説明

ろう付治具およびろう付方法

【課題】ろう付中の被ろう付部材の位置ずれを抑制しうるろう付治具を提供する。
【解決手段】ろう付治具10は、第1金属板1、絶縁板2および第2金属板3を、隣り合うものどうしの間に所定大きさの平面が面接触した面接触部分を有するように積層した状態でろう付する際に用いられる。ろう付治具10は、第1金属板1、絶縁板2および第2金属板3を支持する支持部材11と、支持部材11に支持された第1金属板1上に載せられる押圧板12と、支持部材11の上方に間隔をおいて上下動自在に配置される加圧部材13と、押圧板12と加圧部材13との間に配置されたコイルばね14とを備えている。コイルばね14は、加圧部材13が下降した際に圧縮されるとともに、圧縮された際の反発力を押圧板12に伝える。押圧板12とコイルばね14との間に球体15を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の被ろう付部材を、隣り合う被ろう付部材どうしの間に所定大きさの平面が面接触した面接触部分を有するように積層した状態でろう付する際に用いられるろう付治具、およびこのろう付治具を用いたろう付方法に関する。
【0002】
この明細書において、「アルミニウム」という用語には、「純アルミニウム」と表現する場合を除いて、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。また、この明細書において、「純アルミニウム」という用語は、純度99.00質量%以上の純アルミニウムを意味するものとする。
【背景技術】
【0003】
たとえば、車両用の半導体冷却装置、液晶ディスプレイ、ソーラーパネルなどにおいては、複数の被ろう付部材を、隣り合う被ろう付部材どうしの間に所定大きさの平面が面接触した面接触部分を有するように積層した状態でろう付した部品が使用される。
【0004】
複数の被ろう付部材を、隣り合う被ろう付部材どうしの間に所定大きさの平面が面接触した面接触部分を有するように積層した状態でろう付する際には、隣り合う被ろう付部材の平面どうしの面接触を保つために、ろう付治具を用いて被ろう付部材を加圧し続ける必要がある。特に、被ろう付部材がアルミニウム製の場合、面接触部に存在する酸化皮膜やボイドを排出するためにも、ろう付の際にろう付治具を用いて被ろう付部材を加圧し続ける必要がある。
【0005】
従来、上述したような複数の被ろう付部材のろう付に用いられるろう付治具として、被ろう付部材を支持する支持部材と、支持部材に支持された被ろう付部材上に載せられる押圧板と、支持部材の上方に間隔をおいて上下動自在に配置される加圧部材と、押圧板と加圧部材との間に配置されかつ加圧部材が下降した際に圧縮されるとともに、圧縮された際の反発力を押圧板に伝えるコイルばねとを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、特許文献1記載のろう付治具の場合、加圧部材を下降させた際にコイルばねに偏荷重がかかったり、コイルばねに軸線周りの回転力が生じたりすることがあり、コイルばねにかかった偏荷重や、コイルばねに生じた軸線周りの回転力によって、押圧板がずれることになって上端の被ろう付部材がろう付中に比較的大きく位置ずれするおそれがある。その結果、上端の被ろう付部材が比較的大きく位置ずれしたままでろう付されることになって、得られたろう付製品の寸法精度が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−219095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の目的は、上記問題を解決し、ろう付中の被ろう付部材の位置ずれを抑制しうるろう付治具およびろう付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0010】
1)複数の被ろう付部材を、隣り合う被ろう付部材どうしの間に所定大きさの平面が面接触した面接触部分を有するように積層した状態でろう付する際に用いられるろう付治具であって、
被ろう付部材を支持する支持部材と、支持部材に支持された被ろう付部材上に載せられる押圧板と、支持部材の上方に間隔をおいて上下動自在に配置される加圧部材と、押圧板と加圧部材との間に配置されかつ加圧部材が下降した際に圧縮されるとともに、圧縮された際の反発力を押圧板に伝えるコイルばねとを備えており、押圧板とコイルばねとの間に球体が配置されているろう付治具。
【0011】
2)球体の直径が0.1〜100mmである上記1)記載のろう付治具。
【0012】
3)加圧部材に、垂直状のロッドが加圧部材に対して上下動自在に配置され、ロッドの周囲にコイルばねが配置され、コイルばねの下端がロッドの下端に設けられたばね受けに受けられ、ばね受けに球体が保持されている上記1)または2)記載のろう付治具。
【0013】
4)ばね受けが、ロッドの下端に外方に張り出すように設けられかつコイルばねの下端を受けるばね受け本体と、ロッドに着脱自在に取り付けられ、かつばね受け本体の下面に沿う部分を有するとともに下面が平坦面となっている球体保持部材とを備えており、球体保持部材におけるばね受け本体の下面に沿う部分に上下方向に貫通した球体収容空間が形成されるとともに球体収容空間内に球体が入れられ、球体収容空間の上端開口がばね受け本体により閉鎖され、球体収容空間の下端開口の大きさが球体の脱落を防止しうる大きさとなり、球体の一部が球体保持部材の下面よりも下方に突出している上記3)記載のろう付治具。
【0014】
5)球体保持部材に、平面から見て曲率の等しい複数の円弧状球体収容空間が、同一円周上に位置するように形成され、各球体収容空間内に球体が入れられており、球体収容空間の径方向内側面と同外側面との間隔が球体の直径よりも大きく、球体収容空間の径方向内側面と同外側面の下側部分が下方に向かって他の側面側に傾斜するとともに、径方向内側面と同外側面の下端間の間隔が球体の直径よりも小さくなっている上記4)記載のろう付治具。
【0015】
6)ばね受けが、ロッドの下端に着脱自在に取り付けられ、かつロッドの下端から外方に張り出す外方張り出し部を有するばね受け本体と、ばね受け本体に上下動自在に吊持され、かつばね受け本体の下面を覆うとともに下面が平坦面となっている球体保持部材とを備えており、球体保持部材に上方に開口した球体収容溝が形成されるとともに球体収容溝内に球体が入れられ、球体収容溝の深さが球体の直径よりも小さくなっていて、球体の一部が球体保持部材の上面よりも上方に突出している上記3)記載のろう付治具。
【0016】
7)球体収容溝が円環状である上記6)記載のろう付治具。
【0017】
8)球体が強磁性体からなり、ばね受けが、ロッドの下端に着脱自在に取り付けられ、かつロッドの下端から外方に張り出してコイルばねの下端を受ける外方張り出し部を有するばね受け本体と、ばね付け本体に取り付けられた磁石とを備え、ばね受け本体の下面が平坦面であり、球体が磁石によりばね受け本体の下面に吸着されている上記3)記載のろう付治具。
【0018】
9)加圧部材に、垂直状のロッドが加圧部材に対して上下動自在に配置され、ロッドの周囲にコイルばねが配置され、コイルばねの下端がロッドの下端に設けられたばね受けに受けられ、押圧板に球体が保持されている上記1)または2)記載のろう付治具。
【0019】
10)ばね受けが、ロッドの下端に着脱自在に取り付けられ、かつロッドの下端から外方に張り出してコイルばねの下端を受ける外方張り出し部を有する円板からなり、円板の下面が平坦面となされるとともに、押圧板に保持された球体が転動する球体転動面となっており、押圧板に、上方に開口した球体収容凹所が形成されるとともに球体収容凹所内に球体が入れられ、球体収容凹所の深さが球体の直径よりも小さくなっていて、球体の一部が押圧板の上面よりも上方に突出している上記9)記載のろう付治具。
【0020】
11)上記1)〜10)のうちのいずれかに記載のろう付治具を使用し、複数の被ろう付部材を、隣り合う被ろう付部材どうしの間に所定大きさの平面が面接触した面接触部分を有するように支持部材上に積層し、上端の被ろう付部材上にろう付治具の押圧板を配置し、加圧部材を下降させてコイルばねを圧縮し、圧縮されたコイルばねの反発力を押圧板に伝えて、押圧板により被ろう付部材を押圧することを特徴とするろう付方法。
【0021】
12)支持部材上に、第1金属板、絶縁板および第2金属板を、第1金属板が上側に来るようにこの順序で積層し、第1金属板をろう付治具の押圧板により下方に押圧しつつ、絶縁板と両金属板とをろう付する上記11)記載のろう付方法。
【0022】
13)支持部材上に、第1金属板、絶縁板、第2金属板および冷却器を、第1金属板が上側に来るようにこの順序で積層し、第1金属板をろう付治具の押圧板により下方に押圧しつつ、絶縁板と両金属板および第2金属板と放熱材とをろう付する上記11)記載のろう付方法。
【発明の効果】
【0023】
上記1)〜10)のろう付治具によれば、被ろう付部材を支持する支持部材と、支持部材に支持された被ろう付部材上に載せられる押圧板と、支持部材の上方に間隔をおいて上下動自在に配置される加圧部材と、押圧板と加圧部材との間に配置されかつ加圧部材が下降した際に圧縮されるとともに、圧縮された際の反発力を押圧板に伝えるコイルばねとを備えており、押圧板とコイルばねとの間に球体が配置されているので、加圧部材を下降させた際にコイルばねに偏荷重がかかったり、コイルばねに軸線周りの回転力が生じたりしたとしても、球体の働きによって、コイルばねにかかった偏荷重や、コイルばねに生じた軸線周りの回転力により押圧板がずれることが抑制される。したがって、押圧板のずれに起因する上端の被ろう付部材の位置ずれが低減され、得られたろう付製品の寸法精度が低下する。
【0024】
上記2)のろう付治具によれば、コイルばねにかかった偏荷重や、コイルばねに生じた軸線周りの回転力により押圧板がずれることを効果的に抑制することができる。
【0025】
上記4)〜8)のろう付治具によれば、比較的簡単な構成で、ばね受けに球体を保持させることができる。
【0026】
上記10)のろう付治具によれば、比較的簡単な構成で、押圧板に球体を保持させることができる。
【0027】
上記11)〜13)のろう付方法によれば、加圧部材を下降させた際にコイルばねに偏荷重がかかったり、コイルばねに軸線周りの回転力が生じたりしたとしても、球体の働きによって、コイルばねにかかった偏荷重や、コイルばねに生じた軸線周りの回転力により押圧板がずれることが抑制される。したがって、押圧板のずれに起因する上端の被ろう付部材の位置ずれが低減され、得られたろう付製品の寸法精度が低下する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明によるろう付治具の概略構成を示す正面図である。
【図2】この発明によるろう付治具の具体的構成を示すろう付治具の一部拡大垂直断面図である。
【図3】図2のA−A線矢視図である。
【図4】図2の部分拡大図である。
【図5】図1〜図4に示すろう付治具を用いて製造された絶縁回路基板を有するパワーモジュール用ベースにパワーデバイスが実装されることにより構成されたパワーモジュールを示す垂直断面図である。
【図6】図1〜図4に示すろう付治具を用いて製造された絶縁回路基板の評価試験を行う方法を示す図である。
【図7】ろう付治具の第1の変形例を示す図2相当の図である。
【図8】ろう付治具の第2の変形例を示す図2相当の図である。
【図9】ろう付治具の第3の変形例を示す図2相当の図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0030】
なお、以下の説明において、図1の上下、左右を上下、左右というものとする。
【0031】
また、全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0032】
図1はこの発明によるろう付治具の概略構成を示す正面図である。
【0033】
図1において、ろう付治具(10)は、第1金属板(1)、絶縁板(2)および第2金属板(3)を、第1金属板(1)と絶縁板(2)との間、および絶縁板(2)と第2金属板(3)との間に所定大きさの平面が面接触した面接触部分を有するとともに、第1金属板(1)が上側に来るように積層した状態で支持する支持部材(11)と、第1金属板(1)上に載せられる押圧板(12)と、支持部材(11)の上方に間隔をおいて上下動自在に配置される加圧部材(13)と、押圧板(12)と加圧部材(13)との間に配置されかつ加圧部材(13)が下降した際に圧縮されるとともに、圧縮された際の反発力を押圧板(12)に伝えるコイルばね(14)と、押圧板(12)とコイルばね(14)との間に配置された複数の球体(15)とを備えている。
【0034】
支持部材(11)上に、加圧部材(13)を上下動自在に案内する垂直状ガイド柱(16)が複数立設されており、図示しない駆動手段により加圧部材(13)がガイド柱(16)に沿って上下動させられるようになっている。加圧部材(13)には、垂直状のロッド(17)が加圧部材(13)に対して上下動自在に配置されており、ロッド(17)の周囲にコイルばね(14)が装着されている。コイルばね(14)の上端は加圧部材(13)に取り付けられ、同じく下端はロッド(17)の下端に設けられたばね受け(18)に受けられている。
【0035】
押圧板(12)としては、第1金属板(1)、絶縁板(2)および第2金属板(3)をろう付する温度よりも融点が高い金属であるステンレス鋼や、あるいはセラミックにより形成される。球体(15)は、第1金属板(1)、絶縁板(2)および第2金属板(3)をろう付する温度よりも融点が高い金属であるJIS SUJなどの軸受鋼やステンレス鋼、あるいはセラミックにより形成される。球体(15)の直径は0.1〜100mmであることが好ましい。
【0036】
図2および図3に示すように、ばね受け(18)は、ロッド(17)の下端に外方に張り出すように一体に設けられかつコイルばね(14)の下端を受けるばね受け本体(20)と、ロッド(17)に着脱自在に取り付けられ、かつばね受け本体(20)の下面に沿う部分を有するとともに下面が平坦面となっている円盤状の球体保持部材(21)とを備えており、球体(15)はばね受け(18)に保持されている。
【0037】
ロッド(17)には下端面から上方にのびるめねじ穴(17a)が形成されている。球体保持部材(21)の上面には、軸線が球体保持部材(21)の中心線と一致したおねじ部(22)が上方突出状に一体に設けられており、おねじ部(22)がロッド(17)のめねじ穴(17a)にねじ嵌められることによって、球体保持部材(21)がロッド(17)に着脱自在に取り付けられている。
【0038】
球体保持部材(21)におけるおねじ部(22)の周りの部分でかつばね受け本体(20)の下面に沿う部分に、平面から見て曲率の等しい複数の円弧状球体収容空間(23)が、同一円周上に位置するとともに周方向に間隔をおき、かつ球体保持部材(21)を上下方向に貫通するように形成されている。球体収容空間(23)内に球体(15)が入れられるとともに、球体収容空間(23)の上端開口がばね受け本体(20)により閉鎖されている。球体収容空間(23)の径方向内側面と同外側面との間隔は球体(15)の直径(D)よりも大きくなっている。また、球体収容空間(23)の径方向内側面と同外側面の下側部分が下方に向かって他の側面側に傾斜するとともに、径方向内側面と同外側面の下端間の間隔が球体(15)の直径(D)よりも小さくなっており、これにより球体収容空間(23)の下端開口の大きさが球体(15)の脱落を防止しうる大きさとなっている。また、球体保持部材(21)の厚み、すなわち球体収容空間(23)の上下方向の深さ(a)は球体(15)の直径(D)よりも小さく、球体(15)の一部が、常に球体保持部材(21)の下面よりも下方に突出するようになっている。
【0039】
次に、ろう付治具を用いて第1金属板(1)、絶縁板(2)および第2金属板(3)をろう付する方法について説明する。
【0040】
第1金属板(1)、絶縁板(2)および第2金属板(3)をろう付したろう付製品は、図5に示すように、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの半導体素子からなるパワーデバイスを備えたパワーモジュールにおいて、絶縁回路基板として用いられる。
【0041】
パワーモジュール(30)は、絶縁回路基板(32)および絶縁回路基板(32)の下面にろう付されかつ複数の冷却流体通路(34)を有するアルミニウム製冷却器(33)からなるパワーモジュール用ベース(31)と、パワーモジュール用ベース(31)に実装されたパワーデバイス(35)とよりなる。なお、図示の例では、冷却器(33)は全体が一体に形成されているが、これに限定されるものではなく、上下方向に並ぶとともに相互にろう付され、かつ内部に冷却流体通路を有する中空体を備えたものが用いられることもある。
【0042】
絶縁回路基板(32)は、方形のセラミックス製絶縁板(2)、絶縁板(2)の上面にろう付された方形のアルミニウム製第1金属板(1)、および絶縁板(2)の下面にろう付された方形のアルミニウム製熱第2金属板(3)からなる。
【0043】
絶縁回路基板(32)の絶縁板(2)は、必要とされる電気絶縁特性、熱伝導率および機械的強度を満たしていれば、どのようなセラミックから形成されていてもよいが、たとえばAlN、Al、SiC、SiおよびBeOよりなる群から選ばれた1種の材料から形成されていることが好ましい。第1金属板(1)は、上面が電子素子搭載部(36)を有する配線面(37)となる回路板として用いられている。この場合、第1金属板(1)は、アルミニウムにより形成されることが好ましいが、電気伝導率および熱伝導率が高く、変形能が高い純アルミニウム、たとえば純度99.99質量%以上の純アルミニウムにより形成されていることが望ましい。第2金属板(3)は、熱伝導板または熱伝導性を有する応力緩和板として用いられる。この場合、第2金属板(3)は、アルミニウムにより形成されることが好ましいが、熱伝導率が高く、しかも変形能が高い純アルミニウム、たとえば純度99.99質量%以上の純アルミニウムにより形成されていることが好ましい。また、第2金属板(3)が熱伝導板として用いられる場合、第2金属板(3)は銅および銅合金から形成されることもある。
【0044】
パワーデバイス(35)は、絶縁回路基板(32)の第1金属板(1)の配線面(37)における電子素子搭載部(36)上にはんだ付けされており、これによりパワーモジュール用ベース(31)に実装されている。パワーデバイス(35)から発せられる熱は、第1金属板(1)、絶縁板(2)および第2金属板(3)を経て冷却器(33)に伝えられ、冷却流体通路(34)内を流れる冷却流体に放熱されるようになっている。
【0045】
第1金属板(1)、絶縁板(2)および第2金属板(3)をろう付して絶縁回路基板(32)を製造するにあたり、まず図1に示すように、ろう付治具(10)の支持部材(11)上に、第1金属板(1)、絶縁板(2)および第2金属板(3)を上側からこの順序で配置する。第2金属板(3)の上面全体が絶縁板(2)と下面に面接触するとともに、第1金属板(1)の下面全体が絶縁板(2)の上面に面接触しており、第2金属板(3)と絶縁板(2)との間に第2金属板(3)の大きさの平面が面接触した面接触部分があり、第1金属板(1)と絶縁板(2)との間に第1金属板(1)の大きさの平面が面接触した面接触部分がある。
【0046】
ついで、第1金属板(1)上にろう付治具(10)の押圧板(12)を載せた後、加圧部材(13)を下降させてコイルばね(14)を圧縮し、圧縮されたコイルばね(14)の反発力を押圧板(12)に伝えて、押圧板(12)により第1金属板(1)、絶縁板(2)および第2金属板(3)を下方に押圧し、これにより第1金属板(1)、絶縁板(2)および第2金属板(3)を仮止めする。図示は省略したが、このとき、第1金属板(1)と絶縁板(2)との間および第2金属板(3)と絶縁板(2)との間にはそれぞれアルミニウムろう材層を設けておく。ろう材層は、たとえばSi10質量%、Mg1質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物からなるアルミニウムろう材からなる。ろう材層は、アルミニウムろう材からなる箔や、心材の両面にろう材層が形成されたアルミニウムブレージングシートからなる。また、ろう材層は第1金属板(1)の下面および第2金属板(3)の上面に予めクラッドされていてもよい。
【0047】
その後、ろう付治具により仮止めされた第1金属板(1)、絶縁板(2)、第2金属板(3)を真空雰囲気とされた加熱炉中に入れ、適当な温度に適当な時間加熱し、絶縁板(2)と第1金属板(1)および第2金属板(3)とをろう付することにより絶縁回路基板(32)を製造する。
【0048】
なお、上述した絶縁回路基板(32)の製造と同時に、第2金属板(3)の下面に冷却器(33)をろう付することにより、パワーモジュール用ベース(31)を製造してもよい。この場合、ろう付治具(10)の支持部材(11)上に、冷却器(33)、第1金属板(1)、絶縁板(2)および第2金属板(3)を上側からこの順序で配置し、上述した絶縁回路基板(32)の製造の場合と同様に、冷却器(33)、第2金属板(3)、絶縁板(2)および第1金属板(1)を下方に加圧しつつろう付治具(10)により仮止めする。このとき、第2金属板(3)の下面全体が冷却器(33)の上面に面接触しており、冷却器(33)と第2金属板(3)との間に第2金属板(3)の大きさの平面が面接触した面接触部分がある。また、冷却器(33)と第2金属板(3)との間に上述したようなアルミニウムろう材層を設けておく。ろう材層は、アルミニウムろう材からなる箔や、心材の両面にろう材層が形成されたアルミニウムブレージングシートからなる。冷却器(33)が複数の構成部材からなる中空体を備えている場合には、支持部材(11)上に複数の構成部材を載せ、その上に第2金属板(3)、絶縁板(2)および第1金属板(1)を載せるようにする。
【0049】
以下、図1〜図4に示すろう付治具を使用し、図5に示す絶縁回路基板(32)を製造した実験例について、比較実験例とともに説明する。
【0050】
実験例
純度99.99質量%の純アルミニウムからなり、かつ厚み:0.6mm、縦:26mm、横:31mmの第1金属板(1)および第2金属板(3)と、AlNからなり、かつ厚み:0.6mm、縦:28mm、横:33mmの絶縁板(2)と、Si10質量%、Mg1質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物からなる合金により形成され、かつ厚み:30μm、縦:26mm、横:31mmのろう材箔とを用意した。また、ろう付治具(10)のばね受け(18)の球体保持部材(21)には3つの球体収容空間(23)を形成しておき、各球体収容空間(23)内に、JIS SUS304からなり、かつ直径4mmの球体(15)を1個ずつ配置しておいた。
【0051】
そして、ろう付治具(10)の支持部材(11)上に、第1金属板(1)、絶縁板(2)および第3金属板(3)を、第1金属板(1)が上側に来るようにこの順序で配置した。第1金属板(1)と絶縁板(2)との間、および絶縁板(2)と第2金属板(3)との間にはそれぞれろう材箔を配置し、第1金属板(1)上にろう付治具(10)の押圧板(12)を載せた後、加圧部材(13)を下降させてコイルばね(14)を圧縮し、圧縮されたコイルばね(14)の反発力を押圧板(12)に伝えて、押圧板(12)により第1金属板(1)、絶縁板(2)および第2金属板(3)を下方に押圧し、これにより第1金属板(1)、絶縁板(2)および第2金属板(3)を仮止めした。
【0052】
その後、ろう付治具(10)により第1金属板(1)、絶縁板(2)および第2金属板(3)を加圧状態で仮止めしたものを真空雰囲気とされた加熱炉中に入れ、600℃で10分間加熱した後冷却した。こうして、絶縁板(2)と第1金属板(1)および第2金属板(3)とをろう付することにより、3つの絶縁回路基板(32)を製造した。
【0053】
比較実験例
ばね受け(18)が球体(15)を保持した球体保持部材(21)を有さないろう付治具を用いたことを除いては、上記実験例と同様にして、3つの絶縁回路基板(32)を製造した。
【0054】
評価試験
上記実験例および比較実験例において、絶縁板(2)と第1金属板(1)および第2金属板(3)とのろう付の前に、予め、ろう付治具(10)により仮止めされた第1金属板(1)における26mmの長さ(=A)を有する2つの短辺と、絶縁板(2)における第1金属板(1)の各短辺に近接した28mmの長さを有する2つの短辺との距離b、d、および第1金属板(1)における31mmの長さ(=B)を有する2つの長辺と、絶縁板(2)における第1金属板(1)の各長辺に近接した33mmの長さを有する2つの長辺との距離a、cを測定した。
【0055】
また、絶縁板(2)と第1金属板(1)および第2金属板(3)とのろう付の後に、第1金属板(1)における2つの短辺の長さA1mmおよび2つの長辺の長さB1mmを測定し、第1金属板(1)における短辺と平行な方向の熱膨張量:(A1−A)mm、および長辺と平行な方向の熱膨張量:(B1−B)mmを求めた。
【0056】
さらに、絶縁板(2)と第1金属板(1)および第2金属板(3)とのろう付の後に、第1金属板(1)におけるA1mmの長さを有する2つの短辺と、絶縁板(2)における第1金属板(1)の各短辺に近接した28mmの長さを有する2つの短辺との距離b’、d’、および第1金属板(1)におけるB1mmの長さを有する2つの長辺と、絶縁板(2)における第1金属板(1)の各長辺に近接した33mmの長さを有する2つの長辺との距離a’、c’を測定した。
【0057】
そして、各絶縁回路基板(32)における(a−a’)−(A1−A)/2・・・値(i)、(c−c’)−(A1−A)/2・・・値(ii)、(b−b’)−(B1−B)/2・・・値(iii)、(d−d’)−(B1−B)/2・・・値(iv)を求めた。各絶縁回路基板(32)における上述した4つの値(i)〜(iv)のうちの最大値を表1に示す。
【表1】

【0058】
表1に示す結果から、押圧板(12)とコイルばね(14)との間に球体(15)が配置されているろう付治具(10)を用いてろう付を行った場合には、押圧板(12)とコイルばね(14)との間に球体(15)が配置されていないろう付治具を用いてろう付を行った場合に比べて、第1金属板(1)の位置ずれが著しく低減されていることが分かる。
【0059】
図7〜図9は、ろう付治具の他の実施形態を示す。
【0060】
図7に示すろう付治具(40)の場合、ばね受け(18)は、ロッド(17)の下端に着脱自在に取り付けられ、かつロッド(17)の下端から外方に張り出す外方張り出し部(41a)を有する円板状のばね受け本体(41)と、ばね受け本体(41)に上下動自在に吊持され、かつばね受け本体(41)の下面に沿う部分を有するとともに下面が平坦面となっている円盤状の球体保持部材(42)とを備えており、球体(15)はばね受け(18)に保持されている。
【0061】
ばね受け本体(41)の上面には、軸線がばね受け本体(41)の中心線と一致したおねじ部(43)が、上方突出状に一体に設けられており、おねじ部(43)がロッド(17)のめねじ穴(17a)にねじ嵌められることによって、ばね受け本体(41)がロッド(17)に着脱自在に取り付けられている。おねじ部(43)は上端が開口した円筒状であり、その外周面にねじが形成されている。ばね受け本体(41)の中心部でかつおねじ部(43)により囲まれた部分には上下方向にのびる貫通穴(44)が形成されている。
【0062】
球体保持部材(42)の上面の中心部には上方に突出したピン(45)が固定されており、ピン(45)がばね受け(18)の貫通穴(44)にばね受け(18)に対して上下動自在に通されている。ピン(45)の上端部には貫通穴(44)の穴径よりも大きい頭部(45a)が一体に形成され、これにより球体保持部材(42)がばね受け本体(41)に上下動自在に吊持されるとともに、ばね受け本体(41)からの脱落が防止されている。球体保持部材(42)におけるピン(45)の周りの部分でかつばね受け本体(41)の下面に沿う部分に、上方に開口しかつピン(45)を中心とした円環状の球体収容溝(46)が形成されており、球体収容溝(46)内に複数の球体(15)が入れられている。球体収容溝(46)の径方向内側面と同外側面との間隔は球体(15)の直径よりも大きくなっている。また、球体収容溝(46)の深さは球体(15)の直径よりも小さくなっており、球体(15)の一部が、常に球体保持部材(42)の上面よりも上方に突出するようになっている。
【0063】
図8に示すろう付治具(50)の場合、ばね受け(18)は、ロッド(17)の下端に着脱自在に取り付けられ、かつロッド(17)の下端から外方に張り出してコイルばね(14)の下端を受ける外方張り出し部(51a)を有するとともに下面が平坦面となっているばね受け本体(51)と、ばね受け本体(51)に取り付けられかつ球体(15)を吸着する永久磁石(52)とを備えており、強磁性体からなる複数の球体(15)がばね受け本体(51)の下面に吸着されている。
【0064】
ばね受け本体(51)の上面には、軸線がばね受け本体(51)の中心線と一致したおねじ部(53)が、上方突出状に一体に設けられており、おねじ部がロッド(17)のめねじ穴(17a)にねじ嵌められることによって、ばね受け本体(51)がロッド(17)に着脱自在に取り付けられている。おねじ部(53)は上端が開口した円筒状であり、その外周面にねじが形成されている。おねじ部(53)内に永久磁石(52)が配置されている。そして、球体(15)が、永久磁石(52)によりばね受け本体(51)の下面に吸着されている。
【0065】
図9に示すろう付治具(60)の場合、ばね受け(18)は、ロッド(17)の下端に着脱自在に取り付けられ、かつロッド(17)の下端から外方に張り出してコイルばね(14)の下端を受ける外方張り出し部(61a)を有する円板(61)からなる。円板(61)の下面は平坦面となっており、円板(61)が球体転動部を兼ねている。
【0066】
また、押圧板(12)は、上面の中央部に上方に開口した凹所(62a)を有する押圧板本体(62)と、押圧板本体(62)の凹所(62a)内に嵌め入れられた球体保持部材(63)とを備えており、球体(15)は押圧板(12)に保持されている。球体保持部材(63)は、上下方向に貫通した穴(64a)を有するリング(64)と、リング(64)の穴(64a)の下端開口を閉鎖する閉鎖板(65)とよりなり、これにより球体保持部材(63)に上方に開口した球体収容凹所(66)が形成されて、球体収容凹所(66)内に複数の球体(15)が入れられている。球体収容凹所(66)の内周面、すなわちリング(64)の穴(64a)の内周面の上側部分は、上方に向かって径方向内方に傾斜している。また、球体保持部材(63)の厚み、すなわち球体収容凹所(66)の上下方向の深さは球体(15)の直径よりも小さく、球体(15)の一部が、常に球体保持部材(63)の上面よりも上方に突出するようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0067】
この発明によるろう付治具は、絶縁回路基板を製造する場合のように、複数の被ろう付部材を、隣り合う被ろう付部材どうしの間に所定大きさの平面が面接触した面接触部分を有するように積層した状態でろう付する際に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0068】
(1):第1金属板(被ろう付部材)
(2):絶縁板(被ろう付部材)
(3):第2金属板(被ろう付部材)
(10)(40)(50)(60):ろう付治具
(11):支持部材
(12):押圧板
(13):加圧部材
(14):コイルばね
(15):球体
(17):ロッド
(18):ばね受け
(20):ばね受け本体
(21):球体保持部材
(23):球体収容空間
(41):ばね受け本体
(41a):外方張り出し部
(42):球体保持部材
(46):球体収容溝
(51):ばね受け本体
(51a):外方張り出し部
(52):永久磁石
(61):円板
(61a):外方張り出し部
(66):球体収容凹所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被ろう付部材を、隣り合う被ろう付部材どうしの間に所定大きさの平面が面接触した面接触部分を有するように積層した状態でろう付する際に用いられるろう付治具であって、
被ろう付部材を支持する支持部材と、支持部材に支持された被ろう付部材上に載せられる押圧板と、支持部材の上方に間隔をおいて上下動自在に配置される加圧部材と、押圧板と加圧部材との間に配置されかつ加圧部材が下降した際に圧縮されるとともに、圧縮された際の反発力を押圧板に伝えるコイルばねとを備えており、押圧板とコイルばねとの間に球体が配置されているろう付治具。
【請求項2】
球体の直径が0.1〜100mmである請求項1記載のろう付治具。
【請求項3】
加圧部材に、垂直状のロッドが加圧部材に対して上下動自在に配置され、ロッドの周囲にコイルばねが配置され、コイルばねの下端がロッドの下端に設けられたばね受けに受けられ、ばね受けに球体が保持されている請求項1または2記載のろう付治具。
【請求項4】
ばね受けが、ロッドの下端に外方に張り出すように設けられかつコイルばねの下端を受けるばね受け本体と、ロッドに着脱自在に取り付けられ、かつばね受け本体の下面に沿う部分を有するとともに下面が平坦面となっている球体保持部材とを備えており、球体保持部材におけるばね受け本体の下面に沿う部分に上下方向に貫通した球体収容空間が形成されるとともに球体収容空間内に球体が入れられ、球体収容空間の上端開口がばね受け本体により閉鎖され、球体収容空間の下端開口の大きさが球体の脱落を防止しうる大きさとなり、球体の一部が球体保持部材の下面よりも下方に突出している請求項3記載のろう付治具。
【請求項5】
球体保持部材に、平面から見て曲率の等しい複数の円弧状球体収容空間が、同一円周上に位置するように形成され、各球体収容空間内に球体が入れられており、球体収容空間の径方向内側面と同外側面との間隔が球体の直径よりも大きく、球体収容空間の径方向内側面と同外側面の下側部分が下方に向かって他の側面側に傾斜するとともに、径方向内側面と同外側面の下端間の間隔が球体の直径よりも小さくなっている請求項4記載のろう付治具。
【請求項6】
ばね受けが、ロッドの下端に着脱自在に取り付けられ、かつロッドの下端から外方に張り出す外方張り出し部を有するばね受け本体と、ばね受け本体に上下動自在に吊持され、かつばね受け本体の下面を覆うとともに下面が平坦面となっている球体保持部材とを備えており、球体保持部材に上方に開口した球体収容溝が形成されるとともに球体収容溝内に球体が入れられ、球体収容溝の深さが球体の直径よりも小さくなっていて、球体の一部が球体保持部材の上面よりも上方に突出している請求項3記載のろう付治具。
【請求項7】
球体収容溝が円環状である請求項6記載のろう付治具。
【請求項8】
球体が強磁性体からなり、ばね受けが、ロッドの下端に着脱自在に取り付けられ、かつロッドの下端から外方に張り出してコイルばねの下端を受ける外方張り出し部を有するばね受け本体と、ばね付け本体に取り付けられた磁石とを備え、ばね受け本体の下面が平坦面であり、球体が磁石によりばね受け本体の下面に吸着されている請求項3記載のろう付治具。
【請求項9】
加圧部材に、垂直状のロッドが加圧部材に対して上下動自在に配置され、ロッドの周囲にコイルばねが配置され、コイルばねの下端がロッドの下端に設けられたばね受けに受けられ、押圧板に球体が保持されている請求項1または2記載のろう付治具。
【請求項10】
ばね受けが、ロッドの下端に着脱自在に取り付けられ、かつロッドの下端から外方に張り出してコイルばねの下端を受ける外方張り出し部を有する円板からなり、円板の下面が平坦面となされるとともに、押圧板に保持された球体が転動する球体転動面となっており、押圧板に、上方に開口した球体収容凹所が形成されるとともに球体収容凹所内に球体が入れられ、球体収容凹所の深さが球体の直径よりも小さくなっていて、球体の一部が押圧板の上面よりも上方に突出している請求項9記載のろう付治具。
【請求項11】
請求項1〜10のうちのいずれかに記載のろう付治具を使用し、複数の被ろう付部材を、隣り合う被ろう付部材どうしの間に所定大きさの平面が面接触した面接触部分を有するように支持部材上に積層し、上端の被ろう付部材上にろう付治具の押圧板を配置し、加圧部材を下降させてコイルばねを圧縮し、圧縮されたコイルばねの反発力を押圧板に伝えて、押圧板により被ろう付部材を押圧することを特徴とするろう付方法。
【請求項12】
支持部材上に、第1金属板、絶縁板および第2金属板を、第1金属板が上側に来るようにこの順序で積層し、第1金属板をろう付治具の押圧板により下方に押圧しつつ、絶縁板と両金属板とをろう付する請求項11記載のろう付方法。
【請求項13】
支持部材上に、第1金属板、絶縁板、第2金属板および冷却器を、第1金属板が上側に来るようにこの順序で積層し、第1金属板をろう付治具の押圧板により下方に押圧しつつ、絶縁板と両金属板および第2金属板と放熱材とをろう付する請求項11記載のろう付方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−22595(P2013−22595A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156854(P2011−156854)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】