説明

MEMS表示装置及び該MEMS表示装置の製造方法

MEMS装置が、LCD又はOLED製造に使用される材料を含み、この同じ製造システムでの製造を容易にする。可能ならば、同じ及び同様な材料が、MEMS装置内の多層用に使用され、部分的に透明な電極への透明な導体の使用を避けることができ、必要な材料の数を最小化し、製造コストを最小化する。ある層が、所望の特性を得るように選択された合金を含む。製造プロセスの間に、堆積層の中間処理が行われ、所望の特性を有する層が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
微小電気機械システム(MEMS)が、微小機械素子、アクチュエーター、及び電子機器を含む。
【背景技術】
【0002】
微小機械素子が、堆積、エッチング及び/又は他のマイクロマシニングプロセスを使用して形成されてよく、このマイクロマシニングプロセスが、基板及び/若しくは堆積材料層の部分をエッチングし、又は電気及び電気機械デバイスを形成するように層を追加する。あるタイプのMEMS装置が、干渉型(interferometric)変調器と呼ばれる。本願明細書に使用されるものとして、干渉型変調器又は干渉型光変調器という用語は、光学干渉の原理を使用して光を選択的に吸収及び/又は反射するデバイスについて言及したものである。ある実施形態において、干渉型変調器が、一組の導電板を備えてよく、この導電板の一方又は両方が、その全体又は一部が透明である及び/又は反射型であってよく、適切な電気信号を印加すると相対運動することが可能であってよい。特定の実施形態において、一方の板が、基板上に堆積された固定層を備えてよく、他方の板が、空隙によって固定層から分離された金属膜を備えてよい。本願明細書においてさらに詳しく記載されているように、他方に対しての一方の板の位置により、干渉型変調器上への入射光の光学干渉を変化させることが可能である。このようなデバイスが、広範囲の用途を有し、当業界において、これらのタイプのデバイスの特徴を活用する及び/又は変更するのに役立ち、これらの特徴が、既存製品の改善及び未だ開発されていない新規な製品の製造に利用されることが可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ある実施形態において、基板上に形成され、かつストリップ電極を形成するようにパターン化された導電光吸収体、該光吸収体上に形成された少なくとも1つの支持構造、及び該少なくとも1つの支持構造上に形成され、かつ導電光吸収体から離隔された導電可変層を含む光学MEMS装置が提供され、この光吸収体が、MEMS装置の光学的活性領域内において、ストリップ電極内における第1導体として機能し、この可変層が光吸収体に向かって静電的にたわむ。
【0004】
他の実施形態において、光学MEMS装置の製造方法が提供され、この方法が、基板上に導電光吸収体を形成する段階、ストリップ電極を形成するように導電光吸収体をパターン化する段階、光吸収体上に犠牲層を形成する段階、光吸収体上に少なくとも1つの支持構造を形成する段階、犠牲層及び少なくとも1つの支持構造上に導電可変層を形成する段階、並びに、犠牲層を除去するようにリリースエッチング(release etch)を行う段階、可変層と光吸収体との間にキャビティを形成する段階を含み、光吸収体が、MEMS装置の光学的活性領域内において、ストリップ電極内の第1導体として機能する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】ある実施形態の干渉型変調器ディスプレイの一部を図示した等角図であって、第1干渉型変調器の可動反射層が緩和位置(relaxed position)内にあり、第2干渉型変調器の可動反射層が作動位置内にある。
【図2】ある実施形態の3×3干渉型変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを図示したシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉型変調器のある例示的な実施形態に対して加えられた電圧対可動ミラー位置の図である。
【図4】干渉型変調器ディスプレイを駆動するために使用されうる行及び列の電圧の組の図である。
【図5A】図2の3×3干渉型変調器ディスプレイに表示データのフレームを書き込むために使用されうる行及び列信号に対するある例示的なタイミング図を図示したものである。
【図5B】図2の3×3干渉型変調器ディスプレイに表示データのフレームを書き込むために使用されうる行及び列信号に対するある例示的なタイミング図を図示したものである。
【図6A】複数の干渉型変調器を含むある実施形態の画像表示装置を図示するシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉型変調器を含むある実施形態の画像表示装置を図示するシステムブロック図である。
【図7A】図1の装置の断面図である。
【図7B】他の実施形態の干渉型変調器の断面図である。
【図7C】さらに他の実施形態の干渉型変調器の断面図である。
【図7D】さらに他の実施形態の干渉型変調器の断面図である。
【図7E】さらなる他の実施形態の干渉型変調器の断面図である。
【図8A】干渉型変調器の製造時における様々な段階の略断面図である。
【図8B】干渉型変調器の製造時における様々な段階の略断面図である。
【図8C】干渉型変調器の製造時における様々な段階の略断面図である。
【図8D】干渉型変調器の製造時における様々な段階の略断面図である。
【図8E】干渉型変調器の製造時における様々な段階の略断面図である。
【図8F】干渉型変調器の製造時における様々な段階の略断面図である。
【図8G】干渉型変調器の製造時における様々な段階の略断面図である。
【図8H】干渉型変調器の製造時における様々な段階の略断面図である。
【図8I】干渉型変調器の製造時における様々な段階の略断面図である。
【図9】干渉型変調器の非作動アレイの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な記載は、ある特定の実施形態を対象とするものである。しかしながら、本願明細書に記載された教示内容は、多数の異なる方法に適用されることが可能である。この記載において、全体を通して、同種の部品が、同種の参照符号で示される図面を参照する。動く(例えばビデオ)又は動かない(例えば静止像)、及びテキスト又は画像の像を表示するように構成されたいずれの装置において、本実施形態が、実施されてよい。特に、制限するものではないが、携帯電話、ワイヤレス機器、携帯情報端末(PDAs)、ハンドヘルド又はポータブルコンピューター、GPS受信機/ナビゲーター、カメラ、MP3プレーヤー、カムコーダー、ゲーム機、腕時計、時計、計算機、テレビ用モニター、フラットパネルディスプレイ、コンピューター用モニター、自動車用ディスプレイ(例えば、走行距離計用ディスプレイ等)、コックピットコントロール及び/又はディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(例えば、自動車内における後方確認用カメラのディスプレイ)、電子写真、電光掲示板又はサイン、プロジェクター、建築物、パッケージング、並びに、芸術的建造物(例えば、宝石類上の像のディスプレイ)のような、様々な電子装置内で又はこれと関連させて本実施形態が実施されうると考えられる。本願明細書に記載されたそれらと同様な構造のMEMS装置が、電子スイッチ装置のような非−ディスプレイ用途に使用されることも可能である。
【0007】
干渉型変調器のようなMEMS装置の製造プロセスが、製造プロセスを単純化するように設計されてよく、薄膜トランジスタ(TFT)製造施設、又は、フラットパネルディスプレイ工場、若しくは従来のLCD,OLED工場のような“工場”における製造を容易にする製造プロセスに適応するように設計されてよい。多層用に同じ材料(例えば、吸収体及び犠牲層用にMoCr又はMo)を使用すること、及び信号を運ぶ光吸収体を使用するのに十分に小さなアレイ用のオプティカルスタックから高価な透明な導電性酸化物(例えば、ITO)を除去することにより、さらに簡易化することが出来る。ある実施形態において、製造プロセスに、そのような製造施設において使用されるMoCr合金のような材料が組み込まれてよい。他の実施形態において、特定の組成を有する合金のような材料が、干渉型変調器又は他のMEMS装置に所望の特性を提供するために使用されてよい。
【0008】
干渉型MEMS表示素子を備えたある干渉型変調器ディスプレイの実施形態が、図1に示されている。これらの装置において、ピクセルが、明るい又は暗い状態のいずれかである。明るい(“緩和”又は“オープン”)状態において、表示素子が、ユーザに入射する可視光の大部分を反射する。暗い(“作動”又は“クローズ”)状態において、表示素子が、ユーザに入射する可視光をほとんど反射しない。実施形態により、“オン”及び“オフ”状態の光の反射率特性が反対になってもよい。MEMSピクセルが、選択された色において大部分を反射するように構成されることが可能であり、黒及び白に加え、カラー表示を可能とする。
【0009】
図1は、画像表示の一連のピクセル内における2つの隣接するピクセルを描いた等角図であり、各ピクセルが、MEMS干渉型変調器を備える。いくつかの実施形態において、干渉型変調器ディスプレイが、これらの干渉型変調器の行/列アレイを備える。各干渉型変調器が、互いに可変かつ制御可能な距離に位置された一組の反射層を含み、少なくとも1つの可変寸法を持つ共振光学ギャップを形成する。ある実施形態において、反射層のひとつが、2つの位置の間を移動しうる。本願明細書において緩和位置と呼ばれる第1位置において、可動反射層が、固定された部分的反射層から比較的に大きく離れて位置される。本願明細書において作動位置と呼ばれる第2位置において、可動反射層が、部分的反射層とより密接に隣接して位置される。2つの層から反射する入射光が、可動反射層の位置により、発展的に又は破壊的に干渉し、各ピクセルに対し全体的な反射型又は非−反射型状態のいずれかを形成する。
【0010】
図1におけるピクセルアレイの示された部分が、2つの隣接する干渉型変調器12a及び12bを含む。左の干渉型変調器12aにおいて、可動反射層14aが、部分的反射層を含むオプティカルスタック(optical stack)16aから所定の距離だけ離れた緩和位置に示されている。右の干渉型変調器12bにおいて、可動反射層14bが、オプティカルスタック16bに隣接する作動位置に示されている。
【0011】
本願明細書において参照されるオプティカルスタック16a及び16b(合わせてオプティカルスタック16と呼ぶ)が、通常、インジウムスズ酸化物(ITO)のような電極層、クロムのような部分的反射層、及び透明誘電体を含むことが可能ないくつかの融合(fused)層を含む。従って、オプティカルスタック16が、導電性であり、部分的に透明であり、及び部分的に反射型であり、例えば、透明基板20の上に1つ又はそれ以上の上位層を堆積することにより、製造されてよい。部分的反射層が、様々な金属、半導体及び誘電体のような部分的に反射型である様々な材料から形成されることが可能である。部分的反射層が、材料の1つまたはそれ以上の層から形成されることが可能であり、各層が、単一の材料又は材料の組み合わせにより形成されることが可能である。
【0012】
いくつかの実施形態において、オプティカルスタック16の層が、縞模様にパターン化され、以下にさらに記載されるように、表示装置内の行電極を形成してよい。可動反射層14a、14bが、柱18の上端に堆積された列を形成する堆積金属層又は複数の層(行電極16a、16bと直交する)及び柱18間に堆積された中間(intervening)犠牲材料の一連の縞模様に形成されてよい。犠牲材料が、エッチングされた場合、可動反射層14a、14bが、定義された間隙19だけ、オプティカルスタック16a、16bから分離される。反射層14に対し、アルミニウムのような高導電性かつ反射性材料が、使用されてよく、これらのストリップが、表示装置内の列電極を形成してよい。図1が、縮尺通りではないことに留意すべきである。いくつかの実施形態において、柱18間の間隔が、約10−100μmでよく、一方、間隙19が、約1000オングストローム未満であってよい。
【0013】
図1のピクセル12aによって示されるように、電圧をかけない場合、間隙19が、可動反射層14aとオプティカルスタック16aとの間に残り、可動反射層14aが機械的に緩和状態にある。しかしながら、選択された行及び列に電位(電圧)差が与えられた場合、対応するピクセルにおいて行及び列電極の交点に形成されたコンデンサが、帯電され、静電力により、電極を引き合わせる。電圧が十分に高い場合、可動反射層14が変形され、オプティカルスタック16に押し付けられる。図1の右側の作動ピクセル12bによって示されるように、オプティカルスタック16内の誘電層(この図には示さない)が、短絡を防ぎ、層14と16の間の分離距離を制御しうる。与えられた電位差の極性にかかわらず、この挙動は同じである。
【0014】
図2から5が、ディスプレイ用途における干渉型変調器のアレイを使用するためのある例示的なプロセス及びシステムを示す。
【0015】
図2は、干渉型変調器を組み込みうるある実施形態の電子デバイスを示すシステムブロック図である。電子デバイスが、ARM(登録商標)、Pentium(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、若しくはALPHA(登録商標)のようないずれの汎用シングル−又はマルチ−チップマイクロプロセッサ、又はデジタルシングルプロセッサ、マイクロコントローラー、若しくはプログラマブル ゲート アレイのようないずれの特殊用途マイクロプロセッサでありうるプロセッサ21を含む。当業界において従来と同じように、プロセッサ21が、1つ又はそれ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成されてよい。オペレーティングシステムを実行するのに加え、プロセッサが、ウェブブラウザ、テレフォンアプリケーション、電子メールプログラム、又はいずれの他のソフトウェアアプリケーションを含む1つ又はそれ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成されてよい。
【0016】
ある実施形態において、プロセッサ21が、アレイドライバ22と通信するように構成されてもよい。ある実施形態において、アレイドライバ22が、ディスプレイアレイ又はパネル30に信号を提供する行駆動回路24及び列駆動回路26を含む。図1に示されたアレイの断面が、図2における線1−1によって示される。明確にするため、図2が、3×3アレイの干渉型変調器を図示しているが、ディスプレイアレイ30が、数多くの干渉型変調器を含んでよく、及び、列と行とで異なる数の干渉型変調器を有してもよいこと(例えば、列につき190ピクセルに対し、行につき300ピクセル)に留意すべきである。
【0017】
図3は、ある例示的な実施形態の図1の干渉型変調器に対して加えられた電圧対可動ミラー位置の図である。MEMS干渉型変調器に対し、行/列作動プロトコルが、図3に示されたこれらの装置のヒステリシス特性を利用しうる。例えば、可動層が緩和状態から作動状態に変形するためには、干渉型変調器が、10ボルトの電位差を必要としうる。しかしながら、電圧がこの値から減らされた場合、電圧が、10ボルト以下に戻るにつれて、可動層が、その状態を維持する。図3の例示的な実施形態において、電圧が2ボルト以下に下がるまで、可動層が、完全には緩和しない。このため、図3に示された実施例における約3から7Vの電圧範囲が存在し、ここで、装置が、緩和又は作動状態のいずれかで安定する範囲内である印加電圧のウィンドウが存在する。本願明細書において、これは、“ヒステリシスウインドウ(hysteresis window)”又は“スタビリティウインドウ(stability window)”と呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイに対し、行ストロービング(strobing)の間、作動されるストローブ行におけるピクセルが、約10ボルトの電圧差にさらされ、緩和されるピクセルが、ゼロボルトに近い電圧差にさらされるように、行/列作動プロトコルが、設計されることが可能である。ストローブの後で、ピクセルが、約5ボルトのバイアス電圧差又は定常状態にさらされ、行ストローブがそれらをいずれの状態に位置させるようにこれらが維持される。書き込まれた後、各ピクセルに、この実施例においては3−7ボルトの“スタビリティウインドウ”内の電圧差が与えられる。この特徴により、既存の作動又は緩和状態のいずれかにおける同じ印加電圧条件下において、図1において示されたピクセル設計が安定化される。作動又は緩和状態のいずれかにおける干渉型変調器の各ピクセルが、本質的に、反射層を固定させる及び移動させることによって形成されたコンデンサであるため、この安定状態が、ほぼ電力消費のないヒステリシスウインドウ内の電圧で維持されることが可能である。印加電位が固定される場合、本質的に、ピクセル内に電流が流れない。
【0018】
以下においてさらに記載するように、主な用途において、第1行における所望の組の作動ピクセルに従い、一組のデータ信号(各々が、ある電圧レベルを有する)を列電極の組を介して送信することによって画像のフレームが形成されてよい。次に、行パルスが、第1行電極に印加され、この組のデータ信号に対応するピクセルを作動させる。次に、第2行における所望の組の作動ピクセルに対応して、データ信号の組が、交換される。次に、パルスが、第2行電極に印加され、データ信号に従い、第2行における適当なピクセルが作動される。第1行ピクセルが、第2行パルスによる影響を受けず、第1行パルスの間にこれらが設定される状態に維持する。フレームを形成するために、順次的な方法で、全体の一連の行に対して、これが、繰り返されてよい。通常、フレームが、リフレッシュされる及び/又は毎秒ある所望の数のフレームにおいてこのプロセスを連続的に繰り返すことにより新たな画像データで更新される。また、画像フレームを形成するピクセルアレイの行及び列電極を駆動するための多くの種類のプロトコルが、使用されてよい。
【0019】
図4及び5が、図2の3×3アレイ上に表示フレームを形成するためのある実行可能な作動プロトコルを示す。図4が、図3のヒステリシス曲線を示すピクセルに使用されうる列及び行電圧レベルの実行可能な組を示す。図4の実施形態において、ピクセルを作動させる段階が、適切な列を−Vバイアスに、適切な行を+ΔVに設定する段階を含み、これらは、それぞれ−5ボルト及び+5ボルトに対応しうる。ピクセルを緩和する段階が、適切な列を+Vバイアスに、適切な行を同じ+ΔVに設定する段階により達成され、ピクセルにわたってゼロボルトの電位差を形成する。列が+Vバイアス又は−Vバイアスのいずれであるにもかわらず、行電圧がゼロボルトに維持されているこれらの行において、これらがはじめにいずれの状態にあったにせよピクセルが安定している。また、図4に示されているように、上記のそれらと異極性の電圧が使用されることが可能であり、例えば、ピクセルを作動する段階が、適切な列を+Vバイアスに、適切な行を−ΔVに設定する段階を含む。この実施形態において、ピクセルを緩和する段階が、適切な列を−Vバイアスに、適切な行を同じ−ΔVに設定する段階によって達成され、ピクセルにわたってゼロボルトの電位差を形成する。
【0020】
図5Bは、図5Aに示された表示装置を生じる図2の3×3アレイに与えられた一連の行及び列信号を示すタイミング図であり、ここで、作動ピクセルが、非−反射型である。図5Aに示されたフレームを書き込む前に、ピクセルがいずれの状態にあることが可能であり、この実施例においては、最初に全ての行が0ボルトであり、全ての列が+5ボルトである。これらの印加電圧を備え、それらが存在する作動又は緩和状態において、全てのピクセルが安定である。
【0021】
図5Aのフレームにおいて、ピクセル(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)及び(3,3)が作動されている。これを達成するために、行1に対する“ラインタイム(line time)の間、列1及び2が、−5ボルトに設定され、列3が、+5ボルトに設定される。全てのピクセルが、3−7ボルトのスタビリティウインドウに維持されるため、これが、いずれのピクセルの状態を変化させない。次に、行1が、0から最大5ボルトに達し、ゼロに戻るパルスでストローブされる。これが、ピクセル(1,1)、(1,2)を作動し、ピクセル(1,3)を緩和する。アレイの他のピクセルは影響を受けない。要求どおりに行2を設定するために、列2が−5ボルトに設定され、列1及び3が+5ボルトに設定される。次に、行2に適用された同じストローブが、ピクセル(2,2)が作動し、ピクセル(2,1)及び(2,3)が緩和される。同様に、アレイの他のピクセルは影響を受けない。列2及び3を−5ボルトに、列1を+5ボルトに設定することにより、行3が同様に設定される。図5Aに示されるように、行3ストローブが、行3ピクセルを設定する。フレームに書き込んだ後、行電位がゼロであり、列電位が、+5又は−5ボルトのいずれかのまま維持されることが可能であり、次に、ディスプレイが図5Aの配置に安定する。同じ方法が、数十又は数百の行及び列のアレイに対して使用されることが可能である。行及び列の作動を行うために使用される電圧のタイミング、順番、及びレベルが、上記のように一般的原理の範囲内において広く変更されることが可能であるが、上記実施例は、例示のみを目的とするものであり、本願明細書に記載されたシステム及び方法とともに、いずれの作動電圧法が、使用されることが可能である。
【0022】
図6A及び6Bが、表示装置40の実施形態を示すシステムブロック図である。表示装置40が、例えば、セル方式(cellular)携帯無線電話又は携帯電話であることが可能である。しかしながら、表示装置40又はそれをわずかに変形させたものの同じ部品も、テレビ受信機及びポータブルメディアプレイヤーのような様々なタイプの表示装置の実例となる。
【0023】
表示装置40が、ハウジング41,ディスプレイ30,アンテナ43,スピーカー45、入力装置48、及びマイクロホン46を含む。通常、ハウジング41が、射出成形及び真空成形を含むいずれの様々な製造プロセスから形成される。さらに、ハウジング41が、いずれの様々な材料から形成されてよく、制限するものではないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、及びセラミック、又はこれらの組み合わせを含む。ある実施形態において、ハウジング41が、可動部(示さない)を含み、この可動部が、異なる色の、又は異なるロゴ、図、若しくはシンボルを含む他の可動部と交換されてよい。
【0024】
例示的な表示装置40のディスプレイ30が、本願明細書に記載されたような、双安定(bi−stable)ディスプレイを含むいずれの様々なディスプレイであってよい。他の実施形態において、ディスプレイ30が、上記のような、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、若しくはTFT LCDのようなフラットパネルディスプレイ、又は、CRT若しくは他のチューブデバイスのような非−フラットパネルディスプレイを含む。しかしながら、本実施形態を記載する目的のために、ディスプレイ30が、本願明細書に記載したような干渉型変調器ディスプレイを含む。
【0025】
ある実施形態の例示的な表示装置40の部品が、図6Bに概略的に示されている。示された例示的な表示装置40が、ハウジング41を含み、その中に少なくとも部分的に含まれたさらなる部品を含むことが可能である。例えば、ある実施形態において、例示的な表示装置40が、トランシーバ47とつながれるアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47が、調整用ハードウェア52と接続されるプロセッサ21と接続される。調整用ハードウェア52が、信号を調整するように構成されてよい(例えば、信号をフィルターする)。調整用ハードウェア52が、スピーカー45及びマイクロホン46と接続される。プロセッサ21が、入力装置48及びドライバコントローラー29にも接続される。ドライバコントローラー29が、フレームバッファ28及びアレイドライバ22と連結され、アレイドライバ22が、順にディスプレイアレイ30と連結される。特定の例示的な表示装置40の設計の必要に応じ、電力供給装置50が、全ての部品に電力を提供する。
【0026】
例示的な表示装置40が、ネットワーク上の1つ又はそれ以上の装置と通信できるように、ネットワークインターフェース27が、アンテナ43及びトランシーバ47を含む。ある実施形態において、プロセッサ21の要求を軽減するように、ネットワークインターフェース27が、いくつかの処理機能を有してもよい。アンテナ43が、信号を送信及び受信するための、いずれのアンテナである。ある実施形態において、IEEE 802.11(a)、(b)又は(g)を含むIEEE 802.11規格に従い、アンテナが、RF信号を送信及び受信する。他の実施形態において、ブルートゥース規格に従い、アンテナが、RF信号を送信及び受信する。セル方式携帯無線電話の場合、アンテナが、CDMA、GSM、AMPS、W−CDMA、又は無線セル方式携帯無線電話ネットワーク内において通信するために使用される他の周知の信号を受信するように設計される。トランシーバ47が、アンテナ43から受信した信号を前処理し、これらが、プロセッサ21によって受信され、さらに操作されてよい。また、トランシーバ47が、プロセッサ21から受信した信号を処理し、これらが、アンテナ43を介して、例示的な表示装置40から送信されてよい。
【0027】
代替の実施形態において、トランシーバ47が、レシーバによって置換されることが可能である。さらに他の代替の実施形態において、ネットワークインターフェース27が、プロセッサ21に送られる画像データを保存する又は生成することが可能な画像ソースによって置換されることが可能である。例えば、画像ソースが、画像データを含むハードディスクドライブ若しくはデジタルビデオディスク(DVD)、又は画像データを生成するソフトウェアモジュールであることが可能である。
【0028】
プロセッサ21が、通常、例示的な表示装置40の全体のオペレーションを制御する。プロセッサ21が、ネットワークインターフェース27又は画像ソースからの圧縮画像データのようなデータを受信し、データを生(raw)画像データ又は原画像データに容易に処理されるフォーマットに処理される。次に、プロセッサ21が、処理データをドライバコントローラー29に、又は保存のためのフレームバッファ28に送る。通常、生データが、画像内における各位置の画像特性を識別する情報を参照する。例えば、このような画像特性が、色、彩度及びグレースケールレベルを含むことが可能である。
【0029】
ある実施形態において、例示的な表示装置40のオペレーションを制御するために、プロセッサ21が、マイクロコントローラー、CPU、又は論理ユニットを含む。信号をスピーカー45に送信し、マイクロホン46からの信号を受信するために、調整用ハードウェア52が、通常、増幅器及びフィルターを含む。調整用ハードウェア52が、例示的な表示装置40内において、個別部品であってよく、プロセッサ21又は他の部品内に組み込まれてもよい。
【0030】
ドライバコントローラー29が、プロセッサ21によって生成された生画像データを、プロセッサ21から直接的に又はフレームバッファ28から取り込み、アレイドライバ22に高速で送信するために、生画像データを適切に再フォーマットする。具体的には、ドライバコントローラー29が、生画像データを、ラスタ(raster−like)のフォーマットを有するデータフローに再フォーマットし、これが、ディスプレイアレイ30にわたるスキャンニングに適したタイムオーダーを有する。次に、ドライバコントローラー29が、フォーマット化された情報を、アレイドライバ22に送る。LCDコントローラーのようなドライバコントローラー29が、しばしば、スタンド−アローン集積回路(IC)としてのシステムプロセッサ21と連結されるが、このようなコントローラーが、多くの方法で実行されてよい。これらが、ハードウェアとしてプロセッサ21に内蔵され、ソフトウェアとしてプロセッサ21に内蔵されてよく、又はハードウェア内にアレイドライバ22と完全に統合されてよい。
【0031】
通常、アレイドライバ22が、ドライバコントローラー29からフォーマット化された情報を受信し、ビデオデータを、ディスプレイのピクセルのx−yマトリックスから生じる数百及びときには数千のリードに毎秒何度も適応されるパラレルセット(parallel set)の波形に再フォーマットする。
【0032】
ある実施形態において、ドライバコントローラー29、アレイドライバ22、及びディスプレイアレイ30が、本願明細書に記載されたいずれのタイプのディスプレイに適している。例えば、ある実施形態において、ドライバコントローラー29が、従来型のディスプレイコントローラー又は双安定ディスプレイコントローラーである(例えば、干渉型変調器コントローラー)。他の実施形態において、アレイドライバ22が、従来型のドライバ又は双安定ディスプレイドライバである(例えば、干渉型変調器ディスプレイ)。ある実施形態において、ドライバコントローラー29が、アレイドライバ22と統合される。このような実施形態が、セル方式の携帯無線電話、腕時計、及び他の狭い面積のディスプレイのような高度に統合されたシステムによく見られる。さらに他の実施形態において、ディスプレイアレイ30が、標準的なディスプレイアレイ又は双安定ディスプレイアレイである(例えば、干渉型変調器のアレイを含むディスプレイ)。
【0033】
入力装置48により、ユーザが、例示的な表示装置40のオペレーションを制御することが可能となる。ある実施形態において、入力装置48が、QWERTYキーボード又は電話キーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、タッチセンサースクリーン、又は感圧若しくは感熱膜を含む。ある実施形態において、マイクロホン46が、例示的な表示装置40用の入力装置である。マイクロホン46が、装置にデータを入力するために使用される場合、例示的な入力装置40のオペレーションを制御するために、音声命令が、ユーザによって与えられてよい。
【0034】
電力供給装置50が、当業界において周知であるような様々なエネルギーストレージデバイスを含むことが可能である。例えば、ある実施形態において、電力供給装置50が、ニッケル−カドミウム電池又はリチウムイオン電池のような充電池である。他の実施形態において、電力供給装置50が、再生可能エネルギー源、コンデンサ、又はプラスチック太陽電池及び太陽電池ペイント(paint)を含む太陽電池である。他の実施形態において、電力供給装置50が、壁コンセントから電力を受け取るように構成される。
【0035】
いくつかの実施例において、上記のように、プログラム可能性の制御が、電子表示システムの様々な場所に位置することが可能であるドライバコントローラーに備わっている。いくつかの場合、プログラム可能性の制御が、アレイドライバ22に備わっている。上記の最適化が、いずれの数のハードウェア及び/又はソフトウェア部品、並びに様々な機器構成において実現されうる。
【0036】
上記に説明した原理に従って作動する干渉型変調器の構造の詳細が、大きく変更されてよい。例えば、図7A−7Eが、可動反射層14及びその支持構造の5つの異なる実施形態を図示する。図7Aが、図1の実施形態の断面であり、金属材料14のストリップが、直交してのびる支持体18上に堆積される。図7Bにおいて、各干渉型変調器の可動反射層14が、正方形又は長方形状であり、その角のみで支持体に取り付けられ、テザー(tether)32に取り付けられている。図7Cにおいて、可動反射層14が、正方形又は長方形状であり、柔軟性金属を備えうる可変層34からつるされている。可変層34が、直接的に又は間接的に可変層34の周辺の基板20と接続される。これらの接続部を、本願明細書において、支柱と呼ぶ。図7Dにおいて示された実施形態が、支柱プラグ42によって形成された支持体を有し、可変層34が、それ上に配置される。図7A−7Cのように、可動反射層14が、間隙上につるされたまま維持されるが、可変層34とオプティカルスタック16との間のホールを満たすことにより、可変層34が、支柱を形成しない。正しくは、支柱が、支柱プラグ42を形成するために使用される平坦化材料から形成される。他の実施形態において、支持体が、支持レールのような連続する壁をさらに又は代替的に含むことが可能である。図7Eに示された実施形態が、図7Dに示された実施形態をベースとしているが、また、図7A−7Cに示されたいずれかの実施形態、及び示されないさらなる実施形態と連動するように適応されてよい。図7Eに示された実施形態において、金属又は他の導電材料の追加層が、バス構造44を形成するために使用される。これにより、信号が、干渉型変調器の背面に沿ってルーティングされることが可能となり、別な方法で基板20上に形成されうる多くの電極を排除することが可能となる。
【0037】
図7に示されたそれらのような実施形態において、干渉型変調器が、直視型(direct−view)装置として機能し、画像が、透明基板20の前側から見られ、この側が、変調器が配置される側と対向する。これらの実施形態において、反射層14が、可変層34を含む基板20と対向する反射層の側面上の干渉型変調器の部分を光学的にシールドする。これにより、画質に悪影響を与えることなく、シールド領域が、構成され、操作される。例えば、このようなシールディングが、図7Eにおけるバス構造44を可能とし、アドレッシング及びそのアドレッシングの結果として生じる動作のような、変調器の電気機械特性から変調器の光学特性を分離する能力を提供する。この分離可能な変調器アーキテクチャにより、変調器の電気機械的観点及び光学的観点のために使用される材料及び構造設計が、選択され、及び互いに独立して機能することが可能となる。さらに、図7C−7Eに示された実施形態が、可変層34によって実行されるその機械的特性からの反射層14の光学特性のデカップリングから生じるさらなる利点を有する。これにより、反射層14のために使用される構造設計及び材料が、光学特性に関して最適化されることが可能となり、可変層34のために使用される構造設計及び材料が、所望の機械的特性に関して最適されることが可能となる。
【0038】
干渉型変調器のようなMEMS装置のアレイ内で又は隣接して、さらなる構造が設けられてよい。例えば、アレイが見えた場合に、マスクが、望ましくない光学的効果を最小化又は防ぎ、ブッシング(bussing)構造が、アレイを通した導電性を改善することが可能である。さらに、特定の材料が、ある所望の効果を得るために使用されてよい。使用される材料が、装置を製造するために使用される異なる材料の量を最小化するように選択されてもよく、製造プロセスを単純化する又は薄膜トランジスタ(TFT)製造施設若しくは“工場”などにおいて既に配置済みの特定の製造装置に製造プロセスを適用させる。
【0039】
図8A−8Iでは、MEMS装置のアレイを形成するために使用されうるプロセスフローが図示される。特に、このプロセスフローが、干渉型変調器のアレイの形成を対象とするが、このプロセスフローのある段階、及びその中で使用されるある材料が、他のタイプのMEMS装置の製造に使用されてもよい。
【0040】
図8Aでは、光−透過型基板100が図示され、これ上にブラックマスク吸収体層110が形成される。ある実施形態において、光−透過型基板100が、透明又は実質的に透明であってよく、ガラス又はポリマーのような材料を含んでよい。ある実施形態において、所望の隙間を設けるために光透過型層によって間隙をあけて配置された2つの吸収体層を含む固定干渉型構造が、干渉型ブラックマスクとして使用されてよく、干渉型ブラックマスク上に入射する光の干渉型の調節のため、暗くみえる。ブラックマスクと称されるが、ブラックマスクが、黒くみえる必要はなく、観察者の方に反射して戻る光の強度が弱まらない限り、グレーのようないくつかの他の色に見えてもよい。このような実施形態において、ブラックマスク吸収体層110が、入射光に対し部分的に透過性である材料及び厚さで形成され、ある入射光は、反射され、ある入射光は、下位層にそれを通して透過される。ある実施形態において、ブラックマスク吸収体層110が、約70−75オングストロームの厚さを有するMoCr合金の層を含むが、他の適当な材料及び厚さが使用されてもよい。例えば、以下においてさらに詳細に議論されるように、ある実施形態において、ブラックマスク吸収体層が、適当な厚さのモリブデンを含んでよく、クロムのみを含む層が使用されてもよい。ある実施形態において、可視光に対する吸収体層の反射率が、28.5%と34.5%の間となるように、ブラックマスク吸収体層110の厚さ及び材料が選択される。ある実施形態において、ブラックマスク吸収体層110が、基板上にスパッタ蒸着されるが、他の適当な蒸着法が使用されてもよい。
【0041】
特定の実施形態において、MoCr層が、約2原子%のクロムを含んでよい。他の実施形態において、MoCr層が、約2から3原子%の間のクロムを含んでよい。モリブデン層内におけるクロムの含有物が、層の反射率を増加させることが可能である。高レベルのクロムが、層のパターニングを困難にし、また、ある装置内のクロム量の制限を調節することによって、高レベルのクロムが抑制されうる。他の実施形態において、吸収体層としてのMoCrの使用が、フラットパネルディスプレイ工場、又は従来のLCD若しくはOLED工場のようなTFT工場におけるこれらの材料の製造を容易なものにしうるが、これは、このようなMoCrがこのような工場においてゲート材料として一般的に使用されているためである。
【0042】
図8Bにおいて、ブラックマスク吸収体層110が、パターン化され、ブラックマスク吸収体112を形成するようにエッチングされ、ブラックマスク誘電体層120が、ブラックマスク吸収体112上に堆積されている。平面として図示されているが、材料及び堆積プロセスによって、この層及び次の堆積層が、下位層上にコンフォーマルに堆積されてよく、平面上面を備えなくてもよいと理解されうる。図示された実施形態において、ブラックマスク吸収体層110が、導体材料から形成されてよく、いくつかの実施形態では、ブラックマスク誘電体層120が、実質的にパターン化されないままであってよく、又は、ブラックマスク誘電体層120が、ブラックマスク吸収体112を覆わず、ブラックマスク誘電体層120の部分を除去するようにパターン化されてもよい。いくつかの実施形態において、ブラックマスク誘電体層120が、干渉型ブラックマスク内の2つの吸収体層の間の光キャビティ又はスペーサーとして機能し、ブラックマスク誘電体層120が、約800オングストロームの厚さを有するSiOを含んでよく、約1.46の屈折率を有してよいが、他の適当な材料が使用されてもよい。いくつかの実施形態において、層120が、760から840オングストロームの間の厚さを有してよいが、それよりも厚い又は薄い層が使用されてもよい。従って、誘電体層120が、干渉型ブラックマスクの光路を規定し、所望の“色”に対する厚さが、選択された材料の屈折率によって決まるものであると理解される。ブラックマスク誘電体層120が、化学的気相成長法によって蒸着されてよいが、他の適当な方法が使用されてもよい。下部のブラックマスク吸収体層112内のいずれの鋭いエッジを滑らかにする上部層のコンフォーマルな堆積を容易にするように、ブラックマスク誘電体層120の厚さが、選択されてもよい。
【0043】
図8Cにおいて、光吸収体130が、ブラックマスク誘電体層120上に堆積される。ある実施形態において、光吸収体が、ブラックマスク吸収体112と同じ材料から形成されてよく、従って、同じタイプの装置を使用して堆積されてよい。従って、いくつかの実施形態において、光吸収体130が、MoCrの層を備えてよく、70−75オングストロームの厚さを有してよい。MoCr光吸収体130が、導電性であるため、電極として機能する別の導電層の堆積が必要ないが、他の実施形態では、インジウムスズ酸化物のような別の透明導電層が、光吸収体130の上又は下のいずれかに堆積されてよい。
【0044】
ある実施形態において、40未満のピクセルにわたる行及び列を有する干渉型変調器のアレイのような小さなアレイのMEMS装置に対し(例えば、光吸収体130によって形成された導電層が、わずか40ピクセルに広がる)、別の透明導電層の堆積が、信号伝導またはブッシングのために不要であるが、使用される材料及びピクセルのサイズに依存し、別の導電層なしに、異なるサイズ及び形状のMEMSアレイが、形成されてよい。従って、ITO又は他の透明導体が、図示された実施形態から省略される。光吸収体130が、下部又は行電極内で唯一の又は第1の導体として機能してよく、光吸収体層130の組成が、その導電性、及び光学特性に応じて選択されて良い。上記のように、約2原子%のクロムを含むMoCr層が、光吸収体130として使用されてよく、適当な導電性を有する層が提供されてよい。さらなるクロムの含有物が、その導電性を増加させうるものであるが、行電極をパターニングするためのエッチングを複雑化するような、集積への望ましくない効果を有することが見いだされている。次に、その後のパターニング段階が、実行されてよく、アレイに対する行電極を定めるストリップ電極の形成のような、所望のパターン(図示しない)を形成するように光吸収体130がパターン化される。光補償層130に隣接して透明導電層が堆積されない場合、光補償層が、このようなストリップ電極の少なくとも一部における第1の又は唯一の導体として機能してよい。
【0045】
光吸収体130が、アレイの異なる部分における2つの光学的機能を果たしてよい。上記のように、光吸収体130がブラックマスク吸収体130上に位置するブラックマスク領域114において、光吸収体及びブラックマスク吸収体が、共同して、干渉型ブラックマスクを形成する。特定の寸法及び材料を考慮すると、固定素子が、入射光の大部分を吸収し、ブラックマスクとして機能し、反射光から覆っている構造を妨げる。MEMSアレイの状態にかかわらず、ブラックマスク領域114が、特定の色又は光を反射する(又は、光を吸収する)ため、これらの領域が、光学的に非活性であるとみなされうる。ある実施形態において、光の大部分が吸収されるが、反射される光の量を、吸収体層の厚さ及び不透明性を変えることによって制御することが可能である。反射される光の量の変化が、このようなアレイを組み込んだ表示装置のコントラスト比に影響を及ぼす。
【0046】
ブラックマスク領域114から離れて位置する領域のような、光学的に活性な領域において、光吸収体130が、例えば、図1のオプティカルスタック16における部分的な反射層のような干渉型変調器における部分的な反射層として機能してよい。従って、光吸収体130が、1つ又はそれ以上の様々な色を反射しうる干渉型変調器における部分的反射及び部分的透明層として機能する。また、Moの含有物が、ある色に対し優れた色の性能を提供しうるものであり、MoCrのようなMoを含む光吸収体が、Cr光吸収体を有する干渉型変調器よりも優れた赤色を提供しうる。
【0047】
図8Dにおいて、ブッシング層が、光吸収体130上に堆積され、ブッシング構造を形成するようにパターン化される。ブッシング構造が、光吸収体130又は他の導電層よりも優れた導電性を提供する材料又は厚さを備えてよい。図8Dに示された特定の実施形態において、ブッシング構造が、下部副層142及び上部副層144を含む。また、ブッシング層、アレイの外側に広がり、コンタクトパッド又はドライバ回路のような外部の部品とアレイ内の部品との間の電気通信を可能としうると考えられる。
【0048】
ある実施形態において、下部副層142が、Alを含み、上部副層144が、Niを含み、特定の実施形態において、下部副層142が、Al−Nd合金を含み、上部副層144が、Ni−B合金を含む。以下においてされに詳細に議論されるように、Al−Nd合金が、約2%のネオジムを含み、Ni−B合金が、約0.1−0.5%のホウ素を含んでよい。これらの特定の合金が、MEMS装置内の他の層に使用されてもよい。
【0049】
図8Dから分かるように、ブッシング構造140が、ブラックマスク吸収体112によって決まるブラックマスク114の一部上に位置してよい。ブラックマスク領域114が、上部層からの光学干渉を最小化するため、望ましくない光学的効果を生じさせることなく、Alのような反射材料が、ブッシング構造140内で使用されてよい。従って、ある実施形態において、ブッシング構造が、アレイ内のブラックマスク領域114、又はアレイの外側のルーティング領域内における相互接続のような、ディスプレイの光学的非活性領域内において導体として機能してよく、導電性光吸収体層130が、ディスプレイのある光学的活性領域におけるストリップ電極内の第1の又は唯一の導体として機能してよい。光学的非活性領域におけるブッシング構造140の使用により、光学的活性領域における低い導電性を補うことができ、ITOのような透明導電層が必要なくなる。
【0050】
図8Eにおいて、光誘電体層150が、ブッシング構造140上に堆積され、次に、エッチバリア層152及び犠牲層160が堆積される。ある実施形態において、光誘電体層150が、ブラックマスク誘電体層120と同じ材料を含んでよい。特定の実施形態において、光誘電体層150が、SiOの層を含み、このSiOの層が、化学的気相成長法によって堆積されてよく、380から440オングストロームの厚さを有してよいが、他の適当な材料、厚さ及び堆積技術が使用されてもよい。崩壊状態(図1参照)の場合、光誘電体の厚さ及び材料(屈折率)が、完成した干渉型変調器によって反射された干渉型の色を決定するように選択される。エッチバリア層152が、犠牲層160のような隣接する層の組成及び使用される特定のエッチによって決まる様々な材料を含んでよい。ある実施形態において、エッチバリア層が、XeFエッチに対し耐性を有してよいが、製造プロセスにおいて後に使用される他の化学エッチング又はリリースによって決まる異なる材料が使用されてよい。ある実施形態において、エッチバリア層が、約80オングストロームの厚さを有するAl層を含み、光誘電体層150上にスパッタ蒸着されてよいが、他の厚さ及び材料が使用されてもよい。
【0051】
犠牲層160の高さが、犠牲層が除去された場合に形成される干渉型キャビティのサイズに影響を及ぼし、次に、可動反射層が図1の可動反射層14aのような緩和した又は非作動の位置にある場合に干渉型変調器によって反射される色に影響を及ぼす。図8Eでは、実質的に一定の高さを有する犠牲層160が描かれている。他の実施形態において、犠牲層160が、様々な高さを有しうると理解される。例えば、犠牲層160が、緩和位置において異なる干渉型の色を反射する個別のピクセルに対応する領域で異なる高さを有しうる。このような犠牲層が、例えば、反復の堆積及びパターニングプロセスをとおして形成されてよい。可動反射層が非作動位置にある場合に、緑黄色の光を反射するモノクロアレイの特定の実施形態において、犠牲層160が、エッチバリア層152上にスパッタ蒸着されたモリブデン層を含み、約1715から1855オングストロームの厚さを有してよい。しかしながら、異なる色のモノクロアレイを得るために、異なる厚さが使用されてもよいと理解される。
【0052】
図8Fにおいて、犠牲層160が、パターン化され、犠牲層160を通して広がる開口部162を形成し、次に、支持柱材料の層170が、犠牲層160上に堆積されることが分かる。図示された実施形態において、これらの開口部162が、犠牲層160を通して、この場合はエッチバリア層152である下部層に広がるテーパー開口部の形状となる。図に示すように、開口部のテーパーが、支持柱層170のコンフォーマルな堆積を容易にする。ある実施形態において、支持柱材料が、化学気相成長法を使用して堆積された約4360から4520オングストロームの厚さを有するSiOの層を備えるが、他の材料、厚さ、及び堆積プロセスが使用されてもよい。特に、支持柱層170の厚さが、層を形成するために使用される材料、及び結果として生じる支持柱の所望の機械的特性によって決まるものであってよい。
【0053】
図8Gにおいて、支持柱層170が、パターン化され、支持構造172を形成するようにエッチングされ、MEMS装置のアレイ全体にわたって様々な形状とされてよい。図8Gでは、テーパー端部176を備えた実質的に水平に広がるウイング部174を有する支持構造172が描かれている。ウイング部174のサイズを変化させることよって、この水平に広がるウイング部174が、(例えば、以下に記載される機械的、ミラー層)上部層の動作及び高さを制御するために使用されることができる。テーパー端部176が、上部層の連続したコンフォーマルな堆積を容易にする。
【0054】
さらに、図8Gに関して記載された段階に続いて、可変反射層180の堆積の前に犠牲層160の露出部が処理される処理段階が実施される(以下の図8H参照)。犠牲層160が、後に除去された場合に、例えば、テクスチャ―表面の形成及び/又は表面エネルギーの変更のような犠牲層の処理により、テクスチャ―表面及び/又は変更された表面エネルギーを有する可変反射層180が結果として生じる。例えば、テクスチャ―下面を有する可変反射層180の形成により、可変反射層180と下部層との間の静摩擦の発生を防ぐ又は遅らせうる。
【0055】
特定の実施形態において、犠牲層160が、NOプラズマ処理プロセスによって処理されてよい。支持構造172を形成するために柱層170をパターニングした後で、これによって、柱から離れて位置する犠牲層160の部分が露出され、NOを含むプラズマ環境が形成されてよく、部分的に製造されたアレイが、しばらくのあいだNOプラズマ環境に露出される。ある実施形態において、この露出が、30秒から5分の間継続されてよいが、他の実施形態では、これより長い又は短い露出時間が使用されてもよい。ある実施形態において、柱構造が、ドライ−エッチチャンバ内で形成され、プラズマ環境が、同じドライ−エッチチャンバの内側で形成されてよい。他の実施形態において、この処理が、開口部162を形成するための犠牲層160の最初のパターニングの前のように、柱形成の前に行われてよい。
【0056】
図8Hにおいて、可変反射層180が、支持構造172上に形成される。可変反射層180が、反射副層182及び該反射副層182上に形成された機械的副層184を含む。通常、反射副層182が、その光学的特性を第一に考えて選択される材料を含んでよく、機械的副層が、その機械的特性を第一に考えて選択される材料を含んでよい。
【0057】
ある実施形態において、反射副層が、アルミニウムを含んでよく、機械的副層が、ニッケルを含んでよい。反射層内におけるネオジムの存在が、アルミニウム層上において青いスポット状の変色を引き起こしうるアルミニウム移動を抑制し、このスポットが、望ましくない光学的効果を引き起こしうる。反射層内における約2原子%のネオジムの存在が、アルミニウム移動を抑制するために十分であるが、さらなるネオジムの含有が、反射副層の反射性を減少させ、反射副層の抵抗を十分に増加させうる。従って、反射副層内のNdが、アルミニウム膜の2.5原子%以下となるように選択され、特に、約0.5原子%から2.5原子%の間となるように選択されることが可能である。
【0058】
特定の実施形態において、反射副層が、Al−Nd合金を含んでよく、特定の実施形態では、約2原子%のネオジムを含むスパッタ−蒸着Al−Nd合金を含んでよい。特定の実施形態において、反射副層が、約300から400オングストロームの間の厚さを有してよい。特定の実施形態において、機械的副層が、Ni−B合金を含んでよく、特定の実施形態では、約0.1−0.5原子%のボロンを含みかつ約750から850オングストロームの厚さを有するNi−B合金を含んでよい。機械的層内のホウ素の含有が、機械的層の剛性を増加させる。光学層の剛さの増加が、機械的層の復元力の減少を防ぐ又は遅らせるために役立つことができ、この減少が、予期された電圧において、ピクセルがリリースしそこなうことにつながる。さらに、堅い機械的層が、アレイ全体をとおしてわずかな支持構造を必要とし、アレイの大部分が、光学的に活性となることができ、ブラックマスクによってマスクされない。ブッシング構造140を含む実施形態において、柱の減少からの活性領域の増加が、ブッシング構造のマスキングによる活性領域の損失を相殺する。約0.5原子%である比較的少ない量のホウ素の使用により、光誘電体及び吸収体層を含む隣接層へのホウ素の過度の拡散を回避し、この拡散が望ましくない電気的効果を引き起こしうる。
【0059】
ブッシング構造140又は可変反射層180内のように、Ni−B合金が、Al−Nd合金上に堆積された実施形態において、Ni−B層の堆積が、望ましくない電気的特性を有しうるこの2つの層の間における金属間化合物合金の形成を生じうる。この金属間化合物合金の形成が、いずれのAl含有層及びいずれのNi含有層の間にも生じうる。この金属間化合物合金の形成を回避する又は最小化するために、下部層の堆積物(この場合Al−Nd層)と上部層の堆積物(この場合Ni−B層)との間において、真空破壊が使用されてよい。直近に堆積されたAl−Nd層をきれいな室内の空気にさらすことで、Al−Nd層の表面上のAlの自然酸化物の形成が促進され、上部Ni−B層の堆積物上における金属間化合物合金の形成が抑制され、金属間化合物合金よりもさらに望ましい電気的特性を有しうる。
【0060】
最後に、図8Iにおいて、可変反射層180が、所望の構造を形成するようにパターン化され、リリースエッチが、犠牲層160を除去するように実施され、可変反射層180と下部層との間にキャビティ164を形成することがわかる。ある実施形態において、エッチホール186が、反射可変層180内に形成されてよく、犠牲層160のさらなる部分をエッチャントに露出させる。さらに、可変反射層が、エッチングされてよく、アレイと該アレイの外側のコンタクトパッドとの間の導電リード及び列ストリップ電極のようなさらなる特徴部(図示しない)が形成される。
【0061】
エッチバリア層152の一部(図8Iにおいて部分的に除去されて示される)が、このリリースエッチプロセスの間に消滅されるが、一部は、完成した装置において残ったままでありうる。ある実施形態において、XeFリリースエッチが、Alエッチバリア層を実質的にエッチングすることなく、Mo犠牲層を除去するために使用されてよい。図8Iにおいて支持構造1172の間の領域において除去されたものとして示されるが、エッチバリア層152の一部が、これらの領域に残されうると理解される。このように、干渉型変調器190が形成され、干渉型変調器190によって反射された光の波長を変えるために、可変反射層180が、下部層に向かって静電的に作動可能である。
【0062】
図9は、干渉型変調器のアレイ200の下から見た図を示す。可変反射層180(図8I参照)が、列電極210を形成するようにパターン化されていることが分かる。空隙の下に位置した導電層が、行電極215を形成するようにパターン化され、可変反射層180の特定の部分の作動を可能にするレール支持体217によって図9に描かれている。特定のピクセル内の行電極又は柱の間の引き延ばしたレール状でありうる支持構造が、暗くみえるブラックマスク領域220によってマスクされる。さらに、エッチホール230(図8Iのエッチホール186と同様)が、アレイ全体で暗いスポットのようにも見える。可変反射層の作動時に、列電極210の部分が、行電極215に向かって移動し、アレイの作動部が、アレイ全体を通して暗くみえうる。しかしながら、異なる構成が使用されてよく、異なる寸法又は材料が使用された場合に、アレイが、非作動位置において第1の色を反射することと、作動位置において第2の色を反射することを切り替えることが可能であり、作動位置が、暗い状態を生じる必要がないと理解される。
【0063】
ある実施形態において、以下の表で説明されるプロセスフローが、MEMS装置の製造に使用されてよい。
【0064】
【表1】

【0065】
表1のプロセスフローにおいて、MoCr及びSiOのような使用された材料が、薄膜トランジスタ製造施設において容易に入手可能であり、多くの材料が、多層に使用され、製造プロセスを単純化する。さらなる導体を必要とせず、従って別個の透明導体又はルーティング材料を含まないディスプレイサイズを製造する場合に、上記プロセスが、使用可能でありうることが分かる。エッチストップ層としてのAlO(又はAl)の堆積が、薄膜トランジスタ製造施設において容易に実施されることが可能である。反射体に使用されるAl−Nd合金が、他の特性の中で、アルミニウム移動に対するその耐性を考慮して選択され、ニッケルが、その機械的強度及び信頼性を考慮して選択される。
【0066】
他の実施形態において、同様な材料及び厚さを使用する代替のプロセスフローが、以下の表に記載される。
【0067】
【表2】

【0068】
上記プロセスフローにおいて、Ni−B合金が、ルーティング/ブッシング層と機械的層の両方に使用され、このプロセスフローを単純化し、ある実施形態において使用されうるコンタクトパッドを取り除くために最後の段階としてパターニングし及びエッチングする。また、プレートにわたる犠牲層及びブッシング層のような層の厚さの変化が、ある実施形態において、あるレベルよりも下であってよい。例えば、ブッシング層の厚さの変化が、180Å以下であってよく、通常、約30Åであってよい。同様に、犠牲層の厚さの変化が、200Å以下であってよく、通常、約30Åであってよい。
【0069】
上記のように、ある材料が、上記の材料の代わりにある材料が使用されてよい。上記の実施形態において、MoCrが、ブラックマスク吸収体112及び光吸収体130として利用される。代替の実施形態において、上記表におけるブラックマスク及び光吸収体が、クロムの追加なしに、所望の反射性を生じさせる適当な厚さのモリブデンを含んでよい。ある実施形態において、ブラックマスク及び光吸収体が、約60から70オングストロームの厚さを有するモリブデンを含んでよいが、他の材料及び厚さが使用されてもよい。この実施形態において、シングルタイプの堆積ツールが、ブラックマスク、光吸収体及び犠牲層の3つ全てを堆積するために利用されることが可能である。
【0070】
上記実施形態の様々な組み合わせが可能であると理解される。上記実施形態におけるこれらの層を形成する層の順番及び材料が、単に例示的なものであると認められる。さらに、いくつかの実施形態において、図示されない他の層が、堆積され、MEMS装置の部分を形成するように又は基板上に他の構造を形成するように処理されてよい。他の実施形態において、これらの層が、当業者に周知である、代替の堆積、パターニング、及びエッチング材料及びプロセスを使用して形成されてよく、異なる順番で堆積されてよく、又は異なる材料から構成されてよい。
【0071】
特に、上記のように、作動位置にある場合に、干渉型変調器によって反射される光の波長を制御するために、様々な層の高さが変更されてよい。特に、犠牲層の高さが、犠牲層が除去された場合に生じるキャビティの高さに影響を及ぼすため、犠牲層の厚さが、干渉型変調器によって反射される色を制御するように変更されてよい。
【0072】
また、特に明記しない限り、実施例に応じて、本願明細書に記載されたいずれの方法のイベント及び動作が、他の順序で実施されることが可能であり、追加され、まとめられ、又は完全に省略されてよい(例えば、その方法の実行にすべての動作又はイベントが必要であるわけではない)と認められる。例えば、上記のように、特に、ディスプレイが十分に小さい場合、ある実施形態が、上記のブッシング構造を含まなくてよい。
【0073】
上記の詳細な記載が示され、記載され、及び、様々な実施形態に適用されるような本発明の新規な特徴が示されたが、説明されたプロセスの装置の詳細及びその形式が、本発明の精神から逸脱することなく、当業者により、様々な省略、置換、及び変更がなされうると理解されるだろう。認識されるように、いくつかの特徴が、他のものから独立して使用され又は実施されうるため、本願明細書において説明された全ての特徴及び利点を提供しない形式内で、本発明が、具体化されてよい。
【符号の説明】
【0074】
12 干渉型変調器
14 可動反射層
16 オプティカルスタック
18 柱
19 間隙
20 基板
21 プロセッサ
22 アレイドライバ
24 行駆動回路
26 列駆動回路
27 ネットワークインターフェース
28 フレームバッファ
29 ドライバコントローラー
30 ディスプレイ
40 表示装置
41 ハウジング
43 アンテナ
45 スピーカー
46 マイクロホン
47 トランシーバ
48 入力装置
50 電力供給装置
52 調整用ハードウェア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学的MEMS装置であって、
基板上に形成され、ストリップ電極を形成するようにパターン化された導電光吸収体;
前記光吸収体上に形成された少なくとも1つの支持構造;及び
前記少なくとも1つの支持構造上に形成され、前記導電光吸収体から離隔された導電可変層;
を備え、
前記光吸収体が、前記MEMS装置の光学的活性領域内における前記ストリップ電極内の第1導体として機能し、
前記可変層が、前記光吸収体に向かって静電的にたわむことが可能であることを特徴とする光学的MEMS装置。
【請求項2】
前記光吸収体が、約2原子%のクロムを含むモリブデン−クロム合金を含むことを特徴とする請求項1に記載のMEMS装置。
【請求項3】
前記光吸収体が、約70−75オングストロームの厚さを有することを特徴とする請求項2に記載のMEMS装置。
【請求項4】
前記光吸収体が、入射可視光の約28.5%から34.5%を反射することを特徴とする請求項1に記載のMEMS装置。
【請求項5】
前記光吸収体の少なくとも一部の下に位置したブラックマスク吸収体層をさらに備え、
前記ブラックマスク吸収体が、前記光吸収体と同じ材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のMEMS装置。
【請求項6】
前記MEMS装置が、前記可変層と前記光吸収体との間に、犠牲層を備え、
前記犠牲層が、前記光吸収体及び前記ブラックマスク吸収体と同じ材料を含むことを特徴とする請求項5に記載のMEMS装置。
【請求項7】
前記犠牲層、前記光吸収体、及び前記ブラックマスク吸収体の各々が、モリブデン層を備えることを特徴とする請求項6に記載のMEMS装置。
【請求項8】
少なくとも1つの前記ブラックマスク吸収体及び前記光吸収体が、入射光の一部を吸収する干渉型ブラックマスクを形成することを特徴とする請求項5に記載のMEMS装置。
【請求項9】
前記ブラックマスク吸収体が、ディスプレイの光学的非活性領域に位置することを特徴とする請求項5に記載のMEMS装置。
【請求項10】
ブラックマスク吸収体層の少なくとも一部が、前記少なくとも1つの支持構造の一部の下に位置することを特徴とする請求項1に記載のMEMS装置。
【請求項11】
前記可変層が、
前記光吸収体に面した反射副層、及び
前記反射副層上に位置した機械的副層
を備え、
前記反射副層が、アルミニウムを含み、
前記機械的副層が、ニッケルを含むことを特徴とする請求項1に記載のMEMS装置。
【請求項12】
前記反射副層が、アルミニウム−ネオジム合金を含むことを特徴とする請求項11に記載のMEMS装置。
【請求項13】
前記アルミニウム−ネオジム合金が、約2原子%のネオジムを含むことを特徴とする請求項12に記載のMEMS装置。
【請求項14】
前記機械的副層が、ニッケル−ホウ素合金を含むことを特徴とする請求項11に記載のMEMS装置。
【請求項15】
前記ニッケル−ホウ素合金が、約0.5原子%のホウ素を含むことを特徴とする請求項14に記載のMEMS装置。
【請求項16】
前記光吸収体層と電気通信する導電ブッシング構造をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のMEMS装置。
【請求項17】
前記ブッシング構造が、第1副層及び第2副層を備え、
前記第1副層が、前記可変層の反射副層と同じ材料を含み、
前記第2副層が、前記可変層の機械的副層と同じ材料を含むことを特徴とする請求項16に記載のMEMS装置。
【請求項18】
前記光吸収体の少なくとも一部上に位置した光誘電体層をさらに備え、
前記光吸収体が、ディスプレイの光学的活性領域における前記光誘電体層と前記基板との間に位置した1つの導電材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のMEMS装置。
【請求項19】
前記MEMS装置が、ディスプレイの光学的活性領域内にITOを含まないことを特徴とする請求項1に記載のMEMS装置。
【請求項20】
前記MEMS装置が、干渉型変調器として機能することを特徴とする請求項1に記載のMEMS装置。
【請求項21】
光学的MEMS装置の製造方法であって、
基板上に導電光吸収体を形成する段階と、
ストリップ電極を形成するように前記導電光吸収体をパターニングする段階と、
前記光吸収体上に犠牲層を形成する段階と、
前記光吸収体上に少なくとも1つの支持構造を形成する段階と、
前記犠牲層及び少なくとも1つの前記支持構造上に導電可変層を形成する段階と、
前記犠牲層を除去するようにリリースエッチングを行う段階と、
前記可変層と前記光吸収体との間にキャビティを形成する段階と、
を含み、
前記光吸収体が、前記MEMS装置の光学的活性領域内において、前記ストリップ電極内の第1導体として機能することを特徴とする光学的MEMS装置の製造方法。
【請求項22】
前記光吸収体が、約2原子%のクロムを含むモリブデン−クロム合金を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記光吸収体が、約70−75オングストロームの厚さを有することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記光吸収体が、入射可視光の約28.5%から34.5%を反射することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記光吸収体の堆積の前に、ブラックマスク吸収体層を形成する段階をさらに含み、
前記ブラックマスク吸収体が、前記光吸収体と同じ材料を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記MEMS装置の光学的活性領域において、前記ブラックマスク吸収体層を除去するように前記ブラックマスク吸収体層をパターニングする段階をさらに含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記犠牲層が、前記光吸収体及び前記ブラックマスク吸収体と同じ材料を含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記犠牲層、前記光吸収体、及び前記ブラックマスク吸収体の各々が、モリブデン層を備えることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記可変層を形成する段階の前に、NOを含むプラズマ環境に前記犠牲層を露出させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つの支持構造を形成する段階の後で、NOを含むプラズマ環境に前記犠牲層を露出させる段階が実施されることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記光吸収体と電気通信するブッシング構造を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記ブッシング構造を形成する段階が、
第1ブッシング副層を形成する段階と、
一定時間の間、前記第1ブッシング副層を真空に露出させる段階と、
前記第1ブッシング副層を真空に露出させる段階の後で、第1層上に第2ブッシング副層を形成する段階と、
を含むことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1ブッシング副層が、約2原子%のネオジムを含むアルミニウム−ネオジム合金を含み、
前記第2ブッシング副層が、約0.5原子%のホウ素を含むニッケル−ホウ素合金を含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記可変層を形成する段階が、
前記犠牲層上に、アルミニウムを含む反射副層を形成する段階と、
第1副層上に、ニッケルを含む機械的副層を形成する段階と、
を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項35】
前記反射副層が、約2%のネオジムを含むアルミニウム−ネオジム合金を含むことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記機械的副層が、約0.5%のホウ素を含むニッケル−ホウ素合金を含むことを特徴とする請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図8I】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−534865(P2010−534865A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518361(P2010−518361)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/070928
【国際公開番号】WO2009/015231
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】