説明

P2X3アンタゴニストとしてのピペリジン及びピペラジン誘導体

式(I)[式中、R1、R2a、R2b、R3、Y、X、A、R6、R7及びR8は、本明細書に記載のとおりである]の化合物は、疼痛並びに尿生殖器、胃腸、及び呼吸器の障害の治療に有用なP2X3のモジュレーターである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、P2Xプリン作動性受容体に関係する疾患の治療に有用な化合物、そして特に尿生殖器、胃腸、呼吸器、及び疼痛に関連する疾患、症状及び障害の治療に有用なP2X3アンタゴニストに関する。
【0002】
膀胱は、尿貯蔵及び尿排出という2つの重要な生理機能を担当している。この過程は、2つの主要なプロセス:(1)膀胱が、その壁内の張力が閾値を超えて上昇するまで段々に蓄積するプロセス;及び(2)膀胱を空にするか、又はこれができなければ、少なくとも意識的な排尿の欲求を引き起こす、排尿反射と呼ばれる神経反射が起こるプロセスを伴う。排尿反射は、自律脊髄反射であるが、これはまた、大脳皮質又は脳の中枢が阻害又は介在することができる。
【0003】
細胞外プリン受容体を介して作用するプリン類は、種々の生理的及び病理的役割を持つことに関係している。(Burnstock, Drug Dev. Res. (1993) 28:195-206を参照のこと)。ATP、及びそれ程ではないにせよアデノシンは、知覚神経終末を刺激することができ、このため強烈な疼痛及び知覚神経発射の顕著な上昇をもたらす。ATP受容体は、分子構造、変換機構、及び薬理学的特性に基づいて、2つの主なファミリー:P2Y−及びP2X−プリン受容体に分類されている。P2Y−プリン受容体は、Gタンパク質共役受容体であるが、一方P2X−プリン受容体は、ATP依存性カチオンチャネルのファミリーである。プリン作動性受容体、特にP2X受容体は、ホモ多量体又はヘテロ多量体を形成することが知られている。これまでに、6種のホモマー受容体:P2X1;P2X2;P2X3;P2X4;P2X5;及びP2X7;並びに3種のヘテロマー受容体:P2X2/3;P2X4/6;P2X1/5を含む、幾つかのP2X受容体サブタイプのcDNAがクローン化されている(例えば、Chenら, Nature (1995) 377:428-31;Lewisら, Nature (1995) 377:432-35;及びBurnstock, Neuropharmacol. (1997) 36:1127-39を参照のこと)。マウスゲノムP2X3受容体サブユニットの構造及び染色体マッピングもまた報告されている(Souslovaら, Gene (1997) 195:101-11)。インビトロでは、幾つかの知覚ニューロンで見られる性質を持つATP依存性電流を生成するためには、P2X2及びP2X3受容体サブユニットの同時発現が必要である(Lewisら, 上記文献)。
【0004】
P2X受容体サブユニットは、齧歯類及びヒト膀胱尿路上皮の求心路で見い出された。ATPは、拡張の結果として膀胱又は他の中空器官の上皮/内皮細胞から放出されることを示唆するデータが存在している(Burnstock, J. Anatomy (1999) 194:335-42;及びFergusonら, J. Physiol. (1997) 505:503-11)。このように放出されるATPは、上皮下成分、例えば、尿路上皮下の固有層に位置する知覚神経ニューロンに情報を伝達する役割を果たしうる(Namasivayamら, BJU Intl. (1999) 84:854-60)。P2X受容体は、知覚神経、交感神経、副交感神経、腸管膜神経、及び中枢神経ニューロンを含む、幾つかのニューロンで研究されている(Zhongら, Br. J. Pharmacol. (1998) 125:771-81)。これらの研究は、プリン作動性受容体が、膀胱からの求心性神経伝達においてある役割を果たすこと、及びP2X受容体のモジュレーターが、膀胱の障害及び他の尿生殖器の疾患又は症状の治療に有用である可能性があることを示している。
【0005】
最近の証拠はまた、マウスでの侵害受容反応における内因性ATP及びプリン作動性受容体の役割を示唆している(Tsudaら, Br. J. Pharmacol. (1999) 128:1497-504)。脊髄における後根神経節の神経終末上のP2X受容体のATP誘発活性化は、侵害受容シグナル伝達に関係する重要な神経伝達物質である、グルタミン酸の放出を刺激することが証明されている(GuとMacDermott, Nature (1997) 389:749-53)。P2X3受容体は、歯髄の侵害受容ニューロン上で同定されている(Cookら, Nature (1997) 387:505-08)。損傷細胞から放出されたATPは、こうして侵害受容知覚神経終末上のP2X3及び/又はP2X2/3含有受容体を活性化することにより、疼痛をもたらしうる。このことは、ヒト水疱に基づくモデルにおける皮内適用ATPによる疼痛の誘発と一致している(Bleehen, Br J Pharmacol (1978) 62:573-77)。P2Xアンタゴニストは、動物モデルにおいて鎮痛性であることが証明されている(DrissenとStarke, Naunyn Schmiedbergs Arch Pharmacol (1994) 350:618-25)。この証拠は、P2X2及びP2X3が、侵害受容に関与していること、並びにP2X受容体のモジュレーターが、鎮痛剤として有用である可能性があることを示唆している。
【0006】
他の研究者らは、P2X3受容体が、ヒト結腸で発現されること、及び正常結腸よりも炎症結腸において高レベルで発現されることを証明している(Yiangouら, Neurogastroenterol Mot (2001) 13:365-69)。他の研究者らは、P2X3受容体を腸の拡張又は管腔内圧の検出、及び反射収縮の開始と関係づけており(Bianら, J Physiol (2003) 551.1:309-22)、そしてこのことを結腸炎に関連づけている(Wynnら, Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol (2004) 287:G647-57)。
【0007】
Inge Brounsら(Am J Respir Cell Mol Biol (2000) 23:52-61)は、P2X3受容体が、肺神経上皮小体(NEB)で発現されることを見い出し、この受容体を肺における疼痛伝達に関係づけた。更に最近、他の人々は、P2X2及びP2X3受容体を肺NEBにおけるpO2検出に関係づけた(Rongら, J Neurosci (2003) 23(36):11315-21)。
【0008】
よって、P2X3受容体が介在する疾患、症状及び障害の治療方法に対するニーズ、更にはP2X3受容体のアンタゴニストを含めて、P2X受容体のモジュレーターとして作用する化合物に対するニーズが存在する。本発明は、これらのニーズも、他のものも満たす。
【0009】
本発明は、式(I):
【0010】
【化2】

【0011】
[式中、
1は、−C(=S)CH3、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、フリル、フリルカルボニル、アセチル、又はカルバモイルであり;
2a及びR2bは、独立に、H、メチル、又はエチルであり;
3は、H又はメチルであり;
Yは、結合、−(CR45n−又は−CR4=CR5−であり(ここで、R4及びR5は、それぞれ独立に、H又はメチルであり、そしてnは、1又は2である);
Xは、N又はCHであり;
Aは、フェニル、5員ヘテロシクリル、又は6員ヘテロシクリルであり;
6、R7及びR8は、それぞれ独立に、H、ハロ、低級アルキル、シクロアルキル、アルキルチオ、アルキルチオ−低級アルキル、アルキルスルホニル−低級アルキル、ジ(低級アルキル)アミノ−低級アルキル、モルホリニル−低級アルキル、4−メチル−ピペラジニル−メチル、トリフルオロメチル、ピリジル、テトラゾリル、チオフェニル、フェニル、ビフェニル、又はベンジルである(ここで、チオフェニル、フェニル及びベンジルは、0〜3個の、低級アルキル、ハロ、スルホンアミド、トリフルオロメチル、低級アルコキシ又は低級アルキルチオで置換されている)か;あるいは
6及びR7は、一緒になって、低級アルキル、低級アルコキシ、オキソ、ハロ、チオフェニル−低級アルキル、フェニル、ベンジルよりなる群から選択される0〜3個の置換基で置換されている、5員又は6員の炭素環又は複素環を形成する(ここで、フェニル及びベンジルは、0〜3個の、低級アルキル、ハロ、スルホンアミド、トリフルオロメチル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、アミノ−低級アルキル、低級アルキルアミノ−低級アルキル、又はジ(低級アルキル)アミノ−低級アルキルで置換されている)]で示される化合物、及び薬学的に許容しうるその塩[ここで、
1がピリミジン−2−イルであり、XがNであり、Yが結合であり、そしてAがオキサゾール−5−イルである場合、該オキサゾール−5−イルの4位の炭素原子は、該オキサゾール−5−イルの2位の炭素原子が、置換フェニルにより置換されているときは、プロピルにより置換されておらず、そして該オキサゾール−5−イルの4位の炭素原子は、2位の炭素原子が、非置換又は置換フェニルにより置換されているときは、フェニルにより置換されていない]を提供する。
【0012】
式(I)の化合物は、P2X3受容体活性の有用なモジュレーターである。
【0013】
本発明は、P2X3受容体アンタゴニストが介在する疾患の治療方法であって、これを必要とする対象に有効量の式(I)の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0014】
本発明の別の態様は、P2X3受容体の活性の調節方法であって、P2X3受容体を式(I)の化合物と接触させることを含む方法である。
【0015】
本発明の別の態様は、P2X3モジュレーターに反応する尿生殖器障害の治療方法であって、これを必要とする対象に式(I)の化合物を投与することを含む方法である。
【0016】
本発明の別の態様は、P2X3モジュレーターに反応する尿生殖器障害の治療用処方であって、これを必要とする対象に式(I)の化合物を薬学的に許容しうる賦形剤と組合せて投与することを含む処方である。
【0017】
本発明の別の態様は、P2X3モジュレーターに反応する胃腸障害の治療方法であって、これを必要とする対象に式(I)の化合物を投与することを含む方法である。
【0018】
本発明の別の態様は、P2X3モジュレーターに反応する胃腸障害の治療用処方であって、これを必要とする対象に式(I)の化合物を薬学的に許容しうる賦形剤と組合せて投与することを含む処方である。
【0019】
本発明の別の態様は、P2X3モジュレーターに反応する呼吸器障害の治療方法であって、これを必要とする対象に式(I)の化合物を投与することを含む方法である。
【0020】
本発明の別の態様は、P2X3モジュレーターに反応する呼吸器障害の治療用処方であって、これを必要とする対象に式(I)の化合物を薬学的に許容しうる賦形剤と組合せて投与することを含む処方である。
【0021】
本発明の別の態様は、P2X3モジュレーターに反応する疼痛の治療方法であって、これを必要とする対象に式(I)の化合物を投与することを含む方法である。
【0022】
本発明の別の態様は、P2X3モジュレーターに反応する疼痛症状の治療用処方であって、これを必要とする対象に式(I)の化合物を薬学的に許容しうる賦形剤と組合せて投与することを含む処方である。
【0023】
本開示に引用される全ての刊行物は、引用例としてその全体が本明細書に取り込まれる。
【0024】
特に断りない限り、本明細書及び請求の範囲を含む本出願において使用される以下の用語は、後述の定義を有する。本明細書及び添付の請求の範囲において使用されるとき、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、特に明白に断りない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。
【0025】
「アゴニスト」とは、別の化合物又は受容体部位の活性を増強する化合物のことをいう。
【0026】
「アルキル」は、1〜12個の炭素原子を有する、専ら炭素及び水素原子からなる、一価の直鎖又は分岐の飽和炭化水素残基を意味する。「低級アルキル」とは、1〜6個の炭素原子のアルキル基、即ち、C1−C6アルキルのことをいう。アルキル基の例は、特に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシルなどを含む。
【0027】
「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖の飽和二価炭化水素基、又は3〜6個の炭素原子の分岐の飽和二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなどを意味する。
【0028】
「アルコキシ」は、式:−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるようなアルキル残基である)の基を意味する。アルコキシ基の例は、特に限定されないが、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシなどを含む。
【0029】
「アルコキシアルキル」は、式:Ra−O−Rb−(ここで、Raは、アルキルであり、そしてRbは、アルキレンであり、本明細書に定義されるとおりである)の基を意味する。典型的なアルコキシアルキル基は、一例として、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メチル−2−メトキシエチル、1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピル、及び1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピルを含む。
【0030】
「アルキルカルボニル」は、式:−R’−R”(ここで、R’は、オキソであり、そしてR”は、本明細書に定義されるようなアルキルである)の基を意味する。
【0031】
「アルキルスルホニル」は、式:−R’−R”(ここで、R’は、−SO2−であり、そしてR”は、本明細書に定義されるようなアルキルである)の基を意味する。
【0032】
「アルキルスルホニルアルキル」は、式:−R’−R”−R'''(ここで、R’は、アルキルであり、R”は、−SO2−であり、そしてR'''は、アルキルであり、本明細書に定義されるとおりである)の基を意味する。
【0033】
「アンタゴニスト」とは、別の化合物又は受容体部位の作用を減少させるか又は妨げる化合物のことをいう。
【0034】
「アリール」は、単環、二環又は三環式芳香環よりなる、一価の環状芳香族炭化水素基を意味する。このアリール基は、場合により本明細書に定義されるように置換されていてもよい。アリール残基の例は、特に限定されないが、場合により置換されているフェニル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニルなど(これらの部分水素化誘導体を含む)を含む。
【0035】
互換的に使用することができる、「アリールアルキル」及び「アラルキル」は、基:−Rab(ここで、Raは、アルキレン基であり、そしてRbは、アリール基であり、本明細書に定義されるとおりである)を意味する;例えば、ベンジル、フェニルエチル、3−(3−クロロフェニル)−2−メチルペンチルなどのようなフェニルアルキルは、アリールアルキルの例である。
【0036】
「シアノアルキル」は、式:−R’−R”(ここで、R’は、本明細書に定義されるようなアルキレンであり、そしてR”は、シアノ又はニトリルである)の基を意味する。
【0037】
「シクロアルキル」は、単環又は二環式の環よりなる、一価の飽和炭素環基を意味する。シクロアルキルは、場合により1個以上の置換基で置換されていてもよく、ここで、各置換基は、特に断りない限り、独立に、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、又はジアルキルアミノである。シクロアルキル基の例は、特に限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど(これらの部分不飽和誘導体を含む)を含む。
【0038】
「シクロアルキルアルキル」は、式:−R’−R”(ここで、R’は、アルキレンであり、そしてR”は、シクロアルキルであり、本明細書に定義されるとおりである)の基を意味する。
【0039】
「ヘテロアルキル」は、1個、2個又は3個の水素原子が、−ORa、−NRbc、及び−S(O)md(ここで、mは、0〜2の整数である)よりなる群から独立に選択される置換基で置換されている、本明細書に定義されるようなアルキル基を意味するが、ただし、このヘテロアルキル基の結合点は、炭素原子を介するものであり、そしてここで、Raは、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;Rb及びRcは、相互に独立に、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;そしてmが、0であるとき、Rdは、水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、そしてmが、1又は2であるとき、Rdは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、又はジアルキルアミノである。代表例は、特に限定されないが、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピルなどを含む。
【0040】
「ヘテロアリール」は、N、O、又はSから選択される1個、2個、又は3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである、少なくとも1個の芳香環を有する、5〜12個の環原子の単環又は二環式基を意味するが、ただし、このヘテロアリール基の結合点は、芳香環上にある。このヘテロアリール環は、場合により本明細書に定義されるように置換されていてもよい。ヘテロアリール基の例は、特に限定されないが、場合により置換されているイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チエニル、ベンゾチエニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニルなど(これらの部分水素化誘導体を含む)を含む。
【0041】
互換的に使用することができる、「ハロ」、「ハロゲン」及び「ハライド」という用語は、置換基:フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードのことをいう。
【0042】
「ハロアルキル」は、1個以上の水素が、同一であるか又は異なるハロゲンで置換されている、本明細書に定義されるようなアルキルを意味する。典型的なハロアルキルは、−CH2Cl、−CH2CF3、−CH2CCl3、ペルフルオロアルキル(例えば、−CF3)などを含む。
【0043】
「ハロアルコキシ」は、式:−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるようなハロアルキル基である)の基を意味する。典型的なハロアルコキシは、ジフルオロメトキシである。
【0044】
「ヘテロシクロアミノ」は、少なくとも1個の環原子が、N、NH又はN−アルキルであり、残りの環原子が、アルキレン基を形成する、飽和環を意味する
【0045】
「ヘテロシクリル」は、1個、2個、又は3個若しくは4個のヘテロ原子(窒素、酸素又は硫黄から選択される)を組み込む、1〜3個の環よりなる、一価の飽和基を意味する。このヘテロシクリル環は、場合により本明細書に定義されるように置換されていてもよい。ヘテロシクリル基の例は、特に限定されないが、場合により置換されているピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キヌクリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、チアジアゾリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどを含む。
【0046】
「ヒドロキシアルキル」は、1個以上、好ましくは1個、2個又は3個のヒドロキシ基で置換されている、本明細書に定義されるようなアルキル基を意味するが、ただし、同一の炭素原子は、2個以上のヒドロキシ基を持たない。代表例は、特に限定されないが、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル及び2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピルを含む。
【0047】
「ヒドロキシシクロアルキル」は、このシクロアルキル基中の1個、2個又は3個の水素原子が、ヒドロキシ置換基で置換されている、本明細書に定義されるようなシクロアルキル基を意味する。代表例は、特に限定されないが、2−、3−、又は4−ヒドロキシシクロヘキシルなどを含む。
【0048】
「尿素」又は「ウレイド」は、式:−NR’−C(O)−NR”R'''(式中、R’、R”及びR'''は、それぞれ独立に、水素又はアルキルである)の基を意味する。
【0049】
「カルバマート」は、式:−O−C(O)−NR’R”(式中、R’及びR”は、それぞれ独立に、水素又はアルキルである)の基を意味する。
【0050】
「カルボキシ」は、式:−O−C(O)−OHの基を意味する。
【0051】
「スルホンアミド」は、式:−SO2−NR’R”(式中、R’、R”及びR'''は、それぞれ独立に、水素又はアルキルである)の基を意味する。
【0052】
「場合により置換されている」は、「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」、「シクロヘキシル」又は「ヘテロシクリル」に伴って使用されるとき、場合により、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、−COR(ここで、Rは、水素、アルキル、フェニル又はフェニルアルキルである)、−(CR’R”)m−COOR(ここで、mは、0〜5の整数であり、R’及びR”は、独立に、水素又はアルキルであり、そしてRは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル又はフェニルアルキルである)、又は−(CR’R”)n−CONRab(ここで、mは、0〜5の整数であり、R’及びR”は、独立に、水素又はアルキルであり、そしてRa及びRbは、相互に独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル又はフェニルアルキルである)から選択される1〜4個の置換基、好ましくは1個又は2個の置換基で独立に置換されている、アリール、フェニル、ヘテロアリール、シクロヘキシル又はヘテロシクリルを意味する。
【0053】
「脱離基」は、有機合成化学において従来から結び付けられてきた意味の基、即ち、置換反応条件下で置換可能な原子又は基を意味する。脱離基の例は、特に限定されないが、ハロゲン、アルカン−又はアリーレンスルホニルオキシ(メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ、及びチエニルオキシなど)、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されているベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシなどを含む。
【0054】
「モジュレーター」は、標的と相互作用する分子を意味する。この相互作用は、特に限定されないが、本明細書に定義されるようなアゴニスト、アンタゴニストなどを含む。
【0055】
「オプションの」又は「場合により」は、その後に記載されている事象又は状況が、必ずしも起こらなくてもよいこと、及びこの記載は、その事象又は状況が起こる場合と起こらない場合とを含むことを意味する。
【0056】
「疾患」及び「病状」は、任意の疾患、症状、症候、障害又は適応症を意味する。
【0057】
「不活性有機溶媒」又は「不活性溶媒」は、これと併せて記述されている反応の条件下で不活性である溶媒を意味し、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレン又はジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジンなどを含む。特に断りない限り、本発明の反応に使用される溶媒は、不活性溶媒である。
【0058】
「薬学的に許容しうる」は、一般に安全で非毒性、かつ生物学的にも他の意味でも不適切でない医薬組成物を調製するのに有用であるものを意味し、そしてヒトの薬学的使用だけでなく獣医学的使用にも許容しうるものを含む。
【0059】
化合物の「薬学的に許容しうる塩」は、本明細書に定義されるように薬学的に許容しうるものであり、かつ親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味する。このような塩は、以下を含む:
酸付加塩:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸と共に形成されるもの;又は酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸などのような有機酸と共に形成されるもの;あるいは
親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、若しくはアルミニウムイオンにより置き換えられるか;又は有機若しくは無機塩基と配位結合して形成される塩。許容しうる有機塩基は、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミンなどを含む。許容しうる無機塩基は、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムを含む。
【0060】
好ましい薬学的に許容しうる塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから形成される塩である。
【0061】
当然のことながら、薬学的に許容しうる塩への全ての言及は、同酸付加塩の、本明細書に定義されるような溶媒付加形(溶媒和物)又は結晶形(多形)を含む。
【0062】
「保護基(protective group)」又は「保護基(protecting group)」は、合成化学において従来から結び付けられてきた意味で、ある化学反応を別の非保護部位で選択的に実施することができるように、多官能化合物の1つの反応部位を選択的にブロックする基を意味する。本発明の一部のプロセスは、反応物に存在する反応性窒素及び/又は酸素原子をブロックするための保護基に依存する。例えば、「アミノ保護基」及び「窒素保護基」という用語は、本明細書では互換的に使用され、そして合成手順の間の不適切な反応に対して窒素原子を保護することが意図された有機基のことをいう。典型的な窒素保護基は、特に限定されないが、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)などを含む。当業者であれば、脱離の容易さのため、及びその後の反応に耐える能力のために基を選択する方法は心得ているであろう。
【0063】
「溶媒和物」は、化学量論又は非化学量論量のいずれかの溶媒を含む、溶媒付加形を意味する。幾つかの化合物は、その結晶の固体状態において固定モル比の溶媒分子を捕捉する傾向があるため、溶媒和物を形成する。溶媒が水であるならば、生成する溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールであるとき、生成する溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1分子以上の水と1分子の物質との組合せにより生成するが、ここで水は、その分子状態をH2Oとして保持しており、このような組合せは1種以上の水和物を形成することができる。
【0064】
「対象」は、哺乳動物及び非哺乳動物を意味する。哺乳動物は、特に限定されないが、ヒト;チンパンジーや他の類人猿のような非ヒト霊長類及びサル種;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、及びブタのような家畜(農場動物);ウサギ、イヌ、及びネコのような家畜;ラット、マウス、及びモルモットのような齧歯類を含む実験動物などを含む、哺乳綱類の任意の一員を意味する。非哺乳動物の例は、特に限定されないが、鳥類などを含む。「対象」という用語は、特定の年齢又は性別を意味するものではない。
【0065】
「尿路の症候」と互換的に使用される「尿生殖器障害」及び「尿路の障害」又は「尿路疾患」は、尿生殖路の病的変化を意味する。尿路障害の例は、特に限定されないが、尿失禁、良性前立腺肥大(BPH)、前立腺炎、排尿筋過反射、排尿開口部閉塞、頻尿、夜間頻尿、尿意逼迫、過活動膀胱、骨盤過敏症(pelvic hypersensitivity)、急迫性尿失禁、尿道炎、前立腺痛、膀胱炎、特発性膀胱過敏症(idiopathic bladder hyper-sensitivity)などを含む。
【0066】
「尿路の症候」と互換的に使用される「尿路に関連する病状」又は「尿路病状」又は「尿路疾患」は、尿路の病的変化、又は尿の貯蔵若しくは排出の異常を引き起こす膀胱平滑筋若しくはその神経支配の機能不全を意味する。尿路の症候は、特に限定されないが、過活動膀胱(排尿筋過活動としても知られている)、排尿開口部閉塞、排尿開口部機能不全、及び骨盤過敏症を含む。
【0067】
「過活動膀胱」又は「排尿筋過活動」は、特に限定されないが、尿意逼迫、頻尿、膀胱の最大容量の変化、尿失禁、排尿閾値、不安定膀胱収縮、括約筋痙縮、排尿筋過反射(神経因性膀胱)、排尿筋不安定などのような症候として現れる変化を含む。
【0068】
「排尿開口部閉塞」は、特に限定されないが、良性前立腺肥大(BPH)、尿道狭窄疾患、腫瘍、低流量、排尿開始困難、尿意逼迫、恥骨上部痛などを含む。
【0069】
「排尿開口部機能不全」は、特に限定されないが、尿道の過可動性、内因性括約筋欠乏、混合型尿失禁、ストレス尿失禁などを含む。
【0070】
「骨盤過敏症」は、特に限定されないが、骨盤痛、間質(細胞)性膀胱炎、前立腺痛、前立腺炎、外陰部痛、尿道炎、精巣睾丸痛、過活動膀胱などを含む。
【0071】
「胃腸障害」とは、限定されないが、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎などを含む、腸、結腸、及び/又は直腸の炎症性障害のことをいう。
【0072】
「呼吸器障害」とは、限定されないが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、気管支攣縮などのことをいう。
【0073】
「治療有効量」は、病状を治療するために対象に投与されるとき、その病状の治療を達成するのに充分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、治療される病状、治療される疾患の重篤度、対象の年齢及び相対健康度、投与の経路及び剤形、担当医又は獣医の判定、並びに他の因子に応じて変化する。
【0074】
可変部に関するとき「上に定義されるもの」及び「本明細書に定義されるもの」という用語は、可変部の広い定義、更には好ましい、更に好ましい及び最も好ましい定義(もしあれば)を参照により取り込む。
【0075】
病状の「治療処置(treating)」又は「治療(treatment)」は、以下を含む:
(i)病状を予防すること、即ち、病状に曝露されているか、又は病状の素因があるが、まだ病状に直面していないか、又は病状の症候を示していない対象において、その病状の臨床症候を発現させないこと;
(ii)病状を阻害すること、即ち、病状又はその臨床症候の進展を止めること;あるいは
(iii)病状を緩和すること、即ち、病状又はその臨床症候を一時的又は永久的に緩解させること。
【0076】
化学反応に関するとき「処理」、「接触」及び「反応」という用語は、適切な条件下で2つ以上の試薬を添加又は混合することを意味し、これによって指示及び/又は所望の生成物が生成する。当然のことながら、指示及び/又は所望の生成物が生成する反応は、必ずしも最初に加えた2つの試薬の組合せから直接生じるとは限らない、即ち、最終的に指示及び/又は所望の生成物の形成に至る、混合物として生成する1つ以上の中間体が存在するかもしれない。
【0077】
一般に、本出願において使用される命名法は、IUPACの体系的命名法の生成のためのバイルシュタイン研究所(Beilstein Institute)のコンピュータ化システムである、オートノム(AUTONOM)(商標)v.4.0に基づく。本明細書に示される化学構造は、ISIS(商標)バージョン2.2を用いて作成した。本明細書の構造中の炭素、酸素又は窒素原子上に出現する任意のオープン結合価は、水素原子の存在を示している。例えば、オキサゾール−5−イルは、下記構造:
【0078】
【化3】

【0079】
により図示することができる。
【0080】
本明細書に特定される全ての特許及び刊行物は、引用例としてその全体が本明細書に取り込まれる。
【0081】
本発明の現在好ましいクラスにおいて、R2aはメチルであり、R2b及びR3はHであり、そしてYは結合である。本発明の特に好ましいサブクラスは、Aが、オキサゾリル、チアゾリル、又はフラニルであるもの、特にここでR6、R7、及びR8が、メチル、プロピル、t−ブチル、フェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、メチルチオエチル、メチルスルファニルエチル、モルホリノ−メチル、4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、ハロ−ベンジル、及びメトキシフェニルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるものである。この群の現在好ましい実施態様は、R1が、ピリミジニル、アミノ−ピリミジニル、アセチル、チオ−アセチル、又はチアゾリルであるものである。
【0082】
本発明の別の現在好ましいサブクラスは、Aが、ピラゾリル、トリアゾリル、又はピロリルであるもの、特にここでR6、R7、及びR8が、メチル、プロピル、t−ブチル、フェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、メチルフェニル、ビフェニル、イソプロピル、ピリジル、メトキシフェニル、メチルチオフェニル、トリフルオロメチルフェニル、又はモルホリノ−プロピルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるものである。この群の現在好ましい実施態様は、R1が、ピリミジニル又はアセチルであるものである。
【0083】
本発明の別の現在好ましいサブクラスは、Aが、1H−チエノ[2,3−c]ピラゾリル、インドリル、インダゾリル、ピラゾリル[1,5−a]ピリミジニル、6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4−オニル、2H−フタラジン−1−オニル、又はイミダゾ[1,5−a]ピリジニルであるもの、特にここでR6、R7、及びR8が、メチル、エチル、シクロプロピル、s−ブチル、n−ブチル、シクロペンチル、フェニル、フルオロフェニル、アルキルフェニル、ベンジル、ハロベンジル、トリフルオロメチル、メトキシベンジル、チオフェニルメチル、トリフルオロメチル−フェニル、又はピリジルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるものである。この群の現在好ましい実施態様は、R1が、ピリミジニル又はアセチルであるものである。
【0084】
本発明の別の現在好ましいサブクラスは、Aが、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ピリジル、ピリミジニル、又はフェニルであるもの、特にここでR6、R7、及びR8が、メチル、メトキシ、フェニル、メトキシフェニル、ハロ、アルキルフェニル、チオフェニル、メチルチオフェニル、ハロフェニル、テトラゾリル、及びプロピルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるものである。この群の現在好ましい実施態様は、R1が、ピリミジニル又はアセチルであるものである。
【0085】
本発明の別の現在好ましいサブクラスは、R1が、−C(=S)CH3、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、フリルカルボニル、アセチル又はカルバモイルであるものであるが、ここで、R1がピリミジン−2−イルであり、XがNであり、Yが結合であり、そしてAがオキサゾール−5−イルである場合、該オキサゾール−5−イルの4位の炭素原子は、該オキサゾール−5−イルの2位の炭素原子が、置換フェニルにより置換されているときは、プロピルにより置換されておらず、そして該オキサゾール−5−イルの4位の炭素原子は、2位の炭素原子が、非置換又は置換フェニルにより置換されているときは、フェニルにより置換されていない。
【0086】
本発明の別の現在好ましいサブクラスは、R2aがメチルであり、そしてR2bがHであるか;あるいはR2a及びR2bがメチルであるものである。
【0087】
本発明の別の現在好ましいサブクラスは、R3がHであるものである。
【0088】
本発明の別の現在好ましいサブクラスは、Yが結合であるものであるが、ここで、R1がピリミジン−2−イルであり、XがNであり、そしてAがオキサゾール−5−イルである場合、該オキサゾール−5−イルの4位の炭素原子は、該オキサゾール−5−イルの2位の炭素原子が、置換フェニルにより置換されているときは、プロピルにより置換されておらず、そして該オキサゾール−5−イルの4位の炭素原子は、2位の炭素原子が、非置換又は置換フェニルにより置換されているときは、フェニルにより置換されていない。本発明の別の現在好ましいサブクラスは、Yが、−(CR45−又は−CR4=CR5−である(ここで、R4及びR5は、それぞれ独立に、H又はメチルであり、そしてnは、1又は2である)ものである。本発明の更に別の現在好ましいサブクラスは、Yが、−CH2−、−CH2CH2−又は−CH=CH−であるものである。
【0089】
本発明の別の現在好ましいサブクラスは、Aが、フェニル、オキサゾリル、チアゾリル、フラニル、ピリミジニル、ピリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピロリル、1H−[1,2,3]トリアゾリル又は4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾリルであるものであるが、ここで、Aがオキサゾール−5−イルであり、R1がピリミジン−2−イルであり、XがNであり、そしてYが結合である場合、該オキサゾール−5−イルの4位の炭素原子は、該オキサゾール−5−イルの2位の炭素原子が、置換フェニルにより置換されているときは、プロピルにより置換されておらず、そして該オキサゾール−5−イルの4位の炭素原子は、2位の炭素原子が、非置換又は置換フェニルにより置換されているときは、フェニルにより置換されていない。本発明の更に別の現在好ましいサブクラスは、Aが、下記式:
【0090】
【化4】

【0091】
[式中、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に、H、ハロ、低級アルキル、シクロアルキル、アルキルチオ、アルキルチオ−低級アルキル、アルキルスルホニル−低級アルキル、ジ(低級アルキル)アミノ−低級アルキル、モルホリニル−低級アルキル、4−メチル−ピペラジニル−メチル、トリフルオロメチル、ピリジル、テトラゾリル、チオフェニル、フェニル、ビフェニル、又はベンジルである(ここで、チオフェニル、フェニル及びベンジルは、0〜3個の低級アルキル、ハロ、スルホンアミド、トリフルオロメチル、低級アルコキシ又は低級アルキルチオで置換されている)]で示されるものであるが、ここで、Aがオキサゾール−5−イルであり、R1がピリミジン−2−イルであり、XがNであり、そしてYが結合である場合、該オキサゾール−5−イルの4位の炭素原子は、該オキサゾール−5−イルの2位の炭素原子が、置換フェニルにより置換されているときは、プロピルにより置換されておらず、そして該オキサゾール−5−イルの4位の炭素原子は、2位の炭素原子が、非置換又は置換フェニルにより置換されているときは、フェニルにより置換されていない。
【0092】
本発明の更に別の現在好ましいサブクラスは、A(R6)(R7)R8が、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジニル、1H−チエノ[2,3−c]ピラゾリル、1H−インダゾリル、2H−インダゾリル、1H−インドリル、ベンゾフラニル、2H−フタラジニル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル又は4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジニルであり、そしてそのそれぞれが、低級アルキル、低級アルコキシ、オキソ、ハロ、チオフェニル−低級アルキル、フェニル、ベンジルよりなる群から選択される0〜3個の置換基で置換されている[ここで、フェニル及びベンジルは、0〜3個の低級アルキル、ハロ、スルホンアミド、トリフルオロメチル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、アミノ−低級アルキル、低級アルキルアミノ−低級アルキル、又はジ(低級アルキル)アミノ−低級アルキルで置換されている]ものである。
【0093】
本発明の更に別の現在好ましいサブクラスは、−A(R6)(R7)R8が、下記式:
【0094】
【化5】

【0095】
[式中、Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立に、水素;ハロゲン;アルキル;1〜3個のハロゲンにより置換されているアルキル;フェニル;ハロゲン、アルキル若しくはハロアルキルにより置換されているフェニル;シクロアルキル;アルコキシ;ベンジル;ハロゲンにより置換されているベンジル;ピリジニル;又はアルキルにより置換されているチオフェニルである]で示されるものである。
【0096】
本発明の化合物は、種々の異なる合成スキームにより調製することができる。例えば、スキームIは、本発明の化合物の一般的な合成法を図解している。スキームIにおいて、R1、X1、及びArは、上記と同義である。「G」は、保護基、例えば、t−ブチルを表す。R1が結合している炭素原子は、ラセミ体でもキラルでもよい。工程(I.a)では、置換ピペラジンを、等モル量の保護アルファ−アミノ−アルデヒドと、例えば、過剰のHB(OAc)3を用いて、ジクロロエタンのような非プロトン性溶媒中で、室温(RT)で、反応が終了するまで縮合する。次に選択される基に適切な手段により保護基を脱離する;例えば、t−ブチルは、トリフルオロ酢酸(TFA)での加水分解により脱離することができる。工程(I.b)では、脱保護中間体を、カルボン酸(Ar−COOH)又は均等物と塩基性触媒作用下で縮合することにより、生成物を形成する。次にこの生成物は、例えば、抽出、結晶化、分取HPLCなどにより精製することができる。
【0097】
【化6】

【0098】
例えば、スキームIIは、本発明の化合物の一般的な合成法を図解している。スキームIにおいて、R1、X1、及びArは、上記と同義である。G1及びG2は、保護基、例えば、t−ブチルを表し、そしてここで、G1は、G2と等しくなることはない。LGは、脱離基である。R1が結合している炭素原子は、ラセミ体でもキラルでもよい。工程(II.a)では、オルソゴナルに保護されたピペラジンを、等モル量の保護アルファ−アミノアルデヒドと、例えば、過剰のHB(OAc)3を用いて、ジクロロエタンのような非プロトン性溶媒中で、室温で、反応が終了するまで縮合する。次に第1の保護基、Gは、選択される基に適切な手段により脱離する。例えば、t−ブチルは、トリフルオロ酢酸(TFA)での加水分解により脱離することができる。工程(II.b)では、モノ−脱保護中間体を、カルボン酸(Ar−COOH)又は均等物と塩基性触媒作用下で縮合することにより、生成物を形成する。次にこの生成物は、例えば、抽出、結晶化、分取HPLCなどにより精製することができる。残りの保護基のカルボベンジルオキシ基は、水素及びパラジウム担持炭素により脱離する。工程(II.c)では、脱保護中間体を、酸塩化物、スルホニルクロリド、塩化カルバモイル、イソシアナート、クロロホルマート又は他の誘導体化剤と反応させることにより、生成物を形成する。次にこの生成物は、例えば、抽出、結晶化、分取HPLCなどにより精製することができる。
【0099】
【化7】

【0100】
本発明の代表化合物は、後述の実施例に示される。
【0101】
統合ロボットシステムと共に、当該分野では特有のスクリーニング方法が知られており、そしてアンタゴニスト又はアゴニスト活性について多数の試験化合物を短時間に試験できるように、化合物/天然物の集合体が、幅広くハイスループット・スクリーニングに組み込まれる。これらの方法は、蛍光共鳴エネルギー移動、蛍光偏光、時間分解蛍光共鳴エネルギー移動、シンチレーション近接アッセイ、レポーター遺伝子アッセイ、蛍光消光酵素基質、発色性酵素基質及び電子化学発光のような均一系アッセイ形式、並びに固相酵素免疫測定法(ELISA)又は放射免疫測定法のような、より伝統的な不均一系アッセイ形式を含む。均一系アッセイが好ましい。また本明細書に包含されるのは、細胞に基づくアッセイ、例えば、レポーター遺伝子を利用するもの、更には生物学的機能に及ぼすアンタゴニスト又はアゴニストの効果、即ち、P2X3受容体及びP2X3受容体を含む生体系に及ぼす本発明の化合物の活性を分析する、機能アッセイである。
【0102】
有効量の本発明の化合物を、生理学的に許容しうる希釈剤、担体、又は賦形剤のような他の成分と組合せて含む組成物が本明細書において提供される。本化合物は、薬学的に有用な組成物を調製するために使用される既知の方法により処方することができる。これらは、唯一の活性物質として、又は所定の適応症に適した他の既知の活性物質と共に、薬学的に許容しうる希釈剤(例えば、食塩水、トリス−HCl、酢酸、及びリン酸緩衝液)、保存料(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン類)、乳化剤、可溶化剤、補助剤及び/又は担体と合わせて混合物とすることができる。医薬組成物に適した処方は、"Remington's Pharmaceutical Sciences", 第16版, 1980, Mack Publishing Company, イーストン、ペンシルバニア州に記述されているものを含む。
【0103】
更に、このような組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)、金属イオンと複合体形成するか、あるいはポリ酢酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル、デキストランなどのような高分子化合物中に組み込むか、あるいはリポソーム、マイクロエマルション、ミセル、単層若しくは多層小胞、赤血球ゴースト又はスフェロブラスト(spheroblast)中に組み込むことができる。このような組成物は、物理状態、溶解度、安定性、インビボの放出速度、及びインビボのクリアランス速度に影響を及ぼすため、所期の適用に応じて選択される。
【0104】
本発明の組成物は、任意の適切なやり方で、例えば、局所的に、非経口的に、又は吸入により投与することができる。「非経口」という用語は、例えば、皮下、静脈内、又は筋肉内経路による注射を含み、また、例えば、疾患又は損傷の部位での局所的投与も含む。当業者であれば、他のタイプの局所的投与(例えば、疾患又は損傷の部位の近く又は近接した部位での、関節内、関節包内、手根内、腔内、脳室内、滑液包内、髄腔内、靱帯内、髄膜内、眼内、硬膜外、経上皮、及び/又はこれらの経路の1つ以上による投与)が、本発明の組成物を投与する際の使用に適していることを認める。インプラントからの持続放出もまた予期される。
【0105】
当業者であれば、適切な用量は、治療すべき障害の性質、患者の体重、年齢、及び全身状態、並びに投与の経路のような因子に依存して変化することを認識するだろう。予備的用量は、動物試験により決定することができ、そしてヒトの投与のための用量のスケール変換は、当該分野で容認されている慣行により実施される。
【0106】
本発明の化合物は、排尿開口部閉塞を伴う尿路の病状;並びに膀胱の最大容量の低下、尿意頻数、急迫性尿失禁、ストレス尿失禁、膀胱過敏症、良性前立腺肥大(BPH)、前立腺炎、排尿筋過反射、頻尿、夜間頻尿、尿意逼迫、過活動膀胱、骨盤過敏症、尿道炎、骨盤痛症候群、前立腺痛、膀胱炎、及び特発性膀胱過敏症のような尿失禁症状;並びに過活動膀胱に関連する他の症候を含む、広範な尿生殖器の疾患、症状及び障害を治療するのに有用である。本発明の化合物はまた、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、D−優性IBSにおける下痢の低下などを含む、胃腸障害を治療するのに有用である。更に、本発明の化合物は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、気管支攣縮などを含む、呼吸器障害を治療するのに有用である。
【0107】
本発明の化合物は、特に限定されないが、炎症性疼痛、外科的疼痛、内臓痛、歯痛、月経前痛、中枢性疼痛、火傷による疼痛、片頭痛又は群発頭痛、神経損傷、神経炎、神経痛、中毒、虚血性傷害、間質性膀胱炎、癌性疼痛、ウイルス、寄生虫又は細菌感染症、外傷後損傷(骨折及びスポーツ損傷を含む)、及び過敏性腸症候群のような機能性腸障害に伴う疼痛を含む、多種多様な原因からの疼痛を伴う疾患及び症状の治療における鎮痛剤として有用である。
【0108】
実施例
以下の調製法及び実施例は、当業者が本発明をより明白に理解及び実施することができるように与えられる。これらは、本発明の範囲を限定するものと考えるべきでなく、単に本発明を例示及び代表するものと考えるべきである。
【0109】
実施例1: 2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸{2−[4−(6−アミノピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−1−メチル−エチル}アミドの調製
(A) m−キシレン(10ml)中の6−クロロ−2−ピリジニルアミン(406mg、3.16mmol)及びピペラジン(381mg、4.42mmol)の溶液に、ナトリウムtert−ブトキシド(425mg、4.42mmol)及び二塩化ビス−(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)(124mg、0.158mmol)を加えた。この混合物をN2下で24時間加熱還流した。反応物を冷却して、テトラヒドロフラン(THF、10ml)を加え、そしてこの混合物をセライトパッドで濾過した。濾液から溶媒を留去して、フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH/NH4OH)を介して精製することにより、2−アミノ−6−(ピペラジン−1−イル)ピリジン(中間体「Ia」)30mgを黄褐色の固体として得た(収率5%)。H−NMR(CD3OD):2.95(m,4H)、3.47(m,4H)、5.93(m,1H)、6.01(m,1H)、7.24(m,1H)。M+=179。
【0110】
(B) ジクロロエタン(DCE、10mL)中の中間体(Ia)(30mg、0.169mmol)の溶液に、(1−メチル−2−オキソ−エチル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(29mg、0.169mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OAc)3、71mg、0.339mmol)を加えた。この反応混合物をRTで60時間撹拌した。溶媒を留去して、残渣をCH2Cl2とNaHCO3の飽和溶液とに分液し、有機層を分離して、NaHCO3の飽和溶液で2回洗浄することにより、{2−[4−(6−アミノピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−1−メチル−エチル}−カルバミン酸t−ブチルエステル(中間体(Ib))を得た。この粗混合物を、更に精製することなく、脱保護反応に使用した。M+=336。
【0111】
(C) 上のパート(B)からの粗混合物をCH2Cl2(1.5ml)に溶解して、TFA(0.5ml)を0℃で加えた。この混合物を0℃で5分間、次にRTで4時間撹拌することにより、脱保護生成物の6−[4−(2−アミノプロピル)−ピペラジン−1−イル]−ピリジン−2−イルアミン(中間体(Ic))を得た。溶媒を留去して、更に精製することなく粗混合物を使用した。M+=236。
【0112】
(D) 3−オキソ−ヘキサン酸エチルエステル(29.7g、188mmol)をEt2O(400ml)に溶解した。この溶液を0℃に冷却して、塩化スルフリル(22.6ml、282mmol)を滴下により加えた。この溶液は、4時間で徐々にRTまで温まった。この溶液を、飽和NaHCO3水溶液でpH7まで中和した。有機層を分離し、食塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去することにより、2−クロロ−3−オキソ−ヘキサン酸エチルエステル(中間体(Id)、36g、100%)を得た。1H−NMR(CDCl3、ppm):0.95d(3H);1.35d(3H);1.58m(2H);2.7t(2H);4.28d(2H);4.78s(1H)。
【0113】
(E) 中間体(Id)(36g、188mmol)を4−フルオロベンズアミド(26.2g、188mmol)と合わせて、この反応混合物を4時間150℃に加熱した。残渣を勾配溶出(ヘキサン中の0%〜2% EtOAc)でシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製することによって、2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸エチルエステル(中間体(Ie)、3.18g、6.1%)を得た。1H−NMR(CDCl3、ppm):1.0t(3H);1.42t(3H);1.77m(2H);2.88t(2H);4.4q(2H);7.17t(2H);8.14t(2H)。
【0114】
(F) 中間体(Ie)(3.18g、11.5mmol)をTHF(80ml)及び水(8ml)に溶解して、15% NaOH水溶液(15ml)を加えた。この反応混合物を3時間70℃に加熱し、次にRTまで冷却した。有機溶媒を減圧下での蒸発により除去して、残渣を水(100ml)にとった。HCl(6N)を加えることにより溶液のpHを1に調整した。生じた固体を濾過して、減圧下で乾燥することにより、2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸(中間体(If)、3g、100%)を得た。。1H−NMR(CDCl3、ppm):1.05t(3H);1.70六重項(2H);2.93t(2H);7.17t(2H);8.17t(2H)。
【0115】
(G) CH2Cl2(3ml)中のポリマー支持ジシクロヘキシルカルボジイミド(250mg、0.338mmol)の懸濁液に、2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸(46mg、0.186mmol)、中間体「If」、及びヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、34mg、0.253mmol)を加えた。この混合物をRTで2時間撹拌し、次にCH2Cl2中の粗中間体(Ic)溶液(2ml)及びジイソプロピルエチルアミン(0.147ml、0.845mmol)を加えた。この混合物をRTで20時間撹拌した。樹脂を濾別して、ジクロロメタンで洗浄した。濾液をNaHCO3の飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。生成物の2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸{2−[4−(6−アミノピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−1−メチル−エチル}アミド(化合物1)を分取HPLCを介して精製した。M+=467。
【0116】
(H) 同様に、(中間体「Ia」)の代わりに1−ピリジン−2−イル−ピペラジンを使用して、実施例1(B〜G)に記述される手順により、2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物24)を調製した。
【0117】
実施例2: 2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸{2−[4−(4−アミノピリミジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−1−メチル−エチル}アミドの調製
(A) エタノール(EtOH、25ml)中の2,4−ジクロロピリミジン(7.5g、50mmol)の溶液に、水酸化アンモニウム(25ml、30%)を加えた。この反応混合物をRTで18時間撹拌した。生成した白色の沈殿物を濾過して、エタノールで洗浄して、真空下で乾燥することにより、2−クロロ−ピリミジン−4−イルアミン(IIa)と4−クロロ−ピリミジン−2−イルアミンとの混合物(4.13g、収率64%)を得た(Caravattiら, Bioorg Med Chem Lett (1999) 9:1973-78を参照のこと)。M+=130。
【0118】
(B) 無水EtOH(80ml)中のピリミジン類の混合物(4.13g、32mmol)の溶液に、ピペラジン1−カルボン酸ベンジルエステル(7.05g、32mmol)及びNaHCO3(8.07g、94mmol)を加えた。この反応液を20時間加熱還流した。次にこの混合物を冷却して、未反応物質の白色の沈殿物を濾別した。濾液から溶媒を留去して、残渣をEtOAcと水とに分液し、有機層を分離して、水相をEtOAcで2回抽出した。有機層を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。この粗混合物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH)を介して精製することにより、4−(4−アミノピリミジン−2−イル)−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(中間体(IIb))2.4g(収率23%)及びもう一方の位置異性体3.4g(収率34%)を得た。H−NMR(CDCl3):3.55(m,4H)、3.76(m,4H)、4.56(bs,2H)、5.17(s,2H)、5.78(d,J=5.61Hz)、7.32−7.38(m,5H)、7.93(d,J=5.61Hz)。
【0119】
(C) MeOH(80ml)中の(IIb)(2.4g、7.67mmol)の溶液にRTで、10%パラジウム担持炭素(600mg)を加えた。この反応混合物をH2(約2気圧)下で60時間撹拌した。触媒をセライトパッドで濾過して、濾滓をメタノールで洗浄した。濾液から溶媒を留去することにより、2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン−4−イルアミン(中間体(IIc))(1.37g、定量的収率)を白色の固体として得た。H−NMR(CD3OD):2.82(m,4H)、3.65(m,5H)、5.82(d,1H,J=5.85)、7.72(d,1H,J=5.85)。
【0120】
(D) DCE(60mL)中の(IIc)(985mg、5.5mmol)の溶液に、(1−メチル−2−オキソ−エチル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(951mg、5.5mmol)及びNaBH(OAc)3(2.33g、11mmol)を加えた。この反応混合物をRTで60時間撹拌した。溶媒を留去して、残渣をCH2Cl2とNaHCO3の飽和溶液とに分液し、有機層を分離して、NaHCO3の飽和溶液で2回洗浄した。この粗混合物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH)を介して精製することにより、{2−[4−(4−アミノピリミジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−1−メチル−エチル}−カルバミン酸t−ブチルエステル(中間体(IId)、880mg、収率48%)を無色の油状物として得た。H−NMR(CDCl3):1.27(d,3H,J=11.8Hz)、1.45(s,9H)、2.13−2.57(m,7H)、3.71(m,5H)、4.83(bm,3H)、5.74(d,1H,J=5.64)、7.90(d,2H,J=5.64)。
【0121】
(E) 中間体(IId)を、上の実施例1(C)に記述される手順により脱保護することによって、2−[4−(2−アミノプロピル)−ピペラジン−1−イル]−ピリミジン−4−イルアミン(中間体(IIe))を定量的収率で白色の泡状固体として得た。M+=237。
【0122】
(F) 中間体(IIe)を、上の実施例1(G)に記載されるように、2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピルオキサゾール−5−カルボン酸と縮合することによって、化合物2を白色の固体として収率62%で得た。H−NMR(CDCl3):1.01(t,3H,J=7.41Hz)、1.34(d,3H,J=6.39Hz)、1.77(m,2H)、2.37−2.68(m,6H)、2.95(m,2H)、3.75(m,4H)、4.20(m,1H)、4.71(bs,2H)、5.75(d,1H,J=5.64Hz)、6.80(bd,1H,J=6.06Hz)、7.12(m,2H)、7.90(d,1H,J=5.61Hz)、8.05(m,2H)。
融点=77.1−88.0℃。M+=468。
【0123】
実施例3: 2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−チアゾール−2−イルピペラジン−1−イル)−エチル]アミドの調製
(A) ピペラジン(3.44g、40mmol)を、アセトニトリル(90ml)中の2−ブロモチアゾール(1.8ml、20mmol)の溶液に加えた。この混合物を20時間加熱還流した。この反応液をRTに冷却して、沈殿物(二置換ピペラジン)を濾別した。濾液から溶媒を留去し、残渣を水と酢酸エチルとに分液し、有機相を分離して、水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をHCl(1M)で抽出した。有機相を廃棄して、NaHCO3(固体)の添加により水層をpH8まで中和し、次にEtOAcで抽出した。抽出した有機液を硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を留去することにより、1−チアゾール−2−イルピペラジン(中間体(IIIa)、860mg、収率25%)を無色の油状物として得た。H−NMR(CDCl3):2.98(m,4H)、3.48(m,4H)、6.56(d,1H,J=3.63Hz)、7.20(d,1H,J=3.63Hz)。
【0124】
(B) 中間体(IIa)の代わりに中間体(IIIa)を使用することを除いて、実施例2(B〜C)に記述されるように進行して、[1−メチル−2−(4−チアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(中間体(IIIb))を泡状の固体として収率92%で得た。
【0125】
(C) 中間体(IIIb)を、実施例1(C)に記述される手順により脱保護することによって、1−メチル−2−(4−チアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチルアミン(中間体(IIIc))を定量的収率で無色の油状物として得た。M+=227。
【0126】
(D) 中間体(IIIc)を代わりに使用することを除いて、上の実施例1(G)に記述される手順により、2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−チアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物3)を白色の固体として収率75%で得た。M+=458。
【0127】
実施例4: 2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−チオアセチルピペラジン−1−イル)−エチル]アミドの調製
(A) 1−[4−(2−アミノ−プロピル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン(149mg、0.4mmol)及びトリエチルアミン(TEA、118μl、0.8mmol)の溶液に、ローソン試薬(162mg、0.4mmol)をRTで加えた。この反応混合物を3時間加熱還流することにより、1−[4−(2−アミノ−プロピル)−ピペラジン−1−イル]−エタンチオン(中間体(IVa))を得た。溶媒を留去して、残渣をエチルエーテルとHCl(1N)とに分液し、有機層を廃棄して、K2CO3の飽和溶液の添加により水層を塩基性にした。この水溶液を酢酸エチルで4回抽出した。有機層を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。この粗混合物を次のカップリング反応に使用した。M+=202。
【0128】
(B) 中間体(Ic)の代わりに(IVa)を使用することを除いて、上の実施例1(G)に記述される手順により、化合物2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−チオアセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物4)を得て、分取HPLCを介して精製することにより、TFA塩として化合物(4)15mgを黄色の粘性油として得た。M+=433。
【0129】
実施例6: 2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸{(R)−2−[4−(フラン−2−イルカルボニル)−ピペラジン−1−イル]−1−メチル−エチル}−アミドの調製
(A) CH2Cl2 10mL中の(R)−(2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.0g、11.4mmol)を、CH2Cl2 20mL中の塩化オキサリル(1.1mL、12.6mmol)及びDMSO(1.62mL、22.8mmol)の撹拌溶液に−60℃で滴下により加えた。この反応混合物を5分間撹拌し、次にTEA(5.6ml、57.1mmol)をゆっくり加えた。生じた反応混合物を1時間でRTまで温めた。有機液を水で洗浄して、水性画分をCH2Cl2で逆抽出した。有機液を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去することにより、(1−メチル−2−オキソ−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(中間体(VIa))2.0g(99%)を得た(1H−NMR(CDCl3、ppm)1.34d(3H);1.45s(9H);3.10q(1H);9.45(1H))。
【0130】
(B) ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル1.9g(8.7mmol)を1,2−ジクロロエタン20mlに溶解した。トリエチルアミン3.4ml(34.6mmol)をこの溶液に加え、続いて中間体(VIa)1.5g(8.7mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム3.7g(17.3mmol)を加えた。この反応混合物を18時間撹拌した。この溶液をCH2Cl2(100ml)で希釈した。この有機液を重炭酸ナトリウム飽和水溶液で3回洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した。残渣を勾配溶出(ヘキサン中の20%〜30%酢酸エチル)でシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製することによって、(R)−4−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(中間体(VIb))2.55g(78%)を得た(M+=378)。
【0131】
(C) 中間体(VIb)1.51g(4.0mmol)をCH2Cl2中の25%トリフルオロ酢酸50mlに溶解した。この反応混合物を4時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去することにより、(R)−4−(2−アミノプロピル)−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル・トリフルオロ酢酸塩(中間体(VIc))1.6g(99%)を得た(M+=278)。
【0132】
(D) 中間体(VIc)1.6g(4.0mmol)を2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸997mg(4.0mmol)、1−(3−ジメチル−アミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩805mg(4.2mmol)、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール水和物540mg(4.0mmol)及び重炭酸ナトリウム336mg(16.0mmol)と、ジメチルホルムアミド50ml中で合わせた。この反応混合物を18時間撹拌し、次いで濾過した。減圧下で溶媒を留去して、残渣をCH2Cl2(100ml)に溶解した。有機液を2%塩酸で洗浄し、続いて重炭酸ナトリウム飽和溶液及び食塩水で洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して、残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中5%メタノール)により精製することによって、(R)−4−(2−{[2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(中間体(VId))843mg(41%)を得た(M+=509)。
【0133】
(E) 中間体(VId)843mg(1.7mmol)をエタノール50mlに溶解した。パラジウム担持炭素(デグッサ(Degussa))3.4mg(0.17mmol)を加えた。この反応混合物を大気水素下で18時間撹拌した。この溶液をセライト(商標)により濾過し、次に減圧下で溶媒を留去することにより、(R)−2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸(1−メチル−2−ピペラジン−1−イル−エチル)−アミド(中間体(VI-e))595mg(94%)を得た(M+=375)。
【0134】
中間体(VI-e)134mg(0.28mmol)をジクロロメタン10mlに溶解した。ジイソプロピルエチルアミン1.0mlをこの反応混合物に加え、続いて塩化2−フロイル72mg(0.56mmol)を加えた。この反応混合物を18時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去した。残渣を勾配溶出(ジクロロメタン中2%〜5%メタノール)でシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製することによって、2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸(R)−{2−[4−(フラン−2−カルボニル)−ピペラジン−1−イル]−1−メチル−エチル}−アミド(化合物6)65.2mg(50%)を得た(M+=469)。
【0135】
実施例7: 2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[(R)−1−メチル−2−(4−ピリミジン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの代わりに4−ピペラジン−1−イル−ピリミジンを使用して、実施例6(A〜D)に記述される手順により、2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[(R)−1−メチル−2−(4−ピリミジン−4−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物7)を調製した。M+=453。
【0136】
実施例8: 2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[(R)−1−メチル−2−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの代わりに1−ピリジン−2−イル−ピペラジンを使用して、実施例6(A〜D)に記述される手順により、2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[(R)−1−メチル−2−(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物8)をTFA塩として調製した。M+=452。
【0137】
実施例9: 2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[(R)−1−メチル−2−(4−ピラジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの代わりに3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピラジニルを使用して、実施例6(A〜D)に記述される手順により、2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[(R)−1−メチル−2−(4−ピラジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物9)をTFA塩として調製した。M+=453。
【0138】
実施例10: 4−((R)−2−{[2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−ピペラジン−1−カルボン酸アミドの調製
中間体(VIe)(93.4mg、0.269mmol)を水中の17%酢酸0.15mlに溶解した。水(0.15ml)をこの溶液に加え、続いてシアン酸カリウム43.6mg(0.538mmol)を加えた。この反応混合物を18時間撹拌した。溶媒を留去した。逆相高圧液体クロマトグラフィーにより精製することによって、4−((R)−2−{[2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボニル]−アミノ}−プロピル)−ピペラジン−1−カルボン酸アミド(化合物10)をTFA塩として調製した。M+=418。
【0139】
実施例11: 2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[(R)−1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
塩化2−フロイルの代わりに塩化アセチルを使用することを除いて、実施例6に記述される手順により、化合物2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[(R)−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−1−メチル−エチル]−アミド(化合物11)をTFA塩として調製した。M+=417。
【0140】
実施例12: 2−(2−フルオロフェニル)−4−(2−メチルスルファニルエチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) アセトン(100ml)/H2O(100ml)中のD,L−メチオニン(10g、67.02mmol)及びNaOH(4.0g、100.53mmol)の清澄な溶液に、塩化2−フルオロベンゾイルを滴下によりそれぞれの添加の間に撹拌しながら加えた。必要な場合に2N NaOHを加えることにより、塩基性を維持した。添加の終了後、反応混合物は、6N HClでpH2まで酸性にして、EtOAc中に抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過して、濃縮することにより、2−(2−フルオロベンゾイルアミノ)−4−メチルスルファニル−酪酸(中間体(XIIa)、13.6g)を油状物として得た。
【0141】
(B) 無水THF(150ml)中の中間体(XIIa)(13g、47.97mmol)の溶液に、塩化オキサリル(28g、216.1mmol)を加え、RTで72時間撹拌した。溶媒及び過剰の塩化オキサリルを減圧下で除去した。反応残渣を氷浴中で冷却した。TEA(7.3g、71.96mmol)を注意深く加え、続いて無水MeOH(200ml)を加えた。RTで更に3時間撹拌を続け、次に減圧下で溶媒を除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中20% EtOAc)に付すことにより、2−(2−フルオロフェニル)−4−(2−メチルスルファニル−エチル)−オキサゾール−5−カルボン酸(中間体(XIIb)、11.59g)をクリーム状の固体として得た。
【0142】
(C) 2−ピペラジン−1−イル−ピリミジンの代わりに1−アセチルピペラジンを使用して、後述の(XIIIc-d)のための手順により、1−メチル−2−(アセチルピペラジン−1−イル)エチルアミン2HCl(中間体(XIIc)、1.52g)を調製した。M+=185。
【0143】
(D) 無水THF(10mL)中の中間体(XIIb)(0.2g、0.71mmol)の溶液に、HBTU(0.27g、0.71mmol)、中間体(XIIc)(0.27g、0.71mmol)及びDIEA(0.55mL、4.26mmol)を加えた。この反応混合物をRTで18時間撹拌し、次に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中3%メタノール)により精製することによって、2−(2−フルオロフェニル)−4−(2−メチルスルファニルエチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物12)を得た。M+=449。
【0144】
実施例13: 2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(2−メチルスルファニルエチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) 2−t−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸(25g、132mmol)をジメチルホルムアミド(300ml)に溶解した。N,O−ジメチルヒドロキシルアミンHCl(12.9g、132mmol)を加え、続いて1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドHCl(26.6g、139.0mmol)、HOBT(17.8g、132mmol)、及びNaHCO3(44.4g、528mmol)を加えた。この反応混合物を窒素下で48時間撹拌した。次にこの溶液を濾過して、減圧下で溶媒を留去した。残渣をCH2Cl2に溶解して、2% HCl水溶液、飽和NaHCO3水溶液、及び水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で溶媒を留去することにより、[1−(メトキシ−メチル−カルバモイル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(中間体(XIIIa)、12.84g、42%)を得た。M+=233。
【0145】
(B) 中間体(XIIIa)(12.84g、55.3mmol)を無水THF(400ml)に溶解した。この溶液を0℃に冷却して、LiAlH4(69.1ml、69.1mmol;THF中1.0M)を滴下により加えた。この反応混合物を0℃で30分間撹拌した。次に水(200ml)中のKHSO4(13.18g)を滴下により加えて、この溶液をジエチルエーテル(500ml)で希釈した。水層をジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を合わせて、HCl(3N)で3回、飽和重炭酸ナトリウム溶液で3回、及び食塩水で2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下で溶媒を留去することにより、(1−メチル−2−オキソ−エチル)−カルバミン酸t−ブチルエステル(中間体(XIIIb)、61.36g、69%)を得た。M+=174。
【0146】
(C) 2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン(4.4g、26.6mmol)をDCE(125ml)に溶解して、TEA(10.5ml、106mmol)を加えた。中間体(XIIIb)(4.6g、26.6mmol)をDCE(125ml)に溶解して、反応混合物に加え、続いてNaBH(OAc)3(11.3g、53mmol)を加えた。この反応混合物を18時間撹拌し、次にこの溶液をCH2Cl2で希釈して、この有機液を飽和NaHCO3水溶液(250ml)で洗浄した。水層をCH2Cl2で逆抽出した。合わせたCH2Cl2抽出液をNa2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒を留去して、残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中5% MeOH)により精製することによって、[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(中間体(XIIIc)、8.5g)を得た。M+=322。
【0147】
(D) 中間体(XIIIc)(8.5g、26mmol)をCH2Cl2(50mL)に溶解した。HCl(119ml、119mmol、Et2O中1.0M)を加えた。この反応混合物を18時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去することにより、1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)エチルアミン2HCl(中間体(XIIId)、9.34g(100%))を得た。M+=222。
【0148】
(E) 塩化2−フルオロベンゾイルの代わりに塩化2,4−ジフルオロベンゾイルを使用し、そして中間体(XIIId)を使用することを除いて、実施例12に記述される手順により、化合物2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(2−メチルスルファニルエチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物13)を調製した。
【0149】
実施例14: 2−(2−フルオロフェニル)−4−(2−メチルスルホニルエチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
MeOH/H2O(6ml/2ml)中の化合物12(0.16g、0.357mmol)の溶液に、オキソンを加えて、この混合物をRTで1時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮することにより、MeOHの大部分を除去した。残りの水溶液をCH2Cl2中に抽出して、NaOH及び水で洗浄し;K2CO3で乾燥し、濾過して濃縮した。PTLC(シリカ、5% MeOH/CH2Cl2)により、2−(2−フルオロフェニル)−4−(2−メチルスルホニルエチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物14、0.1g)を白色の固体として得た。M+H=481。
【0150】
実施例15: 2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(2−メチルスルホニルエチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
化合物12の代わりに化合物13を使用することを除いて、上の実施例14のように進行して、2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(2−メチルスルホニルエチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物15)を調製した。
【0151】
実施例16: 2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペリジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) 化合物1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)プロパン−2−オン(中間体(XVIa))を、Boschら, Tetrahedron (1982) 38:2883により調製した。MeOH(20ml)中の中間体(XVIa)(1.3g、5.63mmol)の溶液に、NH4OAc(5.1g、67.56mmol)を加えて、この混合物をRTで15分間撹拌し、続いてNaCNBH3(0.25g、3.94mmol)を加えた。撹拌を16時間続けて、減圧下で溶媒を除去した。残渣を6N HCl(20ml)に溶解して、エーテルで2回洗浄した。この酸性水溶液を6N NaOHでpH10まで塩基性にして、CH2Cl2中に抽出した。この有機抽出液をNa2SO4で乾燥し、濾過して濃縮することにより、1−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−2−アミノプロパン(中間体(XVIb)、1.27g)を油状物として得た。
【0152】
(B) 無水THF(20ml)中の(XVIb)(1.29g、5.75mmol)及び(BOC)2O(1.25g、5.75mmol)の溶液をRTで16時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去した。残渣をCH2Cl2と水とに分液した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過して濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、NH4OHを含むCH2Cl2中の8% MeOH)に付すことにより、1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−2−(ブトキシ−カルボニルアミノ)プロパン(中間体(XVIc)、1.64g)を白色の固体として得た。
【0153】
(C) EtOH(50ml)中の(XVIc)(1.6g、4.82mmol)及び10% Pd/C(0.4g)の混合物を、45psiで16時間水素化した。この反応混合物をセライトにより濾過して、濾液を濃縮することにより、1−(ピペリジン−4−イル)−2−(ブトキシカルボニルアミノ)プロパン(中間体(XVId)、1.049g)を油状物として得た。
【0154】
(D) 無水EtOH(8ml)中の(XVId)(0.4g、1.65mmol)の溶液に、TEA(0.24g、2.39mmol)、続いて2−クロロピリミジン(0.24g、2.05mmol)を加えた。この反応混合物を4時間加熱還流して、減圧下で溶媒を除去した。残渣をCH2Cl2に溶解して、H2Oで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ、NH4OHを含むCH2Cl2中の10% MeOH)に付すことにより、1−(1−ピリミジン−2−イルピペリジン−4−イル)−2−(ブトキシカルボニルアミノ)プロパン(中間体(XVIe)、0.26g)を黄色の結晶として得た。
【0155】
(E) CH2Cl2(5ml)中の(XVIe)(0.25g、0.78mmol)、TFA(0.5ml)の溶液をRTで16時間撹拌した。溶媒及び過剰のTFAを減圧下で除去した。残渣をCH2Cl2に再溶解して、エーテルで洗浄した。水層をNaOHでpH10まで塩基性にして、CH2Cl2中に抽出した。この有機溶液をK2CO3で乾燥し、濾過して濃縮することにより、1−(1−ピリミジン−2−イルピペリジン−4−イル)−2−アミノ−プロパン(中間体(XVIf)、0.163g)を油状物として得た。
【0156】
(F) 中間体(XVIf)及び(XIIId)を実施例12(D)の手順により縮合することによって、2−(4−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペリジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物16)を得た。M+H=452。
【0157】
実施例17: 2−(2−フルオロフェニル)−4−フェニル−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリド−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル−アミドの調製
(A) 6−クロロ−2−ピリジニルアミンの代わりに2−ピリジニルアミンを使用することを除いて、実施例1(A〜C)に記述されるように進行して、化合物1−メチル−2−[(4−ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]−エチルアミン(中間体(XVIIa))を調製した。
【0158】
(B) 2−フルオロ安息香酸(6g、42.8mmol)を無水THF 300mLに溶解して、生じた反応溶液を0℃に冷却した。この溶液に、水素化ナトリウム(60%油性分散液1.88g、47.1mmol)を加えた。この反応混合物がRTまで温まるのを1時間待った。蒸発によりTHFを除去して、次にエタノール250mL中の2−クロロ−3−オキソ−3−フェニル−プロピオン酸エチルエステル(9.7g、42.8mmol)を加えた。反応溶液を還流させながら24時間温めた。蒸発によりエタノールを除去して、生じた生成物を水に溶解して、トルエンで抽出した。このトルエンを2N Na2CO3水溶液、及び飽和NaCl水溶液で洗浄した。生じたトルエン層を濃縮して、クロマトグラフィー(ヘキサン中の5〜8%酢酸エチル勾配)により精製することによって、2−フルオロ−安息香酸1−エトキシカルボニル−2−オキソ−2−フェニル−エチルエステル(中間体(XVIIb)、5.3g、収率38%)を得た。
【0159】
(C) 中間体(XVIIb)(5.7g、17.4mmol)を酢酸80mLに溶解して、酢酸アンモニウム10.7g(14mmol)を加えた。この反応混合物を還流させながら1時間温めた。蒸発により溶媒を除去した。クロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中10%酢酸エチル溶離液)により精製することによって、2−(2−フルオロフェニル)−4−フェニル−オキサゾール−5−カルボン酸エチルエステル(中間体(XVIIc)、2.73g、収率27%)を得た。M+H=312。
【0160】
(D) 中間体(XVIIc)(1.44g、4.6mmol)をTHF 30mL及び水2mLに溶解した。この反応溶液に、2N NaOH(水溶液)14mLを加え、生じた反応混合物を還流させながら4時間温めた。蒸発により溶媒を除去することにより、白色の固体を得た。この固体をHCl水溶液(pH=1)で洗浄して、濾過により回収して、真空下で乾燥することによって、2−(2−フルオロフェニル)−4−フェニル−オキサゾール−5−カルボン酸(中間体(XVIId)、1.29g、収率98%)を得た。
【0161】
(E) 中間体(XVIIa)及び(XVIId)を実施例12(D)の手順により縮合することによって、化合物2−(2−フルオロフェニル)−4−フェニル−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリド−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物17)を得た。
【0162】
実施例18: 2−(2−フルオロフェニル)−4−(2−メチルスルファニルエチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
塩化2,4−ジフルオロベンゾイルの代わりに塩化2−フルオロベンゾイルを使用することを除いて、実施例13に記述されるように進行して、化合物2−(2−フルオロフェニル)−4−(2−メチルスルファニルエチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物18)を調製した。
【0163】
実施例19: 2−(2−フルオロフェニル)−4−(2−メチルスルホニルエチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
化合物12の代わりに化合物18を使用することを除いて、実施例14に記述されるように進行して、化合物2−(2−フルオロフェニル)−4−(2−メチルスルホニルエチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物19)を調製した。
【0164】
実施例20: 2,5−ジフェニルオキサゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) 無水CH2Cl2(5ml)中の2−アミノ−酢酸エチル(1.0g、7.16mmol)の懸濁液に、TEA(1.82g、17.96mmol)を加えた。この反応混合物を氷浴中で冷却して、CH2Cl2(2ml)中の塩化ベンゾイル(1.0g、7.17mmol)の溶液を滴下により加えた。添加の終了後、RTで更に2時間撹拌を続けた。この反応混合物を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過して、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中30% EtOAc)により、ベンゾイルアミノ酢酸エチルエステル(中間体(XXa)、1.24g)を白色の固体として得た。
【0165】
(B) 無水THF(10ml)中の中間体(XXa)(0.62g、2.99mmol)の溶液に、ローソン試薬(0.85g、2.09mmol)を加えた。この反応混合物を1時間加熱還流して、減圧下で溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中25% EtOAc)により、チオベンゾイルアミノ酢酸エチルエステル(中間体(XXb)、0.48g)を黄色の固体として得た。
【0166】
(C) CH2Cl2(3ml)中の中間体(XXb)(0.24g、1.09mmol)の溶液に−78℃で、BF3エーテル錯体(0.18g、1.2mmol)を加えた。この反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次に水(1ml)でクエンチした。有機層を飽和NaHCO3溶液、水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して、濃縮することにより、(メチルスルファニル−フェニル−メチレンイミノ)酢酸エチルエステル(中間体(XXc)、0.24g)を黄色の油状物として得た。
【0167】
(D) CH2Cl2(1.5ml)中の中間体(XXc)(0.23g、0.97mmol)の溶液に、塩化ベンゾイル(0.82g、5.81mmol)及びTEA(0.59g、5.81mmol)をこの順序で加えた。この反応混合物をRTで16時間撹拌した。飽和NaHCO3溶液(2ml)を加えて、更に1時間撹拌を続けた。有機層を分離し、H2Oで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過して濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中10% EtOAc)により、2,5−ジフェニルオキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル(中間体(XXd)、0.254g)を淡黄色の固体として得た。
【0168】
(E) THF(6mL)中の中間体(XXd)(0.254g、0.87mmol)の溶液に、H2O(3ml)中のNaOH(0.34g、8.66mmol)の溶液を加えた。この反応混合物を70℃で3時間加熱した。THFの大部分を減圧下で除去して、3N HClを使用して、残渣をpH2まで酸性にした。沈殿析出した固体を回収して、乾燥することにより、2,5−ジフェニルオキサゾール−4−カルボン酸(中間体(XXe)、0.151g)を白色の固体として得た。
【0169】
(F) 中間体(XXIe)の代わりに(XXe)を使用することを除いて、実施例21(F)に記述される手順により、化合物2,5−ジフェニルオキサゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物20)を調製した。M+H=469。
【0170】
(G) 同様に、(XXe)の代わりに2−(2−フルオロフェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸を使用することを除いて、実施例20(F)に記述される手順により、化合物2−(2−フルオロ−フェニル)−4−プロピル−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)エチル]−アミン(化合物23)を調製した。
【0171】
実施例21: 2−(2−フルオロフェニル)−4−(4−モルホリニルメチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) アセトン(90ml)及び1N NaOH(90ml)中のL−アラニン(5g、56.1mmol)の均一な溶液に、塩化2−フルオロベンゾイル(8.9g、56.1mmol)を滴下により加えた。反応液の塩基性は、1N NaOHを定期的に加えることにより維持した。塩化2−フルオロベンゾイルの添加が終了後、1N HClを使用して、この反応混合物をpH2まで酸性にした。沈殿析出した油状物をEtOAc中に抽出し、これをMgSO4で乾燥し、濾過して、濃縮することにより、2−(2−フルオロベンゾイルアミノ)プロピオン酸(中間体(XXIa)、3.92g)を得た。静置により、この酸性水溶液から更に多くの中間体(XXIa)(2.3g)の結晶が沈殿したため、これを回収した。
【0172】
(B) 無水THF(50ml)中の中間体(XXIa)(2.3g、10.9mmol)及び二塩化オキサリル(13.8g、108.9mmol)の溶液を、RTで16時間撹拌して濃縮した。残渣をトルエンにとって、再び濃縮した。この過程を反復することにより、過剰の二塩化オキサリルの完全な除去を確実にした。この冷残渣(氷浴中)に、TEA(1.66g、16.3mmol)及び無水MeOH(70ml)を加えた。この反応混合物をRTで一晩撹拌して濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中10% EtOAc)により、2−(2−フルオロフェニル)−4−メチルオキサゾール−5−カルボン酸メチルエステル(中間体(XXIb)、1.34g)を白色の固体として得た。
【0173】
(C) CCl4(25ml)中の中間体(XXIb)(489mg、2.08mmol)及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、68mg、0.42mmol)の溶液を加熱還流して、N−ブロモスクシンイミド(NBS、370mg、2.08mmol)を何回かに分けて加えた。この反応混合物を一晩加熱還流して、H2Oで洗浄した。この有機溶液をMgSO4で乾燥し、濾過して、濃縮することにより、2−(2−フルオロフェニル)−4−ブロモメチル−オキサゾール−5−カルボン酸メチルエステル(中間体(XXIc)、705mg)と中間体(XXIb)との7:3の比の混合物を得た。
【0174】
(D) CH2Cl2(氷浴中で冷却)中のモルホリン(40mg、0.45mmol)の溶液に、中間体(XXIc)(140mg、0.45mmol)及びTEA(51mg、0.49mmol)の溶液を加えた。この反応混合物をRTで一晩撹拌して、フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中14% MeOH)に付すことにより、2−(2−フルオロフェニル)−4−モルホリノメチル−オキサゾール−5−カルボン酸メチルエステル(中間体(XXId)、60mg)を淡黄色のガラス状物として得た。
【0175】
(E) H2O(0.7ml)中のNaOH(75mg、1.87mmol)の溶液に、THF(1.5ml)中の中間体(XXId)(60mg、0.19mmol)の溶液を加えた。この反応混合物を70℃で3時間加熱して濃縮した。この溶液を、3N HClでpH1に調整して濃縮することにより、粗2−(2−フルオロフェニル)−4−モルホリノメチル−オキサゾール−5−カルボン酸(中間体(XXIe))をHCl塩として得た。
【0176】
(F) 無水THF(2.5ml)中の粗中間体(XXIe)及び中間体(XIIId)(50mg、0.17mmol)、ジイソプロピル−エチルアミン(DIEA、267mg、2.04mmol)並びにヘキサフルオロリン酸2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HBTU、64mg、0.17mmol)の溶液をRTで16時間撹拌した。この反応混合物をEtOAcとH2Oとに分液した。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過して濃縮した。PTLC(CH2Cl2中6% MeOH)により、2−(2−フルオロフェニル)−4−(4−モルホリニルメチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物21、25mg)を白色の固体として得た。M+H=510。
【0177】
(G) 同様に、モルホリンの代わりに1−メチルピペラジンを使用することを除いて、上述されるように進行して、化合物2−(2−フルオロフェニル)−4−(1−メチル−ピペラジン−4−イルメチル)−オキサゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物22)を調製した。
【0178】
実施例22: 2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) CH2Cl2(1.5ml)中のポリマー支持ジシクロヘキシルカルボジイミド(128mg、0.1mmol)の懸濁液に、[4−(4−クロロフェニル)−2−フェニル−チアゾール−5−イル]−酢酸(0.06mmol)及びヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT、0.085mmol)を加えた。この混合物をRTで1時間撹拌した。DMF(0.1ml)中の1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)エチルアミン(0.05mmol)溶液を加えた。この混合物をRTで18時間撹拌した。樹脂を濾別して、ジクロロメタンで3回洗浄した。生成物の2−[4−(4−クロロフェニル)−2−フェニル−チアゾール−5−イル]−N−[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アセトアミド(化合物25)を分取HPLCを介して精製した。M+=533。
【0179】
(B) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに3−(4,5−ジフェニル−オキサゾール−2−イル)プロピオン酸を使用することを除いて、上のパート(A)に記述されるように進行して、化合物4,5−ジフェニルオキサゾール−2−イルプロピオン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミン又は3−(4,5−ジフェニル−オキサゾール−2−イル)−N−[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−プロピオンアミド(オートノム(AUTONOM)による)(化合物26)を調製した。M+H=497。
【0180】
(C) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに2−メチル−4−フェニルオキサゾール−5−イル酢酸を使用することを除いて、上のパート(A)に記述されるように進行して、化合物2−メチル−4−フェニル−オキサゾール−5−酢酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミン又は2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−N−[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アセトアミド(オートノムによる)(化合物27)を調製した。M+H=421。
【0181】
(D) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに2,4−ジフェニル−チアゾール−5−酢酸を使用することを除いて、上のパート(A)に記述されるように進行して、化合物2,4−ジフェニル−チアゾール−5−酢酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミン又は2−(2,4−ジフェニル−チアゾール−5−イル)−N−[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アセトアミド(オートノムによる)(化合物28)を調製した。M+H=499。
【0182】
(E) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに2−(4−クロロ−フェニル)−4−フェニル−オキサゾール−5−イル酢酸を使用することを除いて、上のパート(A)に記述されるように進行して、化合物2−(4−クロロフェニル)−4−フェニル−オキサゾール−5−酢酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)エチル]−アミン又は2−[2−(4−クロロ−フェニル)−4−フェニル−チアゾール−5−イル)−N−[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アセトアミド(オートノムによる)(化合物29)を調製した。M+H=533。
【0183】
(F) 2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに2−フェニル−4−トリフルオロメチル−チアゾール−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(A)に記述されるように進行して、化合物2−フェニル−4−トリフルオロメチル−チアゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物30)を調製した。M+H=477。
【0184】
(G) 2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに4−メチル−2−ピリジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸を使用し、そして1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)エチルアミンの代わりに中間体(XIIId)及びDIEA(0.03mL)を使用することを除いて、上のパート(A)に記述されるように進行して、化合物2−(ピリド−2−イル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物31)を調製した。M+H=424。
【0185】
(H) 4−メチル−2−ピリジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに4−メチル−2−p−トリル−チアゾール−5−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(G)に記述されるように進行して、化合物2−(4−メチルフェニル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物32)を調製した。M+H=437。
【0186】
(I) 4−メチル−2−ピリジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに2−(チオフェン−2−イル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(G)に記述されるように進行して、化合物2−(チオフェン−2−イル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物33)を調製した。M+H=429。
【0187】
(J) 2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに5−メチル−1,3−ジフェニル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(A)に記述されるように進行して、化合物5−メチル−1,3−ジフェニル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物35)を調製した。M+H=482。
【0188】
実施例23: 2,4−ジフェニル−チアゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) 無水CH2Cl2(3ml)中の塩化スルフリル(0.78g、5.78mmol)の溶液に、無水CH2Cl2(10ml)中の3−オキソ−3−フェニルプロピオン酸(1.09g、5.67mmol)の溶液を−5℃でゆっくり加え、この混合物をRTで2時間撹拌し、CH2Cl2と水とに分液し、そして有機相を食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤からデカント後、有機溶液を減圧下で濃縮することにより、2−クロロ−3−オキソ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(中間体(XXIIIa)、1.255g)を黄色の油状物として得た(97%)。
【0189】
(B) 無水EtOH(10ml)中の中間体(XXIIa)(1.24g、5.47mmol)及びチオベンズアミド(0.90g、6.56mmol)の溶液を2.5時間加熱還流して、EtOHの大部分を蒸発させた。残渣をEtOAcと水とに分液して、有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントして、有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中10% EtOAc)により精製することによって、2,4−ジフェニル−チアゾール−5−カルボン酸エチルエステル(中間体(XXIIb)、1.16g)を白色の固体として得た(68%)。M+H=310。
【0190】
(C) 中間体(XXIe)の代わりに(XXIIIb)を使用することを除いて、実施例20(E〜F)に記述される手順により、化合物2,4−ジフェニル−チアゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物34)を調製した。
【0191】
実施例24: 5−プロピル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−フェニル−5−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物5−プロピル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物36)を調製した。M+H=434。
【0192】
(B) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(3,5−ジクロロフェニル)−5−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物5−プロピル−1−(3,5−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物37)を調製した。M+H=502。
【0193】
(C) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(4−フルオロフェニル)−5−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物5−プロピル−1−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物38)を調製した。M+H=424。
【0194】
(D) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに5−t−ブチル−2−(4−フルオロベンジル)−2H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物5−t−ブチル−2−(4−フルオロベンジル)−2H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物39)を調製した。M+H=480。
【0195】
(E) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−フェニル−5−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1−フェニル−5−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物40)を調製した。M+H=502。
【0196】
(F) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(4−フルオロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1−(4−フルオロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物41)を調製した。M+H=520。
【0197】
(G) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(4−フルオロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1−(4−フルオロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物42)を調製した。M+H=486。
【0198】
(H) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(4−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1−(4−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物43)を調製した。M+H=482。
【0199】
(I) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−フェニル−5−(2−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1−フェニル−5−(2−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物44)を調製した。M+H=502。
【0200】
(J) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(4−スルファモイルフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1−(4−スルファモイルフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物45)を調製した。M+H=581。
【0201】
(K) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(4−クロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1−(4−クロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物46)を調製した。M+H=502。
【0202】
(L) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物47)を調製した。M+H=468。
【0203】
(M) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1,5−ビス(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1,5−ビス(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物48)を調製した。M+H=536。
【0204】
(N) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(2−クロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1−(2−クロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物49)を調製した。M+H=502。
【0205】
(O) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(4−クロロフェニル)−5−プロピル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1−(4−クロロフェニル)−5−プロピル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物50)を調製した。M+H=468。
【0206】
(P) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1,3−ジフェニル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1,3−ジフェニル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物51)を調製した。M+H=468。
【0207】
(Q) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに2,5−ジフェニル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物2,5−ジフェニル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物52)を調製した。M+H=468。
【0208】
(R) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物53)を調製した。M+H=468。
【0209】
(S) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(4−メチルフェニル)−5−(2−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1−(4−メチルフェニル)−5−(2−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物54)を調製した。M+H=516。
【0210】
(T) 同様に、4−メチル−2−ピリジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−フェニル−3−(ビフェン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(G)に記述されるように進行して、化合物1−フェニル−3−(ビフェン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物55)を調製した。M+H=544。
【0211】
(U) 同様に、4−メチル−2−ピリジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに2−フェニル−5−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(G)に記述されるように進行して、化合物2−フェニル−5−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物56)を調製した。M+H=434。
【0212】
(V) 同様に、4−メチル−2−ピリジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(G)に記述されるように進行して、化合物1−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物57)を調製した。M+H=537。
【0213】
(W) 同様に、4−メチル−2−ピリジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(4−メトキシフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(G)に記述されるように進行して、化合物1−(4−メトキシフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物58)を調製した。M+H=498。
【0214】
(X) 同様に、4−メチル−2−ピリジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−フェニル−3−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(G)に記述されるように進行して、化合物1−フェニル−3−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物59)を調製した。M+H=502。
【0215】
(Y) 同様に、4−メチル−2−ピリジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−フェニル−3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(G)に記述されるように進行して、化合物1−フェニル−3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物60)を調製した。M+H=486。
【0216】
(Z) 同様に、4−メチル−2−ピリジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1,5−ビス(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用し、そして中間体(Vd)の代わりに1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)エチルアミンを使用することを除いて、上の実施例22(G)に記述されるように進行して、化合物1,5−ビス(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物61)を調製した。M+H=500。
【0217】
(AA) 同様に、4−メチル−2−ピリジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(2−クロロフェニル)−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用し、そして中間体(Vd)の代わりに1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)エチルアミンを使用することを除いて、上の実施例22(G)に記述されるように進行して、化合物1−(2−クロロフェニル)−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物62)を調製した。M+H=480。
【0218】
(BB) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1,3−ジフェニル−1H−ピラゾール−4−イルアクリル酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1,3−ジフェニル−1H−ピラゾール−4−イルアクリル酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物64)を調製した。M+H=524。
【0219】
(CC) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに2−メチル−1,5−ジフェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物2−メチル−1,5−ジフェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物65)を調製した。M+H=481。
【0220】
(DD) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに2−メチル−1−(4−メチルスルファニルフェニル)−5−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(A)に記述されるように進行して、化合物2−メチル−1−(4−メチルスルファニルフェニル)−5−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物66)を調製した。M+H=527。
【0221】
(EE) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに5−t−ブチル−2−(2−メチルベンジル)−2H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物5−t−ブチル−2−(2−メチルベンジル)−2H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物67)を調製した。M+H=476。
【0222】
(FF) 同様に、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(3−クロロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1−(3−クロロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物68)を調製した。M+H=536。
【0223】
実施例25: 2−(4−フルオロフェニル)−5−フェニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
5−メチル−1,3−ジフェニル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸の代わりに2−(4−フルオロフェニル)−5−フェニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例23に記述されるように進行して、化合物2−(4−フルオロフェニル)−5−フェニル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物63)を調製した。
【0224】
実施例26: 3,5−ジフェニル−フラン−2−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) 無水ベンゼン(3ml)中のベンズアルデヒド(2.6ml、25.58mmol)とアセトフェノン(6ml、51.44mmol)との混合物に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(8ml、63.13mmol)をRTで加えた。この混合物を2時間加熱還流し、RTに冷却して、アセトンを加え(5ml)、そして生じた暗赤色の溶液をエーテル(250ml)中に注ぎ入れた。暗黄色の沈殿が生成したが、これを単離してアセトン(30ml)に再溶解し、黄色の固体が生成するまでエーテルを加え、これを単離及び乾燥することにより、2,4,6−トリフェニル−ピラニリウム(3.87g、48%、mw=309)を得た。アセトン(50ml)中の2,4,6−トリフェニル−ピラニリウム(3.86g、12.5mmol)の懸濁液に、H2O(4.6ml)中のNa2CO3(1.7g、16mmol)の溶液を加え、この混合物をRTで2時間撹拌した。この反応混合物に、ヨウ素(4.1g、16.1mmol)を加え、生じた混合物をRTで一晩撹拌し、次に水(250ml)中のチオ硫酸ナトリウム五水和物(40.0g、160mmol)の溶液中に注ぎ入れ、CH2Cl2で抽出した。有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントして、有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中1% EtOAc)により精製することによって、(3,5−ジフェニルフラン−2−イル)−フェニル−メタノン(中間体(XXVIa)、1.6g、19%)を黄色の固体として得た。
【0225】
(B) ジオキサン(25ml)及び水(0.27ml)中のカリウムt−ブトキシド(5.6g、50mmol)の懸濁液に、中間体(XXVIa)を加えた。この混合物をRTで30分間撹拌し、氷水(250ml)中に注ぎ入れ、1.5時間撹拌した。沈殿物を単離して、EtOAcに再溶解し、そしてこれを水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントして、この有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中5% EtOAc)により精製することによって、2,4−ジフェニル−フラン(中間体(XXVIb)、0.99g、91%)を淡黄色の固体として得た。
【0226】
(C) アセトニトリル(15ml)及びCH2Cl2(15ml)中のイソシアン酸クロロスルホニル(0.45ml、5.16mmol)の溶液に、CH2Cl2(10ml)中の中間体(XXVIb)(0.748g、3.4mmol)の溶液を−78℃で滴下により加えた。この混合物を−78℃で1時間撹拌し、次にCH2Cl2(1ml)中のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、1ml、14.1mmol)の溶液で処理した。生じた溶液を−78℃〜−35℃で3.5時間、RTで2時間撹拌し、次に氷中に注ぎ入れ、EtOAcと5% NaHCO3水溶液とに分液した。有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントして、この有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中2%、6% EtOAc)により精製することによって、3,5−ジフェニルフラン−2−カルボニトリル(中間体(XXVIc)、0.512g、61%)を黄色の固体として得た。
【0227】
(D) MeOH(10ml)中の中間体(XXVIc)(0.14g、0.57mmol)と水(10ml)中のKOH(4.0g、71.3mmol)との混合物を8時間加熱還流して、RTまで冷却した。MeOHの大部分を除去後、この水溶液のpHを酸性に調整して、固体を単離してEtOAcに再溶解した。この有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントして、この有機溶液を減圧下で濃縮することにより、3,5−ジフェニルフラン−2−カルボン酸(中間体(XXVId)、0.147g、98%)を淡黄色の固体として得た。MW−1=263。
【0228】
(E) 中間体(XXIe)の代わりに中間体(XXVId)を使用することを除いて、実施例21(F)に記述されるように進行して、化合物3,5−ジフェニル−フラン−2−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物81)を調製した。M+H=468。
【0229】
(F) エチレングリコール中の2,5−ジフェニルフラン−3−カルボニトリル(0.87g、3.56mmol)及び3M NaOH(10ml)の懸濁液を3日間加熱還流した。この反応混合物に水を加えて、CH2Cl2中に抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過して濃縮することにより、2,5−ジフェニルフラン−3−カルボン酸(中間体(XXVIf)、900mg)を白色の固体として得た。
【0230】
(G) 中間体(XXVId)の代わりに中間体(XXVIf)を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物2,5−ジフェニル−フラン−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物80)を調製した。M+H=468。
【0231】
(H) 同様に、中間体(XIIId)の代わりに1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)エチルアミンを使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物3,5−ジフェニル−フラン−2−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物78)を調製した。M+H=432。
【0232】
実施例27: 1−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フェニル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) 2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フェニル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸を使用することを除いて、実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−フェニル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物70)を調製した。M+H=505。
【0233】
(B) 2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5−フェニル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸を使用することを除いて、実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5−フェニル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物71)を調製した。M+H=537。
【0234】
(C) 2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1,5−ジフェニル−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸を使用することを除いて、実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1,5−ジフェニル−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物72)を調製した。M+H=469。
【0235】
(D) 2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに1,5−ジフェニル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸を使用することを除いて、実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物1,5−ジフェニル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物82)を調製した。M+H=469。
【0236】
(E) 2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに5−メチル−2−フェニル−フラン−3−カルボン酸を使用することを除いて、実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物5−メチル−2−フェニル−フラン−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物69)を調製した。M+H=406。
【0237】
(F) 4−メチル−2−ピリジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに2−メチル−5−フェニル−フラン−3−カルボン酸を使用することを除いて、実施例22(G)に記述されるように進行して、化合物2−メチル−5−フェニル−フラン−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物73)を調製した。M+H=406。
【0238】
(G) 4−メチル−2−ピリジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに5−(4−フルオロフェニル)−フラン−2−カルボン酸を使用することを除いて、実施例22(G)に記述されるように進行して、化合物5−(4−フルオロフェニル)−フラン−2−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物74)を調製した。M+H=410。
【0239】
(H) 4−メチル−2−ピリジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに2−(N,N−ジエチルアミノメチル)−5−フェニル−フラン−3−カルボン酸を使用することを除いて、実施例22(G)に記述されるように進行して、化合物2−(N,N−ジエチルアミノメチル)−5−フェニル−フラン−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物75)を調製した。M+H=477。
【0240】
(I) 同様に、2−(N,N−ジエチルアミノメチル)−5−フェニル−フラン−3−カルボン酸の代わりに2−メチル−1−(3−モルホリン−4−イルプロピル)−5−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(H)に記述されるように進行して、化合物2−メチル−1−(3−モルホリン−4−イルプロピル)−5−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物76)を調製した。M+H=532。
【0241】
(J) 同様に、2−(N,N−ジエチルアミノメチル)−5−フェニル−フラン−3−カルボン酸の代わりに2−メチル−1−(4−メチルスルファニルフェニル)−5−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(H)に記述されるように進行して、化合物2−メチル−1−(4−メチルスルファニルフェニル)−5−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物77)を調製した。M+H=491。
【0242】
(K) 2−フェニル−4−(4−クロロフェニル)−チアゾール−5−カルボン酸の代わりに2−メチル−5−(4−クロロフェニル)−フラン−3−カルボン酸を使用することを除いて、実施例22(A)に記述されるように進行して、化合物2−メチル−5−(4−クロロフェニル)−フラン−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物79)を調製した。M+H=440。
【0243】
実施例28: 3−(2−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−チオアセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) EtOH(48ml)中の2−フルオロベンゾイル酢酸エチル(4.3ml、24mmol)の溶液に、メチルヒドラジン(1.32ml、25mmol)をN2下でRTで加えた。この反応液を18時間加熱還流した。次にこの混合物から溶媒を留去して、オフホワイト色の固体残渣を熱EtOAcにとった。この混合物を冷却して、溶解していない白色の固体を濾過により回収して、ヘキサンで洗浄し、次に減圧下で乾燥することにより、5−(2−フルオロフェニル)−2−メチル−2H−ピラゾール−3−オール(中間体(XXVIIIa)、3.54g、収率77%)を得た。M+=193。
【0244】
(B) 0℃でN2下でDMF(2.32ml、30mmol)に、オキシ塩化リン(6.52ml、70mmol)を10分間かけて滴下により加えた。この反応液を0℃で20分間撹拌した(オキシ塩化リンは、凍結する傾向があるため、反応液が撹拌されるよう氷浴を取り外した:10℃を超えてはならない)。中間体(XXVIIIa)を一度に加えて、この混合物を還流温度で30分間撹拌した。この反応液をRTに冷却し、氷中に注ぎ入れて、NaOH(15%水溶液)でクエンチした。この混合物をpH6〜7に達するまで酸性にして、CH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を留去した。粗混合物をフラッシュクロマトグラフィーを介して精製することにより、5−クロロ−3−(2−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルバルデヒド(中間体(XXVIIIb)、1.6g、収率67%)を白色の固体として得た。M+=239。
【0245】
(C) MeOH(4.5ml)及び水(1.1ml)の混合物中の微粉砕KOH(753mg、13mmol)の溶液に、チオグリコール酸(0.349ml、5mmol)を加え、続いて中間体(XXVIIIb)(800mg、3.4mmol)をRTで加えた。この反応混合物を3時間加熱還流した。溶媒を留去して、オフホワイト色の固体残渣を熱水にとって濾過した。濾液をRTに冷却して、HCl(6N)でpH3まで酸性にした。白色の固体が沈殿したが、これを濾過して、水及びヘキサンで洗浄した。これを40℃で減圧下で乾燥することにより、3−(2−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸(中間体(XXVIIIc)、926mg、収率92%)を得た。
【0246】
(D) 中間体(If)の代わりに中間体(XXVIIIc)を使用することを除いて、実施例4に記述される手順により、化合物3−(2−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−チオアセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物85、収率22%)を黄色の泡状物として得た。M+=460。
【0247】
(E) 中間体(XXVIIIc)の代わりに1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(D)に記述されるように進行して、化合物3−フェニル−1−メチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−チオアセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物83、収率23%)を白色の泡状物として得た。M+=442。
【0248】
(F) [1−メチル−2−(4−チオアセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミンの代わりに1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)エチルアミン2HCl(中間体(XIIId))を使用し、そして溶媒としてDMFを使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物3−フェニル−1−メチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物89、収率)を得た。M+H=462。
【0249】
(G) [1−メチル−2−(4−チオアセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミンの代わりに[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミンを使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物3−フェニル−1−メチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物91)を得た。M+=426。
【0250】
(H) [1−メチル−2−(4−チオアセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミンの代わりに[1,1−ジメチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミンを使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物3−フェニル−1−メチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[1,1−ジメチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物90)を得た。M+H=476。
【0251】
(I) [1−メチル−2−(4−チオアセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミンの代わりに中間体(IIIc)を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物3−(2−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−チアゾール−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物84)を白色の泡状物として収率86%で得た。M+=467。
【0252】
(J) メチルヒドラジンの代わりにエチルヒドラジンを使用することを除いて、上のパート(C)に記述されるように進行して、酸の3−フェニル−1−エチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸(中間体(XXVIIIj))を得た。1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに中間体(XXVIIIj)を使用することを除いて、パート(F)に記述されるように進行して、化合物3−フェニル−1−エチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物86)を白色の粉末として得た(収率48%、融点64〜68.5℃、M+=476)。
【0253】
(K) [1−メチル−2−(4−チオアセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミンの代わりに[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミンを使用することを除いて、上のパート(D)に記述されるように進行して、化合物3−(2−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物87)を得た(収率82%、M+=444)。
【0254】
(L) 2−フルオロベンゾイル酢酸エチルの代わりに2−メチルベンゾイル酢酸エチルを使用することを除いて、上のパート(J)に記述されるように進行して、化合物3−(2−メチルフェニル)−1−エチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物88)を白色の粉末として得た(収率30%、融点89〜93℃、M+=476)。
【0255】
(M) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに1−フェニル−3−メチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(F)に記述されるように進行して、化合物3−メチル−1−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物92)を得た。M+H=462。
【0256】
(N) [1−メチル−2−(4−チオアセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミンの代わりに中間体(Vd)を使用することを除いて、上のパート(D)に記述されるように進行して、化合物3−(2−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物96)を得た。
【0257】
実施例29: (R)−1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−チオアセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) (R)−(1−メチル−2−オキソ−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.85g、10.7mmol)及びアセチルピペラジン(1.53g、12mmol)をジクロロエタン(125mL)中で合わせた。NaBH(OAc)3(4.53g、21mmol)を加えた。生じた反応溶液をRTで20時間撹拌した。等容量の飽和NaHCO3溶液を加えた。水相をCH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機抽出液を飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥して真空下で濃縮した。シリカのクロマトグラフィー(CH2Cl2中5%メタノール)により精製することによって、(R)−[2−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−1−メチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(中間体(XXIXa)、2.6g)を得た。
【0258】
(B) 中間体(XXIXa)(2.6g)をCH2Cl2 80mLに溶解した。TFA(10mL)を加えた。この反応溶液をRTで2時間撹拌することにより、(R)−1−[4−(2−アミノ−プロピル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン(中間体(XXIXb)、収率100%)を得た。
【0259】
(C) 無水THF(60mL)中の1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸(1g、4mmol)の溶液に、HBTU(1.5g、4mmol)、THF(8mL)中の中間体(XXIXd)(4mmol)及びDIEA(4mL)を加えた。この反応混合物をRTで18時間撹拌し、次に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中5%メタノール)により精製することによって、(R)−1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−1−メチル−エチル]−アミド(化合物93、1.13g)を得た。化合物93をシュウ酸塩に変換した(1.37g)。M+=426、1H NMR δD(MeOH、1.0)=−95.2、融点133.9〜139.9℃。
【0260】
(D) (R)−(1−メチル−2−オキソ−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの代わりに(S)−(1−メチル−2−オキソ−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを使用することを除いて、上のパート(A〜C)に記述されるように進行して、化合物(S)−1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−1−メチル−エチル]−アミド(化合物94、0.7g)を得た。化合物94をシュウ酸塩に変換した(0.6g)。M+=426、1H NMR:δD(MeOH、1.0)=+94.5、融点133.5〜140.1℃。
【0261】
(E) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに1−メチル−3−(2−フルオロフェニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(C)に記述されるように進行して、化合物(R)−1−メチル−3−(2−フルオロフェニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸[2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−1−メチル−エチル]−アミド(化合物95)を調製した。M+H=444。
【0262】
実施例30: 1−メチル−3−フェニル−1H−インダゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) 塩化フェニルマグネシウムの溶液(5.5ml、11mmol、THF中2M)に、5−ブロモ−2−フルオロベンズアルデヒド(2.03g、10mmol)を−78℃でN2下で加えた。この反応液がRTまで温まるのを待って、RTで18時間撹拌した。この乳状懸濁液をNH4Clの飽和溶液中に注ぎ入れ、EtOAcで3回抽出した。有機層を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を留去した。この粗混合物をフラッシュクロマトグラフィーを介して精製することにより、(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−フェニル−メタノール(中間体(XXXa)、2.235g、収率80%)を無色の油状物として得た。M+=281。
【0263】
(B) CH2Cl2(36ml)中のクロロクロム酸ピリジニウム(166mg、0.769mmol)の懸濁液に、CH2Cl2(4ml)中の中間体(XXXa)(180mg、0.641mmol)の溶液をRTでN2下で加えた。この反応液をRTで4時間撹拌し、次にEt2O(25ml)を加え、そしてこの混合物をフルオリシル(fluorisyl)の栓で濾過した。濾液から溶媒を留去して、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーを介して精製することにより、(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−フェニル−メタノン(中間体(XXXb)、150mg、収率83%)を無色の油状物として得た。M+=279。
【0264】
(C) メチルヒドラジン(1.5ml)中の中間体(XXXb)(150mg、0.538mmol)の溶液を3時間加熱還流した。この反応液を冷却して、氷水中に注ぎ入れた。この沈殿物は濾過に適していなかったため、この混合物をEtOAcで3回抽出した。有機層を合わせて、乾燥して溶媒を留去した。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーを介して精製することにより、5−ブロモ−1−メチル−3−フェニル−1H−インダゾール(中間体(XXXc)、125mg、収率81%)を白色の固体として得た。M+=287。
【0265】
(D) THF(3ml)中の中間体(XXXc)(123mg、0.429mmol)の溶液に−78℃でN2下で、ブチル−リチウム(Bu−Li、321μl、ヘキサン中1.6M)を加えた。この橙色の溶液を−78℃で窒素下で10分間撹拌し、次に退色するまで20分間この溶液に乾燥CO2をバブリングした。この反応液がRTまで上昇するのを待って、溶媒を留去して、水を残渣に加えた。pH2〜3に達するまで、HCl(1M)をこの混合物に加えた。白色の沈殿物が生成した。この固体を濾過して乾燥することにより、1−メチル−3−フェニル−1H−インダゾール−5−カルボン酸(中間体(XXXd)、72mg、収率67%)を得た。M+=253。
【0266】
(E) 1,5−ビス(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸の代わりに中間体(XXXc)を使用することを除いて、実施例24(Z)に記述される手順により、化合物1−メチル−3−フェニル−1H−インダゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物97、収率65%、融点=98.8〜100.5℃、M+=420)を白色の泡状物として製造した。
【0267】
(F) EtOH(4ml)中の(XXXb)(976mg、3.5mmol)の溶液に、ヒドラジン水和物(204μl、4.2mmol)を加えた。この反応液を2時間加熱還流して、RTで18時間撹拌した。溶媒を留去して、残渣を水とEtOAcとに分液し、有機層を分離して、水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィーを介して精製することにより、5−ブロモ−3−フェニル−1H−インダゾール(中間体(XXXf)、320mg、収率33%)を白色の固体として得た。M+=273。
【0268】
(G) EtOAc(3ml)中の中間体(XXXf)(136mg、0.5mmol)の溶液に、テトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウム(96mg、0.65mmol)をRTでN2下で加えた。この反応混合物をRTで3時間撹拌して、この乳状懸濁液をNaHCO3の飽和溶液とEtOAcとに分液した。有機層を分離して、水性画分をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して、溶媒を留去した。この粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーを介して精製することにより、5−ブロモ−3−フェニル−2−メチル−1H−インダゾール(中間体(XXXg)、120mg、収率84%)を白色の固体として得た。M+=287。
【0269】
(H) THF(4ml)中の中間体(XXXg)(120mg、0.418mmol)の溶液に、Bu−Li(314μl、ヘキサン中1.6M)を−78℃でN2下で加えた。この反応混合物を−78℃で5分間撹拌し、次に退色が起こるまで、この反応混合物に15分間乾燥CO2をバブリングした。この反応液をRTまで温めて、溶媒を留去した。この粗カルボン酸リチウム(中間体(XXXh))を下のパート(I)に使用した。M+=253。
【0270】
(I) 中間体(XXXc)の代わりに中間体(XXXh)を使用することを除いて、上のパート(E)に記述される手順により、化合物2−メチル−3−フェニル−1H−インダゾール−5−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物98)を調製した。この生成物を分取HPLCにより精製すると、トリフルオロ酢酸塩が収率7%で得られた。M+=420。
【0271】
実施例31: 3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例28(F)に記述されるように進行して、化合物3−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物99)を得た。M+H=441。
【0272】
(B) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに5,7−ジフェニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例28(F)に記述されるように進行して、化合物5,7−ジフェニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物100)を得た。M+H=519。
【0273】
(C) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに1−ベンジル−1H−インドール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例28(F)に記述されるように進行して、化合物1−ベンジル−1H−インドール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物101)を得た。M+H=455。
【0274】
(D) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに5−メトキシ−2−メチル−ベンゾフラン−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例28(F)に記述されるように進行して、化合物5−メトキシ−2−メチル−ベンゾフラン−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物102)を得た。M+H=410。
【0275】
(E) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例28(F)に記述されるように進行して、化合物5−フェニル−7−トリフルオロメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物103)を得た。M+H=511。
【0276】
(F) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに5−(4−メトキシベンジル)−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例28(F)に記述されるように進行して、化合物5−(4−メトキシベンジル)−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物105)を得た。M+H=505。
【0277】
(G) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに5−(チオフェン−2−イル−メチル)−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例28(F)に記述されるように進行して、化合物5−(チオフェン−2−イル−メチル)−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物106)を得た。M+H=481。
【0278】
(H) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに4−オキソ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−フタラジン−1−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例28(F)に記述されるように進行して、化合物4−オキソ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−フタラジン−1−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物107)を得た。M+H=538。
【0279】
(I) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに3−メチル−2,3−ベンゾフラン−2−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例28(F)に記述されるように進行して、化合物3−メチル−2,3−ベンゾフラン−2−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物108)を得た。M+H=380。
【0280】
(J) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに2,3−ベンゾフラン−2−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例28(F)に記述されるように進行して、化合物2,3−ベンゾフラン−2−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物109)を得た。M+H=366。
【0281】
(K) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに4,6−ジフェニルピリミジン−2−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例28(F)に記述されるように進行して、化合物4,6−ジフェニルピリミジン−2−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物104)を得た。M+H=480。
【0282】
(L) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに5,7−ジメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例28(F)に記述されるように進行して、化合物5,7−ジメチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物110)を得た。M+H=395。
【0283】
(M) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに5−(2−クロロベンジル)−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸を使用することを除いて、上の実施例28(F)に記述されるように進行して、化合物5−(2−クロロベンジル)−4−オキソ−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物119)を得た。M+H=509。
【0284】
実施例32: 2−(2−フルオロフェニル)−ピリジン−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) 48% HBrの溶液(50ml)に、2−アミノピコリン(10.0g、92.5mmol)を20℃〜30℃の間で激しく撹拌しながら何回かに分けて加えた。添加後、この混合物を−20℃に冷却して、温度を−20℃に維持しながら冷Br2(13ml、254mmol)を滴下により加えた。生じたペースト状物を手撹拌しながら70分間−20℃に保持し、続いて水(30ml)中の亜硝酸ナトリウム(17g、246mmol)の溶液を−20℃で滴下により加えた。この混合物を2時間かけて15℃まで温め、次に−20℃まで冷却して戻し、添加の間、温度を−10℃未満に維持しながら冷NaOH(水120ml中67g)で処理して、この混合物がRTまで温まるのを一晩待った。次にこの反応混合物をEtOAcと水とに分液し、有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントして、この有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中20%、40% EtOAc)により精製することによって、2−ブロモ−4−メチルピリジン(中間体(XXXIIa)、12.65g、79%)を黄色の油状物として得た。MW+1=172。
【0285】
(B) ジグリム/EtOH(20:1 21ml)中の中間体(XXXIIa)(1g)及び2−フルオロフェニルボロン酸(1.5g)の溶液に、Na2CO3の溶液(飽和、3ml)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.2g)を加えた。この混合物を88℃で4時間加熱し、RTまで冷却して、精製することにより、2−(2−フルオロフェニル)−4−メチルピリジン(中間体(XXXIIb)、0.97g)を得た。
【0286】
(C) 水(25ml)中の中間体(XXXIIb)(0.44g、2.35mmol)の懸濁液に、KMnO4(0.82g、5.18mmol)を2回に分けて加え、この混合物を20時間加熱還流し、RTまで冷却した。生じた固体をセライトで濾過し、水及びEtOAcで洗浄して、この二相を分離した。水溶液のpHを3に調整して、生成した白色の沈殿物を単離して、乾燥することにより、2−(2−フルオロフェニル)−ピリジン−4−カルボン酸(中間体(XXXIIc)、0.17g、33%)を得た。MW+1:218、MW−1:216。
【0287】
(D) 中間体(XXIe)の代わりに中間体(XXXIIc)を使用することを除いて、実施例21(F)に記述されるように進行して、化合物2−(2−フルオロフェニル)−ピリジン−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物118)を得た。
【0288】
(E) 1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の代わりに2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸を使用することを除いて、実施例28(F)に記述されるように進行して、化合物2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物111)を得た。M+H=479。
【0289】
(F) 同様に、中間体(XIIId)の代わりに[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミンを使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物117)を得た。M+H=443。
【0290】
(G) 同様に、2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに2−クロロ−6−(4−メトキシフェニル)−ピリジン−4−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物2−クロロ−6−(4−メトキシフェニル)−ピリジン−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物112)を得た。M+H=467。
【0291】
(H) 同様に、2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに2−クロロ−6−(2−メトキシフェニル)−ピリジン−4−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物2−クロロ−6−(2−メトキシフェニル)−ピリジン−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物113)を得た。M+H=467。
【0292】
(I) 同様に、2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに2−クロロ−6−(2−メチルフェニル)−ピリジン−4−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物2−クロロ−6−(2−メチルフェニル)−ピリジン−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物114)を得た。M+H=451。
【0293】
(J) 同様に、中間体2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに2−クロロ−6−(チオフェン−2−イル)−ピリジン−4−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物2−クロロ−6−(チオフェン−2−イル)−ピリジン−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物115)を得た。M+H=443。
【0294】
(K) 同様に、2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに2−クロロ−6−(4−メチル−チオフェン−2−イル)−ピリジン−4−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物2−クロロ−6−(4−メチル−チオフェン−2−イル)−ピリジン−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物116)を得た。M+H=457。
【0295】
(L) 同様に、2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに5−(チオフェン−2−イル)−ニコチン酸を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物5−(チオフェン−2−イル)−ニコチン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物121)を得た。M+H=409。
【0296】
(M) 同様に、2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに1,3−ジフェニル−ピリミジン−4−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物1,3−ジフェニル−ピリミジン−4−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物120)を得た。M+H=480。
【0297】
(N) 同様に、2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに3−シクロプロピル−イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物3−シクロプロピル−イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物122)を得た。M+H=406。
【0298】
(O) 同様に、2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに3−エチル−イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物3−エチル−イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物123)を得た。M+H=394。
【0299】
(P) 同様に、2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに3−(2−メチルプロピル)−イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物3−(2−メチルプロピル)−イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物124)を得た。M+H=422。
【0300】
(Q) 同様に、2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに3−シクロペンチル−イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物3−シクロペンチル−イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物125)を得た。M+H=434。
【0301】
(R) 同様に、2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに3−(ピリジン−2−イル)−イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物3−(ピリジン−2−イル)−イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物126)を得た。M+H=443。
【0302】
(S) 同様に、2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに3−フェニル−イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物3−フェニル−イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物127)を得た。M+H=442。
【0303】
(T) 同様に、2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに1−ブチル−5−フルオロ−1H−インドール−3−カルボン酸を使用することを除いて、上のパート(E)に記述されるように進行して、化合物1−ブチル−5−フルオロ−1H−インドール−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物128)を得た。M+H=439。
【0304】
実施例33: 3,5−ジ(4−フルオロフェニル)安息香酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミドの調製
(A) 2−メトキシエチルエーテル(60ml)及びエタノール(3ml)中の3,5−ジブロモ安息香酸メチル(3.00g、10.2mmol)及び4−フルオロフェニルボロン酸(1.43g、10.2mmol)の溶液に、Na2CO3(飽和、9ml)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.2g)を加えた。この混合物を88℃で1.5時間加熱し、次にRTに冷却し、ヘキサンと水とに分液して、有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントして、この有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中1% EtOAc)により精製することによって、3−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)安息香酸メチル(中間体(XXXIVa)、0.725g、23%)を白色の固体として、及び3,5−ジ(4−フルオロフェニル)安息香酸メチル(中間体(XXXIVb)、0.128g、4%)を白色の固体として得た。
【0305】
(B) THF(5ml)及びNaOH(水5ml中0.3g)中の中間体(XXXIVb)(0.31g、0.956mmol)の溶液を70℃で3時間加熱した。THFの大部分が蒸発後、この水溶液をpH<1に調整して、生じた白色の固体を回収して、更に水で洗浄し、EtOAcに溶解し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントして、減圧下で濃縮することにより、3,5−ジ(4−フルオロフェニル)安息香酸(中間体(XXXIVc)、0.3g、100%)を白色の固体として得た。MW−1=309。
【0306】
(C) 中間体(XXIe)の代わりに中間体(XXXIVc)を使用することを除いて、実施例21(F)に記述されるように進行して、化合物3,5−ジ(4−フルオロフェニル)安息香酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物133)を得た。
【0307】
(D) 同様に、2,6−ジフェニル−ピリジン−4−カルボン酸の代わりに中間体(XXXIVa)を使用することを除いて、実施例32(F)に記述されるように進行して、化合物3−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)−安息香酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物132)を得た。M+H=462、464。
【0308】
(E) 無水DMF(10ml)中の中間体(XXXIVa)(0.2g、0.65mmol)の溶液に、アリルブチルスズ(0.25ml、0.81mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.2g)を加えた。この混合物を80℃で24時間加熱した。次にこの混合物をセライトにより濾過して、ヘキサン中の50% EtOAcで洗浄し、有機相を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントして、この有機溶液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中2% EtOAc)により精製することによって、5−アリル−4’−フルオロ−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(中間体(XXXIVe)、0.138g、78%)を白色の固体として得た。
【0309】
(F) EtOH(10ml)中の中間体(XXXIVe)(0.138g、0.51mmol)及び10% Pd/C(0.1g)の混合物をRTでH2(バルーン)下で4時間撹拌した。次にこの反応混合物をセライトにより濾過し、更にEtOHで洗浄して、そして合わせた溶媒を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中2% EtOAc)により精製することによって、5−プロピル−4’−フルオロ−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(中間体(XXXIVf)、0.124g、89%)を清澄な油状物として得た。
【0310】
(G) THF(5ml)及びNaOH(水3ml中0.12g)中の中間体(XXXIVf)(0.12g、0.44mmol)の溶液を70℃で24時間加熱した。THFの大部分が蒸発後、この水溶液をpH<1に調整した。生成した白色の沈殿物を回収して、更に水で洗浄し、次にEtOAcに溶解し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントして、有機溶液を減圧下で濃縮することにより、5−プロピル−4’−フルオロ−ビフェニル−3−カルボン酸(中間体(XXXIVg)、0.116g、100%)を白色の固体として得た。MW−1=258。
【0311】
(H) 中間体(XXXIVa)の代わりに中間体(XXXIVg)を使用することを除いて、上のパート(D)に記述されるように進行して、化合物5−プロピル−4’−フルオロ−ビフェニル−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物131)を得た。MW+1=426。
【0312】
(I) [1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミンの代わりに[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミンを使用することを除いて、上のパート(C)に記述されるように進行して、化合物3,5−ジ(4−フルオロフェニル)安息香酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物130)を得た。M+H=478。
【0313】
(J) ジメトキシエタン(20ml)及びEtOH(1ml)中の3−ブロモ−5−ニトロ安息香酸(1g、4.06mmol)及び2−フルオロフェニルボロン酸(569mg、4.06mmol)の溶液に、Na2CO3(7ml飽和溶液)及びパラジウム・テトラキス(トリフェニルホスフィン)(94mg、0.08mmol)を加えた。この混合物を4時間加熱還流し、次にRTで16時間撹拌した。生成した灰色の沈殿物を濾別して、CH2Cl2で洗浄した。濾液から溶媒を留去することにより、3−ニトロ−5−(2−フルオロフェニル)安息香酸(中間体(XXXIVj)、880mg、収率83%)を白色の固体として得た。M+=262。
【0314】
(K) EtOH(5ml)中の中間体(XXXIVj)(104mg、0.4mmol)の溶液に、ヒドラジン(26mg、0.8mmol)及び触媒量のパラジウム担持炭素(10%)を加えた。この反応混合物をRTで18時間、及び還流させながら18時間撹拌した。触媒をセライトパッドで濾別して、温EtOHで洗浄した。濾液から溶媒を留去することにより、生成物3−アミノ−5−(2−フルオロフェニル)安息香酸(中間体(XXXIVk))を白色の固体として定量的収率で得た。M+=232。
【0315】
(L) 中間体(XXXIVk)(92.4mg、0.4mmol)、オルトギ酸トリエチル(116μl、0.7mmol)及びAcOH(370μl)の混合物をRTで18時間撹拌した。この混合物から溶媒を留去して、この残渣に酢酸(0.5ml)及びNaN3(104mg、1.6mmol)を加えた。この反応混合物を70℃で5時間加熱して、RTで18時間撹拌した。水を反応液に加えると、生成物が白色の固体として沈殿析出したが、これを水で洗浄することにより、2’−フルオロ−5−テトラゾール−1−イル−ビフェニル−3−カルボン酸(中間体(XXXIVl)、52mg、収率48%)を得た。M+=285。
【0316】
(M) 中間体(XXXIVc)の代わりに中間体(XXXIVl)を使用することを除いて、上のパート(I)に記述されるように進行して、化合物2’−フルオロ−5−テトラゾール−1−イル−ビフェニル−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物129)を黄色の泡状物として得た(収率11%、M+=451)。
【0317】
(N) 中間体(XXIe)の代わりに中間体(XXXIVg)を使用することを除いて、実施例21(F)に記述されるように進行して、化合物5−プロピル−4’−フルオロ−ビフェニル−3−カルボン酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物134)を得た。
【0318】
(O) 中間体(XXIe)の代わりに中間体(XXXIVa)を使用することを除いて、実施例21(F)に記述されるように進行して、化合物3−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)安息香酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物135)を得た。
【0319】
(P) 中間体(XXIe)の代わりに3,5−ジブロモ安息香酸を使用することを除いて、実施例21(F)に記述されるように進行して、化合物3,5−ジブロモ安息香酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物136)を得た。
【0320】
(Q) 中間体(XXIe)の代わりに3−(4−フルオロフェニル)−安息香酸を使用することを除いて、実施例21(F)に記述されるように進行して、化合物3−(4−フルオロフェニル)−安息香酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物137)を得た。
【0321】
(R) 中間体(XXXIVg)の代わりに3−(4−フルオロフェニル)−安息香酸を使用することを除いて、上の(H)に記述されるように進行して、化合物3−(4−フルオロフェニル)−安息香酸[1−メチル−2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−アミド(化合物138)を得た。M+H=384。
【0322】
実施例34: 処方
種々の経路による送達のための製剤は、下記の表に示されるように処方する。本表に使用されるとき「活性成分」又は「活性化合物」は、1種以上の式(I)の化合物を意味する。
【0323】
【表1】

【0324】
成分を混合して、それぞれ約100mgを収容するカプセルに分配する。1カプセルをほぼ1日総用量とする。
【0325】
【表2】

【0326】
成分を合わせて、メタノールのような溶媒を用いて造粒する。次にこの処方を乾燥して、適切な打錠機により錠剤(活性化合物約20mgを含む)に成形する。
【0327】
【表3】

【0328】
成分を混合することにより、経口投与用の懸濁剤とする。
【0329】
【表4】

【0330】
活性成分を少量の注射用水に溶解する。次に撹拌しながら充分な量の塩化ナトリウムを加えて、この溶液を等張性にする。残りの注射用水で溶液の重量を増し、0.2ミクロン膜フィルターにより濾過して、無菌条件下で包装する。
【0331】
【表5】

【0332】
成分を一緒に融解して、蒸気浴で混合し、そして総重量2.5gを収容する鋳型に注ぎ入れる。
【0333】
【表6】

【0334】
水を除く全ての成分を合わせて、撹拌しながら約60℃に加熱する。次に激しく撹拌しながら充分な量の水を約60℃で加えることにより成分を乳化し、次に水を、約100gになるように加える。
【0335】
鼻内スプレー処方
約0.025〜0.5%活性化合物を含む幾つかの水性懸濁剤を鼻内スプレー処方として準備する。この処方は、場合により、例えば、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロースなどのような不活性成分を含む。pHを調整するために塩酸を加えてもよい。この鼻内スプレー処方は、典型的には1回の動作で処方約50〜100μlを送達する、鼻内スプレー計量ポンプを介して送達することができる。典型的な投与計画は、4〜12時間毎に2〜4回スプレーである。
【0336】
実施例35: P2X3 FLIPR(蛍光イメージングプレートリーダー(Fluorometric Imaging Plate Reader))アッセイ
CHO−K1細胞をクローン化ラットP2X3受容体サブユニットでトランスフェクトして、フラスコ中で継代した。FLIPR実験の18〜24時間前に、細胞をそのフラスコから離し、遠心分離して、栄養培地に2.5×105細胞/mlで再懸濁した。細胞を、50,000細胞/ウェルの密度で黒色壁の96ウェルプレートに等分して、5% CO2中37℃で一晩インキュベートした。実験日に、細胞をFLIPR緩衝液(カルシウム及びマグネシウム不含ハンクス液、10mM HEPES、2mM CaCl2、2.5mMプロベネシド;FB)中で洗浄した。各ウェルにFB 100μl及び蛍光色素のフルオ−3 AM(最終濃度2μM)100μlを加えた。37℃で1時間の色素負荷インキュベーション後、細胞をFBで4回洗浄して、最終的には75μl/ウェルのFBを各ウェルに残した。
【0337】
試験化合物(DMSO中に10mMに溶解して、FBで連続希釈した)又はビヒクルを各ウェルに加え(4×溶液25μl)、RTで20分間平衡に達するのを待った。次にプレートをFLIPRに入れて、基準蛍光測定(488nmで励起及び510〜570nmで発光)を10秒間行い、次に100μl/ウェルのアゴニスト又はビヒクルを加えた。アゴニストは、1μM(P2X3)又は5μM(P2X2/3)の最終濃度を生成させるα,β−meATPの2×溶液とした。蛍光は、アゴニスト添加後1秒おきに更に2分間測定した。細胞生存率及び色素結合細胞質カルシウムの最大蛍光を確立するために、FLIPR試験プレートの各ウェルに、最後にイオノマイシン(最終濃度5μM)を添加した。(試験化合物の非存在下及び存在下で)α,β−meATPの添加に応えるピーク蛍光を測定して、非線形回帰法を用いて阻害曲線を作成した。標準的P2XアンタゴニストであるPPADSを陽性対照として使用した。
【0338】
上記手順を用いるとき、本発明の化合物はP2X3受容体に対する活性を示した。
【0339】
実施例36: 喘息及び肺機能に関するインビボアッセイ
BALB/cJマウスを標準的免疫プロトコールにより免疫する。簡単に述べると、マウス(N=8/群)は、0及び14日目にミョウバン中のオバルブミン(OVA;10μg)の腹腔内投与で免疫する。次いで21及び22日目にマウスをエーロゾル化OVA(5%)により攻撃する。マウスに、ビヒクル(経口)又は本発明の化合物(100mg/kg経口)を、全て20日目の開始で投与する。肺機能は23日目に、エーロゾルメタコリン攻撃に応えるPenHを測定するためのバクスコ(Buxco)システムを用いて評価する。次にマウスを安楽死させて、試験の最後に血漿試料を回収する。
【0340】
実施例37: 容量誘発膀胱収縮アッセイ
メスのスプレーグ・ドーリー(Sprague-Dawley)ラット(200〜300g)をウレタン(1.5g/kg、皮下)で麻酔した。このラットを気管切開して、それぞれ血圧測定及び薬物投与のために頚動脈及び大腿静脈にカニューレを挿入した。開腹術を実施して、尿管を結紮して、その結紮部の近くで切断した。外尿道口を絹糸縫合により結紮して、生理食塩水注入及び膀胱内圧測定のために膀胱円蓋を介して膀胱にカニューレを挿入した。
【0341】
15〜30分間の安定化時間後、連続的な容量誘発膀胱収縮(VIBC)が観測されるまで、膀胱にRTで100μl/分で生理食塩水を注入した。次にこの注入速度を3〜5μl/分に低下させて30分間続け、次いで膀胱から排液して、30分間休ませた。続く全ての注入は、低速注入を30分間ではなく15分間だけ維持することを除いて、上述のとおりに実施した。膀胱の蓄積と排液のサイクルは、閾値容量(threshold volumes)(TV;最初の排尿膀胱収縮を誘発するのに必要な容量)が2回の連続した基準について10%未満の変化になり、かつ注入速度の低下により収縮頻度が10分間に2回収縮以内になるまで、繰り返した。一旦再現性のあるTV及びVIBCが確立したら、膀胱から排液して、次に予定された注入の開始3分前にラットに薬物又はビヒクル(0.5ml/kg、静脈内)を投与した。
【0342】
実施例38: ホルマリン疼痛アッセイ
オスのスプレーグ・ドーリーラット(180〜220g)を個別のプレキシガラス(Plexiglas)シリンダーに入れて、30分間試験環境に順応させる。ビヒクル、薬物又は陽性対照(モルヒネ2mg/kg)を5ml/kgで皮下投与する。投与の15分後、26ゲージ注射針を用いてホルマリン(50μl中5%)を右後肢の足底面に注射する。直ちにラットを観察チャンバーに戻す。チャンバーの周りに鏡を置いて、ホルマリン注射した肢の観察が妨げられないようにする。各ラットの生体防御行動(nocifensive behavior)の持続時間を、自動行動タイマーを用いて盲検の観察者が記録する。全部で60分間、5分内の後肢のリッキング(舐めること)及び振り回し/持ち上げを別々に記録する。0〜5分後にリッキング又は振り回しに費やされた時間の合計(秒)は、初期と考えられ、一方後期は、15〜40分後にリッキング又は振り回しに費やされた秒の合計とされる。血漿試料を回収する。
【0343】
実施例39: 結腸疼痛アッセイ
成体オスのスプレーグ・ドーリーラット(350〜425g;ハーラン(Harlan)、インディアナポリス、インディアナ州)を動物飼育施設でケージ当たり1〜2匹収容する。ラットを、腹腔内投与のペントバルビタールナトリウム(45mg/kg)により深麻酔する。筋電図(EMG)記録のために電極を外腹斜筋系に入れて固定する。電極のリード線は、皮下を通り抜け、後の利用のために襟首で体外に出す。手術後、ラットを別々に収容して、試験前4〜5日間回復させておく。下行結腸及び直腸は、可撓性チューブの周りに結びつけた長さ7〜8cmの可撓性ラテックスバルーンの圧力制御膨張により拡張する。バルーンは、油を塗り、肛門を介して結腸に挿入して、尾の基部にバルーンカテーテルをテープで巻くことにより繋ぎ止める。結腸直腸拡張(CRD)は、ソレノイドゲートを定圧空気だめに対して開くことにより達成される。結腸内圧は、圧力制御装置により制御及び連続モニターする。応答は、腹筋系及び後肢筋系の収縮である、内臓運動応答(VMR)として定量する。外腹斜筋系の収縮により生成するEMG活性は、スパイク2(Spike2)ソフトウェア(ケンブリッジ・エレクトロニック・デザイン(Cambridge Electronic Design)を用いて定量する。各拡張試験は60秒持続し、そしてEMG活性は、拡張前20秒間(基準)、20秒の拡張中、及び拡張後20秒間定量する。基準を上まわる、拡張中に記録されたカウントの総数の上昇を応答として定義する。CRD(10、20、40及び80mmHg、20秒間、4分おき)に対する安定な基準応答は、処理前の意識のある鎮静剤を投与していないラットで得る。
【0344】
化合物は、最初は急性内臓痛覚のモデルで、そして約6cmの深さに挿入されたガバージュ針で結腸に注入されたザイモザン(1mL、25mg/mL)での結腸内処理により生じた結腸過敏のモデルでの、結腸拡張に対する応答に及ぼす効果について評価する。実験群は、それぞれラット8匹からなる。
【0345】
急性内臓痛覚: 急性内臓痛覚に及ぼす薬物の効果を試験するために、基準応答の確立後、3用量の薬物のうちの1つ、ビヒクル又は陽性対照(モルヒネ、2.5mg/kg)を投与する。拡張に対する応答は、続く60〜90分にわたって追跡調査する。
【0346】
内臓過敏: ザイモザンでの結腸内処理後の薬物又はビヒクルの効果を試験するために、結腸内処理は、基準応答が確立した後に行う。薬物試験の4時間前に、過敏の存在を確立するために、拡張に対する応答を評価する。ザイモザン処理ラットには、ザイモザン処理の4時間後に3用量の薬物のうちの1つ、ビヒクル又は陽性対照(モルヒネ、2.5mg/kg)を投与し、拡張に対する応答を、続く60〜90分にわたって追跡調査する。
【0347】
実施例40: 坐骨神経の慢性絞扼性損傷によるラットの冷感異痛
冷感異痛に及ぼす本発明の化合物の効果は、ラットの神経因性疼痛の慢性絞扼性損傷(CCI)モデルを用いて決定されるが、ここで冷感異痛は、金属板の床を持ち、深さ1.5〜2.0cmで温度が3〜4℃の水を入れた、冷水浴中で測定する(Gogasら, Analgesia, 1997, 3, 1-8)。
【0348】
具体的には、ラットを麻酔し、坐骨神経の三分岐を見つけ、三分岐に近い坐骨神経の周りに円周状に4本の結紮糸(4−0、又は5−0クロミック腸線)を入れる。次にラットを手術から回復させる。手術の4〜7日後、ラットを個別に冷水浴に入れて、1分間の損傷肢の持ち上げ総数を記録することにより、ラットを、低温誘発性異痛について初期評価する: 損傷肢は、水から持ち上げられる。移動や体位の変更に伴う肢の持ち上げは記録しない。手術の4〜7日後に1分間当たり5回以上の持ち上げを示したラットが冷感異痛を示していると考え、その後の試験に使用する。急性試験では、ビヒクル、対照化合物又は本発明の化合物を試験の30分前に皮下投与する。冷感異痛に及ぼす本発明の化合物の反復投与の効果は、以下の用法用量の最後の経口投与の14、20又は38時間後に決定する: 約12時間おき(BID(1日2回))に7日間、ビヒクル、対照又は本発明の化合物の経口投与。
【0349】
実施例41: C3H/HeJマウスにおける癌性骨疼痛
骨疼痛に及ぼす本発明の化合物の効果は、C3H/HeJマウスの大腿遠位への2472肉腫細胞の筋肉内注射から7日目〜18日目の間で決定する。
【0350】
具体的には、髄内注射後に骨内に融解病変を形成することが以前に証明されている、NCTC2472腫瘍細胞(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ATCC)をATCC推奨法により増殖及び維持培養する。およそ105個の細胞を、麻酔したC3H/HeJマウスの大腿遠位の髄腔に直接注射する。約7日目に開始して、自発生体防御行動(尻込みと警戒(flinching & guarding))、触感誘発生体防御行動(尻込みと警戒)、強制歩行警戒及び肢の利用に関して、マウスを評価する。本発明の化合物の効果は、7日目〜15日目の単回急性投与(皮下)により決定する。更に、7日目〜15日目の本発明の化合物の反復投与(BID)の効果は、7、9、11、13及び15日目の最初の投与から1時間以内に決定する。
【0351】
本発明は、その特定の実施態様を参照して記述されているが、当業者には当然ながら、本発明の本質と範囲を逸することなく、種々の変更を行うことができ、均等物に置換できる。更に、特定の状況、材料、組成物、製造法、製造工程を本発明の目的の精神と範囲に適合させるために、多数の改変を加えることができる。全てのこのような改変は、本明細書に添付される請求の範囲に含まれるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


[式中、
1は、−C(=S)CH3、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、フリル、フリルカルボニル、アセチル、又はカルバモイルであり;
2a及びR2bは、独立に、H、メチル、又はエチルであり;
3は、H又はメチルであり;
Yは、結合、−(CR45n−又は−CR4=CR5−であり(ここで、R4及びR5は、それぞれ独立に、H又はメチルであり、そしてnは、1又は2である);
Xは、N又はCHであり;
Aは、フェニル、5員ヘテロシクリル、又は6員ヘテロシクリルであり;
6、R7及びR8は、それぞれ独立に、H、ハロ、低級アルキル、シクロアルキル、アルキルチオ、アルキルチオ−低級アルキル、アルキルスルホニル−低級アルキル、ジ(低級アルキル)アミノ−低級アルキル、モルホリニル−低級アルキル、4−メチル−ピペラジニル−メチル、トリフルオロメチル、ピリジル、テトラゾリル、チオフェニル、フェニル、ビフェニル、又はベンジルである(ここで、チオフェニル、フェニル及びベンジルは、0〜3個の、低級アルキル、ハロ、スルホンアミド、トリフルオロメチル、低級アルコキシ又は低級アルキルチオで置換されている)か;あるいは
6及びR7は、一緒になって、低級アルキル、低級アルコキシ、オキソ、ハロ、チオフェニル−低級アルキル、フェニル、ベンジルよりなる群から選択される0〜3個の置換基で置換されている、5員又は6員の炭素環又は複素環を形成する(ここで、フェニル及びベンジルは、0〜3個の、低級アルキル、ハロ、スルホンアミド、トリフルオロメチル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、アミノ−低級アルキル、低級アルキルアミノ−低級アルキル、又はジ(低級アルキル)アミノ−低級アルキルで置換されている)]で示される化合物、及び薬学的に許容しうるその塩[ここで、
1がピリミジン−2−イルであり、XがNであり、Yが結合であり、そしてAがオキサゾール−5−イルである場合、該オキサゾール−5−イルの4位の炭素原子は、該オキサゾール−5−イルの2位の炭素原子が、置換フェニルにより置換されているときは、プロピルにより置換されておらず、そして該オキサゾール−5−イルの4位の炭素原子は、2位の炭素原子が、非置換又は置換フェニルにより置換されているときは、フェニルにより置換されていない]。
【請求項2】
Yが、結合である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Aが、フェニル、オキサゾリル、チアゾリル、フラニル、ピリミジニル、ピリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピロリル、1H−[1,2,3]トリアゾリル又は4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾリルである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
A(R6)(R7)R8が、ピラゾロ[1,5a]ピリミジニル、1H−チエノ[2,3−c]ピラゾリル、1H−インダゾリル、2H−インダゾリル、1H−インドリル、ベンゾフラニル、2H−フタラジニル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル又は4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジニルであり、そしてそのそれぞれが、低級アルキル、低級アルコキシ、オキソ、ハロ、チオフェニル−低級アルキル、フェニル、ベンジルよりなる群から選択される0〜3個の置換基で置換されている[ここで、フェニル及びベンジルは、0〜3個の、低級アルキル、ハロ、スルホンアミド、トリフルオロメチル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、アミノ−低級アルキル、低級アルキルアミノ−低級アルキル、又はジ(低級アルキル)アミノ−低級アルキルで置換されている]、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
P2X3受容体の活性を調節する方法であって、P2X3受容体を請求項1記載の式(I)の化合物と接触させることを含む方法。
【請求項6】
P2X3モジュレーターに反応する尿生殖器障害、呼吸器障害又は疼痛を治療する方法であって、これを必要とする対象に請求項1記載の式(I)の化合物を投与することを含む方法。
【請求項7】
(a)薬学的に許容しうる賦形剤;及び(b)請求項1記載の化合物を含む組成物。
【請求項8】
P2X3モジュレーターに反応する障害の治療用医薬の製造のための、請求項1記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項9】
本明細書に前記の発明。

【公表番号】特表2009−504705(P2009−504705A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526476(P2008−526476)
【出願日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際出願番号】PCT/EP2006/065024
【国際公開番号】WO2007/020194
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】