説明

LED検査装置及びその方法

【課題】LED検査装置及びそれを利用するLED検査方法が提供される。
【解決手段】前記LED検査装置は、第1光を生成して、前記第1光によって励起されて前記第1光より長波長の光を放出する蛍光体を有する封止材が具備されたLEDに照射する第1照明部と、前記第1光より長波長の第2光を生成して前記LEDに照射する第2照明部と、前記蛍光体から放出された光と前記LEDから反射した前記第2光を受信して、前記LEDの映像を獲得する映像獲得部と、前記映像獲得部から得られた前記LEDの映像を利用して、前記LEDの不良有無を判断するLED状態判定部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトや照明装置などに適用できるLEDを検査する装置及びその方法に関し、特に、可視光と紫外線を利用してLEDの不良有無を自動的に検査することができ、LEDの検査に対する信頼性を確保することができるLED検査装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)は、GaAs、AlGaAs、GaN、InGaInPなどの化合物半導体(compound semiconductor)材料の変更を通じて発光源を構成することで、様々な色の光を具現することができる半導体素子である。
【0003】
近年、LEDは、飛躍的な半導体技術の発展に伴って、低輝度の汎用製品から成長して、高輝度及び高品質の製品生産が可能となった。また、高特性の青色(blue)と白色(white)LEDの具現が現実化されて、ディスプレイ及び次世代照明源などにその応用価値が拡がっている。このような様々なLEDのうち白色LEDについて、図1を参照して説明する。
【0004】
図1は、従来の白色LEDの構造を示す断面図である。
【0005】
図1に示す従来の白色LEDは、プラスチック合成樹脂材などからなることができるバケット(bucket)10の内部底面に、第1及び第2リードフレーム21、22を有するリードフレーム20が形成される。前記第1リードフレーム21には青色LED30が装着及び接続され、前記第2リードフレーム22にはダイオード40が装着及び接続され、前記青色LED30とダイオード40はボンディングワイヤ50を介して電気的に接続される。
【0006】
ここで、青色LEDと黄色(Yellow)蛍光体を利用して白色光を具現するために、青色LEDチップパッケージに黄色蛍光体を混合したシリコン樹脂からなる封止材を入れる。即ち、前記バケット10の内側には封止材60が塗布され、前記封止材は黄色蛍光体を含んでおり、これによって、前記青色LED30からの青色光が前記封止材60の黄色蛍光体によって白色に変わる。
【0007】
最近では、緑色及び赤色発光領域を補うために、前記封止材60に黄色蛍光体の他にも緑色や青色蛍光体が含まれる場合もある。
【0008】
このような従来の白色LEDを製造する過程で、前記シリコン樹脂と黄色蛍光体の配合比も重要であるが、パッケージに入れる封止材の塗布量も非常に重要である。前記封止材は、ディスペンサ装置(dispensing device)によって供給されるが、このような封止材供給過程で封止材が円滑に供給されることができず、塗布されない場合や、封止材が過剰供給されてオーバーフローする場合があり、また封止材が供給される過程で異物が含まれるかバケットが割れるなどの欠陷が発生する場合もある。これによって、白色LEDの状態が不良になるので、製造過程で白色LEDの状態不良有無を検査する過程が必要である。
【0009】
ところが、白色LEDの不良有無は肉眼で検査されており、このような肉眼検査は、検査者同士の客観的検査基準が曖昧で、熟練者と未熟練者との検出能力の差によって検査結果に対する信頼性が低下する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、可視光と紫外線を利用してLEDの不良有無を自動的に検査でき、LEDの検査に対する信頼性を確保することができるLED検査装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の本発明の目的を達成するための本発明の一つの技術的側面は、第1光を生成して、前記第1光によって励起されて前記第1光より長波長の光を放出する蛍光体を有する封止材が具備されたLEDに照射する第1照明部と、前記第1光より長波長の第2光を生成して前記LEDに照射する第2照明部と、前記蛍光体から放出された光と前記LEDから反射した前記第2光を受信して、前記LEDの映像を獲得する映像獲得部と、前記映像獲得部から得られた前記LEDの映像を利用して、前記LEDの不良有無を判断するLED状態判定部と、を含むことを特徴とするLED検査装置を提供する。
【0012】
本発明の一実施例において、前記第1光は紫外線であり、前記第2光は可視光であってもよい。
【0013】
本発明の一実施例において、前記第1照明部から放出された前記第1光を反射させて前記LEDに供給し、前記LEDから放出された光を透過させる光分割器をさらに含んでもよい。
【0014】
本発明の一実施例において、前記LEDから放出された光の経路上に配置され、前記蛍光体から放出された光を通過させ、他の波長の光は遮断するカラーフィルタをさらに含んでもよい。
【0015】
この場合、前記第1照明部は、前記第2照明部が動作オフの時に動作オンされ、前記第2照明部は、前記第1照明部が動作オフの時に動作オンされてもよい。
【0016】
また、前記カラーフィルタは、前記第1照明部が動作オンの時は、予め設定されたフィルターリング領域に位置し、前記第2照明部が動作オンの時は、予め設定されたフィルターリング領域を除いた領域に位置してもよい。
【0017】
本発明の一実施例において、前記映像獲得部は、前記蛍光体から放出された光を利用して第1LED映像を獲得し、前記LEDから反射した前記第2光を利用して第2LED映像を獲得し、前記LED状態判定部は、前記第1LED映像から第1輪郭線を抽出し、前記第2LED映像から第2輪郭線を抽出してもよい。
【0018】
この場合、前記LED状態判定部は、前記第2輪郭線と前記LEDの基準輪郭線を比べて、前記封止材の大きさ及び配置方向の同一性を判断するマッチング検査過程を行ってもよい。
【0019】
また、前記LED状態判定部は、前記第1輪郭線及び第2輪郭線を互いに比べて、前記LEDの欠陥有無を判断する欠陥検査過程を行ってもよい。
【0020】
また、前記LED状態判定部は、前記LEDの欠陥として、前記封止材のオーバーフロー、前記封止材の未塗布、前記封止材に含まれた異物及び破損のうち少なくとも一つの欠陥を判断してもよい。
【0021】
本発明の一実施例において、前記蛍光体は、黄色蛍光体であってもよい。
【0022】
一方、本発明の他の側面は、紫外線によって励起されて前記紫外線より長波長の光を放出する蛍光体を有する封止材が塗布されたLEDに対して、紫外線を前記LEDに照射して前記蛍光体から放出された光により第1LED映像を獲得し、可視光を前記LEDに照射して前記LEDから反射した前記可視光により第2LED映像を獲得する映像獲得段階と、前記第1及び第2LED映像を利用して、前記LEDの不良有無を判断するLED状態判定段階と、を含むことを特徴とするLED検査方法を提供する。
【0023】
本発明の一実施例において、前記LED状態判定段階では、前記第1及び第2LED映像からそれぞれ第1及び第2輪郭線を抽出し、前記第1及び第2輪郭線を利用して前記LEDの不良を判断してもよい。
【0024】
この場合、本発明の一実施例において、前記LED状態判定段階では、前記第2輪郭線と前記LEDの基準輪郭線を比べて、前記封止材の大きさ及び配置方向の同一性を判断するマッチング検査過程を行ってもよい。
【0025】
また、前記LED状態判定段階では、前記第2輪郭線と前記LEDの基準輪郭線を比べて、前記LEDの封止材のオーバーフローを判断するオーバーフロー検査過程を行うことを特徴とする請求項14に記載のLED検査方法。
【0026】
本発明の一実施例において、前記LED状態判定段階では、前記第1輪郭線と第2輪郭線を比べて、前記LEDの封止材が塗布されたか否かを判断する未塗布検査過程を行ってもよい。
【0027】
本発明の一実施例において、前記LED状態判定段階では、前記第1輪郭線と第2輪郭線を比べて、前記LEDの封止材に異物が存在するか否かを判断する異物検査過程を行ってもよい。
【0028】
本発明の一実施例において、前記LED状態判定段階では、前記第2輪郭線を利用して、前記LEDが破損されたか否かを判断する破損検査過程を行ってもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によると、可視光と紫外線を利用してLEDの不良有無を自動的に検査できるので、LEDの検査に対する信頼性を確保することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来の白色LEDの構造を示す断面図である。
【図2】本発明によるLED検査装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明によるLED検査方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明による輪郭線抽出過程を示すフローチャートである。
【図5a】本発明の欠陥種類別映像例示図である。
【図5b】本発明の欠陥種類別映像例示図である。
【図5c】本発明の欠陥種類別映像例示図である。
【図5d】本発明の欠陥種類別映像例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して詳しく説明する。
【0032】
本発明は後述される実施例に限定されず、本発明の実施例は本発明の技術的思想を容易に理解するために使用される。本発明に参照される図面において、実質的に同じ構成と機能を有する構成要素には同じ符号を付する。
【0033】
図2は、本発明によるLED検査装置の構成を示すブロック図である。
【0034】
図2を参照すると、本発明によるLED検査装置は、第1光を生成して、予め設定された色蛍光体を有する封止材が塗布されたLED50に供給する第1照明部200と、第2光を生成して前記LED50に供給する第2照明部300と、前記LED50からの光のうち予め設定された光を通過させるカラーフィルタ500と、前記カラーフィルタ500を介して光を受信して、前記LED50の映像を獲得する映像獲得部600と、前記映像獲得部600からのLED映像を利用してLED状態不良有無を判断するLED状態判定部700とを含む。
【0035】
前記第1光及び第2光のうち一つは紫外線であり、他の一つは可視光であることができる。例えば、前記第1照明部200は第1光として紫外線を生成し、前記第2照明部300は第2光として可視光を生成することができる。
【0036】
この時、本発明のLED検査装置は、前記第1照明部200からの第1光を反射させてLED50に供給し、前記LED50から反射した光を透過させる光分割器400を含むことができる。ここで、支持体410は、前記光分割器400を支持する。
【0037】
前記映像獲得部600は、前記第1照明部200の第1光を利用して第1LED映像を獲得し、前記第2照明部300の第2光を利用して第2LED映像を獲得することができる。
【0038】
また、前記第1照明部200は、前記第2照明部300が動作オフの時に動作オンされ、前記第2照明部300は、前記第1照明部200が動作オフの時に動作オンされることができる。
【0039】
このような前記第1照明部200及び第2照明部300の動作は、前記LED状態判定部700や別途の制御装置によって制御されることができる。
【0040】
一方、本発明のLED50は、黄色(yellow)蛍光体を有する封止材が塗布された白色LEDであってもよい。この時、前記カラーフィルタ500に黄色フィルタが採用されれば、前記第1照明部200の第1光である紫外線によって前記LED50の封止材で生成される黄色を前記映像獲得部600で通過させることができる。
【0041】
また、前記カラーフィルタ500は、前記第1照明部200の動作オンの時には、予め設定されたフィルターリング領域に位置する。この時、前記第1照明部200からの紫外線が前記LED50の封止材を透過せず、前記LED50の封止材の黄色蛍光体と作用すると、黄色光が発生するが、前記封止材からの黄色光は前記カラーフィルタ500を介して前記映像獲得部600を通過する。
【0042】
一方、前記カラーフィルタ500は、前記第2照明部300の動作オンの時には、予め設定されたフィルターリング領域を除いた領域に位置する。この時、前記第2照明部300からの可視光が前記LED50の封止材を透過して、前記LED50の封止材、底面、青色LEDチップなどによって反射するが、前記LED50から反射する光は、前記カラーフィルタ500を通過せず前記映像獲得部600に伝達される。
【0043】
前記LED状態判定部700は、前記第1LED映像から第1輪郭線(edge line)を抽出し、前記第2LED映像から第2輪郭線を抽出することができ、このような第1、第2輪郭線及び基準輪郭線を利用して次のような項目を検査することができる。
【0044】
先ず、前記LED状態判定部700は、前記第2輪郭線と予め設定された基準輪郭線を比べて、前記封止材の大きさ及び配置方向の同一性を判断するマスクマッチング(mask matching)検査過程を行うことができる。
【0045】
次に、前記LED状態判定部700は、前記第1輪郭線及び/または第2輪郭線を比べて前記LED50の欠陥有無を判断する欠陥検査過程を行うことができる。
【0046】
例えば、前記LED状態判定部700は、前記LED50の欠陷として、封止材のオーバーフロー、封止材の未塗布、封止材に含まれた異物存在及び破損のうち少なくとも一つの欠陷を判断することができる。
【0047】
図3は、本発明によるLED検査方法を示すフローチャートである。
【0048】
図2及び図3を参照すると、本発明によるLED検査方法は、予め設定された色蛍光体を有する封止材が塗布されたLED50に対して、紫外線を利用して第1LED映像を獲得し、可視光を利用して第2LED映像を獲得する映像獲得段階S100、S200と、前記第2LED映像と予め設定された基準映像を利用して、前記封止材の大きさ及び配置方向の同一性を判断するマスクマッチング(mask matching)検査段階S300と、前記第1LED映像及び/または前記第2LED映像を利用して前記LED50の欠陥存在有無を判断する欠陥検査段階S400を含む。
【0049】
また、本発明のLED検査方法は、前記検査段階S300、S400の後、前記検査過程で検査された各検査項目別調査結果、即ち良好及び不良を記憶する段階S500を含むことができる。
【0050】
前記マスクマッチング検査段階S300では、前記第1及び第2LED映像からそれぞれ第1及び第2輪郭線を抽出することができ、このような輪郭線抽出過程については図4を参照して説明する。
【0051】
図4は、本発明による輪郭線抽出過程を示すフローチャートである。
【0052】
図2に示すLED配列板10は、複数のLED50を含んでいるので、図4を参照すると、前記第1LED映像及び第2LED映像もそれぞれ複数のLED映像を含む。よって、前記第1LED映像及び第2LED映像それぞれから一つのLED映像に対する領域を設定し(S310)、前記設定された領域のLED映像に対する雑音を除去し(S320)、その後、第1映像処理(Tracing)を行い、続いて第2映像処理(Threshold)を行う。
【0053】
このような輪郭線抽出過程により、前記第1LED映像及び第2LED映像からそれぞれ第1輪郭線及び第2輪郭線を得ることができる。
【0054】
図2から図4を参照すると、前記マスクマッチング検査段階S300では、前記第2輪郭線と予め設定された基準映像の基準輪郭線を比べて、前記封止材の大きさ及び配置方向の同一性を判断する。
【0055】
また、前記欠陥検査段階S400では、前記第1輪郭線及び/または前記第2輪郭線を利用して、前記LED50の欠陥存在有無を判断する。
【0056】
具体的に、前記欠陥検査段階S400では、前記第1輪郭線と第2輪郭線を比べて前記LED50の封止材のオーバーフローを判断するオーバーフロー検査過程と、前記第1LED映像及び前記第2LED映像を利用して前記LED50の封止材が塗布されたか否かを判断する未塗布検査過程と、前記第1輪郭線と第2輪郭線を比べて前記LED50の封止材に異物が存在するか否かを判断する異物検査過程と、前記第1輪郭線を利用して前記LED50が破損されたか否かを判断する破損検査過程を含むことができる。
【0057】
一方、本発明のLED50は、黄色蛍光体を有する封止材が塗布された白色LEDであってもよい。この時、前記映像獲得段階では、前記第1照明部200の第1光である紫外線によって前記LED50の封止材で生成される黄色をフィルターリングして、前記第1LED映像を獲得することができる。
【0058】
図5aから図5dは、本発明の欠陥種類別映像例示図である。
【0059】
図5aは、本発明によるLED欠陥のうちオーバーフロー欠陥に該当する映像であり、図5bは、本発明によるLED欠陥のうち封止材未塗布欠陥に該当する映像であり、図5cは、本発明によるLED欠陥のうち異物欠陥に該当する映像であり、図5dは、本発明によるLED欠陥のうち破損欠陥に該当する映像である。
【0060】
また、図5a、図5b、図5c及び図5dにおいて、左側映像は可視光を利用して獲得された第2LED映像であり、右側映像は紫外線を利用して獲得された第1LED映像である。
【0061】
以下、本発明の作用及び効果を添付図面に基づいて詳しく説明する。
【0062】
図2を参照すると、本発明によるLED検査装置において、本発明の第1照明部200は、第1光として紫外線を生成して供給し、本発明の第2照明部300は、第2光として可視光を生成して供給する場合が例示される。
【0063】
先ず、前記第1照明部200からの紫外線は、光分割器400によって反射してLED配列板10のLED50に供給される。この時、本発明のLED50が黄色蛍光体を有する封止材が塗布された白色LEDである場合、前記紫外線は、前記LED50の封止材に含まれた黄色蛍光体によって黄色に反射する。
【0064】
本発明のカラーフィルタ500は、前記第1照明部200が動作オンの時には、予め設定されたフィルターリング領域に位置する。この時、前記LED50からの黄色光は、光分割器400及びカラーフィルタ500を介して映像獲得部600に入力される。
【0065】
ここで、前記映像獲得部600はカメラからなることができ、前記カラーフィルタ500は、色蛍光体に対応するように採用されるが、前記色蛍光体が黄色蛍光体である場合は、黄色フィルターが適用されることができる。前記映像獲得部600は、前記カラーフィルタ500を介して入力される光を電気的信号に変換して、第1LED映像を獲得する。
【0066】
次に、本発明の第2照明部300は、第2光として可視光を生成して前記LED50に供給する。この時、前記第2照明部300の可視光は、前記LED50の封止材を透過し、前記LED50の封止材、底面、青色LEDチップなどによって反射する。
【0067】
一方、前記カラーフィルタ500は、前記第2照明部300が動作オンの時には、予め設定されたフィルターリング領域を除いた領域に位置する。この時、前記LED50によって反射した可視光は、前記カラーフィルタ500を通過せず前記映像獲得部600に伝達される。
【0068】
前記映像獲得部600は、前記カラーフィルタ500を通過せず入力された可視光を電気的信号に変換して、第2LED映像を獲得する。
【0069】
次に、本発明のLED状態判定部700は、前記映像獲得部600からのLED映像を利用してLED状態不良有無を判断するが、これについて詳しく説明する。
【0070】
前記LED状態判定部700は、前記第1LED映像から第1輪郭線(edge line)を抽出し、前記第2LED映像から第2輪郭線を抽出する。
【0071】
先ず、前記LED状態判定部700は、前記第2輪郭線と予め設定された基準輪郭線を比べて、前記封止材の大きさ及び配置方向の同一性を判断するマスクマッチング(mask matching)検査過程を行う。例えば、前記第2輪郭線と予め設定された基準輪郭線と一致するか否かを判断して、一致すれば大きさ及び配置方向が同一であると認識し、一致しなければ大きさ及び配置方向が同一でないと認識する。
【0072】
次に、前記LED状態判定部700は、前記第1輪郭線及び/または第2輪郭線を比べて、前記LED50の欠陥有無を判断する欠陥検査過程を行うことができる。
【0073】
この時、前記LED状態判定部700は、前記LED50の欠陥として、封止材のオーバーフロー、封止材の未塗布、封止材に含まれた異物存在及び破損のうち少なくとも一つの欠陥を判断することができる。
【0074】
以下、図2から図5を参照して本発明によるLED検査方法を説明する。
【0075】
図3に示す本発明のLED検査方法において、先ず、映像獲得段階S100、S200では、予め設定された色蛍光体を有する封止材が塗布されたLED50に対して、紫外線を利用して第1LED映像を獲得し、可視光を利用して第2LED映像を獲得する。
【0076】
ここで、本発明のLED50は、黄色蛍光体を有する封止材が塗布された白色LEDであってもよい。この時、前記映像獲得段階では、前記第1照明部200の第1光である紫外線によって、前記LED50の封止材で生成される黄色をフィルターリングして、前記第1LED映像を獲得することができる。
【0077】
ここで、第1LED映像及び第2LED映像の獲得過程までの動作は、図2を参照して上述した動作と同一であるので、その説明は省略する。
【0078】
次に、本発明のマスクマッチング(mask matching)検査段階S300では、前記第2LED映像と予め設定された基準映像を利用して、前記封止材の大きさ及び配置方向の同一性を判断する。
【0079】
この時、前記マスクマッチング検査段階S300では、前記第1及び第2LED映像からそれぞれ第1及び第2輪郭線を抽出する。このような輪郭線抽出過程については、図4を参照して説明する。
【0080】
図4を参照すると、図2に示すLED配列板10は複数のLED50を含んでいるので、前記第1LED映像及び第2LED映像もそれぞれ複数のLED映像を含んでいる。よって、前記第1LED映像及び第2LED映像それぞれから一つのLED映像に対する領域を設定し(S310)、前記設定された領域のLED映像に対する雑音を除去し(S320)、その後、第1映像処理(Tracing)を行い、続いて第2映像処理(Threshold)を行う。
【0081】
このような映像処理過程を通じて、前記第1LED映像及び第2LED映像からそれぞれ第1輪郭線及び第2輪郭線を得ることができる。
【0082】
これによって、図2から図4を参照すると、前記マスクマッチング検査段階S300では、前記第2輪郭線と予め設定された基準映像の基準輪郭線を比べて、前記封止材の大きさ及び配置方向の同一性を判断する。
【0083】
次に、本発明の欠陥検査段階S400では、前記第1LED映像及び/または前記第2LED映像を利用して、前記LED50の欠陥存在有無を判断する。より詳細に、前記欠陥検査段階S400では、前記第1及び第2LED映像から抽出された第1及び第2輪郭線、そして基準輪郭線を利用して、前記LED50の欠陥存在有無を判断する。
【0084】
前記欠陥例による検査過程は、オーバーフロー検査過程、未塗布検査過程、異物検査過程及び破損検査過程を含むことができる。
【0085】
前記オーバーフロー検査過程では、前記第1輪郭線と第2輪郭線を比べて、前記LED50の封止材のオーバーフローを判断する。例えば、図5aに示すように、封止材のオーバーフローが発生すると、前記第2輪郭線に二重線や二重以上の線が形成され、前記第1輪郭線と第2輪郭線が互いに一致しない。
【0086】
前記未塗布検査過程では、前記第1LED映像及び前記第2LED映像を利用して、前記LED50の封止材が未塗されたか否かを判断する。例えば、図5bに示すように、第2輪郭線は明らかに存在するが、第1輪郭線は検出されない。
【0087】
前記異物検査過程では、前記第1輪郭線と第2輪郭線を比べて、前記LED50の封止材に異物が存在するか否かを判断する。例えば、図5cに示すように、前記第1輪郭線と第2輪郭線が互いに一致しない上、前記第1輪郭線の外側輪郭線内部領域に異物に該当する輪郭線が存在する。
【0088】
そして、前記破損検査過程では、前記第2輪郭線を利用して、前記LED50の破損有無を判断する。例えば、図5dに示すように、第2輪郭船のうち一部の輪郭線の形状が破損された形状に該当する。
【0089】
上述したような過程を行った後、本発明の段階S500では、前記検査段階S300、S400の後、前記検査過程で検査された各検査項目別調査結果、即ち良好及び不良を記憶することができる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
上述したように、本発明のLED検査装置及びLED検査方法によると、紫外線照明と可視光照明を利用してLED映像を獲得し、該獲得されたLED映像の輪郭線を利用することで、LEDの欠陥を総合的に自動検査することができる。従って、LED検査に対するより高い信頼性を確保することができる。
【符号の説明】
【0091】
10:LED配列板
50:LED
200:第1照明部
300:第2照明部
400:光分割器
500:カラーフィルタ
600:映像獲得部
700:LED状態判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光を生成して、前記第1光によって励起されて前記第1光より長波長の光を放出する蛍光体を有する封止材が具備されたLEDに照射する第1照明部と、
前記第1光より長波長の第2光を生成して前記LEDに照射する第2照明部と、
前記蛍光体から放出された光と前記LEDから反射した前記第2光を受信して、前記LEDの映像を獲得する映像獲得部と、
前記映像獲得部から得られた前記LEDの映像を利用して、前記LEDの不良有無を判断するLED状態判定部と、を含むことを特徴とするLED検査装置。
【請求項2】
前記第1光は紫外線であり、前記第2光は可視光であることを特徴とする請求項1に記載のLED検査装置。
【請求項3】
前記第1照明部から放出された前記第1光を反射させて前記LEDに供給し、前記LEDから放出された光を透過させる光分割器をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLED検査装置。
【請求項4】
前記LEDから放出された光の経路上に配置され、前記蛍光体から放出された光を通過させ、他の波長の光は遮断するカラーフィルタをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のLED検査装置。
【請求項5】
前記第1照明部は、前記第2照明部が動作オフの時に動作オンされ、
前記第2照明部は、前記第1照明部が動作オフの時に動作オンされることを特徴とする請求項1に記載のLED検査装置。
【請求項6】
前記第1照明部は、前記第2照明部が動作オフの時に動作オンされ、
前記第2照明部は、前記第1照明部が動作オフの時に動作オンされることを特徴とする請求項4に記載のLED検査装置。
【請求項7】
前記カラーフィルタは、前記第1照明部が動作オンの時は、予め設定されたフィルターリング領域に位置し、前記第2照明部が動作オンの時は、予め設定されたフィルターリング領域を除いた領域に位置することを特徴とする請求項6に記載のLED検査装置。
【請求項8】
前記映像獲得部は、前記蛍光体から放出された光を利用して第1LED映像を獲得し、前記LEDから反射した前記第2光を利用して第2LED映像を獲得し、
前記LED状態判定部は、前記第1LED映像から第1輪郭線を抽出し、前記第2LED映像から第2輪郭線を抽出することを特徴とする請求項1に記載のLED検査装置。
【請求項9】
前記LED状態判定部は、前記第2輪郭線と前記LEDの基準輪郭線を比べて、前記封止材の大きさ及び配置方向の同一性を判断するマッチング検査過程を行うことを特徴とする請求項8に記載のLED検査装置。
【請求項10】
前記LED状態判定部は、前記第1輪郭線及び第2輪郭線を互いに比べて、前記LEDの欠陥有無を判断する欠陥検査過程を行うことを特徴とする請求項8に記載のLED検査装置。
【請求項11】
前記LED状態判定部は、前記LEDの欠陥として、前記封止材のオーバーフロー、前記封止材の未塗布、前記封止材に含まれた異物及び破損のうち少なくとも一つの欠陥を判断することを特徴とする請求項10に記載のLED検査装置。
【請求項12】
前記蛍光体は、黄色蛍光体であることを特徴とする請求項1に記載のLED検査装置。
【請求項13】
紫外線によって励起されて前記紫外線より長波長の光を放出する蛍光体を有する封止材が塗布されたLEDに対して、紫外線を前記LEDに照射して前記蛍光体から放出された光により第1LED映像を獲得し、可視光を前記LEDに照射して前記LEDから反射した前記可視光により第2LED映像を獲得する映像獲得段階と、
前記第1及び第2LED映像を利用して、前記LEDの不良有無を判断するLED状態判定段階と、を含むことを特徴とするLED検査方法。
【請求項14】
前記LED状態判定段階では、前記第1及び第2LED映像からそれぞれ第1及び第2輪郭線を抽出し、前記第1及び第2輪郭線を利用して前記LEDの不良を判断することを特徴とする請求項13に記載のLED検査方法。
【請求項15】
前記LED状態判定段階では、前記第2輪郭線と前記LEDの基準輪郭線を比べて、前記封止材の大きさ及び配置方向の同一性を判断するマッチング検査過程を行うことを特徴とする請求項14に記載のLED検査方法。
【請求項16】
前記LED状態判定段階では、 前記第1輪郭線と第2輪郭線を比べて、前記LEDの封止材のオーバーフローを判断するオーバーフロー検査過程を行うことを特徴とする請求項14に記載のLED検査方法。
【請求項17】
前記LED状態判定段階では、前記第1輪郭線と第2輪郭線を比べて、前記LEDの封止材が塗布されたか否かを判断する未塗布検査過程を行うことを特徴とする請求項14に記載のLED検査方法。
【請求項18】
前記LED状態判定段階では、前記第1輪郭線と第2輪郭線を比べて、前記LEDの封止材に異物が存在するか否かを判断する異物検査過程を行うことを特徴とする請求項14に記載のLED検査方法。
【請求項19】
前記LED状態判定段階では、前記第2輪郭線を利用して、前記LEDが破損されたか否かを判断する破損検査過程を行うことを特徴とする請求項14に記載のLED検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【公開番号】特開2011−117848(P2011−117848A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275869(P2009−275869)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(509156538)サムソン エルイーディー カンパニーリミテッド. (114)
【Fターム(参考)】