説明

LCDバックライトインバータ駆動回路

【課題】本発明は、LCDバックライトインバータ駆動回路に関し、さらに詳しくはより安定したオン/オフスイッチングをすることにより発熱特性と駆動効率を向上させることができるLCDバックライトインバータ駆動回路に関する。
【解決手段】本発明は、第1駆動信号を供給する制御部と、第2駆動信号を供給するレベルシフタと上記第1駆動信号のライジング区間をディレイして供給する第1ディレイ回路と、上記第2駆動信号のフォーリング区間をディレイして供給する第2ディレイ回路と、パワースイッチング回路とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、LCDバックライトインバータ駆動回路でスイッチング素子がオフされる場合スイッチング素子に流れる電流量を減少させることにより発生する熱が減少し、かつ上記スイッチング素子から逆流される電流による発熱を防止し、駆動効率を向上させる効果を奏する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LCDバックライトインバータ駆動回路に関し、さらに詳しくはより安定したオン/オフスイッチングをすることにより発熱特性及び駆動効率を向上させることができるLCDバックライトインバータ駆動回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、LCDはそれ自体発光できないため別途のバックライトを備えなければならず、バックライトの光源として蛍光ランプまたは発光ダイオードなどが用いられる。
【0003】
このような蛍光ランプは蛍光ランプの特性上、蛍光ランプに印加される電源によって放電を起こし発光するようになるが、放電が継続して維持されるためには蛍光ランプに流れる電源が交流にならなければならず、蛍光ランプに交流電源を供給するために直流電源の供給を受け交流電源に変換するインバータが必要である。
【0004】
図1は、従来の技術によるLCDバックライトインバータのブロック図を示す。図1に示すように、従来の技術による液晶表示装置は制御部1、駆動部2、トランス部3、バックライト部4及びフィードバック部5を含む。
【0005】
上記制御部1と駆動部2はLCDバックライトインバータ駆動回路を構成し、上記駆動部2は上記制御部1の駆動信号によって直流の動作電源をスイッチングし第1駆動電源を上記トランス部3に供給する。上記トランス部3は上記第1駆動電源を第2駆動電源に変換し上記バックライト部4に供給し、これにより上記バックライト部4の蛍光ランプが発光するようになる。
【0006】
上記バックライト部4は一定の光量を供給しなければならないが、上記フィードバック部5は上記第2駆動電源を測定し既設定された値と比較した後、その比較結果を上記制御部1に提供し、上記制御部1はその比較結果に従って駆動信号を変更することによって、上記バックライト部4の光量を一定に調節することができる。
【0007】
図2は従来の技術によるLCDバックライトインバータ駆動回路のブロック図を示す。図2を参照すれば、従来の技術によるLCDバックライトインバータ駆動回路は、矩形波形態の第1駆動信号(S1)を生成する制御部10と、第1駆動信号(S1)のレベルをブーストアップシフトして上記第1駆動信号(S1)と同じ波形と同じ位相を有する第2駆動信号(S2)を生成するレベルシフタ21と、上記第1駆動信号(S1)のライジング区間をディレイする第1ディレイ回路22と、上記第2駆動信号(S2)のフォーリング区間をディレイする第2ディレイ回路23と、上記第1ディレイ回路22によってディレイされた第1駆動信号(S3)によってスイッチングするNチャンネルFET24aと上記第2ディレイ回路23によってディレイされた第2駆動信号(S4)によってスイッチングするPチャンネルFET24bとを含むパワースイッチング回路24を含む。
【0008】
このように構成された従来のLCDバックライトインバータ駆動回路に対する動作を説明すれば次の通りである。
【0009】
同じ波形と同じ位相を有する上記第1駆動信号(S1)と第2駆動信号(S2)がそれぞれ上記NチャンネルFET24aとPチャンネルFET24bに供給されれば、理想的な場合に上記NチャンネルFET24aとPチャンネルFET24bは互いに相補的にスイッチングし同時にオンになることは発生しない。
【0010】
しかしながら、実際では上記第1駆動信号(S1)と上記第2駆動信号(S2)の信号レベルが遷移する時点で、上記NチャンネルFET24aとPチャンネルFET24bが同時にターンオンされる場合が生じる恐れがあり、この際過電流が流れ上記NチャンネルFET24aとPチャンネルFET24bが破壊される恐れがある。
【0011】
このようにFETが破壊される現象を防止すべく、上記第1ディレイ回路22は上記第1駆動信号(S1)のライジング区間をディレイして上記NチャンネルFET24aに供給し、上記第2ディレイ回路23は上記第2駆動信号(S2)のフォーリング区間をディレイして上記PチャンネルFET24bを供給する。これによって、上記NチャンネルFET24aとPチャンネルFET24bが同時にオンになることを防止する。
【0012】
一方、上記第1駆動信号(S1)及び第2駆動信号(S2)のライジング区間のディレイについて説明する。
【0013】
上記第1駆動信号(S1)のライジング区間において、上記第1ディレイ回路22は第1ダイオード22aが逆方向にバイアスされ第1抵抗22bに電流が流れ、これによって、上記第1抵抗22bと上記NチャンネルFET24aの内部キャパシタによってRC回路が形成される。上記第1ディレイ回路22は上記第1抵抗22bにおける抵抗値と上記内部キャパシタのキャパシタンスによって定められるディレイ時間だけ上記第1駆動信号(S1)をディレイし上記NチャンネルFET24aに駆動信号(S3)を供給する。
【0014】
上記第2駆動信号(S2)のライジング区間において、上記第2ディレイ回路23は第2ダイオード23aが順方向にバイアスされ第2抵抗23bに電流が流れるので、上記第2駆動信号(S2)ではディレイが発生しない。
【0015】
そのため、上記PチャンネルFET24bはオン状態で直ちにターンオフされる反面、上記NチャンネルFET24bはオフ状態で一定時間後ターンオンされるため、上記NチャンネルFET24aとPチャンネルFET24bが同時にオンされない。
【0016】
他の一方、上記第1駆動信号(S1)及び第2駆動信号(S2)のフォーリング区間のディレイに関する説明は下の通りである。
【0017】
上記第1駆動信号(S1)のフォーリング区間において、上記第1ディレイ回路22は上記第1ダイオード22aが順方向にバイアスされ上記第1抵抗22bに電流が流れないため、上記第1駆動信号(S1)ではディレイが発生しない。
【0018】
上記第2駆動信号(S2)のフォーリング区間において、上記第2ディレイ回路23は第2ダイオード23aが逆方向にバイアスされ第2抵抗23bに電流が流れ、上記第2抵抗23bと上記PチャンネルFET24bの内部キャパシタによってRC回路が形成される。上記第2ディレイ回路23は、上記第2抵抗23bにおける抵抗値と上記内部キャパシタのキャパシタンスによって定められるディレイ時間だけ上記第2駆動信号(S2)をディレイし上記PチャンネルFET24bに駆動信号(S4)を供給する。
【0019】
したがって、上記NチャンネルFET24aはオン状態で直ちにターンオフされる反面、上記PチャンネルFET24aはオフ状態で一定時間後ターンオンされるので、上記NチャンネルFET24aとPチャンネルFET24bが同時にオンされない。
【0020】
ところが、上記第1抵抗22bと第2抵抗23bにそれぞれ並列に連結される上記第1ダイオード22aと第2ダイオード22bは順方向に動作する時、ほぼ0.7Vのオフセット電圧を有する。従って、上記第1ダイオード22aは上記第1駆動信号(S1)が低レベルの時順方向に動作するため、上記第1ディレイ回路22でディレイされた第1駆動信号(S3)は低レベルで0.7Vの電圧を有する。一方、上記第2ダイオード23aは上記第2駆動信号(S2)が高レベルの時順方向に動作するため、上記第2ディレイ回路23でディレイされた第2駆動信号(S4)は高レベルでほぼ動作電圧(Vcc)より0.7V低い電圧を有する。
【0021】
図3は従来の技術によるLCDバックライトインバータ駆動回路の駆動信号のタイミング図である。
【0022】
図3で示されたように、上記第1駆動信号(S1)と第2駆動信号(S2)は電圧レベルが他の同じ波形と同じ位相を有する矩形波である。上記第1ディレイ回路22は上記第1駆動信号(S1)のライジング区間を既設定された時間(t1)だけディレイしてディレイされた信号(S3)を生成する。また、上記第2ディレイ回路22は上記第2駆動信号(S2)のフォーリング区間を既設定された時間(t2)だけディレイしてディレイされた信号(S4)を生成する。
【0023】
上記信号(S3)の低レベルはほぼ0.7V程度の相対的に高い電圧(V1)を有し、上記信号(S4)の高レベルで動作電源(Vcc)よりほぼ 0.7V(V2)程度の相対的に低い電圧を有する。これによって、上記NチャンネルFET24aと上記PチャンネルFET24bが不安定に動作する恐れがある。
【0024】
具体的に見ると、このように上記信号(S3)が低レベルで上記したように相対的に高い電圧(V1)を有する場合、上記NチャンネルFET24aのゲートとソースとの間の電圧が上記電圧(V1)と同じになり、上記NチャンネルFET24aのドレイン及びソースの両端に電流が流れ込まれ熱が発生してしまう。
【0025】
また、上記信号(S4)が高レベルで動作電源より上記したように相対的に低い電圧を有する場合、上記PチャンネルFET24bのドレインとゲートとの間の電圧が上記電圧(V2)と同じになり、上記PチャンネルFET24bのドレイン及びソースの両端に電流が流れ込まれ熱が発生する。
【0026】
このように上記電圧(V1、V2)によって上記NチャンネルFET24aとPチャンネルFET24bで発生される熱のために全体的な駆動効率が落ちる問題点がある。
【0027】
また、上記第1駆動信号(S1)が低レベルの場合では上記第1ダイオード22aが順方向にバイアスされ、この際、上記NチャンネルFET24aの内部キャパシタに充電された電荷が上記第1ダイオード22bを通して上記制御部10に流れ込まれ上記制御部10を発熱させる問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためのものであって、本発明の目的はオフ動作の際スイッチに流れる電流を減少させることにより安定したオン/オフスイッチングを行うことができ、発熱を減少させることにより駆動効率を向上させることが可能なLCDバックライトインバータ駆動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記した技術的課題を達成するために、本発明は、矩形波形態の第1駆動信号を供給する制御部と、上記制御部の第1駆動信号のレベルをブーストアップシフトした第2駆動信号を生成するレベルシフタと、上記制御部の第1駆動信号出力端に一端が連結された第1抵抗と、上記第1抵抗の他端と接地の間に連結され上記第1駆動信号が低レベルの時ターンオンされる第1スイッチとを含み、上記第1駆動信号のライジング区間をディレイして供給する第1ディレイ回路と、上記レベルシフタの第2駆動信号出力端に一端が連結される第2抵抗と、上記第2抵抗の他端と動作電源の間に連結され上記第2駆動信号が高レベルの時ターンオンされる第2スイッチとを備え、上記第2駆動信号のフォーリング区間をディレイして供給する第2ディレイ回路と、上記第1ディレイ回路の駆動信号によってスイッチング動作する第3スイッチと、上記第2ディレイ回路の駆動信号によって上記第3スイッチと相補的にスイッチング動作する第4スイッチとを含み、上記第3スイッチと上記第4スイッチは上記動作電源端と接地の間に互いに直列に連結されるパワースイッチング回路とを備えることを特徴とするLCDバックライトインバータ駆動回路を提供する。
【0030】
上記第1ディレイ回路は、上記第1抵抗における抵抗値と上記第3スイッチの内部キャパシタによって定められるディレイ時間によって上記第1駆動信号のライジング区間をディレイすることを特徴とする。
【0031】
上記第2ディレイ回路は、上記第2抵抗と上記第4スイッチの内部キャパシタによって定められるディレイ時間によって上記第2駆動信号のフォーリング区間をディレイすることを特徴とする。
【0032】
上記第1スイッチは、上記第1抵抗の一端に連結されたベースと、上記第1抵抗の他端に連結されたエミッタと、接地に連結されたコレクタとを有するPNPタイプトランジスタであることを特徴とする。
【0033】
上記第2スイッチは、上記第2抵抗の一端に連結されたベースと、上記動作電源に連結されたコレクタと、上記第2抵抗の他端に連結されたエミッタとを有するNPNタイプのトランジスタであることを特徴とする。
【0034】
上記第3スイッチは、上記第4スイッチに連結されたドレインと、上記第1抵抗の他端に連結されたゲートと、接地に連結されたソースとを備えるNチャンネルFETであることを特徴とする。
【0035】
上記第4スイッチは、上記動作電源に連結されたドレインと、上記第2抵抗の他端に連結されたゲートと、上記第3スイッチに連結されたソースとを備えるPチャンネルFETであることを特徴とする。
【0036】
上記レベルシフタは、上記制御部の第1駆動信号出力端に一端が連結されたキャパシタと、上記動作電源にカソードが連結され上記キャパシタの他端にアノードが連結されたツェナーダイオードと、上記ツェナーダイオードと並列に連結された第3抵抗とを含み、上記キャパシタと上記ジェンナーダイオードの連結端で第2駆動信号を供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、LCDバックライトインバータ駆動回路においてスイッチング素子がオフされる場合、スイッチング素子に流れる電流量が減少し発生する熱が減少する効果があり、上記スイッチング素子で逆流される電流を防止してこれによる発熱を防止することができる。これによって、LCDバックライトインバータ駆動回路の駆動効率を向上させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、添付された図面を参照して、本発明の多様な実施形態をより詳しく説明する。
【0039】
図4は本発明によるLCDバックライトインバータ駆動回路図である。図4を参照すれば、本発明によるLCDバックライトインバータ駆動回路は、矩形波形態の第1駆動信号(S10)を供給する制御部100と、上記制御部100の第1駆動信号(S10)のレベルをブーストアップシフトした第2駆動信号(S20)を生成するレベルシフタ110とを備える。
【0040】
また、本発明によるLCDバックライトインバータ駆動回路は、上記制御部100の第1駆動信号(S20)出力端に一端が連結された第1抵抗122と、上記第1抵抗122の他端と接地の間に連結され上記第1駆動信号(S10)が低レベルの時ターンオンされる第1スイッチ121とを含み、上記第1抵抗122の他端で上記第1駆動信号(S10)のライジング区間をディレイして供給する第1ディレイ回路120を備える。
【0041】
さらに、本発明によるLCDバックライトインバータ駆動回路は、上記レベルシフタ110の第2駆動信号(S20)出力端に一端が連結される第2抵抗132と、上記第2抵抗132の他端と動作電源(Vcc)の間に連結され上記第2駆動信号(S20)が高レベルの時ターンオンされる第2スイッチ131とを備える。
【0042】
なお、本発明によるLCDバックライトインバータ駆動回路は、上記第2抵抗132の他端で上記第2駆動信号(S20)のフォーリング区間をディレイして供給する第2ディレイ回路130と、上記第1ディレイ回路120の駆動信号(S30)によってスイッチング動作する第3スイッチ141と、上記第2ディレイ回路130の駆動信号(S40)によって上記第3スイッチ141と相補的にスイッチング動作する第4スイッチ142とを含み、上記第4スイッチ142と上記第3スイッチ141は上記動作電源において接地で互いに直列に連結されるパワースイッチング回路140とを備える。
【0043】
上記レベルシフタ110は上記制御部100の第1駆動信号(S10)出力端に一端が連結されたキャパシタ113と、上記動作電源(Vcc)にカソードが連結され上記キャパシタ113の他端にアノードが連結されたツェナーダイオード112及び上記ジェンナーダイオード112と並列に連結された第3抵抗111とを含むことができる。
【0044】
上記レベルシフタ110は上記レベルシフタ110のキャパシタ113とツェナーダイオード112の連結端で第2駆動信号(S20)を供給する。
【0045】
上記第1ディレイ回路120は、上記第1抵抗122と上記第3スイッチ141の内部キャパシタによって定められるディレイ時間に応じて上記第1駆動信号(S10)のライジング区間をディレイし上記ライジング区間がディレイされた駆動信号(S30)を上記第3スイッチ141に供給する。
【0046】
上記第1ディレイ回路120の第1スイッチ121は、上記第1抵抗122の一端に連結されたベースと、上記第1抵抗122の他端に連結されたエミッタと、接地で連結されたコレクタとを備えるPNPタイプトランジスタ121とを含むことができる。
【0047】
上記第2ディレイ回路130は、上記第2抵抗132と上記第4スイッチ142の内部キャパシタによって定められるディレイ時間に応じて上記第2駆動信号(S20)のフォーリング区間をディレイして上記フォーリング区間がディレイされた駆動信号(S40)を上記第4スイッチ142に供給する。
【0048】
上記第2ディレイ回路130の第2スイッチ131は、上記第2抵抗132の一端に連結されたベースと、上記動作電源(Vcc)に連結されたコレクタと、上記第2抵抗132の他端に連結されたエミッタとを備えるNPNタイプのトランジスタ131とを含むことができる。
【0049】
上記パワースイッチング回路140の第3スイッチ141は、上記第4スイッチ142に連結されたドレインと、上記第1抵抗122の他端に連結されたゲートと、接地に連結されたソースとを備えるNチャンネルFET141とを含むことができる。
【0050】
上記パワースイッチング回路140の第4スイッチ142の上記動作電源(Vcc)に連結されたドレインと、上記第2抵抗132の他端に連結されたゲートと上記第3スイッチ141に連結されたソースとを備えるPチャンネルFET142とを含むことができる。
【0051】
上記第3スイッチ141と上記第4スイッチ142はFETに限定されず、SCR、BJTなどの3端子スイッチからなることができる。
【0052】
図5は本発明によるLCDバックライトインバータ駆動回路の駆動信号のタイミング図である。図5で、S10は上記制御部100から出力される第1駆動信号を示しており、S20は上記レベルシフタ110から出力される上記第2駆動信号を示しており、S30は上記第1ディレイ回路120で上記第1駆動信号(S10)のライジング区間がディレイされた信号を示しており、S40は上記第2ディレイ回路130から出力される上記第2駆動信号(S20)のフォーリング区間がディレイされた信号を示す。
【0053】
図6の(a)乃至(b)は、図2及び図4の駆動信号の電圧レベルを示したグラフである。
【0054】
図6(a)では従来の技術による第1駆動信号(S1)のライジング区間がディレイされた信号(S3)の電圧レベルと、本発明による第1駆動信号(S10)のライジング区間がディレイされた信号(S30)の電圧レベルとが示されており、図6(b)では従来の技術による第2駆動信号(S2)のフォーリング区間がディレイされた信号(S4)の電圧レベルと、本発明による第2駆動信号(S20)のライジング区間がディレイされた信号(S40)の電圧レベルが示されている。
【0055】
以下、添付された図面に従って本発明の作用及び効果について詳しく説明する。
【0056】
図4を参照すれば、本発明によるLCDバックライトインバータ駆動回路の制御部100は矩形波形態の第1駆動信号(S10)を生成してレベルシフタ110及び第1ディレイ回路120に供給する。上記レベルシフタ110は上記第1駆動信号(S10)のレベルをブーストアップシフトして第2駆動信号(S20)を第2ディレイ回路130に供給する。
【0057】
上記レベルシフタ110が上記第2駆動信号(S10)を生成する動作を説明すれば次の通りである。
【0058】
上記レベルシフタ110のキャパシタ113はその一端が上記制御部100と連結され上記第1駆動信号(S10)の供給を受ける。キャパシタはその特性上電圧が急変しないので、ツェナーダイオード(112)と連結された上記キャパシタ113の他端で生成される上記第2駆動信号(S20)の電圧レベルは上記第1駆動信号(S10)より一定の値だけさらに大きく、その波形と位相は上記第1駆動信号(S10)と同様である。
【0059】
上記第1駆動信号(S10)が高レベルであれば上記第2駆動信号(S20)の電圧レベルはほぼ動作電源(Vcc)と同じ値を有する。一方、上記第1駆動信号(S10)が低レベルであれば上記第2駆動信号(S20)の電圧レベルは上記動作電源(Vcc)より一定の大きさだけ低い値を有する。
【0060】
図5を参照して、上記第1駆動信号(S10)と上記第2駆動信号(S20)とを詳しく説明する。第1駆動信号(S10)は低レベルと高レベルが一定周期を持って交互に繰り返す。上記第1駆動信号(S10)の低レベルはほぼ接地電圧と同じであり、高レベルは上記接地電圧より一定の電圧だけさらに大きい。
【0061】
上記第2駆動信号(S20)は上記第1駆動信号(S10)と同じ波形と同じ位相を有する。即ち、上記第1駆動信号(S10)が低レベルであれば上記第2駆動信号(S20)も低レベルであり、逆に上記第1駆動信号(S10)が高レベルであれば上記第2駆動信号(S20)も高レベルである。
【0062】
但し、上記第2駆動信号(S20)と上記第1駆動信号(S10)は互いに異なる電圧レベルを有する。即ち、上記第2駆動信号(S20)は高レベルの時上記動作電圧(Vcc)とほぼ同じ電圧レベルを有し、低レベルの時上記動作電圧(Vcc)より一定の電圧だけ低い電圧レベルを有する。
【0063】
再度図4を参照して上記第1ディレイ回路120の動作を説明する。上記第1駆動信号(S10)は上記第1ディレイ回路120に供給される。上記第1ディレイ回路120の第1スイッチ121は上記第1駆動信号(S10)が低レベルの時ターンオンされ、高レベルの時ターンオフされる。上記第1駆動信号(S20)が低レベルから高レベルへと遷移するライジング区間で上記第1スイッチ121がオン状態でターンオフされながら、上記第1駆動信号(S10)が上記第3スイッチ141に供給される。
【0064】
これによって、上記第1ディレイ回路120の第1抵抗122と上記第3スイッチ141の内部キャパシタによってRC回路が形成され、上記信号(S30)は上記第1抵抗122における抵抗値と上記第3スイッチ141の内部キャパシタのキャパシタンスによって定められるディレイ時間だけ経過した後、低レベルから高レベルへと遷移する。
【0065】
上記第1駆動信号(S10)が高レベルから低レベルへと遷移すれば上記第1スイッチ121がオフ状態でターンオンされる。上記第1スイッチ121がターンオンされると、上記第3スイッチ141に供給される信号(S30)は高レベルから低レベルへとディレイなく遷移する。この際、上記信号(S30)の電圧は上記第1スイッチ121のエミッタとコレクタの間の電圧となる。
【0066】
このように、上記第1ディレイ回路120は上記第1駆動信号(S10)のライジング区間でディレイ時間を発生し上記第3スイッチ141に高レベルの信号を供給する。
【0067】
上述した上記信号(S30)のライジング及びフォーリング区間についても図5を参照して詳述する。
【0068】
上記第1駆動信号(S10)がライジング区間で低レベルから高レベルへと遷移する際、上記信号(S30)は上記第1抵抗122と上記第3スイッチ141の内部キャパシタによって定められるディレイ時間(t3)だけ遅延され低レベルから高レベルへと遷移する。しかし上記第1駆動信号(S10)がフォーリング区間で高レベルから低レベルへと遷移する際、上記信号(S30)はディレイ時間なく高レベルから低レベルへと遷移する。この際、低レベルの接地の間の電圧(V10)は上記第1スイッチ121のエミッタとコレクタとの間の電圧であるほぼ0.3Vを維持する。上記信号(S30)の低レベルの電位に対する説明は後述する。
【0069】
さらに図4を参照して上記第2ディレイ回路130の動作を説明する。上記第2駆動信号(S20)は上記第2ディレイ回路130に供給される。上記第2ディレイ回路130の第2スイッチ131は、上記第2駆動信号(S20)が高レベルの時ターンオンされ、低レベルの時ターンオフされる。上記第2駆動信号(S20)が高レベルから低レベルへと遷移するフォーリング区間で上記第2スイッチ131がオン状態でターンオフされながら、上記第2駆動信号(S20)が上記第4スイッチ142に供給される。これによって、上記第2ディレイ回路130の第2抵抗132と上記第4スイッチ142の内部キャパシタによってRC回路が形成され、上記信号(S40)は上記第2抵抗132における抵抗値と上記第4スイッチ142の内部キャパシタのキャパシタンスによって定められるディレイ時間だけ経過した後、高レベルから低レベルへと遷移する。
【0070】
上記第2駆動信号(S20)が低レベルから高レベルへと遷移すれば上記第2 スイッチ132がオフ状態でターンオンされる。上記第2スイッチ131がターンオンされれば、上記第4スイッチ142に供給される信号(S40)は高レベルから低レベルへとディレイなく遷移する。このとき、上記信号(S40)の電圧レベルは上記動作電源(Vcc)の電圧レベルより上記第2スイッチ131のコレクタとエミッタとの間の電圧だけ低い電圧レベルを有する。
【0071】
このように、上記第2ディレイ回路130は上記第2駆動信号(S20)のフォーリング区間でディレイ時間を発生させ上記第4スイッチ142に高レベルの信号を供給する。
【0072】
上述した上記信号(S40)のライジング及びフォーリング区間について図5を参照して詳述する。
【0073】
上記第2駆動信号(S20)がライジング区間で低レベルから高レベルへと遷移する時、上記信号(S40)は上記第2抵抗132と上記第4スイッチ142の内部キャパシタによって定められるディレイ時間(t4)だけ遅延され高レベルから低レベルへと遷移する。しかし上記第2駆動信号(S20)がフォーリング区間で低レベルから高レベルへと遷移する時、上記信号(S40)はディレイ時間なく低レベルから高レベルへと遷移する。この際、高レベルの信号と上記動作電圧(Vcc)との間の電圧(V20)は上記第2スイッチのコレクタとエミッタとの間の電圧であるほぼ0.3Vを維持する。従って、上記信号(S40)の高レベルの電圧レベルはVcc−0.3Vとなる。上記信号(S40)の高レベルの電位に対する説明は後述する。
【0074】
このように、ディレイ時間(t3、t4)を有して、上記第3スイッチ141と第4スイッチ142が動作することによって、上記第3スイッチ141と第4スイッチ142が同時にターンオンされることを防止することが可能であり、それにより上記第3スイッチ141と第4スイッチ142が破壊されることを防止することができる。
【0075】
上記言及した上記信号(S30)の低レベルの電位と上記信号(S40)の高レベルの電位について、図6を参照して詳しく説明する。
【0076】
前述したように従来の技術によるLCDバックライトインバータ駆動回路でNチャンネルFET24aを駆動する駆動信号(S3)の低レベル時の電位は0.7Vである反面、本発明によるLCDバックライトインバータ駆動回路で上記第3スイッチ141を駆動する駆動信号(S30)の低レベル時の電位は0.3Vと相対的にさらに低い。
【0077】
また、従来の技術によるLCDバックライトインバータ駆動回路はPチャンネルFET24bを駆動する駆動信号(S4)の低レベル時の電位はVcc−0.7Vである反面、本発明によるLCDバックライトインバータ駆動回路は上記第4スイッチ142を駆動する駆動信号(S40)の高レベル時の電位はVcc−0.3Vと相対的にさらに高い。
【0078】
従って、このような電圧によって上記第3スイッチ141及び第4スイッチ142に流れる電流が従来の技術よりさらに低くなり、これによる発熱が減少する効果を奏する。
【0079】
また図3を参照すれば、上記第1スイッチ121がオンになる場合には上記第3スイッチ141のゲート端子が上記ターンオンされた第1スイッチ121を経て接地に連結される。この場合、上記第3スイッチ141の内部キャパシタに充電された電荷は上記第1抵抗122の方へ行くことなく上記第1スイッチ121を経て接地の方へ放電される。従って、上記第3スイッチ141の内部キャパシタに充電された電荷が上記制御部100に流れ込まれることが遮られ上記制御部100を保護することができる効果を奏する。
【0080】
本発明は、上述した実施形態及び添付された図面によって限定されることではなく、特許請求の範囲によって限定される。従って、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で様々な形態の置換、変形及び変更が可能であることは、当該技術分野の通常の知識を有する者にとって自明であり、これもまた添付された請求範囲に記載された技術的思想に属すると言える。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】従来の技術によるLCDバックライトインバータのブロック図である。
【図2】従来の技術によるLCDバックライトインバータ駆動回路のブロック図である。
【図3】従来の技術によるLCDバックライトインバータ駆動回路の駆動信号のタイミング図である。
【図4】本発明によるLCDバックライトインバータ駆動回路のブロック図である。
【図5】本発明によるLCDバックライトインバータ駆動回路の駆動信号のタイミング図である。
【図6】(a)及び(b)は図2及び図4の駆動信号の電圧レベルを比較して示すグラフである。
【符号の説明】
【0082】
100 制御部
110 レベルシフタ
111 第3抵抗
112 ツェナーダイオード
113 キャパシタ
120 第1ディレイ回路
121 第1スイッチ
122 第1抵抗
130 第2ディレイ回路
131 第2スイッチ
132 第2抵抗
140 パワースイッチング回路
141 第3スイッチ
142 第4スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形波形態の第1駆動信号を供給する制御部と、
前記制御部の第1駆動信号のレベルをブーストアップシフトした第2駆動信号を生成するレベルシフタと、
前記制御部の第1駆動信号出力端に一端が連結された第1抵抗と、前記第1抵抗の他端と接地の間に連結され前記第1駆動信号が低レベルの時ターンオンされる第1スイッチとを含み、前記第1駆動信号のライジング区間をディレイして供給する第1ディレイ回路と、
前記レベルシフタの第2駆動信号出力端に一端が連結される第2抵抗と、前記第2抵抗の他端と動作電源の間に連結され前記第2駆動信号が高レベルの時ターンオンされる第2スイッチとを備え、前記第2駆動信号のフォーリング区間をディレイして供給する第2ディレイ回路と、
前記第1ディレイ回路の駆動信号によってスイッチング動作する第3スイッチと、前記第2ディレイ回路の駆動信号によって前記第3スイッチと相補的にスイッチング動作する第4スイッチとを含み、前記第3スイッチと前記第4スイッチは前記動作電源と接地の間に互いに直列に連結されるパワースイッチング回路と、
を備えることを特徴とする、LCDバックライトインバータ駆動回路。
【請求項2】
前記第1ディレイ回路は、前記第1抵抗における抵抗値と前記第3スイッチの内部キャパシタによって定められるディレイ時間によって前記第1駆動信号のライジング区間をディレイすることを特徴とする、請求項1記載のLCDバックライトインバータ駆動回路。
【請求項3】
前記第2ディレイ回路は、前記第2抵抗における抵抗値と前記第4スイッチの内部キャパシタによって定められるディレイ時間によって前記第2駆動信号のフォーリング区間をディレイすることを特徴とする、請求項1記載のLCDバックライトインバータ駆動回路。
【請求項4】
前記第1スイッチは、前記第1抵抗の一端に連結されたベースと、前記第1抵抗の他端に連結されたエミッタと、接地に連結されたコレクタとを備えるPNPタイプトランジスタであることを特徴とする、請求項1記載のLCDバックライトインバータ駆動回路。
【請求項5】
前記第2スイッチは、前記第2抵抗の一端に連結されたベースと、前記動作電源に連結されたコレクタと、前記第2抵抗の他端に連結されたエミッタとを備えるNPNタイプのトランジスタであることを特徴とする、請求項1記載のLCDバックライトインバータ駆動回路。
【請求項6】
前記第3スイッチは、前記第4スイッチに連結されたドレインと、前記第1抵抗の他端に連結されたゲートと、接地に連結されたソースとを備えるNチャンネルFETであることを特徴とする、請求項1記載のLCDバックライトインバータ駆動回路。
【請求項7】
前記第4スイッチは、前記動作電源に連結されたドレインと、前記第2抵抗の他端に連結されたゲートと、前記第3スイッチに連結されたソースとを備えるPチャンネルFETであることを特徴とする、請求項1記載のLCDバックライトインバータ駆動回路。
【請求項8】
前記レベルシフタは、前記制御部の第1駆動信号出力端に一端が連結されたキャパシタと、
前記動作電源にカソードが連結され、かつ前記キャパシタの他端にアノードが連結されたツェナーダイオードと、
前記ツェナーダイオードと並列に連結された第3抵抗とを含み、
前記キャパシタと前記ジェンナーダイオードの連結端で第2駆動信号を供給することを特徴とする、請求項1記載のLCDバックライトインバータ駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−330096(P2007−330096A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152371(P2007−152371)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】