説明

α4β2神経性ニコチン性アセチルコリン受容体リガンド

本発明は、式(I)


の新規α4β2神経性ニコチン性アセチルコリン受容体リガンド化合物、及びその立体異性体、医薬として許容される塩及びそれらを含む組成物に関する。
本発明はまた、上記新規化合物、及びその立体異性体及び医薬として許容される塩の調製方法に関する。
一般式(I) の化合物は、α4β2ニコチン性受容体に関連した様々な疾患の治療において有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)
【化1】

の新規α4β2神経性ニコチン性アセチルコリン受容体リガンド化合物、及びその誘導体、立体異性体、医薬として許容される塩及びそれらを含む組成物に関する。
【0002】
本発明はまた、上記新規化合物、及びその誘導体、立体異性体及び医薬として許容される塩の調製方法に関する。
【0003】
一般式(I)の化合物は、α4β2ニコチン性受容体に関係した様々な疾患の治療において有用である。
【背景技術】
【0004】
ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)又は神経性ニコチン性受容体(NNR)は、非常に広範囲の生理的効果を介在し、様々な疾患の治療に関して標的とされる。リガンド開口型イオンチャネル(LGIC)のスーパーファミリーに属するnAChRsは、中枢神経系(CNS)及び末梢神経系(PNS)を介して広範囲に分布する。NNRは、CNS機能及び多くの神経伝達物質放出の制御において重要な役割を果たすと理解されている。典型的には、NNRは、サブユニットタンパク質の五量体集合体から構成される。nAChRの17個のサブユニットは、これまでに、α2〜α18、βl〜β4、γ、δ、及びεとして同定されている。これらのサブユニットの、8個の神経性α(α2〜α9)及び3個の神経性β(β2〜β4)は、哺乳類の脳に顕著に存在する(例えば、Monteggia LM et al., Cloning and transient expression of genes encoding the human alpha4 and beta2 neuronal nicotinic acetylcholine receptor (nAChR) subunits, Gene: 1995, 155:189-193; Graham A et al., Immunohistochemical localization of nicotinic acetylcholine receptor subunits in human cerebellum, Neuroscience. 2002; 113:493-507を参照されたい)。ホモマーの機能的五量体又は異なるサブユニットの組み合わせは共に複合体を形成することができるので、多数の機能上異なるnAChR複合体もまた存在する(例えば、Hogg, R.C et al., Nicotinic acetylcholine receptors: from structure to brain function, Rev. Physiol, Biochem. Pharmacol, 2003, 147: 1-46を参照されたい)。
【0005】
nAChRをコードする遺伝子ファミリーの同定及び中枢神経系におけるその発現及び機能に関する知識の増加は、薬物標的としてのその可能性に関する注目の増加に繋がっている(例えば、Hogg R.C et al., Nicotinic Acetylcholine Receptors as Drug Targets, Curr. Drug Targets: CNS Neurol. Disord. 2004, 3: 123-130; Suto et al., Neuronal nicotinic acetylcholine receptors as drug targets, Expert Opin. Ther. Targets 2004, 8: 61-64を参照されたい)。
【0006】
神経性ニコチン性α4β2受容体リガンドに関して、直接的な効果及び有用な科学的研究に由来する示唆に基づいて、ヒトにおける多くの治療使用の可能性が存在する。神経性ニコチン性α4β2受容体は、アルツハイマー病、パーキンソン病、注意欠陥/多動性障害、統合失調症及びトゥレット症状群を含む認知障害等の異なる治療に関与している(例えば、Newhouse et al., Effects of nicotinic stimulation on cognitive performance, Curr. Opin. Pharmacol. 2004, 4: 36-46; Levin E.D et al., Nicotinic Treatment for Cognitive Dysfunction, Curr. Drug Targets: CNS Neurol. Disord. 2002, 1: 423-431; Graham A.J. et al., Human Brain Nicotinic Receptors, their Distribution and Participation in Neuropsychiatric Disorders, Curr. Drug Targets: CNS Neurol. Disord. 2002, 1: 387-397; McEvoy J.P et al., The Importance of Nicotinic Acetylcholine Receptors in Schizophrenia, Bipolar Disorder and Tourette's Syndrome, Curr. Drug Targets: CNS Neurol. Disord. 2002, 1: 433-442を参照されたい)。
【0007】
様々なげっ歯類疼痛モデルにおける研究から、α4β2受容体リガンドは、様々な疼痛状態及び炎症において非常に効果的な治療候補であることが示されている(例えば、Vincler et al., Neuronal nicotinic receptors as targets for novel analgesics, Expert Opin. Invest. Drugs, 2005, 14: 1191-1198; Decker MW et al., The therapeutic potential of nicotinic acetylcholine receptor agonists for pain control, Expert Opin Investig Drugs. 2001 Oct; 10(10):1819-30; Miao et al., Central terminals of nociceptors are targets for nicotine suppression of inflammation, Neuroscience 2004, 123: 777-84を参照されたい)。
【0008】
抑うつ気分状態と関係する過剰なコリン作動性神経伝達を理解するための努力が顕著に行われている。それは、過度の神経性ニコチン性受容体の活性化を通して介在され、多くの抗うつ剤の治療効果は、一部において、これらの受容体の抑制を通して生じ得ることを示している。よって、神経性ニコチン性α4β2受容体リガンドは、うつ病及び不安障害の治療用治療剤の新規なクラスとなる得る(例えば、Shytle et al., Nicotinic acetylcholine receptors as targets for antidepressants, MoI. Psychiatry 2002, 7: 525-35; Shytle et al., Neuronal nicotinic receptor inhibition for treating mood disorders: preliminary controlled evidence with mecamylamine, Depress. Anxiety, 2002, 16: 89-92を参照されたい)。最近の研究で、nAChRが神経変性疾患に関与することもまた報告された。ニコチン及びサブタイプの選択性nAChRリガンドは、このような障害の動物モデルにおけるインビトロ(in-vitro)の細胞培養系及びインビボ(in-vivo)の研究において神経保護を供することができる(例えば、O'Neill et al., The role of neuronal nicotinic acetylcholine receptors in acute and chronic neurodegeneration, Curr. Drug Targets: CNS Neurol. Disord. 2002, 1: 399-411を参照されたい)。
【0009】
α4β2 nAChRサブタイプはニコチンに対して最も高い親和性を有し、ニコチンの中枢作用を介在する主要な候補である。(ヒト、動物及び細胞培養系における) 慢性のニコチン暴露は、α4β2 nAChRの数の増加(上方制御)に繋がり、機能的に離脱症状を生じることを意味する。これらの研究は、神経性ニコチンα4β2受容体リガンドは、耽溺の治療において重大な役割を果たすことを示した(Dwoskin et al., A novel mechanism of action and potential use for lobeline as a treatment for psychostimulant abuse, Biochem. Pharmacol. 2002, 63: 89-98; Coe et al., 3,5-Bicyclic aryl piperidines: a novel class of α4β2 nAChR partial agonists for smoking cessation, Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15: 4889-97)。α4β2受容体リガンドはまた、肥満の治療の使用に期待される (Li et al., Nicotine, body weight and potential implications in the treatment of obesity, Curr. Top. Med. Chem. 2003, 3: 899-919)。
【0010】
まとめると、上記研究は、α4β2受容体修飾因子である化合物、すなわち、リガンドは、記憶、認知及び学習の欠如と関係する例えばアルツハイマー型及び注意欠陥障害等の疾患の治療、例えば統合失調症等の人格障害の治療、例えば、不安、うつ及び強迫性障害等の行動障害の治療、疼痛及び炎症の治療、例えばパーキンソン病及びてんかん等の挙動又は運動障害の治療、例えば脳卒中又は頭部外傷又はニコチン、アルコール及び他の乱用物質への耽溺を含む薬物耽溺に由来する離脱症状及び肥満等の神経変性と関係する疾患の治療を含む、治療上の適用に有用となり得ることを強く示す。
【0011】
特許公報の国際公開第2008057938号 (A1)、米国特許出願第20040192673号(A1)及び欧州特許出願第296560号(B1)は、ニコチン性アセチルコリン受容体のリガンドとしての一連の化合物を開示し、様々なCNS障害の治療に有用であると主張する。一部のニコチン性アセチルコリン受容体化合物は開示されるが、ニコチン性アセチルコリン受容体を調節することに有用な化合物は必要なままである。ニコチン性アセチルコリン受容体分野における我々の研究において、今回我々は、式(I)の二環性化合物が非常に高いニコチン性アセチルコリン受容体親和性を示すことを見出した。従って、様々な中枢神経系障害又はα4β2ニコチン性受容体の影響を受ける障害の治療/予防における治療剤として有用な化合物を供することが発明の目的である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、式(I)
【化2】

(式中、
【化3】

は、ヘテロアリールを表し、
R1は、水素又はアルキルを表し、
R2は、水素又はアルキルを表し、
R3は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、オキソ、ニトロ、アシル、アミド、アミン、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルを表し、
R4は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルを表し、任意には、R1及びR4は、窒素原子と共にヘテロアリール又はヘテロシクリルを形成することができ、
「X」は、C、N、O、Sを表し、
「m」は、1〜4を表し、
「n」は、1〜2を表し、
「p」は、0〜3を表し、
「q」は、0〜1を表す。)
の新規なα4β2神経性ニコチン性アセチルコリン受容体リガンド化合物、及びその誘導体、立体異性体、医薬として許容される塩及びそれらを含む組成物に関する。
【0013】
本発明は、α4β2ニコチン性受容体に関係した様々な疾患の治療における医薬を製造するための治療上有効量の式(I)の化合物の使用に関する。
【0014】
特に、本発明の化合物は、例えば、不安、アルツハイマー病、うつ病、痙攣障害、認知記憶障害、ADHD(注意欠陥障害/多動性障害)、疼痛、精神病、精神病性うつ病、パーキンソン病、統合失調症、睡眠障害、薬物乱用症状群由来の離脱症状、軽度の認知障害及び肥満等の様々な疾患の治療で有用である。
【0015】
他の側面において、本発明は、少なくとも1つの適した担体、希釈剤、アジュバント又は賦形剤と混合の、少なくとも1つの式(I)の化合物、及びその誘導体、立体異性体及び医薬として許容されるその塩の治療上有効量を含む医薬組成物に関する。
【0016】
他の側面において、本発明はまた、医療診断又は治療における使用のための放射標識された式(I)の化合物、ならびにα4β2ニコチン性受容体に関係した様々な疾患の治療において有用な医薬の調整のための放射標識された式(I)の化合物の使用を供する。
【0017】
他の側面において、本発明は、疾患及び疾病の治療又は予防用医薬を製造するための、少なくとも1つのさらなる有効成分と組み合わせた本発明の化合物の使用に関する。
【0018】
さらに他の側面において、本発明は、式(I)の化合物を含む組成物及び式(I)の化合物の使用方法に関する。
【0019】
さらに他の側面において、本発明は、式(I)の化合物及びその誘導体、立体異性体及び医薬として許容される塩の調製方法に関する。
【0020】
代表的な本発明の化合物は、以下に特定される化合物及びその誘導体、立体異性体及び医薬として許容される塩を含む。本発明は、それらに限定されると解釈されるべきでない。
【0021】
N-[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]-ジメチルアミン塩酸塩、
[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ-[3.1.0]-ヘキサ-3-イル]メチルアミン、
フラン-2-イル-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)メタノン酒石酸塩、
N-[2-(ピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン塩酸塩、
N-[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]エチルアミン酒石酸塩、
2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-3-ピロリジン-1-イルメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン酒石酸塩、
2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-3-(モルホリン-4-イルメチル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン酒石酸塩、
2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-3-(ピペラジン-1-イルメチル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン、
N-[2-(ピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]ジメチルアミン、
N-[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
N-[2-(5-クロロピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミンフマル酸塩、
[2-(5-クロロピリジン-3-イル)-2-アザ-ビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル]メチルアミンフマル酸塩、
N-[2-(5-メトキシピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミンフマル酸塩、
N-[2-(5-イソプロポキシピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
[2-(5-フェニルスルファニルピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル]メチルアミンフマル酸塩、
N-[2-(5-フェニルスルファニルピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミンフマル酸塩、
[2-(ピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル]メチルアミンフマル酸塩、
[2-(3-ブロモ-2-エトキシピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル-メチル]メチルアミンフマル酸塩、
N-[2-(3-ヒドロキシピラジン-2-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
N-(2-(ピリミジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)メチルアミンフマル酸塩、
N-(2-(2-トリフルオロメチルピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)メチルアミンフマル酸塩、
N-(2-(2-トリフルオロメチルピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)アミンフマル酸塩、
N-(2-(2-クロロピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)アミンフマル酸塩、
N-(2-(3-メチルピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)アミンフマル酸塩、
N-(2-(3-メチルピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)メチルアミンビス酒石酸塩、
N-(2-(3-トリフルオロメチルピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)アミンフマル酸塩、
N-(2-(キノリン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)アミンフマル酸塩、
N-(2-(3-トリフルオロメチルピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)メチルアミンフマル酸塩、
N-(2-(キノリン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)メチルアミンフマル酸塩、
ベンゾフラン-2-イル-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)メタノン酒石酸塩、
(7-ブロモベンゾフラン-2-イル)-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)メタノン酒石酸塩、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)-(1H-インドール-2-イル)-メタノン、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)フラン-2-イルメタノン酒石酸塩、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)(5-ブロモピリジン-3-イル)メタノン酒石酸塩、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ピリジン-2-イルメタノン酒石酸塩、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ピリジン-3-イルメタノン酒石酸塩、
(3-アミノメチル-2-アザ-ビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ピリジン-4-イルメタノン酒石酸塩、
N-[2-(ピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)メチルアミン、
5-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ニコチノニトリル、
N-[2-(2,3-ジクロロピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
N-[2-(5-イソプロポキシピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
N-[2-(5-メチルピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
1-[5-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ピリジン-3-イル]ピロリジン-2-オン、
5-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ニコチンアミド、
N-[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
N-[2-(5-メトキシピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
[5-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ピリジン-3-イル]メチルアミン、
2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-3-(ピロリジン-1-イルメチル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン、
[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル]メチルアミン、
N-[2-(ピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)ジメチルアミン、
5-(3-ジメチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ニコチノニトリル、
N-[2-(2,3-ジクロロピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]ジメチルアミン、
N-[2-(5-イソプロポキシピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]ジメチルアミン、
N-[2-(5-メチルピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]ジメチルアミン、
1-[5-(3-ジメチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ピリジン-3-イル]ピロリジン-2-オン、
5-(3-ジメチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ニコチンアミド、
N-[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]ジメチルアミン、
N-[2-(5-メトキシピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]ジメチルアミン、
[5-(3-ジメチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ピリジン-3-イル]メチルアミン、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)-ベンゾフラン-2-イル-メタノン、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)-(7-ブロモベンゾフラン-2-イル)メタノン、
(4-クロロフラン-2-イル)(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)メタノン、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)-(4-ブロモフラン-2-イルメタノン、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)-(4-クロロ-フラン-2-イル)メタノン、及び
(4-クロロフラン-2-イル)-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)メタノン。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の詳細な説明
他に記載しない限り、明細書及び請求項で使用される次の用語は、以下の意味を有する。
【0023】
用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
【0024】
用語「アルキル」とは、単に炭素及び水素原子から成る直鎖又は分岐の炭化水素基であって、不飽和を含まず、1〜8個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残りの部分に結合される炭化水素基を意味する。代表的な「アルキル」基とは、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル等を含む。
【0025】
用語「アルコキシ」とは、酸素結合を介して分子の残りの部分に結合されたアルキル基を意味する。代表的な「アルコキシ」基は、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ等を含む。
【0026】
用語「シクロアルキル」とは、3〜12個の炭素原子の非芳香族単環又は多環式環系を意味する。代表的な「シクロアルキル」基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル等を含む。
【0027】
用語「シクロアルキルアルキル」とは、直接アルキル基に結合されたシクロアルキル基を意味する。
【0028】
用語「シクロアルコキシ」とは、3〜12個の炭素原子非芳香族単環又は多環式環系を意味する。代表的な「シクロアルコキシ」基は、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等を含む。
【0029】
用語「ハロアルキル」とは、1〜3個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味する。代表的な「ハロアルキル」基は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル等を含む。
【0030】
用語「ハロアルコキシ」とは、1〜3個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基を意味する。代表的な「ハロアルコキシ」基は、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシ、ジフルオロエトキシ等を含む。
【0031】
用語「アリール」とは、シンプルな芳香環に由来する任意の官能基又は置換基を意味する。代表的な「アリール」基は、フェニル、ナフチル等を含む。
【0032】
用語「ヘテロアリール」とは、環部分として、炭素に加えて、例えば硫黄、酸素又は窒素等の原子を含む環状構造を含む有機化合物を意味する。これらの原子は、環内で1度以上さらに繰り返されてよい。これらの環は、単純な芳香環又は非芳香族環とすることができる。代表的な「ヘテロアリール」基は、ピリジン、ピリミジン、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェン、フリル、ジオキソラニル(dioxalanyl)、ピロリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル、インドリル等を含む。
【0033】
用語「ヘテロアラルキル」とは、直接アルキル基に結合したヘテロアリール環の基を意味する。
【0034】
用語「ヘテロシクリル」とは、環状構造が1〜3個のヘテロ原子を含み、これらの原子が環内で一度以上さらに繰り返されてよい3〜12員環を意味する。代表的な「ヘテロシクリル」基は、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル等を含む。
【0035】
用語「ヘテロシクリルアルキル」とは、直接アルキル基に結合されたヘテロシクリル環を意味する。
【0036】
シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキルは、置換されても非置換でもよい。任意には、これらの基の置換基は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、チオ、オキソ、カルボキシル、アミン、アミド、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル又はハロアルコキシ基から成る群から選択することができる。
【0037】
用語「立体異性体」とは、空間内の原子の配向においてのみ異なる個々の分子の全異性体に対する一般用語である。それは、鏡像異性体(エナンチオマー)、幾何(シス・トランス)異性体及び互いに鏡像でない1つ以上のキラル中心を有する化合物の異性体(ジアステレオマー)を含む。それは、たった1つのσ結合についての回転によって異なる配座異性体である回転異性体もまた含む。
【0038】
用語「誘導体」とは、1又は2以上の官能基を変換する単純な化学的方法、例えば酸化、水素化、アルキル化、エステル化、ハロゲン化等によって、式(I)の化合物、及びその立体異性体及び医薬として許容されるその塩から得られる化合物を意味する。
【0039】
用語「治療すること」、「治療する」又は「治療」とは、例えば予防手段、予防薬及び対症療法等の全ての意味を含む。
【0040】
用語「医薬として許容される塩」とは、物質又は組成物が、哺乳類が治療を受けている製剤を含む他の成分と化学的及び/又は中毒学的に両立し得ることを示す。
【0041】
用語「治療上有効量」とは、(i)特定の疾患、疾病又は障害を治療又は予防する、(ii)特定の疾患、疾病又は障害の1又は2以上の症状を軽減、寛解又は除去する、(iii) 本明細書に記載の特定の疾患、疾病又は障害の1又は2以上の症状の発症を予防又は遅延する、本発明の化合物の量と定義する。
【0042】
市販の試薬は、さらなる精製なく利用した。室温は、25〜30℃を意味する。IRは、KBrを使用し固体状態て計測した。他に記載のない限り、ESI条件を使用して全質量スペクトルを行った。1H-NMRスペクトルを、Bruker装置上で400 MHzで記録した。重水素化クロロホルム (99.8 % D)を溶媒として使用した。TMSを内部参照標準として使用した。化学シフト値は、百万分率の値 (δ)で表される。次の略語は、NMRシグナルの多重度に使用される。s=一重線、bs=幅の広い一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、qui=五重線、h=七重線、dd=二重の二重線、dt=二重三重線、tt=三重線の三重線、m=多重線。クロマトグラフィーは、100〜200メッシュのシリカゲルを使用して窒素圧条件下で行われるカラムクロマトグラフィー(フラッシュクロマトグラフィー)を意味する。
【0043】
本発明の化合物は、上記疾病の治療又は予防に使用される他の治療剤又は手段と組み合わせて使用することができる。このような薬剤又は手段は、5-HT1-7受容体、GABAインバースアゴニスト及び他のニコチン性アセチルコリン受容体を含む。
【0044】
本発明の組み合わせにおいて、本発明の化合物及び上記の組み合わせパートナーは、別々に(例えば、パーツのキット)又は1つの医薬組成物(例えば、カプセル剤又は錠剤)で一緒に投与することができる。さらに、本発明の組み合わせの1つの成分の投与は、その本発明の組み合わせの他の成分の投与の前、投与と同時に、又はその後とすることができる。本発明の化合物及び1又は2以上のさらなる有効成分が別個の製剤中に存在する場合、これらの別個の製剤は、同時に又は連続して投与することができる。
【0045】
従って、本発明は、疾患及び疾病の治療又は予防用医薬を製造するための少なくとも1つのさらなる有効成分との組み合わせでの本発明の化合物の使用に関する。
【0046】
水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、ヨウ素、フッ素、臭素及び塩素の同位元素を含む多数の放射性同位元素は、容易に利用できる。例えば、2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、123I、124I、125I、131I18F、75Br、76Br、77Br、82Br及び36Clである。
【0047】
一般式(I)の化合物は、有機化学において周知の標準技術を使用することによって放射標識できる。あるいは、式(I)の化合物は、式(I)の化合物の合成で使用される出発原料の1つ又は中間体中の置換基としての放射性同位元素で放射標識することができる。
【0048】
放射標識された化合物の合成は、放射標識プローブ化合物の注文合成を専門とする放射性同位元素供給者、例えばAmersham Corporation, Arlington Heights, IL; Cambrige Isotopes Laboratories, Inc. Andover, MA; Wizard Laboratories, West Sacramento, CA; ChemSyn Laboratories, Lexena, KS; American Radiolabeled Chemicals, Inc.& St.Louis, MO等によって、便利に行うことができる。
【0049】
式(I)の化合物の放射標識された類似体は、α4β2ニコチン性受容体リガンドが関与すると考えられる様々な疾患分野におけるα4β2ニコチン性受容体リガンドの役割を評価するために臨床試験において使用できる。
【0050】
放射標識された式(I)の化合物は、医学療法及び診断用の造影剤及びバイオマーカーとして有用である。このような放射標識された化合物は、α4β2ニコチン性受容体の機能及び活性の研究のための薬理学的手段としても有用である。例えば、同位体標識の化合物は、SPECT(単一光子放射型コンピュータ断層撮影法)及びPET(PET画像)で特定に有用である。
【0051】
医薬組成物
治療において式 (I)の化合物を使用するために、それは標準的な医薬的慣習に従って通常医薬組成物中に製剤される。
【0052】
本発明の医薬組成物は、1又は2以上の医薬的に許容される担体を使用して従来の態様で製剤することができる。従って、本発明の活性化合物は、経口、頬側、鼻腔内、非経口(例えば、静脈内、筋肉内又は皮下)又は直腸投与又は吸入又は吹送による投与に適した形態用に製剤することができる。
【0053】
経口投与のために、医薬組成物は、例えば結合剤(例えば、アルファー化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、フィルター(例えば、ラクトース、結晶セルロース又はリン酸カルシウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク又はシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン又はデンプングリコール酸ナトリウム)、又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)等の医薬的に許容される賦形剤で従来の方法によって調製された、例えば、錠剤又はカプセル剤等の形態とすることができる。錠剤は、当技術分野で周知の方法でコーティングすることができる。経口投与用液体製剤は、例えば、溶液、シロップ剤又は懸濁剤の形態とすることができ、あるいは使用前に水又は他の適したビヒクルと構成される乾燥生成物として提供することができる。このような液体製剤は、例えば懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ剤、メチルセルロース又は水素化食用脂)、乳化剤(例えば、レシチン又はアカシア)、非水性ビヒクル(例えば、アーモンドオイル、油状エステル又はエチルアルコール)及び保存剤(例えば、メチル又はプロピルp-ヒドロキシ安息香酸又はソルビン酸)等の医薬的に許容される添加剤で、従来の方法によって調製することができる。
【0054】
頬側投与のため、組成物は、従来の方法で製剤された錠剤又はトローチ剤の形態とすることができる。
【0055】
本発明の活性化合物は、従来のカテーテル技術又は点滴を使用することを含む注射による非経口投与のために製剤することができる。注射用の製剤は、付加保存料と共に、単位剤形で、例えば、アンプル又は多用量容器に呈することができる。組成物は、油状又は水性ビヒクルの懸濁剤、溶剤又は乳剤のような形態とすることができ、例えば懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤等の製剤化剤(formulating agent)を含むことができる。あるいは、有効成分は、使用前に適したビヒクル、例えば、発熱物質を含まない無菌水で再構成するための、粉末形態とすることができる。
【0056】
本発明の活性化合物は、例えば、カカオバター又は他のグリセリド等の従来の坐剤の基剤を含む、例えば坐剤又は停留かん腸等の直腸組成物中に製剤することもまたできる。
【0057】
鼻腔内投与又は吸入による投与のために、本発明の活性化合物は、加圧容器又は噴霧器からエアロゾルスプレーの形態で、あるいは吸入器又は注入器を使用してカプセル剤から好都合に送達される。加圧エアロゾルの場合、適した噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適したガス及び用量単位は、弁を供することによって決定され、定量を送達することができる。加圧容器又は噴霧器用医薬は、活性化合物の溶液又は懸濁剤を含むことができるが、カプセル剤用医薬は、好ましくは粉末形態とすべきである。吸入器又は注入器での使用のためのカプセル剤及び薬包(例えば、ゼラチンから作られる)は、本発明の化合物及び例えばラクトース又はデンプン等の適した粉末基剤の粉末混合物を含んで製剤することができる。
【0058】
平均的な成人において上記の疾病(例えば、片頭痛)の治療用エアロゾル製剤は、好ましくはエアロゾルの各定用量又は「パフ」が本発明の化合物の20 μg〜1000 μgを含むように準備される。エアロゾルでの全一日量は、100 μg 〜10 mgの範囲内であろう。投与は、例えば、各回1、2又は3用量を、1日に数回、例えば、2、3、4又は8回とすることができる。
【0059】
上記の一般式(I) の化合物又はその誘導体の有効量は、従来の医薬上の補助剤、担体及び添加剤を含む医薬を製造するために使用することができる。
【0060】
このような治療は、多数の選択、例えば、2つの両立し得る化合物を単一用量形態で同時に投与すること、又は各化合物を別個の用量で個々に投与すること、あるいは必要な場合、周知の薬理の原理に従って薬物の有益な効果を最大にする又は副作用の可能性を最小にするために、同一の時間間隔で投与すること又は別々に投与することを含む。
【0061】
活性化合物の用量は、例えば投与経路、患者の年齢及び体重、治療する疾患の特性及び重症度等の要因並びに同様の要因によって変化し得る。従って、本明細書中の一般式(I)の化合物の薬理上有効量への言及はいずれも、上記要因を参照するものである。上記疾病の治療のための平均的な成人への経口、非経口、経鼻又は頬側投与のための本発明の活性化合物の提案の用量は、単位用量あたり有効成分0.1〜200 mgであり、例えば、1日に1〜4回投与することができる。
【0062】
調製方法
式(I) の化合物は、以下に示すスキームIによって調製することができる。
【化4】

【0063】
上記式(13)において、記号「Z」とは、ハロゲンを表す。式(12) の化合物は、式(13)化合物との反応により、式(14)の化合物を形成する。式(14)のヒドロキシル基は、メシレート基に変換され、式(15)の化合物を形成する。式(15)の化合物は、アルキルアミンで処理され、式(I)の化合物を形成する。
【0064】
上記調製の第一工程において、式 (12) の化合物は、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(BINAP)及びパラジウム触媒の存在下で式(13)の化合物と結合され、式(14)の化合物を得る。この反応は、好ましくは例えば1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルルホキシド等又はそれらの混合物等の溶媒中で、好ましくは1,4-ジオキサンを使用することによって行われる。反応は、例えばナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸セシウム又はそれらの混合物等の塩基の存在下で、好ましくはナトリウムtert-ブトキシドを使用することによって影響を受け得る。反応は、例えば2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、キサントホス、dppf、cy3p、Tol3P又はそれらの混合物等のホスフィノリガンド、好ましくは2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチルを使用して行われる。パラジウム試薬は。Pd(oAc)2、Pd2(dba)3、Pd(dppf)Cl2、Pd(pph3)2Cl2、Pd(pph3)4 及びPd(dba)2及び好ましくはPd2(dba)3を含む。反応温度は、溶媒の選択に基づいて室温〜150℃とすることができ、好ましくは90 ℃〜130℃の温度である。反応は、マイクロ波条件下で行うこともまたできる。反応の持続時間は、10〜25時間、好ましくは1〜18時間とすることができる。
【0065】
上記調製の第二の工程において、式(14)の化合物の存在下で、メタンスルホニルクロリドは、塩基の存在下で式(15)の化合物に変換される。この反応は、好ましくは、例えば1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、トリエチルアミン、トルエン、ピリジン、酢酸エチル、ジクロロメタン等又はそれらの混合物等の溶媒中で、好ましくはピリジン及びジクロロメタンを使用することによって行われる。反応は、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、トリエチルアミン又はN,N-ジイソプロピルエチルアミン等及びそれらの混合物等の塩基の存在下で、好ましくはトリエチルアミンを使用することによって行われる。反応の持続時間は、1〜4時間、好ましくは1〜3時間とすることができる。
【0066】
上記調製の第三の工程において、式(15)の化合物は、アルキルアミンで処理され、一般式(I)の化合物を形成する。この反応は、好ましくは例えばエタノール、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等又はそれらの混合物等の溶媒中で、好ましくはジメチルホルムアミドを使用することによって行われる。反応の持続時間は、16〜30時間、好ましくは22〜26時間とすることができる。
【0067】
式(12)の出発原料は、調製1に記載の通り合成される。式(12)及び(13)の出発原料は、市販される、又は従来の方法又は周知の工程を使用した修飾によって調製することができる。
【0068】
式(I) の化合物は、以下に示すスキームIIを使用することによって調製することもまたできる。
【化5】

【0069】
上記式(13)において、記号「Z」とは、ハロゲンを表す。式(12)の化合物は、式(13)の化合物と反応し、式(14)の化合物を形成する。式(14)のヒドロキシル基はメシレート基に変換され、式(15)の化合物を形成する。式(15)の化合物は、アジ化塩で処理され、式(16)の化合物を形成する。式(16)の化合物は還元され、式(I)の化合物を形成する。
【0070】
上記調製の第一工程において、式(12)の化合物は、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(BINAP)及びパラジウム触媒の存在下で、式(13)の化合物と結合され、式(14)の化合物が得られる。この反応は、好ましくは例えば1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等又はそれらの混合物等の溶媒中で、好ましくは1,4-ジオキサンを使用することによって行われる。反応は、例えばナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸セシウム又はそれらの混合物等の塩基の存在下で、好ましくはナトリウムtert-ブトキシドを使用することによって影響を受け得る。反応は、例えば2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、キサントホス、dppf、cy3p、Tol3P又はそれらの混合物等のホスフィノリガンド、好ましくは2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチルを使用することによって行われる。パラジウム試薬は、Pd(OAc)2、Pd2(dba)3、Pd(dppf)Cl2、Pd(pph3)2Cl2、Pd(pph3)4 及びPd(dba)2を含み、好ましくはPd2(dba)3である。反応温度は、溶媒の選択に基づいて室温〜150 ℃とすることができ、好ましくは90℃〜130℃の温度である。反応はマイクロ波条件下で行うこともできる。反応の持続時間は、10〜25時間、好ましくは1〜18時間とすることができる。
【0071】
上記調製の第二の工程において、メタンスルホニルクロリドの存在下の式(14)の化合物は、塩基の存在下で式(15)の化合物に変換される。この反応は、好ましくは、例えば1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、トリエチルアミン、トルエン、ピリジン、酢酸エチル、ジクロロメタン等又はそれらの混合物等の溶媒中で、好ましくはピリジン及びジクロロメタンを使用することによって行われる。反応は、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、トリエチルアミン又はN,N-ジイソプロピルエチルアミン等及びそれらの混合物等の塩基の存在下で、好ましくはトリエチルアミンを使用することによって行われる。反応の持続時間は、1〜4時間、好ましくは1〜3時間とすることができる。
【0072】
上記調製の第三の工程において、式(15)の化合物は、アジ化塩で処理され、一般式(16)の化合物が形成される。この反応は、好ましくは、例えばエタノール、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等又はそれらの混合物等の溶媒中で、好ましくはジメチルホルムアミドを使用することによって行われる。反応の持続時間は、2〜20時間、好ましくは14〜18時間とすることができる。反応温度は、溶媒の選択に基づいて室温〜150℃、好ましくは70℃〜110℃の温度とすることができる。
【0073】
上記調製の第4の工程において、式(16)の化合物は還元され、一般式(I)の化合物が形成される。この反応は、好ましくは例えばエタノール、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等又はそれらの混合物等の溶媒中で、好ましくはTHF及び水との混合物を使用することによって行われる。反応は、例えばトリシクロヘキシルホスフィン、トリオルソトリルホスフィン(triorthotolylphosphine)、トリフェニルホスフィン又はそれらの混合物等のホスフィノ試薬の存在下で、好ましくはトリフェニルホスフィンを使用することによって影響を受け得る。反応はまた、パラジウム触媒、ラネーニッケル等を使用して水素雰囲気下で行うことができる。反応はまた、例えばNiBH4、LiAlH4、DIBAL-H等の水素化物試薬を使用することによって行うことができる。反応の持続時間は、12〜20時間、好ましくは14〜18時間とすることができる。反応温度は、溶媒の選択に基づいて-10℃〜40℃、好ましくは-5℃〜35℃の温度とすることができる。
【0074】
式(12) の出発原料は、調製1に記載のように合成される。式(12)及び(13)の出発原料は、市販される、又は従来の方法又は周知の工程を使用した修飾によって調製することができる。
【0075】
式(I) の化合物は、以下に示すスキームIIIを使用することによって調製することもまたできる。
【化6】

【0076】
上記式(13)において、記号「Z」とは、ハロゲンを表す。式(17)の化合物は、式(13)の化合物と反応し、式(19)の化合物が形成される。式(19)の化合物は脱保護され、式(I)の化合物を形成する。
【0077】
上記調製の第一工程において、式 (17) の化合物は、例えばジクロロメタン、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等又はそれらの混合物等の溶媒の存在下で、好ましくはジクロロメタンを使用することによって、式(13)の化合物と結合される。反応は、例えばナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸セシウム、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン又はそれらの混合物等の塩基の存在下で、好ましくはジイソプロピルエチルアミンを使用することによって影響を受け得る。反応温度は、溶媒の選択に基づいて20℃〜40℃、好ましくは25℃〜35℃の温度とすることができる。反応の持続時間は、0.5〜2時間、好ましくは1〜1.5時間とすることができる。4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)等のさらなる触媒を任意に使用することができる。
【0078】
上記調製の第二の工程において、式(19) の化合物は脱保護され、例えばエタノール、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等又はそれらの混合物等の溶媒の存在下で、好ましくはエタノールを使用することによって、式(I)の化合物を形成する。反応は、水素雰囲気下で、パラジウム触媒を使用して行われる。反応の持続時間は、1〜5時間、好ましくは2〜4時間とすることができる。反応温度は、溶媒の選択に基づいて20℃〜40℃、好ましくは25℃〜35℃の温度とすることができる。
【0079】
式(17) の出発原料は、調製2に記載されるように合成される。式(17)及び(13)の出発原料は、従来の方法又は周知の工程を使用して修飾によって調製することもまたできる。
【0080】
上記の本発明の調製方法によって得られる化合物は、さらなる化学修飾によって、例えば酸化、還元、保護、脱保護、転位反応、ハロゲン化、ヒドロキシル化、アルキル化、アルキルチオール化、脱メチル化、O-アルキル化、O-アシル化、N-アルキル化、N-アルケニル化、N-アシル化、N-シアノ化、N-スルホニル化、遷移金属を使用したカップリング反応等の周知の反応を使用して、本発明の他の化合物に変換することができる。
【0081】
必要な場合、任意の1つ又は2以上の次の工程を行うことができる。
i)式 (I)の化合物を式 (I)の他の化合物に変換する工程
ii)任意の保護基を除去する工程、又は
iii)医薬として許容される塩、溶媒和物又はそれらのプロドラッグを形成する工程。
【0082】
工程(i)は、例えばエピマー化、酸化、還元、アルキル化、及び求核又は求電子芳香族置換及びエステル加水分解又はアミド結合形成等の従来の相互変換手段を使用して行うことができる。
【0083】
工程 (ii)において、適したアミン保護基は、スルホニル(例えば、トシル)、アシル(例えば、アセチル、2',2',2'-トリクロロエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル又はt-ブトキシカルボニル)及びアリールアルキル(例えば、ベンジル)を含み、これらは加水分解によって(例えば、塩酸又はトリフルオロ酢酸等の酸を使用して)又は還元的に(例えば、ベンジル基の水素化分解又は酢酸中の亜鉛を使用した2',2',2'-トリクロロエトキシカルボニル基の還元的除去によって)適切に除去できる。他の適したアミン保護基は、塩基触媒加水分解によって除去可能であるトリフルオロアセチル基、又は例えばトリフルオロ酢酸での酸触媒加水分解によって除去可能である例えばMerrifield樹脂結合2,6-ジメトキシベンジル基(Ellman linker) 等の固相樹脂結合ベンジル基を含む。
【0084】
工程(iii)において、医薬として許容される塩は、既に詳述したように適した酸又は酸誘導体との反応によって従来法で調製することができる。
【0085】
式(I)の特定の化合物は、立体異性体形態(例えば、ジアステレオマー及びエナンチオマー)で存在することが可能であり、本発明はこれらの各々の立体異性体形態及びラセミ体を含むそれらの混合物にまで及ぶ。異なる立体異性体形態は、一般的な方法によって互いに分離することができる、あるいは任意の所定の異性体は立体特異的又は非対称性合成によって得ることができる。本発明はまた、互変異性形態及びそれらの混合物にまで及ぶ。
【0086】
一般に立体異性体は、本質的に周知の方法で光学活性異性体に分離することができるラセミ体として通常得られる。1つの非対称性炭素原子を有する一般式(I) の化合物の場合、本発明は、D型、L型及びD、L型の混合物に関し、多数の非対称性炭素原子を含む一般式(I)の化合物の場合、ジアステレオ異性形態及び本発明は、これらの立体異性形態の各々及びラセミ体を含むそれらの混合物にまで及ぶ。非対称性炭素を有し一般にラセミ体として得られる一般式(I)のそれらの化合物は、一般的な方法によって互いに分離することができる、又は任意の所定の異性体は、立体特異的又は非対称性合成によって得ることができる。しかしながら、最初から光学活性化合物を利用することも可能であり、同様に光学活性鏡像異性又はジアステレオ異性化合物が最終化合物として得られる。
【0087】
一般式(I) の化合物の立体異性体は、以下に示される1又は2以上の方法で調製することができる。
i)1又は2以上の試薬をそれらの光学活性形態で使用する。
ii)金属触媒を伴う光学的に純粋な触媒又はキラル配位子を還元工程において使用する。金属触媒は、ロジウム、ルテニウム、インジウム等とすることができる。キラル配位子は、好ましくはキラルホスフィンとすることができる。
iii)立体異性体の混合物を、従来の方法、例えばキラル酸又はキラルアミン又はキラルアミノアルコール、キラルアミノ酸とジアステレオ異性塩を形成すること等によって分解する。生じるジアステレオマーの混合物を続いて、例えば分画結晶化、クロマトグラフィー等の方法によって分離し、さらに誘導体の加水分解によって光学活性生成物を単離する。
iv)キラル酸又はキラル塩基と共に形成されたジアステレオ異性塩を分解する、例えば微生物分解等の従来の方法によって、立体異性体の混合物を分解する。
【0088】
使用することができるキラル酸は、酒石酸、マンデル酸、乳酸、カンファースルホン酸、アミノ酸等とすることができる。使用することができるキラル塩基は、キナアルカロイド、ブルシン又は例えばリジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸とすることができ、幾何異性を含む一般式(I)の化合物の場合、本発明はこれらの幾何異性体の全てに関する。
【0089】
適した医薬として許容される塩は、当業者に明らかであり、J. Pharm. Sci.、1977、66、1〜19に記載の、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸又はリン酸等の無機酸、及び例えば、コハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、安息香酸、p-トルイル酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又はナフタレンスルホン酸等の有機酸と形成された酸付加塩等を含む。本発明は、その範囲内に、全ての可能性のある化学量論及び非化学量論形態を含む。
【0090】
本発明の一部を形成する医薬として許容される塩は、例えば水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化ナトリウム、カリウムt-ブトキシド、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、カルシウムクロリド、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム等の塩基の1〜6個の均等物で、式(I)の化合物を処理することによって調製することができる。例えば水、アセトン、エーテル、THF、メタノール、エタノール、t-ブタノール、ジオキサン、イソプロパノール、イソプロピルエーテル又はそれらの混合物等の溶媒を使用できる。
【実施例】
【0091】
本発明の新規化合物を、適した物質を使用して以下の方法に従って調製し、さらに特定の実施例を示す。本発明の最も好ましい化合物は、特にこれらの実施例で説明する化合物のいずれか又は全てである。しかしながら、これらの化合物は、本発明とみなされる唯一の属を形成すると解釈されるべきでなく、斯かる化合物の任意の組み合わせ又はそれらの部分自体も属を形成することができる。以下の実施例は、本発明の化合物の調製について詳細にさらに説明する。当業者は、以下の調製方法の条件及び工程の周知の変更がこれらの化合物の調整のために使用することができると容易に理解するであろう。
【0092】
調製1: [2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル]メタノールの調製
工程(i): 5-(tert-ブチルジフェニルシラニルオキシメチル)ピロリジン-2-オンの調製
ジクロロメタン (174 mL)中の5-ヒドロキシメチルピロリジン-2-オンの氷冷の溶液(5グラム、43.4 mmol)に、イミダゾール(6.5グラム、95.5mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(530mg、4.3mmol)、続いてtert-ブチルジフェニルシリルクロリド(12.53グラム、45.57mmol)を添加した。反応混合物を徐々に室温まで温め、2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム中で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、表題の化合物15.37グラムを粘性のある液体として得て、さらなる精製なく次の反応のために取り出した。
【0093】
【表1】

【0094】
工程(ii): 2-(tert-ブチルジフェニルシラニルオキシメチル)-5-オキソ-ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルの調製
アセトニトリル(174 mL)中の上記の得られた化合物(15.35グラム、43.42mmol)の撹拌溶液に、4-ジメチルアミノピリジン(6.36グラム、52.1mmol)及び二炭酸tert-ブチル(11.0mL、47.8mmol)を添加した。16時間の室温での撹拌後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム中で乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、未精製の生成物を230〜400メッシュのシリカゲルを使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物を固体として18.28グラム得た。収率:2工程で93%。
融解範囲: 105.9〜108.3℃。
【0095】
【表2】

【0096】
工程(iii): 2-(tert-ブチルジフェニルシラニルオキシメチル)-5-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルの調製
-78 ℃のテトラヒドロフラン (160mL)中の上記の得られた化合物(18.27グラム、40.28mmol)の撹拌溶液に、リチウムトリエチル水素化ホウ素(テトラヒドロフラン中1M、44.3 mL) の溶液を添加した。1時間の撹拌後、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(68 mL) の添加によって反応混合物を急冷した。反応混合物を0℃まで温め、過酸化水素(30 % w/v、1.3 mL) を添加し、20分間撹拌した。2層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出し、結合した有機層を無水硫酸ナトリウム中で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、表題の化合物を粘性のある液体として20.0 グラム得た。これは十分に純粋であり、次の反応に取り出した。収率:95.7 %。
【0097】
【表3】

【0098】
工程(iv): 2-(tert-ブチルジフェニルシラニルオキシメチル)-5-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tertブチルエステルの調製
メタノール (160 mL)中の上記の得られた化合物 (18.34 グラム、40.2 mmol) の氷冷の溶液に、ピリジニウムパラトルエンスルホナート (p-PTS、1.0 グラム、4.02 mmol) を添加した。反応混合物を徐々に室温まで温め、2時間撹拌した。トリエチルアミン (1.2 mL、8.04 mmol)を添加し、揮発物質を減圧下で除去し、未精製の生成物を230〜400メッシュのシリカゲルを使用したフラッシュカラムによって精製し、表題の化合物の異性体混合物を粘性のある液体として18.1 グラム得た。収率:95.7 %。
【0099】
【表4】

【0100】
工程(v): 2-(tert-ブチルジフェニルシラニルオキシメチル)-2,3-ジヒドロピロール-1-カルボン酸tert-ブチルエステルの調製
上記の得られた化合物 (18.1 グラム、38.5 mmol) 及び塩化アンモニウム (311 mg、5.7 mmol) の混合物を、150℃で減圧下で (50 mbar) 1時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、230〜400メッシュのシリカゲルを使用したフラッシュカラムによって精製し、表題の化合物を粘性のある液体として14.6 グラム得た。収率:86.5 %。
【0101】
【表5】

【0102】
工程(vi): 3-(tert-ブチルジフェニルシラニルオキシメチル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボン酸tert-ブチルエステルの調製
ジクロロメタン (18 mL)中の上記の得られた化合物 (2.0 グラム、4.56 mmol) 氷冷の溶液に、ジエチル亜鉛(ヘキサン中1M、5.0 mL) の溶液、続いてジヨードメタン(0.55 mL、6.84 mmol) を15分間添加し、30分間撹拌した。反応混合物を徐々に室温まで温め、3時間撹拌した。反応混合物のpHを飽和炭酸水素ナトリウム溶液の添加によって8まで調整した。2層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。結合された有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム中で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させ、未精製の生成物を230〜400メッシュのシリカゲルを使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物を粘性のある液体として1.5グラム得た。収率:73 %。
【0103】
【表6】

【0104】
工程(vii): 3-ヒドロキシメチル-2-アザビシクロ [3.1.0] ヘキサン-2-カルボン酸tert-ブチルエステルの調製
乾燥テトラヒドロフラン (104 mL)中の上記の得られた化合物 (16.8 グラム、37.1 mmol)の氷冷の溶液に、テトラブチルフッ化アンモニウム(テトラヒドロフラン中1M、37.1 mL) を10分間添加した。反応混合物を徐々に室温まで温め、12時間撹拌した。揮発物質を減圧下で除去し、未精製の生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物を粘性のある液体として7.0 グラム得た。収率: 88.6 %。
【0105】
【表7】

【0106】
工程(viii): (2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル)メタノールの調製
イソプロパノール (7 mL)中の3-ヒドロキシメチル-2-アザビシクロ [3.1.0] ヘキサン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(調製1で得られたもの)の氷冷溶液(6.5 グラム、14.41 mmol)に、イソプロパノール中の乾燥塩酸塩溶液 (3 M、28 mL)を添加し、反応混合物を徐々に室温まで温め、16時間撹拌した。反応混合物をメタノール(7M、14 mL) 中のアンモニア溶液で希釈し、揮発物質を減圧下で除去した。未精製の生成物を、230〜400シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物を1.51グラム得た。収率: 93 %。
【0107】
【表8】

【0108】
工程(ix): [2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル]メタノールの調製
圧力反応容器中の乾燥1,4-ジオキサン (20 mL) 中の(2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル)メタノール (750 mg、6.63 mmol) (工程(i) で得られたもの) の撹拌溶液に、3,5-ジブロモピリジン(1.57グラム、6.63 mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド (700 mg、7.3 mmol) 及びラセミ-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル (207 mg、0.33 mmol) を添加した。反応混合物を30分間脱泡し、続いてトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) (122 mg、0.133 mmol)を添加した。ねじ口を反応容器上で固定し、反応温度を徐々に110 ℃まで上昇させ、反応混合物をこの温度で16時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウムで希釈し、酢酸エチルで抽出した。結合された有機層を無水硫酸ナトリウム中で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去し、未精製の生成物を230〜400のシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物を固体として600 mg得た。収率: 33 %。
融解範囲: 90.4〜93.5℃。
【0109】
【表9】

【0110】
調製 2: 3-[N-(ベンジルオキシカルボニル)-N-(メチル)アミノメチル]-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの調製
工程(i): 3-メタンスルホニルオキシメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボン酸tert-ブチルエステルの調製
乾燥ジクロロメタン (10 mL)中の3-ヒドロキシメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル (2.52 グラム、11.83 mmol) の氷冷の溶液に、トリエチルアミン (2.5 mL、17.75 mmol)、続いてメタンスルホニルクロリド(1.0 mL、13.01 mmol) を添加した。反応混合物を徐々に室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、続いてブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム中で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させ、未精製の生成物を230〜400メッシュのシリカゲルを使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物を粘性のある液体として3.09グラム得た。収率: 90 %。
【0111】
【表10】

【0112】
工程(ii): 3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボン酸tert-ブチルエステルの調製
ジメチルホルムアミド (23 mL)中の上記の得られた化合物 (3.09 グラム、10.61 mmol)の撹拌溶液に、40 % (w/v) 水性ジメチルアミン溶液 (23 mL) を添加した。24時間の撹拌後に、反応混合物を飽和塩化ナトリウム溶液(150 mL)及び2.5 M水酸化ナトリウム溶液(23 mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。結合された有機層を無水硫酸ナトリウム中で乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、未精製の生成物を230〜400シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、目的の化合物を1.95グラム得た。収率: 85 %。
【0113】
【表11】

【0114】
工程(iii): t-ブチル 3-[N-(ベンジルオキシカルボニル)-N-(メチル) アミノメチル]-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレートの調製
乾燥テトラヒドロフラン (35 mL)中の上記の得られた化合物 (2.0 グラム、8.85 mmol) の氷冷の溶液に、無水炭酸カリウム (1.84 グラム、13.3 mmol)、続いてトルエン (3.4 mL、9.74 mmol)中のクロロギ酸ベンジル50 % w/v 溶液を添加した。反応混合物を徐々に室温まで温め、16時間室温で撹拌した。反応混合物を水で希釈し、水層をジクロロメタンで抽出した。結合された有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム中で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させ、未精製の生成物を230-400メッシュのシリカゲルを使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物を粘性のある液体として2.0 グラム得た。収率: 63 %。
【0115】
【表12】

【0116】
工程(iv): 3-[N-(ベンジルオキシカルボニル)-N-(メチル)アミノメチル]-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの調製
乾燥ジクロロメタン (5 mL)中の上記の得られた化合物 (1.8 グラム、5.0 mmol) 氷冷溶液に、トリフルオロ酢酸 (5 mL)を添加した。反応混合物を徐々に室温まで温め、6時間室温で撹拌した。揮発物質を減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタンで希釈した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で、続いてブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム中で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させ、未精製の生成物を230〜400メッシュのシリカゲルを使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物を1.09グラム得た。収率:85%。
【0117】
【表13】

【0118】
実施例1: N-[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]-ジメチルアミン塩酸塩の調製
工程(i): 2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチルメタンスルホナートの調製
乾燥ジクロロメタン (10 mL) 中の[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル]メタノール(462 mg、2.43 mmol)の氷冷溶液に、トリエチルアミン (0.51 mL、3.6 mmol)、続いてメタンスルホニルクロリド(334 mg、2.92 mmol) を添加した。反応混合物を徐々に室温まで温め、1時間撹拌した。揮発物質を減圧下で除去し、未精製の生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物を粘性のある液体として586 mg得た。収率: 90 %。
【0119】
【表14】

【0120】
工程(ii): N-[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]ジメチルアミン塩酸塩の調製
ジメチルホルムアミド (4 mL)中の上記の化合物(560 mg、2.09 mmol) 撹拌溶液に、40 % (w/v) 水性ジメチルアミン溶液 (4 mL) を添加した。24時間の撹拌の後に、反応混合物を飽和塩化ナトリウム溶液(30 mL)及び2.5 M水酸化ナトリウム溶液(4 mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。結合された有機層を無水硫酸ナトリウム中で乾燥し、溶媒を減圧下で除去し、未精製の生成物を230〜400シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。これにより得られた生成物を、イソプロパノール(3M、4 mL)中の乾燥塩酸で10分間撹拌し、揮発物質を減圧下で除去し、残渣をエーテルで倍散し、表題の化合物を215 mg得た。収率: 40 %。
【0121】
【表15】

【0122】
実施例2: [2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ-[3.1.0]-ヘキサ-3-イル]メチルアミンの調製
工程(i): 3-アジドメチル-2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンの調製
乾燥ジメチルフラン (2 mL)中のメタンスルホン酸 (実施例1の工程(i) で得られたもの) (215 mg、0.62 mmol)に、アジ化ナトリウム(180 mg、2.77 mmol) を添加した。反応混合物を徐々に90℃まで加熱し、16時間撹拌した。反応の完了の後に、エーテルで希釈し、水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム中で乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。未精製の生成物を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物を、粘性のある液体として164 mg得た。収率: 90 %。
【0123】
【表16】

【0124】
工程(ii): [2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ-[3.1.0]-ヘキサ-3-イル]メチルアミンの調製
氷冷温度のテトラヒドロフラン中の上記の化合物(175 mg、0.6 mmol) の撹拌溶液に、トリフェニルホスフィン(173 mg、1.06 mmol) 及び水(32 μL、1.8 mmol) を添加した。反応混合物を徐々に室温まで温め、16時間撹拌した。揮発物質を減圧下で除去し、未精製の生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題の化合物を98 mg得た。収率: 63%。
【0125】
【表17】

【0126】
実施例3 : フラン-2-イル-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)メタノン酒石酸塩(異性体)の調製
工程(i): フラン-2-イル-[3-[(N-ベンジルオキシカルボニル-N-メチル)アミノメチル]-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル]メタノンの調製
不活性雰囲気下で0 ℃に冷却したジクロロメタン (2 mL)中の3-[N-(ベンジルオキシカルボニル)-N-(メチル)アミノメチル]-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン(210 mg、0.81 mmol) の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン (0.42 mL、2.4 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(0.1 mmol) 及びジクロロメタン(2 mL)中の酸クロリド溶液(0.09 mL、0.89 mmol)を30分間に渡り添加した。反応混合物を徐々に室温まで温め、1時間撹拌した。反応完了後に、冷水で希釈しジクロロメタンで抽出した。結合有機層を無水硫酸水素ナトリウム中で乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。未精製の生成物を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、2つの異性体混合物として206 mg得た。収率: 73 %。
【0127】
【表18】

【0128】
工程(ii): フラン-2-イル-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)メタノン酒石酸塩(異性体)の調製
水素雰囲気下のエタノール (2 mL)中のフラン-2-イル-[3-[(N-ベンジルオキシカルボニル-N-メチル)アミノメチル]-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル]メタノン(124 mg、0.35 mmol) の撹拌溶液に、炭素上のパラジウム (13 mg、10 % w/w) を添加した。反応混合物を室温での3時間の撹拌後にろ過した。溶媒を減圧下で除去し、未精製の生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、フラン-2-イル-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル) メタノン酒石酸塩 (それぞれ20 mg及び36 mg)の2つの異性体を得た。収率:73 %。
【0129】
フラン-2-イル-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)メタノン酒石酸塩 (異性体-1)の性質決定データ
【0130】
【表19】

【0131】
フラン-2-イル-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)メタノン酒石酸塩(異性体-2)の性質決定データ
【0132】
【表20】

【0133】
実施例4〜39:
実施例4〜39の化合物を、実施例1〜3に記載の手順に従って、一部には重要でない変更を行って調製した。
【0134】
【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【0135】
実施例40〜67:
当業者は、上記の方法に従って実施例40〜67の化合物を調製することができる。
【0136】
【表31】

【表32】

【0137】
生物試験
実施例68: ヒト又はラットのニコチン性アセチルコリンα4β2受容体に関する結合アッセイ
化合物を次の方法に従って評価することができる。
材料と方法:
受容体供給源:ラット脳前頭皮質又はCHO細胞において発現された組換えヒトcDNA
放射性リガンド: [3H] シチシン15〜40 Ci/ mmole
最終リガンド濃度- [2.5 nM]
非特異的決定因子: エピバチジン- [0.1 μM]
参照化合物: エピバチジン
正の対照: エピバチジン
【0138】
インキュベーション条件:
増加濃度の試験化合物又は標準化合物を、膜受容体及び放射性リガンドと共に、120 mM NaCl、2.5 mM KCl、1 mM CaCl2、1 mM MgCl2及び50 mM TRIS-HCl (pH 7.4)中で60分間室温でインキュベートした。ガラス繊維フィルター上で急速真空ろ過によって反応を終了させた。フィルター上でトラップされた放射活性を測定し、試験化合物のクローン化ヒト又はラット受容体結合部位との任意の相互作用を確認するために、対照値と比較した。
【0139】
【表33】

【0140】
参照文献: Bunnelle W. H., Daanen J. F., Ryther K. B., Schrimpf M. R., Dart M. J., Gelain A., Meyer M. D., Frost J. M., Anderson D. J., Buckley M., Curzon P., Cao Y-J., Puttfarcken P., Searle X., Ji J., Putman C. B., Surowy C., Toma L. and Barlocco D. Structure-Activity Studies and Analgesic Efficacy of N-(3-Pyridinyl)-Bridged Bicyclic Diamines, Exceptionally Potent Agonists at Nicotinic Acetylcholine Receptors. J. Med. Chem. 2007, 50, 36-27。
【0141】
実施例 69: ニコチン性アセチルコリンα4β2受容体リガンドに関するIC50及びKb値の測定
エクオリンタンパク質を一過性に発現している組換えヒトα4β2ニコチン性アセチルコリン受容体を発現している安定なCHO細胞株を、細胞アッセイに使用した。斯かるアッセイは、化合物のリガンドゲートイオンチャネルへの結合を測定するための非放射性手段を提供する。この特異的アッセイにおいて、チャネルの活性化又は抑制によって調節される細胞内カルシウムのレベルを測定する。チャネル及びエクオリン遺伝子はどちらも、パワフルCMVプロモーターの制御下で高レベルに発現される。
【0142】
96ウェルの透明の下部の白色プレートの10% 胎仔ウシ血清 (FBS)を含むHams F12培地中で上記細胞を成長させた。化合物及び/又はアゴニストの添加前に、細胞を6時間血清欠乏させた。コエレンテラジン(エクオリンタンパク質の補欠分子族)を0.1 %透析血清を含む培地中に添加し、一晩27℃でインキュベートした。細胞をアッセイ緩衝液で洗浄し、増加濃度の試験化合物又は標準化合物を、アンタゴニスト機序のためにプレートに添加した。固定濃度のアゴニスト(エピバチジン)をプレートに注入し、発光を10秒間測定した。アゴニスト機序における化合物の評価のために、増加濃度の標準化合物又は試験化合物を注入し、発光を測定した。Graphpadソフトウェアを使用して、発光単位を化合物濃度に対してプロットした。化合物のIC50値を、発光単位の50 %減少に必要な濃度として定義した。アッセイで使用したアゴニストの濃度及びそのEC50値を同一ソフトウェアに入力することによってKb値を計測した。
【0143】
【表34】

【0144】
参照文献: Karadsheh M. S., Shah M. S., Tang X., Macdonald R. L. and Stitzel J. A. Functional characterization of mouse α4β2 nicotinic acetylcholine receptors stably expressed in HEK293T cells. J. Neurochem. 2004, 91, 1138-1150。
【0145】
実施例70: げっ歯類薬物動態試験
NIN (National Institute of Nutrition、Hyderabad、India) から購入したオスのウィスターラット (230〜280グラム)を実験動物として使用した。3〜5匹の動物を、各ケージで飼育した。動物を一晩絶食させ、12時間の明暗周期で飼育した。3匹のラットにNCEを、0日目及び2日目に経口で(15又は5 mg/kg) 且つ静脈内に(5 mg/kg) 投与した。
【0146】
各時点で、血液を頸静脈から回収した。血漿を分析まで-20 °Cで凍結保存した。LC-MS/MS法を使用して血漿中のNCE化合物の濃度を測定した。スケジュール時点: 投与前、投与後0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、6、8、10、12及び24時間(n=3)。血漿中のNCE化合物を、有効なLC-MS/MS法によって固相抽出技術を使用して定量化した。血漿中で較正範囲1-2000 ng/mLでNCE化合物を定量化した。較正試料を使用して、バッチ中の試験試料及びバッチに散在する品質管理試料を分析した。
薬物動態パラメーターCmax、Tmax、AUCt、T1/2及び生物学的利用率を、ソフトウェアWinNonlin version 5.0.1を使用して非分画モデルによって算出した。
【0147】
【表35】

【表36】

【表37】

【0148】
実施例71: げっ歯類脳透過試験
NIN (National Institute of Nutrition、Hyderabad、India) から購入したオスのウィスターラット (230〜280グラム)を、実験動物として使用した。各ケージ3匹の動物を飼育した。実験を通して動物に水及び飼料を自由に与え、12時間の明暗周期で飼育した。
【0149】
NCE化合物を水中に溶解し、経口投与した。Tmax (0.5、1.0 及び2.0)において、血漿及び脳組織を回収するために動物を屠殺し、ホモジナイズした。分析まで-20 °Cで血漿及び脳を凍結保存した。血漿及び脳中のNCE化合物の濃度を、LC-MS/MS法を使用して測定した。
【0150】
血漿及び脳ホモジネート中のNCE化合物を、固相抽出技術を使用して有効なLC-MS/MS法によって定量化した。血漿及び脳ホモジネート中のNCE化合物を、較正範囲1〜500 ng/mLで定量化した。試験試料を、バッチ中の較正試料及びバッチに散在する品質管理試料を使用して分析した。脳-血液比の範囲を算出した(Cb/Cp)。
【0151】
【表38】

【0152】
実施例72: 物体認識課題モデル
本発明の化合物の認知増強特性を、動物認知モデル: 物体認識課題モデルを使用して推定した。
N. I. N. (National Institute of Nutrition、Hyderabad、India)から購入したオスのウィスターラット (230〜280 グラム)を、実験動物として使用した。各ケージ4匹の動物を飼育した。1日前に動物を20 % の絶食状態で飼育し、実験を通して水を自由に与え、12時間の明暗周期で飼育した。また、いかなる物体もない状態で、ラットを1時間個々の活動領域に馴化させた。
【0153】
馴化(familiar)(T1) 及び選択試行(choice trial)(T2) の1時間前に、12匹のラットの一群にはビヒクル (1 mL/Kg) を経口投与し、他の動物群には式(I)の化合物を経口又は腹腔内投与した。
【0154】
実験は、アクリル製の50 x 50 x 50 cmのオープンフィールド内で行った。馴化段階 (T1) では、ラットをそれぞれオープンフィールドに3分間置き、黄色のマスキングテープで覆った2つの同一の物体 (プラスティック製ボトル、高さ12.5 cm x直径5.5 cm) (a1及びa2) をそれぞれ、2つの隣接した角に壁から10 cm離して配置した。長期記憶試験のための(T1) 試行の24時間後、同一のラットをT1試行で置いた同一活動領域内に置いた。選択段階(T2)において、1つの馴染みのある物体 (a3)及び1つの新規物体(b) (琥珀色のガラス製ボトル、高さ12 cm 及び直径5 cm)が存在するオープンフィールドを、ラットに3分間探索させた。馴染みのある物体は、同様のテクスチャ、色及びサイズを示した。T1及びT2試行中、(スニッフィング、リッキング、チューイング又は1 cm未満の距離で鼻を物体へ向けながらのヒゲの動かしとして定義する)各物体の探索をストップウォッチでそれぞれ記録した。めったに観察されなかった物体上のシッティングは、探索行動と見なさなかった。
T1は、馴染みのある物体 (a1 + a2) の探索に費やした総時間である。
T2は、馴染みのある物体及び新規物体(a3+b)の探索に費やした総時間である。
【0155】
Ennaceur, A., Delacour, J., 1988, A new one-trial test for neurobiological studies of memory in rats - Behavioural data, Behav. Brain Res., 31, 47-59に記載されるように、物体認識試験を行った。
【0156】
一部の代表的な化合物は、新規物体認識の増加、すなわち新規物体の探索時間の増加及び高い識別指数を示す正の効果を示した。
【0157】
【表39】

【0158】
実施例73: 水迷路
直径1.8 m、深さ0.6 mの円形水迷路タブから成る水迷路を水で満たした。プラットフォームを、4つの仮想四分円の1つの中央の水表面の1.0 cm下に置いた。斯かるプラットフォームは、全ラットで一定であった。獲得訓練前にラットにビヒクル又は試験化合物を投与し、ビヒクル又は試験化合物の投与の半時間後に、スコポラミンを投与した。ラットをゆっくりと降ろし、足から進水させた。プラットフォームを見つけさせるため、ラットを60秒間泳がせた。時間内にプラットフォームが発見された場合、試行を終了しラットをプラットフォーム上に30秒間滞在させた後、迷路から移動させた。60秒の試行中にプラットフォームが発見されない場合、ラットを手でプラットフォーム上に誘導した。各ラットに1日4試行行った。5日目に、プラットフォームをプールから除去して、各動物に1回120秒の探索試行を行い、課題の記憶力を評価した。目的の四分円(獲得訓練中プラットフォームを置いた四分円)で費やした時間(ms)を、探索試行として算出した。プラットフォームに到達までの潜時(ms)、泳ぐスピード(cm/s)及び進路長(cm)を獲得試行中測定した。
【0159】
実施例74: マウス強制水泳アッセイ
試験前に動物にビヒクル又は試験薬物を投与した。続いて、動物を水を含むプレキシガラスシリンダー内にそれぞれ6分間置いた。最初の2分間はスコア化せず、残りの4分間を不動行動に関して観察した。不動行動は、水位上に頭部を維持する小さな動きを除いて、動物の動きがない行動と定義する。試行後ごとに水を交換した。
【0160】
実施例75: DRL-72
本発明の化合物の抗うつ剤特性を、動物うつモデル: DRL-72秒モデルを使用して評価した。オスのスプラーグドーリーラットを実験動物として使用した。毎日の60分間のセッション中、各正解応答に対して得られる025 mlの水への4”接近のためにレバーを押すようにラットを訓練する。全試験を平日にのみ行う。各セッションの開始に室内の光を照射し、セッションが終了するまで点灯した状態である。試験中他の刺激は提示しない。レバー押し訓練が成功した後、ラットは24秒で区別されるレバー押しのみが強化されるDRL-24秒スケジュール下で応答することが要求される。DRL-24秒のスケジュールへの安定した応答の後に(5〜10 セッション)、応答が約15%効率で安定するまでラットをDRL-72秒スケジュールに訓練する (約25〜35セッション)。特に、ラットは、前の応答の少なくとも72 秒後(IRT)に放出される各応答に関して強化を受ける。72 秒未満のIRTの応答では強化を受けず、IRTを72秒までリセットすることが必要である。強化され応答 ÷ 応答総数の数として、効率を記録した。わずか10%のばらつきである4連続セッションの応答として定義する、安定したベースライン応答が達成された後、動物に薬物試験を開始する。動物に、1週間あたり1x程度の薬物を投与する。
【0161】
【表40】

【0162】
実施例76: ホルマリン誘発痛覚の逆転
本発明の化合物の抗痛覚性特性を、疼痛モデル: ホルマリン誘発痛覚モデルを使用して評価した。N. I. N. (National Institute of Nutrition、Hyderabad、India) から購入したオスのウィスターラット (230〜280 グラム)を、実験動物として使用した。
【0163】
実験を開始する前に、ラットを活動領域内で20分間馴化させた。リッキング、咬み及びたじろぎの持続時間を、ホルマリンを濃度5 % v/vで右後肢の足蹠下(subplantar)に投与後、0〜10分間及び20〜35分を記録した。シャム群のラットの右後肢には、50μLの注射用の水を注入した。ホルマリン投与前に、本発明の化合物を経口投与した。
【0164】
【表41】

【0165】
実施例77: 急性食物摂取試験
過食の動物モデルを使用して本発明の化合物の食欲抑制特性を試験した。
【0166】
Raj Biotech、Indiaから購入したオスのウィスターラット(200〜210 グラム)を実験動物として使用した。実験は、6日間行った。ラットを18時間の絶食及び6時間の給餌パターンに順応させた。動物を絶食グリル(grill)が設けられたケージに3匹を1群として飼育し、18時間絶食させた。18時間の絶食後、ラットを分け、それぞれケージ中に置いた。重量測定した餌をラットに6時間与え、1、2、4及び6時間の食物摂取を記録した。再度ラットを群飼いし、18時間絶食させた。上記手順を5日間続けた。最終3日間のラットによる平均累積食物摂取を算出した。最終3日間の食物摂取に基づき動物を無作為抽出した。
【0167】
8匹のラットから成る1群にはビヒクル (2 mL/Kg)を経口で投与し、他の群には式 (I)の化合物を経口で投与した。続いて、ラットを餌に接近させ、1、2、4及び6時間における食物摂取を記録した。試験化合物で処置したラットによる食物摂取を、スチューデントt検定を使用してビヒクル処置群と比較した。
【0168】
一部の代表的な化合物は、食物摂取の抑制を示す正の効果、すなわち、食欲不振様効果を示している。
【0169】
【表42】

【0170】
実施例78: 高脂肪給餌ラットの体重増加における試験化合物の効果
本発明の化合物の体重増加抑制特性を、肥満動物モデルを使用して試験した。
【0171】
Reliance Life Sciences、Indiaから購入したオスのスプラーグドーリーラット(150〜160 グラム)を実験動物として使用した。ラットに対照餌 (通常のペレット餌)及びラードベースの高脂肪餌(45%kcalの餌)を7〜8週間給餌した。高脂肪餌を給餌した動物を体重に従って無作為抽出した。動物を1ケージ3〜4匹の群中で飼育した。10匹ラットの1群には14日間ビヒクル(2 mL/Kg)を経口で投与し、他の群には式 (I)の化合物を経口で投与した。動物の体重を最初の連続3日間記録し、その後週に2回記録した。測定した量の餌を動物に与え、食物摂取量を全試験期間中24時間ごとに記録した。
【0172】
一部の代表的な化合物は、体重増加の減少を示す正の効果示している。
【0173】
【表43】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

(式中、
【化2】

は、ヘテロアリールを表し、
R1は、水素又はアルキルを表し、
R2は、水素又はアルキルを表し、
R3は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、オキソ、ニトロ、アシル、アミド、アミン、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルを表し、
R4は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルを表し、
任意には、R1及びR4は、窒素原子と共にヘテロアリール又はヘテロシクリルを形成することができ、
「X」は、C、N、O、Sを表し、
「m」は、1〜4を表し、
「n」は、1〜2を表し、
「p」は、0〜3を表し、
「q」は、0〜1を表す)
の化合物及びその誘導体、立体異性体及び医薬として許容される塩。
【請求項2】

【化3】

がヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1が水素又はアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R2が水素又はアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R3が、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、オキソ、ニトロ、アシル、アミド、アミン、シアノ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R4が、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
N-[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]-ジメチルアミン塩酸塩、
[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ-[3.1.0]-ヘキサ-3-イル]メチルアミン、
フラン-2-イル-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)メタノン酒石酸塩、
N-[2-(ピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン塩酸塩、
N-[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]エチルアミン酒石酸塩、
2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-3-ピロリジン-1-イルメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン酒石酸塩、
2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-3-(モルホリン-4-イルメチル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン酒石酸塩、
2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-3-(ピペラジン-1-イルメチル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン、
N-[2-(ピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]ジメチルアミン、
N-[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
N-[2-(5-クロロピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミンフマル酸塩、
[2-(5-クロロピリジン-3-イル)-2-アザ-ビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル]メチルアミンフマル酸塩、
N-[2-(5-メトキシピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミンフマル酸塩、
N-[2-(5-イソプロポキシピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
[2-(5-フェニルスルファニルピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル]メチルアミンフマル酸塩、
N-[2-(5-フェニルスルファニルピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミンフマル酸塩、
[2-(ピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル]メチルアミンフマル酸塩、
[2-(3-ブロモ-2-エトキシピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル-メチル]メチルアミンフマル酸塩、
N-[2-(3-ヒドロキシピラジン-2-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
N-(2-(ピリミジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)メチルアミンフマル酸塩、
N-(2-(2-トリフルオロメチルピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)メチルアミンフマル酸塩、
N-(2-(2-トリフルオロメチルピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)アミンフマル酸塩、
N-(2-(2-クロロピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)アミンフマル酸塩、
N-(2-(3-メチルピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)アミンフマル酸塩、
N-(2-(3-メチルピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)メチルアミンビス酒石酸塩、
N-(2-(3-トリフルオロメチルピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)アミンフマル酸塩、
N-(2-(キノリン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)アミンフマル酸塩、
N-(2-(3-トリフルオロメチルピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)メチルアミンフマル酸塩、
N-(2-(キノリン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)メチルアミンフマル酸塩、
ベンゾフラン-2-イル-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)メタノン酒石酸塩、
(7-ブロモベンゾフラン-2-イル)-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)メタノン酒石酸塩、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)-(1H-インドール-2-イル)-メタノン、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)フラン-2-イルメタノン酒石酸塩、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)(5-ブロモピリジン-3-イル)メタノン酒石酸塩、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ピリジン-2-イルメタノン酒石酸塩、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ピリジン-3-イルメタノン酒石酸塩、
(3-アミノメチル-2-アザ-ビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ピリジン-4-イルメタノン酒石酸塩、
N-[2-(ピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)メチルアミン、
5-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ニコチノニトリル、
N-[2-(2,3-ジクロロピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
N-[2-(5-イソプロポキシピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
N-[2-(5-メチルピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
1-[5-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ピリジン-3-イル]ピロリジン-2-オン、
5-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ニコチンアミド、
N-[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
N-[2-(5-メトキシピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]メチルアミン、
[5-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ピリジン-3-イル]メチルアミン、
2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-3-(ピロリジン-1-イルメチル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン、
[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イル]メチルアミン、
N-[2-(ピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル)ジメチルアミン、
5-(3-ジメチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ニコチノニトリル、
N-[2-(2,3-ジクロロピリジン-5-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]ジメチルアミン、
N-[2-(5-イソプロポキシピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]ジメチルアミン、
N-[2-(5-メチルピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]ジメチルアミン、
1-[5-(3-ジメチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ピリジン-3-イル]ピロリジン-2-オン、
5-(3-ジメチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ニコチンアミド、
N-[2-(5-ブロモピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]ジメチルアミン、
N-[2-(5-メトキシピリジン-3-イル)-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-3-イルメチル]ジメチルアミン、
[5-(3-ジメチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)ピリジン-3-イル]メチルアミン、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)-ベンゾフラン-2-イル-メタノン、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)-(7-ブロモベンゾフラン-2-イル)メタノン、
(4-クロロフラン-2-イル)(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)メタノン、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)-(4-ブロモフラン-2-イルメタノン、
(3-アミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)-(4-クロロ-フラン-2-イル)メタノン、
(4-クロロフラン-2-イル)-(3-メチルアミノメチル-2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル)メタノン、及びその誘導体、立体異性体及び医薬として許容される塩、から成る群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1に記載の式(I)の化合物の調製方法であって、
(a) 式(12)の化合物を式(13)の化合物と結合させ、
【化4】

式(14)
【化5】

の化合物を形成する工程、
(b) 式(14)のヒドロキシル基を、式(15)
【化6】

のメシレート基に変換する工程、
(c) 式(15)の化合物をアルキルアミンと反応させ、式(I)の化合物を形成する工程、
(d) 任意には、式(I)の化合物を、その誘導体、立体異性体及び医薬として許容される塩に変換する工程、
を含むとともに、式中の全ての置換基が請求項1に定義される通りであり、「Z」がハロゲンを表す、調製方法。
【請求項9】
請求項1に記載の式(I)の化合物の調製方法であって、
(a) 式(12)の化合物を式(13)の化合物と結合させ、
【化7】

式(14)
【化8】

の化合物を形成する工程、
(b) 式(14)のヒドロキシル基を式(15)
【化9】

のメシレート基に変換する工程、
(c) 式(15)の化合物をアジ化塩と反応させ、式(16)
【化10】

の化合物を形成する工程、
(d) 式(16)の化合物を還元し、式(I)の化合物を形成する工程、
(e) 任意には、式(I)の化合物を、その誘導体、立体異性体及び医薬として許容される塩に変換する工程、
を含むとともに、式中の全ての置換基が請求項1に定義される通りであり、「Z」がハロゲンを表す、調製方法。
【請求項10】
請求項1に記載の式(I)の化合物の調製方法であって、
(a) 式(17)の化合物を式(13)の化合物と結合させ
【化11】

式(19)
【化12】

の化合物を形成する工程、
(b) 式(19)の化合物を脱保護し、式(I)の化合物を形成する工程、
(c) 任意には、式(I)の化合物を、その誘導体、立体異性体及び医薬として許容される塩に変換する工程、
を含むとともに、式中の全ての置換基が請求項1に定義される通りであり、「Z」がハロゲンを表す、調製方法。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物の治療上有効量と共に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又は医薬的に許容される担体、希釈剤、レシピエント又は溶媒和物を含む医薬組成物。
【請求項12】
5-HT1-7受容体、GABAインバースアゴニスト及び他のニコチン性アセチルコリン受容体から成る群から選択される1又は2以上のさらなる薬剤を含む、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
錠剤、カプセル剤、粉末、トローチ剤、坐剤、シロップ剤、溶液、懸濁剤又は注射剤の形態であるとともに、単一用量又は複数用量単位で投与される、請求項11又は12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
例えば不安、アルツハイマー病、うつ病、痙攣障害、認知記憶障害、ADHD (注意欠陥障害/多動性障害)、疼痛、精神病、精神病性うつ病、パーキンソン病、統合失調症、睡眠障害、薬物乱用症状群由来の離脱症状、軽度の認知障害及び肥満等の臨床状態の治療のための、請求項11〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
α4β2ニコチン性受容体に関連した又はα4β2ニコチン性受容体の影響を受ける中枢神経系障害の治療を必要とする患者における治療方法であって、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の治療上有効量を患者に投与する工程を含む、治療方法。
【請求項16】
α4β2ニコチン性受容体に関連した又はα4β2ニコチン性受容体の影響を受ける中枢神経系障害の哺乳類における治療方法であって、5-HT1-7受容体、GABAインバースアゴニスト及び他のニコチン性アセチルコリン受容体から成る群と組み合わせて、請求項1の化合物の治療上有効量を哺乳類に投与する工程を含む、治療方法。
【請求項17】
障害が、不安、アルツハイマー病、うつ病、痙攣障害、認知記憶障害、ADHD (注意欠陥障害/多動性障害)、疼痛、精神病、精神病性うつ病、パーキンソン病、統合失調症、睡眠障害、薬物乱用症状群由来の離脱症状、軽度の認知障害及び肥満である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
α4β2ニコチン性受容体に関連した疾患の治療及び/又は予防用医薬の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項19】
不安、アルツハイマー病、うつ病、痙攣障害、認知記憶障害、ADHD (注意欠陥障害/多動性障害)、疼痛、精神病、精神病性うつ病、パーキンソン病、統合失調症、睡眠障害、薬物乱用症状群由来の離脱症状、軽度の認知障害及び肥満等の臨床状態の治療のための、請求項18に記載の化合物の使用。
【請求項20】
放射標識された、請求項1に記載の化合物。

【公表番号】特表2013−515762(P2013−515762A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546559(P2012−546559)
【出願日】平成22年5月3日(2010.5.3)
【国際出願番号】PCT/IN2010/000285
【国際公開番号】WO2011/080751
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(509304900)スベン ライフ サイエンシズ リミティド (4)
【Fターム(参考)】