説明

アスコルビン酸またはサリチル酸化合物を含む化粧用組成物

【課題】本発明の目的は、アスコルビン酸、サリチル酸、または、これらの誘導体から選択される1つの活性成分、および、界面活性剤系を含むエマルションであって、特に、55℃において24時間に亘り安定であるエマルションを利用可能とすることであり、本発明は、ケラチン物質をケアし、または、メイクアップするために応用される。
【解決手段】本発明は、
−アスコルビン酸化合物またはサリチル酸化合物;
−脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル;
−C16-C22脂肪酸とソルビタンのエステル、および、C16-C22脂肪酸とグリセロールのエステルから選択される追加の界面活性剤;
−エチレンオキシドとプロピレンオキシドの縮重合体
を含む水中油型エマルションの形態の組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、アスコルビン酸化合物またはサリチル酸化合物から選択される活性成分、および、特定の界面活性剤混合物を含む化粧用水中油型組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アスコルビン酸又はビタミンCおよびその誘導体は、数々の有益な特性のために、一般に使用される。特に、アスコルビン酸は、結合組織、とりわけ、コラーゲンの合成を刺激し、紫外線の照射及び汚染等の外部攻撃に対しての皮膚の防御を補強し、皮膚のビタミンEの欠乏を補い、皮膚の色素を取り除き、並びにフリーラジカルスカベンジャーとしての機能を有する。これらの後者の2つの特性のおかげで、アスコルビン酸は皮膚の老化と戦い、それを予防する化粧用又は皮膚科学的活性成分としての卓越した候補となっている。不幸にも、その化学構造(アルファ-ケトラクトン)に起因して、アスコルビン酸は、ある環境パラメーター及び特定の酸化現象に対して非常に敏感である。結果としては、これらのパラメーター、及び、もっと詳しく言えば、酸素、光、及び金属イオンの存在下において、処方されたアスコルビン酸は、温度に依存して、又は他のあるpHコンディション下において、急速に分解することとなる(Pharm. Acta Helv., 1969, 44, 611-67; STP Pharma, 1985, 4, 281-6)。
【0003】
さらに、サリチル酸とその誘導体を局所用組成物、とりわけ、化粧用または皮膚科用組成物において、例えば座瘡の処置のための角質溶解剤、または、抗老化剤として使用することは公知である。仏国特許出願公開2581542号および欧州特許出願378936号がこれらの誘導体を開示する。
【0004】
しかし、アスコルビン酸またはサリチル酸もしくはこれらの誘導体を、エマルション、特に、水中油型エマルション中において使用する場合であって、エマルションが、特に、脂肪酸とポリエチレングリコールのエステルと、追加の界面活性剤であって、C16-C22脂肪酸とソルビタンのエステル、および、C16-C22脂肪酸とグリセロールのエステルから選択されるものを含む界面活性剤系を含む場合、上記エマルションは不安定化する傾向を有し、その後、表面における油の分離を示す。水相に分散した油球は粗い外観を示し、上記エマルションを不均一なものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許出願公開2581542号
【特許文献2】欧州特許出願378936号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Pharm. Acta Helv., 1969, 44, 611-67; STP Pharma, 1985, 4, 281-6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
事実として、この上記の界面活性剤系は、これらのエマルションについて付与する特定の質感(texture)のために有利なものである。後者は、粘度の高い質感を有し、化粧用製品を、ポット(瓶)にパッケージ化するのに適している(チューブやポンプ動作スプレーにパッケージ化される液体の質感とは対照的に、粘度の高い質感は、ポットを上下にひっくり返しても即座に流れ出ない。);これらの組成物は指で容易にとることができ、皮膚に十分に、かつ、心地よく広がり、容易に浸透します。;そして、柔らかさを付与し、べとつきを呈することはありません。
【0008】
本発明の目的は、従って、アスコルビン酸、サリチル酸、または、これらの誘導体から選択される1つの活性成分、および、上述の界面活性剤系を含むエマルションであって、特に、55℃において24時間に亘り、さらに、45℃において2カ月に亘り安定であるエマルションを利用可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の発明者は、これらのエマルションがエチレンオキシドとプロピレンオキシドの縮重合体を添加することにより得られることを発見した。
【0010】
とりわけ、本願発明の主題は、
−アスコルビン酸化合物またはサリチル酸化合物;
−脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル;
−C16-C22脂肪酸とソルビタンのエステル、および、C16-C22脂肪酸とグリセロールのエステルから選択される追加の界面活性剤;
−エチレンオキシドとプロピレンオキシドの縮重合体
を含む水中油型エマルションの形態の組成物である。
【0011】
第1の実施形態によると、本発明の主題は、
−アスコルビン酸化合物;
−脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル;
−C16-C22脂肪酸とソルビタンのエステル、および、C16-C22脂肪酸とグリセロールのエステルから選択される追加の界面活性剤;
−エチレンオキシドとプロピレンオキシドの縮重合体
を含む水中油型エマルションの形態の組成物である。
【0012】
第2の実施形態によると、本発明の主題は、
−サリチル酸化合物;
−脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル;
−C16-C22脂肪酸とソルビタンのエステル、および、C16-C22脂肪酸とグリセロールのエステルから選択される追加の界面活性剤;
−エチレンオキシドとプロピレンオキシドの縮重合体
を含む水中油型エマルションの形態の組成物である。
【0013】
本発明の別の主題は、上記に規定の組成物のケラチン物質への適用を含む、ケラチン物質をケアし、または、メイクアップするための非治療的方法である。
【0014】
本発明に係る組成物に存在するアスコルビン酸化合物は、有利には、アスコルビン酸およびその塩、例えばアスコルビルリン酸マグネシウム、または、アスコルビルリン酸ナトリウム、および、アスコルビン酸グリコシル、並びにこれらの混合物から選択される。
【0015】
アスコルビン酸化合物は、好ましくは、アスコルビルリン酸マグネシウム、および、アスコルビン酸グリコシルから選択される。
【0016】
上述のアスコルビン酸化合物は、本発明に係る組成物に、上記組成物の全重量に対して、0.05重量%から10重量%の範囲の量で、好ましくは0.05重量%から5重量%の範囲の量で、さらに好ましくは0.1重量%から3重量%の範囲の量で、存在してもよい。
【0017】
本発明に係る組成物に存在するサリチル酸化合物は、有利には、サリチル酸、および、以下の式(I)の化合物:
【化1】

[式中、
−R基は、2〜22の炭素原子を有する、直鎖、分枝、または環状の飽和脂肪鎖; 共役していてもよい1以上の二重結合を含む2〜22の炭素原子を有する不飽和鎖;直接または2〜7の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪鎖を経てカルボニル基に結合した芳香環を表し;上記基は、(a)ハロゲン原子、(b)トリフルオロメチル基、(c)遊離した、または、1〜6の炭素原子を有する酸によりエステル化された形態の水酸基、または(d)遊離した、または、1〜6の炭素原子を有する低級アルコールによりエステル化された形態のカルボキシル官能基から選択される同一または異なった1以上の置換基により置換されていてもよく;
−R’は水酸基である;]
−および、無機または有機塩基から生ずるこれらの塩;
から選択される。
【0018】
好ましくは、R基は、3〜11の炭素原子を有する、直鎖、分枝、または飽和環状脂肪鎖であって、3〜11の炭素鎖を含むもの;3〜17の炭素原子を含み、かつ、1以上の共役または非共役二重結合を含む不飽和鎖を表し;ここで、上記炭化水素鎖は(a)ハロゲン原子、(b)トリフルオロメチル基、(c)遊離した、または、1〜6の炭素原子を有する酸によりエステル化された形態の水酸基、(d)遊離した、または、1〜6の炭素原子を有する低級アルコールによりエステル化された形態の水酸基から選択される、1以上の同一か異なった置換基に置換されていてもよく;
−および、無機または有機塩基による塩化により得られるこれらの塩である。
【0019】
とりわけ好ましい化合物は、R基がC3-C11アルキル基であるものである。
【0020】
化学式(I)の化合物としてとりわけ好まれるものとしては、5-(n-オクタノイル)サリチル酸(またはカプリロイルサリチル酸);5-(n-デカノイル)サリチル酸; 5-(n-ドデカノイル)サリチル酸; 5-(n-ヘプチロキシ)サリチル酸;およびこれらの対応する塩が挙げられる。
【0021】
サリチル酸化合物は、有利には、サリチル酸、および、5-(n-オクタノイル)サリチル酸から選択される。とりわけ、5-(n-オクタノイル)サリチル酸が使用される。
【0022】
化学式(I)の化合物の塩は無機または有機塩基による塩化により得ることができる。無機塩基の例としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはアンモニアが挙げられる。
【0023】
有機塩基の例としては、アミンおよびアルカノールアミンが挙げられる。仏国特許2607498に記載される第4級塩がとりわけ有利である。
【0024】
本発明について使用される化学式(I)の化合物は、米国特許第6159479号、および、米国特許第5558871号、仏国特許2581542号、仏国特許2607498号、米国特許第4767750号、欧州特許378936号、米国特許第5267407号、米国特許第5667789号、米国特許第5580549号、および欧州特許出願570230号に記載されております。
【0025】
上述のサリチル酸化合物は本発明に係るエマルションに、上記組成物の全重量に対して、0.05重量%から10重量%の範囲の量で、好ましくは0.05重量%から5重量%の範囲の量で、さらに好ましくは0.1重量%から3重量%の範囲の量で、存在してもよい。
【0026】
本発明に係る組成物は、主要な乳化のための界面活性剤として、脂肪酸とポリエチレングリコールの少なくとも1つのエステルを含む。
【0027】
本発明に係る組成物中に存在する脂肪酸とポリエチレングリコールのエステルは、好ましくは、8〜100のエチレンオキシド単位を含むC16-C22脂肪酸エステルである。
【0028】
上記エステルの脂肪鎖は、特に、ステアリル、ベヘニル、アラキジル、パルミチル、またはセチル単位、およびこれらの混合物から選ばれてもよく、例えばセテアリル、好ましくはステアリル鎖である。
【0029】
エチレンオキシド単位の数は、8〜100, 好ましくは10〜80、より好ましくは10〜50の範囲であってよい。本発明の特定の実施態様においては、この数は20〜40である。
【0030】
脂肪酸とポリエチレングリコールのエステルの例は、それぞれが20、30、40、50、又は100のエチレンオキシド単位を含むステアリン酸エステル類を含み、その例としては、Croda 社により、それぞれ、Myrj 49 P (ポリエチレングリコール 20 EO ステアレート; CTFA名: PEG-20 ステアレート), Myrj 51, Myrj 52 P (ポリエチレングリコール 40 EO ステアレート; CTFA名: PEG-40 ステアレート), Myrj 53 及び Myrj 59 Pの名称で販売される製品等が挙げられる。
【0031】
脂肪酸とポリエチレングリコールのエステルは、本発明に係る組成物中に、上記組成物の全重量に対して、0.1重量%から10重量%の範囲の量で、好ましくは0.1重量%から5重量%、より好ましくは0.1重量%から3重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0032】
本発明に係る組成物は、また、C16-C22脂肪酸とソルビタンのエステル、C16-C22脂肪酸とグリセロールのエステルから選択される追加の乳化のための界面活性剤を含む。
【0033】
本発明の第一の実施態様によると、組成物はC16-C22脂肪酸とソルビタンのエステルを含む。
【0034】
C16-C22脂肪酸とソルビタンのエステルは、それぞれが16から22の炭素原子を有する少なくとも1の飽和又は不飽和の直鎖アルキルを含む少なくとも1の脂肪酸をソルビトールでエステル化することにより形成される。これらのエステルは、特に、ソルビタンステアレート、べへネート、アラキデート、パルミテート、及びオレエート、並びにこれらの混合物より選択されてもよい。ソルビタンステアレート、及びパルミテートを用いることが好ましく、ソルビタンステアレートを用いることがより好ましい。
【0035】
本発明に係る組成物に存在するC16-C22脂肪酸とソルビタンのエステルは、有利なものとしては、45℃以下の温度で固体である。
【0036】
本発明に係る組成物で有用なソルビタンエステルの例は、ソルビタンモノステアレート (CTFA名: ソルビタンステアレート)でCroda社により Span 60の名称で販売されているもの、ソルビタントリステアレートでCroda社により Span 65 Vの名称で販売されているもの、ソルビタンモノパルミテート (CTFA名: ソルビタンパルミテート)で Croda社により Span 40の名称で販売されているもの、ソルビタンモノオレエートでCroda社により Span 80 Vの名称で販売されているもの、並びにソルビタントリオレエートでCroda社により Span 85 Vの名称で販売されているものを含んでもよい。好ましくは、使用されるソルビタンエステルはソルビタントリステアレートである。
【0037】
C16-C22脂肪酸とソルビタンのエステルは、本発明に係る組成物中に、上記組成物の全重量に対して、0.01重量%から10重量%の範囲の量で、好ましくは0.01重量%から5重量%、より好ましくは0.1重量%から3重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0038】
グリセロールと脂肪酸のエステルは、16から22の炭素原子を有する飽和直鎖アルキルを含む酸より得られる。特に、グリセロールと脂肪酸のエステルとして、グリセリルステアレート(グリセリルモノ−、ジ−、および/または、トリステアレート)(CTFA名:グリセリルステアレート)、グリセリルリシノレエート、およびこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、使用されるグリセロールと脂肪酸のエステルは、グリセリルステアレートから選択される。
【0039】
グリセロールと脂肪酸のエステルは、本発明に係る組成物中に、上記組成物の全重量に対して、0.1重量%から10重量%の範囲の量で、好ましくは0.1重量%から5重量%、より好ましくは0.1重量%から3重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0040】
本発明の組成物は、特に、グリセリルステアレートと、ポリエチレングリコール100EOモノステアレートの混合物、特に、Croda社による、Aracel165の名称で販売される、50/50混合物を含むものであってよい。
【0041】
本発明の組成物は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの縮重合体、とりわけ、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールブロックからなるコポリマー、例えば、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコールトリブロック縮重合体を含む。例えば、これらのトリブロック縮重合体は以下の化学構造を有する:
H-(O-CH2-CH2)a-(O-CH(CH3)-CH2)b-(O-CH2-CH2)a-OH,
式中、aは2〜150の範囲にあり、bは1〜100の範囲にあり、;好ましくは、aは10〜130の範囲にあり、bは20〜80の範囲にある。
【0042】
エチレンオキシドとプロピレンオキシドの縮重合体は、好ましくは、1000〜15000の範囲、好ましくは1500〜15000、とりわけ1500〜10000、さらには、1500〜5000の範囲の重量平均分子量を有する。
【0043】
有利には、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの上記縮重合体は、10g/lの蒸留水中において、20℃以上、好ましくは、60℃以上の曇点を有する。曇点は、ISO1065の基準により測定する。
【0044】
本発明において用いることができるエチレンオキシドとプロピレンオキシドの縮重合体としては、「Synperonic」の名前において販売される、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコールトリブロック縮重合体を挙げることができる。例えば、Croda社による「Synperonic(登録商標) PE/F32」(INCI名:Poloxamer 108)、「Synperonic(登録商標) PE/L108」(INCI名:Poloxamer 338)、「Synperonic(登録商標) PE/L44」(INCI名:Poloxamer 124)、「Synperonic(登録商標) PE/L42」(INCI名:Poloxamer 122)、「Synperonic(登録商標) PE/F127」(INCI名:Poloxamer 407)、「Synperonic(登録商標) PE/F88」(INCI名:Poloxamer 238)、もしくは「Synperonic(登録商標) PE/L64」(INCI名:Poloxamer 184)、または、BASF社による「Lutenol(登録商標)F68」(INCI名:Poloxamer 188)が挙げられる。
【0045】
エチレンオキシドとプロピレンオキシドの縮重合体は、本発明に係る組成物に、上記組成物の全重量に対して、0.01重量%から5重量%の範囲の量で、好ましくは0.05重量%から3重量%の範囲の量で、さらに好ましくは0.05重量%から1重量%の範囲の量で、存在してもよい。
【0046】
本発明に係る組成物は、アルカリ金属セチルリン酸塩から選択されるアニオン性界面活性剤を追加に含む。アルカリ金属塩は、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩である。イオン性界面活性剤は、好ましくは、セチルリン酸カリウムである。
【0047】
特に、DSM Nutritional Products社により、「Amphisol K」の名称で販売される、一カリウムモノセチルリン酸塩(INCI名:セチルリン酸カリウム)を使用してもよい。
【0048】
このアニオン性界面活性剤は組成物の高温(55℃)における2カ月間の安定性を向上させることができる。
【0049】
アニオン性界面活性剤は、本発明に係る組成物に、上記組成物の全重量に対して、0.05重量%から5重量%の範囲の量で、好ましくは0.5重量%から3重量%の範囲の量で、さらに好ましくは0.1重量%から3重量%の範囲の量で、存在してもよい。
【0050】
本発明に係る組成物は、組成物の水相の増粘を可能とする、親水性ゲル化剤を含んでもよい。
【0051】
親水性ゲル化剤は、例えば、以下のものから選択される:
(i)カルボキシビニルポリマー(例えば、任意に架橋されたアクリル酸ポリマー)、例えば、Goodrich社により、Carbopolの名称(INCI名:カルボマー)の名称で販売されるもの;
(ii)ポリアクリルアミド、並びに、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のポリマーおよびコポリマーであって、任意に架橋および/または中和されているもの、例えば、「Hostacerin AMPS」の名称(INCI名:ポリアクリロイルジメチルタウラティックアンモニウム)でHoechst社により販売されているポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸);
アクリルアミドとAMPSの架橋アニオン性コポリマーであって、エマルションの形態で提供されるもの、例えば、SEPPIC社により、Sepigol305(CTFA名:ポリアクリルアミド/C13-14 イソパラフィン/ラウレス-7)の名称、および、Simulgel 600の名称(CTFA名:アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウレートナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)で販売されるもの;
アクリル酸とAMPSの架橋アニオン性コポリマーであって、エマルションの形態で提供されるもの、例えば、Sigulgel EGの名称(CTFA名:アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウレートナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)において販売されるもの;
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸/エトキシル化C12-C14アルキルメタクリレートコポリマー(Clariant社によるAristoflex LNC) または、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸/エトキシル化ステアリルメタクリレートコポリマー(Clariant社によるAristoflex HMS、および、Aristoflex SNC);
(iii)多糖類、例えば、キサンタンガム、グアールガム、アルギネートまたはセルロースポリマー、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、またはカルボキシメチルセルロース;
(iv)無機化合物、例えば、スメクタイト、または、ヘクトタイトであって、変性されていても、いなくてもよいもの、例えば、Rheox社によるBentone製品、Soughern Clay Products社による、Laponite 製品またはR.T.Vanderbilt社による、Veegum HS製品;およびこれらの混合物。
【0052】
これらの親水性ゲル化剤のうち、上述の多糖類、特にキサンタンガムがとりわけ選択される。
【0053】
親水性ゲル化剤は、本発明に係る組成物に、上記組成物の全重量に対して、0.01重量%から10重量%の範囲の量で、好ましくは0.1重量%から5重量%の範囲の量で、さらに好ましくは0.1重量%から3重量%の範囲の量で、存在してもよい。
【0054】
本発明に係る組成物は水相を含む。
【0055】
組成物は、水を、上記組成物の全重量に対して、20重量%から95重量%の範囲の量で、好ましくは30重量%から90重量%の範囲の量で、さらに好ましくは40重量%から70重量%の範囲の量で、含んでもよい。
【0056】
水は、ヤグルマギクの水等の芳香蒸留水、及び/又は、ヴィテル(Vittel)の水、ルーカス(Lucas) の水、ラ ロシェ ポセイ(La Roche-Posay)の水等のミネラルウォーター、及び/又は、温泉水であってもよい。
【0057】
組成物は、周囲温度(25℃)において水と混和性の有機溶媒であって、特に、以下のものより選択されるものをさらに含んでもよい。:
エタノール、イソプロパノール等の2〜6の炭素原子を有するモノアルコール類;
2〜20の炭素原子、好ましくは、2〜10の炭素原子、より好ましくは2〜6の炭素原子を有するポリオール類、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、またはジエチレングリコール;
グリコールエーテル類(特に、3〜16の炭素原子を有するもの)、(例えば、モノ−、ジ−、トリプロピレングリコール(C1-C4)アルキルエーテル類、または、モノ−、ジ−、トリエチレングリコール(C1-C4)アルキルエーテル類);並びにこれらの混合物。
【0058】
本発明に係る組成物は、周囲温度で水と混和性の有機溶媒、特にポリオールを、組成物の全重量に対して、1重量%〜20重量%の範囲の量、好ましくは、3重量%〜15重量%の量、含んでもよい。
【0059】
有利なものとしては、本発明に係る組成物は、3.0〜8.0の範囲のpH、好ましくは4.0〜8.0の範囲のpH、より好ましくは5.0〜7.0の範囲のpH、さらに好ましくは5.5〜6.5の範囲のpHを有する。
【0060】
本発明に係る組成物は、さらに、オイル相を含む。
【0061】
本発明に係る組成物において、さらにとりわけ使用されてもよいオイル類は、例えば、以下のものを含む:
- パーヒドロスクワレン(又はスクワラン)等の動物由来の炭化水素オイル類;
- 特に、脂肪酸の合成エステル類及びエーテル類、例えば、化学式RCOOR及びRORのオイル類であって、式中Rは8から29の炭素原子を含む脂肪酸残基であり、Rは、3から30の炭素原子を含む直鎖または分枝状の炭化水素鎖を表すもの。例えば、プルセリン油、イソノニルイソノナエート、イソプロピルミリステート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルステアレート、2−オクチルドデシルエルケート、又はイソステアリルイソステアレート;ヒドロキシエステル類、例えば、イソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、オクチルドデシルヒドロキシステアレート、ジイソステアリルマレート、及びトリイソセチルシトレート、又は脂肪酸アルコールヘプタノエート類、オクタノエート類、及びデカノエート類;ポリオールエステル類、例えば、プロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジへプタノエート、及びジエチレングリコールジイソノナノエート;ペンタエリスリチルテトライソステアレート等のペンタエリスリトールエステル類;又は、アミノ酸の親油性誘導体類、例えば、イソプロピルラウロイルサルコシネート(INCI名: イソプロピルラウロイルサルコシネート)、味の素社によりEldew SL 205の名称において販売されているもの;
- 直鎖状又は分岐状の、天然又は合成由来の炭化水素系オイル類、例えば、鉱物オイル類(石油由来の炭化水素類の混合物; INCI名: 鉱物オイル)、揮発性又は非揮発性の液体パラフィン類それらの誘導体類、ワセリン、ポリデセン類、イソヘキサデカン、イソドデカン、又は水添イソパラフィン、例えば、日本油脂社によりParleam(登録商標)の商標名で販売されているもの(INCI名:水添ポリイソブテン);
- 室温で液体又はペースト状であり、直鎖状又は環状のシリコーン鎖を含む、揮発性又は非揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS)等のシリコーンオイル類;
特に、シクロペンタジメチルシロキサン及びシクロヘキサジメチルシロキサン等のシクロポリジメチルシロキサン類(シクロメチコン類);ペンダント状に、又は、シリコーン鎖の端部において、2〜24の炭素原子を有するアルキル、アルコキシ、又はフェニル基を含むポリジメチルシロキサン類;又は、フェニルシリコーン類、例えば、フェニルトリメチコン類、フェニルジメチコン類、フェニル(トリメチルシロキシ)ジフェニルシロキサン類、ジフェニルジメチコン類、ジフェニル(メチルジフェニル)トリシロキサン類、(2−フェニルエチル)トリメチルシロキシシリケート類、及びポリメチルフェニルシロキサン類;
- フッ素化オイル類、例えば、部分的に炭化水素ベース、及び/又は、シリコーンベースのもの、例えば、文献JP-A-2-295912に記載されているもの;
- ジカプリリルエーテル等のエーテル類(CTFA名: ジカプリリルエーテル); 並びに C12-C15 脂肪酸アルコールベンゾエート類 (Finetex社 によるFinsolv TN); 並びに
- これらの混合物。
【0062】
本発明に係る組成物に、オイル類は、組成物の全重量に対して、1重量%〜50重量%の範囲の量、好ましくは、5重量%〜40重量%の量、より好ましくは、5重量%〜30重量%の量において存在してもよい。
【0063】
エマルションのオイル相は、他の脂肪物質、例えば、ワックス類、シリコーンガム類(ジメチコノール)等のガム類、シリコーン樹脂類、並びにこれらの混合物、を含んでもよい。
【0064】
本発明に係る組成物は、少なくとも1の有機光保護剤であって、UVA及び/又はUVBに活性を有するもの (吸収剤)を含んでもよい。これらの光保護剤は、水溶性若しくは脂溶性、又は一般に使用される化粧用溶媒に不溶である。
【0065】
良好な安定性を有するため、本発明に係る組成物は、有機UV遮蔽剤の配合に適切である。(組成物中に取り込まれるUV遮蔽剤は、ビタミンCの存在により分解することはない。)
【0066】
有機遮蔽剤は、特に、以下のものから選択される。:
アントラニレート類;桂皮誘導体類;ジベンゾイルメタン誘導体類;アスコルビック誘導体類;ショウノウ誘導体類;トリアジン誘導体類であって、例えば、米国特許出願4367390, 欧州特許出願863145, 欧州特許出願517104, 欧州特許出願570838, 欧州特許出願796851, 欧州特許出願775698, 欧州特許出願878469, 欧州特許出願933376, 欧州特許出願507691, 欧州特許出願507692, 欧州特許出願790243, 欧州特許出願944624に記載されているもの;ベンゾフェノン誘導体体類;β,β-ジフェニルアクリレート誘導体類;ベンゾトリアゾール誘導体類;ベンズアルマロネート誘導体類;ベンズイミダゾール誘導体類;イミダゾリン類; 欧州特許669323 及び 米国特許2463264に記載されているビス−ベンズオキサゾリル誘導体類; p-アミノ安息香酸(PABA) 誘導体類; 米国特許出願5237071, 米国特許出願5166355, 英国特許出願2303549, ドイツ国特許出願19726184 及び欧州特許出願893119に記載されているメチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体類; 高分子遮蔽剤、及び、シリコーン遮蔽剤、例えば、特に、国際特許出願WO 93/04665に記載されるもの;α-アルキルスチレンに由来する二量体類、例えば、ドイツ国特許出願19855649に記載されるもの; 欧州特許出願0967200, ドイツ国特許出願 19746654, ドイツ国特許出願 19755649, 欧州特許出願-A-1 008 586, 欧州特許出願 1133980 及び欧州特許出願 1133981に記載の4,4-ジアリールブタジエン類、並びに、これらの混合物。
【0067】
有利なものとしては、非イオン性有機保護遮蔽剤が使用される。
【0068】
光防護剤は、本発明に係る組成物において、組成物の全重量に対して、0.01重量%〜30重量%、好ましくは、0.1重量%〜25重量%、さらに好ましくは、0.1重量%〜20重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0069】
本発明に係る組成物は、さらに、充填剤類を含んでもよい。
【0070】
用語「充填剤」とは、無色又は白色、有機又は無機であって、組成物が製造される温度とは無関係に組成物の媒体に不溶のあらゆる形態の粒子であって、組成物を着色することのないものをいう。
【0071】
充填剤は、結晶学的形態であるかを問わず、いかなる形態、小板状、球状、又は長楕円形のものであってよい(例えば、シート状、立方体状、六法晶系、斜方晶系の、等)。例としては、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン、及びポリエチレン、テトラフルオロエチレンポリマー(テフロン(登録商標))粉末、ラウロイルリシン、デンプン、窒化ホウ素、中空ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリル等のような中空マイクロスフィアー重合体、例えば、エキスパンセル(登録商標)(ノーベルインダストリー)、アクリル酸のコポリマー類、シリコーンレジンマイクロビーズ類(例えば、東芝のトスパール(登録商標))、ポリオルガノシロキサン類の弾性体粒子、沈降カルシウムカーボネート、マグネシウムカーボネート、及びハイドロジェンカーボネート、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム類、ポリウレタン粉末、充填剤組成物、中空シリカマイクロスフィアー、及び、ガラス又はセラミックマイクロカプセル類が挙げられる。
【0072】
充填剤は、本発明に係る組成物において、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜15重量%、好ましくは、0.1重量%〜10重量%、さらに好ましくは、0.1重量%〜5重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0073】
本発明に係る組成物は、さらに、以下のものより選択される追加の活性成分を含んでもよい。:
落屑剤であって、脱皮を促進することにより落屑に直接作用することが可能なもの、又は落屑若しくは角質細胞接着斑の崩壊に関与する酵素に作用することにより作用することが可能なもの、湿潤剤、脱色剤又は脱色促進剤、反グリコシル化剤、一酸化窒素シンターゼ阻害剤、5α-レダクターゼ促進剤、リシル及び/又はプロピリルヒドロキシラーゼ阻害剤、真皮又は表皮の合成を刺激及び/又はそれらの分解を防止する活性成分、
線維芽細胞又はケラチノサイトの増殖、及び/又は、ケラチノサイトの分化を刺激する活性成分、筋弛緩剤、抗菌剤、膨張剤、汚染防止物質、又はフリーラジカルスカベンジャー類、抗炎症剤、脂肪分解活性成分、又は脂肪組織の減少に直接又は間接的に好ましい作用を有する活性成分、微小循環に作用する活性成分、並びに細胞エネルギー代謝に作用する活性成分。
【0074】
有利なものとしては、本発明のエマルションは、25°C、剪断率200 min-1(一分間に200回転、つまり、50 Hzの振動数)の測定において、1.5 〜2 Pa.s (15〜20 ポイズ)の範囲、好ましくは1.7〜1.9 Pa.s (17〜19 ポイズ)の範囲の粘度を有してもよい。
粘度測定は、25°CでMettler Rheomat 180粘度計であって、No. 3 スピンドルを備えたものものを用い、10分間のスピンドル回転の後(粘度及びスピンドル回転速度の安定が認められた後)、剪断率200 min-1にて行う。
【0075】
本発明に係る組成物は、特に、局所的使用を意図しており、特に、化粧用、又は皮膚科学的な局所的使用を意図している。
【0076】
従来からある様に、本発明の化粧用又は皮膚科学的組成物は、化粧用、又は皮膚科学的において普通に用いられているアジュバント、例えば、保存料、香料、殺菌剤、脱臭剤、着色料、塩、界面活性剤、増粘剤、及びベース類(bases)を含んでもよい。これらの様々なアジュバントの量は、問題となっている分野において従来から使用されている量と同様であり、例えば、組成物の全重量に対して、0.01 %〜20%の量となる。これらのアジュバントは、それぞれの性質に基づき、脂肪相又は水相に導入されてもよい。
【0077】
本発明に係る組成物は、皮膚、体毛、睫毛、頭髪、爪又は唇に、組成物が意図する用途に基づき、適用されてもよい。
よって、本発明に係る組成物を、以下の目的の為に、皮膚に適用することを含む化粧用皮膚トリートメント方法において使用してもよい:
例えば、皮膚に活力を与えるために、皮膚を再生するために、皮膚の細かい皺を滑らかにするために、及び/又は、
皮膚の老化と戦うために、UV照射の有害な効果と戦うために、及び/又は、環境の攻撃に対して皮膚組織を強化するためにである。
【0078】
1の実施態様においては、本発明に係る組成物は、皮膚科学用製剤の製造に用いてもよい。
【0079】
組成物は、ケア用組成物、特に、スキンケアベース、ケアクリーム(デイクリーム、ナイトクリーム、アンチ皺クリーム)、若しくはメイクアップベース等のスキンケア製品、リップケア組成物(リップバーム)、又は日焼け防止、若しくは自己日焼け組成物であってもよい。
【0080】
組成物は、メイクアップ組成物、特に、皮膚、唇、睫毛、眉毛、又は毛髪メイクアップ組成物であってもよい。メイクアップ組成物は、特に、ファンデーション、ブラッシャー、アイシャドウ、コンシーラー、又はボディメイクアップ製品であってもよい。
【0081】
有利なものとしては、組成物は濯ぐことなしに使用される。
【0082】
本発明に係るエマルションは、以下の一般的手続きにより調製してもよい。:
約70°Cの温度において加熱しながら、水相の成分を混合する。また、オイル類及び界面活性剤類を約80°Cの温度において加熱しながら混合する。
脂肪相を約70°Cの温度において水相に注ぎ、その後、タービンを用いて10分間高速で攪拌する。結果として生じるエマルションを約60°Cまで冷却する。
その後、増粘剤を加え、続いて再度10分間攪拌する。
約50°Cまで冷却する。その後、水と前もって混合したアスコルビン酸又はその誘導体を添加し、その後、適切な場合には、他の活性剤についても添加する。
【0083】
ここで、本発明を以下の、これらに限定されることのない例により説明する。
【0084】
[比較実施例1]
以下の組成を有する水中油型エマルション形態の顔面のケア用組成物(実施例1)を調製した。

- グリセリルモノステアレートとポリエチレングリコール(100EO)の混合物 (Croda社によるArlacel 165 FL) 2.5 g
- PEG (20 EO) ステアレート (Uniqema社によるMyrj 49 P) 1 g
- ステアリルアルコール 1 g
- ステアリン酸 1 g
- アプリコットカーネルオイル 5 g
- シアバターの液体留分 6 g
- シクロヘキサシロキサン 5 g
- ペンタエリトリチルテトラペンタノエート 5 g
- イソヘキサデカン 3 g
- 蜜蝋 0.75 g
- シリコーンワックス(ダウコーニング2501コスメティックワックス) 1 g
- ジメチコノールとジメチコンの混合物(ダウコーニング1503液体) 1.5 g

- アスコルビルリン酸マグネシウム 0.5 g
- アスコルビン酸グリコシル 1 g
- トリエタノールアミン 0.85 g

- イソヘキサデカン/水中の、40%の逆相エマルジョンとしての、アクリルアミド/2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウムコポリマー(SEPPIC社によるSimulgel(登録商標) 600) 1.4 g
- 充填剤 3.1 g
- 真珠光沢剤 0.5 g
- アデノシン 0.1 g

- セチルリン酸カリウム 1.5 g
- EO-PO-EOブロックコポリマー(Croda社によるSynperonic(登録商標)PE/F 108)
0.2 g
- グリセロール 8 g
- 保存料 適量
- 水 100 gまで適量
【0085】
同様の組成物であって、EO-PO-EOブロックコポリマー(Croda社によるSynperonic(登録商標)PE/F 108)、および、セチルリン酸カリウムを含まない組成物(組成物1’この組成物は、本発明の一部をなすものではない。)も同様に調製した(削除した量は同重量の水で置換した)。
【0086】
実施例1のエマルションは、55°Cにおいて24時間後、および、45℃において2ヶ月後に、良好な安定性を示す。
【0087】
組成物は、毎日の、日中の使用において、顔面に適用する。
【0088】
実施例1’の比較エマルションは、45℃で2ヶ月間保存後不安定である。:顕微鏡で観察したエマルションは、より粗く、かつ、より劣化していた。油相の表面における遊離による相分離が肉眼で観察される。
【0089】
[比較実施例2]
以下の組成を有する水中油型エマルション形態の顔面のケア用組成物(実施例2)を調製した。

- グリセリルモノステアレートとポリエチレングリコール(100EO)の混合物 (Croda社によるArlacel 165 FL) 2.5 g
- PEG (20 EO) ステアレート (Uniqema社によるMyrj 49 P) 1 g
- ステアリルアルコール 1 g
- ステアリン酸 3 g
- アプリコットカーネルオイル 7.5 g
- 米糠オイル 4.5 g
- 蜜蝋 1.7 g
- シクロヘキサシロキサン 7 g
- 架橋ポリジメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンの混合物(6 cSt) (24/76)
(Shin EtsuによるKSG 16) 2 g
- アスコルビルリン酸マグネシウム 0.5 g
- アスコルビン酸グリコシル 1 g
- トリエタノールアミン 0.80 g

- イソヘキサデカン/水中の、40%の逆相エマルジョンとしての、アクリルアミド/2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウムコポリマー(SEPPIC社によるSimulgel(登録商標) 600) 1.3 g
- 充填剤 3.1 g
- 真珠光沢剤 0.5 g
- アデノシン 0.1 g

- セチルリン酸カリウム 1.5 g
- EO-PO-EOブロックコポリマー(Croda社によるSynperonic(登録商標)PE/F 108)
0.2 g
- グリセロール 5 g
- ブチレングリコール 2 g
- 保存料 適量
- 水 100 gまで適量
【0090】
同様の組成物であって、EO-PO-EOブロックコポリマー(Croda社によるSynperonic(登録商標)PE/F 108)、および、セチルリン酸カリウムを含まない組成物(組成物2’この組成物は、本発明の一部をなすものではない。)も同様に調製した(削除した量は同重量の水で置換した)。
【0091】
実施例2のエマルションは、55°Cにおいて24時間後、および、45℃において2ヶ月後に、良好な安定性を示す。顕微鏡により観察すると、得られたエマルションは微細で緻密である。
【0092】
組成物は、毎日の、日中の使用において、顔面に適用する。
【0093】
実施例2’の比較エマルションは、45℃で2ヶ月間保存後不安定である。:顕微鏡で観察したエマルションは、より粗く、かつ、より劣化していた。油相の表面における遊離による相分離が肉眼で観察される。
【0094】
[実施例3]
以下の組成を有する水中油型エマルション形態の顔面のケア用組成物を調製した。

- グリセリルステアレート 2 g
- ポリエチレングリコール (40 EO) ステアレート (Croda社によるMyrj 52 P) 1 g
- ソルビタントリステアレート (Croda社によるSpan 65 V) 0.9 g
- セチルアルコール 4.4 g
- アプリコットカーネルオイル 5 g
- ワセリン 2.5 g
- 蜜蝋 0.75 g
- シクロヘキサシロキサン 9 g
- α,ω−ジヒドロキシルポリジメチルシロキサン/シクロペンタジメチルシロキサン(14.7/85.3)混合物(Dow Corning社によるDow Corning 1501 FL) 4 g
- アスコルビルリン酸マグネシウム 0.5 g
- アスコルビン酸グリコシル 2 g
- トリエタノールアミン 1.20 g
- 充填剤 3 g
- アデノシン 0.1 g
- トコフェロール 0.2 g
- セチルリン酸カリウム 1.5 g
- EO-PO-EOブロックコポリマー(Croda社によるSynperonic(登録商標)PE/F 108)
0.2 g
- グリセロール 5 g
- 保存料 適量
- 水 100 gまで適量
【0095】
実施例3のエマルションは、55°Cにおいて24時間後、および、45℃において2ヶ月後に、良好な安定性を示す。顕微鏡により観察すると、得られたエマルションは微細で緻密である。
【0096】
組成物は、毎日の、日中の使用において、顔面に適用する。
【0097】
[比較実施例4]

以下の組成を有する水中油型エマルション形態の顔面のケア用組成物を調製した。

- グリセリルステアレート 2 g
- ポリエチレングリコール (40 EO) ステアレート (Croda社によるMyrj 52 P) 1.2 g
- ソルビタントリステアレート (Croda社によるSpan 65 V) 0.9 g
- セチルアルコール 4.4 g
- アプリコットカーネルオイル 5 g
- ワセリン 2.5 g
- 蜜蝋 0.75 g
- シクロヘキサシロキサン 9 g
- α,ω−ジヒドロキシルポリジメチルシロキサン/シクロペンタジメチルシロキサン(14.7/85.3)混合物(Dow Corning社によるDow Corning 1501 FL) 4 g
- アスコルビルリン酸マグネシウム 0.5 g
- アスコルビン酸グリコシル 2 g
- トリエタノールアミン 1.2 g
- トウモロコシデンプン 3 g
- アデノシン 0.1 g
- トコフェロール 0.2 g
- セチルリン酸カリウム 1.5 g
- EO-PO-EOブロックコポリマー(Croda社によるSynperonic(登録商標)PE/F 108)
0.4 g
- グリセロール 5 g
- 1,2-オクタンジオール 0.3 g
- 保存料 適量
- 水 100 gまで適量
【0098】
同様の組成物であって、EO-PO-EOブロックコポリマー(Croda社によるSynperonic(登録商標)PE/F 108)、および、セチルリン酸カリウムを含まない組成物(組成物4’この組成物は、本発明の一部をなすものではない。)も同様に調製した(削除した量は同重量の水で置換した)。
【0099】
実施例4のエマルションは、55°Cにおいて24時間後、および、45℃において2ヶ月後に、良好な安定性を示す。顕微鏡により観察すると、得られたエマルションは微細で緻密である。
【0100】
組成物は、毎日の、日中の使用において、顔面に適用する。
【0101】
実施例4’の比較エマルションは、45℃で2ヶ月間保存後不安定である。:顕微鏡で観察したエマルションは、より粗く、かつ、より劣化していた。油相の表面における遊離による相分離が肉眼で観察される。
【0102】
[実施例5]

以下の組成を有する水中油型エマルション形態の顔面のケア用組成物を調製した。

- グリセリルモノステアレートとポリエチレングリコール(100EO)の混合物 (Croda社によるArlacel 165 FL) 2 g
- PEG (20 EO) ステアレート (Uniqema社によるMyrj 49 P) 0.8 g
- ステアリルアルコール 1 g
- グリセリルモノ−およびジステアレートの混合物(36/64) 3 g
- ステアリン酸 1 g
- 4-tert-ブチル-4’メトキシジベンゾイルメタン 3 g
- 2-エチルヘキシル 2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート 7 g
- 2-エチルヘキシルサリチレート 5 g
- オクチルドデカノール 3 g
- シクロペンタシロキサン 10 g
- 蜜蝋 1 g
- ミリスチルミリステート 2 g
- 5-(n-オクタノイル)サリチル酸 0.3 g
- トリエタノールアミン 0.46 g

- 部分的にアンモニアにより中和され、高度に架橋されたポリ(アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)(Chariant社によるHostacerin AMPS) 1.3 g
- 充填剤 3.2 g
- 真珠光沢剤 1 g
- アデノシン 0.1 g
- 活性成分含量が7%である、水性大豆プロテイン分散液 5 g
- セチルリン酸カリウム 1.5 g
- EO-PO-EOブロックコポリマー(Croda社によるSynperonic(登録商標)PE/F 108)
0.2 g
- グリセロール 7 g
- 保存料 適量
- 水 100 gまで適量
【0103】
このエマルションは、55°Cにおいて24時間後、および、45℃において2ヶ月後に、良好な安定性を示す。顕微鏡により観察すると、得られたエマルションは微細で緻密である。
【0104】
組成物は、毎日の、日中の使用において、顔面に適用する。
[比較実施例6]
【0105】
実施例1の組成物と同様の組成物であって、EO-PO-EOブロックコポリマー(Croda社によるSynperonic(登録商標)PE/F 108)、および、セチルリン酸カリウムを含まない組成物(この組成物は、本発明の一部をなすものではない。)も同様に調製した(削除した量は同重量の水で置換した)。
【0106】
得られた組成物は、45℃で2ヶ月間保存後不安定である。:顕微鏡で観察したエマルションは、より粗く、かつ、より劣化していた。油相の表面における遊離による相分離が肉眼で観察される。
[比較実施例7]
【0107】

以下の組成を有する水中油型エマルション形態の顔面のケア用組成物を調製した。

- グリセリルモノステアレートとポリエチレングリコール(100EO)の混合物 (Croda社によるArlacel 165 FL) 2 g
- PEG (20 EO) ステアレート (Uniqema社によるMyrj 49 P) 0.8 g
- ステアリルアルコール 1 g
- ステアリン酸 3 g
- エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩 0.1 g
- 4-tert-ブチル-4’メトキシジベンゾイルメタン 3 g
- 2-エチルヘキシル 2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート 7 g
- 2-エチルヘキシルサリチレート 5 g
- オクチルドデカノール 3 g
- シクロペンタシロキサン 10 g
- 蜜蝋 1 g
- ミリスチルミリステート 2 g
- 5-(n-オクタノイル)サリチル酸 0.3 g
- トリエタノールアミン 0.46 g

- 部分的にアンモニアにより中和され、高度に架橋されたポリ(アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)(Chariant社によるHostacerin AMPS) 1.3 g

- 充填剤 3.2 g
- 真珠光沢剤 1 g
- アデノシン 0.1 g
- 活性成分含量が7%である、水性大豆プロテイン分散液 5 g

- EO-PO-EOブロックコポリマー(Croda社によるSynperonic(登録商標)PE/F 108)
0.2 g
- グリセロール 7 g
- 保存料 適量
- 水 100 gまで適量
【0108】
同様の組成物であって、EO-PO-EOブロックコポリマー(Croda社によるSynperonic(登録商標)PE/F 108)、および、セチルリン酸カリウムを含まない組成物(組成物7’この組成物は、本発明の一部をなすものではない。)も同様に調製した(削除した量は同重量の水で置換した)。
【0109】
実施例7のエマルションは、55°Cにおいて24時間後に、良好な安定性を示す。顕微鏡により観察すると、得られたエマルションは微細で緻密である。
【0110】
組成物は、毎日の、日中の使用において、顔面に適用する。
【0111】
実施例7’の比較エマルションは、45℃で2ヶ月間保存後不安定である。:顕微鏡で観察したエマルションは、より粗く、かつ、より劣化していた。油相の表面における遊離による相分離が肉眼で観察される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル;
−C16-C22脂肪酸とソルビタンのエステル、および、C16-C22脂肪酸とグリセロールのエステルから選択される追加の界面活性剤;
−ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールブロックからなるエチレンオキシドとプロピレンオキシドの縮重合体;
−アスコルビン酸およびその塩、アスコルビン酸グリコシル、サリチル酸、および式(I)
【化1】

[式中、
−R基は、2〜22の炭素原子を有する、直鎖、分枝、または環状の飽和脂肪鎖; 共役していてもよい1以上の二重結合を含む2〜22の炭素原子を有する不飽和鎖;直接または2〜7の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪鎖を経てカルボニル基に結合した芳香環を表し;前記基は、(a)ハロゲン原子、(b)トリフルオロメチル基、(c)遊離形態の、または、1〜6の炭素原子を有する酸によりエステル化された形態の水酸基、あるいは(d)遊離形態の、または、1〜6の炭素原子を有する低級アルコールによりエステル化された形態のカルボキシル官能基から選択される、同一または異なった1以上の置換基により置換されていてもよく;
−R’は水酸基である;]
−および、無機または有機塩基から生ずるこれらの塩、
のサリチル酸誘導体から選択される活性成分を含む水中油型エマルションの形態の組成物。
【請求項2】
活性成分は、アスコルビルリン酸マグネシウム、アスコルビン酸グリコシル、および、これらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
活性成分は、サリチル酸、または、5-(n-オクタノイル)サリチル酸から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
活性成分は、組成物の全重量に対して、0.05重量%から10重量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
脂肪酸とポリエチレングリコールのエステルは、8〜100のエチレンオキシド単位を含むC16-C22脂肪酸エステルから選択されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
脂肪酸とポリエチレングリコールのエステルは、ポリエチレングリコールステアレートから選択されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
脂肪酸とポリエチレングリコールのエステルは、20〜40のエチレンオキシド単位を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
ソルビタンステアレートから選択される、C16-C22脂肪酸とソルビタンのエステルを含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
グリセリルステアレートから選択される、C16-C22脂肪酸とグリセロールのエステルを含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
グリセリルステアレートと、ポリエチレングリコール100EOモノステアレートの混合物を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコールトリブロック縮重合体を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
エチレンオキシドとプロピレンオキシドの縮重合体は、1000〜15000の範囲、とりわけ2000〜13000の範囲の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
多糖類親水性ゲル化剤を含むことを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
UV遮蔽剤、充填剤、保存料、香料、殺菌剤、脱臭剤、着色料、塩、界面活性剤、増粘剤、及びベース類から選択される、少なくとも1の化粧用又は皮膚科学用アジュバントを含むことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物のケラチン物質への適用を含む、ケラチン物質をケアし、または、メイクアップするための非治療的方法。

【公開番号】特開2009−215298(P2009−215298A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−56470(P2009−56470)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】