説明

アリール縮合型アザ多環式化合物

本発明は、R、R、R、およびZが本明細書で定義するとおりである式(I)の化合物および薬学的に許容できるその塩、そのような化合物の合成のための中間体、そのような化合物を含有する医薬組成物、ならびに神経障害および精神障害の治療におけるそのような化合物の使用方法を対象とする。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニューロンのニコチン性アセチルコリンに特異的な受容体部位に結合し、コリン作動性機能のモジュレーションに有用な、以下の式Iで定義されるある種のアリール縮合型アザ多環式化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
これらの化合物は、炎症性腸疾患(その限りではないが、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、およびクローン病を含む)、過敏性腸症候群、痙性ジストニー、慢性痛、急性痛、腹腔スプルー、嚢炎、血管収縮、不安、パニック障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、高血圧、過食症、食欲不振症、肥満、心臓不整脈、胃酸分泌過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上麻痺、化学物質への依存および嗜癖(たとえば、ニコチン(および/またはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩、オピオイド、またはコカインへの依存または嗜癖)、頭痛、片頭痛、卒中、外傷性脳損傷(TBI)、強迫性障害(OCD)、精神病、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、失読症、精神分裂病、多発梗塞性痴呆、年齢的な認知力の衰え、小発作なしのてんかんを含むてんかん、アルツハイマー型の老年痴呆(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、不穏下肢症候群(RLS)、軽度認知障害、精神分裂病における認知力の増強、薬物によって誘発された錐体外路症状、行動障害、反抗挑戦性障害、不安喫煙者の不安、妊娠中の心血管のリスク、遅延射精、嘔吐、生物戦争で被った損傷による症状、下痢、ニコチンガム嗜癖、眠気防止、虚血、およびトゥーレット症候群の治療に特に有用である。
【0003】
本発明の化合物は、認知力減退と、AD、PD、卒中、ハンチントン舞踏病、もしくは外傷性脳損傷(TBI)に随伴するうつ病の両方を治療するために、たとえば、三環系抗うつ薬やセロトニン再取込み阻害型抗うつ薬(SRI)などの抗うつ薬と組み合わせて;たとえば、ALS、認知機能障害、年齢的な認知力の衰え、AD、PD、卒中、ハンチントン舞踏病、およびTBIの治療に向け、中枢のムスカリンとニコチンの両方の受容体を刺激するためにムスカリン作動薬と組み合わせて;たとえば、ALS、認知機能障害、年齢的な認知力の衰え、AD、PD、卒中、ハンチントン舞踏病、およびTBIの治療に向け、コリン作動性の強化を最大限にするためにNGFなどの神経栄養因子と組み合わせて;あるいは認知力強化薬、アミロイド凝集阻害薬、セクレターゼ阻害薬、タウ(tau)キナーゼ阻害薬、ニューロン抗炎症薬、エストロゲン様治療薬などの、ADを遅らせ、または阻止する薬剤と組み合わせて使用してもよい。
【0004】
ニューロンのニコチン受容体部位に結合する他の化合物は、WO9818798 A1(米国特許第6235734号)、WO9935131−A1(米国特許第6410550号)、米国特許第6020335号、およびWO9955680−A1(米国特許第6462035号)で参照される。これらの出願は、本出願と同様に所有され、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、次式
【0006】
【化1】

[式中、Zは、式CRまたはCRCRで表される基であり、
は、水素、(C〜C)アルキル、非共役型(C〜C)アルケニル、ベンジル、XC(=O)R13、または−CHCH−O−(C〜C)アルキルであり、
およびRは、水素、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロ、シアノ、−SO(C〜C)アルキル(ここで、qは、0、1または2である)、(C〜C)アルキルアミノ−、[(C〜C)アルキル]アミノ−、−CO10、−CONR1112、−SONR1314、−C(=O)R19、−XC(=O)R19、アリール−(C〜C)アルキル−、またはアリール−(C〜C)アルキル−O−(ここで、前記アリールは、フェニルおよびナフチルから選択される)、ヘテロアリール−(C〜C)アルキル−もしくはヘテロアリール−(C〜C)アルキル−O−(ここで、前記ヘテロアリールは、酸素、窒素、および硫黄から選択された1〜4個のヘテロ原子を含む5〜7員芳香環から選択される)、X(C〜C)アルキル−、およびX(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルキル−からそれぞれ独立に選択され、ここで、Xは不在であるか、またはXは(C〜C)アルキルアミノ−もしくは[(C〜C)アルキル]アミノ−であり、前記X(C〜C)アルキル−またはX(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルキル−の(C〜C)アルキル−部分または(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルキル−部分は、少なくとも1個の炭素原子を含み、前記(C〜C)アルキル−部分または(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルキル−部分の1〜3個の炭素原子は、酸素、窒素、または硫黄原子に替えられていてもよく、但し、任意の2個のそのようなヘテロ原子は、少なくとも2個の炭素原子によって隔てられていなければならず、前記(C〜C)アルキル−基または(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルキル−基のアルキル部分はいずれも、2〜7個のフッ素原子で置換されていてもよく、前記アリール−(C〜C)アルキル−および前記ヘテロアリール−(C〜C)アルキル−のアルキル部分それぞれの炭素原子のうちの1個は、酸素、窒素、または硫黄原子に替えられていてもよく、前述のアリール基およびヘテロアリール基はそれぞれ、1〜7個のフッ素原子で置換されていてもよい(C〜C)アルキル、2〜7個のフッ素原子で置換されていてもよい(C〜C)アルコキシ、ハロ(たとえば、クロロ、フルオロ、ブロモ、またはヨード)、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ−、[(C〜C)アルキル]アミノ−、−CO10、−CONR1112、−SONR1314、−C(=O)R19、および−XC(=O)R19からそれぞれ独立に選択された1個または複数の置換基、好ましくは0〜2個の置換基で置換されていてもよく、
あるいはRおよびRは、これらの結合相手である炭素と一緒になって、飽和していても不飽和でもよい4〜7員単環式または10〜14員二環式の炭素環を形成しており、前記単環の非縮合炭素原子1〜3個、および式Iに示すベンゾ環の一部でない、前記二環の炭素原子1〜5個は、それぞれ独立に、窒素、酸素、または硫黄に替えられていてもよく、前記の単環および二環は、(C〜C)アルキル−もしくは(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルキル−(ここで、炭素原子の総数は6を超えず、アルキル部分はいずれも、1〜7個のフッ素原子で置換されていてもよい)、ニトロ、オキソ、シアノ、ハロ、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ヒドロキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ−、[(C〜C)アルキル]アミノ−、−CO10、−CONR1112、−SONR1314、−C(=O)R19、および−XC(=O)R19からそれぞれ独立に選択された、単環では1個または複数の置換基、好ましくは0〜2個の置換基、二環では0〜3個の置換基で置換されていてもよく、
およびRは、H、(C〜C)アルキル、F、Cl、Ph、CHPh、(C〜C)アルコキシからそれぞれ独立に選択されるか、あるいはRおよびRは、これらの結合相手である炭素と一緒になって、3、4もしくは6員の飽和した環を形成しており、但し、RおよびRは、同時にHになることはできず、
、R、R、およびRは、H、Me、Et、Pr、Ph、およびCFからそれぞれ独立に選択され、
各R10、R11、R12、R13、R14、およびR19は、水素および(C〜C)アルキルからそれぞれ独立に選択されるか、あるいはR11およびR12、またはR13およびR14は、これらの結合相手である窒素と一緒になって、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、アゼチジン環、ピペラジン環、−N−(C〜C)アルキルピペラジン環、もしくはチオモルホリン環、または環上硫黄の代わりにスルホキシドもしくはスルホンを含むチオモルホリン環を形成しており、
各Xは、それぞれ独立に、(C〜C)アルキレンである]のアリール縮合型アザ多環式化合物に関する。
【0007】
およびRの定義の範囲内で考えられるヘテロアリール基の例は、チエニル、オキサゾイル、イソキサゾリル、ピリジル、ピリミジル、チアゾリル、テトラゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピロリル、および以下の基、すなわち、
【0008】
【化2】

[ここで、R15およびR24の一方は水素または(C〜C)アルキルであり、他方は式Iのベンゾ環との結合である]である。
【0009】
本発明の化合物の例は、RおよびRが、式Iのベンゾ環と一緒になって、次のもの、すなわち、
【0010】
【化3】

[ここで、R16およびR23は、水素、(C〜C)アルキル;炭素原子の総数が6を超えず、アルキル部分のいずれもが、1〜7個のフッ素原子で置換されていてもよい(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルキル−;ニトロ、シアノ、ハロ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ−、[(C〜C)アルキル]アミノ−、−CO10、−CONR1112、−SONR1314、−C(=O)R19、−XC(=O)R19、フェニル、および上記式Iの化合物の定義においてRおよびRを定義するように定義される単環式ヘテロアリールからそれぞれ独立に選択される]から選択される二環系を形成している、式Iの化合物および薬学的に許容できるその塩である。
【0011】
本発明の他の実施形態は、RおよびRが、式Iのベンゾ環と一緒になって、次のもの、すなわち、
【0012】
【化4】

[ここで、R16およびR23は、上で定義したとおりであり、mは、0、1または2であり、環Aの炭素原子の1個は、酸素またはN(C〜C)アルキルに替えられていてもよい]から選択される二環式または三環式の環系を形成している、式Iの化合物および薬学的に許容できるその塩に関する。
【0013】
本発明の他の実施形態は、RとRがどちらも酸素原子を介して式Iのベンゾ環に結合していない、式Iの化合物および薬学的に許容できるその塩に関するに関する。
【0014】
本発明の他の実施形態は、RおよびRが、式Iのベンゾ環と一緒になって二環式または三環式の環系を形成していない、式Iの化合物および薬学的に許容できるその塩に関する。
【0015】
本発明の他の実施形態は、RおよびRの一方または両方が−C(=O)R19であり、R19が(C〜C)アルキルである、式Iの化合物に関する。本発明の別の実施形態は、RおよびRの一方または両方が−C(=O)R19であり、R19が、1〜7個のフッ素原子で置換されていてもよい(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルキルである式Iの化合物に関する。他の実施形態は、RおよびRの一方が、CF、フルオロ、シアノ、(C〜C)アルキニル、またはCである式Iの化合物に関する。
【0016】
本発明はまた、次式
【0017】
【化5】

[式中、RおよびRは、請求項1で定義するとおりであり、PはCOOR17(ここで、R17は、アリル、2,2,2−トリクロロエチル、または(C〜C)アルキルである);−C(=O)NR1011(ここで、R11およびR12は、請求項1で定義するとおりである);−C(=O)H;−C(=O)(C〜C)アルキルもしくは−C(=S)(C〜C)アルキル(ここで、アルキル部分は、1〜3個のハロ原子、好ましくは1〜3個のフルオロ原子またはクロロ原子で置換されていてもよい);ベンジル、またはt−ブトキシカルボニルである]の化合物に関する。
【0018】
本発明はまた、式Iの化合物のすべての放射標識形態に関する。式Iの好ましい放射標識化合物は、放射標識が、H、11C、14C、18F、123I、および125Iのものから選択されているものである。このような放射標識化合物は、薬物動力学研究などの代謝研究、ならびに動物およびヒトでの結合アッセイにおいて、研究および診断のツールとして有用である。
【0019】
本発明はまた、ニコチンへの嗜癖を軽減し、またはタバコ使用の中止もしくは節制を助けるのに有効な量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる担体とを含む、ヒトを含む哺乳動物においてニコチンへの嗜癖を軽減し、またはタバコ使用の中止もしくは節制を助ける際に使用するための医薬組成物に関する。
【0020】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物においてニコチンへの嗜癖を軽減し、タバコ使用の中止もしくは節制を助ける方法であって、前記哺乳動物に、ニコチンへの嗜癖を軽減し、またはタバコ使用の中止もしくは節制を助けるのに有効な量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法に関する。
【0021】
本発明はまた、哺乳動物において炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、クローン病、過敏性腸症候群、痙性ジストニー、慢性痛、急性痛、腹腔スプルー、嚢炎、血管収縮、不安、パニック障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、高血圧、過食症、食欲不振症、肥満、心臓不整脈、胃酸分泌過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上麻痺、化学物質への依存および嗜癖、ニコチン(もしくはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩、オピオイド、もしくはコカインへの依存または嗜癖、頭痛、片頭痛、卒中、外傷性脳損傷(TBI)、強迫性障害(OCD)、精神病、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、失読症、精神分裂病、多発梗塞性痴呆、年齢的な認知力の衰え、てんかん、小発作なしのてんかん、アルツハイマー型の老年痴呆(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、不穏下肢症候群(RLS)、軽度認知障害、精神分裂病における認知力の増強、薬物によって誘発された錐体外路症状、行動障害、反抗挑戦性障害、不安喫煙者の不安、妊娠中の心血管のリスク、遅延射精、嘔吐、生物戦争で被った損傷による症状、下痢、ニコチンガム嗜癖、眠気防止、虚血、およびトゥーレット症候群から選択される障害または状態の治療方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に、そのような障害または状態の治療に有効な量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法に関する。
【0022】
本発明はまた、哺乳動物において炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、クローン病、過敏性腸症候群、痙性ジストニー、慢性痛、急性痛、腹腔スプルー、嚢炎、血管収縮、不安、パニック障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、高血圧、過食症、食欲不振症、肥満、心臓不整脈、胃酸分泌過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上麻痺、化学物質への依存および嗜癖、ニコチン(もしくはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩、オピオイド、もしくはコカインへの依存または嗜癖、頭痛、片頭痛、卒中、外傷性脳損傷(TBI)、強迫性障害(OCD)、精神病、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、失読症、精神分裂病、多発梗塞性痴呆、年齢的な認知力の衰え、てんかん、小発作なしのてんかん、アルツハイマー型の老年痴呆(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、不穏下肢症候群(RLS)、軽度認知障害、精神分裂病における認知力の増強、薬物によって誘発された錐体外路症状、行動障害、反抗挑戦性障害、不安喫煙者の不安、妊娠中の心血管のリスク、遅延射精、嘔吐、生物戦争で被った損傷による症状、下痢、ニコチンガム嗜癖、眠気防止、虚血、およびトゥーレット症候群から選択される障害または状態を治療するための、ある量の式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物に関する。
【0023】
本発明はまた、哺乳動物においてニコチンへの嗜癖を軽減し、またはタバコ使用の中止もしくは節制を助ける方法であって、前記哺乳動物に、ニコチンへの嗜癖を軽減し、またはタバコ使用の中止もしくは節制を助けるのに有効な量の次式
【0024】
【化6】

[式中、R19は、水素または(C〜C)アルキルからなる群から選択され、Zは上で定義したとおりである]の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法に関する。
【0025】
本発明はまた、哺乳動物において炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、クローン病、過敏性腸症候群、痙性ジストニー、慢性痛、急性痛、腹腔スプルー、嚢炎、血管収縮、不安、パニック障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、高血圧、過食症、食欲不振症、肥満、心臓不整脈、胃酸分泌過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上麻痺、化学物質への依存および嗜癖、ニコチン(もしくはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩、オピオイド、もしくはコカインへの依存または嗜癖、頭痛、片頭痛、卒中、外傷性脳損傷(TBI)、強迫性障害(OCD)、精神病、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、失読症、精神分裂病、多発梗塞性痴呆、年齢的な認知力の衰え、てんかん、小発作なしのてんかん、アルツハイマー型の老年痴呆(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、不穏下肢症候群(RLS)、軽度認知障害、精神分裂病における認知力の増強、薬物によって誘発された錐体外路症状、行動障害、反抗挑戦性障害、不安喫煙者の不安、妊娠中の心血管のリスク、遅延射精、嘔吐、生物戦争で被った損傷による症状、下痢、ニコチンガム嗜癖、眠気防止、虚血、およびトゥーレット症候群から選択される障害または状態の治療方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に、そのような障害または状態の治療に有効な量の次式
【0026】
【化7】

[式中、R19およびZは上で定義したとおりである]の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法に関する。
【0027】
本発明はまた、式Iの化合物の薬学的に許容できる酸付加塩に関する。式Iの化合物の薬学的に許容できる酸付加塩の例は、塩酸、p−トルエンスルホン酸、フマル酸、クエン酸、コハク酸、サリチル酸、シュウ酸、臭化水素酸、リン酸、メタンスルホン酸、酒石酸、リンゴ酸、ジ−p−トルオイル酒石酸、およびマンデル酸の塩、ならびに塩基性化合物に対して薬学的に許容できる酸付加塩を形成することが当業者に知られている他の酸から形成される塩である。考えられる他の酸付加塩は、たとえば、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩もしくは重硫酸塩、リン酸塩もしくは酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、サッカラート、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトアート)塩)などの、薬学的に許容できるアニオンを含む塩である。
【0028】
別段の指摘がない限り、用語「ハロ」は、本明細書では、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを含む。
【0029】
別段の指摘がない限り、用語「アルキル」は、本明細書では、直鎖状部分を含み、炭素原子数が十分である場合では分枝状部分および環状部分を含む。
【0030】
用語「アルコキシ」とは、本明細書では、「−O−アルキル」または「アルキル−O−」を意味し、「アルキル」は上で定義したとおりである。
【0031】
用語「アルキレン」とは、本明細書では、2箇所の利用可能な結合部位を有するアルキル基(すなわち、−アルキル−)を意味し、「アルキル」は上で定義したとおりである。
【0032】
別段の指摘がない限り、用語「1個または複数の置換基」とは、本明細書では、1個から、利用可能な結合部位数をもとに考えられる最多数までの置換基を指す。
【0033】
式Iの化合物は、光学中心を有することがあり、したがって、別の鏡像異性立体配置で存在することがある。本発明は、そのような式Iの化合物のすべての鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および他の立体異性体、ならびにそのラセミ混合物および他の混合物を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
別段の記述がある場合を除き、反応スキームおよびそれに続く議論では、R〜R25、Z、m、P、およびP’、ならびに構造式Iは、上で定義したとおりである。以下のスキーム1〜10は、式Iの化合物の合成方法を図示するものである。
【0035】
【化8】

【0036】
【化9】

【0037】
【化10】

【0038】
【化11】

【0039】
【化12】

【0040】
【化13】

【0041】
【化14】

【0042】
【化15】

【0043】
【化16】

【0044】
【化17】

【0045】
【化18】

【0046】
スキーム1に関して、式IIIの出発材料をピリジンの存在下で無水トリフルオロ酢酸と反応させて、式IVの化合物を形成する。この反応は通常、塩化メチレン中で、約0℃から室温付近までの温度で行う。当業者ならば、使用することのできる他のトリフルオロ酢酸保護基生成法が思い当たろう。
【0047】
次いで、式IVの化合物を以下の方法によって式IIAのジニトロ誘導体に変換する。4当量以上のトリフルオロメタンスルホン酸(CFSOOH)と2〜3当量の硝酸とを、クロロホルム、ジクロロエタン(DCE)、塩化メチレンなどの塩素化炭化水素溶媒中に混ぜた混合物に、式IVの化合物を加える。得られた混合物を約5〜24時間かけて反応させる。前述の反応はどちらも、一般に約−78℃〜約0℃の範囲の温度で約2時間実施し、次いで、残りの時間で室温に温まるようにする。
【0048】
当業者によく知られている方法を使用して、式IIAの化合物を還元すると、式IIBの化合物が得られる。この還元は、たとえば、水素、および水酸化パラジウムやパラジウム担持炭素などのパラジウム触媒を使用し、室温付近のアルコール溶媒、好ましくはメタノール中で反応を実施すると実現することができる。スキーム1の各ステップは、トリフルオロアセチル基以外に、当業者が適すると考えた窒素保護基で実施することもできる。この文書中に記載の手順で使用することのできる他の適切な窒素保護基には、−COCF、−COCCl、−COOCHCCl、−COO(C〜C)アルキル、および−COOCHが含まれる。これらの基は、T.W.GreeneおよびG.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版(John Wiley&Sons、米ニューヨーク、1999年)にそれぞれ記載されている方法によって付加または除去することができる。
【0049】
スキーム2に関して、式IIAの化合物をまずアルカリ金属またはアルカリ土類金属(またはアンモニウム)の水酸化物または炭酸塩と反応させ、次いでこの反応から単離された生成物を二炭酸ジ−t−ブチルと反応させて、トリフルオロアセチル保護基がt−Boc保護基に替えられている対応する化合物(VIA)に変換する。この例ではt−Bocを使用しているが、当業者に知られている他の適切な窒素保護基を使用してもよい。アルカリ金属またはアルカリ土類金属(またはアンモニウム)の水酸化物または炭酸塩との反応は、一般に、アルコール、ジオキサン、またはテトラヒドロフラン(THF)の水溶液中で、室温付近から約70℃の温度、好ましくは約70℃で約1〜24時間実施する。上記反応から単離された未保護のアミンまたはそのアミンの酸付加塩と二炭酸ジ−t−ブチルとの反応は、THF、ジオキサン、塩化メチレンなどの溶媒中で、約0℃から室温付近の温度で実施することが好ましい。この反応は、塩基存在下で実施してもよいし、そうしなくてもよい。反応物がアミンの塩であるとき、塩基を使用することが好ましい。得られる式VIAの化合物は、式IIAのジニトロ化合物の対応する式IIBのジアミノ化合物への変換について上記で述べた手順、または当業者に既知の他の一般に受け入れられているニトロ基還元法、たとえば、亜鉛、スズ、もしくは鉄を媒介とする還元などを使用して、対応する式VIBのジアミノ誘導体に変換することができる。
【0050】
式VIBの化合物の所望の式VIIの化合物への変換は、式VIBの化合物を次式XXIIA
【0051】
【化19】

[式中、R16は、水素、1〜7個のフッ素原子で置換されていてもよい(C〜C)アルキル、アリールがフェニルおよびナフチルから選択されているアリール−(C〜C)アルキル、またはヘテロアリールが、酸素、窒素、および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5〜7員芳香環から選択されているヘテロアリール−(C〜C)アルキルであり、前述のアリール基およびヘテロアリール基はそれぞれ、1〜7個のフッ素原子で置換されていてもよい(C〜C)アルキル、1〜7個のフッ素原子で置換されていてもよい(C〜C)アルコキシ、およびシアノからそれぞれ独立に選択された1個または複数の置換基、好ましくは0〜2個の置換基で置換されていてもよい]の化合物と反応させることで実現できる。この反応向けの好ましい溶媒は、10:1のエタノール/酢酸混合物である。反応温度は、約40℃〜約100℃の範囲を取ってよい。約60℃が好ましい。他の適切な溶媒には、酢酸、エタノール、およびイソプロパノールが含まれる。
【0052】
式VIBの化合物から式VIIの化合物を調製する代替法は、Segelsteinら、Tetrahedron Lett.、1993年、第34巻、1897ページに記載されている。
【0053】
式VIIの化合物からt−Boc保護基を除去すると、対応する式IAの化合物が得られる。保護基は、当業者によく知られている方法を使用して除去することができる。たとえば、式VIIの化合物に、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの、酢酸エチル中の無水の酸、好ましくは塩酸での処理を約0℃〜約100℃の温度、好ましくは室温付近から約70℃で約1〜24時間かけて施すことができる。
【0054】
式VIIの化合物は、式R23Lg(ここで、R23は、上でR16を定義したように定義され、但し、R23の定義からは水素が除外され、Lgは、ハロやスルホナート(たとえば、クロロ、ブロモ、メシラート、トシラート)などの脱離基である。)の化合物と、アルカリ金属の水素化物、水酸化物、または炭酸塩、好ましくは水酸化カリウムなどの塩基の存在下、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、THF、DMFなどの極性溶媒、好ましくはDMSOと水の混合物中で反応させ、次いで上述のように保護基を除去することによって、式IBの対応する化合物に変換することができる。R23Lgとの反応は、一般に、室温付近から約100℃の温度、好ましくは約50℃で約5時間実施される。
【0055】
スキーム3は、式VIAの化合物から式IBの化合物を調製する代替法を図示するものである。この方法は、式IBの化合物においてR23が、アリールやヘテロアリールを含む基などのかさ高な基である場合、またはスキーム2で例示したようにアルキル化法またはアリール置換法によってR23を付けることができないとき、式IBの化合物の好ましい生成方法である。スキーム3に関して、THF、DMF、DMSOなどの極性溶媒、好ましくはTHF中で、式VIAの化合物と式R23NHの適切な化合物とを室温付近から約100℃の温度、好ましくは還流温度で約4〜18時間反応させる。得られる式XXIIIの化合物は、次いで、当業者によく知られている方法を使用してニトロ基をアミノ基に還元することによって、対応する式XXIVの化合物に変換する。この方法は、上記のスキーム1で式IIAの化合物の式IIBの化合物への変換について言及している。次いで、上記反応からの式XXIVの化合物と次式XXIIA
【0056】
【化20】

[式中、R16は上で定義したとおりである]の化合物とを、上で式VIBの化合物の式VIIの化合物への変換について述べたように反応させることによって、イミダゾール環への閉環を行い、対応する式XXVの化合物にすることができる。
【0057】
式XXVの化合物から保護基を除去すると、対応する式IBの化合物が得られる。これは、当業者によく知られている方法を使用して、たとえば、上で対応する式VIIの化合物からの式IAの化合物の形成について述べたように実現することができる。
【0058】
スキーム4は、R16およびR23が上で定義したとおりである式ICの化合物の調製法を図示するものである。スキーム4に関して、式VIB、または同様にスキーム1の式IIBの化合物と次式
【0059】
【化21】

(亜硫酸水素ナトリウムエタンジオン付加物)の化合物とを、水、またはTHF、DMF、DMSOなどの別の極性溶媒、好ましくは水とTHFなどの水に混和性の溶媒からなる混合物中で約1〜4時間かけて反応させる。反応温度は、約40℃〜約100℃の範囲を取ることができ、好ましくは還流温度付近である。
【0060】
あるいは、式VIBの化合物と次式
【0061】
【化22】

の化合物とを、THF、水、酢酸などの極性溶媒、好ましくは水とTHFの混合物中で反応させる(二重縮合反応)ことができる。この反応は通常、約40℃〜約100℃の温度、好ましくは還流温度で、約2〜4時間実施する。次いで、式VIIの化合物の式IAの化合物への変換についての上述の方法を使用して、前述の反応のいずれかで形成した化合物の脱保護を行うと、式ICの所望のキノキサリンにすることができる。あるいは、スキーム4の化合物VIBの代わりに、スキーム1の化合物IIBを、スキーム2で概略を示した脱保護/再保護(すなわち、IIAをVIAに変換する過程)を加えたこの手順で同様に使用して、最終的に化合物ICに行き着いてもよい。一般に、代替窒素保護基は、スキーム4の手順に同等に適合する。
【0062】
スキーム5は、RおよびRとこれらの結合相手であるベンゾ環とがベンズオキサゾール環系を形成している式Iの化合物の調製法を図示するものである。Rが水素であるそのような化合物を、スキーム5では化学式IEとして示している。スキーム5に関して、Yがニトロ、ハロ、トリフルオロメタンスルホナート、またはジアゾニウム塩である式XXIIの化合物を、ジメチルスルホキシド(DMSO)、DMF、またはアセトニトリルなどの溶媒、好ましくはDMSO中で、酢酸カリウム、または別のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属カルボン酸塩と反応させる。この反応は、一般に、約12〜24時間進行させる。適切な反応温度は、約70℃〜約140℃の範囲である。100℃付近が好ましい。
【0063】
上記反応から、式VIIIの化合物が得られ、次いで、この化合物を以下の手順によって式IEの所望の化合物に変換することができる。まず、式VIIIの化合物を、アルコール溶媒、好ましくはメタノール中で、水素、および水酸化パラジウムなどのパラジウム触媒もしくは白金触媒と約0℃〜約70℃、好ましくは室温付近で反応させて還元し、対応するアミノ誘導体にする。次いで、この反応の生成物を、デカリン、クロロベンゼン、キシレンなどの適切な不活性溶媒中で、式R16COClの酸塩化物または式(R16CO)Oの酸無水物(ここで、R16は、(C〜C)アルキルである)または式R16C(OCの化合物と反応させる。キシレン類の混合物が好ましい。この反応は通常、約120〜150℃の温度、好ましくは約140℃で実施する。R16COClを反応物として使用するとき、反応混合物に化学量論量のトリエチルアミン(TEA)もしくは別の第三級有機アミン塩基と、触媒量のピリジニウムp−トルエンスルホン酸もしくはp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPT)を加えることが好ましい。R16C(OCを反応物として使用するとき、反応混合物に触媒量のPPTを加えることが好ましい。
【0064】
トリフルオロアセチル窒素保護基を除去すると、式IEの所望の化合物が得られる。これは、たとえば、保護されている化合物と、低級アルカノール、およびアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属(もしくはアンモニウム)の水酸化物もしくは炭酸塩の水溶液、炭酸ナトリウム水溶液とを、約50℃〜約100℃の温度、好ましくは約70℃で約2〜6時間反応させる、当業者によく知られている方法を使用して実現することができる。
【0065】
スキーム6は、Rが水素であり、RおよびRが、これらの結合相手であるベンゾ環と一緒になってベンゾチアゾール環系を形成している式Iの化合物の調製を図示するものである。スキーム6に関して、式IIIの化合物を無水トリフルオロ酢酸と反応させて、環上窒素がトリフルオロアセチル基によって保護されている対応する化合物にし、次いで、得られる窒素保護された化合物を、2当量の無水トリフルオロメタンスルホン酸および1当量の硝酸と反応させて、ベンゾ環上に単一のニトロ置換基のある対応する式IXの化合物を形成する。トリフルオロ酢酸との反応は通常、ピリジン存在下で実施する。上述の反応はどちらも、通常、塩素化炭化水素溶媒などの不活性反応溶媒、好ましくは塩化メチレン中で、約0℃から室温付近の温度、好ましくは室温付近で実施する。
【0066】
上述の変換は、当業者に知られている他のニトロ化法を使用して実現することもできる。ニトロ基のアミン基への還元を上述のように実現すると、式IX’の化合物を得ることができる。
【0067】
次いで、式IX’の化合物を、式R16COXもしくは(R16CO)O[式中、Xはハロであり、R16は水素または(C〜C)アルキルである]のカルボン酸ハロゲン化物もしくは無水物、およびピリジン、TEA、または別の第三級アミン塩基と反応させて、式Xの化合物とし、次いでこれを、Lawesson試薬、すなわち次式
【0068】
【化23】

と反応させて、式XIの所望の化合物に変換することができる。
【0069】
16COX(ここで、Xは、ハロまたは(R16CO)Oである)との反応は、一般に、約0℃から室温付近の温度、好ましくは室温付近で実施する。Lawesson試薬との反応は、一般に、ベンゼン、1,4−ジオキサン、トルエンなどの不活性反応溶媒、好ましくは1,4−ジオキサン中で、室温付近から反応混合物の還流温度付近の温度、好ましくは還流温度付近で実施する。
【0070】
式XIの化合物とフェリシアン化カリウムおよび水酸化ナトリウムとを、水とメタノールの混合物中(NaOH/HO/CHOH)で、約50℃〜約70℃の温度、好ましくは約60℃で約1.5時間反応させることによって、ベンゾチアゾール環への閉環および窒素の脱保護を行うと、所望の式IFの化合物を形成することができる。
【0071】
スキーム7は、スキーム1の方法の出発材料として使用する式IIIの化合物、または上記で式Iの化合物の定義において定義したようにRおよびRが環を形成している式IGの化合物(スキーム中で「A」と名付けてある)の調製方法を図示するものである。スキーム7を参照すると、XおよびXが、クロロ、フルオロ、ブロモ、およびヨードからそれぞれ独立に選択され、XおよびXの少なくとも一方はBr−またはI−である式XIIの化合物を、マグネシウム金属の存在下、THF、ジオキサン、または他のエーテル系溶媒中で、上で定義したZ基を含むシクロジエンと約40℃〜約100℃の温度、好ましくは還流温度付近で反応させて、式XIIIの化合物を生成する。得られる式XIIIの化合物とN−メチルモルホリン−N−オキシド(NMO)および四酸化オスミウムとを室温付近のアセトン中で反応させると、対応する式XIIIAの化合物が得られる。
【0072】
次いで、以下の手順を使用して、式XIIIAの化合物を対応する式XIVの化合物に変換する。まず、式XIIIAの化合物を、塩素化炭化水素、好ましくはジクロロエタン(DCE)と水とからなる混合物中で過ヨウ素酸ナトリウムと、または塩素化炭化水素溶媒中で四酢酸鉛と、約0℃から室温付近の温度で反応させて、ジアルデヒドまたはグリカール中間体を生成する。次いで、塩素化炭化水素溶媒中で、この反応の生成物とベンジルアミンおよびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムとを、約0℃から室温付近の温度、好ましくは室温付近で反応させて、所望の式XIVの化合物を形成する。式XIVの化合物からベンジル基を除去すると、式IIIの化合物(環Aが不在であるとき)またはIGの化合物(環Aが存在するとき)が得られる。これは、たとえば、自由選択で、(対応する酸付加塩を形成するために)遊離塩基を1当量の酸、たとえば塩酸と反応させた後に水素化分解にかける当業者によく知られている方法、および室温付近のメタノール中水酸化パラジウムを使用して実現することができる。
【0073】
上記およびこの文書中に記載の還元的アミノ化化ステップでは、アンモニア、ヒドロキシルアミン、アルコキシアミン、メチルアミン、アリルアミン、置換ベンジルアミン(たとえば、ジフェニルメチルアミンや、2−および4−アルコキシ置換ベンジルアミン)などの、ベンジルアミンに代わる選択肢を使用することもできる。これらは、遊離塩基として使用しても、その塩、好ましくはその酢酸塩として使用してもよく、T.W.GreeneおよびG.M.Wutsの「Protective Groups in Organic Synthesis」第3版(John Wiley&Sons、米ニューヨーク、1999年)にそれぞれ記載されている方法によって後から除去することができる。
【0074】
式XIIの出発材料を次式XII’
【0075】
【化24】

の相応する化合物に替えて、スキーム7の手順を使用すると、RおよびRが環を形成せず、両方が水素ではない式Iの化合物を調製することもできる。
【0076】
あるいは、式XIIIの化合物を、以下およびスキーム8に記載の方法によって、式XIVまたは式IGまたは式IIIの化合物に変換することができる。
【0077】
式III’の化合物、または相応するIG’としての化合物を調製する代替法を、スキーム7Aに図示する。この方法は、Rが水素であり、RおよびRが、ヒドロキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、((C〜C)アルキル)アミノ、−C(=O)R19、または−(C〜C)アルキレン−C(=O)R19である場合を除いて上で定義したとおりである式Iの化合物の生成に応用することができる。
【0078】
スキーム7Aに関して、ステップIは、カルボン酸のエステル化である。メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどのアルコール溶媒、好ましくはメタノール中で、式XXVIのカルボン酸に、三フッ化ホウ素などのルイス酸触媒、または硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、臭化水素酸などの酸触媒、好ましくは硫酸での処理を、25〜120℃の間の温度、好ましくは65℃で、30分〜24時間、好ましくは4時間かけて施して、式XXVIIAの化合物を得る。
【0079】
スキーム7Aのステップ2は、シアノヒドリン形成である。アセトニトリル、トルエン、塩化メチレン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフランなどの溶媒、好ましくはアセトニトリルとトルエンの混合物中で、式XXVIIAのケトンに、ヨウ化亜鉛、亜鉛トリフラート、トリメチルシリルトリフラート、ヨウ化トリメチルシリル、塩化アルミニウム、塩化スズ(II)、トリメチルアルミニウムなどのルイス酸触媒、好ましくはヨウ化亜鉛、または触媒としてのシアン化カリウムおよび18−クラウン−6と、シアン化トリメチルシリルとでの処理を、0〜100℃の間の温度、好ましくは50℃で、1〜24時間の間の時間、好ましくは5時間かけて施して、式XXVIIIAの化合物を得る。
【0080】
スキーム7Aのステップ3は、水素化分解反応である。15〜100psi、好ましくは50psiの水素圧力下、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロパノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエンなどの溶媒、好ましくはメタノール中で、式XXVIIIAのニトリルを、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、塩酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸などの酸触媒、好ましくは塩酸と、パラジウム担持炭素や水酸化パラジウム担持炭素などのパラジウム触媒、好ましくは水酸化パラジウム担持炭素とで、2〜72時間の間の時間、好ましくは24時間かけて処理して、式XXIXAの化合物を得る。
【0081】
スキーム7Aのステップ4は、アミド形成である。メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエンなどの溶媒、好ましくはメタノール中で、式XXIXAのアミンに、ナトリウムt−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化ナトリウム、カリウムt−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、トリエチルアミン、メチルイミダゾール、ルチジン、ピリジン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基、好ましくはナトリウムt−ブトキシドでの処理を、0〜120℃の間の温度、好ましくは65℃で、30分〜72時間の間の時間、好ましくは2時間かけて施して、式XXXの化合物を得る。
【0082】
スキーム7Aのステップ5は、アミドの還元である。テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、メチル−t−ブチルエーテルなどの溶媒、好ましくはテトラヒドロフラン中で、式XXXのアミドに、ボランテトラヒドロフラン錯体、ジボラン、ボランジメチルスルフィド錯体、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムと三フッ化ホウ素の組合せなどの還元剤、好ましくは水素化リチウムアルミニウムでの処理を、0〜80℃の間の温度、好ましくは50℃で、1〜24時間の間の時間、好ましくは5時間かけて施す。イソプロパノール、ヘキサン、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエンなどの溶媒、好ましくはイソプロパノール中での結晶化によって、生成物を、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、塩酸、シュウ酸、クエン酸、酢酸などの酸、好ましくはp−トルエンスルホン酸の塩として単離して、塩の形の式IGまたはIIIの化合物を得る。
【0083】
スキーム8、9、および10は、Rが水素であり、RおよびRが上で定義したとおりであり、環を形成していない様々な異なる置換基を表している式Iの化合物の調製方法を図示するものである。
【0084】
スキーム8は、ベンゾ環がフルオロ基、アルコキシ基、または他の適切な任意のRおよび/もしくはR基(スキーム8ではR24)で置換されていることを除き、式IIIの化合物と同一な化合物の生成に使用することのできる、スキーム7に示した方法の変形形態を図示するものである。この化合物は、スキーム8では化学構造IHとして示している。スキーム8に関して、たとえば、R24がFである場合では、1,3−ジフルオロベンゼンを、エチルエーテルやTHFなどのエーテル系溶媒中で、アルカリ金属ジアルキルアミンやアルカリ金属アルキル(またはアリール)などの強塩基と−50℃を下回る温度で反応させた後、ヨウ素またはN−ヨードスクシンアミドで失活させて、1,3−ジフルオロ−2−ヨードベンゼンを形成する。次いで、化合物1,3−ジフルオロ−2−ヨードベンゼン(スキーム8の構造式XVI)を、式XIIIの化合物の式IGまたは式IIIの化合物への変換について先に記載し、スキーム7またはスキーム8Aで例示する一連の反応と類似の(スキーム8でXVI→XVII→XVIlI→XIX→IHとして表される)一連の反応によって、式IHの化合物に変換する。式XVIの化合物の式XVIIの化合物への変換は、式XVIの化合物とシクロペンタジエンの混合物を、石油エーテル、トルエン、メチルシクロヘキサンなどの不活性炭化水素溶媒中で、アルキルリチウム試薬、好ましくはn−ブチルリチウムで、約−20℃から室温付近の温度、好ましくは約0℃で処理して実現することもできる。この手順は、R24基が存在しても、または存在しなくても、スキーム7に記載の変換を行うのと同程度に有効である。
【0085】
次いで、上のスキーム1で式IVの化合物の合成について述べた方法を使用して、式IHの化合物を式XXの対応する窒素保護された誘導体に変換することができる。上のスキーム6で式IXの化合物の調製について述べた方法を使用して、式XXの化合物をニトロ化すると、ベンゾ環が、フルオロ基とニトロ基、アルコキシ基とニトロ基、またはR24置換基とニトロ基で置換されている式XXIの化合物が得られる。たとえば、まずニトロ基をアミノ基に変換し、スキーム10に図示するようにアミノ基を他の様々な置換基に変換し、次いで窒素保護基を除去することによる、当業者によく知られている方法を使用して式XXIの化合物を用いると、RおよびRの一方がフルオロである様々な式Iの化合物を生成することができる。
【0086】
式XXIのフッ素原子が、式IIA、VIA、およびXXIIのニトロ基およびY基と同様に反応し、したがってこの3種の化合物について上で述べたのと同じ一連の反応にかけられて、そのような反応の生成物を調製する代替手段を提供し得るという点で、式XXIの化合物は、式IIA、VIA、およびXXIIの化合物の、機能の等価な位置異性体として働く。同じく、式XXIのアルコキシ基(R24=アルコキシ)は、ニトロ基の導入前または導入後にヒドロキシル基に変換し、次いで、上述の異性体生成物に変換することができる。このようなヒドロキシ誘導体のトリフルオロメタンスルホン酸エステルも、記載したようにY基として働く。
【0087】
=−O(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル、またはアリール(ここで、アリールは上で式Iの定義において定義したとおりである)であり、Rが、H、または上で式Iの定義において述べた他の置換基の1つである式Iの化合物は、式XVの化合物のフッ素原子を、それぞれ−O−(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル、またはアリールに替えることによって、上で述べ、スキーム8に図示するとおりに調製することができる。
【0088】
スキーム8Aは、RおよびRが、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、またはニトロを除き、上で定義したとおりである式Iの化合物(IH’として示す)を得る代替法を図示している。スキーム8Aのステップ1は、酸化に続く還元的アミノ化化である。まず、メタノールやジクロロメタンなどの溶媒、好ましくはメタノール中で、式XVII’のベンゾノルボルナジエン誘導体を、0℃〜−78℃の間、好ましくは−78℃で、溶液が青色になるまでオゾン処理する。形成したオゾン化物は、15〜100psiの間、好ましくは30〜50psiの間の水素雰囲気中で、酸化白金、白金担持炭素、パラジウム担持炭素、水酸化パラジウム担持炭素などの白金触媒またはパラジウム触媒、好ましくは5%白金担持炭素を用いる−78℃から室温の間、好ましくは0℃から室温の間での水素化分解によって、5分〜6時間の間の時間、好ましくは1時間かけて還元する。次に、ギ酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸、塩酸などの酸触媒、好ましくはギ酸を含む室温の反応混合物に、ベンジルアミン、4−メトキシベンジルアミン、3,4−ジメトキシベンジルアミンなどのアリールメチルアミン、好ましくはベンジルアミンを加え、15〜100psiの間、好ましくは50psiの水素圧力で、1〜12時間の間の時間、好ましくは4時間水素化分解を再開して、式XIX’の化合物(Arはアリール基である)を得る。
【0089】
スキーム8Aのステップ2は、水素化分解反応である。15〜100psi、好ましくは50psiの水素圧力下、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸メチルなどの溶媒、好ましくはメタノール中で、式IIの化合物に、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸などの酸、好ましくはp−トルエンスルホン酸と、水酸化パラジウム担持炭素やパラジウム担持炭素などのパラジウム触媒、好ましくは水酸化パラジウム担持炭素とでの処理を、室温〜60℃の間の温度、好ましくは40℃で、1〜48時間の間の時間、好ましくは15時間かけて施す。生成物を、イソプロパノール、ヘキサン、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエンなどの溶媒、好ましくはイソプロパノールとヘキサンの混合物中で、使用する酸触媒に応じた塩として結晶化して、式IH’の化合物を得る。
【0090】
スキーム9は、式Iの化合物:(a)Rが水素であり、RがR1314NOS−であるもの、(b)RおよびRが両方ともクロロであるもの、および(c)Rが水素であり、RがR19C(=O)−であるものの調製方法を図示するものである。これらの化合物を、スキーム9ではそれぞれ、式IJ、IK、およびILの化合物と呼ぶ。
【0091】
スキーム9に関して、式IJの化合物は、式IVの化合物と2当量以上のハロスルホン酸、好ましくはクロロスルホン酸とを約0℃から室温付近の温度で反応させて調製することができる。そうして形成したクロロスルホン酸誘導体と、R13およびR14が上で定義したとおりである式R1314NHのアミンとを反応させた後、窒素保護基を除去すると、式IJの所望の化合物が得られる。
【0092】
式IKの化合物は、塩素化炭化水素溶媒中で、式IVの化合物と三塩化ヨウ素とを反応させた後、窒素保護基を除去して調製することができる。三塩化ヨウ素との反応は、通常は約0℃から室温付近の温度で実施し、室温付近で実施することが好ましい。同様にして、トリフルオロメタンスルホン酸溶媒中でIVの化合物とN−ヨードスクシンアミドもしくはN−ブロモスクシンイミドとを反応させた後、上述のように窒素保護基を除去することによって、類似の一もしくは二臭素化または一もしくは二ヨウ素化化合物を調製することができる。
【0093】
塩化アルミニウムなどのルイス酸の存在下、塩素化炭化水素溶媒などの不活性反応溶媒、好ましくは塩化メチレンを用いまたは用いずに、IVの化合物と、式R19COClの酸ハロゲン化物もしくは式(R19CO)Oの酸無水物とを約0℃〜約100℃の温度で反応させた後、窒素脱保護を行うと、式ILの化合物が得られる。酸ハロゲン化物または酸無水物との反応は、他の知られているルイス酸または当業界で知られている他のフリーデル−クラフツアシル化法を使用して実施することができる。
【0094】
−NO、−SONR1314、−COR19、I、Br、またはClを、スキーム9に示し、上で述べたように式IVの化合物に導入する、本明細書に記載の反応は、Rが水素、(C〜C)アルキル、ハロ、(C〜C)アルコキシ、または−NHCONR1314である類似したどんな化合物で実施しても、RおよびRが式Iの化合物の上記定義において定義したとおりである式Iの化合物が得られる。
【0095】
式ILの化合物と同一であり、窒素保護基を失っていない化合物は、当業者によく知られているバイヤー−ヴィリガー法を使用して、対応するO−アシル置換化合物、すなわち、式ILの−C(=O)R19基が−O−C(=O)R19基に替えられているものに変換することができる。得られる化合物を部分的に加水分解して、対応するヒドロキシ置換化合物を得、次いでアルキル化すると、対応するアルコキシ置換化合物を形成することができる。また、このようなO−アシル置換化合物は、不定に置換されているベンズイソオキサゾールの調製に使用することもできる。
【0096】
スキーム10は、式Iの化合物:(a)Rが水素であり、Rがクロロであるもの、(b)Rが水素であり、Rがシアノであるもの、(c)Rが水素であり、Rがアミノであるもの、(d)Rが水素であり、RがR13C(=O)N(H)−であるもの、(e)Rが水素であり、Rがフルオロであるもの、(f)Rが水素であり、Rがブロモであるもの、および(g)Rが水素であり、RおよびRが、これらの結合相手であるベンゾ環と一緒になって、キノリン環系を形成しているものの生成方法を図示するものである。これらの化合物を、スキーム10ではそれぞれ、式IM、IN、IP、IQ、IR、IS、およびITの化合物と呼ぶ。
【0097】
式IMの化合物は、式IX’の化合物から、水中で、たとえば、アルカリ金属亜硝酸塩、強鉱酸(たとえば、塩酸、硫酸、臭化水素酸)とのジアゾニウム塩を生成した後、塩化銅(I)などの銅ハロゲン化物塩と反応させて調製することができる。上述の方法によって窒素脱保護を行うと、所望の式IMの化合物が得られる。当業者に知られ、実践されているような、ジアゾニウム塩の代替生成法を使用することもできる。前述の反応は、一般に、約0℃〜約60℃の範囲の温度、好ましくは約60℃で、約15分〜1時間実施する。
【0098】
水性媒質中で上述のように調製したジアゾニウム塩とヨウ化カリウムを反応させると、類似のヨウ化物誘導体が得られる。この反応は、一般に、約0℃から室温付近の温度、好ましくは室温付近で実施する。得られる化合物、またはその炭酸N−t−ブチル保護された類似の形態を使用すると、DMF、N,N−ジメチルプロピル尿素(DMPU)、またはDMSO、好ましくはDMF中で、シアン化銅(I)およびシアン化ナトリウムと、約50℃〜約180℃の温度、好ましくは約150℃で反応させることによって、対応するシアノ誘導体を調製することができる。上述のように窒素脱保護を行うと、所望の式IMの化合物が得られる。
【0099】
上述のヨウ化物誘導体を使用すると、Heck、Suzuki、およびStilleの結合、Heckのカルボニル化などの、当業者に知られているパラジウムおよびニッケルを触媒とする方法によって、アリール、アセチレン、およびビニル置換基などの他の様々な置換基、ならびに対応するカルボニルエステルおよびアミドと接触することができる。これらの化合物、およびRがハロ、アルキル、アルコキシなどである他の化合物に、同様に官能性をもたせると、RおよびRが上で定義したとおりである化合物を生成することができる。
【0100】
上述のように調製したジアゾニウム塩とフッ化水素酸ピリジン錯体とを反応させると、類似のフッ化物誘導体が得られる。この反応は、一般に、約0℃〜約100℃の温度、好ましくは約60℃で実施する。上述のように窒素脱保護を行うと、所望の式IRの化合物が得られる。
【0101】
上述のように調製したジアゾニウム塩を反応させた後、臭化銅(I)などの銅ハロゲン化物塩と反応させると、類似の臭化物誘導体が得られる。上述の方法によって窒素脱保護を行うと、所望の式ISの化合物が得られる。
【0102】
式IX’の化合物の窒素脱保護を行うと、式IPの化合物が得られる。上述の方法を使用して式IX’の化合物を式R19COClまたは(R19CO)Oのアシル基と反応させた後、窒素脱保護を行うと、式IQの化合物が得られる。同様にして、保護されたアミンを式R19SOX(Xは、クロロまたはブロモである)の化合物で処理した後、窒素脱保護を行うと、対応するスルホンアミド誘導体が得られる。
【0103】
ヨウ素などの酸化剤の存在下、鉱酸、好ましくは硫酸中で、式IX’の化合物とグリセロールとを、室温〜200℃の間の温度、好ましくは170℃で反応させると、R16およびR23が水素である式ITの化合物が得られる。R16およびR23が上で定義したとおりである式ITの化合物は、当業者によって調製できるものである。たとえば、R16がメチルであり、R23がHである式ITの化合物は、三塩化鉄六水和物および塩化亜鉛の存在下で、式IX’の化合物とクロトンアルデヒドを反応させて調製することができる。この反応は、適切な不活性反応溶媒、好ましくはエタノール中で、室温と溶媒の還流温度の間の温度、好ましくは40℃で実施する。上で定義した条件を使用して窒素保護基を除去すると、所望の式ITの化合物が得られる。
【0104】
上述のように、この文書中に記載の手順で別法として使用することのできる適切なアミン保護基には、−COCF、−COCCl、−COOCHCCl、−COO(C〜C)アルキル、および−COOCHが含まれる。これらの基は、上で参照したGreeneらの「Protective Groups in Organic Chemistry」にそれぞれ記載されている方法によって除去することができる。たとえば、ニトロ化の際の−COOCH基のように、保護基が反応条件下で改変されることになる場合でも、前記の改変された保護基を用いて記載のとおりに前記手順を遂行することが可能である。保護基を導入する順序および/または官能基の導入もしくは改変の方法の変更も、適宜適用して差し支えない。
【0105】
上で論じ、または上記スキーム1〜10に図示する各反応では、別段の指摘がない限り、圧力は重大ではない。約0.5気圧〜約5気圧の圧力が一般に許容され、周囲圧力、すなわち、約1気圧が便宜上好ましい。
【0106】
式Iの化合物および薬学的に許容できるその塩(以下では「活性化合物」)は、経口、(たとえば、パッチの使用による)経皮、鼻腔内、舌下、直腸、非経口、または局所の経路のいずれかによって投与することができる。経皮投与および経口投与が好ましい。これらの化合物は、1日あたり約0.01mgから最高で約1500mg、好ましくは1日あたり約0.1〜約300mgの範囲の投与量を1回分でまたは数回分に分けて投与することが最も望ましいが、治療する対象の体重および状態、選択した特定の投与経路に応じて必然的に変動が生じる。しかし、体重1kgあたり1日約0.001mg〜約10mgの範囲にある投与量レベルを使用することが最も望ましい。やはり、治療を受ける者の体重および状態、前記医薬に対するその個々の応答、ならびに選択した医薬製剤の種類、そのような投与を実施する期間および間隔に応じて変動が生じてよい。前述の範囲の下限を下回る投与量レベルが十分すぎる場合もあれば、有害な副作用を引き起こすことなく、さらに多めの用量を投与してよい場合もあり、但し、そのような多めの用量は、まず数回分に小分けされて1日を通して投与される。
【0107】
活性化合物は、予め指摘したいくつかの経路のいずれかによって、単独で、または薬学的に許容できる担体もしくは希釈剤と組み合わせて投与することができる。より詳細には、活性化合物は、広範な種類の異なる剤形にして投与することができ、たとえば、錠剤、カプセル、経皮パッチ、ロゼンジ、トローチ、飴玉、粉末、スプレー、クリーム、膏薬、坐剤、ゼリー、ゲル、ペースト、ローション、軟膏、水性懸濁液、注射溶液、エリキシル、シロップなどの形態で薬学的に許容できる様々な不活性担体と組み合わせることができる。そのような担体には、固体希釈剤もしくは充填剤、無菌水性媒質、および様々な非毒性の有機溶媒が含まれ、さらに、経口医薬組成物には、適切に甘味および/または風味を付けることができる。一般に、活性化合物は、そのような剤形中に約5.0重量%〜約70重量%の範囲の濃度レベルで存在する。
【0108】
経口投与では、微結晶性セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、グリシンなどの様々なビヒクルと共に、デンプン(好ましくは、トウモロコシ、ジャガイモ、またはタピオカデンプン)、アルギン酸、ある種のケイ酸塩複合体などの様々な崩壊剤、ならびにポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン、アカシアのような造粒結合剤を含有する錠剤を使用することができる。さらに、打錠する目的のために、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルクなどの滑沢剤を使用することができる。同様のタイプの固体組成物をゼラチンカプセルの充填剤としても使用することができ、この関係の好ましい材料には、ラクトース(乳糖)および高分子量ポリエチレングリコールも含まれる。経口投与に水性懸濁液および/またはエリキシルが所望されるとき、活性成分に、様々な甘味剤もしくは着香剤、着色物質、所望されるならば乳化剤および/もしくは懸濁化剤、ならびに水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、これらの様々な混合物などの希釈剤を配合してよい。
【0109】
非経口投与では、活性化合物をゴマ油もしくはラッカセイ油またはプロピレングリコール水溶液に溶かした溶液を使用することができる。水溶液は、必要であれば適切に緩衝剤処理し(好ましくはpH8超)、液体希釈剤をまず等張性にすべきである。これらの水溶液は、静脈注射の用途に適する。油溶液は、関節内、筋肉内、および皮下注射の用途に適する。これらの溶液はすべて、当業者によく知られている標準の製薬技術によって無菌条件下で容易に調製される。
【0110】
活性化合物を局所に投与することも可能であり、局所投与は、標準の薬学の慣行に従って、クリーム、パッチ、ゼリー、ゲル、ペースト、軟膏などとして行うことができる。
【0111】
生物学的アッセイ
ニコチンの特定の受容体部位への結合を抑制する活性化合物の有効性は、Lippiello,P.M.およびFernandes,K.G.(「The Binding of L−[H]Nicotine To A Single Class of High−Affinity Sites in Rat Brain Membranes」、Molecular Pharm.、第29巻、448〜54ページ(1986年))とAnderson,D.J.およびArneric,S.P.(「Nicotinic Receptor Binding of H−Cystisine,H−Nicotine and H−Methylcarmbamylcholine In Rat Brain」、European J.Pharm.、第253巻、261〜67ページ(1994年))の方法の変法である以下の手順によって決定した。
【0112】
手順
Charles Riverからの雄のSprague−Dawleyラット(200〜300g)を、グループにして懸架式のステンレス鋼ワイヤーケージに収容し、12時間の明/暗周期(午前7時〜午後7時が明るい期間)で維持した。ラットには、標準のPurina Rat Chowおよび水を制約なしに与えた。
【0113】
ラットを断頭によって屠殺した。断頭後直ちに脳を取り出した。若干変更を加えたLippielloおよびFernandez(Mol.Pharmacol、第29巻、448〜454ページ(1986年))の方法に従って、脳組織から膜を調製した。脳全体を取り出し、氷冷緩衝液ですすぎ、6にセットしてあるBrinkmann Polytron(商標)を使用して、0℃で30秒間、10体積の緩衝液(w/v)中でホモジナイズした。緩衝液は、室温でpH7.5の50mMのトリスHClからなるものであった。遠心分離(10分間、50,000×g、0〜4℃)によってホモジネートを沈降させた。上清を流して捨て、膜をPolytron(商標)で穏やかに再懸濁し、再度遠心分離(10分間、50,000×g、0〜4℃)にかけた。2回目の遠心分離の後、膜を1.0g/100mLの濃度でアッセイ緩衝液に再懸濁した。標準アッセイ緩衝液の組成は、50mMのトリスHCl、120mMのNaCl、5mMのKCl、2mMのMgCl、2mMのCaClであり、pHは室温で7.4であった。
【0114】
ホウケイ酸ガラス試験管中で常法のアッセイを実施した。1.0mLの最終インキュベート体積のアッセイ混合物は、概して、0.9mgの膜タンパク質からなるものであった。3セットの試験管を準備したが、各セットの試験管は、50μLのビヒクル、ブランク試料、または試験化合物溶液をそれぞれ含有するものとした。各試験管に、[H]−ニコチンの入ったアッセイ緩衝液200μLを加えた後、750μLの膜懸濁液を加えた。各試験管中のニコチン最終濃度は、0.9nMであった。ブランク試料中のシトシン最終濃度は、1μMであった。ビヒクルは、水50mLあたり30μLの1N酢酸を含有する脱イオン水からなるものとした。試験化合物およびシトシンは、ビヒクルに溶解させた。膜懸濁液を試験管に加えた後ボルテックスすることによってアッセイを開始した。サンプルを0〜4℃の氷冷振盪水浴中でインキュベートした。Brandel(商標)多マニホールド組織ハーベスターを使用しながら、真空中でWhatman GF/B(商標)ガラスファイバーフィルターによる急速濾過を行ってインキュベートを終わらせた。アッセイ混合物の最初の濾過の後、フィルターを氷冷アッセイ緩衝液(各5m)で2回洗浄した。次いで、フィルターを計数バイアルに入れ、放射能を定量する前に20mlのReady Safe(商標)(Beckman)と共に激しく混合した。LKB Wallach Rackbeta(商標)液体シンチレーションカウンターによって40〜50%の効率でサンプルのカウントを行った。測定はすべて3通りに行った。
【0115】
計算
膜への特異的結合(C)は、ビヒクルのみおよび膜を含むサンプルの全結合(A)と膜およびシチシンを含むサンプルの非特異的結合(B)の差である。すなわち、
特異的結合=(C)=(A)−(B)
【0116】
試験化合物存在下での特異的結合(E)は、試験化合物存在下での全結合(D)と非特異的結合(B)との差である。すなわち、(E)=(D)−(B)
【0117】
阻害%=(1−((E)/(C))×100
【0118】
上記アッセイで試験した本発明の化合物は、10μMよりも低いIC50値を示した。
【0119】
以下の実験実施例は、本発明を例示するものであり、その範囲を限定するものでない。
【実施例】
【0120】
以下の実施例で、本発明の方法および化合物を例示する。しかし、本発明は特定の実施例に限定されないことを理解されたい。実施例では、市販の試薬をそれ以上精製せずに使用した。クロマトグラフィーによる精製は、Biotage(Dyax Corp、Biotage Division、米ヴァージニア州シャーロッツビル)の充填済みシリカカラムで行った。融点(mp)は、Mettler Toledo FP62融点装置(Mettler−Toledo,Inc.、米オハイオ州ワージントン)を10℃/分の温度上昇速度で使用して求め、補正はしていない。プロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルは、Varian INOVA400(400MHz)分光計(Varian NMR Systems、 米カリフォルニア州パロアルト)によって重水素化溶媒で記録した。化学シフトは、MeSi(δ0.00)に対する百万分率(ppm、δ)で報告する。プロトンNMR分裂パターンは、一重項(s)、二重項(d)、三重項(t)、四重項(q)、五重項(quin)、六重項(sex)、七重項(sep)、多重項(m)、アパレント(ap)、およびブロード(br)として示す。結合定数は、ヘルツ(Hz)で報告する。炭素−13核磁気共鳴(13C NMR)スペクトルは、Varian INOVA400(100MHz)によって記録した。化学シフトは、デューテロクロロホルム(δ77.00)の1:1:1三重項の中央線、デューテロメタノール(δ49.0)またはデューテロジメチルスルホキシド(δ39.7)の中央線に対するppm(δ)で報告する。共鳴で報告される炭素数は、磁気的および化学的に等価な炭素であるので、一部の分子では、実際の炭素数と一致しなくてよく、配座異性体のために実際の炭素数より上回っていてよい。質量スペクトル(MS)は、フローインジェクション大気圧化学イオン化(APCI)を使用するWaters ZMD質量分析計(Waters Corporation、米マサチューセッツ州ミルフォード)を使用して得た。質量検出を伴うガスクロマトグラフィー(GCMS)は、HP5973質量選択的検出器およびHP−1(架橋メチルシロキサン)カラム(Agilent Technologies、米デラウェア州ウェルミントン)を備えたHewlett Packard HP6890シリーズGCシステムを使用して実現した。HPLCスペクトルは、Zorbax SB−C8、5μm、4.6×150mmカラム(Agilent Technologies、米デラウェア州ウェルミントン)を備えたHewlett Packard 1100シリーズHPLCシステムによって25℃で勾配溶離を使用して記録した。溶媒Aは水であり、溶媒Bはアセトニトリルであり、溶媒Cは1%の水中トリフルオロ酢酸である。80%A、10%B、10%Cで始まり、0%A、90%B、10%Cで終わる4分間かけての線形勾配を使用した。溶離液を3分間0%A、90%B、10%Cのままとした。1分間の線形勾配を使用して、溶離液を80%A、10%B、10%Cに戻し、実行時間が10分になるまでこのままとした。室温(RT)とは、20〜25℃を指す。
【0121】
(実施例1)
10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
A)4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−カルボン酸メチルエステル
2−フェニルグルタル酸無水物(52.2g、0.274モル)および濃硫酸(274mL)を70℃の油浴で1.5時間加熱した。得られた混合物を室温に冷まし、冷MeOH溶液(氷/水浴)(550mL)に30分間かけて加えた。加え終えた後、混合物を室温に温め、20時間攪拌した。混合物を1リットルの氷上に注いだ。ブライン(500mL)および水(500mL)を加え、得られた混合物をEtOAc(4×500mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせて、飽和NaHCO(500mL)、水(500mL)、およびブライン(500mL)で順次洗浄した。有機物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物44.8g(80%)を褐色の油として得、これをそれ以上精製せずに使用した。H NMR(CDCl,400MHz)δ8.02(dd,1H,J=7.9,1.3Hz)、7.48(td,1H,J=7.5,1.3Hz)、7.35(td,1H,J=7.5,1.3Hz)、7.29(1H,d,J=7.9Hz)、3.96,(t,1H,J=5.0Hz)、3.69(s,3H)、2.87(ddd,1H,J=17.4,11.6,5.0Hz)、2.60(dt,1H,J=17.4,5.0Hz)、2.51〜2.43(m,1H)、2.36〜2.27(m,1H);GCMS m/z 204(M+)。
【0122】
B)4−シアノ−4−トリメチルシラニルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−カルボン酸メチルエステル
4−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−カルボン酸メチルエステル(28.0g、0.137モル)をCHCl(138mL)に溶解させた。ZnI(0.22g、0.69ミリモル)、およびI(0.21g、0.82ミリモル)を加え、次いでTMSCN(32.95mL、0.247モル)を15分間かけて滴下した。得られた混合物を20時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO(100mL)を加え、得られた混合物を30分間攪拌した。混合物を分配し、有機層を飽和NaHCO(100mL)、水(100mL)、およびブライン(100mL)で順次洗浄した。有機層を乾燥させ(NaCO)、濾過し、濃縮して、表題化合物34.5g(83%)を褐色の油として得、これをそれ以上精製せずに使用した。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.72〜7.68(m,1H)、7.37〜7.31(m,2H)、7.29〜7.26(m,1H)、3.86〜3.83(m,1H)、3.717/3.715(s,3H)、2.60〜2.20(m,4H)、0.212/0.189(9H);GCMS m/z 303(M+)。
【0123】
C)10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
4−シアノ−4−トリメチルシラニルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−カルボン酸メチルエステル(24.8g、81.2ミリモル)をMeOH(400mL)および3M HCl(41mL)に溶かした溶液に、Pearlman触媒(20%Pd(OH)−C(水50%)、17.22g、12.3ミリモル)を加えた。この混合物を50℃の水素雰囲気(50psi)中で20時間振盪した。得られる溶液をCelite(商標)パッドで濾過し、MeOH(300mL)で洗浄した。ナトリウムt−ブトキシド(27.5g、286ミリモル)を加え、得られる溶液を室温で20時間攪拌した。混合物を濃縮し、残渣をEtOAc(500mL)および水(200mL)に溶解させた。各層に分配し、水層をEtOAc(3×200mL)での抽出にかけた。有機物を合わせて、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、11.2gの10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン−9−オンを白色の固体として得た(GCMS m/z 187)。この白色固体にテトラヒドロフラン(160mL)を加え、得られるスラリーを45℃の油浴で加熱した。この混合物に、LiAlHのTHF溶液(1M、120ミリモル、120mL)を60分間かけて滴下した。得られた混合物を45℃で20時間加熱した。室温に冷却した後、混合物に、水(8.65mL)のTHF(50mL)溶液を120分間かけて滴下し、得られた混合物を20時間攪拌した。固体をCelite(商標)パッドで濾過して除去し、濾過ケーキを追加のTHF(200mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、表題化合物9.32g(90%)を油として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.19(dd,2H,J=5.4,3.3Hz)、7.08(dd,2H,J=5.4,3.3Hz)、2.99〜2.95(m,4H)、2.81〜2.76(m,2H)、2.04〜1.99(m,2H)、1.87〜1.80(m,2H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ142.2、126.8、126.6、52.9、41.9、27.1;APCI MS m/z 174.2(M+1)。
【0124】
(実施例2)
4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
A)1−(10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン(14.8g、85.5ミリモル)およびピリジン(16.1、199ミリモル)のCHCl(270mL)溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(TFAA)(14.1mL、99.4ミリモル)を0℃(氷浴)でゆっくりと加えた。約3時間後、溶液を0.5N HCl水溶液(100mL)中に注ぎ、各層を分離した。水層をCHCl(3×150mL)での抽出にかけ、有機層を合わせて、1.0N HCl水溶液(25mL)、HO(50mL)、NaHCO飽和水溶液(50mL)、およびブライン(50mL)で洗浄した。この溶液を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣を、5%のEtOAC/ヘキサンを溶離液とするクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物15.0g(56%)を白色の固体として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.24〜7.19(m,2H)、7.17〜7.11(m,2H)、4.17(ddd,1H,J=13.7,5.0,0.8Hz)、3.87(ddt,1H,J=14.1,5.0,1.2Hz)、3.51(dd,1H,J=14.1,2.5Hz)、3.41(dd,1H,J=13.7,2.9Hz)、3.22〜3.18(m,2H)、2.09〜1.99(m,2H)、1.84〜1.74(m,2H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ157.4、157.1、141.8、141.5、127.6、127.3、126.5、126.4、121.2、118.3、115.5、112.5、52.5、50.3、38.7、38.6、24.9、24.8;GCMS m/z 269(M+)。
【0125】
B)1−(4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
1−(10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(1.6g、3.71ミリモル)のTFA(1.9mL)溶液に、0℃で(氷浴)硝酸(0.8mL、12.3ミリモル、69%)をゆっくりと加えた。混合物を室温に温め、4時間攪拌し、その時点でCHCl(20mL)および水(20mL)上に注いだ。溶液を飽和NaHCO(水溶液)で中和し、分配した。水層をCHCl(3×20mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせて、水(20mL)、次いでブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣を、15%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とするクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物931mg(80%)をガラス状の固体として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ8.09(ddd,1H,J=8.3,3.7,2.5Hz)、8.01(dd,1H,J=6.2,2.5Hz)、7.31(ap t,2H,J=8.7Hz)、4.18〜4.07(m,1H)、3.91〜3.85(m,1H)、3.57(dd,1H,J=14.1,2.5Hz)、3.53〜3.45(m,1H)、3.38〜3.34(m,2H)、2.15〜2.05(m,2H)、1.86〜1.75(m,2H);GCMS m/z 314(M+)。
【0126】
C)4−ニトロ−10−アザトリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン塩酸塩
メタノール(1.5mL)およびHO(0.5mL)中で、1−(4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(90mg、0.29ミリモル)をNaCO(61mg、0.57ミリモル)と共に70℃で18時間攪拌した。混合物を濃縮し、水を加え、生成物をCHClでの抽出にかけた。有機層を1N HCl水溶液(3×20mL)での抽出にかけ、酸層をCHCl(2×20mL)で洗浄した。水層をNaCO(飽和)でpH約10に塩基性化し、生成物をCHCl(3×30mL)での抽出にかけた。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物53mgを遊離塩基として得た。これをメタノールに溶解させ、メタノール中1N HClで処理し、濃縮して固体にすると、表題化合物41mg(66%)が橙色の固体(融点=252℃)として得られた。遊離塩基:13C NMR(CDCl,100MHz)δ150.8、147.0、144.3、127.2、122.3、121.4、52.3、52.2、41.9、41.8、26.0;GCMS m/z 218(M+)。
【0127】
(実施例3)
6−メチル−5−チア−7,13−ジアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,6,8−テトラエン塩酸塩
A)1−(4−アミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2.2,2−トリフルオロ−エタノン
雰囲気中(50psi)かつ10%Pd/C(3.44g)存在下、エタノール(100mL)中で、1−(4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(3.4g、10.8ミリモル)を15時間かけて水素化した後、Celite(商標)で濾過し、濃縮すると、表題化合物2.84gが黄色の油として得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.01〜6.97(m,1H)、6.81〜6.75(m,2H)、5.21(br s,1H)、4.22〜4.09(m,1H)、3.88〜3.79(m,1H)、3.48〜3.27(m,2H)、3.15〜3.09(m,2H)、2.04〜1.91(m,2H)、1.75〜1.73(m,2H);GCMS m/z 284(M+)。
【0128】
B)N−(10−トリフルオロアセチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イル)−アセトアミド
1−(4−アミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(637mg、2.24ミリモル)をCHCl(20mL)中で攪拌し、トリエチルアミン(0.37mL、2.7ミリモル)および塩化アセチル(0.16mL、2.24ミリモル)で処理し、次いで室温で18時間攪拌した。標準のNaHCOによる後処理を行うと、表題化合物730mg(100%)が黄色の油として得られ、これをそれ以上精製せずに使用した。GCMS m/z 326(M+)。
【0129】
C)N−(10−トリフルオロチオアセチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イル)−チオアセトアミド
N−(10−トリフルオロアセチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イル)−アセトアミド(730mg、2.24ミリモル)と2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスホエタン−2,4−ジスルフィド(Lawesson試薬)(1.81g、4.47ミリモル)とを1,2−ジメトキシエタン(19mL)中で合わせ、15時間かけて90℃に加熱した。冷却した後、反応液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(6:1、次いで4:1、次いで2:1のヘキサン/EtOAcでの勾配溶離)によって精製して、表題化合物594mg(2ステップで74%)を油として得た。GCMS m/z 358(M+)。
【0130】
D)6−メチル−5−チア−7,13−ジアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,6,8−テトラエン塩酸塩
上記の油、すなわち2,2,2−トリフルオロ−N−(10−トリフルオロチオアセチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イル)−チオアセトアミド(594mg、1.65ミリモル)をメタノール(15mL)および1N NaOH(12mL)に溶解させ、フェリシアン化カリウム(KFe(CN))(2.73g、8.3ミリモル)の入ったHO(24mL)に加えた。この混合物を15時間加熱還流し、冷却し、濃縮し、酢酸エチル/HOで後処理した。クロマトグラフィー(NHで飽和させた7.5:1のCHClからNHで飽和させた3:1のCHClへの勾配溶離)によって精製すると、表題化合物33mg(8%)が白色固体のその遊離塩基として得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.65(s,1H)、7.53(s,1H)、3.15(s,1H)、3.11(s,1H)、3.05〜2.96(m,4H)、2.80(s,3H)、2.14(ap d,2H,J=9.1Hz)、1.85(ap dd,2H,J=10.8,2.1Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ166.5、152.7、140.4、139.3、134.1、120.1、119.0、52.5、41.0、26.4、26.3、20.3;GCMS m/z 244(M+)。
【0131】
上記生成物をアセトン(10mL)に溶解させ、2N HCl/エーテル(0.116mL)で処理し、得られる白色の固体を濾過によって収集して、表題化合物を得た。
【0132】
(実施例4)
5.14−ジアザテトラシクロ[10.3.2.02,11.04,9]ヘプタデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン塩酸塩
1−(4−アミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(450mg、1.58ミリモル)、グリセロール(0.69mL、9.48ミリモル)、ヨウ素(30mg、0.12ミリモル)、および濃硫酸(1.0mL、19ミリモル)を合わせ、170℃で1時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を氷上に注ぎ、1N NaOHでpHをpH10に調整した。この混合物をCHCl(5×10mL)での抽出にかけ、有機層を合わせてブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(NHで飽和させた10%のMeOH/CHClからNHで飽和させた35%のMeOH/CHClへの勾配溶離)によって精製すると、表題化合物195mg(55%)がその遊離塩基として得られた。この材料をMeOH中1N HCl(2.17mL)で処理し、濃縮して、白色固体とした。MeOH/EtOからの再結晶を行うと、表題化合物が固体として得られた。H NMR(CDOD,400MHz)δ9.21〜9.17(M,2H)、8.24(s,1H)、8.15(s,1H)、8.09(dd,1H,J=8.5,5.6Hz)、3.77(br s,1H)、3.73(br s,1H)、3.61〜3.56(m 2H)、3.45〜3.38(m,2H)、2.40〜2.36(m,2H)、2.02(br d,2H,J=11.2Hz);APCI MS m/z 225.2(M+1)。
【0133】
(実施例5)
6−メチル−5,14−ジアザテトラシクロ[10.3.2.02,11.04,9]ヘプタデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン塩酸塩
A)1−(6−メチル−5,14−ジアザテトラシクロ[10.3.2.02,11.04,9]ヘプタデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
1−(4−アミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(450mg、1.58ミリモル)のEtOH(6mL)溶液に、クロトンアルデヒド(190mg、2.38ミリモル)、FeCl・6HO(642mg、2.38ミリモル)、およびZnCl(21mg、0.16ミリモル)を加え、混合物を40℃で15時間加熱した。混合物を濃縮し、酢酸エチル(10mL)と水(10mL)とに分配した。水相をEtOAc(3×10mL)での抽出にかけた。抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物85mg(16%)を油として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ8.08(d,1H,J=8.3Hz)、7.93(d,1H,J=2.9Hz)、7.54(d,1H,J=10.8Hz)、7.30(dd,1H,J=8.3,1.7Hz)、4.43〜4.27(m,1H)、4.04〜3.96(m,1H)、3.60〜3.33(m,4H)、2.79(s,3H)、2.16〜2.06(m,2H)、1.87〜1.81(m,2H);GCMS m/z 334(M+)。
【0134】
B)6−メチル−5,14−ジアザテトラシクロ[10.3.2.02,11.04,9]ヘプタデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン塩酸塩
表題化合物を、1−(6−メチル−5,14−ジアザテトラシクロ[10.3.2.02,11.04,9]ヘプタデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン)−2,2,2−トリフルオロ−エタノンから実施例2Cに記載の方法によって調製して、53mgの白色固体を得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.96(d,1H,J=8.3Hz)、7.70(s,1H)、7.43(s,1H)、7.20(d,1H,J=8.3Hz)、3.18〜3.12(m,2H)、3.07〜2.92(m,4H)、2.71(s,3H)、2.13〜2.09(m,2H)、1.93〜1.85(m,2H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ158.3、147.8、145.3、141.2、135.8、125.9、125.2、123.9、121.5、53.7、53.6、42.3、41.8、26.6、26.4、25.5;GCMS m/z 238(M+)。
【0135】
(実施例6)
4−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン塩酸塩
A)1−(4−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
1−(4−アミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(476mg、1.67ミリモル)をHF−ピリジン(70%、2.05mL、151ミリモル)に溶解させ、−78℃に冷却した。硝酸ナトリウム(127mg、1.84ミリモル)を加え、混合物を室温に温め、次いで1時間かけて60℃に加熱した(気体放出)。室温に冷却した後、水(30mL)およびCHCl(75mL)を加え、固体NaHCOで水層を中和した。この混合物をCelite(商標)で濾過してすべての固体を除去し、分配した。水層をCHCl(3×30mL)での抽出にかけ、有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣を(10%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とする)クロマトグラフィーによって精製して、表題化合物230mg(48%)を黄色の油として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.10〜7.04(m,1H)、6.89〜6:82(m,2H)、4.08〜4.03(m,1H)、3.83〜3.77(m,1H)、3.56〜3.42(m,2H)、3.21〜3.14(m,2H)、2.06〜1.96(m,2H)、1.80〜1.73(m,2H);GCMS m/z 287(M+)。
【0136】
B)4−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン塩酸塩
表題化合物を、1−(4−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(220mg、0.77ミリモル)から実施例2Cに記載の方法によって調製して、140mgの白色固体を得た。遊離塩基のデータ:H NMR(CDCl,400MHz)δ7.02〜6.99(m,1H)、6.86〜6.78(m,2H)、2.98〜2.89(m,4H)、2.81〜2.75(m,2H)、2.03〜1.98(m,2H)、1.79〜1.76(m,2H)、1.58(br s,1H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ163.1、160.6、144.4、144.3、137.9、127.7、127.6、113.7、113.5、113.0、112.8、52.9、52.7、42.1、41.2、27.0、26.6;GCMS m/z 191(M+)。
【0137】
(実施例7)
4−クロロ−10−アザトリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン塩酸塩
A)1−(4−クロロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
塩化銅(I)(CuCl)を次のように調製した。CuSO(4.3g)およびNaCl(1.2g)を熱HO(14mL)に溶解させた。亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO)(1g)および水酸化ナトリウム(NaOH)(690mg)をHO(7mL)に溶解させ、その熱い酸性溶液に5分間かけて加えた。沈殿した白色固体を濾別し、水で洗浄した。
【0138】
1−(4−アミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(200mg、0.7ミリモル)をHO(1.2mL)および濃HCl溶液(1.2mL)に溶解させ、次いで0℃に冷却し、硝酸ナトリウム(NaNO)(97mg、1.41ミリモル)のHO(0.5mL)溶液で滴下処理した。得られる溶液に、CuCl(147mg、上述のように調製したもの、1.48ミリモル)の入った濃HCl溶液(0.6mL)を10分間かけて加えた(気体放出が認められた)。得られる溶液を90分間かけて60℃に温め、次いで室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、CHCl(4×30mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせて、飽和NaHCO、次いでブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣を(10%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とする)クロマトグラフィーによって精製して、表題化合物80mgを油として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.19〜7.11(m,2H)、7.08〜7.04(m,1H)、4.18〜4.12(m,1H)、3.87〜3.82(m,1H)、3.52〜3.46(m,1H)、3.43〜3.35(m,1H)、3.21〜3.14(m,2H)、2.08〜1.97(m,2H)、1.80〜1.72(m,2H);GCMS m/z 303(M+)。
【0139】
B)4−クロロ−10−アザトリシクロ[6.3.2.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン塩酸塩
表題化合物を、1−(4−クロロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(76mg、0.25ミリモル)から実施例2Cに記載の方法によって調製して、46mgの白色固体を得た。遊離塩基のデータ:H NMR(CDCl,400MHz)δ7.14(dd,1H,J=7.9,2.1Hz)、7.07(d,1H,J=2.1Hz)、7.00(d,1H,J=7.9Hz)、2.97〜2.91(m,4H)、2.83〜2.78(m,2H)、2.13(br s,1H)、2.05〜2.00(m,2H)、1.78(br d,2H,J=10.8Hz);GCMS m/z 207(M+)。
【0140】
(実施例8)
4−ブロモ−10−アザトリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン塩酸塩
A)1−(4−ブロモ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
1−(4−アミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(223mg、0.785ミリモル)をHO(1.6mL)およびHBr(HO中48%、1.6mL)に溶解させ、硝酸ナトリウム(NaNO)(108mg、1.57ミリモル)のHO(0.5mL)溶液で滴下処理した。得られる黄色の溶液を、CuBr(236mg、1.65ミリモル)を48%のHBr(水)溶液(1.0mL)に溶かした溶液に0℃で加えた。得られる溶液を90分間かけて70℃に温め(気体放出)、次いで室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、CHCl(4×30mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせて、飽和NaHCO、次いでブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とする)によって精製して、表題化合物68mgを油として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.35〜7.26(m,2H)、7.03〜6.98(m,1H)、4.19〜4.14(m,1H)、3.88〜3.82(m,1H)、3.51〜3.46(m,1H)、3.40〜3.33(m,1H)、3.20〜3.14(m,2H)、2.07〜1.97(m,2H)、1.79〜1.72(m,2H);GCMS m/z 347/349(M+)。
【0141】
B)4−ブロモ−10−アザトリシクロ[6.3.2.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン塩酸塩
表題化合物を、1−(4−ブロモ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(60mg、0.17ミリモル)から実施例2Cに記載の方法によって調製して、42mgの白色固体を得た。遊離塩基のデータ:H NMR(CDCl,400MHz)δ7.29(dd,1H,J=7.9,2.1Hz)、7.22(d,1H,J=2.1Hz)、6.95(d,1H,J=7.9Hz)、2.98〜2.90(m,4H)、2.82〜2.77(m,2H)、2.04〜2.00(m,2H)、1.81〜1.77(m,2H)、1.65(br s,1H);GCMS m/z 251/253(M+)。
【0142】
(実施例9)
10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン−4−カルボニトリル
A)1−(4−ヨード−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
1−(4−アミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(475mg、1.75ミリモル)をHO(5mL)および濃HSO溶液(0.5mL)に溶解させ、次いで0℃に冷却し、硝酸ナトリウム(NaNO)(133mg、1.93ミリモル)のHO(2mL)溶液で滴下処理した。ヨウ化カリウム(434mg、2.62ミリモル)の入った1N HSO溶液(0.5mL)を10分間かけて加えた(反応液が暗赤色になる)。得られる溶液を室温に温め、18時間攪拌した。NaHSOおよび水(pH2.5)で反応を失活させ、次いで酢酸エチル(4×30mL)での抽出にかけた。乾燥後(NaSO)、溶液を濾過し、濃縮して黄色の油を得、これをさらに精製せずに使用した。GCMS m/z 395(M+)。
【0143】
B)4−ヨード−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−カルボン酸t−ブチルエステル
1−(4−ヨード−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(540mg、1.37ミリモル)および37%のNHOH飽和水溶液(5mL)をメタノール(25ml)中で2時間攪拌し、次いで濃縮し、メタノール(2×5mL)と共沸させた。得られる生成物を1,4−ジオキサン(20mL)中で攪拌し、NaCO飽和溶液(20mL)で処理した。これに、二炭酸ジ−t−ブチル(594mg、2.72ミリモル)を加えた。18時間攪拌した後、反応液をHO(50mL)で処理し、CHCl(4×30mL)での抽出にかけ、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。得られる油をさらに精製せずに使用した。GCMS m/z 399(M+)。
【0144】
C)4−シアノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−カルボン酸t−ブチルエステル(House,H.O.、Fischer,W.F.、J.Org.Chem.1969年、3626ページに記載の方法を利用するもの)
CuCN(242mg、2.71ミリモル)およびKCN(176mg、2.71ミリモル)を、4−ヨード−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−カルボン酸t−ブチルエステル(542mg、1.35ミリモル)のDMF(10mL)溶液に加え、混合物を150℃で18時間攪拌した。反応液を冷却し、50%のNaCl飽和水溶液(25mL)で希釈し、50%の酢酸エチル/ヘキサン(2×50mL)での抽出にかけた。乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した後、生成物を(25%のEtOAc/ヘキサンを溶離液とする)クロマトグラフィーによって精製して、表題化合物139mgを油として得た。GCMS m/z 298(M+)。
【0145】
D)10−アザトリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン−4−カルボニトリル塩酸塩
4−シアノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−カルボン酸t−ブチルエステル(130mg、0.436)を酢酸エチル中3N HCl(5mL)で処理し、温めて2時間還流させ、次いで濃縮し、最低量のメタノールに溶解させ、これをEtOで飽和させ、18時間攪拌した。生成物を濾過によって収集した(80mg)。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.47(d,1H,J=7.5Hz)、7.39(s,1H)、7.21(d,1H,J=7.9Hz)、3.34〜3.20(m,4H)、3.02(ap d,2H,J=12.5Hz)、2.20(ap d,2H,J=9.5Hz)、1.78(ap d,2H,J=10.7Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ145.3、141.2、132.2、130.3、127.9、118.5、111.7、48.9、48.7、36.4、35.9、24.0、23.9;GCMS m/z 198(M+)。
【0146】
(実施例10)
1−(10−アザトリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イル)−1−エタノン塩酸塩
A)1(4−アセチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
1−(10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(1.0g、3.71ミリモル)およびAcCl(2.65mL、37.1ミリモル)をCHCl(20mL)に溶解させ、塩化アルミニウム(AlCl)(2.47g、18.5ミリモル)で処理した。得られる黄色の混合物を60分間攪拌し、次いで氷およびNaHCO飽和水溶液上に注いだ。20分間攪拌した後、混合物をCHCl(3×30mL)での抽出にかけた。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、淡黄色の油とした。APCI MS m/z 312.3(M+1)。
【0147】
B)1−(10−アザトリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イル)−1−エタノン塩酸塩
表題化合物を、1−(4−アセチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(1.15mg、3.71ミリモル)から実施例2Cに記載の方法によって調製して、193mgの白色固体を得た。遊離塩基のデータ:H NMR(CDOD,400MHz)δ7.95(dd,1H,J=7.9,1.7Hz)、7.89(d,1H,J=1.2Hz)、7.40(d,1H,J=7.9Hz)、3.45〜3.28(m,6H)、2.61(s,3H)、2.23(d,2H,J=9.1Hz)、1.91〜1.88(m,2H);13C NMR(CDOD,100MHz)δ199.0、144.8、139.8、137.2、128.4、127.4、126.9、49.6、49.4、36.4、25.6、25.0、24.9;GCMS m/z 215(M+)。
【0148】
(実施例11)
4,5−ジニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
A)1−(4,5−ジニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
(Coon,C.L.、Blucher,W.G.、Hill,M.E.、J.Org.Chem.、第25巻、4243ページ(1973年)に記載の方法に基づく。ジニトロ化に関係のある追加の例については、Tanida,H.、Ishitobi,H.、Irie,T.、Tsushima,T、J.Am.Chem.Soc.第91巻、4512ページ(1969年)を参照されたい。)
【0149】
トリフルオロメタンスルホン酸(1.48ml、16.7ミリモル)のCHCl(10.4ml)溶液に、硝酸(0.392ml、8.35ミリモル)を0℃で攪拌しながら加えると、白色の沈殿が生じた。10分後、1−(10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(977mg、3.63ミリモル)の入ったCHCl(5.6m1)を滴下漏斗から30分間かけて滴下した。反応液を室温に温め、4時間攪拌し、その時点で追加の硝酸(0.392mL)およびトリフルオロメタンスルホン酸(1.48mL)を加えた。混合物を室温で18時間攪拌し、次いで、激しく攪拌されているHO(10ml)と氷(40g)の混合物中に注いだ。各層を分離し、水層をCHCl(3×25ml)での逆抽出にかけた。有機層を合わせ、HO(3×10ml)で洗浄した。水層を合わせてCHCl(2×25ml)での抽出にかけ直した。有機層を合わせ、NaHCO飽和水溶液(100mL)およびHO(25mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して固体にした。クロマトグラフィー(20%のEtOAc/ヘキサンで溶離)によって粗製の残渣を精製すると、表題化合物850mgが橙色の油として得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.73(s,1H)、7.70(s,1H)、4.33〜4.28(m,1H)、3.97(dd,1H,J=14.5,5.0Hz))、3.55(dd,1H,J=14.5,2.1Hz)、3.44〜3.37(m,3H)、2.18〜2.10(m,2H)、1.87〜1.77(m,2H);GCMS m/z 359(M)。
【0150】
B)4,5−ジニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2,02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン
表題化合物を、1−(4,5−ジニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(110mg、0.31ミリモル)から実施例2Cに記載の方法によって調製して、54mgの白色固体を得た。遊離塩基のデータ:H NMR(CDCl,400MHz)δ7.62(s,2H)、3.45(s,2H)、3.01〜2.91(m,4H)、2.22〜2.17(m,2H)、1.84〜1.80(m,2H)、1.65(br s,1H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ150.1、141.5、122.9、51.8、41.7、25.5;GCMS m/z 263(M+)。
【0151】
(実施例12)
5,8,14−トリアザテトラシクロ[10.3.2.02,11.04,9]−ヘプタデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン塩酸塩
A)1−(4,5−ジアミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
雰囲気中(50psi)かつ10%Pd/C(5.0g)存在下、1−(4,5−ジニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(1.33g、3.70ミリモル)をエタノール(100mL)中で15時間かけて水素化した後、Celite(商標)で濾過し、濃縮すると、表題化合物1.1gが黄色の油として得られた。GCMS m/z 299(M+)。
【0152】
B)1−(5,8,14−トリアザテトラシクロ[10.3.2.02,11.04,9]ヘプタデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
1−(4,5−ジアミノ−10−アザ−トリシクロ(6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(83.7mg、0.28ミリモル)をTHF(2.4ml)中で攪拌した。この混合物をHO(2.4mL)およびグリオキサール亜硫酸水素ナトリウム付加化合物水和物(149mg、0.56ミリモル)で処理し、次いで還流させながら3時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、酢酸エチル(3×10ml)での抽出にかけた。有機層を合わせてHO(2×10ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(1:1のEtOAc/ヘキサンで溶離)によって精製して、表題化合物を白色の粉末(61mg)として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ8.78(dd,2H,J=3.7,2.0Hz)、7.83(d,2H,J=7.9Hz)、4.37(ddd,1H,J=13.7,5.4,1.2Hz)、4.04〜4.00(m,1H)、3.59〜3.39(m,4H)、2.15〜2.07(m,2H)、1.86〜1.83(m,2H);GCMS m/z 321(M+)。
【0153】
C)5,8,14−トリアザテトラシクロ[10.3.2.02,11.04,9]ヘプタデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン塩酸塩
表題化合物を、1−(5,8,14−トリアザテトラシクロ[10.3.2.02,11.04,9]ヘプタデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(61mg、0.19ミリモル)から実施例2Cに記載の方法によって調製して、32mgの白色固体を得た。遊離塩基のデータ:H NMR(CDCl,400MHz)δ8.74(s,2H)、7.75(s,2H)、3.23(br s,2H)、3.08〜2.98(m,4H)、2.17〜2.13(m,2H)、1.97(s,1H)、1.90〜1.84(m,2H);13C(CDCl 100MHz)δ146.6、144.3、142.9、125.7、53.5、42.0、26.0;GCMS m/z 225(M+)。
【0154】
(実施例13)
5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
A)1−(5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
(条件については、Segelstein,B.E.、Chenard,B.L.、Macor,J.E.、Post,R.J.、Tetrahedron Lett.、第34巻、1897ページ(1993年)を参照されたい。)
1−(4,5−ジアミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(850mg、2.84ミリモル)をエタノール(10mL)およびHOAc(1mL)に溶解させ、エトキシメチレンマロノニトリル(416mg、3.41ミリモル)で処理した。得られた混合物を4時間加熱還流した。反応液を冷却し、濃縮し、HOおよびNaCO飽和水溶液で処理し、酢酸エチル(3×50mL)での抽出にかけ、次いで乾燥させた(NaSO)。濾過および濃縮の後、残渣をクロマトグラフィー(EtOAc、次いで5%のMeOH/EtOAcで溶離)によって精製して、表題化合物877mgを得た。GCMS m/z 309(M+)。
【0155】
B)5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
表題化合物を、1−(5,7,13−トリアザテトラ−シクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(877mg、2.83ミリモル)から実施例2Cに記載の方法によって調製して、602mgの白色固体を得た。遊離塩基のデータ:H NMR(CDOD,400MHz)δ9.41(s,1H)、7.81(s,2H)、3.65〜3.60(m,2H)、3.46〜3.35(m,4H)、2.31〜2.27(m,2H)、1.94(br d,2H,J=9.5Hz);APCI m/z 214(M+1)。
【0156】
(実施例14)
7−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
A)5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル
5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン(602g、2.82ミリモル)を1,4−ジオキサン(8mL)、水(2mL)、および1N NaOH(2mL)に溶かした溶液に、二炭酸ジ−t−ブチル(616mg、2.82ミリモル)を加えた。18時間攪拌した後、反応液を飽和NaHCO(10mL)で処理し、CHCl(3×20mL)での抽出にかけた。有機相を合わせて乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(601mg)を黄色のろう様固体として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ8.09(s,1H)、7.44(s,1H)、7.31(s,1H)、6.04(br s,1H)、3.92〜3.81(m,2H)、3.42〜3.38(m,2H)、3.20(s,2H)、2.06〜2.03(m,2H)、1.80〜1.73(m,2H)、1.30(s,9H);APCI MS m/z 314.3(M+1)。
【0157】
B)7−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル
5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル(85mg、0.271ミリモル)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(1.7mg、0.007ミリモル)、40%NaOH(水溶液、2mL)、およびCHCl(2mL)を含有する溶液に、室温でヨードメタン(17μL、0.271ミリモル)を加えた。得られた混合物を室温で18時間攪拌し、CHCl(10mL)および水(10mL)で希釈した。各層に分配し、水層をCHCl(2×10mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣をクロマトグラフィー(EtOAc、次いで10%のMeOH/EtOAcで溶離)によって精製して、表題化合物(50mg)を黄色の油として得た。APCI MS m/z 328.3(M+1)。
【0158】
C)7−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
7−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル(50mg、0.15ミリモル)をCHCl(10mL)およびアセトン(5mL)に溶かした溶液に、室温でジオキサン中4N HCl(0.5mL)を加えた。混合物を室温で18時間攪拌し、濃縮して黄色の油にした。この油をアセトン(5mL)中で攪拌して黄色の固体を得、これを濾過によって収集して、表題化合物(15mg)を得た。H NMR(CDOD,400MHz)δ9.42(s,1H)、7.91(s,1H)、7.81(s,1H)、4.18(s,3H)、3.68〜3.65(m,2H)、3.48〜3.41(m,2H)、3.3〜3.24(m,2H)、2.30(br d,2H,J=9.1Hz)、1.96〜1.93(m,2H);APCI MS m/z 228.3(M+1)。
【0159】
(実施例15)
7−エチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
A)7−エチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−l3−カルボン酸t−ブチルエステル
5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル(85mg、0.271ミリモル)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(1.7mg、0.007ミリモル)、40%NaOH(水溶液、2mL)、およびCHCl(2mL)を含有する溶液に、室温でヨードエタン(22μL、0.271ミリモル)を加えた。得られた混合物を室温で18時間攪拌し、CHCl(10mL)および水(10mL)で希釈した。各層に分配し、水層をCHCl(2×10mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣をクロマトグラフィー(EtOAc、次いで10%のMeOH/EtOAcで溶離)によって精製して、表題化合物(72mg)を黄色の油として得た。APCI MS m/z 342.3(M+1)。
【0160】
B)7−エチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
7−エチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル(72mg、0.21ミリモル)のCHCl(10mL)溶液に、室温でジオキサン中4N HCl(0.5mL)を加えた。混合物を室温で18時間攪拌し、濃縮して黄色の油にすると、表題化合物(25mg)が得られた。13C NMR(CDOD,100MHz)δ143.3、139.6、139.1、131.5、131.2、115.5、115.4、53.9、53.2、47.1、37.9、37.3、26.7、26.6、17.3;APCI MS m/z 242.3(M+1)。
【0161】
(実施例16)
7−プロピル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
A)7−プロピル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル
5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル(85mg、0.271ミリモル)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(1.7mg、0.007ミリモル)、40%NaOH(水溶液、2mL)、およびCHCl(2mL)を含有する溶液に、室温でヨードプロパン(26μL、0.271ミリモル)を加えた。得られた混合物を室温で18時間攪拌し、CHCl(10mL)および水(10mL)で希釈した。各層に分配し、水層をCHCl(2×10mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣をクロマトグラフィー(EtOAc、次いで10%のMeOH/EtOAcで溶離)によって精製して、表題化合物(33mg)を黄色の油として得た。APCI MS m/z 356.4(M+1)。
【0162】
B)7−プロピル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
7−エチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル(33mg、0.21ミリモル)のCHCl(10mL)溶液に、室温でジオキサン中4N HCl(0.5mL)を加えた。混合物を室温で18時間攪拌し、濃縮して黄色の油にすると、表題化合物(27mg)が得られた。H NMR(CDOD,400MHz)δ9.50(br s,1H)、7.94(br s,1H)、7.80(br s,1H)、4.52(br s,2H)、3.63(br s,2H)、3.50〜3.30(m,4H)、2.37〜2.25(m,2H)、2.06〜1.94(m,4H)、1.03(t,3H,J=6.2Hz);APCI MS m/z 256.4(M+1)。
【0163】
(実施例17)
6−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
A)1−(6−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
(条件については、see; Segelstein,B.E.、Chenard,B.L.、Macor,J.E.、Post,R.J.、Tetrahedron Lett.、第34巻、1897ページ(1993年)を参照されたい。)
1−(4,5−ジアミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(417mg、1.39ミリモル)をエタノール(10mL)およびHOAc(1mL)に溶解させ、1−エトキシエチリデンマロノニトリル(227mg、1.67ミリモル)で処理した。得られた混合物を4時間加熱還流した。反応液を冷却し、濃縮し、HOおよびNaCO飽和水溶液で処理し、酢酸エチル(3×50mL)での抽出にかけ、次いで乾燥させた(NaSO)。濾過および濃縮の後、残渣をクロマトグラフィー(EtOAc、次いで5%のMeOH/EtOAcで溶離)によって精製して、表題化合物(448mg)を油として得た。GCMS m/z 323(M+)。
【0164】
B)6−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
表題化合物を、1−(6−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(877mg、2.83ミリモル)から実施例2Cに記載の方法によって調製して、313mgの白色固体を得た。遊離塩基のデータ:H NMR(CDOD,400MHz)δ7.68(s,2H)、3.59(br s,2H)、3.44〜3.34(m 4H)、2.87(s,3H)、2.27(d,2H,J=9.1Hz)、1.94(br d,2H,Jr=9.9Hz);13C NMR(CDOD,100MHz)δ151.2、137.9、131.8、112.1、49.9、36.7、25.1、11.5;APCI m/z 228.2(M+1)。
【0165】
(実施例18)
6,7−ジメチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
A)6−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル
6−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン(313g、1.38ミリモル)を1,4−ジオキサン(8mL)、水(2mL)、および1N NaOH(2mL)に溶かした溶液に、二炭酸ジ−t−ブチル(331mg、1.51ミリモル)を加えた。18時間攪拌した後、反応液を飽和NaHCO(10mL)で処理し、CHCl(3×20mL)での抽出にかけた。有機相を合わせて乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(257mg)を黄色のろう様固体として得た。APCI MS m/z 328.3(M+1)。
【0166】
B)6,7−ジメチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル
6−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−l3−カルボン酸t−ブチルエステル(85mg、0.271ミリモル)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(1.6mg、0.006ミリモル)、40%NaOH(水溶液、1mL)、およびトルエン(1mL)を含有する溶液に、室温でヨードメタン(20μL、0.336ミリモル)を加えた。得られた混合物を室温で18時間攪拌し、CHCl(10mL)および水(10mL)で希釈した。各層に分配し、水層をCHCl(2×10mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣をクロマトグラフィー(EtOAc、次いで10%のMeOH/EtOAcで溶離)によって精製して、表題化合物(24mg)を黄色の油として得た。APCI MS m/z 342.3(M+1)。
【0167】
C)6,7−ジメチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
6,7−ジメチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル(24mg、0.07ミリモル)のCHCl(5mL)溶液に、室温でジオキサン中4N HCl(0.5mL)を加えた。混合物を室温で18時間攪拌し、濃縮して黄色の油にすると、表題化合物(15mg)が得られた。H NMR(CDOD,400MHz)δ7.78(br s,1H)、7.67(br s,1H)、4.00(s,3H)、3.63〜3.58(m,2H)、3.40〜3.32(m,4H)、2.87(s,3H)、2.27(br d,2H,J=8.7Hz)、1.92(br d,2H,J=8.7Hz);APCI MS m/z 242.3(M+1)。
【0168】
(実施例19)
6−メチル−7−エチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
A)6−メチル−7−エチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル
6−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル(85mg、0.26ミリモル)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(1.6mg、0.007ミリモル)、40%NaOH(水溶液、2mL)、およびCHCl(2mL)を含有する溶液に、室温でヨードエタン(20μL、0.26ミリモル)を加えた。得られた混合物を室温で18時間攪拌し、CHCl(10mL)および水(10mL)で希釈した。各層に分配し、水層をCHCl(2×10mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣をクロマトグラフィー(EtOAc、次いで10%のMeOH/EtOAcで溶離)によって精製して、表題化合物(63mg)を黄色の油として得た。APCI MS m/z 356.4(M+1)。
【0169】
B)6−メチル−7−エチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
6−メチル−7−エチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3,2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル(63mg、0.18ミリモル)のCHCl(10mL)溶液に、室温でジオキサン中4N HCl(0.5mL)を加えた。混合物を室温で18時間攪拌し、濃縮して黄色の油にすると、表題化合物(22mg)が得られた。APCI MS m/z 256.3(M+1)。
【0170】
(実施例20)
6−メチル−7−プロピル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
A)6−メチル−7−プロピル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル
6−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル(85mg、0.26ミリモル)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(1.6mg、0.006ミリモル)、40%NaOH(水溶液、2mL)、およびCHCl(2mL)を含有する溶液に、室温でヨードプロパン(25μL、0.26ミリモル)を加えた。得られた混合物を室温で18時間攪拌し、CHCl(10mL)および水(10mL)で希釈した。各層に分配し、水層をCHCl(2×10mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣をクロマトグラフィー(EtOAc、次いで10%のMeOH/EtOAcで溶離)によって精製して、表題化合物(35mg)を黄色の油として得た。APCI MS m/z 370.4(M+1)。
【0171】
B)6−メチル−7−プロピル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン塩酸塩
6−メチル−7−エチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸t−ブチルエステル(33mg、0.09ミリモル)のCHCl(10mL)溶液に、室温でジオキサン中4N HCl(0.5mL)を加えた。混合物を室温で18時間攪拌し、濃縮して黄色の油にすると、表題化合物(28mg)が得られた。H NMR(CDOD,400MHz)δ7.85(br s,1H)、7.70(br s,1H)、4.44(br s,2H)、3.64〜3.59(m,2H)、3.45〜3.35(m,4H)、2.90(s,3H)、2.35〜2.25(m,2H)、2.01〜1.92(m,4H)、1.05〜1.02(m,3H);APCI MS m/z 270.4(M+1)。
【0172】
(実施例21)
6−メチル−5−オキサ−7,13−ジアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,6,8−テトラエン塩酸塩
A)2,2,2−トリフルオロ−1−(4−ヒドロキシ−5−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−エタノン
1−(4,5−ジニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(900mg、2.50ミリモル)および酢酸カリウム(KOAc)(246mg、2.50ミリモル)をDMSO(10mL)に溶解させ、攪拌しながら16時間かけて100℃に温めた。混合物を冷却し、HO(50mL)で希釈し、次いで80%の酢酸エチル/ヘキサン(6×25mL)での抽出にかけた。有機層をHO(3×20mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣をクロマトグラフィー(20%のEtOAc/ヘキサンから40%のEtOAc/ヘキサンで溶離)によって精製して、表題化合物を油(150mg)として得た。GCMS m/z 330(M+)。
【0173】
B)2,2,2−トリフルオロ−1−(4−ヒドロキシ−5−アミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−エタノン
(45psi)のH雰囲気中かつ10%Pd/C(50mg)存在下、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−ヒドロキシ−5−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−エタノン(150mg、0.45ミリモル)をエタノール(25mL)中で3.5時間かけて水素化し、次いでCelite(商標)パッドで濾過し、濃縮して、表題化合物を黄色の油(140mg)として得た。GCMS m/z 300(M+)。
【0174】
C)2,2,2−トリフルオロ−1−(6−メチル−5−オキサ−7,13−ジアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,6,8−テトラエン)−エタノン
2,2,2−トリフルオロ−1−(4−ヒドロキシ−5−アミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−エタノン(140mg、0.524ミリモル)、オルト酢酸トリエチル(0.34mL、1.83ミリモル)、ピリジニウム−p−トルエンスルホン酸(PPTS、20mg、0.08ミリモル)、およびキシレン(10mL)を窒素中で合わせ、135℃で18時間攪拌した。混合物を冷却し、HOで処理し、酢酸エチルでの抽出にかけた。抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮し、クロマトグラフィー(10%のEtOAc/ヘキサンで溶離)によって精製して、表題化合物(40mg)を油として得た。GCMS m/z 324。
【0175】
D)6−メチル−5−オキサ−7,13−ジアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10)3,6,8−テトラエン塩酸塩
表題化合物を、2,2,2−トリフルオロ−1−(6−メチル 5−オキサ−7,13−ジアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,6,8−テトラエン)−エタノン(40mg、0.12ミリモル)から実施例2Cに記載の方法によって調製して、25mgの白色固体を得た。遊離塩基のデータ:H NMR(CDOD,400MHz)δ7.66〜7.64(m,2H)、3.61〜3.54(m,2H)、3.42〜3.25(m,4H)、2.80(s,3H)、2.32〜2.25(m,2H)、1.95〜1.85(m,2H);GCMS m/z 228(M+)。
【0176】
(実施例22)
12−exo−メチル−4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン塩酸塩
A)3−シアノ−2−メチル−3−フェニル−プロピオン酸メチルエステル
NaH(60%、182mg、4.56ミリモル)のTHF(9mL)中スラリーに、室温でシアン化ベンジル(0.5mL、4.34ミリモル)をゆっくりと加えた。この混合物に2−ブロモプロピオン酸メチル(0.48mL、4.34ミリモル)を加え、得られる溶液を室温で18時間攪拌した。混合物をNaHCO飽和(水溶液)(5mL)で処理し、得られた混合物をEtOAc(3×10mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣をクロマトグラフィー(5%のEtOAc/ヘキサンで溶離)によって精製して、表題化合物(577mg)をジアステレオ異性体混合物として得た。13C NMR(CDCl,100MHz)δ173:3、173.2、134.0、133.0、129.3、128.9、128.7、128.4、128.0、119.8、119.1、52.53、52.50、45.0、44.5、40.5、40.1、15.1、14.7;GCMS m/z 203(M+)。
【0177】
B)3−シアノ−2−メチル−3−フェニル−プロピオン酸
3−シアノ−2−メチル−3−フェニル−プロピオン酸メチルエステル(577mg、2.84ミリモル)のコリジン(14.2mL)溶液にヨウ化リチウム(836mg、6.25ミリモル)を加えた。得られた混合物を18時間加熱還流した。混合物を氷/水浴で冷却し、HSO(7.7mL)の水(27mL)溶液を30分間かけてゆっくりと加えた。得られた混合物をエーテル(2×100mL)での抽出にかけ、有機抽出物を合わせて乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。残渣をエーテル(50mL)に溶解させ、得られる溶液を1N NaOH(3×5mL)で洗浄した。水相を合わせてエーテル(2×25mL)で洗浄し、6N HClで酸性化し、EtOAc(3×50mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせて乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物(484mg)をジアステレオ異性体混合物として得た。GCMS m/z 189(M+)。
【0178】
C)2−メチル−3−オキソ−インダン−1−カルボン酸メチルエステル
3−シアノ−2−メチル−3−フェニル−プロピオン酸(480mg、2.54ミリモル)をHSO(2.54mL)に溶解させ、90℃の油浴で18時間加熱した。室温に冷却し、得られた混合物を、氷/水浴で冷却したメタノール(10mL)中にゆっくりと注いだ。得られた混合物を3時間加熱還流した。室温に冷却した後、混合物を氷(50g)上に注いだ。得られる水溶液をEtOAc(3×30mL)での抽出にかけた。有機相を合わせて、飽和NaHCO(3×10mL)、水(10mL)、次いでブライン(10mL)で洗浄する。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物(208mg)を、以下のH NMRによって決定されるとおりジアステレオ異性体の8:1混合物(トランス/シス)として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.74〜7.70(m,1H)、7.62〜7.56(m,2H)、7.46〜7.37(m,1H)、4.36(d,J=8.3Hz,副)、3.81(d,1H,J=4.5Hz,主)、3.76(s,3H,主)、3.64(s,副)、3.09〜3.02(m,1H,主)、2.98〜2.90(m,副)、1.33(d,3H,J=7.5Hz,主)、1.21(d,J=7.5Hz,副);GCMS m/z 204(M+)。
【0179】
D)3−シアノ−2−メチル−3−トリメチルシラニルオキシ−インダン−1−カルボン酸メチルエステル
2−メチル−3−オキソ−インダン−1−カルボン酸メチルエステル(200mg、0.98ミリモル)をCHCl(1.0mL)に溶解させた。ZnI(1.6mg、0.005ミリモル)およびI(1.5mg、0.006ミリモル)を加え、次いでTMSCN(0.261mL、1.96ミリモル)を15分間かけて滴下した。得られた混合物を20時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO(10mL)およびCHCl(10mL)を加え、得られた混合物を30分間攪拌した。混合物を分配し、有機層を飽和NaHCO(10mL)、水(10mL)、およびブライン(10mL)で順次洗浄した。有機層を乾燥させ(NaCO)、濾過し、濃縮して、表題化合物312mgを褐色の油として得、これをそれ以上精製せずに使用した。GCMS m/z 303(M+)。
【0180】
E)12−exo−メチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−9−オン
3−シアノ−2−メチル−3−トリメチルシラニルオキシ−インダン−1−カルボン酸メチルエステル(312mg、0.98ミリモル)をMeOH(10mL)および濃HSO(0.1mL)に溶かした溶液に、Pearlman触媒(20%Pd(OH)−C(水50%)、206mg、0.15ミリモル)を加えた。この混合物を50℃の水素雰囲気中(50psi)かつ20時間振盪した。得られる溶液をCelite(商標)パッドで濾過し、MeOH(10mL)で洗浄した。ナトリウムt−ブトキシド(282mg、2.94ミリモル)を加え、得られる溶液を室温で20時間攪拌した。混合物をNHCl飽和水溶液(1.0mL)で処理し、EtOAc(10mL)と水(10mL)とに分配した。各層を分離し、水層をEtOAc(3×10mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣をクロマトグラフィー(0.1%のNHOHを加えた2%のMeOH/CHClで溶離)によって精製して、表題化合物(75mg)を皮膜として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.27〜7.24(m,2H)、7.19〜7.11(m,2H)、6.55(br s,1H)、3.58(ddd,1H,J=11.2,4.2,1.2Hz)、3.18(s,1H)、3.10〜3.06(m,1H)、3.00(d,1H,J=3.7Hz)、2.65(q,1H,J=6.6Hz)、0.80(d,3H,J=6.6Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ174.5、143.04、143.01、128.0、127.6、124.2、123.9、55.6、47.9、45.6、44.0、16.8;GCMS m/z 187(M+)。
【0181】
F)2,2,2−トリフルオロ−1−(12−exo−メチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−10−イル)−エタノン
12−exo−メチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−9−オン(75mg、0.40ミリモル)のTHF(0.8mL)溶液に、45℃で水素化リチウムアルミニウム(THF中1M、0.8mL、0.8ミリモル)を加えた。得られた混合物を9.5時間攪拌し、室温に冷却し、水(58μL)のTHF(0.3mL)溶液で処理した。得られるスラリーを室温で15時間攪拌し、濾過ケーキをTHF(10mL)で洗浄しながらCelite(商標)パッドで濾過した。濾液を濃縮し、得られる残渣をCHCl(1.3mL)に溶解させた。混合物にピリジン(81μL、1.0ミリモル)を加えた後、室温でトリフルオロ酢酸無水物(71μL、0.5ミリモル)を加えた。この混合物を20時間攪拌し、CHCl(10mL)および1M HCl(5mL)で希釈した。混合物を分離し、水層をCHCl(3×5mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせて、1M HCl(10mL)、水(10mL)、次いでブライン(10mL)で洗浄した。この有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣をクロマトグラフィー(5%のEtOAc/ヘキサンで溶離)によって精製して、表題化合物(61mg)を白色の固体として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.22〜7.19(m,4H)、4.34(dd,1H,J=12.9,2.1Hz)、3.92〜3.88(m,1H)、3.52(dd,1H,J=12.4,1.7Hz)、3.12(d,1H,J=12.9Hz)、2.97〜2.96(m,1H)、2.92〜2.91(m,1H)、2.27(q,1H,J=6.6Hz)、0.90(d,3H,J=6.6Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ157.8、157.4、142.4、141.6、m 128.1、127.8、124.3、124.1、120.8、117.9、115.1、112.2、51.0;48.9、48.6、46.7、46.4、18.1;GCMS m/z 269(M+)。
【0182】
G)2,2,2−トリフルオロ−1−(12−exo−メチル−4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−10−イル)−エタノン
2,2,2−トリフルオロ−1−(12−exo−メチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−10−イル)−エタノン(33mg、0.12ミリモル)のTFA(0.12mL)溶液に、0℃(氷浴)で硝酸(36μL、0.40ミリモル、69%)をゆっくりと加えた。混合物を室温に温め、4時間攪拌し、その時点でCHCl(10mL)および水(10mL)上に注いだ。溶液を飽和NaHCO(水溶液)で中和し、分配した。水層をCHCl(3×10mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせて、水(10ml)、次いでブライン(10mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して表題化合物(33mg)を得、これをそれ以上精製せずに使用した。H NMR(CDCl,400MHz)δ8.12(d,1H,J=8.3Hz)、8.08(d,1H,J=4.6Hz)、7.38(d,1H,J=8.3Hz)、4.40(dd,1H,J=12.9,2.1Hz)、3.96(d,1H,12.4Hz)、3.59(dd,1H,J=12.9,1.2Hz)、3.20(d,1H,J=12.9Hz)、3.13〜3.05(m,2H)、2.40(q,1H,J=6.6Hz)、0.90(d,3H,J=6.6Hz);GCMS m/z 314(M+)。
【0183】
H)12−exo−メチル−4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン塩酸塩
表題化合物を、2,2,2−トリフルオロ−1−(12−exo−メチル−4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−10−イル)−エタノン(30mg、0.096ミリモル)から実施例2Cに記載の方法によって調製して、21mgの白色固体を得た。遊離塩基のデータ:H NMR(CDCl,400MHz)δ8.11(dd,1H,J=7.9,2.1Hz)、8.03(d,1H,J=2.1Hz)、7.31(d,1H,J=8.3Hz)、3.05〜3.01(m,2H)、2.85〜2.81(m,4H)、2.27(q,1H,J=6.6Hz)、1.61(br s,1H)、0.84(d,3H,J=6.6Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ152.6、147.9、146.3、124.3、123.6、119.1、50.2、50.0、49.9、49.4、49.2、19.0;GCMS m/z 218(M+)。
【0184】
(実施例23)
12,12−ジメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン塩酸塩
A)3−シアノ−2,2−ジメチル−3−フェニル−プロピオン酸
NaH(60%、1.74g、43.4ミリモル)のTHF(87mL)中スラリーに、室温でシアン化ベンジル(5.0mL、43.4ミリモル)をゆっくりと加えた。この混合物に2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸メチル(5.58mL、43.4ミリモル)を加え、得られる溶液を室温で18時間攪拌した。混合物を飽和NaHCO(水溶液)(25mL)で処理し、得られた混合物をEtOAc(3×100mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、3−シアノ−2,2−ジメチル−3−フェニル−プロピオン酸メチルエステル[GCMS m/z 217(m+)]を褐色の油として得た。この材料をコリジン(220mL)に溶解させ、ヨウ化リチウム(12.8g、95.5ミリモル)を加えた。得られた混合物を18時間加熱還流した。混合物を氷/水浴で冷却し、HSO(120mL)の水(400mL)溶液を90分間かけてゆっくりと加えた。得られた混合物をエーテル(5×200mL)での抽出にかけ、有機抽出物を合わせて乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。得られる油をエーテル(100mL)に溶解させ、得られる溶液を1N NaOH(2×50mL、次いで1×25mL)で洗浄した。水相を合わせてエーテル(2×100mL)で洗浄し、6N HCl(約30mL)で酸性にし、EtOAc(3×100mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせて乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物(6.31g)を黄色の油性固体として得た。H NMR(CDCl、400MHz)11.3(brs,1H)、7.38〜7.32(m,5H)、4.32(s,1H)、1.47(s,3H)、1.22(s,3H);GCMS m/z 203(M+)。
【0185】
B)2,2−ジメチル−3−オキソ−インダン−1−カルボン酸メチルエステル
3−シアノ−2,2−ジメチル−3−フェニル−プロピオン酸(6.31g、31.1ミリモル)をHSO(31mL)に溶解させ、90℃の油浴で18時間加熱した。室温に冷却し、得られた混合物を氷/水浴で冷却したメタノール(62mL)中にゆっくりと注ぐ。得られた混合物を3時間加熱還流した。室温に冷却した後、混合物を氷(250g)上に注いだ。得られる水溶液をEtOAc(3×100mL)での抽出にかけた。有機相を合わせて、飽和NaHCO(3×50mL)、水(50mL)、次いでブライン(50mL)で洗浄する。この有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物(4.17g)を黄色の油として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.77(d,1H,J=7.9Hz)、7.66〜7.62(m,1H)、7.50(dd,1H,J=7.9,0.8Hz)、7.47〜7.43(m,1H)、3.98(s,1H)、3.75(s,3H)、1.36(s,3H)、1.12(s,3H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ208.5、172.0、149.2、135.3、128.9、127.6、124.6、56.7、52.2、49.6、25.4、21.6;GCMS m/z 218(M+)。
【0186】
C)3−シアノ−2,2−ジメチル−3−トリメチルシラニルオキシ−インダン−1−カルボン酸メチルエステル
2,2−ジメチル−3−オキソ−インダン−1−カルボン酸メチルエステル(1.0g、4.6ミリモル)をCHCl(4.6mL)に溶解させた。ZnI(7.3mg、0.023ミリモル)およびI(7.0mg、0.028ミリモル)を加え、次いでTMSCN(1.22mL、9.17ミリモル)を15分間かけて滴下した。得られた混合物を20時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO(20mL)およびCHCl(20mL)を加え、得られた混合物を30分間攪拌した。混合物を分配し、有機層を飽和NaHCO(20mL)、水(20mL)、およびブライン(20mL)で順次洗浄した。有機層を乾燥させ(NaCO)、濾過し、濃縮して、表題化合物1.45gを褐色の油として得、これをそれ以上精製せずに使用した。GCMS m/z 317(M+)。
【0187】
D)12,12−ジメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−9−オン
3−シアノ−2,2−ジメチル−3−トリメチルシラニルオキシ−インダン−1−カルボン酸メチルエステル(1.25g、3.93ミリモル)をMeOH(10mL)および濃HSO(0.3mL)に溶かした溶液に、Pearlman触媒(20%Pd(OH)−C(水50%)、825mg、0.59ミリモル)を加えた。この混合物を50℃の水素雰囲気中(50psi)で20時間振盪した。得られる溶液をCelite(商標)パッドで濾過し、MeOH(10mL)で洗浄した。ナトリウムt−ブトキシド(1.13g、11.7ミリモル)を加え、得られる溶液を還流させながら20時間攪拌した。混合物をNHCl飽和水溶液(5mL)で処理し、EtOAc(10mL)と水(10mL)とに分配した。各層を分離し、水層をEtOAc(3×10mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣をクロマトグラフィー(0.1%のNHOHを加えた2%のMeOH/CHClで溶離)によって精製して、表題化合物(120mg)を膜として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.31(d,1H,J=6.6Hz)、7.24〜7.13(m,3H)、3.62(dd,1H,J=.12.2,4.2Hz)、3.07(dd,1H,J=12.2,1.4Hz)、3.04(s,1H)、2.82(d,1H,J=4.2Hz)、1.30(s,3H)、0.92(s,3H);GCMS m/z 201(M+)。
【0188】
E)2,2,2−トリフルオロ−1−(12,12−ジメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1,02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−10−イル)−エタノン
12,12−ジメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−9−オン(115mg、0.57ミリモル)のTHF(1.2mL)溶液に、45℃で水素化リチウムアルミニウム(THF中1M、1.4mL、1.4ミリモル)を加えた。得られた混合物を18時間攪拌し、室温に冷却し、水(100μL)のTHF(0.92mL)溶液で処理した。得られるスラリーを室温で30分間攪拌し、濾過ケーキをTHF(10mL)で洗浄しながらCelite(商標)パッドで濾過した。濾液を濃縮し、得られる残渣をCHCl(1.9mL)に溶解させた。混合物にピリジン(116μL、1.43ミリモル)を加えた後、室温でトリフルオロ酢酸無水物(100μL、0.72ミリモル)を加えた。この混合物を1時間攪拌し、CHCl(10mL)および1M HCl(5mL)で希釈した。混合物を分離し、水層をCHCl(3×5mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせて、1M HCl(10mL)、水(10mL)、次いでブライン(10mL)で洗浄した。この有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製残渣をクロマトグラフィー(5%のEtOAc/ヘキサンで溶離)によって精製して、表題化合物(66mg)を白色の固体として得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.20〜7.17(m,4H)、4.04(dd,1H,J=13.7,2.9Hz)、3.82〜3.72(m,2H)、3.44(dd,1H,J=13.7,1.7Hz)、2.76(d,1H,J=1.2Hz)、2.69(d,1H,J=1.2Hz)、1.31(s,3H)、0.91(s,3H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ158.2、158.0、144.5、143.6、127.8、127.6、123.8、123.6、120.8、117.9、115.1、112.2、49.0、48.8、46.7、45.3、43.8、27.6、20.6;GCMS m/z 283(M+)。
【0189】
F)12,12−ジメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン塩酸塩
表題化合物を、2,2,2−トリフルオロ−1−(12,12−ジメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−10−イル)−エタノン(21mg、0.074ミリモル)から実施例2Cに記載の方法によって調製して、11mgの白色固体を得た。遊離塩基のデータ:H NMR(CDCl,400MHz)δ7.18〜7.12(m,4H)、3.24(d,2H,J=13.3Hz)、2.49(d,2H,J=13.3Hz)、2.45(s,2H)、1.85(br s,1H)、1.30(s,3H)、0.81(s,3H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ146.0、126.9、123.4、51.5、44.7、29.4、20.9;GCMS m/z 187(M+)。
【0190】
(実施例24)
12,12−ジメチル−4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン塩酸塩
A)2,2,2−トリフルオロ−1−(12,12−ジメチル−4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−10−イル)−エタノン
2,2,2−トリフルオロ−1−(12,12−ジメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−10−イル)−エタノン(44mg、0.16ミリモル)のTFA(0.16mL)溶液に、0℃(氷浴)で硝酸(46μL、0.51ミリモル、69%)をゆっくりと加えた。混合物を室温に温め、8時間攪拌し、その時点でCHCl(10mL)および水(10mL)上に注いだ。溶液を飽和NaHCO(水溶液)で中和し、分配した。水層をCHCl(3×10mL)での抽出にかけた。有機抽出物を合わせて、水(10mL)、次いでブライン(10mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して表題化合物(51mg)を得、これをそれ以上精製せずに使用した。H NMR(CDCl,400MHz)δ8.14〜8.06(m,2H)、7.36(dd,1H,J=7.9,2.1Hz)、4.09(dt,1H,J=13.7,2.5Hz)、3.85(dd,1H,J=12.8,2.5Hz)、3.78(d,1H,J=12.8Hz)、3.48(d,1H,J=14.1Hz)、2.91(d,1H,J=10.4Hz)、2.84(d,1H,J=11.6Hz)、1.35(s,3H)、0.90(s,3H);GCMS m/z 328(M+)。
【0191】
B)12,12−ジメチル−4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン塩酸塩
表題化合物を、2,2,2−トリフルオロ−1−(12,12−ジメチル−4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−10−イル)−エタノン(50mg、0.15ミリモル)から実施例2Cに記載の方法によって調製して、27mgの白色固体を得た。遊離塩基のデータ:H NMR(CDCl,400MHz)δ8.10(dd,1H,J=8.3,2.1Hz)、8.01(d,1H,J=2.1Hz)、7.29(d,1H,J=8.3Hz)、3.35〜3.30(m,2H)、2.62〜2.58(m,4H)、1.61(br s,1H)、1.34(s,3H)、0.82(s,3H);13C NMR(CDCl,100MHz)154.4、148.0、147.6、123.8、123.3、118.6、51.6、51.4、45.4、44.4、44.3、29.2、20.7;GCMS m/z 232(M+)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式
【化1】

[式中、Zは、式CRまたはCRCRで表される基であり、
は、水素、(C〜C)アルキル、非共役型(C〜C)アルケニル、ベンジル、XC(=O)R13、または−CHCH−O−(C〜C)アルキルであり、
およびRは、水素、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロ、シアノ、−SO(C〜C)アルキル(ここで、qは、0、1または2である)、(C〜C)アルキルアミノ−、[(C〜C)アルキル]アミノ−、−CO10、−CONR1112、−SONR1314、−C(=O)R19、−XC(=O)R19、アリール−(C〜C)アルキル−、またはアリール−(C〜C)アルキル−O−(ここで、前記アリールは、フェニルおよびナフチルから選択される)、ヘテロアリール−(C〜C)アルキル−もしくはヘテロアリール−(C〜C)アルキル−O−(ここで、前記ヘテロアリールは、酸素、窒素、および硫黄から選択された1〜4個のヘテロ原子を含む5〜7員芳香環から選択される)、X(C〜C)アルキル−、およびX(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルキル−からそれぞれ独立に選択され、ここで、Xは不在であるか、またはXは(C〜C)アルキルアミノ−もしくは[(C〜C)アルキル]アミノ−であり、前記X(C〜C)アルキル−またはX(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルキル−の(C〜C)アルキル−部分または(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルキル−部分は、少なくとも1個の炭素原子を含み、前記(C〜C)アルキル−部分または(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルキル−部分の1〜3個の炭素原子は、酸素、窒素、または硫黄原子に替えられていてもよく、但し、任意の2個のそのようなヘテロ原子は、少なくとも2個の炭素原子によって隔てられていなければならず、前記(C〜C)アルキル−基または(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルキル−基のアルキル部分はいずれも、2〜7個のフッ素原子で置換されていてもよく、前記アリール−(C〜C)アルキル−および前記ヘテロアリール−(C〜C)アルキル−のアルキル部分それぞれの炭素原子のうちの1個は、酸素、窒素、または硫黄原子に替えられていてもよく、前述のアリール基およびヘテロアリール基はそれぞれ、1〜7個のフッ素原子で置換されていてもよい(C〜C)アルキル、2〜7個のフッ素原子で置換されていてもよい(C〜C)アルコキシ、ハロ(たとえば、クロロ、フルオロ、ブロモ、またはヨード)、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ−、[(C〜C)アルキル]アミノ−、−CO10、−CONR1112、−SONR1314、−C(=O)R19、および−XC(=O)R19からそれぞれ独立に選択された1個または複数の置換基、好ましくは0〜2個の置換基で置換されていてもよく、
あるいはRおよびRは、これらの結合相手である炭素と一緒になって、飽和していても不飽和でもよい4〜7員単環式または10〜14員二環式の炭素環を形成しており、前記単環の非縮合炭素原子1〜3個、および式Iに示すベンゾ環の一部でない、前記二環の炭素原子1〜5個は、それぞれ独立に、窒素、酸素、または硫黄に替えられていてもよく、前記の単環および二環は、(C〜C)アルキル−もしくは(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルキル−(ここで、炭素原子の総数は6を超えず、アルキル部分はいずれも、1〜7個のフッ素原子で置換されていてもよい)、ニトロ、オキソ、シアノ、ハロ、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、ヒドロキシ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ−、[(C〜C)アルキル]アミノ−、−CO10、−CONR1112、−SONR1314、−C(=O)R19、および−XC(=O)R19からそれぞれ独立に選択された、単環では1個または複数の置換基、好ましくは0〜2個の置換基、二環では0〜3個の置換基で置換されていてもよく、
およびRは、H、(C〜C)アルキル、F、Cl、Ph、CHPh、(C〜C)アルコキシからそれぞれ独立に選択されるか、あるいはRおよびRは、これらの結合相手である炭素と一緒になって、3、4もしくは6員の飽和した環を形成しており、但し、RおよびRは、同時にHになることはできず、
、R、R、およびRは、H、Me、Et、Pr、Ph、およびCFからそれぞれ独立に選択され、
各R10、R11、R12、R13、R14、およびR19は、水素および(C〜C)アルキルからそれぞれ独立に選択されるか、あるいはR11およびR12、またはR13およびR14は、これらの結合相手である窒素と一緒になって、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、アゼチジン環、ピペラジン環、−N−(C〜C)アルキルピペラジン環、もしくはチオモルホリン環、または環上硫黄の代わりにスルホキシドもしくはスルホンを含むチオモルホリン環を形成しており、
各Xは、それぞれ独立に、(C〜C)アルキレンである]の化合物。
【請求項2】
およびRの定義の範囲内にある前記ヘテロアリールが、チエニル、オキサゾイル、イソキサゾリル、ピリジル、ピリミジル、チアゾリル、テトラゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、またはピロリルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
およびRの定義の範囲内にある前記ヘテロアリールが、以下のもの、すなわち
【化2】

[ここで、R15およびR24の一方は水素または(C〜C)アルキルであり、他方は式Iのベンゾ環との結合である]から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
およびRが、式Iのベンゾ環と一緒になって、次のもの、すなわち、
【化3】

[ここで、R16およびR23は、水素、(C〜C)アルキル;炭素原子の総数が6を超えず、アルキル部分のいずれもが、1〜7個のフッ素原子で置換されていてもよい(C〜C)アルコキシ−(C〜C)アルキル−;ニトロ、シアノ、ハロ、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ−、[(C〜C)アルキル]アミノ−、−CO10、−CONR1112、−SONR1314、−C(=O)R19、−XC(=O)R19、フェニル、および単環式ヘテロアリールからそれぞれ独立に選択され、前記ヘテロアリールは請求項1においてRおよびRを定義するように定義され、R10、R11、R12、R13、R14、R19は、請求項1で定義するとおりであり、mは、0、1、または2であり、環Aの炭素原子の1個は、酸素またはN(C〜C)アルキルで替えられていてよい]から選択される二環式または三環式の環系を形成している、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
ニコチンへの嗜癖を軽減し、またはタバコ使用の中止もしくは節制を助けるのに有効な量の請求項1に記載の化合物と薬学的に許容できる担体とを含む、哺乳動物においてニコチンへの嗜癖を軽減し、またはタバコ使用の中止もしくは節制を助ける際に使用するための医薬組成物。
【請求項6】
哺乳動物においてニコチンへの嗜癖を軽減し、タバコ使用の中止もしくは節制を助ける方法であって、前記哺乳動物に、ニコチンへの嗜癖を軽減し、またはタバコ使用の中止もしくは節制を助けるのに有効な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項7】
哺乳動物において炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、クローン病、過敏性腸症候群、痙性ジストニー、慢性痛、急性痛、腹腔スプルー、嚢炎、血管収縮、不安、パニック障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、高血圧、過食症、食欲不振症、肥満、心臓不整脈、胃酸分泌過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上麻痺、化学物質への依存および嗜癖、ニコチン(もしくはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩、オピオイド、もしくはコカインへの依存または嗜癖、頭痛、片頭痛、卒中、外傷性脳損傷(TBI)、強迫性障害(OCD)、精神病、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジ、運動亢進症、失読症、精神分裂病、多発梗塞性痴呆、年齢的な認知力の衰え、てんかん、小発作なしのてんかん、アルツハイマー型の老年痴呆(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、不穏下肢症候群(RLS)、軽度認知障害、精神分裂病における認知力の増強、薬物によって誘発された錐体外路症状、行動障害、反抗挑戦性障害、不安喫煙者の不安、妊娠中の心血管のリスク、遅延射精、嘔吐、生物戦争で被った損傷による症状、下痢、ニコチンガム嗜癖、眠気防止、虚血、およびトゥーレット症候群から選択される障害または状態を治療するための、このような障害または状態の治療に有効な量の請求項1に記載の化合物と薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物。
【請求項8】
哺乳動物において炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、クローン病、過敏性腸症候群、痙性ジストニー、慢性痛、急性痛、腹腔スプルー、嚢炎、血管収縮、不安、パニック障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、高血圧、過食症、食欲不振症、肥満、心臓不整脈、胃酸分泌過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上麻痺、化学物質への依存および嗜癖、ニコチン(もしくはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩、オピオイド、もしくはコカインへの依存または嗜癖、頭痛、片頭痛、卒中、外傷性脳損傷(TBI)、強迫性障害(OCD)、精神病、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、失読症、精神分裂病、多発梗塞性痴呆、年齢的な認知力の衰え、てんかん、小発作なしのてんかん、アルツハイマー型の老年痴呆(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、不穏下肢症候群(RLS)、軽度認知障害、精神分裂病における認知力の増強、薬物によって誘発された錐体外路症状、行動障害、反抗挑戦性障害、不安喫煙者の不安、妊娠中の心血管のリスク、遅延射精、嘔吐、生物戦争で被った損傷による症状、下痢、ニコチンガム嗜癖、眠気防止、虚血、およびトゥーレット症候群から選択される障害または状態の治療方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に、そのような障害または状態の治療に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項9】
次式
【化4】

[式中、RおよびRは、請求項1で定義するとおりであり、PはCOOR17(ここで、R17は、アリル、2,2,2−トリクロロエチル、または(C〜C)アルキルである);−C(=O)NR1011(ここで、R11およびR12は、請求項1で定義するとおりである);−C(=O)H;−C(=O)(C〜C)アルキルもしくは−C(=S)(C〜C)アルキル(ここで、アルキル部分は、1〜3個のハロ原子、好ましくは1〜3個のフルオロ原子またはクロロ原子で置換されていてもよい);ベンジル、またはt−ブトキシカルボニルである]の化合物。
【請求項10】
哺乳動物においてニコチンへの嗜癖を軽減し、またはタバコ使用の中止もしくは節制を助ける方法であって、前記哺乳動物に、ニコチンへの嗜癖を軽減し、またはタバコ使用の中止もしくは節制を助けるのに有効な量の次式
【化5】

[式中、Zは上で定義したとおりであり、R19は、水素または(C〜C)アルキルからなる群から選択される]の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法。
【請求項11】
哺乳動物において炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、クローン病、過敏性腸症候群、痙性ジストニー、慢性痛、急性痛、腹腔スプルー、嚢炎、血管収縮、不安、パニック障害、うつ病、双極性障害、自閉症、睡眠障害、時差ぼけ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知機能障害、高血圧、過食症、食欲不振症、肥満、心臓不整脈、胃酸分泌過多、潰瘍、褐色細胞腫、進行性核上麻痺、化学物質への依存および嗜癖、ニコチン(もしくはタバコ製品)、アルコール、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩、オピオイド、もしくはコカインへの依存または嗜癖、頭痛、片頭痛、卒中、外傷性脳損傷(TBI)、強迫性障害(OCD)、精神病、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動亢進症、失読症、精神分裂病、多発梗塞性痴呆、年齢的な認知力の衰え、てんかん、小発作なしのてんかん、アルツハイマー型の老年痴呆(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、不穏下肢症候群(RLS)、軽度認知障害、精神分裂病における認知力の増強、薬物によって誘発された錐体外路症状、行動障害、反抗挑戦性障害、不安喫煙者の不安、妊娠中の心血管のリスク、遅延射精、嘔吐、生物戦争で被った損傷による症状、下痢、ニコチンガム嗜癖、眠気防止、虚血、およびトゥーレット症候群から選択される障害または状態の治療方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に、そのような障害または状態の治療に有効な量の次式
【化6】

[式中、Zは上で定義したとおりであり、R19は、水素または(C〜C)アルキルからなる群から選択される]の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法。
【請求項12】
10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン;
4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン;
6−メチル−5−チア−7,13−ジアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,6,8−テトラエン;
5,14−ジアザテトラシクロ[10.3.2.02,11.04,9]ヘプタデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン;
6−メチル−5,14−ジアザテトラシクロ[10.3.2.02,11.04,9]ヘプタデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン;
4−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン;
4−クロロ−10−アザトリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン;
4−ブロモ−10−アザトリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン;
10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン−4−カルボニトリル;
1−(10−アザトリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イル)−1−エタノン;
4,5−ジニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン;
5,8,14−トリアザテトラシクロ[10.3.2.02,11.04,9]−ヘプタデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン;
5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン;
7−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン;
7−エチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン;
7−プロピル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン;
6−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン;
6,7−ジメチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン;
6−メチル−7−エチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン;
6−メチル−7−プロピル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン;
6−メチル−5−オキサ−7,13−ジアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]−ヘキサデカ−2(10),3,6,8−テトラエン;
12−exo−メチル−4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
12,12−ジメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;および
12,12−ジメチル−4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン;
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩。
【請求項13】
N−(10−トリフルオロアセチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イル)−アセトアミド;
2,2,2−トリフルオロ−N−(10−トリフルオロチオアセチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−4−イル)−チオアセトアミド;
1−(4−アミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロエタノン;
1−(6−メチル−5,14−ジアザテトラシクロ[10.3.2.02,11.04,9]ヘプタデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン;
1−(4−フルオロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン;
1−(4−クロロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン;
1−(4−アミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル}−2,2,2−トリフルオロ−エタノン;
4−ヨード−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−カルボン酸tert−ブチルエステル;
4−シアノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−カルボン酸tert−ブチルエステル;
1−(4−アセチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン;
1−(4,5−ジニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン;
1−(4,5−ジアミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン;
1−(5,8,14−トリアザテトラシクロ[10.3.2.02,11.04,9]ヘプタデカ−2(11),3,5,7,9−ペンタエン)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン;
1−(5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン;
5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸tert−ブチルエステル;
7−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸tert−ブチルエステル;
7−エチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸tert−ブチルエステル;
7−プロピル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸tert−ブチルエステル;
1−(6−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン;
6−メチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ(9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸tert−ブチルエステル;
6,7−ジメチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸tert−ブチルエステル;
6−メチル−7−エチル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸tert−ブチルエステル;
6−メチル−7−プロピル−5,7,13−トリアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,5,8−テトラエン−13−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2,2,2−トリフルオロ−1−(4−ヒドロキシ−5−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−エタノン;
2,2,2−トリフルオロ−1−(4−ヒドロキシ−5−アミノ−10−アザ−トリシクロ[6.3.2.02,7]トリデカ−2(7),3,5−トリエン−10−イル)−エタノン;
2,2,2−トリフルオロ−1−(6−メチル−5−オキサ−7,13−ジアザテトラシクロ[9.3.2.02,10.04,8]ヘキサデカ−2(10),3,6,8−テトラエン)−エタノン;
2,2,2−トリフルオロ−1−(12−exo−メチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−10−イル)−エタノン;
2,2,2−.トリフルオロ−1−(12−exo−メチル−4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−10−イル)−エタノン;
2,2,2−トリフルオロ−1−(12,12−ジメチル−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−10−イル)−エタノン;および
2,2,2−トリフルオロ−1−(12,12−ジメチル−4−ニトロ−10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2,4,6−トリエン−10−イル)−エタノン;
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物および薬学的に許容できるその塩。

【公表番号】特表2006−528170(P2006−528170A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520919(P2006−520919)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002280
【国際公開番号】WO2005/007630
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】