−ブロモ−2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−クロロ−2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)−ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−N,N−ジメチルピリミジン−5−カルボキサミド;
(2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−イル)(モルホリノ)メタノン;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−カルボニトリル;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−(2H−テトラゾール−5−イル)ピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピリミジン;
(E)−5−エチル−2−(4−(2−(3−メトキシプロパ−1−エニル)−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
3−(2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン−1−オール;
5−エチル−2−(4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−2−ビニルフェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)ビフェニル−2−イルオキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
5−エチル−2−(4−(4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−2−(1H−ピラゾール−5−イル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)ピリミジン;
(E)−2−(4−(2−(5−クロロペンタ−1−エニル)−4−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
(E)−4−(2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)ブタ−3−エン−1−オール;
3−(2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)プロパン−1−オール;
2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−N−(2−メトキシエチル)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)アニリン;
4−(2−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)−5−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)モルホリノ;
2−(4−(2−クロロ−4−((1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
3−(4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペリジン−1−イルスルホニル)プロパン−1−オール;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(メチルスルホニル)ピペリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−4−((2−メチル−4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−4−((2−メチル−4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
N−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)フェニル)−N−メチル−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−アミン;
4−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペラジン−1−カルボニトリル;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピペラジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
1−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)ピペリジン−4−カルボニトリル;
2−(4−(2−クロロ−4−((4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−4−((1−(メチルスルホニル)アゼチジン−3−イルオキシ)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;
2−(4−(2−クロロ−4−((1−(メチルスルホニル)アゼチジン−3−イルオキシ)メチル)フェノキシ)ピペリジン−1−イル)−5−エチルピリミジン;および
N−(1−(3−クロロ−4−(1−(5−エチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルオキシ)ベンジル)アゼチジン−3−イル)−N−メチルメタンスルホンアミドから選択される請求項5記載の化合物。
【請求項7】
治療上有効な量の請求項1記載の化合物と医薬上許容される賦形剤を組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項8】
GPR119活性を調節する方法であって、治療上有効な量の請求項1記載の化合物あるいはその医薬上許容される塩または医薬組成物をそれを必要とする組織または対象に投与して、前記CPR119活性を調節することを含む、方法。
【請求項9】
請求項1記載の化合物が、GPR119に直接接触する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
インビトロまたはインビボで接触が起こる、請求項11記載の方法。
【請求項11】
GPR119活性の調節が、疾患または病態の病状および/または症状を予防、阻害または軽減する疾患または病態の処置方法であって、治療上有効な量の請求項1記載の化合物あるいはその医薬上許容される塩または医薬組成物を対象に投与することを含む、方法。
【請求項12】
前記疾患または病態が、肥満、1型糖尿病、2型糖尿病、脂質異常症、特発性1型糖尿病、成人潜在性自己免疫性糖尿病、早期2型糖尿病、若年性非定型糖尿病、若年発症成人型糖尿病、栄養不良関連糖尿病および妊娠性糖尿病から選択される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記疾患または病態が、冠動脈心疾患、虚血性脳卒中、血管形成後の再狭窄、末梢血管疾患、間欠性跛行、心筋梗塞、脂質異常症、食後脂質異常症、耐糖能異常状態、空腹時血糖異常状態、代謝性アシドーシス、ケトーシス、関節炎、骨粗鬆症、高血圧、鬱血性心不全、左心室肥大、末梢動脈疾患、糖尿病網膜症、黄斑変性、白内障、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、慢性腎不全、糖尿病性神経障害、メタボリックシンドローム、シンドロームX、月経前症候群、冠動脈心疾患、狭心症、血栓症、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、卒中、血管再狭窄、高血糖症、高インスリン血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、インスリン抵抗性、糖代謝異常、耐糖能異常状態、空腹時血糖異常状態、肥満、勃起不全、皮膚および結合組織障害、足の潰瘍および潰瘍性大腸炎、内皮細胞機能不全および血管コンプライアンス異常から選択される、請求項11記載の方法。

【公表番号】特表2011−516557(P2011−516557A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504095(P2011−504095)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/039506
【国際公開番号】WO2009/126535
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
【Fターム(参考)】