説明

ω−フェニルオクタンアミド

一般式(I)の化合物[式中、置換基R、R、R、R、R、R、及びRは、各々、請求項1において定義される通りである]は、レニン阻害特性を有しており、医薬として使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のアルカンアミド、それらの調製の方法、及び医薬、特に、レニン阻害剤としての化合物の使用に関する。
【0002】
医薬品として使用するためのアルカンアミドは、例えば、EP0678503より既知である。しかしながら、特にレニン阻害に関しては、高度に強力な活性成分が依然として必要とされている。これに関しては、薬物動態学的特性の改善が最も重要である。より良好な生物学的利用能に向けられたこれらの特性は、例えば、吸収、代謝的安定性、溶解度、又は親油性である。
【0003】
従って、本発明は、一般式:
【化4】


[式中、
は、場合により置換されたアリールであり;
は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、もしくはC−C−シクロアルキルであるか、又は各々非置換であるか、もしくはC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシル、C−C−アルキルアミノ、N,N−ジ−C−C−アルキルアミノ、ハロゲン、及び/もしくはトリフルオロメチルにより一、二、もしくは三置換された、フェニル−もしくはナフチル−C−C−アルキルであり;
は、水素、C−C−アルキル、又はC−C−アルカノイルであり;
は、水素、C−C−アルキル、又はC−C−アルカノイルであり;
は、各々独立に、水素、C−C−アルキル、又はそれらが結合している炭素原子と共に、C−C−シクロアルキリデン基であり;
は、水素又はヒドロキシルであり;
Rは、各々独立に、以下より選択される1〜4個の基である:
水素、ハロゲン、C−C−アルキル、3〜8員シクロアルキル、ポリハロ−C−C−アルキル、ポリハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、3〜8員シクロアルコキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシル、C−C−アルカノイルオキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−アルカンスルホニル−C−C−アルキル、チアゾリルチオ−C−C−アルキル、チアゾリニルチオ−C−C−アルキル、イミダゾリルチオ−C−C−アルキル、場合によりN酸化されたピリジルチオ−C−C−アルキル、ピリミジニルチオ−C−C−アルキル、場合により部分的に水素化されたピリジル−もしくはN−オキシドピリジル−C−C−アルキル、C−C−アルカンスルホニルアミノ−C−C−アルキル、トリフルオロ−C−C−アルカンスルホニルアミノ−C−C−アルキル、ピロリジノ−C−C−アルキル、ピペリジノ−C−C−アルキル、ピペラジノ−C−C−アルキル、N’−C−C−アルキルピペラジノ−C−C−アルキル、N’−C−C−アルカノイルピペラジノ−C−C−アルキル、モルホリノ−C−C−アルキル、チオモルホリノ−C−C−アルキル、S−オキソチオモルホリノ−C−C−アルキル、S,S−ジオキソチオモルホリノ−C−C−アルキル、シアノ−C−C−アルキル、カルボキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル−C−C−アルキル、カルバモイル−C−C−アルキル、N−モノ−もしくはN,N−ジ−C−C−アルキルカルバモイル−C−C−アルキル、場合によりC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ハロゲン、及び/もしくはトリフルオロメチルにより一、二、もしくは三置換されたフェニル、場合によりC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ハロゲン、及び/もしくはトリフルオロメチルにより一、二、もしくは三置換されたナフチル、ヒドロキシ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−(ヒドロキシ)アルコキシ、C−C−アルカンスルホニル−C−C−(ヒドロキシ)アルコキシ、アミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキル、N,N−ジ−C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキル、N−C−C−アルカノイルアミノ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニルアミノ−C−C−アルキル、アミノ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ−C−C−アルコキシ、N,N−ジ−C−C−アルキルアミノ−C−C−アルコキシ、C−C−アルカノイルアミノ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ−C−C−アルコキシ、α位より高い位置にアルカノイル基を保持しているC−C−アルカノイル−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ、3〜8員シクロアルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、3〜8員シクロアルコキシ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルケニル、C−C−アルケニルオキシ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルケニルオキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルコキシ、C−C−アルカンスルホニル−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ−C−C−(ヒドロキシ)アルコキシ、場合によりC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ハロゲン、及び/もしくはトリフルオロメチルにより一、二、もしくは三置換されたフェニル−C−C−アルコキシ、場合によりC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ハロゲン、及び/もしくはトリフルオロメチルにより一、二、もしくは三置換されたナフチル−C−C−アルコキシ(各々、非置換であるか、又はC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ハロゲン、及び/もしくはトリフルオロメチルにより一、二、もしくは三置換されている)、ポリハロ−C−C−アルコキシ、場合により部分的に水素化されたピリジル−もしくはN−オキシドピリジル−C−C−アルコキシ、チアゾリル−C−C−アルコキシ、場合によりN酸化されたモルホリノ−C−C−アルコキシ、チアゾリルチオ−C−C−アルコキシ、チアゾリニルチオ−C−C−アルコキシ、イミダゾリルチオ−C−C−アルコキシ、場合によりN酸化されたピリジルチオ−C−C−アルコキシ、ピリミジニルチオ−C−C−アルコキシ、C−C−アルカンスルホニルアミノ−C−C−アルコキシ、トリフルオロ−C−C−アルカンスルホニル−C−C−アルコキシ、ピロリジノ−C−C−アルコキシ、ピペリジノ−C−C−アルコキシ、シアノ−C−C−アルコキシ、カルボキシ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル−C−C−アルコキシ、カルバモイル−C−C−アルコキシ、N−C−C−アルキルカルバモイル−C−C−アルコキシ、N−モノ−もしくはN,N−ジ−C−C−アルキルカルバモイル−C−C−アルコキシ、カルボキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル−C−C−アルキル、カルバモイル−C−C−アルキル、N−モノ−もしくはN,N−ジ−C−C−アルキルカルバモイル−C−C−アルキル、カルボキシ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル−C−C−アルコキシ、カルバモイル−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、又はN,N−ジ−C−C−−アルキルアミノ]の化合物、及びその塩、特に、医薬的に使用可能な塩を提供する。
【0004】
アリールは、一般に、6〜14個、好ましくは6〜10個の炭素原子を含有しており、例えば、フェニル、インデニル、例えば、2−もしくは4−インデニル、又はナフチル、例えば、1−もしくは2−ナフチルである。好ましいのは、6〜10個の炭素原子を有するアリール、特に、フェニル又は1−もしくは2−ナフチルである。前述の基は、非置換であってもよいし、又は、例えば、C−C−アルキル、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、C−C−アルキルアミノ、N,N−ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニル−アミノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、場合によりN−モノ−もしくはN,N−ジ−C−C−アルキル化されたカルバモイル、場合によりエステル化されたカルボキシル、アリール、もしくはヘテロシクリルにより一置換もしくは多置換、例えば、一置換もしくは二置換されていてもよく、置換基は任意の位置、例えば、フェニル基のo、m、もしくはp位、又は1−もしくは2−ナフチル基の3もしくは4位に存在することが可能であり、複数の同一の又は異なる置換基が存在することも可能である。C−Cアルキレンジオキシ基を有する、6〜10個の炭素原子を有するアリール、特に、フェニル又は1−もしくは2−ナフチルも、同様に好ましい。
【0005】
ヘテロシクリルは、一般に、好ましくは1個の環窒素原子及び酸素、硫黄、又は窒素より選択される1個のさらなる環ヘテロ原子を含有しているヘテロシクリル環内に5〜7個の環原子を含有している。ヘテロシクリルは、例えば、ピリジニル又はイミダゾリルである。ヘテロシクリルは、非置換であってもよいし、又はC−C−アルキル、ハロゲン、オキシド、シアノ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、オキソ、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、場合によりN−モノ−もしくはN,N−ジ−C−C−アルキル化されたカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、アリール、もしくはヘテロシクリルにより一もしくは多置換、例えば、一もしくは二置換されていてもよい。
【0006】
窒素複素環の場合、ヘテロシクリル基は、窒素又は環炭素のいずれかを介して結合し得る。
【0007】
ハロゲンは、例えば、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素、好ましくは、フッ素及び塩素である。
【0008】
ポリハロ−C−C−アルキルは、例えば、フルオロメチル又はトリフルオロメチルのような、モノ−、ジ−、トリ−、又はテトラハロ−C−C−アルキルである。
【0009】
ポリハロ−C−C−アルコキシは、例えば、トリフルオロメトキシのような、モノ−、ジ−、トリ−、又はテトラハロ−C−C−アルコキシである。
【0010】
3〜8員シクロアルコキシは、好ましくは、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、及びシクロヘキシルオキシのような3、5、又は6員のシクロアルコキシである。
【0011】
3〜8員シクロアルキルは、好ましくは、シクロプロピル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルのような3、5、又は6員のシクロアルキルである。
【0012】
−C−シクロアルキル−C−Cアルキルは、例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルエチル、及びシクロヘキシルエチルのような、シクロプロピル−C−C−アルキル、シクロブチル−C−C−アルキル、シクロペンチル−C−C−アルキル、又はシクロヘキシル−C−C−アルキルである。
【0013】
アミノ−C−C−アルコキシは、例えば、2−アミノエトキシ、3−アミノプロピルオキシ、又は4−アミノブチルオキシである。
【0014】
アミノ−C−C−アルキルは、例えば、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、又は4−アミノブチルである。
【0015】
カルバモイル−C−C−アルキルは、例えば、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、3−カルバモイル−プロピル、2−(3−カルバモイル)プロピル、2−カルバモイルプロピル、3−(1−カルバモイル)プロピル、2−(2−カルバモイル)−プロピル、2−カルバモイル−2−メチルプロピル、4−カルバモイルブチル、1−カルバモイルブチル、1−(1−カルバモイル−2−メチル)ブチル、3−(4−カルバモイル−2−メチル)ブチルである。
【0016】
カルボキシ−C−C−アルコキシは、例えば、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、2−もしくは3−カルボキシプロピルオキシ、又は4−カルボキシブチルオキシ、特に、カルボキシメトキシである。
【0017】
カルボキシ−C−C−アルキルは、例えば、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、2−もしくは3−カルボキシプロピル、2−カルボキシ−2−メチルプロピル、又は4−カルボキシブチル、特に、カルボキシメチルである。
【0018】
シアノ−C−C−アルコキシは、例えば、シアノメトキシ、2−シアノエトキシ、2−もしくは3−シアノプロピルオキシ、又は4−シアノブチルオキシ、特に、シアノメトキシである。
【0019】
シアノ−C−C−アルキルは、例えば、シアノメチル、2−シアノエチル、2−もしくは3−シアノプロピル、2−シアノ−2−メチルプロピル、又は4−シアノブチル、特に、シアノメチルである。
【0020】
N,N−ジ−C−C−アルキルアミノは、例えば、ジメチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、ジエチルアミノ、N−メチル−N−プロピルアミノ、又はN−ブチル−N−メチルアミノである。
【0021】
N,N−ジ−C−C−アルキルアミノ−C−C−アルコキシは、2−ジメチルアミノエトキシ、3−ジメチルアミノプロピルオキシ、4−ジメチルアミノブチルオキシ、2−ジエチルアミノエトキシ、2−(N−メチル−N−エチルアミノ)エトキシ、又は2−(N−ブチル−N−メチルアミノ)エトキシである。
【0022】
N,N−ジ−C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキルは、例えば、2−ジメチルアミノエチル、3−ジメチル−アミノプロピル、4−ジメチルアミノブチル、2−ジエチルアミノエチル、2−(N−メチル−N−エチルアミノ)エチル、又は2−(N−ブチル−N−メチルアミノ)エチルである。
【0023】
N,N−ジ−C−C−アルキルカルバモイル−C−C−アルコキシは、例えば、N−メチル−、N−ブチル−、もしくはN,N−ジメチルカルバモイルメトキシ、2−(N−メチルカルバモイル)エトキシ、2−(N−ブチルカルバモイル)エトキシ、2−(N,N−ジメチルカルバモイル)エトキシ、3−(N−メチルカルバモイル)プロピルオキシ、3−(N−ブチルカルバモイル)プロピルオキシ、3−(N,N−ジメチル−カルバモイル)プロピルオキシ、又は4−(N−メチルカルバモイル)ブチルオキシ、4−(N−ブチルカルバモイル)ブチルオキシ、又は4−(N,N−ジメチルカルバモイル)ブチルオキシのようなメチル−又はジメチルカルバモイル−C−C−アルコキシ、特に、N−メチル、N−ブチル−、もしくはN,N−ジメチルカルバモイルメトキシである。
【0024】
N,N−ジ−C−C−アルキルカルバモイル−C−C−アルキルは、例えば、2−ジメチルカルバモイルエチル、3−ジメチルカルバモイルプロピル、2−ジメチルカルバモイルプロピル、2−(ジメチルカルバモイル)−2−メチルプロピル、又は2−(1−ジメチルカルバモイル)ブチルである。
【0025】
場合により部分的に水素化されたピリジル−又はN−オキシドピリジル−C−C−アルコキシは、例えば、ピリジル−もしくはN−オキシドピリジルメトキシ、2−ピリジルエトキシ、2−もしくは3−ピリジルプロピルオキシ、又は4−ピリジルブチルオキシ、特に、3−もしくは4−ピリジルメトキシである。
【0026】
場合により部分的に水素化されたピリジル−又はN−オキシドピリジル−C−C−アルキルは、例えば、ピリジル−もしくはN−オキシドピリジルメチル、2−ピリジルエチル、2−もしくは3−ピリジルプロピル、又は4−ピリジルブチル、特に、3−もしくは4−ピリジルメチルである。
【0027】
ハロ−C−C−(ヒドロキシ)アルコキシは、例えば、3−ハロ−又は3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルオキシのようなハロ−C−C−(ヒドロキシ)アルコキシである。
【0028】
ヒドロキシ−C−C−アルコキシは、例えば、2−ヒドロキシブチルオキシ、3−ヒドロキシプロピルオキシ、又は4−ヒドロキシブチルオキシのようなヒドロキシ−C−C−アルコキシである。
【0029】
ヒドロキシ−C−C−アルキルは、例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−プロピル、又は4−ヒドロキシブチルのようなヒドロキシ−C−C−アルキルである。
【0030】
モルホリノ−C−C−アルコキシは、N酸化されていてもよく、例えば、1−モルホリノエトキシ、3−モルホリノプロピルオキシ、又は1−(モルホリノ−2−メチル)プロピルオキシである。
【0031】
モルホリノ−C−C−アルキルは、N酸化されていてもよく、例えば、モルホリノメチル、2−モルホリノエチル、3−モルホリノプロピル、又は1−もしくは2−(4−モルホリノ)ブチルである。
【0032】
−C−アルカノイルは、特に、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、又はピバロイルのようなC−Cアルカノイルである。
【0033】
N−C−C−アルカノイルアミノ−C−C−アルキルは、例えば、2−アセトアミノエチルである。
【0034】
−C−アルカノイル−C−C−アルコキシ(オキソ−C−C−アルコキシ)は、α位より高い位置にC−C−アルカノイル基を保持しており、例えば、4−アセチルブトキシである。
【0035】
−C−アルカノイルオキシ−C−C−アルキルは、α位より高い位置にC−C−アルカノイルオキシ基を保持しており、例えば、4−アセトキシブチルである。
【0036】
−C−アルカンスルホニル−C−C−(ヒドロキシ)アルコキシは、例えば、3−メタンスルホニル−2−ヒドロキシプロピルオキシである。
【0037】
−C−アルカンスルホニル−C−C−アルコキシは、例えば、メタンスルホニルメトキシ又は3−メタンスルホニル−2−ヒドロキシプロピルオキシである。
【0038】
−C−アルカンスルホニルアミノ−C−C−アルコキシは、例えば、エタンスルホニルアミノメトキシ、2−エタンスルホニルアミノエトキシ、3−エタンスルホニルアミノプロピルオキシ、又は3−(1,1−ジメチルエタン−スルホニルアミノ)プロピルオキシである。
【0039】
−C−アルカンスルホニルアミノ−C−C−アルキルは、例えば、エタンスルホニルアミノメチル、2−エタンスルホニルアミノエチル、3−エタンスルホニルアミノプロピル、又は3−(1,1−ジメチルエタン−スルホニルアミノ)プロピルである。
【0040】
−C−アルカンスルホニル−C−C−アルキルは、例えば、エタンスルホニルメチル、2−エタン−スルホニルエチル、3−エタンスルホニルプロピル、又は3−(1,1−ジメチルエタンスルホニル)プロピルである。
【0041】
−C−アルケニルオキシは、例えば、アリルオキシである。
【0042】
−C−アルケニルオキシ−C−C−アルコキシは、例えば、アリルオキシメトキシである。
【0043】
−C−アルケニルオキシ−C−C−アルキルは、例えば、アリルオキシメチルである。
【0044】
−C−アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、又はペンチルオキシのようなC−C−アルコキシであるが、ヘキシルオキシ又はヘプチルオキシ基であってもよい。
【0045】
−C−アルコキシカルボニルは、好ましくは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、sec−ブチルオキシカルボニル、又はtert−ブチルオキシカルボニルのようなC−C−アルコキシカルボニルである。
【0046】
−C−アルコキシカルボニルアミノ−C−C−アルコキシは、好ましくは、メトキシカルボニルアミノ−C−C−アルコキシ、エトキシカルボニルアミノ−C−C−アルコキシ、プロピルオキシカルボニルアミノ−C−C−アルコキシ、イソプロピルオキシカルボニルアミノ−C−C−アルコキシ、ブチルオキシカルボニルアミノ−C−C−アルコキシ、イソブチルオキシカルボニルアミノ−C−C−アルコキシ、sec−ブチルオキシカルボニルアミノ−C−C−アルコキシ、又はtert−ブチルオキシカルボニルアミノ−C−C−アルコキシのようなC−C−アルコキシカルボニルアミノ−C−C−アルコキシであり、ここで、C−C−アルコキシは、例えば、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、又はヘキシルオキシである。
【0047】
−C−アルコキシカルボニルアミノ−C−C−アルキルは、好ましくは、メトキシカルボニルアミノ−C−C−アルキル、エトキシカルボニルアミノ−C−C−アルキル、プロピルオキシカルボニルアミノ−C−C−アルキル、イソプロピルオキシカルボニルアミノ−C−C−アルキル、ブチルオキシカルボニルアミノ−C−C−アルキル、イソブチルオキシカルボニルアミノ−C−C−アルキル、sec−ブチルオキシカルボニルアミノ−C−C−アルキル、又はtert−ブチルオキシカルボニルアミノ−C−C−アルキルのようなC−C−アルコキシカルボニルアミノ−C−C−アルキルであり、ここで、C−C−アルキルは、例えば、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、又はヘキシルである。
【0048】
−C−アルコキシカルボニル−C−C−アルコキシは、例えば、メトキシカルボニル−もしくはエトキシカルボニルメトキシ、2−メトキシカルボニル−もしくは2−エトキシカルボニルエトキシ、2−もしくは3−メトキシカルボニル−もしくは2−もしくは3−エトキシカルボニルプロピルオキシ、又は4−メトキシカルボニル−もしくは4−エトキシカルボニルブチルオキシ、特に、メトキシカルボニル−もしくはエトキシカルボニルメトキシ、又は3−メトキシカルボニル−もしくは3−エトキシカルボニルプロピルオキシである。
【0049】
−C−アルコキシカルボニル−C−C−アルキルは、例えば、メトキシカルボニル−もしくはエトキシカルボニルメチル、2−メトキシカルボニル−もしくは2−エトキシカルボニルエチル、3−メトキシカルボニル−もしくは3−エトキシカルボニルプロピル、又は4−エトキシカルボニルブチルである。
【0050】
−C−アルコキシ−C−C−アルケニルは、例えば、4−メトキシブタ−2−エニルである。
【0051】
−C−アルコキシ−C−C−アルコキシは、例えば、2−メトキシ−、2−エトキシ−、又は2−プロピルオキシエトキシ、3−メトキシ−もしくは3−エトキシプロピルオキシ、又は4−メトキシブチルオキシ、特に、3−メトキシプロピルオキシ又は4−メトキシブチルオキシである。
【0052】
−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキルは、例えば、2−メトキシ−、2−エトキシ、もしくは2−プロピルオキシエトキシメチル、2−(2−メトキシ、2−エトキシ−、もしくは2−プロピルオキシエトキシ)エチル、3−(3−メトキシ−もしくは3−エトキシプロピルオキシ)プロピル、又は4−(2−メトキシブチルオキシ)ブチル、特に、2−(3−メトキシプロピルオキシ)エチル又は2−(4−メトキシブチルオキシ)エチルである。
【0053】
−C−アルコキシ−C−C−アルキルは、例えば、エトキシメチル、プロピルオキシメチル、ブチルオキシメチル、2−メトキシ−、2−エトキシ−、もしくは2−プロピルオキシエチル、3−メトキシ−もしくは3−エトキシプロピル、又は4−メトキシブチル、特に、3−メトキシプロピル又は4−メトキシブチルである。
【0054】
−C−アルキルは、直鎖又は分枝鎖であってよく、かつ/又は架橋されていてもよく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、又はペンチル、ヘキシル、もしくはヘプチル基である。
【0055】
−C−アルケニルは、直鎖又は分枝鎖であってよく、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、又はペンテニル、ヘキセニル、もしくはヘプテニル基である。
【0056】
−C−アルキニルは、直鎖又は分枝鎖であってよく、例えば、エチニル、1−プロピニル、3−プロピニル、1−ブチニル、3−ブチニル、4−ブチニル、又はペンチニルもしくはヘキシニル基である。
【0057】
−C−アルキルアミノは、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、又はブチルアミノである。
【0058】
−C−アルキルアミノ−C−C−アルコキシは、例えば、プロピルアミノメトキシ、2−メチルアミノ−、2−エチルアミノ−、2−プロピルアミノ−、もしくは2−ブチルアミノエトキシ、3−エチルアミノ−もしくは3−プロピルアミノプロピルオキシ、又は4−メチルアミノブトキシである。
【0059】
−C−アルキルアミノ−C−C−アルキルは、例えば、プロピルアミノメチル、2−メチルアミノ−、2−エチルアミノ−、2−プロピルアミノ−、もしくは2−ブチルアミノエチル、3−エチルアミノ−もしくは3−プロピルアミノプロピル、又は4−メチルアミノブチルである。
【0060】
N−C−C−アルキルカルバモイル−C−C−アルコキシは、例えば、メチル−もしくはジメチルカルバモイル−C−C−アルコキシ、例えば、メチルカルバモイルメトキシ、2−メチルカルバモイルエトキシ、又は3−メチルカルバモイル−プロピルオキシである。
【0061】
−C−アルキルカルボニルアミノは、例えば、カルボニルアミノ、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、又はプロピルカルボニルアミノである。
【0062】
−C−アルキレンジオキシは、例えば、メチレンジオキシ又はエチレンジオキシであるが、1,3−又は1,2−プロピレンジオキシであってもよい。
【0063】
−C−アルキルチオ−C−C−(ヒドロキシ)アルコキシは、例えば、2−ヒドロキシ−3−メチルチオプロピルオキシである。
【0064】
−C−アルキルチオ−C−C−アルコキシは、例えば、メチルチオ−C−C−アルコキシ、例えば、メチルチオ−メトキシ、2−メチルチオエトキシ、又は3−メチルチオプロピルオキシである。
【0065】
−C−アルキルチオ−C−C−アルキルは、例えば、メチルチオ−C−C−アルキル、例えば、メチルチオメチル、2−メチルチオエチル、又は3−メチルチオプロピルである。
【0066】
N’−C−C−アルカノイルピペラジノ−C−C−アルキルは、例えば、4−アセチルピペラジノメチルである。
【0067】
N’−C−C−アルキルピペラジノ−C−C−アルキルは、4−メチルピペラジノメチルである。
【0068】
ピペラジノ−C−C−アルキルは、例えば、ピペラジノメチル、2−ピペラジノエチル、又は3−ピペラジノプロピルである。
【0069】
ピペリジノ−C−C−アルコキシは、例えば、ピペリジノメトキシ、2−ピペリジノエトキシ、又は3−ピペリジノプロピルオキシである。
【0070】
ピペリジノ−C−C−アルキルは、例えば、ピペリジノメチル、2−ピペリジノエチル、又は3−ピペリジノプロピルである。
【0071】
ピロリジノ−C−C−アルコキシは、例えば、2−ピロリジノエトキシ又は3−ピロリジノプロピルオキシである。
【0072】
ピロリジノ−C−C−アルキルは、例えば、ピロリジノメチル、2−ピロリジノエチル、又は3−ピロリジノプロピルのようなピロリジノ−C−C−アルキルである。
【0073】
S,S−ジオキソチオモルホリノ−C−C−アルキルは、例えば、S,S−ジオキソチオモルホリノメチル又は2−(S,S−ジオキソ)チオモルホリノエチルである。
【0074】
S−オキソチオモルホリノ−C−C−アルキルは、例えば、S−オキソチオモルホリノメチル又は2−(S−オキソ)チオモルホリノエチルである。
【0075】
チアゾリル−C−C−アルコキシは、例えば、チアゾリルメトキシ、2−チアゾリルエトキシ、又は3−チアゾリルプロピルオキシである。
【0076】
チオモルホリノ−C−C−アルキル又はS,S−ジオキソチオモルホリノ−C−C−アルキルは、例えば、チオモルホリノ−C−C−アルキル、例えば、−メチルもしくは−エチル、又はS,S−ジオキソチオモルホリノ−C−C−アルキル、例えば、−メチルもしくは−エチルである。
【0077】
場合によりN−モノ−又はN,N−ジ−C−C−アルキル化されたカルバモイルは、例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、又はプロピルカルバモイルである。
【0078】
場合によりエステル化されたカルボキシルは、例えば、カルボキシル、又はC−C−アルコキシカルボニルのようなC−C−アルキルによりエステル化されたカルボキシルである。
【0079】
不斉炭素原子の存在に依って、本発明の化合物は、異性体混合物の形態で、特に、ラセミ化合物として、又は純粋な異性体、特に、光学対掌体の形態で存在し得る。本発明はこれらの形態を全て包含する。ジアステレオマー混合物、ジアステレオマーラセミ化合物、又はジアステレオマーラセミ化合物の混合物は、慣習的な方法により、例えば、カラムクロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ、HPLC等により分離され得る。
【0080】
塩形成基を有する化合物の塩は、特に、酸付加塩、塩基との塩であり、又は複数の塩形成基が存在する場合には、混合塩もしくは内部塩であってもよい。
【0081】
塩は、主に、式(I)の化合物の医薬的に使用可能な又は非毒性の塩である。そのような塩は、例えば、酸性基、例えば、カルボキシル又はスルホ基を有する式(I)の化合物から形成され、例えば、元素の周期表のIa、Ib、IIa、及びIIb族の金属から誘導される非毒性の金属塩のような、適切な塩基との塩であり、例えば、アルカリ金属塩(特に、リチウム、ナトリウム、もしくはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウムもしくはカルシウム塩)、及び亜鉛塩又はアンモニウム塩であり、場合によりヒドロキシ置換されたモノ−、ジ−、もしくはトリアルキルアミン(特に、モノ−、ジ−、もしくはトリ(低級アルキル)アミン)のような有機アミン、又は第四級アンモニウム塩基、例えば、メチル−、エチル−、ジエチル−、もしくはトリエチルアミン、エタノール−、ジエタノール−、もしくはトリエタノールアミンのようなモノ−、ビス−、もしくはトリス(2−ヒドロキシ(低級アルキル))アミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、又は2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミンのようなN,N−ジ(低級アルキル)−N−(ヒドロキシ(低級アルキル))アミン、又はN−メチル−D−グルカミン、又はテトラブチルアンモニウムヒドロキシドのような第四級アンモニウムヒドロキシドにより形成された塩を含む。塩基性基、例えば、アミノ基を有する式Iの化合物は、例えば、適切な無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸のようなハロゲン化水素酸、一つもしくは両方のプロトンの置換を有する硫酸、一つ以上のプロトンの置換を有するリン酸(例えば、オルトリン酸もしくはメタリン酸)、もしくは一つ以上のプロトンの置換を有するピロリン酸、又は有機のカルボン酸、スルホン酸、スルホ(sulpho)酸、もしくはホスホン酸、もしくはN置換スルファミン酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルカル酸、グルクロン酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、サリチル酸、4−アミノサルチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、エンボン(embonic)酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、及びアミノ酸、例えば、上述のα−アミノ酸、及びメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、2−もしくたは3−ホスホグリセレート、グルコース−6−ホスフェート、N−シクロヘキシルスルファミン酸(シクラメートの形成により)、又はアスコルビン酸のようなその他の酸性有機化合物と共に酸付加塩を形成し得る。酸性基及び塩基性基を有する式(I)の化合物は、内部塩を形成してもよい。
【0082】
単離及び精製のため、医薬的に不適切な塩も、有用であり得る。
【0083】
式(I)の化合物には、1個以上の原子がそれらの安定な非放射性同位体に交換された化合物;例えば、水素原子が重水素に交換された化合物が含まれる。
【0084】
本明細書中に記載された化合物のプロドラッグ誘導体は、in vivo適用の際に、化学的又は生理学的な過程によって元の化合物を放出する誘導体である。プロドラッグは、例えば、生理学的なpHが達成された場合に、又は酵素的変換により、元の化合物に変換され得る。プロドラッグ誘導体は、例えば、自由に入手可能なカルボン酸のエステル、チオール、アルコール、又はフェノールのS−及びO−アシル誘導体であってよく、アシル基は、本明細書中に定義された通りである。好ましいのは、生理学的媒体中での加溶媒分解によって元のカルボン酸に変換される医薬的に使用可能なエステル誘導体、例えば、低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、低級アルケニルエステル、ベンジルエステル、低級ω−(アミノ、モノ−もしくはジアルキルアミノ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル)アルキルエステル、又は低級α−(アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニル、もしくはジアルキルアミノカルボニル)アルキルエステルのような一又は二置換された低級アルキルエステルであり;そのようなものとして、ピバロイルオキシメチルエステル及び類似のエステルが、従来の様式で利用される。
【0085】
遊離化合物とプロドラッグ誘導体と塩化合物との密接な関係のため、可能であり、かつ適切である場合には、本発明におけるある種の化合物には、プロドラッグ誘導体及び塩形態も包含される。
【0086】
下記の化合物群は、閉鎖的なものとは見なされず、これらの化合物群の一部は、例えば、一般的な定義をより具体的な定義に交換するため、相互に、又は上に与えられた定義もしくは常識的な方法で省略された定義と交換され得る。
【0087】
本発明は、好ましくは、
が、場合によりC−C−アルキル、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、C−C−アルキルアミノ、N,N−ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルカルボニル−アミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、場合によりN−モノ−もしくはN,N−ジ−C−C−アルキル化されたカルバモイル、場合によりエステル化されたカルボキシル、アリール、又はヘテロシクリルにより一置換又は多置換されたアリールであり、
が、C−C−アルキルであり;Rが、水素であり;
が、水素であり;
が、各々独立に、水素又はC−C−アルキルであり;
が、水素であり;
Rが、各々独立に、水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、及びC−C−アルコキシ−C−C−アルコキシより選択される1〜4個の基である、式(I)の化合物;並びにそれらの医薬的に使用可能な塩に関する。
【0088】
が、C−C−アルキレンジオキシにより置換されたアリールであり;
が、C−C−アルキルであり;
が、水素であり;
が、水素であり;
が、各々独立に、水素又はC−C−アルキルであり;
が、水素であり;
Rが、各々独立に、水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、及びC−C−アルコキシ−C−C−アルコキシより選択される1〜4個の基である、式(I)の化合物;並びにそれらの医薬的に使用可能な塩も、同様に好ましい。
【0089】
が、C−C−アルキルであり;
が、水素であり;
が、水素であり;
が、各々独立に、水素又はC−C−アルキルであり;
が、水素であり;かつ
Rが、各々独立に、水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、及びC−C−アルコキシ−C−C−アルコキシより選択される1〜4個の基である、式(I)の化合物も、同様に好ましい。
【0090】
がC−C−アルキルである式(I)の化合物も、同様に好ましい。
【0091】
が水素である式(I)の化合物も、同様に好ましい。
【0092】
が水素である式(I)の化合物も、同様に好ましい。
【0093】
が、各々独立に、水素又はC−C−アルキルである式(I)の化合物も、同様に好ましく、特に好ましくは、1つのR基は水素であり、かつ1つのR基はC−C−アルキルである。
【0094】
が水素である式(I)の化合物も、同様に好ましい。
【0095】
Rが、各々独立に、以下より選択される1〜4個の基である式(I)の化合物も、同様に好ましい:
水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、及びC−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ。
【0096】
本発明は、さらに好ましくは、式:
【化5】


[式中、
、R、R、R、R、及びRは、各々、式(I)の化合物について定義された通りであり、かつR’及びR’’は、各々独立に、式(I)の化合物についてRについて定義された通りであり、好ましくは、水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、及びC−C−アルコキシ−C−C−アルコキシである]の化合物に関する。
【0097】
各々の場合において、特に好ましいのは、主鎖の少なくとも1個の不斉炭素原子、例えば、1、2、3、又は好ましくは4個全ての不斉炭素原子が、式(IA)に示される立体化学(各々「S」)を有する式(I)の化合物(置換基は各々、上で定義された通りである)、及びそれらの医薬的に使用可能な塩である。
【化6】

【0098】
式(I)又は式(IA)の化合物は、文献の調製法(WO2002/008172及びWO2002/002508又はそれらに引用された文献を参照のこと)(スキーム)と同様にして調製され得る。
【化7】

【0099】
具体的な調製法の変形の詳細は、実施例より得られ得る。
【0100】
式(I)の化合物は、光学的に純粋な形態でも調製され得る。対掌体への分離は、それ自体既知の方法によって、好ましくは、合成の初期段階で、光学的に活性な酸、例えば、(+)−もしくは(−)−マンデル酸との塩を形成させ、分別結晶によってジアステレオマー塩を分離することにより、又は、好ましくは、むしろ後の段階で、キラル補助基ビルディングブロック、例えば、(+)−もしくは(−)−カンファノイルクロリドにより誘導体化し、クロマトグラフィ及び/もしくは結晶化によってジアステレオマー生成物を分離し、その後、キラル補助基との結合を切断することにより、達成され得る。存在する化合物の絶対配置を決定するためには、純粋なジアステレオマー塩及び誘導体を、通常の分光学的方法により分析してもよく、その中でも、単結晶に対するX線分光法は、特に適切な方法を構成する。
【0101】
式(I)又は式(IA)の化合物及びそれらの医薬的に使用可能な塩は、天然酵素レニンに対する阻害作用を有する。後者は、腎臓から血中へ移動し、そこで、アンジオテンシノーゲンを切断してデカペプチド、アンジオテンシンIを形成させ、次いで、それが肺、腎臓、及び他の器官においてオクタペプチド、アンジオテンシンIIへと切断される。アンジオテンシンIIは、動脈の狭窄によって直接的にも血圧を増加させるし、細胞外液量の上昇に関連している副腎からのナトリウムイオンの放出を阻害するホルモン、アルドステロンの放出によって間接的にも血圧を増加させる。この上昇は、アンジオテンシンII自体、又は切断産物としてそれから形成されたヘプタペプチド、アンジオテンシンIIIの作用に起因し得る。レニンの酵素活性の阻害剤は、アンジオテンシンIの形成を低下させ、その結果として、より少量のアンジオテンシンIIを形成させる。この活性ペプチドホルモンの低下した濃度が、レニン阻害剤の血圧降下作用の直接の原因である。
【0102】
レニン阻害剤の作用を検出する一つの実験的方法は、異なる系(ヒト血漿、合成又は天然のレニン基質と一緒の精製されたヒトレニン)においてアンジオテンシンIの形成の低下が測定されるin vitro試験による。使用される一つのin vitro試験は、以下のような、Nussberger et al.(1987)J.Cardiovascular Pharmacol.,Vol.9,p.39−44によるものである。この試験は、ヒト血漿中のアンジオテンシンIの形成を測定する。形成されたアンジオテンシンIの量は、その後のラジオイムノアッセイにおいて決定される。阻害剤がアンジオテンシンIの形成に対してどのような作用を有するかが、異なる濃度のこれらの物質の添加によって、この系において試験される。IC50とは、アンジオテンシンIの形成を50%低下させる特定の阻害剤の濃度をさす。本発明の化合物は、約10−6〜約10−10mol/lの最小濃度で、in vitro系において阻害作用を示す。
【0103】
塩枯渇動物において、レニン阻害剤は、血圧を減少させる。ヒトレニンは、他の種のレニンと異なる。ヒト及び霊長類のレニンは、酵素的に活性な領域において実質的に相同であるため、ヒトレニンの阻害剤を試験するためには、霊長類(マーモセット、Callithrixjacchus)が使用される。使用される一つのin vivo試験は、以下の通りである:自由に通常のケージ内を移動し得る、意識のある、両性の、約350gの体重を有する正常血圧マーモセットにおいて、試験化合物が試験される。血圧及び心拍数が下行大動脈のカテーテルを使用して測定され、放射測定により記録される。1週間の減塩食と、フロセミド(5−(アミノスルホニル)−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸)(5mg/kg)の単回筋肉内注射との組み合わせによって、内因性のレニンの放出が刺激される。フロセミドの注射から16時間後、試験物質が、懸濁物又は溶液として、注射カニューレによって大腿動脈へと直接にか、又は腸管栄養によって胃へと直接に投与され、血圧及び心拍数に対するそれらの効果が評価される。本発明の化合物は、約0.003〜約0.3mg/kg(i.v.)の用量で、そして約0.3〜約30mg/kg(p.o.)の用量で、記載されたin vivo試験において効果的に血圧を低下させる。
【0104】
式(I)の化合物、又は好ましくは式(IA)の化合物及びそれらの医薬的に使用可能な塩は、例えば医薬調製物の形態で、医薬として有用であり得る。医薬調製物は、例えば、錠剤、被包錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル、溶液、エマルション、もしくは懸濁剤の形態で経腸的に、例えば、経口的に、例えば、鼻スプレーの形態で鼻に、例えば、坐剤の形態で直腸に、又は例えば、軟膏もしくはパッチの形態で経皮的に投与され得る。投与は、例えば、注射溶液の形態で、非経口的に、例えば、筋肉内又は静脈内になされてもよい。
【0105】
錠剤、被包錠、糖衣錠、及び硬ゼラチンカプセルを調製するため、式(I)の化合物、又は好ましくは式(IA)の化合物及びそれらの医薬的に使用可能な塩は、医薬的に不活性な無機又は有機の賦形剤と共に加工され得る。例えば、錠剤、被包錠、及び硬ゼラチンカプセルのために使用されるそのような賦形剤は、ラクトース、コーンスターチ、又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等であり得る。
【0106】
軟ゼラチンカプセルのために適している賦形剤は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体のポリオール等である。
【0107】
溶液及びシロップの調製のために適している賦形剤は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、及びグルコース等である。
【0108】
注射溶液のために適している賦形剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油、胆汁酸、レシチン等である。
【0109】
坐剤のために適している賦形剤は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半固体又は液体のポリオール等である。
【0110】
医薬調製物は、さらに、保存剤、可溶化剤、粘性増加物質、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、芳香剤、浸透圧を変えるための塩、緩衝剤、被覆剤、又は抗酸化剤を含み得る。また、それらは、他の治療的に有益な物質を含んでいてもよい。
【0111】
本発明は、さらに、高血圧、心不全、緑内障、心筋梗塞、腎不全、再狭窄、又は卒中の治療又は予防における、式(I)の化合物、又は好ましくは式(IA)の化合物及びそれらの医薬的に使用可能な塩の使用を提供する。
【0112】
式(I)の化合物、又は好ましくは式(IA)の化合物及びそれらの医薬的に使用可能な塩は、心血管作用を有する一つ以上の薬剤、例えば、フェントラミン、フェノキシベンザミン、プラゾシン、テラゾシン、トラジン(tolazine)、アテノロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、チモロール、カルテオロール等のようなα−及びβ−ブロッカー;ヒドララジン、ミノキシジル、ジアゾキシド、ニトロプルシド、フロセキナン等のような血管拡張薬;アムリノン、ベンシクラン、ジルチアゼム、フェンジリン、フルナリジン、ニカルジピン、ニモジピン、ペルヘキシレン(perhexilene)、ベラパミル、ガロパミル、ニフェジピン等のようなカルシウム拮抗薬;シラザプリル、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル等のようなACE阻害剤;ピナシジルのようなカリウム活性化剤;ケタンセリンのような抗セロトニン作動薬;トロンボキサン合成酵素阻害薬;中性エンドペプチターゼ阻害剤(NEP阻害剤);アンジオテンシンII拮抗薬;及びヒドロクロロチアジド、クロロチアジド、アセタゾラミド、アミロライド、ブメタニド、ベンズチアジド、エタクリン酸、フロセミド、インダクリノン(indacrinone)、メトラゾン、スピロノラクトン、トリアムテレン、クロルサリドン等のような利尿薬;メチルドパ、クロニジン、グアナベンズ、レセルピンのような交感神経遮断薬;並びに糖尿病又は急性もしくは慢性腎不全のような腎障害に関連しているヒト及び動物における高血圧、心不全、又は血管疾患の処置のために適しているその他の薬剤と組み合わせて投与されてもよい。そのような組み合わせは、別々に利用されてもよいし、又は複数のコンポーネントを含む調製物において利用されてもよい。
【0113】
式(I)の化合物、又は(IA)の化合物と組み合わせて使用され得るさらなる物質は、WO02/40007の1頁のクラス(i)〜(ix)の化合物(及び、そこにさらに掲載された好ましいもの及び実施例)、並びにWO03/027091の20及び21頁に明示された物質である。
【0114】
用量は、広い範囲内で変動し得、当然、個々の各症例において個々の状況に適合していなければならない。一般に、経口投与の場合、好ましくは、例えば等しいサイズであり得る1〜3の個々の用量に分割された、成人1人(70kg)当たり約3mg〜3g、好ましくは、約10mg〜1g、例えば、約300mgの1日用量が適切であり得るが、適切であることが見出されたならば、明示された上限を超過してもよく;典型的には、子供は、年齢及び体重に応じてより低い用量を受容する。
【0115】
以下の実施例は、本発明を例示する。全ての温度が摂氏度で、圧力はmbarで報告される。特に断りない限り、反応は室温で実施される。省略「Rf=xx(A)」とは、例えば、Rf値xxが溶媒系Aにおいて決定されることを意味する。溶媒の相互の比率は、常に容積部で報告される。最終生産物及び中間体の化学名は、プログラムオートナム(AutoNom)2000(自動命名法)の補助によって構造式に基づき作製された。
【0116】
ハイパーシル(Hypersil)BDS C−18(5um);カラム:4×125mmにおけるHPLC勾配
I:5分+2.5分(1.5ml/分)で90%水/10%アセトニトリルから0%水/100%アセトニトリル
II:40分(0.8ml/分)で95%水/5%アセトニトリルから0%水/100%アセトニトリル
0.1%トリフルオロ酢酸を含有している
【0117】
以下の略語が使用される:
Rf 薄層クロマトグラフィにおける、出発点から溶出液の前端線までの間隔に対する、物質が移動した距離の比率
Rt HPLCにおける物質の保持時間(分)
m.p. 融点(温度)
【0118】
一般的な方法A:(アジド還元)
エタノール及びエタノールアミン(1当量)10〜20ml中の1mmolの「アジド誘導体」の溶液を、0℃で10%Pd/C(湿潤)200〜400mgの存在下で1〜3時間水素化する。反応混合物をろ過によって清浄化し、触媒をエタノールにより洗浄する。ろ液を蒸発によって濃縮する。フラッシュクロマトグラフィ(SiO 60F)によって、残さから表題化合物を入手する。
【0119】
一般的な方法B:(ラクトンアミド化I)
1mmolの「ラクトン」、「アミン」(10〜30当量)、及び2−ヒドロキシピリジン(1当量)の混合物を、65℃で2〜24時間撹拌する。反応混合物を室温にまで冷却し、蒸発によって濃縮し、1M水性炭酸水素ナトリウム溶液と混合し、tert−ブチルメチルエーテルにより抽出する(2×)。合わせた有機相を水及びブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。フラッシュクロマトグラフィ(SiO 60F)によって、残渣から表題化合物を入手する。
【0120】
一般的な方法C:(ラクトンアミド化II)
−78℃の1.1mmolのトリメチルアルミニウム溶液(ヘプタン中2M)の溶液を、トルエン1〜2ml中の1.2mmolの「アミン」の溶液と混合する。反応混合物を室温にまで加温し、さらに30〜60分間撹拌し、続いて蒸発によって濃縮する。残渣を、トルエン2ml中の1mmolの「ラクトン」の溶液と混合し、80℃で2〜4時間撹拌する。反応混合物を室温にまで冷却し、1N HCl 10mlと混合し、次いで、さらに30分間撹拌する。反応混合物をブラインにより希釈し、トルエン(2×)により抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発によって濃縮する。フラッシュクロマトグラフィ(SiO 60F)によって、残渣から表題化合物を得る。
【0121】
実施例1:
N−フェニル−5(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド
方法Aと同様にして、N−フェニル−5(S)−アジド−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド0.132gを使用して、表題化合物を無色の泡状物質として調製した。Rf=0.45(200:20:1 ジクロロメタン−メタノール−25%濃アンモニア);Rt=4.36分(勾配I)。
【0122】
出発材料は以下のように調製した:
a)N−フェニル−5(S)−アジド−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド
方法Cと同様にして、5(S)−{1(S)−アジド−3(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−4−メチルペンチル}−3(S)−イソプロピルジヒドロフラン−2−オン[324763−46−4]0.466g及びアニリン0.11mlを反応させた。表題化合物を無色の油状物質として得た。Rf=0.53(2:1 EtOAc−ヘプタン);Rt=5.41分(勾配I)。
【0123】
実施例1に記載された方法を使用して、同様に、以下の化合物を調製した:
実施例
2: N−(2−フルオロフェニル)−5(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド
3: N−(3−フルオロフェニル)−5(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド
4: N−(4−フルオロフェニル)−5(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド
5: N−(4−メトキシフェニル)−5(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド
6: N−(2−メトキシフェニル)−5(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド
7: N−(3−メトキシフェニル)−5(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド
8: N−(2−シアノフェニル)−5(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド
9: N−(3−シアノフェニル)−5(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド
10: N−(4−シアノフェニル)−5(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド
11: N−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−5(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド
12: N−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−5(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド
13: N−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−5(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド
14: N−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)−5(S)−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−2(S)−イソプロピル−7(S)−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)ベンジル]−8−メチルノナンアミド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】


[式中、
は、場合により置換されたアリールであり;
は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、もしくはC−C−シクロアルキルであるか、又は各々非置換であるか、もしくはC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシル、C−C−アルキルアミノ、N,N−ジ−C−C−アルキルアミノ、ハロゲン、及び/もしくはトリフルオロメチルにより一、二、もしくは三置換された、フェニル−もしくはナフチル−C−C−アルキルであり;
は、水素、C−C−アルキル、又はC−C−アルカノイルであり;
は、水素、C−C−アルキル、又はC−C−アルカノイルであり;
は、各々独立に、水素、C−C−アルキル、又はそれらが結合している炭素原子と共に、C−C−シクロアルキリデン基であり;
は、水素又はヒドロキシルであり;
Rは、各々独立に、以下より選択される1〜4個の基である:
水素、ハロゲン、C−C−アルキル、3〜8員シクロアルキル、ポリハロ−C−C−アルキル、ポリハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、3〜8員シクロアルコキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシル、C−C−アルカノイルオキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−アルカンスルホニル−C−C−アルキル、チアゾリルチオ−C−C−アルキル、チアゾリニルチオ−C−C−アルキル、イミダゾリルチオ−C−C−アルキル、場合によりN酸化されたピリジルチオ−C−C−アルキル、ピリミジニルチオ−C−C−アルキル、場合により部分的に水素化されたピリジル−もしくはN−オキシドピリジル−C−C−アルキル、C−C−アルカンスルホニルアミノ−C−C−アルキル、トリフルオロ−C−C−アルカンスルホニルアミノ−C−C−アルキル、ピロリジノ−C−C−アルキル、ピペリジノ−C−C−アルキル、ピペラジノ−C−C−アルキル、N’−C−C−アルキルピペラジノ−C−C−アルキル、N’−C−C−アルカノイルピペラジノ−C−C−アルキル、モルホリノ−C−C−アルキル、チオモルホリノ−C−C−アルキル、S−オキソチオモルホリノ−C−C−アルキル、S,S−ジオキソチオモルホリノ−C−C−アルキル、シアノ−C−C−アルキル、カルボキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル−C−C−アルキル、カルバモイル−C−C−アルキル、N−モノ−もしくはN,N−ジ−C−C−アルキルカルバモイル−C−C−アルキル、場合によりC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ハロゲン、及び/もしくはトリフルオロメチルにより一、二、もしくは三置換されたフェニル、場合によりC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ハロゲン、及び/もしくはトリフルオロメチルにより一、二、もしくは三置換されたナフチル、ヒドロキシ−C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−(ヒドロキシ)アルコキシ、C−C−アルカンスルホニル−C−C−(ヒドロキシ)アルコキシ、アミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキル、N,N−ジ−C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキル、N−C−C−アルカノイルアミノ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニルアミノ−C−C−アルキル、アミノ−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ−C−C−アルコキシ、N,N−ジ−C−C−アルキルアミノ−C−C−アルコキシ、C−C−アルカノイルアミノ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ−C−C−アルコキシ、α位より高い位置にアルカノイル基を保持しているC−C−アルカノイル−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ、3〜8員シクロアルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、3〜8員シクロアルコキシ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルケニル、C−C−アルケニルオキシ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルケニルオキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルコキシ、C−C−アルカンスルホニル−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ−C−C−(ヒドロキシ)アルコキシ、場合によりC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ハロゲン、及び/もしくはトリフルオロメチルにより一、二、もしくは三置換されたフェニル−C−C−アルコキシ、場合によりC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ハロゲン、及び/もしくはトリフルオロメチルにより一、二、もしくは三置換されたナフチル−C−C−アルコキシ(各々、非置換であるか、又はC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ハロゲン、及び/もしくはトリフルオロメチルにより一、二、もしくは三置換されている)、ポリハロ−C−C−アルコキシ、場合により部分的に水素化されたピリジル−もしくはN−オキシドピリジル−C−C−アルコキシ、チアゾリル−C−C−アルコキシ、場合によりN酸化されたモルホリノ−C−C−アルコキシ、チアゾリルチオ−C−C−アルコキシ、チアゾリニルチオ−C−C−アルコキシ、イミダゾリルチオ−C−C−アルコキシ、場合によりN酸化されたピリジルチオ−C−C−アルコキシ、ピリミジニルチオ−C−C−アルコキシ、C−C−アルカンスルホニルアミノ−C−C−アルコキシ、トリフルオロ−C−C−アルカンスルホニル−C−C−アルコキシ、ピロリジノ−C−C−アルコキシ、ピペリジノ−C−C−アルコキシ、シアノ−C−C−アルコキシ、カルボキシ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル−C−C−アルコキシ、カルバモイル−C−C−アルコキシ、N−C−C−アルキルカルバモイル−C−C−アルコキシ、N−モノ−もしくはN,N−ジ−C−C−アルキルカルバモイル−C−C−アルコキシ、カルボキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル−C−C−アルキル、カルバモイル−C−C−アルキル、N−モノ−もしくはN,N−ジ−C−C−アルキルカルバモイル−C−C−アルキル、カルボキシ−C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル−C−C−アルコキシ、カルバモイル−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、又はN,N−ジ−C−C−−アルキルアミノ]の化合物、及びその塩、特に、医薬的に使用可能な塩。
【請求項2】
が、場合によりC−C−アルキル、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、C−C−アルキルアミノ、N,N−ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルカルボニル−アミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、場合によりN−モノ−もしくはN,N−ジ−C−C−アルキル化されたカルバモイル、場合によりエステル化されたカルボキシル、アリール、又はヘテロシクリルにより一置換又は多置換されたアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、C−C−アルキレンジオキシにより置換されたアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
式:
【化2】


[式中、
、R、R、R、R、及びRは、各々、式(I)の化合物について定義された通りであり、かつR’及びR’’は、各々独立に、式(I)の化合物についてRについて定義された通りである]の請求項1〜3の一項に記載の化合物。
【請求項5】
式:
【化3】


[式中、
R、R、R、R、R、及びRは、各々、式(I)の化合物について定義された通りである]の請求項1〜4の一項に記載の化合物。
【請求項6】
Rが、各々独立に、以下:
水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、及びC−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ
より選択される1〜4個の基である、請求項1〜5の一項に記載の化合物。
【請求項7】
が、場合により置換されたアリールであり、
が、C−C−アルキルであり;
が、水素であり;
が、水素であり;
が、各々独立に、水素又はC−C−アルキルであり;
が、水素であり;
Rが、各々独立に、以下:
水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、及びC−C−アルコキシ−C−C−アルコキシ
より選択される1〜4個の基である、請求項1〜6の一項に記載の化合物。
【請求項8】
医薬を製造するための、請求項1記載の一般式(I)の化合物の使用。
【請求項9】
高血圧、心不全、緑内障、心筋梗塞、腎不全、再狭窄、又は卒中の防止のための、進行の遅延のための、又は治療のためのヒトの医薬を製造するための、請求項1記載の一般式(I)の化合物の使用。
【請求項10】
治療的に有効な量の請求項1記載の一般式(I)の化合物が使用される、高血圧、心不全、緑内障、心筋梗塞、腎不全、再狭窄、又は卒中の防止、進行の遅延、又は治療の方法。
【請求項11】
請求項1記載の一般式(I)の化合物、及び慣習的な賦形剤を含む医薬調製物。
【請求項12】
a)請求項1記載の一般式(I)の化合物とb)活性成分が心血管作用を有する少なくとも一つの薬物型とからなる調製物又は個々のコンポーネントから構成されたキットの形態の医薬組み合わせ。

【公表番号】特表2008−523035(P2008−523035A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544925(P2007−544925)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2005/056622
【国際公開番号】WO2006/061426
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(506250206)シュペーデル・エクスペリメンタ・アーゲー (36)
【氏名又は名称原語表記】SPEEDEL EXPERIMENTA AG
【Fターム(参考)】