説明

アルコキシシラン末端基を有するプレポリマーを含有する発泡性混合物

本発明の対象は、(A)一般式[1]−A−(CH2x−SiR1a(OR23-a、〔式中、Aは、−O−、−S−、−(R3)N−、−NH−CO−O−、O−CO−NH、−NH−CO−N(R3)−、N(R3)−CO−NHから選択された2価の結合基、またはヘテロ環式基の一部である窒素原子を表わし、R1、R2およびR3、xおよびaは、請求項1記載の意味を有する〕で示される基を有するプレポリマー(A)および
(B)発泡剤(B)を含有する発泡性混合物(M)を、接着すべき表面上または接着すべき表面の間で発泡してフォーム(MS)に変えるか、或いは混合物(M)から形成可能なフォーム(MS)を発泡後に、接着すべき表面上または接着すべき表面の間にもたらし、引続き、フォーム(MS)を接着すべき表面の間で押しつぶすことにより、表面を接着する方法である。本発明のもう1つの対象は、全ての混合物(M)に対して(A)一般式[1]の基を有する前記プレポリマーおよび(B)発泡剤15質量%未満を含有する発泡性混合物(M)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコキシシラン官能性プレポリマーを含有する発泡性混合物からなるフォームで表面を接着する方法ならびに発泡性混合物に関する。
【0002】
反応性アルコキシシリル基を有するプレポリマー系は、久しく公知であり、工業分野および建築分野において弾性シーリング剤および接着剤の製造に多方面で使用されている。空気湿分および適当な触媒の存在下で、前記のアルコキシシラン末端基を有するプレポリマーは、既に室温で、アルコキシ基を開裂させ、そしてSi−O−Si結合を形成させて互いに縮合させる状態にある。従って、このプレポリマーは、とりわけ、一成分系として使用することができ、これは取扱が簡単であるという利点を有する。それというのも、第2の成分を計量供給および混入する必要がないからである。
【0003】
アルコキシシラン官能性プレポリマーのもう1つの利点は、硬化の際に酸もオキシムまたはアミンも遊離しないという事実である。更に、イソシアネートを基礎とする接着剤またはシール剤の場合とは異なり、ガス状CO2の発生によって建築部材の接着後に接着材料が事後になお膨脹するであろうというガス状CO2は、全く生じない。更に、アルコキシシラン官能性プレポリマー混合物は、イソシアネートを基礎とする系とは異なり毒物学的に懸念がない。
【0004】
特に好ましいタイプのアルコキシシラン官能性プレポリマーは、アルコキシシラン末端基を有するプレポリマーである。このアルコキシシラン官能性プレポリマーは、種々の単位から構成されていてよい。通常、このプレポリマーは、有機バックボーンを有し、即ちこの有機バックボーンは、例えば特に欧州特許第0372561号明細書、WO 00/37533または米国特許第6207766号明細書中に記載された、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルエステル、エチレン−オレフィンコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマーまたはポリオレフィンから形成されている。しかも、それと共に系の遙かに拡張されており、この系のバックボーンは、全部または一部分が特にWO 96/34030中に記載されたオルガノシロキサンからなる。
【0005】
アルコキシシラン末端基を有するプレポリマーのための特に好ましい製造法の場合には、ポリオール、例えばポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールから出発し、これらのポリオールは、第1の反応工程で過剰量のジイソシアネートまたはポリイソシアネートと反応される。引続き、この場合に得られたイソシアネート末端基を有するプレポリマーは、アミノアルキル官能性アルコキシシランと反応され、所望のアルコキシシラン末端基を有するプレポリマーに変換される。他の選択可能な方法によれば、アルコキシシラン末端基を有するプレポリマーは、ポリオール、または例えばポリオールを過剰量のジイソシアネートまたはポリイソシアネートと反応させることによって製造されうるOH官能性ポリウレタンをイソシアナトアルキル官能性アルコキシシランと反応させることにより、製造されてもよい。この製造法は、例えば欧州特許第1421129号明細書またはWO 2005/000931中に記載されている。他の製造法、例えばWO 02/34838中に記載された、アミノ官能性ポリオールとカルバマトアルキルアルコキシシランとの反応も考えられ得る。
【0006】
更に、ポリ(メタ)アクリレートバックボーンを有する、アルコキシシラン官能性プレポリマーも公知である。このアルコキシシラン官能性プレポリマーは、典型的には(メタ)アクリルオキシ−アルキル−アルコキシシランを別の(メタ)アクリルモノマーおよび/または他の不飽和モノマー構成単位、例えばスチレンと共重合させることによって形成される。
【0007】
その上、アルコキシシラン官能性プレポリマーは、不飽和アルコキシシラン、例えばビニルシランまたは(メタ)アクリルシランの事後のグラフトによって製造されてもよい。
【0008】
接着剤の使用と共に、シラン架橋性硬質フォームおよびシラン架橋性軟質フォーム、殊にイソシアネート不含の噴霧可能な取付け用フォームを製造するためのアルコキシシラン官能性プレポリマーの使用は、公知であり、例えば欧州特許第1098920号明細書B1または欧州特許第1363960号明細書B1中に記載されている。この噴霧フォームは、典型的には噴霧ノズルから適用され、なかんずく窓継目の密閉のために使用されるか、窓枠のための充填材料および固定材料としてしようされるか、または一般に建築物中の空隙の充填および密閉に使用される。この使用に相応して、できるだけ低いフォーム密度、即ちフォーム用量1回当たりのできるだけ大きい体積収量、ひいてはできるだけ大きな収量を示す。この場合、低いフォーム密度は、できるだけ大量の物理的発泡剤(即ち、フォーム用量において、噴霧工程でフォーム形成を促す、圧力下で液化されたガス)の添加によって達成される。
【0009】
従来の接着用途への使用のためには、この種の噴霧フォームは、不適当である。その理由は、なかんずく噴霧フォームの発泡後に最初に言うに値しない初期機構が使用され、それに応じて、接着すべき未完成製品を極めて長時間に亘って固定しなければならなかったからである。
【0010】
従って、本発明の課題は、公知技術水準の記載された欠点を克服することである。
【0011】
本発明の対象は、
(A)一般式[1]
−A−(CH2x−SiR1a(OR23-a [1]
〔式中、
Aは、−O−、−S−、−(R3)N−、−NH−CO−O−、O−CO−NH、−NH−CO−N(R3)−、N(R3)−CO−NHから選択された2価の結合基、またはヘテロ環式基の一部である窒素原子を表わし、
1は、ハロゲン置換されていてよい、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表わし、
2は、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基または全部で2〜10個の炭素原子を有するCO−オキサアルキル−アルキル基を表わし、
3は、水素原子、ハロゲン置換されていてよい、環式、直鎖状または分枝鎖状のC1〜C18−アルキル基またはアルケニル基、C6〜C18アリール基を表わし、
xは、1〜10の数を表わし、および
aは、0〜2の数を表わす]で示される基を有するプレポリマー(A)、および
(B)発泡剤(B)を含有する発泡性混合物(M)を、
接着すべき表面上または接着すべき表面の間で発泡してフォーム(MS)に変えるか、或いは混合物(M)から形成可能なフォーム(MS)を発泡後に、接着すべき表面上または接着すべき表面の間にもたらし、
引続き、フォーム(MS)を接着すべき表面の間で押しつぶすことにより、表面を接着する方法である。
【0012】
本方法の場合、接着すべき表面は、特に重なり合って押圧される。発泡性混合物(M)の施与は、特に圧力ノズルから行なわれ、この場合フォーム形成は、混合物(M)中に含有されている発泡剤によって行なわれる。
【0013】
接着すべき表面を押しつぶす場合には、フォーム(MS)のフォーム構造体は、特に少なくとも十分に破壊される。それに応じて、フォーム(MS)が接着すべき2つの平らの平行な平面の間で押しつぶされる場合には、このフォーム(MS)は、特にその体積の60%未満、特に有利にその体積の40%未満、殊に有利にその体積の20%未満が気泡からなる。
【0014】
1つの好ましい実施態様の場合、接着すべき少なくとも1つの表面は、フォーム(MS)の本発明による使用前に湿潤される。殊に有利には、接着すべき表面は、湿潤され、他方、フォーム(MS)は、それぞれ別の表面上に適用される。引続き、フォーム(MS)は、2つの表面の間で押しつぶされる。
【0015】
本発明は、意外なことに、フォーム(MS)が接着すべき表面上に塗布され、引続き前記表面の重なり合った堅固な押圧によって押しつぶされる場合に、フォーム(MS)が驚異的に高い初期強度を有することを見出したことを基礎とする。これは、原則的に公知技術水準に記載された噴霧可能な取付け用フォームとは区別され、この場合この取付け用フォームは、極めて低い密度を有するフォームとして僅かな初期機構だけを有する。これとは異なり、フォーム(MS)の初期接着力は、それぞれの表面上での十分な付着力を前提条件として、特に既に遅くとも10分後、有利に5分後、特に有利に既に2分後または1分後に、既に、接着継目が既に500N/m2、有利に少なくとも1000N/m2、特に少なくとも1500N/m2の持続する引張り応力(接着面に対して垂直方向の引張力)および/または剪断応力(接着面に対して平行方向の引張力)で負荷されていてよい大きさである。
【0016】
この場合、フォーム(MS)の高い初期強度は、当業者にも意外な現象に帰因する。即ち、フォーム(MS)の接着力は、常用のシラン架橋性接着剤とは異なり、化学的なシラン架橋によってのみ生じるのではない。その代わりに、本明細書中では、この化学的な硬化プロセスと共に、付加的になお顕著な物理的効果を示し、例えばこの物理的効果は、とにかく強度の形成が、添加された溶剤の蒸発によってのみ生じるような触圧接着剤からのみ公知であるフォーム(MS)の場合、この溶剤の機能は、発泡剤または発泡剤混合物によって肩代わりされる。しかし、極めてゆっくりと硬化する触圧接着剤の場合とは異なり、発泡剤は、ゆっくりと蒸発するのではなく、大部分が既に発泡性混合物(M)の発泡の際に急激に蒸発する。この場合、この発泡剤は、前記発泡性混合物をフォーム(MS)に発泡し、この場合このフォーム(MS)は、発泡剤の蒸発後に極めて高い粘度を意外なことに極めて流動性のままにし、したがって、フォーム(MS)は、接着すべき表面の重なり合った押圧によって問題なしに押しつぶされる。フォーム(MS)を押しつぶした場合には、接着すべき表面の間に均一で薄手の接着剤層が生じ、表面は、良好に湿潤され、したがって最適な接着効果が達成されうる。引続き、この接着効果は、進行する化学的な硬化反応によってさらに強化される。
【0017】
その上、過剰量のフォーム(MS)が接着すべき面を押しつぶす場合に接着継目から押圧される場合に、例えば生じるようなフォーム(MS)の望ましくない残基が比較的簡単に除去可能であるという事実は、もう1つの全く驚異的な効果である。周知のように、フォーム(MS)の表面湿潤および硬化は、フォーム構造が押しつぶされず、ひいては破壊されない個所で明らかに減少する。
【0018】
特に有利には、発泡性混合物(M)は、高反応性のプレポリマー(A)、例えばXが1である、一般式[1]のシラン官能基を有するプレポリマー、および/または適当な触媒を含有し、したがって発泡性接着剤は、20分未満、特に10分未満、特に有利に5分未満または2分未満の接着自由時間を有する。この場合には、もう1つの驚異的な効果を示す。即ち、この種の高反応性フォーム(MS)は、フォーム(MS)の完全な破裂または部分的な破裂と接着すべき材料片の繋ぎ合わせとの時間が接着自由時間の程度の大きさまたはむしろそれ以上である場合にもなお接着力を維持する。従来のシラン架橋性接着剤は、この時間間隔後に文字通り"接着自由(klebfrei)"になる。それに応じて、高反応性の常用の接着剤の加工は、困難であり、殆んど快適ではない。これとは異なり、高反応性のフォーム(MS)は、劇的に高められた加工時間を有する。
【0019】
明らかに、フォーム(MS)は、破裂されたフォーム(MS)が表面的に接着自由層を形成しているが、しかし、この接着自由層がフォーム(MS)の押しつぶし時に接着すべき材料片の間に弾けて裂け、それによってなお架橋されていないプレポリマー(A)が遊離し、および接着すべき表面と接触する場合にも、微細なフォーム構造に基づく移動度およびそれに関連した、加圧下での表面湿潤能力を維持する。
【0020】
フォーム(MS)の高い初期の接着力は、できるだけ高いフォーム密度によって促進される。
【0021】
従って、本発明のもう1つの対象は、全ての混合物(M)に対して、
(A)一般式[1]の基を有する前記プレポリマーおよび
(B)発泡剤15質量%未満を含有する発泡性混合物(M)である。
【0022】
好ましくは、発泡剤(B)の含量は、全ての混合物(M)に対して最大10質量%、特に有利に最大7質量%である。
【0023】
基R1としては、メチル基、エチル基またはフェニル基が好ましい。基R2は、有利にメチル基またはエチル基であり、基R3としては、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、シクロヘキシル基またはフェニル基が好ましい。Aは、式−NH−CO−O−、O−CO−NH、−NH−CO−N(R3)−またはN(R3)−CO−NHを表わす。aは、特に0または1を表わし、一方、xは、1または3が好ましい。
【0024】
特に有利には、xは、1の数を表わし、即ち、メチルスペーサーによって、少なくとも1個の遊離電子対を有するヘテロ原子と分離されているアルコキシシリル基が重要である。それによって、前記のプレポリマーは、(空気)湿分に対して極めて高い反応性を有し、したがってこのプレポリマーは、プレポリマー混合物に加工されることができ、このプレポリマー混合物は、僅かな重金属含有触媒で硬化するか、或いはむしろ、重金属含有触媒、殊に錫触媒なしに硬化する。その上、このプレポリマーから製造可能なフォーム(MS)は、既に室温で極めて高い速度で硬化し、したがってこのフォーム(MS)は、最も短い時間で高い接着力を発揮する。この種の材料で接着された材料片は、極めて短時間で、特に5分未満で固着されなければならない。
【0025】
アルコキシシラン末端基を有するプレポリマー(A)の主鎖は、分枝鎖状であってもよいし、非分枝鎖状であってもよく、この場合には、非分枝鎖状の主鎖または若干分枝化されただけの主鎖が好ましい。平均鎖長は、任意にそれぞれ望ましい性質に相応して架橋されていない混合物(M)ならびに硬化された材料に適合されてよい。プレポリマー(A)は、室温で特に液状または粘性であり、特に1〜1000Pas、有利に10〜700Pas、特に有利に50〜500Pasの粘度を有する。
【0026】
プレポリマー(A)は、特にシラン(S)、ポリオール(P)ならびに場合によってはジイソシアネートまたはポリイソシアネート(I)から形成されている。
【0027】
この場合、シラン(S)としては、特に一般式[2]および[3]
OCN−(CH2X−SiR1a(OR23-a [2]
Z−(CH2X−SiR1a(OR23-a [3]
〔式中、
Zは、OH基、SH基またはNHR3基を表わし、その他の変数は、上記の意味を有する〕で示される化合物が使用される。
【0028】
一般式[2]のシラン(S)を使用する場合、このシランは、有利にポリオール(P)と反応されるか、或いはポリオール(P)とポリイソシアネートまたはジイソシアネート(I)とからのイソシアネート反応性反応混合物と反応される。最後の場合、反応工程の順序は、任意であり、即ち、式(2)に対応するシラン(S)とポリオール(P)との反応は、ポリオール(P)とイソシアネート(I)との反応前、反応後またはポリオール(P)とイソシアネート(I)との反応と同時に行なうことができる。
【0029】
一般式[3]のシラン(S)を使用する場合には、このシラン(S)は、NCO末端基を有するプレポリマーと反応され、例えばこのプレポリマーは、特にポリオール(P)とイソシアネート(I)との反応によって得られる。この場合も、プレポリマー(A)を製造するための個々の反応工程の順序は、勿論、任意である。原理的には、例えば管状反応器中での連続的なプレポリマー製造も考えられる。プレポリマー(A)の別個の精製または他の後処理は、一般的に必要ではない。
【0030】
プレポリマー(A)を製造するためのポリオール(PP)としては、原理的に少なくとも1個、有利に少なくとも2個のヒドロキシル基および200〜30000の平均分子量Mnを有する全てのポリオール(PP)を使用することができる。このポリオールは、例えばヒドロキシル官能性のポリエーテル、ポリエステル、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリビニルエステル、水酸化ポリビニルまたはポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリブタジエン、エチレン−オレフィンコポリマーまたはスチレン−ブタジエンコポリマーであってよい。好ましくは、400〜25000、特に好ましくは、1000〜20000の平均分子量Mnを有するポリオール(PP)が使用される。特に好適なポリオール(PP)は、多くの文献に記載されているような芳香族および/または脂肪族のポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールである。この場合、ポリオール(PP)として使用されるポリエーテルおよび/またはポリエステルは、直鎖状でも分枝鎖状であってもよいが、その際、分枝化されていない直鎖状ポリオールが好ましい。その上、ポリオール(PP)は、置換基、例えばハロゲン原子を有してもよい。勿論、種々のポリオール型の任意の混合物を使用することもできる。しかし、特に好ましくは、2個のヒドロキシル基を有する直鎖状ポリエーテルポリオールがポリオール(PP)として使用され、この場合には、特にポリプロピレングリコールが特に高い適性を示す。
【0031】
しかし、さらに少なくとも1個、有利に少なくとも2個またはそれ以上のOH官能基を有する全てのモノマーのアルコール(PM)ならびにヒドロキシアルキル末端基またはアミノアルキル末端基を有するポリシロキサン(PS)もポリオール(P)として使用されてもよい。勿論、同様にポリマーのポリオール(PP)、モノマーのアルコール(PM)ならびにポリシロキサン(PS)からなる全ての混合物がポリオール成分(P)として使用されてもよい。
【0032】
少なくとも2個のOH官能基を有するモノマーのアルコール(PM)の例は、化合物、例えばエチレングリコール、グリセリン、種々のプロパンジオール異性体、ブタンジオール異性体、ペンタンジオール異性体またはヘキサンジオール異性体、種々のペントースおよびヘキソースならびにこれらの誘導体またはペンタエリトロテトラオールを挙げることができる。ヒドロキシアルキル末端基またはアミノアルキル末端基を有するポリシロキサン(PS)として、有利に一般式[4]
Z−R5−[Si(R42−O−]n−Si(R42−R5−Z [4]
〔式中、
4は、1〜12個の炭素原子を有する炭化水素基、有利にメチル基を表わし、
5は、1〜12個の炭素原子を有する分枝鎖状または非分枝鎖状の炭化水素基、有利にプロピレン鎖を表わし、
nは、1〜2000の数、有利に5〜100の数を表わし、および
Zは、前記の意味を有する〕で示される化合物が使用される。
【0033】
イソシアネート官能性プレポリマー(A)の製造のためのジイソシアネートまたはポリイソシアネート(I)としては、原理的に、多くの文献に記載されているような常用の全てのイソシアネートを使用することができる。常用のジイソシアネートは、例えばジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)であり、これは粗製MDIまたは工業用MDIの形ならびに純粋な4,4’−異性体もしくは2,4’−異性体またはこれらの混合物の形の双方であり、種々の位置異性体の形のトリレンジイソシアネート(TDI)、ジイソシアナトナフタリン(NDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、過水素化MDI(H−MDI)または更にはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)である。ポリイソシアネートの例は、ポリマーのMDI(P−MDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートであるか、或いは上記のモノマーのジイソシアネートのイソシアヌレートトリマーまたはビウレットトリマーである。全てのジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートは、個々にかまたは混合物で使用することができる。しかしながら、好ましくは、もっぱらジイソシアネートを使用する。プレポリマー(A)またはこれらのプレポリマーから製造された硬化材料のUV安定性が、それぞれの適用のために重要である場合には、脂肪族イソシアネートを成分(I)として使用することが好ましい。
【0034】
本発明の好ましい実施態様において、イソシアネート成分(I)として芳香族イソシアネートが使用され、シラン成分(S)としてxが1である式[3]の化合物が使用される。この場合、殊に有利には、Zは、NHR3基を表わす。この場合得られたプレポリマー(A)は、驚異的なことになおいっそう高い反応性を示し、いずれにせよ、xが1である式[1]のシラン官能基を有する既に高反応性の別のプレポリマー(A)と比較される。即ち、この特に極端に高反応性のプレポリマーそれ自体は、別個の触媒の添加なしに一般に10分未満、典型的には5分未満の接着自由時間を有する。
【0035】
プレポリマー(A)の製造は、記載された成分を1回で合することにより行なわれ、その際、場合により、更に触媒を添加し、および/または、高められた温度で作業することができる。
【0036】
この場合、全ての反応工程中に関与する全てのイソシアネート基および全てのイソシアネート反応基の濃度ならびに反応条件は、プレポリマー合成の経過中に全てのイソシアネートが反応するように選択することが好ましい。それによって、完成したプレポリマー(A)は、好ましくはイソシアネート不含である。更に、濃度の割合ならびに反応工程の順序および反応条件は、有利にプレポリマー(A)の殆んど全部の鎖端部(有利に鎖端部の80%超、特に有利に鎖端部の90%超)が一般式[1]のアルコキシシリル基を末端基として有している。
【0037】
プレポリマー(A)の製造の際に生じる、イソシアネート基とイソシアネート反応基との反応は、場合により、触媒(K)により促進されてよい。この目的のために、通常使用される有機錫化合物、例えばジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトネート、ジブチル錫ジアセテートまたはジブチル錫ジオクトエート等が使用されてよい。更に、ビスマス触媒、例えばBorchi触媒、チタネート、例えばチタン(IV)イソプロピレート、鉄(III)化合物、例えば鉄(III)アセチルアセトネート、またはアミン、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネ−5−エン、N,N−ビス−(N,N−ジメチル−2−アミノエチル)−メチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルフェニルアミン、N−エチルモルホリン等が使用されてもよい。有機または無機ブレンステッド酸、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸または塩化ベンゾイル、塩酸、燐酸、これらのモノエステルおよび/またはジエステル、例えばブチルホスフェート、(イソ)プロピルホスフェート、ジブチルホスフェート等も、触媒(C)として適している。勿論、複数の触媒の組合せを使用してもよい。
【0038】
アルコキシシラン官能性プレポリマー(A)を製造するためのもう1つの方法は、少なくとも1個の不飽和基を有するシラン、例えばビニルシランまたは(メタ)アクリルオキシアルキルシランと別の(メタ)アクリルモノマーおよび/または他の不飽和モノマー構成単位、例えばスチレンとの共重合である。その上、プレポリマー(A)は、不飽和アルコキシシラン、例えばビニルオキシアルキルシランまたは(メタ)アクリルオキシアルキルシランの事後のグラフトによって製造されてもよい。共重合ならびにグラフトに相応する方法は、公知であり、当該刊行物中にしばしば記載されている。
【0039】
発泡剤(B)としては、噴霧可能な取付け用フォーム(Montageschaeume)の製造に使用されるのと同一の、既に比較的僅かな圧力で凝縮可能なガスが適している。常用の発泡剤は、例えばそれぞれ1〜5個、殊に3〜5個の炭素原子を有する炭化水素、殊にプロパン−ブタン混合物またはイソブタン、1〜5個の炭素原子を有するフルオロ炭化水素、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1−ジフルオロエタン、またはジメチルエーテルならびに相応する混合物である。発泡剤の含量は、全ての混合物(M)に対して特に10質量%未満、特に有利に7質量%未満または5質量%未満である。
【0040】
他の成分(C)としては、混合物(M)、特に他のシラン(SI)、充填剤(F)、溶剤(L)、発泡安定剤(Stab)ならびにフォーム(MS)の硬化を促進させるための触媒(KI)を含有することができる。
【0041】
この場合、他のシラン(SI)としては、原理的に全てのシランを使用することができるが、しかし、この場合には、加水分解可能なアルコキシ基を有するシランが好ましい。本発明の特に好ましい実施態様において、シラン(SI)または少なくともシラン(SI)含分は、プレポリマーの製造で使用されるシラン(S)と同一である。この場合、シラン(S)は、好ましくは既にプレポリマー(A)の合成中に過剰量で使用される。殊に、xが1である式[1]に対応するシラン官能基を有するプレポリマー(A)を製造する際の、前記記載に関連した利点を含む前記方法は、WO 2005/003201中に記載されている。
【0042】
シラン(SI)は、多数の官能基を有することができる。即ち、このシラン(SI)は、例えば水捕捉剤(Wasserfaenger)として使用することができ、即ち、この水捕捉剤は、場合により存在する湿分痕跡を捕捉し、ひいては相応のシラン架橋性材料の貯蔵安定性を高めることができる。勿論、この水捕捉剤は、プレポリマー(A)と比べて湿分痕跡に対する少なくとも比較可能な高い反応性を有しなければならない。従って、特にxが1である式[3]に対応する高反応性アルコキシシランは、水捕捉剤として適している。特に好ましい水捕捉剤は、カルバマトメチルトリアルコキシシランならびにカルバマトメチルメチルジアルコキシシランであり、この場合このシラン型のメトキシ誘導体およびエトキシ誘導体は、特に好ましい。
【0043】
更に、低分子量のアルコキシシラン(SI)は、架橋剤および/または反応性希釈剤であってもよい。この場合において、アルコキシシラン(SI)は、網目密度の増大に貢献するものであってもよく、ひいては、機械的性質、例えば硬化材料の引裂き強さの改善に貢献するものであってもよい。その上、前記アルコキシシランは、相応のプレポリマー混合物の粘度を低下させることもできる。この機能は、原理的に全てのアルコキシシランによって引き受けることができる。従って、安価なシラン、例えば安価なアルキルトリメトキシシラン、例えばメチルトリメトキシシランならびにビニルトリメトキシシランまたはフェニルトリメトキシシラン、ならびにこれらの部分水解物は、特に好適である。
【0044】
その上、低分子量のアルコキシシラン(SI)は、付着助剤の機能を有することもできる。ここではとりわけ、アミノ官能基または又はエポキシ官能基を有するアルコキシシランを使用することができる。例としては、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、γ−[N−アミノエチルアミノ]−プロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリアルコキシシランならびにZが窒素含有基を表わす式[3]の対応する全てのシランが挙げられる。もう1つの好ましいシラン型は、一般式[5]
Y−CO−NR3−(CH2)X−SiR1a(OR23-a [3]
〔式中、Yは、OR3−、NHR3−またはN(R32−基を表わし、全ての別の変数は、上記の意味を有する〕で示されるシランである。
【0045】
最後に、低分子アルコキシシラン(SI)は、むしろ硬化触媒または硬化助触媒として使用することができる。この目的のために、なかんずくZがNH2−、NHR3−、N(R32−基である限り、全ての塩基性アミノシラン、例えば一般式[3]の全てのシランが適している。
【0046】
アルコキシシラン(SI)は、プレポリマー(A)にそれぞれの任意の時点で添加してよい。前記のアルコキシシランがNCO反応基を有しない場合には、前記のアルコキシシランは、むしろ既にプレポリマー(A)の合成の間に添加されていてよい。この場合、プレポリマー(A)100質量部に対して、100質量部までの、好ましくは1〜60質量部の低分子量アルコキシシラン(SI)が添加されてよい。
【0047】
混合物(M)は、シラン(SI)と共に他の成分としてしばしば充填剤(F)を添加して含有する。この場合、充填剤(F)は、生じる混合物(M)の性質に顕著な改善をもたらす。とりわけ、適当な充填剤の使用によって引裂き強さならびに破断時の伸びが著しく上昇されうる。常用の充填剤(F)は、例えば炭酸カルシウム、熱分解法珪酸およびカーボンブラックである。また、異なる充填剤(F)は、しばしば組み合わせて使用される。この場合、充填剤(E)としては、技術水準においてしばしば記載されている全ての材料が適している。充填剤(F)は、有利に完成した混合物(M)に対して0〜90質量%の濃度で使用され、その際、5〜70質量%の濃度が特に好ましい。
【0048】
その上、混合物(M)は、なおも有機溶剤(L)を全ての混合物(M)に対して有利に10質量%未満の微少量で含有することができ、この場合には、5質量%未満の量が特に好ましい。この場合、この溶剤は、架橋されていない混合物(M)の粘度を低下させるのに使用される。溶剤(F)としては、原理的に全ての溶剤ならびに溶剤混合物がこれに該当する。溶剤(F)としては、好ましくは双極子モーメントを有する化合物が使用される。特に好ましい溶剤は、水素橋結合が生じうる自由電子対を有するヘテロ原子を有する。このような溶剤の好ましい例は、エーテル、例えばt−ブチルメチルエーテル、エステル、例えばエチルアセテートまたはブチルアセテート、ならびにアルコール、例えばメタノール、エタノール、ならびにプロパノールおよびブタノールの種々の位置異性体である。
【0049】
室温でフォーム(MS)の急速な硬化を達成するために、場合により硬化触媒(KI)は、添加されてよい。この場合には、原理的に、既にプレポリマー(A)の製造の際に触媒(K)として記載されたのと同一の化合物が適している。本発明の好ましい実施態様において、プレポリマーの製造の際に使用される触媒(K)は、同時に硬化触媒(KI)としても使用される。発泡安定剤(Stab)としては、従来の取付け用フォームの製造にも使用されるのと同一の化合物が使用されてよい。この発泡安定剤は、商業的に広い選択で得ることができ、しばしば刊行物中に記載されている。
【0050】
更に、混合物(M)は、自体公知の助剤、例えば成分(SI)とは異なる水捕捉剤、付着助剤および/または反応性希釈剤ならびに可塑剤(例えば、フタレート、ベンゾエート、ホスフェート可塑剤)、チキソトロピー剤、殺真菌剤、防炎剤、顔料等を含有することができる。光保護剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤ならびに他の安定剤が混合物(M)に添加されてもよい。それぞれ望ましい特性プロフィールを形成させるためには、架橋されていない混合物(M)ならびに硬化された材料に、この種の添加剤は一般に不用である。
【0051】
混合物(M)には、接着剤、シール剤および継目シール剤の範囲内で無数の種々の用途が存在する。この場合、前記混合物は、無数の異なる下地、例えば鉱物質の下地、金属、プラスチック、ガラス、セラミック等に適している。原理的にフォーム(MS)は、それぞれの対象の接着に適している。しかし、なかんずく前記フォーム(MS)は、接着すべき平面が平坦でない場合に特に好適である。これは、例えば破片状に裂けることまたは材料が歪むことにより、もはや正確には重なり合って適合しない破断個所を接着する場合、または幅木、被覆材(Deckenleisten)または他の装飾材を平坦でない壁面上に接着する場合である。この場合、フォーム(MS)は、空隙を良好に充填しうるという利点を有する。
【0052】
混合物(M)は、特に発泡性接着剤として、特に有利に空気湿分および/または水との接触の際に硬化する1成分系の発泡性接着剤として使用される。
【0053】
前記式の全ての前記の記号は、それらの意味を、それぞれ互いに無関係に有する。全ての式中で珪素原子は、四価である。
【0054】
別記しない限りは、次の実施例中、全ての量および百分率の記載は、質量によるものであって、全ての圧力は0.10MPa(絶対圧)であり、かつ全ての温度は20℃である。
【0055】
プレポリマー(A)の反応性に対する基準として、種々に接着自由時間が記載されている。この接着自由時間については、プレポリマーの空気中への破裂後、ポリマー表面と鉛筆とが接触した後にポリマー材料が該表面に付着しないままでなお糸も形成しない場合に、ポリマー表面が硬化されるまでに経過する時間間隔であると理解すべきである。
【実施例】
【0056】
実施例1:
プレポリマー(A)の製造:
撹拌機能、冷却および加熱機能を備えた1 lの反応容器中に、8000g/molの平均分子量Mnを有するポリプロピレングリコール600g(75mmol)(Bayer社のAcclaim(登録商標)8200)を装入し、そして80℃で60分間、真空下で脱水する。引続き、アルゴンを通気し、ヒーターを取り除き、保護ガス下で強力に攪拌しながらモノマーの4,4′−MDI37.5g(150mmol)およびBorchi触媒0.035gを添加する。その後に、80℃で120分間、攪拌する。その後に、得られたNCO末端基を有するポリウレタンプレポリマーを60℃に冷却し、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシムシラン65.87g(240mmol)(Wacker社のGENIOSIL(登録商標)XL 926)を添加し、60℃で60分間、攪拌する。生じるプレポリマー混合物中には、IR分光法により、もはやイソシアネート基は検出されない。弱く混濁したプレポリマーが得られ、このプレポリマーは、20℃で298Pasの粘度で問題なしに後加工することができる。
【0057】
実施例2:
本発明による混合物(M)の製造:
約100mlの充填容量を有する従来の圧力ノズル中に、実施例1により製造されたプレポリマー60gおよび発泡安定剤Tegostab(登録商標)B8443 1.44g(Goldschmidt社の製品)を計量供給する。引続き、従来の噴霧可能な取付け用フォームのための圧力ノズルの場合にも使用されるような従来の弁を備えたノズルを閉鎖する。プロパン/ブタン3mlおよびジメチルエーテル3mlを発泡剤として添加する。引続き、このノズルを良好に振盪する。このノズルを特に倒置して貯蔵する。
【0058】
例3:
本発明による混合物(K)の適用:
実施例2により製造された発泡性混合物(M)を、3×9cmの大きさの接着面を有する木材からなる2つの試験体上に噴霧する。引続き、これらの試験体の中、一方を掃除され従来の壁用塗料で塗布された表面上で接着し、他方を木材表面上で接着する。これらの接着面をそれぞれ数秒間、堅固に互いに押圧する。約1分後、さらに2回、数秒間、後方から押圧する。
【0059】
2分後、接着面を5Nの引張り応力で持続的に負荷するが、接着結合は、失われることはない。
【0060】
試験を正確に繰り返すが、接着面を今回は3分後に5Nの剪断応力で持続的に負荷する。この場合、接着された面の間で確認できるずれは、全く生じない。
【0061】
実施例4:
プレポリマー(A)の製造:
撹拌機能、冷却および加熱機能を備えた2 lの反応容器中に、モノマーのTDI 487.8g(2.8mol)(2,4−TDIと2,6−TDIとの80/20混合物)を装入し、そして80℃に昇温させる。引続き、保護ガス下で強力に攪拌しながら燐酸1gおよび425g/molの平均分子量を有するポリプロピレングリコール595.0g(1.4mol)を約45分間で添加し、この場合この混合物は、氷浴中での冷却にも拘わらず約20℃だけ昇温する。80℃で60分間、後攪拌する。得られたNCO末端基を有するポリウレタンプレポリマーを70℃に冷却し、Jeffcat(登録商標)DMDLS 1.8g(Huntsman社の製品)およびビニルトリメトキシシラン90.0g(Wacker社のGENIOSIL(登録商標)XL 10)を添加する。引続き、90分間で冷却下にN−フェニルアミノメチルメチルジメトキシムシラン562.1g(2.66mol)(Wacker社のGENIOSIL(登録商標)XL 972)を添加し、この場合温度は、75℃未満に留める。70℃で60分間、後攪拌する。生じるプレポリマー混合物中には、IR分光法により、もはやイソシアネート基は検出されない。明澄なプレポリマーが得られ、このプレポリマーは、20℃で512Pasの粘度で問題なしに後加工することができる。
【0062】
実施例5:
本発明による混合物(M)の製造:
約100mlの充填容量を有する従来の圧力ノズル中に、実施例4により製造されたプレポリマー50g、発泡安定剤Tegostab(登録商標)B8443 1.2g(Goldschmidt社の製品)およびブチルホスフェート0.3gを計量供給する。引続き、従来の噴霧可能な取付け用フォームのための圧力ノズルの場合にも使用されるような従来の弁を備えたノズルを閉鎖する。プロパン/ブタン2mlおよびジメチルエーテル2mlを発泡剤として添加する。
【0063】
引続き、このノズルを良好に振盪する。このノズルを特に倒置して貯蔵する。
【0064】
実施例6:
本発明による混合物(M)の適用:
実施例5により発泡性混合物(M)を、3×9cmの大きさの接着面を有する木材からなる2つの試験体上に噴霧する。引続き、これらの試験体の中、一方を掃除され従来の壁用塗料で塗布された表面上で接着し、他方を木材表面上で接着する。これらの接着面をそれぞれ数秒間、堅固に互いに押圧する。約1分後、さらに2回、数秒間、後方から押圧する。
【0065】
2分後、接着面を5Nの引張り応力で持続的に負荷するが、接着結合は、失われることはない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)一般式[1]
−A−(CH2x−SiR1a(OR23-a [1]
〔式中、Aは、−O−、−S−、−(R3)N−、−NH−CO−O−、O−CO−NH、−NH−CO−N(R3)−、N(R3)−CO−NHから選択された2価の結合基、またはヘテロ環式基の一部である窒素原子を表わし、
1は、ハロゲン置換されていてよい、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表わし、
2は、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基または全部で2〜10個の炭素原子を有するCO−オキサアルキル−アルキル基を表わし、
3は、水素原子、ハロゲン置換されていてよい、環式、直鎖状または分枝鎖状のC1〜C18−アルキル基またはアルケニル基、C6〜C18アリール基を表わし、
xは、1〜10の数を表わし、および
aは、0〜2の数を表わす]で示される基を有するプレポリマー(A)、および
(B)発泡剤(B)を含有する発泡性混合物(M)を、
接着すべき表面上または接着すべき表面の間で発泡してフォーム(MS)に変えるか、或いは混合物(M)から形成可能なフォーム(MS)を発泡後に、接着すべき表面上または接着すべき表面の間にもたらし、
引続き、フォーム(MS)を接着すべき表面の間で押しつぶすことにより、表面を接着する方法。
【請求項2】
フォーム(MS)が接着すべき2つの平らの平行な平面の間で押しつぶされる場合には、このフォーム(MS)は、その体積の60%未満が気泡からなる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
発泡性混合物(M)において、全ての混合物(M)に対して、
(A)一般式[1]
−A−(CH2x−SiR1a(OR23-a [1]
〔式中、
Aは、−O−、−S−、−(R3)N−、−NH−CO−O−、O−CO−NH、−NH−CO−N(R3)−、N(R3)−CO−NHから選択された2価の結合基、またはヘテロ環式基の一部である窒素原子を表わし、
1は、ハロゲン置換されていてよい、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表わし、
2は、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基または全部で2〜10個の炭素原子を有するCO−オキサアルキル−アルキル基を表わし、
3は、水素原子、ハロゲン置換されていてよい、環式、直鎖状または分枝鎖状のC1〜C18−アルキル基またはアルケニル基、C6〜C18アリール基を表わし、
xは、1〜10の数を表わし、および
aは、0〜2の数を表わす]で示される基を有するプレポリマー(A)、および
(B)発泡剤(B)15質量%未満を含有する、発泡性混合物(M)。
【請求項4】
xが1の数を表わす、請求項1または2記載の方法および請求項3記載の発泡性混合物(M)。
【請求項5】
発泡性混合物(M)が、他のシラン(SI)、充填剤(F)、溶剤(L)、発泡安定剤(Stab)ならびにフォーム(MS)の硬化を促進させるための触媒(KI)から選択された他の成分(C)を含有する、請求項1または2記載の方法および請求項3記載の発泡性混合物(M)。
【請求項6】
充填剤(F)は、炭酸カルシウム、熱分解法珪酸およびカーボンブラックから選択される、請求項1または2記載の方法および請求項3記載の発泡性混合物(M)。

【公表番号】特表2010−510340(P2010−510340A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536718(P2009−536718)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062261
【国際公開番号】WO2008/058955
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】