説明

アウタロータ型のクローポールモータ、ポンプおよびポンプ駆動機器

【課題】機能の低下を招くことなく、鉄心の材料コストを低減させることのできるアウタロータ型のクローポールモータ、当該モータを駆動源とするポンプおよび当該ポンプを搭載したポンプ駆動機器を得る。
【解決手段】ステータコア17は、軸方向に延在するとともに略中心部に設けられる中実のコア部17aを備えており、当該コア部17aの軸方向両端部のうち少なくともいずれか一方の端部の略中心部に凹部30を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アウタロータ型のクローポールモータ、当該モータを駆動源とするポンプおよび当該ポンプを搭載したポンプ駆動機器に関する。
【背景技術】
【0002】
クローポールモータは、ロータが内側でその外側にステータを配置したいわゆるインナロータ型のものが通常用いられているが、このインナロータ型では、同一出力を維持したままでのモータの小型化が困難であるため、近年では、爪磁極をステータコアの外周部に設けて、その外側にロータのマグネットを対向配置させたアウタロータ型が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−333545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、ステータコアの中心部に一対の基底部間を貫通する貫通孔を設ける構造であるため、ステータコアに貫通孔を設けた分、鉄心の材料コストを低減できるのだが、環状コイルの内側にあるステータコアの領域が減少することになって磁気飽和が発生しやすく、効率の低下を招いてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、機能の低下を招くことなく、鉄心の材料コストを低減させることのできるアウタロータ型のクローポールモータ、当該モータを駆動源とするポンプおよび当該ポンプを搭載したポンプ駆動機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明にあっては、軸方向に延在するとともに外周部に設けられる爪磁極と、軸方向に延在するとともに略中心部に設けられる中実のコア部とを有したステータコアと、前記ステータコアの外周側に前記爪磁極に対して内周面が対向するように設けられるロータと、前記爪磁極と前記コア部との間に形成される空間部に配置されるコイルとを備え、前記コア部の軸方向両端部のうち少なくともいずれか一方の端部の略中心部に凹部を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明にあっては、前記ロータの軸方向一端部に当該ロータとともに回転する回転端部を設けるとともに、当該回転端部の略中心部にモータ軸を設け、当該モータ軸を前記凹部で支持するようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明にあっては、前記コア部の少なくとも一部を、磁性粉を圧縮して成形した圧粉体で構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明にあっては、前記コア部の少なくとも一部を、金属ガラスで構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明にあっては、請求項1〜4のうち何れか1項に記載の前記アウタロータ型のクローポールモータを駆動源としたことを特徴とするポンプである。
【0011】
請求項6の発明にあっては、請求項5に記載の前記ポンプを搭載したことを特徴とするポンプ駆動機器である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、磁界の発生領域となるコイルの内側に中実のコア部が設けられており、このコア部においてコイルを回り込むように流れる磁気回路の一番遠い領域、すなわち、磁束密度の低いコア部の軸方向両端部のうち少なくともいずれか一方の端部の略中心部に凹部を設けたため、磁気飽和を抑制しつつ鉄心の材料コストを削減することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、ロータの回転端部に設けられたモータ軸を前記凹部で支持するようにしたため、クローポールモータを軸方向に短くすることができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、コア部の少なくとも一部を磁性粉を圧縮して成形した圧粉体で構成したため、渦電流損失を抑えることができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、コア部の少なくとも一部を金属ガラスで構成したため、請求項3と同様に、渦電流損失を抑えることができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、請求項1〜4のうち何れか1項に記載のクローポールモータを駆動源としてポンプを構成したので、低コストで且つ小型化されたポンプを提供することができる。
【0017】
請求項6の発明によれば、請求項5に記載のポンプを用いてポンプ駆動機器を構成したので、低コストで且つ小型化が可能なポンプ駆動機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態にかかるポンプの斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるステータコアの斜視図である。
【図4】本発明のポンプを適用した食器洗浄機の内部構造を示す模式図である。
【図5】本発明のポンプを適用した洗濯機の内部構造を示す模式図である。
【図6】本発明のポンプを適用した給湯ユニットの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0020】
[第1実施形態]
図1及び図2は、本実施形態にかかるポンプを示した図であり、図1は斜視図、図2は、図1中のA−A断面図である。本実施形態のポンプPは、液体を吸排する羽根車1と、液体を吸入する吸入口2および液体を排出する吐出口3を有したポンプケース4と、羽根車1を回転自在に収容させるポンプ室5を前記ポンプケース4と対をなして形成する分離板6と、ポンプPの駆動源となるクローポールモータMと、を備えている。
【0021】
クローポールモータMは、羽根車1を回転駆動させるマグネット(永久磁石)7を有したロータ8と、ロータ8に回転駆動力を伝達する爪磁極9を有したステータ10と、ステータ10で発生させる磁界を制御する制御基板11と、を備えている。
【0022】
そして、本実施形態のポンプPは、分離板6の内筒部6aを挟んで外側にロータ8を配置し且つ内側にステータ10を配置した、いわゆるアウタロータ型構造のクローポールモータMを駆動源としたポンプ構造となっている。
【0023】
ポンプ室5は、ポンプケース4の中央に開口された吸入口2と、ポンプケース4の側壁にてその外周部の接線方向に延びる吐出管22の先端に設けられた吐出口3とを有したポンプケース4に、ロータ8とステータ10とを水密状態に分離(ポンプ部とモータ部を分離)する分離板6が結合されることにより形成されている。分離板6の内筒部6aの先端には、ロータ8を挟み込むようにして収容する折り返しの外筒部6bが形成されており、この外筒部6bの先端部とポンプケース4の外周側端部4aとが図示せぬシール部材を介して結合されている。
【0024】
ロータ8は、羽根車1に一体的に設けられた円筒体として形成され、その円筒状のロータヨーク19の内壁に磁気回路(磁束)を構成する複数のマグネット7を設けている。マグネット7の内周面7a(ロータ8の内周面)は、図2に示すように、ステータ10の爪磁極9に対して分離板6の内筒部6aを間に挟んで対向配置されており、このマグネット7が周方向に沿って等間隔で且つその磁極が交互となるように配置されている。なお、マグネット7の内周面7aと分離板6の内筒部6aとの間には、ロータ8の回転時に接触しない程度の隙間(クリアランス)が確保されている。
【0025】
羽根車1は、ポンプ室5に設けられたモータ軸としての固定軸12に対して軸受け部13を介して回転自在に支承されている。すなわち、本実施形態では、ロータ8の軸方向一端部となる吸入口2側の端部に、当該ロータ8とともに回転する回転端部としての羽根車1を設け、この羽根車1の略中心部にモータ軸である固定軸12を設けていることになる。かかる羽根車1は、固定軸12を中心として回転し、吸入口2からポンプ室5へと吸い込んだ液体に遠心力を与えて吐出口3からポンプP外へと排出する。なお、軸受け部13の吸入口2側の端部には、受板21が設けられている。
【0026】
ステータ10は、軸方向に延在する爪磁極9を外周部に有し、当該爪磁極9がロータ8の内周面7aに対向して配置される環状のステータコア17と、このステータコア17の内部に収容される環状コイル(コイル)15とで構成されている。本実施形態のステータコア17は、金型のキャビティ(図示せぬ)内に磁性粉を充填し圧縮することにより成形した圧粉鉄心で構成されている。この圧粉鉄心は、鉄粉個々の表面を例えばリン酸皮膜処理などの無機絶縁皮膜でコーティングし、粒子間を樹脂バインドした構造であり、高周波での鉄損失が低く(渦電流損失が低く)、また飽和磁束密度が大きくしかも耐熱性に優れるという利点を備えている。そして、本実施形態のポンプPにおいては、詳細を後述するが、このステータコア17の中心部に相当する環状コイル15の内側領域に、軸方向に延在する中実の中心コア部(コア部)17aが設けられており、この中心コア部17aに鉄心の材料コストを削減する凹部30を形成した。
【0027】
制御基板11は、ステータ10の背面に設けられており、ロータ8の回転位置を検出するセンサ(図示を省略する)からの信号を受けて、環状コイル15で発生させる磁界を制御する。そして、図2に示すように、ステータ10とこの制御基板11を含めた分離板6は、例えば、不飽和ポリエステル等からなるモールド樹脂20でその全体が被覆されており、これにより強度が確保されている。
【0028】
このように構成されたポンプPにおいては、環状コイル15への通電により発生する磁界が爪磁極9からマグネット7へと伝達されることにより、このマグネット7が吸引反発し、ロータ8と一体的に設けられた羽根車1が、固定軸12を中心として回転する。そして、この羽根車1の回転にともないポンプ作用が発生し、液体が吸入口2よりポンプ室5内へと吸い込まれ、羽根車1により遠心力を加えられて、吐出口3からポンプP外へと吐出される。
【0029】
図3は、本実施形態の特徴部分であるステータコア17の分解斜視図である。
【0030】
本実施形態のステータコア17は、図3に示すように、互いにほぼ同形状の第1コア100と第2コア200とを備えており、これらが互いに分離可能となっている。
【0031】
具体的には、第1・第2コア100、200は、円板形状の基底部100a、200aと、この基底部100a、200aの周縁から軸方向に突出して立ち上がる爪磁極100b、200b(前記爪磁極9に相当)と、基底部100a、200aの中心部に設けられて爪磁極100b、200bと同方向に突出する円柱形状のボス部100c、200cとを備えている。すなわち、本実施形態では、ステータコア17の中心コア部17aは、この円柱形状の一対のボス部100c、200cと、当該ボス部100c、200cと軸方向で対応する位置の基底部100a、200aの環状領域17c(図2参照)とで構成されていることになる。
【0032】
爪磁極100b、200bは、それぞれ周方向に沿って等間隔に複数(本実施形態では3つ)配置されており、これら複数の爪磁極100b、200bの突出長さがすべて等しくなるように形成されている。一方、ボス部100c、200cは、爪磁極100b、200bの突出長さに対して略半分程度の突出長さを有している。
【0033】
そして、このような第1コア100と第2コア200とを組み付けて、図2に示すステータコア17として一体化させる際には、第1コア100の爪磁極100bを第2コア200の隣り合う爪磁極200b間に挿入配置するとともに、第2コア200の爪磁極200bを第1コア100の隣り合う爪磁極100b間に挿入する。したがって、第1コア100の爪磁極100bと第2コア200の爪磁極200bとが周方向に沿って交互に配置され、当該周方向に隣り合う爪磁極100b、200bどうしが軸方向に対して互いに逆方向に向けて延在することになる。この際、第1コア100のボス部100cと第2コア200のボス部200cは、先端面同士が接触した状態となる。
【0034】
これにより、図2に示すように、爪磁極100b、200bとボス部100c、200cとの間に環状の空間部40が形成され、この空間部40に絶縁板14を介して環状コイル15を配置させている。
【0035】
ここで、本実施形態では、この環状コイル15の内側領域に設けられた中心コア部17aの軸方向両端部のうち、吸入口2側の端部の略中心部、すなわち、第2コア200の基底部200aの略中心部に鉄心の材料コストを削減する凹部30を設けるようにした。
【0036】
この凹部30は、図2に示すように、軸方向において環状コイル15の配置される空間部40にオーバーラップしない突出深さで形成されることが好ましく、径方向においても同じく空間部40にオーバーラップしない径幅で形成されることが好ましい。本実施形態では、このような条件を満たした略円柱状の凹部30が形成されている。
【0037】
したがって、本実施形態のステータコア17によれば、磁界の発生領域となる環状コイル15の内側に中心コア部17aが設けられており、この中心コア部17aにおいて環状コイル15を回り込むように流れる磁気回路の一番遠い領域、すなわち、磁束密度の低い第2コア200の基底部200aの略中心部に凹部30を設けたため、磁気飽和を抑制しつつ鉄心の材料コストを削減することができる。
【0038】
そして、本実施形態では、この凹部30に分離板6の端板6cの中心部分が嵌め込まれており、この端板6cの中心部分を介して凹部30でモータ軸である固定軸12の吸入口2と反対側の端部を支持させるようにしている。
【0039】
このように、本実施形態では、鉄心の材料コストを削減するために形成された凹部30を固定軸12の軸受けとして有効利用したため、クローポールモータMの固定軸12を軸方向に短くすることができ、その分ポンプPを軸方向に短く構成することができるという利点がある。
【0040】
なお、本実施形態では、ボス部100c、200cと基底部100a、200aの環状領域17cとで構成された中心コア部17aの軸方向両端部のうち、吸入口2側の端部となる第2コア200の基底部200aの略中心部のみに凹部30を設ける構成としたが、さらに、吸入口2と反対側の端部となる第1コア100の基底部100aの略中心部に凹部を設ける構成としてもよい。また、本実施形態では、各コア100、200にボス部100c、200cをそれぞれ設けているが、一方の例えば第1コア100にのみボス部を設けて当該ボス部を上記ボス部100cより長く突出させて他方の第2コア200の基底部200aに接触させるようにしてもよい。そして、この凹部30の形状は特に限定されず、例えば、軸方向内側(ボス部100c、200cの先端面方向)に向けて縮径する台形状の凹部や円錐状の凹部を設けてもよい。
【0041】
また、本実施形態において、ステータコア17全体を圧粉鉄心で構成したが、環状コイル15の内側領域における中心コア部17aの少なくとも一部のみを圧粉鉄心で構成してもよく、これによっても渦電流損失を抑えることができる。そして、このように中心コア部17aの渦電流損失を低減することによって、当該中心コア部17aにおける鉄心の磁力発生効率を向上することができるため、同一出力を維持したままで鉄心の使用量をさらに削減することも可能となる。
【0042】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0043】
本発明における第2実施形態として、ステータコア17を金属ガラスで構成する。
【0044】
金属ガラスは、前記した圧粉鉄心と同様に高周波での鉄損失が低く(渦電流損失が低く)、また磁気飽和密度が大きくしかも耐熱性に優れるという利点を備えている。このため、本実施形態においても上記第1実施形態と同様に、渦電流損失を抑えることができるとともに、高周波数域で使用できるクローポールモータMとすることができる。
【0045】
また、金属ガラスは圧粉鉄心よりも渦電流損失を抑制することができるため、上記第1実施形態に対して、クローポールモータMの出力効率及び出力トルクを向上することができる。
【0046】
なお、ステータコア17を金属ガラスで構成した場合においても、ステータコア17全体を金属ガラスで構成してもよいが、環状コイル15の内側領域における中心コア部17aの少なくとも一部のみを金属ガラスで構成してもよく、これによっても渦電流損失を抑えることができる。
【0047】
また、このようなステータコア17は、金属ガラス粉(例えば、高純度Feに、FeSi、FeB、FePを混合させたもの)を、例えば、温間圧縮成形などによって圧縮した圧粉体で構成することもできる。
【0048】
そして、ステータコア17を上記圧粉体で構成した場合においても、ステータコア17全体を上記圧粉体で構成してもよいが、環状コイル15の内側領域における中心コア部17aの少なくとも一部のみを上記圧粉体で構成してもよく、これによっても渦電流損失を抑えることができる。
【0049】
また、このようなステータコア17は、金属ガラス粉と樹脂バインダとを混ぜ合わせた混合材料をインジェクション成形にて製造することもできる。
【0050】
このようにインジェクション成形によってステータコア17を製造することで、上記第1実施形態のような圧粉鉄心を製造する場合と比較して、金型寿命が長いなど金型コストを低く抑えることができる上、製品形状の自由度も高いので、要求される性能に対して対応しやすくなる。
【0051】
なお、上記インジェクション成形によってステータコア17を製造した場合においても、ステータコア17全体をインジェクション成形してもよいが、環状コイル15の内側領域における中心コア部17aの少なくとも一部のみをインジェクション成形してもよく、これによっても渦電流損失を抑えることができる。
【0052】
[第3実施形態]
本実施形態では、本発明のクローポールモータMを駆動源として構成したポンプPを搭載したポンプ駆動機器について説明する。
【0053】
図4は、本実施形態にかかるポンプ駆動機器としての食器洗浄機100を示しており、この食器洗浄機100では、水または温水が給水口101から貯水槽102に供給されるようになっており、貯水槽102に供給された水または温水が、洗浄ポンプP1によって貯水槽102からノズル103に送られ、水または温水をノズル103から噴出することで食器洗浄機100内に配置した食器104を洗浄するようになっている。なお、本実施形態では、洗浄後の水または温水は、下方に落下して貯水槽102に溜められ、浄水ポンプP1によって再度ノズル103に送られるようになっている。そして、所定時間循環洗浄した後に、洗浄ポンプP1を停止して排水ポンプP2を作動させることで、貯水槽102内の水が排水されるようになっている。
【0054】
次に、給水口101から再度、水はたは温水を貯水槽102に供給した後、洗浄ポンプP1を所定時間作動させて濯ぎを行う。その後、洗浄ポンプP1を停止して排水ポンプP2を作動させて貯水槽102の水または温水を排水する。以上の動作を数回繰り返して濯ぎを行うことで、食器洗浄機100内に配置した食器104が洗浄されるようになっている。
【0055】
ここで、本実施形態では、上述した洗浄ポンプP1および排水ポンプP2に、上記第1実施形態で例示したクローポールモータMを駆動源としたポンプP(図1および図2参照)を用いている。
【0056】
このように、本実施形態にかかる食器洗浄機100に、本発明のクローポールモータMを駆動源としたポンプPを用いて洗浄ポンプP1および排水ポンプP2を構成することで、低コスト化ならびに小型化を図ることのできる食器洗浄機100を得ることができる。
【0057】
次に、本実施形態のポンプ駆動機器の変形例について説明する。
【0058】
図5は、上記第3実施形態の第1変形例を示しており、ポンプ駆動機器が洗濯機200である場合を例示する。
【0059】
この洗濯機200は、洗濯槽201が図示せぬモータによって回転制御されており、当該洗濯槽201を回転させるとともに、洗濯機200内の水を循環ポンプP3で循環させることで衣類などの洗濯を行うようにしている。
【0060】
ここで、本変形例では、上述した循環ポンプP3に、上記第1実施形態で例示したクローポールモータMを駆動源としたポンプP(図1および図2参照)を用いている。
【0061】
このように、本変形例にかかる洗濯機200に、本発明のクローポールモータMを駆動源としたポンプPを用いて循環ポンプP3を構成することで、低コスト化ならびに小型化を図ることのできる洗濯機200を得ることができる。
【0062】
また、本変形例では、洗濯槽201を回転させるモータとして、上記第1実施形態に示したクローポールモータMを用いることが好ましい。
【0063】
図6は、上記第3実施形態の第2変形例を示しており、ポンプ駆動機器が給湯ユニット300である場合を例示する。
【0064】
この給湯ユニット300は、エコキュート、ガス給湯機器およびコジェネレーションなどに用いることができる。
【0065】
図6は、給湯ユニット300のエコキュートシステム概略図を示している。給湯ユニット300は、ヒートポンプユニット301、貯湯ユニット302、風呂303、床暖房304および追い焚き熱交換器305や暖房熱交換器306等を備えている。
【0066】
また、上記給湯ユニット300には、台所や洗面用の温水蛇口307やお湯をためる補助タンク308が設けられており、かつ、給水口309の下流には減圧弁310が設けられるとともに、床暖房304には熱動弁311が設けられている。更に、それぞれの配管には複数の混合弁312や安全弁313が設けられている。
【0067】
そして、複数のポンプP4、P5、P6、P7、P8を駆動させるとともに、上記各弁を制御することで、風呂303や台所や洗面用の温水蛇口307等に、水やお湯を所望の温度、流量で供給できるようにしている。
【0068】
ここで、本変形例では、上述したポンプP4〜P8に、上記第1実施形態で例示したクローポールモータMを駆動源としたポンプP(図1および図2参照)をそれぞれ用いている。
【0069】
このように、本変形例にかかる給湯ユニット300に本発明のクローポールモータMを駆動源としたポンプPを用いてそれぞれのポンプP4〜P8を構成することで、低コスト化ならびに小型化を図ることのできる給湯ユニット300を得ることができる。
【0070】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記第3実施形態では、上記第1実施形態で例示したクローポールモータを駆動源としたポンプを用いてポンプ駆動機器を構成したが、上記第2実施形態で例示したクローポールモータを駆動源としたポンプを用いてポンプ駆動機器を構成することも勿論可能である。
【符号の説明】
【0071】
7a マグネットの内周面(ロータの内周面)
9,100b,200b 爪磁極
15 環状コイル(コイル)
17 ステータコア
17a 中心コア部(コア部)
30 凹部
40 空間部
M クローポールモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延在するとともに外周部に設けられる爪磁極と、軸方向に延在するとともに略中心部に設けられる中実のコア部とを有したステータコアと、
前記ステータコアの外周側に前記爪磁極に対して内周面が対向するように設けられるロータと、
前記爪磁極と前記コア部との間に形成される空間部に配置されるコイルとを備え、
前記コア部の軸方向両端部のうち少なくともいずれか一方の端部の略中心部に凹部を設けたことを特徴とするアウタロータ型のクローポールモータ。
【請求項2】
前記ロータの軸方向一端部に当該ロータとともに回転する回転端部を設けるとともに、当該回転端部の略中心部にモータ軸を設け、
当該モータ軸を前記凹部で支持するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のアウタロータ型のクローポールモータ。
【請求項3】
前記コア部の少なくとも一部を、磁性粉を圧縮して成形した圧粉体で構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアウタロータ型のクローポールモータ。
【請求項4】
前記コア部の少なくとも一部を、金属ガラスで構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアウタロータ型のクローポールモータ。
【請求項5】
請求項1〜4のうち何れか1項に記載の前記アウタロータ型のクローポールモータを駆動源としたことを特徴とするポンプ。
【請求項6】
請求項5に記載の前記ポンプを搭載したことを特徴とするポンプ駆動機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−200454(P2010−200454A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41172(P2009−41172)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】