PTPシート搬送装置
【課題】構造の簡素化や、集積形態の切り替え作業の簡素化等を図ることのできるPTPシート搬送装置を提供する。
【解決手段】PTPシート搬送装置11は反転装置12を備え、反転装置12にはハウジング16の周囲に90度間隔で、固定クランプ装置21Aと可動クランプ装置21Bとが1つおきに交互に設けられている。ハウジング16の駆動軸14の傘歯車27と、これに噛合する可動クランプ装置21Bの回動軸18の傘歯車26とのギア比が2:1に設定されている。所定の受取り位置P1から反転装置12回りに90度回転した第1受渡し位置P2には、1枚おきに表裏反転したPTPシート1を順次受取る第1受取り装置13Aが設けられ、受取り位置P1から反転装置12回りに180度回転した第2受渡し位置P3には、常に同じ向きでPTPシート1を受取る第2受取り装置13Bが設けられている。
【解決手段】PTPシート搬送装置11は反転装置12を備え、反転装置12にはハウジング16の周囲に90度間隔で、固定クランプ装置21Aと可動クランプ装置21Bとが1つおきに交互に設けられている。ハウジング16の駆動軸14の傘歯車27と、これに噛合する可動クランプ装置21Bの回動軸18の傘歯車26とのギア比が2:1に設定されている。所定の受取り位置P1から反転装置12回りに90度回転した第1受渡し位置P2には、1枚おきに表裏反転したPTPシート1を順次受取る第1受取り装置13Aが設けられ、受取り位置P1から反転装置12回りに180度回転した第2受渡し位置P3には、常に同じ向きでPTPシート1を受取る第2受取り装置13Bが設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリスタ包装シート(以下、「PTPシート」という)を搬送するためのPTPシート搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、PTPシートは、錠剤等が収容される複数のポケット部を備えている。かかるPTPシートは、ポケット部が形成された長尺状のフィルムを移送させつつポケット部に錠剤を投入する工程、アルミニウム等よりなるカバーフィルムを貼着する工程、PTPシート単位に打ち抜く工程等を経て製造される。そして、上記工程を経て製造されたPTPシートは、例えばパッケージング工程(封止や箱詰等を含む)等へと供される。
【0003】
パッケージング工程が行われる前段階には、PTPシートを複数段に積載する集積工程が行われる。集積形態としては、PTPシートを2枚一組とし、ポケット部が互いに向き合う向きで重ね合わせる「抱き合せ」や、PTPシートを同じ向きで積み重ねる「積み上げ」等が挙げられる。
【0004】
例えば「抱き合せ」を行う集積工程へPTPシートを搬送する際には、次に示すような反転装置を備えた搬送装置が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
反転装置は、回転可能に設けられたハウジングと、当該ハウジングの周囲において90度間隔で設けられた複数のクランプ装置と備えている。複数のクランプ装置は、ハウジングに対し固定された固定クランプ装置と、ハウジングに対し自転可能に設けられた可動クランプ装置からなり、両者が1つおきに交互に配置されている。
【0006】
可動クランプ装置の駆動軸に設けられた傘歯車は、ハウジングの駆動軸の傘歯車と噛合している。両傘歯車のギア比は1:1に設定されており、ハウジングが180度回動する毎に、可動クランプ装置も180度自転する構成となっている。
【0007】
このような反転装置を有した搬送装置を用いることにより、所定の受取り位置へ順次一定姿勢、例えば表面(ポケット部)が下を向いた状態で搬送されてくるPTPシートが、各クランプ装置により把持されてハウジング周りに180度旋回して下流側の受取り手段へ受け渡される際、固定クランプ装置により搬送されるPTPシートは、表面が上を向いた状態で受取り手段に受け渡される一方、可動クランプ装置により搬送されるPTPシートは、180度捻転(自転)して表面が下を向いた状態で受取り手段に受け渡されることとなる。これらのPTPシートを順次重ね合わせて行けば、受取り手段の下流に配置した集積装置で、2枚1組のPTPシートを抱き合わせた状態で集積することができる。
【0008】
しかしながら、上記搬送装置は、使用者の要求に合わせて、「積み上げ」形態の集積に対応することが事実上困難であった。仮に上記搬送装置を用いて「積み上げ」形態で集積を行おうとした場合には、例えば可動クランプ装置を空転させ、固定クランプ装置によって搬送されるPTPシートのみを集積する等、1つおきにPTPシートを搬送させるようにすれば実現可能となるが、かかる場合、生産性が半減するなどの不具合が生じる。
【0009】
これに対し、PTPシートを反転するか否かを選択可能な装置なども提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許2506362号公報
【特許文献2】特許3531950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許3531950号公報に記載された技術では、装置の構造やその制御が複雑化するおそれがある。さらに、集積形態を切り替える場合には、反転装置からPTPシートを受取る受取り機構の設置位置を変更する作業や、受取り機構及びその下流側の集積装置等を集積形態に適したものに交換する作業等が必要となる。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、構造の簡素化や、集積形態の切り替え作業の簡素化等を図ることのできるPTPシート搬送装置を提供することを主たる目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0014】
手段1.ポケット部を備えたPTPシートを搬送するPTPシート搬送装置であって、
回転可能に設けられた回転体と、当該回転体の周囲においてその回転方向に等間隔で配設され、PTPシートを把持可能な複数の把持手段とを有し、所定の受取り位置に一定姿勢で送られてくるPTPシートを順次把持して搬送する反転装置を備え、
前記複数の把持手段が、前記回転体に対し固定された第1把持手段と、前記回転体の駆動軸に直交する自身の駆動軸を中心に当該回転体に対し自転可能に設けられた第2把持手段とからなり、
前記第1把持手段と前記第2把持手段とが前記回転体の回転方向に1つおきに交互に配置された構成であって、
前記回転体の駆動軸に設けられた太陽歯車と、前記第2把持手段の駆動軸に設けられ、前記太陽歯車に噛合される遊星歯車とのギア比が異なる構成とし、
前記受取り位置にて前記第2把持手段に把持されたPTPシートが当該第2把持手段の駆動軸を中心に180度自転した状態となる前記回転体の第1周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第1受取り手段と、
前記受取り位置にて前記第2把持手段に把持されたPTPシートが当該第2把持手段の駆動軸を中心に360度自転した状態となる前記回転体の第2周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第2受取り手段とを備えたことを特徴とするPTPシート搬送装置。
【0015】
第1周回位置の第1受取り手段では、1枚おきに表裏反転したPTPシートを受取ることができる。結果として、第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取ることにより、2枚1組のPTPシートを抱き合せ状態で次なる集積工程へ送ることが可能となる。
【0016】
一方、第2周回位置の第2受け取り手段では、第1把持手段及び第2把持手段から常に同じ向きのPTPシートを受取ることができる。結果として、全てのPTPシートを同じ向きで積み上げた状態で次なる集積工程へ送ることが可能となる。
【0017】
上記のとおり、上記手段1によれば、PTPシートの受渡しルートを予め2ルート設けておき、第1受取り手段と第2受取り手段とを使い分けるだけで、搬送能力の低下を招くことなく、2つの異なる集積形態に対応することができる。
【0018】
また、集積形態を切り替える際に、受取り手段の設置位置を変更する作業や、受取り手段及びその下流側の集積装置等を集積形態に適したものに交換する作業等を行う必要もない。結果として、構造の簡素化や、集積形態の切り替え作業の簡素化等を図ることができる。
【0019】
手段2.ポケット部を備えたPTPシートを搬送するPTPシート搬送装置であって、
回転可能に設けられた回転体と、当該回転体の周囲においてその回転方向に90度間隔で配設され、PTPシートを把持可能な4つの把持手段とを有し、所定の受取り位置に一定姿勢で送られてくるPTPシートを順次把持して搬送する反転装置を備え、
前記4つの把持手段が、前記回転体に対し固定された2つの第1把持手段と、前記回転体の駆動軸に直交する自身の駆動軸を中心に当該回転体に対し自転可能に設けられた2つの第2把持手段とからなり、
前記第1把持手段と前記第2把持手段とが前記回転体の回転方向に1つおきに交互に配置された構成であって、
前記回転体の駆動軸に設けられた太陽歯車と、前記第2把持手段の駆動軸に設けられ、前記太陽歯車に噛合される遊星歯車とのギア比が2:1に設定され、
前記受取り位置にて把持されたPTPシートが前記回転体周りに90度旋回する第1周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第1受取り手段と、
前記受取り位置にて把持されたPTPシートが前記回転体周りに180度旋回する第2周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第2受取り手段とを備えたことを特徴とするPTPシート搬送装置。
【0020】
上記手段2によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏される。
【0021】
手段3.前記受取り位置におけるPTPシートの有無を検知可能な検出手段を備え、
前記検出手段によりPTPシートが検知されない場合には、前記反転装置を停止させることを特徴とする手段1又は2に記載のPTPシート搬送装置。
【0022】
受取り位置にPTPシートが送られてきていないにもかかわらず、反転装置が作動してしまうと、第1周回位置の第1受取り手段によって、2枚1組のPTPシートを抱き合せ状態とする際に、片方が欠落したペアが作られてしまう。その結果、その後の検査工程等において、正常な他方のPTPシートまで不良品扱いとなり、排除されてしまうおそれがある。
【0023】
この点、上記手段3によれば、各把持手段の姿勢を制御するような複雑な制御を行うことなく、比較的簡単な処理で一枚が欠落したペアが作られるおそれを低減し、上記不具合の発生を抑制することができる。
【0024】
手段4.前記第1受取り手段は、前記第1把持手段に把持されたPTPシートを吸引保持可能な第1の保持手段と、前記第2把持手段に把持されたPTPシートを吸引保持可能な第2の保持手段とを備えていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のPTPシート搬送装置。
【0025】
上記手段4によれば、抱き合せを行うためにPTPシートを一旦保持しておくホルダ等を設ける必要がなく、省スペース化を図ることができるとともに、抱き合せる2枚のPTPシートの位置合せ等を抱き合せ直前に行うことが可能となり、利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)はPTPシートを示す斜視図であり、(b)はPTPシートの部分拡大断面図である。
【図2】PTPシート搬送装置を示す一部破断側面図である。
【図3】反転装置を示す一部破断平面図である。
【図4】反転装置の反転機構を説明するための部分斜視図である。
【図5】抱き合せ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図6】抱き合せ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図7】抱き合せ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図8】抱き合せ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図9】抱き合せ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図10】積み上げ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図11】積み上げ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図12】積み上げ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図13】積み上げ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0028】
図1(a),(b)に示すように、本実施形態におけるPTPシート1は、複数のポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルム4とを有している。容器フィルム3はPP(ポロプロピレン)等の樹脂材料により構成され、カバーフィルム4はアルミニウムによって構成されている。
【0029】
また、各ポケット部2には被充填物としての錠剤5が1つずつ収容されている。PTPシート1の容器フィルム3には、例えば2つのポケット部2が含まれたペア小片に切り離すことができるように複数の横スリット6が形成されている。もちろん縦スリットが形成されていてもよいし、スリットを省略してもよい。
【0030】
PTPシート1は、従来と同様、錠剤投入工程、カバーフィルム貼着工程、打抜工程等を経て製造される。そして、上記各種工程を経て製造されたPTPシート1は、所定の搬送装置によって搬送され、集積される。そして、次なるパッケージング工程へと搬送され、箱詰等されることとなる。
【0031】
ここで、PTPシート1を集積工程へ搬送するPTPシート搬送装置11について図2,3等を参照して詳しく説明する。
【0032】
上記各工程を経て製造されたPTPシート1は、コンベア10など公知の搬送機構により順次、受取り位置P1まで搬送されてくる。このとき、各PTPシート1は一定の方向に向けられて案内されてくる。本実施形態では、ポケット部2が下を向いた状態で案内されてくる。
【0033】
PTPシート搬送装置11は、反転装置12と、第1受取り手段としての第1受取り装置13Aと、第2受取り手段としての第2受取り装置13Bとを備えている。
【0034】
まず反転装置12について説明する。反転装置12は、コンベア10の終端位置に近接して設けられている。
【0035】
図2,3に示すように、反転装置12は、回転可能に支持された駆動軸14と、駆動軸14に取付けられ、キー15により駆動軸14とともに回転するよう支持された回転体としてのハウジング16とを備えている。駆動軸14は間欠駆動機構(図示略)に接続されていて所定の角度(本実施形態では90度)毎に間欠的に駆動されるようになっている。
【0036】
ハウジング16には駆動軸14の直径方向に延びる一対の軸受け孔17が形成されている。軸受け孔17内には回転軸18が挿通されており、該回転軸18はハウジング16にベアリング機構を介して回転可能に支持されている。また、ハウジング16には、回転軸18に直交するようにして固定軸19が立設固定されている。
【0037】
固定軸19及び回転軸18の外側端にはPTPシート1を把持するための把持手段としてのクランプ装置21が取り付けられている。つまり、クランプ装置21は、ハウジング16に対し固定された第1把持手段としての固定クランプ装置21Aと、ハウジング16に対し自転可能に設けられた第2把持手段としての可動クランプ装置21Bとからなる。回転軸18が第2把持手段の駆動軸に相当する。
【0038】
クランプ装置21(21A,21B)は、固定軸19及び回転軸18に固定された本体22と、該本体22に固定された板状の固定爪23と、前記本体22に対し各軸18,19の軸線と直交する方向に移動可能に設けられた可動爪24と、該可動爪24をスライドさせるためのスライド機構25とを有している。可動爪24は、スライド機構25に設けられたバネ等により固定爪23側に付勢されている。また、クランプ装置21においては前記スライド機構25が作動することで固定爪23に対し可動爪24が離間する方向へスライドさせられ、両爪23,24間にPTPシート1が送り込まれるようになっている。
【0039】
図4に示すように、回転軸18のハウジング16側の端部には傘歯車26がそれぞれ取付けられている。該傘歯車26は、駆動軸14に関して回転可能に取付けられた傘歯車27と噛み合っている。傘歯車26が本実施形態における遊星歯車に相当し、傘歯車27が太陽歯車に相当する。
【0040】
上記構成により、駆動軸14を図2の時計回り方向に90度ずつ間欠回転させると、ハウジング16もそれとともに間欠回転する。従って、各クランプ装置21は駆動軸14の軸線回りで間欠的に旋回する。このとき、回転軸18に関しては、傘歯車27,26の作用により駆動軸14の回りで旋回しながら、自身の軸線の回りに回転する。このため、回転軸18に設けられた可動クランプ装置21Bは回転軸18の軸線回りで回転するようになっている。
【0041】
なお、本実施形態では、傘歯車27,26のギヤ比が2:1に設定されている。これにより、ハウジング16が駆動軸14の軸線回りに180度回転する間に、可動クランプ装置21Bは回転軸18の軸線回りに360度回転することとなる。
【0042】
より詳しくは、可動クランプ装置21Bが受取り位置P1から駆動軸14の軸線回りに90度旋回した第1周回位置としての第1受渡し位置P2に到達すると、可動クランプ装置21Bは回転軸18の軸線回りに180度回転した状態となる(図5参照)。
【0043】
さらに、可動クランプ装置21Bが受取り位置P1から駆動軸14の軸線回りに180度旋回した第2周回位置としての第2受渡し位置P3に到達すると、可動クランプ装置21Bは回転軸18の軸線回りに360度回転した状態となる(図7参照)。
【0044】
次に、第1受取り装置13Aについて説明する。第1受取り装置13Aは、反転装置12にて第1受渡し位置P2へ搬送されてくるPTPシート1を保持する一対のアーム31a,31bを備えている。各アーム31a,31bは、それぞれ図示しない吸引機構(吸引手段)を備えており、PTPシート1をそれぞれ吸引保持できる構成となっている。
【0045】
より詳しくは、一方のアーム31aが可動クランプ装置21BからPTPシート1を受取り、他方のアーム31bが固定クランプ装置21AからPTPシート1を受取る構成となっている。そして、後述するように、各クランプ装置21から順次、PTPシート1を受取り、2枚1組の抱き合せ状態として、図示しない次工程の集積装置へと送り出す構成となっている。ここで、他方のアーム31bが本実施形態における第1の保持手段を構成し、一方のアーム31aが第2の保持手段を構成する。
【0046】
次に、第2受取り装置13Bについて説明する。第2受取り装置13Bは、反転装置12にて第2受渡し位置P3へ搬送されてくるPTPシート1を受取るアーム32aと、当該受取ったPTPシート1を順次、積み上げていくホルダ32bとを備えている。そして、後述するように、各クランプ装置21から順次、PTPシート1を受取り、複数のPTPシート1を同じ向きで積み上げた状態として、図示しない次工程の集積装置へと送り出す構成となっている。
【0047】
以下、上記のように構成されたPTPシート搬送装置11の作用について説明する。
【0048】
まず、抱き合せ集積形態に対応してPTPシート搬送装置11を作動させる場合について説明する。
【0049】
図2に示すように、反転装置12の可動クランプ装置21Bが受取り位置P1に向いた状態で駆動軸14が間欠停止したとき、スライド機構25が作動して可動爪24が押し下げられるとともに、所定の送り機構(図示略)によってコンベア10からPTPシート1がポケット部2を下にした状態で固定爪23及び可動爪24間に入れられる。そして、スライド機構25の作動が解除されて可動爪24が上方へスライドし、PTPシート1を把持する。
【0050】
続いて、図5に示すように、駆動軸14が90度間欠回転すると、PTPシート1を把持した可動クランプ装置21Bはその向きを回転軸18の軸線回りに180度回転しつつ、第1受渡し位置P2へ移動する。これにより、当該PTPシート1は表裏面が反転しポケット部2が反転装置12の回転方向(図5の時計回り方向)に向いた状態となる。同時に、空の固定クランプ装置21Aが受取り位置P1へと移動してくる。
【0051】
そして、図6に示すように、受取り位置P1では、上記同様、固定クランプ装置21AによってPTPシート1が把持される。一方、第1受渡し位置P2では、表裏反転したPTPシート1がアーム31aにより吸着保持される。
【0052】
さらに、図7に示すように、駆動軸14が90度間欠回転すると、固定クランプ装置21Aは、把持したPTPシート1の向きを反転することなく第1受渡し位置P2へ移動する。これにより、当該PTPシート1は、ポケット部2が反転装置12の回転方向とは反対方向(図7の反時計回り方向)に向いた状態となる。同時に、新たな可動クランプ装置21Bが受取り位置P1へ移動してくる。
【0053】
そして、図8に示すように、受取り位置P1では、上記同様、可動クランプ装置21BによってPTPシート1が把持される。一方、第1受渡し位置P2では、固定クランプ装置21Aにより把持されていたPTPシート1が、その向きを反転させることなく、アーム31bにより吸着保持される。
【0054】
このように、第1受取り装置13Aでは、反転装置12によって1つおきに交互に表裏反転されたPTPシート1を順次受取って、図9に示すように、2枚1組の抱き合せ状態として、図示しない次工程の集積装置へと送り出す。そして、以後、上記動作が繰り返し行われることにより、抱き合せ状態のPTPシート1が集積装置にて集積されていくこととなる。
【0055】
次に、積み上げ集積形態に対応してPTPシート搬送装置11を作動させる場合について説明する。
【0056】
抱き合せ集積形態の場合と同様、受取り位置P1にて、反転装置12の可動クランプ装置21BによってPTPシート1が把持された後、駆動軸14が90度間欠回転すると、PTPシート1を把持した可動クランプ装置21Bはその向きを回転軸18の軸線回りに180度回転しつつ、第1受渡し位置P2へ移動する(図5参照)。同時に、空の固定クランプ装置21Aが受取り位置P1へと移動してくる。
【0057】
そして、受取り位置P1では、上記同様、固定クランプ装置21AによってPTPシート1が把持される(図6参照)。一方、第1受渡し位置P2では、抱き合せ集積形態の場合と異なり、第1受取り装置13Aは作動しない。
【0058】
さらに、図10に示すように、駆動軸14が90度間欠回転すると、PTPシート1を把持した可動クランプ装置21Bはその向きを回転軸18の軸線回りにさらに180度回転しつつ、第1受渡し位置P2から第2受渡し位置P3へ移動する。同時に、PTPシート1を把持した固定クランプ装置21Aが、把持したPTPシート1の向きを反転することなく第1受渡し位置P2へ移動する。また、新たな可動クランプ装置21Bが受取り位置P1へ移動してくる。
【0059】
PTPシート1を把持した可動クランプ装置21Bが第2受渡し位置P3に到達すると、受取り位置P1にてポケット部2を下にして受け渡されたPTPシート1は、駆動軸14回りの180度の旋回と、回転軸18回りの360度の自転により、ポケット部2を上にした状態となる。
【0060】
そして、図11に示すように、第2受渡し位置P3では、可動クランプ装置21Bにより把持されていたPTPシート1が、第2受取り装置13Bのアーム32aにより受取られ、ホルダ32bに積み上げられる。一方、受取り位置P1では、上記同様、別の可動クランプ装置21BによってPTPシート1が把持される。
【0061】
さらに、図12に示すように、駆動軸14が90度間欠回転すると、空となった可動クランプ装置21Bはその向きを回転軸18の軸線回りにさらに180度回転しつつ待機位置P4へ移動する。同時に、PTPシート1を把持した固定クランプ装置21Aは、把持したPTPシート1の向きを反転することなく、第1受渡し位置P2から第2受渡し位置P3へ移動する。また、新たな固定クランプ装置21Aが受取り位置P1へ移動してくる。
【0062】
そして、上記同様、第2受渡し位置P3では、図13に示すように、固定クランプ装置21Aにより把持されていたPTPシート1が、第2受取り装置13Bのアーム32aにより受取られ、ホルダ32bに積み上げられたPTPシート1の最下部に差し込まれる。
【0063】
このように、第2受取り装置13Bでは、上記動作が繰り返し行われることにより、複数のPTPシート1が同じ向きで積み上げられていく。そして、図示しない次工程の集積装置へと順次、送り出され、集積されていくこととなる。
【0064】
尚、本実施形態では、図2等に示すように、受取り位置P1において、PTPシート1の有無を検知可能な検出手段としてのセンサ9を備えており、当該センサ9によりPTPシート1が検知されない場合には、反転装置12が作動しない構成となっている。
【0065】
受取り位置P1にPTPシート1が送られてきていないにもかかわらず、反転装置12が作動してしまうと、第1受渡し位置P2の第1受取り装置13Aによって、2枚1組のPTPシート1を抱き合せ状態とする際に、片方が欠落したペアが作られてしまう。その結果、その後の検査工程等において、正常な他方のPTPシート1まで不良品扱いとなり、排除されてしまうおそれがある。
【0066】
この点、本実施形態では、上記構成とすることで、各クランプ装置21の姿勢を制御するような複雑な制御を行うことなく、比較的簡単な処理で一枚が欠落したペアが作られるおそれを低減し、上記不具合の発生を抑制することができる。
【0067】
以上詳述したように、本実施形態では、第1受渡し位置P2の第1受取り装置13Aでは、1枚おきに表裏反転したPTPシート1を受取ることができる。結果として、固定クランプ装置21A及び可動クランプ装置21Bから順次PTPシート1を受取ることにより、2枚1組のPTPシート1を抱き合せ状態で次なる集積工程へ送ることが可能となる。
【0068】
一方、第2受渡し位置P3の第2受取り装置13Bでは、固定クランプ装置21A及び可動クランプ装置21Bから常に同じ向きのPTPシート1を受取ることができる。結果として、全てのPTPシート1を同じ向きで積み上げた状態で次なる集積工程へ送ることが可能となる。
【0069】
上記のとおり、本実施形態によれば、PTPシート1の受渡しルートを予め2ルート設けておき、第1受取り装置13Aと第2受取り装置13Bとを使い分けるだけで、搬送能力の低下を招くことなく、2つの異なる集積形態に対応することができる。
【0070】
また、集積形態を切り替える際に、受取り装置の設置位置を変更する作業や、受取り装置及びその下流側の集積装置等を集積形態に適したものに交換する作業等を行う必要もない。結果として、構造の簡素化や、集積形態の切り替え作業の簡素化等を図ることができる。
【0071】
また、第1受取り装置13Aは、反転装置12にて第1受渡し位置P2へ搬送されてくるPTPシート1を吸引保持する一対のアーム31a,31bを備えている。これにより、抱き合せを行うためにPTPシート1を一旦保持しておくホルダ等を設ける必要がなく、省スペース化を図ることができるとともに、抱き合せる2枚のPTPシート1の位置合せ等を抱き合せ直前に行うことが可能となり、利便性の向上を図ることができる。
【0072】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0073】
(a)上記実施形態では、被充填物として固形製剤である錠剤5が収容されるPTPシート1について具体化しているが、必ずしも被充填物は錠剤5に限られるものではない。また、対応するポケット部2の形状等も上記実施形態に限定されるものではない。例えば、被充填物としてカプセル錠等が収容されるPTPシートに具体化することもできるし、食品等が収容されるPTPシートに具体化することもできる。
【0074】
(b)PTPシート1単位のポケット部2の配列や、個数も上記実施形態の態様(2列、10個)に何ら限定されるものではなく、様々な配列、個数からなるPTPシートを採用することができる。勿論、1つのシート小片に包含されるポケット部の数も上記実施形態に何ら限定されるものではない。
【0075】
(c)上記実施形態では、傘歯車27,26のギヤ比が2:1に設定されているが、両者のギヤ比はこれに限定されるものではない。例えば、ギヤ比を3:1としてもよい。かかる場合、ハウジング16が駆動軸14の軸線回りに60度回転する間に、可動クランプ装置21Bは回転軸18の軸線回りに180度回転することとなる。従って、受取り位置P1から駆動軸14の軸線回りに60度旋回した位置を第1受渡し位置P2とし、受取り位置P1から駆動軸14の軸線回りに120度旋回した位置を第2受渡し位置P3とするように、第1受取り装置13A及び第2受取り装置13Bを配置することとなる。
【0076】
(d)上記実施形態では、固定クランプ装置21Aと可動クランプ装置21Bとが90度間隔で1つおきに交互に計4つ設けられた構成となっている。反転装置12に設けられるクランプ装置21の個数は4つに限定されるものではなく、例えば6つでもよいし、8つでもよい。但し、受取り位置P1、第1受渡し位置P2及び第2受渡し位置P3との位置関係や、傘歯車27,26のギヤ比との関係で適切な個数設けられることが好ましい。
【0077】
(e)第1受取り装置13Aや第2受取り装置13Bの構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1受取り装置13Aのアーム31a,31bがPTPシート1を吸引保持する構成に代えて、チャック等によりPTPシート1を挟持する構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…PTPシート、2…ポケット部、9…センサ、11…PTPシート搬送装置、12…反転装置、13A…第1受取り装置、13B…第2受取り装置、16…ハウジング、18…回転軸、19…固定軸、21…クランプ装置、21A…固定クランプ装置、21B…可動クランプ装置、26…傘歯車、27…傘歯車、31a,31b…アーム、32a…アーム、32b…ホルダ、P1…受取り位置、P2…第1受渡し位置、P3…第2受渡し位置、P4…待機位置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリスタ包装シート(以下、「PTPシート」という)を搬送するためのPTPシート搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、PTPシートは、錠剤等が収容される複数のポケット部を備えている。かかるPTPシートは、ポケット部が形成された長尺状のフィルムを移送させつつポケット部に錠剤を投入する工程、アルミニウム等よりなるカバーフィルムを貼着する工程、PTPシート単位に打ち抜く工程等を経て製造される。そして、上記工程を経て製造されたPTPシートは、例えばパッケージング工程(封止や箱詰等を含む)等へと供される。
【0003】
パッケージング工程が行われる前段階には、PTPシートを複数段に積載する集積工程が行われる。集積形態としては、PTPシートを2枚一組とし、ポケット部が互いに向き合う向きで重ね合わせる「抱き合せ」や、PTPシートを同じ向きで積み重ねる「積み上げ」等が挙げられる。
【0004】
例えば「抱き合せ」を行う集積工程へPTPシートを搬送する際には、次に示すような反転装置を備えた搬送装置が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
反転装置は、回転可能に設けられたハウジングと、当該ハウジングの周囲において90度間隔で設けられた複数のクランプ装置と備えている。複数のクランプ装置は、ハウジングに対し固定された固定クランプ装置と、ハウジングに対し自転可能に設けられた可動クランプ装置からなり、両者が1つおきに交互に配置されている。
【0006】
可動クランプ装置の駆動軸に設けられた傘歯車は、ハウジングの駆動軸の傘歯車と噛合している。両傘歯車のギア比は1:1に設定されており、ハウジングが180度回動する毎に、可動クランプ装置も180度自転する構成となっている。
【0007】
このような反転装置を有した搬送装置を用いることにより、所定の受取り位置へ順次一定姿勢、例えば表面(ポケット部)が下を向いた状態で搬送されてくるPTPシートが、各クランプ装置により把持されてハウジング周りに180度旋回して下流側の受取り手段へ受け渡される際、固定クランプ装置により搬送されるPTPシートは、表面が上を向いた状態で受取り手段に受け渡される一方、可動クランプ装置により搬送されるPTPシートは、180度捻転(自転)して表面が下を向いた状態で受取り手段に受け渡されることとなる。これらのPTPシートを順次重ね合わせて行けば、受取り手段の下流に配置した集積装置で、2枚1組のPTPシートを抱き合わせた状態で集積することができる。
【0008】
しかしながら、上記搬送装置は、使用者の要求に合わせて、「積み上げ」形態の集積に対応することが事実上困難であった。仮に上記搬送装置を用いて「積み上げ」形態で集積を行おうとした場合には、例えば可動クランプ装置を空転させ、固定クランプ装置によって搬送されるPTPシートのみを集積する等、1つおきにPTPシートを搬送させるようにすれば実現可能となるが、かかる場合、生産性が半減するなどの不具合が生じる。
【0009】
これに対し、PTPシートを反転するか否かを選択可能な装置なども提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許2506362号公報
【特許文献2】特許3531950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許3531950号公報に記載された技術では、装置の構造やその制御が複雑化するおそれがある。さらに、集積形態を切り替える場合には、反転装置からPTPシートを受取る受取り機構の設置位置を変更する作業や、受取り機構及びその下流側の集積装置等を集積形態に適したものに交換する作業等が必要となる。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、構造の簡素化や、集積形態の切り替え作業の簡素化等を図ることのできるPTPシート搬送装置を提供することを主たる目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0014】
手段1.ポケット部を備えたPTPシートを搬送するPTPシート搬送装置であって、
回転可能に設けられた回転体と、当該回転体の周囲においてその回転方向に等間隔で配設され、PTPシートを把持可能な複数の把持手段とを有し、所定の受取り位置に一定姿勢で送られてくるPTPシートを順次把持して搬送する反転装置を備え、
前記複数の把持手段が、前記回転体に対し固定された第1把持手段と、前記回転体の駆動軸に直交する自身の駆動軸を中心に当該回転体に対し自転可能に設けられた第2把持手段とからなり、
前記第1把持手段と前記第2把持手段とが前記回転体の回転方向に1つおきに交互に配置された構成であって、
前記回転体の駆動軸に設けられた太陽歯車と、前記第2把持手段の駆動軸に設けられ、前記太陽歯車に噛合される遊星歯車とのギア比が異なる構成とし、
前記受取り位置にて前記第2把持手段に把持されたPTPシートが当該第2把持手段の駆動軸を中心に180度自転した状態となる前記回転体の第1周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第1受取り手段と、
前記受取り位置にて前記第2把持手段に把持されたPTPシートが当該第2把持手段の駆動軸を中心に360度自転した状態となる前記回転体の第2周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第2受取り手段とを備えたことを特徴とするPTPシート搬送装置。
【0015】
第1周回位置の第1受取り手段では、1枚おきに表裏反転したPTPシートを受取ることができる。結果として、第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取ることにより、2枚1組のPTPシートを抱き合せ状態で次なる集積工程へ送ることが可能となる。
【0016】
一方、第2周回位置の第2受け取り手段では、第1把持手段及び第2把持手段から常に同じ向きのPTPシートを受取ることができる。結果として、全てのPTPシートを同じ向きで積み上げた状態で次なる集積工程へ送ることが可能となる。
【0017】
上記のとおり、上記手段1によれば、PTPシートの受渡しルートを予め2ルート設けておき、第1受取り手段と第2受取り手段とを使い分けるだけで、搬送能力の低下を招くことなく、2つの異なる集積形態に対応することができる。
【0018】
また、集積形態を切り替える際に、受取り手段の設置位置を変更する作業や、受取り手段及びその下流側の集積装置等を集積形態に適したものに交換する作業等を行う必要もない。結果として、構造の簡素化や、集積形態の切り替え作業の簡素化等を図ることができる。
【0019】
手段2.ポケット部を備えたPTPシートを搬送するPTPシート搬送装置であって、
回転可能に設けられた回転体と、当該回転体の周囲においてその回転方向に90度間隔で配設され、PTPシートを把持可能な4つの把持手段とを有し、所定の受取り位置に一定姿勢で送られてくるPTPシートを順次把持して搬送する反転装置を備え、
前記4つの把持手段が、前記回転体に対し固定された2つの第1把持手段と、前記回転体の駆動軸に直交する自身の駆動軸を中心に当該回転体に対し自転可能に設けられた2つの第2把持手段とからなり、
前記第1把持手段と前記第2把持手段とが前記回転体の回転方向に1つおきに交互に配置された構成であって、
前記回転体の駆動軸に設けられた太陽歯車と、前記第2把持手段の駆動軸に設けられ、前記太陽歯車に噛合される遊星歯車とのギア比が2:1に設定され、
前記受取り位置にて把持されたPTPシートが前記回転体周りに90度旋回する第1周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第1受取り手段と、
前記受取り位置にて把持されたPTPシートが前記回転体周りに180度旋回する第2周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第2受取り手段とを備えたことを特徴とするPTPシート搬送装置。
【0020】
上記手段2によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏される。
【0021】
手段3.前記受取り位置におけるPTPシートの有無を検知可能な検出手段を備え、
前記検出手段によりPTPシートが検知されない場合には、前記反転装置を停止させることを特徴とする手段1又は2に記載のPTPシート搬送装置。
【0022】
受取り位置にPTPシートが送られてきていないにもかかわらず、反転装置が作動してしまうと、第1周回位置の第1受取り手段によって、2枚1組のPTPシートを抱き合せ状態とする際に、片方が欠落したペアが作られてしまう。その結果、その後の検査工程等において、正常な他方のPTPシートまで不良品扱いとなり、排除されてしまうおそれがある。
【0023】
この点、上記手段3によれば、各把持手段の姿勢を制御するような複雑な制御を行うことなく、比較的簡単な処理で一枚が欠落したペアが作られるおそれを低減し、上記不具合の発生を抑制することができる。
【0024】
手段4.前記第1受取り手段は、前記第1把持手段に把持されたPTPシートを吸引保持可能な第1の保持手段と、前記第2把持手段に把持されたPTPシートを吸引保持可能な第2の保持手段とを備えていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のPTPシート搬送装置。
【0025】
上記手段4によれば、抱き合せを行うためにPTPシートを一旦保持しておくホルダ等を設ける必要がなく、省スペース化を図ることができるとともに、抱き合せる2枚のPTPシートの位置合せ等を抱き合せ直前に行うことが可能となり、利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)はPTPシートを示す斜視図であり、(b)はPTPシートの部分拡大断面図である。
【図2】PTPシート搬送装置を示す一部破断側面図である。
【図3】反転装置を示す一部破断平面図である。
【図4】反転装置の反転機構を説明するための部分斜視図である。
【図5】抱き合せ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図6】抱き合せ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図7】抱き合せ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図8】抱き合せ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図9】抱き合せ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図10】積み上げ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図11】積み上げ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図12】積み上げ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【図13】積み上げ集積形態に対応したPTPシート搬送装置の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0028】
図1(a),(b)に示すように、本実施形態におけるPTPシート1は、複数のポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルム4とを有している。容器フィルム3はPP(ポロプロピレン)等の樹脂材料により構成され、カバーフィルム4はアルミニウムによって構成されている。
【0029】
また、各ポケット部2には被充填物としての錠剤5が1つずつ収容されている。PTPシート1の容器フィルム3には、例えば2つのポケット部2が含まれたペア小片に切り離すことができるように複数の横スリット6が形成されている。もちろん縦スリットが形成されていてもよいし、スリットを省略してもよい。
【0030】
PTPシート1は、従来と同様、錠剤投入工程、カバーフィルム貼着工程、打抜工程等を経て製造される。そして、上記各種工程を経て製造されたPTPシート1は、所定の搬送装置によって搬送され、集積される。そして、次なるパッケージング工程へと搬送され、箱詰等されることとなる。
【0031】
ここで、PTPシート1を集積工程へ搬送するPTPシート搬送装置11について図2,3等を参照して詳しく説明する。
【0032】
上記各工程を経て製造されたPTPシート1は、コンベア10など公知の搬送機構により順次、受取り位置P1まで搬送されてくる。このとき、各PTPシート1は一定の方向に向けられて案内されてくる。本実施形態では、ポケット部2が下を向いた状態で案内されてくる。
【0033】
PTPシート搬送装置11は、反転装置12と、第1受取り手段としての第1受取り装置13Aと、第2受取り手段としての第2受取り装置13Bとを備えている。
【0034】
まず反転装置12について説明する。反転装置12は、コンベア10の終端位置に近接して設けられている。
【0035】
図2,3に示すように、反転装置12は、回転可能に支持された駆動軸14と、駆動軸14に取付けられ、キー15により駆動軸14とともに回転するよう支持された回転体としてのハウジング16とを備えている。駆動軸14は間欠駆動機構(図示略)に接続されていて所定の角度(本実施形態では90度)毎に間欠的に駆動されるようになっている。
【0036】
ハウジング16には駆動軸14の直径方向に延びる一対の軸受け孔17が形成されている。軸受け孔17内には回転軸18が挿通されており、該回転軸18はハウジング16にベアリング機構を介して回転可能に支持されている。また、ハウジング16には、回転軸18に直交するようにして固定軸19が立設固定されている。
【0037】
固定軸19及び回転軸18の外側端にはPTPシート1を把持するための把持手段としてのクランプ装置21が取り付けられている。つまり、クランプ装置21は、ハウジング16に対し固定された第1把持手段としての固定クランプ装置21Aと、ハウジング16に対し自転可能に設けられた第2把持手段としての可動クランプ装置21Bとからなる。回転軸18が第2把持手段の駆動軸に相当する。
【0038】
クランプ装置21(21A,21B)は、固定軸19及び回転軸18に固定された本体22と、該本体22に固定された板状の固定爪23と、前記本体22に対し各軸18,19の軸線と直交する方向に移動可能に設けられた可動爪24と、該可動爪24をスライドさせるためのスライド機構25とを有している。可動爪24は、スライド機構25に設けられたバネ等により固定爪23側に付勢されている。また、クランプ装置21においては前記スライド機構25が作動することで固定爪23に対し可動爪24が離間する方向へスライドさせられ、両爪23,24間にPTPシート1が送り込まれるようになっている。
【0039】
図4に示すように、回転軸18のハウジング16側の端部には傘歯車26がそれぞれ取付けられている。該傘歯車26は、駆動軸14に関して回転可能に取付けられた傘歯車27と噛み合っている。傘歯車26が本実施形態における遊星歯車に相当し、傘歯車27が太陽歯車に相当する。
【0040】
上記構成により、駆動軸14を図2の時計回り方向に90度ずつ間欠回転させると、ハウジング16もそれとともに間欠回転する。従って、各クランプ装置21は駆動軸14の軸線回りで間欠的に旋回する。このとき、回転軸18に関しては、傘歯車27,26の作用により駆動軸14の回りで旋回しながら、自身の軸線の回りに回転する。このため、回転軸18に設けられた可動クランプ装置21Bは回転軸18の軸線回りで回転するようになっている。
【0041】
なお、本実施形態では、傘歯車27,26のギヤ比が2:1に設定されている。これにより、ハウジング16が駆動軸14の軸線回りに180度回転する間に、可動クランプ装置21Bは回転軸18の軸線回りに360度回転することとなる。
【0042】
より詳しくは、可動クランプ装置21Bが受取り位置P1から駆動軸14の軸線回りに90度旋回した第1周回位置としての第1受渡し位置P2に到達すると、可動クランプ装置21Bは回転軸18の軸線回りに180度回転した状態となる(図5参照)。
【0043】
さらに、可動クランプ装置21Bが受取り位置P1から駆動軸14の軸線回りに180度旋回した第2周回位置としての第2受渡し位置P3に到達すると、可動クランプ装置21Bは回転軸18の軸線回りに360度回転した状態となる(図7参照)。
【0044】
次に、第1受取り装置13Aについて説明する。第1受取り装置13Aは、反転装置12にて第1受渡し位置P2へ搬送されてくるPTPシート1を保持する一対のアーム31a,31bを備えている。各アーム31a,31bは、それぞれ図示しない吸引機構(吸引手段)を備えており、PTPシート1をそれぞれ吸引保持できる構成となっている。
【0045】
より詳しくは、一方のアーム31aが可動クランプ装置21BからPTPシート1を受取り、他方のアーム31bが固定クランプ装置21AからPTPシート1を受取る構成となっている。そして、後述するように、各クランプ装置21から順次、PTPシート1を受取り、2枚1組の抱き合せ状態として、図示しない次工程の集積装置へと送り出す構成となっている。ここで、他方のアーム31bが本実施形態における第1の保持手段を構成し、一方のアーム31aが第2の保持手段を構成する。
【0046】
次に、第2受取り装置13Bについて説明する。第2受取り装置13Bは、反転装置12にて第2受渡し位置P3へ搬送されてくるPTPシート1を受取るアーム32aと、当該受取ったPTPシート1を順次、積み上げていくホルダ32bとを備えている。そして、後述するように、各クランプ装置21から順次、PTPシート1を受取り、複数のPTPシート1を同じ向きで積み上げた状態として、図示しない次工程の集積装置へと送り出す構成となっている。
【0047】
以下、上記のように構成されたPTPシート搬送装置11の作用について説明する。
【0048】
まず、抱き合せ集積形態に対応してPTPシート搬送装置11を作動させる場合について説明する。
【0049】
図2に示すように、反転装置12の可動クランプ装置21Bが受取り位置P1に向いた状態で駆動軸14が間欠停止したとき、スライド機構25が作動して可動爪24が押し下げられるとともに、所定の送り機構(図示略)によってコンベア10からPTPシート1がポケット部2を下にした状態で固定爪23及び可動爪24間に入れられる。そして、スライド機構25の作動が解除されて可動爪24が上方へスライドし、PTPシート1を把持する。
【0050】
続いて、図5に示すように、駆動軸14が90度間欠回転すると、PTPシート1を把持した可動クランプ装置21Bはその向きを回転軸18の軸線回りに180度回転しつつ、第1受渡し位置P2へ移動する。これにより、当該PTPシート1は表裏面が反転しポケット部2が反転装置12の回転方向(図5の時計回り方向)に向いた状態となる。同時に、空の固定クランプ装置21Aが受取り位置P1へと移動してくる。
【0051】
そして、図6に示すように、受取り位置P1では、上記同様、固定クランプ装置21AによってPTPシート1が把持される。一方、第1受渡し位置P2では、表裏反転したPTPシート1がアーム31aにより吸着保持される。
【0052】
さらに、図7に示すように、駆動軸14が90度間欠回転すると、固定クランプ装置21Aは、把持したPTPシート1の向きを反転することなく第1受渡し位置P2へ移動する。これにより、当該PTPシート1は、ポケット部2が反転装置12の回転方向とは反対方向(図7の反時計回り方向)に向いた状態となる。同時に、新たな可動クランプ装置21Bが受取り位置P1へ移動してくる。
【0053】
そして、図8に示すように、受取り位置P1では、上記同様、可動クランプ装置21BによってPTPシート1が把持される。一方、第1受渡し位置P2では、固定クランプ装置21Aにより把持されていたPTPシート1が、その向きを反転させることなく、アーム31bにより吸着保持される。
【0054】
このように、第1受取り装置13Aでは、反転装置12によって1つおきに交互に表裏反転されたPTPシート1を順次受取って、図9に示すように、2枚1組の抱き合せ状態として、図示しない次工程の集積装置へと送り出す。そして、以後、上記動作が繰り返し行われることにより、抱き合せ状態のPTPシート1が集積装置にて集積されていくこととなる。
【0055】
次に、積み上げ集積形態に対応してPTPシート搬送装置11を作動させる場合について説明する。
【0056】
抱き合せ集積形態の場合と同様、受取り位置P1にて、反転装置12の可動クランプ装置21BによってPTPシート1が把持された後、駆動軸14が90度間欠回転すると、PTPシート1を把持した可動クランプ装置21Bはその向きを回転軸18の軸線回りに180度回転しつつ、第1受渡し位置P2へ移動する(図5参照)。同時に、空の固定クランプ装置21Aが受取り位置P1へと移動してくる。
【0057】
そして、受取り位置P1では、上記同様、固定クランプ装置21AによってPTPシート1が把持される(図6参照)。一方、第1受渡し位置P2では、抱き合せ集積形態の場合と異なり、第1受取り装置13Aは作動しない。
【0058】
さらに、図10に示すように、駆動軸14が90度間欠回転すると、PTPシート1を把持した可動クランプ装置21Bはその向きを回転軸18の軸線回りにさらに180度回転しつつ、第1受渡し位置P2から第2受渡し位置P3へ移動する。同時に、PTPシート1を把持した固定クランプ装置21Aが、把持したPTPシート1の向きを反転することなく第1受渡し位置P2へ移動する。また、新たな可動クランプ装置21Bが受取り位置P1へ移動してくる。
【0059】
PTPシート1を把持した可動クランプ装置21Bが第2受渡し位置P3に到達すると、受取り位置P1にてポケット部2を下にして受け渡されたPTPシート1は、駆動軸14回りの180度の旋回と、回転軸18回りの360度の自転により、ポケット部2を上にした状態となる。
【0060】
そして、図11に示すように、第2受渡し位置P3では、可動クランプ装置21Bにより把持されていたPTPシート1が、第2受取り装置13Bのアーム32aにより受取られ、ホルダ32bに積み上げられる。一方、受取り位置P1では、上記同様、別の可動クランプ装置21BによってPTPシート1が把持される。
【0061】
さらに、図12に示すように、駆動軸14が90度間欠回転すると、空となった可動クランプ装置21Bはその向きを回転軸18の軸線回りにさらに180度回転しつつ待機位置P4へ移動する。同時に、PTPシート1を把持した固定クランプ装置21Aは、把持したPTPシート1の向きを反転することなく、第1受渡し位置P2から第2受渡し位置P3へ移動する。また、新たな固定クランプ装置21Aが受取り位置P1へ移動してくる。
【0062】
そして、上記同様、第2受渡し位置P3では、図13に示すように、固定クランプ装置21Aにより把持されていたPTPシート1が、第2受取り装置13Bのアーム32aにより受取られ、ホルダ32bに積み上げられたPTPシート1の最下部に差し込まれる。
【0063】
このように、第2受取り装置13Bでは、上記動作が繰り返し行われることにより、複数のPTPシート1が同じ向きで積み上げられていく。そして、図示しない次工程の集積装置へと順次、送り出され、集積されていくこととなる。
【0064】
尚、本実施形態では、図2等に示すように、受取り位置P1において、PTPシート1の有無を検知可能な検出手段としてのセンサ9を備えており、当該センサ9によりPTPシート1が検知されない場合には、反転装置12が作動しない構成となっている。
【0065】
受取り位置P1にPTPシート1が送られてきていないにもかかわらず、反転装置12が作動してしまうと、第1受渡し位置P2の第1受取り装置13Aによって、2枚1組のPTPシート1を抱き合せ状態とする際に、片方が欠落したペアが作られてしまう。その結果、その後の検査工程等において、正常な他方のPTPシート1まで不良品扱いとなり、排除されてしまうおそれがある。
【0066】
この点、本実施形態では、上記構成とすることで、各クランプ装置21の姿勢を制御するような複雑な制御を行うことなく、比較的簡単な処理で一枚が欠落したペアが作られるおそれを低減し、上記不具合の発生を抑制することができる。
【0067】
以上詳述したように、本実施形態では、第1受渡し位置P2の第1受取り装置13Aでは、1枚おきに表裏反転したPTPシート1を受取ることができる。結果として、固定クランプ装置21A及び可動クランプ装置21Bから順次PTPシート1を受取ることにより、2枚1組のPTPシート1を抱き合せ状態で次なる集積工程へ送ることが可能となる。
【0068】
一方、第2受渡し位置P3の第2受取り装置13Bでは、固定クランプ装置21A及び可動クランプ装置21Bから常に同じ向きのPTPシート1を受取ることができる。結果として、全てのPTPシート1を同じ向きで積み上げた状態で次なる集積工程へ送ることが可能となる。
【0069】
上記のとおり、本実施形態によれば、PTPシート1の受渡しルートを予め2ルート設けておき、第1受取り装置13Aと第2受取り装置13Bとを使い分けるだけで、搬送能力の低下を招くことなく、2つの異なる集積形態に対応することができる。
【0070】
また、集積形態を切り替える際に、受取り装置の設置位置を変更する作業や、受取り装置及びその下流側の集積装置等を集積形態に適したものに交換する作業等を行う必要もない。結果として、構造の簡素化や、集積形態の切り替え作業の簡素化等を図ることができる。
【0071】
また、第1受取り装置13Aは、反転装置12にて第1受渡し位置P2へ搬送されてくるPTPシート1を吸引保持する一対のアーム31a,31bを備えている。これにより、抱き合せを行うためにPTPシート1を一旦保持しておくホルダ等を設ける必要がなく、省スペース化を図ることができるとともに、抱き合せる2枚のPTPシート1の位置合せ等を抱き合せ直前に行うことが可能となり、利便性の向上を図ることができる。
【0072】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0073】
(a)上記実施形態では、被充填物として固形製剤である錠剤5が収容されるPTPシート1について具体化しているが、必ずしも被充填物は錠剤5に限られるものではない。また、対応するポケット部2の形状等も上記実施形態に限定されるものではない。例えば、被充填物としてカプセル錠等が収容されるPTPシートに具体化することもできるし、食品等が収容されるPTPシートに具体化することもできる。
【0074】
(b)PTPシート1単位のポケット部2の配列や、個数も上記実施形態の態様(2列、10個)に何ら限定されるものではなく、様々な配列、個数からなるPTPシートを採用することができる。勿論、1つのシート小片に包含されるポケット部の数も上記実施形態に何ら限定されるものではない。
【0075】
(c)上記実施形態では、傘歯車27,26のギヤ比が2:1に設定されているが、両者のギヤ比はこれに限定されるものではない。例えば、ギヤ比を3:1としてもよい。かかる場合、ハウジング16が駆動軸14の軸線回りに60度回転する間に、可動クランプ装置21Bは回転軸18の軸線回りに180度回転することとなる。従って、受取り位置P1から駆動軸14の軸線回りに60度旋回した位置を第1受渡し位置P2とし、受取り位置P1から駆動軸14の軸線回りに120度旋回した位置を第2受渡し位置P3とするように、第1受取り装置13A及び第2受取り装置13Bを配置することとなる。
【0076】
(d)上記実施形態では、固定クランプ装置21Aと可動クランプ装置21Bとが90度間隔で1つおきに交互に計4つ設けられた構成となっている。反転装置12に設けられるクランプ装置21の個数は4つに限定されるものではなく、例えば6つでもよいし、8つでもよい。但し、受取り位置P1、第1受渡し位置P2及び第2受渡し位置P3との位置関係や、傘歯車27,26のギヤ比との関係で適切な個数設けられることが好ましい。
【0077】
(e)第1受取り装置13Aや第2受取り装置13Bの構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1受取り装置13Aのアーム31a,31bがPTPシート1を吸引保持する構成に代えて、チャック等によりPTPシート1を挟持する構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…PTPシート、2…ポケット部、9…センサ、11…PTPシート搬送装置、12…反転装置、13A…第1受取り装置、13B…第2受取り装置、16…ハウジング、18…回転軸、19…固定軸、21…クランプ装置、21A…固定クランプ装置、21B…可動クランプ装置、26…傘歯車、27…傘歯車、31a,31b…アーム、32a…アーム、32b…ホルダ、P1…受取り位置、P2…第1受渡し位置、P3…第2受渡し位置、P4…待機位置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポケット部を備えたPTPシートを搬送するPTPシート搬送装置であって、
回転可能に設けられた回転体と、当該回転体の周囲においてその回転方向に等間隔で配設され、PTPシートを把持可能な複数の把持手段とを有し、所定の受取り位置に一定姿勢で送られてくるPTPシートを順次把持して搬送する反転装置を備え、
前記複数の把持手段が、前記回転体に対し固定された第1把持手段と、前記回転体の駆動軸に直交する自身の駆動軸を中心に当該回転体に対し自転可能に設けられた第2把持手段とからなり、
前記第1把持手段と前記第2把持手段とが前記回転体の回転方向に1つおきに交互に配置された構成であって、
前記回転体の駆動軸に設けられた太陽歯車と、前記第2把持手段の駆動軸に設けられ、前記太陽歯車に噛合される遊星歯車とのギア比が異なる構成とし、
前記受取り位置にて前記第2把持手段に把持されたPTPシートが当該第2把持手段の駆動軸を中心に180度自転した状態となる前記回転体の第1周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第1受取り手段と、
前記受取り位置にて前記第2把持手段に把持されたPTPシートが当該第2把持手段の駆動軸を中心に360度自転した状態となる前記回転体の第2周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第2受取り手段とを備えたことを特徴とするPTPシート搬送装置。
【請求項2】
ポケット部を備えたPTPシートを搬送するPTPシート搬送装置であって、
回転可能に設けられた回転体と、当該回転体の周囲においてその回転方向に90度間隔で配設され、PTPシートを把持可能な4つの把持手段とを有し、所定の受取り位置に一定姿勢で送られてくるPTPシートを順次把持して搬送する反転装置を備え、
前記4つの把持手段が、前記回転体に対し固定された2つの第1把持手段と、前記回転体の駆動軸に直交する自身の駆動軸を中心に当該回転体に対し自転可能に設けられた2つの第2把持手段とからなり、
前記第1把持手段と前記第2把持手段とが前記回転体の回転方向に1つおきに交互に配置された構成であって、
前記回転体の駆動軸に設けられた太陽歯車と、前記第2把持手段の駆動軸に設けられ、前記太陽歯車に噛合される遊星歯車とのギア比が2:1に設定され、
前記受取り位置にて把持されたPTPシートが前記回転体周りに90度旋回する第1周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第1受取り手段と、
前記受取り位置にて把持されたPTPシートが前記回転体周りに180度旋回する第2周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第2受取り手段とを備えたことを特徴とするPTPシート搬送装置。
【請求項3】
前記受取り位置におけるPTPシートの有無を検知可能な検出手段を備え、
前記検出手段によりPTPシートが検知されない場合には、前記反転装置を停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載のPTPシート搬送装置。
【請求項4】
前記第1受取り手段は、前記第1把持手段に把持されたPTPシートを吸引保持可能な第1の保持手段と、前記第2把持手段に把持されたPTPシートを吸引保持可能な第2の保持手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のPTPシート搬送装置。
【請求項1】
ポケット部を備えたPTPシートを搬送するPTPシート搬送装置であって、
回転可能に設けられた回転体と、当該回転体の周囲においてその回転方向に等間隔で配設され、PTPシートを把持可能な複数の把持手段とを有し、所定の受取り位置に一定姿勢で送られてくるPTPシートを順次把持して搬送する反転装置を備え、
前記複数の把持手段が、前記回転体に対し固定された第1把持手段と、前記回転体の駆動軸に直交する自身の駆動軸を中心に当該回転体に対し自転可能に設けられた第2把持手段とからなり、
前記第1把持手段と前記第2把持手段とが前記回転体の回転方向に1つおきに交互に配置された構成であって、
前記回転体の駆動軸に設けられた太陽歯車と、前記第2把持手段の駆動軸に設けられ、前記太陽歯車に噛合される遊星歯車とのギア比が異なる構成とし、
前記受取り位置にて前記第2把持手段に把持されたPTPシートが当該第2把持手段の駆動軸を中心に180度自転した状態となる前記回転体の第1周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第1受取り手段と、
前記受取り位置にて前記第2把持手段に把持されたPTPシートが当該第2把持手段の駆動軸を中心に360度自転した状態となる前記回転体の第2周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第2受取り手段とを備えたことを特徴とするPTPシート搬送装置。
【請求項2】
ポケット部を備えたPTPシートを搬送するPTPシート搬送装置であって、
回転可能に設けられた回転体と、当該回転体の周囲においてその回転方向に90度間隔で配設され、PTPシートを把持可能な4つの把持手段とを有し、所定の受取り位置に一定姿勢で送られてくるPTPシートを順次把持して搬送する反転装置を備え、
前記4つの把持手段が、前記回転体に対し固定された2つの第1把持手段と、前記回転体の駆動軸に直交する自身の駆動軸を中心に当該回転体に対し自転可能に設けられた2つの第2把持手段とからなり、
前記第1把持手段と前記第2把持手段とが前記回転体の回転方向に1つおきに交互に配置された構成であって、
前記回転体の駆動軸に設けられた太陽歯車と、前記第2把持手段の駆動軸に設けられ、前記太陽歯車に噛合される遊星歯車とのギア比が2:1に設定され、
前記受取り位置にて把持されたPTPシートが前記回転体周りに90度旋回する第1周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第1受取り手段と、
前記受取り位置にて把持されたPTPシートが前記回転体周りに180度旋回する第2周回位置にて、前記第1把持手段及び第2把持手段から順次PTPシートを受取る第2受取り手段とを備えたことを特徴とするPTPシート搬送装置。
【請求項3】
前記受取り位置におけるPTPシートの有無を検知可能な検出手段を備え、
前記検出手段によりPTPシートが検知されない場合には、前記反転装置を停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載のPTPシート搬送装置。
【請求項4】
前記第1受取り手段は、前記第1把持手段に把持されたPTPシートを吸引保持可能な第1の保持手段と、前記第2把持手段に把持されたPTPシートを吸引保持可能な第2の保持手段とを備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のPTPシート搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−20777(P2012−20777A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161442(P2010−161442)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】
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