説明

PLL回路

【課題】基準周波数信号がPLL回路に入力されなくなった場合に、チャージポンプ回路にループフィルタから電流が流れ続けることを防止する。
【解決手段】PLL回路1は、入力された電圧に応じた周波数のVCO信号を出力するVCO20と、入力された電流に応じた電圧をVCO20に与えるループフィルタ18と、第一入力信号と第二入力信号との位相差に応じた幅の位相差パルスを出力する位相比較器14と、位相差パルスを受けて、ループフィルタ18への電流入力を行うチャージポンプ回路16と、REF信号(基準周波数信号)が入力されていない無入力状態において、チャージポンプ回路16への位相差パルスの入力を停止させる位相差パルス停止部30とを備える。なお、第一入力信号は、REF信号自身又はそれを分周した信号であり、第二入力信号は、VCO信号自身又はそれを分周した信号である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PLL回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、PLL(Phase Locked Loop)回路が知られている(例えば、特許文献1を参照)。PLL回路には、基準周波数信号が入力されている。この基準周波数信号がPLL回路に入力されなくなると、PLL回路のループフィルタと位相比較器との間に配置されたチャージポンプ回路に、ループフィルタから電流が流れ続ける。これにより、ループフィルタを構成するオペアンプに、サチュレーション(飽和:Saturation)が生じてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−40959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、基準周波数信号がPLL回路に入力されなくなった場合に、チャージポンプ回路にループフィルタから電流が流れ続けることを防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかるPLL回路は、基準パルスの入力を受け、出力パルスを出力するPLL回路であって、入力された電圧に応じた周波数の前記出力パルスを出力する電圧制御発振器と、入力された電流に応じた電圧を前記電圧制御発振器に与えるループフィルタと、第一入力信号と第二入力信号との位相差に応じた幅の位相差パルスを出力する位相比較器と、前記位相差パルスを受けて、前記ループフィルタへの電流入力を行うチャージポンプ回路と、前記基準パルスが入力されていない無入力状態において、前記チャージポンプ回路への前記位相差パルスの入力を停止させる位相差パルス停止部と、を備え、前記第一入力信号は、前記基準パルスに基づく信号であり、前記第二入力信号は、前記出力パルスに基づく信号であるように構成される。
【0006】
上記のように構成されたPLL回路は、基準パルスの入力を受け、出力パルスを出力する。しかも、電圧制御発振器は、入力された電圧に応じた周波数の前記出力パルスを出力する。ループフィルタは、入力された電流に応じた電圧を前記電圧制御発振器に与える。位相比較器は、第一入力信号と第二入力信号との位相差に応じた幅の位相差パルスを出力する。チャージポンプ回路は、前記位相差パルスを受けて、前記ループフィルタへの電流入力を行う。位相差パルス停止部は、前記基準パルスが入力されていない無入力状態において、前記チャージポンプ回路への前記位相差パルスの入力を停止させる。しかも、前記第一入力信号は、前記基準パルスに基づく信号であり、前記第二入力信号は、前記出力パルスに基づく信号である。
【0007】
なお、本発明にかかるPLL回路は、前記第一入力信号は、前記基準パルスそのもの、または前記基準パルスを分周したものであり、前記第二入力信号は、前記出力パルスそのもの、または前記出力パルスを分周したものであるようにしてもよい。
【0008】
なお、本発明にかかるPLL回路は、前記チャージポンプ回路が、前記第二入力信号の周波数が前記第一入力信号の周波数よりも低いときは、前記ループフィルタに正の電流を入力し、前記第二入力信号の周波数が前記第一入力信号の周波数よりも高いときは、前記ループフィルタに負の電流を入力するようにしてもよい。
【0009】
なお、本発明にかかるPLL回路は、前記位相差パルス停止部は、前記無入力状態において、前記位相比較器からの前記位相差パルスの出力を停止させるようにしてもよい。
【0010】
なお、本発明にかかるPLL回路は、前記位相差パルス停止部は、前記基準パルスが入力されていない無入力状態を検出する無入力状態検出器を有し、前記無入力状態検出器による前記無入力状態の検出を受け、前記位相比較器からの前記位相差パルスの出力を停止させるようにしてもよい。
【0011】
なお、本発明にかかるPLL回路は、前記第一入力信号を遅延させて、前記位相比較器に与える遅延素子を備えるようにしてもよい。
【0012】
なお、本発明にかかるPLL回路は、前記基準パルスが最後に入力された時点から、前記無入力状態検出器が前記無入力状態を検出した無入力検出信号を出力する時点までの時間を、検出応答時間としたときに、前記遅延素子による遅延時間が、前記検出応答時間に等しいか、または長いようにしてもよい。
【0013】
なお、本発明にかかるPLL回路は、前記位相差パルス停止部が、前記基準パルスを生成する基準パルス生成装置から、前記無入力状態を示す無入力状態信号を受けて、前記位相比較器からの前記位相差パルスの出力を停止させるようにしてもよい。
【0014】
なお、本発明にかかるPLL回路は、前記位相差パルス停止部が、前記位相差パルスを受けて、前記チャージポンプ回路へ与える位相差パルス中継部を有し、前記位相差パルス中継部は、前記無入力状態において、前記位相差パルスを前記チャージポンプ回路へ与えないようにしてもよい。
【0015】
なお、本発明にかかるPLL回路は、前記位相差パルス停止部は、前記基準パルスが入力されていない無入力状態を検出する無入力状態検出器を有し、前記位相差パルス中継部は、前記無入力状態検出器による前記無入力状態の検出を受け、前記位相差パルスを前記チャージポンプ回路へ与えないようにするようにしてもよい。
【0016】
なお、本発明にかかるPLL回路は、前記第一入力信号を遅延させて、前記位相比較器に与える遅延素子を備えるようにしてもよい。
【0017】
なお、本発明にかかるPLL回路は、前記基準パルスが最後に入力された時点から、前記無入力状態検出器が前記無入力状態を検出した無入力検出信号を出力する時点までの時間を、検出応答時間としたときに、前記遅延素子による遅延時間が、前記検出応答時間に等しいか、または長いようにしてもよい。
【0018】
なお、本発明にかかるPLL回路は、前記位相差パルス中継部は、前記基準パルスを生成する基準パルス生成装置から、前記無入力状態を示す無入力状態信号を受けて、前記位相差パルスを前記チャージポンプ回路へ与えないようにするようにしてもよい。
【0019】
なお、本発明にかかるPLL回路は、前記無入力状態信号が前記基準パルス生成装置から出力されている間に、前記無入力状態となるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。
【図2】第一の実施形態において、REF信号(第一入力信号)が入力されていない状態から入力されるようになったときの信号のタイムチャートである。
【図3】第一の実施形態において、REF信号(第一入力信号)が入力されている状態から、入力されなくなるようになったときの信号のタイムチャートである。
【図4】本発明の第二の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。
【図5】第二の実施形態において、REF信号(第一入力信号)が入力されていない状態から入力されるようになったときの信号のタイムチャートである。
【図6】第二の実施形態において、REF信号(第一入力信号)が入力されている状態から、入力されなくなるようになったときの信号のタイムチャートである。
【図7】本発明の第三の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。
【図8】本発明の第四の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。
【図9】本発明の第五の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。
【図10】本発明の第六の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。
【図11】本発明の第七の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。
【図12】本発明の第八の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0022】
第一の実施形態
図1は、本発明の第一の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。PLL(Phase Locked Loop)回路1は、REF信号(基準パルス)の入力を受け、VCO信号(出力パルス)を出力する。
【0023】
第一の実施形態にかかるPLL回路1は、分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)20、分周器22、位相差パルス停止部30を備える。
【0024】
電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)20は、ループフィルタ18から入力された電圧に応じた周波数のVCO信号(出力パルス)を出力する。
【0025】
ループフィルタ18は、チャージポンプ回路16から入力された電流に応じた電圧を電圧制御発振器20に与える。ループフィルタ18は、オペアンプ18a、抵抗18b、キャパシタンス18c、ライン18Lを有する。
【0026】
オペアンプ18aは、ライン18Lを介して、チャージポンプ回路16からの電流入力を負入力端子に受ける。なお、オペアンプ18aの正入力端子は接地されている。また、ライン18Lには、二つのダイオードが接続されている。一方のダイオードは、アノード側がライン18Lに接続されている(カソード側は接地)。他方のダイオードは、カソード側がライン18Lに接続されている(アノード側は接地)。これら二つのダイオードにより、オペアンプ18aの負入力端子へ印加される電圧を所定範囲内とすることができる。
【0027】
抵抗18bは、オペアンプ18aの出力端子に接続されている。
【0028】
キャパシタンス18cは、一端が抵抗18bに、他端がライン18Lに接続されている。
【0029】
分周器13は、REF信号(基準パルス)をR分周(Rは正の整数)して、位相比較器14に第一入力信号として与える。分周器22は、VCO信号(出力パルス)をN分周(Nは正の整数)して、位相比較器14に第二入力信号として与える。ただし、R=N=1であってもよく、この場合は、第一入力信号がREF信号(基準パルス)そのものであり、第二入力信号がVCO信号(出力パルス)そのものである。以後、R=N=1として、説明を行う。すると、分周器13および分周器22の存在を無視できる。
【0030】
位相比較器14は、第一入力信号(REF信号)と第二入力信号(VCO信号)との位相差に応じた幅の位相差パルス(PFD_U信号またはPFD_D信号)を出力する。なお、第二入力信号の周波数が第一入力信号の周波数よりも低いときは、PFD_U信号が位相差パルスとなる。また、第二入力信号の周波数が第一入力信号の周波数よりも高いときは、PFD_D信号が位相差パルスとなる(例えば、図2を参照)。
【0031】
位相比較器14は、REF側フリップフロップ14a、VCO側フリップフロップ14b、AND回路14cを有する。
【0032】
REF側フリップフロップ14aは、左上にD入力端子、左下にクロック入力端子、右上にQ出力端子、下辺中央にリセット端子を有する。D入力端子には、常に、H(High)の信号が入力されている。クロック入力端子には、第一入力信号(REF信号)が入力される。Q出力端子からは、クロック入力端子への入力がL(Low)からH(High)に立ち上がった時点で、D入力端子への入力が出力される。ただし、リセット端子にHが入力されれば、Q出力端子からの出力はLとなる。
【0033】
VCO側フリップフロップ14bは、REF側フリップフロップ14aと同じ構造および入出力関係を有する。ただし、図示の便宜上、VCO側フリップフロップ14bのQ出力端子を右下に図示している。また、VCO側フリップフロップ14bのクロック入力端子には、第二入力信号(VCO信号)が入力される。
【0034】
AND回路14cは、REF側フリップフロップ14aの出力およびVCO側フリップフロップ14bの出力を受け、両者がHである場合に、Hを出力する。その他の場合には、AND回路14cは、Lを出力する。
【0035】
チャージポンプ回路16は、位相差パルスを受けて、ループフィルタ16への電流入力を行う。チャージポンプ回路16は、定電流源16a、スイッチ16b、定電流源16c、スイッチ16dを有する。
【0036】
定電流源16aは、一端が正電圧源(図示省略)に、他端がスイッチ16bに接続されている。定電流源16aは、一端から他端へと電流を流す。
【0037】
スイッチ16bは、例えばトランジスタにより構成される。左側の端子から、H(High)が入力されると、定電流源16aがライン18Lに接続される。左側の端子から、L(Low)が入力されると、定電流源16aが接地される。
【0038】
第二入力信号の周波数が第一入力信号の周波数よりも低いときは、位相差パルス(PFD_U信号)を、スイッチ16bの左側の端子が受ける。よって、定電流源16aがライン18Lに接続され、ループフィルタ18に正の電流が入力される(ループフィルタ18に電荷が流れ込む)。
【0039】
定電流源16cは、一端が負電圧源(図示省略)に、他端がスイッチ16dに接続されている。定電流源16aは、他端から一端へと電流を流す。
【0040】
スイッチ16dは、例えばトランジスタにより構成される。左側の端子から、H(High)が入力されると、定電流源16cがライン18Lに接続される。左側の端子から、L(Low)が入力されると、定電流源16cが接地される。
【0041】
第二入力信号の周波数が第一入力信号の周波数よりも高いときは、位相差パルス(PFD_D信号)を、スイッチ16dの左側の端子が受ける。よって、定電流源16cがライン18Lに接続され、ループフィルタ18に負の電流が入力される(ループフィルタ18から電荷が流れ去る)。
【0042】
位相差パルス停止部30は、REF信号(基準パルス)がPLL回路1に入力されていない無入力状態において、位相比較器14からのチャージポンプ回路16への位相差パルス(PFD_U信号またはPFD_D信号)の入力を停止させる。より具体的には、位相差パルス停止部30は、無入力状態において、位相比較器14からの位相差パルスの出力を停止させる。
【0043】
第一の実施形態にかかる位相差パルス停止部30は、無入力状態検出器32、OR回路34を有する。
【0044】
無入力状態検出器32は、REF信号(基準パルス)が入力されていない無入力状態を検出する。無入力状態検出器32は第一入力信号を受け、第一入力信号が所定の時間内でLであり続けると、H(High)の無入力検出信号を出力する。
【0045】
OR回路34は、無入力状態検出器32の出力とAND回路14cの出力とを受け、いずれか一方または双方がH(High)であるときに、Hのリセット信号を出力する。リセット信号は、REF側フリップフロップ14aおよびVCO側フリップフロップ14bのリセット端子に与えられる。
【0046】
これにより、OR回路34は、無入力状態検出器32による無入力状態の検出(無入力検出信号(状態はH))を受け、リセット信号(状態はH)を出力し、REF側フリップフロップ14aおよびVCO側フリップフロップ14bのQ出力端子からの出力をLとする。すなわち、位相比較器14からの出力(位相差パルスであるPFD_U信号またはPFD_D信号)が停止される。
【0047】
なお、OR回路34は、無入力状態検出器32の出力とAND回路14cの出力とを受け、双方がL(Low)である場合にはLを出力する。すなわち、かかる場合には、OR回路34がリセット信号を出力しないこととなる。
【0048】
次に、第一の実施形態の動作を説明する。
【0049】
図2は、第一の実施形態において、REF信号(第一入力信号)が入力されていない状態から入力されるようになったときの信号のタイムチャートである。なお、図2の横軸は時間であり、縦軸は電圧である(図3、図5、図6も同様)。また、信号がH(High)のときは、信号が出力されており、信号がL(Low)のときは、信号が出力されていないものとする(図3、図5、図6も同様)。
【0050】
なお、図2においては、VCO信号の周波数がREF信号の周波数よりも高かったのが、時間t5以後は、両者がほぼ等しくなる状態を示している。
【0051】
まず、REF信号(第一入力信号)が入力される前(時間t1より前)においては、無入力状態検出器32の出力はHであり、無入力検出信号が出力される。よって、OR回路34の出力はHであり、リセット信号が出力される。出力されたリセット信号は、REF側フリップフロップ14aおよびVCO側フリップフロップ14bのリセット端子に与えられる。これにより、位相比較器14のREF側フリップフロップ14aおよびVCO側フリップフロップ14bからの出力はLとなり、PFD_U信号およびPFD_D信号の出力は停止される。
【0052】
REF信号(第一入力信号)が入力され始めてから、所定の時間が経過するまで(時間t1からt2まで)は、無入力状態検出器32から無入力検出信号が出力され続ける。よって、位相比較器14からの、PFD_U信号およびPFD_D信号の出力は停止されたままである。
【0053】
REF信号(第一入力信号)が入力され始めてから、所定の時間が経過すると(時間t2より後)、無入力状態検出器32の出力がLとなり、無入力検出信号の出力が停止される。時間t2においては、位相比較器14のREF側フリップフロップ14aおよびVCO側フリップフロップ14bからの出力はLであるため、AND回路14cの出力はLである。よって、無入力状態検出器32の出力およびAND回路14cの出力を受けるOR回路34の出力はLとなり、リセット信号の出力が停止される。ただし、より正確には、OR回路34の処理等のためのわずかな時間だけ時間t2よりも後の時間に、リセット信号の出力が停止される。
【0054】
時間t3において、電圧制御発振器20からVCO信号が出力され、第二入力信号(パルスP1)として位相比較器14のVCO側フリップフロップ14bに与えられる。第二入力信号がVCO側フリップフロップ14bに与えられる時点(時間t3)からPFD_D信号が出力される。すなわち、VCO側フリップフロップ14bの左下のクロック入力端子に与えられる第二入力信号(VCO信号)が、時間t3においてLからHに立ち上がるので、VCO側フリップフロップ14bの右下のQ出力端子から、D入力端子に入力されているHが出力される。よって、VCO側フリップフロップ14bの右下のQ出力端子の出力はHとなり、PFD_D信号が出力される。
【0055】
PFD_D信号が出力されると、スイッチ16dが定電流源16cをライン18Lに接続する。これにより、ループフィルタ18に負の電流が入力される(ループフィルタ18から電荷が流れ去る)。よって、ループフィルタ18から電圧制御発振器20に与えられる電圧が低くなる。これにより、VCO信号の周波数が低くなり、よりREF信号の周波数に近づいていく。
【0056】
時間t4において、REF信号が入力され、第一入力信号(パルスP2)として位相比較器14のREF側フリップフロップ14aに与えられる。第一入力信号がREF側フリップフロップ14aに与えられる時点(時間t4)からPFD_U信号が出力される。すなわち、REF側フリップフロップ14aの左下のクロック入力端子に与えられる第一入力信号(REF信号)が、時間t4においてLからHに立ち上がるので、REF側フリップフロップ14aの右上のQ出力端子から、D入力端子に入力されているHが出力される。よって、REF側フリップフロップ14aの右上のQ出力端子の出力はHとなり、PFD_U信号が出力される。
【0057】
時間t4から、PFD_U信号およびPFD_D信号が出力される。すなわち、REF側フリップフロップ14aの出力およびVCO側フリップフロップ14bの出力がHとなる。よって、AND回路14cの出力がHとなり、OR回路34の出力はHであり、リセット信号が出力される。ただし、より正確には、OR回路34の処理等のためのわずかな時間だけ時間t4よりも後の時間に、リセット信号が出力される。これにより、位相比較器14のREF側フリップフロップ14aおよびVCO側フリップフロップ14bからの出力はLとなり、PFD_U信号およびPFD_D信号の出力は停止される。
【0058】
結局、位相比較器14は、時間t3と時間t4との時間差にほぼ等しい幅の位相差パルス(PFD_D信号)を出力する。時間t3と時間t4との時間差は、REF信号(基準パルス)とVCO信号(出力パルス)との位相差に相当する。よって、位相比較器14は、REF信号(第一入力信号)とVCO信号(第二入力信号)との位相差に応じた幅の位相差パルス(PFD_D信号)を出力する。
【0059】
時間t4以後は、位相差パルス(PFD_D信号)の出力により、VCO信号の周波数が低くなり、よりREF信号の周波数に近づいていくことが繰り返される。そして、時間t5以後は、両者がほぼ等しくなる。時間t5以後は、PFD_U信号とPFD_D信号とがわずかな時間だけ出力された後に、リセット信号が出力されて、PFD_U信号とPFD_D信号との出力が停止されるといったことを繰り返す。
【0060】
図3は、第一の実施形態において、REF信号(第一入力信号)が入力されている状態から、入力されなくなるようになったときの信号のタイムチャートである。
【0061】
REF信号(基準パルス)とVCO信号(出力パルス)とが最後に同時に入力された時間t6から、PFD_U信号およびPFD_D信号が出力される。その後、わずかな時間が経過して、リセット信号が出力されるので、PFD_U信号およびPFD_D信号の出力は停止される。
【0062】
ここで、時間t6以後は、REF信号(基準パルス)が入力されなくなったとする。すると、時間t7(VCO信号(出力パルス)が、時間t6以後に初めて立ち上がる時点)から、PFD_D信号が出力される。なお、REF信号(基準パルス)が入力されないので、PFD_U信号は出力されない。
【0063】
REF信号(第一入力信号)が入力されなくなってから所定の時間が経過すると、無入力状態検出器32の出力がHとなり、無入力検出信号が出力される。すると、OR回路34の出力がHとなり、リセット信号が出力される。リセット信号により、位相比較器14のVCO側フリップフロップ14bからの出力はLとなり、PFD_D信号の出力は停止される。
【0064】
もし、ここで、位相差パルス停止部30が無ければ、PFD_D信号が出力され続け、ループフィルタ18に負の電流が入力され続ける(ループフィルタ18から電荷が流れ去り続ける)。これにより、オペアンプ18aに、サチュレーション(飽和:Saturation)が生じてしまう。これは、オペアンプ18aがサチュレーションから復帰する際の、位相セトリングの悪化を招く。さらに、チャージポンプ回路16のスイッチ16b、16dの差動間の熱バランスに起因する位相セトリングの悪化を招く。
【0065】
しかし、第一の実施形態によれば、位相差パルス停止部30が有るので、リセット信号が立ち上がる時間t8になれば、PFD_D信号の出力が停止される。よって、PFD_D信号が出力され続ける時間を時間t7から時間t8までに抑えることができ、ループフィルタ18に負の電流が入力され続ける時間を削減できる。このようにして、チャージポンプ回路16にループフィルタ18から電流が流れ続けることを防止できる。
【0066】
第二の実施形態
第二の実施形態にかかるPLL回路1は、遅延素子2を備える点が、第一の実施形態にかかるPLL回路1とは異なる。
【0067】
図4は、本発明の第二の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。第二の実施形態にかかるPLL回路1は、遅延素子2、分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)20、分周器22、位相差パルス停止部30を備える。以後、第一の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0068】
分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器20、分周器22および位相差パルス停止部30は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0069】
遅延素子2は、第一入力信号(REF信号)を遅延させて、位相比較器14のREF側フリップフロップ14aに与える。ただし、位相差パルス停止部30の無入力状態検出器32に与えられる第一入力信号は、遅延素子2により遅延されていないものである。また、遅延素子2によって、第一入力信号が遅延する時間(遅延時間)をT1とする。
【0070】
次に、第二の実施形態の動作を説明する。
【0071】
図5は、第二の実施形態において、REF信号(第一入力信号)が入力されていない状態から入力されるようになったときの信号のタイムチャートである。なお、遅延後のREF信号とは、遅延素子2により遅延したREF信号を意味する。
【0072】
REF信号が遅延されて、位相比較器14のREF側フリップフロップ14aに与えられること以外は、第一の実施形態と特に差異は無い。
【0073】
なお、基準パルス(REF信号)が最初に入力された時点t1から、無入力状態検出器32が無入力状態を検出した無入力検出信号の出力を停止する時点t2までの時間をT2とする。また、T1=T2とする。
【0074】
図6は、第二の実施形態において、REF信号(第一入力信号)が入力されている状態から、入力されなくなるようになったときの信号のタイムチャートである。
【0075】
ここで、基準パルス(REF信号)が最後に入力された時点t9から、無入力状態検出器32が無入力状態を検出した無入力検出信号を出力する時点t10までの時間を検出応答時間とする。また、検出応答時間はT2に等しいものとする。
【0076】
時間t9の後でも、遅延素子2により遅延したREF信号が位相比較器14のREF側フリップフロップ14aに与えられ続ける。しかも、遅延したREF信号と、VCO信号とがほぼ同時に位相比較器14に与えられ続ける。よって、図2における時間t5以後と同様に、PFD_U信号とPFD_D信号とがわずかな時間だけ出力された後に、リセット信号が出力されて、PFD_U信号とPFD_D信号との出力が停止されるといったことを繰り返す。時間t7a(VCO信号(出力パルス)が、時間t9以後に初めて立ち上がる時点)以後も、同様に、この繰り返しが行われる。
【0077】
時間t10において、無入力状態検出器32の出力がHとなり、無入力検出信号が出力される。すると、時間t8において、OR回路34の出力がHとなり、リセット信号が出力される。リセット信号により、位相比較器14のVCO側フリップフロップ14bからの出力はLとなり、PFD_U信号とPFD_D信号との出力が停止される。
【0078】
第二の実施形態によれば、位相差パルス停止部30が有るので、リセット信号が立ち上がる時間t8になれば、PFD_U信号とPFD_D信号との出力が停止される。これは、第一の実施形態と同様な効果である。
【0079】
しかも、第二の実施形態によれば、遅延素子2によりREF信号を遅延させて位相比較器14に与えるので、時間t7aから時間t8までの間にPFD_D信号が出力され続けることを防止できる(PFD_D信号が断続的に出力される)。時間t7aは、もし遅延素子2により遅延が無ければ、第一の実施形態における時間t7に相当する。よって、時間t7から時間t8までPFD_D信号が出力され続ける第一の実施形態(図3参照)よりも、さらに有効にPFD_D信号が出力され続けることを防止できる。このようにして、第一の実施形態よりも、さらに有効にチャージポンプ回路16にループフィルタ18から電流が流れ続けることを防止できる。
【0080】
なお、検出応答時間T2と、遅延時間T1とは等しいと説明した。遅延時間T1が検出応答時間T2と等しいことが好ましいが、(遅延時間T1)>(検出応答時間T2)でも、かまわない。
【0081】
第三の実施形態
第三の実施形態にかかるPLL回路1は、PLL回路1の外部に配置された波形発生器12からREF信号が入力される点が、第一の実施形態にかかるPLL回路1と異なる。しかも、第三の実施形態にかかるPLL回路1は、無入力状態検出器32から無入力検出信号を得るのではなく、波形発生器12から無入力状態信号を得る点が、第一の実施形態にかかるPLL回路1と異なる。
【0082】
図7は、本発明の第三の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。第三の実施形態にかかるPLL回路1は波形発生器(基準パルス生成装置)12に接続される。第三の実施形態にかかるPLL回路1は、分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)20、分周器22、位相差パルス停止部30を備える。以後、第一の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0083】
分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器20および分周器22は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0084】
波形発生器(基準パルス生成装置)12は、REF信号(基準パルス)を生成する。しかも、波形発生器12は、REF信号(基準パルス)がPLL回路1に入力されていない無入力状態を示す無入力状態信号を出力する。なお、無入力状態信号は、第二の実施形態で説明した無入力検出信号と同様なものであり、第二の実施形態における検出応答時間T2をほぼ0にしたようなものである。
【0085】
第三の実施形態にかかる位相差パルス停止部30は、OR回路34を有する。
【0086】
OR回路34は、無入力状態信号とAND回路14cの出力とを受け、いずれか一方または双方がH(High)であるときに、Hのリセット信号を出力する。リセット信号は、REF側フリップフロップ14aおよびVCO側フリップフロップ14bのリセット端子に与えられる。
【0087】
これにより、OR回路34は、波形発生器(基準パルス生成装置)12から無入力状態信号(状態はH)を受け、リセット信号(状態はH)を出力し、REF側フリップフロップ14aおよびVCO側フリップフロップ14bのQ出力端子からの出力をLとする。すなわち、位相比較器14からの出力(位相差パルスであるPFD_U信号またはPFD_D信号)が停止される。
【0088】
第三の実施形態の動作は第一の実施形態と同様であり説明を省略する。ただし、時間t1と時間t2はほぼ同時である(図2参照)。しかも、時間t6(REF信号とVCO信号とが最後に同時に入力された時間)と時間t8(リセット信号が立ち上がる時間)はほぼ同時であり、時間t7(VCO信号が、時間t6以後に初めて立ち上がる時点)において、PFD_D信号が出力されないこととなる(図3参照)。
【0089】
第三の実施形態によれば、位相差パルス停止部30が有るので、リセット信号が立ち上がる時間t8になれば、PFD_U信号とPFD_D信号との出力が停止される。これは、第一の実施形態と同様な効果である。
【0090】
しかも、第三の実施形態によれば、時間t6と時間t8はほぼ同時であり、時間t7において、PFD_D信号が出力されないこととなる。よって、時間t7から時間t8までPFD_D信号が出力され続ける第一の実施形態(図3参照)よりも、さらに有効にPFD_D信号が出力され続けることを防止できる。このようにして、第一の実施形態よりも、さらに有効にチャージポンプ回路16にループフィルタ18から電流が流れ続けることを防止できる。
【0091】
なお、第三の実施形態の変形例として、無入力状態信号が波形発生器12から出力された後で、かつ無入力状態信号が波形発生器12から出力されている間に、無入力状態となるようにすることも考えられる。
【0092】
これにより、REF信号を止める時点は、無入力状態信号が波形発生器12から出力されている間であればよく、波形発生器12の回路設計の労力が軽減される。
【0093】
第四の実施形態
第四の実施形態にかかるPLL回路1は、波形発生器12を制御する波形発生制御部11から無入力状態信号を得る点が、第三の実施形態にかかるPLL回路1と異なる。
【0094】
図8は、本発明の第四の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。第四の実施形態にかかるPLL回路1は、基準パルス生成装置を構成する波形発生制御部11および波形発生器12に接続される。第四の実施形態にかかるPLL回路1は、分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)20、分周器22、位相差パルス停止部30を備える。以後、第三の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0095】
分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器20、分周器22および位相差パルス停止部30は、第三の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0096】
波形発生器(基準パルス生成装置)12は、REF信号(基準パルス)を生成する。
【0097】
波形発生制御部(基準パルス生成装置)11は、波形発生器12がREF信号(基準パルス)を生成するタイミングを制御する。しかも、波形発生制御部11は、REF信号(基準パルス)がPLL回路1に入力されていない無入力状態を示す無入力状態信号を出力する。なお、無入力状態信号は、第三の実施形態で説明した無入力状態信号と同様なものである。
【0098】
なお、波形発生制御部11は、電子回路として実現可能である。また、波形発生制御部11は、CPU、ハードディスク、メディア(フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROMなど)読み取り装置を備えたコンピュータに、プログラムを記録したメディアを読み取らせて、ハードディスクにインストールすることにより実現可能である。
【0099】
第四の実施形態の動作は第三の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0100】
第四の実施形態によれば、第三の実施形態と同様な効果を奏する。
【0101】
なお、第四の実施形態の変形例として、無入力状態信号が波形発生制御部11から出力された後で、かつ無入力状態信号が波形発生制御部11から出力されている間に、無入力状態となるようにすることも考えられる。
【0102】
これにより、REF信号を止める時点は、無入力状態信号が波形発生制御部11から出力されている間であればよく、波形発生制御部11の回路設計の労力が軽減される。
【0103】
第五の実施形態
第五の実施形態にかかるPLL回路1は、位相差パルス停止部がOR回路34にかえて、AND回路(位相差パルス中継部)36a、36bを有する点が、第一の実施形態にかかるPLL回路1とは異なる。
【0104】
図9は、本発明の第五の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。第五の実施形態にかかるPLL回路1は、分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)20、分周器22、無入力状態検出器32、AND回路(位相差パルス中継部)36a、36bを備える。以後、第一の実施形態と同様な部分は同様な番号を付して説明を省略する。
【0105】
分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器20、分周器22および無入力状態検出器32は、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0106】
ただし、位相比較器14のAND回路14cの出力が、REF側フリップフロップ14aおよびVCO側フリップフロップ14bのリセット端子に与えられる。AND回路14cの出力がH(High)であると、リセット信号が出力されていることになる。AND回路14cの出力がL(Low)であると、リセット信号が出力されていないことになる。
【0107】
また、無入力状態検出器32は、第一入力信号を受け、第一入力信号が所定の時間内でLであり続けると、L(Low)の無入力検出信号を出力する。無入力検出信号が出力されていない場合は、無入力状態検出器32の出力はH(High)となる。
【0108】
なお、無入力状態検出器32およびAND回路(位相差パルス中継部)36a、36bが、位相差パルス停止部を構成する。
【0109】
AND回路(位相差パルス中継部)36a、36bは、位相差パルス(PFD_U信号またはPFD_D信号)を受けて、チャージポンプ回路16へ与える。ただし、AND回路36a、36bは、無入力状態において、位相差パルスをチャージポンプ回路16へ与えない。より詳細には、AND回路36a、36bは、無入力状態検出器32による無入力状態の検出(無入力検出信号(状態はL))を受け、位相差パルスをチャージポンプ回路16へ与えないようにする。
【0110】
AND回路36aは、無入力状態検出器32の出力およびREF側フリップフロップ14aの出力を受け、両者がHである場合に、Hを出力する。その他の場合には、AND回路36aは、Lを出力する。
【0111】
よって、AND回路36aは、無入力状態検出器32による無入力状態の検出(無入力検出信号(状態はL))を受け、Lを出力する。これにより、REF側フリップフロップ14aから位相差パルスであるPFD_U信号が出力されていても、位相差パルス(PFD_U信号)がチャージポンプ回路16へ与えられない。
【0112】
一方、AND回路36aは、無入力状態検出器32により無入力状態が検出されない場合は、無入力状態検出器32の出力(状態はH)を受ける。よって、REF側フリップフロップ14aから位相差パルスであるPFD_U信号(状態はH)が出力されているときは、AND回路36aからHが出力される。したがって、無入力状態検出器32により無入力状態が検出されない場合は、AND回路36aは、位相差パルス(PFD_U信号)を受けて、チャージポンプ回路16へ与えることになる。
【0113】
AND回路36bは、無入力状態検出器32の出力およびVCO側フリップフロップ14bの出力を受け、両者がHである場合に、Hを出力する。その他の場合には、AND回路36bは、Lを出力する。
【0114】
よって、AND回路36bは、無入力状態検出器32による無入力状態の検出(無入力検出信号(状態はL))を受け、Lを出力する。これにより、VCO側フリップフロップ14bから位相差パルスであるPFD_D信号が出力されていても、位相差パルス(PFD_D信号)がチャージポンプ回路16へ与えられない。
【0115】
一方、AND回路36bは、無入力状態検出器32により無入力状態が検出されない場合は、無入力状態検出器32の出力(状態はH)を受ける。よって、VCO側フリップフロップ14bから位相差パルスであるPFD_D信号(状態はH)が出力されているときは、AND回路36bからHが出力される。したがって、無入力状態検出器32により無入力状態が検出されない場合は、AND回路36bは、位相差パルス(PFD_D信号)を受けて、チャージポンプ回路16へ与えることになる。
【0116】
次に、第五の実施形態の動作を説明する。
【0117】
REF信号(第一入力信号)が入力されていない状態から入力されるようになったときの信号の状態は、図2を参照して説明した第一の実施形態におけるPLL回路1の信号の状態とほぼ同様である。
【0118】
ただし、無入力検出信号のLとHは、図2に示す状態とは逆になる。すなわち、図2における時間t2より前は、無入力検出信号が出力され(出力状態はL(Low))、時間t2以後は、無入力検出信号が出力されない(出力状態はH(High))。無入力検出信号の状態にかかわらず、REF信号の出力後に、リセット信号はHとなる。
【0119】
また、チャージポンプ回路16へ与えられるPFD_U信号およびPFD_D信号の状態は、図2に示すPFD_U信号およびPFD_D信号の状態と同じものとなる。
【0120】
すなわち、時間t2より前は、無入力状態検出器32から無入力検出信号が出力され(出力状態はL)、AND回路36a、36bに与えられる。このため、AND回路36a、36bはLを出力し、チャージポンプ回路16へ与える。よって、PFD_U信号およびPFD_D信号はチャージポンプ回路16へは与えられない。
【0121】
また、時間t2以後は、無入力状態検出器32から無入力検出信号が出力されない。よって、無入力状態検出器32からHが出力され、AND回路36a、36bに与えられる。このため、REF側フリップフロップ14aから位相差パルスであるPFD_U信号(状態はH)が出力されているときは、AND回路36aからHが出力される。また、VCO側フリップフロップ14bから位相差パルスであるPFD_D信号(状態はH)が出力されているときは、AND回路36bからHが出力される。よって、時間t2以後は、位相比較器14からPFD_U信号およびPFD_D信号が出力されると、それらはチャージポンプ回路16へ与えられる。
【0122】
REF信号(第一入力信号)が入力されている状態から、入力されなくなるようになったときの信号の状態は、図3を参照して説明した第一の実施形態におけるPLL回路1の信号の状態とほぼ同様である。
【0123】
ただし、無入力検出信号のLとHは、図3に示す状態とは逆になる。すなわち、図3における時間t8(正確には、時間t8より少し前)において、無入力検出信号の状態がHからLに切り替わる。リセット信号は時間t8以後もLであり続ける。
【0124】
また、チャージポンプ回路16へ与えられるPFD_U信号およびPFD_D信号の状態は、図3に示すPFD_U信号およびPFD_D信号の状態と同じものとなる。
【0125】
すなわち、時間t8より前は、無入力状態検出器32から無入力検出信号が出力されない。よって、無入力状態検出器32からHが出力され、AND回路36a、36bに与えられる。このため、REF側フリップフロップ14aから位相差パルスであるPFD_U信号(状態はH)が出力されているときは、AND回路36aからHが出力される。また、VCO側フリップフロップ14bから位相差パルスであるPFD_D信号(状態はH)が出力されているときは、AND回路36bからHが出力される。よって、時間t8より前は、位相比較器14からPFD_U信号およびPFD_D信号が出力されると、それらはチャージポンプ回路16へ与えられる。
【0126】
また、時間t8以後は、無入力状態検出器32から無入力検出信号が出力され(出力状態はL)、AND回路36a、36bに与えられる。このため、AND回路36a、36bはLを出力し、チャージポンプ回路16へ与える。よって、PFD_U信号およびPFD_D信号はチャージポンプ回路16へは与えられない。
【0127】
もし、ここで、位相差パルス停止部が無ければ、PFD_D信号が出力され続け、ループフィルタ18に負の電流が入力され続ける(ループフィルタ18から電荷が流れ去り続ける)。これにより、オペアンプ18aに、サチュレーション(飽和:Saturation)が生じてしまう。これは、オペアンプ18aがサチュレーションから復帰する際の、位相セトリングの悪化を招く。さらに、チャージポンプ回路16のスイッチ16b、16dの差動間の熱バランスに起因する位相セトリングの悪化を招く。
【0128】
しかし、第五の実施形態によれば、(無入力状態検出器32およびAND回路(位相差パルス中継部)36a、36bを有する)位相差パルス停止部が有るので、無入力検出信号の状態がHからLに切り替わる時間t8になれば、VCO側フリップフロップ14bから位相差パルスであるPFD_D信号が出力されていても、位相差パルス(PFD_D信号)がチャージポンプ回路16へ与えられない。よって、PFD_D信号がチャージポンプ回路16に与えられ続ける時間を時間t7から時間t8までに抑えることができ、ループフィルタ18に負の電流が入力され続ける時間を削減できる。このようにして、チャージポンプ回路16にループフィルタ18から電流が流れ続けることを防止できる。
【0129】
第六の実施形態
第六の実施形態にかかるPLL回路1は、遅延素子2を備える点が、第五の実施形態にかかるPLL回路1とは異なる。
【0130】
図10は、本発明の第六の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。第六の実施形態にかかるPLL回路1は、遅延素子2、分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)20、分周器22、無入力状態検出器32およびAND回路(位相差パルス中継部)36a、36bを備える。以後、第五の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0131】
分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器20、分周器22、無入力状態検出器32およびAND回路(位相差パルス中継部)36a、36bは、第一の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0132】
遅延素子2は、第一入力信号(REF信号)を遅延させて、位相比較器14のREF側フリップフロップ14aに与える。ただし、位相差パルス停止部の無入力状態検出器32に与えられる第一入力信号は、遅延素子2により遅延されていないものである。また、遅延素子2によって、第一入力信号が遅延する時間(遅延時間)をT1とする。
【0133】
次に、第六の実施形態の動作を説明する。
【0134】
第六の実施形態において、REF信号(第一入力信号)が入力されていない状態から入力されるようになったときの信号の状態は、図5を参照して説明した第二の実施形態におけるPLL回路1の信号の状態とほぼ同様である。
【0135】
ただし、無入力検出信号のLとHは、図5に示す状態とは逆になる。すなわち、図5における時間t2より前は、無入力検出信号が出力され(出力状態はL(Low))、時間t2以後は、無入力検出信号が出力されない(出力状態はH(High))。無入力検出信号の状態にかかわらず、VCO信号の出力後に、リセット信号はHとなる。
【0136】
また、チャージポンプ回路16へ与えられるPFD_U信号およびPFD_D信号の状態は、図5に示すPFD_U信号およびPFD_D信号の状態と同じものとなる。REF信号が遅延されて、位相比較器14のREF側フリップフロップ14aに与えられること以外は、第五の実施形態と特に差異は無い。
【0137】
なお、基準パルス(REF信号)が最初に入力された時点t1から、無入力状態検出器32が無入力状態を検出した無入力検出信号の出力を停止する時点t2までの時間をT2とする。また、T1=T2とする。
【0138】
REF信号(第一入力信号)が入力されている状態から、入力されなくなるようになったときの信号の状態は、図6を参照して説明した第二の実施形態におけるPLL回路1の信号の状態とほぼ同様である。
【0139】
ただし、無入力検出信号のLとHは、図6に示す状態とは逆になる。すなわち、図6における時間t10において、無入力検出信号の状態がHからLに切り替わる。リセット信号は時間t8以後はLであり続ける。なお、時間t8以後に、無入力検出信号(状態はL)によって、AND回路36a、36bの出力がLになり続けるものとする。時間t10から時間t8までの時間は、AND回路36a、36bの処理等による遅延時間である。
【0140】
また、チャージポンプ回路16へ与えられるPFD_U信号およびPFD_D信号の状態は、図6に示すPFD_U信号およびPFD_D信号の状態と同じものとなる。
【0141】
ここで、基準パルス(REF信号)が最後に入力された時点t9から、無入力状態検出器32が無入力状態を検出した無入力検出信号を出力する時点t10までの時間を検出応答時間とする。また、検出応答時間はT2に等しいものとする。
【0142】
時間t9の後でも、遅延素子2により遅延したREF信号が位相比較器14のREF側フリップフロップ14aに与えられ続ける。しかも、遅延したREF信号と、VCO信号とがほぼ同時に位相比較器14に与えられ続ける。よって、図2における時間t5以後と同様に、PFD_U信号とPFD_D信号とがわずかな時間だけ出力された後に、リセット信号が出力されて、PFD_U信号とPFD_D信号との出力が停止されるといったことを繰り返す。時間t7a(VCO信号(出力パルス)が、時間t9以後に初めて立ち上がる時点)以後も、同様に、この繰り返しが行われる。
【0143】
しかも、時間t8までは(たとえ、時間t9以後でも)、無入力状態検出器32から無入力検出信号が出力されない。よって、無入力状態検出器32からHが出力され、AND回路36a、36bに与えられる。このため、REF側フリップフロップ14aから位相差パルスであるPFD_U信号(状態はH)が出力されているときは、AND回路36aからHが出力される。また、VCO側フリップフロップ14bから位相差パルスであるPFD_D信号(状態はH)が出力されているときは、AND回路36bからHが出力される。よって、時間t8までは(たとえ、時間t9以後でも)、位相比較器14からPFD_U信号およびPFD_D信号が出力されると、それらはチャージポンプ回路16へ与えられる。
【0144】
また、時間t8以後は、無入力状態検出器32から無入力検出信号が出力され(出力状態はL)、AND回路36a、36bに与えられる。このため、AND回路36a、36bはLを出力し、チャージポンプ回路16へ与える。よって、PFD_U信号およびPFD_D信号はチャージポンプ回路16へは与えられない。
【0145】
第六の実施形態によれば、位相差パルス停止部が有るので、時間t8になれば、PFD_U信号およびPFD_D信号はチャージポンプ回路16へは与えられない。これは、第五の実施形態と同様な効果である。
【0146】
しかも、第六の実施形態によれば、遅延素子2によりREF信号を遅延させて位相比較器14に与えるので、時間t7aから時間t8までの間にPFD_D信号がチャージポンプ回路16へ与えられ続けることを防止できる(PFD_D信号は断続的に与えられている)。時間t7aは、もし遅延素子2により遅延が無ければ、第一および第五の実施形態における時間t7に相当する。よって、時間t7から時間t8までPFD_D信号が出力され続ける第一の実施形態(図3参照)よりも、さらに有効にPFD_D信号がチャージポンプ回路16へ与えられ続けることを防止できる。このようにして、第一および第五の実施形態よりも、さらに有効にチャージポンプ回路16にループフィルタ18から電流が流れ続けることを防止できる。
【0147】
なお、検出応答時間T2と、遅延時間T1とは等しいと説明した。遅延時間T1が検出応答時間T2と等しいことが好ましいが、(遅延時間T1)>(検出応答時間T2)でも、かまわない。
【0148】
第七の実施形態
第七の実施形態にかかるPLL回路1は、PLL回路1の外部に配置された波形発生器12からREF信号が入力される点が、第五の実施形態にかかるPLL回路1と異なる。しかも、第七の実施形態にかかるPLL回路1は、無入力状態検出器32から無入力検出信号を得るのではなく、波形発生器12から無入力状態信号を得る点が、第五の実施形態にかかるPLL回路1と異なる。
【0149】
図11は、本発明の第七の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。第七の実施形態にかかるPLL回路1は波形発生器(基準パルス生成装置)12に接続される。第七の実施形態にかかるPLL回路1は、分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)20、分周器22、AND回路(位相差パルス中継部)36a、36bを備える。以後、第五の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0150】
分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器20および分周器22は、第五の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0151】
波形発生器(基準パルス生成装置)12は、REF信号(基準パルス)を生成する。しかも、波形発生器12は、REF信号(基準パルス)がPLL回路1に入力されていない無入力状態を示す無入力状態信号を出力する。なお、無入力状態信号は、第二の実施形態で説明した無入力検出信号と同様なものであり、第二の実施形態における検出応答時間T2をほぼ0にしたようなものである。ただし、無入力状態信号は、第二の実施形態で説明した無入力検出信号とはHighとLowとが逆転する。
【0152】
第七の実施形態にかかる位相差パルス停止部は、AND回路36a、36bを有する。
【0153】
AND回路36aは、無入力状態信号およびREF側フリップフロップ14aの出力を受け、両者がHである場合に、Hを出力する。その他の場合には、AND回路36aは、Lを出力する。
【0154】
これにより、AND回路36aは、波形発生器(基準パルス生成装置)12から無入力状態信号(状態はL)を受け、出力をLとする。すなわち、位相比較器14からの出力(位相差パルスであるPFD_U信号)をチャージポンプ回路16へ与えないようにする。
【0155】
AND回路36bは、無入力状態信号およびVCO側フリップフロップ14bの出力を受け、両者がHである場合に、Hを出力する。その他の場合には、AND回路36bは、Lを出力する。
【0156】
これにより、AND回路36bは、波形発生器(基準パルス生成装置)12から無入力状態信号(状態はL)を受け、出力をLとする。すなわち、位相比較器14からの出力(位相差パルスであるPFD_D信号)をチャージポンプ回路16へ与えないようにする。
【0157】
なお、波形発生器(基準パルス生成装置)12の出力がHである場合(無入力状態信号が出力されていない)、AND回路36a、36bが、PFD_U信号およびPFD_D信号を、チャージポンプ回路16へ与えることは、第五の実施形態と同様である。
【0158】
第七の実施形態の動作は第五の実施形態と同様であり説明を省略する。ただし、時間t1と時間t2はほぼ同時である(図2参照)。しかも、時間t6(REF信号とVCO信号とが最後に同時に入力された時間)と無入力状態信号が出力される時間とはほぼ同時であり、時間t7(VCO信号が、時間t6以後に初めて立ち上がる時点)において、PFD_D信号がチャージポンプ回路16へ与えられないこととなる(図3参照)。
【0159】
第七の実施形態によれば、位相差パルス停止部が有るので、無入力状態信号が出力される時間になれば、PFD_U信号とPFD_D信号とがチャージポンプ回路16へ与えられないこととなる。これは、第五の実施形態と同様な効果である。
【0160】
しかも、第七の実施形態によれば、時間t6と無入力状態信号が出力される時間とはほぼ同時であり、時間t7において、PFD_D信号が出力されないこととなる。よって、時間t7から時間t8までPFD_D信号が出力され続ける第一および第五の実施形態(図3参照)よりも、さらに有効にPFD_D信号が出力され続けることを防止できる。このようにして、第一および第五の実施形態よりも、さらに有効にチャージポンプ回路16にループフィルタ18から電流が流れ続けることを防止できる。
【0161】
なお、第七の実施形態の変形例として、無入力状態信号が波形発生器12から出力された後で、かつ無入力状態信号が波形発生器12から出力されている間に、無入力状態となるようにすることも考えられる。
【0162】
これにより、REF信号を止める時点は、無入力状態信号が波形発生器12から出力されている間であればよく、波形発生器12の回路設計の労力が軽減される。
【0163】
第八の実施形態
第八の実施形態にかかるPLL回路1は、波形発生器12を制御する波形発生制御部11から無入力状態信号を得る点が、第七の実施形態にかかるPLL回路1と異なる。
【0164】
図12は、本発明の第八の実施形態にかかるPLL回路1の構成を示す図である。第八の実施形態にかかるPLL回路1は、基準パルス生成装置を構成する波形発生制御部11および波形発生器12に接続される。第八の実施形態にかかるPLL回路1は、分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)20、分周器22、AND回路(位相差パルス中継部)36a、36bを備える。以後、第七の実施形態と同様な部分は同一の番号を付して説明を省略する。
【0165】
分周器13、位相比較器14、チャージポンプ回路16、ループフィルタ18、電圧制御発振器20、分周器22およびAND回路(位相差パルス中継部)36a、36bは、第七の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0166】
波形発生器(基準パルス生成装置)12は、REF信号(基準パルス)を生成する。
【0167】
波形発生制御部(基準パルス生成装置)11は、波形発生器12がREF信号(基準パルス)を生成するタイミングを制御する。しかも、波形発生制御部11は、REF信号(基準パルス)がPLL回路1に入力されていない無入力状態を示す無入力状態信号を出力する。なお、無入力状態信号は、第七の実施形態で説明した無入力状態信号と同様なものである。
【0168】
なお、波形発生制御部11は、電子回路として実現可能である。また、波形発生制御部11は、CPU、ハードディスク、メディア(フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROMなど)読み取り装置を備えたコンピュータに、プログラムを記録したメディアを読み取らせて、ハードディスクにインストールすることにより実現可能である。
【0169】
第八の実施形態の動作は第七の実施形態と同様であり説明を省略する。
【0170】
第八の実施形態によれば、第七の実施形態と同様な効果を奏する。
【0171】
なお、第八の実施形態の変形例として、無入力状態信号が波形発生制御部11から出力された後で、かつ無入力状態信号が波形発生制御部11から出力されている間に、無入力状態となるようにすることも考えられる。
【0172】
これにより、REF信号を止める時点は、無入力状態信号が波形発生制御部11から出力されている間であればよく、波形発生制御部11の回路設計の労力が軽減される。
【符号の説明】
【0173】
1 PLL回路
2 遅延素子
13 分周器
14 位相比較器
14a REF側フリップフロップ
14b VCO側フリップフロップ
14c AND回路
16 チャージポンプ回路
16a、16c 定電流源
16b、16d スイッチ
18 ループフィルタ
20 電圧制御発振器(VCO)
22 分周器
30 位相差パルス停止部
32 無入力状態検出器
34 OR回路
T1 遅延時間
T2 検出応答時間
11 波形発生制御部
12 波形発生器
36a、36b AND回路(位相差パルス中継部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準パルスの入力を受け、出力パルスを出力するPLL回路であって、
入力された電圧に応じた周波数の前記出力パルスを出力する電圧制御発振器と、
入力された電流に応じた電圧を前記電圧制御発振器に与えるループフィルタと、
第一入力信号と第二入力信号との位相差に応じた幅の位相差パルスを出力する位相比較器と、
前記位相差パルスを受けて、前記ループフィルタへの電流入力を行うチャージポンプ回路と、
前記基準パルスが入力されていない無入力状態において、前記チャージポンプ回路への前記位相差パルスの入力を停止させる位相差パルス停止部と、
を備え、
前記第一入力信号は、前記基準パルスに基づく信号であり、
前記第二入力信号は、前記出力パルスに基づく信号である、
PLL回路。
【請求項2】
請求項1に記載のPLL回路であって、
前記第一入力信号は、前記基準パルスそのもの、または前記基準パルスを分周したものであり、
前記第二入力信号は、前記出力パルスそのもの、または前記出力パルスを分周したものである、
PLL回路。
【請求項3】
請求項1に記載のPLL回路であって、
前記チャージポンプ回路は、
前記第二入力信号の周波数が前記第一入力信号の周波数よりも低いときは、前記ループフィルタに正の電流を入力し、
前記第二入力信号の周波数が前記第一入力信号の周波数よりも高いときは、前記ループフィルタに負の電流を入力する、
PLL回路。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のPLL回路であって、
前記位相差パルス停止部は、前記無入力状態において、前記位相比較器からの前記位相差パルスの出力を停止させる、
PLL回路。
【請求項5】
請求項4に記載のPLL回路であって、
前記位相差パルス停止部は、
前記基準パルスが入力されていない無入力状態を検出する無入力状態検出器を有し、
前記無入力状態検出器による前記無入力状態の検出を受け、前記位相比較器からの前記位相差パルスの出力を停止させる、
PLL回路。
【請求項6】
請求項5に記載のPLL回路であって、
前記第一入力信号を遅延させて、前記位相比較器に与える遅延素子、
を備えたPLL回路。
【請求項7】
請求項6に記載のPLL回路であって、
前記基準パルスが最後に入力された時点から、前記無入力状態検出器が前記無入力状態を検出した無入力検出信号を出力する時点までの時間を、検出応答時間としたときに、
前記遅延素子による遅延時間が、前記検出応答時間に等しいか、または長い、
PLL回路。
【請求項8】
請求項4に記載のPLL回路であって、
前記位相差パルス停止部は、
前記基準パルスを生成する基準パルス生成装置から、前記無入力状態を示す無入力状態信号を受けて、前記位相比較器からの前記位相差パルスの出力を停止させる、
PLL回路。
【請求項9】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のPLL回路であって、
前記位相差パルス停止部は、
前記位相差パルスを受けて、前記チャージポンプ回路へ与える位相差パルス中継部を有し、
前記位相差パルス中継部は、前記無入力状態において、前記位相差パルスを前記チャージポンプ回路へ与えない、
PLL回路。
【請求項10】
請求項9に記載のPLL回路であって、
前記位相差パルス停止部は、前記基準パルスが入力されていない無入力状態を検出する無入力状態検出器を有し、
前記位相差パルス中継部は、前記無入力状態検出器による前記無入力状態の検出を受け、前記位相差パルスを前記チャージポンプ回路へ与えないようにする、
PLL回路。
【請求項11】
請求項10に記載のPLL回路であって、
前記第一入力信号を遅延させて、前記位相比較器に与える遅延素子、
を備えたPLL回路。
【請求項12】
請求項11に記載のPLL回路であって、
前記基準パルスが最後に入力された時点から、前記無入力状態検出器が前記無入力状態を検出した無入力検出信号を出力する時点までの時間を、検出応答時間としたときに、
前記遅延素子による遅延時間が、前記検出応答時間に等しいか、または長い、
PLL回路。
【請求項13】
請求項9に記載のPLL回路であって、
前記位相差パルス中継部は、前記基準パルスを生成する基準パルス生成装置から、前記無入力状態を示す無入力状態信号を受けて、前記位相差パルスを前記チャージポンプ回路へ与えないようにする、
PLL回路。
【請求項14】
請求項8に記載のPLL回路であって、
前記無入力状態信号が前記基準パルス生成装置から出力されている間に、前記無入力状態となる、
PLL回路。
【請求項15】
請求項13に記載のPLL回路であって、
前記無入力状態信号が前記基準パルス生成装置から出力されている間に、前記無入力状態となる、
PLL回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−9965(P2011−9965A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150231(P2009−150231)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】