説明

γ−セクレターゼのピリジニル調節物質

本発明は、A、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9の定義が明細書に与えられるようなものである下記式Iの化合物に関する。式Iの化合物は、アルツハイマー病などのγ−セクレターゼ活性に関連した疾患の治療に有用である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年7月22日に出願された米国仮出願第61/082,586号の出願の利益を主張するものである。前述の関連特許出願の開示全体は、全ての目的のために参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、A、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、及びR9の定義が明細書に与えられるようなものである下記式Iの化合物に関する。式Iの化合物は、アルツハイマー病などのγ−セクレターゼ活性に関連した疾患の治療に有用である。
【背景技術】
【0003】
アルツハイマー病(AD)は、記憶、認知、行動安定性の喪失を特徴とする進行性の神経変性疾患である。ADは65歳以上の人口の6〜10%、85歳以上は最大で50%が発症する。ADは痴呆の最大の原因であり、心血管疾患及び癌に続く3番目の死因である。現在のところ、ADの有効な治療法はない。米国におけるAD関連の総純費用は年間1000億ドルを超える。
【0004】
ADには単純な原因があるわけではなく、(1)年齢、(2)家族歴、及び(3)頭部外傷などの特定の危険因子が関係している。他の因子としては環境毒素及び低い教育水準などがある。具体的な大脳辺縁皮質及び大脳皮質の神経病理学的病変として、過剰リン酸化されたタウタンパク質からなる細胞内神経原線維変化、及びアミロイドβペプチドの線維状凝集体の細胞外沈着(アミロイドプラーク)がある。アミロイドプラークの主成分は、長さの異なるアミロイドベータ(A−ベータ、Aベータ又はAβ)ペプチドである。その変異体の1つであるAβ1−42ペプチド(Aベータ42)は、アミロイド形成の主要な原因物質であると考えられている。別の変異体は、Aβ1−40ペプチド(Aベータ40)である。アミロイドベータは、前駆体タンパク質であるベータアミロイド前駆体タンパク質(ベータAPP又はAPP)のタンパク質分解産物である。
【0005】
ADの家族性の早発性常染色体優性型は、β−アミロイド前駆体タンパク質(β−APP又はAPP)及びプレセニリンタンパク質1及び2におけるミスセンス変異との関連が示されている。一部の患者において、ADの遅発型がアポリポタンパク質E(ApoE)遺伝子の特定の対立遺伝子と関連していることが示されており、より最近になってアルファ2−マクログロブリンの突然変異が見出され、AD患者群の少なくとも30%と関連している可能性が示唆されている。こうした異質性にも関わらず、ADのすべての型は同様の病理学的所見を示す。遺伝子解析により、ADに対する論理的な治療的アプローチの最もよい手掛かりが与えられている。これまでに発見されている突然変異はすべて、Aβペプチド(Aβ)として知られるアミロイド形成性ペプチド、具体的にはAβ42の質的又は量的産生に影響するものであり、ADの「アミロイドカスケード仮説」を強力に支持するものである(Tanzi and Bertram,2005,Cell 120,545)。Aβペプチド生成とADの病理が関連している可能性が高いことは、Aβ産生の機構のより深い理解の必要性を強調するものであり、Aβ濃度を調節することによる治療的アプローチを強力に裏付けるものである。
【0006】
Aβペプチドの放出は、それぞれAβペプチドのN末端(Met−Asp結合)及びC末端(37〜42番目の残基)を開裂する、β−及びγ−セクレターゼと呼ばれる少なくとも2種類のタンパク質分解活性によって調節されている。分泌経路では、β−セクレターゼによる開裂が最初に行われることを示す証拠があり、これによりs−APPβ(sβ)が分泌され、11kDaの膜結合カルボキシ末端フラグメント(CTF)が保持される。CTFは、γ−セクレターゼによる開裂によってAβペプチドを生ずるものと考えられる。より長いアイソフォームであるAβ42の量は、特定のタンパク質(プレセニリン)に特定の突然変異を有する患者において選択的に増大しており、これらの突然変異が早発型家族性アルツハイマー病と関連していることが示されている。したがって多くの研究者によってAβ42がアルツハイマー病の原因の主たるものであると考えられている。
【0007】
γ−セクレターゼ活性は、単一の特定のタンパク質に帰することができるものではなく、実際には異なるタンパク質のアセンブリによるものであることが現在では明らかとなっている。
【0008】
γ−セクレターゼ活性は、プレセニリン(PS)へテロ二量体、ニカストリン、aph−1及びpen−2の少なくとも4つの成分を含む多タンパク質複合体によるものである。プレセニリン(PS)へテロ二量体は、前駆体タンパク質の細胞内タンパク質分解によって生ずるアミノ末端のPSフラグメントと、カルボキシ末端のPSフラグメントからなる。触媒部位の2個のアスパラギン酸は、このヘテロ二量体の境界面にある。ニカストリンがγ−セクレターゼ基質の受容体として機能することが最近になって示唆されている。γ−セクレターゼの他の要素の機能は分かっていないが、活性を示すにはこれらはすべて必要である(Steiner,2004.Curr.Alzheimer Research 1(3):175〜181)。
【0009】
第2の開裂段階の分子機構は現在まで明らかとなっていないが、γ−セクレターゼ複合体はアルツハイマー病の治療用の化合物の探索における主要なターゲットの1つとなっている。
【0010】
触媒部位を直接ターゲティングすることから、γ−セクレターゼ活性の基質特異的な阻害物質及び調節物質を開発することに至る、アルツハイマー病におけるγ−セクレターゼをターゲティングするための様々な手法が提唱されている(Marjaux et al.,2004.Drug Discovery Today:Therapeutic Strategies,Volume 1,1〜6)。したがって、セクレターゼを標的とする各種の化合物が述べられている((Larner,2004 Secretases as therapeutics targets in Alzheimer’s disease:patents 2000〜2004.Expert Opin.Ther.Patents 14,1403〜1420)。
【0011】
実際、この知見は、γ−セクレターゼに対する特定のNSAIDの作用が示された生化学的研究によって最近になって支持されている(Weggen et al(2001年)Nature 414,6860,212並びに国際特許出願公開第WO01/78721号及び米国特許出願第2002/0128319号、Morihara et al(2002)J.Neurochem.83,1009;Eriksen(2003)J.Clin.Invest.112,440)。ADを防止又は治療するうえでのNSAIDの使用における潜在的な制約は、不要な副作用を生じうるNSAIDのCox酵素に対する阻害活性、及びNSAIDのCNSへの低い浸透性である(Peretto et al,2005年,J.Med.Chem.48,5705〜5720)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、γ−セクレターゼ活性を調節することによって、アルツハイマー病の治療の新たな道筋を開く新規な化合物が強く求められている。
【0013】
本発明の目的はこうした化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、一般式(I)、
【0015】
【化1】

式中、
Aは、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ナプチル、ビフェニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、又はベンゾチアゾリルであり、あるいはAは、R3、R4、及びR5と共に、以下からなる群から選択され、
【0016】
【化2】

Xは直接結合、又は−NR2−であり、
式中、R2は、C(1〜5)アルキル、又はC(1〜5)アルケニルであり、これらのいずれも、シクロヘキシル、ヘテロシクリル、又はF、Cl、Br、I、及びCF3からなる群から独立して選択される最大3つの置換基で任意に置換され、
1は、H、C(1〜5)アルキル、又はC(1〜5)アルケニルであり、前記アルキル及びアルケニル基は、F、Cl、Br、I、及びCF3からなる群から独立して選択される最大3つの置換基で任意に置換され、
3及びR6は、H、F、Cl、Br、I、CN、OH、C(O)N(C(1〜4)アルキル)2、S(O)2(1〜4)アルキル、SO2N(C(1〜4)アルキル)2、S(O)N(C(1〜4)アルキル)2、N(C(1〜4)アルキル)S(O)2(1〜4)アルキル、N(C(1〜4)アルキル)S(O)C(1〜4)アルキル、S(O)2(1〜4)アルキル、N(C(1〜4)アルキル)S(O)2N(C(1〜4)アルキル)2、SC(1〜4)アルキル、N(C(1〜4)アルキル)2、N(C(1〜4)アルキル)C(O)C(1〜4)アルキル、N(C(1〜4)アルキル)C(O)N(C(1〜4)アルキル)2、N(C(1〜4)アルキル)C(O)OC(1〜4)アルキル、OC(O)N(C(1〜4)アルキル)2、C(O)C(1〜4)アルキル、置換及び非置換C1〜C4−アルキル、並びに置換及び非置換C1〜C4−アルコキシからなる群から独立して選択され、C1〜C4−アルキル及びC1〜C4−アルコキシの両基の置換基は、F、Cl、Br、I、及びCF3からなる群から選択され、
4、R5、R7、及びR8は、CF3、OCF3、H、F、Cl、−OC(1〜4)アルキル、C(1〜4)アルキル、−SO2CH3、及びCNからなる群から独立して選択され、
9は、H、C(1〜5)アルキル、又はC(1〜5)アルケニルであり、前記アルキル及びアルケニル基は、F、Cl、Br、I、及びCF3からなる群から独立して選択される最大3つの置換基で任意に置換される、
を有する化合物、並びに、これらの溶媒和物、水和物、エステル、及び医薬上許容される塩に関する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、一般式(I)、
【0018】
【化3】

式中、
Aは、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ナプチル、ビフェニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、又はベンゾチアゾリルであり、あるいはAは、R3、R4、及びR5と共に、以下からなる群から選択され、
【0019】
【化4】

Xは直接結合、又は−NR2−であり、
式中、R2は、C(1〜5)アルキル、又はC(1〜5)アルケニルであり、これらのいずれも、シクロヘキシル、ヘテロシクリル、又はF、Cl、Br、I、及びCF3からなる群から独立して選択される最大3つの置換基で任意に置換され、
1は、H、C(1〜5)アルキル、又はC(1〜5)アルケニルであり、前記アルキル及びアルケニル基は、F、Cl、Br、I、及びCF3からなる群から独立して選択される最大3つの置換基で任意に置換され、
3及びR6は、H、F、Cl、Br、I、CN、OH、C(O)N(C(1〜4)アルキル)2、S(O)2(1〜4)アルキル、SO2N(C(1〜4)アルキル)2、S(O)N(C(1〜4)アルキル)2、N(C(1〜4)アルキル)S(O)2(1〜4)アルキル、N(C(1〜4)アルキル)S(O)C(1〜4)アルキル、S(O)2(1〜4)アルキル、N(C(1〜4)アルキル)S(O)2N(C(1〜4)アルキル)2、SC(1〜4)アルキル、N(C(1〜4)アルキル)2、N(C(1〜4)アルキル)C(O)C(1〜4)アルキル、N(C(1〜4)アルキル)C(O)N(C(1〜4)アルキル)2、N(C(1〜4)アルキル)C(O)OC(1〜4)アルキル、OC(O)N(C(1〜4)アルキル)2、C(O)C(1〜4)アルキル、置換及び非置換C1〜C4−アルキル、並びに置換及び非置換C1〜C4−アルコキシからなる群から独立して選択され、C1〜C4−アルキル及びC1〜C4−アルコキシの両基の置換基は、F、Cl、Br、I、及びCF3からなる群から選択され、
4、R5、R7、及びR8は、CF3、OCF3、H、F、Cl、−OC(1〜4)アルキル、C(1〜4)アルキル、−SO2CH3、及びCNからなる群から独立して選択され、
9は、H、C(1〜5)アルキル、又はC(1〜5)アルケニルであり、前記アルキル及びアルケニル基は、F、Cl、Br、I、及びCF3からなる群から独立して選択される最大3つの置換基で任意に置換される、
を有する化合物、並びに、これらの溶媒和物、水和物、エステル、及び医薬上許容される塩に関する。
【0020】
本発明の別の実施形態では、
Aは、フェニル、ピリジル、ナプチル、ビフェニル、キノリニル、イソキノリニル、又はベンゾチアゾリルであり、あるいはAは、R3、R4、及びR5と共に、以下からなる群から選択され、
【0021】
【化5】

1は、H、C(1〜5)アルキル、又はC(1〜5)アルケニルであり、
Xは直接結合、又は−NR2−であり、
式中、R2は、C(1〜5)アルキルであり、C(1〜6)シクロアルキル又はC(1〜6)ヘテロシクリルで任意に置換され、
3は、H、CF3、F、OCF3、C(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、又は−SO2CH3であり、
4は、H、CF3、F、OCF3、C(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、又は−SO2CH3であり、
5は、H、CF3、F、OCF3、C(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、又は−SO2CH3であり、
6は、H、F、OCF3、又はCF3であり、
7は、H、F、OCF3、又はCF3であり、
8は、H、F、OCF3、又はCF3であり、
9は、H、又はC(1〜4)アルキルである、
並びに、これらの溶媒和物、水和物、エステル、及び医薬上許容される塩。
【0022】
本発明の別の実施形態では、
Aは、フェニル、ピリジル、ナプチル、又はビフェニル、あるいはAは、R3、R4、及びR5と共に、以下からなる群から選択され、
【0023】
【化6】

1は、H、C(1〜4)アルキル、又はC(1〜4)アルケニルであり、
Xは直接結合、又は−NR2−であり、
式中、R2は、C(1〜5)アルキルであり、シクロヘキシル又はピペリジニルで任意に置換され、
3は、CF3、F、OCF3、C(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、又は−SO2CH3であり、
4は、H、F、OCF3、又はCF3であり、
5は、H、F、OCF3、又はCF3であり、
6は、F、又はCF3であり、
7は、H、又はFであり、
8は、H、又はFであり、
9はHである、
並びに、これらの溶媒和物、水和物、エステル、及び医薬上許容される塩。
【0024】
本発明の別の実施形態では、
Aは、フェニル又はピリジル、あるいはAは、R3、R4、及びR5と共に、以下からなる群から選択され、
【0025】
【化7】

1は、H、−CH2CH(CH32、及び2−メチル1−プロペン−3−イルからなる群から選択され、
Xは直接結合、又は−NR2−であり、
式中、R2は、−CH2CH(CH32、−CH2CH2CH(CH32、及びエチルからなる群から選択されるアルキルからなる群から選択され、前記エチルは、シクロヘキシル又はピペリジニルで置換され、
3は、CF3、F、OCF3、OCH3、CH3、イソプロピル、第三ブチル、−OCH2CH(CH32、又は−SO2CH3であり、
4は、H、F、又はCF3であり、
5は、H、又はFであり、
6は、CF3であり、
7はHであり、
8はHであり、
9はHである、
並びに、これらの溶媒和物、水和物、エステル、及び医薬上許容される塩。
【0026】
本発明の別の実施形態では、
Aは、R3、R4、及びR5と共に、以下からなる群から選択され、
【0027】
【化8】

1は、H、−CH2CH(CH32、及び2−メチル1−プロペン−3−イルからなる群から選択され、
Xは直接結合、又は−NR2−であり、
式中、R2は、−CH2CH(CH32、−CH2CH2CH(CH32、及びエチルからなる群から選択されるアルキルからなる群から選択され、前記エチルは、シクロヘキシル又はピペリジニルで置換され、
6は、CF3であり、
7はHであり、
8はHであり、
9はHである、
並びに、これらの溶媒和物、水和物、エステル、及び医薬上許容される塩。
【0028】
本発明の別の実施形態は、
【0029】
【化9】

【0030】
【化10】

【0031】
【化11】

【0032】
【化12】

【0033】
【化13】

【0034】
【化14】

【0035】
【化15】

【0036】
【化16】

【0037】
【化17】

【0038】
【化18】

【0039】
【化19】

【0040】
【化20】

からなる群から選択される化合物、並びに、これらの溶媒和物、水和物、エステル、及び医薬上許容される塩に関する。
【0041】
別の実施形態では、本発明は、薬剤として使用される上記の例又は式Iに記載の化合物に関する。
【0042】
別の実施形態では、本発明は、γ−セクレターゼの調節のための薬剤の調製における上記の例又は式Iに記載の化合物の使用に関する。
【0043】
別の実施形態では、本発明は、Aβ42の産生レベルの上昇に伴う疾患を治療するための薬剤の調製における上記の例又は式Iに記載の化合物の使用に関する。
【0044】
別の実施形態では、本発明は、アルツハイマー病を治療するための薬剤の調製における上記の例又は式Iに記載の化合物の使用に関する。
【0045】
別の実施形態では、本発明は、γ−セクレターゼの調節に関して哺乳動物を治療する方法であって、哺乳動物に治療上の有効量の式Iの化合物を投与する工程を含む前記方法に関する。
【0046】
別の実施形態では、本発明は、哺乳動物におけるAβ42の産生レベルの上昇に伴う疾患を治療する方法であって、哺乳動物に治療上の有効量の式Iの化合物を投与する工程を含む前記方法に関する。
【0047】
当業者であれば、式Iの化合物は1以上の不斉炭素原子をその構造中に有しうる点は認識されるであろう。本発明はその範囲内に、化合物の単一のエナンチオマー、ラセミ混合物、及びエナンチオマー過剰が存在するエナンチオマーの混合物を含むものとする。
【0048】
本発明の化合物、及び/又はその塩若しくはエステルの一部のものは、異なる光学異性体として存在する。これらの形態はすべて本発明の対象である。
【0049】
本明細書に含まれる本発明に基づく化合物の例示的な塩について下記に述べる。下記に述べる異なる塩の一覧は、完全なもの及び限定することを意図したものではない。
【0050】
1以上の酸性基を有する本発明に基づく化合物は、例えば化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩として、本発明に基づいて使用することができる。これらの塩のより正確な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、又はアンモニア若しくはエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン若しくはアミノ酸などの有機アミン類との塩が挙げられる。
【0051】
「医薬上許容される」なる用語は、EMEA(欧州)及び/又はFDA(米国)などの監督官庁、及び/又は他の任意の国内監督官庁によって動物、好ましくはヒトにおける使用が認可されていることを意味する。
【0052】
本発明に基づく化合物のそれぞれの塩は、例えば溶媒又は分散媒中でこれらの塩を有機又は無機塩基と接触させる、あるいは他の塩とカチオン交換するなどの当業者には周知の従来の方法によって得ることができる。
【0053】
更に、本発明は、生理学的適合性が低いことにより医薬品での使用には直接適していないが、例えば化学反応の中間体として、若しくは医薬上許容される塩の調製に使用することができるか、又は任意の適当なインビトロアッセイなどの任意の適当な方法によって本発明に基づく化合物のγ−セクレターゼ調節活性を研究するのに適した、本発明に基づく化合物のすべての塩を含むものである。
【0054】
本発明には、プロドラッグ、すなわち作用薬の誘導体であって作用薬と比較して優れた送達能力及び薬効を有するものが含まれると考えられる。プロドラッグは、インビボの酵素的又は化学的プロセスにより、活性薬物に変換される。
【0055】
本発明は更に、本発明に基づく化合物のすべての溶媒和物を含む。
【0056】
本発明は更に、生理学的に許容される開裂可能な基を有し、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトにおいて本発明に基づく化合物に代謝される、本発明に基づく化合物の誘導体/プロドラッグ(それらの塩を含む)を含む。
【0057】
本発明は更に、本発明に基づく化合物の代謝産物を含む。
【0058】
「代謝産物」なる用語は、細胞又は生物、好ましくは哺乳動物によって本発明に基づく化合物の任意のものから誘導されるすべての分子を指す。
【0059】
好ましくは、「代謝産物」なる用語は、生理学的条件下で任意のこうした細胞又は生物に存在するあらゆる分子とは異なる分子に関連する。
【0060】
本発明に基づく化合物の代謝産物の構造は、各種の適当な方法を用いることにより当業者には明らかとなろう。
【0061】
本発明は更に、薬剤として使用される本発明の化合物にも関する。化合物は上記に定義したものであり、更に薬剤に関しては、本発明の使用に関して下記に述べる、例えば製剤、用途、及び組み合わせなどの実施形態もまた本発明のこの態様に該当する。
【0062】
詳細には、本発明に基づく化合物はアルツハイマー病の治療に適している。
【0063】
前記使用に関する詳細については更に後述する。
【0064】
本化合物はγ−セクレターゼ活性を調節するために使用することができる。
【0065】
本明細書で用いる「γ−セクレターゼ活性の調節」なる用語は、γ−セクレターゼ複合体によるAPPのプロセシングに対する作用のことを指す。好ましくは、この用語は、APPの全体のプロセシング速度が本化合物を用いない場合とほぼ同じに保たれるが、プロセシングされた産物の相対量が変化する作用、より好ましくは、生成されるAβ42ペプチドの量が減少するように変化するような作用のことを指す。例えば、異なるAベータ種が生成されるか(例、Aベータ−42の代わりにAベータ−38又はより短いアミノ酸配列の他のAベータペプチド種)、あるいは各生成物の相対量が異なる(例、Aベータ−42に対するAベータ−40の比が変化する、好ましくは大きくなる)。
【0066】
γ−セクレターゼ活性は、例えば生成するAβペプチド種の濃度、最も重要なものとしてAβ42の濃度(下記実施例の項を参照)を求めることで、例えば、APPプロセシングを求めることによって測定することができる。
【0067】
γ−セクレターゼ複合体はノッチ(Notch)タンパク質のプロセシングにも関与していることがこれまでに示されている。ノッチは、発生過程において重要な役割を担うシグナル伝達タンパク質である(Schweisguth F(2004)Curr.Biol.14,R129に掲載されている)。
【0068】
治療法においてγ−セクレターゼ活性を調節するための前記化合物の使用に関し、想定される望ましくない副作用を防止するにはγ−セクレターゼ活性のノッチプロセシング活性を阻害しないことが特に有利であると考えられる。
【0069】
したがって、γ−セクレターゼ複合体のノッチプロセシング活性に作用を及ぼさない化合物が好ましい。
【0070】
本発明の意味の範囲内では、「ノッチプロセシング活性への作用」とは、特定の因子によるノッチプロセシング活性の阻害又は活性化の両者を含む。
【0071】
ある化合物は、Shimizuら(2000)Mol.Cell.Biol,20:6913に述べられる対応するアッセイにおいて30μMの濃度における前記因子が、20未満、好ましくは10未満、より好ましくは5未満、最も好ましくは2未満である場合に、ノッチプロセシング活性に対する作用を有さないものと定義される。
【0072】
このようなγ−セクレターゼの調節は、例えば哺乳動物などの動物において行うことができる。哺乳動物の例としては、マウス、ラット、モルモット、サル、イヌ、ネコがある。この調節はヒトで行うこともできる。本発明の特定の実施形態では、前記調節はインビトロ又は細胞培養中で行われる。当業者には周知であるように、複数のインビトロ及び細胞培養アッセイが利用可能である。
【0073】
特定の細胞株又は形質転換動物によるC末端APPフラグメントの産生をウエスタンブロット分析によって測定するうえで有用なアッセイの例としては、これに限定されるものではないがYan et al.,1999,Nature 402,533〜537に述べられるようなものがある。
【0074】
インビトロでのγ−セクレターゼアッセイの一例が国際特許出願公開第WO−03/008635号に述べられている。このアッセイでは、適当なペプチド基質にγ−セクレターゼ調製物を接触させ、基質を開裂する能力を測定する。
【0075】
γ−セクレターゼによる開裂の異なる産物(Aβペプチド)の濃度を当業者には周知の様々な方法によって求めることが可能である。こうした方法の例としては、質量分析又は抗体による検出によるペプチドの判定法が挙げられる。
【0076】
培養細胞培地又は生物学的液体中の可溶性Aβペプチドのプロファイルの特徴付けに有用なアッセイの例としては、これに限定されるものではないが、Wang et al.,1996,J.Biol.Chem.271,31894〜31902に述べられるものがある。このアッセイでは、特定の抗体によるAβペプチドの免疫沈降と、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析法によるペプチド種の検出及び定量化の組み合わせを用いる。
【0077】
ELISAによってAβ40及びAβ42ペプチドの産生を測定するうえで有用なアッセイの例としては、これに限定されるものではないが、Vassar et al,1999,Science 286,735〜741に述べられるものがある。更なる情報は、例えば、N.Idaら(1996)J.Biol.Chem.271,22908、及びM.Jensen et al.(2000)Mol.Med.6,291に開示される。好適な抗体は、例えばThe Genetics Company,Inc.(スイス)から販売されている。抗体を用いたキットが、Innogenetics(ベルギー)からも販売されている。
【0078】
こうしたアッセイで使用できる細胞としては、γ−セクレターゼ複合体を内因性に発現する細胞、及びγ−セクレターゼ複合体の相互作用因子の一部又はすべてのものを一過性又は安定的に発現するトランスフェクト細胞が挙げられる。こうしたアッセイに適した多くの入手可能な細胞株が当業者に知られている。神経細胞及びグリア細胞由来の細胞及び細胞株が特に好適である。更に、脳の細胞及び組織、並びに脳のホモジネート及び膜調製物を使用することもできる(Xia et al.,1998,Biochemistry 37,16465〜16471)。
【0079】
こうしたアッセイは、例えば、異なる実験条件及び構成における本発明に基づく化合物の作用を調べる目的で行うことができる。
【0080】
更に、こうしたアッセイはγ−セクレターゼ複合体についての機能的研究の一部として行うこともできる。
【0081】
例えば、動物、好ましくは哺乳動物、好ましくはヒトのγ−セクレターゼ複合体の1以上の相互作用因子(野生型、又は特定の突然変異及び/又は改変を有するもの)を特定の細胞株で発現させ、本発明に基づく化合物の作用を調べることができる。
【0082】
用いる相互作用因子の突然変異型は、特定の動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおいてこれまでに述べられているものであってもよく、これらの動物においてこれまでに述べられていないものであってもよい。
【0083】
γ−セクレターゼの相互作用因子の改変には、相互作用因子のあらゆる生理学的改変、及び生物学的システムにおけるタンパク質の改変としてこれまでに述べられている他の改変の両方が含まれる。
【0084】
こうした改変の例としてはこれらに限定されるものではないが、グリコシル化、リン酸化、プレニル化、ミリスチル化、及びファルネシル化が挙げられる。
【0085】
更に、本発明に基づく化合物はγ−セクレターゼ活性を調節するための薬剤の調製に使用することができる。
【0086】
γ−セクレターゼの活性は異なる方法で調節することが可能であり、これにより異なるAβペプチドが異なるプロファイルで得られる。
【0087】
それぞれの用量、投与経路、処方などについて下記に更に開示する。
【0088】
本発明は、Aβ42産生レベルの上昇に伴う疾患の治療における式Iの化合物の使用に更に関する。Aβ産生レベルの上昇及び脳への沈着に伴う疾患は、一般的にはアルツハイマー病(AD)、脳アミロイド血管症、多発脳梗塞性認知症、ボクサー認知症又はダウン症候群であり、好ましくはADである。
【0089】
本明細書で用いる「治療」なる用語は、必ずしもすべての症状の完全な消失を示すものではないが疾患の進行を遅延、妨害、阻止、又は停止させうるすべてのプロセスを指すものである。
【0090】
本明細書で用いる「Aβ42産生レベルの上昇」なる用語は、APPのプロセシングの全体的な増大によりAβ42ペプチド産生の速度が増大する状態を指し、好ましくは、野生型APP及び非病原性の状況と比較してAPPのプロセシングプロファイルの改変によってAβ42ペプチド産生の速度が増大する状態を指す。
【0091】
上記に概略を述べたように、こうしたAβ42レベルの上昇は、アルツハイマー病を発症又は罹患している患者の特徴である。
【0092】
本発明の化合物又は化合物の一部の利点の1つは、CNSへの浸透性が高いことにある。
【0093】
更に、本発明は、式Iの化合物を不活性担体との混合物中に含む医薬組成物に関する。
【0094】
式Iの化合物から誘導されたγ−セクレターゼの調節物質を、式Iの化合物を不活性担体との混合物中に含む医薬組成物として、製剤化することができる。その場合、前記不活性担体は医薬用担体である。
【0095】
「担体」なる用語は、本化合物が一緒に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、又は溶媒を指す。こうした医薬用担体は、落花生油、大豆油、鉱物油、ゴマ油などを含むがこれらに限定されない、石油、動物油、植物油又は合成油由来の油及び水などの滅菌液であってよい。医薬組成物が経口投与される場合には、水が好ましい担体である。医薬組成物が静脈内投与される場合には、生理食塩水及びD−グルコース水溶液が好ましい担体である。生理食塩水及びD−グルコース水溶液及びグリセリン溶液が、注射溶液用の液体担体として好ましく用いられる。好適な医薬用賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセリン、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。必要に応じ、組成物は少量の湿潤剤若しくは乳化剤、又はpH緩衝剤を更に含んでもよい。これらの組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放製剤などの形を取りうる。組成物は、従来の結合剤及びトリグリセリドなどの担体と共に坐剤として処方することもできる。経口製剤は、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的な担体を含みうる。好適な医薬用担体の例は、E.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」に述べられている。こうした組成物は、治療上の有効量の本化合物を、好ましくは精製された形態で、適量の担体と共に含むことによって患者に適切に投与される形態を与えるものである。その配合は、投与方法に適したものである必要がある。
【0096】
場合に応じて他の医薬的に活性な化合物と組み合わされる本発明に基づく化合物及び医薬上許容されるその塩は、アルツハイマー病又はその症状を治療又は防止するうえで適している。こうした更なる化合物としては、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例、ドネペジル、タクリン、ガランタミン、リバスチグミン)、NMDAアンタゴニスト(例、メマンチン)、PDE4阻害剤(例、アリフロ)などの認知能力向上薬、又はアルツハイマー病の治療又は防止に適した当業者には周知の他の任意の薬剤が挙げられる。こうした化合物には、スタチン(例、シンバスタチン)などのコレステロール低下薬も含まれる。これらの化合物は、動物、好ましくは哺乳動物、特にヒトに、それ自体で薬剤として、互いの混合物として、又は医薬製剤の形態で投与することが可能である。
【0097】
防腐剤、及び抗微生物剤、抗酸化剤、キレート化剤、不活性ガスなどの他の添加剤を添加してもよい。必要に応じてすべての担体を、当該技術分野では既知の従来の方法を用いて崩壊剤、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤などと混合することができる。
【0098】
本発明は更に、γ−セクレターゼ活性の調節によって改善される状態を有する患者を治療する方法であって、患者に治療上有効な用量の本発明の医薬組成物を投与する工程を含む方法を提供する。
【0099】
ここで用いる「患者」なる用語は、γ−セクレターゼ活性の調節によって改善される疾患を有するあらゆる動物又は人工的に改変された動物を、これらに限定することなく含む。好ましい一実施形態では、患者はヒトである。
【0100】
ここで用いる医薬組成物の「治療上有効な用量」とは、疾患の進行を停止、逆転、又は低減するうえで充分な量である。医薬組成物の「予防上有効な用量」とは、疾患を防止、すなわち疾患の発症を防止、改善、及び/又は遅延させるうえで充分な量である。本発明の医薬組成物の治療上及び予防上有効な用量を決定するための方法は、当該技術分野では既知である。医薬組成物を例えばヒトに投与するための有効な用量は、動物実験の結果から数学的に求めることができる。
【0101】
例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセルへの封入などの各種の送達システムが知られており、アルツハイマー病の治療又はγ−セクレターゼ活性の調節のために本発明の化合物を投与する目的で使用することができる。
【0102】
医薬化合物が中枢神経系、好ましくは脳に直接送達されない場合には、医薬化合物が血液脳関門を通過できるように投与方法を選択及び/又は改変することが有利である。
【0103】
導入方法としてはこれらに限定されるものではないが、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、及び経口経路が挙げられる。
【0104】
本化合物は、例えば輸液、ボーラス注入、上皮又は皮膚粘膜ライニングを通じた吸収などの任意の便宜よい経路によって投与することができ、他の生物学的に活性な物質と共に投与することができる。
【0105】
投与は全身性又は局所的であってよい。更に、本発明の医薬組成物は、脳室内注射及びくも膜下腔内注射などの任意の適当な経路によって中枢神経系に導入することが望ましい場合がある。脳室内注射は、例えばオンマイヤリザーバなどのリザーバに取り付けられた脳室内カテーテルによって容易に行うことができる。例えば、吸入器又はネブライザー、及びエアロゾル化剤の配合による経肺投与を用いることもできる。
【0106】
式Iの化合物から誘導されるγ−セクレターゼの調節物質は、小胞、特にリポソームにより投与することができる(Langer(1990)Science 249,1527)。
【0107】
式Iの化合物から誘導されるγ−セクレターゼの調節物質は、制御放出システムによって投与することができる。一実施形態ではポンプを使用することができる(Sefton(1987)CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14,201;Buchwald et al.(1980)Surgery 88,507;Saudek et al.(1989)N.Engl.J.Med.321,574)。別の実施形態では高分子材料を使用することができる(Ranger and Peppas(1983)Macromol.Rev.Macromol.Chem.23,61;Levy et al.(1985)Science 228,190;During et al.(1989)Ann.Neurol.25,351;Howard et al.(1989)J.Neurosurg.71,858)。更に別の実施形態では、放出制御システムを治療ターゲット、すなわち脳の近傍に配置することによって全身投与用の用量の何分の1かの量のみを要するだけとなる(例、Goodson,1984,In:Medical Applications of Controlled Release,supra,Vol.2,115)。他の放出制御システムがLanger(1990,Science 249,1527)による概説において考察されている。
【0108】
適切な投与方法を選択するため、当業者であれば他の既知の抗アルツハイマー薬に対して選択されている投与経路も考慮されよう。
【0109】
例えば、アリセプト/ドネペジル及びコグネクス/タクリン(いずれもアセチルコリンエステラーゼ阻害剤)は経口で服用されており、アクスラ/メマンチン(Axura/Memantine)(NMDA受容体アンタゴニスト)はいずれも錠剤/液剤及びIV溶液として発売されている。
【0110】
更に、当業者であれば、臨床治験及びアルツハイマー病に対するその効果を調べた他の研究におけるNSAIDファミリーのメンバーの投与経路に関して入手可能なデータが考慮されるであろう。
【0111】
適切な用量を選択するため、当業者であれば、前臨床及び/又は臨床研究において毒性のないことが示された用量、並びに事前に与えられた値に基づいた用量、あるいはこれらとは異なりうる用量を選択するであろう。
【0112】
製剤において使用される正確な用量は、投与経路、及び病気又は疾患の重篤度にも依存し、医師の判断及び各患者の状況に基づいて決定されなければならない。しかしながら、静脈内投与に適した用量の範囲は、一般的に体重1kg当たり活性化合物が約20〜500μgである。鼻腔内投与に適した用量の範囲は、一般的に約0.01mg/kg体重〜1mg/kg体重である。有効用量は、インビトロ又は動物モデル試験系から導出される用量反応曲線から外挿することができる。
【0113】
動物モデルの一例として、二重突然変異KM670/671NLを有するAPP695−型を有する形質転換マウス系統「Tg2576」がある。参考として、米国特許第5877399号、及びHsiao et al.(1996)Science 274,99、更にKawarabayahsi T(2001)J.Neurosci.21,372;Frautschy et al.(1998)Am.Pathol.152,307;Irizarry et al.(1997)J.Neuropathol.Neurol.56,965;Lehman et al.(2003)Neurobiol.Aging 24,645を参照されたい。
【0114】
複数の研究からの相当のデータが当業者に利用可能であり、当業者が選択された治療レジメンに対する適切な用量を選択するうえで有益である。
【0115】
γ−セクレターゼ活性に対する分子の作用について述べた多くの研究が発表されている。こうした研究の例としては以下のものがある。Lim et al.(2001)Neurobiol.Aging 22,983;Lim et al.(2000)J Neurosci.20,5709;Weggen et al.(2001)Nature 414,212;Eriksen et al.(2003)J Clin Invest.112,440;Yan et al.(2003)J Neurosci.23,7504.
定義:
単独で用いられるか置換基の一部として用いられるかによらず、「アルケニル」なる用語、例えば「C1〜4アルケニル(アリール)」は、少なくとも1つの炭素−炭素間の二重結合を有する、部分的に不飽和の分枝又は直鎖の1価の炭化水素ラジカルを指すものであるが、二重結合は親アルキル分子の2個の隣り合った炭素原子のそれぞれから1個の水素原子を除去することによって誘導され、ラジカルは1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される。各原子は、二重結合の周りにシス(Z)又はトランス(E)立体配置のいずれかで配置され得る。一般的なアルケニルラジカルとしては、これらに限定されるものではないが、エテニル、プロペニル、アリル(2−プロペニル)、ブテニルなどが挙げられる。例として、C2〜8アルケニル、又はC2〜4アルケニル基が挙げられる。
【0116】
「Ca〜b」なる用語(a及びbは、炭素原子の指定された数を示す整数である)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ又はシクロアルキルラジカルを指すか、又はアルキルがa〜b個の炭素原子を包括的に有する接頭語根として示されるラジカルのアルキル部分を指す。例えば、C1〜4は1、2、3又は4個の炭素原子を有するラジカルを表わす。
【0117】
「アルキル」なる用語は、特に断らないかぎり最大で12個の炭素原子、好ましくは最大で6個の炭素原子を有する直鎖又は分子鎖のラジカルを指し、これらに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシルを含む。
【0118】
「ヘテロシクリル」なる用語は、1個の炭素又は窒素環原子から1個の水素原子が除去されることによって誘導される飽和又は部分的に不飽和の単環式環ラジカルを指す。一般的なヘテロシクリルラジカルとしては、2H−ピロリル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、ピロリジニル、1,3−ジオキソラニル、2−イミダゾリニル(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾリルとも呼ばれる)、イミダゾリジニル、2−ピラゾリニル、ピラゾリジニル、テトラゾリル、ピペリジニル、1,4−ジオキサニル、モルホリニル、1,4−ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、アゼパニル、ヘキサヒドロ−1,4−ジアゼピニルなどが挙げられる。
【0119】
用語「置換された」は、その上の1個以上の水素原子が1個以上の官能基部分で置換されている芯分子を指す。置換は芯分子に限定されるだけでなく置換基上でも生じることができ、それにより置換基は連結基になる。
【0120】
一般的な合成法の説明
式Iの化合物は、当業者に既知の方法により調製できる。以下の反応スキームは、本発明の代表的な実施例であるということのみを意味し、本発明の限定であることは全く意味しない。
【0121】
スキーム1a〜1cは、Xが結合である式Iの化合物に至る合成経路を図示する。
【0122】
【化21】

【0123】
2−クロロ−4−メチルピリジンIIから出発し、ヘキサン中のN,N−ジメチルアミノエタノール存在下においてn−ブチルリチウムで処理し、その後、THF中の四臭化炭素の添加により、2−ブロモ−6−クロロ−4−メチルピリジンIIIが生成される。化合物IIIは、DMEなどの好適な溶媒中のNa2CO3などの塩基の存在下で、ボロン酸IVとパラジウムカップリングを受け、クロロピリジンVが生じる。
【0124】
【化22】

【0125】
スキーム1bへと続き、クロロピリジンVは次いで、DMEなどの溶媒中、Pd(PPh34などのパラジウム触媒、及びNa2CO3などの塩基の存在下でボロン酸VIIと結合し、化合物VIIIが生じる。THFなどの溶媒中、LDA及びジメチルカーボネートでVIIIを更に処理し、化合物IXを生成する。あるいは、クロロピリジンVを、THFなどの溶媒中のLDA及びジメチルカーボネートで処理し、VIを生じさせることができる。DMEなどの溶媒中、Pd(PPh34などのパラジウム触媒、Na2CO3などの塩基の存在下における、VIのボロン酸VIIとの結合により、化合物IXが生じる。
【0126】
【化23】

【0127】
スキーム1cに従い、化合物IXは、続いてTHFなどの好適な溶媒中、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどの塩基の存在下で、R1Hal(Halは、Br又はClなどのハロゲン)と反応し、エステルXを生じることができる。R1アルケン(所望の場合)の接触還元に続き、エステルXの加水分解により、R9がHである式Iの化合物が得られる。標準条件下の再エステル化により、R9がH以外の式Iの化合物が得られる。
【0128】
スキーム2は、XがNR2である式Iの化合物に至る合成経路を図示する。
【0129】
【化24】

【0130】
2−ブロモ−6−クロロ−4−メチルピリジンIIIは、トルエンなどの溶媒中、Pd2(dba)3などの好適な触媒、BINAP又はXANTPHOSなどの配位子、カリウムt−ブトキシドなどの塩基の存在下で、アミンXIと結合し、化合物XIIを生成することができる。NaHなどの塩基及びTHFなどの溶媒の存在下における、R2XによるXIIのアルキル化が、XIIIをもたらす。DMEなどの溶媒中、Pd(PPh34などのパラジウム触媒、及び2N Na2CO3などの塩基の存在下における、XIIIのボロン酸IVとの結合により、化合物XIVが生じる。THFなどの溶媒中、LDA及びジメチルカーボネートでXIVを処理し、化合物XVが得られる。THFなどの好適な溶媒中、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどの塩基の存在下で、化合物XVのR1Hal(Halは、Br又はClなどのハロゲン)とのアルキル化により、エステルXVIが生じる。接触還元に続き、エステルXVIの加水分解により、式Iの化合物が得られる。
【0131】
合成法
特に断らないかぎり、反応はすべて不活性雰囲気中で行った。NMRスペクトルは、Bruker dpx400によって得た。LCMSは、A法についてZORBAX(登録商標)SB−C18、4.6×75mm、3.5マイクロメートルのカラムを使用し、Agilent 1100で行った。カラム流量を1ml/分とし、溶媒として水及びアセトニトリル(0.1%TFA)を10μlの注入体積で使用した。波長は254及び210nmとした。方法を以下に述べる。
【0132】
【表1】

【0133】
【表2】

【0134】
実験:
【実施例】
【0135】
(実施例1)
2−[2,6−ビス−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0136】
【化25】

【0137】
a)2−ブロモ−6−クロロ−4−メチル−ピリジン
【0138】
【化26】

【0139】
この化合物を、Thomas Kaminskiらにより、Eur.J.Org.Chem.2003,3855〜3860に記載される方法に従って調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.26(s,1H)、7.13(s,OH)、2.34(s,3H)。
【0140】
b)4−メチル−2,6−ビス−(4−トリフルオロメチルフェニル)−ピリジン
【0141】
【化27】

【0142】
脱気した2−ブロモ−6−クロロ−4−メチル−ピリジン(1.45g、7.04mmol)、4−トリフルオロメチルベンゼンボロン酸(3.8g、20mmol)、2N Na2CO3(10mL)/DME(80mL)溶液に、アルゴン下でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(690mg、0.6mmol)を添加した。混合物を85℃まで4時間加熱し、室温まで冷却して水で希釈し、塩化メチレン(3X)で抽出した。有機溶液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(0〜20%塩化メチレン/ヘプタン)で精製し、オフホワイト色の固体(1.75g、65%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.24(d,J=7.91Hz,26H)、7.75(d,J=8.29Hz,26H)、7.61(s,13H)、2.53(s,19H)。MS m/e 382.2(M+H)
【0143】
c)[2,6−ビス−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−酢酸メチルエステル
【0144】
【化28】

【0145】
LDA溶液(THF/ヘプタン/エチルベンゼン、4.4mL、7.92mmol中に1.8M)を、N2下、−78℃にて、4−メチル−2,6−ビス−(4−トリフルオロメチルフェニル)−ピリジン(1.37g、3.6mmol)撹拌溶液にゆっくりと添加した。30分後、ジメチルカーボネート(720μL、8.0mmol)を加えた。−78℃で更に30分間撹拌した後、溶液をゆっくりと加温し、0℃で30分間撹拌した。飽和NH4Cl水(10mL)を加えて、反応を止めた。混合物をCH2Cl2とH2Oとの間で分液した。水層をCH2Cl2(2x)で抽出した。合わせた抽出物を食塩水で洗浄し、続いて乾燥し(Na2SO4)、ろ過して蒸発させた。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(10〜50% CH2Cl2/ヘプタン)で精製し、白色固体(1.38g、87%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.24(d,J=7.91Hz,4H)、7.76(d,J=7.91Hz,4H)、7.72(s,2H)、3.80(s,2H)、3.77(s,3H)。MS m/e 440.2(M+H)
【0146】
d)2−[2,6−ビス−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸メチルエステル
【0147】
【化29】

【0148】
−78℃、アルゴン下の[2,6−ビス−(4−トリフルオロメチルフェニル)−ピリジン−4−イル]−酢酸メチルエステル(1.18g、2.69mmol)/THF(30mL)溶液に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.5Mトルエン溶液、5.38mL、2.69mmol)を添加した。30分間撹拌した後、3−ブロモ−2−メチルプロペン(273μL、2.69mmol)を加え、更に30分間撹拌した。反応混合物をゆっくりと加温し、0℃で更に30分間撹拌した。続いてこの混合物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(0〜8%酢酸エチル/ヘプタン)で濃縮して精製し、白色固体(940mg、71%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.24(d,J=8.29Hz,4H)、7.76(d,J=8.29Hz,4H)、7.74(s,2H)、4.79(d,J=19.59Hz,2H)、3.97(dd,J=6.78,9.04Hz,1H)、3.72(s,3H)、2.95(dd,J=8.85,14.51Hz,1H)、2.56(dd,J=6.59,14.51Hz,1H)、1.78(s,3H)。MS m/e 494.2(M+H)
【0149】
e)2−[2,6−ビス−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸メチルエステル
【0150】
【化30】

【0151】
2−[2,6−ビス−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸メチルエステル(280mg、0.57mmol)、Pd/C(10%、30mg)/メタノール(10mL)溶液を4時間水素添加した。混合物をセライトでろ過し、メタノールで洗浄して蒸発させた。残留物をCH2Cl2に溶解し、ろ過して蒸発させ、白色固体(260mg、92%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.24(d,J=8.29Hz,4H)、7.76(d,J=8.29Hz,4H)、7.73(s,2H)、3.82(t,J=7.72Hz,1H)、3.72(s,3H)、2.11(dt,J=7.72,13.94Hz,1H)、1.76(dt,J=6.92,13.66Hz,1H)、1.49〜1.62(m,1H)、0.97(d,J=6.40Hz,6H)。MS m/e 496.2(M+H)。
【0152】
f)2−[2,6−ビス−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0153】
【化31】

【0154】
2−[2,6−ビス−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸メチルエステル(250mg、0.5mmol)/NaOH(1N、1mL)及びTHF(5mL)溶液を、40℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、10%クエン酸で酸性化し、CH2Cl2(3X)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(5〜25%酢酸エチル/CH2Cl2)で精製し、白色固体(190mg、78%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.23(d,J=8.29Hz,4H)、7.68〜7.83(m,6H)、3.85(t,J=7.72Hz,1H)、2.05〜2.17(m,1H)、1.79(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.53〜1.64(m,1H)、0.98(d,J=6.40Hz,6H)。MS m/e 482.2(M+H)。
【0155】
(実施例2)
2−[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0156】
【化32】

【0157】
a)2−クロロ−4−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン
【0158】
【化33】

【0159】
脱気した2−ブロモ−6−クロロ−4−メチル−ピリジン(900mg、4.37mmol)、4−トリフルオロメチルベンゼンボロン酸(830mg、4.37mmol)、2N Na2CO3(4mL)/DME(40mL)溶液に、アルゴン下でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(320mg、0.3mmol)を添加した。混合物を55℃まで5時間加熱し、室温まで冷却して水で希釈し、塩化メチレン(3X)で抽出した。有機溶液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(10〜25%塩化メチレン/ヘプタン)で精製し、オフホワイト色の固体(800mg、68%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.09(d,J=7.91Hz,2H)、7.71(d,J=8.29Hz,2H)、7.49(s,1H)、7.16(s,1H)、2.43(s,3H)。MS m/e 272.1(M+H)。
【0160】
b)2−(4−フルオロ−フェニル)−4−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン
【0161】
【化34】

【0162】
脱気した2−クロロ−4−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン(270mg、1.0mmol)、4−フルオロベンゼンボロン酸(155mg、1.0mmol)、2N Na2CO3(1.5mL)/DME(10mL)溶液に、アルゴン下でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(70mg、0.06mmol)を添加した。混合物を85℃まで6時間加熱し、室温まで冷却して水で希釈し、塩化メチレン(3X)で抽出した。有機溶液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(5〜20%塩化メチレン/ヘプタン)で精製し、オフホワイト色の固体(275mg、83%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.23(d,J=7.91Hz,2H)、8.12(dd,J=5.27,9.04Hz,2H)、7.74(d,J=8.29Hz,2H)、7.54(d,J=3.01Hz,2H)、7.18(t,J=8.67Hz,2H)、2.50(s,3H)。MS m/e 332.3(M+H)
c)[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−酢酸メチルエステル
【0163】
【化35】

【0164】
LDA溶液(THF/ヘプタン/エチルベンゼン、1.1mL、2.0mmol中に1.8M)を、N2下、−78℃にて、2−(4−フルオロ−フェニル)−4−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン(260g、0.8mmol)撹拌溶液にゆっくりと添加した。30分後、ジメチルカーボネート(200μL、2.0mmol)を加えた。−78℃で更に30分間撹拌した後、溶液をゆっくりと加温し、0℃で30分間撹拌した。飽和NH4Cl水(2mL)を加えて、反応を止めた。混合物をCH2Cl2とH2Oとの間で分液した。水層をCH2Cl2(2x)で抽出した。合わせた抽出物を食塩水で洗浄し、続いて乾燥し(Na2SO4)、ろ過して蒸発させた。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(40〜80% CH2Cl2/ヘプタン)で精製し、白色固体(130mg、42%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.23(d,J=7.91Hz,2H)、8.13(dd,J=5.46,8.85Hz,2H)、7.75(d,J=8.29Hz,2H)、7.64(d,J=2.64Hz,2H)、7.19(t,J=8.67Hz,2H)、3.78(s,2H)、3.76(s,3H)。MS m/e 390.2(M+H)。
【0165】
d)2−[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸メチルエステル
【0166】
【化36】

【0167】
−78℃で、アルゴン下の[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−酢酸メチルエステル(130mg、0.3mmol)/THF(5mL)溶液に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.5Mトルエン溶液、600μL、0.3mmol)を添加した。30分間撹拌した後、3−ブロモ−2−メチルプロペン(40mg、0.3mmol)を加え、更に30分間撹拌した。反応混合物をゆっくりと加温し、0℃で更に30分間撹拌した。続いてこの混合物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(0〜8%酢酸エチル/ヘプタン)で濃縮して精製し、無色油(80mg、60%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.23(d,J=8.29Hz,2H)、8.08〜8.18(m,2H)、7.75(d,J=8.29Hz,2H)、7.67(d,J=1.88Hz,2H)、7.19(t,J=8.85Hz,2H)、4.78(d,J=18.08Hz,2H)、3.95(dd,J=6.78,9.04Hz,1H)、3.72(s,3H)、2.94(dd,J=9.04,14.69Hz,1H)、2.55(dd,J=6.40,14.69Hz,1H)、1.77(s,3H)。MS m/e 444.3(M+H)。
【0168】
e)2−[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸メチルエステル
【0169】
【化37】

【0170】
2−[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸メチルエステル(80mg、0.18mmol)、Pd/C(10%、10mg)/メタノール(10mL)溶液を4時間水素添加した。混合物をセライトでろ過し、メタノールで洗浄して蒸発させた。残留物をCH2Cl2に溶解し、ろ過して蒸発させ、無色油(80mg、100%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.23(d,J=8.29Hz,2H)、8.08〜8.18(m,2H)、7.75(d,J=8.29Hz,2H)、7.66(d,J=1.88Hz,2H)、7.13〜7.24(m,2H)、3.80(t,J=7.72Hz,1H)、3.72(s,3H)、2.09(dt,J=7.72,13.56Hz,1H)、1.75(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.54(dt,J=6.73,13.28Hz,1H)、1.46〜1.48(m,OH)、0.96(d,J=6.40Hz,6H)。MS m/e 446.3(M+H)。
【0171】
f)2−[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0172】
【化38】

【0173】
2−[2−(4−フルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸メチルエステル(80mg、0.18mmol)/NaOH(1N、1mL)及びTHF(4mL)溶液を、40℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、10%クエン酸で酸性化し、CH2Cl2(3X)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(5〜25%酢酸エチル/CH2Cl2)で精製し、白色泡(60mg、77%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.21(d,J=8.29Hz,2H)、8.05〜8.15(m,2H)、7.73(d,J=8.29Hz,2H)、7.65(d,J=1.51Hz,2H)、7.11〜7.23(m,2H)、3.80(t,J=7.72Hz,1H)、2.08〜2.16(m,1H)、1.77(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.48〜1.64(m,1H)、0.96(d,J=6.40Hz,6H)。MS m/e 432.3(M+H)。
【0174】
(実施例3)
4−メチル−2−[2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−ペンタン酸
【0175】
【化39】

【0176】
実施例2に記載される4−フルオロベンゼンボロン酸の代わりに4−トリフルオロメチルベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.21(d,J=8.29Hz,2H)、8.14(d,J=9.04Hz,2H)、7.74(d,J=8.29Hz,2H)、7.68(d,J=2.64Hz,2H)、7.34(d,J=8.29Hz,2H)、3.82(t,J=7.72Hz,1H)、2.04〜2.16(m,1H)、1.69〜1.86(m,1H)、1.48〜1.64(m,1H)、0.96(d,J=6.40Hz,6H)。MS m/e 498.3(M+H)。
【0177】
(実施例4)
2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0178】
【化40】

【0179】
実施例2に記載される4−フルオロベンゼンボロン酸の代わりに4−メトキシベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.22(d,J=8.29Hz,2H)、8.08(d,J=9.04Hz,2H)、7.73(d,J=8.29Hz,2H)、7.62(d,J=6.78Hz,2H)、7.01(d,J=8.67Hz,2H)、3.88(s,3H)、3.79(t,J=7.72Hz,1H)、2.00〜2.15(m,1H)、1.77(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.52〜1.63(m,1H)、0.95(d,J=6.40Hz,5H)。MS m/e 444.2(M+H)。
【0180】
(実施例5)
4−メチル−2−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−6−(3,4,5−トリフルオロ−フェニル)−ピリジン−4−イル]−ペンタン酸
【0181】
【化41】

【0182】
実施例2に記載される4−フルオロベンゼンボロン酸の代わりに3,4,5−トリフルオロベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.20(d,J=8.29Hz,2H)、7.68〜7.83(m,5H)、7.62(s,1H)、3.83(t,J=7.72Hz,1H)、2.07〜2.17(m,1H)、1.77(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.57(dt,J=6.73,13.28Hz,1H)、0.97(d,J=6.78Hz,6H)。MS m/e 468.1(M+H)。
【0183】
(実施例6)
2−[2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0184】
【化42】

【0185】
a)[2−クロロ−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−酢酸メチルエステル
【0186】
【化43】

【0187】
LDA溶液(THF/ヘプタン/エチルベンゼン、3.0mL、5.4mmol中に1.8M)を、N2下、−78℃にて、2−クロロ−4−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン(545g、2.0mmol)撹拌溶液にゆっくりと添加した。30分後、ジメチルカーボネート(400μL、4.0mmol)を加えた。−78℃で更に30分間撹拌した後、溶液をゆっくりと加温し、0℃で30分間撹拌した。飽和NH4Cl水(4mL)を加えて、反応を止めた。混合物をCH2Cl2とH2Oとの間で分液した。水層をCH2Cl2(2x)で抽出した。合わせた抽出物を食塩水で洗浄し、続いて乾燥し(Na2SO4)、ろ過して蒸発させた。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(40〜80% CH2Cl2/ヘプタン)で精製し、オフホワイト色の固体(520mg、79%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.11(d,J=8.29Hz,2H)、7.72(d,J=8.29Hz,2H)、7.62(s,1H)、7.28(s,1H)、3.76(s,3H)、3.71(s,2H)。MS m/e 330.1(M+H)。
【0188】
b)[2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−酢酸メチルエステル
【0189】
【化44】

【0190】
脱気した[2−クロロ−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−酢酸メチルエステル(165mg、0.5mmol)、3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸(160mg、0.6mmol)、2N Na2CO3(1.0mL)/DME(9mL)溶液に、アルゴン下でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(70mg、0.06mmol)を添加した。混合物を85℃まで6時間加熱し、室温まで冷却して水で希釈し、塩化メチレン(3X)で抽出した。有機溶液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(0〜20%酢酸エチル/塩化メチレン)で精製し、白色固体(150mg、59%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.57(s,2H)、8.24(d,J=8.29Hz,2H)、7.96(s,1H)、7.73〜7.85(m,4H)、3.83(s,2H)、3.78(s,3H)。MS m/e 508.2(M+H)。
【0191】
c)2−[2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸メチルエステル
【0192】
【化45】

【0193】
−78℃で、アルゴン下の[2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−酢酸メチルエステル(150mg、0.3mmol)/THF(5mL)溶液に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.5Mトルエン溶液、600μL、0.3mmol)を添加した。30分間撹拌した後、3−ブロモ−2−メチルプロペン(40mg、0.3mmol)を加え、更に30分間撹拌した。反応混合物をゆっくりと加温し、0℃で更に30分間撹拌した。続いてこの混合物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(20〜60%塩化メチレン/ヘプタン)で濃縮して精製し、白色固体(85mg、51%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.56(s,2H)、8.23(d,J=8.29Hz,2H)、7.96(s,1H)、7.69〜7.86(m,4H)、4.80(d,J=19.59Hz,2H)、4.01(dd,J=6.78,9.04Hz,1H)、3.74(s,3H)、2.97(dd,J=9.04,14.69Hz,1H)、2.58(dd,J=6.78,14.69Hz,1H)、1.79(s,3H)。MS m/e 562.2(M+H)。
【0194】
d)2−[2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸メチルエステル
【0195】
【化46】

【0196】
2−[2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸メチルエステル(80mg、0.14mmol)、Pd/C(10%、10mg)/メタノール(10mL)溶液を4時間水素添加した。混合物をセライトでろ過し、メタノールで洗浄して蒸発させた。残留物をCH2Cl2に溶解し、ろ過して蒸発させ、無色油(80mg、100%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.56(s,2H)、8.24(d,J=7.91Hz,2H)、7.96(s,1H)、7.70〜7.85(m,4H)、3.80〜3.92(m,1H)、3.73(s,3H)、2.14(ddd,J=6.97,8.48,13.56Hz,1H)、1.76(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.50〜1.65(m,1H)、0.98(d,J=6.78Hz,6H)。MS m/e 564.2(M+H)。
【0197】
e)2−[2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0198】
【化47】

【0199】
2−[2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸メチルエステル(80mg、0.14mmol)/NaOH(1N、1mL)及びTHF(4mL)溶液を40℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、10%クエン酸で酸性化し、CH2Cl2(3X)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(5〜30%酢酸エチル/CH2Cl2)で精製し、白色固体(60mg、78%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.55(s,2H)、8.23(d,J=7.91Hz,2H)、7.96(s,1H)、7.72〜7.85(m,4H)、3.89(t,J=7.91Hz,1H)、2.08〜2.22(m,1H)、1.75〜1.85(m,1H)、1.55〜1.68(m,1H)、0.99(d,J=6.40Hz,6H)。MS m/e 550.2(M+H)。
【0200】
(実施例7)
4−メチル−2−[2−キノリン−3−イル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−ペンタン酸
【0201】
【化48】

【0202】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに3−キノリンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ9.74(d,J=2.26Hz,1H)、9.13(d,J=2.26Hz,1H)、8.44(d,J=8.29Hz,2H)、8.08〜8.20(m,3H)、8.02(s,1H)、7.82〜7.94(m,3H)、7.64〜7.79(m,1H)、3.99(t,J=7.91Hz,1H)、2.10〜2.23(m,1H)、1.86(dt,J=7.21,13.85Hz,1H)、1.56〜1.71(m,1H)、1.03(dd,J=2.07,6.59Hz,6H)。MS m/e 465.1(M+H)。
【0203】
(実施例8)
2−[2−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0204】
【化49】

【0205】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに3−フルオロ−5−トリフルオロメチルベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.22(d,J=8.07Hz,2H)、8.14(s,1H)、8.07(d,J=9.29Hz,1H)、7.74〜7.82(m,3H)、7.71(d,J=1.22Hz,1H)、7.41(d,J=8.07Hz,1H)、3.86(t,J=7.70Hz,1H)、2.13(ddd,J=7.21,8.19,13.69Hz,1H)、1.79(dt,J=7.03,13.82Hz,1H)、1.54〜1.66(m,1H)、0.98(d,J=6.60Hz,6H)。MS m/e 500.1(M+H)。
【0206】
(実施例9)
2−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0207】
【化50】

【0208】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに4−イソプロピルベンゼンボロン酸(siopropylbenzeneboronic acid)を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.23(d,J=7.91Hz,2H)、8.03(d,J=8.29Hz,2H)、7.73(d,J=7.91Hz,2H)、7.66(d,J=6.41Hz,2H)、7.35(d,J=7.91Hz,2H)、3.79(t,J=7.72Hz,1H)、2.90〜3.05(m,1H)、1.99〜2.15(m,1H)、1.77(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.49〜1.63(m,1H)、1.29(d,J=7.16Hz,6H)、0.94(d,J=6.40Hz,6H)。MS m/e 456.3(M+H)。
【0209】
(実施例10)
2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0210】
【化51】

【0211】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに3,5−ジフルオロベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.21(d,J=8.29Hz,2H)、7.72〜7.81(m,3H)、7.60〜7.70(m,3H)、6.88(tt,J=2.26,8.67Hz,1H)、3.82(t,J=7.72Hz,1H)、2.07〜2.17(m,1H)、1.77(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.50〜1.63(m,1H)、0.96(d,J=6.40Hz,6H)。MS m/e 450.1(M+H)。
【0212】
(実施例11)
4−メチル−2−[2−p−トリル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−ペンタン酸
【0213】
【化52】

【0214】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに4−メチルベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.22(d,J=8.29Hz,2H)、8.01(d,J=7.91Hz,2H)、7.73(d,J=8.29Hz,2H)、7.65(d,J=7.91Hz,2H)、7.29(d,J=7.91Hz,2H)、3.79(t,J=7.72Hz,1H)、2.42(s,3H)、2.04〜2.13(m,1H)、1.77(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.50〜1.63(m,1H)、0.95(d,J=6.78Hz,6H)。MS m/e 428.3(M+H)。
【0215】
(実施例12)
4−メチル−2−[2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−ペンタン酸
【0216】
【化53】

【0217】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに3−トリフルオロメチルベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.35(s,1H)、8.29(d,J=7.91Hz,1H)、8.22(d,J=8.29Hz,2H)、7.67〜7.81(m,5H)、7.57〜7.66(m,1H)、3.84(t,J=7.72Hz,1H)、2.07〜2.18(m,1H)、1.79(dt,J=6.97,13.94Hz,1H)、1.52〜1.64(m,1H)、0.97(d,J=6.78Hz,6H)。MS m/e 482.2(M+H)。
【0218】
(実施例13)
2−[2−ビフェニル−4−イル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0219】
【化54】

【0220】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに4−フェニルベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.16〜8.31(m,4H)、7.71〜7.80(m,5H)、7.61〜7.70(m,3H)、7.47(t,J=7.35Hz,2H)、7.35〜7.44(m,1H)、3.83(t,J=7.72Hz,1H)、2.10(dd,J=6.22,7.72Hz,1H)、1.80(dt,J=6.97,13.94Hz,1H)、1.51〜1.65(m,1H)、0.97(d,J=6.40Hz,6H)。MS m/e 490.2(M+H)。
【0221】
(実施例14)
4−メチル−2−[2−ナフタレン−2−イル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−ペンタン酸
【0222】
【化55】

【0223】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに2−ナフタレンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.57(s,1H)、8.27(d,J=8.29Hz,3H)、7.92〜8.03(m,2H)、7.83〜7.92(m,2H)、7.76(d,J=7.91Hz,2H)、7.70(s,1H)、7.45〜7.56(m,2H)、3.85(t,J=7.72Hz,1H)、2.06〜2.21(m,1H)、1.74〜1.87(m,1H)、1.53〜1.66(m,1H)、0.97(d,J=6.78Hz,6H)。MS m/e 464.1(M+H)。
【0224】
(実施例15)
4−メチル−2−[2−ナフタレン−2−イル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−ペント−4−エン酸
【0225】
【化56】

【0226】
4 4−メチル−2−[2−ナフタレン−2−イル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−ペント−4−エン酸メチルエステル(実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに2−ナフタレンボロン酸を用いて調製される)(30mg、0.06mmol)/NaOH(1N、0.5mL)及びTHF(3mL)溶液を40℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、10%クエン酸で酸性化し、CH2Cl2(3x)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(0〜30%酢酸エチル/CH2Cl2)で精製し、白色固体(17mg、61%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.57(s,1H)、8.27(d,J=8.67Hz,3H)、7.92〜8.03(m,2H)、7.83〜7.92(m,2H)、7.76(d,J=8.29Hz,2H)、7.71(s,1H)、7.48〜7.57(m,2H)、4.81(d,J=9.42Hz,2H)、4.01(dd,J=6.97,8.48Hz,1H)、2.97(dd,J=8.67,14.69Hz,1H)、2.61(dd,J=6.78,14.69Hz,1H)、1.78(s,3H)。MS m/e 462.1(M+H)。
【0227】
(実施例16)
2−[2−(2,4−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸
【0228】
【化57】

【0229】
実施例6及び15に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.14(d,J=7.91Hz,2H)、8.06(s,1H)、7.91(d,J=8.29Hz,1H)、7.78(s,1H)、7.72(d,J=7.91Hz,3H)、7.43(s,1H)、4.68〜4.85(m,2H)、3.96(t,J=7.72Hz,1H)、2.90(dd,J=8.29,14.69Hz,1H)、2.57(dd,J=7.16,14.69Hz,1H)、1.75(s,3H)。MS m/e 548.1(M+H)。
【0230】
(実施例17)
2−[2−(2,4−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0231】
【化58】

【0232】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに、2,4−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.15(d,J=8.29Hz,2H)、8.07(s,1H)、7.91(d,J=8.29Hz,1H)、7.78(s,1H)、7.68〜7.77(m,3H)、7.44(s,1H)、3.83(t,J=7.72Hz,1H)、1.99〜2.11(m,1H)、1.73〜1.87(m,1H)、1.49〜1.61(m,1H)、0.96(d,J=6.78Hz,6H)。MS m/e 550.3(M+H)。
【0233】
(実施例18)
2−[2−イソキノリン−4−イル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸
【0234】
【化59】

【0235】
実施例6及び15に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに4−イソキノリンボロン酸ピナコールエステルを用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.33(s,1H)、8.72(s,1H)、8.48(d,J=8.67Hz,1H)、8.20(d,J=8.29Hz,2H)、8.12(d,J=7.91Hz,1H)、7.88(s,1H)、7.79〜7.86(m,2H)、7.66〜7.79(m,3H)、4.82(d,J=9.42Hz,2H)、4.00〜4.10(m,1H)、3.00(dd,J=7.91,14.69Hz,1H)、2.62(dd,J=7.16,14.69Hz,1H)、1.81(s,3H)。MS m/e 463.2(M+H)。
【0236】
(実施例19)
2−[2−イソキノリン−4−イル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0237】
【化60】

【0238】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに4−イソキノリンボロン酸ピナコールエステルを用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.33(s,1H)、8.75(s,1H)、8.52(d,J=8.29Hz,1H)、8.21(d,J=8.29Hz,2H)、8.12(d,J=7.91Hz,1H)、7.89(s,1H)、7.77〜7.86(m,2H)、7.68〜7.77(m,3H)、3.92(t,J=7.72Hz,1H)、2.09〜2.25(m,1H)、1.79(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.59〜1.73(m,1H)、0.99(d,J=6.40Hz,6H)。MS m/e 465.1(M+H)。
【0239】
(実施例20)
2−[2−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸
【0240】
【化61】

【0241】
実施例6及び15に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに2,3−ジフルオロベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ8.18(d,J=7.91Hz,2H)、7.81〜7.96(m,1H)、7.65〜7.81(m,4H)、7.06〜7.36(m,2H)、4.78(d,J=14.69Hz,2H)、3.97(t,J=7.72Hz,1H)、2.92(dd,J=8.29,14.69Hz,1H)、2.59(dd,J=7.16,14.69Hz,1H)、1.77(s,3H)。MS m/e 448.0(M+H)。
【0242】
(実施例21)
2−[2−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0243】
【化62】

【0244】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに2,3−ジフルオロベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ8.19(d,J=7.91Hz,2H)、7.84〜7.91(m,1H)、7.69〜7.78(m,4H)、7.15〜7.27(m,2H)、3.82(t,J=7.91Hz,1H)、2.00〜2.13(m,1H)、1.71〜1.86(m,1H)、1.47〜1.63(m,1H)、0.96(d,J=6.65Hz,6H)。MS m/e 450.1(M+H)。
【0245】
(実施例22)
2−[2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0246】
【化63】

【0247】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに2,4−ジフルオロベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ8.13〜8.22(m,3H)、7.67〜7.79(m,4H)、7.03(td,J=3.39,8.29Hz,1H)、6.92(ddd,J=2.45,8.85,11.30Hz,1H)、3.80(t,J=7.72Hz,1H)、2.01〜2.11(m,1H)、1.78(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.49〜1.62(m,1H)、0.95(d,J=6.7Hz,6H)。MS m/e 450.1(M+H)。
【0248】
(実施例23)
2−[2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸
【0249】
【化64】

【0250】
実施例6及び15に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに2,4−ジフルオロベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ8.10〜8.22(m,3H)、7.66〜7.77(m,4H)、7.03(td,J=2.26,8.29Hz,1H)、6.92(ddd,J=2.45,8.85,11.30Hz,1H)、4.78(d,J=14.32Hz,2H)、3.96(t,J=7.72Hz,1H)、2.91(dd,J=8.29,14.69Hz,1H)、2.58(dd,J=7.16,14.69Hz,1H)、1.76(s,3H)。MS m/e 448.0(M+H)。
【0251】
(実施例24)
2−[2−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸
【0252】
【化65】

【0253】
実施例6及び15に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに2,5−ジフルオロベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ8.19(d,J=8.29Hz,2H)、7.89(ddd,J=3.01,6.12,9.32Hz,1H)、7.81(s,1H)、7.69〜7.78(m,3H)、7.04〜7.17(m,2H)、4.78(d,J=14.32Hz,2H)、3.96(t,J=7.91Hz,1H)、2.91(dd,J=8.67,14.69Hz,1H)、2.58(dd,J=7.16,14.69Hz,1H)、1.76(s,3H)。MS m/e 448.0(M+H)。
【0254】
(実施例25)
2−[2−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0255】
【化66】

【0256】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに2,5−ジフルオロベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ8.19(d,J=7.91Hz,2H)、7.89(ddd,J=3.01,5.93,9.14Hz,1H)、7.81(s,1H)、7.68〜7.77(m,3H)、7.04〜7.16(m,2H)、3.81(t,J=7.91Hz,1H)、1.97〜2.17(m,1H)、1.71〜1.88(m,1H)、1.47〜1.62(m,1H)、0.95(d,J=6.45Hz,6H)。MS m/e 450.1(M+H)。
【0257】
(実施例26)
2−[2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0258】
【化67】

【0259】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに2,6−ジフルオロベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ8.14(d,J=8.29Hz,2H)、7.65〜7.78(m,3H)、7.46(s,1H)、7.35(tt,J=6.26,8.43Hz,1H)、6.95〜7.06(m,2H)、3.79(t,J=7.72Hz,1H)、2.00〜2.12(m,1H)、1.70〜1.83(m,1H)、1.57(dt,J=6.73,13.28Hz,1H)、0.95(d,J=6.50Hz,6H)。MS m/e 450.1(M+H)。
【0260】
(実施例27)
2−[2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸
【0261】
【化68】

【0262】
実施例6及び15に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに2,6−ジフルオロベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ8.13(d,J=7.91Hz,2H)、7.66〜7.78(m,3H)、7.45(s,1H)、7.28〜7.40(m,1H)、6.91〜7.07(m,2H)、4.77(d,J=17.33Hz,2H)、3.93(dd,J=6.97,8.48Hz,1H)、2.89(dd,J=8.29,14.69Hz,1H)、2.55(dd,J=7.16,14.69Hz,1H)、1.75(s,3H)。MS m/e 448.0(M+H)。
【0263】
(実施例28)
2−[2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸
【0264】
【化69】

【0265】
実施例6及び15に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりにベンゾチオフェン−2−ボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ8.42(d,J=8.29Hz,2H)、8.33(s,1H)、8.16(s,1H)、8.02〜8.07(m,2H)、7.88〜7.99(m,3H)、7.37〜7.48(m,2H)、4.74(d,J=9.42Hz,2H)、4.07(t,J=7.72Hz,1H)、2.87(s,1H)、2.74(s,1H)、1.75(s,3H)。MS m/e 468.1(M+H)。
【0266】
(実施例29)
2−[2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0267】
【化70】

【0268】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりにベンゾチオフェン−2−ボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ8.38(d,J=8.29Hz,2H)、8.08(s,1H)、7.97(s,1H)、7.79〜7.94(m,5H)、7.33〜7.44(m,2H)、3.91(t,J=7.72Hz,1H)、2.04〜2.18(m,1H)、1.81(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.55〜1.66(m,1H)、1.01(d,J=6.78Hz,6H)。MS m/e 470.1(M+H)。
【0269】
(実施例30)
4−メチル−2−[6’−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−[2,3’]ビピリジニル−4−イル]−ペンタン酸
【0270】
【化71】

【0271】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに2−(トリフルオロメチル)ピリジン−5−イルボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ9.46(s,1H)、8.66(dd,J=1.70,8.10Hz,1H)、8.22(d,J=7.91Hz,2H)、7.71〜7.90(m,5H)、3.89(t,J=7.72Hz,1H)、2.07〜2.19(m,1H)、1.79(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.51〜1.66(m,1H)、0.93〜1.02(m,6H)、0.97(d,J=6.41Hz,6H)。MS m/e 483.1(M+H)。
【0272】
(実施例31)
4−メチル−2−[6’−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−[2,3’]ビピリジニル−4−イル]−ペント−4−エン酸
【0273】
【化72】

【0274】
実施例6及び15に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに2−(トリフルオロメチル)ピリジン−5−イルボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ9.46(d,J=1.51Hz,1H)、8.68(dd,J=1.70,8.10Hz,1H)、8.21(d,J=7.91Hz,2H)、7.70〜7.93(m,5H)、4.80(d,J=17.33Hz,2H)、4.04(t,J=7.72Hz,1H)、2.96(dd,J=8.29,14.69Hz,1H)、2.60(dd,J=7.16,14.69Hz,1H)、1.78(s,3H)。MS m/e 481.1(M+H)。
【0275】
(実施例32)
4−メチル−2−[2−p−トリル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−ペント−4−エン酸
【0276】
【化73】

【0277】
実施例6及び15に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに4−メチルベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.21(d,J=8.29Hz,2H)、7.99(d,J=7.91Hz,2H)、7.72(d,J=8.29Hz,2H)、7.65(d,J=8.67Hz,2H)、7.22〜7.33(m,2H)、4.77(d,J=12.43Hz,2H)、3.93(dd,J=6.97,8.48Hz,1H)、2.91(dd,J=8.48,14.51Hz,1H)、2.55(dd,J=6.78,14.69Hz,1H)、2.40(s,3H)、1.75(s,3H)。MS m/e 426.1(M+H)。
【0278】
(実施例33)
2−[2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0279】
【化74】

【0280】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに3,4−(メチレンジオキシ)フェニルボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.21(d,J=8.29Hz,2H)、7.73(d,J=8.29Hz,2H)、7.67(d,J=1.51Hz,1H)、7.57〜7.66(m,3H)、6.91(d,J=8.29Hz,1H)、6.03(s,2H)、3.78(t,J=7.72Hz,1H)、2.01〜2.12(m,1H)、1.76(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.56(dt,J=6.73,13.28Hz,1H)、0.95(d,J=6.40Hz,6H)。MS m/e 458.3(M+H)。
【0281】
(実施例34)
2−[2−ビフェニル−3−イル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸
【0282】
【化75】

【0283】
実施例6及び15に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに3−フェニルベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.30(s,1H)、8.23(d,J=7.91Hz,2H)、8.06(d,J=7.91Hz,1H)、7.62〜7.81(m,7H)、7.34〜7.59(m,4H)、4.79(d,J=12.06Hz,2H)、3.97(t,J=7.72Hz,1H)、2.94(dd,J=8.67,14.69Hz,1H)、2.58(dd,J=6.78,14.69Hz,1H)、1.76(s,3H)。MS m/e 488.3(M+H)。
【0284】
(実施例35)
2−[2−ビフェニル−3−イル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0285】
【化76】

【0286】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに3−フェニルベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.30(s,1H)、8.23(d,J=7.91Hz,2H)、8.06(d,J=7.91Hz,1H)、7.60〜7.82(m,7H)、7.33〜7.58(m,4H)、3.82(t,J=7.72Hz,1H)、2.02〜2.17(m,1H)、1.78(dt,J=7.11,14.03Hz,1H)、1.50〜1.64(m,1H)、0.95(d,J=6.78Hz,6H)。MS m/e 490.2(M+H)。
【0287】
(実施例36)
2−[2−(3−イソブトキシ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0288】
【化77】

【0289】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに3−イソブトキシフェニルボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.23(d,J=8.29Hz,2H)、7.74(d,J=8.29Hz,2H)、7.61〜7.70(m,4H)、7.39(t,J=7.91Hz,1H)、6.98(dd,J=1.70,8.10Hz,1H)、3.74〜3.87(m,3H)、2.03〜2.19(m,2H)、1.78(dt,J=7.21,13.85Hz,1H)、1.50〜1.63(m,1H)、1.06(d,J=6.78Hz,6H)、0.95(d,J=6.40Hz,6H)。MS m/e 486.3(M+H)。
【0290】
(実施例37)
4−メチル−2−[2−(4−フェノキシ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−ペンタン酸
【0291】
【化78】

【0292】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに4−フェノキシフェニルボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.22(d,J=7.91Hz,2H)、8.10(d,J=9.04Hz,2H)、7.73(d,J=8.29Hz,2H)、7.65(d,J=3.39Hz,2H)、7.31〜7.44(m,2H)、7.00〜7.20(m,5H)、3.80(t,J=7.72Hz,1H)、1.97〜2.15(m,1H)、1.78(dt,J=6.97,13.94Hz,1H)、1.57(dt,J=6.73,13.28Hz,1H)、0.96(d,J=6.40Hz,3H)。MS m/e 506.2(M+H)。
【0293】
(実施例38)
4−メチル−2−[2−フェニル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−ペンタン酸
【0294】
【化79】

【0295】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりにベンゼンボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.24(d,J=8.29Hz,2H)、8.05〜8.17(m,2H)、7.72(dd,J=7.91,13.94Hz,4H)、7.41〜7.58(m,3H)、3.82(t,J=7.91Hz,1H)、2.09(dt,J=7.68,13.66Hz,1H)、1.71〜1.86(m,1H)、1.58(dt,J=6.64,13.47Hz,1H)、0.96(d,J=6.78Hz,6H)。MS m/e 414.1(M+H)。
【0296】
(実施例39)
2−[2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0297】
【化80】

【0298】
実施例6に記載される3,5−ジ(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸の代わりに4−メチルスルホニルフェニルボロン酸を用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.64(s,1H)、8.45(d,J=7.91Hz,1H)、8.22(d,J=7.91Hz,2H)、8.02(d,J=8.29Hz,1H)、7.67〜7.82(m,5H)、3.85(t,J=7.72Hz,1H)、2.13(dt,J=7.68,13.66Hz,1H)、1.79(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.59(dt,J=6.73,13.28Hz,1H)、0.97(d,J=6.40Hz,6H)。MS m/e 492.1(M+H)。
【0299】
(実施例40)
2−[2−[イソブチル−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0300】
【化81】

【0301】
a)(6−クロロ−4−メチル−ピリジン−2−イル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン
【0302】
【化82】

【0303】
2−ブロモ−6−クロロ−4−メチルピリジン(415mg、2.0mmol)/トルエン(10mL)溶液に、4−トリフルオロメチルアニリン(325mg、2.0mL)、Pd2(dba)3(50mg、XANTPHOS(50mg)、及びt−BuOK(350mg)を加えた。混合物を120℃で30分間レンジ加熱し、セライトでろ過して、CH2Cl2(3X)で洗浄した。合わせた有機層を濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(20〜40% CH2Cl2/ヘプタン)で精製し、白色固体(320mg、56%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.53〜7.63(m,2H)、7.41〜7.49(m,2H)、6.70(s,1H)、6.61(s,2H)、2.28(s,3H)。MS m/e 287.1(M+H)
b)(6−クロロ−4−メチル−ピリジン−2−イル)−(2−メチル−アリル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン
【0304】
【化83】

【0305】
(6−クロロ−4−メチル−ピリジン−2−イル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン(290mg、1.0mmol)/THF(10mL)溶液に、NaH(60%、80mg、2.0mmol)及び1−ブロモ−3−メチルプロペン(150mg、1.1mmol)を加えた。混合物を120℃で20分間レンジ加熱し、濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(10〜30% CH2Cl2/ヘプタン)で精製し、無色油(230mg、68%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.58(d,J=8.29Hz,2H)、7.34(d,J=8.67Hz,2H)、6.59(s,1H)、6.45(s,1H)、4.81(d,J=15.07Hz,2H)、4.55(s,2H)、2.18(s,3H)、1.76(s,3H)。MS m/e 341.1(M+H)、
c)(2−メチル−アリル)−[4−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン
【0306】
【化84】

【0307】
脱気した(6−クロロ−4−メチル−ピリジン−2−イル)−(2−メチル−アリル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン(340mg、1.0mmol)、4−トリフルオロメチルベンゼンボロン酸(230mg、1.2mmol)、2N Na2CO3(1.5mL)/DME(10mL)溶液に、アルゴン下でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(120mg、0.1mmol)を添加した。混合物を85℃まで4時間加熱し、室温まで冷却して水で希釈し、塩化メチレン(3X)で抽出した。有機溶液を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(5〜20%塩化メチレン/塩化メチレン)で精製し、白色固体(270mg、60%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.09(d,J=7.91Hz,2H)、7.69(d,J=8.29Hz,2H)、7.59(d,J=8.67Hz,2H)、7.39(d,J=8.67Hz,2H)、7.11(s,1H)、6.66(s,1H)、4.86(s,2H)、4.70(s,2H)、2.30(s,3H)、1.81(s,3H)。MS m/e 451.2(M+H)。
【0308】
d)イソブチル−[4−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン
【0309】
【化85】

【0310】
(2−メチル−アリル)−[4−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン(270mg、0.6mmol)、Pd/C(10%、30mg)/メタノール(30mL)溶液を4時間水素添加した。混合物をセライトでろ過し、メタノールで洗浄して蒸発させた。残留物をCH2Cl2に溶解し、ろ過して蒸発させ、白色固体(250mg、92%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.12(d,J=7.91Hz,2H)、7.70(d,J=8.29Hz,2H)、7.58〜7.66(m,2H)、7.38(d,J=8.29Hz,2H)、7.06(s,1H)、6.45(s,1H)、3.95(d,J=7.16Hz,2H)、2.25(s,3H)、2.10〜2.22(m,1H)、0.98(d,J=6.78Hz,6H)。MS m/e 453.3(M+H)。
【0311】
e)[2−[イソブチル−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−酢酸メチルエステル
【0312】
【化86】

【0313】
LDA溶液(THF/ヘプタン/エチルベンゼン、340mL、0.6mmol中に1.8M)を、N2下、−78℃にて、イソブチル−[4−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン(135g、0.3mmol)の撹拌溶液にゆっくりと添加した。30分後、ジメチルカーボネート(55mg、0.6mmol)を加えた。−78℃で30分間撹拌した後、溶液をゆっくりと加温し、0℃で30分間撹拌した。飽和NH4Cl水(1mL)を加えて、反応を止めた。混合物をCH2Cl2とH2Oとの間で分液した。水相をCH2Cl2(2x)で抽出した。合わせた抽出物を食塩水で洗浄し、続いて乾燥し(Na2SO4)、ろ過して蒸発させた。残留物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(40〜80% CH2Cl2/ヘプタン)で精製し、淡黄色油(75mg、49%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.12(d,J=7.91Hz,2H)、7.70(d,J=8.29Hz,2H)、7.65(d,J=8.29Hz,2H)、7.40(d,J=8.29Hz,2H)、7.14(s,1H)、6.50(s,1H)、3.96(d,J=7.16Hz,2H)、3.69(s,3H)、3.51(s,2H)、2.05〜2.22(m,1H)、0.98(d,J=6.78Hz,6H)。MS m/e 511.2(M+H)。
【0314】
f)2−[2−[イソブチル−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸メチルエステル
【0315】
【化87】

【0316】
−78℃で、アルゴン下の[2−[イソブチル−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−酢酸メチルエステル(75mg、0.15mmol)/THF(5mL)溶液に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.5Mトルエン溶液、300μL、0.15mmol)を添加した。30分間撹拌した後、3−ブロモ−2−メチルプロペン(20mg、0.15mmol)を加え、更に30分間撹拌した。反応混合物をゆっくりと加温し、0℃で更に30分間撹拌した。続いてこの混合物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(0〜30%塩化メチレン/ヘプタン)で濃縮して精製し、白色固体(40mg、47%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.12(d,J=8.29Hz,2H)、7.71(d,J=8.29Hz,2H)、7.57〜7.68(m,2H)、7.38(d,J=8.29Hz,2H)、7.19(s,1H)、6.55(s,1H)、4.61〜4.79(m,2H)、3.96(d,J=7.54Hz,2H)、3.67(s,3H)、2.68〜2.85(m,1H)、2.31〜2.47(m,1H)、2.07〜2.26(m,1H)、1.70(s,3H)、0.89〜1.05(m,6H)。MS m/e 565.3(M+H)。
【0317】
g)2−[2−[イソブチル−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸メチルエステル
【0318】
【化88】

【0319】
2−[2−[イソブチル−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペント−4−エン酸メチルエステル(40mg、0.07mmol)、Pd/C(10%、5mg)/メタノール(10mL)溶液を4時間水素添加した。混合物をセライトでろ過し、メタノールで洗浄して蒸発させた。残留物をCH2Cl2に溶解し、ろ過して蒸発させ、無色油(40mg、100%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.12(d,J=8.29Hz,2H)、7.70(d,J=8.29Hz,2H)、7.64(d,J=8.67Hz,2H)、7.38(d,J=8.67Hz,2H)、7.18(s,1H)、6.57(s,1H)、3.96(d,J=7.16Hz,2H)、3.66(s,3H)、2.10〜2.23(m,1H)、1.90(dt,J=7.72,13.56Hz,1H)、1.62(dt,J=6.92,13.66Hz,1H)、1.40〜1.52(m,1H)、0.97(d,J=6.78Hz,6H)、0.89(dd,J=4.33,6.59Hz,5H)。MS m/e 567.3(M+H)。
【0320】
h)2−[2−[イソブチル−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0321】
【化89】

【0322】
2−[2−[イソブチル−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸メチルエステル(40mg、0.07mmol)/NaOH(1N、0.5mL)及びTHF(3mL)溶液を40℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、10%クエン酸で酸性化し、CH2Cl2(3x)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(5〜20%酢酸エチル/CH2Cl2)で精製し、白色固体(28mg、71%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.11(d,J=8.29Hz,2H)、7.70(d,J=8.29Hz,2H)、7.57〜7.67(m,2H)、7.38(d,J=8.29Hz,2H)、7.18(s,1H)、6.57(s,1H)、3.96(d,J=7.54Hz,2H)、3.55(t,J=7.54Hz,1H)、2.07〜2.23(m,1H)、1.83〜1.95(m,1H)、1.65(dt,J=7.06,13.75Hz,1H)、1.52(dd,J=6.59,13.37Hz,1H)、0.97(d,J=6.78Hz,6H)、0.90(dd,J=4.52,6.40Hz,6H)。MS m/e 553.3(M+H)。
【0323】
(実施例41)
4−メチル−2−[2−[(3−メチル−ブチル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−ペンタン酸
【0324】
【化90】

【0325】
実施例41に記載される3−ブロモ−2−メチルプロペンの代わりに3−メチル−ヨード−ブタンを用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.11(d,J=8.29Hz,2H)、7.70(d,J=8.29Hz,2H)、7.58〜7.68(m,2H)、7.38(d,J=8.29Hz,2H)、7.18(s,1H)、6.57(s,1H)、3.96(d,J=7.54Hz,2H)、3.55(t,J=7.54Hz,1H)、2.09〜2.25(m,1H)、1.84〜1.98(m,1H)、1.46〜1.70(m,3H)、0.97(d,J=6.78Hz,6H)、0.90(dd,J=4.52,6.40Hz,6H)。MS m/e 567.2(M+H)。
【0326】
(実施例42)
[2−[(3−メチル−ブチル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−酢酸
【0327】
【化91】

【0328】
[2−[(3−メチル−ブチル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−酢酸メチルエステル(実施例41に記載される3−ブロモ−2−メチルプロペン(methylprepene)の代わりに3−メチル−ヨード−ブタンを用いて調製される)(55mg、0.1mmol)/NaOH(1N、0.5mL)及びTHF(3mL)溶液を40℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、10%クエン酸で酸性化し、CH2Cl2(3x)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過して蒸発させた。残留物をクロマトグラフィー(5〜20%酢酸エチル/CH2Cl2)で精製し、白色固体(50mg、59%)として生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.13(d,J=8.29Hz,2H)、7.68(dd,J=8.48,13.37Hz,4H)、7.38(d,J=8.29Hz,2H)、7.14(s,1H)、6.47(s,1H)、4.12(d,J=15.45Hz,2H)、3.55(s,2H)、1.58〜1.68(m,3H)、0.96(d,J=6.40Hz,6H)。MS m/e 511.2(M+H)。
【0329】
(実施例43)
[2−[(2−シクロヘキシル−エチル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−酢酸
【0330】
【化92】

【0331】
実施例41及び43に記載される3−ブロモ−2−メチルプロペンの代わりに2−シクロヘキシルエチルブロミドを用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.13(d,J=8.29Hz,2H)、7.67(dd,J=8.29,15.07Hz,4H)、7.38(d,J=8.29Hz,2H)、7.14(s,1H)、6.49(s,1H)、4.03〜4.19(m,2H)、3.55(s,2H)、1.13〜1.77(m,13H)。MS m/e 551.2(M+H)。
【0332】
(実施例44)
2−[2−[(2−シクロヘキシル−エチル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0333】
【化93】

【0334】
実施例41に記載される3−ブロモ−2−メチルプロペンの代わりに2−シクロヘキシルエチルブロミドを用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.12(d,J=7.91Hz,2H)、7.69(d,J=8.29Hz,2H)、7.63(d,J=8.29Hz,2H)、7.36(d,J=8.29Hz,2H)、7.17(s,1H)、6.56(s,1H)、4.07〜4.17(m,2H)、3.55(t,J=7.72Hz,1H)、1.13〜1.96(m,16H)、0.90(dd,J=4.33,6.59Hz,6H)。MS m/e 607.3(M+H)。
【0335】
(実施例45)
4−メチル−2−[2−[(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−ペンタン酸
【0336】
【化94】

【0337】
実施例41に記載される3−ブロモ−2−メチルプロペンの代わりにN−(2−ブロモエチル)ピペリジンヒドロブロミドを用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ8.06(d,J=8.29Hz,2H)、7.67(d,J=8.29Hz,2H)、7.59(d,J=8.29Hz,2H)、7.19〜7.38(m,3H)、6.62(s,1H)、4.27(t,J=6.78Hz,2H)、3.40(m,3H)、3.13(t,J=6.78Hz,4H)、1.09〜1.66(m,9H)、0.76〜0.85(m,6H)。MS m/e 622.3(M+Na)。
【0338】
(実施例46)
2−[2−[(4−第三ブチル−フェニル)−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−ペンタン酸
【0339】
【化95】

【0340】
実施例41に記載される3−ブロモ−2−メチルプロペンの代わりに3−メチル−ヨードブタンを、及び4−トリフルオロメチルアニリンの代わりに4−第三ブチルアニリンを用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.15(d,J=8.29Hz,2H)、7.68(d,J=8.29Hz,2H)、7.41(d,J=8.67Hz,2H)、7.15(d,J=8.67Hz,2H)、7.06(s,1H)、6.28(s,1H)、3.98〜4.08(m,2H)、3.45(t,J=7.72Hz,1H)、1.77〜1.86(m,1H)、1.55〜1.70(m,4H)、1.40〜1.53(m,1H)、1.35(s,9H)、0.90〜0.98(m,6H)、0.85(t,J=6.22Hz,6H)。MS m/e 555.3(M+H)。
【0341】
(実施例47)
[2−[(4−第三ブチル−フェニル)−(3−メチル−ブチル)−アミノ]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−4−イル]−酢酸
【0342】
【化96】

【0343】
実施例41及び43に記載される3−ブロモ−2−メチルプロペンの代わりに3−メチル−ヨードブタンを、及び4−トリフルオロメチルアニリンの代わりに4−第三ブチルアニリンを用いて、標題の化合物を調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.16(d,J=8.29Hz,2H)、7.68(d,J=8.29Hz,2H)、7.43(d,J=8.67Hz,2H)、7.17(d,J=8.67Hz,2H)、7.02(s,1H)、6.22(s,1H)、4.05(d,J=15.07Hz,2H)、3.48(s,2H)、1.63(dd,J=6.03,8.29Hz,3H)、1.36(s,9H)、0.92〜0.98(m,6H)。MS m/e 499.4(M+H)。
【0344】
生物活性
本発明の化合物のγ−セクレターゼ活性についてのスクリーニング
1%非必須アミノ酸を添加した5%血清/Feを含む、Gibcoによって提供されるDMEM/NUT−mix F12(HAM)培地(カタログNo.31330〜38)で増殖させた、APP 695−野生型を有するSKNBE2細胞を用いてスクリーニングを行った。
【0345】
細胞はコンフルエンス近くにまで増殖させた。
【0346】
スクリーニングは、Citron et al(1997年)Nature Medicine 3:67に述べられるようなアッセイを用いて行った。
【0347】
本発明の代表的な生成物のγ−セクレターゼ調節活性の例を下記表に示す。
【0348】
【表3−1】

【0349】
【表3−2】

【0350】
上記の明細書は説明を目的として与えられる実施例と共に本発明の原理を教示するものであるが、本発明の実施には、以下の特許請求の範囲及びその同等物に含まれるすべての通常の変形、改作及び/又は修正が包含される点が理解されるであろう。
【0351】
上記明細書で開示した全ての刊行物は、その全文を参照により本明細書に組み込むものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

式中、
Aは、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ナプチル、ビフェニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、又はベンゾチアゾリルであり、あるいはAは、R3、R4、及びR5と共に、以下からなる群から選択され、
【化2】

Xは直接結合、又は−NR2−であり、
式中、R2は、C(1〜5)アルキル又はC(1〜5)アルケニルであり、これらのいずれも、シクロヘキシル、ヘテロシクリル、又はF、Cl、Br、I、及びCF3からなる群から独立して選択される最大3つの置換基で任意に置換され、
1は、H、C(1〜5)アルキル、又はC(1〜5)アルケニルであり、前記アルキル及びアルケニル基は、F、Cl、Br、I、及びCF3からなる群から独立して選択される最大3つの置換基で任意に置換され、
3及びR6は、H、F、Cl、Br、I、CN、OH、C(O)N(C(1〜4)アルキル)2、S(O)2(1〜4)アルキル、SO2N(C(1〜4)アルキル)2、S(O)N(C(1〜4)アルキル)2、N(C(1〜4)アルキル)S(O)2(1〜4)アルキル、N(C(1〜4)アルキル)S(O)C(1〜4)アルキル、S(O)2(1〜4)アルキル、N(C(1〜4)アルキル)S(O)2N(C(1〜4)アルキル)2、SC(1〜4)アルキル、N(C(1〜4)アルキル)2、N(C(1〜4)アルキル)C(O)C(1〜4)アルキル、N(C(1〜4)アルキル)C(O)N(C(1〜4)アルキル)2、N(C(1〜4)アルキル)C(O)OC(1〜4)アルキル、OC(O)N(C(1〜4)アルキル)2、C(O)C(1〜4)アルキル、置換及び非置換C1〜C4−アルキル、並びに置換及び非置換C1〜C4−アルコキシからなる群から独立して選択され、C1〜C4−アルキル及びC1〜C4−アルコキシの両基の置換基は、F、Cl、Br、I、及びCF3からなる群から選択され、
4、R5、R7、及びR8は、CF3、OCF3、H、F、Cl、−OC(1〜4)アルキル、C(1〜4)アルキル、−SO2CH3、及びCNからなる群から独立して選択され、
9は、H、C(1〜5)アルキル、又はC(1〜5)アルケニルであり、前記アルキル及びアルケニル基は、F、Cl、Br、I、及びCF3からなる群から独立して選択される最大3つの置換基で任意に置換される、
を有する化合物、並びに、これらの溶媒和物、水和物、エステル、及び医薬上許容される塩。
【請求項2】
式中、
Aが、フェニル、ピリジル、ナプチル、ビフェニル、キノリニル、イソキノリニル、又はベンゾチアゾリルであり、あるいはAが、R3、R4、及びR5と共に、以下からなる群から選択され、
【化3】

1は、H、C(1〜5)アルキル、又はC(1〜5)アルケニルであり、
Xは直接結合、又は−NR2−であり、
式中、R2は、C(1〜5)アルキルであり、C(1〜6)シクロアルキル又はC(1〜6)ヘテロシクリルで任意に置換され、
3は、H、CF3、F、OCF3、C(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、又は−SO2CH3であり、
4は、H、CF3、F、OCF3、C(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、又は−SO2CH3であり、
5は、H、CF3、F、OCF3、C(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、又は−SO2CH3であり、
6は、H、F、OCF3、又はCF3であり、
7は、H、F、OCF3、又はCF3であり、
8は、H、F、OCF3、又はCF3であり、
9は、H、又はC(1〜4)アルキルである、
請求項1に記載の化合物、並びに、これらの溶媒和物、水和物、エステル、及び医薬上許容される塩。
【請求項3】
式中、
Aが、フェニル、ピリジル、ナプチル、又はビフェニル、あるいはAが、R3、R4、及びR5と共に、以下からなる群から選択され、
【化4】

Xは直接結合、又は−NR2−であり、
式中、R2は、C(1〜5)アルキルであり、シクロヘキシル又はピペリジニルで任意に置換され、
3は、CF3、F、OCF3、C(1〜4)アルキル、−OC(1〜4)アルキル、又は−SO2CH3であり、
4は、H、F、OCF3、又はCF3であり、
5は、H、F、OCF3、又はCF3であり、
6は、F、又はCF3であり、
7は、H、又はFであり、
8は、H、又はFであり、
9はHである、
請求項2に記載の化合物、並びに、これらの溶媒和物、水和物、エステル、及び医薬上許容される塩。
【請求項4】
式中、
Aが、フェニル又はピリジル、あるいはAが、R3、R4、及びR5と共に、以下からなる群から選択され、
【化5】

1は、H、−CH2CH(CH32、及び2−メチル1−プロペン−3−イルからなる群から選択され、
Xは直接結合、又は−NR2−であり、
式中、R2は、−CH2CH(CH32、−CH2CH2CH(CH32、及びエチルからなる群から選択されるアルキルからなる群から選択され、前記エチルは、シクロヘキシル又はピペリジニルで置換され、
3は、CF3、F、OCF3、OCH3、CH3、イソプロピル、第三ブチル、−OCH2CH(CH32、又は−SO2CH3であり、
4は、H、F、又はCF3であり、
5は、H、又はFであり、
6は、CF3であり、
7はHであり、
8はHである、
請求項3に記載の化合物、並びに、これらの溶媒和物、水和物、エステル、及び医薬上許容される塩。
【請求項5】
式中、
Aが、R3、R4、及びR5と共に、以下からなる群から選択される、
【化6】

請求項4に記載の化合物、並びに、これらの溶媒和物、水和物、エステル、及び医薬上許容される塩。
【請求項6】
【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

からなる群から選択される化合物、並びに、これらの溶媒和物、水和物、エステル、及び医薬上許容される塩。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物を不活性の担体との混合物として含む医薬組成物。
【請求項8】
γ−セクレターゼの調節に関して哺乳動物を治療するための方法であって、前記哺乳動物に請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物の治療上の有効量を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項9】
哺乳動物におけるAβ42の産生レベルの上昇を伴う疾患を治療するための方法であって、前記哺乳動物に請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物の治療上の有効量を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項10】
前記疾患がアルツハイマー病である、請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2011−529059(P2011−529059A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520128(P2011−520128)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/051211
【国際公開番号】WO2010/011626
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】