説明

ICタグ管理装置、それを含むロボットおよびICタグ管理方法

【課題】 ICタグが付された物品の取り扱いにおいて、ICタグの情報が他人に把握されるのを防ぐとともに、ICタグの情報を有効に用いる。
【解決手段】 ICタグ管理装置100は、物品に付されたICタグからオリジナル情報を読み出す情報読出部102と、情報読出部102が読み出したオリジナル情報を所定のローカルルールに基づき、ローカルルール適用情報に変換する変換処理部104と、ローカルルール適用情報により、ICタグのオリジナル情報を書き換える情報書込部106と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグ管理装置、それを含むロボットおよびICタグ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触ICタグが実用的に用いられるようになってきた。非接触ICタグは、電波を媒体として非接触でデータの読み書きができるため、今後種々の物品に付され、流通過程における物品の固体識別等に用いられることが期待される。
【0003】
特許文献1には、売場において、各商品に取り付けた無線タグを用いて、商品登録処理を行うとともに、その無線タグを用いて万引き防止を図るようにした商品登録処理システムが開示されている。この商品登録処理システムでは、売場に陳列される各商品に各商品特有の商品コードなどの商品情報を記憶した無線タグを取り付けておき、会計場で客が買い上げた商品の無線タグの売り上げデータを登録処理するとともに、無線タグに商品情報クリアコマンドを発信して、無線タグから商品情報をクリアするようになっている。その後、店員が商品に取り付けられた無線タグを取り外す。出口において、商品に無線タグが付いており、無線タグに商品情報が含まれる場合は、万引き警告音が発生される。
【特許文献1】特開2000−30150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、非接触ICタグは、非接触でデータの読み書きができるため、ICタグが付された物品を保持した場合、ICタグの情報を他人に読み取られて、個人の所有物や嗜好等の個人情報を他人に把握されてしまうおそれがある。この対策として、たとえば消費者が物品を購入する際に、店舗でICタグを物品から取り外したり、ICタグの情報を消去する等の方法が考えられる。しかし、ICタグの情報は、個人でも有効に活用できる場合が多い。
【0005】
本発明は上記事情を踏まえてなされたものであり、本発明の目的は、ICタグが付された物品の取り扱いにおいて、ICタグの情報が他人に把握されるのを防ぐとともに、ICタグの情報を有効に用いることのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、物品に付されたICタグからオリジナル情報を読み出す読出部と、前記読出部が読み出した前記オリジナル情報を所定のローカルルールに基づき、ローカルルール適用情報に変換する変換処理部と、前記ローカルルール適用情報により、前記ICタグの前記オリジナル情報を書き換える書込処理部と、を含むことを特徴とするICタグ管理装置が提供される。
【0007】
ここで、ICタグ管理装置は、所定のローカルルールを記憶するローカルルール記憶部を含むことができる。変換処理部は、ローカルルール記憶部から所定のローカルルールを読み出し、当該ローカルルールに基づき、オリジナル情報をローカルルール適用情報に変換することができる。また、ローカルルール記憶部はICタグ管理装置とは異なるサーバ等に含まれる構成とすることもでき、この場合、変換処理部は、有線または無線のネットワークを介してローカルルール記憶部から所定のローカルルールを読み出すことができる。ローカルルール記憶部は、複数のローカルルールを記憶することができ、この場合、変換処理部は、いずれかのローカルルールを適宜選択して用いることができる。
【0008】
ICタグは、個別のIDによって識別可能な小型のメモリ装置であり、その代表的なものとしてRFID(Radio Frequency Identification)タグが挙げられる。また、ICタグは、書き換え可能なものとすることができる。オリジナル情報は、そのICタグを識別するコード情報(製品固有番号)とすることができる。また、オリジナル情報は、コード情報以外の、たとえば物品の生産国、メーカー、商品名、生産者情報等の物品の情報とすることもできる。
【0009】
書込処理部は、ローカルルール適用情報により、ICタグのオリジナル情報を書き換える際に、当該ICタグにローカルルールを適用したことを示す情報を付加することもできる。これにより、読出部がICタグから情報を読み出した際に、そのICタグに既にローカルルールが適用されているか否かを判断することができる。
【0010】
本発明のICタグ管理装置によれば、たとえば家庭、店舗、会社等特定のエリア内で、ICタグの情報をローカルルールを適用して書き換えることができるので、物品に付されたICタグの情報を他人に読み取られることにより、個人や会社等における所有物の情報を他人に把握されてしまうことを防ぐことができる。また、ローカルルール記憶部に記憶されたローカルルールに基づき、ローカルルールが適用されたICタグの情報をもとのオリジナル情報に再変換することもできる。これにより、必要な場合には、ICタグの情報を活用することもできる。
【0011】
本発明のICタグ管理装置は、前記ICタグの識別情報と、当該ICタグに適用したローカルルールを示す情報とを対応づけて記憶する対応記憶部をさらに含むことができる。
【0012】
このようにすることにより、たとえばローカルルール記憶部に複数のローカルルールが記憶されている場合に、どのローカルルールが適用されたかを把握することができ、後にローカルルールが適用されたICタグの情報をもとのオリジナル情報に再変換することができる。
【0013】
本発明のICタグ管理装置は、前記ICタグへ書き込む追加情報を取得する追加情報取得部をさらに含むことができ、前記変換処理部は、前記対応記憶部を参照して、前記追加情報取得部が取得した追加情報を当該ICタグに適用された前記ローカルルールに基づき変換することができ、前記書込処理部は、前記変換処理部により変換された前記追加情報を前記ICタグに書き込むことができる。
【0014】
追加情報取得部は、ユーザの指示に基づき追加情報を追加することができる。また、ICタグ管理装置は、予め追加すべき情報の種類を記憶する記憶部を含むことができ、追加情報取得部は、ICタグ管理装置が当該記憶部に記憶された種類の情報を取得した場合に、その情報を追加情報として取得することができる。ICタグ管理装置は、たとえばユーザの音声を認識する音声認識部を含むことができ、追加情報取得部は、音声認識部が認識したユーザの音声に、当該記憶部に記憶された種類の情報が含まれる場合に、その情報を追加情報として取得することができる。変換処理部は、追加情報取得部が追加情報を取得した場合、その追加情報をローカルルールに基づき変換するか否かをユーザに問い合わせ、ユーザの指示に基づき、追加情報をローカルルールに基づき変換することができる。また、前述した記憶部は、追加すべき情報の種類と、その情報をローカルルールに基づき変換するか否かとを予め記憶しておくこともでき、変換処理部は、当該記憶部の設定に基づき、追加情報取得部が追加情報をローカルルールに基づき変換するか否かを判断することもできる。
【0015】
このようにすれば、予めICタグに記憶されていた情報に加えて、そのICタグが付された物品に関する情報を適宜ICタグに記憶していくことができる。また、追加情報も適宜ローカルルールに基づき変換されるので、追加情報を他人に把握されるということを防ぐことができる。
【0016】
本発明のICタグ管理装置において、前記書込処理部は、前記変換処理部により変換された前記追加情報を、当該追加情報が追加されたものであることを示す情報とともに前記ICタグに書き込むことができる。
【0017】
これにより、もともとICタグに記憶されていた情報と、後に追加された情報とを区別することができる。たとえば、ICタグが付された物品を家庭に持ち込み、そのICタグに追加情報等を書き込んでいた場合において、後に物品を他人に譲渡等する際等に、追加情報が残っているままだと個人的な情報が他人に知られてしまうおそれがある。一方、もともとICタグに記憶されていた情報は、ICタグを識別するコード情報等汎用性の高いものであることが多く、消去してしまっては、その後の利用者が不便に感じる可能性がある。本発明によれば、追加情報には、たとえばフラグが付される等、追加されたものであることを示す情報が記憶されるので、この情報の有無に基づき、消去すべきデータと消去しないデータとを区別することができる。
【0018】
本発明のICタグ管理装置は、ユーザを認証する認証処理部と、前記認証処理部により認証されたユーザから、前記ローカルルールが適用された前記ICタグを初期化する初期化指示を受け付ける初期化受付部と、をさらに含むことができ、前記変換処理部は、前記初期化受付部が前記初期化指示を受け付けると、前記対応記憶部を参照して、前記ICタグの前記ローカルルール適用情報を前記オリジナル情報に再変換することができ、前記書込処理部は、前記変換処理部が再変換した前記オリジナル情報により、前記ICタグの前記ローカルルール適用情報を書き換えるとともに、前記追加情報を消去することができる。
【0019】
上述したように、ICタグが付された物品を家庭に持ち込み、そのICタグに追加情報等を書き込んでいた場合、物品を他人に譲渡等する際に、ICタグを初期化する指示を行うことにより、ICタグにもともと記憶されていたオリジナル情報をICタグに残したまま、後に書き込まれた追加情報を選択的に消去することができる。このような指示は、認証されたユーザのみが行えるので、権限のない他人が勝手にローカルルールが適用されたICタグの情報を再変換することができず、他人にICタグの情報を読み取られるおそれもない。
【0020】
本発明のICタグ管理装置は、ユーザを認証する認証処理部をさらに含むことができ、前記変換処理部は、前記認証処理部により認証されたユーザの指示に基づき、前記対応記憶部を参照して、前記ローカルルールが適用された前記ICタグに記憶された情報を、当該ICタグに適用された前記ローカルルールに基づき再変換することができる。
【0021】
本発明のICタグ管理装置によれば、認証されたユーザのみが再変換の指示を行えるので、権限のない他人が勝手にローカルルールが適用されたICタグの情報を再変換することができず、他人にICタグの情報を読み取られるおそれもない。
【0022】
ここで、ICタグ管理装置は、前記変換処理部が再変換した情報を出力する出力処理部をさらに含むことができる。
【0023】
これにより、認証されたユーザは、ローカルルールが適用されたICタグの情報に基づき、そのICタグが付された物品の情報を把握することができる。たとえば、ICタグのオリジナル情報がコード情報の場合、出力処理部は、ユーザの指示等に基づき、ネットワーク等を介して接続されたサーバにオリジナル情報であるコード情報を送信し、サーバからコード情報に対応する物品の情報を取得する。つづいて、出力処理部は、物品の情報を表示部等に表示したり、音声で出力したりする。また、ICタグのオリジナル情報が物品の情報である場合、出力処理部は、ユーザの指示等に基づき、オリジナル情報である物品の情報を表示部等に表示したり、音声で出力したりする。
【0024】
本発明のICタグ管理装置において、前記書込記憶部は、前記変換処理部が再変換した情報で、前記ICタグを書き換えることができる。
【0025】
これにより、認証されたユーザは、必要に応じてローカルルールが適用されたICタグの情報をオリジナル情報に書き換えさせることができ、通常のICタグリーダを用いて、ICタグの情報を読み出すことができる。
【0026】
本発明のICタグ管理装置は、前記ICタグの識別情報と、当該ICタグが付された物品に関するキーワードとを対応づけて記憶する物品情報記憶部と、ユーザを認証する認証処理部と、前記認証処理部により認証されたユーザから、検出対象の物品のキーワードを取得するキーワード取得部と、前記キーワード取得部が取得したキーワードに基づき、前記物品情報記憶部を参照して、前記検出対象の物品を検出する処理を行う検出処理部と、
をさらに含むことができる。
【0027】
キーワード取得部は、ユーザが操作部を介して入力したキーワードや、ユーザの音声に含まれるキーワードを取得することができる。このようにすれば、認証されたユーザの指示に基づき、たとえば紛失物等の場所を検出することができる。
【0028】
本発明のICタグ管理装置において、前記物品情報記憶部は、前記ICタグの識別情報に対応づけて、前記物品の位置情報も記憶することができ、前記検出処理部は、前記物品の位置情報も考慮して、前記検出対象の物品を検出する処理を行うことができる。
【0029】
このようにすれば、検出対象の物品を迅速に検出することができる。
【0030】
本発明のICタグ管理装置は、画像取得部と、ユーザの顔画像データを記憶するユーザ情報記憶部と、をさらに含むことができ、前記認証処理部は、前記が画像取得部が取得した画像データと、前記ユーザ情報記憶部に記憶された顔画像データとに基づき、ユーザを認証することができる。
【0031】
これにより、ユーザがパスワードやID等を入力等することなくユーザの認識が行えるので、ユーザの利便性が高まる。
【0032】
本発明のICタグ管理装置は、前記オリジナル情報を前記ローカルルール適用情報に書き換えるための物品の条件を記憶する条件記憶部をさらに含むことができ、前記変換処理部は、前記読出部が読み出した前記オリジナル情報に基づき、当該オリジナル情報を前記ローカルルール適用情報に書き換えるか否かを判断することができ、書き換えると判断した場合に、当該オリジナル情報を前記ローカルルール適用情報に書き換えることができる。
【0033】
条件記憶部は、たとえば物品の種類や、物品の価格等と、オリジナル情報をローカルルール適用情報に書き換える必要があるか否かとを対応づけて記憶することができる。たとえば、高価な物品については、そのようなものが家庭内にあることが他人に知られると、盗難等のおそれがあるため、ローカルルールを適用するよう条件記憶部の設定を行うことができる。一方、食料品や消耗品等については、いちいちローカルルールを適用すると手間になることもある。そのため、このような物品については、ローカルルールを適用しないよう条件記憶部の設定を行うことができる。
【0034】
本発明のICタグ管理装置は、ユーザの音声を認識し、ユーザからの指示を音声で受け付ける音声認識部と、音声を出力する音声出力部と、をさらに含むことができる。
【0035】
このようにすれば、ユーザが対話型でICタグ管理装置への指示を行うことができるので、ユーザの利便性が高まる。
【0036】
本発明によれば、上記いずれかのICタグ管理装置と、前記ICタグ管理装置を移動させる移動部と、前記移動部を制御する動作制御部と、を含み、自律移動することを特徴とするロボットが提供される。
【0037】
このように、自律移動するロボットがICタグ管理装置を含む構成とすると、ロボットが家庭、店舗、会社等特定のエリア内を自律的に移動するので、特定のエリア内にある物品に付されたICタグの情報を順次書き換えていくことができる。
【0038】
本発明のロボットは、自己位置を取得する位置情報取得部をさらに含むことができ、前記動作制御部は、前記位置情報取得部が取得した自己位置に基づき、前記移動部を制御することができる。
【0039】
ロボットが自己の位置を把握することにより、特定のエリア内ある物体に付されたICタグの情報を効率よく書き換えていくことができる。
【0040】
また、本発明のICタグ管理装置は、ICタグの書き換え対象となる特定のエリアのエリア情報を記憶するエリア情報記憶部をさらに含むことができ、ロボットは、エリア情報記憶部のエリア情報と自己位置とに基づき、特定のエリアを巡回してICタグの情報を書き換える処理を行うことができる。エリア情報記憶部に、重点的に巡回すべき箇所等を対応づけて記憶させておくことにより、ロボットがその箇所を頻度を上げて巡回することができ、ICタグの情報を効率よく書き換えることができる。
【0041】
本発明によれば、上記いずれかに記載のICタグ管理装置を含むことを特徴とするロボットが提供される。
【0042】
本発明のロボットは、ユーザの音声を認識し、ユーザからの指示を音声で受け付ける音声認識部と、前記ユーザの音声に対応する動作を決定する動作決定部と、前記動作決定部の決定に基づき、音声を出力する音声出力部と、をさらに含むことができる。
【0043】
このようにすれば、ロボットがユーザとの対話により、ユーザからの指示を受け付けたり、必要な情報を取得することができる。これにより、ユーザの利便性が高まる。
【0044】
本発明によれば、物品に付されたICタグからオリジナル情報を読み出す工程と、前記オリジナル情報を読み出す工程において読み出した前記オリジナル情報を所定のローカルルールに基づき、ローカルルール適用情報に変換する工程と、前記ローカルルール適用情報により、前記ICタグの前記オリジナル情報を書き換える工程と、を含むことを特徴とするICタグ管理方法が提供される。
【0045】
本発明によれば、コンピュータを、物品に付されたICタグからオリジナル情報を読み出す読出手段、前記読出手段が読み出した前記オリジナル情報を所定のローカルルールに基づき、ローカルルール適用情報に変換する変換手段、前記ローカルルール適用情報により、前記ICタグの前記オリジナル情報を書き換える書込手段、として機能させることを特徴とするICタグ管理プログラムが提供される。
【0046】
本発明によれば、移動手段を有するロボットに含まれるコンピュータを、物品に付されたICタグからオリジナル情報を読み出す読出手段、前記読出手段が読み出した前記オリジナル情報を所定のローカルルールに基づき、ローカルルール適用情報に変換する変換手段、前記ローカルルール適用情報により、前記ICタグの前記オリジナル情報を書き換える書込手段、前記移動手段を制御する動作制御手段、として機能させ、前記ロボットを自律移動させることを特徴とするロボット制御プログラムが提供される。
【0047】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、プログラムの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、ICタグが付された物品の取り扱いにおいて、ICタグの情報が他人に把握されるのを防ぐとともに、ICタグの情報を有効に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
以下の実施の形態において、ICタグ管理装置は、たとえば家庭に配置され、その家庭内に持ち込まれた物品に付されたICタグの情報を必要に応じてローカルルールに基づき変換して書き換える処理を行う。
【0050】
(第一の実施の形態)
図1は、本実施の形態におけるICタグ管理装置の構成を示すブロック図である。
ICタグ管理装置100は、情報読出部102、変換処理部104、情報書込部106、ローカルルール記憶部108、対応記憶部110、制御部112、出力処理部114、ユーザ認証部116、ユーザ情報記憶部118、条件記憶部120、通信制御部122、および指示受付部124を含む。
【0051】
本実施の形態において、物品に付されたICタグには、そのICタグを識別するコード情報(製品固有番号)が記憶されている。ここで、コード情報には、たとえば国コード、メーカーコード、商品ジャンル、商品コード等が含まれる。また、ICタグには、ユーザが自由に書き込みを行うことができるユーザエリアが含まれているものとする。ICタグ管理装置100は、ICタグから読み出したコード情報をキーとして、ネットワーク150に接続されたサーバ(不図示)からそのICタグが付された物品の情報を取得する。
【0052】
情報読出部102は、物品に付されたICタグからコード情報を読み出す。
【0053】
制御部112は、ICタグ管理装置100の各構成要素を制御する。
【0054】
ローカルルール記憶部108は、所定のローカルルールを記憶する。ローカルルールの例を以下に示す。
【0055】
(1)コード情報を数ビットづつずらす
(a)コード情報全体に適用
(b)コード情報のうち、たとえば商品ジャンルや商品コード等、特定のもののみに適用;
(2)コード情報を暗号化する
(a)秘密鍵暗号を用いる方法
(b)公開鍵暗号を用いる方法、この場合、暗号化鍵を他者に知られても良いため、鍵の管理が容易になる。この性質を利用して、たとえば他ユーザのICタグ管理装置やそれを含むロボットに自分の暗号化鍵を送り、コード情報をそのICタグ管理装置やロボットに書き換えさせるようにすることもできる。
(c)コード情報全体を暗号化
(d)コード情報のうち、例えば商品ジャンルや商品コード等、特定のもののみを暗号化;
(3)コード情報のうち、たとえば商品ジャンルや商品コード等、特定の部分をマスクする;
(4)オリジナルのコード情報をICタグ管理装置100で設定した新たなコード情報に置き換える。
(a)コード情報全体に適用
(b)コード情報のうち、たとえば商品ジャンルや商品コード等、特定のもののみに適用。
【0056】
変換処理部104は、情報読出部102がICタグから読み出したコード情報を、制御部112の指示に基づき変換する。変換処理部104は、たとえば情報読出部102がICタグから読み出したコード情報が、そのICタグにもともと記憶されていたオリジナル情報の場合、ローカルルール記憶部108に記憶された所定のローカルルールに基づき、そのオリジナル情報をローカルルール適用情報に変換する。
【0057】
変換処理部104は、ローカルルール適用情報が記憶されたICタグの識別情報と、そのICタグに適用されたローカルルールを示す情報とを対応づけて対応記憶部110に記憶する。ここで、ICタグの識別情報は、新たに付与しなおすこともできるが、変換処理部104がオリジナル情報を変換したローカルルール適用情報をICタグの識別情報とすることもできる。ICタグの識別情報を新たに付与しなおした場合は、ICタグの書き込み可能領域にその識別情報が記憶される。
【0058】
たとえば、変換処理部104は、上記ローカルルールの(1)に基づきICタグから読み出したオリジナル情報を変換した場合、そのICタグの識別情報とともに、コード情報のどの部分にローカルルールを適用したか、および何ビットずらしたかを示す情報を対応記憶部110に記憶する。
【0059】
また、たとえば、変換処理部104は、上記ローカルルールの(2)に基づきICタグから読み出したオリジナル情報を変換した場合、そのICタグの識別情報とともに、コード情報のどの部分にローカルルールを適用したか、および暗号化された情報を復号化するための鍵を示す情報を対応記憶部110に記憶する。
【0060】
また、たとえば、変換処理部104は、上記ローカルルールの(3)に基づきICタグから読み出したオリジナル情報を変換した場合、そのICタグの識別情報とともに、コード情報のどの部分にローカルルールを適用したか、およびマスクした部分のオリジナル情報を示す情報を対応記憶部110に記憶する。
【0061】
また、たとえば、変換処理部104は、上記ローカルルールの(4)に基づきICタグから読み出したオリジナル情報を変換した場合、そのICタグの識別情報とともに、コード情報のどの部分にローカルルールを適用したか、およびオリジナルのコード情報と新たなコード情報との関係を示す情報を対応記憶部110に記憶する。
【0062】
情報書込部106は、変換処理部104が変換したローカルルール適用情報でICタグのオリジナル情報を上書きする。ここで、たとえばオリジナル情報がICタグの書き換え不能な領域に記憶されており、ローカルルール適用情報で上書きできない場合、情報書込部106は、キルコードでオリジナル情報を消去した後、ICタグの上書き可能な領域にローカルルール適用情報を書き込む。
【0063】
また、情報書込部106は、ローカルルール適用情報とともに、その情報がローカルルール適用情報であることを示す情報もICタグに書き込むことができる。ローカルルール適用情報であることを示す情報として、たとえば、情報書換部106は、コード情報として使用されていない特定ビットやフラグをICタグの書き込み可能領域に書き込む。このようにすることにより、情報読出部102がICタグの情報を読み出す際に、そのICタグに既にローカルルールが適用されているか否かを判断することができる。
【0064】
変換処理部104は、たとえば情報読出部102がICタグから読み出した情報が、ローカルルール適用情報の場合、ローカルルール記憶部108および対応記憶部110を参照して、ローカルルール適用情報をオリジナル情報に再変換する。情報書込部106は、変換処理部104が再変換したオリジナル情報でローカルルール適用情報を上書きする。
【0065】
通信制御部122は、情報読出部102がICタグから読み出したオリジナル情報であるコード情報や、変換処理部104が再変換したオリジナル情報であるコード情報をキーとして、ネットワーク150を介してサーバ(不図示)からそのICタグが付された物品の情報を取得する。
【0066】
出力処理部114は、通信制御部122が取得した物品の情報を出力する。ICタグ管理装置100は図示しない表示部や音声出力部を含むことができ、出力処理部114は、通信制御部122が取得した物品の情報を表示部に表示させたり、音声出力部により出力させたりすることができる。また、出力処理部114は、LAN等のネットワークを介して、他の端末に物品の情報を転送することもできる。
【0067】
ユーザ認証部116は、ICタグ管理装置100のユーザを認証する。ユーザ情報記憶部118は、ユーザを識別する情報を記憶する。本実施の形態において、ユーザ情報記憶部118には、ICタグ管理装置100が配置される家庭の家族の識別情報を記憶させておくことができる。制御部112は、ユーザから、ローカルルール適用情報が記憶されたICタグのローカルルール適用情報をオリジナル情報に再変換してICタグの書き換えを行う指示や出力処理部114から出力させる指示があった場合に、ユーザ認証部116によりユーザを認証させ、ユーザが認証された場合にのみ、ユーザの指示を受け付ける。
【0068】
条件記憶部120は、ICタグのオリジナル情報をローカルルール適用情報に書き換えるための条件を記憶する。たとえば、食料や日用雑貨等すぐに消費してしまうものについては、ICタグのコード情報を書き換える必要性が低い。一方、高価な物品については、ICタグのコード情報を書き換える必要性が高い。ユーザは、予めたとえば物品の種類や物品の価格等に基づき、ICタグのオリジナル情報をローカルルール適用情報に書き換えるための条件を設定しておくことができる。条件記憶部120は、この設定を記憶する。制御部112は、オリジナル情報が記憶されたICタグを検出した場合、条件記憶部120を参照して、そのICタグのオリジナル情報を書き換えるか否かを判断する。
【0069】
指示受付部124は、ユーザからの各種指示を受け付ける。
【0070】
図2は、条件記憶部120の内部構成の一例を示す図である。
条件記憶部120は、種類欄と、値段欄と、変換要否欄とを有する。種類欄には、物品の種類が記憶される。値段欄には、物品の値段の範囲が記憶される。変換要否欄には、オリジナル情報をローカルルール適用情報に変換するか否かを示す情報が記憶される。たとえば、ICタグが付された物品が食品で、2万円未満である場合、そのICタグのオリジナル情報は書き換える必要がない。一方、ICタグが付された物品が宝石である場合、値段にかかわらず、そのICタグのオリジナル情報をローカルルール適用情報に変換する必要がある。
【0071】
また、他の例として、たとえば、コード情報の特定の位置に含まれる数字や文字が物品の種類を示す等、コード情報自体が意味のある情報を含む場合、条件記憶部120は、コード情報に含まれる意味のある情報と変換要否欄とを対応づけて記憶することもできる。
【0072】
図3は、本実施の形態におけるICタグ管理装置100の処理手順を示すフローチャートである。
情報読出部102は、ICタグを検出すると(S100のYES)、そのICタグからコード情報を読み出す(S102)。制御部112は、情報読出部102が読み出したコード情報に既にローカルルールが適用されているか否かを判断する(S104)。
【0073】
情報読出部102が読み出したコード情報にローカルルールが適用されていない場合(S104のNO)、制御部112は、たとえば、指示受付部124から受け付けたユーザの指示に基づき、そのコード情報に基づき、物品の情報を取得して出力するか否かを判断する(S106)。物品の情報を取得して出力する場合(S106のYES)、通信制御部122は、情報読出部102が読み出したコード情報をキーとして、ネットワーク150を介して接続されたサーバからそのICタグが付された物品の情報を取得する(S108)。出力処理部114は、通信制御部122が取得した物品の情報を表示部等に出力する(S110)。
【0074】
つづいて、制御部112は、ICタグのコード情報を変換するか否かを判断する(S112)。制御部112は、たとえば、指示受付部124から受け付けたユーザの指示に基づき、そのICタグのコード情報を変換するか否かを判断することができる。また、ユーザからの指示がない場合、制御部112は以下の処理を行うことができる。制御部112は、情報書込部106が読み出したコード情報を通信制御部122に送出する。通信制御部122は、コード情報をキーとして、ネットワーク150を介してサーバからこのICタグが付された物品の情報を取得する。ステップS108において、既に物品の情報を取得している場合はこの処理は省略できる。制御部112は、条件記憶部120を参照して、通信制御部122が取得した物品の情報に基づき、そのICタグのコード情報を書き換えるか否かを判断する。
【0075】
ステップS112において、変換が必要な場合(S112のYES)、変換処理部104は、ローカルルール記憶部108を参照して、所定のローカルルールに基づき、情報読出部102が読み出したオリジナル情報をローカルルール適用情報に変換する(S114)。変換処理部104は、対応記憶部110に、ICタグの識別情報と、そのICタグに適用されたローカルルールとを対応づけて記憶する(S116)。つづいて、情報書込部106は、ICタグのオリジナル情報に変換処理部104が変換したローカルルール適用情報を上書き保存してICタグのコード情報を書き換える(S118)。ここで、情報書込部106は、ICタグのオリジナル情報を上書き保存できないときは、キルコードでオリジナル情報を消去した後、ICタグの上書き可能な領域にローカルルール適用情報を書き込む。この後、ICタグの検出処理を終了するか否かを判断し(S120)、検出を終了しない場合は(S120のNO)、次のICタグの検出を待つ(S100)。一方、検出を終了する場合(S120のYES)、処理を終了する。
【0076】
ステップS106において、ICタグのコード情報を変換する必要がない場合(S112のNO)、ステップS120に進む。
【0077】
ステップS104において、情報読出部102が読み出したコード情報に既にローカルルールが適用されている場合(S104のYES)、制御部112は、ユーザからのローカルルール適用情報の再変換指示があるか否かを判断する(S122)。ユーザからの再変換指示がない場合(S122のNO)、ステップS120に進む。
【0078】
一方、ステップS122において、ユーザからの再変換指示があった場合(S122のYES)、再変換処理を行う(S124)。
【0079】
図4は、図3のS124に示した再変換処理を詳細に示すフローチャートである。
ユーザからの再変換指示があった場合(S122のYES)、ユーザ認証部116は、ユーザからユーザ情報の入力を受け付ける(S130)。ユーザからユーザ情報の入力があった場合(S130のYES)、ユーザ認証部116は、ユーザ情報記憶部118を参照して、そのユーザを認証する(S132)。ユーザの認証は、たとえば図示しない操作部等を介して、ユーザにIDとパスワードを入力させたり、ユーザの音声や画像等を取得することにより行うことができる。ユーザが認証された場合(S132のYES)、変換処理部104は、制御部112の指示に基づき、対応記憶部110およびローカルルール記憶部108を参照して、情報書込部106が読み出したローカルルール適用情報をオリジナル情報に再変換する(S134)。
【0080】
つづいて、制御部112は、指示受付部124から受け付けたユーザの指示に基づき、再変換したコード情報に基づき、物品の情報を取得して出力するか否かを判断する(S136)。物品の情報を取得して出力する場合(S136のYES)、通信制御部122は、変換処理部104が変換したコード情報をキーとして、ネットワーク150を介して接続されたサーバからそのICタグが付された物品の情報を取得する(S138)。出力処理部114は、通信制御部122が取得した物品の情報を表示部等に出力する(S140)。
【0081】
つづいて、制御部112は、ICタグのコード情報を書き換えるか否かを判断する(S142)。制御部112は、たとえば、指示受付部124から受け付けたユーザの指示に基づき、そのICタグのコード情報を書き換えるか否かを判断する。書き換えを行う場合(S142のYES)、情報書込部106は、変換処理部104が再変換したコード情報でICタグのローカルルール適用情報を上書きする(S144)。
【0082】
一方、ステップS132において、ユーザが認証されなかった場合(S132のNO)、制御部112は、出力処理部114によりエラー通知を出力させる(S146)。
【0083】
以上の処理により、ステップS124の再変換処理が終了する。この後、ステップS120(図3)に進む。
【0084】
本実施の形態において、ICタグ管理装置100は、たとえば家の入り口に設置しておくことができる。これにより、ユーザがICタグが付された物品を家の中に持ち込んだときに、ICタグの情報をローカルルール適用情報に書き換えることができる。また、ユーザがICタグが付された物品を家の外に持ち出す際には、ICタグの情報をオリジナル情報に書き換えるようにすることもできる。
【0085】
また、本実施の形態において、ICタグ管理装置100は、たとえば携帯型の端末とすることができる。これにより、ユーザがICタグ管理装置100を持って家の中を移動することにより、種々の物品のICタグの情報の書き換え等を行うことができる。このようにすれば、ICタグ自体が静止した状態でICタグの情報を書き換えることができるので、書き込みエラー等が生じにくく、確実にICタグの情報の読み出しや書き込みを行うことができる。
【0086】
以上のように、本実施の形態におけるICタグ管理装置100によれば、家庭等特定のエリア内で、ICタグの情報をローカルルールを適用して書き換えることができるので、物品に付されたICタグの情報を他人に読み取られることにより、個人の所有物に関する情報を他人に把握されてしまうことを防ぐことができる。また、ローカルルール記憶部108に記憶されたローカルルールに基づき、ローカルルールが適用されたICタグの情報をもとのオリジナル情報に再変換することもできる。これにより、必要な場合には、ICタグの情報を活用することもできる。
【0087】
(第二の実施の形態)
本実施の形態において、物品に付されたICタグには、そのICタグが付された物品の情報が記憶されている。ここで、物品の情報は、コード情報ではなく、物品の生産国、メーカー、商品名、生産者情報等である。第一の実施の形態においては、ICタグに記憶されたコード情報をキーとしてネットワーク150を介してサーバから商品の情報を取得する必要があったが、本実施の形態のICタグ管理装置100においては、ICタグに商品の情報そのものが記憶されているので、サーバに問い合わせを行うことなく、商品の情報を取得することができる。
【0088】
図5は、本実施の形態におけるICタグ管理装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態において、ICタグ管理装置130は、通信制御部122を含まない点で第一の実施の形態におけるICタグ管理装置100と異なる。本実施の形態において、第一の実施の形態におけるICタグ管理装置100と同様の構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0089】
図6は、本実施の形態におけるICタグ管理装置130の処理手順を示すフローチャートである。
情報読出部102は、ICタグを検出すると(S150のYES)、そのICタグから物品の情報を読み出す(S152)。制御部112は、情報読出部102が読み出した物品の情報に既にローカルルールが適用されているか否かを判断する(S154)。
【0090】
情報読出部102が読み出したコード情報にローカルルールが適用されていない場合(S154のNO)、制御部112は、たとえば、指示受付部124から受け付けたユーザの指示に基づき、物品の情報を出力するか否かを判断する(S156)。物品の情報を出力する場合(S156のYES)、出力処理部114は、物品の情報を表示部等に出力する(S158)。
【0091】
つづいて、制御部112は、ICタグの情報を変換するか否かを判断する(S160)。制御部112は、たとえば、指示受付部124から受け付けたユーザの指示に基づき、そのICタグの情報を変換するか否かを判断することができる。また、ユーザからの指示がない場合、制御部112は、条件記憶部120を参照して、物品の情報に基づき、そのICタグのコード情報を書き換えるか否かを判断する。
【0092】
ステップS160において、変換が必要な場合(S160のYES)、変換処理部104は、ローカルルール記憶部108を参照して、所定のローカルルールに基づき、情報読出部102が読み出したオリジナル情報をローカルルール適用情報に変換する(S162)。変換処理部104は、対応記憶部110に、ICタグの識別情報と、そのICタグに適用されたローカルルールとを対応づけて記憶する(S164)。つづいて、情報書込部106は、ICタグのオリジナル情報に変換処理部104が変換したローカルルール適用情報を上書き保存してICタグのコード情報を書き換える(S166)。ここで、情報書込部106は、ICタグのオリジナル情報を上書き保存できないときは、キルコードでオリジナル情報を消去した後、ICタグの上書き可能な領域にローカルルール適用情報を書き込む。この後、ICタグの検出処理を終了するか否かを判断し(S168)、検出を終了しない場合は(S168のNO)、次のICタグの検出を待つ(S150)。一方、検出を終了する場合(S168のYES)、処理を終了する。
【0093】
ステップS160において、ICタグのコード情報を変換する必要がない場合(S160のNO)、ステップS168に進む。
【0094】
ステップS154において、情報読出部102が読み出した情報に既にローカルルールが適用されている場合(S154のYES)、制御部112は、ユーザからのローカルルール適用情報の再変換指示があるか否かを判断する(S170)。ユーザからの再変換指示がない場合(S170のNO)、ステップS168に進む。
【0095】
一方、ステップS170において、ユーザからの再変換指示があった場合(S170のYES)、再変換処理を行う(S172)。
【0096】
図7は、図6のS172に示した再変換処理を詳細に示すフローチャートである。
ユーザからの再変換指示があった場合(S170のYES)、ユーザ認証部116は、ユーザからユーザ情報の入力を受け付ける(S180)。ユーザからユーザ情報の入力があった場合(S180のYES)、ユーザ認証部116は、ユーザ情報記憶部118を参照して、そのユーザを認証する(S182)。ユーザの認証は、たとえば図示しない操作部等を介して、ユーザにIDとパスワードを入力させたり、ユーザの音声や画像等を取得することにより行うことができる。ユーザが認証された場合(S182のYES)、変換処理部104は、制御部112の指示に基づき、対応記憶部110およびローカルルール記憶部108を参照して、情報書込部106が読み出したローカルルール適用情報をオリジナル情報に再変換する(S184)。
【0097】
つづいて、制御部112は、指示受付部124から受け付けたユーザの指示に基づき、再変換した物品の情報を出力するか否かを判断する(S186)。物品の情報を出力する場合(S186のYES)、出力処理部114は、変換処理部104が再変換した物品の情報を表示部等に出力する(S188)。
【0098】
つづいて、制御部112は、ICタグのコード情報を書き換えるか否かを判断する(S190)。制御部112は、たとえば、指示受付部124から受け付けたユーザの指示に基づき、そのICタグの商品情報をオリジナル情報に書き換えるか否かを判断する。書き換えを行う場合(S190のYES)、情報書込部106は、変換処理部104が再変換したオリジナル情報でICタグのローカルルール適用情報を上書きする(S192)。
【0099】
一方、ステップS182において、ユーザが認証されなかった場合(S182のNO)、制御部112は、出力処理部114によりエラー通知を出力させる(S194)。
【0100】
以上の処理により、ステップS172の再変換処理が終了する。この後、ステップS168(図6)に進む。
【0101】
本実施の形態におけるICタグ管理装置130によっても、第一の実施の形態におけるICタグ管理装置100と同様の効果が得られる。また、本実施の形態で説明したように、物品の情報そのものを記憶したICタグを用いた場合、ネットワークに接続することなく、ICタグが付された物品の情報を取得することができ、より迅速な処理を行うことができる。
【0102】
(第三の実施の形態)
本実施の形態において、ICタグ管理装置は、自律走行可能なロボットにより構成される。本実施の形態におけるロボットは、予め設定された特定の相手を認識したり、ユーザと対話する機能を有する。
【0103】
このようなロボットを用いることにより、第一の実施の形態におけるICタグ管理装置100と同様の効果に加えて、さらに以下のような効果を得ることができる。
【0104】
ロボットが家庭内を自律的に移動するので、家庭内にある物品に付されたICタグの情報を順次書き換えていくことができる。これにより、物品自体を所定の位置に配置したままで、その物品に付されたICタグの情報を書き換えることができる。また、ロボットが静止している物体に付されたICタグの情報を書き換えるので、ICタグへの情報の書込エラー等が生じるのを防ぐことができる。さらに、購入時に梱包されていた物品であっても、家の中で梱包を解いた後にICタグの書き換えを行うことができるので、精度よくICタグの書き換えを行うことができる。
【0105】
さらに、ロボットがユーザと対話する機能を有するので、ユーザとの対話の中でユーザからの指示を受け付けたり、必要な情報を取得することができる。これにより、これにより、ユーザの利便性が図れる。
【0106】
さらに、ロボットがユーザ等特定の相手を認識できるので、ユーザ認証を容易に行うことができる。
【0107】
以上のように、自律走行可能なロボットがICタグ管理装置を含む構成とすることにより、ICタグ管理装置の取り扱いが簡単となる。
【0108】
図8は、本実施の形態におけるロボットの一例を示す外観構成図である。
ロボット200は、たとえば、胴体部1および頭部2が連結されることにより構成される。胴体部1の下部には左右にそれぞれ車輪3Aおよび車輪3Bが取り付けられており、これらの車輪は、独立に前後に回転することができる。
【0109】
頭部2は、胴体部1に垂直に取り付けられた垂直軸とその垂直軸に対して90度の角度で設置された水平軸に関して決められた範囲で回転することができる。垂直軸は頭部2の中心を通るように設置されており、水平軸は胴体1と頭部2が正面を向いた状態で頭部2の中心を通りかつ左右方向に水平に設置されている。つまり、頭部2は左右と上下の2自由度で、決められた範囲内で回転することができる。
【0110】
胴体部1の表面には、スピーカ12およびマイクロフォン13が設けられる。また、頭部2の表面には、CCDカメラ21AおよびCCDカメラ21Bが設けられる。
【0111】
図9は、ロボット200の電気的構成の一例を示すブロック図である。
胴体部1には、ロボット全体の制御を行うコントローラ10、ロボットの動力源となるバッテリ11、スピーカ12、マイクロフォン13、2つの車輪を動かすためのアクチュエータ14Aおよびアクチュエータ14B等が収納されている。
【0112】
マイクロフォン13は、周囲の音声を集音し、得られた音声信号をコントローラ10に送出する。また、ここではマイクロフォン13を一つしか図示してないが、ロボット200には複数のマイクロフォン13を設けることができる。これにより、たとえば雑音等を除去する処理を行うことができる。
【0113】
コントローラ10は、CPU10Aやメモリ10Bを内蔵しており、CPU10Aにおいて、メモリ10Bに記憶された制御プログラムが実行されることにより、各種の処理を行う。
【0114】
頭部2には、CCDカメラ21AおよびCCDカメラ21B、頭部2を回転するためのアクチュエータ22Aおよびアクチュエータ22B等が収納されている。
【0115】
CCDカメラ21AおよびCCDカメラ21Bは、周囲の状況を撮像し、得られた画像信号を、コントローラ10に送出する。アクチュエータ22Aおよびアクチュエータ22Bは、ロボット200の頭部2を上下左右に回転させる。
【0116】
コントローラ10は、マイクロフォン13、CCDカメラ21A、およびCCDカメラ21Bから得られる音声信号や画像信号に基づいて、メモリ10Bから適宜情報を読み出し、周囲の状況や、ユーザからの指令を解析し、ロボット200の行動やロボット200の発話等を決定する。
【0117】
コントローラ10は、ロボットの行動を決定すると、その決定結果に基づいて、アクチュエータ14A、アクチュエータ14B、アクチュエータ22A、およびアクチュエータ22Bを制御して頭部2を上下左右に回転させたり、ロボット200を移動または回転させる等の行動を行わせる。
【0118】
コントローラ10は、ロボットの発話を決定すると、その決定結果に基づいて、合成音を生成し、スピーカ12から出力させる。
【0119】
図10は、図9に示したロボット200のコントローラ10を詳細に示すブロック図である。
【0120】
コントローラ10は、情報読出部102、変換処理部104、情報書込部106、ローカルルール記憶部108、対応記憶部110、制御部112、出力処理部114、ユーザ認証部116、ユーザ情報記憶部118、条件記憶部120、通信制御部122、指示受付部124、ロボット言動データベース202、メカ制御部204、およびセンサ入力処理部206を含む。
【0121】
本実施の形態において、第一の実施の形態におけるICタグ管理装置100と同様の構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0122】
ロボット言動データベース202には、特定の状況におけるロボットの発話データおよび動作データが格納されている。
【0123】
センサ入力処理部206は、マイクロフォン13、CCDカメラ21A、およびCCDカメラ21Bから送出される音声信号および画像信号等に基づいて、ユーザの言動や周囲の状態を認識し、その認識結果を制御部112に通知する。
【0124】
メカ制御部204は、制御部112から送出された行動指令に基づいて、アクチュエータ14A、アクチュエータ14B、アクチュエータ22A、およびアクチュエータ22Bを駆動するための制御信号を生成し、これをアクチュエータ14A、14B、22A、および22Bへ送出する。アクチュエータ14A、14B、22A、および22Bは、制御信号にしたがって駆動する。
【0125】
制御部112は、センサ入力処理部206の認識結果およびロボット言動データベース202に格納されている発話動作情報に基づいて、ロボット200の行動を決定する。本実施の形態において、出力処理部114は、合成音を生成する音声合成部を含み、音声合成部において合成された合成音の出力を制御する。
【0126】
本実施の形態において、ICタグ管理装置が自律走行可能なロボット200により構成されるので、たとえば家の中等で、ICタグが付された物品を動かすことなく、ロボット200が移動することにより、種々の物品のICタグの情報の書き換え等を行うことができる。このようにすれば、ICタグ自体が静止した状態でICタグの情報を書き換えることができるので、書き込みエラー等が生じにくく、確実にICタグの情報の読み出しや書き込みを行うことができる。
【0127】
本実施の形態においても、ロボット200のコントローラ10は、第一の実施の形態において図3および図4を参照して説明したのと同様の処理手順を行う。また、ICタグに物品の情報が記憶されている場合は、第二の実施の形態において図6および図7を参照して説明したのと同様の処理手順を行う。
【0128】
本実施の形態において、ユーザ認証部116は、センサ入力処理部206が取得した音声信号や画像信号等に基づいて、ユーザを認識することができる。
【0129】
図11は、本実施の形態におけるロボット200のコントローラ10の処理手順の他の例を示すフローチャートである。ここでは、ICタグにローカルルールを適用する際に、ICタグの識別情報と、そのICタグの情報を再変換したり読み出したりする権限を有するユーザと、適用したローカルルールを示す情報とを対応記憶部110に対応づけて記憶させる例を示す。このようにすれば、家庭内であっても、特定の物品に付されたICタグの情報は特定の家族だけが把握することができ、家族間でのプライバシーを保つことができる。
【0130】
第一の実施の形態において図3を参照して説明したのと同様に、情報読出部102は、ICタグを検出すると(S200のYES)、そのICタグからコード情報を読み出す(S202)。制御部112は、情報読出部102が読み出したコード情報に既にローカルルールが適用されているか否かを判断する(S204)。
【0131】
情報読出部102が読み出したコード情報がオリジナル情報の場合(S204のNO)、制御部112は、ICタグのコード情報を変換するか否かを判断する(S206)。制御部112は、変換が必要な場合(S206のYES)、ユーザに特有のローカルルールを適用して変換するか否かを判断する(S208)。ここで、制御部112は、たとえば、出力処理部114に指示を行い、スピーカ12から「あなただけのルールで変換しますか?」等の問い合わせを出力させ、センサ入力処理部206が入力するユーザの発話内容に基づき、ユーザに特有のローカルルールを適用するか否かを判断することができる。
【0132】
ユーザに特有のローカルルールを適用して変換する場合(S208のYES)、制御部112は、ユーザを認識しているか否かを判断する(S210)。ユーザを認識していない場合(S210のNO)、ユーザ認証部116は、センサ入力処理部206を介してユーザ情報を取得し(S212)、ユーザ情報記憶部118を参照してユーザを認識する。既にユーザを認識している場合(S210のYES)、変換処理部104は、そのユーザに特有のローカルルールを適用してICタグのコード情報を変換する(S214)。変換処理部104は、対応記憶部110に、ICタグの識別情報と、そのICタグに適用されたローカルルールと、ユーザの識別情報とを対応づけてローカルルールを対応づけて記憶する(S216)。つづいて、情報書込部106は、ICタグのオリジナル情報に変換処理部104が変換したローカルルール適用情報を上書き保存してICタグのコード情報を書き換える(S218)。
【0133】
この後、ICタグの検出処理を終了するか否かを判断し(S220)、検出を終了しない場合は(S220のNO)、次のICタグの検出を待つ(S200)。一方、検出を終了する場合(S220のYES)、処理を終了する。
【0134】
ステップS208において、ユーザに特有のローカルルールを適用して変換しない場合(S208のNO)、ステップS214に進み、所定のローカルルールに基づき、情報読出部102が読み出したオリジナル情報をローカルルール適用情報に変換する(S214)。この場合、ステップS216において、変換処理部104は、対応記憶部110に、ICタグの識別情報と、そのICタグに適用されたローカルルールとだけを対応づけて記憶する。
【0135】
ステップS206において、ICタグのコード情報を変換する必要がない場合(S206のNO)、ステップS220に進む。なお、本例においても、ICタグに記憶されたコード情報に基づき、物品の情報を取得して出力するか否かを判断して、必要に応じて物品の情報を表示部等に出力することができる。
【0136】
ステップS204において、情報読出部102が読み出したコード情報が既にローカルルール適用情報に変換されている場合(S204のYES)、制御部112は、ユーザからのローカルルール適用情報の再変換指示があるか否かを判断する(S222)。ユーザからの再変換指示がない場合(S222のNO)、ステップS220に進む。
【0137】
図12は、図11に示した処理における対応記憶部110の内部構成の一例を示す図である。
対応記憶部110は、ICタグID欄と、ローカルルール欄と、ユーザID欄とを含む。たとえば、IDが「abc1」のICタグには、ローカルルールの「1」が適用された情報が記憶されており、ユーザIDは「mother」である。また、IDが「abc2」のICタグには、ローカルルールの「2」が適用された情報が記憶されており、ユーザIDは「family」である。ここで、IDが「abc1」のICタグは、ユーザ「mother」に特有のローカルルールが適用されてコード情報が変換されている。一方、IDが「abc2」のICタグは、ユーザ「family」となっており、ユーザに特有のローカルルールではなく、家族全員に適用されるコード情報が変換されている。
【0138】
ステップS224の処理は、第一の実施の形態において図4を参照して説明したのと同様であるので、ここでは図示を省略する。ステップS132において、変換処理部104は、対応記憶部110を参照して、ユーザ認証部116により認証されたユーザがそのICタグのIDに対応づけられたユーザと一致するか否かを判断し、一致した場合のみローカルルール適用情報をオリジナル情報に再変換する。ここで、ユーザが一致しなかった場合(S132のNO)、「あなたにはこの情報を情報を変換する権限がありません」等のエラーメッセージが通知される(S146)。以下の処理は、第一の実施の形態と同様なので、説明を省略する。
【0139】
なお、以上の例では、ユーザ毎に異なるローカルルールを適用する形態を示したが、ローカルルール自体は家族全員に共通のものを適用してもよい。このようにしても、ICタグにローカルルールを適用する際に、ICタグの識別情報と、そのICタグの情報を再変換したり読み出したりする権限を有するユーザと、適用したローカルルールを示す情報とを対応記憶部110に対応づけて記憶させておき、ユーザからローカルルール適用情報の再変換指示があった場合にユーザを認証するようにすれば、特定の物品に付されたICタグの情報は特定の家族だけが把握することができ、家族間でのプライバシーを保つことができる。
【0140】
図13は、本実施の形態におけるロボット200のコントローラ10の処理手順の他の例を示す図である。ここで、ロボット200は、ユーザの対話に基づき、物品に付されたICタグに追記情報を書き込む処理を行う。
【0141】
ユーザからICタグへの追記指示があった場合(S230)、制御部112は、追記する情報にもローカルルールを適用するか否かを判断する(S232)。追記する情報にもローカルルールを適用する場合(S232のYES)、変換処理部104は所定のローカルルールに基づき、追記情報をローカルルール適用情報に変換する(S234)。つづいて、情報書込部106は、追記する情報を、その情報が追記されたものであることを示すフラグとともにICタグに書き込む(S236)。なお、ステップS230の追記指示は、ユーザからの指示だけでなく、ユーザの発話に追記すべき情報が含まれる場合、ロボット200が追記の実行を判断することもできる。
【0142】
たとえば、ロボット200は、ユーザの発話に、物品の所有者やその物品の提供者、物品の品質保証期限等が含まれる場合に、その情報をICタグに追記する判断を行うことができる。たとえば、ユーザがICタグが付された物品を持っている場合、制御部112の指示に基づき、出力処理部114は、スピーカ12から「それ誰の?」という音声を出力する。ユーザが「これはお父さんのだよ。」と答えると、センサ入力処理部206は、その物品の所有者が「父」であることを検知し、情報書込部106は、「所有者:父」という情報を追記情報としてICタグに書き込む。
【0143】
また、たとえば、ユーザが「このお菓子、明後日までで賞味期限が切れるわ。記憶しておいて」とロボット200に問いかけた場合、センサ入力処理部206は、その物品の賞味期限が「明後日」であることを検知し、情報書込部106は、「賞味期限:○○日」という情報を追記情報としてICタグに書き込む。ここで図示していないが、ロボット200は計時部を含むことができ、現在の日時と、ユーザの発話の「明後日」という言葉とに基づいて、「明後日」が何日になるかを算出することができる。
【0144】
以上、ICタグが付された物品が家庭に持ち込まれた場合に、ICタグに記憶された情報にローカルルールを適用して、ロボット200にのみ読み取り可能とする処理を説明した。このようにすることにより、家庭内にある物品に関する情報を他人に把握されてしまうことを防ぐことができる。
【0145】
ところで、ICタグにローカルルールを適用したり、追記情報を書き込んだりした場合、そのICタグが付された物品が家の中にあればそのままで問題がないが、たとえばその物品を処分する場合や、他人に譲渡等する場合、ローカルルール適用情報をオリジナル情報に戻すとともに、追記情報を消去する必要がある。
【0146】
図14は、ローカルルールが適用されたICタグをコントローラ10が初期化する手順を示すフローチャートである。
【0147】
ユーザから初期化指示があると(S250のYES)、ユーザ認証部116は、ユーザの認証を行う(S252)。ユーザが認証されると(S252のYES)、情報書込部106は、追記情報であることを示すフラグが付された情報を消去する(S254)。つづいて、変換処理部104は、その他の情報をオリジナル情報に再変換する(S256)。つづいて、情報書込部106は、変換処理部104が変換したオリジナル情報でローカルルール適用情報を書き換える(S258)。
【0148】
ステップS252において、ユーザが認証されなかった場合(S252のNO)、出力処理部114は、エラー通知を行う(S260)。
【0149】
本実施の形態において、情報書込部106が追記情報を書き込む場合には、その情報が追記情報であることを示すフラグに対応づけて記憶される。そのため、フラグの有無に基づき、消去すべきデータと消去しないデータとを区別することができる。
【0150】
本実施の形態におけるロボット200によれば、家庭等特定のエリア内で、ICタグの情報をローカルルールを適用して書き換えることができるので、物品に付されたICタグの情報を他人に読み取られることにより、個人の所有物に関する情報を他人に把握されてしまうことを防ぐことができる。また、ローカルルール記憶部108に記憶されたローカルルールに基づき、ローカルルールが適用されたICタグの情報をもとのオリジナル情報に再変換することもできる。これにより、必要な場合には、ICタグの情報を活用することもできる。
【0151】
また、ロボット200が家庭内を自律的に移動するので、家庭内にある物品に付されたICタグの情報を順次書き換えていくことができる。これにより、物品自体を所定の位置に配置したままで、その物品に付されたICタグの情報を書き換えることができる。
【0152】
さらに、ロボット200がユーザと対話する機能を有するので、ユーザとの対話の中でユーザからの指示を受け付けたり、必要な情報を取得することができる。これにより、これにより、ユーザの利便性が図れる。
【0153】
さらに、ロボット200がユーザ等特定の相手を認識できるので、ユーザ認証を容易に行うことができる。
【0154】
以上のように、自律走行可能なロボット200がICタグ管理装置を含む構成とすることにより、ICタグ管理装置の取り扱いが簡単となる。
【0155】
(第四の実施の形態)
本実施の形態において、ロボット200は、第三の実施の形態で説明した機能に加えて、ユーザの問い合わせに対し、ICタグが付された物品の場所をユーザに通知する機能をさらに有する。本実施の形態においても、ロボット200は図8に示したのと同様の外観を有することができ、また図9に示したのと同様の電気的構成を有することができる。
【0156】
図15は、本実施の形態におけるロボット200のコントローラ10を詳細に示すブロック図である。コントローラ10は、図10に示した構成に加えて、物体検出部208、物体情報記憶部210、およびマップ情報記憶部212を有する。
【0157】
マップ情報記憶部212は、ロボット200が配置される家の設計図を記憶する。また、図示していないが、ロボット200は、たとえばGPS等の位置管理機能部を有し、自己位置を検知することができる。このように、ロボット200が自己位置を把握することにより、家庭内にある物品に付されたICタグの書き換えを効率よく行うことができる。
【0158】
変換処理部104は、ICタグから読み出したオリジナル情報をローカルルール適用情報に変換する際に、そのICタグに新たに付与するICタグIDと、そのICタグが付された物品情報とを対応づけて物体情報記憶部210に記憶する。
【0159】
本実施の形態において、ロボット200は、たとえばマップ情報記憶部212を参照して、家の中を適宜巡回する。ロボット200は、巡回時に物品に付されたICタグを検出すると、そのICタグが付された物品が配置された位置情報を取得し、位置情報をそのICタグの識別情報に対応づけて、物体情報記憶部210に記憶する。
【0160】
図16は、物体情報記憶部210の内部構成の一例を示す図である。
物体情報記憶部210は、ICタグID欄と、物品情報欄と、追記情報欄と、位置情報欄とを有する。
ここで、たとえばICタグIDが「abc1」のICタグが付された物品の物品情報は「指輪、ルビー、金」であり、追記情報が「主人からのプレゼント」である。また、その物品の位置は「寝室」となっている。また、たとえばICタグIDが「abc3」のICタグが付された物品の物品情報は「本、××○○、×○著」であり、追記情報および位置情報は空欄となっている。
【0161】
図17は、ユーザが物品の置き場所を探している場合に、ロボット200がその物品の位置を検出する処理手順を示すフローチャートである。
【0162】
ユーザから物品の検出指示があると(S300のYES)、ユーザ認証部116は、ユーザを認証する(S302)。ユーザが認証された場合(S302のYES)、センサ入力処理部206は、物品のキーワードを取得する(S304)。物体検出部208は、物体情報記憶部210を参照して、物品のキーワードに基づき検出対象の物品が特定できたか否かを判断する(S306)。物品が特定できない場合(S306のNO)、ユーザに物品の詳細な特徴を問い合わせる等してキーワードをさらに取得する。また、このとき、いくつか候補がある場合は、たとえば候補の物品の写真を表示部に提示する等して、ユーザに選択させることもできる。ステップS306において、検出対象の物品が特定できた場合(S306のYES)、物体検出部208は、物体情報記憶部210を参照して、その物品の位置情報が記憶されているか否かを判断する(S308)。その物品の位置情報が記憶されている場合(S308のYES)、ロボット200は、その位置に移動し、その周辺にある物品に付されているICタグ情報を順次読み取り、目的の物品を検出する処理を行う(S312)。物品が検出された場合(S312のYES)、ロボット200は、ユーザに通知する。また、ステップS308において、位置情報が記憶されている場合、ロボット200は、その場所に移動する前に、「○○にあるみたいだよ」等の情報をユーザに通知することもできる。また、このとき、マップ情報に目的の物品の位置を表示させることもできる。
【0163】
ステップS312において、物品が検出されない場合は、ロボット200は、家の中を巡回して目的の物品を検出する処理を行う(S314)。この際、ロボット200は、物品のキーワード等に基づき、その物品が配置されている可能性の高い領域を優先的に巡回することができる。また、ロボット200は、検出指示を行ったユーザ以外の人物を検出した場合、その人物に問いかけて探すこともできる。ロボット200は、目的の物品を検出するまで巡回作業を行う。
【0164】
ステップS302において、ユーザが認証されなかった場合は、エラー通知を行う(S318)。ここで、たとえばユーザが認証できない場合や、画像認識の結果、家族のいずれでもない場合等は、警報を発するようにすることもできる。これにより、泥棒等の侵入を家族に伝えることができ、盗難を未然に防ぐこともできる。
【0165】
以下、具体例をあげて説明する。
たとえば、ユーザが「ルビーの指輪、どこに行ったの?」とロボット200に問いかけると、ロボット200は、物品の検出指示があったと判断し(S300のYES)、ユーザを認証する(S302)。ユーザが認証されると(S302のYES)、物体検出部208は、「ルビー」、「指輪」をキーとして、物体情報記憶部210を参照して、その物品を特定する。図16に示した例では、これらのキーから、ユーザが探している物品に付されたICタグのIDが「abc1」であると想定できるので、物体検出部208は、この物品の位置情報が「寝室」であることを検出する(S308のYES)。このとき、ロボット200は、「寝室にあるんじゃない?探してくる」等の音声を出力し、寝室へ移動する(S310)。ロボット200は、寝室内で種々の物品に付されたICタグからIDを読み出し、IDが「abc1」のICタグを検出する処理を行う。このICタグが見つかると(S312)、ロボット200は、「あったよ〜」等の音声を出力し、ユーザに目的の物品の位置を通知する。また、このとき、ロボット200は、ユーザがいる場所に移動し、「寝室にあったよ」等の音声を出力することもできる。また、このとき、マップ情報に目的の物品の位置を表示させることもできる。
【0166】
ステップS306において、たとえばユーザがルビーの指輪を複数有していて、それらそれぞれについて物体情報記憶部210に記憶されている場合、ロボット200は、検出対象の物品を特定するために、ユーザにさらなる物品の特徴を問い合わせる。たとえば、ロボット200は、「ルビーの指輪は二つあるけど、探してる指輪は誰にもらったもの?」等の問いかけを行う。ここで、ユーザが「主人にもらったの」等の応答をすると、その情報に基づき、検出対象の物品を絞り込む。また、それらのキーワードで絞り込みができない場合、ロボット200は、図示しない表示部に物品の写真等を表示するとともに、「探しているのはこれですか?」等の問い合わせを行い、ユーザに決定させることができる。
【0167】
本実施の形態におけるロボット200によっても、第三の実施の形態におけるロボット200と同様の効果が得られる。また、本実施の形態において、ロボット200が自己位置を把握することにより、家庭内にある物品に付されたICタグの書き換えを効率よく行うことができる。
【0168】
以上の第一〜第四の実施の形態で説明したICタグ管理装置、およびロボットのコントローラの各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インターフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。実施の形態で説明した各図は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
【0169】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0170】
ローカルルール記憶部108において、ユーザの識別情報とそのユーザの所有物に付されたICタグに適用するローカルルールとを対応づけて記憶することもできる。変換処理部104は、情報読出部102がICタグから読み出した追記情報等に基づき、そのICタグが付された物品の所有者を把握し、その所有者に対応づけられたローカルルールをそのICタグに適用することができる。また、たとえば所有者が不明な場合、変換処理部104は、家族全員に共通のローカルルールを適用するようにすることもできる。この場合、ICタグ管理装置は対応記憶部を有しない構成とすることもでき、あるユーザからローカルルール適用情報の再変換指示があった場合、変換処理部104は、ユーザの識別情報に基づき、再変換時に用いるローカルルールを選別することができる。
【0171】
また、以上の実施の形態においては、対応記憶部110にICタグの識別情報とそのICタグに適用したローカルルールを示す情報とを対応づけて記憶する例を説明したが、ICタグ管理装置は、対応記憶部110を有しない構成とすることもでき、ICタグにそのICタグに適用したローカルルールを示す情報を記憶しておくこともできる。ここで、ローカルルールを示す情報とは、ローカルルールに割り振られた識別情報のようなものであり、それ自体ではICタグのローカルルール適用情報を再変換することのできない情報である。
【0172】
また、以上の実施の形態において、ローカルルールが適用されたICタグの情報を再変換する際にユーザ認証を行い、ユーザが認証された場合のみ再変換処理を行う例を示したが、オリジナルルールが記憶されたICタグにローカルルールを適用する際にも、ユーザが認証された場合にのみ変換処理が行われるようにすることもできる。これにより、他人が家庭等に入り込んで勝手にICタグの情報を書き換えてしまうのを防ぐことができる。
【0173】
また、以上の実施の形態においては、ICタグ管理装置がローカルルール記憶部108、対応記憶部110、ユーザ情報記憶部118、条件記憶部120、物体情報記憶部210、マップ情報記憶部212等の記憶部は、ICタグ管理装置本体とは別のサーバ等に設けられていてもよく、この場合、ICタグ管理装置は、有線または無線のネットワークを介して、サーバから必要な情報を取得するように構成することができる。
【0174】
また、情報書込部106がICタグにローカルルール適用情報を書き込む際に、もともとICタグに記憶されていたオリジナル情報をバックアップとしてICタグ管理装置内の記憶部に記憶しておくこともできる。この場合、オリジナル情報は、ICタグの識別情報に対応付けて記憶される。これにより、後に何らかの事情でICタグに記憶された情報を読み出したり再変換することができない場合でも、オリジナル情報を活用することができる。
【0175】
ICタグ管理装置は、ICタグにローカルルールを適用して情報を書き換える際に、そのICタグが付された物品の画像を取得して、ICタグ管理装置内の記憶部に記憶しておくことができる。これにより、たとえば第四の実施の形態で説明したように、ユーザが物品の場所を探している場合に、ユーザに画像を提示することにより、目的の物品を精度よく特定させることができ、迅速に目的の物品を見つけることができる。
【0176】
なお、第三の実施の形態および第四の実施の形態で説明したロボット200の形状は、図8に示したものに限定されず、種々の形状とすることができる。たとえば、ロボット200にICタグ取り外しおよび取り付け用のアームを設けることもできる。ロボット200は、ICタグのオリジナル情報を消去できない場合は、そのICタグからオリジナル情報を読み出した後に物品からICタグを取り外し、新たな書き込み可能なICタグを物品に取り付けてローカルルールを適用した情報をそのICタグに書き込むようにすることもできる。
【0177】
また、第三の実施の形態や第四の実施の形態で説明したロボット200をたとえば家庭等に複数台配置することもできる。この場合、複数のロボット200は、それぞれ、情報の読み取り可能範囲や周波数帯が異なる情報読出部102を有する構成とすることができる。これにより、たとえば情報の読み取り範囲が広い情報読出部102を有するロボット200を部屋の中心に配置して、ICタグが付された新たな物品が部屋の中に持ち込まれたときに、他方のロボット200に通知を行い、他方のロボット200が新たな物品の近くに移動して、ICタグの情報を書き換えるようにすることもできる。
【0178】
また、一台のICタグ管理装置やロボットに情報の読み取り可能範囲や周波数帯が異なる複数の情報読出部102を設けた構成とすることもできる。
【0179】
なお、以上の実施の形態においては、家庭内に配置されたICタグ管理装置100、ICタグ管理装置130またはロボット200を例として示したが、本発明は、これらがたとえば会社や店舗に配置される場合にも適用することができる。たとえば、会社内において、物品に付されたICタグの情報をローカルルール適用情報に書き換えることにより、産業スパイによる資産の把握や泥棒による貴重品の盗難を防ぐことができる。また、たとえば小売店等の店舗において、物品に付されたICタグの情報をローカルルール適用情報に書き換えることにより、競合他店による商品の情報収集等を防御することができる。
【0180】
図18は、ある店舗でICタグが付された商品を購入した人が、その商品を自宅に持ち帰る場合のICタグの情報の書き換え状態を模式的に示す図である。
【0181】
まず、オリジナル情報(グローバルID:所定の規格で定められたコード情報等)が記憶されたICタグが付された商品が店舗に持ち込まれると、店舗内で、店舗のローカルルールを適用してICタグの情報を書き換える。つづいて、顧客が商品を購入すると、たとえばレジでICタグの情報がオリジナル情報に再変換される。その後、顧客がその商品を自宅に持ち帰ると、その家の中で、その家のローカルルールを適用して、ICタグの情報を書き換える。また、持ち歩き時にオリジナル情報が記憶されたままだと、他人に情報を読み取られる可能性もあるため、顧客は、携帯型のICタグ管理装置100等を保持して、レジでICタグの情報がオリジナル情報に再変換された直後に、自分のローカルルールに基づき、ICタグの情報を書き換えることもできる。
【0182】
本発明のICタグ管理装置によれば、ICタグの情報がローカルルールが適用されたものである場合は、ユーザ認証を行った後しかその情報をオリジナル情報に再変換することができない。そのため、ICタグの情報をローカルルール適用情報に書き換えておくことにより、他人に勝手にICタグの情報を書き換えられることを防ぐこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】実施の形態におけるICタグ管理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】条件記憶部の内部構成の一例を示す図である。
【図3】実施の形態におけるICタグ管理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図3のS124に示した再変換処理を詳細に示すフローチャートである。
【図5】実施の形態におけるICタグ管理装置の構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態におけるICタグ管理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図6のS172に示した再変換処理を詳細に示すフローチャートである。
【図8】実施の形態におけるロボットの一例を示す外観構成図である。
【図9】ロボットの電気的構成の一例を示すブロック図である。
【図10】図9に示したロボットのコントローラを詳細に示すブロック図である。
【図11】実施の形態におけるロボットのコントローラの処理手順の他の例を示すフローチャートである。
【図12】図11に示した処理における対応記憶部の内部構成の一例を示す図である。
【図13】実施の形態におけるロボットのコントローラの処理手順の他の例を示す図である。
【図14】ローカルルールが適用されたICタグをコントローラが初期化する手順を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態におけるロボットのコントローラを詳細に示すブロック図である。
【図16】物体情報記憶部の内部構成の一例を示す図である。
【図17】ユーザが物品の置き場所を探している場合に、ロボットがその物品の位置を検出する処理手順を示すフローチャートである。
【図18】ある店舗でICタグが付された商品を購入した人が、その商品を自宅に持ち帰る場合のICタグの情報の書き換え状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0184】
100 ICタグ管理装置
102 情報読出部
104 変換処理部
106 情報書込部
108 ローカルルール記憶部
110 対応記憶部
112 制御部
114 出力処理部
116 ユーザ認証部
118 ユーザ情報記憶部
120 条件記憶部
122 通信制御部
124 指示受付部
130 ICタグ管理装置
150 ネットワーク
200 ロボット
202 ロボット言動データベース
204 メカ制御部
206 センサ入力処理部
208 物体検出部
210 物体情報記憶部
212 マップ情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に付されたICタグからオリジナル情報を読み出す読出部と、
前記読出部が読み出した前記オリジナル情報を所定のローカルルールに基づき、ローカルルール適用情報に変換する変換処理部と、
前記ローカルルール適用情報により、前記ICタグの前記オリジナル情報を書き換える書込処理部と、
を含むことを特徴とするICタグ管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のICタグ管理装置において、
前記ICタグの識別情報と、当該ICタグに適用したローカルルールを示す情報とを対応づけて記憶する対応記憶部をさらに含むことを特徴とするICタグ管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載のICタグ管理装置において、
前記ICタグへ書き込む追加情報を取得する追加情報取得部をさらに含み、
前記変換処理部は、前記対応記憶部を参照して、前記追加情報取得部が取得した追加情報を当該ICタグに適用された前記ローカルルールに基づき変換し、
前記書込処理部は、前記変換処理部により変換された前記追加情報を前記ICタグに書き込むことを特徴とするICタグ管理装置。
【請求項4】
請求項3に記載のICタグ管理装置において、
前記書込処理部は、前記変換処理部により変換された前記追加情報を、当該追加情報が追加されたものであることを示す情報とともに前記ICタグに書き込むことを特徴とするICタグ管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載のICタグ管理装置において、
ユーザを認証する認証処理部と、
前記認証処理部により認証されたユーザから、前記ローカルルールが適用された前記ICタグを初期化する初期化指示を受け付ける初期化受付部と、
をさらに含み、
前記変換処理部は、前記初期化受付部が前記初期化指示を受け付けると、前記対応記憶部を参照して、前記ICタグの前記ローカルルール適用情報を前記オリジナル情報に再変換し、
前記書込処理部は、前記変換処理部が再変換した前記オリジナル情報により、前記ICタグの前記ローカルルール適用情報を書き換えるとともに、前記追加情報を消去することを特徴とするICタグ管理装置。
【請求項6】
請求項2乃至4いずれかに記載のICタグ管理装置において、
ユーザを認証する認証処理部をさらに含み、
前記変換処理部は、前記認証処理部により認証されたユーザの指示に基づき、前記対応記憶部を参照して、前記ローカルルールが適用された前記ICタグに記憶された情報を、当該ICタグに適用された前記ローカルルールに基づき再変換することを特徴とするICタグ管理装置。
【請求項7】
請求項6に記載のICタグ管理装置において、
前記変換処理部が再変換した情報を出力する出力処理部をさらに含むことを特徴とするICタグ管理装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載のICタグ管理装置において、
前記書込記憶部は、前記変換処理部が再変換した情報で、前記ICタグを書き換えることを特徴とするICタグ管理装置。
【請求項9】
請求項1乃至4いずれかに記載のICタグ管理装置において、
前記ICタグの識別情報と、当該ICタグが付された物品に関するキーワードとを対応づけて記憶する物品情報記憶部と、
ユーザを認証する認証処理部と、
前記認証処理部により認証されたユーザから、検出対象の物品のキーワードを取得するキーワード取得部と、
前記キーワード取得部が取得したキーワードに基づき、前記物品情報記憶部を参照して、前記検出対象の物品を検出する処理を行う検出処理部と、
をさらに含むことを特徴とするICタグ管理装置。
【請求項10】
請求項9に記載のICタグ管理装置において、
前記物品情報記憶部は、前記ICタグの識別情報に対応づけて、前記物品の位置情報も記憶し、
前記検出処理部は、前記物品の位置情報も考慮して、前記検出対象の物品を検出する処理を行うことを特徴とするICタグ管理装置。
【請求項11】
請求項5乃至10いずれかに記載のICタグ管理装置において、
画像取得部と、
ユーザの顔画像データを記憶するユーザ情報記憶部と、
をさらに含み、
前記認証処理部は、前記画像取得部が取得した画像データと、前記ユーザ情報記憶部に記憶された顔画像データとに基づき、ユーザを認証することを特徴とするICタグ管理装置。
【請求項12】
請求項1乃至11いずれかに記載のICタグ管理装置において、
前記オリジナル情報を前記ローカルルール適用情報に書き換えるための物品の条件を記憶する条件記憶部をさらに含み、
前記変換処理部は、前記読出部が読み出した前記オリジナル情報に基づき、当該オリジナル情報を前記ローカルルール適用情報に書き換えるか否かを判断し、書き換えると判断した場合に、当該オリジナル情報を前記ローカルルール適用情報に書き換えることを特徴とするICタグ管理装置。
【請求項13】
請求項1乃至12いずれかに記載のICタグ管理装置において、
ユーザの音声を認識し、ユーザからの指示を音声で受け付ける音声認識部と、
音声を出力する音声出力部と、
をさらに含むことを特徴とするICタグ管理装置。
【請求項14】
請求項1乃至12いずれかに記載のICタグ管理装置と、
前記ICタグ管理装置を移動させる移動部と、
前記移動部を制御する動作制御部と、
を含み、自律移動することを特徴とするロボット。
【請求項15】
請求項14に記載のロボットにおいて、
自己位置を取得する位置情報取得部をさらに含み、
前記動作制御部は、前記位置情報取得部が取得した自己位置に基づき、前記移動部を制御することを特徴とするロボット。
【請求項16】
請求項1乃至12いずれかに記載のICタグ管理装置を含むことを特徴とするロボット。
【請求項17】
請求項14乃至16いずれかに記載のロボットにおいて、
ユーザの音声を認識し、ユーザからの指示を音声で受け付ける音声認識部と、
前記ユーザの音声に対応する動作を決定する動作決定部と、
前記動作決定部の決定に基づき、音声を出力する音声出力部と、
をさらに含むことを特徴とするロボット。
【請求項18】
物品に付されたICタグからオリジナル情報を読み出す工程と、
前記オリジナル情報を読み出す工程において読み出した前記オリジナル情報を所定のローカルルールに基づき、ローカルルール適用情報に変換する工程と、
前記ローカルルール適用情報により、前記ICタグの前記オリジナル情報を書き換える工程と、
を含むことを特徴とするICタグ管理方法。
【請求項19】
コンピュータを、
物品に付されたICタグからオリジナル情報を読み出す読出手段、
前記読出手段が読み出した前記オリジナル情報を所定のローカルルールに基づき、ローカルルール適用情報に変換する変換手段、
前記ローカルルール適用情報により、前記ICタグの前記オリジナル情報を書き換える書込手段、
として機能させることを特徴とするICタグ管理プログラム。
【請求項20】
移動手段を有するロボットに含まれるコンピュータを、
物品に付されたICタグからオリジナル情報を読み出す読出手段、
前記読出手段が読み出した前記オリジナル情報を所定のローカルルールに基づき、ローカルルール適用情報に変換する変換手段、
前記ローカルルール適用情報により、前記ICタグの前記オリジナル情報を書き換える書込手段、
前記移動手段を制御する動作制御手段、
として機能させ、前記ロボットを自律移動させることを特徴とするロボット制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−79217(P2006−79217A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260244(P2004−260244)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】