説明

PLL装置及びその制御方法

【課題】 基準入力期間に対して基準信号断期間が長期間継続しても、基準信号に同期して安定した信号を出力することが可能な、制御が容易で安価なPLL技術を提供する。
【解決手段】 基準発信源から入力される基準信号に対して所定の位相差を有する出力信号を生成するPLL装置は、前記基準信号と前記出力信号との位相を比較して、当該位相の位相差に対応する位相差信号を出力する比較手段と、基準となる位相差に対応する基準位相差信号を保持する保持手段と、前記位相差信号、又は、前記基準位相差信号を制御信号として選択する選択手段と、前記選択手段が選択した制御信号に応じた周波数の前記出力信号を発振して出力する発振手段と、を備え、前記選択手段は、前記基準発信源から前記基準信号が入力されている期間は前記位相差信号を選択し、前記基準発信源から前記基準信号が入力されていない期間は前記基準位相差信号を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はPLL装置及びその制御方法に関し、特に、基準信号が断続的に入力される場合においても、基準信号と所定の位相差を有する出力信号を継続的に生成するPLL回路に関する。
【背景技術】
【0002】
PLL(Phase Locked Loop)回路とは、入力される基準信号の位相に同期した信号を生成する電子回路である。PLL回路は周波数安定度の高い出力信号を生成できるため、幅広い分野で普及し使用されている。具体的用途としては、例えばAM(Amplitude Modulation)検波やFM(Frequency Modulation)復調、カラーテレビ受信部のクロマ回路、モータ制御等に使用されている。また近年では、携帯電話等の無線機の局部発振回路としてPLL周波数シンセサイザが多用されている。
【0003】
図10、図11は、一般的なPLL回路の構成例を示す図である。図10に示すPLL回路100は、位相比較器101及びLPF(Low-Pass Filter)102、電圧制御発振器103によって構成される。以下にPLL回路100を構成する各ブロックの動作について説明する。
【0004】
位相比較器101は、入力される基準信号1100と電圧制御発振器103が出力する出力信号1103との位相誤差に応じたパルス信号1101をLPF102に出力する。LPF102は、入力したパルス信号1101を積分及び平均化することで位相誤差情報を含んだ直流電圧に変換し、制御電圧1102として電圧制御発振器103に出力する。電圧制御発振器103は、入力した制御電圧1102に応じた周波数を有す信号を、出力信号1103として出力する。PLL回路は上記フィードバック制御系を構成することで、基準信号1100と同位相の出力信号1103を生成する。
【0005】
また、図11に示すPLL回路104のように、電圧制御発振器103から位相比較器101への帰還路に、1/N分周回路105を挿入することにより、位相比較器101は基準信号1100と帰還信号1105の位相誤差を出力する。このため、基準信号1100のN倍の周波数を有する出力信号1104を得ることができる。
【0006】
上記したPLL回路100及びPLL回路104は、基準信号が連続的に入力される場合において、安定した出力信号を生成することができる。しかし、基準信号が連続的ではなく断続的に入力される場合、PLL回路は基準信号が断状態の間(以後、基準信号断期間)、制御電圧に位相誤差情報を含ませることができない。そのため、基準信号と出力信号は同期外れを起こす可能性がある。
【0007】
断続的に入力される基準信号を用いて、基準信号と所定の位相差を持つ連続的な出力信号を生成するPLL回路の構成が、特許文献1に記載されている。図12は、特許文献1に記載されているPLL回路の構成を示す図である。図12のPLL回路110では、LPF112と電圧制御発振器114との間にサンプルホールド回路113が設けられている。また、サンプルホールド回路113にはサンプルホールド回路113の制御を行うパルス発生回路116が接続されている。このパルス発生回路116はサンプルホールド回路113が基準信号断期間中に、基準信号断期間前の制御電圧1112をアナログ値として保持するように制御する。そのため、基準信号断期間においても、ロック電圧と等価な制御電圧1113を電圧制御発振器114に入力することができ、基準信号1110と出力信号1114との同期外れを防止することができる。
【0008】
また、別の構成が特許文献2に記載されている。特許文献2はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直行周波数分割多重)復調における基準搬送波周波数再生方式に関する構成を開示している。特許文献2に記載のPLL回路では、断続的に入力される基準信号の電圧波形をアナログ的もしくはデジタル的に保持し、基準信号断期間においては、保持した基準信号を繰り返し再生することで擬似的な基準信号を作り出し、電圧制御発振器ループを構成する。以上の動作により、特許文献1と同様に、基準信号と出力信号との同期外れを防止することができる。
【0009】
また、特許文献2のOFDM復調における基準搬送波周波数再生方式の実施形態には、断続的に送信する基準信号と基準信号との間に有用なデータを送信する通信システムが記載されている。この構成によれば、基準信号入力期間は可能な限り短く、基準信号断期間は可能な限り長くすることで実効伝送速度を向上させることができる。また、基準信号入力期間を短くすることは、基準発信源の停止期間を長くでき、また位相比較器や分周回路に生じるスイッチング損失も低減することができるため、より省電力化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−4165号公報
【特許文献2】特開平10−303852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1のPLL回路110において、実際にはサンプルホールド回路113が保持する制御電圧1113は、基準信号断期間中に自然放電や電源電圧の変動等の要因によりロック電圧から外れていく。その結果、基準信号断期間が長期間継続した場合、基準信号断期間中に生じる基準信号と出力信号との位相誤差を、基準信号が入力される期間(以後、基準信号入力期間)内で追従することができなくなってしまう。そういった状況に陥ると制御電圧1113はロック電圧に収束することができず発振等を起こし、PLL回路110は基準信号1110と同期した出力信号1114を生成することができなくなるという課題がある。
【0012】
以下に、特許文献1のPLL回路110に生じる同期外れについて説明する。図13に示す2つのグラフ(A)、(B)は、基準信号入力期間初期に基準信号1110と帰還信号1115との間に位相誤差ΔΘが生じていた場合における、基準信号1110と帰還信号1115の位相の推移の例を示している。なお縦軸は位相(rad)、横軸は時間(s)であり、信号の傾きは、その瞬間における信号の角周波数(rad/sec)となる。ここでPLL回路110は、基準信号断期間中は基準信号入力期間中の制御電圧1112を保持して使用する。そのため、図13に示すように基準信号断期間においてPLL回路110の帰還信号1115は、基準信号入力期間から基準信号断期間に遷移する際の位相の傾き(角周波数)が保持されることになる。ゆえに基準信号断期間が比較的短期間であれば、基準信号断期間中に基準信号1110と帰還信号1115との間に位相誤差が生じたとしても、図13(A)に示すよう位相誤差は時間経過と共に収束していく。しかし基準信号断期間が長期間継続する場合は、図13(B)に示すよう位相誤差は時間経過と共に収束せず、発散してしまう。
【0013】
また、図14は、基準信号断期間中に基準信号1110と帰還信号1115との間に位相誤差が発生した場合における制御電圧1113の過渡応答波形例を示す簡易図である。基準信号断期間が比較的短期間であれば、図14(A)に示すように、制御電圧1113は時間経過とともにロック電圧に収束していく。しかし基準信号断期間が長期間継続する場合は、図14(B)に示すように制御電圧1113は収束せず、発散してしまう。
【0014】
特許文献2のPLL回路は、特許文献1のPLL回路と比較して、基準信号断期間に対する耐性力は高いと考えられる。しかし保持した基準信号の波形から位相的に連続した擬似的な基準信号を生成するためには、時間的な精度の高い制御が必須となる。このため、実現には高速なADC(Analog-to-Digital Converter)、DAC(Digital-to-Analog Converter)等の回路が必要となる。
【0015】
特許文献2には、さらに、断続的に入力される基準信号を保持し、また各基準信号の位相を検出して、それらの位相が揃うように加算を行う構成について記述されている。しかし、これを実現するためには、加算回路に加えて相当量のメモリが必要である。
【0016】
以上に説明したことをまとめると、特許文献1のPLL回路を用いれば、LPFとVCOとの間にサンプル/ホールド回路を設けることで、入力信号が入力されない期間でもサンプル/ホールド回路のホールド電圧を制御電圧として使用する。これにより、制御的に簡易で安価なPLL回路を構成することができるが、基準信号断期間が長期間継続した場合に、同期外れを起こすという課題がある。また、特許文献2のPLL回路を用いれば、基準信号断期間の時間長に対して耐性力の高いPLL回路を構成することはできるが、そのための制御が複雑であり、安価に構成することができないという課題がある。
【0017】
本発明は上記課題に鑑み、基準入力期間に対して基準信号断期間が長期間継続しても、基準信号に同期して安定した信号を出力することが可能な、制御が容易で安価なPLL技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、本発明によれば、基準発信源から入力される基準信号に対して所定の位相差を有する出力信号を生成するPLL装置であって、
前記基準信号と前記出力信号との位相を比較して、当該位相の位相差に対応する位相差信号を出力する比較手段と、
基準となる位相差に対応する基準位相差信号を保持する保持手段と、
前記位相差信号、又は、前記基準位相差信号を制御信号として選択する選択手段と、
前記選択手段が選択した制御信号に応じた周波数の前記出力信号を発振して出力する発振手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記基準発信源から前記基準信号が入力されている期間は前記位相差信号を選択し、前記基準発信源から前記基準信号が入力されていない期間は前記基準位相差信号を選択する
ことを特徴とするPLL装置が提供される。
【0019】
また、本発明によれば、基準発信源から入力される基準信号に対して所定の位相差を有する出力信号を生成するPLL装置の制御方法であって、
前記基準信号と前記出力信号との位相を比較して、当該位相の位相差に対応する位相差信号を出力する比較工程と、
前記位相差信号、又は、保持手段に保持された基準となる位相差に対応する基準位相差信号を、制御信号として選択する選択工程と、
前記選択工程において選択された制御信号に応じた周波数の前記出力信号を発振して出力する発振工程と、
を備え、
前記選択工程においては、前記基準発信源から前記基準信号が入力されている期間は前記位相差信号を選択し、前記基準発信源から前記基準信号が入力されていない期間は前記基準位相差信号を選択する
ことを特徴とするPLL装置の制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、基準入力期間に対して基準信号断期間が長期間継続しても、基準信号に同期して安定した信号を出力することが可能な、制御が容易で安価なPLL技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】PLL回路の構成例を示す図である。
【図2】基準信号、制御電圧、ゲート信号、及びラッチ信号の電圧波形例を示した簡易図である。
【図3】PLL回路における基準信号と帰還信号の位相変移の例を示す模式図である。
【図4】制御電圧の過渡応答波形の例を簡易に示した図である。
【図5】PLL回路の構成例を示す図である。
【図6】ラッチ回路に保持するデジタルデータがロック電圧から外れた場合における制御電圧の定常状態での電圧波形の例を示す簡易図である。
【図7】PLL回路の構成例を示す図である。
【図8】ロック電圧を保持するLPFの構成例を示す図である。
【図9】基準信号、ゲート信号、及び出力信号の電圧波形例を示した簡易図である。
【図10】PLL回路の構成例を示す図である。
【図11】PLL回路の構成例を示す図である。
【図12】PLL回路の構成例を示す図である。
【図13】基準信号入力期間初期に基準信号と帰還信号との間に位相誤差が生じていた場合における、基準信号と帰還信号の位相の推移の例を示す図である。
【図14】基準信号断期間中に基準信号と帰還信号との間に位相誤差が発生した場合における制御電圧の過渡応答波形例を示す簡易図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0023】
<<実施形態1>>
以下に本発明の実施形態に係るPLL(Phase Locked Loop)回路について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態1に係るPLL回路の構成例を示す図である。また図2は、基準信号1000、制御電圧1003、制御信号生成部9が出力するゲート信号1009及びラッチ信号1010の電圧波形の例を示した簡易図である。
【0024】
本実施形態1のPLL回路1は、従来のPLL回路104(図11)に加えて、LPF(Low-Path Filter)3と電圧制御発振器4との間に
・ADC(Analog-Digital Converter)6。
・ラッチ回路7。
・DAC(Digital-Analog Converter)8。
・セレクタ10。
・各ブロックの動作を制御する制御信号生成部9。
が設置されている。
【0025】
また、図2に示すように基準信号を入力する前に、PLL回路1の引き込み時間より長い時間長を有する長期間基準信号を入力する。ここでセレクタ10は、ゲート信号1009がHighの時にLPF出力信号1002を選択、Lowの時にDAC出力信号1008を選択し、制御電圧1003として出力する。またラッチ回路7は、ラッチ信号1010の立ち上がりエッジに同期して、ADC6から出力されるデジタルデータを保持する。また、ラッチ回路7の後段にはDAC8が接続されており、ラッチ回路7から出力されるデジタルデータをアナログ信号に変換して出力する。なお長期間基準信号と基準信号は同一の基準信号発振源から生成されているものとする。
【0026】
以下に、本実施形態1のPLL回路1における各ブロックの動作について説明する。まず、長期間基準信号がPLL回路1に入力される期間(以後、長期間基準信号入力期間)におけるPLL回路1の動作について説明する。長期間基準信号入力期間において制御信号生成部9は、長期間基準信号の電力検知を行い、長期間基準信号の受信を検知したらゲート信号1009をHighに制御する。そのため、セレクタ10は、LPF出力信号1002を選択し、制御電圧1003として電圧制御発振器4に出力する。上記動作によりPLL回路1は、フィードバック制御を行う一般的なPLL回路の系となる。このときADC6は、入力される制御電圧1003(LPF出力信号1002)を所定の時間間隔でアナログ信号からデジタル信号に変換し、ADC出力信号1006としてラッチ回路7に出力する。
【0027】
ここで長期間基準信号はPLL回路1が持つ引き込み時間以上の時間幅を有する。そのため、PLL回路1は長期間基準信号の入力開始時刻から引き込み時間経過後から長期間基準信号の終了時刻までの期間は、長期間基準信号1000と出力信号1004が同期する期間(以後、同期期間)となる。また、この同期期間における制御電圧1003はロック電圧となる。このロック電圧の電圧値を保持すべく、同期期間中に制御信号生成部9はパルス状のラッチ信号1010を出力する。ラッチ信号1010を受信したラッチ回路7は、受信した時点(図2のa点)でADC出力信号1006を保持する。上記動作により、ラッチ回路7はロック電圧のデジタルデータを保持する。なお、本実施形態1において、ラッチ回路7が保持する値は、長期間基準信号期間末における同期期間中の制御電圧が唯一であり、以降に入力される基準信号において更新は行わない。この点が特許文献1及び特許文献2記載のPLL回路と異なる。
【0028】
次に、基準信号断期間におけるPLL回路1の動作について説明する。制御信号生成部9は、基準信号の電力検知を行い、基準信号が検知されない期間(基準信号断期間)は、ゲート信号1009をLowに制御する。そのため、セレクタ10は、DAC出力信号1008を選択し、制御電圧1003として電圧制御発振器4に出力する。ここでDAC出力信号1008は、ラッチ回路7が保持するデジタルデータをアナログ信号に変換したものである。そのため、DACの分解能に依存するが、DAC出力信号1008はロック電圧とほぼ等価である。それゆえ、基準信号断期間において、以後ロック電圧とほぼ等しい制御電圧1003を電圧制御発振器4に入力することができ、その結果基準信号断期間中でも基準信号1000と帰還信号1005との位相差を一定に保持することができる。
【0029】
最後に基準信号入力期間におけるPLL回路1の動作について説明する。制御信号生成部9は、基準信号の電力検知を行い、基準信号が検知される期間(基準信号入力期間)は、制御信号生成部9はゲート信号1009をHighに制御する。そのため、セレクタ10は、LPF出力信号1002を選択し、制御電圧1003として電圧制御発振器4に出力する。この動作によりPLL回路1は、長期間基準信号入力期間と同様、フィードバック制御を行う一般的なPLL回路の系となる。ゆえに、基準信号入力期間では、基準信号断期間中に位相ノイズや電源電圧の変動等により生じた基準信号1000と帰還信号1005との位相誤差を補正することができる。以上が本実施形態1に係るPLL回路1の基本動作に関する説明である。
【0030】
次に、本実施形態1に係るPLL回路1の効果について説明する。PLL回路1は上述したように、基準信号入力期間では一般的なPLL回路動作を行い、基準信号断期間では、ロック電圧とほぼ等価な制御電圧1003を電圧制御発振器4に入力する。そのため、帰還信号1005は、基準信号入力期間では基準信号1000との位相誤差を追従することができ、基準信号断期間では基準信号1000との位相誤差を一定に保つことができる。ゆえに、基準信号入力期間が充分な長さでなくとも、図3に示すよう帰還信号1005と基準信号1000との位相誤差を時間経過と共に収束させることが可能であり、図13(B)に示したような不安定な状態に陥ることを防ぐことができる。ここで、図3はPLL回路における基準信号と帰還信号の位相変移の例を示す模式図である。
【0031】
また、図4は、基準信号断期間中に基準信号1000と帰還信号1005との間に位相誤差が発生した場合における制御電圧1003の過渡応答波形の例を簡易に示した図である。本実施形態1に係るPLL回路1を用いれば、基準信号入力期間が充分な長さでなくとも、図14(B)のように発散することなく、時間経過と共にロック電圧に収束させることができる。つまり、本実施形態1に係るPLL回路を用いれば、基準信号断期間の時間が長くても、従来のPLL回路と比較して安定して基準信号に同期して安定した信号を出力することが可能である。
【0032】
なお本実施形態1では、基準信号を断続的に入力する前に長期間基準信号を入力することで、ラッチ回路7に保持するロック電圧の探索を行った。しかし事前に基準信号に対するロック電圧を把握していた場合は、メモリ等にロック電圧の電圧値を保持させておき、基準信号断期間に読み出す構成であってもよい。また本実施形態1においてゲート信号は、基準信号の電力検知を行うことで制御したが、基準信号入力期間及び基準信号断期間の時間幅が事前に所定の長さで規定されていれば、カウンターやタイマーを用いて制御することもできる。その方法については後述の実施形態3で示す。
【0033】
上記のように、本実施形態では、基準発信源から入力される基準信号に対して所定の位相差を有する出力信号を生成するPLL装置を説明した。このPLL装置は、基準となる位相差に対応する基準位相差信号を保持するためのラッチ回路を有している。このPLL装置は、基準信号と出力信号との位相を比較して、当該位相の位相差に対応する位相差信号を出力し、位相差信号、又は、基準位相差信号を制御信号として選択し、選択した制御信号に応じた周波数の出力信号を発振して出力する。ここで、基準発信源から基準信号が入力されている期間は位相差信号を選択し、基準発信源から基準信号が入力されていない期間は基準位相差信号を選択する。このように本実施形態では、間欠的に到来する基準信号入力期間に位相差信号を記憶していくのではなく、予め基準位相差信号を保持しておき、基準信号の入力の有無に応じて、そのときの位相差信号、又は、基準位相差信号を制御信号として選択して使用する。このため、基準信号断期間の時間が長くても、基準信号に同期して安定した信号を出力することが可能である。また、本実施形態の構成は回路構成が複雑でないため、安価に作成することができる。
【0034】
また、本実施形態では、予め定められた長さの期間継続して基準信号が入力された後における位相差信号を基準位相差信号として保持して使用する。このため、理想的な値の基準位相差信号を用いて安定動作させることができる。
【0035】
また、本実施形態では、基準位相差信号をデジタル形式で保持する。このため、基準位相差信号の値が劣化するのを極力防止することができる。
【0036】
また、本実施形態では、電圧制御発振器4が出力した出力信号の周波数を変換して分周する分周回路5を備え、位相比較器2は基準信号と分周された出力信号との位相を比較して、当該位相の位相差に対応する位相差信号を出力する。このため、基準信号の周波数に関わらず、様々な周波数の信号を安定的に出力することができる。
【0037】
<<実施形態2>>
更に、ラッチ回路7に保持するデジタルデータを補正する構成要素を設ければ、ラッチ回路7に保持するデジタルデータが電圧制御発振器の温度特性変化等によってロック電圧から外れてしまったとしても補正することができ、高精度なPLL回路を実現できる。
【0038】
本実施形態2では、ラッチ回路7に保持するデジタルデータを補正可能な構成要素を備えたPLL回路について説明する。図5は、実施形態2に係るPLL回路の構成例を示す図である。図5に示すPLL回路20は、図1に示したPLL回路1に、差分電圧計測部21と保持電圧補正部22、そして加算/減算器23を加えた構成となっている。
【0039】
ここでPLL回路20について説明を行う前に、PLL回路1にてラッチ回路7に保持するデジタルデータがロック電圧から外れてしまった場合における制御電圧1003の電圧波形について説明する。図6は、ラッチ回路7に保持するデジタルデータがロック電圧から外れた場合における制御電圧1003の定常状態での電圧波形の例を示す簡易図である。
【0040】
図6(A)に示すように、もしラッチ回路7に保持するデジタルデータ、つまり基準信号断期間中の制御電圧1003(DAC出力信号1008)が、ロック電圧より上の電圧値をとっていたとする。この場合、基準信号入力期間中の制御電圧1003(LPF出力信号1002)は、基準信号断期間に生じた位相誤差の補正を行うため、基準信号断期間の制御電圧1003とは逆にロック電圧より下の電圧値をとる。一方、ラッチ回路7に保持するデジタルデータが、ロック電圧より下の電圧値をとっていた場合は、図6(B)に示すように、基準信号入力期間の制御電圧1003は、ロック電圧より上の電圧値をとる。
【0041】
このように、ラッチ回路7に保持するデジタルデータがロック電圧から外れた場合、基準信号入力期間と基準信号断期間とで制御電圧の電圧値に差分(以後、差分電圧)が生じることとなる。またラッチ回路7に保持するデジタルデータがロック電圧から離れるほど差分電圧は大きくなり、逆にラッチ回路7に保持するデジタルデータがロック電圧に近づくほど差分電圧は小さくなる。そしてラッチ回路7に保持するデジタルデータがロック電圧に一致すれば、差分電圧は理論上0になる。本実施形態2の構成ではこのような差分電圧の特性を利用して、ラッチ回路7に保持するデジタルデータの補正を行う。
【0042】
図5に示すPLL回路20の差分電圧計測部21は、基準信号入力期間及び基準信号断期間での制御電圧1003、即ち基準信号入力期間中のLPF出力信号1002と基準信号断期間中のDAC出力信号1009の電圧値を計測し、両者の差分電圧を算出する。そして、差分電圧計測部21は、その差分電圧を所定の時間間隔で、保持電圧補正部22に差分電圧信号1011として出力する。なお本実施形態において差分電圧信号1011は、次の式により定義される。:
差分電圧信号1011 = 基準信号断期間中のDAC出力信号1008の電圧値 − 基準信号入力期間中のLPF出力信号1002の電圧値
保持電圧補正部22は入力した差分電圧信号1011を元に、ラッチ回路7が保持するデジタルデータとロック電圧とのズレを判定し、ラッチ回路7が保持するデジタルデータに対する補正項を決定する。そしてその補正項をデジタル信号に変換し、補正信号1012として加算/減算回路23に出力する。
【0043】
ここで、補正信号1012について簡単に説明する。保持電圧補正部22は、例えば入力された差分電圧信号1011が所定の閾値以上であると判定した場合は、現在出力中の補正信号1012から所定値だけ減算した値を新規の補正信号1012として出力する。また逆に、入力された差分電圧信号1011が所定の閾値以下であると判定した場合は、現在出力中の補正信号1012から所定値だけ加算した値を新規の補正信号1012として出力する。
【0044】
そして加算/減算回路23は、ラッチ回路7からのデジタルデータ1007と補正信号1012について、加算もしくは減算を行い、DAC8に出力する。以上、上記した3つのブロックを実施形態1に係るPLL回路1に追加することで、DAC8に入力されるデジタルデータの補正を行うことができ、結果としてラッチ回路7に保持するデジタルデータを補正することなる。なお、差分電圧計測部21、保持電圧補正部22及び加算/減算器23以外のブロックについては、実施形態1に係るPLL回路1の動作と同様であるため、詳細については省略する。
【0045】
上記動作により、ラッチ回路7に保持するデジタルデータが外部的もしくは内部的要因によりロック電圧から外れた場合においても、ロック電圧に収束するよう補正を行うことが可能となる。なお本実施形態2では、基準信号入力期間の制御電圧1003(LPF出力信号1002)と基準信号断期間の制御電圧1003(DAC出力信号1008)との差分電圧を求めることにより補正信号1012を決定したが、これに限られない。例えば、基準信号入力期間の制御電圧1003(LPF出力信号1002)をデジタル信号に変換したデジタルデータとラッチ回路7が保持するデジタルデータとの差分値で補正信号1012を決定してもよい。
【0046】
上記のように、本実施形態では、基準信号が入力されている期間における位相差信号と、保持している基準位相差信号との差分を計測し、この差分に基づいて保持している基準位相差信号を補正する。このため、実施形態2に係るPLL回路20は、実施形態1として記述したPLL回路1の効果に加え、ラッチ回路7が保持するデジタルデータがロック電圧から外れたとしてもロック電圧の電圧値に収束するよう補正を行うことができる。
【0047】
また、本実施形態の構成では、所定値を基準位相差信号に加算又は減算することにより、この基準位相差信号を補正する。このため、簡易で安価な構成で実現することができる。
【0048】
<<実施形態3>>
上記の実施形態1及び実施形態2ではラッチ回路を用いてロック電圧をデジタル形式で保持した。本実施形態ではラッチ回路の代わりとして、長い時定数を有するLPFを用いることで、ロック電圧をアナログ形式で保持することを特徴とするPLL回路について説明する。
【0049】
図7に実施形態3に係るPLL回路の構成例を示す。図7に示すPLL回路30は、図1に示したPLL回路1を構成するADC6、ラッチ回路7、DAC8をLPF31、SW32に代えた構成となっている。
【0050】
ここでLPF31は基準信号入力期間と比較して十分に長い時定数を有するLPFであり、例えば図8に示す抵抗32、コンデンサ33及びボルテージ・フォロアを構成するオペアンプ34により構成される。ボルテージ・フォロア34は、抵抗32とコンデンサ33が、LPF3の特性に影響を与えないよう設置されている。またSW32は、ゲート信号1009がHighの期間(基準信号入力期間)はON状態となり、LPF31に制御電圧1003を入力するよう制御する。また、ゲート信号1009がLowの期間(基準信号断期間)はOFF状態となり、LPF31の入力端がハイインピーダンスとなるよう制御される。ここで電圧制御発振器4の入力インピーダンスもハイインピーダンスの為、基準信号断期間はコンデンサ33の電荷は保持される。また制御信号部35は、基準信号1000の電力検知を行う電力検知部、及び出力信号1004のクロックをカウントするカウンタ−を有しており、電力検知結果もしくはカウンターのカウント値に応じてゲート信号を生成する。なおLPF31、SW32、制御信号部35以外のブロックについては、実施形態1に係るPLL回路1の動作と同様であるため、詳細については省略する。
【0051】
ここで本実施形態に係るPLL回路30の動作について説明を行う前に、本実施形態における基準信号期間と基準信号断期間の時間幅について説明する。図9は、基準信号1000、ゲート信号1009、及び出力信号1004の電圧波形の一例を簡易的に示した図である。基準信号期間の時間幅は基準信号1000のクロック周期のN倍とし、また基準断信号期間の時間幅は基準信号1000のクロック周期のM倍と事前に規定されているものとする。また基準信号期間と基準断信号期間は図のように、長期間基準信号期間後、交互に存在するものとする。つまり長期間基準信号期間後、基準信号は一定の期間、一定の間隔で断続的に入力され、その時間幅は事前に規定されている。なお図9では説明の便宜上、分周回路5の分周率が1の場合の電圧波形を図示したが、これに限らず、1以上の整数値であればどのような分周値をとっても良い。
【0052】
以上を踏まえて、本実施形態に係るPLL回路30の動作について説明する。まず長期間基準信号入力期間におけるPLL回路30の動作について説明する。長期間基準信号入力期間において制御信号生成部9は、実施形態1と同様、例えば長期間基準信号の受信を検知したらゲート信号1009をHighに制御する。そのため、セレクタ10は、LPF出力信号1002を選択し、制御電圧1003として電圧制御発振器4に出力する。上記動作によりPLL回路30は、フィードバック制御を行う一般的なPLL回路の系となる。またSW32はON状態となり、LPF31には制御電圧1003(LPF出力信号1002)が入力される。ここで長期間基準信号の時間幅は、実施形態1及び実施形態2の長期間基準信号とは異なり、LPF31のコンデンサ33にロック電圧(PLL回路30の引き込み時間経過後の制御電圧1003)が充電されるまでに有する時間以上であるものとする。つまり長期間基準信号が終了するまでに、LPF31のコンデンサ33にロック電圧とほぼ等価な電圧が保持されることとなる。
【0053】
次に、基準信号断期間におけるPLL回路30の動作について説明する。制御信号生成部9は、長期間基準信号の受信が検知されなくなった時点、つまり長期間基準信号が終了した時点(図9のb点)で、入力される出力信号1004の例えば立ち上がりエッジを0からカウントし始め、同時にゲート信号1009をLowに制御する。ゲート信号1009がLowに制御されると、セレクタ10はLPF出力信号1015(LPF31のコンデンサ33が保持する電圧)を選択し、制御電圧1003として電圧制御発振器4に出力する。またSW32はOFF状態となる為、LPF31のコンデンサ33の電荷は保たれる為、LPF31が出力するLPF出力信号1015はロック電圧とほぼ等価となる。それゆえ、基準信号断期間において、以後ロック電圧とほぼ等しい制御電圧1003を電圧制御発振器4に入力することができる。その結果、実施形態1と同様、基準信号断期間中でも基準信号1000と帰還信号1005との位相差を一定に保持することができる。
【0054】
次に、基準信号入力期間におけるPLL回路30の動作について説明する。制御信号生成部9はカウント値がMとなると、ゲート信号1009をHighに制御する(図9のc点)。そしてカウント値を0に戻して、再び出力信号1004をカウントし始める。基準信号1000と出力信号1004の同期が保たれていれば、ゲート信号1009をHighに制御した時点で、基準信号入力期間となり、基準信号がPLL回路30に入力される。セレクタ10は、ゲート信号1009がHighになると、LPF出力信号1002を選択し、制御電圧1003として電圧制御発振器4に出力する。この動作によりPLL回路30は、長期間基準信号入力期間と同様、フィードバック制御を行う一般的なPLL回路の系となる。ゆえに実施形態1と同様、基準信号断期間中に位相ノイズや電源電圧の変動等により生じた基準信号1000と帰還信号1005との位相誤差を補正することができる。またこのときSW32はON状態となり、LPF31にはLPF出力信号1002が入力される。LPF31の時定数は基準信号入力期間と比較して十分に長い為、基準信号入力期間中においてLPF出力信号1015はLPF出力信号1002にほとんど影響を受けない。
【0055】
ここでもしロック電圧が電圧制御発信器の温度特性等の影響により変化した場合について考える。仮にLPF31が出力するLPF出力信号1015が、ロック電圧より上の電圧値を取っていたとする。この場合、実施形態2でも説明したように、基準信号入力期間中の制御電圧1003(LPF出力信号1002)は、図6(A)に示したように、基準信号断期間に生じた位相誤差の補正を行う。このため、基準信号断期間の制御電圧1003(LPF出力信号1015)とは逆にロック電圧より下の電圧値をとる。一方、LPF出力信号1015がロック電圧より下の電圧値をとっていた場合は、図6(B)に示したように、基準信号入力期間の制御電圧1003(LPF出力信号1002)は、ロック電圧より上の電圧値をとる。LPF31の時定数は基準信号入力期間と比較して十分に長い為、基準信号入力期間中においてLPF出力信号1015の電圧値はLPF出力信号1002の電圧値と一致はしないが微小ながら近づく。それゆえLPF出力信号1015は正規のロック電圧に近づくこととなる。つまり、本実施形態に係るPLL回路30は電圧制御発信器の温度特性等によるロック電圧の変動に追従することができる。なお、本実施形態ではSW32をセレクタ10とLPF31の間に設けたが、ここに限らず、例えば位相比較器2とLPF3との間に設けても良い。また基準信号入力期間中にLPF31に入力する信号は、制御電圧1003ではなく位相比較器2の出力である出力信号1001であっても良い。
【0056】
また制御信号生成部9はカウント値がNとなるとゲート信号1009をLowに制御する(図9のd点)。そしてカウント値を0に戻して、再び出力信号1004をカウントする。そしてカウント値がMとなるとゲート信号1009をHighに制御する(図9のe点)。以上のような動作を繰り返すことで、制御信号生成部9は、長期間基準信号以降は電力検知を行うことなく、基準信号入力期間と基準信号断期間を判定することができ、それに応じてゲート信号1009を制御することができる。
【0057】
上記のように、本実施形態では、基準位相差信号を保持する保持手段として非常に長い時定数を有するLPFを用い、基準信号が入力される期間における位相差信号を上記LPFに入力するよう制御することで基準位相差信号を徐々に補正する。このため実施形態3に係るPLL回路30は、実施形態2と比較して長い長期基準信号期間が必要となるが、実施形態2よりも簡易で安価な構成で電圧制御発振器の温度特性変化等によるロック電圧の変動にも対応することができる。
【0058】
上述のPLL回路およびその制御方法によれば、基準信号断期間中は、帰還信号と基準信号との位相誤差を一定に留め、基準信号入力期間でのみ、帰還信号と基準信号との位相誤差を追従させる。このため、従来のPLL回路と比較して基準信号断期間の時間長に対して耐性力が高く、かつ制御的に容易で安価なPLL回路を構成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準発信源から入力される基準信号に対して所定の位相差を有する出力信号を生成するPLL装置であって、
前記基準信号と前記出力信号との位相を比較して、当該位相の位相差に対応する位相差信号を出力する比較手段と、
基準となる位相差に対応する基準位相差信号を保持する保持手段と、
前記位相差信号、又は、前記基準位相差信号を制御信号として選択する選択手段と、
前記選択手段が選択した制御信号に応じた周波数の前記出力信号を発振して出力する発振手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記基準発信源から前記基準信号が入力されている期間は前記位相差信号を選択し、前記基準発信源から前記基準信号が入力されていない期間は前記基準位相差信号を選択する
ことを特徴とするPLL装置。
【請求項2】
前記保持手段は、予め定められた長さの期間継続して前記基準信号が入力された後に前記比較手段が出力する位相差信号を前記基準位相差信号として保持する
ことを特徴とする請求項1に記載のPLL装置。
【請求項3】
前記保持手段は前記基準位相差信号をデジタル形式で保持することを特徴とする請求項1又は2に記載のPLL装置。
【請求項4】
前記基準信号が入力されている期間における前記位相差信号と、前記保持手段が保持している前記基準位相差信号との差分を計測する計測手段と、
前記差分に基づいて前記保持手段が保持している前記基準位相差信号を補正する補正手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のPLL装置。
【請求項5】
前記補正手段は、所定値を前記基準位相差信号に加算又は減算することにより、該基準位相差信号を補正することを特徴とする請求項4に記載のPLL装置。
【請求項6】
前記保持手段は、前記基準信号が入力されている期間と前記基準信号が入力されていない期間との少なくともいずれかと比較して長い時定数を有するLPFで構成することを特徴とする請求項1又は2に記載のPLL装置。
【請求項7】
前記発振手段が出力した前記出力信号の周波数を変換して分周する分周手段をさらに備え、
前記比較手段は、前記基準信号と前記分周された出力信号との位相を比較して、当該位相の位相差に対応する前記位相差信号を出力する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のPLL装置。
【請求項8】
基準発信源から入力される基準信号に対して所定の位相差を有する出力信号を生成するPLL装置の制御方法であって、
前記基準信号と前記出力信号との位相を比較して、当該位相の位相差に対応する位相差信号を出力する比較工程と、
前記位相差信号、又は、保持手段に保持された基準となる位相差に対応する基準位相差信号を、制御信号として選択する選択工程と、
前記選択工程において選択された制御信号に応じた周波数の前記出力信号を発振して出力する発振工程と、
を備え、
前記選択工程においては、前記基準発信源から前記基準信号が入力されている期間は前記位相差信号を選択し、前記基準発信源から前記基準信号が入力されていない期間は前記基準位相差信号を選択する
ことを特徴とするPLL装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−206720(P2010−206720A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52555(P2009−52555)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】