説明

N−(ヘテロアリール)−1H−インドール−2−カルボキサミド誘導体及びバニロイドTRPV1受容体リガンドとしてのその使用

本発明は、一般式(I)の化合物に関する。式中、nは0、1、2又は3であり、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z及びZは水素原子又はある特定の置換基であり、Wは、位置1、2、3又は4で窒素原子に結合した式(a)の縮合二環式基であり、Aは、O、S又はNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5から7員の置換されていてもよい複素環である。前記化合物は、とう痛及び炎症の治療に有用であるTRPVバニロイド受容体のリガンドである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TRPV1(又はVR1)タイプの受容体のインビトロ及びインビボでの拮抗物質又は作動物質活性を示す、N−(ヘテロアリール)−1H−インドール−2−カルボキサミド系化合物に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明の第1の主題は、下記一般式(I)に対応する化合物に関する。
【0003】
本発明の別の主題は、一般式(I)の化合物を調製する方法に関する。
【0004】
本発明の別の主題は、特に医薬品又は薬剤組成物における、一般式(I)の化合物の使用に関する。
【0005】
本発明の化合物は、一般式(I)に対応する。
【0006】
【化7】

式中、
nは0、1、2又は3であり、
、X、X、X、Z、Z、Z、Z及びZは互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、シアノ、C(O)NR、ニトロ、NR、C−C−チオアルキル、−S(O)−C−C−アルキル、−S(O)−C−C−アルキル、SONR、NRCOR、NRSO又はアリール基であり、該アリールは、ハロゲン及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、ニトロ又はシアノ基から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン若しくはアリール基であり、又はRとRは、これらを有する窒素原子と一緒に、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン又はホモピペラジン基を形成し、この基はC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン又はアリール基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、C−C−アルキル又はアリール基であり、
はC−C−アルキル又はアリール基であり、
Wは、位置1、2、3又は4を介して窒素原子に連結された、次式の縮合二環式基であり、
【0007】
【化8】

Aは、O、S及びNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5から7員の複素環であり、
Aの炭素原子は、水素原子及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール、アリール−C−C−アルキレン、オキソ又はチオ基から選択される1個以上の基で置換されていてもよく、
Aの窒素原子は、オキソ基で置換された炭素原子に窒素が隣接するときにはRで置換されていてもよく、それ以外の場合にはRで置換されていてもよく、
は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン又はアリール基であり、
は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン、C−C−アルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−(CO)−、C−C−フルオロアルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、アリール−C−C−アルキレン−C(O)−、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、アリール−S(O)−、アリール−C−C−アルキレン−S(O)−又はアリール基であり、
Wはインドリル以外である。
【0008】
一般式(I)の化合物の場合には、
− 複素環Aの硫黄原子は、酸化型(S(O)又はS(O))であり得、
− 複素環Aの窒素原子は酸化型(N−オキシド)であり得る。
【0009】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第1のサブグループは、nが0又は1である化合物からなる。
【0010】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第2のサブグループは、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z及びZが互いに独立に、水素又はハロゲン原子、より具体的にはフッ素であり、あるいはC−C−アルキル基、より具体的にはメチルであり、C−C−フルオロアルキル基、より具体的にはCFであり、又はC−C−アルコキシ基、より具体的にはメトキシである、化合物からなる。
【0011】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第3のサブグループは、Wが、インドリニル、イソインドリニル、ベンゾフリル、ジヒドロベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリニル、イソベンゾフリル、ジヒドロイソベンゾフリル、ベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、イソベンゾチアゾリル、ジヒドロイソベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、イソキノリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾチアジニル、シンノリニル、キナゾリニル、ジヒドロキナゾリニル、テトラヒドロキナゾリニル、キノキサリニル、ジヒドロキノキサリニル、テトラヒドロキノキサリニル、フタラジニル、ジヒドロフタラジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロベンゾ[b]アゼピニル、テトラヒドロベンゾ[c]アゼピニル、テトラヒドロベンゾ[d]アゼピニル、テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピニル、テトラヒドロベンゾ[e][1,4]ジアゼピニル、テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキソアゼピニル及びテトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピニル基から選択され、
前記基Wの炭素及び/又は窒素原子が、一般式(I)において定義したように置換されていてもよい、
化合物からなる。
【0012】
第3のサブグループの化合物のうち、化合物の第4のサブグループは、Wが、イソキノリル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ベンゾフリル、インドリニル、ベンゾオキサゾリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル及びキノキサリニル基から選択され、
前記基Wの炭素原子が、一般式(I)においてAに関係して定義したように、オキソ基、C−C−アルキル、より具体的にはメチル若しくはエチル、又はアリール、より具体的にはフェニルから選択される1個以上の基で置換されていてもよく、及び/又は
前記基Wの窒素原子が、オキソ基で置換された炭素原子に該窒素が隣接するときにはRで置換されていてもよく、それ以外の場合にはRで置換されていてもよく、R及びRは、一般式(I)においてAに関係して定義した通りであり、
が水素原子であり、又はC−C−アルキル基、より具体的にはメチルであり、
が水素原子であり、C−C−アルキル基、より具体的にはメチルであり、又はC−C−アルキル−S(O)−、より具体的にはメチルスルホニルである、
化合物からなる。
【0013】
化合物の第5のサブグループは、一般式(I)の化合物からなり、
【0014】
【化9】

式中、
nは0、1、2又は3であり、
、X、X、X、Z、Z、Z、Z及びZは互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、シアノ、C(O)NR、ニトロ、NR、C−C−チオアルキル、−S(O)−C−C−アルキル、−S(O)−C−C−アルキル、SONR、NRCOR、NRSO又はアリール基であり、該アリールは、ハロゲン及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、ニトロ又はシアノ基から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン若しくはアリール基であり、又はRとRは、これらを有する窒素原子と一緒に、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン又はホモピペラジン基を形成し、この基はC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン又はアリール基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、C−C−アルキル又はアリール基であり、
はC−C−アルキル又はアリール基であり、
Wは、位置1、2、3又は4を介して窒素原子に連結された、次式の縮合二環式基であり、
【0015】
【化10】

Aは、O、S及びNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5から7員の複素環であり、
Aの炭素原子は、水素原子及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール、アリール−C−C−アルキレン、オキソ又はチオ基から選択される1個以上の基で置換されていてもよく、
Aの窒素原子は、オキソ基で置換された炭素原子に窒素が隣接するときにはRで置換されていてもよく、それ以外の場合にはRで置換されていてもよく、
は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン又はアリール基であり、
は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン、C−C−アルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−(CO)−、C−C−フルオロアルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、アリール−C−C−アルキレン−C(O)−、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、アリール−S(O)−、アリール−C−C−アルキレン−S(O)−又はアリール基であり、
Wはインドリル以外であり、
但し、Z、Z、Z、Z及びZが同時に水素原子であるときには、n=2又は3である。
【0016】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第6のサブグループは、Wが、キノリル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、イソキノリル、ジヒドロイソキノリル又はテトラヒドロイソキノリル基以外である化合物からなる。
【0017】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第7のサブグループは、一般式(I)の化合物の全てからなり、
【0018】
【化11】

式中、
nは0、1、2又は3であり、
、X、X、Z、Z、Z及びZは水素原子であり、Xは水素原子、フッ素原子又はCF基であり、Zは水素原子又はフッ素原子であり、
及びRは互いに独立に、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン若しくはアリール基であり、又はRとRは、これらを有する窒素原子と一緒に、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン又はホモピペラジン基を形成し、この基はC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン又はアリール基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、C−C−アルキル又はアリール基であり、
はC−C−アルキル又はアリール基であり、
Wは、位置1、2、3又は4を介して窒素原子に連結された、次式の縮合二環式基であり、
【0019】
【化12】

Aは、O、S及びNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5から7員の複素環であり、
Aの炭素原子は、水素原子及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール、アリール−C−C−アルキレン、オキソ又はチオ基から選択される1個以上の基で置換されていてもよく、
Aの窒素原子は、オキソ基で置換された炭素原子に窒素が隣接するときにはRで置換されていてもよく、それ以外の場合にはRで置換されていてもよく、
は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン又はアリール基であり、
は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン、C−C−アルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−(CO)−、C−C−フルオロアルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、アリール−C−C−アルキレン−C(O)−、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、アリール−S(O)−、アリール−C−C−アルキレン−S(O)−又はアリール基であり、
Wはインドリル以外である。
【0020】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第8のサブグループは、Wが上記第6のサブグループにおいて定義した通りであり、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z及びZが上記第7のサブグループにおいて定義した通りである、化合物からなる。
【0021】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第9のサブグループは、一般式(I)の化合物の全てからなり、
【0022】
【化13】

式中、
nは0、1、2又は3であり、
、X、X、X、Z、Z、Z、Z及びZは互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、シアノ、C(O)NR、ニトロ、NR、C−C−チオアルキル、−S(O)−C−C−アルキル、−S(O)−C−C−アルキル、SONR、NRCOR、NRSO又はアリール基であり、該アリールは、ハロゲン及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、ニトロ又はシアノ基から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン若しくはアリール基であり、又はRとRは、これらを有する窒素原子と一緒に、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン又はホモピペラジン基を形成し、この基はC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン又はアリール基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、C−C−アルキル又はアリール基であり、
はC−C−アルキル又はアリール基であり、
Wは、位置1、2、3又は4を介して窒素原子に連結された、次式の縮合二環式基であり、
【0023】
【化14】

Aは、O、S及びNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5から7員の複素環であり、
Aの炭素原子は、水素原子及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール、アリール−C−C−アルキレン、オキソ又はチオ基から選択される1個以上の基で置換されていてもよく、
Aの窒素原子は、オキソ基で置換された炭素原子に窒素が隣接するときにはRで置換されていてもよく、それ以外の場合にはRで置換されていてもよく、
は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン又はアリール基であり、
は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン、C−C−アルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−(CO)−、C−C−フルオロアルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、アリール−C−C−アルキレン−C(O)−、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、アリール−S(O)−、アリール−C−C−アルキレン−S(O)−又はアリール基であり、
Wはインドリル以外であり、
以下の化合物は除外される:N−(キノル−7−イル)−1−ベンジル−6−ブロモ−1H−インドール−2−カルボキサミド、N−(キノル−7−イル)−1−ベンジル−5−ブロモ−1H−インドール−2−カルボキサミド及びN−(キノル−7−イル)−6−ブロモ−1−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド。これら3種類の化合物は、米国特許出願公開第2005/0165049号に記載されている。
【0024】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第10のサブグループは、一般式(I)の化合物の全てからなる。
【0025】
【化15】

式中、
nは0、1、2又は3であり、
、X、X、X、Z、Z、Z、Z及びZは互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、シアノ、C(O)NR、ニトロ、NR、C−C−チオアルキル、−S(O)−C−C−アルキル、−S(O)−C−C−アルキル、SONR、NRCOR、NRSO又はアリール基であり、該アリールは、ハロゲン及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、ニトロ又はシアノ基から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン若しくはアリール基であり、又はRとRは、これらを有する窒素原子と一緒に、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン又はホモピペラジン基を形成し、この基はC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン又はアリール基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、C−C−アルキル又はアリール基であり、
はC−C−アルキル又はアリール基であり、
Wは、位置1、2、3又は4を介して窒素原子に連結された、次式の縮合二環式基であり、
【0026】
【化16】

Aは、O、S及びNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5から7員の複素環であり、
Aの炭素原子は、水素原子及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール、アリール−C−C−アルキレン、オキソ又はチオ基から選択される1個以上の基で置換されていてもよく、
Aの窒素原子は、オキソで置換された炭素原子に窒素が隣接するときにはRで置換されていてもよく、それ以外の場合にはRで置換されていてもよく、
は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン又はアリール基であり、
は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン、C−C−アルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−(CO)−、C−C−フルオロアルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、アリール−C−C−アルキレン−C(O)−、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、アリール−S(O)−、アリール−C−C−アルキレン−S(O)−又はアリール基であり、
Wはインドリル以外であり、
但し、Wがベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル又はベンゾオキサゾリル基であるときには、Z、Z、Z、Z及びZは、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−フルオロアルコキシ、シアノ、C(O)NR、−S(O)−C−C−アルキル、SONR、NRCOR、NRSO又はアリール基である。
【0027】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第11のサブグループは、一般式(I)の化合物の全てからなる。
【0028】
【化17】

式中、
nは0、1、2又は3であり、
、X、X、X、Z、Z、Z、Z及びZは互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、シアノ、C(O)NR、ニトロ、NR、C−C−チオアルキル、−S(O)−C−C−アルキル、−S(O)−C−C−アルキル、SONR、NRCOR、NRSO又はアリール基であり、該アリールは、ハロゲン及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、ニトロ又はシアノ基から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン若しくはアリール基であり、又はRとRは、これらを有する窒素原子と一緒に、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン又はホモピペラジン基を形成し、この基はC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン又はアリール基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、C−C−アルキル又はアリール基であり、
はC−C−アルキル又はアリール基であり、
Wは、位置1、2、3又は4を介して窒素原子に連結された、次式の縮合二環式基であり、
【0029】
【化18】

Aは、O、S及びNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5から7員の複素環であり、
Aの炭素原子は、水素原子及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール、アリール−C−C−アルキレン、オキソ又はチオ基から選択される1個以上の基で置換されていてもよく、
Aの窒素原子は、オキソ基で置換された炭素原子に窒素が隣接するときにはRで置換されていてもよく、それ以外の場合にはRで置換されていてもよく、
は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン又はアリール基であり、
は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン、C−C−アルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−(CO)−、C−C−フルオロアルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、アリール−C−C−アルキレン−C(O)−、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、アリール−S(O)−、アリール−C−C−アルキレン−S(O)−又はアリール基であり、
Wはインドリル以外であり、
但し、Aが5員の複素環であるときには、Aは不飽和である。
【0030】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第12のサブグループは、一般式(I)の化合物の全てからなる。
【0031】
【化19】

式中、
nは0、1、2又は3であり、
、X、X、X、Z、Z、Z、Z及びZは互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、シアノ、C(O)NR、ニトロ、NR、C−C−チオアルキル、−S(O)−C−C−アルキル、−S(O)−C−C−アルキル、SONR、NRCOR、NRSO又はアリール基であり、該アリールは、ハロゲン及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、ニトロ又はシアノ基から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン若しくはアリール基であり、又はRとRは、これらを有する窒素原子と一緒に、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン又はホモピペラジン基を形成し、この基はC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン又はアリール基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、C−C−アルキル又はアリール基であり、
はC−C−アルキル又はアリール基であり、
Wは、位置1、2、3又は4を介して窒素原子に連結された、次式の縮合二環式基であり、
【0032】
【化20】

Aは、O、S及びNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5から7員の複素環であり、
Aの炭素原子は、水素原子及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール、アリール−C−C−アルキレン、オキソ又はチオ基から選択される1個以上の基で置換されていてもよく、
Aの窒素原子は、オキソ基で置換された炭素原子に窒素が隣接するときにはRで置換されていてもよく、それ以外の場合にはRで置換されていてもよく、
は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン又はアリール基であり、
は、水素原子、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン、C−C−アルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−(CO)−、C−C−フルオロアルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、アリール−C−C−アルキレン−C(O)−、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、アリール−S(O)−、アリール−C−C−アルキレン−S(O)−又はアリール基であり、
Wはインドリル以外であり、
但し、Aは5員の不飽和複素環以外である。
【0033】
n、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z、Z及びWが、化合物の上記サブグループにおいて定義した通りである化合物は、第13のサブグループを形成する。
【0034】
本発明の主題である一般式(I)の化合物のうち、化合物の第14のサブグループは、以下の化合物からなる。
【0035】
N−(イソキノル−5−イル)−5−フルオロ−1−[((3−トリフルオロメチル)フェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノル−7−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノル−7−イル)−1−((3−5−ジメチル)フェニル)−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1,2,3,4−テトラヒドロキノル−7−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(4−メチル−3−オキソ−2H−ベンゾオキサジン−7−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(4−メチル−3−オキソ−2H−ベンゾオキサジン−6−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2−オキソ−3,4−ジヒドロキノル−7−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(ベンゾフラン−5−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1−メチルインドリン−5−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2,3−ジヒドロベンゾオキサジン−6−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(3−オキソ−2H−ベンゾオキサジン−7−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1−メチルインドリン−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノル−7−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1,2,3,4−テトラヒドロキノル−7−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(イソキノル−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1,2,3,4−テトラヒドロキノル−8−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(ベンゾオキサゾル−5−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2−メチルベンゾオキサゾル−5−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1−メチル−1H−インダゾル−5−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2−オキソ−3,4−ジヒドロキノル−7−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(ベンゾフラン−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2,3−ジヒドロベンゾオキサジン−6−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(3−オキソ−2H−ベンゾオキサジン−6−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1,2,3,4−テトラヒドロキノル−7−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2−オキソインドリン−5−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1−メチルベンゾイミダゾル−5−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノル−7−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(ベンゾチアゾル−6−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2−メチルベンゾオキサゾル−5−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2−メチルベンゾチアゾル−5−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1−メチルスルホニルインドリン−5−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(イソキノル−6−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1−メチルベンゾイミダゾル−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1−メチルベンゾイミダゾル−4−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1H−ベンゾトリアゾル−5−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(キノル−6−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1−メチルインダゾル−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2−メチルベンゾオキサゾル−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(ベンゾチアゾル−6−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2−メチルベンゾチアゾル−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2−オキソ−3,4−ジヒドロキノル−7−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2−オキソインドリン−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1H−ベンゾトリアゾル−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1−メチルスルホニルインドリン−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(1,2−ジメチルベンズイミダゾル−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2−エチルベンゾオキサゾル−5−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2−フェニルベンゾオキサゾル−5−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(キノキサリン−6−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(キノル−7−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(イソキノル−7−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2−メチルベンゾイミダゾル−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(ベンゾイミダゾル−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド、
N−(2−オキソ−3,4−ジヒドロキノル−7−イル)−6−メトキシ−1−[(4−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド及び
N−(1−メチルベンゾイミダゾル−6−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド。
【0036】
本発明においては、以下の意味を適用する。
【0037】
− t及びzが1から7の値をとることができるC−C: tからz個の炭素原子を場合によっては含む炭素系鎖。例えばC−Cは、1から3個の炭素原子を含むことができる炭素系鎖である。
【0038】
− アルキル: 線状又は分枝状の飽和脂肪族基。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチルなどの基が挙げられる。
【0039】
− アルキレン: 線状又は分枝状の二価飽和アルキル基@。例えば、C1−3−アルキレン基は、1から3個の炭素原子の線状又は分枝状の二価の炭素系鎖、より具体的にはメチレン、エチレン、1−メチルエチレン又はプロピレンである。
【0040】
− シクロアルキル: 環式炭素系基。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの基が挙げられる。
【0041】
− フルオロアルキル: 1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基。
【0042】
− アルコキシ: −O−アルキル基(アルキル基は上記の通りである。)。
【0043】
− フルオロアルコキシ: 1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルコキシ基。
【0044】
− チオアルキル: −S−アルキル基(アルキル基は上記の通りである。)。
【0045】
− アリール: 6から10個の炭素原子を含む環式芳香族基。アリール基の例としてはフェニル及びナフチル基が挙げられる。
【0046】
− 複素環: O、S及びNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む、飽和、部分不飽和又は芳香族の5から7員の環式基。Wの例としては、インドリニル、イソインドリニル、ベンゾフリル、ジヒドロベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリニル、イソベンゾフリル、ジヒドロイソベンゾフリル、ベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、イソベンゾチアゾリル、ジヒドロイソベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、イソキノリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾチアジニル、シンノリニル、キナゾリニル、ジヒドロキナゾリニル、テトラヒドロキナゾリニル、キノキサリニル、ジヒドロキノキサリニル、テトラヒドロキノキサリニル、フタラジニル、ジヒドロフタラジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロベンゾ[b]アゼピニル、テトラヒドロベンゾ[c]アゼピニル、テトラヒドロベンゾ[d]アゼピニル、テトラヒドロベンゾ[d]アゼピニル、テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピニル、テトラヒドロベンゾ[e][1,4]ジアゼピニル、テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキソアゼピニル及びテトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピニル基が挙げられる。
【0047】
− ハロゲン原子: フッ素、塩素、臭素又はヨウ素。
【0048】
− 「オキソ」は「=O」を意味する。
【0049】
− 「チオ」は「=S」を意味する。
【0050】
式(I)の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含み得る。従って、式(I)の化合物は、鏡像異性体又はジアステレオ異性体の形で存在し得る。これらの鏡像異性体及びジアステレオ異性体並びにラセミ混合物を含めたその混合物は本発明の一部を成す。
【0051】
式(I)の化合物は、塩基付加塩又は酸付加塩の形で存在し得る。かかる付加塩は、本発明の一部を成す。
【0052】
これらの塩は、薬剤として許容される酸を用いて都合よく調製されるが、例えば、式(I)の化合物の精製又は単離に有用である他の酸の塩も本発明の一部を成す。
【0053】
一般式(I)の化合物は、水和物又は溶媒和物の形、すなわち1個以上の水分子との又は溶媒との会合又は組み合わせの形であり得る。かかる水和物及び溶媒和物も本発明の一部を成す。
【0054】
以下、「脱離基」という用語は、電子対を失うヘテロリシスによって、分子から容易に開裂し得る基を意味する。したがって、この基は、例えば置換反応中に、別の基で容易に置換し得る。かかる脱離基は、例えば、ハロゲン又はメタンスルホナート、ベンゼンスルホナート、p−トルエンスルホナート、トリフラート、アセタートなどの活性化ヒドロキシル基である。脱離基の例及びそれを調製するための参考文献は、”Advances in Organic Chemistry”, J. March, 5th Edition, Wiley Interscience, 2001に記載されている。
【0055】
本発明によれば、一般式(I)の化合物は、下記スキーム1に示す方法によって調製することができる。
【0056】
スキーム1によれば、一般式(IV)の化合物は、一般式(II)の化合物(式中、X、X、X及びXは上記一般式(I)において定義した通りであり、BはC−C−アルコキシ又はヒドロキシル基である。)を一般式(III)の化合物(式中、Z、Z、Z、Z、Z及びnは上記一般式(I)において定義した通りであり、R’は、臭素原子、ヨウ素原子、トシラート基又は任意の他の脱離基である。)と反応させることによって得ることができる。
【0057】
n=1、2又は3であるときには、一般式(III)の化合物は、臭化ベンジル(n=1:Kolasa T., Bioorg. Med. Chem. 1997, 5(3) 507)、ヨウ化フェネチル(n=2:Abramovitch R., Synth. Commun., 1995, 25(1), 1)などのハロゲン化アルキルであり得る。反応は、水素化ナトリウム、炭酸カリウムなどの塩基の存在下で、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトンなどの極性溶媒中で、実施することができる。
【0058】
【化21】

n=0であるときには、一般式(III)の化合物は、ヨウ化アリール又は臭化アリールである。反応は、80℃から250℃の温度で、臭化銅、酸化銅などの銅系触媒及び炭酸カリウムなどの塩基の存在下で、実施することができる(Murakami Y., Chem. Pharm. Bull., 1995, 43(8), 1281)。S.L. Buchwald, J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 11684に記載のより穏和な条件を使用することもできる。
【0059】
或いは、n=0である一般式(IV)の化合物は、W.W.K.R. Mederski, Tetrahedron, 1999, 55, 12757に記載のプロトコルと同様にして、一般式(II)の化合物をボロン酸タイプの一般式(III)の化合物(n=0、R’=B(OH))と、トリエチルアミン、ピリジンなどの塩基及び酢酸銅(II)の存在下で反応させることによって得ることができる。
【0060】
一般式(II)の化合物は、市販されており、又は文献に記載の多数の方法に従って調製される(例えば、D. Knittel Synthesis 1985, 2, 186; T.M. Williams J. Med. Chem. 1993, 36(9), 1291; JP2001151771A2)。
【0061】
BがC−C−アルコキシ基である一般式(IV)のインドールの場合には、一般式(I)の化合物は、上で得た一般式(IV)の化合物を、一般式(V)の化合物のアミド(式中、Wは、上記一般式(I)において定義した通りである。)と、トルエンなどの溶媒の還流温度で反応させることによって得られる。一般式(V)の化合物のアミドは、一般式(V)のアミンに対するトリメチルアルミニウムの事前の作用によって調製される。Bがヒドロキシル基である一般式(IV)のインドールの場合には、カルボン酸官能基を、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどの溶媒の還流温度で塩化チオニルの作用によって、酸塩化物などの酸ハロゲン化物に前もって転化することができる。次いで、一般式(I)の化合物は、Bが塩素原子である一般式(IV)の化合物を、一般式(V)の化合物と、トリエチルアミン、炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下で反応させることによって得られる。
【0062】
或いは、Bがヒドロキシル基である一般式(IV)のインドールは、一般式(V)の化合物と、ジアルキルカルボジイミド、ベンゾトリアゾル−1−イルオキシトリス(ピロリジノホスホニウム)ヘキサフルオロホスファート、シアノホスホン酸ジエチル、当業者に公知の任意の他のカップリング剤などのカップリング剤の存在下で、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中でカップリングさせることができる。
【0063】
スキーム1において、式(II)、(III)及び(V)の各化合物並びに他の試薬は、その調製方法を記載しないときには、市販されているか、又は文献(例えば、国際公開第2003/049702号又は同2003/068749号)に記載されている。
【0064】
、X、X、X、Z、Z、Z、Z及び/又はZがシアノ基又はアリールである一般式(II)、(IV)及び(I)の各化合物は、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z及び/又はZが臭素原子である一般式(II)、(IV)又は(I)の対応する化合物に対して実施される、パラジウムなどの金属によって触媒されるカップリング反応によって得ることができる。
【0065】
、X、X、X、Z、Z、Z、Z及び/又はZがC(O)NR基である一般式(II)、(IV)及び(I)の各化合物は、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z及び/又はZがシアノ基である一般式(II)、(IV)又は(I)の対応する化合物から、文献に記載の方法又は当業者に公知の方法に従って得ることができる。
【0066】
、X、X、X、Z、Z、Z、Z及び/又はZが−S(O)−アルキル又は−S(O)−アルキル基である一般式(II)、(IV)及び(I)の各化合物は、文献に記載の方法又は当業者に公知の方法に従って、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z及び/又はZがC−C−チオアルキル基である一般式(II)、(IV)又は(I)の対応する化合物を酸化して得ることができる。
【0067】
、X、X、X、Z、Z、Z、Z及び/又はZがNR、NRCOR又はNRSO基である一般式(II)、(IV)及び(I)の各化合物は、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z及び/又はZがニトロ基である一般式(II)、(IV)又は(I)の対応する化合物から、文献に記載の方法又は当業者に公知の方法に従って、例えば、還元とそれに続くアシル化又はスルホニル化によって、得ることができる。
【0068】
、X、X、X、Z、Z、Z、Z及び/又はZがSONR基である一般式(II)、(IV)及び(I)の各化合物は、Pharmazie 1990, 45, 346に記載の方法と類似の方法によって、又は文献に記載の方法若しくは当業者に公知の方法に従って、得ることができる。
【0069】
が水素原子である一般式(I)の化合物は、Rがフェニルメチル基である一般式(I)の化合物から、例えばパラジウム触媒による、水素化によって、又は文献に記載の任意の方法若しくは当業者に公知の任意の方法によって得ることができる。
【0070】
以下の実施例によって本発明によるある種の化合物の調製について説明する。これらの実施例は限定的なものではなく、本発明の単なる説明に過ぎない。実施例として示す化合物の番号は、表1に記載の番号である。元素の微量分析、LC−MS(質量分析法と組み合わせた液体クロマトグラフィー)分析、IRスペクトル及びNMRスペクトルによって、得られる化合物の構造を確認する。
【実施例1】
【0071】
(化合物12)
N−(1−メチル−1H−インドリン−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
1.1. エチル5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシラート
エチル5−フルオロ−1H−インドール−2−カルボキシラート0.207g(1mmol)、塩化3−フルオロベンジル0.173g(1.2mmol)及び炭酸カリウム0.276g(2mmol)の10mlジメチルホルムアミド懸濁液を60℃で24時間撹拌する。次いで、反応混合物を冷却し、氷水と酢酸エチルの混合物に注ぐ。相を沈降によって分離させた後、有機相を分離し、次いで水50mlで2回、次いで飽和塩化ナトリウム溶液50mlで洗浄する。溶液を硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し、次いでろ液を減圧濃縮する。油0.195gを得る。これを、さらに精製せずに以下の段階に使用する。
【0072】
1.2 N−(1−メチル−1H−インドリン−5−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド(化合物12)
5−アミノ−1−メチル−1H−インドリン(国際公開第2003/049702号)0.089g(0.6mmol)及びトリメチルアルミニウム(2Mトルエン溶液)0.5mlをトルエン2mlにアルゴン下で添加する。混合物を50℃で2時間加熱し、段階1.1で得たエチル5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシラート0.157g(0.5mmol)を添加する。反応媒体を10分間還流させ、室温で終夜放置する。反応媒体を氷に注ぎ、1N塩酸1mlを添加する。生成した混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮する。残渣を分取クロマトグラフィーによって精製する。固体0.066gを得る。
【0073】
融点:145−147℃
H NMR(DMSO D)、δ(ppm):2.65(s、3H);2.85(t、2H);3.2(t、2H);5.85(s、2H);6.45(d、1H);6.9(m、2H);7.1(m、2H);7.3(m、3H);7.5(m、3H);
【実施例2】
【0074】
(化合物13)
N−(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノル−7−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
7−アミノ−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノール(国際公開第2003/049702号)0.185g、トリメチルアルミニウム(2Mトルエン溶液)0.95ml及び実施例1の段階1.1で得たエチル5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシラート0.3gから出発して、実施例1の段階1.2に記載の方法に従ってプロセスを実施する。生成物0.122gを得る。
【0075】
融点:159−160℃
H NMR(DMSO D):δ(ppm):1.85(m、2H);2.65(t、2H);2.8(s、3H);3.15(t、2H);5.85(s、2H);7(m、7H);7.3(m、2H);7.5(m、2H);10.1(s、1H)
【実施例3】
【0076】
(化合物14)
N−(1,2,3,4−テトラヒドロキノル−7−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
7−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロキノール(国際公開第2003/049702号)0.169g、トリメチルアルミニウム(2Mトルエン溶液)0.95ml及び実施例1の段階1.1で得たエチル5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシラート0.3gから出発して、実施例1の段階1.2に記載の方法に従ってプロセスを実施する。生成物0.033gを得る。
【0077】
融点:149−151℃
H NMR(DMSO D):δ(ppm):1.75(m、2H);2.6(t、2H);3.1(t、2H);5.85(s、2H);6.95(m、7H);7.3(m、2H);7.5(m、2H);10.1(s、1H)
【実施例4】
【0078】
(化合物18)
N−(2−メチルベンゾオキサゾル−5−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
ジエチルシアノホスホナート0.091ml(0.6mmol)、トリエチルアミン0.168ml(0.6mmol)及び5−アミノ−2−メチルベンゾオキサゾール塩酸塩0.111g(0.6mmol)を1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−インドール−2−カルボン酸(JP2001151771A2)0.152g(0.5mmol)の3mlジメチルホルムアミド溶液に添加する。混合物を室温で終夜撹拌し、減圧濃縮し、残渣を水とジクロロメタンにとる。相を沈降によって分離させた後、有機相を脱水し、減圧蒸発させる。残渣を分取クロマトグラフィーによって精製する。固体0.102gを得る。
【0079】
融点:223−225℃
H NMR(DMSO D);δ(ppm):2.55(s、3H);7.2(m、3H);7.6(m、3H);7.75(m、5H);7.95(s、1H);10.5(s、1H)
【実施例5】
【0080】
(化合物19)
N−(1−メチル−1H−インダゾル−5−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
5.1 エチル5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシラート
(4−(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジンからフィッシャーインドール合成によって得た)エチル5−トリフルオロメチル−1H−インドール−2−カルボキシラート2.88g(11.2mmol)の50mlジメチルホルムアミド溶液を、氷浴で冷却した水素化ナトリウム0.58g(14.56mmol)の5mlジメチルホルムアミド懸濁液に滴下する。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで臭化3−フルオロベンジル2.54g(13.44mmol)の20mlジメチルホルムアミド溶液を添加する。撹拌を24時間続ける。臭化3−フルオロベンジル2.44mmolを添加し、混合物をさらに4時間撹拌する。溶媒を減圧下で蒸発させて除去し、残渣を水と酢酸エチルにとる。相を沈降によって分離させた後、有機相を分離し、次いで水50mlで2回、次いで飽和塩化ナトリウム溶液50mlで洗浄する。溶液を硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し、次いでろ液を減圧濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製する。生成物2.74gを得る。
【0081】
5.2. N−(1−メチル−1H−インダゾル−5−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
5−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール(I.T. Forbes, J. Med. Chem. 1993, 36(8), 1104)0.34g(2.3mmol)の10mlトルエン溶液を、氷浴上で、トリメチルアルミニウム(2Mトルエン溶液)1.92ml(3.83mmol)の5mlトルエン溶液に添加する。反応媒体を50℃で30分間維持する。次いで、段階5.1で得たエチル5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシラート1.92mmolをトルエン10mlに溶解させ、添加する。混合物を3時間還流させ、室温に冷却する。水20ml及び酢酸エチル30mlを添加する。水相を酢酸エチルで抽出する。各有機相を混合し、水、次いで飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。溶液を硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し、次いでろ液を減圧濃縮する。残渣をシリカカラムクロマトグラフィーにかけ、酢酸エチルとジクロロメタンの混合物で溶出させて精製する。残渣を石油エーテルにとり、ろ過し、リンスし、減圧乾燥させる。固体0.71gを得る。
【0082】
融点:198−199℃
H NMR(CDCl):δ(ppm):4(s、3H);5.9(s、2H);6.9(m、2H);7(m、1H);7.3(m、1H);7.6(m、4H);7.8(d、1H);8(s、1H);8.2(d、2H);10.6(s、1H)。
【実施例6】
【0083】
(化合物20)
N−(1H−2−オキソ−3,4−ジヒドロキノル−7−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
7−アミノ−1H−3,4−ジヒドロキノル−2−オン(国際公開第2003/049702号)0.097g(0.6mmol)及びトリメチルアルミニウム(2Mトルエン溶液)0.5mlをトルエン2mlにアルゴン下で添加する。混合物を50℃で2時間加熱する。実施例1の段階1.1で得たエチル5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシラート0.157g(0.5mmol)をトルエン1mlに溶解させ、添加する。反応媒体を2時間還流させ、室温で終夜放置する。反応媒体を氷に注ぎ、1N塩酸2mlを添加する。生成した混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮する。残渣を分取クロマトグラフィーによって精製する。固体0.047gを得る。
【0084】
融点:277−279℃
H NMR(DMSO D):δ(ppm):2.4(t、2H);2.8(t、2H);5.85(s、2H);6.9(m、2H);7.1(m、5H);7.4(m、2H);7.5(m、2H);10.05(s、1H);10.4(s、1H)
【実施例7】
【0085】
(化合物22)
N−(2,3−ジヒドロベンゾオキサジン−6−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
6−アミノ−2,3−ジヒドロベンゾオキサジン(国際公開第2003/049702号)0.090g、トリメチルアルミニウム(2Mトルエン溶液)0.5ml及び実施例1の段階1.1で得たエチル5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシラート0.157gから出発して、実施例6に記載の方法に従ってプロセスを実施する。生成物0.061gを得る。
【0086】
融点:216−217℃
H NMR(DMSO D):δ(ppm):3.25(t、2H);4.1(t、2H);5.85(s、2H+1H);6.55(d、1H);6.9(m、3H);7.1(m、3H);7.3(m、2H);7.5(m、2H);10.1(s、1H)
【実施例8】
【0087】
(化合物23)
N−(3−オキソ−2H−ベンゾオキサジン−6−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
6−アミノ−3−オキソ−2H−ベンゾオキサジン(国際公開第2003/049702号)0.107g、トリメチルアルミニウム(2Mトルエン溶液)0.5ml及び実施例1の段階1.1で得たエチル5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシラート0.157gから出発して、実施例6に記載の方法に従ってプロセスを実施する。生成物0.053gを得る。
【0088】
LC−MS:M+H=434
H NMR(DMSO D):δ(ppm):4.5(s、2H);5.85(s、2H);6.9(m、3H);7.1(m、4H);7.4(s、1H);7.5(m、3H);10.4(s、1H);10.7(s、1H)
【実施例9】
【0089】
(化合物24)
N−(1,2,3,4−テトラヒドロキノル−7−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
7−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロキノール(国際公開第2003/049702号)0.24g(1.64mmol)の5mlトルエン溶液をトリメチルアルミニウム(2Mトルエン溶液)1.37ml(2.74mmol)の5mlトルエン溶液に氷浴上で0℃で添加する。反応媒体を50℃で2時間維持する。次いで、実施例5の段階5.1で得たエチル5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシラート0.5g(1.37mmol)をトルエン10mlに溶解させ、添加する。混合物を3時間還流させ、室温に冷却する。氷水20ml、酢酸エチル20ml及び1N塩酸20mlを添加する。混合物をろ過し、相を沈降によって分離させた後、有機相をアルカリ溶液、次いで飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し、次いでろ液を減圧濃縮する。残渣を石油エーテルにとり、ろ過によって収集し、減圧乾燥させる。生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにかけ、ヘプタンとジクロロメタンの混合物で溶出させて精製する。残渣をエタノールから再結晶させる。固体0.29gを得る。
【0090】
融点:203−204℃
H NMR(DMSO):δ(ppm):1.7(m、2H);2.6(m、2H);3.1(m、2H);5.7(t、1H);5.9(s、2H);6.7(m、2H);6.95(m、4H);7,3(m、1H);7.45(s、1H);7.5(d、1H);7.75(d、1H);8.1(s、1H);10.2(s、1H)。
【実施例10】
【0091】
(化合物26)
N−(1−メチルベンゾイミダゾル−5−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
10.1 5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボン酸
実施例5の段階5.1で得たエチル5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシラート0.7g(1.92mol)と水酸化カリウム0.21g(3.83mmol)の10mlメタノール溶液を加熱還流させる。混合物を減圧濃縮し、残渣を水にとり、塩酸で酸性化する。沈殿をろ過によって収集し、水でリンスし、減圧乾燥させる。固体0.69gを得る。これをさらに精製せずに以下の段階に使用する。
【0092】
10.2 N−(1−メチル−ベンゾイミダゾル−5−イル)−5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
段階10.1で得た5−トリフルオロメチル−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボン酸0.32g(0.95mmol)と塩化チオニル0.69ml(9.49mmol)の25mlジクロロメタン溶液を2時間還流させる。混合物を減圧濃縮し、残渣をジエチルエーテル20mlにとり、5−アミノ−1−メチルベンゾイミダゾール0.17g(1.14mmol)及び炭酸ナトリウム0.2g(1.9mmol)の2ml水溶液を添加する。混合物を室温で24時間撹拌し、有機相を減圧蒸発させ、得られた相を酢酸エチルとジクロロメタンで抽出する。有機相を水、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて脱水し、減圧濃縮する。残渣を石油エーテルにとり、ろ過によって収集し、洗浄し、減圧乾燥させる。次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタンと酢酸エチルの混合物で溶出させて精製する。残渣を石油エーテルにとり、ろ過によって収集し、洗浄し、減圧乾燥させる。固体0.3gを得る。
【0093】
融点:223−224℃
H NMR(DMSO)、δ(ppm):5.9(s、2H);7(m、3H);7.3(m、1H);7.55(m、4H);7.8(d、1H);8.05(s、1H);8.1(d、2H);10.5(s、1H)。
【実施例11】
【0094】
(化合物49)
N−(キノル−7−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
11.1 5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボン酸
実施例1の段階1.1で得たエチル5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキシラート8.3g(26.3mmol)と水酸化カリウム5.2g(79mmol)のエタノール140mlと水14mlの溶液を2時間還流させる。混合物を減圧濃縮し、残渣を水にとり、塩酸で酸性化する。沈殿をろ過によって収集し、水でリンスし、減圧乾燥させる。固体7.4gを得る。これをさらに精製せずに以下の段階に使用する。
融点:205−206℃
【0095】
11.2 N−(キノル−7−イル)−5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
ベンゾトリアゾル−1−イルオキシトリス(ピロリジン)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート1g(1.9mmol)を、段階11.1で得た5−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)メチル]−1H−インドール−2−カルボン酸0.5g(1.74mmol)の10ml無水ジメチルホルムアミド懸濁液に撹拌しながら窒素下で添加する。5分後、7−アミノキノリン塩酸塩(国際公開第2003/049702号)0.4g(1.83mmol)及びジイソプロピルエチルアミン0.9g(7mmol)を添加する。室温で2時間及び60℃で2時間撹拌後、反応媒体を水100mlと酢酸エチル50mlに注ぐ。相を沈降によって分離させ、水相を抽出した後、各有機相を混合し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて脱水する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタンとアセトンの混合物で溶出させて精製する。得られた固体をイソプロピルアルコールから再結晶させる。固体0.26gを得る。
【0096】
融点:222−223℃
H NMR(DMSO)、δ(ppm);5.95(s、2H);6.95(t、2H);7.05(m、1H);7.2(t、1H);7.35(q、1H);7.45(m、1H);7.55(s、1H);7.65(m、2H);8(s、2H);8.3(d、1H);8.55(s、1H);8.9(m、1H);11(s、1H)。
【0097】
以下の表1に、本発明による一般式(I)の幾つかの化合物の化学構造及び物性を示す。この表の「融点」の列は、生成物の摂氏(℃)単位の融点である。生成物をアモルファス固体又はオイルの形で単離したときには、この列にはその質量([MH])を示す。さらに、「塩」の列において、「−」は遊離塩基の形の化合物を表し、「HCl」は塩酸塩の形の化合物を表し、括弧内の比は(酸:塩基)比である。
【0098】
【表1】




【0099】
本発明の化合物をインビトロ及びインビボでの薬理試験に供した。薬理試験によれば、本発明の化合物は、治療上活性な物質として有用である。
【0100】
ラットDRG上でカプサイシンによって生じた電流の阻害試験
− ラット後根神経節(DRG)細胞の初代培養:
DRGのニューロンは、TRPV1受容体を自然に発現する。
【0101】
新生仔ラットDRGの初代培養物を1日齢のラットを用いて調製する。手短に述べると、解剖後、神経節をトリプシン処理し、細胞を機械的にすり潰して解離させる。細胞を10%胎児ウシ血清、25mM KCl、2mMグルタミン、100μg/mlゲンタマイシン及び50ng/ml NGFを含むイーグル基本培地に再懸濁させ、次いでラミニン(0.25×10細胞/スライド)を塗布したスライドガラスに載せ、次いでコーニング12ウェル皿中に置く。細胞を5%COと95%空気を含む加湿雰囲気中で37℃でインキュベートする。シトシンβ−D−アラビノシド(1μM)を培養48時間後に添加し、非神経細胞の成長を抑制する。スライドを、培養7−10日後のパッチクランプ試験のために実験チャンバに移す。
【0102】
− 電気生理学
細胞調製物を含む測定チャンバ(体積800μl)を、Hoffman光学系(Modulation Contrast、New York)を備えた倒立顕微鏡(オリンパスIMT2)のプラットフォーム上に配置し、倍率400×で観察する。チャンバに、8個の注入口を備えた分注器を用い、ポリエチレン管(開口500μm)からなるただ1つの注入口を試験細胞から3mm未満の位置に置いて、連続して重力流入(gravity−influx)(2.5ml/min)させる。。パッチクランプ技術の「ホールセル」設定を用いた。ホウケイ酸ガラスピペット(抵抗5−10Mオーム)を3D圧電マイクロマニピュレーター(Burleigh、PC1000)によって細胞に近づける。全電流(膜電位設定−60mV)を、Pclamp8ソフトウエア(Axon Instrument)を実行させたPCに接続されたAxopatch 1D増幅器(Axon Instruments、Foster city、California)によって記録する。電流のプロットを紙上に記録し、同時にデジタル化し(サンプリング周波数15から25Hz)、PCのハードディスクドライブに取り込む。
【0103】
300nMカプサイシン溶液を投与すると、DRG細胞(電圧設定−70mV)上に侵入陽イオン電流(entering cationic current)が生じる。受容体脱感作を最小にするために、2回のカプサイシン投与の最小間隔は1分である。調節期間(カプサイシン応答のみの安定化)後、試験化合物のみを所与の濃度(濃度10nM又は1nM)で4から5分間投与し、その間に(最大阻害を得るために)幾つかのカプサイシン+化合物試験を実施する。結果を対照カプサイシン応答の阻害率として表す。
【0104】
カプサイシン応答(300nM)の阻害割合は、濃度10nM又は1nMで試験した本発明の最も活性な拮抗化合物で20%から100%である(表2の選択した実施例を参照。)。
【0105】
【表2】

本化合物固有の作動効果は、カプサゼピンの存在下又は非存在下において、種々の化合物濃度でラットDRG上に生じる電流を測定することによって評価することができる。
【0106】
マウス角膜刺激試験
カプサイシンの刺激性は角膜によって容易に評価される。というのは、角膜は、C線維が最も密に神経支配する器官の1つだからである。この状況において、予備実験から、きわめて少量のカプサイシン(160μMの濃度で2μl)をマウスの角膜表面に投与すると、刺激に関連して、容易に検出される幾つかのステレオタイプの行動形質をもたらす。このうち、以下が顕著である:まばたき、滴下した方の眼を同側の前足でこする、両前足で顔をこする、後足で同側の顔をひっかく。この挙動の期間は観察の2分間を超えず、次いで、マウスはその正常な行動に戻る。さらに、この側面も正常である。マウスは、うなじ毛を逆立てて角に引きこもることもなく、観察可能な苦痛の徴候も生じない。これらの用量のカプサイシンの作用期間は2分未満であると結論し得る。
【0107】
方法の概要:
一連の実験の原理は、本発明の化合物が、所与の量のカプサイシンによって引き起こされる行動上の応答に影響を及ぼし得るかどうかを決定することである。カプサイシンは、最初にDMSOで25mMに希釈され、最後に使用するときに、Tween 80中で生理食塩水で10%に希釈される。対照試験から、これらの条件下では、溶媒は何の効果もないとわかる。
【0108】
実際に、試験生成物を経口投与し、薬物動態データに応じて決まる遅延時間(前処理時間:t)後、上述したように調製した160μMカプサイシン溶液2μlをマウスに点眼する。点眼後2分間の観察中に、点眼した眼を同側の前足でこする回数を記録する。
【0109】
所与の動物に対して、保護割合を以下のように計算する。
【0110】
P=100−((観測したひっかき回数/溶媒で処置した群の平均ひっかき回数)×100)
この保護割合を各マウス群について平均する(n=本発明の化合物を用いて試験した動物の数)。
【0111】
このモデルにおいて、1mg/kg(po)の用量で使用される本発明の最も活性な化合物について評価した保護割合は、20%から100%である(表3の選択した実施例を参照。)。
【0112】
【表3】

これらの試験の結果によれば、化合物は、TRPV1受容体に対して作動効果又は拮抗効果を有し得る。本発明の最も活性な拮抗化合物は、TRPV1受容体の刺激によって引き起こされる効果を遮断する。
【0113】
したがって、本発明の化合物は、医薬品の調製、特にTRPV1受容体が関与する病状を防止又は治療する医薬品の調製に使用することができる。
【0114】
したがって、その態様の別の態様によれば、本発明の主題は、式(I)の化合物又は薬剤として許容される前記化合物の塩、水和物若しくは溶媒和物を含む医薬品である。
【0115】
これらの医薬品は、とう痛及び炎症、慢性痛、神経因性とう痛(外傷に関連した、糖尿病性、代謝的、感染に関連した、若しくは毒に起因するとう痛、又は抗癌治療若しくは医原性の処置によって引き起こされるとう痛)、(骨)関節炎痛、リウマチ性とう痛、線維筋痛、背痛、癌関連とう痛、顔面神経痛、頭痛、片頭痛、歯痛、火傷、日焼け、動物こう創又は昆虫刺こう症、帯状ほう疹後神経痛、筋肉痛、神経痛(trapped nerve)(中枢及び/又は末梢)、脊柱及び/又は脳損傷、(脊柱及び/又は脳の)虚血、神経変性、(脊柱及び/又は脳の)出血性卒中及び卒中後痛の予防及び/又は治療に特に有用である。
【0116】
本発明の化合物は、ぼうこうの機能亢進、ぼうこうの反射亢進、不安定ぼうこう、失調、切迫性排尿(urgent micturition)、尿失禁、ぼうこう炎、腎炎性仙痛、骨盤の過敏症、骨盤痛などの泌尿器障害を予防及び/又は治療する医薬品の調製に使用することができる。
【0117】
本発明の化合物は、婦人科の障害、例えば、会陰部痛及び卵管炎又は月経困難に付随するとう痛を予防及び/又は治療する医薬品の調製に使用することができる。
【0118】
これらの生成物は、胃食道逆流障害、胃潰よう、十二指腸潰よう、機能性消化不良、結腸炎、IBS、クローン病、すい炎、食道炎、胆石仙痛などの胃腸疾患を予防及び/又は治療する医薬品の調製に使用することもできる。
【0119】
同様に、本発明の生成物は、ぜん息、咳そう、COPD、気管支収縮、炎症性障害などの呼吸器障害の予防及び/又は治療に有用であり得る。本発明の生成物は、乾せん、掻よう症、皮膚、眼球又は粘膜の過敏、ヘルペス及び帯状ほう疹の予防及び/又は治療に使用することもできる。
【0120】
その態様の別の態様によれば、本発明は、本発明による化合物を有効成分として含む薬剤組成物に関する。この薬剤組成物は、本発明による少なくとも1種類の化合物又は薬剤として許容される前記化合物の塩、水和物若しくは溶媒和物の有効量と、薬剤として許容される少なくとも1種類の賦形剤とを含む。
【0121】
前記賦形剤は、剤形及び所望の投与方法に従って、当業者に公知である通常の賦形剤から選択される。
【0122】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、局部、気管内、鼻腔内、経皮又は直腸投与用の本発明の薬剤組成物においては、上記式(I)の有効成分又はその考えられる塩、溶媒和物若しくは水和物は、上記障害又は疾患の予防又は治療のために、標準の医薬品賦形剤との混合物として単位投与剤形でヒト及び動物に投与することができる。
【0123】
適切な単位投与剤形は、錠剤、軟又は硬カプセル剤、散剤、顆粒剤、経口液剤又は懸濁液剤などの経口剤形、舌下、頬、気管内、眼内及び鼻腔内投与剤形、吸入投与剤形、局所、経皮、皮下、筋肉内又は静脈内投与剤形、直腸投与剤形並びに移植片を含む。局所適用の場合、本発明による化合物をクリーム剤、ゲル剤、ポマード剤又はローション剤に使用することができる。
【0124】
例として、錠剤の形の本発明による化合物の単位投与剤形は以下の成分を含み得る。
【0125】
本発明による化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム 6.0mg
コーンスターチ 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
前記単位剤形は、ガレヌス製剤(galenical form)によって、体重1kg当たり活性成分0.001から30mgの連日投与が可能なように投薬される。
【0126】
これよりも高い又は低い投与量が適切である特別な場合もあり得る。かかる投与量は本発明の範囲から逸脱しない。通常の治療によれば、各患者に適切な投与量は、投与方法、前記患者の体重及び応答に応じて医師が決定する。
【0127】
その態様の別の態様によれば、本発明は、本発明による化合物又は薬剤として許容されるその塩、水和物若しくは溶媒和物の有効量を患者に投与することを含む、上記病状の治療方法にも関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基付加塩又は酸付加塩の形の、また、水和物又は溶媒和物の形の、式(I)に対応する化合物。
【化1】

(式中、
nは0、1、2又は3であり、
、X、X、X、Z、Z、Z、Z及びZは互いに独立に、水素又は、ハロゲン原子、あるいはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、シアノ、C(O)NR、ニトロ、NR、C−C−チオアルキル、−S(O)−C−C−アルキル、−S(O)−C−C−アルキル、SONR、NRCOR、NRSO又はアリール基であり、該アリールは、ハロゲン及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−フルオロアルコキシ、ニトロ又はシアノ基から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、あるいはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン若しくはアリール基であり、又はRとRは、これらを有する窒素原子と一緒に、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼピン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン又はホモピペラジン基を形成し、この基はC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン又はアリール基で置換されていてもよく、
及びRは互いに独立に、水素原子、あるいはC−C−アルキル又はアリール基であり、
はC−C−アルキル又はアリール基であり、
Wは、位置1、2、3又は4を介して窒素原子に連結された、次式の縮合二環式基であり、
【化2】

Aは、O、S及びNから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5から7員の複素環であり、
Aの炭素原子は、水素原子及びC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール、アリール−C−C−アルキレン、オキソ又はチオ基から選択される1個以上の基で置換されていてもよく、
Aの窒素原子は、オキソ基で置換された炭素原子に該窒素が隣接するときにはRで置換されていてもよく、それ以外の場合にはRで置換されていてもよく、
は、水素原子、あるいはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン又はアリール基であり、
は、水素原子、あるいはC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン、C−C−フルオロアルキル、アリール−C−C−アルキレン、C−C−アルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−(CO)−、C−C−フルオロアルキル−C(O)−、C−C−シクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、アリール−C−C−アルキレン−C(O)−、C−C−アルキル−S(O)−、C−C−フルオロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−S(O)−、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキレン−S(O)−、アリール−S(O)−又はアリール−C−C−アルキレン−S(O)−又はアリール基であり、ならびに
Wはインドリル以外であり、
複素環Aの硫黄原子は場合によっては酸化型であり、
複素環Aの窒素原子は場合によっては酸化型である。)
【請求項2】
nが0又は1であることを特徴とする、塩基付加塩又は酸付加塩の形の、また、水和物又は溶媒和物の形の、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
、X、X、X、Z、Z、Z、Z及びZが互いに独立に、水素原子、あるいはハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル又はC−C−アルコキシ基であることを特徴とする、塩基付加塩又は酸付加塩の形の、また、水和物又は溶媒和物の形の、請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
Wが、インドリニル、イソインドリニル、ベンゾフリル、ジヒドロベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリニル、イソベンゾフリル、ジヒドロイソベンゾフリル、ベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、イソベンゾチアゾリル、ジヒドロイソベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、イソキノリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾチアジニル、シンノリニル、キナゾリニル、ジヒドロキナゾリニル、テトラヒドロキナゾリニル、キノキサリニル、ジヒドロキノキサリニル、テトラヒドロキノキサリニル、フタラジニル、ジヒドロフタラジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロベンゾ[b]アゼピニル、テトラヒドロベンゾ[c]アゼピニル、テトラヒドロベンゾ[d]アゼピニル、テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジアゼピニル、テトラヒドロベンゾ[e][1,4]ジアゼピニル、テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキソアゼピニル及びテトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピニル基から選択され、
前記基Wの炭素及び/又は窒素原子が、請求項1に記載の一般式(I)において定義されたように置換されていてもよいことを特徴とする、塩基付加塩又は酸付加塩の形の、また、水和物又は溶媒和物の形の、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
Wが、イソキノリル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾオキサジニル、ベンゾフリル、インドリニル、ベンゾオキサゾリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル、キノキサリニル基から選択され、
前記基Wの炭素原子が、一般式(I)においてAに関係して定義されたように、オキソ、C−C−アルキル又はアリール基から選択される1個以上の基で置換されていてもよく、及び/又は
前記基Wの窒素原子が、オキソ基で置換された炭素原子に該窒素が隣接するときにはRで置換されていてもよく、あるいはそれ以外の場合にはRで置換されていてもよく、R及びRは、Aに関係して請求項1に記載の一般式(I)において定義された通りであり、
は水素原子又はC−C−アルキル基であり、
は水素原子、あるいはC−C−アルキル又はC−C−アルキル−S(O)基である
ことを特徴とする、塩基付加塩又は酸付加塩の形の、また、水和物又は溶媒和物の形の、請求項4に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製する方法であり、
一般式(IV)
【化3】

(式中、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z、Z及びnは、請求項1に記載の一般式(I)において定義された通りであり、ならびにBは、C−C−アルコキシ基である。)
の化合物を、一般式(V)
【化4】

(式中、Wは、請求項1に記載の一般式(I)において定義された通りであり、一般式(V)の化合物のアミドは、一般式(V)の化合物に対するトリメチルアルミニウムの事前の作用(the prior action)によって調製される。)
の化合物のアミドと、溶媒の還流温度で反応させることを特徴とする、方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製するであり、
一般式(IV)
【化5】

(式中、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z、Z及びnは、請求項1に記載の一般式(I)において定義された通りであり、Bはヒドロキシル基である。)
の化合物が、溶媒の還流温度で、塩化チオニルの作用によって、酸塩化物に転化され、
次いで、得られる一般式(IV)の化合物(式中、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z、Z及びnは、請求項1に記載の一般式(I)において定義された通りであり、ならびにBは塩素原子である。)が、塩基の存在下で、一般式(V)
【化6】

(式中、Wは、請求項1に記載の一般式(I)において定義された通りである。)
の化合物と反応する、
或いは、カップリング反応が、一般式(IV)の化合物(式中、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z、Z及びnは、請求項1に記載の一般式(I)において定義された通りであり、ならびにBはヒドロキシル基である。)と、一般式(V)の化合物(式中、Wは、請求項1に記載の一般式(I)において定義された通りである。)との間で、カップリング剤及び塩基の存在下で、溶媒中で実施される
ことを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又は薬剤として許容される、式(I)の化合物の塩、水和物若しくは溶媒和物を含むことを特徴とする、医薬品。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又は薬剤として許容される、この化合物の塩、水和物若しくは溶媒和物、及び薬剤として許容される少なくとも1種類の賦形剤とを含むことを特徴とする、薬剤組成物。
【請求項10】
TRPV1受容体が関与する病状を予防又は治療する医薬品を調製するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項11】
とう痛及び炎症、泌尿器障害、婦人科の障害、胃腸疾患、呼吸器障害、乾せん、掻よう症、皮膚、眼球又は粘膜の過敏、ヘルペス及び帯状ほう疹を予防又は治療する医薬品を調製するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2008−526820(P2008−526820A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549933(P2007−549933)
【出願日】平成18年1月4日(2006.1.4)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000008
【国際公開番号】WO2006/072736
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】