説明

VoIPアダプタ

【課題】VoIP(Voice over Internet Protocol)通話における音声品質の監視機能ならびに警報機能を有するVoIPアダプタを提供。
【解決手段】VoIPアダプタの有するIP(Internet Protocol)受信部34A、34Bは、IP電話網100から受信した、シーケンス番号が付与された番号付IP音声パケット48、50を、再現順番通りに所定の間隔で出力できない場合、それをエラーとしてエラー数をカウントし、そのカウント値が規定値を超えると、エラー信号を生成し、トーキー生成部30A、30Bによって、端末12、14の双方にトーキー音を出力する。これによって、聞き手はネットワーク障害のために話し手の音声が聞こえないことが認知できる。話し手も、自らが話す音声が聞き手に伝わってないことが認知できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、VoIP(Voice over Internet Protocol)通信において、IP(Internet Protocol)電話機とインターネット網とを仲介するVoIPアダプタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、VoIPアダプタには、電話機からの音声をIPパケット化して音声パケットとする処理、すなわちカプセル化機能と、インターネット網から受信した音声パケットを音声として再現するデカプセル化機能とを有する。
【0003】
また、VoIPアダプタは、電話機からの音声を所定間隔でパケット化してインターネット網に送出する。カプセル化処理では、通常、音声は複数の音声パケットに分割される。各音声パケットのIPヘッダには、フラグメントオフセットが含まれる。フラグメントオフセットは、元の音声の先頭からどの部分にあたるかを示す情報であり、言い換えれば、受信された音声パケットが音声として再現される際の再現順序を表す情報である。したがって、インターネット網から複数の音声パケットを受信したVoIPアダプタは、各音声パケットに含まれるフラグメントオフセットを参照して、音声パケットを再現順番通りに音声として再現するデカプセル化を行なう。
【0004】
受信側では、パケットの受信間隔や、フラグメントオフセットを確認することによって、ネットワークの状態やパケットの正常性を認識することができる構成であった。
【0005】
【特許文献1】特開2004-48680号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ネットワークの輻輳等によるパケットゆらぎやネットワークの切断等がある場合、受信側では音声パケットが所定間隔に受信されず、音声を正常に受信できない場合がある。しかし従来技術の装置では、上記のように受信側で音声品質が劣化していると認識していても、話し方が悪いなど送信者の要因によるものか、あるいはネットワーク障害によるものなのか、判別ができないという問題があった。
【0007】
また、送信側では受信側が音声を聞き取れているか否かを判断することができないという問題があった。
【0008】
本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、音声がネットワーク障害のため正常に受信できていないことを送受信者の両者に伝えることができるVoIPアダプタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるVoIPアダプタは、上述の課題を解決するために、再現順番を表す情報を含む1つ以上の音声パケットをIP網を介して受信し、受信した1つ以上の音声パケットを再現順番通りに並び替えて所定の間隔で出力するパケット受信手段と、パケット受信手段から1つ以上の音声パケットが再現順番通りに所定の間隔で出力されているか否かを監視する監視手段と、監視手段によって、1つ以上の音声パケットが再現順番通りに所定の間隔で出力されていないことが検出されると、警報を発する警報手段とを含み、これによって、IP網に障害があることを報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、聞き手はネットワーク障害のために話し手の音声が聞き取れないことを認知し、話し手も自らの音声がネットワーク障害のために聞き手に伝わっていないことを認知することができる。
【0011】
また、聞き手は無音状態の場合、話し手が何も話していないためなのか、あるいはネットワーク障害のために無音なのかを判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に添付図面を参照して本発明によるVoIPアダプタの実施例を詳細に説明する。各図面において、本発明に関係のない要素は省略し、同様の要素は同一の参照符号によって示すものとする。
【0013】
図1は本発明によるVoIPアダプタの実施例のブロック図である。VoIPアダプタ20A、20Bは、それらに接続された端末12、14からの音声16、18を、IP電話網100を介して端末12、14相互に送信する装置である。またVoIPアダプタ20A、20Bは、受信したIP音声パケットに異常がある場合に、トーキー音64、66を発することにより、その異常を端末12、14の使用者に知らせる装置である。
【0014】
端末12、14はそれぞれ、音声の送受信が可能な電話機としてよい。端末12、14が有する図示しない送受話器から発せられる音声は2Wアナログ信号に変換され、信号線16、18を通してVoIPアダプタ20A、20Bに供給される。
【0015】
VoIPアダプタ20A、20Bは同一の構成を有していて、それぞれ、2W/4W変換器22A、22B、A/D(Analogue-Digital)変換器24A、24B、D/A(Digital-Analogue)変換器25A、25B、カプセル部26A、26B、デカプセル部28A、28B、トーキー生成部30A、30B、IP送信部32A、32B、IP受信部34A、34Bを含む。
【0016】
2W/4W(2-Way/4-Way)変換器22A、22Bはそれぞれ、信号線16、18から供給される2Wアナログ信号を4Wアナログ信号に変換し、信号線36、38を介してA/D変換器24A、24Bにそれぞれ供給する。2Wの区間では、2つの回線を上り方向の回線と下り方向の回線が共有しているのに対し、4Wの区間では上り方向の回線と下り方向の回線それぞれが2線用いて接続されている。2Wアナログ信号は2W区間用の信号であり、4Wアナログ信号は4W区間用の信号である。
【0017】
A/D変換器24A、24Bはそれぞれ、2W/4W変換器22A、22Bから供給される4Wアナログ信号36、38に対して音声符号化処理もしくはハイブリッド符号化処理を施す。音声符号化処理は、4Wアナログ信号を符号化し、デジタル信号に変換する処理である。ハイブリッド符号化処理は4Wアナログ信号に対し、波形符号化と分析合成符号化を組み合わせた符号化方式であり、その両符号化方式の特徴を併せ持ち、低ビットレートでも良好な音声品質を保ったデジタル信号に変換する処理である。それらの処理によって得られたデジタル信号は、信号線40、42を介してカプセル部26A、26Bに供給される。
【0018】
カプセル部26A、26Bはそれぞれ、A/D変換器24A、24Bから供給されるデジタル信号40、42をカプセル化(IP音声パケット化)する。カプセル化とは、デジタル信号にIPヘッダを付加してパケットにすることである。カプセル化によって生成されたIP音声パケットは、信号線44、46を介してIP送信部32A、32Bへとそれぞれ供給される。
【0019】
IP送信部32A、32Bはそれぞれ、カプセル部26A、26Bから供給されるIP音声パケット44、46にRTP/UDP(Real time Transport Protocol/ User Datagram Protocol)パケットとしてシーケンス番号を付与する。シーケンス番号は、当該パケットが格納しているデータが基の音声データのどの部分に当たるかを示すものである。言い換えれば、音声として再現する場合の再現順番を表す情報であり、32ビットの数値で表される。シーケンス番号が付与されたIP音声パケットは番号付IP音声パケットとしてそれぞれ、インターフェース47A、47Bを経由して信号線48、50を介してIP電話網100に供給される。
【0020】
IP電話網100は、信号線48から供給されるIP音声パケットを信号線50へ、また、信号線50から供給されるIP音声パケットを信号線48へと供給する。IP電話網100は、QoS(Quality of Service)を保証しないBest Effort型のネットワークであるため、供給されるパケットの紛失や揺らぎが生じる。
【0021】
IP受信部34A、34Bはそれぞれ、IP電話網100から供給される番号付IP音声パケット48、50を、パケットに付与されているシーケンス番号を基に、再現順番通りに並び替えて所定の間隔で出力する。IP受信部34A、34Bは、再現順番通りに並び替えたIP音声パケット56、58をそれぞれデカプセル部28A、28Bに出力する。
【0022】
デカプセル部28A、28Bはそれぞれ、IP受信部34A、34Bから供給される順序入替処理が施されたIP音声パケット56、58が有する、カプセル部26A、26Bで付加されたヘッダを削除するデカプセル化を行ない、IP音声パケットを基のデジタル信号に還元する。デカプセル部28A、28Bは、還元したデジタル信号60、62をそれぞれD/A変換器25A、25Bに供給する。
【0023】
D/A変換器25A、25Bはそれぞれ、デカプセル部28A、28Bから供給されるデジタル信号60、62を複合化し、4Wアナログ信号に変換する。D/A変換器25A、25Bはそれぞれ、得られた4Wアナログ信号を信号線68、70を介して2W/4W変換器22A、22Bに供給する。
【0024】
2W/4W変換器22A、22Bはそれぞれ、4Wアナログ信号68、70を2Wアナログ信号に変換し、信号線16、18を介して端末12、14へ供給する。端末12、14はそれぞれ、2Wアナログ信号16、18を音声に変換して送受話器からその音声を出す。
【0025】
以下、本発明の実施例を構成する要素とそれらの機能について、より詳しく説明する。IP電話網100は、前述の通りQoS(Quality of Service)を保証しないBest Effort型のネットワークであるため、供給されるパケットの紛失や揺らぎなどのエラーが生じる。IP受信部34A、34Bに供給されるIP音声パケット48、50がIP電話網100を経由する際に何らかのエラーを抱えた場合を想定する。
【0026】
IP受信部34A、34Bはそれぞれ、IP電話網100から供給される番号付IP音声パケット48、50のシーケンス番号を基に、エラーを検出する。エラーには、パケットの紛失エラー、同一のシーケンス番号を有するIP音声パケットが供給されるなどのシーケンス番号エラー、あるいは所定時間経ってもパケットが送信されてこない遅延エラーなどがある。かかるエラーを検出することによって、IP受信部34A、34Bは、それら自身によって出力される音声パケットが、再現順番通りに所定の間隔で出力されているか否かを監視する。そしてIP受信部34A、34Bは、検出したエラーの数をカウントするカウント処理を行なう。IP受信部34A、34Bは、エラーに関する規定値を有し、カウント処理によってカウントされたエラー数が規定値を超える場合、エラー信号52、54とエラー信号72、74とを生成し、それぞれトーキー生成部30A、30Bとカプセル部26A、26Bとに供給する。
【0027】
カウント処理において、カウントするエラーは単純なエラーの数ではなく、エラーの種類によって重みを変えてカウントしてもよい。例えば、パケットの紛失エラーの重みを1とし、シーケンス番号エラーの重みを2としてエラーが検出されるたびに重みを加算し、重みの加算値が規定値を超える場合にエラー信号52、54を生成させるようにしてもよい。
【0028】
IP受信部34A、34Bは、IP電話網100中で生じる揺らぎを軽減するために、特許文献1のように到着したパケットを一旦バッファに蓄積して所定時間経過してから再生する機能を有する揺らぎ吸収バッファを有するものであっても構わない。その場合は、揺らぎ吸収バッファによる待ち時間を与えても、パケットが再現順番通りに所定の間隔で出力されない場合に、エラーとしてその数をカウントすればよい。
【0029】
カプセル部26A、26Bはそれぞれ、IP受信部34A、34Bから供給されるエラー信号72、74をカプセル化し、エラーパケット44、46としてIP送信部32A、32Bに供給する。
【0030】
IP送信部32A、32Bはそれぞれ、カプセル部26A、26Bから供給されるエラーパケット44、46にRTP/UDPパケットとしてシーケンス番号を付与し、番号付エラーパケットとして信号線48、50を介してIP電話網100に供給する。
【0031】
IP電話網100は、カプセル部26Aから供給される番号付エラーパケット48を信号線50へ、あるいはカプセル部26Bから供給される番号付エラーパケット50を信号線48へそれぞれ供給する。
【0032】
IP受信部34A、34Bはそれぞれ、信号線48、50から供給されるシーケンス番号が付与された番号付エラーパケットに順序入替処理を施し、信号線52、54を介してトーキー生成部30A、30Bに供給する。
【0033】
トーキー生成部30A、30Bはそれぞれ、信号線52、54を介してエラー信号もしくはエラーパケットが供給された場合、4Wトーキー音信号64、66を生成し、2W/4W変換器22A、22Bに供給する。4Wトーキー音信号は4W区間用のアナログ信号である。
【0034】
2W/4W変換器22A、22Bはそれぞれ、トーキー生成部30A、30Bから供給される4Wトーキー音信号64、66を2Wトーキー音信号16、18に変換し、端末12、14に供給する。
【0035】
端末12、14はそれぞれ、2W/4W変換器22A、22Bから供給される2Wトーキー音信号16、18を音声に変換して送受話器からそのトーキー音を出す。また、トーキー音の替わりにアナウンスを用いても構わない。これにより話し手は、ネットワーク(IP電話網100)で生じたエラーによって通話品質が劣化したため、自らの声が相手に伝わっていないことが認知できる。また聞き手は、話し手の話が聞こえにくくても、それは話し手が無言だからではなく、ネットワーク(IP電話網100)で生じたエラーによって話し手の声が聞こえにくくなっているということが理解できる。
【0036】
トーキー生成部30A、30Bはそれぞれ、上記の通りエラー信号とエラーパケットとが供給される。エラー信号は、相手方から届く音声パケットにエラーがある場合にIP受信部34A、34Bから出されるものであるから、相手方の話が聞こえにくいのはネットワークに障害があるからであるということを示すものである。一方、エラーパケットは、相手方に届いた音声パケットにエラーがあることが話し手にフィードバックされ、それを受信したIP受信部34A、34Bから出されるものであるから、ネットワーク障害のために自分の声が相手方に聞こえにくくなっていることを話し手に伝えるものである。
【0037】
したがって、トーキー生成部に供給される信号がエラー信号の場合とエラーパケットの場合とで異なったトーキー音信号を生成すれば、自分の声が相手に届いていないのか、相手の声が聞こえにくいのはネットワーク障害のためであるのか、いずれを原因としてトーキー音が鳴っているのかが明確になる。端末12、14の送受話器からも、トーキー音信号に応じて異なるトーキー音、あるいはアナウンスが流れるからである。
【0038】
なお、シーケンス番号が付与された番号付エラーパケットがIP電話網100を介し、他方のVoIPアダプタに向かう場合、番号付IP音声パケットと同様に、IP電話網100中でエラーが生じ、正しく他方のVoIPアダプタに受信されず、トーキー音が送受話器から流れない場合が考えられる。しかし、人が聞き取りにくいほどの音声であれば、数秒間で複数回のエラーが生じると考えられ、その場合、エラーの数に応じたエラー信号が、聞き手側のIP受信部34A、34Bから供給される。これにより、聞き手側では複数の番号付エラーパケットが生成され、それらが話し手側にフィードバックされることとなる。
【0039】
かかる複数の番号付エラーパケットのすべてがIP電話網100中でエラーを生じることは考えにくく、よって話し手側のVoIPアダプタにおいてトーキー音が送受話器から流れないことは考えにくい。また、IP受信部34A、34Bが行なうカウント処理によってカウントされたエラー数が所定の規定値を超えた場合、1個でなく複数のエラー信号を供給するようにしてもよく、これによって、複数のエラーパケットを話し手側に送り、フィードバックを確実なものにしてもよい。
【0040】
以上のように構成された本発明によるVoIPアダプタの実施例の動作について、以下、説明する。
【0041】
話し手が端末12を用いていて、聞き手が端末14を用いていて、ネットワークに障害があるために、聞き手は話し手の音声をはっきりと聞き取ることができない場合の本発明の動作について説明する。端末12が有する、図示しない送受話器に話し手の声が吹き込まれ、その音声が2Wアナログ信号16として2W/4W変換器22Aに供給される。
【0042】
2W/4W変換器22Aは、端末12から供給される2Wアナログ信号16を4Wアナログ信号に変換し、信号線36を介してA/D変換器24Aに供給する。A/D変換器24Aは、2W/4W変換器22Aから供給される4Wアナログ信号36をデジタル信号に変換し、信号線40を介してカプセル部26Aに供給する。カプセル部26Aは、A/D変換器24Aから供給されるデジタル信号40をカプセル化し、IP音声パケット44としてIP送信部32Aに供給する。IP送信部32Aは、カプセル部26Aから供給されるIP音声パケット44にシーケンス番号を付与し、番号付IP音声パケット48としてIP電話網100に供給する。
【0043】
IP電話網100はBest Effort網のため、IP送信部32Aから供給される番号付IP音声パケット48に対してパケットの紛失エラーやシーケンス番号エラーなどを生じさせ、信号線50を介してIP受信部34Bに供給する。
【0044】
IP受信部34Bは、IP電話網100から供給されるエラーを抱えた番号付IP音声パケットに対して、シーケンス番号を基に、パケットの紛失エラーあるいは同一のシーケンス番号を有するIP音声パケットが供給されるなどのシーケンス番号エラーや所定時間経ってもパケットが送信されてこない遅延エラーを検出し、そのエラー数をカウントするカウント処理を行なう。カウントされたエラー数が規定値を超えた場合、IP受信部34Bはエラー信号54、74を生成し、トーキー生成部30Bとカプセル部26Bとにそれぞれ供給する。
【0045】
トーキー生成部30Bは、IP受信部34Bから供給されるエラー信号54を受信し、4Wトーキー音信号を生成して2W/4W変換器22Bに信号線66を介して供給する。
【0046】
2W/4W変換器22Bは、トーキー生成部30Bから供給される4Wトーキー音信号66を2Wトーキー音信号に変換し、信号線18を介して端末14へ供給する。
【0047】
端末14は、2W/4W変換器22Bから供給される2Wトーキー音信号18を音声に変換して端末14が有する図示しない送受話器からそのトーキー音を出す。送受話器を持つ聞き手はトーキー音を聞き、ネットワーク(IP電話網100)での障害によってエラーが生じ、そのため音声が聞き取れないことが分かる。
【0048】
一方、カプセル部26Bは、供給されるエラー信号74をカプセル化し、エラーパケット46としてIP送信部32Bに供給する。
【0049】
IP送信部32Bは、供給されるエラーパケット46にRTP/UDPパケットとしてシーケンス番号を付与し、番号付エラーパケットとして信号線50を介してIP電話網100に供給する。
【0050】
IP電話網100は、IP送信部32Bから供給される番号付エラーパケット50を信号線48へ供給する。
【0051】
IP受信部34Aは、信号線48から供給されるシーケンス番号が付与された番号付エラーパケットに順序入替処理を施し、信号線52を介してトーキー生成部30A、30Bに供給する。
【0052】
トーキー生成部30Aは、IP受信部34Aからエラーパケット52が供給された場合、4Wトーキー音信号64を生成し、2W/4W変換器22Aに供給する。
【0053】
2W/4W変換器22Aは、トーキー生成部30Aから供給される4Wトーキー音信号64を2Wトーキー音信号16に変換し、端末12に供給する。
【0054】
端末12は、2W/4W変換器22Aから供給される2Wトーキー音信号16を音声に変換して端末12が有する図示しない送受話器からそのトーキー音を出す。送受話器を持つ話し手はトーキー音を聞き、ネットワーク(IP電話網100)での障害によってエラーが生じ、そのため音声が聞き手に伝わっていないことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明によるVoIPアダプタの実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0056】
12、14 端末
20A、20B VoIPアダプタ
22A、22B 2W/4W変換器
24A、24B A/D変換器
25A、25B D/A変換器
26A、26B カプセル部
28A、28B デカプセル部
30A、30B トーキー生成部
32A、32B IP送信部
34A、34B IP受信部
100 IP電話網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再現順番を表す情報を含む1つ以上の音声パケットをIP(Internet Protocol)網を介して受信し、該受信した1つ以上の音声パケットを再現順番通りに並び替えて所定の間隔で出力するパケット受信手段と、
該パケット受信手段から前記1つ以上の音声パケットが再現順番通りに所定の間隔で出力されているか否かを監視する監視手段と、
該監視手段によって、前記1つ以上の音声パケットが再現順番通りに所定の間隔で出力されていないことが検出されると、警報を発する警報手段とを含み、
これによって、前記IP網に障害があることを報知することを特徴とするVoIP(Voice over Internet Protocol)アダプタ。
【請求項2】
請求項1に記載のVoIPアダプタにおいて、前記警報手段は、前記パケット受信手段が受信する1つ以上の音声パケットを基に音声を再現する受話側端末に、前記警報を出力することを特徴とするVoIPアダプタ。
【請求項3】
請求項1に記載のVoIPアダプタにおいて、前記警報手段は、前記IP網を介して、前記1つ以上の音声パケットの基となる音声が吹き込まれた送話側端末に、前記警報を出力することを特徴とするVoIPアダプタ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のVoIPアダプタにおいて、前記警報は、音声であることを特徴とするVoIPアダプタ。
【請求項5】
請求項4に記載のVoIPアダプタにおいて、前記音声は、トーキー音であることを特徴とするVoIPアダプタ。
【請求項6】
請求項4に記載のVoIPアダプタにおいて、前記音声は、音声アナウンスであることを特徴とするVoIPアダプタ。

【図1】
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【公開番号】特開2007−74354(P2007−74354A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−259012(P2005−259012)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】