説明

WLAN測位装置の位置を推定するためにWLAN対応アクセス・ポイントから情報を収集するシステム及び方法

WLAN測位装置の位置を推定するためにWLAN対応アクセス・ポイントから情報を収集するシステム及び方法。この装置は、それ自体の位置を推定し、WLAN無線モジュールと、前記受信されたWLANから識別情報を抽出するための抽出ロジックと、WLANベースの測位システムと協力するロジックとを含む。その無線は受信専用装置であるか或いは限定された送信能力(例えば、プローブ要求だけ)を有するものであり得る。或る抽出ロジックは、前記装置以外のWLAN対応装置に向けられたWLAN信号から情報を抽出する。他の抽出ロジックは、複数の、類似するけれども同一ではないWLANパケットのヘッダを組み合わせるダイバーシティ及び組み合わせロジックを含む。或る実施態様はキャッシュを含む。他は、前記装置のドップラー周波数の推定を改善するために充分に長いWLANパケットについて複数の受信信号強度インジケータ(RSSI)値を測定する。更に他のものはWLAN APのアクティブ・スキャニング及びパッシブ・スキャニングのためのフェーズを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本発明は、米国特許法第119条(e)により下記の米国特許仮出願、すなわち:
2006年7月7日に出願された『WLAN測位システムにおけるクライアント側受信専用WLAN装置の使用(Use of a Client−Side Receive−Only WLAN Device In a WLAN Positioning System)』と題された米国特許仮出願第60/819,182号、
の利益を主張し、その内容は参照により本書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、下記の米国出願に関連する:
2005年10月28日に出願された『位置確認ビーコン・データベース(Location Beacon Database)』と題された米国特許出願第11/261,848号;
2005年10月28日に出願された『位置確認ビーコン・データベースを更新するためのサーバ(Server for Updating Location Beacon Database)』と題された米国特許出願第11/261,898号;
2005年10月28日に出願された『ユーザ装置の有効距離の中の検出されたアクセス・ポイントの数に基づいて位置確認アルゴリズムを選択する位置確認ベースのサービス(Location−Based Services that Choose Location Algorithms Based on Number of Detected Access Points Within Range of User Device)』と題された米国特許出願第11/261,988号;
2005年10月28日に出願された『位置確認ビーコン・データベースを構築するための方法及びシステム(Method and System for Building a Location Beacon Database)』と題された米国特許出願第11/261,987号;
2006年3月1日に出願された『WiFiアクセス・ポイント・データベースを符号化し圧縮すること(Encoding and Compressing a WiFi Access Point Database)』と題された米国特許出願第11/365,540号;
2006年11月22日に出願された『インターネット検索及び通信のための位置確認ツールバー(Location Toolbar For Internet Search and Communication)』と題された米国特許出願第11/562,514号;
2006年2月22日に出願された『測位システムにおける現存するアクセス・ポイントの連続的データ最適化(Continuous Data Optimization of Existing Access Points In Positioning Systems)』と題された米国特許出願第11/359,154号;
2006年2月22日に出願された『測位システムにおける新しいアクセス・ポイントの連続的データ最適化(Continuous Data Optimization of New Access Points In Positioning Systems)』と題された米国特許出願第11/359,144号;
2006年2月22日に出願された『フィルタリングによる連続的データ最適化と測位システム(Continuous Data Optimization by Filtering and Positioning Systems)』と題された米国特許出願第11/359,271号;
2006年5月8日に出願された『WLAN測位システムにおける移動の速度及び方向の推定(Estimation Of Speed and Direction of Travel In A WLAN Positioning System)』と題された米国特許出願第11/430,079号;
2007年2月23日に出願された『ユーザ割り当てされたアクセス・ポイント位置に基づくWLAN位置確認システムにおけるユーザ位置を推定する方法及びシステム(Methods and Systems For Estimating a User Position In a WLAN Position System Based On User Assigned Access Point Locations)』と題された米国特許出願第11/678,301号;
2006年5月8日に出願された『WLAN測位システムに使用されるWLANアクセス・ポイント特徴づけの質の計算(Calculation of Quality of WLAN Access Point Characterization for Use In a WLAN Positioning System)と題された米国特許出願第11/430,224号;
2006年5月8日に出願された『WLAN測位システムにおけるWLANアクセス・ポイント無線伝播特性を使用する位置の推定(Estimation of Position Using WLAN Access Point Radio Propagation Characteristics In a WLAN Positioning System)』と題された米国特許出願第11/430,222号;
2006年5月8日に出願された『複数のWLANアクセス・ポイントの動的信号強度変化を使用する移動の速度の推定(Estimation of Speed of Travel Using the Dynamic Signal Strength Variation of Multiple WLAN Access Points)』と題された米国特許出願第11/429,862号;
2006年5月8日に出願された『複数の位置推定を使用するWLAN測位システムにおける移動の速度及び方向の推定(Estimation of Speed and Direction of Travel In A WLAN Positioning System Using Multiple Position Estimations)』と題された米国特許出願第11/430,064号;
2006年7月7日に出願された『アシステッドGPSシステムにおいてWLAN測位システムを使用する方法及びシステム(Methods and Systems for Using WLAN Positioning System in Assisted GPS Systems)』と題された米国特許仮出願第60/819,218号;
2006年7月13日に出願された『アシステッドGPSシステムにおいてWLAN測位システムを使用する方法及びシステム(Methods and Systems for Using WLAN Positioning System in Assisted GPS Systems)』と題された米国特許仮出願第60/830,624号;
2006年8月4日に出願された『クライアント−サーバ・システムに使用されるWLAN測位システム・ユーザ位置プリング・モード(WLAN Positioning System User Location Pulling Mode for Use in Client−Server Systems)』と題された米国特許仮出願第60/821,479号;
2007年1月2日に出願された『WLANベースの測位システムの中での測位エラーを推定するためのシステム及び方法(System and Method for Estimating Positioning Error within a WLAN Based Positioning System)』と題された米国特許出願第11/625,450号;
2007年4月5日に出願された『WLAN測位システムにおける到着時間差に基づく速度の推定(Time Difference of Arrival Based Estimation of Speed in a WLAN Positioning System)』と題された米国特許出願第11/696,832号;
2007年4月5日に出願された『WLAN測位システムにおける到着時間差に基づく移動方向の推定(Time Difference of Arrival Based Estimation of Direction of Travel in a WLAN Positioning System)』と題された米国特許出願第11/696,833号;
これと同日に出願された『WLAN測位システムによる位置推定のために専用装置を使う方法及びシステム(Method and System for Employing a Dedicated Device for Position Estimation by a WLAN Positioning System)』と題された米国特許出願第TBA号;
これと同日に出願された『WLAN測位装置の位置推定を改善するためにWLANパケット・サンプルを収集するシステム及び方法(System and Method of Gathering WLAN Packet Samples to Improve Position Estimates of WLAN Positioning Device)』と題された米国特許出願第TBA号;
これと同日に出願された『WLAN測位装置の位置推定を改善するためにWLANパケット情報を収集してキャッシュするシステム及び方法(System and Method of Gathering and Caching WLAN Packet Information to Improve Position Estimates of a WLAN Positioning Device)』と題された米国特許出願第TBA号;
これと同日に出願された『WLAN測位装置のドップラー周波数の推定を改善するためにWLANパケット情報のサンプリングを改善するシステム及び方法(System and Method of Improving Sampling of WLAN Packet Information to Improve Estimates of Doppler Frequency of a WLAN Positioning Device)』と題された米国特許出願第TBA号;及び
これと同日に出願された『WLAN測位装置の位置を推定するためのWLAN対応アクセス・ポイントのパッシブ及びアクティブ・スキャンニングのシステム及び方法(System and Method of Passive and Active Scanning of WLAN−Enabled Access Points to Estimate Position of a WLAN Positioning Device)』と題された米国特許出願第TBA号。
【0003】
本発明は、一般的にはWLANベースの測位システムに関し、更に詳しくは、WLAN対応装置がユーザの地理的位置を推定し、又はWLAN対応装置の動作を最適化し、又は位置推定を改善するためにWLAN信号のより多くのサンプルを収集する、いずれかのためにWLANベースの測位システムにより使用されるWLANデータを集めることに特に専用される装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
近年、モバイル・コンピュータ装置の数が劇的に増え、より進歩したモバイル及び無線サービスのニーズを作り出している。モバイル電子メール、ウォーキー・トーキー・サービス、マルチ・プレーヤ・ゲーム及びコール・フォローイング(call−following)は、モバイル装置に新しいアプリケーションがどの様に現れるかの例である。更に、ユーザは自分の現在位置を利用するだけではなく、その位置情報を他人と共有するアプリケーションを要求し/捜し始めている。親は自分の子供の跡をたどることを望み、管理者は会社の配送車両の位置を追跡する必要があり、業務旅行者は処方薬を得るために最寄りの薬局を捜す。これらの例は、全て、その人が自分自身の現在位置又は他の誰かのそれを知ることを必要とする。現在まで、私たちは、皆、道順を教えてもらうこと、誰かに電話をかけてその所在を尋ねること、或いは作業員に時々自分たちの位置を記帳させることを当てにしている。
【0005】
位置ベースのサービスは、その現在の地理的位置を計算してそれをユーザ又はサービスに報告する新装置の能力を利用するモバイル・アプリケーションの新興領域である。これらのサービスの幾つかの例は、局地気象解説サービス、交通最新情報サービス、運転指示サービス、子供追尾サービス、バディ・ファインダー(buddy finders)サービス及びアーバン・コンシェルジェ・サービス(urban concierge services)を含む。このように位置に影響を受ける新しい装置は、全て同じ一般的思想を使用する多様な技術に依拠する。既知基準ポイントから来る無線信号を使用して、これらの装置は、これらの基準ポイントと比較してユーザの位置を数学的に計算し得る。これらのアプローチの各々は、それらが使用する無線技術及び測位アルゴリズムに基づくそれら自体の強みと弱みとを有する。
【0006】
米国政府により運用されている全地球測位システム(Global Positioning System(GPS))は、基準ポイントとしての数十個の軌道衛星を利用している。セル・タワー三角測量(cell tower triangulation)は、ユーザ又は装置の位置を判定するために無線キャリヤ及びセルラ・キャリヤによって使用される他の方法である。アシステッドGPS(assisted GPS)は、モバイル・ユーザのためにより正確で信頼できる位置計算を生じさせるためにGPS技術とセルラ・タワー技術との両方を組み合わせた他の1つのモデルである。このモデルにおいて、無線ネットワークは、GPS衛星のクロック・オフセットと、セル・タワーの位置に基づくユーザの概略的位置とに関する情報を送信することによって、GPSがその信号受信の改善を試みる。
【0007】
WLAN位置確認システムは新しい測位システムであり、モバイル・ユーザの位置を取り出すためにWLANアクセス・ポイントを使用する。地下鉄規模のWLANベースの測位システムが幾つかの研究施設によって研究されている。この領域における最も重要な研究努力はPlaceLab(
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、マイクロソフト及びインテルにより後援されるプロジェクト)、カリフォルニア大学サンディエゴのActiveCampusプロジェクト(ActiveCampus−モバイル技術を通しての支持教育的コミュニティ、技術レポート#CS2002−0714(ActiveCampus−Sustaining Educational Communities through Mobile Technology, technical report #CS2002−0714))、及びMITキャンパス規模位置確認システムによって行われている。現在、商用のメトロポリタンWLANベース位置確認システムが1つだけ市場にあり、それを以下では、WLAN測位システム(WLAN Positioning System(WPS))と呼ぶ。
【0008】
図1は、WiFi信号に基づくWLAN測位システムである。この測位システムは、コンピュータ装置101に備えられた測位ソフトウェア103を含む。特定のターゲット地域全体において、制御/共用チャネル信号を使用して情報を送信する無線アクセス・ポイント102が設けられている。クライアント装置は、これらの送信を監視する。各アクセス・ポイントは、MACアドレスとして知られている一意なハードウェア識別子を含む。クライアント測位ソフトウェアは、有効距離内の802.11アクセス・ポイントからの送信を受信して、この無線信号からの特性を使用してコンピュータ装置の地理的位置を計算する。これらの特性には、802.11アクセス・ポイントの一意な識別子、これはMACアドレスとして知られているのだが、到達時間(Time of Arrival(TOA))及びクライアント装置に到達した信号の強度が含まれている。クライアント・ソフトウェアは、観察された802.11アクセス・ポイントを、リファレンス・データベース104のものと比較するが、これは、装置に有していてもいなくても良い。リファレンス・データベースは、収集システムが集めた全てのアクセス・ポイントの計算された地理的位置とパワー・プロファイルとを含む。このパワー・プロファイルは、種々の位置からの信号強度を示す値の集合から生成されてもよい。これらの既知の位置を使用して、クライアント・ソフトウェアは、ユーザ装置101の相対位置を計算し、その地理的座標を緯度指示値及び経度指示値の形で判定する。これらの指示値は、その後、フレンド・ファインダー、ローカル検索ウェブ・サイト、保有車両管理システム及びE911サービスのような位置ベースのアプリケーションに供給される。
【0009】
インドア又はアウトドアWLANベース測位システムが、位置を推定するロジックを採用するための改変以外の改変を伴わずに既存の既製WLANカードを利用している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、WLAN測位装置の位置を推定するためにWLAN対応アクセス・ポイントから情報を収集するシステム及び方法を提供する。
【0011】
本発明は、WLANベースの測位システムによる位置推定のために専用装置を採用するシステム及び方法を提供する。
【0012】
本発明は、WLAN測位装置の位置推定を改善するためにWLANパケット・サンプルを収集するシステム及び方法を提供する。
【0013】
本発明は、WLAN測位装置の位置推定を改善するためにWLANパケット情報を収集してキャッシュする方法及びシステムを提供する。
【0014】
本発明は、WLAN測位装置のドップラー周波数の推定を改善するためにWLANパケット情報のサンプリングを改善するシステム及び方法を提供する。
【0015】
本発明は、WLAN測位装置の位置を推定するためのWLAN対応アクセス・ポイントのパッシブ及びアクティブ・スキャニングのシステム及び方法を提供する。
【0016】
本発明の一側面において、装置は、複数のWLANアクセス・ポイント(access point(AP))から無線信号情報を収集することに応答してそれ自体の位置を推定する。この装置は、前記装置の有効距離内における複数のWLANAPにより送信されたWLAN信号を受信するための受信専用WLAN無線モジュールと、該複数のWLANAPを識別するために受信された前記複数のWLAN信号から情報を抽出するための抽出ロジックと、前記装置の有効距離内の該WLANAPを識別する該抽出された情報の少なくとも一部に基づいて該装置の位置を推定するためにWLANベースの測位システムと協力するロジックと、を含む。
【0017】
本発明の他の1つの側面において、該抽出ロジックは、ネットワーク・プロトコルの物理層で動作し、前記プロトコルのベース・データ転送速度でパケットを受信する。
【0018】
本発明の他の1つの側面において、該装置はWLANチャネルにおけるアクティビティーを検出すると共に、アクティビティーを検出したことに応答して前記受信専用WLAN無線モジュールを低電力消費状態から能動的WLAN信号受信状態にアクティブ化するキャリヤ・センス・ロジックを含む。
【0019】
本発明の他の1つの側面において、該装置は、受信したWLAN信号のヘッダ情報を分析するだけで、ペイロード情報を捨てる。
【0020】
本発明の他の1つの側面において、それ自体の位置を推定するための装置は、WLANプローブ要求を送信することだけができる送信モジュールと、前記装置の有効距離内における複数のWLANAPからのプローブ応答信号内の情報を受信するための受信モジュールと、該装置の有効距離内の該複数のWLANAPが識別するために該プローブ応答信号内の情報から該複数のWLANAPの識別情報を抽出するための抽出ロジックと、前記装置の有効距離内の該WLANAPを識別する該抽出された情報の少なくとも一部に基づいて該装置の位置を推定するためにWLANベースの測位システムと協力するロジックと、を含む。
【0021】
本発明の一側面において、該抽出ロジックは、前記装置以外のWLAN対応装置に向けられたWLAN信号からの情報を抽出するロジックを含む。
【0022】
本発明の他の1つの側面において、該WLAN無線モジュールは、前記装置以外のWLAN装置に向けられているWLANパケット、WLAN APに向けられているWLANパケット、又はWLAN APにより発せられたWLANパケットをスニッフィングする。
【0023】
本発明の他の1つの側面において、該WLAN無線モジュールは、前記WLAN APからのブロードキャスト・パケットを受信する。
【0024】
本発明の他の1つの側面において、該無線モジュールは、該WLAN対応アクセス・ポイントから受信した信号について少なくとも1つの受信信号強度インジケータ(received signal strength indicator(RSSI))値を測定するためのロジックを含み、該協力するロジックは前記RSSI値を前記WLANベースの測位システムに提供する。
【0025】
本発明の他の1つの側面において、それ自体の位置を推定するための装置は、前記装置の有効距離内における複数のWLAN APにより送信された複数のWLAN信号を受信するためのWLAN無線モジュールと、該WLAN APを識別するために受信された前記複数のWLAN信号から情報を抽出するための抽出ロジックと、前記装置の有効距離内の該WLANAPを識別する該抽出された情報の少なくとも一部に基づいて該装置の位置を推定するためにWLANベースの測位システムと協力するロジックと、を含む。該抽出ロジックは、複数の、類似するけれども同一ではないWLANパケットのヘッダを、WLANパケット・ヘッダ・フィールドのサブセットを伴う、該複数のパケットに関係するWLAN APを前記抽出ロジックがそれから識別し得るところの組み合わせ複合パケット・ヘッダを形成するために、組み合わせるダイバーシティ及び組み合わせロジックを含む。
【0026】
本発明の他の1つの側面において、該協力するロジックは、該抽出された情報が、誤っているパケットとして各個に検出されたパケットからダイバーシティ及び組み合わせロジックによって何時導出されたかを示す情報を該WLANベースの測位システムに提供する。
【0027】
本発明の一側面において、装置は、複数のWLANアクセス・ポイント(AP)からの無線信号情報を収集することに応答して、それ自体の位置を推定する。該装置は、前記装置の有効距離内の複数のWLAN APにより送信された複数のWLAN信号を受信するためのWLAN無線モジュールと、該WLAN APを識別するために前記受信されたWLAN信号から情報を抽出するための抽出ロジックと、前記装置の有効距離内の該WLANAPを識別する該抽出された情報の少なくとも一部に基づいて該装置の位置を推定するためにWLANベースの測位システムと協力するロジックと、を含む。該抽出ロジックは、該装置の有効距離内の該複数のWLAN APの抽出された識別情報をキャッシュするためのロジックと、対応するWLAN APにより送信された信号の受信の時間を示す情報をキャッシュするためのロジックとを含む。そして、該協力するロジックは、抽出されキャッシュされた情報を前記WLANベースの測位システムに提供するとき、該キャッシュされた時間情報を考慮する。
【0028】
本発明の他の1つの側面において、該キャッシュするためのロジックは、該装置と他のアクセス・ポイントとの間の通常データ通信から抽出された識別情報をキャッシュするロジックと、該装置の位置を推定するモードの間に該装置により受信されたWLANパケットから抽出された識別情報をキャッシュするロジックとを含む。
【0029】
本発明の一側面において、装置は、複数のWLANアクセス・ポイント(AP)から無線信号情報を収集することに応答して、それ自体の位置を推定する。該装置は、前記装置の有効距離内における複数のWLAN APにより送信された複数のWLAN信号を受信するためのWLAN無線モジュールと、該複数のWLAN APを識別するために受信された前記複数のWLAN信号から情報を抽出するための抽出ロジックと、前記装置の有効距離内の該複数のWLAN APを識別する該抽出された情報に少なくとも部分的に基づいて該装置の位置を推定するためにWLANベースの測位システムと協力するロジックとを含む。該WLAN無線モジュールは、WLAN APからのWLANパケットのRSSIのサンプル・レートを増大させ、これにより前記装置のドップラー周波数の推定を改善するために充分に長いWLANパケットについて複数の受信信号強度インジケータ(RSSI)値を測定するためのロジックを含む。
【0030】
本発明の一側面において、装置は、複数のWLANアクセス・ポイント(AP)から無線信号情報を収集することに応答してそれ自体の位置を推定する。該装置は、前記装置の有効距離内における複数のWLAN APにより送信された複数のWLAN信号を受信するためのWLAN無線モジュールと、該WLAN APを識別するために受信された前記複数のWLAN信号から情報を抽出するための抽出ロジックと、前記装置の有効距離内の該WLANAPを識別する該抽出された情報の少なくとも一部に基づいて該装置の位置を推定するためにWLANベースの測位システムと協力するロジックと、を含む。該WLAN無線モジュールは、前記装置の有効距離内のWLAN APのアクティブ・スキャニングのためのフェーズと前記装置の有効距離内のWLAN APのパッシブ・スキャンニングのフェーズとを含み、該パッシブ・スキャンニング・フェーズはWLANチャネルの所定の選択されたサブセットだけをスキャンする。
【0031】
本発明の他の1つの側面において、該所定の選択されたサブセットは、最も多く使用されるWLANチャネルである。
【0032】
本発明の他の1つの側面において、該WLAN無線モジュールは、複数のWLANチャネルを同時にスキャンするパッシブ・スキャンニング・フェーズを含む。
【0033】
本発明の種々の実施態様のより完全な理解のために、添付図面と関連して解釈される以下の記述が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】WLAN測位システムの高レベル・アーキテクチャを示す。
【図2】情報がWLAN測位システムに送信されるべく無線データ・パケットから抽出されるプロセスを示す。
【図3】WLAN測位システムによって使用される専用装置により収集される情報を示す。
【図4】無線データ・パケットから抽出された情報においてパケット・エラーが識別されるプロセスを示す。
【図5】装置の地理的位置の推定のためにWLAN測位システムのためのWLAN信号情報を収集するための専用装置の構成を示す。
【図6】装置の地理的位置の推定のためにWLAN測位システムのためのWLAN信号情報を収集するための専用プローブ要求送信部を有する装置の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の好ましい実施態様は、WLAN測位システムのクライアントにより使用される無線信号情報を収集する専用装置(本書において“WPS専用装置”或いは“専用装置”)を提供する。専用装置は、WLANアクセス・ポイント(AP)を検出して、該装置の位置、移動の速度及び方向を推定するために使用されるAP信号情報をWPSに提供する。WPSに使用される専用装置は、電力消費量及び装置コストを最少にすると同時に、なるべく多くの検出可能なWLANアクセス・ポイント信号から情報を集めるように設計される。
【0036】
1つの実施の形態において、WPS専用装置のレシーバは、周囲のAPのリストを作るために該装置のレシーバにより放送中検出された、ブロードキャスト・パケット、マルチキャスト・パケット、ユニキャスト・パケット、及びデータ・パケットを含む全てのパケットからMACアドレスを抽出する。すなわち、該専用装置の位置を推定するために該専用装置以外のターゲット・アドレスを有するパケットでも検出され使用される。WPSユーザの周囲のWLAN APを検出するために、パケットのソース・アドレス及び宛先アドレスの両方が使用される。IEEE802.11標準規格は、ヘッダ内のMACアドレスのタイプを定義する2つのフラグ、To DS及びFrom DS、を導入した。これら2つのフラグは、ヘッダ内のAPのMACアドレスを識別するために使用される。ヘッダ内のMACアドレスのタイプと、どれがAPに属するかのインジケータが無ければ、全てのMACアドレスが抽出されてWPSに送られる。APのMACアドレスだけがAPのデータベース内に存在するので、機械的に、WPSはAPのMACアドレスを考慮するだけである。APを含む各WLAN装置に一意のMACアドレスが割り当てられることに留意されたい。以下で説明されるように、MACアドレスがそれから抽出されるところのソース・パケットのタイプと共に全てのパケットの受信信号強度も測定されてWPSに報告され得る。或るタイプのパケットの送信強度はWPSに知られていないかもしれないので、好ましい実施態様はパケットのタイプをRSSI(Received Signal Strength Indicator(受信信号強度インジケータ))値と共にWPSに送る。或るデータ・パケットの正確な送信強度は装置のレシーバに知られていないかもしれないが、或る信号は既知の強度レベルで送信され、例えば、ビーコン信号は常時最大強度で送信される。
【0037】
典型的なWLAN対応装置は、トランスミッタと、レシーバと、WLAN及びWLAN対応装置の間の全二重通信をサポートするためのロジックとから成る。無線LANでは、媒体は、全てのユーザ及びユーザ・コンテンツの間で媒体にアクセスして情報を送信するために共有される。このため、各ユーザは、それに宛てられたパケットを検出して取り出すために全てのパケットをデコードしなければならない。その様なWLAN通信装置のロジックは、WLANアクセス・ポイントからの一定のタイプの信号(例えば、他のWLAN装置に向けられたユニキャスト信号)を無視するように構成される。対照的に、好ましい実施態様の専用装置は、どのパケットも無視せずに、各パケットからMACアドレス、RSSI、及びその他の、WPSにとって有益な情報を抽出する。専用装置は、典型的なWLAN通信装置に存在するトランスミッタ機能及びレシーバ機能の多くを必要としない。もっぱらWPSに専用されるロジックを有する専用装置は、ハードウェア及びソフトウェア要件が減ぜられているので、より経済的に構成され得る。更に、その様な装置の電力消費量は全二重装置のそれより少量であり得る。
【0038】
以下で記載される本発明の実施態様は、参照により本書に組み込まれる、上記の関連出願に記載されているWi−Fiベースの位置確認サービス及び方法と共に、又本書で開示される方法と共に、使用されてもよい。これらの出願は、種々の推定の精度を高めるその様なサービス及び技術を利用するWi−Fi対応装置の地理的位置、速度、及び方位を推定するためにその様なデータが使用されてもよいように、Wi−Fiアクセス・ポイントのために高品質の位置データを収集する特定の方法を教示した。
【0039】
一般的に、組み込まれた出願に大幅に詳しく記載されているように、WLAN測位システムでは、ユーザのWLAN対応モバイル装置は、該モバイル装置の有効距離内のWLANアクセス・ポイントをスキャンする。該モバイル装置は、有効距離内のアクセス・ポイントに関する情報(例えば、該アクセス・ポイントのMACアドレス及び受信信号強度)を記録し、該アクセス・ポイントの地理的位置を受信するためにデータベースに問い合わせる。このデータベースは、該モバイル装置上に存在し得、或いは中央サーバ上に存在し得、遠隔アクセスされ得る。収集された情報とアクセス・ポイント位置とを使用して、WLAN測位システムはユーザの地理的位置を推定する。好ましい実施態様の技術は、付加的な信号情報が該専用装置によって収集されることを可能にする。例えば、在来のデータ通信技術では無視されるパケットが今や考慮される。同様に、誤っているパケットが使用されることもある。以下で詳しく記載されるように、この付加的情報は、改善された、及び/又はより正確な、位置、速度、及び方位推定をWPSが提供することを可能にする。
【0040】
WLAN測位システムはクライアント・サーバ・ベースのアーキテクチャで実現され得、その場合には中央データベースはサーバに存在し、クライアントの位置を判定するためにはサーバへの接続が必要である。この接続は、例えば、WLANを使用して、或いは種々の移動電話無線標準規格のうちの1つ以上のような他の無線信号方法を使用して、実現され得る。更に、測位システムはサーバ応答無しでクライアント装置上で実現され得、その場合には、種々のデータベース、テーブル及びアルゴリズムは専用装置上に置かれる。
【0041】
図2は、WLAN測位システムへ送信される情報が無線パケットから抽出されるプロセスを示す。このプロセスは、送信部を持たないWPS専用装置を使用して実現され得る。無線信号をAPから受信すると、物理層は、受信された全てのパケットのヘッダをデコードする(ステップ201)。ロジックは、その後、該パケットからMACアドレスを抽出し(ステップ202)、受信されたパケットのタイプに基づいて該MACアドレスを体系化する(ステップ203)。例えば、該パケットはブロードキャスト・パケット、マルチキャスト・パケット、又はユニキャスト・パケットであってもよい。収集されたMACアドレスのこのテーブルは、例えば上で組み込まれた出願に開示されている技術を使用して該専用装置の地理的位置を推定するためにWPSにより使用されるように、検出されたAPのリストとしてWPSに送られる(ステップ204)。
【0042】
より多様なパケットから情報を抽出する他に、該専用装置は、ダイバーシティを使用すると共に複数のパケットを組み合わせることによって、弱い無線信号を検出し得る。弱い信号で受信されたパケットはエラーの確率がより高くなる傾向にあり、もしそれらがCRCチェックをパスせず、少なくとも1つのエラーがそれらに検出されたならば、この方法を使用して、複数の異なるパケットの同じ情報を組み合わせることによって、誤っているパケットは訂正され得る。ここで“ダイバーシティ”という語は、或る割合の同じ情報を有する複数の異なるパケットを組み合わせ、それらを組み合わせることによってエラーの確率を低下させるという思想を指す。例えば、受信されたパケットは単に異なったシーケンス番号を持ってもよく、他のフィールドは同じままである。ダイバーシティの在来の定義は、同じ送信されたパケット/情報の複数のコピーを受信して、受信を改善するためにそれらを組み合わせることであるということに留意されたい。最大比組み合わせ(maximum ratio combining)、選択組み合わせ(selective combining)、或いは等利得組み合わせ(equal gain combining)のような、パケットを組み合わせる様々の既知/在来方法がある。パケットの共通部分を組み合わせるために、ここではどの組み合わせ方法でも使用され得る。提案される方法は、或る割合の共通情報を有する異なるパケットを組み合わせることに基づいているので、組み合わされ得るパケットを識別する必要がある。これは、パケットの類似性を見出すことにより実行され、もしその類似性が閾値より上であれば、組み合わせが検査される。従って、それぞれのパケットは(例えばCRCエラーに起因して)使用できなかったかもしれないけれども、ダイバーシティ及び組み合わせ技術は、(例えばより多くのWLAN信号サンプルをWPSに提供することにより)位置推定を改善するために、これらの、さもなければ使用できなかったパケットを使用することを可能にする。
【0043】
この方法は、複数のパケットからのヘッダ情報を組み合わせることにより受信部の感度を高める。複数のパケットからのヘッダ情報を組み合わせることにより、専用装置は、複数のパケット内の受信情報を利用し、そして誤っているビットを検出し、それらを訂正し、そして専用装置の受信部の感度を効果的に高め得る。低い強度値で受信されるパケットは、誤っている確率がより高い。典型的なWLAN対応装置では、受信される強度が減少するに連れて、パケット内のエラーに起因してより多くのパケットが物理層で拒否されるようになる。対照的に、2つ以上のパケットが同じWLAN APから発しているか或いは同じWLAN対応装置(これは専用装置である必要はない)に宛てられているときには、専用装置は、エラーを検出し、該パケットに存在するエラーを訂正するために該パケット内の情報を組み合わせる。
【0044】
この技術はAPからの弱い信号を検出することを可能にする。換言すれば、それは、さもなければ典型的なWLAN対応装置により捨てられる付加的な信号情報を利用することによって感度を高める。検出されるAPの数を増やせば、位置推定の精度及び有効範囲が増大する。APを検出するためには、専用装置は、MACアドレスを抽出するためにパケット・ヘッダを処理することだけが必要となる。同じWLAN装置を終点とする一連のパケットが同じWLAN装置から発しているか、或いは同じセッションの一部であるならば、ヘッダ内に多数の共通フィールドがある。共通フィールドを有する複数のパケットを考慮することにより、専用装置は、エラー(単数又は複数)そのものを識別して、少なくとも位置推定のためにパケット情報を使用するのに充分なように該エラー(単数又は複数)をもしかしたら訂正するのに役立ち得る。
【0045】
データ訂正を行う方法が多数ある。一般的に、該方法の全ては、エラーを識別してそれらを訂正するために一連のパケットで送信された共通情報を使用する。例えば、同じパケットの2つのコピーを受信することにより、装置はそれら2つの間の差異を識別して、ことによるとそれらのエラーを訂正し得る。たとえエラーが訂正され得なくても、MACアドレスが正しいことを保証するためにヘッダの誤っている部分の識別が使用され得る。802.11パケットのヘッダはCRC(Cyclic Redundancy Check(巡回冗長検査))技術を使用して保護されるということに留意されたい。このため、エラーを検出するためにCRCチェックが使用される。
【0046】
上記の実施の形態に加えて、WPS専用装置は、検出されたAPのリストの中の、どんな方法を適用しても訂正され得ないエラーを含むヘッダから抽出されたMACアドレスを、該アドレスが誤っているパケットから抽出されたことを示すフラグと共に、含む。このため、WPSに送られる検出されたAPのリストは、エラーの無いパケットから抽出されたAP MACアドレスのリストと、エラーのあるパケットから抽出されたAP MACアドレスのリストとを含む。従って、WPSは、エラーを含むパケットに関連付けられた情報を、該情報が不正確であるかもしれないという事実を考慮に入れる仕方で、使用し得る。検出されるAPの数を増やせば、位置推定の精度及び有効範囲が改善する。
【0047】
図3は、WLAN測位システムにより使用されるべくWPS専用装置により収集された情報を示す。アクセス・ポイント301は、自分のMACアドレスを含む信号を送信する。モバイル装置302はWPS専用装置を含む。該専用装置は、アクセス・ポイント301を含む有効距離内のAPから情報を収集し、検出されたAPのリスト303を生成する。このリストはWPS304に送られる。検出されたAPのリスト303は、MACアドレスを含み、随意に、受信信号強度インジケータ値を含む。該リストのエントリは、MACアドレスのソースであったパケットのタイプ(例えば、ブロードキャスト、マルチキャスト、或いはユニキャスト)、及び、専用装置がCRCエラーを検出したか否かに基づいて分類される。このリストは、該装置の位置を推定するためにWLAN測位システム304に送られる。
【0048】
図4は、WLANパケットから抽出された情報においてパケット・エラーが識別されるプロセスを示す。最初のステップで、全ての検出可能なパケットが捕捉され、各パケットのヘッダがデコードされる(ステップ401)。該パケットを発したAPのMACアドレスがヘッダから抽出されるとき、CRCチェックをパスしたパケットは正しいフラグでフラグされ(ステップ402)、CRCチェックをパスしなかったパケットはエラー・フラグでフラグされる(ステップ403)。次に、MACアドレスの全てが、該MACアドレスのソースであったパケットのタイプ(例えば、ブロードキャスト、マルチキャスト、或いはユニキャスト)、及び該パケットがCRCチェックをパスしたか否かに基づいて、編成される(ステップ404)。最後に、該リストは、該装置の位置を推定するためにWLAN測位システムに送られる(ステップ405)。
【0049】
WPS専用装置は、APのMACアドレスを抽出するためにパケットのヘッダを読むことだけを必要とする。このため、専用装置のレシーバは、ヘッダをデコードする対応する物理層を備えることだけを必要とする。例えば、ヘッダはベース速度で送信されるので、WPS専用装置はベース速度をデコードする必要がある。ベース速度は、WLAN標準規格の異なるバージョン間で共通の送信速度である。例えば、IEEE802.11標準規格は、データ転送速度を該標準規格のバージョン‘b’のための11Mbpsとバージョン‘a’及び‘g’のための54Mbpsとに拡張するために物理層に複数のオプションを提供する。しかし、これらのパケットのヘッダは常に1Mbpsのベース速度で送信される。RSSIのより正確な測定は(例えば、組み込まれた出願に開示されている技術を使用して)移動の位置、速度、及び方向の推定の精度を高める。しかし、パケットのRSSIを測定することは、WPSの動作のために必須ではない。例えば、WPSは、強度測定無しでパケットのために公称強度値を仮定し得、公称強度値に基づいてモバイル装置の位置を推定し得る。
【0050】
他の実施態様により、受信専用のWPS専用装置が提供され、それはWLANアクセス・ポイント信号情報を受動的な方法で収集する(すなわち、該装置は、始めにリクエストを送信することを必要とせずに信号を受信する)。一般に、WPSがクライアント装置の位置を推定することを可能にするためには、クライアント装置は付近のWLANアクセス・ポイントを検出しなければならず、随意に、各々の検出されたAPに関連するRSSI値を測定しなければならない。受信専用WPS専用装置は、組み込まれた出願において論じられているようにWLANアクセス・ポイントを検出し、他のWLAN対応装置に宛てられたAPにより発せられたパケットを傍受することにより或いはWLANアクセス・ポイントにより送信されたブロードキャスト・パケットを受信することによってパケットを検出してもよい。傍受技術及びブロードキャスト技術は受信専用装置のためには特に有益である。それは、それらの装置が送信部を持っておらず、APの返答或いは応答を引き起こし得ないからである。パケットを傍受したか或いはブロードキャスト・パケットを受信した後、受信専用WPS専用装置は、パケットのヘッダに埋め込まれているAPのMACアドレスを読み、随意に、パケットの関連する信号強度を測定することだけを必要とする。
【0051】
WPS専用装置の電力消費量は、受信部が稼働状態である時間を最小にすることによって最少にされ得る。好ましい実施態様のWPS専用装置は、低電力消費モード(例えば、スタンバイ・モード)であり、無線媒体上でパケットが検出されたときにアクティブ化される。更に、それはヘッダ・サイズの時間の間だけアクティブ化される。WPS専用装置は、ヘッダを受信してそれをデコードすることだけを必要とし、パケットの残余を無視してもよい。WPS専用装置は、WLANチャネルにおけるアクティビティーを検出する単純なキャリヤ・センス・モジュールを備え得る。キャリヤ・センス・モジュールは、WLANレシーバ・モジュールより低い電力消費量を有する。WLANレシーバ・モジュールは、検出されたAPのMACアドレスを抽出し、随意に、受信された信号の関連するRSSI値を推定するだけであるようにWPSのために最適化され得る。位置推定を求めるリクエストを受信すると、該装置は、キャリヤ・センス・モジュールにWLANチャネルを信号アクティビティーについて監視させる。キャリヤ・センス・モジュールがアクティビティーを検出したとき、それはレシーバ・モジュールをアクティブ・モードに変化させ、これはパケット・ヘッダを読んでWLAN APのMACアドレスを抽出する。
【0052】
更に、キャリヤ・センス・モジュールは、電力消費量を最少化するためにパッシブな電子部品で設計され得る。更に、キャリヤ・センス・モジュールは、無線周波数をプロセッサ周波数へ下降変換する必要を無くするためにRF帯域で動作するように設計され得る。従って、レシーバ回路の、キャリヤ感知のために必要とされない部分は、必要とされるまでは低電力消費モード(例えば、スタンバイ・モード)に留まり得る。その時に、キャリヤ・センス・モジュールは、いずれかのチャネルでパケットを検出するとレシーバ回路をアクティブ化する。
【0053】
図5は、装置の地理的位置を推定するためのWLAN測位システムのためにWLAN信号情報を収集するための受信専用WPS専用装置500の構成を示す。装置500は、アンテナ501及びRFモジュール502、或いはキャリヤを検出するためにだけ必要とされるRFモジュールの部分、及びWLANチャネルにおけるアクティビティーを検出するキャリヤ・センス・モジュール503を有する。装置500は、WLAN信号処理のために必要とされる他のRFモジュール504と、ベースバンド・モジュール505と、パケット・ヘッダを処理してMACアドレスと信号の関連するRSSI値とを抽出するパケット処理モジュール506とを含む。
【0054】
WLAN信号処理に要するRFモジュール504と、ベースバンド・モジュール505と、パケット処理モジュール506とは、WLAN信号が検出されたときにのみ必要とされる。従って、これらのモジュールは低電力消費モード(例えば、スリープ・モード)に保たれる。キャリヤ・センス・モジュール503がWLANチャネルにおけるアクティビティーを検出したとき、キャリヤ・センス・モジュール503は電力モード制御接続508を介して他の全てのモジュールをアクティブ・モードに変化させる。該チャネル上でパケットが検出されると、キャリヤ・センス・モジュール504は、パケットのヘッダをデコードするために、RFモジュール502からの信号を電子回路スイッチ507を介してレシーバ・モジュールの残余へ経路指定する。
【0055】
“ビーコン検出器”は、受信専用WPS専用装置の1つの実例となるインプリメンテーションである。ビーコンは、WLANアクセス・ポイントによって定期的にブロードキャストされる信号であって、該アクセス・ポイントのMACアドレスを含む。従って、ビーコン検出器は、MACアドレスを抽出し、随意にビーコン信号から関連するRSSI値を計算する、簡単な受信専用装置である。
【0056】
本発明の他の1つの実施態様では、WPSに使用されるように最適化されたトランスミッタ及びレシーバを含むWPS専用装置が提供される。付近のWLANアクセス・ポイント及び関連するRSSI値を検出するために、専用装置は、プローブ要求メッセージをブロードキャストして有効距離内のWLAN APからプローブ応答を受信することによってWLAN APを能動的に探る。“プローブ応答”及び“プローブ要求”はIEEE802.11標準規格における特定のメッセージを指すけれども、本発明の実施態様は、任意のWLANアクセス・ポイントについてのアクティブ・スキャニングという一般的思想も含む。スキャンニングの所要時間は短く、該装置の無線モジュールは短時間給電され、それにより少量の電力を消費するだけであるので、アクティブ・スキャニングはWLAN APを検出する迅速で電力効率的な(電力効率の高い)方法である。
【0057】
図6はWPS専用装置600の1つの可能な形態を示し、該専用装置の送信部はプローブ要求メッセージだけを送信するように設計されている。これは送信部の構成を大幅に簡単化する。例えば、送信部のベースバンド・モジュールは削除され得る。同様に、送信部は所定のプローブ要求パケットを送信するだけであるように設計されるので、さもなければ送信部を制御するために必要とされることになるソフトウェアの多くは削除され得る。この実例となる実施の形態では、プローブ要求パケットは、予め生成されてプローブ要求送信モジュール601に格納される。アクティブ・スキャニングを実行するコマンドを受信すると、プローブ要求パケットはRFモジュール602に直接供給され得る。RFモジュール602は、プローブ要求をアンテナ603を介して周囲のWLAN APに送信する。
【0058】
有効距離内のWLAN APはプローブ応答で応答し、それらはアンテナ603及びRFモジュール602により専用レシーバ・モジュール604に送られる。レシーバ・モジュール604は、プローブ応答からMACアドレスを抽出し、関連するRSSI値を計算する。レシーバ・モジュール604は、プローブ応答以外のメッセージをデコードできなくても良い。IEEE802.11標準規格のプローブ応答及びプローブ要求はベース速度で送信される。従って、プローブ要求送信モジュール601、RFモジュール602、及びレシーバ604は、プローブ要求及びプローブ応答の物理層をサポートすることだけを必要とする。随意に、レシーバの設計は、上記のように全てのパケットのヘッダ・ファイルの全てを放送中に読んで、検出されたAPのアドレス指定されているMAC及びRSSI値のリストを作るように拡張され得る。その様なインプリメンテーションでは、専用装置は、要求に応じて周囲のWLAN APから情報を収集できると共に放送中の検出可能な任意のWLAN無線信号から情報を抽出できるという二重の利益を有する。装置は、その時、位置推定を実行するためにローカル・データベースを調べてもよいし、或いはリモート・データベースへの他の形のアップリンクを使用してもよい(例えば、セルラ・リンク)。
【0059】
既知のWPS対応装置のための典型的な手法は、クライアントの装置(例えば、ラップトップ、PDA、或いはセル電話)に組み込まれている(或いは付加されている)既存のWLANトランシーバを利用することである。しかし、上記のように、好ましい実施態様のWPS対応装置は、WLAN AP信号情報を収集するために典型的WLANカードの機能の全ては必要としない。ユーザの装置が典型的WLANカードを備えていないときには、それをWPS対応とするためにユーザ装置(ラップトップ、セル電話、或いはPDA)にWPS専用装置が付加され得る。従って、本発明の実施態様の1つの潜在的な用途は、標準的な既製のWLANトランシーバを備えていない装置をWPS対応化することである。これは、WPS専用装置をユーザ装置に付加することにより、或いはWPS専用装置を汎用集積回路に統合することによって達成され得る。例えば、GPS装置、ラップトップ、PDA、及び移動電話は、これらの装置のマイクロプロセッサ及び/又はチップセットにWPS専用装置を包含させることによってWPS対応化され得る。
【0060】
本発明の実施態様は、任意のモバイル装置の汎用チップセット(例えば、GPS或いはマイクロプロセッサ)との統合の主な問題点のうちの幾つかに対処する。殆ど全ての統合事例に当てはまる2つの一般的問題点は、価格及び電力消費量である。更に、本発明の実施態様は、特定の装置へのWLANトランシーバの統合に関して発生する特定の問題点にも対処する。例えば、WLANトランシーバは、GPS装置との干渉を引き起こし得る。送信部を削除するか或いは送信部の使用を制限することにより、共に上に記載されたように、潜在的な干渉が低減又は除去される。同様に、ここに開示されている技術を採用することにより、ハードウェアのコスト及び電力消費量が低減され得る。更に、WPS専用装置をGPSレシーバに統合するときには、GPS及びWPS専用装置はレシーバ・ハードウェアを共有し得る。例えば、受信部は、アンテナ及び/又は局部発振器を共有し得る。
【0061】
WPS専用装置は、特定の目的のために構築され得、或いは既製のWLANカードを使用することによって構築され得る。後者の場合、不要なモジュール及び装置は植え込まれない。他の構成では、標準的な既製のWLANカードは完全に植え込まれるけれども、不要なモジュールは無効にしてもよい。他の構成では、典型的な既製のWLAN対応装置がWPSに使用されるようにカスタマイズされる。その様な場合には、既製のインターフェースのアプリケーション・プログラミング・インターフェースは、上記の技術を実行するようにカスタマイズされる。例えば、以下に記載されるように、WLAN対応装置は、なるべく多くのWLAN APを検出し、余分の信号測定を実行し、及び/又は、移動の位置、速度、及び方向の推定の精度を高めるために信号測定のうちの或るものをWPSに対して明らかにするように指令され得る。
【0062】
本発明の他の1つの実施態様により、WLAN対応装置のスキャンニング・プロセスは、パッシブ・スキャニング及びアクティブ・スキャニングを組み合わせることによって最適化され得る。
【0063】
パッシブ・スキャニング及びアクティブ・スキャニングはIEEE802.11標準規格の一部である。幾つかのWLAN装置製造業者によってハイブリッド・スキャンニングが提案されており、それは、全チャネルのパッシブ・スキャンが後に続くアクティブ・スキャン、又は動作し続けているチャネルのパッシブ・スキャンが後に続くアクティブ・スキャンとして記述される。スキャンニングを実行するリクエストを受信すると、WLAN対応装置は全チャネルでアクティブ・スキャニングを実行し、その後にパッシブ・スキャニングが続く。パッシブ・スキャニングは、最も多く使用されるチャネルで実行され得る。例えば、米国におけるIEEE802.11使用のためには、パッシブ・スキャニングはチャネル1、6、及び11で実行され得るが、それは、これらが最もポピュラーなチャネルだからである。更に、2.4GHzスペクトラムにおけるIEEE802.11標準規格での実施のために、26個のMHzチャネルがオーバーラップされて僅か5MHzで分離される。このため、2つ以上のチャネルがパッシブ・スキャニング及びアクティブ・スキャニングのために一度にスキャンされ得る。RFハードウェアは、既知の方法を使用して、装置が一度に2つ以上のチャネルをスキャンすることを可能にするように設計され得る。例えば、RFフィルタは、2つ以上のチャネルの信号が通過し得るように広い帯域幅を持たされ得る。もしスキャンニング・プロセスが、アクティブ・スキャニング、最も多く使用されるWLANチャネルのパッシブ・スキャニング及び全チャネルのパッシブ・スキャニングである複数のステップに分割されるならば、スキャンニングはスキャンニングの各ステップの結果に基づいて更に最適化され得る。換言すれば、報告されたAPの数がエンド・ユーザの位置を推定するために十分であるならば、スキャンニングは各ステップの後に停止され得る。エンド・ユーザの位置を推定するために必要とされるAPの最少数と電力消費量との間には釣り合いがある。エンド・ユーザの位置を推定するために必要とされるAPの最少数を増大させると、より多くのステップをスキャンする確率が高まると共により多くの電力を消費するけれども、それはエンド・ユーザの総合的な精度を高める。
【0064】
本発明の上記実施態様の拡張により、WLAN対応装置の周囲のWLAN APのスキャンニングのプロセスは、該WLAN対応装置のステータスに基づいて最適化される。目標は、該WLAN対応装置のステータスについての情報を使用することにより該WLAN対応装置の最適化のためのスキャンニングに起因する電力消費量を最少にすることである。例えば、もしWLAN対応装置が低電力消費量モードになっていてどのAPとも関連していなければ、短いアクティブ・スキャニングが使用され得て該装置は速やかに低電力消費量モードに戻り得る。もしWLAN対応装置が低電力消費量モードになっているけれどもAPと関連していて該装置の通常動作の一部として定期的にアクティブ・モードになるならば、最適化のためのスキャンニングは、該WLAN対応装置が他の理由からアクティブ化されるのと同時に実行され得る。最適化と他のアクティビティーとを結び付けることは、該イベント間の最大時間差に合わせて決定され得る。換言すれば、もし最適化のためにスキャンするリクエストと他のアクティビティーとの時間が時間閾値を上回るならば、それらは独立に計画し得、さもなければそれらは互いに結び付けられて同時に起こり得る。もしWLAN対応装置がアクティブになっていてAPと関連しているならば、該WLAN装置はとにかくアクティブなので、パッシブ・スキャニングが後に続くアクティブ・スキャニングが実行され得る。“関連(Association)”という語はIEEE802.11標準規格に導入されていて、それは、WLAN対応装置とWLAN APとの間に論理的接続が確立されていることを意味する。
【0065】
本発明の他の1つの実施態様により、WLAN装置は、検出されたどのAPも記録して、局所的に、それに、最後の所与の期間の間或いは最近検出されたWLANアクセス・ポイントの最大数まで、時間タグを付ける。
【0066】
典型的WLAN対応装置の通常動作においては、該装置は、パケットが該装置に向けられているか否かを判定するためにパケットをデコードするか或いはビーコン・ブロードキャスト信号をデコードする。周囲のAPのMACアドレスは、デコードされたパケット又はビーコン信号から抽出され得るけれども、それらは無視されるか或いは後の使用のために保存されない。WLAN対応装置を改変することにより、検出されたAPのリストは検出の時間と共に局所的に保存される。
【0067】
その後、将来の時点で、キャッシュされた情報は、検出の時間を示す時間タグと共に、位置推定を求める要求に応答して、WPSに送られ得る。検出されたAPの履歴の格納は、移動の位置、速度、及び方向の推定の精度を高めるために使用され、それは、一番最新のスキャンがデータベース中のどのAPも報告しない場合に有効範囲も増大させる。
【0068】
キャッシュされた情報及び関連する時間タグは、WPSがユーザの移動の履歴を利用し、ユーザを追跡し、移動の位置、速度、及び方向の推定の精度を高めることを可能にする。更に、もしAPスキャンニング要求が受信されたときにWLAN対応装置がAPを検出し得なければ、キャッシュされた信号情報がWPS対応装置の後の位置を予測するために使用され得る。
【0069】
ナビゲーションシステムでは、2クラスの位置推定が導入される、すなわちエンド・ユーザの位置は移動の履歴を使用して、或いは移動の履歴を使用せずに、推定され得る。履歴を使用しないのは単発推定であって、それは瞬時受信信号に基づく。それはエンド・ユーザの位置の一時推定(a one time estimation)である。移動の履歴を使用する場合、ユーザの位置及びユーザ移動のパターンの過去の履歴がシステムに知られていて、ユーザの現在位置が信号の瞬間的な表示だけに基づかなくて以前の移動の履歴の全体をも考慮する。これはトラッキングを使用する位置推定とも称される。移動の履歴を使用する場合の推定の精度は単発推定より高い。移動の履歴は、将来の時点でのユーザの位置を予測するためにも使用され得る。このため、現在の時点でのユーザの位置を確認すると共に測位システムの有効範囲を改善するために利用し得る信号が無ければ、予測された位置が報告され得る。
【0070】
本発明の他の1つの実施態様により、各パケットについて複数のRSSIサンプルが提供される。各パケットは複数のセグメントに分割され、RSSIは各セグメントについて別々に測定される。これらのRSSI値は、既知の方法を使用して各APについてドップラー周波数基準を推定するために使用される。例えば、マルチパスに起因する強度変動の分布の強度スペクトル密度の帯域幅はレイリー及びリシアン分布(Rayleigh and Rician distribution)についてはドップラー周波数に等しい。知られているように、レイリー分布又はリシアン分布の強度スペクトル密度の帯域幅を推定するために、理想的には、数個の強度サンプルがナイキスト・サンプリング理論を満たすべきである。理想的ナイキスト・サンプリング速度に近づけば、ドップラー推定の精度が向上する。従って、強度サンプリングレートは、この方法で測定され得る最大ドップラー周波数に関して限定要因であり得る。WPS専用装置と上記の技術とは、それが検出する各パケットについて強度測定値を提供することにより及び/又は所与のパケットについて複数の強度読取り値を提供することにより(例えば、該パケットの第1半分に関連する1つの強度測定値と該パケットの第2半分に関連する他の1つの強度測定値)、強度分布のサンプリングレートの増加を可能にする。各APのRSSI値は他のAP RSSI値とは別に考慮される。
【0071】
時間的強度変動に基づくドップラー周波数の推定に関しては広範な取りくみ及び研究がある。WLAN対応装置により提供される強度サンプルは、高い周波数を推定するのに充分であるほどには頻繁でないので、既知のどのWLANベース測位システムもドップラー周波数を推定するためにこれらの方法を使用しない。このため、既製のWLANカードを使用するこの方法は非常に小さなドップラー周波数又は非常に小さな速度を推定するために使用され得るけれども、実際的なユーザ速度の全範囲をカバーするためには、より多い1秒当たり強度サンプルが必要である。
【0072】
上記のように、本発明の種々の実施態様では、キャリヤ周波数の値を、受信されたパケットに含まれている情報と共に集め、それらを位置、速度、及び方位を推定するためにWPSエンジンに送り得る。
【0073】
本発明は上記実施態様に限定されるものではなく、添付されている請求項により定義されるものであるということが認識されるであろう。そしてこれらの請求項は、記載されたものに対する改変及び改良を含むであろう。例えば、実施態様はクライアント・サーバ・アーキテクチャを有するものとして記載されている。しかし、本発明の実施態様はユーザのモバイル装置において実現され得、その場合モバイル装置はアクセス・ポイント位置データを包含して、ユーザの位置を判定するのに必要な全ての技術を実行する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のWLANアクセス・ポイント(AP)から無線信号情報を収集することに応答してそれ自体の前記位置を推定するための装置であって、前記装置は、
前記装置の有効距離内における複数のWLAN APにより送信された複数のWLAN信号を受信するための受信専用WLAN無線モジュールと、
前記複数のWLAN APを識別するために受信された前記複数のWLAN信号から情報を抽出するための抽出ロジックと、
前記装置の前記有効距離内の前記複数のWLAN APを識別する前記抽出された情報の少なくとも一部に基づいて前記装置の前記位置を推定するためにWLANベースの測位システムと協力するロジックと、
を含む、前記装置。
【請求項2】
前記抽出ロジックは、ネットワーク・プロトコルの物理層で動作し、それは前記プロトコルの前記ベース・データ転送速度でパケットを受信する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置はWLANチャネルにおけるアクティビティーを検出すると共に、アクティビティーを検出したことに応答して前記受信専用WLAN無線モジュールを低電力消費状態から能動的WLAN信号受信状態にアクティブ化するキャリヤ・センス・ロジックを含む、請求項1に記載の前記装置。
【請求項4】
複数のWLANアクセス・ポイント(AP)から無線信号情報を収集することに応答してそれ自体の前記位置を推定するための装置であって、前記装置は、
WLANプローブ要求を送信することだけができる送信モジュールと、
前記装置の有効距離内の複数のWLAN APからのプローブ応答信号内の情報を受信するための受信モジュールと、
前記装置の有効距離内における前記複数のWLAN APが識別されるように前記プローブ応答信号内の情報から前記複数のWLAN APの識別情報を抽出するための抽出ロジックと、
前記装置の前記有効距離内の前記複数のWLAN APを識別する前記抽出された情報の少なくとも一部に基づいて前記装置の前記位置を推定するためにWLANベースの測位システムと協力するロジックと、を含む、前記装置。
【請求項5】
複数のWLANアクセス・ポイント(AP)から無線信号情報を収集することに応答してそれ自体の前記位置を推定するための装置であって、前記装置は、
前記装置の有効距離内における前記複数のWLAN APにより送信された複数のWLAN信号を受信するためのWLAN無線モジュールと、
前記複数のWLAN APを識別するために受信された前記複数のWLAN信号から情報を抽出するための抽出ロジックと、
前記装置の前記有効距離内の前記複数のWLAN APを識別する前記抽出された情報の少なくとも一部に基づいて前記装置の前記位置を推定するためにWLANベースの測位システムと協力するロジックと、
を含み、
前記抽出ロジックは、前記装置以外のWLAN対応装置に向けられたWLAN信号から情報を抽出するロジックを含む、前記装置。
【請求項6】
前記WLAN無線モジュールは、前記装置以外の複数のWLAN装置に向けられているWLANパケットを傍受する、請求項5に記載の前記装置。
【請求項7】
前記WLAN無線モジュールは、複数のWLAN APに向けられている複数のWLANパケットを傍受する、請求項5に記載の前記装置。
【請求項8】
前記WLAN無線モジュールは、複数のWLAN APにより発せられた複数のWLANパケットを傍受する、請求項5に記載の前記装置。
【請求項9】
前記WLAN無線モジュールは、前記複数のWLAN APからブロードキャスト・パケットを受信する、請求項5に記載の前記装置。
【請求項10】
前記無線モジュールは、前記複数のWLAN APから受信された前記信号について少なくとも1つの受信信号強度インジケータ値を測定するためのロジックを含み、前記協力するロジックは前記RSSI値を前記WLANベースの測位システムに提供する、請求項5に記載の前記装置。
【請求項11】
複数のWLANアクセス・ポイント(AP)から無線信号情報を収集することに応答してそれ自体の前記位置を推定するための装置であって、前記装置は、
前記装置の有効距離内における前記複数のWLAN APにより送信された複数のWLAN信号を受信するためのWLAN無線モジュールと、
前記複数のWLAN APを識別するために受信された前記複数のWLAN信号から情報を抽出するための抽出ロジックと、
前記装置の前記有効距離内の前記複数のWLAN APを識別する前記抽出された情報の少なくとも一部に基づいて前記装置の前記位置を推定するためにWLANベースの測位システムと協力するロジックと、
を含み、
前記抽出ロジックは、複数の、類似するけれども同一ではない複数のWLANパケットのヘッダを、WLANパケット・ヘッダ・フィールドのサブセットを伴う、前記複数のパケットに関係する複数のWLAN APを前記抽出ロジックがそれから識別し得るところの組み合わせ複合パケット・ヘッダを形成するために、組み合わせるダイバーシティ及び組み合わせロジックを含む、前記装置。
【請求項12】
前記協力するロジックは、前記抽出された情報が、誤っているパケットとして各個に検出されたパケットからダイバーシティ及び組み合わせロジックによっていつ導出されたかを示す情報を前記WLANベースの測位システムに提供する、請求項11に記載の前記装置。
【請求項13】
前記協力するロジックは、前記抽出された情報が、エラーを伴う訂正不能でもあるパケットからいつ導出されたかを示す情報を前記WLANベースの測位システムに提供する、請求項11に記載の前記装置。
【請求項14】
前記ダイバーシティ及び組み合わせロジックは、前記パケット・ヘッダの巡回冗長検査にパスしなかった複数のWLANパケットを操作する、請求項11に記載の前記装置。
【請求項15】
前記複数のWLANパケットは複数のフィールドを含み、前記ダイバーシティ及び組み合わせロジックは、それについて前記フィールドのサブセットが識別情報を有し且つフィールドの他の1つのサブセットがその中に含まれる異なる情報を有するところのパケットを操作する、請求項11に記載の前記装置。
【請求項16】
複数のWLANアクセス・ポイント(AP)から無線信号情報を収集することに応答してそれ自体の前記位置を推定するための装置であって、前記装置は、
前記装置の有効距離内における複数のWLAN APにより送信された複数のWLAN信号を受信するためのWLAN無線モジュールと、
前記複数のWLAN APを識別するために受信された前記複数のWLAN信号から情報を抽出するための抽出ロジックと、
前記装置の前記有効距離内の前記複数のWLAN APを識別する前記抽出された情報の少なくとも一部に基づいて前記装置の前記位置を推定するためにWLANベースの測位システムと協力するロジックと、
を含み、
前記抽出ロジックは、前記装置の有効距離内における前記複数のWLAN APの前記抽出された識別情報をキャッシュするためのロジックと、前記対応する複数のWLAN APにより送信された前記信号の受信の前記時間を示す情報をキャッシュするためのロジックとを含み、
前記協力するロジックは、抽出されキャッシュされた情報を前記WLANベースの測位システムに提供するとき、前記キャッシュされた時間情報を検討する、前記装置。
【請求項17】
前記キャッシュするためのロジックは、前記装置と他のアクセス・ポイントとの間の通常データ通信から抽出された識別情報をキャッシュするロジックと、前記装置の前記位置を推定するモードの間に前記装置により受信されたWLANパケットから抽出された識別情報をキャッシュするロジックとを含む、請求項16に記載の前記装置。
【請求項18】
前記キャッシュ・ロジックは前記キャッシュされた情報を規定時間保持する、請求項16に記載の前記装置。
【請求項19】
前記キャッシュ・ロジックは所定の項目のために前記キャッシュされた情報を保持する、請求項16に記載の前記装置。
【請求項20】
複数のWLANアクセス・ポイント(AP)から無線信号情報を収集することに応答してそれ自体の前記位置を推定するための装置であって、前記装置は、
前記装置の有効距離内における前記複数のWLAN APにより送信された複数のWLAN信号を受信するためのWLAN無線モジュールと、
前記複数のWLAN APを識別するために受信された前記複数のWLAN信号から情報を抽出するための抽出ロジックと、
前記装置の前記有効距離内の前記複数のWLAN APを識別する前記抽出された情報の少なくとも一部に基づいて前記装置の前記位置を推定するためにWLANベースの測位システムと協力するロジックと、
を含み、
前記WLAN無線モジュールは、複数のWLAN APからの複数のWLANパケットのRSSIの前記サンプル・レートを増大させ、これにより前記装置のドップラー周波数の推定を改善するために充分に長いWLANパケットについて複数の受信信号強度インジケータ値を測定するためのロジックを含む、前記装置。
【請求項21】
複数のWLANアクセス・ポイント(AP)から無線信号情報を収集することに応答してそれ自体の前記位置を推定するための装置であって、前記装置は、
前記装置の有効距離内における前記複数のWLAN APにより送信された複数のWLAN信号を受信するためのWLAN無線モジュールと、
前記複数のWLAN APを識別するために受信された前記複数のWLAN信号から情報を抽出するための抽出ロジックと、
前記装置の前記有効距離内の前記複数のWLAN APを識別する前記抽出された情報の少なくとも一部に基づいて前記装置の前記位置を推定するためにWLANベースの測位システムと協力するロジックと、
を含み、
前記WLAN無線モジュールは、前記装置の有効距離内における複数のWLAN APのアクティブ・スキャニングのためのフェーズと前記装置の有効距離内における複数のWLAN APのパッシブ・スキャニングのためのフェーズとを含み、
前記パッシブ・スキャニングのためのフェーズはWLANチャネルの所定の選択されたサブセットだけをスキャンする、前記装置。
【請求項22】
前記所定の選択されたサブセットは、最も多く使用されるWLANチャネルである、請求項21に記載の前記装置。
【請求項23】
前記WLAN無線モジュールは、複数のWLANチャネルを同時にスキャンするパッシブ・スキャニング・フェーズを含む、請求項21に記載の前記装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−543074(P2009−543074A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518645(P2009−518645)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/072976
【国際公開番号】WO2008/006077
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(507135744)スカイフック ワイヤレス,インク. (12)
【Fターム(参考)】