説明

III族窒化物半導体発光素子

【課題】光取り出し効率を向上させること。
【解決手段】平面視においてn電極17の配線状部17Bおよび、p電極18の配線状部18Bに重なる領域には、p型層13表面からn型層11に達する深さの溝14が設けられている。溝14の側面、底面、p型層13上、ITO電極15上に連続して、絶縁膜16が設けられている。絶縁膜16中であって、n電極17、p電極18の下側(サファイア基板10側)にあたる領域には、反射膜19が形成されている。そのうち、n電極17の配線状部17B、p電極18の配線状部18Bの下側にあたる領域の反射膜19は、発光層12よりも下側に位置している。n電極17、p電極18上は、絶縁膜22によって覆われている。絶縁膜22中であって、配線状部17B、18Bの上部にあたる領域には、反射膜23が埋め込まれている。反射膜23は、発光層12よりも下側に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子に関し、絶縁膜中に反射膜を設けて光取り出し効率を向上させたものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2のように、絶縁膜中に反射膜を設けたフリップチップ型のIII 族窒化物半導体発光素子が知られている。反射膜を絶縁膜で囲って電気的に絶縁することで、反射膜のマイグレーションを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−340514号公報
【特許文献2】特開2005−302747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2に示された構造のIII 族窒化物半導体発光素子はフリップチップ型であるが、これをフェイスアップ型の素子にも応用し、光取り出し効率の向上を図ることが考えられる。つまり、n電極、p電極の下部(サファイア基板側)に絶縁膜に囲まれた反射膜を設け、n電極、p電極に向かう光を反射膜によって反射させ、n電極、p電極による光吸収を阻害することで、光取り出し効率の向上を図る構造である。
【0005】
しかし、発明者らがそのような構造のフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子について検討したところ、反射膜によって反射された光が発光層に吸収されてしまったり、素子を封止する封止樹脂によって反射された光がn電極やp電極の配線状部に吸収されてしまい、光取り出し効率が十分に向上しないことがわかった。
【0006】
そこで本発明は、n電極、p電極の下部に絶縁膜に囲まれた反射膜を設けたフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子の光取り出し効率の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、成長基板上にn型層、発光層、p型層が順に積層され、ボンディング部と配線状部とを有したn電極およびp電極を有し、n電極およびp電極が第1の絶縁膜上に形成され、n電極およびp電極上はボンディング部以外の領域が第2の絶縁膜に覆われたフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子において、n電極およびp電極の下部にあたる領域の第1の絶縁膜中に、配線状部よりも発光波長における反射率の高い材料からなる反射膜を設け、n電極側の配線状部の下部とp電極側の配線状部の下部の少なくとも一方に当たる領域は、p型層表面からn型層に至る深さの溝が形成され、溝が形成された側の配線状部の下部にあたる領域の反射膜は、発光層よりも下部に位置する、ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
【0008】
第2の発明は、成長基板上にn型層、発光層、p型層が順に積層され、ボンディング部と配線状部とを有したn電極およびp電極を有し、n電極およびp電極が第1の絶縁膜上に形成され、n電極およびp電極上はボンディング部以外の領域が第2の絶縁膜に覆われたフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子において、n電極の配線状部の上部およびp電極の配線状部の上部にあたる領域の第2の絶縁膜中に、配線状部よりも発光波長における反射率の高い材料からなる反射膜を設け、n電極側の配線状部の下部とp電極側の配線状部の下部の少なくとも一方に当たる領域は、p型層表面からn型層に至る深さの溝が形成され、溝が形成された側の配線状部の上部にあたる領域の反射膜は、発光層よりも下部に位置する、ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
【0009】
第3の発明は、成長基板上にn型層、発光層、p型層が順に積層され、ボンディング部と配線状部とを有したn電極およびp電極を有し、n電極およびp電極が第1の絶縁膜上に形成され、n電極およびp電極上はボンディング部以外の領域が第2の絶縁膜に覆われたフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子において、n電極およびp電極の下部にあたる領域の第1の絶縁膜中と、n電極の配線状部の上部およびp電極の配線状部の上部にあたる領域の第2の絶縁膜中に、配線状部よりも発光波長における反射率の高い材料からなる反射膜を設け、n電極側の配線状部の下部とp電極側の配線状部の下部の少なくとも一方に当たる領域は、p型層表面からn型層に至る深さの溝が形成され、溝が形成された側の配線状部の上部および下部にあたる領域の反射膜は、発光層よりも下部に位置する、ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
【0010】
第6の発明は、成長基板上にn型層、発光層、p型層が順に積層され、ボンディング部と配線状部とを有したn電極およびp電極を有し、n電極およびp電極が第1の絶縁膜上に形成されたフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子において、n電極側の配線状部の下部とp電極側の配線状部の下部の少なくとも一方に当たる領域は、p型層表面からn型層に至る深さの溝が形成され、溝により、配線状部が発光層よりも下部に位置し、n電極およびp電極は、Ag、Al、Ag合金、またはAl合金からなる、ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
【0011】
第1〜3の発明、および第6の発明において、「下部」とは、より成長基板側に近い位置、領域であることを意味する。また、「上部」とは、より成長基板側から離れた位置、領域であることを意味する。
【0012】
反射膜は単層であってもよいし多層であってもよい。また、絶縁膜との密着性を向上させるために、絶縁膜と反射膜との間にTiなどの膜を設けてもよい。反射膜の材料には、Al、Ag、Al合金、Ag合金、誘電体多層膜などを用いることができる。
【0013】
n電極の配線状部とn型層との接続は、n型層上に設けた中間電極を介してもよい。また、p電極の配線状部とp型層上のITO電極との接続は、ITO電極上に設けた中間電極を介してもよい。
【0014】
溝は、n電極のボンディング部の下部、あるいはp電極のボンディング部の下部にあたる領域にも設けてもよい。ただしこの場合、ワイヤの取付が難しくなる場合がある。
【0015】
n電極の配線状部の下部およびp電極の配線状部の下部にあたる領域の反射膜は、n型層またはp型層上に直接接触させて設けてもよい。
【0016】
第4の発明は、第1の発明または第3の発明において、配線状部の下部に位置する反射膜は、溝の底面に露出したn型層上に直接接して設けられている、ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
【0017】
第5の発明は、第1の発明から第4の発明において、反射膜は、Ag、Al、Ag合金、Al合金、または誘電体多層膜からなることを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
【0018】
第7の発明は、第1の発明から第6の発明において、溝は、n電極側の配線状部の下部にあたる領域に設けられる、ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
【0019】
第8の発明は、第1の発明から第7の発明において、溝は、n電極側の配線状部の下部とp電極側の配線状部の下部の両方に設けられる、ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、反射膜により反射された光がn電極、p電極の配線状部や発光層に吸収されてしまうことが減少する。また、素子面に平行な面に伝搬する光が溝の側面から取り出されやすくなる。そのため、光取り出し効率が向上する。
【0021】
また、第5の発明のように、反射膜としてAg、Al、Ag合金、Al合金、または誘電体多層膜を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図。
【図2】実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子を上方から見た平面図。
【図3】実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の製造工程を示した図。
【図4】実施例2のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図。
【図5】実施例3のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図。
【図6】実施例4のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図。
【図7】他の実施例のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図。
【図8】実施例5のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図。
【図9】他の実施例のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図。
【図10】他の実施例のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図。
【図11】他の実施例のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図。
【図12】他の実施例のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図。
【図13】他の実施例のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0024】
図1は、実施例1のフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した図である。また、図2は、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子を上方からみた図である。図2におけるA−Aでの断面が、図1に対応している。
【0025】
図2のように、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子は、平面視で矩形であり、n電極17、p電極18を有している。n電極17は、それぞれボンディング部17Aと、ボンディング部17Aに連続する配線状部17Bを有している。また、p電極18も同様にボンディング部18Aと配線状部18Bを有している。ボンディング部17A、18Aは、ボンディングワイヤが接続される領域であり、ボンディングワイヤを介してn電極17、p電極18に電圧が印加される。配線状部17B、18Bは、素子面方向に線状に延びる配線状の構造であり、これにより素子面方向への電流拡散性を向上させている。
【0026】
また、図1のように、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子は、サファイア基板10を有し、サファイア基板10上にはIII 族窒化物半導体からなるn型層11、発光層12、p型層13が順に積層されている。これらn型層11、発光層12、p型層13は、従来知られた任意の構成でよい。n型層11は、たとえばサファイア基板11側から順に、nコンタクト層、ESD層、nクラッド層で構成される。発光層12は、たとえばMQW構造であり、InGaNからなる井戸層とGaNからなる障壁層とが繰り返し積層された構造である。p型層13は、たとえば発光層12側から順に、pクラッド層、pコンタクト層で構成される。p型層13上の所定領域にはITO電極15が形成されている。ITO電極15以外にも、III 族窒化物半導体発光素子の発光波長に対して光透過性を有する任意の材料からなる電極を用いることができる。たとえば、ICO(酸化インジウムセリウム)、IZO(酸化インジウム亜鉛)などの導電性透明酸化物や、Auなどの金属薄膜である。また、平面視においてn電極17の配線状部17Bおよび、p電極18の配線状部18Bに重なる領域には、p型層13表面(サファイア基板11側とは反対側の面)からn型層11に達する深さの溝14(n型層11が複数の層により構成されている場合にはnコンタクト層に達する深さ)が設けられている。溝14底面の所定領域には複数のn側中間電極24が設けられ、ITO電極15上の所定領域には複数のp側中間電極25が設けられている。n側中間電極24、p側中間電極25は、たとえばNi/Au/Al(サファイア基板11側から順にNi膜、Au膜、Al膜の3層が積層された構造、記号「/」は積層であることを意味し、A/BはAを成膜したのちBを成膜した積層構造であることを意味する。以下において同じ)などである。
【0027】
溝14の側面、底面、p型層13上、ITO電極15上に連続して、SiO2 からなる絶縁膜16(本発明の第1の絶縁膜に相当する)が設けられている。絶縁膜16には、SiO2 以外にもSi3 4 、Al2 3 、TiO2 、などのIII 族窒化物半導体発光素子の発光波長に対して透光性を有した絶縁材料を用いることができる。絶縁膜16中であって、n電極17、p電極18の下側(サファイア基板10側、以下において「下側」は同様の意味である、また「上側」はサファイア基板10側とは反対側を意味する)にあたる領域には、反射膜19が形成されている。このように反射膜19は絶縁膜16に囲まれることで電気的に絶縁されるため、マイグレーションが防止される。そのうち、n電極17の配線状部17B、p電極18の配線状部18Bの下側にあたる領域の反射膜19は、溝14が存在することにより発光層12よりも下側に位置している。一方、n電極17のボンディング部17A、p電極18のボンディング部18Aの下側にあたる領域の反射膜19はp型層13の上部(その位置・領域よりもサファイア基板11から遠い位置・領域、以下において「上部」は同様の意味である)に位置する。
【0028】
反射膜19は、Al、Ag、Al合金、Ag合金など、n電極17、p電極18よりも反射率の高い材料からなる。反射膜19は単層であってもよいし多層であってもよい。多層とする場合、たとえばAl合金/Ti、Ag合金/Al、Ag合金/Ti、Al/Ag/Al、Ag合金/Niなどを用いることができる。反射膜19と絶縁膜16との密着性の向上を図るために、Ti、Cr、Alなどの薄膜を反射膜19と絶縁膜16と間に設けてもよい。また、反射膜19として、誘電体多層膜を用いてもよい。誘電体多層膜は、低屈折率材料からなる膜と、高屈折率材料からなる膜が交互に複数ペア積層され、それぞれの膜の厚さdが、狙いの波長(実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の発光波長)をλ、その膜の屈折率をnとして、d=λ/(4*n)に設計された多層膜である。低屈折率材料としては、SiO2 (屈折率およそ1.46)、MgF2 (屈折率およそ1.38)、などを用いることができ、高屈折率材料としては、SiN(屈折率およそ2.0)、TiO2 (屈折率およそ2.3)、ZrO2 (屈折率およそ2.05)、Ta2 5 (屈折率およそ2.16)、などを用いることができる。誘電体多層膜の反射率を向上させるために、低屈折率材料と高屈折率材料の屈折率差は大きいほど望ましい。誘電体多層膜のペア数は多いほど望ましく、9ペア以上とすることが望ましい。ただし、ペア数が多すぎると誘電体多層膜の総膜厚が大きくなり、製造工程で不具合を生じるため、30ペア以下とするのが望ましい。具体的な誘電体多層膜の例として、たとえば、厚さ78nmのSiO2 と厚さ56nmのSiNを交互に12ペア積層させたものや、厚さ78nmのSiO2 と厚さ45nmのTiO2 を交互に12ペア積層させたものを挙げることができる。
【0029】
絶縁膜16上には、ボンディング部17Aと配線状部17Bとを有したn電極17、および、ボンディング部18Aと配線状部18Bとを有したp電極18が形成されている。n電極17、p電極18は、たとえばTi/Ni/Au/Alからなる。配線状部17Bと配線状部18Bは、溝14の存在のために、発光層12よりも下側に位置する。一方ボンディング部17A、ボンディング部18Aは、p型層13の上部に絶縁膜16を介して位置する。絶縁膜16には、n側中間電極24、p側中間電極25を露出させる孔20、21が設けられている。そして、この孔20を介してn電極17の配線状部17Bとn側中間電極24とが接続し、p電極18の配線状部18Bとp側中間電極25とが接続されている。n側中間電極24は、n型層11とn電極17のコンタクトを良好とするために設けるものであり、p側中間電極25は、ITO電極15とp電極18のコンタクトを良好とするために設けるものである。
【0030】
n電極17、p電極18上は、ボンディング部17A、18Aを除いて、SiO2 からなる絶縁膜22(本発明の第2の絶縁膜に相当する)によって覆われている。絶縁膜22には、SiO2 以外にもSi3 4 、Al2 3 、TiO2 、などのIII 族窒化物半導体発光素子の発光波長に対して透光性を有した絶縁材料を用いることができる。絶縁膜22中であって、配線状部17B、18Bの上部にあたる領域には、反射膜23が埋め込まれている。反射膜19と同様に、絶縁膜22に囲まれることで電気的に絶縁されるため、マイグレーションが防止される。また、この反射膜23は、溝14が存在することにより発光層12よりも下側に位置している。
【0031】
反射膜23は、Al、Ag、Al合金、Ag合金など、n電極17、p電極18よりも反射率の高い材料からなる。反射膜19とは異なる材料であってもよいし、同一の材料であってもよい。反射膜23は単層であってもよいし多層であってもよい。多層とする場合、たとえばAl合金/Ti、Ag合金/Al、Ag合金/Ti、Al/Ag/Al、Ag合金/Niなどを用いることができる。反射膜23と絶縁膜22との密着性の向上を図るために、Ti、Cr、Alなどの薄膜を反射膜19と絶縁膜16との間に設けてもよい。また、反射膜23には、反射膜19と同様に、誘電体多層膜を用いてもよい。
【0032】
図2において、斜線部は平面視において反射膜19、23が形成されている領域を示し、右下がり斜線で示した斜線部30は、平面視で反射膜19のみが形成されている領域で、n電極17のボンディング部17Aおよびp電極18のボンディング部18Aの下部(その位置・領域よりもサファイア基板11側に近い位置・領域、以下において「下部」は同様の意味である)にあたる領域である。また、右上がり斜線で示した斜線部40は、平面視で反射膜19と反射膜23が重なる領域であり、n電極17の配線状部17Bおよびp電極18の配線状部18Bの下部にあたる領域に反射膜19が、上部にあたる領域に反射膜23が位置する。
【0033】
この実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子は、素子の上方、つまりn電極17、p電極18側から光を取り出すフェイスアップ型の素子であり、n電極17、p電極18の下部に絶縁膜16中に埋め込まれた反射膜19、絶縁膜22中に埋め込まれた23を配置することで、n電極17、p電極18による光の吸収を阻害し、光取り出し効率が高められている。ここで、n電極17の配線状部17B、p電極18の配線状部18Bの下側にあたる領域の反射膜19と、上側にあたる領域の反射膜23が、共に発光層12よりも下側に位置している。そのため、反射膜19、23によって反射された光が、発光層12側へと向かうことが少なくなり、発光層12によって吸収されてしまうことが抑制され、配線状部17B、18Bの下側からの光は、絶縁膜16とn型層11との屈折率差によって反射され、配線状部17B、18Bでの光の吸収が抑制される。また、素子を封止樹脂によって封止した場合に、封止樹脂によって反射されてn電極17の配線状部17B、p電極18の配線状部18B側に戻ってきた光は、反射膜23によって反射されるため、配線状部17B、18Bによって光が吸収されてしまうことがない。また、素子面(サファイア基板10の主面に平行な面)に平行な方向に伝搬する光は、溝14の側面から素子外部へと放射されやすくなる。これらの理由により、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子は光取り出し効率が向上されている。
【0034】
次に、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の製造工程について説明する。
【0035】
まず、サファイア基板10上に、MOCVD法によって、n型層11、発光層12、p型層13を順に形成する。原料ガスには、Ga源としてTMG(トリメチルガリウム)、In源としてTMI(トリメチルインジウム)、Al源としてTMA(トリメチルアルミニウム)、窒素源としてアンモニア、n型ドーピングガスとして、シラン、p型ドーピングガスとしてシクロペンタジエニルマグネシウム、キャリアガスには水素または窒素を用いる。そして、p型層13上の一部領域に、蒸着によって100nmのITO電極15を形成する(図3(a))。
【0036】
次に、p型層13上の所定の領域をドライエッチングして溝を形成し、溝14の底面にn型層11を露出させる(図3(b))。溝14は、後に形成する反射膜が発光層12よりも下側(サファイア基板10側)となるような深さまでエッチングする。また、溝14の深さについては、後に形成する反射膜19、23が発光層12よりも下側となるような深さとする。
【0037】
次に、ITO電極15上の所定の領域、および溝底面に露出したn型層11上の所定領域に、蒸着、リフトオフによってp側中間電極25、n側中間電極24をそれぞれ形成し、その後洗浄して570℃の熱処理を行う(図3(c))。なお、n側中間電極24、p側中間電極25にそれぞれ別の材料を用い、別々に形成してもよい。n側中間電極24とp側中間電極25とで同一の材料を用いれば、それぞれを同時に形成することができるため、製造工程を簡略化することができ、製造コストを低減することができる。
【0038】
次に、上方の全面に、CVD法によって厚さ100nmの第1絶縁膜16aを形成する。そして、第1絶縁膜16a上の所定領域(後に形成されるn電極17、およびp電極18の下部に当たる領域)に、蒸着、リフトオフによって反射膜19を形成する。反射膜19はリフトオフ法以外にエッチングなどによってパターニングしてもよい。このとき、図3(b)の工程のように溝14の深さを設計しているため、n電極17の配線状部17B、およびp電極18の配線状部18Bの下部にあたる領域では、反射膜19は発光層12よりも下側(サファイア基板10側)の位置に形成される。また、n電極17のボンディング部17A、p電極18のボンディング部18Aの下部にあたる領域では、p型層13よりも上部に反射膜19が位置することとなる。そして、第1絶縁膜16a上および反射膜19上に、CVD法によって厚さ100nmの第2絶縁膜16bを形成する。第1絶縁膜16aと第2絶縁膜16bとで一体の絶縁膜16とする。これにより、絶縁膜16中に反射膜19が埋め込まれた構造が形成される(図3(d))。
【0039】
次に、n側中間電極24、p側中間電極25の上部にあたる絶縁膜16をドライエッチングして孔20、21を形成し、孔20、21の底面にn側中間電極24、p側中間電極25を露出させる。そして、絶縁膜16上であって、反射膜19上に当たる領域に、蒸着、リフトオフによってn電極17、p電極18を形成する(図3(e))。これにより、n側中間電極24は孔20を介してn電極17の配線状部17Bと接続され、p側中間電極25は孔21を介してp電極18の配線状部18Bと接続される。ここで、溝14の深さを図3(b)で説明したように設計しているため、n電極17の配線状部17B、およびp電極18の配線状部18Bは、発光層12よりも下側の位置に形成される。また、n電極17のボンディング部17A、p電極18のボンディング部18Aは、p型層13上部の反射膜19よりもさらに上部に絶縁膜16を介して位置することとなる。
【0040】
次に、上方の全面に、CVD法によって厚さ100nmの絶縁膜22を形成する。そして、絶縁膜22上であって、n電極17の配線状部17B、およびp電極18の配線状部18Bの上部にあたる位置に、蒸着、リフトオフによって反射膜23を形成する(図3(f))。反射膜23はリフトオフ法以外にエッチングなどによってパターニングしてもよい。この反射膜23は、溝14の深さを図3(b)で説明したように設計しているため、発光層12よりも下側に位置することとなる。
【0041】
その後、もう一度上方の全面に絶縁膜22を形成して反射膜23を絶縁膜22中に閉じ込め、絶縁膜の、n電極17のボンディング部17Aの上部にあたる領域と、p電極18のボンディング部18Aの上部にあたる領域に、ドライエッチングによって孔を形成し、孔の底面にボンディング部17Aとボンディング部18Aを露出させる。以上によって図1、2に示される実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子が製造される。
【実施例2】
【0042】
図4は、実施例2のフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図である。実施例2のIII 族窒化物半導体発光素子は、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子において、反射膜19に替えて、反射膜119を絶縁膜16を介さずに直接n型層11上、およびp型層13上に設けた構造である。反射膜119が絶縁膜16を介してn電極17の配線状部17B、p電極18の配線状部18Bの下側に位置し、かつ発光層12よりも下側に位置することは反射膜19と同様である。他の構造については実施例1と同様である。
【0043】
実施例2のIII 族窒化物半導体発光素子もまた、実施例1と同様に光取り出し効率が向上されている。つまり、n電極17の配線状部17B、p電極18の配線状部18Bの下側にあたる領域の反射膜119と、上側にあたる領域の反射膜23が、共に発光層12よりも下側に位置している。そのため、反射膜119、23によって反射された光が、発光層12側へと向かうことが少なくなり、発光層12によって吸収されてしまうことが抑制される。また、素子を封止樹脂によって封止した場合に、封止樹脂によって反射されてn電極17の配線状部17B、p電極18の配線状部18B側に戻ってきた光は、反射膜23によって反射されるため、配線状部17B、18Bによって光が吸収されてしまうことがない。また、素子面(サファイア基板10の主面に平行な面)に平行な方向に伝搬する光は、溝14の側面から素子外部へと放射されやすくなる。
【0044】
また、実施例2のIII 族窒化物半導体発光素子の製造工程では、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の製造工程における第1絶縁膜16aの形成工程を省略でき、製造工程をより簡素にすることができる。
【0045】
なお、実施例2では反射膜119が直接n型層11上、p型層13上に設けられるため、反射膜119の材料にはn型層11およびp型層13とオーミック接触しない材料が望ましい。たとえばAlやAl合金である。また、反射膜119は単層であってもよいし複層であってもよい。
【実施例3】
【0046】
図5は、実施例3のフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図である。実施例3のIII 族窒化物半導体発光素子は、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子において、反射膜19を省いた構造である。他の構造については実施例1と同様である。
【0047】
実施例3のIII 族窒化物半導体発光素子もまた、実施例1と同様に光取り出し効率が向上されている。つまり、n電極17の配線状部17B、p電極18の配線状部18Bの上側にあたる領域の反射膜23が、発光層12よりも下側に位置している。そのため、反射膜23によって反射された光が、発光層12側へと向かうことが少なくなり、発光層12によって吸収されてしまうことが抑制される。また、素子を封止樹脂によって封止した場合に、封止樹脂によって反射されてn電極17の配線状部17B、p電極18の配線状部18B側に戻ってきた光は、反射膜23によって反射されるため、配線状部17B、18Bによって光が吸収されてしまうことがない。また、素子面(サファイア基板10の主面に平行な面)に平行な方向に伝搬する光は、溝14の側面から素子外部へと放射されやすくなる。
【0048】
また、実施例3のIII 族窒化物半導体発光素子の製造工程では、反射膜19の形成を省略できるため、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の製造工程に比べて簡略化することができる。
【実施例4】
【0049】
図6は、実施例4のフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図である。実施例4のIII 族窒化物半導体発光素子は、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子において、反射膜23を省いた構造である。他の構造については実施例1と同様である。
【0050】
実施例4のIII 族窒化物半導体発光素子は、以下の理由によって光取り出し効率が向上されている。n電極17の配線状部17B、p電極18の配線状部18Bの下側にあたる領域の反射膜19が、発光層12よりも下側に位置している。そのため、反射膜19によって反射された光が、発光層12側へと向かうことが少なくなり、発光層12によって吸収されてしまうことが抑制される。また、素子面(サファイア基板10の主面に平行な面)に平行な方向に伝搬する光は、溝14の側面から素子外部へと放射されやすくなる。これらの理由により、実施例4のIII 族窒化物半導体発光素子は光取り出し効率が向上されている。
【0051】
また、実施例4のIII 族窒化物半導体発光素子の製造工程では、反射膜23の形成を省略できるため、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の製造工程に比べて簡略化することができる。
【実施例5】
【0052】
図8は、実施例5のフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図である。実施例5のIII 族窒化物半導体発光素子は、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子において、反射膜19、23を省き、n電極17およびp電極18に替えて反射膜19および反射膜23と同様の高反射率で導電性を有した材料からなるn電極117、p電極118としたものである。n電極117、p電極118は、その構成材料が異なる以外はn電極17、p電極18と同様な構造であり、n電極117はボンディング部117Aと配線状部117Bを有し、p電極118はボンディング部118Aと配線状部118Bを有している。高反射率な材料は、III 族窒化物半導体発光素子の発光波長に対して高い反射率を有し、導電性を有した材料であり、Ag、Al、Ag合金、Al合金などの単層や、それらを含む複層である。たとえば、Al合金/Ti/Au/Al、Ag合金/Al、Ag合金/Ti/Au/Al、Al/Ag/Al、Ag合金/Ni/Ti/Au/Alなどである。他の構造については実施例1と同様である。
【0053】
なお、図9のように、n電極117、p電極118のボンディング部117A、118A上には、Au、Ti/Au、またはNi/Ti/Auなどからなる金属層80をさらに積層させてもよい。ボンディングワイヤとのコンタクトをより良好とするためである。また、図10のように、n電極117、p電極118の配線状部117B、118B上に絶縁膜22を形成しなくともよく、配線状部117B、118Bが露出した状態としてもよい。その場合であって、n電極117およびp電極118を複層に構成した場合においては、最上層(サファイア基板10側から最も遠い層)にAlを形成しなくともよい。たとえば、通常、n電極117、p電極118としてAl合金/Ti/Au/AlやAg合金/Ti/Au/Alを用いるところ、最上層のAlを省略してAl合金/Ti/AuやAg合金/Ti/Au、Ag合金/Ni/Ti/Auを用いることができる。
【0054】
実施例5のIII 族窒化物半導体発光素子では、n電極17、p電極18自体を高反射率な材料とすることで、n電極17およびp電極18による光の吸収を阻害し、光取り出し効率を高めている。また、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子では、溝14によりn電極17の配線状部17B、およびp電極18の配線状部18Bが発光層12よりも下側に位置することとなる。また、それら配線状部17B、18Bは、実施例1の反射膜19、反射膜23と同様に高反射率な材料である。そのため、配線状部17B、18Bによって反射された光が、発光層12側へと向かうことが少なくなり、発光層12によって光が吸収されてしまうことが抑制される。また、素子を封止樹脂によって封止した場合に、封止樹脂によって反射されてn電極17、p電極18側に戻ってきた光は、n電極17およびp電極18によって反射されるため、光が吸収されてしまうことがない。また、素子面(サファイア基板10の主面に平行な面)に平行な方向に伝搬する光は、溝14の側面から素子外部へと放射されやすくなる。これらの理由により、実施例5のIII 族窒化物半導体発光素子は光取り出し効率が向上されている。
【0055】
また、実施例5のIII 族窒化物半導体発光素子は、反射膜19および反射膜23の形成を省略することができるため、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子に比べて製造工程を簡略化することができ、製造コストを低減することができる。
【0056】
なお、実施例1〜5では、いずれもn側中間電極24、p側中間電極25を用いて、n型層11とn電極17の配線状部17B、およびITO電極15とp電極18の配線状部18Bとを間接的に接続しているが、n側中間電極24、p側中間電極25を省き、n電極17の配線状部17Bとn型層13、およびp電極18の配線状部18BとITO電極15とを直接に接続させる構造としてもよい。1例として、実施例1の場合において、n側中間電極24、p側中間電極25を省き、n電極17の配線状部17Bとn型層13、およびp電極18の配線状部18BとITO電極15とを直接に接続させたIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図を図11に示す。
【0057】
また、実施例1〜5では、n電極17の配線状部17Bおよび、p電極18の配線状部18Bの下部にあたる領域に溝14を設け、その領域の反射膜19、23が発光層12よりも下側となるようにしたが、n電極17のボンディング部17A、p電極18のボンディング部18Aの一方もしくは双方の下部にあたる領域についても、溝14を設けるようにしてもよい。ただし、この場合ボンディング部17A、18Bの位置が下側になるため、ボンディングワイヤの取り付けが難しくなる場合がある。1例として、実施例1の場合において、n電極17のボンディング部17Aの下部にあたる領域についても、溝14を設けたIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図を図12に示す。図12のように、溝14によりn電極17のボンディング部17Aの位置が図1に示す実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子のn電極17のボンディング部17Aの位置よりも低くなっていることがわかる。
【0058】
また、実施例1〜5において、n電極17の配線状部17Bの下部にあたる領域にのみ溝14を設け、p電極18の配線状部18Bの下部にあたる領域には溝14を設けないようにしてもよい。実施例1〜5に比べて発光層12の占める面積がより多くなるため、発光効率を向上できる場合がある。1例として、実施例1の場合において、n電極17の配線状部17Bの下部にあたる領域にのみ溝14を設け、p電極18の配線状部18Bの下部にあたる領域には溝14を設けないようにしたIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図を図7に示す。また、他の1例として、実施例5の場合において、n電極17の配線状部17Bの下部にあたる領域にのみ溝14を設け、p電極18の配線状部18Bの下部にあたる領域には溝14を設けないようにしたIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図を図13に示す。
【0059】
また逆に、p電極18の配線状部18Bの下部にあたる領域にのみ溝14を設け、n電極17の配線状部17Bの下部にあたる領域には溝14を設けないようにしてもよい。同様に、実施例1〜5に比べて発光層12の占める面積がより多くなるため、発光効率を向上できる場合がある。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、照明装置や表示装置の光源として利用することができる。
【符号の説明】
【0061】
10:サファイア基板
11:n型層
12:発光層
13:p型層
14:溝
15:ITO電極
16、22:絶縁膜
17、117:n電極
18、118:p電極
17A、18B:ボンディング部
17B、18B:配線状部
19、23、119:反射膜
20、21:孔
24:n側中間電極
25:p側中間電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成長基板上にn型層、発光層、p型層が順に積層され、ボンディング部と配線状部とを有したn電極およびp電極を有し、前記n電極および前記p電極が第1の絶縁膜上に形成され、前記n電極および前記p電極上は前記ボンディング部以外の領域が第2の絶縁膜に覆われたフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子において、
前記n電極および前記p電極の下部にあたる領域の前記第1の絶縁膜中に、前記配線状部よりも発光波長における反射率の高い材料からなる反射膜を設け、
前記n電極側の配線状部の下部と前記p電極側の配線状部の下部の少なくとも一方に当たる領域は、p型層表面からn型層に至る深さの溝が形成され、
前記溝が形成された側の配線状部の下部にあたる領域の前記反射膜は、前記発光層よりも下部に位置する、
ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
【請求項2】
成長基板上にn型層、発光層、p型層が順に積層され、ボンディング部と配線状部とを有したn電極およびp電極を有し、前記n電極および前記p電極が第1の絶縁膜上に形成され、前記n電極および前記p電極上は前記ボンディング部以外の領域が第2の絶縁膜に覆われたフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子において、
前記n電極の配線状部の上部および前記p電極の配線状部の上部にあたる領域の前記第2の絶縁膜中に、前記配線状部よりも発光波長における反射率の高い材料からなる反射膜を設け、
前記n電極側の配線状部の下部と前記p電極側の配線状部の下部の少なくとも一方に当たる領域は、p型層表面からn型層に至る深さの溝が形成され、
前記溝が形成された側の配線状部の上部にあたる領域の前記反射膜は、前記発光層よりも下部に位置する、
ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
【請求項3】
成長基板上にn型層、発光層、p型層が順に積層され、ボンディング部と配線状部とを有したn電極およびp電極を有し、前記n電極および前記p電極が第1の絶縁膜上に形成され、前記n電極および前記p電極上は前記ボンディング部以外の領域が第2の絶縁膜に覆われたフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子において、
前記n電極および前記p電極の下部にあたる領域の前記第1の絶縁膜中と、前記n電極の配線状部の上部および前記p電極の配線状部の上部にあたる領域の前記第2の絶縁膜中に、前記配線状部よりも発光波長における反射率の高い材料からなる反射膜を設け、
前記n電極側の配線状部の下部と前記p電極側の配線状部の下部の少なくとも一方に当たる領域は、p型層表面からn型層に至る深さの溝が形成され、
前記溝が形成された側の配線状部の上部および下部にあたる領域の前記反射膜は、前記発光層よりも下部に位置する、
ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
【請求項4】
前記配線状部の下部に位置する反射膜は、前記溝の底面に露出したn型層上に直接接して設けられている、ことを特徴とする請求項1または3に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
【請求項5】
前記反射膜は、Ag、Al、Ag合金、Al合金、または誘電体多層膜からなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
【請求項6】
成長基板上にn型層、発光層、p型層が順に積層され、ボンディング部と配線状部とを有したn電極およびp電極を有し、前記n電極および前記p電極が第1の絶縁膜上に形成されたフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子において、
前記n電極側の配線状部の下部と前記p電極側の配線状部の下部の少なくとも一方に当たる領域は、p型層表面からn型層に至る深さの溝が形成され、
前記溝により、前記配線状部が前記発光層よりも下部に位置し、
前記n電極および前記p電極は、Ag、Al、Ag合金、またはAl合金からなる、
ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
【請求項7】
前記溝は、前記n電極側の配線状部の下部にあたる領域に設けられる、ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
【請求項8】
前記溝は、前記n電極側の配線状部の下部と前記p電極側の配線状部の下部の両方に設けられる、ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−212849(P2012−212849A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235687(P2011−235687)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】