説明

X線映像取得・イメージング装置および方法

【課題】 X線映像取得・イメージング装置および方法を提供する。
【解決手段】複数のピクセルを含むピクセルブロックで区画されるX線センサを用いてX線映像を取得することができる。このとき、それぞれのピクセルは、互いに異なる特性を有するシンチレータ層を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の1つ以上の実施例は、X線映像取得装置および方法とイメージング装置と方法に関するものであり、より詳細には、X線映像などオブジェクトに対する映像(image)のコントラスト(contrast)を高めることができるX線映像取得装置および方法と、X線映像取得装置と、イメージング装置とそれに関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
X線(X−ray)は、ガンマ線と紫外線の中間波長に該当する波長を有する透過性の強い電磁気波である。X線映像は、通常X線をオブジェクト(object)に放射する場合、観察されたオブジェクトをなす物質と同じオブジェクトの厚さに応じて透過率が異なる原理を用いて生成される。例えば、X線映像は、医療分野、保安検索分野、および非破壊検査分野などで用いられることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10−0640251号公報
【特許文献2】特開2000−298198号公報
【特許文献3】特開2003−00578号公報
【特許文献4】特開2007−093376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、コントラストが高いオブジェクトに対する映像を取得することができるX線映像取得装置およびその方法、イメージング装置を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、単色光X線、狭帯域X線、多色光X線を選択的に用いてX線映像を取得することができるX線映像取得装置およびその方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのX線を光に変換するシンチレータパネル(scintillator panel)を含むセンサ部と、前記光から変換された電気的信号を用いて複数の第1X線映像を生成し、前記複数の第1X線映像に基づいて第2X線映像を生成する映像生成部とを含み、前記センサ部は、複数のピクセルを含むピクセルブロックで区画され、前記シンチレータパネルは、複数のピクセルそれぞれに対応する複数のシンチレータ層を含み、前記シンチレータ層は互いに異なる層特性を有するX線映像取得装置が提供される。
【0007】
前記X線は、少なくとも単色光X線、狭帯域X線、および多色光X線のうちのいずれか1つを含むことができる。
【0008】
また、互いに異なる層の特性は、前記シンチレータ層の厚さおよび前記シンチレータ層を構成する物質の種類のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0009】
また、前記シンチレータ層を構成する物質は、少なくとも、CsI、CsI(Tl)、Gd2O2S(Tb)、Gd2O2S(Eu)、Y2O2S(Eu)、Y2O3(Eu)、およびガーネット(garnet)含有物質のうちの少なくともいずれかの1つを含むことができる。
【0010】
前記少なくとも1つのX線は、互いに異なるエネルギーレベルを有する複数のX線を含むことができ、前記複数の第1X線映像それぞれは、前記複数のX線に対応する。
【0011】
前記複数のピクセルそれぞれは、前記複数のX線に対応することができ、前記複数のシンチレータ層それぞれの層特性は、ピクセルそれぞれに入射するX線のエネルギーレベルに対応して形成されることができる。同じように、前記複数のピクセルは、前記複数のX線にそれぞれ対応することができ、前記映像生成部は、ピクセルに入射するX線のそれぞれに対応する前記ピクセルから発生する電気的信号に基づいて、第1X線映像を生成することができる。
【0012】
また、前記複数のピクセルそれぞれは、前記複数のX線に対応することができ、前記映像生成部は、ピクセルに入射するX線それぞれに対応する前記ピクセルから発生する電気的信号、および前記ピクセルに隣接したピクセルに入射するX線それぞれに対応する前記隣接したピクセルから発生する電気的信号に基づいて、前記第1X線映像を生成することができる。
【0013】
本発明の一実施例に係るX線映像取得装置は、前記少なくとも1つのX線をオブジェクト(object)に放射する放射部をさらに含むことができ、前記シンチレータパネルは、前記少なくとも1つのX線が前記オブジェクトを透過した後に、前記透過した少なくとも1つのX線を光に変換することができる。前記放射部は、前記少なくとも1つのX線を順次放射して、前記放射されるX線は、コーンビーム(cone−beam)またはファンビーム(fan−beam)状とすることができる。さらに、前記放射部は前記複数のX線を同時に放射して、前記放射されるX線はファンビーム状とすることができる。
【0014】
前記放射部は、前記オブジェクトを中心に複数の角度で前記少なくとも1つのX線を放射することができる。
【0015】
また、前記少なくとも1つのX線は1つの多色光X線を含むことができ、前記複数のピクセルそれぞれは前記複数の第1X線映像に対応する。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、X線をオブジェクトに放射する放射部と、前記オブジェクトを透過した前記X線を検出するセンサ部と、前記検出されたX線を用いて前記オブジェクトに対するX線映像を生成する映像生成部とを含み、前記放射部は、複数の第1X線を放射する第1放射部と、多色光X線を放射する第2放射部とを含み、前記センサ部は、複数のピクセルを含むピクセルブロックで区画された第1シンチレータパネルおよび均一な厚さを有する第2シンチレータパネルを含み、前記第1シンチレータパネルおよび前記第2シンチレータパネルは、前記複数のピクセルとそれぞれ対応する複数のシンチレータ層を含み、前記シンチレータ層は互いに異なる層特性を有するX線映像取得装置が提供される。
【0017】
複数のピクセルを含む複数の区画されたピクセルブロックと、前記複数のピクセルの第1ピクセルに含まれ、第1電磁気放射スペクトラムを光に変換するための第1シンチレータ層と、前記複数の第2電磁気放射スペクトラムを光に変換するための第2シンチレータ層とを含み、前記複数のピクセルそれぞれは、シンチレータを含むX線映像を得るための電磁気放射スペクトラム装置が提供される。
【0018】
本発明の一実施例によれば、複数のピクセルを含む複数の区画されたピクセルブロックと、シンチレータパネルを含み、前記複数のピクセルそれぞれは、少なくとも1つのX線を光に変換するシンチレータ層を含み、前記シンチレータパネルは、前記複数のピクセルそれぞれに対応する複数のシンチレータ層を含み、前記シンチレータ層は、互いに異なる層特性を有し、前記互いに異なる層特性は、シンチレータ層それぞれの厚さ、および前記シンチレータ層それぞれを構成する物質の種類のうちの少なくとも1つのX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置が提供される。
【0019】
シンチレータ層それぞれを介して、少なくとも1つのX線から変換された光を用いて少なくとも1つの第1X線映像を生成するセンサ部、および前記少なくとも1つの第1X線映像に基づく少なくとも1つの第2X線映像を生成する映像生成部を含むX線映像取得装置が提供される。
【0020】
また、本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの電磁気放射スペクトラムを放射する放射ユニットと、前記放射された少なくとも1つの電磁気放射スペクトラムを検出するセンサとを含み、前記センサは、複数のピクセルを含むピクセルブロックで区画され、前記複数のピクセルそれぞれはシンチレータ層を含み、前記複数のピクセルのうち第1ピクセルに含まれる第1シンチレータ層は、第1電磁気放射スペクトラムを光に変換し、前記複数のピクセルのうち第2ピクセルに含まれる第2シンチレータ層は、第2電磁気放射スペクトラムを光に変換するイメージング装置が提供される。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、互いに異なる層特性を有するシンチレータパネルの複数のシンチレータ層それぞれに対応する複数のピクセルを含むピクセルブロックで区画される、前記シンチレータパネルから生成される光に基づいて少なくとも1つのX線信号を生成するステップと、前記生成された少なくとも1つのX線信号に基づいて複数の第1X線映像を生成するステップと、前記複数の第1X線映像に基づいて第2X線映像を生成するステップとを含むX線映像取得方法が提供される。
【0022】
本発明のさらなる実施例および/または長所は、下記にて詳細に説明する。前記詳細な説明によって、または本発明の実施によって、前記本発明のさらなる実施例および/または長所が明確になる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施形態に係るX線映像取得装置およびその方法、イメージング装置は、コントラストが高いオブジェクトに対する映像を取得することができる。
【0024】
また、本発明の一実施形態に係るX線映像取得装置および方法は、単色光X線、狭帯域X線、多色光X線を選択的に用いてX線映像を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るX線映像取得装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るシンチレータパネルの構造を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るセンサ部の構造を示す図である。
【図4】順にX線を放射する放射部の一例を示す図である。
【図5】順にX線を放射する放射部の一例を示す図である。
【図6】複数のX線を同時に放射する放射部の一例を示す図である。
【図7】X線映像取得装置のさらに他の一実施形態を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るX線映像取得方法をステップ別に示すフローチャートである。
【図9】本発明の他の一実施形態に係るX線映像取得方法をステップ別に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る好ましい実施形態について、添付の図面を参考にしながら詳細に説明する。
【0027】
各図に示す同一の参照符号は、同一の部材を表す。しかし、本発明が実施例によって、制限されたり限定されることはない。参考に、実施例に応じて図に示される実施例は、単に本発明の一面を説明するためのものである。
【0028】
図1は、本発明の一実施例に係るX線映像取得装置を示す図である。以下に示す装置(apparatus)という用語(term)は、物理的なシステムの要素と同じ意味として扱われるべきであり、図に示される実施例のそれぞれの一要素や図に示されている一実施例に制限されるものではない。むしろ、実施例は互いに異なる要素によって分離するか一緒に考慮して理解されるべきである。それぞれの装置/システムまたは方法は、1つ以上のプロセシング要素/装置を介して制御されることができ、分散型ネットワークを介して実行されることができ、さらなる実施例および代替的な実施例に適用することができることに注意しなければならない。
【0029】
本発明の一実施形態に係るX線映像取得装置100は、放射部110と、センサ部120と、映像生成部130とを含むことができる。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、X線映像取得装置100は、互いに異なるエネルギーレベルを有する複数のX線を用いてオブジェクトに対するX線映像を取得することができる。また、本発明の他の一実施形態によれば、X線映像取得装置100は、1つの多色光X線を用いてオブジェクトに対するX線映像を取得することもできる。以下では、互いに異なるエネルギーレベルを有する複数のX線を用いてオブジェクトに対するX線映像を取得する場合と、1つの多色光X線を用いてオブジェクトに対するX線映像を取得する場合とに分けて説明する。
【0031】
実施例では、互いに異なるエネルギーを有する前記複数のX線を用いて前記オブジェクトの前記X線映像を取得することができ、放射部110は、互いに異なるエネルギーレベルを有する複数のX線を放射してオブジェクト(object)に透過させることができる。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、前記X線は、単色光X線(monochromatic X−ray)、狭帯域X線(narrow band X−ray)、および多色光X線(polychromatic X−ray)のうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0033】
実施例では、X線映像を取得する場合、一般的に1つの多色光X線が用いられることができる。しかしながら、多色光X線を用いてX線映像を取得する場合、映像のコントラストが低く、オブジェクトの一部構成が不明瞭に表現されることがある。
【0034】
したがって、本発明の一実施形態に係るX線映像取得装置100は、特定エネルギーを有する複数の単色光X線または狭帯域X線を用いてX線映像を取得することができ、これによってX線映像のコントラストを高めようとする。このとき、複数の単色光X線または狭帯域X線それぞれは、互いに異なるエネルギーレベルを有することができる。すなわち、マルチエネルギー(multi−energy)X線を用いてX線映像を取得することができる。
【0035】
狭帯域X線とは、X線スペクトラムの半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)値が20keV以下の値を有するX線を意味し、狭帯域X線のエネルギーレベルは、狭帯域X線の平均エネルギーを意味する。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、放射部110は、白色光を放射する放射ソースおよび白色光から単一エネルギーを有する単色光X線または狭帯域X線を取得するためのフィルタを含むことができる。一例として、単色光X線または狭帯域X線を取得するためのフィルタは、ブラッグの法則(Bragg’s law)を用いた単色光X線フィルタであり得る。
【0037】
また、本発明の一実施形態によれば、X線映像取得装置100は、互いに異なるエネルギーレベルを有する複数の多色光X線を用いてX線映像を取得することもできる。この場合、単色光または狭帯域X線を用いてX線映像を取得する場合よりもX線映像のコントラストが低いことがあるが、後述するシンチレータパネルの層特性により、1つの多色光X線を用いるX線映像装置よりもコントラスタが高いX線映像を取得することができる。多色光X線のエネルギーレベルも、多色光X線の平均エネルギーを意味する。
【0038】
放射部110を介して放射されたX線は、オブジェクトを透過してセンサ部120を介して検出される。
【0039】
センサ部120は、オブジェクトを透過した複数のX線を測定することができる(measureable)光に変換するシンチレータパネル(scintillator panel)を含むことができる。シンチレータは、放射線が入射されれば光を発する蛍光物質を意味することができる。
【0040】
このとき、センサ部120は、複数のピクセルを含むピクセルブロックで区画され、シンチレータパネルは、複数のピクセルとそれぞれ対応する複数のシンチレータ層を含むことができ、シンチレータ層は互いに異なる層特性を有する。
【0041】
実施例では、ピクセルブロックは、X線映像において1つのピクセルと対応する。すなわち、ピクセルブロックの数は、X線映像のピクセル数と対応する。
【0042】
それぞれのピクセルは、シンチレータ層を含む。また、後述するように、ピクセルは、光電変換素子(photoelectric transducer)をさらに含むことができる。
【0043】
ここで、層特性は、シンチレータ層の物理的、化学的特性を意味する。一例として、物理的特性としては、シンチレータ層の厚さ(深さ)、広さ(面積)などが含まれるようになり、化学的特性としては、シンチレータ層を構成する物質の種類などが含まれるようになる。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、層特性は、シンチレータ層の厚さおよびシンチレータ層を構成する物質の種類のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0045】
一例として、複数のピクセルに含まれるシンチレータ層それぞれは同じ物質で構成され、互いに異なる厚さを有することができる。
【0046】
他の一例として、複数のピクセルに含まれるシンチレータ層それぞれは同じ厚さを有し、相違した物質で構成することができる。
【0047】
さらに、複数のピクセルに含まれるシンチレータ層それぞれは互いに異なる厚さを有し、相違した物質で構成することもできる。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、シンチレータ層を構成する物質は、CsI、CsI(Tl)、Gd2O2S(Tb)、Gd2O2S(Eu)、Y2O2S(Eu)、Y2O3(Eu)、およびガーネット(garnet)含有物質のうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。本発明は、前記実施例に制限されないことに注意しなければならない。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、複数のピクセルは、複数のX線とそれぞれ対応し、複数のシンチレータ層それぞれの層特性は、ピクセルに対応するX線のエネルギーレベルに基づいて決定されるようになる。
【0050】
シンチレータ層の厚さが極めて厚い場合、放射線の光への変換がシンチレータ層内部で完了し、このとき光がシンチレータを通過すれば光が散乱することがある。反対に、シンチレータ層の厚さが薄い場合、光への変換が完了しないこともある。したがって、シンチレータ層は、放射線の適切な/要求されるエネルギーレベルに応じて適切な厚さを有さなければならない。
【0051】
すなわち、本発明の一実施形態によれば、シンチレータ層の厚さおよびシンチレータ層を構成する物質の種類のうちの少なくとも1つ以上は、X線のエネルギーレベルに基づいて決定されるようになる。一例として、シンチレータ層の厚さは、X線のエネルギーレベルに比例することができる。すなわち、X線のエネルギーが大きいほど、シンチレータ層の厚さも大きくなる。
【0052】
また、実施例では、シンチレータ層を構成する物質は、入射されるX線のエネルギーレベルに応じて互いに異なる減衰(attenuation)特性を加えるため、シンチレータ層を構成する物質は、入射される放射線のエネルギーレベルに応じて適切な物質ではなければならない。
【0053】
したがって、複数のピクセルに含まれるシンチレータ層それぞれが複数のX線それぞれのエネルギーレベルに適合した厚さを有し、複数のX線それぞれのエネルギーレベルに適合した物質で構成される場合、X線映像のコントラストを高められるようになる。
【0054】
以下、図2を参考しながら、本発明の一実施形態に係るシンチレータパネルについて詳しく説明する。
【0055】
図2は、本発明の一実施形態に係るシンチレータパネルの構造を示す図である。
【0056】
シンチレータパネル200は、複数の層ブロック210で区画される。また、それぞれの層ブロックは、複数の層211〜214を含んで構成される。
【0057】
ここで、シンチレータパネル200は、1つの物質で構成され、複数の層ブロック210はすべて同じ構造を有するものと仮定する。
【0058】
また、図2では、層ブロック210が4つの層211〜214を含む2×2のサイズを有するアレイ(array)で構成されるものと仮定したが、層ブロック210は任意の数の層を含むことができ、アレイのサイズも変更することができる。すなわち、代替的な実施例が可能である。
【0059】
また、図2では、X線映像を取得するために4つの単色光X線(これをそれぞれ第1単色光X線、第2単色光X線、第3単色光X線、および第4単色光X線とし、そのエネルギーレベルはそれぞれE1、E2、E3、E4である)が用いられ、4つの単色光X線は、シンチレータパネルによって測定することができる光線、例えば可視光線に変換されることができる。
【0060】
複数の層は、複数の単色光X線とそれぞれ対応することができるため、層211〜層214は、第1単色光X線〜第4単色光X線とそれぞれ対応することができる。すなわち、層211は、第1単色光X線を第1測定することのできる光線に変換するための層であることができる。同様に、層212は第2単色光X線を第2測定することのできる光線に、層213は第3単色光X線を第3測定することのできる光線に、層214は第4単色光X線を第4測定することのできる光線にそれぞれ変換するための層であることができる(勿論、実施例によっては、第1単色光X線は、層212〜層214によっても測定することのできる光線に変換されるものであるが、図2ではこれについての説明を省略する)。
【0061】
第1測定することのできる光線〜第4測定することのできる光線は、互いに異なるエネルギースペクトラムを有することができる(例えば、それぞれの光線は、互いに異なるエネルギースペクトラムを有することができる)。これとは異なり、第1測定することのできる光線〜第4測定することのできる可視光線は、同じエネルギースペクトラムを有することもできる。言い換えれば、第1単色光X線〜第4単色光X線が互いに異なるエネルギーレベルを有する場合、第1測定することのできる光線〜第4測定することのできる光線は互いに異なるエネルギーレベルを有することもできるし、同じエネルギーレベルを有することもできる。
【0062】
第1単色光X線を用いる場合、層211の光線の値を用いてX線映像を生成することができる。同様に、第2単色光X線を用いる場合には層212の光線の値を、第3単色光X線を用いる場合には層213の光線の値を、第4単色光X線を用いる場合には層214の光線の値を用いてX線映像を生成することができる。ここでは4つの光線を用いたが、本発明の実施例がこれに制限されることはない。
【0063】
後述するように、本発明の一実施形態に係るX線映像取得装置は、生成された互いに異なるX線映像を用いてオブジェクトに対する最終X線映像を取得することができる。
【0064】
図2に示すように、層211〜層214は、それぞれt1〜t4の厚さを有する。このとき、t1〜t4は、単色光X線のエネルギーレベル(E1〜E4)に基づいて決定されるようになる。また、上述したように、t1〜t4は、単色光X線のエネルギーレベル(E1〜E4)に比例することができる。シンチレータ層の厚さがt1<t2<t3<t4の関係を有するため、単色光X線のエネルギーレベルはE1<E2<E3<E4の関係を有する。
【0065】
再び図1を参考しながら、本発明の一実施形態に係るX線映像取得装置100について説明する。
【0066】
本発明の一実施形態によれば、センサ部120は、光電変換素子を含むことができる。光電変換素子は、光を電気的信号に変換することができる。
【0067】
以下、図3を参考しながら、本発明の一実施形態に係るシンチレータパネルと光電変換素子との関係について詳しく説明する。
【0068】
図3は、本発明の一実施形態に係るセンサ部の構造を示す図である。
【0069】
図3では、センサ部のピクセルブロックを示している。図3には、一例として、ピクセルブロックが2つのピクセルを含むものとして示されているが、図2に示すように、ピクセルブロックは、2×2のサイズを有するアレイ状に配列された4つのピクセルを含んで構成されることができ、その他にも、他の数のピクセルを含んで構成されることもできる。すなわち、他の数のピクセルおよびピクセルブロックを有する他の実施例が可能となる。実施例によっては、ピクセルそれぞれは、シンチレータパネルの一部であるシンチレータ層321、322を含む。図3において、ピクセルに含まれるそれぞれのシンチレータ層321、322は同じ物質で構成され、互いに異なる厚さを有するものと仮定することができる。
【0070】
オブジェクトを透過したX線310は、センサ部に含まれたシンチレータ層321、322に受信されることができる。シンチレータ層321と反応したX線310は光331に変換され、シンチレータ層322と反応したX線310は光332に変換される。上述したように、光331と光332は、互いに異なるエネルギーレベルを有することもできるし、同じエネルギーレベルを有することもできる。
【0071】
シンチレータ層321、322の下端には、光331および光332を電気的信号に変換するための光電変換素子341、342が配置されている。光電変換素子341は光331を電気的信号に変換し、光電変換素子342は光332を電気的信号に変換する。また、他の代替的な実施例も可能であることを注意すべきである。
【0072】
一例として、光電変換素子341、342は、フォトダイオード(photodiode)などとすることができる。また、光電変換素子341、342は、PIN(Positive−Intrinsic−Negative)ダイオードなどとすることができる。また、他の代替的な実施例も可能であることをもう一度注意しなければならない。
【0073】
他の一例として、光電変換素子341、342は、フォトンカウンティングピクセルデテクタ(photon counting pixel detector)などとすることができ、レンズ(lens)を備えたCCDデテクタ(Charge−coupled device Detector)が光電変換素子341、342として用いられることもある。
【0074】
再び図1を参考しながら、本発明の一実施形態に係るX線映像取得装置100について説明する。
【0075】
映像生成部130は、前述した光から変換した電気的信号を用いて複数のX線それぞれと対応する複数の第1X線映像を生成し、複数の第1X線映像を用いて第2X線映像を生成する。
【0076】
上述したように、本発明の一実施形態に係るX線映像取得装置100は、互いに異なるエネルギーレベルを有する複数のX線を用いてオブジェクトに対するX線映像を取得することができるが、この場合、第1X線映像は、複数のX線のうちの1つのX線と対応することができる。すなわち、1つのX線に対応して1つの第1X線映像が生成されることができる。したがって、放射される複数のX線の数と生成される第1X線映像の数は同じになり得る。
【0077】
映像生成部130は、生成された複数の第1X線映像を用いて第2X線映像を生成することができるが、第2X線映像は、取得しようとするオブジェクトに対するX線映像を意味する。これは実施例に過ぎず、また他の代替的な実施例も可能であることに注意すべきである。
【0078】
このとき、映像生成部130は、複数の第1X線映像のうちから1つの第1X線映像を選択し、選択された第1X線映像を第2X線映像としてオブジェクトに対する選択された第1X線映像を出力X線映像として出力することができる。
【0079】
また、映像生成部130は、複数の第1X線映像のうちから少なくとも1つ以上の第1X線映像を選択し、選択された少なくとも1つ以上の第1X線映像を合成して第2X線映像を生成することができる。
【0080】
また、映像生成部130は、複数の第1X線映像のうちから少なくとも1つ以上の第1X線映像を選択し、選択された少なくとも1つ以上の第1X線映像から発生した差映像(difference image)を第2X線映像として前記発生した差映像に基づくオブジェクトに対するX線映像を出力することもできる。
【0081】
また、本発明の一実施形態によれば、映像生成部130は、光から変換した電気的信号を処理するための電気的回路(図示せず)を含んで構成することができる。このとき、電気的回路はTFT(thin film transistor)を含むことができ、光から変換した電気的信号は、TFTによってリードアウト(readout)されるようになる。
【0082】
本発明の一実施形態によれば、複数のピクセルは、複数のX線とそれぞれ対応し、映像生成部130は、X線に対応するピクセルの電気的信号に基づいて第1X線映像を生成することができる。
【0083】
すなわち、複数のX線のうちの1つのX線が特定のエネルギーレベルを有する場合(例えば、E1)、映像生成部130は、1つのX線と対応する特定のピクセル(例えば、図2の層211を含むピクセル)から取得した電気的信号に基づいてオブジェクトに対する第1X線映像を取得することができる。
【0084】
また、本発明の他の一実施形態によれば、複数のピクセルは、複数のX線とそれぞれ対応し、映像生成部130は、X線に対応する特定のそれぞれのピクセルの電気的信号およびピクセルと隣接したピクセルの電気的信号に基づいて第1X線映像を生成することができる。
【0085】
すなわち、映像生成部130は、放射されるX線と対応するピクセルの電気的信号だけではなく、対応するピクセルと隣接したピクセル、すなわち上下、左右、対角線方向などで対応するピクセルと接触または隣接しているピクセルの電気的信号値をすべて用いてオブジェクトに対する第1X線映像を取得することもできる。この場合、1つのピクセル値ではない周辺の他のピクセル値も第1X線映像の生成に用いられるため、感度が優れており、コントラストが高いX線映像を生成することができる。
【0086】
本発明の一実施形態によれば、放射部110は、複数のX線を順に放射し、放射されるX線は、コーンビーム(cone−beam)状またはファンビーム(fan−beam)状などとすることができる。また他の代替的な実施例も可能であることに注意すべきである。
【0087】
また、本発明の他の一実施形態によれば、放射部110は、複数のX線を同時に放射し、放射されるX線はファンビーム状などとすることができる。また他の代替的な実施例も可能であることをもう一度注意すべきである。
【0088】
以下、図4〜図6を参照しながら、本発明の一実施形態に係る放射部について詳しく説明する。
【0089】
図4および図5は、順にX線を放射する放射部の一例を示す図である。
【0090】
上述したように、放射部410および510から放射されるX線は、単色光X線、狭帯域X線、多色光X線のうちのいずれか1つであることができる。
【0091】
図4は、コーンビーム状のX線を放射する場合を示す図である。
【0092】
すなわち、放射部410は、シンチレータパネルを含んだセンサ部420にX線430を放射するが、図4に示すように、X線430の形態は円錐(コーンビーム)状などとすることができる。
【0093】
この場合、放射部410は、複数のX線を順に放射する。放射される複数のX線は、互いに異なるエネルギーレベルを有することができる。
【0094】
センサ部420は、順に放射されるX線とそれぞれ対応するピクセルのピクセル値を格納することができるが、このとき映像生成部(図示せず)は、格納されたピクセル値を用いてオブジェクトに対するX線映像を生成する。
【0095】
図5は、ファンビーム状のX線を放射する場合を示す図である。
【0096】
放射部510は、センサ部520にX線530を放射し、放射されるX線は扇(ファンビーム)状を有することができる。互いに異なるエネルギーレベルを有する複数のX線それぞれは順に放射されることができる。この場合、X線は、センサ部520に含まれたシンチレータパネルの列(row)単位で放射されることができる。
【0097】
一例として、放射部510は、回転軸に基づいて回転し、センサ部520全体にX線を放射することができる。
【0098】
さらに他の一例として、放射部510は、垂直移動軸に基づいて上下に移動しながらファンビーム状のX線を放射することができる。
【0099】
センサ部520は、順に放射されるX線とそれぞれ対応するピクセルのピクセル値を格納し、映像生成部(図示せず)は、格納されたピクセル値を用いてオブジェクトに対するX線映像を生成することができる。
【0100】
図6は、複数のX線を同時に放射する放射部の一例を示す図である。
【0101】
この場合、放射されるX線は、単色光X線であっても良く、狭帯域X線であっても良く、単色光X線と狭帯域X線をすべて含むこともできる。
【0102】
放射部610は、センサユニット620に互いに異なるエネルギーレベルを有する複数のX線631〜634を同時に放射する。一例として、図6では、4つのX線が放射される場合を示している。実施例によっては、また他の数のX線が放射され得ることに注意すべきである。
【0103】
一例として、X線映像を生成するときに用いようとするX線の数が放射部610が一度に放射することができるX線の数よりも多い場合、放射部610は、複数のX線を同時に放射するステップを繰り返すことができる。例えば、用いようとするX線の数が12個であり、放射部610が一度に放射することができるX線の数が4つである場合、放射部610は、4つのX線の放射を3回繰り返すことができる。前記放射の繰り返しは順になされる。
【0104】
X線は、センサ部620に含まれたシンチレータパネルの列単位で放射されるが、この場合、放射部610は、回転軸に基づいて回転しながらX線を放射することもできるし、垂直移動軸に基づいて上下に移動しながらX線を放射することもできる。また他の代替的な実施例も可能であることに注意すべきである。
【0105】
再び図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係るX線映像取得装置100について説明する。
【0106】
以上では、互いに異なるエネルギーレベルを有する複数のX線を用いてオブジェクトに対するX線映像を取得する場合について説明した。以下では、1つの多色光X線を放射してX線映像を取得する場合について説明する。
【0107】
本発明の一実施形態によれば、放射部110は、多色光X線を放射してオブジェクトに透過させることができる。
【0108】
この場合、センサ部120は、オブジェクトを透過した多色光X線を検出する。
【0109】
上述したように、センサ部120は、オブジェクトを透過した複数のX線を測定することのできる光線に変換するシンチレータパネルを含む。また、センサ部120は、複数のピクセルを含むピクセルブロックで区画され、シンチレータパネルは、複数のピクセルとそれぞれ対応する複数のシンチレータ層を含み、シンチレータ層は互いに異なる層特性を有することができる。すなわち、シンチレータそれぞれは、互いに異な層特性を有することができる。
【0110】
したがって、シンチレータパネルに入射した多色光X線は、シンチレータ層によって光に変換されることができるが、それぞれのピクセルに含まれるシンチレータ層は互いに異なる層特性を有するため、映像生成部130は、1つの多色光X線に対して複数の第1X線映像を生成することができる。
【0111】
例えば、シンチレータパネルが、図2に示すように4つのピクセルを含むピクセルブロックに含まれるように形成された場合、1つのピクセルブロックに入射する多色光X線は、互いに異なる層特性を有するシンチレータ層によって互いに異なる放射光量を有する4種類の識別することができる光にそれぞれ変換される。これを用い、映像生成部130は、互いに異なる4つの第1X線映像を生成することができ、4つの第1X線映像を用いてオブジェクトに対するX線映像(第2X線映像)を生成することができる。
【0112】
この場合にも、層特性は、シンチレータ層の厚さおよびシンチレータ層を構成する物質の種類のうちの少なくとも1つを含むことができ、シンチレータ層を構成する物質は、CsI、CsI(Tl)、Gd2O2S(Tb)、Gd2O2S(Eu)、Y2O2S(Eu)、Y2O3(Eu)、およびガーネット含有物質のうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。また他の代替的な実施例も可能であることに注意すべきである。
【0113】
また、発明の一実施形態によれば、複数のピクセルは、複数の第1X線映像とそれぞれ対応することができる。すなわち、ピクセルの数と第1X線映像の数は同じであり、複数のピクセルと複数の第1X線映像はそれぞれ対応することができる。
【0114】
また、放射部110が多色光X線を放射する場合、図4および図5に示すように、放射される多色光X線は、コーンビーム状またはファンビーム状などとすることができる。
【0115】
以下では、本発明の一実施形態によってX線映像取得装置100がオブジェクトに対するXCT(X−ray Computed Tomography)映像を生成する場合について説明する。また他の代替的な実施例も可能であることに注意すべきである。
【0116】
まず、放射部110は、オブジェクトを中心に複数の角度でX線を放射することができる。放射部110から放射されるX線は、互いに異なるエネルギーレベルを有する複数のX線であっても良いし、1つの多色光X線であっても良い。また他の代替的な実施例も可能であることに注意すべきである。
【0117】
例えば、放射部110は、オブジェクトを中心に回転して複数の角度でX線を放射することができる。また、放射部110は、固定されて放射線を放射し、オブジェクトが放射部110を中心に回転することもできる。このとき、センサ部120は、オブジェクトを基準として放射部110の向かい側からオブジェクトを透過したX線を検出することができる。
【0118】
この場合、放射部110がオブジェクトを中心に複数の角度でX線を放射したため、映像生成部130は、1つのピクセルと対応する複数の第1X線映像を生成することができる。
【0119】
例えば、放射部110がオブジェクト周囲を回転しながらX線を放射したり、放射部110がX線を放射したりしてオブジェクトが放射部110周囲を回転する場合、映像生成部130は、オブジェクト内の1つのピクセルに対応する360個の第1X線映像を取得することができる。例えば、図2に示すように、ピクセルブロックが4つのピクセルを含む場合、それぞれのピクセルに対応する第1X線映像が360個が生成されるため(例えば、回転のすべての角度に対する第1X線映像)、映像生成部130は1440個(360個の第1X線映像とピクセルブロックの4つのピクセルを乗じた値)の第1X線映像を取得することができる。
【0120】
このとき、映像生成部130は、オブジェクトに対して複数の角度で取得した第1X線映像を3次元的に再構成し、オブジェクトに対する第1XCT映像を生成することができる。例えば、図2に示すように、4つのピクセルを含むピクセルブロックに含まれたシンチレータパネルを用いる場合、映像生成部130は、4つの第1XCT映像を生成することができる。
【0121】
この場合、映像生成部130は、複数の第1XCT映像を用いてオブジェクトに対する第2XCT映像を生成することができる。
【0122】
一例として、映像生成部130は、複数の第1XCT映像のうちから1つの第1XCT映像を選択し、選択された第1XCT映像を第2XCT映像としてオブジェクトに対するXCT映像を出力することができる。
【0123】
また、映像生成部130は、複数の第1XCT映像のうちから少なくとも1つ以上の第1XCT映像を選択し、選択された少なくとも1つ以上の第1XCT映像を合成して第2XCT映像を生成することができる。
【0124】
また、映像生成部130は、複数の第1XCT映像のうちから少なくとも1つ以上の第1XCT映像を選択し、選択された少なくとも1つ以上の第1XCT映像に対する差映像(difference image)を第2XCT映像としてオブジェクトに対するXCT映像を出力することもできる。
【0125】
図7は、X線映像取得装置のさらに他の一実施形態を示す図である。
【0126】
本発明の一実施形態に係るX線映像取得装置は、放射部710、740、シンチレータパネルを含むセンサ部720、750、および映像生成部(図示せず)を含む。
【0127】
放射部710、740は、複数の第1X線を放射する第1放射ユニット711、741、および多色光X線を放射する第2放射部712、742を含む。
【0128】
また、センサ部720は、複数のピクセルを含むピクセルブロックで区画された第1シンチレータパネル、および均一な厚さを有する第2シンチレータパネルを含むことができる。この場合、第1シンチレータパネルおよび第2シンチレータパネルは、複数のピクセルとそれぞれ対応する複数のシンチレータ層を含み、それぞれのシンチレータ層は互いに異なる層特性を有することができる。
【0129】
放射部710と放射部740とは、構造が変更された同じ放射部を示すことができる。また、放射部710に含まれた第1放射ユニット711は、放射部740に含まれた第1放射ユニット741と同じであり、放射部710に含まれた第2放射ユニット712は、放射部740に含まれた第2放射ユニット742と同じであり得る。すなわち、放射部710と放射部740とは、その構造が相互に変更が可能な1つの放射部を意味することができる。
【0130】
X線映像を生成しようとする場合、放射部710、740は、第1放射ユニット711、741および第2放射ユニット712、742のうちのいずれか1つを用いてX線を放射し、センサ部720、750は、第1シンチレータパネルおよび第2シンチレータパネルのうちのいずれか1つを用いてオブジェクトを透過したX線を検出することができる。
【0131】
前記第1X線は、単色光X線、狭帯域X線、および多色光X線のうちのいずれか1つを含むことができる。
【0132】
本発明の一実施形態によれば、X線映像取得装置は、放射部710が第1放射ユニット711を介して複数の第1X線を放射する場合、第1シンチレータパネルを用いて複数の第1X線を検出するように制御し、放射部740が第2放射ユニット742を介して多色光X線を放射する場合、第2シンチレータパネルを用いて多色光X線を検出するように選択的に制御することができる。図7を参照すれば、第1放射ユニット711、741と第2放射ユニット712、742とは、白色光を放射する放射ソースに位置し、制御部(図示せず)は、放射ソースまたは第1放射ユニットと第2放射ユニットを構成するX線フィルタなどを回転させることで、第1放射ユニット711、741と第2放射ユニット712、742のうちのいずれか1つを選択することができる。
【0133】
すなわち、本発明の一例に係るX線映像取得装置は、場合によってはセンサ部に含まれたシンチレータパネルを変更することで、第1X線および単色光X線を選択的に用いてX線映像を取得することができる。
【0134】
以下では、本発明の他の一実施形態によって電磁気放射スペクトラムを感知するセンサの構造について説明する。
【0135】
センサは、電磁気放射スペクトラム(electromagnetic radiation)を感知する。電磁気放射スペクトラムの一例として、X線を含むことができる。
【0136】
この場合、センサは、複数のピクセルを含むピクセルブロックで区画され、それぞれのピクセルはシンチレータ層を含んで構成される。
【0137】
センサを構成する複数のピクセルのうち第1ピクセルに含まれる第1シンチレータ層は、第1電磁気放射スペクトラムを光に変換し、第2ピクセルに含まれる第2シンチレータ層は、第2電磁気放射スペクトラムを光に変換する。第1シンチレータ層によって変換された光と第2シンチレータ層によって変換された光は、同じエネルギーレベルを有することもできるし、互いに異なるエネルギーレベルを有することもできる。
【0138】
このとき、複数のピクセルそれぞれは、1つのシンチレータ層のみを含むことができる。また、第1シンチレータ層および第2シンチレータ層は、互いに重ならないように構成することができる。第1シンチレータ層と第2シンチレータ層とがそれぞれ1つのシンチレータ層で構成され、それぞれが互いに重ならない場合、本発明の一実施形態に係るセンサは、図3に示すセンサ部と同じように動作することができる。この場合、シンチレータパネルは、第1シンチレータ層321と第2シンチレータ層322を有する。この場合、第1シンチレータ層321は電磁気放射スペクトラム310を光331に変換し、第2シンチレータ層322は電磁気放射スペクトラム310を光332に変換する。
【0139】
それぞれのピクセルに含まれるシンチレータ層は複数であることができる。一例として、それぞれのピクセルは、2つのシンチレータ層(ダブルシンチレータ層)を含むことができる。それぞれのピクセルが複数のシンチレータ層を含む場合、ピクセルに含まれた複数のシンチレータ層は、同じ特性(例えば、層の厚さまたは層の構成物質の種類)を有することもできるし、互いに異なる特性を有することもできる。
【0140】
本発明の一実施形態によれば、第1シンチレータ層および第2シンチレータ層は、互いに異なる厚さを有することもできるし(図3参照)、本発明の他の一実施形態によれば、第1シンチレータ層および第2シンチレータ層は、互いに異なる物質で構成されることもできる。この場合、第1シンチレータ層および第2シンチレータ層は、同じ厚さを有することができる。シンチレータ層の厚さおよびシンチレータ層を構成する物質についての内容は、図1で説明したシンチレータパネルに含まれたシンチレータ層の層特性に関する内容と対応するため、これについての詳しい説明は省略する。
【0141】
また、本発明の一実施形態によれば、複数のピクセルそれぞれは、光を電気的信号に変換する光電変換素子をさらに含むことができ、この場合、光電変換素子は、フォトダイオードを含むことができる。
【0142】
本発明の一実施形態によれば、ピクセルブロックは、2×2サイズのアレイ状に配列された4つのピクセルを含むことができる。この場合、センサに含まれるシンチレータ層は、図2に示すシンチレータパネルと同じような構造を有することができる。
【0143】
この場合、4つのピクセルに含まれるそれぞれのシンチレータ層は、互いに異なる電磁気放射スペクトラムを光に変換することができる。このため、上述したように、4つのピクセルに含まれるそれぞれのシンチレータ層は互いに異なる厚さを有することができ、4つのピクセルに含まれるそれぞれのシンチレータ層は互いに異なる物質で構成することができる。シンチレータ層を構成する物質としては、CsI、CsI(Tl)、Gd2O2S(Tb)、Gd2O2S(Eu)、Y2O2S(Eu)、Y2O3(Eu)、およびガーネット含有物質などを用いることができる。また他の代替的な実施例も可能であることに注意すべきである。
【0144】
また、上述したセンサが放射ユニットと共に用いられる場合、オブジェクトに対する映像(イメージ)を取得するイメージング装置として用いることができる。この場合、放射ユニットは、少なくとも1つの電磁気放射スペクトラムを放射することができる。
【0145】
図8は、本発明の一実施形態に係るX線映像取得方法をステップ別に示すフローチャートである。
【0146】
図8では、互いに異なるエネルギーレベルを有する複数のX線を用いてオブジェクトに対するX線映像を取得する方法についてステップ別に示している。
【0147】
まず、ステップS810では、互いに異なるエネルギーレベルを有する複数のX線のうちから放射しようとするX線を選択する。
【0148】
本発明の一実施形態によれば、ステップS810では、1つのX線が選択されることもできるし、複数のX線が選択されることもできる。
【0149】
また、本発明の一実施形態によれば、X線は、単色光X線、狭帯域X線、および多色光X線のうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0150】
ステップS820では、選択されたX線を放射してオブジェクトに透過させることができる。放射されるX線は1つであっても良いし、複数であっても良い。また、放射されるX線はコーンビームであっても良いし、ファンビームであっても良い。本発明の一実施形態によれば、複数のX線が選択された場合、ステップS820では、ファンビーム状のX線を同時に放射することができる。
【0151】
ステップS830では、シンチレータパネルを用いてオブジェクトを透過したX線を光に変換することができる。このとき、シンチレータパネルは、複数のピクセルにそれぞれ含まれた複数のシンチレータ層を有するように構成され、複数のピクセルとそれぞれ対応するシンチレータ層は互いに異なる層特性を有することができる。
【0152】
シンチレータ層の厚さは、所望する放射線のエネルギーレベルに応じて適切な厚さを有さなければならず、さらに、シンチレータ層は、所望する放射線のエネルギーレベルに適合した物質で構成されなければならないが、本発明の一実施形態によれば、複数のピクセルは、複数のX線とそれぞれ対応し、それぞれのピクセルに含まれるシンチレータ層の層特性は、対応するX線のエネルギーレベルに基づいて決定することができる。また他の代替的な実施例も可能であることに注意すべきである。
【0153】
また、本発明の一実施形態によれば、シンチレータ層を構成する物質は、CsI、CsI(Tl)、Gd2O2S(Tb)、Gd2O2S(Eu)、Y2O2S(Eu)、Y2O3(Eu)、およびガーネット含有物質のうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。また他の代替的な実施例も可能であることに注意すべきである。
【0154】
ステップS840では、光から変換された電気的信号を用いて第1X線映像を生成することができる。
【0155】
本発明の一実施形態によれば、複数のピクセルは、複数のX線とそれぞれ対応し、ステップS840は、X線に対応するピクセルの電気的信号に基づいて第1X線映像を生成することができる。
【0156】
また、本発明の一実施形態によれば、複数のピクセルは、複数のX線とそれぞれ対応し、ステップS840は、X線に対応するピクセルの電気的信号およびX線に対応するピクセルと隣接したピクセルの電気的信号に基づいて第1X線映像を生成することができる
【0157】
すなわち、ステップS840は、放射されたX線と対応するピクセルの電気的信号のみを用いて第1X線映像を生成することもできるし、対応するピクセルおよびこれと隣接したピクセルの電気的信号をすべて用いて第1X線映像を生成することもできる。
【0158】
ステップS850では、他のエネルギーレベルを有するX線を選択するか否かを判断する。
【0159】
ステップS850で、他のエネルギーレベルを有するX線が選択された場合、ステップS820〜ステップS840は繰り返し実行される。ステップS810で選択されるX線の数とステップS850で選択されるX線の数とは同じであることができる。
【0160】
ステップS810およびステップS850で1つのX線を選択する場合、選択されたX線は順に放射される。
【0161】
本発明の一実施形態によれば、順に放射されるX線は、コーンビーム状またはファンビーム状などとすることができる。
【0162】
ステップS860では、生成された複数の第1X線映像を用いて第2X線映像を生成する。
【0163】
一例として、ステップS860では、複数の第1X線映像のうちから1つの第1X線映像を選択することで、第2X線映像を生成することもできるし、ステップS860では、複数の第1X線映像のうちから少なくとも1つ以上の第1X線映像を選択し、選択された少なくとも1つ以上の第1X線映像を用いて第2X線映像を生成することもできる。さらに、ステップS860では、複数の第1X線映像のうちから少なくとも1つ以上の第1X線映像を選択し、選択された少なくとも1つ以上の第1X線映像に対する差映像を第2X線映像としてオブジェクトに対するX線映像を出力することもできる。
【0164】
図9は、本発明の他の一実施形態に係るX線映像取得方法をステップ別に示すフローチャートである。
【0165】
図9では、1つの多色光X線を用いてオブジェクトに対するX線映像を取得する方法をステップ別に示している。
【0166】
まず、ステップS910では、多色光X線を放射してオブジェクトに透過させる。
【0167】
ステップS920では、シンチレータパネルを用いてオブジェクトを透過した多色光X線を光に変換する。上述したように、複数のピクセルにそれぞれ含まれた複数のシンチレータ層を有するように構成され、複数のピクセルとそれぞれ対応するシンチレータ層は互いに異なる層特性を有する。
【0168】
ステップS930では、光から変換された電気的信号を用いて複数の第1X線映像を生成する。
【0169】
このとき、それぞれのピクセルに含まれるシンチレータ層は、互いに異なる層特性を有するため、ステップS830では、1つの多色光X線に対して複数の第1X線映像を生成することができる。
【0170】
この場合にも、層特性は、シンチレータ層の厚さおよびシンチレータ層を構成する物質の種類のうちの少なくとも1つを含むことができ、シンチレータ層を構成する物質は、CsI、CsI(Tl)、Gd2O2S(Tb)、Gd2O2S(Eu)、Y2O2S(Eu)、Y2O3(Eu)、およびガーネット含有物質のうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0171】
ステップS940で、第2X線映像は、前記生成された複数の第1X線映像を用いて生成することができる。
【0172】
また、発明の一実施形態によれば、複数のピクセルは、複数の第1X線映像とそれぞれ対応することができ、ステップS910で放射される多色光X線は、コーンビーム状またはファンビーム状などとすることができる。
【0173】
以上では、本発明に係るX線映像取得方法の実施形態について説明したが、図1で上述したX線映像取得装置に関する構成は、本実施形態にもそのまま適用が可能である。このため、より詳細な説明については省略する。
【0174】
なお、本発明に係るX線映像取得方法は、コンピュータにより実現される多様な動作を実行するためのプログラム命令を含むコンピュータ読取可能な記録媒体を含む。当該記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独または組み合わせて含むこともでき、記録媒体およびプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知であり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読取可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気−光媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。また、記録媒体は、プログラム命令、データ構造などを保存する信号を送信する搬送波を含む光または金属線、導波管などの送信媒体でもある。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行され得る高級言語コードを含む。
【0175】
上述したように、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、該当の技術分野において熟練した当業者にとっては、特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正および変更させることができることを理解することができるであろう。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲に基づいて定められ、発明を実施するための最良の形態により制限されるものではない。
【符号の説明】
【0176】
200 シンチレータパネル
210 層ブロック
211 層
212 層
213 層
214 層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのX線を光に変換するシンチレータパネルを含むセンサ部と、
前記光から変換された電気的信号を用いて複数の第1X線映像を生成し、前記複数の第1X線映像を用いて第2X線映像を生成する映像生成部と、
を含み、
前記センサ部は、複数のピクセルを含むピクセルブロックで区画され、
前記シンチレータパネルは、前記複数のピクセルとそれぞれ対応する複数のシンチレータ層を含み、
前記シンチレータ層は、互いに異なる層特性を有するX線映像取得装置。
【請求項2】
前記X線は、単色光X線、狭帯域X線、および多色光X線のうちの少なくともいずれか1つを含む請求項1に記載のX線映像取得装置。
【請求項3】
前記互いに異なる層特性は、前記シンチレータ層の厚さおよび前記シンチレータ層を構成する物質の種類のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載のX線映像取得装置。
【請求項4】
前記シンチレータ層を構成する物質は、CsI、CsI(Tl)、Gd2O2S(Tb)、Gd2O2S(Eu)、Y2O2S(Eu)、Y2O3(Eu)およびガーネット(garnet)含有物質のうちの少なくともいずれか1つを含む請求項3に記載のX線映像取得装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのX線は、他のエネルギーレベルを有する複数のX線を含み、
前記複数の第1X線映像は、前記複数のX線とそれぞれ対応する請求項1に記載のX線映像取得装置。
【請求項6】
前記複数のピクセルは、前記複数のX線とそれぞれ対応し、
前記複数のシンチレータ層それぞれの層特性は、それぞれのピクセルに入射するX線のエネルギーレベルに対応して形成される請求項5に記載のX線映像取得装置。
【請求項7】
前記複数のピクセルは、前記複数のX線とそれぞれ対応し、
前記映像生成部は、ピクセルに入射するX線にそれぞれ対応する前記ピクセルから発生する電気的信号に基づいて、前記第1X線映像を生成する請求項5に記載のX線映像取得装置。
【請求項8】
前記複数のピクセルは、前記複数のX線とそれぞれ対応し、
前記映像生成部は、ピクセルに入射するX線にそれぞれ対応する前記ピクセルから発生する電気的信号および前記ピクセルに隣接したピクセルに入射するX線にそれぞれ対応する前記隣接したピクセルから発生する電気的信号に基づいて、前記第1X線映像を生成する請求項5に記載のX線映像取得装置
【請求項9】
前記少なくとも1つのX線をオブジェクトに放射する放射部、
をさらに含み、
前記シンチレータパネルは、前記少なくとも1つのX線が前記オブジェクトを透過した以後に、前記透過した少なくとも1つのX線を光に変換する請求項1に記載のX線映像取得装置。
【請求項10】
前記放射部は、前記少なくとも1つのX線を順次放射し、
前記放射されるX線は、コーンビームまたはファンビーム状である請求項9に記載のX線映像取得装置。
【請求項11】
前記放射部は、前記複数のX線を同時に放射し、
前記放射されるX線は、ファンビーム状である請求項9に記載のX線映像取得装置。
【請求項12】
前記放射部は、前記オブジェクトを中心に複数の角度で前記少なくとも1つのX線を放射する請求項9に記載のX線映像取得装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのX線は、1つの多色光X線を含み、
前記複数のピクセルは、前記複数の第1X線映像とそれぞれ対応する請求項1に記載のX線映像取得装置。
【請求項14】
X線をオブジェクトに放射する放射部と、
前記オブジェクトを透過した前記X線を検出するセンサ部と、
前記検出されたX線を用いて前記オブジェクトに対するX線映像を生成する映像生成部と、
を含み、
前記放射部は、複数の第1X線を放射する第1放射部および単色光X線を放射する第2放射部を含み、
前記センサ部は、複数のピクセルを含むピクセルブロックで区画された第1シンチレータパネルおよび均一な厚さを有する第2シンチレータパネルを含み、
前記第1シンチレータパネルおよび前記第2シンチレータパネルは、前記複数のピクセルとそれぞれ対応する複数のシンチレータ層を含み、
前記シンチレータ層は、互いに異なる層特性を有するX線映像取得装置。
【請求項15】
前記第1X線は、単色光X線および狭帯域X線のうちの少なくともいずれか1つを含む請求項14に記載のX線映像取得装置。
【請求項16】
前記互いに異なる層特性は、
少なくとも前記第1シンチレータパネルに含まれる前記シンチレータ層の厚さおよび前記第1シンチレータパネルと前記第2シンチレータパネルに含まれる前記シンチレータ層を構成する物質の種類のうちの少なくとも1つを含む請求項14に記載のX線映像取得装置。
【請求項17】
制御部、
をさらに含み、
前記制御部は、前記放射部が前記第1放射部を介して、前記複数の第1X線を放射する場合、前記第1シンチレータパネルを用いて前記複数の第1X線を検出するように制御し、
前記放射部が前記第2放射部を介して、前記多色光X線を放射する場合、前記第2シンチレータパネルを用いて前記多色光X線を検出するように制御する請求項14に記載のX線映像取得装置。
【請求項18】
複数のピクセルを含む複数の区画されたピクセルブロックと、
前記複数のピクセルの第1ピクセルに含まれ、第1電磁気放射スペクトルを光に変換するための第1シンチレータ層と、
前記複数のピクセルの第2ピクセルに含まれ、第2電磁気放射スペクトルを光に変換するための第2シンチレータ層と、
を含み、
前記複数のピクセルそれぞれはシンチレータ層を含むX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置。
【請求項19】
前記第1シンチレータ層および前記第2シンチレータ層は、互いに異なる厚さを有する請求項18に記載のX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置。
【請求項20】
前記第1シンチレータ層および前記第2シンチレータ層は、互いに異なる物質で構成される請求項18に記載のX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置。
【請求項21】
前記第1シンチレータ層および前記第2シンチレータ層は、同一の厚さを有する
請求項20に記載のX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置。
【請求項22】
前記複数のピクセルそれぞれは、光を電気的信号に変換する光電変換素子をさらに含む請求項18に記載のX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置。
【請求項23】
前記光電変換素子は、フォトダイオードを含む請求項22に記載のX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置。
【請求項24】
前記ピクセルブロックそれぞれは、2×2大きさのアレイ形態で配列された4個のピクセルを含む請求項18に記載のX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置。
【請求項25】
前記4個のピクセルそれぞれに含まれるそれぞれのシンチレータ層は、互いに異なる電磁気放射スペクトルを光に変換する請求項24に記載のX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置。
【請求項26】
前記4個のピクセルそれぞれに含まれるそれぞれのシンチレータ層は、互いに異なる厚さを有する請求項24に記載のX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置。
【請求項27】
前記4個のピクセルそれぞれに含まれるそれぞれのシンチレータ層は、互いに異なる物質で構成される請求項24に記載のX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置。
【請求項28】
前記第1シンチレータ層および前記第2シンチレータ層は、互いに重ならない請求項18に記載のX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置。
【請求項29】
前記複数のピクセルそれぞれは、1つのシンチレータ層を含む請求項18に記載のX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置。
【請求項30】
前記シンチレータ層は、CsI、CsI(Tl)、Gd2O2S(Tb)、Gd2O2S(Eu)、Y2O2S(Eu)、Y2O3(Eu)およびガーネット含有物質のうちの少なくともいずれか1つの物質を含む請求項18に記載のX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置。
【請求項31】
複数のピクセルを含む複数のピクセルブロックで区画されるセンサ部と、
シンチレータパネルと、
を含み、
前記複数のピクセルそれぞれは、少なくとも1つのX線を光に変換するシンチレータ層を含み、
前記シンチレータパネルは、前記複数のピクセルそれぞれに対応する複数のシンチレータ層を含み、
前記シンチレータ層は、互いに異なる層特性を有し、
前記互いに異なる層特性は、シンチレータ層それぞれの厚さおよび前記シンチレータ層それぞれを構成する物質の種類のうちの少なくとも1つであるX線映像を得るための電磁気放射スペクトル装置。
【請求項32】
シンチレータ層それぞれを介して、少なくとも1つのX線から変換された光を用いて、少なくとも1つの第1X線映像を生成する請求項31のセンサ部と、
前記少なくとも1つの第1X線映像に基づく少なくとも1つの第2X線映像を生成する映像生成部と、
を含むX線映像取得装置。
【請求項33】
少なくとも1つの電磁気放射スペクトルを放射する放射ユニットと、
前記放射された少なくとも1つの電磁気放射スペクトルを検出するセンサと、
を含み、
前記センサは、複数のピクセルを含むピクセルブロックで区画され、
前記複数のピクセルそれぞれは、シンチレータ層を含み、
前記複数のピクセルのうち第1ピクセルに含まれる第1シンチレータ層は、第1電磁気放射スペクトルを光に変換し、
前記複数のピクセルのうち第2ピクセルに含まれる第2シンチレータ層は、第2電磁気放射スペクトルを光に変換するイメージング装置。
【請求項34】
互いに異なる層特性を有するシンチレータパネルの複数のシンチレータ層それぞれに対応する複数のピクセルを含むピクセルブロックで区画される前記シンチレータパネルから生成される光に基づく少なくとも1つのX線信号を生成するステップと、
前記生成された少なくとも1つのX線信号に基づく複数の第1X線映像を生成するステップと、
前記複数の第1X線映像に基づいて、第2X線映像を生成するステップと、
を含むX線映像取得方法。
【請求項35】
前記X線は、単色光X線、狭帯域X線、および多色光X線のうちの少なくともいずれか1つを含む請求項34に記載のX線映像取得方法。
【請求項36】
前記互いに異なる層特性は、
前記シンチレータ層の厚さおよび前記シンチレータ層を構成する物質の種類のうちの少なくとも1つを含む請求項34に記載のX線映像取得方法。
【請求項37】
前記シンチレータ層を構成する物質は、CsI、CsI(Tl)、Gd2O2S(Tb)、Gd2O2S(Eu)、Y2O2S(Eu)、Y2O3(Eu)およびガーネット含有物質のうちの少なくともいずれか1つを含む請求項36に記載のX線映像取得方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つのX線は、互いに異なるエネルギーレベルを有する複数のX線を含み、
前記複数の第1X線映像は、前記複数のX線とそれぞれ対応する請求項36に記載のX線映像取得方法。
【請求項39】
前記複数のピクセルは、前記複数のX線とそれぞれ対応し、
前記複数のシンチレータ層それぞれの層特性は、ピクセルそれぞれに入射するX線のエネルギーレベルに対応して形成される請求項38に記載のX線映像取得方法。
【請求項40】
前記複数のピクセルは、前記複数のX線とそれぞれ対応し、
前記第1X線映像を生成するステップは、前記ピクセルに入射するX線それぞれから発生する電気的信号に基づいて、前記第1X線映像を生成する請求項38に記載のX線映像取得方法。
【請求項41】
前記複数のピクセルは、前記複数のX線とそれぞれ対応し、
前記第1X線映像を生成するステップは、
ピクセルに入射するX線それぞれに対応する前記ピクセルから発生する電気的信号および前記ピクセルに隣接したピクセルに入射するX線それぞれに対応する前記隣接したピクセルから発生する電気的信号に基づいて、前記第1X線映像を生成する請求項38に記載のX線映像取得方法。
【請求項42】
前記少なくとも1つのX線をオブジェクトに放射するステップをさらに含み、
前記複数の第1X線映像は、前記少なくとも1つのX線が前記オブジェクトを透過した以後に、生成されたX線信号に基づいて生成される請求項34に記載のX線映像取得方法。
【請求項43】
前記少なくとも1つのX線を前記オブジェクトに放射する前記ステップは、前記少なくとも1つのX線を順次放射し、
前記放射されるX線は、コーンビームまたはファンビーム状である請求項42に記載のX線映像取得方法。
【請求項44】
前記少なくとも1つのX線を前記オブジェクトに放射する前記ステップは、前記少なくとも1つのX線を同時に放射し、
前記放射されるX線は、ファンビーム状である請求項42に記載のX線映像取得方法。
【請求項45】
前記少なくとも1つのX線は、1つの多色光X線を含み、
前記複数のピクセルは、前記複数の第1X線とそれぞれ対応する請求項34に記載のX線映像取得方法。
【請求項46】
請求項34の方法を行う少なくとも1つのプロセシング装置を制御するコンピュータ読取可能コードを含むコンピュータ読取可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−133957(P2010−133957A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273703(P2009−273703)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】