説明

アセチレン誘導体、ならびにアミロイドプラークと結合し、および画像化するためのそれらの使用

本発明は、放射標識された化合物、およびアミロイド沈着の画像化法におけるそれらの使用、ならびにそれらの製造方法に関する。本発明はまた、アミロイド沈着を形成するアミロイドタンパク質の凝集を阻害するための化合物、およびアミロイド沈着へ治療薬を送達するための方法、ならびにアミロイドタンパク質の凝集を阻害する化合物を製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、新規生物活性化合物、放射標識化合物を使用する画像診断法、および放射標識化合物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年12月7日出願の米国仮出願第60/873,249号の利益を主張する。
【0003】
米国政府の権利
米国特許法第202(c)条に従って、米国政府は、本明細書記載の発明、そしてそれは助成金AG−21868およびAG−22559を通じて国立衛生研究所からの援助を受けて一部なされた、について権利を有する可能性があることが認められている。
【0004】
発明の背景
アルツハイマー病(AD)は、認識低下、不可逆的記憶喪失、見当識障害、および言語障害によって特徴付けられる、進行性神経変性疾患である。アルツハイマー病(AD)は、一般的な脳神経変性疾患である。それは、数百万の高齢者での間で高い罹患率を有することから、深刻な医学的問題である。ADの脳の検視における多くの神経病理学的観測は、老人斑の存在(β−アミロイド(Aβ)凝集体)および神経原線維濃縮体(高度にリン酸化されたタウタンパク質)を表している。現在までのところ、検視による生検、および主にAβ凝集体を含む老人斑を明示する脳組織の染色を除いて、ADを診断する決定的な画像法が無い。
【0005】
幾つかの遺伝的要因がADと関連づけられる。家族性AD(または早期発症のAD)においては、β−アミロイド前駆体タンパク質(APP)、プレセニリン1(PS1)およびプレセニリン2(PS2)をコードする遺伝子中に変異があることが報告された(Berezovska,O,A Lleo,LD Herl,et al.「家族性アルツハイマー病におけるプレセニン1の変異は、プレセニリンの構造の変化、およびアミロイド前駆体タンパク質との相互作用を引き起こす。」J Neurosci 25:3009(2005);Deng,Y,L Tarassishin,V Kallhoff,et al.「プレセニリン1の親水性ループ配列の欠失が、ガンマ−セレクターゼの活性を低下させ、そしてアミロイド病変を悪化させる。」J Neurosci 26:3845(2006);Hardy, J,DJ Selkoe「アルツハイマー病のアミロイド仮説:治療学の途上での進展および問題点。」Science 297:353(2002);Selkoe, DJ「アルツハイマー病:遺伝子、タンパク質および治療。」Physiol Rev 81:741(2001))。ADの発症につながるこれらの変異の正確な機構は、完全に理解されていないが;しかし、脳内におけるAβプラークの形成は、アルツハイマー病の病変において極めて重要な現象である。
【0006】
アミロイド症は、患者の組織中における、様々な不溶性の繊維性タンパク質の蓄積によって特徴付けられる疾患である。アミロイド沈着は、アミロイドタンパク質の凝集によって形成され、その後、凝集体および/またはアミロイドタンパク質とさらに結合する。脳内における溶解性および拡散性のAβおよびAβ凝集体の形成は、現在、重大な現象であると考えられており、そしてそれは神経細胞に種々の毒性効果を引き起こし、老人斑の形成につながる(Catalano,SM,EC Dodson,DA Henze,et al.「アルツハイマー病における拡散性リガンド(ADDLs)由来のアミロイド−ベータの役割。」Curr Top Med Chem 6:597(2006);Hardy,(2002);Jicha,GA,JE Parisi,DW Dickson,et al.「臨床認知症へと進展する軽度認知機能障害の病理学的成果。」Arch Neurol63:674(2006);Rosenberg, RN「アルツハイマー病におけるアミロイド蓄積の原因の説明。」Arch Neurol 59:1367(2002);Thal,DR,E Capetillo−Zarate,K Del Tredici,et al.「老人脳中におけるアミロイドベータタンパク質沈着の発達。」Sci Aging Knowledge Environ 2006:公開,(2006))。近年の報告は、脳内におけるβ−アミロイド凝集体、すなわちAβプラークが、ADにつながる現象のカスケードにおいて重要な役割を果たすと提案している。AD脳切断面の検視試験は、アミロイド−β(Aβ)ペプチドからなる、大量の老人斑(SPs)、および高度にリン酸化されたタウタンパク質によって形成される、多数の神経原線維濃縮体(NFTs)を明らかにする(最近の総説、および引用は、Ginsberg,S.D.,et al,大脳皮質中の「アルツハイマー病および関連する疾患の分子病理学」:大脳皮質中の構造および機能における神経変性および年齢関連性の変化、Kluwer Academic/Plenum,NY(1999)603〜654ページ;Vogelsberg−Ragaglia,V.,et al,「アルツハイマー病におけるタウおよび細胞骨格性病変の細胞生物学 Alzheimer’s Disease,Lippincot,Williams&Wilkins,Philadelphia,PA(1999),359〜372ページ)。
【0007】
ADの根底にある正確な機構は完全に理解されていないが、これまで研究されてきた全ての病理学的家族性AD(FAD)変異は、よりアミロイド形成性の42〜43アミノ酸からなるAβペプチドの長鎖形態を増加させる。したがって、少なくともFADにおいて、Aβ産生の調節不全は、神経変性につながる現象のカスケードを誘導するのに十分であると考えられる。実際、アミロイドカスケード仮説は、脳内中の細胞外線維状Aβ凝集体の形成が、AD発症における極めて重要な現象であるかもしれないと示唆している(Selkoe,D.J.,「β−アミロイド前駆体タンパク質の生物学およびアルツハイマー病の機構」Alzheimer’s Disease,Lippincot Williams&Wilkins,Philadelphia,PA(1999),293〜310ページ;Selkoe,D.J.,J.Am.Med.Assoc.283:1615〜1617(2000);Naslund,J.,et al.,J.Am.Med.Assoc.253:1571〜1577,(2000);Golde,T.E.,et al,Biochimica et Biophysica Acta 1502:172〜187(2000))。
【0008】
重要な状況証拠は、主にAβ40およびAβ42ペプチドの凝集体からなる線維状Aβプラークが、AD発症において大きな役割を果たすことを示唆している−「アミロイドカスケード仮説」(Armstrong,RA「プラークおよび濃縮体ならびにアルツハイマー病の発症」Folia Neuropathol 44:1(2006);Golde,TE「アルツハイマー病の治療および予防のための、合理的に設計された治療計画につながるアミロイドβ(Abeta)仮説。」Brain Pathol 15:84(2005);Hardy,J「アルツハイマー病に対するアミロイドカスケード仮説は証明されたのか?」Curr Alzheimer Res 3:71(2006);Hardy(2002);Marchesi,VT「アルツハイマー病の発症に関するアミロイド Abeta仮説のもう一つの解釈 Proc Natl Acad Sci USA 102:9093(2005))。ApoE4の発現は、ADの危険性を増加させると考えられる(Fryer,JD,JW Taylor,RB DeMattos,et al.「アミロイド前駆体タンパク質トランスジェニックマウスにおいて、アポリポプロテインEは、年齢依存的脳アミロイド血管症および自発性出血を著しく促進する。」J Neurosci 23:7889(2003))。アミロイド前駆体タンパク質(APP)は、様々なプロテアーゼによって分解されるらしく、それらの中で、APPに対するβ−およびβ−セレクターゼによる異化反応は、過剰のAβの産生につながる。種々の正常な、または異常な機構によって産生される過剰量のAβは、神経変性現象の開始点を示しているのかもしれない。アミロイドペプチドの線維状凝集体であるAβ40およびAβ42は、ADの患者における老人斑および脳血管性アミロイド沈着で見られるアミロイド前駆体タンパク質由来の主要な代謝性ペプチドである(Xia,W.,et al.,J.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.97:9299〜9304,(2000))。Aβプラーク形成の抑制および回復は、この疾患に対する治療のための標的とされている(Selkoe,D.,J.JAMA283:1615〜1617(2000);Wolfe,M.S.,et al.,J.Med.Chem.41:6〜9,1998;Skovronsky,D.M.,and Lee,V.M.,Trends Pharmacol.Sci.27:161〜163 2000))。
【0009】
AD診断のための臨床症状の早期評価は、通常困難であり、そして信頼できない。(Boss,MA「アルツハイマー病の診断方法。」Biochim Biophys Acta 1502:188(2000))。AD患者の診断および観察のための、局所脳血流(rCBF)の陽電子放出断層撮影(PET)および単一光子放射断層撮影(SPECT)画像法が報告された(Ishii,K,S Minoshima「アルツハイマー病の早期診断法として、PETは、血流SPECT以上にすぐれている。」Eur J Nucl Med Mol Imaging 32:1463(2005); Mega, MS, ID Dinov,L Lee,et al.「アルツハイマー病におけるコリンエステラーゼ阻害剤に対する行動反応と関連のある、眼窩部および背外側前頭の血流欠損。」J Neuropsychiatry Clin Neurosci 12:209(2000a);Mega,MS,LLee,ID Dinov,et al.「大脳とアルツハイマー病における精神病的症状との関連。」J Neurol Neurosurg Psychiatry 69:167(2000b);Tang,BN,S Minoshima,J George,et al.「アルツハイマー病の疑いのある者に対する診断法は、局所脳血流の自動分析によって改善される。」Eur J Nucl Med Mol Imaging 31:1487(2004))。脳内の局所的グルコース代謝に基づくADの診断が、[18F]2−フルオロ−2−デオキシグルコース(FDG)を用いたPET画像法を使用して評価された。FDG/PETの全体的性能は、ADと疑われる者の通例の臨床的評価において好ましいものである(Frey,KA,S Minoshima,DE Kuhl「アルツハイマー病および他の変性認知症の神経化学的画像法。」Q J Nucl Med 42:166 (1998);Hoffman,JM,KA Welsh−Bohmer,M Hanson,et al.「病理学的に確認された認知症の患者における、FDG PET画像法。」J Nucl Med 41:1920(2000);Minoshima,S「アルツハイマー病の画像法:臨床適用。」Neuroimaging Clin N Am 13:769(2003);Minoshima,S,B Giordani,S Berent,et al.「ごく軽度のアルツハイマー病における後帯状皮質の代謝低下。」Ann Neurol 42:85(1997);Phelps,ME「PET:分子画像法となる、生物学および画像法の融合。」J Nucl Med 41:661(2000);Silverman,DHS,ME Phelps「招待解説:PETを使用した、認知症の評価:我々は、どのようにして今までに我々が知ったことを臨床的観点に導入するか。」J Nucl Med 41:1929(2000))。rCBFおよびグルコース代謝の画像法は、AD患者に対していくらか使用できるかもしれないが、これら手法のいずれも、脳内のAβ凝集体の存在または量についてのいかなる情報も与えない。
【0010】
ADの潜在的治療法として、脳内の線維状Aβの蓄積を阻害および減少させようとする種々の手法が、これまでに評価されている(Skovronsky,D.M.and Lee,V.M.,Trends Pharmacol.Sci.27:161〜163(2000);Vassar,R.,et al,Science 286:735〜741,1999;Wolfe,M.S.,et al.,J.Med.Chem.41:6〜9,1998;Moore,C.L.,et al.,J.Med.Chem.43:3434〜3442(2000);Findeis,M.A.,Biochimica et Biophysica Acta 1502:76〜84,2000;Kuner,P.,Bohrmann,et al.,J.Biol.Chem.275:1673〜1678(2000))。したがって、線維状Aβ凝集体と特異的に結合するリガンドの開発をすることは興味深い。細胞外SPは接近しやすい標的であるので、これらの新しいリガンドは、生存患者におけるADアミロイド形成の研究において、インビボでの診断ツールとして、およびAβの進行性の沈着を視覚化するためのプローブとして使用され得る。Aβプラーク特異的な造影剤の開発が以前に報告された(総説として、Blennow,K,H Zetterberg「PIBを用いた、プラークの特定。」Nat Med 12:753(2006b);Huddleston,DE,SA Small「技術洞察:陽電子放射断層撮影およびMRIを用いた、生存している者の脳中に存在するアミロイドプラークの画像化。」Nat Clin Pract Neurol 1:96(2005);Mathis,CA,Y Wang,WE Klunk「老齢者の脳内に存在するβ−アイロイドプラークおよび神経原線維濃縮体の画像化。」Curr Pharm Des 10:1469(2004);Nichols,L,VW Pike,L Cai,et al.「ベータ−アミロイドの画像化およびインビボ定量:アルツハイマー病の模範的バイオマーカー?」Biol Psychiatry 59:940(2006);Schmidt,B,HA Braun,R Narlawar「アルツハイマー病に対する薬剤の開発およびPET−診断法。」Curr Med Chem12:1677(2005))。
【0011】
生存している者の脳内中にあるAβ凝集体を検出するための潜在力を有するリガンドは、無傷の血液脳関門を通過しなければならない。したがって、脳への取り込みは、比較的より小さい分子サイズの、および脂溶性を増加させたリガンドを使用することによって改善され得る。高度に共役したチオフラビン(SおよびT)は、ADの脳内におけるAβ凝集体を染色するための染色剤として通常使用される(Elhaddaoui,A.,et al,Biospectroscopy 7:351〜356(1995))。この目的を達成するために、線維状Aβ凝集体特異的リガンドの開発のための幾つかの興味深い方法が報告されている(Ashburn,T.T.,et al,Chem.Biol.5:351〜358(1996);Han,G.,et al.,J.Am.Chem.Soc.118:4506〜4507(1996);Klunk,W.E.,et al,Biol.Psychiatry 35:627(1994);Klunk,W.E.,et al.,Neurobiol.Aging 76:541〜548(1995);Klunk,W.E.,et al,Society for Neuroscience Abstract 23:1638(1997);Mathis,C.A.,et al,Proc.XIIth Intl.Symp.Radiopharm.Chem.,Uppsala,Sweden:94〜95(1997);Lorenzo,A.and Yankner,B.A.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.97:12243〜12247(1994);Zhen,W.,et al,J.Med.Chem.42:2805〜2815(1999);Klunk,W.E.,et al,J.Histochem.Cytochem.37:1273〜1281(1989))。
【0012】
前記方法は、コンゴレッド(Congo Red)およびクリサミンG(Chrysamine G)(CG)のような、高度に共役した染色剤に基づいている(Dezutter,NA,RJ Dom,TJ de Groot,et al.「99mTc−MAMA−クリサミンG、アルツハイマー病のベータ−アミロイドタンパク質に対するプローブ。」Eur J Nucl Med26:1392(1999);Klunk,WE,ML Debnath,AM Koros,et al.「クリサミン−G、すなわち、コンゴレッドの脂溶性類縁体は、PC12細胞におけるAβによって誘導される毒性を阻害する。」Life Sci 63:1807(1998);Klunk,WE,ML DebnathJW Pettegrew「アルツハイマー病の脳と対照の脳のホモジネートとを区別する、小分子のベータアミロイドプローブ。」Biol Psychiatry 35:627(1994))。チオフラビンSおよびTはまた、検視におけるAD脳切片内のプラークおよび濃縮体の蛍光染色に使用される(Elhaddaoui,A,E Pigorsch,A Delacourte,et al.「アルツハイマー病の組織におけるアミロイド部位へ結合する、コンゴレッドおよびチオフラビンSの競合。」Biospectroscopy 1:351(1995))。スチリルベンゼンのような、クリサミンG(CG)をより簡略化した形態のものが、アミロイド凝集体を着色する蛍光性染色剤として報告されている(Link,CD,CJ Johnson,V Fonte,et al.「生物の線維状アミロイド沈着物の視覚化、トランスジェニック・カエノルハブディティス(Caenorhabditis)エレガンスへの、アミロイド感応性染色剤であるX−34の使用。」Neurobiol Aging 22:217(2001);Styren,SD,RL Hamilton,GC Styren,et al.「X−34、コンゴレッドの蛍光性誘導体:アルツハイマー病病変に対する新規組織化学的染色剤。」J Histochem Cytochem 48:1223(2000))。それらは有用な研究用ツールであるが、これらの電荷のある、かつ嵩高い薬剤は、無傷の血液脳関門を通過しない。
【0013】
濃縮体(主に過剰リン酸化されたタウタンパク質からなる)およびプラーク(Aβタンパク凝集体を含有する)の両方に結合する、高い脂溶性を有するトレーサーである[18F]FDDNPが、報告されている(Shoghi−Jadid K,et al,Am J Geriatr Psychiatry.10:24〜35(2002);Barrio,JR,S−C Huang,G Cole,et al.「高い疎水性を有するプローブを用いた、アルツハイマー病における濃縮体およびプラークのPET画像法。」J Lab Compds Radiopharm 42 Suppl.1:S194,(1999a);Barrio,JR,SC Huang,GM Cole,et al.「アルツハイマー病における濃縮体およびプラークのPET画像法。」J Nucl Med 40:70P,(1999b))。ヒトに対する予備試験は、[18F]FDDNPが、濃縮体およびプラークを有すると疑われる脳の領域に、より高い保持を示すことを示唆した(Kepe,V,JR Barrio,SC Huang,et al.「生存しているアルツハイマー病患者の脳内に存在するセロトニン1A受容体。」Proc Natl Acad Sci USA 103:702(2006);Shoghi−Jadid,K,JR Barrio,V Kepe,et al.「プラーク病変の重大な分析を通じた、ベータ−アミロイド分子画像化プローブの動態の数学モデルの探索。」Mol Imaging Biol 8:151(2006);Shoghi−Jadid,K,JR Barrio,V Kepe,et al.「アルツハイマー病におけるベータ−アミロイド原繊維の画像法:アミロイド原線維の重合のシミュレーションを通じた、重大な分析。」Nucl Med Biol 32:337(2005);Shoghi−Jadid,K,GW Small,ED Agdeppa,et al.「生存しているアルツハイマー病患者の脳内に存在する神経原線維濃縮体およびベータ−アミロイドプラークの局在化:アルツハイマー病におけるベータ−アミロイドプラークのための陽電子放射断層撮影画像法用プローブとしての、放射標識された6−ジアルキルアミノ−2−ナフチルエチリデン誘導体の結合特性。」Am J Geriatr Psychiatry 10:24,(2002))。陽電子放射断層撮影(PET)を使用して、このトレーサーが、9人のAD患者および7人の比較対照において、プラークの沈着および濃縮体を特異的に標識化したと報告された(Nordberg A.Lancet Neurol.3:519〜27(2004))。関心のある脳部位対脳橋の相対的滞留時間と呼ばれる、新規薬物動態分析手法を使用して、AD患者と比較対照との間の相違が実証された。相対的滞留時間は、AD患者において著しくより高かった。このことは、FDDNPが、イン ビトロにおいてAβ原線維と、およびエクス ビボにおいてAβプラークと結合する幾つかのNSAIDsと競合するという興味深い発見によってさらに複雑化される(Agdeppa ED,et al.2001;Agdeppa ED,et al.,Neuroscience.2003;l17:723〜30)。
【0014】
中性かつ脂溶性のチオフラビン誘導体である、[11C]6−OH−BTA−1(PIB)は、優れた脳透過性および脳への初期取り込みを示し、そしてAβプラークに対して高い結合親和性を示した(Ki=2.8nM)(Klunk,WE,Y Wang,G−f Huang,et al「非電荷のチオフラビン−T誘導体は、アミロイド−ベータタンパク質と高い親和性で結合し、そして速やかに脳内へ入る。」Life Sci 69:1471(2001);Mathis,CA,BJ Bacskai,STBMC Kajdasz,et al.「脳内のアミロイドの陽電子放射断層撮影(PET)画像法のための、脂溶性チオフラビン−T誘導体。」Bioorg Med Chem Lett 12:295(2002a);Mathis,CA,Y Wang,WE Klunk「老齢のヒトの脳内におけるb−アミロイドプラークおよび神経原線維濃縮体の画像化法。」Curr Pharm Des 10:1469(2004);Mathis CA,et al,Curr Pharm Des.10:1469〜92(2004);Mathis CA,et al,Arch.Neurol.62:196〜200(2005))。[18F]FDDNPで観察されたものとは異なり、[11C]6−OH−BTA−1は、インビボで線維状Aβと特異的に結合する。軽度のADと診断された患者は、ADにおけるアミロイド沈着を多量に含有することが知られている皮質において、[11C]6−OH−BTA−1の著しい保持を示した。AD患者群において、[11C]6−OH−BTA−1の保持は、前頭葉で最も著しく増加した。大きな増加はまた、頭骨頭頂部、側頭部、および後頭部の皮質で、ならびに線条体で観察された。[11C]6−OH−BTA−1の保持は、アミロイド沈着によって比較的影響を受けていないことで知られている(皮質下白質、脳橋および小脳のような)領域において、AD患者および比較対照で同程度であった。蛍光標識されたPIB、およびBTA−1のような関連する中性チオフラビン誘導体がまた、報告されている(Mathis,CA,DP Holt,Y Wang,et al.「アミロイドの評価のための、18F−ラベル化されたチオフラビン−T類縁体。」J Nucl Med 43 166P,(2002b))。
【0015】
過去数年の間に、[11C]PIBを用いたAD患者における成功したPET画像法研究が報告されている(Klunk,WE,BJ Lopresti,MD Dconomovic,et al.「陽電子放射断層撮影トレーサーであるピッツバーグ化合物−Bの結合は、アルツハイマー病の脳中におけるアミロイド−ベータの量を反映するが、トランスジェニックマウスの脳中においては反映しない。」J Neurosci 25:10598,(2005);Lopresti,BJ,WE Klunk,CA Mathis,et al.「ピッツバーグ化合物Bの簡略化された定量化によるアミロイド画像化PET研究:比較分析。」J Nucl Med 46:1959(2005);Mathis,CA,WE Klunk,JC Price,et al.「神経変性疾患のための画像化技術:特定の病変の検出に向けた進展。」Arch Neurol 62:196(2005);Price,JC,WE Klunk,BJ Lopresti,et al.「PET画像法およびピッツバーグ化合物−Bを使用した、ヒトにおけるアミロイドへの結合の動力学モデリング。」J Cereb Blood Flow Metab 25:1528(2005))。近年、[11C]PIBは、軽度認知機能障害(MCI)の、限られた数の患者を試験する時に使用された(Buckner,RL,AZ Snyder,BJ Shannon,et al.「アルツハイマー病の分子的、構造的および機能的特性化:初期の活性、アミロイドおよび記憶との間の関係の証拠。」J Neurosci 25:7709(2005);Nordberg,A「アルツハイマー病におけるアミロイドのPET画像法。」Lancet Neurol 3:519(2004);Price,JC,WE Klunk,BJ Lopresti,et al.「PET画像法およびピッツバーグ化合物−Bを使用した、ヒトにおけるアミロイドへの結合の動力学モデリング。」J Cereb Blood Flow Metab 25:1528,(2005))。Aβプラーク負荷とAD神経学的測定との間の関係を研究するためにPIB/PETを使用した時、ADを発症する幾例かのMCIの事例があるが、一方、皮質中へより低いPIBの取り込みをする者は、ADへ変化する可能性がより低いようであることを、当該結果は示唆していると考えられる(Engler,H,A Forsberg,O Almkvist,et al.「アルツハイマー病患者におけるアミロイド沈着の2年間の追跡。」Brain(2006);Mintun,MA,GN Larossa,YI Sheline,et al.「認知症でない集団中での[11C]PIB:アルツハイマー病の潜在的な前駆マーカー。」Neurology 67:446(2006);Price,JC,SK Ziolko,LA Weissfeld,et al.「アルツハイマー病および経度認知機能障害における[O−15]水およびPIB PET画像法。」J Nucl Med:75p(要約)(2006); Rentz,DM,JA Becker,E Moran et al.「ピッツバーグ化合物−B(PIB)を用いた、AD、MCIおよび高い判断力を有する老齢者へのアミロイド画像法。」J Nucl Med:2S9p(要約)(2006);Villemagne,VL,S Ng,SJ Gong,et al.「認知症の鑑別診断における11C−PIB PET画像法。」J Nucl Med:74p(要約),(2006))。
【0016】
近年、別の11Cラベル化Aβプラーク−標的プローブであるスチルベン誘導体の[11C]SB−13が研究された。[3H]SB−13を用いたインビトロ結合は、当該化合物が優れた結合親和性を示すことを示唆しており、そして結合は、ADの皮質灰白質中ではっきりと測定され得るが、白質では測定できない(Kung M−P,et al.,Brain Res.1025:98〜105(2004))。対照脳の皮質組織のホモジネートにおいて、非常に低い特異的結合があった。ADの皮質ホモジネートにおける[3H]SB−13のKa値は、2.4±0.2nMであった。高い結合能力およびそれに見合う値が観察された(14−45pmol/mg protein)(同文献)。期待されたとおり、ADの患者では、[11C]SB−13は、前頭皮質(おそらく、高いAβプラーク密度を有する領域)で、軽度から中程度のAD患者において高い蓄積を示したが、同齢の対照の被験者では示さなかった(Verhoeff NP,et al.,Am J Geriatr Psychiatry.12:584〜95,(2004))。
【0017】
近年、(頭蓋を開くことによる)トランスジェニックマウスにおける老人斑の侵襲的画像化のために、インビボ多光子光学的画像法を使用した報告がある(Bacskai,BJ,ST Kajdasz,RH Christie,et al.「生存しているマウスの脳内におけるアミロイド−ベータ沈着の画像化は、免疫療法を用いたプラークの除去の直接的な観察を可能にする。」Nat Med 7:369,(2001))。近赤外線の光学画像化剤の開発における付加的改良が報告された(Bacskai,BJ,GA Hickey,J Skoch,et al.「トランスジェニックマウスにおけるアミロイド−ベータリガンドの脳への進入、アミロイドへの結合、および除去の4次元多光子画像化法。」Proc Natl Acad Sci USA 100:12462(2003);Hintersteiner,M,A Enz,P Frey,et al.「オキサジン−誘導体プローブを用いた、近赤外線画像法によるアミロイド−ベータ沈着のインビボにおける検出。」Nat Biotechnol 23:577(2005);Nesterov,EE,J Skoch,BT Hyman,et al.「脳内のアミロイド凝集体のインビボにおける光学的画像法:蛍光マーカーの設計。」Angew Chem Int Ed Engl 44:5452(2005))。
【0018】
脳内のAβ凝集体を画像化する、幾つかの潜在的な利点がある。画像化技術は、脳内に過剰のAβプラークを有する潜在的な患者であって;その結果、アルツハイマー病を発症するかもしれない患者を同定することによって、診断を改善するだろう。抗プラーク薬治療が利用できるようになるとき、脳内におけるAβプラークの画像化は、治療を監視するために必須のツールを提供するかもしれない。したがって、患者におけるアミロイド沈着を検出し、および定量化する、簡略化された非侵襲性の方法は、熱烈に求められている。現在、アミロイド沈着の検出は、生検または剖検材料の組織学的分析を伴う。いずれの方法にも欠点がある。たとえば、剖検は、死後診断でのみ使用され得る。
【0019】
アルツハイマー病におけるアミロイド沈着の役割に加えて、アミロイド沈着の存在は、地中海熱、マックル・ウェルズ症候群、突発性骨髄腫、アミロイド多発神経障害、アミロイド心筋症、老人性全身性アミロイドーシス、アミロイド多発神経障害、遺伝性アミロイド性脳出血、ダウン症、スクレイピー、クロイツフェルト・ヤコブ病、クールー病、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、甲状腺の髄様癌、限局性心房性アミロイド、透析患者におけるβ2−ミクログロブリンアミロイド、封入体筋炎、筋肉減少症におけるβ2−アミロイド沈着、およびランゲルハンス島の2型糖尿病・インスリノーマのような疾患において見られる。
【0020】
インビボにおけるアミロイド沈着の直接的画像法は、当該沈着が、正常組織と同様の多くの物理学的特質(たとえば、密度および水分含量)を有するために困難である。核磁気共鳴画像法(MRI)およびコンピュータ断層撮影(CAT)を使用したアミロイド沈着を画像化する試みは、失望させられるものであり、特定の好ましい条件下でのみアミロイド沈着を検出した。さらに、抗体、血清アミロイドPタンパク質または他のプローブ分子を用いてアミロイド沈着を標識する試みは、外面組織においていくらか選択性をもたらしたが、内部組織においては質の悪い画像をもたらした。
【0021】
患者のアミロイド沈着を画像化かつ定量化する非侵襲性の技術を有することは有用であろう。さらに、アミロイド沈着を形成するアミロイドタンパク質の凝集を阻害する化合物、およびアミロイドタンパク質の凝集を阻害する化合物の能力を決定する方法を有することは有用であろう。
【発明の概要】
【0022】
発明の概要
本発明は、式IおよびIIの新規化合物を提供する。
【0023】
本発明はまた、式IまたはIIの放射標識された化合物および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、診断用組成物を提供する。
【0024】
本発明は、アミロイド沈着を画像化する方法であって、哺乳類へ検出可能量の式IもしくはIIの標識化合物または薬学的に許容される塩、エステル、アミドもしくはそのプロドラッグの放射性化合物を導入することを含む前記方法をさらに提供する。
【0025】
本発明はまた、アミロイドタンパク質の凝集を阻害する方法であって、哺乳類へアミロイドを阻害する量の式IおよびIIの化合物、または薬学的に許容する塩、エステル、アミドもしくはそのプロドラッグを投与することを含む前記方法を提供する。
【0026】
本発明のさらなる態様は、本明細書に記載された式IおよびIIのアミロイド阻害かつ画像化物質を合成するための有用な方法および中間体に関する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の好ましい化合物のKi結合データを図示する。
【図2】図2は、本発明の好ましい化合物のインビボにおける脳透過性を図示する。当該化合物の存在は、正常マウスにおける静脈注射の後に評価された。
【図3】図3は、本発明の好ましい化合物のエクス ビボのオートラジオグラフを図示する。
【図4A】図4Aは、本発明の幾つかの化合物のイン ビトロKi結合データを図示する。
【図4B】図4Bは、本発明の幾つかの化合物のイン ビトロKi結合データを図示する。
【図5】図5は、本発明の幾つかの化合物のイン ビトロKi結合データを図示する。
【図6】図6は、本発明の幾つかの化合物のイン ビトロKi結合データを図示する。
【図7】図7は、マウスにおける本発明の好ましい化合物の生体内分布を図示する。
【図8】図8は、マウスにおける本発明の好ましい化合物の生体内分布を図示する。
【図9】図9は、マウスにおける本発明の好ましい化合物の生体内分布を図示する。
【図10】図10は、マウスにおける本発明の好ましい化合物の生体内分布を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
例示的な実施形態の詳細な説明
第一の実施態様において、本発明は式I:
【0029】
【化1】

【0030】
{式中、
1およびA2は、独立してCHまたはNであり;
1およびR2は、それぞれ独立して:
a.NR’R”、ここでR’およびR”は、独立して水素、C1-4アルキル、ヒドロキシ(C1-4)アルキルまたはハロ(C1-4)アルキルであり、
b.ヒドロキシ、
c.C1-4アルコキシ、
d.ヒドロキシ(C1-4)アルキル、
e.ハロゲン、
f.シアノ、
g.水素、
h.ニトロ、
i.(C1〜C4)アルキル、
j.ハロ(C1〜C4)アルキル、
k.ホルミル、
l.−O−CO(C1-4アルキル)、
m.−COO(C1-4アルキル)、
n.−NHCO(C1-4アルキル)、または
o.放射性ハロゲンであり、
3は、フラグメントi、ii、またはiii であり、ここでフラグメントiは以下の式:
【0031】
【化2】

【0032】
[式中、
nは、1〜10の整数であり;mは、0〜5の整数であり;yは、0〜5の整数であり;R5は、水素、C1-4アルキルまたはヒドロキシ(C1-4)アルキルであり;Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、およびRhは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、またはヒドロキシ(C1-4)アルキルであり;そして
Zは:
a)X、ここでXは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、放射性ハロゲン、C1-4アルコキシ、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、ハロ(C1-4)アルキル、放射性ハロ(C1-4)アルキル、またはNRxy、ここでRxおよびRyは、独立して水素、C1-4アルキル、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、放射性ハロ(C1-4)アルキル、またはハロ(C1-4)アルキルであり;
b)以下の置換基の一つであって、それらのそれぞれがXを置換基として含む:ベンゾイルオキシ、フェニル(C1-4)アルキル、アリールオキシ、またはC6-10アリール;または、
c)Zc、ここでそれは以下の構造:
【0033】
【化3】

【0034】
(式中、
pは1〜4の整数であり、QはOまたはNR5であり、そしてGは−C=C−(RG)Xまたは−C≡C−Xであり、ここでRGは、水素またはC1-4アルキルであり、そしてRnおよびRoは、独立して水素、ヒドロキシル、またはC1-4アルキルである。)
を有する。]
であり、
フラグメントiiは:
【0035】
【化4】

【0036】
[式中、y’は0〜5の整数である。]
であり、
そしてフラグメントiii は:
【0037】
【化5】

【0038】
[式中、eは0または1である。]
であり;
4は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、放射性ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ヒドロキシ(C1-4)アルキルまたはNR’R”であり、
ただし、XはFもしくは18Fではないか、またはそれを含まない場合には、R4はF、18F、123I、125I、131I、76Br、77Br、およびBrからなる置換基からなる群より選択されることを条件とする。}
で表される化合物、または薬学的に許容される塩もしくはそのプロドラッグに関する。
【0039】
好ましい実施形態において、R1はヒドロキシ、C1-4アルコキシ、−NHCO(C1-4アルキル)、−O−CO(C1-4アルキル)、−COO(C1-4アルキル)またはNR’R”である。より好ましくは、R1は、ヒドロキシまたはNR’R”であり、ここでR’およびR”は、独立して水素、またはC1-4アルキルであり、ここでC1-4アルキルがさらにより好ましく、そしてメチルが特に好ましい。
【0040】
他の実施形態において、R2は、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、−NHCO(C1-4アルキル)、−O−CO(C1-4アルキル)、−COO(C1-4アルキル)またはNR’R”である。好ましくは、R1およびR2は異なる。最も好ましくは、R2は水素である。
【0041】
もう一つの他の実施形態において、R4は、水素、ハロゲンまたは放射性ハロゲンである。本発明の化合物において、Xがハロゲンまたは放射性ハロゲンではない、またはそれらを含まないのであれば、その時R4は、ハロゲンまたは放射性ハロゲンである。例えば、XがFまたは18Fではない、またはそれらを含まないのであれば、その時R4は、好ましくはF、18F、I、123I、125I、131I、Br、76Brまたは77Brである。
【0042】
好ましい実施形態において、A1およびA2の少なくとも一つはCHである。A1がNである実施形態において、アルキンの橋構造に対してメタ位に存在するA2もNであることが好ましい。
【0043】
3のフラグメントi、iiおよびiii のそれぞれは、幾つかの好ましい実施形態において、X部分を含むZ基を含む。前記X部分は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、放射性ハロゲン、C1-4アルコキシ、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、ハロ(C1-4)アルキル、放射性ハロ(C1-4)アルキル、またはNRxyであり、ここでRxおよびRyは、独立して水素、C1-4アルキル、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、放射性ハロ(C1-4)アルキル、またはハロ(C1-4)アルキルである。
【0044】
上記の通り、フラグメントiは以下の式である。
【0045】
【化6】

【0046】
本発明の化合物において、nは1〜10の整数である。好ましくは、nは1〜6の整数である。より好ましくは、nは2〜6の整数であり、最も好ましくは、nは3である。全ての実施形態において、mは0〜5の整数である。好ましくは、mは0〜3の整数である。より好ましくは、mは0または1であり、そして最も好ましくは、mは0である。本発明の化合物において、yは1〜5の整数である。好ましくは、yは1〜3の整数である。より好ましくは、yは1または2であり、そして最も好ましくは、yは2である。本発明の好ましい化合物において、R5は水素、C1-4アルキルまたはヒドロキシ(C1-4)アルキルである。より好ましくは、R5は水素、またはC1-4アルキルである。最も好ましくは、R5は水素である。本発明の化合物において、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、およびRhは、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルまたはヒドロキシ(C1-4)アルキルである。好ましくは、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、およびRhは、独立して水素、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1-4)アルキルまたはC1-4アルキルである。より好ましくは、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、およびRhは、独立して水素、ヒドロキシ(C1-4)アルキルまたはC1-4アルキルであり、そして最も好ましくは、ヒドロキシ(C1-4)アルキルまたは水素である。ヒドロキシ(C1-4)アルキルが存在する実施形態において、それがRcまたはRdの位置に存在することが特に望ましい。
【0047】
本発明の化合物において、Zは、a)X、ここでXは、水素、ハロゲン、放射性ハロゲン、C1-4アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、ハロ(C1-4)アルキル、放射性ハロ(C1-4)アルキルまたはNRxyであり、ここでRxおよびRyは上記の通りである;b)以下の置換基の一つ、ここでそれらのそれぞれはXを置換基として含む:ベンゾイルオキシ、フェニル(C1-4)アルキル、フェノキシのようなアリールオキシ、またはC6-10アリール;あるいはc)Zcであり、ここでそれは以下の構造:
【0048】
【化7】

【0049】
[式中、
pは1〜4の整数であり、好ましくは2であり、QはOまたはNR5であり、Gは−C=C−(RG)Xまたは−C≡C−Xであり、ここでRGは水素またはC1-4アルキルであり、XおよびR5は上記の通りであり、そしてRnおよびRoはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシまたはC1-4アルキルである。]
を有する。
【0050】
3がフラグメントiである式Iの構造は、以下:
【0051】
【化8】

【0052】
を含む。より好ましくは、構造1の化合物は、nが1〜6の整数であり;R1がヒドロキシ、C1-4アルコキシ、−NHCO(C1-4アルキル)またはNR’R”であり、ここでR’およびR”は、独立して水素、またはC1-4アルキルであり;R4が水素、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲンまたは放射性ハロゲンであり;そしてXが、水素、ハロゲン、放射性ハロゲン、C1-4アルコキシ、ヒドロキシ、またはNRxyであり、ここでRxおよびRyは上記の通りであり;ただしXがFまたは18F、好ましくは18Fであるか、またはそれらを含むという条件であって、そしてXがFまたは18Fではないか、またはそれらを含まないならば、その時R4は、F、18F、Br、76Br、77Br、I、123I、125Iまたは131Iである。最も好ましい構造1の化合物は、上記条件のもの、ならびに、nが3であり;R1がヒドロキシまたは−NR’R”であり、ここでR’およびR”は、独立して水素またはC1-4アルキルであり;R4が水素、ハロゲンまたは放射性ハロゲンであり;そしてXがヒドロキシ、ハロゲンまたは放射性ハロゲンであるもの、を含む。
【0053】
上記の通り、フラグメントiiは、以下の通りである。
【0054】
【化9】

【0055】
好ましくは、y’は、0〜5の整数であり、好ましくは0〜3であり、そして最も好ましくは0または1である。R3がフラグメントiiである、式Iの好ましい実施形態において、nは1〜10の整数であり;y’が0〜3の整数であり;Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、およびRhは、それぞれ独立して上記の通りであり;そしてZが上記の通りであり;ただしXがFまたは18F、好ましくは18Fであるか、またはそれらを含むという条件であって、そしてXがFまたは18Fではないか、またはそれらを含まないならば、その時R4は、F、18F、Br、76Br、77Br、I、123I、125Iまたは131Iである。
【0056】
3がフラグメントiiである式Iの構造は、以下:
【0057】
【化10】

【0058】
を含む。R3がフラグメントiiである好ましい実施形態において、y’は1または0である。nが2〜6の整数であり;R1がヒドロキシ、C1-4アルコキシ、−NHCO(C1-4アルキル)またはNR’R”であり、ここでR’およびR”は、独立して水素、またはC1-4アルキルであり;R4が水素、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲンまたは放射性ハロゲンであり;そしてXが、ヒドロキシ、ハロゲン、放射性ハロゲン、ハロ(C1-4)アルキルまたは放射性ハロ(C1-4)アルキルであり;ただしXがFまたは18F、好ましくは18Fであるか、またはそれらを含むという条件であって、そしてXがFまたは18Fではないか、またはそれらを含まないならば、その時R4は、F、18F、123I、125I、131I、76Br、77BrまたはBrであるものもまた、好ましい。
【0059】
本発明の他の好ましい実施形態において、そして限定されないが、3、4および5の構造を含むのだが、A2はNであり、nは3であり、そしてRa、Rb、RcおよびRdはそれぞれ水素である。他の好ましい実施形態において、A2はNであり、nは1であり、そしてRa、RbおよびRcはそれぞれ水素であり、Rdはヒドロキシ(C1-4)アルキルであり、そしてZはXであり、ここでXはハロ(C1-4)アルキル、またはより好ましくは、放射性ハロ(C1-4)アルキルである。
【0060】
上記の通り、フラグメントiii は以下:
【0061】
【化11】

【0062】
[式中、eは0または1である。]
の通りである。
【0063】
3がフラグメントiii である好ましい実施形態において、R5、Ra、Rb、Rc、およびRdはそれぞれ独立に上記の通りであり、そしてZは上記の通りであり;ただしXがFまたは18F、好ましくは18Fであるか、またはそれらを含むならば、その時R4はF、18F,123I,125I,131I,76Br,77Br,またはBrである。
【0064】
フラグメントiii を含む式Iの構造は、以下:
【0065】
【化12】

【0066】
を含む。
【0067】
構造6の、本発明の好ましい実施形態において、ZはX、ここでXは、水素、ハロゲン、放射性ハロゲン、C1-4アルコキシ、ヒドロキシまたはNRxyであり、ここでRxおよびRyは上記の通りであり;あるいはZcである、ここでそれは以下の構造:
【0068】
【化13】

【0069】
[式中、
pは1〜4の整数であり、QはOまたはNR5であり、Gは−C=C−(RG)Xまたは−C≡C−Xであり、ここでRGは水素またはC1-4アルキルであり、RnおよびRoは、独立して水素、ヒドロキシル、またはC1-4アルキルであり、そしてXおよびR5は上記の通りである。]
を有する。
【0070】
他の好ましい式Iの化合物は、以下の構造:
【0071】
【化14】

【0072】
を有する。
【0073】
化合物9、10、11、12、13および14において、nは好ましくは1〜6の整数である。より好ましくは、nは2〜6の整数であり、最も好ましくは、nは3である。
【0074】
式Iの、もう一つの他の好ましい化合物は、以下:
【0075】
【化15】

【0076】
を含む。
【0077】
他の実施形態は、構造22:
【0078】
【化16】

【0079】
[式中、
1はヒドロキシまたはNR’R”であり、ここでR’およびR”は独立して水素、またはC1-4アルキルであり、A2はCHまたはNであり、ZはXであり、ここでXは水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシであり、そしてR4はI、123I、125I、131I、Br、76Brまたは77Brである。]
の化合物を含む。
【0080】
さらに他の実施形態は、以下:
【0081】
【化17】

【0082】
[式中、
4はI、123I、125I、131I、Br、76Brまたは77Brであり、より好ましくは、R4123I、76Br、または77Brである。]
を含む。
【0083】
本発明の他の実施形態において、式Iの化合物は、構造27:
【0084】
【化18】

【0085】
[式中、
xおよびRyは、それぞれ独立に水素、ハロゲンまたはC1-4アルキルであり、そしてR4はF、18F、I、123I、125I、131I、Br、76Brまたは77Brであり、より好ましくは、R4123I、76Brまたは77Brである。]
のものである。
【0086】
他の実施形態において、式Iの化合物は、以下:
【0087】
【化19】

【0088】
[式中、
4は、F、18F、I、123I、125I、131I、Br、76Brまたは77Brであり、より好ましくは、R4は、123I、76Brまたは77Brであり、そしてXは、ヒドロキシ、F、または18Fである。]
を含む。
【0089】
さらに他の実施形態において、式Iの化合物は、以下:
【0090】
【化20】

【0091】
[式中、
R’およびR”は、それぞれ独立に水素またはC1-4アルキルであり、R4はF、18F、I、123I、125I、131I、Br、76Brまたは77Brであり、より好ましくは、R4は、123I、76Brまたは77Brであり、そしてXは、ヒドロキシ、F、または18Fである。]
を含む。
【0092】
さらに他の実施形態において、式Iの化合物は、以下:
【0093】
【化21】

【0094】
[式中、
R’およびR”は、それぞれ独立に水素またはC1-4アルキルであり、A2はCHまたはNであり、R4はF、18F、I、123I、125I、131I、Br、76Brまたは77Brであり、より好ましくは、R4は、123I、76Brまたは77Brであり、そしてZはXであり、ここでXは、ヒドロキシ、F、または18Fである。]
を含む。
【0095】
さらに他の実施形態において、式Iの化合物は、以下:
【0096】
【化22】

【0097】
[式中、
R’およびR”は、それぞれ独立に水素またはC1-4アルキルであり、そしてR4はF、18F、I、123I、125I、131I、Br、76Brまたは77Brであり、より好ましくは、R4は、123I、76Brまたは77Brである。]
を含む。より好ましくは、ZはXであり、ここでXはヒドロキシ、F、18F、またはZcであり、ここでZcは−OCH2C≡CHである。
【0098】
そして他の実施形態において、式Iの化合物は、以下:
【0099】
【化23】

【0100】
[式中、
R’およびR”のうち一つは、C1-4アルキルであり、好ましくはメチルであり、R’およびR”のうち他方は、水素、またはC1-4アルキルであり、A2は好ましくはCHであり、そしてXはFまたは18Fであり、好ましくは18Fである。]
を含む。
【0101】
本発明のさらに他の実施形態は、以下:
【0102】
【化24】

【0103】
[式中、
2は好ましくはCHであり、そしてXはFまたは18Fであり、好ましくは18Fである。]
を含む。
【0104】
最も好ましくは、式Iの化合物は、以下:
【0105】
【化25】

【0106】
[式中、
*Iおよび*Fは、放射標識されてないか、または放射標識されている。]
である。好ましくは、*Iおよび*Fの一つは、例えば123Iまたは18Fで放射標識されている。最も好ましくは、*Iは123Iであり、そして*Fは放射標識されていないFである。
【0107】
以下の化合物39〜44:
【0108】
【化26】

【0109】
[式中、*Iは、放射標識されているか、または放射標識されてない。]
もまた、好ましい。好ましくは、*Iは放射標識されている。最も好ましくは、*Iは123Iであり、そしてここで*Fは放射標識されているか、または放射標識されていない。好ましくは、*Fは18Fである。
【0110】
式Iの他の好ましい化合物は、以下:
【0111】
【化27】

【0112】
[式中、
1は−N(Me)2、NHMeまたはヒドロキシであり、そしてnは1、2または3である。]
を含む。
【0113】
本発明の他の化合物は、以下の化合物:
【0114】
【化28】

【0115】
[式中、
1は上記の通りであり、A2はCHまたはNであり、y’は0〜5の整数であり、Ra、Rb、Rc、Rd、Rg、およびRhは上記の通りであり、そして*ZはZまたはZ’であり、そしてそれは、以下に全て記載されている。]
のようなヒドロキシの分岐した誘導体を含む。特に好ましい化合物は、*Zが放射性ハロ(C1-4)アルキル、例えば18フルオロメチルであって、以下:
【0116】
【化29】

【0117】
を含む。
【0118】
本発明はまた、式II:
【0119】
【化30】

【0120】
{式中、
1およびA2は独立してCHまたはNであり;
21およびR22はそれぞれ独立に:
a.NR’R”,ここでR’およびR”は独立して水素、C1-4アルキル、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、またはハロ(C1-4)アルキルである;
b.ヒドロキシ、
c.C1-4アルコキシ、
d.ヒドロキシ(C1-4)アルキル、
e.ハロゲン、
f.シアノ、
g.水素、
h.ニトロ、
i.(C1〜C4)アルキル、
j.ハロ(C1〜C4)アルキル、
k.ホルミル、
l.−O−CO(C1-4アルキル)
m.−COO(C1-4アルキル)
n.−NHCO(C1-4アルキル)または
o.放射性ハロゲンであり;
24は水素、ヒドロキシ、ハロゲン、放射性ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ヒドロキシ(C1-4)アルキルまたはNR’R”であり、ここでR’およびR”は独立して水素、C1-4アルキル、ヒドロキシ(C1-4)アルキルまたはハロ(C1-4)アルキルであり;
23はフラグメントi、ii、iii またはivであり、ここでフラグメントiは以下の式:
【0121】
【化31】

【0122】
[式中、
nは1〜10の整数であり;mは0〜5の整数であり;yは1〜5の整数であり;R5は水素、C1-4アルキル、またはヒドロキシ(C1-4)アルキルであり;Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、およびRhは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、またはヒドロキシ(C1-4)アルキルであり;そしてZ’は:
a)−Ch;
b)以下の置換基の一つであって、それらのそれぞれが芳香環と直接結合している−Chを含む:ベンゾイルオキシ、フェニル(C1-4)アルキル、アリールオキシ、またはC6-10アリール;あるいは
c)Z’cであり、そしてそれは以下の構造:
【0123】
【化32】

【0124】
(式中、
pは1〜4の整数であり、QはOまたはNR5であり、Gは−C=C−(RG)Chまたは−C≡C−Chであり、ここでRGは水素、またはC1-4アルキルであり;RnおよびRoは独立して水素、ヒドロキシ、またはC1-4アルキルであり、R5は本明細書に記載の通りであり、そしてChは以下に記載のとおりである。)
を有する。]
であり、
フラグメントiiは以下の式:
【0125】
【化33】

【0126】
であり、好ましい実施形態において、y’は0〜5の整数であり、好ましくは0〜3であり、そして最も好ましくは0または1であり;
フラグメントiii は以下の式:
【0127】
【化34】

【0128】
[式中、eは0または1であり、そしてZ’、Ra、Rb、Rc、RdおよびR5は上記の通りである。]
であり;
そしてフラグメントivは以下の式:
【0129】
【化35】

【0130】
[式中、
Z’、RaおよびRbは上記の通りであり、そしてqは1〜10の整数である。]
であり;
またはR23およびR24は一緒になって−Chを形成する。}
の化合物または薬学的に許容される塩もしくはそのプロドラッグに関する。
【0131】
−Ch部分は、金属と錯体化して、金属キレートを形成することができるキレート配位子である。多くの配位子が当技術分野で知られており、そして式IIの化合物の標識部位としての使用に適している。当業者は、そのような配位子が化合物を標識化するための簡便な方法を提供し、そして本発明が特定の配位子に限定されず、そしてそれらの多くが交換可能であると理解するだろう。好ましくは、この配位子は、N3、N2S、NS2、N4および以下の式:
【0132】
【化36】

【0133】
[式中、
以下の文字:
【0134】
【化37】

【0135】
は、アミロイド結合構造の骨格へのリガンドの結合可能な場所(複数)を示し、jは0、1、または2であり;そしてUは、芳香環構造上の2つの隣接する炭素、または−C(R3536)C(R3738)−であり;ここでRhおよびR35、R36、R37ならびにR38のそれぞれは、独立して水素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルまたはヒドロキシ(C1-4)アルキルである。]
のようなN22型のもの、のような三座または四座配位子である。好ましくは、RhおよびR35、R36、R37ならびにR38のそれぞれは、独立して水素またはC1-4アルキルである。
【0136】
上記配位子は、可能な場合には他の場所で置換されることができ、例えば以下の式の通りである。
【0137】
【化38】

【0138】
例えば、他の可能な場所は、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33およびR34で表される。好ましい実施形態において、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33およびR34は、独立して水素、ヒドロキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルまたはヒドロキシ(C1-4)アルキルである。好ましくは、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33およびR34は、独立して水素、またはC1-4アルキルである。
【0139】
好ましい実施形態において、Rp基のそれぞれは、水素または硫黄の保護基、例えば、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、p−メトキシベンジルまたはベンジルである。硫黄の保護基は、T.W.and Wuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd Edition, John Wiley and Sons, Inc., New York (1991)に詳細に記載されている。保護基Rpは、有機合成の分野において周知の適切な方法によって、例えば、トリフルオロ酢酸、塩化第二水銀または液体アンモニア中でナトリウムを用いて処理することによって除去されることができる。ルイス酸に対して不安定な置換基、例えば、アセトアミドメチルおよびベンズアミドメチルのような場合において、Rpはそのままの状態で残され得る。これらの実施形態において、テクネチウムを用いた配位子の標識化は、保護基を除去し、そして保護されたジアミノジチオール等価体を無保護の形態にする。
【0140】
本発明の好ましい実施形態において、金属配位子は、たとえば99mTcのような放射性金属と錯体化して、以下の構造:
【0141】
【化39】

【0142】
で例示されるような金属キレートを形成することができる。
【0143】
さらに、例えばレニウムのような他の放射性金属は、当該配位子と錯体化することができる。
【0144】
好ましい実施形態において、R21は、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、−NHCO(C1-4アルキル)またはNR’R”であり、ここでR’およびR”は上記の通りである。より好ましくは、R21はヒドロキシまたはNR’R”であり、ここでR’およびR”は独立して水素またはC1-4アルキルであり、そして最も好ましい実施形態において、R’およびR”はメチルである。
【0145】
好ましい実施形態において、R22はヒドロキシ、C1-4アルコキシ、−NHCO(C1-4アルキル)またはNR’R”であり、ここでR’およびR”は上記の通りである。好ましくは、R21およびR22は異なるものである。最も好ましくは、R22は水素である。
【0146】
好ましくは、R24は水素、ハロゲン、またはC1-4アルキルである。
【0147】
好ましくは、A1およびA2のうち、一つはCHであり、A1およびA2のうち、他方はCHまたはNである。A1がNの時、A2がNであることが好ましい。
【0148】
好ましい実施形態において、R23はフラグメントi、ii、iii 、またはivである。好ましくは、フラグメントi、ii、iii 、またはivのそれぞれは、一つのZ’を含み、ここでZ’のそれぞれは一つの−Ch部分を含む。当該−Ch部分は、金属と錯体化してキレートを形成することができるキレート部位である。フラグメントi、ii、iii 、またはivは、以下でより十分に論じられる。
【0149】
フラグメントiは、以下の式:
【0150】
【化40】

【0151】
の通りである。
【0152】
好ましい実施形態において、nは1〜6の整数である。より好ましくは、nは2〜6の整数であり、そして最も好ましくは、nは3である。全ての実施形態において、mは0〜5の整数である。好ましくは、mは、0〜3の整数である。より好ましくは、0または1であり、そして最も好ましくは、mは0である。好ましくは、yは0〜3の整数である。より好ましくは、yは0〜2の整数であり、そして最も好ましくは、yは2である。好ましい実施形態において、R5は水素またはC1-4アルキルである。最も好ましくは、R5は水素である。好ましい実施形態において、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、RgおよびRhはそれぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルまたはヒドロキシ(C1-4)アルキルである。好ましくは、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、RgおよびRhは、それぞれ水素、ヒドロキシまたはC1-4アルキルである。より好ましくは、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、RgおよびRhは、それぞれ水素またはC1-4アルキルであり、そして最も好ましくは、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、RgおよびRhは、それぞれ水素である。好ましくは、Z’は:
a)−Ch、ここで−Chは本明細書に記載の通りである;
b)以下の置換基の一つ、そしてそれらのそれぞれが、芳香環と直接結合している−Chを含む:ベンゾイルオキシ、フェニル(C1-4)アルキル、アリールオキシまたはC6-10アリール;あるいは
c)Z’c、そしてそれは、以下の構造:
【0153】
【化41】

【0154】
[式中、
pは、1〜4の整数であり、好ましくは2であり、QはOまたはNR5であり、Gは−C=C−(RG)Chまたは−C≡C−Chであり、ここでRGは水素またはC1-4アルキルであり;RnおよびRoは、独立して水素、ヒドロキシ、またはC1-4アルキルであり、そしてChは本明細書に記載の通りである。]
を有する、である。
【0155】
上記の通り、フラグメントiiは以下の式:
【0156】
【化42】

【0157】
[式中、n、Ra、Rb、Rc、Rd、Rg、Rh、y’およびZ’は上記の通りである。]
である。式IIの化合物において、Ra、Rb、RcおよびRdは、好ましくはC1-4アルキルまたは水素である。より好ましくは、Ra、Rb、RcおよびRdは水素である。好ましい実施形態において、y’は0〜3の整数である。最も好ましくは、y’は0または1である、好ましくは、nは2〜6の整数である。最も好ましくは、nは3である。好ましくは、Z’は−Chである。Z’が−Chである実施形態において、−Chは好ましくはN22型の配位子である。
【0158】
上記のとおり、フラグメントiii は以下の式:
【0159】
【化43】

【0160】
[式中、eは0または1であり、そしてZ’、Ra、Rb、Rc、Rd、およびR5は上記の通りである。]
である。式IIの化合物において、Ra、Rb、Rc、およびRdは、好ましくはC1-4アルキルまたは水素であり、そしてより好ましくは水素である。好ましくは、Z’は−Chであり、ここで−Chは好ましくはN22型の配位子である。
【0161】
上記の通り、フラグメントivは、以下の式:
【0162】
【化44】

【0163】
[式中、Z’、RaおよびRbは上記の通りであり、そしてqは1〜10の整数であり;またはR23およびR24が一緒になって−Chを形成する。]
である。式IIの化合物において、RaおよびRbは、好ましくはC1-4アルキルまたは水素であり、そしてより好ましくは水素である。好ましい実施形態において、qは1〜6の整数である。好ましくは、qは1〜4の整数である。好ましくは、Z’は−Chである。Z’が−Chである実施形態において、−Chは好ましくはN22型の配位子である。
【0164】
式IIの化合物の例は
【0165】
【化45】

【0166】
[式中、
21はヒドロキシル、モノ−またはジ(C1-4)アミノであり;RaおよびRbは、独立して水素またはC1-4アルキルであり;そしてqは1〜6の整数である。]
を含む。
【0167】
式IIの化合物の別の例は
【0168】
【化46】

【0169】
[式中、
21は、ヒドロキシル、モノ−またはジ(C1-4)アミノであり;RaおよびRbは、独立して水素またはC1-4アルキルであり;R25〜R34はそれぞれ独立して水素またはC1-4アルキルであり;そしてqは1〜6の整数である。]
を含む。
【0170】
式IIの化合物のさらに別の例は
【0171】
【化47】

【0172】
[式中、
21は、ヒドロキシル、モノ−またはジ(C1-4)アミノであり;Rhのそれぞれは、水素またはC1-4アルキルであり;そしてjは1または2であり;そしてR25〜R34は、それぞれ独立して水素またはC1-4アルキルである。]
を含む。本発明は、99mTcのような放射性金属を含む錯体を含む。
【0173】
本発明はまた、式IおよびIIの化合物の立体異性体を含む。そのような立体異性体は、光学異性体、例えばエナンチオマー混合物のみならず、個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーを含み、そしてそれは、式IまたはIIの選択された化合物における構造的非対称の結果として生じてもよい。
【0174】
いくつかの変数がいずれかの構成要素、または式IもしくはIIにおいて1回以上現れる場合、それぞれの場合におけるその定義は、他の場合における定義とは独立している。同様に、置換基および/または変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物を生ずる場合でさえあれば許容される。
【0175】
式IおよびIIの化合物はまた、溶媒和、とくに水和されていてもよい。水和は、化合物または化合物を含む組成物の製造過程中でなされてもよく、または水和は、化合物の吸湿性によって徐々になされてもよい。さらに本発明の化合物は、溶媒和されていない形態のみならず、水、エタノールなどのような、薬学的に許容される溶媒を用いて溶媒和された形態でも存在することができる。通常、溶媒和された形態は、本発明の目的のための溶媒和されていない形態と等価であると考えられる。
【0176】
本発明は、上記式IおよびIIの化合物を調製する方法をさらに対象とする。本発明の化合物を調製するための合成経路は以下の図に記載されている。
【0177】
【化48】

【0178】
スキーム1における合成方法は、モノメチルアミン化合物である35を調製するために使用され得る。
【0179】
【化49】

【0180】
スキーム3における合成方法は、化合物37および38の誘導体を調製するために使用され得る。
【0181】
【化50】

【0182】
スキーム6における合成方法は、スキーム7におけるモノアルキルアミン化合物である40を、およびスキーム8におけるヒドロキシ化合物である41を調製するために使用され得る。
【0183】
【化51】

【0184】
【化52】

【0185】
【化53】

【0186】
スキーム16の合成方法は、スキーム17におけるピリジン化合物を調製するために使用され得る。
【0187】
【化54】

【0188】
本発明はまた、アミロイド沈着を画像化する方法に関する。本発明の化合物が造影剤として使用されるとき、それらは、好適な放射性同位元素、例えば放射性ハロゲン、放射性金属、および11Cのような、他の検出可能な放射性原子で標識される。
【0189】
放射性ハロゲンに関して、125Iは実験室試験においては有用であるが、125Iの比較的長い半減期(60日)および低いガンマ線放射(30〜65Kev)のために、それらは一般的に診断目的のためには有用でない。同位体123Iは、13時間の半減期および159Kevのガンマ線エネルギーを有し、したがって、診断目的のために使用されるリガンドの標識は、この同位体または18F(半減期2時間)を用いて行われるだろうと期待される。使用されるかもしれない他の同位体は、131I、77Brおよび76Brを含む。
【0190】
他の好ましい実施形態において、本発明の化合物はまた、放射標識として、炭素の放射性同位体を含む。これは、その原子のバックグラウンドレベルを超える特定の活性を有する、一またはそれ以上の放射性炭素原子、好ましくは11Cを含む化合物に関する。自然界に存在する元素は、様々な同位体の形態で存在しており、その幾つかは放射活性があることはよく知られている。自然界に存在する元素の放射活性は、これらの同位体の自然分布または存在量の結果であり、そしてそれは一般的にバックグラウンドレベルと呼ばれる。本発明の炭素標識化合物は、天然の存在量以上に高い、特定の活性を有し、したがってバックグラウンドレベルを超える。本発明の炭素標識組成物は、追跡、画像化、放射線治療などのために使用され得る。
【0191】
本発明における使用のための、特に好ましい放射性金属は、Tc−99mである。Tc−99m錯体は以下の通り調製され得る:少量の非放射標識化合物(1〜2mg)は、100μLのエタノールに溶解され、そして200μLのHCl(1N)および1mLのSn−グルコヘプトネート溶液(8〜32μgのSnCl2および80〜320μgのNa−グルコヘプトネートを含有する、pH6.67)ならびに50μLのEDTA溶液(0.1N)と共に混合された。[99mTc]過テクネチウム酸(100〜200μL;2〜20mCiの範囲)の生理食塩水溶液が、その後添加された。反応は30分間100℃で過熱され、その後室温に冷却される。反応混合物は、生成物の形成および純度の確認のため、TLC(EtOH:濃縮アンモニア 9:1)で分析される。当該混合物は、リン酸バッファーを用いてpH5.0に中和され得る。
【0192】
本発明はさらに、還元剤、および場合により適切なCh−含有化合物である好適なキレート剤の存在下、過テクネチウム酸の形態にあるテクネチウム−99mを反応させることにより、本発明のテクネチウム−99m錯体を調製する方法に関する。
【0193】
還元剤は、モリブデン−テクネチウムジェネレータから溶出されるTc−99m過テクネチウム酸を、生理食塩水中で還元する役割を有する。好適な還元剤は、例えば、ジチオナイト、二酸化チオ尿素、ジアミノエタン ジスルフィネート、およびSn(II)、Fe(II)、Cu(I)、Ti(III )およびSb(III )のような、好適な金属性還元剤を含む。Sn(II)は、特に好適であることがわかっている。
【0194】
上記の錯体形成反応のために、テクネチウム−99mは、比較的弱いキレート剤と結合した塩、またはテクネチウムの形態で、本発明の適切な化合物と反応させられる。後者の場合において、所望のテクネチウム−99m錯体は配位子交換によって形成される。放射性各種に好適なキレート剤の例は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、オルトフタル酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、サリチル酸またはこれらの酸の誘導体のようなジカルボン酸;ピロリン酸塩のようなリン化合物;またはエノレートである。クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、グルコヘプトン酸またはその誘導体は、この目的のために特に好適なキレート剤であり、なぜならば、これらのキレート剤の一つを用いたテクネチウム−99mのキレートは、特により容易に所望の配位子交換をするからである。
【0195】
[TcvO]+322錯体を調製するために最も一般的に使用される手順は、塩化スズ(II)を用いた、一般的な出発原料である[99mTc]過テクネチウム酸の還元に基づくものである。標識化の手順は通常、Tc−99m(Sn)−グルコヘプトネートとN22配位子との間のTc−99m配位子交換反応を利用する。塩化スズ(II)の調製およびそれを恒常的にスズ(II)の形態で保存することは、標識反応を成功させるために非常に重要である。空気に敏感なスズイオンを安定に保つため、凍結乾燥されたキットを使用することが核医学において一般的な方法であり、そしてそこで、窒素またはアルゴンのような不活性ガスの下で、スズイオンは過剰量のグルコヘプトン酸塩と混合されて、凍結乾燥された粉体状になっている。凍結乾燥された塩化スズ/グルコヘプタン酸ナトリウムキットの調製は、標識反応が再現可能および予測可能であることを保証する。N22配位子は通常、空気に敏感であり、そして場合によっては、後の反応で当該配位子の分解が起こる。当該配位子を保存する最も簡便かつ予測可能な方法は、アルゴンまたは窒素下において100〜500μgの配位子を含有する凍結乾燥されたキットを製造することである。
【0196】
本発明の放射性ハロゲン化合物は、キット中で、使用者に提供され得る物質から容易に得られる。本発明の造影剤を形成するためのキットは、例えば、最適錯体化条件に好適な濃度およびpHであって、式IまたはIIの中間体の生理学的に好適な溶液を含有するバイアルを含み得る。使用者は、当該バイアルに好適量の放射性同位体、例えばNa123I、および過酸化水素のような酸化剤を添加するだろう。得られた標識化リガンドはその後、患者へ静脈内投与されてもよく、そして脳内受容体は、ガンマ線またはそれからの光子放出を測定することによって画像化されてもよい。
【0197】
本発明の放射性医薬組成物は、容易かつ単純に調製され得るため、当該調製は使用者に容易に行われ得る。そのため、本発明は以下:
(1)本発明の非放射標識化合物、ここで前記化合物は、場合により乾燥条件中にある;そしてまた、場合により不活性の、薬学的に許容される担体および/またはそれに添加される補助物質を有する;ならびに
(2)還元剤、および場合によりキレート剤;
を含み、ここで成分(1)および(2)は、場合により結合されてもよく;そしてさらに、成分(1)および(2)を過テクネチウム酸溶液の形態であるテクネチウム−99mと反応させることによる上記の方法を実行するための処方箋を有する、使用のための説明書が場合により含まれてもよい、キットにも関する。
【0198】
上記キットのための好適な還元剤およびキレート剤の例は上記されている。過テクネチウム酸溶液は、使用者によって、モリブデン−テクネチウムジェネレータから得られる。そのようなジェネレータは、放射線診断手法を行う多くの施設で利用できる。上記の通り、成分(1)および(2)は結合されてもよく、ただしそれらの相性が良いことを条件とする。そのような単一成分からなるキットは、そしてその中で前記結合された成分が好ましくは凍結乾燥されているのだが、単純な方法で使用者によって過テクネチウム溶液と反応させられるために非常に好適である。
【0199】
所望ならば、放射性診断剤は、pH調整剤(例えば、酸、塩基、緩衝剤)、安定剤(例えば、アスコルビン酸)または等張化剤(例えば、塩化ナトリウム)のような任意の添加剤を含んでもよい。
【0200】
当業者は、画像化目的のための標識化合物を検出する様々な方法に精通している。例えば、陽電子放射断層撮影(PET)または単一光子放射断層撮影(SPECT)は、放射標識化合物を検出するために使用され得る。前記化合物に導入された標識は、所望の検出法に依存する。当業者は、18Fのような陽電子放出原子のPET検出に精通している。本発明はまた、18F原子が非放射性フッ素原子と交換された、本明細書に記載の特定の化合物に関する。当業者は123Iまたは99mTcのような、光子放出原子のSPECT検出に精通している。しかし、本発明はまた、123Iが非放射性ヨウ素原子と交換された、本明細書に記載の特定の化合物に関する。
【0201】
放射性診断剤は、十分な放射能および信頼性のある診断を保証できる放射能濃度を有するべきである。放射能の所望のレベルは、式IおよびIIの化合物を調製するために、本明細書中で提供された方法によって実現され得る。アミロイド沈着の画像化はまた、アミロイド沈着の量を決定するために、定量的になされ得る。
【0202】
脳のインビボ画像化剤のための鍵となる必須条件の一つは、大量瞬時静脈内投与後に無傷の血液脳関門を通過する能力である。本発明の画像法の第一の段階において、式IまたはIIの標識された化合物は、組織または患者へ検出可能量で導入される。当該化合物は通常、医薬組成物の一部であり、そして組織または患者へ、当業者に周知の方法によって投与される。
【0203】
例えば、前記化合物は、経口で、直腸内に、非経口で(筋肉または皮下から静脈内に)、大槽内に、膣内に、腹腔内に、膀胱内に、局所的に(粉体、軟膏または液滴)、または口腔内噴霧剤もしくは点鼻薬として投与され得る。
【0204】
本発明の好ましい実施形態において、標識化合物は検出可能量で患者へ導入され、そして当該化合物が、アミロイド沈着と結合するようになるための十分な時間が経過した後、標識化合物は非侵襲的に検出される。本発明の別の実施形態において、式IまたはIIの標識化合物が導入され、当該化合物がアミロイド沈着と結合するようになる十分な時間が経過し、そしてその後に患者から組織のサンプルが採取され、そして当該組織中の標識化合物が患者から離れて検出される。第三の実施形態において、組織サンプルが患者から採取され、そして式Iの標識化合物が組織サンプルへ導入される。当該化合物がアミロイド沈着と結合するようになるための十分な時間の後、当該化合物は検出される。
【0205】
患者への標識化合物の投与は、全身または局所的投与経路によってなされ得る。例えば、全身を通して輸送されるかもしれない。または、放射性化合物は、興味のある特定の器官または組織へ投与され得る。例えば、患者のアルツハイマー病の進行を診断または追跡するため、脳内のアミロイド沈着を見つけ、および定量化することは望ましい。
【0206】
本発明の別の実施形態は、アミロイドプラークの凝集を阻害する方法である。本発明はまた、アミロイドを阻害することができる量の式IまたはIIの化合物を患者へ投与することにより、アミロイド沈着を形成するアミロイドタンパク質の凝集を阻害する方法を提供する。
【0207】
本発明の化合物は、約0.1〜1約1000mg/日の範囲内の投与量レベルで、患者へ投与され得る。正常なヒト成人が約70kgの体重を有する時、約0.01〜約100mg/kg体重/日の範囲内の投与量で十分である。しかし、使用された特定の投与量は変化し得る。例えば、投与量は、患者の要求、処置されるべき状態の重症度、および使用される化合物の薬学的活性を含めた多くの要因に依存し得る。特定の患者に対する最適投与量の決定法は、当技術分野で周知である。
【0208】
当業者は、式IまたはIIの化合物を、アミロイド沈着の成長が減少または停止するまで、量を増加させながら単に投与することによって、アミロイド阻害量を容易に決定することができる。成長率は、上記の通りの画像法を使用して、または患者からの組織サンプルを採取し、そしてその中のアミロイド沈着を観察することによって評価され得る。
【0209】
本発明の化合物は、治療、予防、調節、寛解、または疾患の危険性の減少において、あるいは本発明の化合物が有用性を有する条件下であって、当該薬剤の併用が、いずれかの薬剤を単独で使用した場合以上に安全、またはより有効である前記条件下において、前記一またはそれ以上の他の薬剤と併用されてもよい。さらに、本発明の化合物は、治療し、予防し、調節し、寛解させ、または副作用の危険性、もしくは本発明の化合物の毒性を減少させる、一またはそれ以上の他の薬剤と併用されてもよい。そのような他の薬剤は、通常そのために使用される経路および量で、本発明の化合物と同時に、または連続的に投与されてもよい。さらに、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、一またはそれ以上の他の活性成分を含有するものを含む。前記組み合わせは、単位投薬剤形合剤の一部として投与されてもよく、または、一もしくはそれ以上の追加の薬剤が、投薬計画の一部としての別個の投薬剤形で投与されるキットもしくは治療手順として投与されるかもしれない。
【0210】
単位投薬剤形またはキット形態のいずれかである、他の薬剤を用いた本発明の化合物の合剤の例は:例えばベータ−セクレターゼ阻害剤、またはガンマ−セクレターゼ阻害剤のような抗アルツハイマー薬、;HMG−CoAリダクターゼ阻害剤;イブプロフェンを含むNSAIDs;ビタミンE;ヒト化モノクローナル抗体を含む、抗アミロイド抗体;CB−1受容体拮抗薬またはCB−1受容体逆作動薬;ドキシサイクリンおよびリファンピンのような抗生物質;メマンチンのような、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬;ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジルおよびタクリンのような、コリンエステラーゼ阻害剤;イブタモレン、メシル酸イブタモレン、およびカプロモレリンのような成長ホルモン分泌促進因子;ヒスタミンH3拮抗薬;AMPA作動薬;PDEIV阻害剤;GABAa逆作動薬;神経性ニコチン性作動薬;あるいは、薬効、安全性、利便性を増加させるか、または本発明の化合物の望まれていない副作用もしくは毒性を減らすかのいずれかである、受容体または酵素に影響を与える他の薬剤、との合剤を含む。合剤の前記のリストは単なる例に過ぎず、いかなる場合においても、限定されるものと解釈されない。
【0211】
本明細書において、用語「薬学的に許容される塩」とは、サウンド・メディカル・ジャッジメントの範囲内において、患者の組織と接する使用に好適である、過度の副作用、刺激、アレルギー反応などのない、妥当な利益/危険性比を有する、およびそれらの使用目的にとって有効である本発明の化合物のカルボン酸塩または酸付加塩、ならびに可能な場合には、本発明の化合物の両性イオン形態に関する。用語「塩」とは、本発明の化合物の、比較的無毒である無機および有機酸付加塩のことである。例えば、酢酸、フェニルで置換されたアルカン酸、ヒドロキシアルカン酸およびアルカン二酸のような脂肪族性のモノおよびジカルボン酸、芳香族酸、ならびに脂肪族性および芳香族性スルホン酸、のような無毒の有機酸由来の塩もまた、含まれる。これらの塩は、化合物の最終的な単離および精製の間にイン・シチュで、または塩基が遊離している状態で精製された化合物と、好適な有機もしくは無機酸を別々に反応させ、その後に形成された塩を単離することによって、調製され得る。さらに代表的な塩は、臭化水素塩、塩化水素塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクチオビオン酸塩およびラウリルスルホン酸塩、プロピオン酸塩、ピバリン酸塩、シクラミン酸塩、イセチオン酸塩などを含む。これらは、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのようなアルカリおよびアルカリ土類金属に基づく陽イオンのほかに、以下に限定されるものではないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどの、無毒性のアンモニウム、四級アンモニウムおよびアミン性の陽イオンを含む(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Berge S.M.,et al, Pharmaceutical Salts, J. Pharm. Sci.66:1〜19(1977)を参照)。
【0212】
それ自体で、または別の置換基の一部として本明細書中で使用される用語「アルキル」とは、4炭素までの、好ましくは1または2炭素の、より好ましくは一炭素(メチル)の、直鎖および分岐鎖の置換基の両方のことである。
【0213】
用語「アルコキシ」は、非限定の例だが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシなどを含む、酸素原子と結合した、上記定義の通りだが鎖長がそれに限定されない、直鎖または分岐鎖アルキル基を意味するために本明細書において使用される。好ましくは、アルコキシ鎖は鎖長1〜4個の炭素原子であり、より好ましくは、鎖長1または2個の炭素原子である。
【0214】
それ自体で、または別の置換基の一部として本明細書中で使用される用語「モノアルキルアミン」とは、上記定義の通りの一つのアルキル基で置換されたアミノ基のことである。用語「ジアルキルアミン」とは、上で定義された二つのアルキル基で置換されたアミノ基のことである。
【0215】
それ自体で、または別の置換基の一部として本明細書中で使用される用語「ハロ」または「ハロゲン」とは、本明細書および/または特許請求の範囲内の特殊な使用において別途定義されない限り、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素のことである。
【0216】
それ自体で、または別の置換基の一部として本明細書中で使用される用語「放射性ハロゲン」とは、18F,19F,1231,1251,1311,76Brおよび77Brのことである。
【0217】
本明細書で使用される用語「ハロ(C1-4)アルキル」とは、一またはそれ以上の塩素、臭素、フッ素またはヨウ素と、好ましくはフッ素と置換された上記のいずれかのアルキル基のことである。有用な置換基は、クロロメチル、ヨードメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、および2−クロロエチルである。最も好ましくは、アルキルは、末端アルキルがフッ素のような一つのハロに置換されているものである。用語「放射性ハロ(C1-4)アルキル」とは、ハロゲン放射性同位体を含む、上記定義の通りのハロ(C1-4)アルキルのことである。この種類の置換基の一例は、18F−(C1-4)アルキル−である。
【0218】
それ自体で、または別の置換基の一部として本明細書中で使用される用語「ヒドロキシアルキル」とは、−OH基を含む、直鎖または分岐鎖アルキル基のことである。
【0219】
それ自体で、または別の置換基の一部として本明細書中で使用される用語「アリール」とは、フェニル、ナフチル、またはテトラヒドロナフチルのような、環部分に5〜14個の、好ましくは6〜10個の原子を含む、単環または二環性の芳香族基である。本明細書で使用されているように、それぞれのアリールはXまたは−Chを置換基として含む。C6-10の範囲内にある好ましいものは、以下の置換基を含み、そしてそれらのそれぞれがXまたは−Chを置換基として含む:フェニル、ナフチルおよびテトラヒドロナフチル。アリール基はまた、N、S、またはOのようなヘテロ原子を含んで、「ヘテロアリール」を形成し得る。ヘテロアリールの範囲内において好ましいものは:チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル、フリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ベンズオキサゾリル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチイニル、2H−ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリニル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアゾリル、イソキサゾリル、フラザニルおよびフェノキサジニル基である。
【0220】
本明細書で使用される用語「アリールオキシ」は、酸素原子と結合した「アリール」基のことであり、そしてベンジルオキシおよびフェノキシなどを含む。ベンゾイルオキシは、エステルである。
【0221】
用語「組織」は、患者の身体の一部を意味する。組織の例は、脳、心臓、肝臓、血管および動脈を含む。検出可能量は、選択された検出方法によって検出されるために必要な標識化合物の量である。検出のために患者に導入された標識化合物の量は、当業者によって容易に決定され得る。例えば、標識化合物の量の増加は、当該化合物が選択された検出法によって検出されるまで、患者に与えられ得る。標識は、化合物の検出のために化合物へ導入される。
【0222】
用語「患者」は、ヒトおよび他の動物を意味する。当業者はまた、化合物がアミロイド沈着と会合するようになるための十分な時間量を決定することに精通している。必要な時間量は、検出可能量の、標識化された式IまたはIIの化合物を患者に導入し、それから投与後の種々の時間で標識化合物を検出することによって、容易に決定され得る。
【0223】
用語「会合」は、標識化合物とアミロイド沈着との間の化学的相互作用を意味する。会合の例は、共有結合、イオン結合、親水性−親水性相互作用、疎水性−疎水性相互作用および錯体を含む。
【0224】
以下の例は、本発明の方法のおよび組成物の非限定の例である。通常遭遇する、そして当業者にとって明らかである様々な条件およびパラメーターの他の好適な変更および適応は、本発明の趣旨および範囲内である。
【実施例】
【0225】
実施例1:Aβ凝集体結合親和性
本明細書に開示された方法に従って合成されたアルキン誘導体は、Aβプラークに対して優れた結合親和性を示した。ヨウ素または臭素原子を含むコア構造の例およびそれらのそれぞれの結合親和性を図1に示す。ADであると認定された患者の、保存された脳組織ホモジェネート中で、リガンドとして[125I]IMPYを使用して競合的結合測定を行った。値は、三つの独立した実験をそれぞれ繰り返した場合の、平均値±SEMである。
【0226】
実施例2:Aβ凝集体結合親和性
本発明の化合物を、当該化合物がAβオリゴマーおよび原線維の形成を阻害する能力を測定する、確立されたイン−ビトロ免疫ブロットアッセイにより試験した(Yang F,Lim GP,Begum AN,et al.クルクミンは、アミロイドβオリゴマーおよび原線維の形成を阻害し、プラークと結合し、そしてインビボにおいてアミロイドを減少させる。J. Biol. Chem.280:5892−5901,2005)。天然分子であるクルクミンは、陽性対照としての役割を果たした。本発明のアセチレン化合物は、Aβの凝集を、1〜100μMの濃度で、クルクミンと同様の形で、阻害することができた。
本発明の範囲またはそのいかなる実施形態にも影響を与えることなく、広範囲かつ同等の範囲の条件、剤形および他のパラメーターの範囲内で同様のことが行われ得ることは、当業者に理解されているだろう。本明細書に引用された全ての特許、特許出願および公報は、それら全体で本明細書における参照として完全に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

{式中、
1およびA2は、独立してCHまたはNであり;
1およびR2は、それぞれ独立して:
a.NR’R”、ここでR’およびR”は、独立して水素、C1-4アルキル、ヒドロキシ(C1-4)アルキルまたはハロ(C1-4)アルキルであり、
b.ヒドロキシ、
c.C1-4アルコキシ、
d.ヒドロキシ(C1-4)アルキル、
e.ハロゲン、
f.シアノ、
g.水素、
h.ニトロ、
i.(C1〜C4)アルキル、
j.ハロ(C1〜C4)アルキル、
k.ホルミル、
l.−O−CO(C1-4アルキル)、
m.−COO(C1-4アルキル)、
n.−NHCO(C1-4アルキル)、または
o.放射性ハロゲンであり、
3は、フラグメントi、ii、またはiii であり、ここでフラグメントiは、以下:
【化2】

[式中、
nは、1〜10の整数であり;mは、0〜5の整数であり;yは、0〜5の整数であり;R5は、水素、C1-4アルキルまたはヒドロキシ(C1-4)アルキルであり;Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、およびRhは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、またはヒドロキシ(C1-4)アルキルであり;そして
Zは:
a)X、ここでXは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、放射性ハロゲン、C1-4アルコキシ、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、ハロ(C1-4)アルキル、放射性ハロ(C1-4)アルキル、またはNRxy、ここでRxおよびRyは、独立して水素、C1-4アルキル、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、放射性ハロ(C1-4)アルキル、またはハロ(C1-4)アルキルであり;
b)以下の置換基の一つであって、それらのそれぞれがXを置換基として含む:ベンゾイルオキシ、フェニル(C1-4)アルキル、アリールオキシ、またはC6-10アリール;または、
c)Zcであり、ここでそれは以下の構造:
【化3】

(式中、
pは1〜4の整数であり、QはOまたはNR5であり、そしてGは−C=C−(RG)Xまたは−C≡C−Xであり、ここでRGは、水素またはC1-4アルキルであり、そしてRnおよびRoは、独立して水素、ヒドロキシル、またはC1-4アルキルである。)
を有する。]
であり;
フラグメントiiは、以下:
【化4】

[式中、y’は0〜5の整数である。]
であり;
そしてフラグメントiii は、以下:
【化5】

[式中、eは0または1である。]
であり;
4は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、放射性ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ヒドロキシ(C1-4)アルキルまたはNR’R”であり、
ただし、XはFもしくは18Fであるか、またはそれを含むが、XがFもしくは18Fではないか、またはそれを含まない場合には、R4は、F、18F、123I、125I、131I、76Br、77Br、またはBrであることを条件とする。}
で表される化合物、または薬学的に許容させる塩もしくはそのプロドラッグ。
【請求項2】
前記放射性ハロゲンが、123I、125I、131I、18F、19F、76Brまたは77Brである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
前記放射性ハロゲンが、18Fまたは123Iである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
2が水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
1およびA2の少なくとも一つがNである、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
1がCHであり、そしてA2がNである、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
1およびA2がそれぞれCHである、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
3
【化6】

[式中、yは1〜5の整数である。]
である、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
nは1〜6の整数であり;
mは0〜3の整数であり;そして
yは1〜3の整数である、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
nは2〜6の整数であり;
mは0であり;そして
yは2である、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、およびRhがそれぞれ水素である、請求項8記載の化合物。
【請求項12】
以下の式:
【化7】

[式中、
nは1〜6の整数であり;
1はヒドロキシ、C1-4アルコキシ、−NHCO(C1-4アルキル)またはNR’R”であり、ここでR’およびR”は独立して水素またはC1-4アルキルであり;
4は水素、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン、または放射性ハロゲンであり;そして
Xは水素、ハロゲン、放射性ハロゲン、C1-4アルコキシ、ヒドロキシまたはNRxyである;ただし、Xは18Fであるか、またはそれを含むか、あるいはR4123I、125Iまたは131Iであることを条件とする。]
である、請求項8記載の化合物。
【請求項13】
nは3であり;
1はヒドロキシまたは−NR’R”であり;
4は水素、ハロゲン、または放射性ハロゲンであり;そして
Xはヒドロキシ、ハロゲンまたは放射性ハロゲンである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
3
【化8】

である;ただしXは18Fであるか、またはR4123I、125Iもしくは131Iであることを条件とする、請求項1記載の化合物。
【請求項15】
以下の式:
【化9】

[式中、
nは2〜6の整数であり;
1はヒドロキシ、C1-4アルコキシ、−NHCO(C1-4アルキル)またはNR’R”であり、ここでR’およびR”は独立して水素またはC1-4アルキルであり;
4は水素、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン、または放射性ハロゲンであり;そして
Xはヒドロキシ、ハロゲンまたは放射性ハロゲンである;ただし、Xは18Fであるか、またはR4123I、125Iもしくは131Iであることを条件とする。]
である、請求項1記載の化合物。
【請求項16】
2がNである、請求項15記載の化合物。
【請求項17】
a、Rb、RcおよびRdが水素である、請求項15記載の化合物。
【請求項18】
nが3である、請求項15記載の化合物。
【請求項19】
3
【化10】

である;ただしXは18Fであるか、またはそれを含むか、あるいはR4123I、125Iまたは131Iであることを条件とする、請求項1記載の化合物。
【請求項20】
eが1である、請求項19記載の化合物。
【請求項21】
Zが:
X、ここでXは水素、ハロゲン、放射性ハロゲン、C1-4アルコキシ、ヒドロキシまたはNR’R”であるか;または
以下の構造:
【化11】

を有するZcである、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
以下:
【化12】

[式中、
1はヒドロキシまたはNR’R”であり、ここでR’およびR”は上記の通りであり、R3は上記の通りであり、A1はCであり、そしてA2はNまたはCである。];
【化13】

【化14】

【化15】

[式中、
1はヒドロキシまたはNR’R”であり、ここでR’およびR”は、独立して水素またはC1-4アルキルであり、ZはXであり、ここでXは水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシであり、そしてR4はI、123I,125I,131I、Br、76Br、または77Brである。];
【化16】

[式中、R4はI、123I,125I,131I、Br、76Br、または77Brである。];
【化17】

[式中、
化合物24および25において、R4はI、123I、125I、131I、Br、76Br、または77Brであり;化合物25において、RtはC1-4アルキルである。];
【化18】

[式中、
xおよびRyは、それぞれ独立して水素またはC1-4アルキルであり、R4はF、18F、I、123I、125I、131I、Br、76Br、または77Brである。];
【化19】

[式中、
4はF、18F、I、123I、125I、131I、Br、76Br、または77Brであり、そしてXはヒドロキシ、Fまたは18Fである。];
【化20】

[式中、
R’およびR”は、それぞれ独立して水素またはC1-4アルキルであり、R4はF、18F、I、123I、125I、131I、Br、76Br、または77Brであり、そしてXはヒドロキシ、Fまたは18Fである。];
【化21】

[式中、
R’およびR”は、それぞれ独立して水素またはC1-4アルキルであり、R4はF、18F、I、123I、125I、131I、Brまたは76Brであり、そしてZはXであり、ここでXはヒドロキシ、Fまたは18Fである。];
【化22】

[式中、
R’およびR”は、それぞれ独立して水素またはC1-4アルキルであり、R4はF、18F、I、123I、125I、131I、Br、76Br、または77Brであり、そしてZはXであり、ここでXはヒドロキシル、F、18FまたはZcであり、ここでZcは以下の式:
【化23】

である。];
【化24】

[式中、
R’およびR”のうち一つは、C1-4アルキルであり、R’およびR”のうち他方は、水素またはC1-4アルキルであり、そしてXはFまたは18Fである。];
【化25】

[式中、XはFまたは18Fである。];
【化26】

[式中、*Iおよび*Fは、放射標識されていないか、または放射標識されている。];
【化27】

[式中、*Iは、放射標識されているか、または放射標識されていない。];
【化28】

[式中、*Fは、放射標識されているか、または放射標識されていない。];
【化29】

[式中、R1は−N(Me)2、−NHMeまたはヒドロキシであり、そしてnは1、2、または3である。];
【化30】

からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項23】
式IIの構造:
【化31】

{式中、
1およびA2は独立してCHまたはNであり;
21およびR22はそれぞれ独立して:
a.NR’R”,ここでR’およびR”は独立して水素、C1-4アルキル、ヒドロキシ(C1-4)アルキル、またはハロ(C1-4)アルキルであり;
b.ヒドロキシ、
c.C1-4アルコキシ、
d.ヒドロキシ(C1-4)アルキル、
e.ハロゲン、
f.シアノ、
g.水素、
h.ニトロ、
i.(C1〜C4)アルキル、
j.ハロ(C1〜C4)アルキル、
k.ホルミル、
l.−NHCO(C1-4アルキル)または
m.放射性ハロゲンであり;
24は水素、ヒドロキシ、ハロゲン、放射性ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ヒドロキシ(C1-4)アルキルまたはNR’R”であり;
23はフラグメントi、ii、iii またはivであり、ここでフラグメントiは、以下:
【化32】

[式中、
nは1〜10の整数であり;mは0〜5の整数であり;yは1〜5の整数であり;R5は水素、C1-4アルキル、またはヒドロキシ(C1-4)アルキルであり;Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、およびRhは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-4アルコキシ、C1-4アルキル、またはヒドロキシ(C1-4)アルキルであり;そしてZ’は:
a)−Ch;
b)以下の置換基の一つであって、それらのそれぞれが芳香環と直接結合している−Chを含む:ベンゾイルオキシ、フェニル(C1-4)アルキル、アリールオキシ、またはC6-10アリール;または
c)Z’cであり、そしてそれは以下の構造:
【化33】

(式中、
pは1〜4の整数であり、QはOまたはNR5であり、Gは−C=C−(RG)Chまたは−C≡C−Chであり、ここでRGは水素、またはC1-4アルキルであり;RnおよびRoは独立して水素、ヒドロキシ、またはC1-4アルキルである。)
を有する。]
であり、
フラグメントiiは、以下:
【化34】

[式中、y’は0〜5の整数である]
であり、フラグメントiii は、以下:
【化35】

[式中、eは0または1である。]
であり、そしてフラグメントivは、以下:
【化36】

[式中、qは1〜10の整数である。]
であり;
またはR23およびR24は一緒になって−Chを形成し、ここで−Chは、金属と錯体化して金属キレートを形成する四座キレート配位子である。}
を有する化合物、または薬学的に許容される塩もしくはそのプロドラッグ。
【請求項24】
前記−ChがN22型配位子である、請求項23記載の化合物。
【請求項25】
請求項23記載の化合物および金属を含む、放射性金属錯体。
【請求項26】
請求項1または23の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項27】
放射標識された請求項1または23の化合物を含む、アミロイド沈着を画像化するための診断用組成物。
【請求項28】
患者のアミロイド沈着を画像化する方法であって、以下のステップ:
a.検出可能量の請求項27の診断用組成物を患者へ導入し;
b.標識化合物がアミロイド沈着と会合するために十分な時間を経過させ;そして
c.一またはそれ以上のアミロイド沈着物と会合した標識化合物を検出すること
を含む、前記方法。
【請求項29】
患者のアミロイドプラーク凝集を阻害する方法であって、アミロイドプラーク凝集を阻害するために有効な量で請求項26の組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項30】
以下の式:
【化37】

[式中、R1はヒドロキシまたはNR’R”である。]
である、請求項1記載の化合物。
【請求項31】
以下:
【化38】

である、請求項30記載の化合物。
【請求項32】
以下:
【化39】

である、請求項30記載の化合物。
【請求項33】
3がフラグメントiである、請求項30記載の化合物。
【請求項34】
2がmであり;
mが0であり;
5がHであり;
a、Rb、Rc、Rd、Rg、およびRhが水素であり;そして
Zが18Fである、請求項33記載の化合物。
【請求項35】
1がヒドロキシまたはNR’R”であり、ここでR’およびR”はそれぞれ水素またはC1-4アルキルであり;
ZがXであり、ここでXは水素、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシであり;そして
4がI、123I、125I、Br、76Br、または77Brである、請求項30記載の化合物。
【請求項36】
1が−NHCH3、−N(CH32、または−OC1-4アルキルであり;そして
Zが−OHである、請求項35記載の化合物。
【請求項37】
1が−OCH3である、請求項36記載の化合物。
【請求項38】
3がフラグメントiii であり;
eが1であり;
5、Ra、Rb、Rc、およびRdがそれぞれ水素であり;
1が−OHまたはNR’R”であり、ここでR’およびR”はそれぞれ水素またはC1-4アルキルであり;
ZがXであり、ここでXがヒドロキシ、F、または18Fであり;そして
4がF、18F、I、123I、135I、131I、Br、76Br、または77Brである、請求項30記載の化合物。
【請求項39】
1が−OHまたはNR’R”であり、ここでR’およびR”はそれぞれ水素またはC1-4アルキルであり;
4がF、18F、I、123I、135I、131I、Br、76Br、または77Brであり;
3がフラグメントiiであり、ここでy’は0であり、nは1、2、または3であり、そしてZはXであり、ここでXはヒドロキシ、F、18Fまたは−OCH2C≡CHである、請求項22記載の化合物。
【請求項40】
R’およびR”の少なくとも一つが−CH3である、請求項39記載の化合物。
【請求項41】
2がCHである、請求項39記載の化合物。
【請求項42】
2がNである、請求項39記載の化合物。
【請求項43】
2がCHであり;
1が−OHまたはNR’R”であり、ここでR’およびR”はそれぞれ水素またはC1-4アルキルであり;
4が水素であり;
3がフラグメントiiであり、ここでy’は0であり、nは1、2、または3であり、ZはXであり、ここでXは放射標識されているか、または放射標識されていないフッ素である、請求項30記載の化合物。
【請求項44】
1が−OHまたはNR’R”であり、ここでR’およびR”はそれぞれ水素または−CH3であり;
2がNであり;
4が水素であり;
5、Ra、Rb、Rc、Rd、Rg、Rhがそれぞれ水素であり;
3がフラグメントiであり、ここでmは0であり、yは2であり、そしてZは18Fである、請求項30記載の化合物。
【請求項45】
1が−OHであり;
3がNRxyであり、ここでRxおよびRyはそれぞれ水素またはC1-4アルキルであり;そしてR4がF、18F、I、123I、135I、131I、Br、76Br、または77Brである、請求項30記載の化合物。
【請求項46】
以下:
【化40】

である、請求項30記載の化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−512325(P2010−512325A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540328(P2009−540328)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/025177
【国際公開番号】WO2008/073350
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(500429103)ザ・トラスティーズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ペンシルバニア (102)
【Fターム(参考)】